生命科学関連特許情報

タイトル:公表特許公報(A)_RNAiを使用した害虫の抑制方法
出願番号:2008530663
年次:2009
IPC分類:C12N 15/09,C12N 5/10,A01H 5/00,C12P 19/34,A01M 29/00


特許情報キャッシュ

ラマカース,ロマーン フェルドマン,パスカル プラエティンク,ヘールト ノーレン,アイリーン ヴァン ブルー,エルス ペクール,フレデリック JP 2009508481 公表特許公報(A) 20090305 2008530663 20060918 RNAiを使用した害虫の抑制方法 デブジェン エヌブイ 507180434 庄司 隆 100088904 資延 由利子 100124453 大杉 卓也 100135208 曽我 亜紀 100152319 ラマカース,ロマーン フェルドマン,パスカル プラエティンク,ヘールト ノーレン,アイリーン ヴァン ブルー,エルス ペクール,フレデリック US 60/718,034 20050916 US 60/758,191 20060112 US 60/771,160 20060207 US 60/837,910 20060816 IB PCT/IB2006/003351 20060915 C12N 15/09 20060101AFI20090206BHJP C12N 5/10 20060101ALI20090206BHJP A01H 5/00 20060101ALI20090206BHJP C12P 19/34 20060101ALI20090206BHJP A01M 29/00 20060101ALI20090206BHJP JPC12N15/00 AC12N5/00 CA01H5/00 AC12P19/34 AA01M29/00 R AP(BW,GH,GM,KE,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,NL,PL,PT,RO,SE,SI,SK,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,LY,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PG,PH,PL,PT,RO,RS,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,SV,SY,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,ZA,ZM,ZW IB2006004003 20060918 WO2007074405 20070705 348 20080508 2B030 2B121 4B024 4B064 4B065 2B030AA02 2B030AD04 2B030CA14 2B030CB02 2B121AA11 2B121CB70 2B121CC02 2B121CC21 2B121CC39 2B121FA13 4B024AA07 4B024CA04 4B024CA11 4B024DA01 4B024DA06 4B024EA04 4B024GA11 4B024HA20 4B064AF27 4B064CA11 4B064CA19 4B064CC24 4B064DA12 4B065AA26X 4B065AA89X 4B065AB01 4B065AC20 4B065BA02 4B065CA48 技術分野 本発明は、全般的には害虫侵入の遺伝子制御に関する。より具体的には、本発明は、害虫標的コード配列の発現を抑制する、もしくは阻害するための二本鎖RNA組み換え技術に関連するものである。 序論 環境には害虫が溢れており、植物への害虫侵入を抑制するための多くの方法が試みられてきた。極微の害虫侵入を抑制するための組成物が、抗生物質、抗ウイルス薬、抗真菌組成物という形で提供されてきた。線虫などのより大きな害虫の侵入に対する抑制方法は、一般に、害虫が存在する表面に塗布する化学成分の形であるか、またはペレット剤、粉末剤、錠剤、ペースト剤、カプセル剤という形で感染動物に投与されてきた。 商品作物が昆虫の攻撃目標となることが多い。過去数十年間で、植物での昆虫侵入を抑制するためのより効率的な方法および組成物の開発が大幅に進展した。害虫の侵入の根絶において化学殺虫剤は非常に有効である。しかし、化学殺虫剤の使用には不都合な点がいくつかある。化学殺虫剤は環境に有害となり得るだけでなく、非選択的であるため、標的以外の動植物に害を与える可能性がある。化学殺虫剤は環境中に残留して、一般に、たとえあったとしても代謝に時間を要する。化学殺虫剤は、食物連鎖において、特により高位の肉食動物種に蓄積する。これらの化学殺虫剤の蓄積は薬剤に対する耐性発現を招き、進化のはしごを上った種においては、化学殺虫剤は、突然変異原および/または発がん性物質として作用し、不可逆的かつ有害な遺伝子改変の原因となりうる。 化学殺虫剤に関連する危険性のために、植物への害虫の侵入を抑制するための分子的アプローチが開発されてきた。例えば、桿菌属細菌(B.t.)は市販されており、30年以上にわたり環境上安全で、許容できる殺虫性細菌として使用されてきた。化学農薬の使用の減少に伴い、土壌や、土壌から周囲の流水、川、池、湖に流れ込む水の汚染が減少している。これらの環境上の利点に加えて、化学農薬の使用量の減少に伴いトランスジェニック昆虫耐性農作物が栽培される作物畑において益虫が顕著に増加した。 RNA干渉法(RNAi)により、標的選択におけるその特異性、および標的mRNA抑制が非常に効率的であるために、遺伝子発現を抑制するための強力となりうるツールが提供される。RNAiは、低分子干渉RNA(siRNAs)を介した、配列特異的な転写後遺伝子サイレンシングの工程を意味する(Zamore、Pら、Cell 101:25-33 (2000)(非特許文献1); Fire、Aら、Nature 391:806 (1998)(非特許文献2); Hamiltonら、Science 286、950-951 (1999)(非特許文献3); Linら、Nature 402:128-129 (1999)(非特許文献4))。RNAiの基本メカニズムは完全には特性付けされていないが、細胞内にdsRNAが存在することにより、リボヌクレアーゼ3酵素であるDicerの活性化によって、RNAiが誘発されると考えられる(Zamore、Pら、(2000)(非特許文献1); Hammondら、Nature 404、293 (2000)(非特許文献5))。DicerはdsRNAを処理して、低分子干渉RNAと呼ばれる短い小片(siRNAs)にし、これらは約21〜23個のヌクレオチド長であり、約19塩基対の二本鎖から成る(Zamore ら、(2000)(非特許文献1); Elbashir ら、Genes Dev., 15, 188 (2001)(非特許文献6))。細胞内への送達後、siRNA分子はエンドヌクレアーゼ複合体(通称、RNA誘発性サイレンシング複合体(RISC))に結合して、これによってsiRNAのアンチセンス鎖と細胞のmRNA遺伝子標的とが引き寄せられる。RISCによってmRNAは切断されて、mRNAはその後、放出され、分解される。重要なことは、その後、RISCが更に別の標的mRNAを分解できる点である。Zamore、Pら、Cell 101:25-33 (2000)Fire、Aら、Nature 391:806 (1998)Hamiltonら、Science 286、950-951 (1999)Linら、Nature 402:128-129 (1999)Hammondら、Nature 404、293 (2000)Elbashir ら、Genes Dev., 15, 188 (2001) したがって、本発明は、特定の害虫内での遺伝子発現を抑制、遅延、低減することにより、害虫の侵入を抑制する方法および抑制用の組成物を提供する。 発明の要約 一態様では、本発明は、以下の配列番号で示される核酸配列を含む、単離ポリヌクレオチド配列を提供する:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、49〜158、159、160、163、168、173、178、183、188、193、198、203、208、215、220、225、230、240〜247、249、251、253、255、257、259、275〜472、473、478、483、488、493、498、503、513、515、517、519、521、533‐575、576、581、586、591、596、601、603、605、607、609、621〜767、768、773、778、783、788、793、795、797、799、801、813〜862、863、868、873、878、883、888、890、892、894、896、908〜1040、1041、1046、1051、1056、1061、1066〜1071、1073、1075、1077、1079、1081、1083、1085、1087、1089、1091、1093、1095、1097、1099、1101、1103、1105、1107、1109、1111、1113、1161〜1571、1572、1577、1582、1587、1592、1597、1602、1607、1612、1617、1622、1627、1632、1637、1642、1647、1652、1657、1662、1667、1672、1677、1682、1684、1686、1688、1690、1692、1694、1696、1698、1700、1702、1704、1730〜2039、2040、2045、2050、2055、2060、2065、2070、2075、2080、2085、2090、2095、2100、2102、2104、2106、2108、2120〜2338、2339、2344、2349、2354、2359、2364、2366、2368、2370、2372、2384〜2460、2461、2466、2471、2476、および2481。一実施態様では、二本鎖リボヌクレオチド配列はポリヌクレオチド配列の発現から産生され、害虫と前記リボヌクレオチド配列との摂取することによって前記植物害虫の増殖が抑制される。別の実施態様では、該配列を摂取することによって前記配列と実質的に相補的なヌクレオチド配列の発現が抑制される。別の実施態様では、ポリヌクレオチドで細胞を形質転換する。さらに別の実施態様は、ポリヌクレオチドで形質転換された植物または植物細胞である。さらなる実施態様は、形質転換植物から産生される種子または産物である。もっとさらなる実施態様は、産物は食物、飼料、線維食品、紙、穀物、タンパク質、でんぷん、小麦粉、貯蔵牧草、コーヒー、お茶および油からなるグループより選択される。 別の態様では、発明は、以下の配列番号で示される核酸配列と少なくとも70%の配列同一性を有するポリヌクレオチド配列を提供する:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、49〜158、159、160、163、168、173、178、183、188、193、198、203、208、215、220、225、230、240〜247、249、251、253、255、257、259、275〜472、473、478、483、488、493、498、503、513、515、517、519、521、533〜575、576、581、586、591、596、601、603、605、607、609、621〜767、768、773、778、783、788、793、795、797、799、801、813〜862、863、868、873、878、883、888、890、892、894、896、908〜1040、1041、1046、1051、1056、1061、1066〜1071、1073、1075、1077、1079、1081、1083、1085、1087、1089、1091、1093、1095、1097、1099、1101、1103、1105、1107、1109、1111、1113、1161〜1571、1572、1577、1582、1587、1592、1597、1602、1607、1612、1617、1622、1627、1632、1637、1642、1647、1652、1657、1662、1667、1672、1677、1682、1684、1686、1688、1690、1692、1694、1696、1698、1700、1702、1704、1730〜2039、2040、2045、2050、2055、2060、2065、2070、2075、2080、2085、2090、2095、2100、2102、2104、2106、2108、2120〜2338、2339、2344、2349、2354、2359、2364、2366、2368、2370、2372、2384‐2460、2461、2466、2471、2476、および2481。一実施態様では、ポリヌクレオチド配列の発現から産生される二本鎖リボヌクレオチド配列であり、前記リボヌクレオチド配列を摂取することによって該植物害虫の増殖が抑制する二本鎖リボヌクレオチドを提供する。別の実施態様では、該配列を摂取することによって前記配列と実質的に相補的なヌクレオチド配列の発現が抑制される。別の実施態様では、ポリヌクレオチドで細胞を形質転換する。さらに別の実施態様は、ポリヌクレオチドで形質転換された植物または植物細胞である。さらなる実施態様は、形質転換植物から産生される種子または産物である。もっとさらなる実施態様は、産物は食物、飼料、線維食品、紙、穀物、タンパク質、でんぷん、小麦粉、貯蔵牧草、コーヒー、お茶および油からなるグループより選択される。 別の態様では、本発明は、以下の配列番号のいずれかから少なくとも17個の連続ヌクレオチドを含む遺伝子のオルソローグ(ortholog)、またはその相補体:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、49〜158、159、160、163、168、173、178、183、188、193、198、203、208、215、220、225、230、247、249、251、253、255、257、259、275〜472、473、478、483、488、493、498、503、513、515、517、519、521、53〜575、576、581、586、591、596、601、603、605、607、609、621〜767、768、773、778、783、788、793、795、797、799、801、813〜862、86〜1040、1041、1046、1051、1056、1061、1071、1073、1075、1077、1079、1081、1083、1085、1087、1089、1091、1093、1095、1097、1099、1101、1103、1105、1107、1109、1111、1113、1161〜1571、1572、1577、1582、1587、1592、1597、1602、1607、1612、1617、1622、1627、1632、1637、1642、1647、1652、1657、1662、1667、1672、1677、1682、1684、1686、1688、1690、1692、1694、1696、1698、1700、1702、1704、1730〜2039、2040、2045、2050、2055、2060、2065、2070、2075、2080、2085、2090、2095、2100、2102、2104、2106、2108、2120〜2338、2339、2344、2349、2354、2359、2364、2366、2368、2370、2372、2384〜2460、2461、2466、2471、2476、および2481。一実施態様では、ポリヌクレオチド配列の発現から産生される二本鎖リボヌクレオチド配列を提供し、植物害虫による前記リボヌクレオチド配列の摂取によって前記害虫の増殖が阻害される。さらなる一実施態様では、前記配列の摂取によって、前記配列と実質的に相補的なヌクレオチド配列の発現が阻害される。別の実施態様では、ポリヌクレオチドで細胞は形質転換する。さらに別の一実施態様では、植物または植物細胞はポリヌクレオチドで形質転換する。別の実施態様では、形質転換植物から種子または産物を作り出す。さらに別の実施態様では、該産物は食物、飼料、繊維、紙、穀粉、タンパク質、でんぷん、小麦粉、貯蔵牧草、コーヒー、お茶、および油から成るグループから選択される。 別の一態様では、本発明は害虫種に由来する二本鎖リボ核酸配列を含む植物を提供する。一実施態様では、該害虫は昆虫、クモ形動物、甲殼類、菌類、細菌、ウイルス、線虫、扁形動物、回虫、蟯虫、鉤虫、サナダムシ、トリパノソーマ類、住血吸虫、ウシバエ、蚤、ダニ、ダニ、およびシラミから成るグループか選択される。別の実施態様では、植物は細胞質雄性不稔である。別の実施態様では、該配列は害虫の生物活性を阻害する。さらなる実施態様では、該配列は標的配列の発現を阻害する。別の実施態様では、該標的配列は、昆虫、線虫、細菌、または菌類の配列である。 別の態様では、発明は、害虫の生物活性を抑制するポリヌクレオチド配列を含む組成物を害虫にさらすこと含む、害虫の侵入を抑制するための方法を提供する。一実施態様では、ポリヌクレオチド配列は、以下の配列番号のいずれか、またはその相補鎖で示される:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、49〜158、159、160、163、168、173、178、183、188、193、198、203、208、215、220、225、230、240〜247、249、251、253、255、257、259、275〜472、473、478、483、488、493、498、503、513、515、517、519、521、533〜575、576、581、586、591、596、601、603、605、607、609、621〜767、768、773、778、783、788、793、795、797、799、801、813〜862、863、868、873、878、883、888、890、892、894、896、908〜1040、1041、1046、1051、1056、1061、1066〜1071、1073、1075、1077、1079、1081、1083、1085、1087、1089、1091、1093、1095、1097、1099、1101、1103、1105、1107、1109、1111、1113、1161〜1571、1572、1577、1582、1587、1592、1597、1602、1607、1612、1617、1622、1627、1632、1637、1642、1647、1652、1657、1662、1667、1672、1677、1682、1684、1686、1688、1690、1692、1694、1696、1698、1700、1702、1704、1730〜2039、2040、2045、2050、2055、2060、2065、2070、2075、2080、2085、2090、2095、2100、2102、2104、2106、2108、2120〜2338、2339、2344、2349、2354、2359、2364、2366、2368、2370、2372、2384〜2460、2461、2466、2471、2476、および2481。 別の態様では、本発明は、標的ポリヌクレオチド配列を発現する植物を含む殺虫剤を提供する。 別の態様では、本発明は以下の工程を含む、害虫の侵入を抑制する方法を提供する:(a)害虫内の標的配列を同定する工程;(b)植物に前記の配列を導入する工程;および(c)前記害虫に前記植物またはその一部分を与える工程。 別の態様では、本発明は以下の工程を含む、害虫の侵入を抑制する方法を提供する:(a)害虫内の標的配列を同定する工程;(b)第二の害虫種内でオーソロガス標的配列を探索する工程、(c)植物に前記オーソロガス配列を導入する工程;および(d)前記第二の害虫に前記植物、または一部分を与える工程。別の実施態様では、標的はL. decemlineata由来の遺伝子であり、前記の植物は、以下から成るグループから選択される:アカシア、アルファルファ、リンゴ、杏、アーティチョーク、ハイノキ、アスパラガス、アボカド、バナナ、大麦、豆、ビート、カンバ、ブナノキ、ブラックベリー、ブルーベリー、ブロッコリー、メキャベツ、キャベツ、アブラナ、カンタループ、ニンジン、キャッサバ、カリフラワー、杉、シリアル、セロリ、クリノキ、桜、白菜、柑橘類、クレメンタイン、クローバー、コーヒー、コットン、カウピー豆、キュウリ、ヒノキ、なす、ニレ、エンダイブ、ユーカリ、ウイキョウ、イチジク、モミ、ゼラニウム、ブドウ、グレープフルーツ、ピーナツ、ホオズキ、ゴム毒人参、ヒッコリー、ケール、キーウィ、コールラビ、カラマツ、レタス、ニラ、レモン、ライム、バッタ、松、アジアンタム、トウモロコシ、マンゴー、カエデ、メロン、キビ、マッシュルーム、マスタード、木の実、樫、オート麦、オクラ、玉葱、オレンジ、観賞植物/花/木、パパイヤ、ヤシ、パセリ、パースニップ、エンドウ豆、桃、ピーナッツ、西洋ナシ、泥炭、ペッパー、柿、キマメ、松、パイナップル、オオバコ、プラム、ザクロ、ジャガイモ、パンプキン、赤チコリー、大根、菜種、ラズベリー、米、ライ麦、モロコシ、サルヤナギ、ホウレンソウ、モミの木、スカッシュ、イチゴ、サトウダイコン、サトウキビ、ひまわり、サツマイモ、スイートコーン、タンジェリン、お茶、タバコ、トマト、木、ライコムギ、芝草、つる草、クルミ、クレソン、スイカ、小麦、ヤムイモ、イチイ、およびズッキーニ。 別の態様では、発明は、以下の工程を含む、収穫量の改善方法を提供する:(a)植物にポリヌクレオチドを導入する工程;および(b)前記植物を培養してポリヌクレオチドの発現を可能にする工程(前記発現により、害虫による摂取、および害虫の侵入が原因となる収穫量の損失が阻害される)。一実施態様では、昆虫、線虫、および菌類から成るグループから害虫を選択する。別の実施態様では、ポリヌクレオチド発現によって、前記作物の一部分を摂取した害虫内で標的遺伝子を阻害するRNA分子が産生され、前記標的遺伝子は、該害虫による摂食、該害虫の生存、害虫細胞のアポトーシス、該害虫または任意の害虫細胞の分化および発生、該害虫の生殖、筋肉形成、筋痙攣、筋収縮、幼若ホルモンの形成および/または減少、幼若ホルモン調節、イオン調節/輸送、細胞膜電位の維持、アミノ酸生合成、アミノ酸分解、精子形成、フェロモン合成、フェロモン感知、触角形成、羽形成、脚形成、卵形成、幼生成熟、消化酵素合成、血リンパ合成、血リンパ維持、神経伝達、幼虫期移行、蛹化、蛹化からの羽化、細胞分裂、エネルギー代謝、呼吸、細胞骨格の形成/維持、ヌクレオチド物質代謝、窒素代謝、水利用、水分保持、および知覚から成るグループから選択される少なくとも1つの必須の機能を発揮する。 別の態様では、本発明は、以下の工程を含む商品産物を作成する方法を提供する:(a)害虫内の標的配列を同定する工程;(b)植物細胞に前記配列を導入する工程;(c)植物の産生に適した条件下で前記植物細胞を生育させる工程;および(d)前記植物またはその一部分から商品産物を産生する工程。別の実施態様では、該標的はL.decemlineata由来の遺伝子であり、前記植物は以下からなるグループから選択される:アカシア、アルファルファ、リンゴ、杏、アーティチョーク、ハイノキ、アスパラガス、アボカド、バナナ、大麦、豆、ビート、カンバ、ブナノキ、ブラックベリー、ブルーベリー、ブロッコリー、メキャベツ、キャベツ、アブラナ、カンタループ、ニンジン、キャッサバ、カリフラワー、杉、シリアル、セロリ、クリノキ、桜、白菜、柑橘類、クレメンタイン、クローバー、コーヒー、コットン、カウピー豆、キュウリ、ヒノキ、なす、ニレ、エンダイブ、ユーカリ、ウイキョウ、イチジク、モミ、ゼラニウム、ブドウ、グレープフルーツ、ピーナツ、ホオズキ、ゴム毒人参、ヒッコリー、ケール、キーウィ、コールラビ、カラマツ、レタス、ニラ、レモン、ライム、バッタ、松、アジアンタム、トウモロコシ、マンゴー、カエデ、メロン、キビ、マッシュルーム、マスタード、木の実、樫、オート麦、オクラ、玉葱、オレンジ、観賞植物/花/木、パパイヤ、ヤシ、パセリ、パースニップ、エンドウ豆、桃、ピーナッツ、西洋ナシ、泥炭、ペッパー、柿、キマメ、松、パイナップル、オオバコ、プラム、ザクロ、ジャガイモ、パンプキン、赤チコリー、大根、菜種、ラズベリー、米、ライ麦、モロコシ、サルヤナギ、ホウレンソウ、モミの木、スカッシュ、イチゴ、サトウダイコン、サトウキビ、ひまわり、サツマイモ、スイートコーン、タンジェリン、お茶、タバコ、トマト、木、ライコムギ、芝草、つる草、クルミ、クレソン、スイカ、小麦、ヤムイモ、イチイ、およびズッキーニ。 別の実施態様では、該標的はP.cochleariae由来の遺伝子であり、前記植物は以下からなるグループから選択される:アカシア、アルファルファ、リンゴ、杏、アーティチョーク、ハイノキ、アスパラガス、アボカド、バナナ、大麦、豆、ビート、カンバ、ブナノキ、ブラックベリー、ブルーベリー、ブロッコリー、メキャベツ、キャベツ、アブラナ、カンタループ、ニンジン、キャッサバ、カリフラワー、杉、シリアル、セロリ、クリノキ、桜、白菜、柑橘類、クレメンタイン、クローバー、コーヒー、コットン、カウピー豆、キュウリ、ヒノキ、なす、ニレ、エンダイブ、ユーカリ、ウイキョウ、イチジク、モミ、ゼラニウム、ブドウ、グレープフルーツ、ピーナツ、ホオズキ、ゴム毒人参、ヒッコリー、ケール、キーウィ、コールラビ、カラマツ、レタス、ニラ、レモン、ライム、バッタ、松、アジアンタム、トウモロコシ、マンゴー、カエデ、メロン、キビ、マッシュルーム、マスタード、木の実、樫、オート麦、オクラ、玉葱、オレンジ、観賞植物/花/木、パパイヤ、ヤシ、パセリ、パースニップ、エンドウ豆、桃、ピーナッツ、西洋ナシ、泥炭、ペッパー、柿、キマメ、松、パイナップル、オオバコ、プラム、ザクロ、ジャガイモ、パンプキン、赤チコリー、大根、菜種、ラズベリー、米、ライ麦、モロコシ、サルヤナギ、ホウレンソウ、モミの木、スカッシュ、イチゴ、サトウダイコン、サトウキビ、ひまわり、サツマイモ、スイートコーン、タンジェリン、お茶、タバコ、トマト、木、ライコムギ、芝草、つる草、クルミ、クレソン、スイカ、小麦、ヤムイモ、イチイ、およびズッキーニ。 別の実施態様では、該標的はE.varivetis由来の遺伝子であり、前記植物は以下からなるグループから選択される:アカシア、アルファルファ、リンゴ、杏、アーティチョーク、ハイノキ、アスパラガス、アボカド、バナナ、大麦、豆、ビート、カンバ、ブナノキ、ブラックベリー、ブルーベリー、ブロッコリー、メキャベツ、キャベツ、アブラナ、カンタループ、ニンジン、キャッサバ、カリフラワー、杉、シリアル、セロリ、クリノキ、桜、白菜、柑橘類、クレメンタイン、クローバー、コーヒー、コットン、カウピー豆、キュウリ、ヒノキ、なす、ニレ、エンダイブ、ユーカリ、ウイキョウ、イチジク、モミ、ゼラニウム、ブドウ、グレープフルーツ、ピーナツ、ホオズキ、ゴム毒人参、ヒッコリー、ケール、キーウィ、コールラビ、カラマツ、レタス、ニラ、レモン、ライム、バッタ、松、アジアンタム、トウモロコシ、マンゴー、カエデ、メロン、キビ、マッシュルーム、マスタード、木の実、樫、オート麦、オクラ、玉葱、オレンジ、観賞植物/花/木、パパイヤ、ヤシ、パセリ、パースニップ、エンドウ豆、桃、ピーナッツ、西洋ナシ、泥炭、ペッパー、柿、キマメ、松、パイナップル、オオバコ、プラム、ザクロ、ジャガイモ、パンプキン、赤チコリー、大根、菜種、ラズベリー、米、ライ麦、モロコシ、サルヤナギ、ホウレンソウ、モミの木、スカッシュ、イチゴ、サトウダイコン、サトウキビ、ひまわり、サツマイモ、スイートコーン、タンジェリン、お茶、タバコ、トマト、木、ライコムギ、芝草、つる草、クルミ、クレソン、スイカ、小麦、ヤムイモ、イチイ、およびズッキーニ。 別の実施態様では、該標的はA.grandis由来の遺伝子であり、前記植物は以下からなるグループから選択される:アカシア、アルファルファ、リンゴ、杏、アーティチョーク、ハイノキ、アスパラガス、アボカド、バナナ、大麦、豆、ビート、カンバ、ブナノキ、ブラックベリー、ブルーベリー、ブロッコリー、メキャベツ、キャベツ、アブラナ、カンタループ、ニンジン、キャッサバ、カリフラワー、杉、シリアル、セロリ、クリノキ、桜、白菜、柑橘類、クレメンタイン、クローバー、コーヒー、コットン、カウピー豆、キュウリ、ヒノキ、なす、ニレ、エンダイブ、ユーカリ、ウイキョウ、イチジク、モミ、ゼラニウム、ブドウ、グレープフルーツ、ピーナツ、ホオズキ、ゴム毒人参、ヒッコリー、ケール、キーウィ、コールラビ、カラマツ、レタス、ニラ、レモン、ライム、バッタ、松、アジアンタム、トウモロコシ、マンゴー、カエデ、メロン、キビ、マッシュルーム、マスタード、木の実、樫、オート麦、オクラ、玉葱、オレンジ、観賞植物/花/木、パパイヤ、ヤシ、パセリ、パースニップ、エンドウ豆、桃、ピーナッツ、西洋ナシ、泥炭、ペッパー、柿、キマメ、松、パイナップル、オオバコ、プラム、ザクロ、ジャガイモ、パンプキン、赤チコリー、大根、菜種、ラズベリー、米、ライ麦、モロコシ、サルヤナギ、ホウレンソウ、モミの木、スカッシュ、イチゴ、サトウダイコン、サトウキビ、ひまわり、サツマイモ、スイートコーン、タンジェリン、お茶、タバコ、トマト、木、ライコムギ、芝草、つる草、クルミ、クレソン、スイカ、小麦、ヤムイモ、イチイ、およびズッキーニ。 別の実施態様では、該標的はT.castaneum由来の遺伝子であり、前記植物は以下からなるグループから選択される:アカシア、アルファルファ、リンゴ、杏、アーティチョーク、ハイノキ、アスパラガス、アボカド、バナナ、大麦、豆、ビート、カンバ、ブナノキ、ブラックベリー、ブルーベリー、ブロッコリー、メキャベツ、キャベツ、アブラナ、カンタループ、ニンジン、キャッサバ、カリフラワー、杉、シリアル、セロリ、クリノキ、桜、白菜、柑橘類、クレメンタイン、クローバー、コーヒー、コットン、カウピー豆、キュウリ、ヒノキ、なす、ニレ、エンダイブ、ユーカリ、ウイキョウ、イチジク、モミ、ゼラニウム、ブドウ、グレープフルーツ、ピーナツ、ホオズキ、ゴム毒人参、ヒッコリー、ケール、キーウィ、コールラビ、カラマツ、レタス、ニラ、レモン、ライム、バッタ、松、アジアンタム、トウモロコシ、マンゴー、カエデ、メロン、キビ、マッシュルーム、マスタード、木の実、樫、オート麦、オクラ、玉葱、オレンジ、観賞植物/花/木、パパイヤ、ヤシ、パセリ、パースニップ、エンドウ豆、桃、ピーナッツ、西洋ナシ、泥炭、ペッパー、柿、キマメ、松、パイナップル、オオバコ、プラム、ザクロ、ジャガイモ、パンプキン、赤チコリー、大根、菜種、ラズベリー、米、ライ麦、モロコシ、サルヤナギ、ホウレンソウ、モミの木、スカッシュ、イチゴ、サトウダイコン、サトウキビ、ひまわり、サツマイモ、スイートコーン、タンジェリン、お茶、タバコ、トマト、木、ライコムギ、芝草、つる草、クルミ、クレソン、スイカ、小麦、ヤムイモ、イチイ、およびズッキーニ。 別の実施態様では、該標的はM.persicae由来の遺伝子であり、前記植物は以下からなるグループから選択される:アカシア、アルファルファ、リンゴ、杏、アーティチョーク、ハイノキ、アスパラガス、アボカド、バナナ、大麦、豆、ビート、カンバ、ブナノキ、ブラックベリー、ブルーベリー、ブロッコリー、メキャベツ、キャベツ、アブラナ、カンタループ、ニンジン、キャッサバ、カリフラワー、杉、シリアル、セロリ、クリノキ、桜、白菜、柑橘類、クレメンタイン、クローバー、コーヒー、コットン、カウピー豆、キュウリ、ヒノキ、なす、ニレ、エンダイブ、ユーカリ、ウイキョウ、イチジク、モミ、ゼラニウム、ブドウ、グレープフルーツ、ピーナツ、ホオズキ、ゴム毒人参、ヒッコリー、ケール、キーウィ、コールラビ、カラマツ、レタス、ニラ、レモン、ライム、バッタ、松、アジアンタム、トウモロコシ、マンゴー、カエデ、メロン、キビ、マッシュルーム、マスタード、木の実、樫、オート麦、オクラ、玉葱、オレンジ、観賞植物/花/木、パパイヤ、ヤシ、パセリ、パースニップ、エンドウ豆、桃、ピーナッツ、西洋ナシ、泥炭、ペッパー、柿、キマメ、松、パイナップル、オオバコ、プラム、ザクロ、ジャガイモ、パンプキン、赤チコリー、大根、菜種、ラズベリー、米、ライ麦、モロコシ、サルヤナギ、ホウレンソウ、モミの木、スカッシュ、イチゴ、サトウダイコン、サトウキビ、ひまわり、サツマイモ、スイートコーン、タンジェリン、お茶、タバコ、トマト、木、ライコムギ、芝草、つる草、クルミ、クレソン、スイカ、小麦、ヤムイモ、イチイ、およびズッキーニ。 別の実施態様では、該標的はN.lugens由来の遺伝子であり、前記植物は以下からなるグループから選択される:アカシア、アルファルファ、リンゴ、杏、アーティチョーク、ハイノキ、アスパラガス、アボカド、バナナ、大麦、豆、ビート、カンバ、ブナノキ、ブラックベリー、ブルーベリー、ブロッコリー、メキャベツ、キャベツ、アブラナ、カンタループ、ニンジン、キャッサバ、カリフラワー、杉、シリアル、セロリ、クリノキ、桜、白菜、柑橘類、クレメンタイン、クローバー、コーヒー、コットン、カウピー豆、キュウリ、ヒノキ、なす、ニレ、エンダイブ、ユーカリ、ウイキョウ、イチジク、モミ、ゼラニウム、ブドウ、グレープフルーツ、ピーナツ、ホオズキ、ゴム毒人参、ヒッコリー、ケール、キーウィ、コールラビ、カラマツ、レタス、ニラ、レモン、ライム、バッタ、松、アジアンタム、トウモロコシ、マンゴー、カエデ、メロン、キビ、マッシュルーム、マスタード、木の実、樫、オート麦、オクラ、玉葱、オレンジ、観賞植物/花/木、パパイヤ、ヤシ、パセリ、パースニップ、エンドウ豆、桃、ピーナッツ、西洋ナシ、泥炭、ペッパー、柿、キマメ、松、パイナップル、オオバコ、プラム、ザクロ、ジャガイモ、パンプキン、赤チコリー、大根、菜種、ラズベリー、米、ライ麦、モロコシ、サルヤナギ、ホウレンソウ、モミの木、スカッシュ、イチゴ、サトウダイコン、サトウキビ、ひまわり、サツマイモ、スイートコーン、タンジェリン、お茶、タバコ、トマト、木、ライコムギ、芝草、つる草、クルミ、クレソン、スイカ、小麦、ヤムイモ、イチイ、およびズッキーニ。 別の実施態様では、該標的はC.suppressalis由来の遺伝子であり、前記植物は以下からなるグループから選択される:アカシア、アルファルファ、リンゴ、杏、アーティチョーク、ハイノキ、アスパラガス、アボカド、バナナ、大麦、豆、ビート、カンバ、ブナノキ、ブラックベリー、ブルーベリー、ブロッコリー、メキャベツ、キャベツ、アブラナ、カンタループ、ニンジン、キャッサバ、カリフラワー、杉、シリアル、セロリ、クリノキ、桜、白菜、柑橘類、クレメンタイン、クローバー、コーヒー、コットン、カウピー豆、キュウリ、ヒノキ、なす、ニレ、エンダイブ、ユーカリ、ウイキョウ、イチジク、モミ、ゼラニウム、ブドウ、グレープフルーツ、ピーナツ、ホオズキ、ゴム毒人参、ヒッコリー、ケール、キーウィ、コールラビ、カラマツ、レタス、ニラ、レモン、ライム、バッタ、松、アジアンタム、トウモロコシ、マンゴー、カエデ、メロン、キビ、マッシュルーム、マスタード、木の実、樫、オート麦、オクラ、玉葱、オレンジ、観賞植物/花/木、パパイヤ、ヤシ、パセリ、パースニップ、エンドウ豆、桃、ピーナッツ、西洋ナシ、泥炭、ペッパー、柿、キマメ、松、パイナップル、オオバコ、プラム、ザクロ、ジャガイモ、パンプキン、赤チコリー、大根、菜種、ラズベリー、米、ライ麦、モロコシ、サルヤナギ、ホウレンソウ、モミの木、スカッシュ、イチゴ、サトウダイコン、サトウキビ、ひまわり、サツマイモ、スイートコーン、タンジェリン、お茶、タバコ、トマト、木、ライコムギ、芝草、つる草、クルミ、クレソン、スイカ、小麦、ヤムイモ、イチイ、およびズッキーニ。 別の実施態様では、該標的はP.xylostella由来の遺伝子であり、前記植物は以下からなるグループから選択される:アカシア、アルファルファ、リンゴ、杏、アーティチョーク、ハイノキ、アスパラガス、アボカド、バナナ、大麦、豆、ビート、カンバ、ブナノキ、ブラックベリー、ブルーベリー、ブロッコリー、メキャベツ、キャベツ、アブラナ、カンタループ、ニンジン、キャッサバ、カリフラワー、杉、シリアル、セロリ、クリノキ、桜、白菜、柑橘類、クレメンタイン、クローバー、コーヒー、コットン、カウピー豆、キュウリ、ヒノキ、なす、ニレ、エンダイブ、ユーカリ、ウイキョウ、イチジク、モミ、ゼラニウム、ブドウ、グレープフルーツ、ピーナツ、ホオズキ、ゴム毒人参、ヒッコリー、ケール、キーウィ、コールラビ、カラマツ、レタス、ニラ、レモン、ライム、バッタ、松、アジアンタム、トウモロコシ、マンゴー、カエデ、メロン、キビ、マッシュルーム、マスタード、木の実、樫、オート麦、オクラ、玉葱、オレンジ、観賞植物/花/木、パパイヤ、ヤシ、パセリ、パースニップ、エンドウ豆、桃、ピーナッツ、西洋ナシ、泥炭、ペッパー、柿、キマメ、松、パイナップル、オオバコ、プラム、ザクロ、ジャガイモ、パンプキン、赤チコリー、大根、菜種、ラズベリー、米、ライ麦、モロコシ、サルヤナギ、ホウレンソウ、モミの木、スカッシュ、イチゴ、サトウダイコン、サトウキビ、ひまわり、サツマイモ、スイートコーン、タンジェリン、お茶、タバコ、トマト、木、ライコムギ、芝草、つる草、クルミ、クレソン、スイカ、小麦、ヤムイモ、イチイ、およびズッキーニ。 別の実施態様では、該標的はA.domesticus由来の遺伝子であり、前記植物は以下からなるグループから選択される:アカシア、アルファルファ、リンゴ、杏、アーティチョーク、ハイノキ、アスパラガス、アボカド、バナナ、大麦、豆、ビート、カンバ、ブナノキ、ブラックベリー、ブルーベリー、ブロッコリー、メキャベツ、キャベツ、アブラナ、カンタループ、ニンジン、キャッサバ、カリフラワー、杉、シリアル、セロリ、クリノキ、桜、白菜、柑橘類、クレメンタイン、クローバー、コーヒー、コットン、カウピー豆、キュウリ、ヒノキ、なす、ニレ、エンダイブ、ユーカリ、ウイキョウ、イチジク、モミ、ゼラニウム、ブドウ、グレープフルーツ、ピーナツ、ホオズキ、ゴム毒人参、ヒッコリー、ケール、キーウィ、コールラビ、カラマツ、レタス、ニラ、レモン、ライム、バッタ、松、アジアンタム、トウモロコシ、マンゴー、カエデ、メロン、キビ、マッシュルーム、マスタード、木の実、樫、オート麦、オクラ、玉葱、オレンジ、観賞植物/花/木、パパイヤ、ヤシ、パセリ、パースニップ、エンドウ豆、桃、ピーナッツ、西洋ナシ、泥炭、ペッパー、柿、キマメ、松、パイナップル、オオバコ、プラム、ザクロ、ジャガイモ、パンプキン、赤チコリー、大根、菜種、ラズベリー、米、ライ麦、モロコシ、サルヤナギ、ホウレンソウ、モミの木、スカッシュ、イチゴ、サトウダイコン、サトウキビ、ひまわり、サツマイモ、スイートコーン、タンジェリン、お茶、タバコ、トマト、木、ライコムギ、芝草、つる草、クルミ、クレソン、スイカ、小麦、ヤムイモ、イチイ、およびズッキーニ。 別の実施態様では、該標的は真菌由来の遺伝子であり、前記植物は以下からなるグループから選択される:アカシア、アルファルファ、リンゴ、杏、アーティチョーク、ハイノキ、アスパラガス、アボカド、バナナ、大麦、豆、ビート、カンバ、ブナノキ、ブラックベリー、ブルーベリー、ブロッコリー、メキャベツ、キャベツ、アブラナ、カンタループ、ニンジン、キャッサバ、カリフラワー、杉、シリアル、セロリ、クリノキ、桜、白菜、柑橘類、クレメンタイン、クローバー、コーヒー、コットン、カウピー豆、キュウリ、ヒノキ、なす、ニレ、エンダイブ、ユーカリ、ウイキョウ、イチジク、モミ、ゼラニウム、ブドウ、グレープフルーツ、ピーナツ、ホオズキ、ゴム毒人参、ヒッコリー、ケール、キーウィ、コールラビ、カラマツ、レタス、ニラ、レモン、ライム、バッタ、松、アジアンタム、トウモロコシ、マンゴー、カエデ、メロン、キビ、マッシュルーム、マスタード、木の実、樫、オート麦、オクラ、玉葱、オレンジ、観賞植物/花/木、パパイヤ、ヤシ、パセリ、パースニップ、エンドウ豆、桃、ピーナッツ、西洋ナシ、泥炭、ペッパー、柿、キマメ、松、パイナップル、オオバコ、プラム、ザクロ、ジャガイモ、パンプキン、赤チコリー、大根、菜種、ラズベリー、米、ライ麦、モロコシ、サルヤナギ、ホウレンソウ、モミの木、スカッシュ、イチゴ、サトウダイコン、サトウキビ、ひまわり、サツマイモ、スイートコーン、タンジェリン、お茶、タバコ、トマト、木、ライコムギ、芝草、つる草、クルミ、クレソン、スイカ、小麦、ヤムイモ、イチイ、およびズッキーニ。 別の実施態様では、発明は、植物の昆虫侵入を処理するための、単離されたヌクレオチド配列、二本鎖リボヌクレオチド配列、細胞、植物、または産物の使用を提供する。 別の実施態様では、発明は、植物の線虫侵入を処理するための、単離されたヌクレオチド配列、二本鎖リボヌクレオチド配列、細胞、植物、または産物の使用を提供する。 別の実施態様では、発明は、植物の真菌侵入を処理するための、単離されたヌクレオチド配列、二本鎖リボヌクレオチド配列、細胞、植物、または産物の使用を提供する。 発明の詳細な説明 本発明は、害虫に必須の生物学的機能を転写後に抑制あるいは阻害する標的コード配列を該害虫に投与することによる害虫侵入の防除方法を提供する。一態様では、発明は、害虫の生命維持および生存に必須の標的コード配列の全体または一部分から転写される1つ以上の二本鎖リボ核酸(RNA)または低分子干渉リボ核酸を害虫に給餌することを意図している。従って、本発明は、害虫防除の手段としての、低分子干渉RNA(siRNA)を含めた、二本鎖RNA(dsRNA)を使用したコード配列の配列特異的阻害に関する。 今日まで、RNA分子が環境中でヌクレアーゼによって容易に分解し、また大半の無脊椎動物の害虫の消化管において見られるような弱アルカリ性または酸性の環境において不安定と考えられるため、大半の害虫種において飼料にdsRNA分子を提供することは実用的でなかった。従って、害虫侵入を防除して、新しい表現型を導入するための、特定の害虫内における遺伝子発現の抑制、遅延、または減少による、遺伝子発現の調節方法の改良が必要とされてきた。 本明細書では、発明者は、大半の害虫種の飼料にdsRNA分子を与えることによる害虫侵入の防除方法を確認した。dsRNA配列は、必須の害虫遺伝子の一部分または全体に対応しており、RNA干渉(RNAi)によって害虫標的のダウンレギュレーションを起こす。mRNAのダウンレギュレーションの結果、dsRNAは害虫の標的タンパク質の発現を抑制して、限定されないが、以下の特性の1つ以上が得られる:害虫による摂食の低下、害虫の生存率の低下、害虫の死、害虫または害虫細胞の分化および発生の阻害、害虫の生殖能、筋肉形成、幼若ホルモンの形成、幼若ホルモン調節、イオン調節/輸送、細胞膜電位の維持、アミノ酸生合成、アミノ酸分解、精子形成、フェロモン合成、フェロモン感知、触角形成、羽形成、脚形成、発生および分化、卵形成、幼生成熟、消化酵素合成、血リンパ合成、血リンパ維持、神経伝達、細胞分裂、エネルギー代謝、呼吸、アポトーシス、真核細胞の細胞骨格成分(例、アクチンやチューブリン)の欠如または減少。これらの特性のいずれか1つは、害虫侵入を効果的に阻害し、植物害虫の場合には植物への侵入を阻害する。 本明細書で使用する全ての技術用語は、生化学、分子生物学、農学において一般に使用されるため、本発明が属する分野の当業者であれば理解できる。これらの技術用語は、例えば、以下の文献中に見ることができる:Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 3rd ed., vol. 1-3, ed.Sambrook and Russel, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y., 2001;Current Protocols in Molecular Biology, ed.Ausubel ら、Greene Publishing Associates and Wiley-Interscience, New York, 1988 (with periodic updates);Short Protocols in Molecular Biology: A Compendium of Methods from Current Protocols in Molecular Biology, 5th ed., vol. 1-2, ed.Ausubelら、John Wiley & Sons, Inc., 2002;Genome Analysis: A Laboratory Manual, vol. 1-2, ed.Greenら、Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y., 1997。 本明細書では、植物生物学的技術を含む方法論を記載しており、Methods in Plant Molecular Biology: A Laboratory Course Manual、ed. Maliga et al., Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor, N.Y., 1995などの専門書にも詳述している。PCR法を利用した様々な技術が記載されている(例、Innisら、PCR Protocols: A Guide to Methods and Applications、Academic Press、San Diego、1990、およびDieffenbach and Dveksler、PCR Primer: A Laboratory Manual、2nd ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、N.Y.,2003)。PCR−プライマーの組み合わせは、この目的のためのコンピュータ・プログラム(例、Primer、Version 0.5、1991、Whitehead Institute for Biomedical Research、マサチューセッツ州ケンブリッジ)の利用など周知の技術によって周知の配列から得ることができる。核酸の化学合成方法が、例えば、Beaucage & Caruthers、Tetra.Letts.22: 1859-62 (1981)、およびMatteucci & Caruthers、J.Am.Chem.Soc.103: 3185 (1981)に考察されている。 制限酵素消化、リン酸化、ライゲーション、形質転換は、Sambrookら、Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2nd ed.(1989), Cold Spring Harbor Laboratory Pressに記載の通りに行った。特に指定しない限り、細菌細胞の増殖および維持に使用した試薬や材料は、Aldrich Chemicals(ウィスコンシン州ミルウォーキー)、DIFCO Laboratories(ミシガン州デトロイト)、Invitrogen社(メリーランド州ゲイサーズバーグ)、Sigma Chemical Company(ミズーリ州セントルイス)。 アグロバクテリウム属または細菌の形質転換:該技術分野において周知の通り、植物細胞の形質転換に使用するアグロバクテリウム属は、通常、ベクターを含む、アグロバクテリウムツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)、アグロバクテリウム・リゾゲネス(Agrobacterium rhizogenes)の毒性が不活化された派生細菌である。一般に、ベクターにはT−DNAの境界間に位置する所望のポリヌクレオチドが含まれる。しかし、根粒菌属(Rhizobium trifolii)、根粒菌属(Rhizobium leguminosarum)、Phyllobacterium myrsinacearum、SinoRhizobium meliloti、MesoRhizobium lotiなど、植物細胞を形質転換できる細菌を使用できる。 被子植物:子房に囲まれた種子を有する維管束植物。被子植物は果物を実らせる花を作る種子植物である。被子植物は双子葉植物と単子葉植物に分けられる。 生物活性とは、生物学的挙動、および害虫に及ぼすタンパク質またはペプチドおよびその発現の効果を指す。例えば、発明のRNAiは特定のmRNAの翻訳を抑制することで、mRNAがコードするタンパク質の生物活性または害虫の他の生物活性を抑制する。 本明細書において、RNAi分子により害虫の生物活性が抑制され、その結果、以下の特質の1つ以上が引き起こされることもある:該害虫の摂食量の減少、該害虫の生存能の低下、該害虫の死、該害虫の分化および発生の阻害、該害虫の有性生殖能、筋肉形成、幼若ホルモン形成、幼若ホルモン調節、イオン調節・輸送、細胞膜電位の維持、アミノ酸生合成、アミノ酸分解、精子形成、フェロモン合成、フェロモン感知、触角形成、翼形成、脚形成、発生および分化、卵形成、幼虫の成熟、消化酵素形成、血リンパ合成、血リンパ維持、神経伝達、細胞分裂、エネルギー代謝、呼吸、アポトーシス、そして、例えばアクチンとチュービュリンなどの真核細胞の細胞骨格構造の任意の成分。 商品産物としては、食物、飼料、繊維、紙、穀粉、タンパク質、でんぷん、小麦粉、貯蔵牧草、コーヒー、お茶、油など、植物から作られた、または植物に由来する産物が挙げられるが、これらに限定されない。 相補的DNA(cDNA)とは、成熟mRNAの鋳型から合成される一本鎖DNAを指す。いくつかの方法があるが、cDNAは逆転写酵素を使用して成熟(完全なスプライシングを受けた)mRNAから合成されることが多い。この酵素は、一本鎖のmRNAに作用して、RNA塩基対(A、U、G、C)とこれらのDNA相補体(T、A、C、G)の対合に基づく相補的DNAを生じる。2本の核酸鎖が、それらの塩基対の少なくとも85%が対を成す場合、実質的に相補的である。 所望のポリヌクレオチド:本発明の所望のポリヌクレオチドは、プロモーター、エンハンサー、ターミネーター、もしくはゲノム中に所望のポリヌクレオチドを含む形質転換細胞において転写および/または翻訳される遺伝子またはポリヌクレオチド、などの遺伝要素である。所望のポリヌクレオチドがタンパク質産物をコードする配列を含む場合、コーディング領域は、所望のポリヌクレオチドによってコードされる関連したメッセンジャーRNA転写産物および/またはタンパク質産物の発現を引き起こすように、プロモーターやターミネーターなどの調節エレメントに機能的に連結しうる。このように、「所望のポリヌクレオチド」は、5’→3’の方向に機能的に連結している遺伝子、プロモーター、タンパク質をコードする遺伝子、ターミネーターを含みうる。または、所望のポリヌクレオチドは、「センス」または「アンチセンス」の方向で遺伝子またはその断片を含むことができ、その転写により宿主細胞の内在性遺伝子の発現に影響を及ぼす可能性のある核酸が産生される。所望のポリヌクレオチドは転写時に二本鎖RNA産物も産生して、これは所望のポリヌクレオチドが結合する遺伝子のRNA干渉を開始させる。本発明の所望のポリヌクレオチドは、左右の境界配列が所望のポリヌクレオチドに隣接するか、もしくはその片側に位置するように、ベクター内に配置できる。本発明では、少なくとも1種の宿主細胞内のゲノム内への1つ以上の所望のポリヌクレオチドの安定挿入を想定している。所望のポリヌクレオチドは突然変異体、またはその野生型配列の変異体でありうる。所望のポリヌクレオチドの一部または全体が宿主のゲノム内に挿入されると理解される。「所望のポリヌクレオチド」とは、1つ以上の該ポリヌクレオチドを含むとも理解される。このように、本発明のベクターは1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10以上の所望のポリヌクレオチドを含むことができる。 双子葉植物は、胚には2つに分かれた種子または双葉を伴う顕花植物であり、分岐葉脈、複数(5、6個)の花部を有する。双子葉類の例として、ユーカリ属(Eucalyptus)、ポプラ属(Populus)、Liquidamber、アカシア属(Acacia)、チーク材、マホガニー、コットン、タバコ、シロイヌナズナ(Arabidopsis)、トマト、ジャガイモ、サトウダイコン、ブロッコリー、キャッサバ、サツマイモ、ペッパー、ポインセチア、豆、アルファルファ、大豆、ニンジン、ストロベリー、レタス、樫、カエデ、クルミ、バラ色、ミント、スカッシュ、デイジー、ゼラニウム、アボカド、サボテンが挙げられるが、これらに限定されない。 外来:核酸に関して「外来」とは、その核酸が宿主以外の生物に由来することを意味する。本発明によれば、外来DNA/RNAとは、ウイルス、哺乳動物、魚類、鳥類の遺伝子構造においては天然に生じるが、形質転換させる宿主においては天然に生じない核酸を指す。このように、外来核酸は、例えば、形質転換宿主が産生しないポリペプチドをコードする核酸である。外来核酸はタンパク質産物をコードする必要はない。 本明細書で使用する真菌または真菌細胞は、真菌界に属する生物内に存在する、もしくはこれに由来する細胞を指す。発明の方法は、RNA干渉による遺伝子サイレンシングに感受性であり、周辺環境から二本鎖RNAを取り込むことのできる全ての真菌、真菌細胞に適用できる。 本発明の一実施態様では、菌類はカビ、または特に糸状菌であり得る。本発明の他の実施態様では、菌類は酵母であり得る。 一実施態様では、菌類は子嚢菌類、即ち門子嚢菌(Phylum Ascomycota)に属する菌類であり得る。 本発明の好ましいが、非限定的な実施態様では、真菌細胞は以下から成るグループから選択される: 限定されないが、Acremoniella spp.(蜂児蓋)、Allomyces spp.(カワリミズカビ)、Alternaria(アルタナリア)(例、Alternaria brassicola(アルタナリア・ブラッシコーラ:キャベツ黒すす病菌)またはAlternaria solani(トマトの輪紋病菌))、Amorphothec spp.、Ascochyta spp.(粒斑病菌)(例、Ascochyta pisi(アスコキタ・ピシエンドウ:褐斑病菌))、Aspergillius spp.(アスペルギルス)、Aureobasidium spp.(アオレオバシジウム)、Blastocladiella spp.(コウマクノウキン)、Botrytis spp.(灰色カビ病菌)(例、Botrytis cinerea(灰色かび病菌)またはBotryotinia fuckeliana(ボトリオティニア:灰色かび病菌))、Candida spp.(カンジダ)、Cladosporium spp.(クラドスポリウム)、Cercospora spp.(サーコスポラ)(例、Cercospora kikuchii(ダイズ紫斑病菌)またはCercospora zaea−maydi、Chaetomium spp.(カエトリウム属菌)、Cladosporium spp.(クラドスポリウム属)(例、Cladosporium fulvum(トマトの葉かび病菌)、Colletotrichum spp.(炭疽病菌)(例、Colletotrichum lindemuthianum(コレトトリカム・リンデムチアナム:炭疽病菌))、Coccidioides spp.(高度病原真菌)、Conidiobolus spp.(コニディオボラス属)、Coprinopsis spp.、Corynascus spp.(コリナスクス)、Cryphonectria spp.(メヒルギ枝枯病菌)、Cryptococcus spp.(クリプトコッカス症菌)、Cunninghamella spp.(クスダマカビ)、Curvularia spp.(カーブラリア葉枯病菌)、Debarymyces spp.、Diplodia spp.(茎腐病原因菌)(例、Diplodia maydis(さび病菌))、Emericella ssp(エメリセラ)、Encephalitozoon spp.(エンセファリトゾーン)、Eremothecium spp.(ダイズ子実汚斑病菌)、Erysiphe spp.(うどんこ病菌)(例、Erysiphe graminis fsp graminis(うどんこ病菌)、Erysiphe graminis fsp hordei(オオムギうどんこ病菌)またはErysiphe pis(エンドウうどんこ病菌)、Erwinia armylovora、Fusarium spp.(フザリウム菌、オオムギ赤かび病菌)(例、Fusarium nivale(フザリウム・ニバレ:麦類赤かび病)、Fusarium sporotrichioides(フザリウム・スポロトリキオイデス:フザレノンX産生菌)、Fusarium oxysporum(萎ちょう病菌)、Fusarium graminearum(フザリウム・グラミネアラム:ムギ類赤かび病菌)、Fusarium germinearum、Fusarium culmorum(フザリウム・カルモラム:チオファネートメチル耐性コムギ赤かび病菌)、Fusarium solani(フザリウム・ソラニ:ニセアカシヤ枝枯病菌)、Fusarium moniliforme(フザリウム・モニリフォルメ)またはFusarium roseum(フザリウム・ロゼウム))、Gaeumanomyces spp.(立ち枯れ病菌)(例、Gaeumanomyces graminis fsp tritici(ムギ類のうどんこ病菌))、Geomyces spp.(ゲオミケス属)、Gibberella spp.(イネ馬鹿苗病菌)(例、Gibberella zea(ジベレラ・ゼアエ:イネバカナエ菌病菌))、Gloeophyllum spp.(キカイガラタケ属菌)、Glomus spp.(グロマス属)、Helminthosporium spp.(葉枯病原因菌)(例、Helminthosporium turcicum(スーダングラス煤紋病菌)、Helminthosporium carbonum(ヘルミンチトスポリウム・カルボナム:エンバクビクトリア葉枯病菌)、Helminthosporium mavdisまたはHelminthosporium sigmoideum(小黒菌核病菌))、Hypocrea spp.(ヒポクレア属)、Kluyveromyces spp.(クルイベロミセス属)、Lentinula spp.(シイタケ・レンチヌラ)、Leptosphaeria salvinii(小球菌核病)、Leucosporidium spp.(ロイコスポリジウム)、Macrophomina spp.(炭腐病菌)(例、Macrophomina phaseolina(炭腐病菌))、Magnaportha spp.(マグナポルテ属)(例、Magnaporthe oryzae(イネいもち病菌))、Metharhizium spp.(メタリジウム)、Mucor spp.(ケカビ属)、Mycosphaerella spp.(ミコスファエラ:黒点病菌)、Neurospora spp.(アカパンカビ)、Nectria spp.(ネクトリア属:根腐病菌)(例、Nectria heamatococca)、Ophiostoma spp.(オフィオストマ:マツ枯死材由来の青変菌)、Paracocidioides spp.、Peronospora spp.(べと病菌)(例、Peronospora manshuric(べと病)またはPeronospora tabacina(タバコベと病菌)、Phoma spp.(じゃのめ病菌)(例、Phoma betae(フォーマ・ベタエ:テンサイじゃのめ病菌))、Phaeopsheria spp.、Phanerochaete spp.(ファネロケーテ属)、Phakopsora spp.(さび菌)(例、Phakopsora pachyrhizi(アジア型ダイズさび病菌)、Phymatotrichum spp.、citrus greening disease(カンキツグリーニング病原体) (例、Phymatotrichum omnivorum(綿の根腐れ病菌)、Phytophthora spp.(エキビョウキン)(例、Phytophthora cinnamomi(根腐病菌)、Phytophthora cactorum(萎凋病菌)、Phytophthora phaseoli、Phytophthora parasitica、Phytophthora citrophthora(褐色腐敗病菌)、Phytophthora megasperma fsp soiaeまたはPhytophthora infestans(ジャガイモ疫病菌)、Plasmopara spp.(べと病菌)(例、Plasmopara viticola(ブドウべと病菌))、Pneumocystis spp.(ニューモシスチス)、Podosphaera spp.(ポドスフェラ:うどんこ病菌)(例、Podosphaera leucotricha(リンゴうどんこ病菌))、Puccinia spp.(さび病菌)(例、Puccinia sorghi(トウモロコシさび病菌)、Puccinia striiformis(プクシニア・ストリイフォルミス:コムギ黄さび病)、Puccinia graminis fsp tritici(小麦黒銹病菌)、Puccinia asparagi(さび病菌)、Puccinia recondita(コムギ赤さび病菌)またはPuccinia arachidis(さび病菌))、Pythium spp.(ピシウム)(例、Pythium aphanidermatum(ピシウム・アファニデルマータム:苗立枯病菌))、Pyronema spp.(ピロネマキン属)、Pyrenophora spp.(ピレノホラ)(例、Pyrenophora tritici−repentensまたはPyrenophora teres(網斑病菌)、Pyricularia spp.(いもち病菌)(例、Pyricularia oryzae(ピリキュラリア・オリゼー:イネいもち病菌))、Pythium spp.(ピシウム)(例、Pythium ultimum(ピシウム・ウルティマム:立枯病菌)、Rhincosporium secalis)、Rhizoctonia spp.(葉腐病菌)(例、Rhizoctonia solani(リゾクトニア・ソラニ:イネ紋枯病菌)、Rhizoctonia oryzae(イネ赤色菌核病菌)またはRhizoctonia cerealis(株腐病菌))、Rhizopus spp.(クモノスカビ属)(例、Rhizopus chinensid)、Saccharomyces spp.(酵母)、Scerotium spp.(例、Scerotium rolfsii)、Sclerotinia spp.(菌核病菌)(例、Sclerotinia sclerotiorum(菌核病菌))、Septoria spp.(セプトリア菌)(例、Septoria lycopersici(白星病菌)、Septoria glycines(褐紋病菌)、Septoria nodorum(コムギふ枯病菌)またはSeptoria tritici(葉枯病菌))、Spizellomyces spp.、Thermomyces spp.(サーモマイセス属)、Thielaviopsis spp.(根腐病菌)(例、Thielaviopsis basicola(タバコ黒根病菌))、Tilletia spp.(なまぐさ黒穂病菌)、Trametes spp.(白色腐朽菌)、Trichoderma spp.(トリコデルマ)(例、Trichoderma virde(トリコデルマ ビリデ))、Trichophyton spp.(白癬菌)、Uncinula spp.(うどんこ病原因菌)(例、Uncinula necator(うどんこ病原因菌))、Ustilago maydi(トウモロコシ裸黒穂病菌)(例、corn smut(とうもろこし黒穂病)、Venturia spp.(ベンチュリア属菌:黒星病菌)、(例、Venturia inaequalis(ベンチュリア・イナクアリス)またはVenturia pirina(ナシ黒星病菌))、Yarrwia spp.、またはVerticillium spp.(バーティシリウム属:バーティシリウム萎凋病菌)(例、Verticillium dahliae(土壌伝染性糸状菌)またはVerticillium albo−atrum(バ−ティシリウム黒点病菌)); 遺伝子とは、ポリペプチドまたは前駆体の産生に必要な制御配列およびコード配列を含むポリヌクレオチド配列を指す。ポリペプチドを、完全長のコード配列またはコード配列の一部分によってコードできる。遺伝子は、連続コード配列を構成する、または適切なスプライス部位によって結合される1つ以上のイントロンを含むことができる。さらに、遺伝子は、発現産物の生物活性または化学構造、発現率、発現調節様式に影響を及ぼしうるコーディング領域または非翻訳領域のいずれかに1つ以上の修飾を含むことができる。該修飾として、突然変異、挿入、欠失、1つ以上のヌクレオチドの置換が挙げられるが、これらに限定されない。この点について、該修飾遺伝子は、「野生型」遺伝子の「変異体」と呼ばれる。 遺伝要素:「遺伝要素」とは、プロモーター、遺伝子、ターミネーター、イントロン、エンハンサー、スペーサー、5’−非翻訳領域、3’−非翻訳領域、組み換え酵素の認識部位などであるが、これらに限定されない、任意の別々のヌクレオチド配列である。 遺伝子改変:分子細胞生物学での方法の適用によって特定の生物のゲノムに核酸を安定導入。 「遺伝子抑制」または「遺伝子発現のダウンレギュレーション」または「遺伝子発現の阻害」とは、互換的に使用され、標的遺伝子からのタンパク質産物および/またはmRNA産物のレベルでの、測定可能な、または観察可能な遺伝子発現の低減、または検出可能な遺伝子発現の完全な停止を指す。標的遺伝子のダウンレギュレーションまたは阻害が、害虫の他の遺伝子に明らかな影響を及ぼすことなく起る場合、遺伝子発現のダウンレギュレーションまたは阻害は「特異的」である。 標的遺伝子の性質に応じて、害虫の細胞での遺伝子発現のダウンレギュレーションまたは阻害は、細胞または害虫の全生物体の表現型分析、またはRNA溶液ハイブリダイゼーション、ヌクレアーゼ保護、ノーザンブロット法、逆転写、マイクロアレイによる遺伝子発現モニタリング、抗体結合、酵素免疫測定吸着法(ELISA)、ウエスタンブロット法、放射免疫定量法(RIA)、他の免疫測定分析、蛍光細胞分析分離装置(FACS)などの分子技術を利用したmRNAやタンパク質の発現測定によって確認できる。 本明細書で裸子植物とは、子房のない種子を有する種子植物が指す。裸子植物の例として、針葉樹、ソテツ、イチョウ、マオウが挙げられる。 本明細書で使用する相同性とは、配列に関連しており、「有意な」レベルの配列類似性、より好ましくは配列同一性を示す場合に、タンパク質またはヌクレオチドは相同である可能性が高い。真の相同配列は、共通の祖先遺伝子からの分岐によって関連付けられる。配列相同体には以下の2種類がありうる:(i)異なる種に存在する相同体の場合、それらはオルソローグとして知られており、例えば、マウスとヒトのαグロブリンはオルソローグである;(ii)パラログとは単一の種内で相同な遺伝子であり、例えば、マウスのαグロブリンとβグロブリンはパラログである。 宿主細胞:微生物、原核生物細胞、真核生物細胞、または単細胞として培養された細胞株を指し、それは組み換えベクターや他のポリヌクレオチドの移入において受容細胞として使用できるし、または使用されてきており、形質導入した親細胞の子孫細胞を含む。単一細胞の子孫は、自然発生的な、偶発的な、または意図的な突然変異のために、必ずしも形態、ゲノム、全DNA相補体において元の親細胞と全く同一ではない可能性がある。 本明細書で使用する昆虫は、動物界に属する任意の生物、特に門節足動物 (Phylum Arthropoda)、クラス昆虫類 (Class Insecta)、またはクラスクモ類 (Class Arachnida) を意味する昆虫であり得る。発明の方法は、RNA干渉による遺伝子サイレンシングに感受性であり、周辺環境から二本鎖RNAを取り込むことのできる全ての昆虫に適用できる。 本発明の一実施態様では、昆虫は以下の目に属しうる:ダニ類(Acari)、真正クモ目(Araneae)、シラミ目(Anoplura)、甲虫類(Coleoptera)、トビムシ目(Collembola)、革翅目(Dermaptera)、Dictyoptera、双尾目(Diplura)、双翅目(Diptera)、紡脚目(Embioptera)、カゲロウ目(Ephemeroptera)、Grylloblatodea、半翅目(Hemiptera)、同翅目(Homoptera)、膜翅目(Hymenoptera)、等翅目(Isoptera)、鱗翅目(Lepidoptera)、食毛目(Mallophaga)、シリアゲムシ目(Mecoptera)、脈翅目(Neuroptera)、トンボ目(Odonata)、直翅類(Orthoptera)、ナナフシ類(Phasmida)、カワゲラ目(Plecoptera)、原尾目(Protura)、チャタテムシ目(Psocoptera)、ノミ目(Siphonaptera)、シラミ目(Siphunculata)、総尾目(Thysanura)、ネジレバネ目(Strepsiptera)、アザミウマ類(Thysanoptera)、毛翅目(Trichoptera)、絶翅目(Zoraptera)。 本発明の好ましいが、非限定的な実施態様および方法では、昆虫は以下から成るグループから選択する: Nilaparvata spp.(ウンカ)(例、N.lugens(トビイロウンカ)、brown planthopper(ブラウン・プラントホッパー)、Laodelphax spp.(ヒメトビウンカ)(例、L.striatellus(ヒメトビウンカ)、(small brown planthopper:ヒメマルカツオブシムシ);Nephotettix spp.(ツマグロヨコバイ)(例、N.virescens(タイワンツマグロヨコバイ)またはN.cincticeps(ツマグロヨコバイ)(green leafhopper:ミドリヒメヨコバイ)またはNnigropictus(クロスジツマグロヨコバイ)(rice leafhopper:イナズマヨコバイ)、Sogatella spp.(ウンカ)(例、S.furcifera(セジロウンカ)(white−backed planthopper:セジロウンカ);Blissus spp.(カメムシ)(例、B.leucopterus leucopterus(コバネナガカメの一種)(chinch bug:コバネナガカメムシの一種)、Scotinophora spp.(イネクロカメムシ)(例、S.vermidulate(rice blackbug:クロカメムシの一種)、Acrosternum spp.(カメムシ)(例、A.hilare (green stink bug:アオカメムシ)、Parnara spp.(イチモンジセセリ)(例、P.guttata(イチモンジセセリ))、Chilo spp.(ニカメイガ)(例、C.suppressalis(ニカメイガ)、C.auricilius(gold−fringed stem borer)またはC.polychrysus(dark−headed stem borer:ネッタイメイチュウ)、Chilotraea spp.(例、C.polychrysa(rice stalk borer))、Sesamia spp.(イネヨトウ)(例、S.inferens(pink rice borer))、Tryporyza spp.(トリポリザ)(例、T.innotata(white rice borer)またはT.incertulas(yellow rice borer:メイガ))、Cnaphalocrocis spp.(コブノメイガ)(例、C.medinalis(rice leafroller:コブノメイガ))、Agromyza spp.(ハモグリバエ)(例、A.oryzae(麹菌)(leafminer)またはA.parvicornis(corn blot leafminer))、Diatraea spp.(ディアトレーア(Diatraea))、(例、D.saccharalis(sugarcane borer:サトウキビメイガ)またはD.grandiosella(southwestern corn borer:南西部アワノメイガ)、Narnaga spp.(例、N.aenescens(green rice caterpillar:フタオビコヤガ))、Xanthodes spp.(フタトガリコヤガ)(例、X.transversa(green caterpillar:フタオビコヤガ))、Spodoptera spp.(ヨトウ)(例、S.frugiperda、S.exigua(スポドプテラ・エキグア:シロナトヨウ)(beet armyworm:シロイチモンジヨトウ)、S.littoralis(スポドプテラ・リットラリス)(climbing cutworm:根切虫)またはS.praefica western yellowstriped armyworm)、Mythimna spp.(ヨトウ)(例、Mythmna(Pseudaletia) seperata(armyworm))、Helicoverpa spp.(ヘリコベルパ)(例、H.zea(シロイチモジヨトウ)(corn earworm:オオタバコガ))、Colaspis spp.(例、C.brunnea(grape colaspis))、Lissorhoptrus spp.(イネミズゾウムシ)(例、L.oryzophilus(rice water weevil:ライス・ウォーター・ウィービル:イネミズゾウムシ)、Echinocnemus spp.(イネゾウムシ)(例、E.squamos(rice plant weevil(イネゾウムシ)、Diclodispa spp.(例、D.armigera(rice hispa:メイガ)、Oulema spp.(クビボソハムシ)(例、O.oryzae(leaf beetle:イネクビボソハムシ)、Sitophilus spp.(コクゾウムシ)(例、S.oryzae(rice weevil:コクゾウムシ)、chydiplosis spp.(例、P.oryzae(イネいもち病菌)(rice gall midge:タマバエ科)、Hydrellia spp.(ミギワバエ)(例、H.griseola(small rice leafminer:イネヒメハモグリバエ)または H.sasakii(rice stem maggot:イネカラバエ)、Chlorops spp.(キモグリバエ)(例、C.oryzae(stem maggot)、イネカラバエ(イネキモグリバエ))、Ostrinia spp.(メイガ)(例、O.nubilalis(European corn borer:ヨーロッパアワメイガ))、Agrotis spp.(ヤガ)(例、Aipsilon(black cutworm:タマナヤガ))、Elasmopalpus spp.(マダラメイガ)(例、E.lignosellus(エラスモパルパス・リグノセラス)(lesser cornstalk borer:モロコシマダラメイガ)、Melanotus spp.(コメツキムシ)(wireworms:ハリガネムシ類、甲虫目)、Cyclocephala spp.(コガネカブト)(例、C.borealis(northern masked chafer)またはC.immaculata(southern masked chafer))、Popillia spp.(マメコガネ)(例、P.japonica (Japanese beetle:マメコガネ))、Chaetocnema spp.(トビハムシ)(例、C.pulicaria (corn flea beetle))、Sphenophorus spp.(シバオサゾウムシ)(例、S.maidis(maize billbug:ゾウムシ))、Rhopalosiphum spp.(トウモロコシアブラムシ)(例、R.maidis (corn leaf aphid:トウモロコシアブラムシ))、Anuraphis spp.(アブラムシ科)(例、A.maidiradicis(corn root aphid:トウモロコシアブラムシ))、Melanoplus spp.(メラノプラス・バッタ)(例、M.femurrubrum(redlegged grasshopper)、M.differentialis(differential grasshopper)またはM.sanguinipes(migratory grasshopper))、Hylemya spp.(例、H.platura(seedcorn maggot:タネバエ))、Anaphothrips spp.(アザミウマ)(例、A.obscrurus(grass thrips:アザミウマ))、Solenopsis spp.(トフシアリ)(例、S.milesta(thief ant))、(例、T.urticae(twospotted spider mite:ナミハダニ)、T.cinnabarinus(carmine spider mite:ニセナミハダニ)、Helicoverpa spp.(タバコガ)(例、H.zea (cotton bollworm:オオタバコガ)またはH.armigera(American bollworm:アメリカンボールワーム:オオタバコガ))、Pectinophora spp.(キバガ類)(例、P.gossypiella(pink bollworm:ワタアカミムシガ))、Earias spp(リンガ)(例、E.vittella (spotted bollworm:クサオビリンガ))、Heliothis spp.(ヤガ)(例、H.virescens(tobacco budworm:タバコガ))、Anthonomus spp.(ゾウムシ)(例、A.grandis(boll weevil:ワタミハナゾウムシ))、Pseudatomoscelis spp.(カスミカメムシ科)(例、P.seriatus(cotton fleahopper:コットンフリーホッパー:アカヒゲホソミドリカスミカメ))、Trialeurodes spp.(コナジラミ)(例、T.abutiloneus(banded−winged whitefly)、T.vaporariorum (greenhouse whitefly:オンシツコナジラミ))、Bemisia spp.(コナジラミ)(例、B.argentifolii(silverleaf whitefly:シルバーリーフ・コナジラミ:タバココナジラミ)、Aphis spp.(アブラムシ)(例、A.gossypii(cotton aphid:ワタアブラムシ)、A.mellifera(セイヨウミツバチ)、Lygus spp.(メクラガメ)(例、L.lineolaris(tarnished plant bug:トラニッシュドプラントバグ)またはL.hesperus(western tarnished plant bug)、Euschistus spp.(カメムシ科:)(例、E.conspersus(consperse stink bug))、Chlorochroa spp.(例、C.sayi(Say stinkbug))、Nezara spp.(カメムシ)(例、N.viridula(southern green stinkbug:ミナミアオカメムシ))、Thrips spp.(アザミウマ)(例、T.tabaci(onion thrips:ネギアザミウマ))、Frankliniella spp.(アザミウマ)(例、F.fusca (tobacco thrips)またはF.occidentalis(western flower thrips:ミカンキイロアザミウマ)、Leptinotarsa spp.(ハムシ)(例、L.decemlineata(Colorado potato beetle:コロラドハムシ)、L.juncta(false potato beetle)またはL.texana(Texan false potato beetle))、Lema spp(ハムシ)(例、L.trilineata(three−lined potato beetle))、Epitrix spp.(ダニ)(例、E.cucumeris(potato flea beetle)、E.hirtipennis(flea beetle:ジャガイモノミハムシ)またはE.tuberis (tuber flea beetle))、Epicauta spp.(マメハンミョウ)(例、E.vittata (striped blister beetle))、Empoasca spp.(ヨコバイ(例、E.fabae (potato leafhopper:ジャガイモヒメヨコバイ))、Myzus spp.(アブラムシ)(例、M.persicae(green peach aphid:モモアカアブラムシ))、Paratrioza spp.(例、P.cockerelli(psyllid:アオキシロカイガラムシ))、Conoderus spp.(コメツキムシ科)(例、C.falli(southern potato wireworm)またはC.vespertinus(tobacco wireworm:タバコハリガネムシ)、Phthorimaea spp.(キバガ)(例、P.operculella(potato tuberworm:ジャガイモキバガ)、Macrosiphum spp.(ヒゲナガアブラムシ)(例、M.euphorbiae(potato aphid:ジャガイモヒゲナガアブラムシ))、Thyanta spp.(ティアンタ)(例、T.pallidovirens(redshouldered stinkbug))、Phthorimaea spp.(キバガ科)(Gelechiidae)(例、P.operculella(potato tuberworm:ジャガイモガ))、Helicoverpa spp.(タバコガ)(例、H.zea(tomato fruitworm)、Keiferia spp.(ケイフェリア)(例、K.lycopersicella(tomato pinworm))、Limonius spp.(コメツキムシ)(wireworms:ハリガネムシ類))、Manduca spp.(スズメガ)(例、M.sexta(tobacco hornworm:タバコスズメガ))またはM.quinquemaculata(tomato hornworm:タバコスズメガ))、Liriomyza spp.(ハモグリバエ)(例、L.sativae(トマトハモグリバエ)、L.trifolli(マメハモグリバエ)またはL.huidobrensis(leafminer:アシグロハモグリバエ))、Drosophilla spp.(タロイモショウジョウバエ属)(例、D.melanogaster(キイロショウジョウバエ))、D.yakuba、D.pseudoobscura(ウスグロショウジョウバエ)またはD.simulans(オナジショウジョウバエ)、Carabus spp.(オサムシ)(例、C.granulatus(アカガネオサムシ))、Chironomus spp.(ユスリカ)(例、C.tentanus)、Ctenocephalides spp.(ノミ)(例、C.felis(cat flea:ネコノミ))、Diaprepes spp.(ゾウムシ科)(例、D.abbreviatus(root weevil))、Ips spp.(キクイムシ)(例、I.pini (pine engraver:コメツキムシ))、Tribolium spp.(コクヌストモドキ)(例、T.castaneum(red floor beetle))、Glossina spp.(ツエツエバエ)(例、G.morsitans(tsetse fly:ツエツエバエ))、Anopheles spp.(ハマダラカ)(例、A.gambiae (malaria mosquito:ガンビエハマダラカ))、Helicoverpa spp.(タバコガ)(例、H.armigera(African Bollworm:オオタバコガ))、Acyrthosiphon spp.(アブラムシ)(例、A.pisum(pea aphid:エンドウヒゲナガアブラムシ))、Apis spp.(ミツバチ科)(例、A.melifera(honey bee:ヨーロッパミツバチ))、Homalodisca spp.(ヨコバイ)(例、H coagulate(glassy−winged sharpshooter:グラッシーウイングド・シャープシューター))、Aedes spp.(ヤブカ)(例、Ae aegypti(yellow fever mosquito:ネッタイシマカ))、Bombyx spp.(カイコガ)(例、B.mori(silkworm:カイコガ))、B.mandarina(クワコ)、Locusta spp.(バッタ)(例、L.migratoria (migratory locust:トノサマバッタ))、Boophilus spp.(マダニ)(例、B.microplus(cattle tick:オウシマダニ))、Acanthoscurria spp.(タランチュラ)(例、A.gomesiana(red−haired chololate bird eater))、Diploptera spp.(ゴキブリ)(例、D.punctata(pacific beetle cockroach))、Heliconius spp.(ドクチョウ属)(例、H.erato(red passion flower butterfly:エラートドクチョウ))またはH.melpomene(postman butterfly:メルポメネベニモンドクチョウ))、Curculio spp.(ゾウムシ科)(例、C.glandium(acorn weevil))、Plutella spp.(コナガ)(例、P.xylostella(diamontback moth))、Amblyomma spp.(マダニ)(例、A.variegatum(cattle tick))、Anteraea spp.(例、A yamamai (silkmoth:ヤママユ))、Belgica spp.(ユスリカ)(例、B.antartica)、Bemisa spp.(例、B.tabaci:タバココナジラミ))、Bicyclus spp.(コジャノメ亜族)、Biphillus spp.、Callosobruchus spp.(マメゾウムシ)、Choristoneura spp.(ハマキ)、Cicindela spp.(ハンミョウ)、Culex spp.(カ)、Culicoides spp.(ヌカカ)、Diaphorina spp.(ミカンキジラミ)、Diaprepes spp.(ディアプレペス)、Euclidia spp.(ツメクサキシタバ)、Glossina spp.(ツエツエバエ)、Gryllus spp.(コオロギ科)、Hydropsyche spp.(シマトビケラ科)、Julodis spp.(タマムシ科)、Lonomia spp.(マメハンミョウ)、Lutzomyia spp.(サシチョウバエ)、Meladema spp.、Mycetophagus spp.(コキノコムシ)、Nasonia spp.(コガネコバチ科)、Oncometopia spp.、Papilio spp.(アゲハ)、Pediculus spp.(ヒトジラミ)、Plodia spp.(メイガ科)、Rhynchosciara spp.、Sphaerius spp.、Toxoptera spp.(アブラムシ)、Trichoplusa spp.、Armigeres spp.(例、A subalbatus:オオクロヤブカ)に限定されないが、これらのような植物害虫である、昆虫。 「害虫防除剤」または「遺伝子抑制剤」とは、第1RNA断片と第2RNA断片を含む特定のRNA分子を指し、ここで第1、2RNA断片の相補性によって2つの断片がインビボおよびインビトロでハイブリダイズして2本鎖分子を形成することが可能となる。第1、2配列を連結、安定化させる第3断片を含め、第3断片によって第1、2断片の各末端が連結されたステム、そしてループを形成する、つまり構造全体がステムループ構造を形成する、または更に強固なハイブリダイズ構造がステムループノット構造を形成できるようになることが一般に好ましい。または、第3断片なしに対称ヘアピンを形成可能であるが(ここではループ設計は存在しない)、ステムがそれ自体を安定化させるのに十分な長さがある場合、立体構造のためヘアピンがそれ自体のループを作りうる。通常、第1、2RNA断片はRNA分子の全長にわたり位置しており、実質的にはそれぞれの逆方向反復となっており、第3RNA断片によって連結されている。第1、2断片は、dsRNAの摂取によって阻害される、標的昆虫内の標的遺伝子から転写される標的RNAのセンス、アンチセンス配列に常に対応する(第1断片=センス配列、第2断片=アンチセンス配列とは限らない)。 害虫防除剤は、実質的に精製された(または単離された)核酸分子、より具体的にはゲノムDNA(gDNA)またはcDNAライブラリー由来の核酸分子またはその核酸分子の断片でもよい。または、断片は、約15〜250個のヌクレオチド残基、より好ましくは、約15〜30個のヌクレオチド残基のより小さなオリゴヌクレオチドから成り得る。 導入:本明細書において使用する場合は、感染、形質移入、形質転換、形質導入などの方法による細胞内への核酸配列の挿入を指す。 単子葉植物は、1個の子葉または双葉、平行葉脈、および3の倍数単位の花部を有する開花植物である。単子葉植物の例としては、芝草、トウモロコシ、米、オート麦、小麦、大麦、モロコシ、ラン、アヤメ、ユリ、玉葱、ヤシが挙げられるが、これらに限定されない。 線虫、または回虫は、最も一般的な動物門の1種であり、20,000種以上の異なる種が記述されている(15,000種以上が寄生性である)。それらは、真水、海、陸環境に偏在しており、ここではこれらの種は個体数および種の数のいずれにおいても他の動物のそれらよりも多く、南極や海溝に至るまで広範囲な場所で認められる。さらに、大半の動植物での病原体など、非常に多くの寄生形態がある。 発明の方法は、RNA干渉による遺伝子サイレンシングに感受性であり、周辺環境から二本鎖RNAを取り込むことのできる全ての真菌、真菌細胞に適用できる。 本発明の一実施態様では、線虫は、ヘテロデラ(Heterodera)、Globodera属を含む、シストセンチュウ科に属しうる。 本明細書の好ましいが、非限定的な実施態様および方法では、以下から成るグループから昆虫は選択される:Meloidogyne spp.(メロイドギネ属センチュウ)(例、M.incognita(サツマイモネコブセンチュウ)、M.javanica(ジャワネコブセンチュウ)、M.graminicola、M.arenaria(ネコブセンチュウ)、M.chitwoodi、M.Hapla(キタネコブセンチュウ)またはM.paranaensis(病原線虫)、Heterodera spp.(センチュウ)(例、H.oryzae、H.glycines(ダイズシストセンチュウ)、H.Zeae、H.schachtii)、Globodera spp.(センチュウ)(例、G.pallida(ジャガイモシロシストセンチュウ)またはG.rostochiensis(ジャガイモシストセンチュウ))、Rotylenchulus spp.(ニセフクロセンチュウ類)(例、R.reniformis(ニセフクロセンチュウ))、Pratylenchus spp.(ネグサレセンチュウ)(例、P.coffeae(ミナミネグサレセンチュウ)、P.Zeae(モロコシネグサレセンチュウ)またはP.goodeyi(プラチレンカス・ゴーデイ))、Radopholus spp.(ネモグリセンチュウ)(例、R.similis(バナナネモグリセンチュウ))、Hirschmaniella spp.(例、H.oryzae)、Ancylostoma spp.(鉤虫)(例、A caninum(イヌ鉤虫)、A.ceylanicum(セイロン鈎虫)、A.duodenale(ズビニ鉤虫)またはA.Tubaeforme(猫鉤虫))、Anisakid(アニサキス科)、Aphelenchoides spp.(例、A.Besseyi(イネシンガレセンチュウ))、Ascarids(回虫類)、Ascaris spp.(回虫)(例、A.Suum(豚回虫)(A.lumbridoides)、Belonolaimus spp.(ベロノライマス)、Brugia spp.(糸状虫)(例、B.malayi(マレー糸状虫)またはB.pahangi)、Bursaphelenchus spp.(マツノザイセンチュウ)、Caenorhabditis spp.(線虫)(例、C.elegans(線虫)、C.briggsae、またはC.remanei)、Clostridium spp.(クロストリジウム属)(例、C.acetobutylicum(クロストリジウム・アセトブチリカム))、Cooperia spp.(クーペリア)(例、C.oncophora)、Criconemoides spp.(クリコネモイデス)、Cyathostomum spp.(シアトストーマム属)(例、C.catinatum、C.coronatum、またはC.pateratum)、Cylicocyclus spp.(例、C.insigne、C.nassatus、またはC.radiatus)、Cylicostephanus spp.(シリコステファヌス エスピーピー)(例、C.goldiまたはC longibursatus)、Diphyllobothrium(広節裂頭条虫)、Dirofilaria spp.(例、D.immitis(犬糸状虫))、Ditylenchus spp.(センチュウ)(例、D.dipsaci(ナミクキセンチュウ)、D.destructor(イモグサレセンチュウ)またはD.Angustus(イネクキセンチュウ))、Enterobius spp.(蟯虫)(例、E.vermicularis)、Haemonchus spp.(胃虫)(例、H.contortus(捻転胃虫))、Helicotylenchus spp.、Hoplolaimus spp.(ホプロライムス)、Litomosoides spp.(リトモソイデス)(例、L.sigmodontis)、Longidorus spp.(ナガハリセンチュウ)(例、L.macrosoma)、Necator spp.(鉤虫)(例、N.americanus(アメリカ鉤虫))、Nippostrongylus spp.(ニッポストロンギルス)(例、N.brasiliensis(ニッポストロンギルス・ブラジリエンシス))、Onchocerca spp.(オンコセルカ)(例、O volvulus(回旋線糸状虫))、Ostertagia spp.(オステルタジア)(例、O.ostertagi(オステルタギ))、Parastrongyloides spp.(線虫類)(例、P trichosuri)、Paratrichodorus spp.(パラトリコドラス属)(例、P.minor(ヒメユミハリセンチュウ)またはP.teres))、Parelaphostrongylus spp.(パレラホストロンギルス属)(例、P.tenuis(オバクサ))、Radophulus spp.、Scutellonerna spp.、Strongyloides spp.(例、S Ratti(ネズミ糞線虫)またはS.stercoralis(イヌの糞線虫)、Teladorsagia spp.(テラドルサジア)(例、T.circumcincta(オオキノコムシ科))、Toxascaris spp.(例、T.leonina(イヌショウカイチュウ))、Toxocara spp.(例、T.canis(犬回虫)またはT.cati(猫回虫卵))、Trichinella spp.(例、T.britovi(旋毛虫)、T.spiralis(センモウチュウ)、T.spirae)、Trichodorus spp.(ユミハリセンチュウ)(例、T.similis(ユミハリセンチュウ))、Trichuris spp.(鞭虫類)(例、T.muris、T vulpis(イヌ鞭虫)またはT.trichiura(鞭虫))、Tylenchulus spp.(チレンキュラス種)、Tylenchorhynchus spp.、Uncinaria spp.(鉤虫)(例、U.stenocephala(イヌ科の鉤虫))、Wuchereria spp.(糸状虫)(例、W.bancrofti(バンクロフト糸状虫))、Xiphinema spp.(オオハリセンチュウ)(例、X Index(ブドウオオハリセンチュウ)またはX.americanum(アメリカオオハリセンチュウ))。 植物寄生性の線虫は、収穫に深刻な損害を起こす。最も一般的な属は、Aphelenchoides(葉線虫)、Meloidogyne(ネコブセンチュウ)、Heterodera、(ダイズシスト線虫)、イモグサレセンチュウなどのGlobodera(ハリセンチュウ)(cyst nematodes(ダイズシストセンチュウ))、Nacobbus(キタネグサレセンチュウ)、Pratylenchus(ミナミネグサレセンチュウ)、Ditylenchus(センチュウ)、Xiphinema(オオハリセンチュウ)、Longidorus(ナガハリセンチュウ)、Trichodorus (ユミハリセンチュウ)である。他の線虫は樹皮や森林樹を攻撃する。このグループの最も重要な代表例は、Bursaphelenchus xylophilusであり、つまりアジアやアメリカに存在し、最近ヨーロッパで発見されたマツノザイセンチュウである。 正常細胞とは、非形質転換体の表現型を有する細胞、または検証される組織型の非形質転換細胞の形態を呈する細胞を指す。 機能的に連結:組み合わせて細胞内で適切に機能するように2以上の分子を連結させることを指す。例えば、プロモーターが構造遺伝子の転写を制御する場合、プロモーターは構造遺伝子に機能的に連結している。 オルソローグは共通の先祖からの垂直遺伝によって関連する遺伝子であり、異なる種において同じ機能を有するタンパク質をコードする。種分化後の分離のため、オルソローグは分かれて別々の進化の道筋をたどるが、通常、配列および構造レベルで類似性を有する。共通の先祖に由来し、類似の機能を有するタンパク質をコードする2つの遺伝子は、オーソロガスであると呼ばれる。オルソローグの同定は、新たに配列構造が解明されたゲノムにおける遺伝子機能の確かな予測において不可欠である。 害虫または標的の害虫とは、ヒトの環境中に偏在する、昆虫、クモ形動物、甲殼類、菌類、細菌、ウイルス、線形動物、扁形虫、回虫、蟯虫、鉤虫、サナダムシ、トリパノソーマ類、住血吸虫、ウシバエ、蚤、マダニ、コダニ、シラミを指す。二本鎖の遺伝子抑制剤で処理した物質または表面の他、二本鎖の遺伝子抑制剤で形質転換させた生物が産生する、1つ以上の細胞、組織、産物を害虫に摂食または接触させることができる。 殺虫剤とは、害虫を予防、破壊、撃退、軽減させることを目的とした任意の物質または物質の混合物を指す。殺虫剤は、人間と食物をめぐって競合する、所有物を破壊する、病気を蔓延させる、または不快な昆虫、病原体、雑草、線虫、微生物などの害虫に対して使用される化学物質または生物学的薬剤であってもよい。 表現型は生物の顕著な特徴または特性であり、形質転換生物の少なくとも1つの細胞のゲノム内に1つ以上の「所望のポリヌクレオチド」、および/またはスクリーニング可能/選択マーカーを挿入させることで、本発明に従って改変してもよい。「所望のポリヌクレオチド」および/またはマーカーは、形質転換細胞または生物全体の多くの遺伝的、分子的、生化学的、生理学的、形態学的特徴または特性のいずれか1つを修飾することで、形質転換生物の表現型を変えてもよい。このように、植物ゲノム中に安定に取り込ませた1つ以上の所望のポリヌクレオチドの発現によって、限定されないが、耐病性の向上、昆虫耐性の向上、乾燥耐性の向上、耐寒性/霜耐性を向上、生育量の改善、色彩の向上、健康/栄養特性の向上、保存性の改善、収穫量の増加、耐塩性、重金属耐性の向上、水ストレス耐性の向上、甘味度の増強、生育量の改善、味質の改善、肉質の改善、リン酸塩含有量の減少、発芽の増加、微量養素取り込みの増加、デンプン組成の改善、花の寿命の改善から成るグループから選択される表現型が引き起こされる。 植物組織:「植物」は、植物界における様々な光合成生物、真核生物、多細胞生物のいずれかであり、胚形成、葉緑体の含有、セルロースの細胞壁を特徴とする。植物の一部、つまり「植物組織」は、植物、または植物の部分において害虫の侵入を予防するために、本発明の方法に従って処理してもよい。多くの適切な植物組織を本発明に従って処理でき、植物組織としては、体細胞胚、花粉、葉、茎、カルス、芽茎、極小塊茎、新芽が挙げられるが、これらに限定されない。このように、本発明では、アカシア、アルファルファ、リンゴ、杏、アーティチョーク、ash tree、アスパラガス、アボカド、バナナ、大麦、豆、ビート、カンバ、ブナノキ、ブラックベリー、ブルーベリー、ブロッコリー、メキャベツ、キャベツ、アブラナ、カンタループ、ニンジン、キャッサバ、カリフラワー、杉、シリアル、セロリ、クリノキ、桜、白菜、柑橘類、クレメンタイン、クローバー、コーヒー、コットン、カウピー豆、キュウリ、ヒノキ、なす、ニレ、エンダイブ、ユーカリ、ウイキョウ、イチジク、モミ、ゼラニウム、ブドウ、グレープフルーツ、ピーナツ、ホオズキ、ゴム毒人参、ヒッコリー、ケール、キーウィ、コールラビ、カラマツ、レタス、ニラ、レモン、ライム、バッタ、松、アジアンタム、トウモロコシ、マンゴー、カエデ、メロン、キビ、マッシュルーム、マスタード、木の実、樫、オート麦、オクラ、玉葱、オレンジ、観賞植物/花/木、パパイヤ、ヤシ、パセリ、パースニップ、エンドウ豆、桃、ピーナッツ、西洋ナシ、泥炭、ペッパー、柿、キマメ、松、パイナップル、オオバコ、プラム、ザクロ、ジャガイモ、パンプキン、赤チコリー、大根、菜種、ラズベリー、米、ライ麦、モロコシ、サルヤナギ、ホウレンソウ、モミの木、スカッシュ、イチゴ、サトウダイコン、サトウキビ、ひまわり、サツマイモ、スイートコーン、タンジェリン、お茶、タバコ、トマト、木、ライコムギ、芝草、つる草、クルミ、クレソン、スイカ、小麦、ヤムイモ、イチイ、およびズッキーニなどの被子植物/裸子植物の処理を想定している。 本発明によると、「植物組織」には植物細胞も含まれる。植物細胞としては、浮遊培養物、カルス、胚、成長点部分、カルス組織、葉、根、新芽、配偶体、胞子体、花粉、種子、小胞子が挙げられる。植物組織は様々な成熟段階にあり、液体/固形培養、または鉢、温室、田畑の土壌または適切な培地中で増殖できる。植物組織とは、有性生殖、無性生殖を問わず、該植物、種子、後代、珠芽のクローン、および切り枝や種子といったこれらの子孫も指す。 植物形質転換および細胞培養:とは広く、維持管理、更なる成長、および/または更なる発生のために、植物細胞の遺伝子を改変させる、適切な植物培地に移す工程を指す。該方法は当業者には周知である。 後代:本発明の「後代」(例、トランスジェニック植物の後代)とは、植物またはトランスジェニック植物から生まれた/生じた/由来するものである。従って、「後代」植物、つまり「F1」世代植物は、発明の方法によって作出するトランスジェニック植物の子または子孫である。トランスジェニック植物の後代には、その細胞の少なくとも1つ、一部、または全てのゲノム内に、本明細書に記載の方法によって親トランスジェニック植物の細胞に取り込まれた所望のポリヌクレオチドが含まれうる。従って、所望のポリヌクレオチドは、子孫植物によって「伝達される」、「遺伝で受け継がれる」。このようにして子孫植物に遺伝で受け継がれる所望のポリヌクレオチドは、T−DNAコンストラクト内に存在し、これもその親からの後代植物によって遺伝で受け継がれる。本明細書で使用する「後代」という用語は、植物グループの子または子孫とも見なすことができる。 プロモーターとは、核酸、好ましくはRNAポリメラーゼと結合するDNA、および/または他の転写調節因子を意味することを意図している。任意のプロモーターと同様に、本発明のプロモーターによってDNAまたはRNAの転写が促進・調節されて、プロモーターと機能的に連結した核酸分子からmRNA分子を生じる。先述の通り、生じたRNAは、タンパク質またはポリペプチドをコードし、またはRNA干渉分子またはアンチセンス分子をコードできる。 植物プロモーターは、その起源が植物細胞であるか否かにかかわらず、植物細胞において転写を開始できるプロモーターである。代表的な植物プロモーターとして、限定されないが、植物細胞で発現される遺伝子を含む、植物、植物ウイルス、アグロバクテリウム属または根粒菌属などの細菌が挙げられる。発生制御されるプロモーターの例とし、木部、葉、根、種子などの特定組織において選択的に転写を開始するプロモーターが挙げられる。該プロモーターを組織選択的プロモーターと呼ぶ。特定組織でのみ転写を開始するプロモーターを組織特異的プロモーターと呼ぶ。細胞種特異的プロモーターは、1つ以上の器官、例えば、根や葉の脈管細胞などの特定の細胞種において、主に発現を促進させる。誘発性あるいは抑制性プロモーターは環境制御下にあるプロモーターである。誘発性プロモーターによる転写に影響をもたらし得る環境条件の例として、無気的条件や光の存在が挙げられる。組織特異的、組織選択的、細胞種特異的な誘発性プロモーターは、非構成的プロモーターの分類を構成する。構成的プロモーターは、大半の環境条件下で、そして大半の植物部位において活性なプロモーターである。 ポリヌクレオチドはヌクレオチド配列であり、遺伝子コード配列またはその断片、プロモーター、イントロン、エンハンサー部位、ポリアデニル化部位、翻訳開始部位、5’または3’非翻訳部位、レポーター遺伝子、選択マーカーなどを含む。ポリヌクレオチドは、一本鎖または二本鎖DNAまたはRNAを含んでもよい。該ポリヌクレオチドは、修飾塩基または修飾骨格を含んでもよい。ポリヌクレオチドは、ゲノム、RNA転写産物(mRNAなど)、または処理済のヌクレオチド配列(cDNAなど)であってもよい。該ポリヌクレオチドは、センスまたはアンチセンス方向の配列を含んでもよい。 単離されたポリヌクレオチドは、野生型の状態ではないポリヌクレオチド配列であり、例えば、ポリヌクレオチドは自然界では見られないヌクレオチド配列からなり、ポリヌクレオチドは通常は近傍にあるヌクレオチド配列から分離しているか、または通常は近傍にはないヌクレオチド配列に隣接しているが挙げられる。 組み換えヌクレオチド配列とは、突然変異生成、制限酵素などでの改変による遺伝子組み換え修飾を含む核酸分子を指す。 RNA干渉(RNAi)とは、低分子干渉RNA(siRNA)を介した配列特異的または遺伝子特異的な遺伝子発現(タンパク質合成)抑制を指す。 種子:「種子」は、胚、および塊茎または胞子として、植物の増殖部位を含む成熟した植物胚珠と見なすことができる。微生物を介した形質転換前に、例えば、暗所において種子を培養して、発芽を促進できる。漂白剤での短時間の処理などにより、培養前に種子を不稔化させることもできる。次に、結果として得られる幼植物を所望の細菌にさらして形質転換できる。 選択可能マーカー/スクリーニング可能マーカー:植物または植物組織で発現させた場合、その遺伝子を発現しない他の植物または植物組織からそれらを区別可能にする遺伝子。スクリーニング手順には、スクリーニング可能マーカー遺伝子がコードするタンパク質の発現に関する分析試験が必要となりうる。選択可能マーカーの例として、カナマイシンおよびジェネテシン耐性をコードするネオマイシン・ホスホトランスフェラーゼ(NPTII)遺伝子、ハイグロマイシン耐性をコードするハイグロマイシン・ホスホトランスフェラーゼ(HPTまたはAPHIV)遺伝子、または当業者には周知の類似の遺伝子が挙げられる。 配列同一性:本明細書において2つの核酸配列における「配列同一性」または「同一性」とは、特定部位にわたって一致率が最高となるように配列させた場合に同じである2つの配列内の残基の対照を含める。配列が同類置換において異なる場合、配列同一性の百分率を上方調整して、置換の保存特性を補正できる。該同類置換が異なる配列は、「配列類似性」または「類似性」が有ると言う。この調整手段は当業者には周知である。 本明細書で使用する配列同一性の割合とは、配列比較用ウィンドウに最適に配列された2つの配列の比較によって決まる値を意味しており、配列比較ウィンドウ内のポリヌクレオチド配列の一部は、2つの配列の最適アラインメントの基準配列(付加や欠失は含まない)と比較して、付加または欠失(つまり、ギャップ)を含むことができる。同じ核酸塩基が両方の配列で現れる位置の数を決定して、一致する位置の数を求め、一致する位置の数を配列比較ウィンドウ内の位置の総数で割り、この結果に100を掛けて、配列同一性の割合を求める。 「配列同一性」には、当業者には周知の意味があり、公表された技術を利用して算出できる。Computational Molecular Biology, Lesk, ed. (Oxford University Press, 1988); Biocomputing: Informatics And Genome Projects, Smith, ed. (Academic Press, 1993); Computer Analysis Of Sequence Data, Part I, Griffin & Griffin, eds., (Humana Press, 1994); Sequence Analysis In Molecular Biology, Von Heinje ed., Academic Press (1987); Sequence Analysis Primer, Gribskov & Devereux, eds.(Macmillan Stockton Press, 1991); Carillo & Lipton, SIAM J. Applied Math.48: 1073 (1988)を参照のこと。2つの配列の同一性または類似性の決定に一般に使用する方法として、Guide To Huge Computers, Bishop, ed., (Academic Press, 1994)およびCarillo & Lipton(上記)で発表されている方法が挙げられるが、これらに限定されない。同一性と類似性の測定方法は、コンピュータープログラムで体系化される。2つの配列間の同一性および類似性を測定するための好ましいコンピュータープログラムの方法として、GCG program package (Devereuxら、Nucleic Acids Research 12: 387 (1984)); BLASTP、BLASTN、FASTA (Atschulら、J. Mol.Biol.215: 403 (1990)); FASTDB (Brutlagら、Comp.App.Biosci.6: 237 (1990))が挙げられるが、これらに限定されない。 低分子ヘアピンRNA(shRNA)は、RNA鎖の一部がヘアピンループを形成するような高度な二次構造を有する低分子一本鎖RNAである。 低分子干渉RNA(siRNA)とは、遺伝子タンパク質発現に対する特異的な干渉能に由来する約10〜30ヌクレオチド長の二本鎖RNA分子を指す。 標的配列とは、二本鎖RNA技術によって抑制または阻害が選択される害虫内のヌクレオチド配列を指す。標的配列は、害虫内において不可欠な特性または生物活性をコードする。 転写ターミネーター:本発明の発現DNAコンストラクトにおいては、一般に、転写開始調節部位の反対側に転写終結部位がある。転写終結部位は、発現を高めるためのmRNAの安定化、および/または遺伝子転写産物へのポリアデニル化末端の付加で選択できる。3つの連鎖停止コドンのいずれかがリボゾームA部位に入ると、新生ポリペプチドの翻訳が終了する。翻訳終結コドンはUAA、UAG、UGAである。 トランスファーDNA(T−DNA):細菌T−DNAは、その境界内に含まれるヌクレオチド配列を別のゲノム内に組込み可能なエレメントとして周知の遺伝エレメントである。この点について、T−DNAは、一般に、2つの「境界」配列に隣接されている。本発明の所望のポリヌクレオチドと選択可能マーカーは、T−DNAの左の境界様配列と右の境界様配列間に置くことができる。T−DNAに含まれる所望のポリヌクレオチドと選択可能マーカーは、その発現(つまり、所望のポリヌクレオチドまたは選択可能マーカーがコードするDNA配列の転写および/または翻訳)を促進するプロモーターおよびターミネーター調節エレメントなど、様々な異なる植物特異的(野生型)、または外来核酸に機能的に連結できる。 植物細胞の形質転換:核酸が生物のゲノム内に安定的に挿入される過程をいう。当業者に周知の様々な方法を利用して、自然または人工条件下で形質転換は起こりうる。形質転換は、グロバクテリウム(Agrobacterium)を含む原核生物や真核生物の宿主細胞内に核酸配列を挿入するための周知の方法、例えばウイルス感染、ウィスカー法、電気穿孔法、微量注入法、ポリエチレングリコール処理、熱ショック、リポフェクション、微粒子銃など、「能率的な形質転換」または「正確な品種改良」のようなプロトコールを利用できる。 トランスジェニック生物は、外来核酸を安定的に挿入させた少なくとも1個の細胞を含む。本発明においてトランスジェニック生物は、細菌、または酵母などの真核生物の宿主細胞または宿主生物である。限定されないが、大腸菌(例、大腸菌)、桿菌属(例、バシラス‐スリンジエンシス)、根粒菌属、乳酸菌、ラクトコッカス属など、グラム陰性菌およびグラム陽性菌を含むグループから細菌を選択できる。サッカロミセス属などを含むグループから酵母を選択できる。 変異体:本明細書で用いる「変異体」とは、当然のことながら、特定の遺伝子やタンパク質の標準的な、または任意のヌクレオチドやアミノ酸から逸脱したヌクレオチド配列を意味する。「イソ型」、「アイソタイプ」、「類似体」という用語は、ヌクレオチド配列の「変異体」も指す。「変異体」とは、Maxygenに譲渡した特許に記載の「シャッフル遺伝子」を指すこともできる。 本発明では、方法論、プロトコル、ベクター、試薬などが変わる可能性があるため、当然のことながら、これらが本明細書に記載のものに限定されない。本明細書で使用する専門用語は、当然特定の実施態様を記載するためのみに使用し、本発明の範囲を限定することを目的としないことも理解されたい。本明細書で使用する通り、および添付請求項においては、文脈上、別段明確に指示がある場合を除き、単数形の"a"、"an"、"the"は、複数の記載を含むことに留意されたい。したがって、例えば、「1遺伝子」の記載は、1つ以上の遺伝子の記載であり、当業者などには周知の、それと同等な物も含む。 I.標的害虫 本発明は、転写後に害虫に必須の生物機能を抑制/阻害する標的コード配列(コード配列)を害虫に投与する、もしくはさらすことで害虫の侵入を抑制するための方法論およびコンストラクトを提供する。本明細書で「害虫」とは、ヒトの環境中に偏在する、昆虫、クモ形動物、甲殼類、菌類、細菌、ウイルス、線形動物、扁形虫、回虫、蟯虫、鉤虫、サナダムシ、トリパノソーマ類、住血吸虫、ウシバエ、蚤、マダニ、コダニ、シラミなどを指す。二本鎖の遺伝子抑制剤で処理した物質または表面の他、二本鎖の遺伝子抑制剤で形質転換させた生物が産生する、1つ以上の細胞、組織、産物を害虫に摂食または接触させることができる。 「病虫害抵抗性」は、通常、宿主に損傷を及ぼす害虫からの攻撃に対して、宿主に耐性を付与するトランスジェニック宿主の特性である。該病虫害抵抗性は、自然突然変異から、またはより一般的には病虫害抵抗性を付与する組み換えDNAの取り込みから、生じる。トランスジェニック宿主に病虫害抵抗性を付与するには、例えば、組み換えDNAは、組み換え宿主の組織または体液中においてdsRNA分子を形成するRNA分子に転写可能である。dsRNA分子は、組み換え宿主の摂食を好む害虫内において、DNA配列からコードされる対応するRNA断片と同一のRNA断片から部分的に成る。標的害虫内での遺伝子発現はdsRNAによって抑制され、標的害虫内での遺伝子発現の阻害は宿主に病虫害抵抗性をもたらす。 適切な害虫としては、他の生物に損傷を与える任意の生物が挙げられる。発明では、特に昆虫、線虫、真菌性の害虫を検討している。 特に対象となる害虫には、限定されないが、以下が挙げられる:鱗翅目では、例えば、Acleris spp.(ハマキ)、Adoxophyes spp.(ハマキ)、Aegeria spp.(ジャノメチョウ科)、Agrotis spp.(ヤガ)、Alabama argillaceae(アラバマ・アルギラシアエ)、Amylois spp.(アミロイス種)、Anticarsia gemmatalis、Archips spp.(ハマキ)、Argyrotaenia spp.(ハマキ)、Autographa spp.(キンウワバ)、Busseola fusca(アフリカズイムシ)、Cadra cautella(スジマダラメイガ)、Carposina nipponensis(シンクイガ科)、Chilo spp.(メイガ)、Choristoneura spp.(ハマキ)、Clysia ambiguella(クリシア・アンビグエラ)、Cnaphalocrocis spp.(コブノメイガ)、Cnephasia spp.(ホソバハイイロハマキ)、Cochylis spp.(ホソハマキガ科)、Coleophora spp.(ツツミノガ科)、Crocidolomia binotalis(クロシドロミア・ビノタリス)、Cryptophlebia leucotreta(クリプトフレビア・レウコトレタ)、Cydia spp.(ハマキガ)、Diatraea spp.(タマバチ科)、Diparopsis castanea(ディパロプシス・カスタネア)、Earias spp.(エアリアス属)、Ephestia spp.(メイガ)、Eucosma spp.(ヒメハマキ)、Eupoecilia ambiguella(ブドウホソハマキ)、Euproctis spp.(ドクガ)、Euxoa spp.(ヤガ科)、Grapholita spp.(ヒメシンクイ)、Hedya nubiferana(ヘディア・ヌビフェラナ)、Heliothis spp.(タバコガ)、Hellula undalis(ハイマダラノメイガ)、Hyphantria cunea(アメリカシロヒトリ)、Keiferia lycopersicella(ケイフェリア・リコペルシセラ)、Leucoptera scitella(ロイコプテラ・シテラ)、Lithocollethis spp.(リソコレチス種)、Lobesia botrana(ホソバヒメハマキ)、Lymantria spp.(ドクガ科)、Lyonetia spp.(モモハモグリガ)、Malacosoma spp.(オビカレハ属)、Mamestra brassicae(ヨトウガ)、Manduca sexta(タバコスズメガ)、Operophtera spp.(シャクガ科 ナミシャク亜科)、Ostrinia Nubilalis(ヨーロピアンコーンボーラー)、Pammene spp.(パメネ種)、Pandemis spp.(ハマキガ亜科)、Panolis flammea(パノリス・フラメア)、Pectinophora gossypiella(ワタアカミムシガ)、Phthorimaea operculella(キバガ科)、Pieris rapae(モンシロチョウ)、Pieris spp.(シジミチョウ科)、Plutella xylostella(コナガ)、Prays spp.(カマキリ)、Scirpophaga spp.(オオメイガ)、Sesamia spp.(イネヨトウ)、Sparganothis spp.(テングハマキ)、Spodoptera spp.(ハスモンヨトウ)、Synanthedon spp.(コスカシバ)、Thaumetopoea spp.(タウメトペア)、Tortrix spp.(チャハマキ トルトリクス)、Trichoplusia ni(イラクサギンウワバ)、Yponomeuta spp.(スガ科スガ亜科); 甲虫目では、例えば、Agriotes spp.(コメツキムシ科)、Anthonomus spp.(ゾウムシ科)、Atomaria linearis(アトマリア・リネアリス)、Chaetocnema tibialis(カエトクネマ・ティビアリス ハムシ)、Cosmopolites spp.(ゾウムシ)、Curculio spp.(ゾウムシ科)、Dermestes spp.(カツオブシムシ属)、Epilachna spp.(テントウムシ科)、Eremnus spp.(エレムヌス種)、Leptinotarsa decemlineata(コロラドハムシ)、Lissorhoptrus spp.(ゾウムシ科)、Melolontha spp.(コガネムシ科)、Orycaephilus spp.(オリカエフィルス種)、Otiorhynchus spp.(ゾウムシ)、Phlyctinus spp.(フリクチヌス種)、Popillia spp.(マメコガネ属)、Psylliodes spp.(ハムシ科)、Rhizopertha spp.(ナガシンクイムシ科)、Scarabeidae(コガネムシ科)、Sitophilus spp.(コクゾウムシ)、Sitotroga spp.(バクガ)、Tenebrio spp.(ゴミムシダマシ科)、Tribolium spp.(コクヌストモドキ)、Trogoderma spp.(カツオブシムシ科); 直翅目では、例えば、Blatta spp.(ゴキブリ科)、Blattella spp.(ゴキブリ目)、Gryllotalpa spp.、(バッタ目)、Leucophaea maderae(マデラゴキブリ)、Locusta spp.(バッタ科)、Periplaneta ssp、(ゴキブリ)、Schistocerca spp.(バッタ科); 等翅目では、例えば、Reticulitemes ssp.(ヤマトシロアリ); チャタテムシ目では、例えば、Liposcelis spp.(チャタテムシ目); シラミ目では、例えば、Haematopinus spp.(ケモノジラミ科)、Linognathus spp.(ヒトノミ科)、Pediculus spp.(ヒトジラミ)、Pemphigus spp.(ワタムシ)、Phylloxera spp.(フィロクセラ); 食毛目では、例えば、Damalinea spp.(ダマリネア)、Trichodectes spp.(ハジラミ); アザミウマ目では、例えば、Franklinella spp.(ミカンキイロアザミウマ)、Hercinothrips spp.(アザミウマ)、Taeniothrips spp.(アザミウマ)、Thrips palmi(ヤノネカイガラムシ)、Thrips tabaci(ネギアザミウマ)、Scirtothrips aurantii; 異翅亜目では、例えば、Cimex spp.(トコジラミ)、Distantiella theobroma(ジスタンチエラ・セオブロマ)、Dysdercus spp.(ホシカメムシ科)、Euchistus spp.(カメムシ)、Eurygaster spp.(カメムシ科)、Leptocorisa spp.(クモヘリカメムシ)、Nezara spp.(アオクサカメムシ)、Piesma spp.(チビカメムシ科)、Rhodnius spp.(サシガメ)、Sahlbergella singularis(サルベルゲラ・シングラリス)、Scotinophara spp.(カメムシ目)、Triatoma spp.(サシガメ)、Lygus hesperus(カスミカメムシ科ライガスバック)やLygus lineolorisなどのMiridae family spp.(カスミカメムシ科)、Blissus leucopterusやPentatomidae目などのLygaeidae family spp.(カメムシ目ナガカメムシ科); 同翅目属では、例えば、Aleurothrixus floccosus(シルバーリーフ・コナジラミ)、Aleyrodes brassicae(アレイロデス・ブラシカエ:オンシツコナジラミ)、Aonidiella spp.(カイガラムシ)、Aphididae(アブラムシ科)、Aphis spp.(アブラムシ科)、Aspidiotus spp.(カイガラムシ)、Bemisia tabaci(タバココナジラミ)、Ceroplaster spp.(セロプラステル)、Chrysomphalus aonidium(クリソンファルス・アオニディウム)、Chrysomphalus dictyospermi(クリソムファルス・ディクチヨスペルミ:カメムシ目マルカイガラムシ科)、Coccus hesperidum(ヒラタカタカイガラムシ)、Empoasca spp.(ヨコバイ科)、Eriosoma larigerum(エリオソマ・ラリゲルム)、Erythroneura spp.(半翅目)、Gascardia spp.(ガスカルディア種)、Laodelphax spp.(ヒメトビウンカ)、Lacanium corni、Lepidosaphes spp.(カキカイガラムシ属)、Macrosiphus spp.(マクロシフス種)、Myzus spp.(アブラムシ)、Nehotettix spp.、Nilaparvata spp.(トビイロウンカ)、Paratoria spp.(パラトリア種)、Pemphigus spp.(ペンフィグス)、Planococcus spp.(コナカイガラムシ)、Pseudaulacaspis spp.(シロカイガラムシ)、Pseudococcus spp.(コナカイガラムシ)、Psylla ssp(キジラミ)、Pulvinaria aethiopica(プルヴィナリア・アエチオピカ)、Quadraspidiotus spp.(クアドラスピディオツス種)、Rhopalosiphum spp.(アブラムシ)、Saissetia spp.(カイガラムシ)、Scaphoideus spp.(ヨコバイ亜目)、Schizaphis spp.(アブラムシ)、Sitobion spp.(アブラムシ)、Trialeurodes vaporariorum(オンシツコナジラミ)、Trioza erytreae(ミカンキジラミ)、Unaspis citri;(シトラススノースケール); 膜翅目では、例えば、Acromyrmex(ハキリアリ)、Atta spp.(アリ科ハキリアリ)、Cephus spp.(クキバチ類)、Diprion spp.(マツハバチ)、Diprionidae(マツハバチ科)、Gilpinia polytoma(ジリピニア・ポリトマ)、Hoplocampa spp.(ホプロカムパ)、Lasius spp.(ケアリ)、Monomorium pharaonis(イエヒメアリ)、Neodiprion spp.(ハチ目)、Solenopsis spp.(アリ)、Vespa ssp;(スズメバチ); 双翅目では、例えば、Aedes spp.(ヤブカ科)、Antherigona soccata(アンセリゴナ・ソカタ)、Bibio hortulanus(ケバエ)、Calliphora erythrocephala(クロバエ)、Ceratitis spp.(チチュウカイミバエ)、Chrysomyia spp.(クリソミイア種)、Culex spp.(アカイエカ亜種)、Cuterebra spp.(ウサギヒフバエ)、Dacus spp.(ミバエ科)、Drosophila melanogaster(ショウジョウバエ)、Fannia spp.(ヒメイエバエ)、Gastrophilus spp.(ウマバエ)、Glossina spp.(ツエツエバエ)、Hypoderma spp.(ウシバエ)、Hyppobosca spp.(ウマシラミバエ)、Liriomysa spp.、Lucilia spp.(クロバエ科)、Melanagromyza spp.(ハモグリバエ科)、Musca ssp.(イエバエ)、Oestrus spp.(ヒツジバエ)、Orseolia spp.(イネシントメタマバエ)、Oscinella frit(キモグリバエ科)、Pegomyia hyoscyami(アカザモグリハナバエ)、Phorbia spp.(ハナバエ科)、Rhagoletis pomonella(リンゴ・サンザシ)、Sciara spp.(シアラ種)、Stomoxys spp.(サシバエ)、Tabanus spp.(アブ属の一種)、Tannia spp.(タニア)、Tipula spp.(ガガンボ科); 隠翅目では、例えば、Ceratophyllus spp.(ナガノミ)、und Xenopsylla cheopis(ケオプスネズミノミ); 総尾目では、例えば、Lepisma saccharina(セイヨウシミ)。 特に対象となる線虫としては、例えば、Aphelenchoides(イネシンガレセンチュウ)、Nacobbus(ニセネコブセンチュウ)、Ditylenchus(イモグサレセンチュウ)、Longidorus(ロンギドラス種)、Trichodorus(トリコドラス種)、Bursaphelenchus(センチュウ)の種の他、A.caninum(イヌ鈎虫)、A.ceylancium、H.contortus(ヒツジ捻転胃虫)、O.ostertagi(オステルタギア・オステルタギ)、C.elegans(線虫)、C.briggsae、P.pacificus、S.stercoralis(糞線虫)、S.ratti、P.trichosuri、M.arenaria(ネコブセンチュウ)、M.chitwoodi、M.hapla(キタネコブセンチュウ)、M.incognita(サツマイモネコブセンチュウ)、M.javanica(ジャワネコブセンチュウ)、M.paraensis、G.rostochiensis(ジャガイモシストセンチュウ)、G.pallida(ジャガイモシロシストセンチュウ)、H.glycines(ダイズのシスト線虫)、H.schattii、P.penetrans(キタネグサレセンチュウ)、P.vulnus(クルミネグサレセンチュウ)、R.similis(リュウキュウアサギマダラ)、Z.punctata、A.suum(豚回虫)、T.canis(イヌ回虫)、B.malayi(マレー糸状虫)、D.immitis(犬糸状虫)、O.volvulus(回旋糸状虫症)、T.vulpis(犬鞭虫)、T.spiralis(感染仔虫)、X.index、A.duodenale(ズビニ鉤虫)、A.lumbricoides(カイチュウ)。 限定されないが、真菌害虫として、以下が挙げられる:Acremoniella spp.(蜂児蓋)、Allomyces spp.(カワリミズカビ)、Alternaria(アルタナリア)(例、Alternaria brassicola(アルタナリア・ブラッシコーラ:キャベツ黒すす病菌)またはAlternaria solani(トマトの輪紋病菌))、Amorphothec spp.、Ascochyta spp.(粒斑病菌)(例、Ascochyta pisi(アスコキタ・ピシエンドウ:褐斑病菌))、Aspergillius spp.(アスペルギルス)、Aureobasidium spp.(アオレオバシジウム)、Blastocladiella spp.(コウマクノウキン)、Botrytis spp.(灰色カビ病菌)(例、Botrytis cinerea(灰色かび病菌)またはBotryotinia fuckeliana(ボトリオティニア:灰色かび病菌))、Candida spp.(カンジダ)、Cladosporium spp.(クラドスポリウム)、Cercospora spp.(サーコスポラ)(例、Cercospora kikuchii(ダイズ紫斑病菌)またはCercospora zaea−maydi、Chaetomium spp.(カエトリウム属菌)、Cladosporium spp.(クラドスポリウム属)(例、Cladosporium fulvum(トマトの葉かび病菌)、Colletotrichum spp.(炭疽病菌)(例、Colletotrichum lindemuthianum(コレトトリカム・リンデムチアナム:炭疽病菌))、Coccidioides spp.(高度病原真菌)、Conidiobolus spp.(コニディオボラス属)、Coprinopsis spp.、Corynascus spp.(コリナスクス)、Cryphonectria spp.(メヒルギ枝枯病菌)、Cryptococcus spp.(クリプトコッカス症菌)、Cunninghamella spp.(クスダマカビ)、Curvularia spp.(カーブラリア葉枯病菌)、Debarymyces spp.、Diplodia spp.(茎腐病原因菌)(例、Diplodia maydis(さび病菌))、Emericella ssp(エメリセラ)、Encephalitozoon spp.(エンセファリトゾーン)、Eremothecium spp.(ダイズ子実汚斑病菌)、Erysiphe spp.(うどんこ病菌)(例、Erysiphe graminis fsp graminis(うどんこ病菌)、Erysiphe graminis fsp hordei(オオムギうどんこ病菌)またはErysiphe pis(エンドウうどんこ病菌)、Erwinia armylovora、Fusarium spp.(フザリウム菌、オオムギ赤かび病菌)(例、Fusarium nivale(フザリウム・ニバレ:麦類赤かび病)、Fusarium sporotrichioides(フザリウム・スポロトリキオイデス:フザレノンX産生菌)、Fusarium oxysporum(萎ちょう病菌)、Fusarium graminearum(フザリウム・グラミネアラム:ムギ類赤かび病菌)、Fusarium germinearum、Fusarium culmorum(フザリウム・カルモラム:チオファネートメチル耐性コムギ赤かび病菌)、Fusarium solani(フザリウム・ソラニ:ニセアカシヤ枝枯病菌)、Fusarium moniliforme(フザリウム・モニリフォルメ)またはFusarium roseum(フザリウム・ロゼウム))、Gaeumanomyces spp.(立ち枯れ病菌)(例、Gaeumanomyces graminis fsp tritici(ムギ類のうどんこ病菌))、Geomyces spp.(ゲオミケス属)、Gibberella spp.(イネ馬鹿苗病菌)(例、Gibberella zea(ジベレラ・ゼアエ:イネバカナエ菌病菌))、Gloeophyllum spp.(キカイガラタケ属菌)、Glomus spp.(グロマス属)、Helminthosporium spp.(葉枯病原因菌)(例、Helminthosporium turcicum(スーダングラス煤紋病菌)、Helminthosporium carbonum(ヘルミンチトスポリウム・カルボナム:エンバクビクトリア葉枯病菌)、Helminthosporium mavdisまたはHelminthosporium sigmoideum(小黒菌核病菌))、Hypocrea spp.(ヒポクレア属)、Kluyveromyces spp.(クルイベロミセス属)、Lentinula spp.(シイタケ・レンチヌラ)、Leptosphaeria salvinii(小球菌核病)、Leucosporidium spp.(ロイコスポリジウム)、Macrophomina spp.(炭腐病菌)(例、Macrophomina phaseolina(炭腐病菌))、Magnaportha spp.(マグナポルテ属)(例、Magnaporthe oryzae(イネいもち病菌))、Metharhizium spp.(メタリジウム)、Mucor spp.(ケカビ属)、Mycosphaerella spp.(ミコスファエラ:黒点病菌)、Neurospora spp.(アカパンカビ)、Nectria spp.(ネクトリア属:根腐病菌)(例、Nectria heamatococca)、Ophiostoma spp.(オフィオストマ:マツ枯死材由来の青変菌)、Paracocidioides spp.、Peronospora spp.(べと病菌)(例、Peronospora manshuric(べと病)またはPeronospora tabacina(タバコベと病菌)、Phoma spp.(じゃのめ病菌)(例、Phoma betae(フォーマ・ベタエ:テンサイじゃのめ病菌))、Phaeopsheria spp.、Phanerochaete spp.(ファネロケーテ属)、Phakopsora spp.(さび菌)(例、Phakopsora pachyrhizi(アジア型ダイズさび病菌)、Phymatotrichum spp.、citrus greening disease(カンキツグリーニング病原体) (例、Phymatotrichum omnivorum(綿の根腐れ病菌)、Phytophthora spp.(エキビョウキン)(例、Phytophthora cinnamomi(根腐病菌)、Phytophthora cactorum(萎凋病菌)、Phytophthora phaseoli、Phytophthora parasitica、Phytophthora citrophthora(褐色腐敗病菌)、Phytophthora megasperma fsp soiaeまたはPhytophthora infestans(ジャガイモ疫病菌)、Plasmopara spp.(べと病菌)(例、Plasmopara viticola(ブドウべと病菌))、Pneumocystis spp.(ニューモシスチス)、Podosphaera spp.(ポドスフェラ:うどんこ病菌)(例、Podosphaera leucotricha(リンゴうどんこ病菌))、Puccinia spp.(さび病菌)(例、Puccinia sorghi(トウモロコシさび病菌)、Puccinia striiformis(プクシニア・ストリイフォルミス:コムギ黄さび病)、Puccinia graminis fsp tritici(小麦黒銹病菌)、Puccinia asparagi(さび病菌)、Puccinia recondita(コムギ赤さび病菌)またはPuccinia arachidis(さび病菌))、Pythium spp.(ピシウム)(例、Pythium aphanidermatum(ピシウム・アファニデルマータム:苗立枯病菌))、Pyronema spp.(ピロネマキン属)、Pyrenophora spp.(ピレノホラ)(例、Pyrenophora tritici−repentensまたはPyrenophora teres(網斑病菌)、Pyricularia spp.(いもち病菌)(例、Pyricularia oryzae(ピリキュラリア・オリゼー:イネいもち病菌))、Pythium spp.(ピシウム)(例、Pythium ultimum(ピシウム・ウルティマム:立枯病菌)、Rhincosporium secalis)、Rhizoctonia spp.(葉腐病菌)(例、Rhizoctonia solani(リゾクトニア・ソラニ:イネ紋枯病菌)、Rhizoctonia oryzae(イネ赤色菌核病菌)またはRhizoctonia cerealis(株腐病菌))、Rhizopus spp.(クモノスカビ属)(例、Rhizopus chinensid)、Saccharomyces spp.(酵母)、Scerotium spp.(例、Scerotium rolfsii)、Sclerotinia spp.(菌核病菌)(例、Sclerotinia sclerotiorum(菌核病菌))、Septoria spp.(セプトリア菌)(例、Septoria lycopersici(白星病菌)、Septoria glycines(褐紋病菌)、Septoria nodorum(コムギふ枯病菌)またはSeptoria tritici(葉枯病菌))、Spizellomyces spp.、Thermomyces spp.(サーモマイセス属)、Thielaviopsis spp.(根腐病菌)(例、Thielaviopsis basicola(タバコ黒根病菌))、Tilletia spp.(なまぐさ黒穂病菌)、Trametes spp.(白色腐朽菌)、Trichoderma spp.(トリコデルマ)(例、Trichoderma virde(トリコデルマ ビリデ))、Trichophyton spp.(白癬菌)、Uncinula spp.(うどんこ病原因菌)(例、Uncinula necator(うどんこ病原因菌))、Ustilago maydi(トウモロコシ裸黒穂病菌)(例、corn smut(とうもろこし黒穂病)、Venturia spp.(ベンチュリア属菌:黒星病菌)、(例、Venturia inaequalis(ベンチュリア・イナクアリス)またはVenturia pirina(ナシ黒星病菌))、Yarrwia spp.、またはVerticillium spp.( バーティシリウム属:バーティシリウム萎凋病菌)(例、Verticillium dahliae(土壌伝染性糸状菌)またはVerticillium albo−atrum(バ−ティシリウム黒点病菌)); II.標的配列の同定 本発明は、dsRNAまたはsiRNAを生成させるためのヌクレオチド配列を含む核酸を同定、得るするための方法を提供する。例えば、該方法は以下を含む:(a)標的害虫からのヌクレオチド核酸またはその相同体の全体または一部を含むハイブリダイゼーションプローブでcDNAまたはDNAライブラリーを調べること;(b)ハイブリダイゼーションプローブとハイブリダイズするDNAクローンを同定すること;(c)ステップ(b)で同定したDNAクローンを単離すること;および(d)ステップ(c)で単離したクローンを含むcDNAまたはDNA断片の配列を決定すること(配列決定した核酸分子は、RNA核酸配列またはその相同体の全体または実質的な部分を転写する)。 さらに、本発明では、以下を含むdsRNAまたはsiRNAの実質的な部分を産生するヌクレオチド配列を含む核酸断片を得る方法を意図している:(a)標的害虫のヌクレオチド配列の1つの一部に対応する第1、2オリゴヌクレオチドプライマーを合成すること;および(b)ステップ(a)の第1、2オリゴヌクレオチドプライマーを使用したクローニングベクター内でのcDNAまたはゲノムDNA鋳型を増幅すること(増幅させた核酸分子は、本発明のdsRNAまたはsiRNAの実質的な部分を転写する)。 本発明の実施時、標的遺伝子は別の生物に損傷を与える任意の害虫に由来できる。いくつかの基準が、好ましい標的遺伝子の選択に使用できる。該遺伝子は、dsRNA阻害がタンパク質濃度の急速な低下を招くように、タンパク質産物の回転率が速い、遺伝子である。ある実施態様では、発現レベルのわずかな低下が受体害虫に有害な作用をもたらす、遺伝子を選択することが有利である。広範な昆虫種を標的とすることが望ましい場合、例えば、これらの種にわたって高度に保存された遺伝子を選択する。逆に、特異性を付与するために、本発明のある実施態様では、個々の昆虫種間、または昆虫と他の生物との間で保存度の低い部位を含む遺伝子を選択する。ある実施態様では、他の生体に周知されていない相同体を有する遺伝子を選択することが望まれることもある。 本明細書において「由来する」とは、特定の材料または種に必ずしも直接由来しないが、とりわけ特定の材料または種から得ることができる特定のヌクレオチド配列を指す。 一実施態様では、昆虫の腸内で発現する遺伝子を選択する。腸内で発現する遺伝子を標的にすることで、dsRNAが昆虫内で散在する必要性がなくなる。本発明で使用する標的遺伝子には、例えば、原形質膜のプロトンV−ATPaseのタンパク質成分をコードする既知の腸内発現遺伝子のヌクレオチド配列と実質的な相同性を有する遺伝子を挙げることができる(Dowら、1997,;Dow,1999)。このタンパク質複合体は、上皮性イオン輸送の唯一のエナジャイザーであり、中腸内腔のアルカリ化に関与する。哺乳動物の腎臓器官と同様に体液平衡および異物の解毒において作用する昆虫後腸のこぶであるマルピーギ管でもV−ATPaseは発現する。 別の実施態様では、実質的に昆虫の成長、発生、生殖に関与する遺伝子を選択する。例示的な遺伝子として、例えば、リボソームタンパク質の構造サブユニット、β−coatamer遺伝子、CHD3遺伝子が挙げられるが、これらに限定されない。S4(RpS4)およびS9(RpS9)などのリボゾームタンパク質は、タンパク質合成に関与する構造成分であり、細胞質のリボソーム小サブユニットの成分である。L9およびL19などのリボゾームタンパク質は、タンパク質合成に関与する構造成分であり、リボソームに局在する。C.エレガンス(C.elegans)のβ−coatamer遺伝子は、膜小胞膜を形成する多量体複合体のサブユニットであるタンパク質をコードする。類似配列が、シロイヌナズナ、キイロショウジョウバエ、出芽酵母などの多様な生物において見いだされている。関連配列が、Leptinotarsa decemlineata、Phaedon cochleariae、Epilachna varivetis、Anthonomus grandis、Tribolium castaneum、Myzus persicae、Nilaparvata lugens、Chilo suppressalis、Plutella xylostella、Acheta domesticusなどの多様な生物において認められる。本発明で使用する他の標的遺伝子として、例えば、生育力、成長、発生、生殖、感染能において重要な役割を果たす遺伝子が挙げられる。これらの遺伝子には、例えば、線虫やショウジョウバエのハウスキーピング遺伝子、転写因子、昆虫特異的な遺伝子、致死的ノックアウト変異が挙げられる。本発明で使用する標的遺伝子として、他の生物由来の遺伝子でもよい(例、ネコブセンチュウまたはダイズシスト線虫)、他の昆虫または蛛形類(例、コロラドハムシ、ダイコンハムシ、ホシテントウ、ハナゾウムシ、コクヌストモドキ、アブラムシ、トビイロウンカ、メイガ、コナガ、コオロギ)。また、本発明において標的配列として使用されるヌクレオチド配列は、文献からその機能が明確であり、また昆虫のゲノムの標的遺伝子と実質的な類似性を有する、ウイルス、細菌、真菌、昆虫の遺伝子にも由来できる。 本発明による制御の標的となりうる多くの昆虫において、大半の遺伝子の配列または特定の遺伝子の変異に起因する表現型に関する情報は限られることがある。従って、線虫、ショウジョウバエ、他の一部の昆虫種などのモデル生物の対応する遺伝子に関して入手可能な情報に基づいて遺伝子を選択できる。遺伝子が特性付けされている、線虫や真菌類などの他の種に関して入手可能な情報に基づいて遺伝子を選択することもできる。場合によっては、遺伝子の名称や遺伝子配列を利用して、GenBankなどのデータベースを検索することで、標的昆虫から対応する遺伝子の配列を入手することは可能であろう。配列が得られれば、PCRを利用して、本発明で使用する昆虫の遺伝子の適切に選択した断片を増幅できる。 昆虫種の対応する遺伝子からDNA断片を得るために、例えば、C.エレガンスまたはショウジョウバエにおいて、または遺伝子が既にクローニングされている昆虫において認められる配列に基づいてPCRプライマーを設計できる。本発明で使用するために十分な長さのDNA断片を増幅させるようにプライマーを設計する。プライマーが標的配列と厳密に一致しない場合でも増幅が起るように増幅条件を選択する。または、既知の昆虫遺伝子をプローブに用いて、害虫種から調製したゲノムDNAまたはcDNAライブラリーから遺伝子または遺伝子の一部分をクローニングできる。PCRの実施方法およびライブラリーからのクローニングの技術は周知である。昆虫種から過去にクローニングされた配列に基づいて、標的害虫種からDNA断片を単離する工程に関する詳細を実施例に示している。他の種から過去に単離された遺伝子と対応する遺伝子断片を害虫種から単離するために様々な方法が利用できることを当業者であれば理解するであろう。 III.標的遺伝子の阻害/抑制方法本発明は、安定化dsRNA法を使用した標的害虫における1つ以上の標的遺伝子の発現を阻害するための方法を提供する。本発明は、真核生物の遺伝子発現の調節、特に消化器系が約4.5〜9.5、より好ましくは約5.0〜8.0、更に好ましくは約6.5〜7.5のpHレベルを示す害虫に存在する遺伝子の発現調節に特に有用である。これらの範囲外のpHを示す消化器系を有する害虫では、dsRNA分子の摂取を必要としない使用法での送達方法が望ましい。 本発明の方法には、複数の標的遺伝子をダウンレギュレーションするまたは阻害する、または単一の標的遺伝子をより強力に阻害するために、同じ昆虫への2以上の二本鎖RNAまたはRNAコンストラクトの同時/連続供給が含まれる。 または、複数の標的配列を攻撃する1つの二本鎖RNAの供給により複数の標的を攻撃する、また標的遺伝子に対応する1コピー以上の二本鎖RNA断片の存在によって単一標的を効果的に阻害する。このように、本発明の一実施態様では、二本鎖RNAコンストラクトが複数のdsRNA領域を含み、各dsRNA領域の少なくとも一方の鎖が昆虫の標的遺伝子の標的ヌクレオチドの少なくとも一部と相補的なヌクレオチド配列を含んでいる。本発明によると、RNAコンストラクトのdsRNA部位は同じ標的遺伝子、または異なる標的遺伝子に相補的であり、および/もしくはdsRNA部位は同じ昆虫種、または異なる昆虫種の標的に相補的でありうる。植物宿主細胞における該dsRNAコンストラクトの使用によって、植物において単一または複数の昆虫種に対する耐性がより強力となる。一実施態様では、二本鎖RNA部位には標的遺伝子と相補的な複数コピーのヌクレオチド配列が含まれる。または、dsRNAは同じ標的遺伝子の2つ以上の標的配列を攻撃する。このように、本発明では、昆虫の標的ヌクレオチド配列の少なくとも一部と相補的な前記ヌクレオチド配列を少なくとも2コピー含む単離した二本鎖RNAコンストラクトを含む。上記の2つ以上の標的を攻撃するdsRNA、または上記の標的の異なる部位に対する異なるdsRNAの組み合わせを開発して、本発明の方法に使用する。適切なdsRNAヌクレオチドおよびdsRNAコンストラクトは、WO第2006/046148号に記載しており、その全体は本明細書に援用される。 「攻撃(hit,hits,hitting)」という用語は、dsRNAの少なくとも1つの鎖が標的遺伝子またはヌクレオチド配列と相補的であり、およびそのため標的遺伝子またはヌクレオチド配列に結合できること示す代用表現である。 dsRNAの調節作用は、例えば、ハウスキーピング遺伝子、転写因子などの細胞代謝や細胞形質転換に関与する内因性遺伝子、および細胞代謝に関与するポリペプチドをコードする他の遺伝子など、該害虫において発現している様々な遺伝子に適用できる。 本明細書で用いる「遺伝子発現の阻害」または「害虫の細胞内における標的遺伝子の発現阻害」とは、該標的遺伝子のタンパク質および/またはmRNA産物が存在しない(または減少が認められる)ことを指す。「特異性」とは、細胞の他の遺伝子に明らかな作用を及ぼすことなく、またdsRNA分子を産生する、細胞内の任意の遺伝子に影響を及ぼすことなく、該標的遺伝子を阻害できることを指す。該害虫内での該標的遺伝子の発現阻害によって、該害虫に新しい表現型がもたらすことができる。 「遺伝子抑制」とは、mRNAへの遺伝子転写、および/またはそれに続くmRNAの翻訳のレベルを低下させるための周知の方法のいずれをも指す。遺伝子抑制は、転写後の遺伝子発現および転写抑制など、遺伝子またはコード配列からのタンパク質発現の低下を意味することも意図している。転写後の遺伝子抑制は、抑制の標的となる遺伝子またはコード配列から転写されるmRNAの全体または一部と、抑制に使用する対応する二本鎖RNAとの相同性を介しており、細胞においてリボソームの結合に利用可能なmRNA量の実質的かつ測定可能な低下を指す。転写RNAは、いわゆる共抑制に作用するセンス方向、いわゆるアンチセンス抑制に作用するアンチセンス方向、もしくはいわゆるRNA干渉(RNAi)に作用するdsRNA産生の両方向にできる。 転写抑制は、プロモーターDNA配列またはその相補配列と実質的な配列同一性を示すdsRNA遺伝子抑制剤の細胞内での存在を介しており、プロモーター・トランス・サプレッションと呼ばれる作用を及ぼす。遺伝子抑制は、任意の特性に関連する野生型の宿主遺伝子に対して効果的である(例、野生型遺伝子のコードするタンパク質レベル、または影響を受ける代謝産物レベルの低下した宿主の提供)。遺伝子抑制は、害虫の細胞の1つ以上の相同配列または相補配列の発現を阻害あるいは抑制するように特別に設計した、遺伝子抑制剤を含む物質を摂取あるいは接触できる害虫内の標的遺伝子に対しても効果を発揮できる。植物細胞内での遺伝子発現を調節するためのアンチセンスまたはセンス方向のRNAによる転写後遺伝子抑制は米国特許第5,107,065、5,759,829、5,283,184、5,231,020号に開示している。植物の遺伝子を阻害するためのdsRNAの使用法は、WO第99/53050号、WO第99/49029号、米国特許出願公開第2003/0175965号、第2003/0061626号、米国特許出願第10/465,800号、米国特許第6,506,559号、第6,326,193号に開示している。 宿主内での転写後の遺伝子抑制に関する有益な方法では、安定化させたセンス方向およびアンチセンス方向の転写RNAのいずれも利用する(例、ヘアピン・ステム・ループ構造)。転写後の遺伝子抑制に効果を及ぼす好ましいDNAコンストラクトは、抑制の標的となる遺伝子の断片と実質的な同一性を示す、アンチセンス方向を示すRNAを第1断片がコードしており、第1断片は第1断片と実質的な相補性を示すRNAをコードするセンス方向の第2断片に連結している、DNAコンストラクトである。該コンストラクトは、第1断片と第2断片とのハイブリダイゼーションによってステム・アンド・ループ構造を、および2つの断片を連結するヌクレオチド配列からループ構造を、形成する(WO94/01550号、WO98/05770号、米国特許第2002/0048814号、米国特許第2003/0018993号を参照)。 本発明の一実施態様によると、害虫のゲノム内においてヌクレオチド配列によってコードされるRNA配列を含む、害虫内での標的遺伝子のRNA分子と実質的に相同な安定化RNA配列の転写をインビトロ発現によってもたらすヌクレオチド配列を提供する。このように、該害虫が安定化RNA配列を摂取後、またはそうでなければ該dsRNAにさらされた後、標的害虫の細胞内において標的遺伝子に対応するヌクレオチド配列がダウンレギュレーションを受ける。 本発明の安定化dsRNA技術を利用した標的遺伝子の阻害は、RNAの二本鎖領域に対応するヌクレオチド配列を遺伝子抑制の標的としている点で配列特異的である。抑制には、標的遺伝子の一部と同一のヌクレオチド配列を含むRNAが好ましい。標的配列と比較して、挿入、欠失、点突然変異を有するRNA配列が抑制に効果的であることも見出されている。本発明の実施において、抑制性dsRNAおよび標的遺伝子の一部が、少なくとも約80%以上、または約85%以上、または約90%以上、または約95%以上、または約99%以上、更には約100%の配列同一性を有することが好ましい。または、RNAの二本鎖部位は、機能上、標的遺伝子の転写産物の一部分とハイブリダイズ可能なヌクレオチド配列と定義できる。相同性のより高い、完全長に満たない配列は、より長い、相同性の低い配列を補う。同一のヌクレオチド配列の長さは、少なくとも約25、50、100、200、300、400、500、または少なくとも約1000塩基でありうる。通常、20〜100ヌクレオチド以上の配列を使用する必要があるが、約200〜300ヌクレオチド以上の配列が好ましく、また標的遺伝子の大きさに応じて、約500〜1000ヌクレオチド以上の配列が特に好ましい。本発明には、遺伝子突然変異、株による多型性、または進化的分岐のために予測されうる配列変化を許容できる利点がある。導入する核酸分子は、標的遺伝子の一次転写産物または完全にプロセシングを受けたmRNAと比較して、完全に相同である必要はなく、また完全長である必要もない。従って、本明細書に開示する通り、本発明を実施するために、RNAと標的遺伝子との100%の配列同一性は要求されないことを当業者であれば理解する必要がある。 IV.dsRNAの調製方法 dsRNA分子は、インビボまたはインビトロのいずれかで合成できる。1つの自己−相補RNA鎖、または2つの相補RNA鎖からdsRNAは形成できる。細胞の内因性RNAポリメラーゼは、インビボでの転写を媒介でき、クローン化RNAポリメラーゼをインビボ/インビトロ転写に使用できる。阻害は器官、組織、または細胞型内で特異的転写、環境条件という刺激(例、感染、ストレス、温度、化学誘発物質)、および/もしくは発生段階または発生時期での工学転写、の標的とされうる。RNA鎖はポリアデニル化を受ける場合、受けない場合があり、細胞の翻訳装置によってポリペプチドに翻訳できる場合、できない場合がある。 本発明のdsRNA、siRNA、あるいはmiRNAは、マニュアル反応または自動化反応、もしくは別の生物内でのインビボにおいて、当業者が化学的または酵素的に産生できる。RNAは部分的または全体を有機合成によって産生することも可能であり、インビトロでの酵素合成または有機合成によって任意の修飾リボヌクレオチドを導入できる。RNAは細胞のRNAポリメラーゼまたはバクテリオファージRNAポリメラーゼ(例、T3、T7、SP6)によって合成できる。発現コンストラクトの使用法および産生は当業者には周知である(例、WO97/32016号、米国特許第5,593、874、5,698,425、5,712,135、5,789,214、5,804,693号参照)。化学合成またはインビトロで酵素合成する場合、細胞内への導入前にRNAを精製できる。例えば、溶剤または樹脂、沈殿物、電気泳動法、クロマトグラフ法、またはこれらの併用での抽出によって混合物からRNAを精製できる。または、サンプル処理による損失を避けるために、未精製、または精製を最低限にしたRNAを使用できる。RNAは、保存のために乾燥させるか、水溶液に溶解できる。溶液は、二重鎖アニーリングおよび/または安定化を促進させるために緩衝剤や塩を含むことができる。 V.ポリヌクレオチド配列 本発明によってヌクレオチド配列を提供する場合、その発現は、害虫のゲノム内においてヌクレオチド配列がコードするRNA配列を含む、該害虫標的遺伝子のRNA分子と実質的に相同なRNA配列をもたらす。このように、dsRNA配列の摂取後、該害虫の細胞内において該標的遺伝子のヌクレオチド配列がダウンレギュレートされて、該害虫の維持、生存、増殖、生殖、侵入に有害な影響を招くことがありうる。 本明細書に記載の各「核酸配列」は、デオキシリボヌクレオチド(A、G、C、Tと略す)の配列として示す。一方、核酸分子またはポリヌクレオチドの「ヌクレオチド配列」とは、DNA分子またはポリヌクレオチドについてはデオキシリボヌクレオチド配列、そしてRNA分子またはポリヌクレオチドについてはリボヌクレオチドの対応する配列(A、G、C、U)(ここでは特定のデオキシヌクレオチド配列内の各チミジン・デオキシヌクレオチド(T)は、リボヌクレオチドであるウリジン(U)で置換される)を指す。 本明細書で用いる「核酸」とは、5’から3’末端まで読み取られる、デオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチド塩基の一本鎖または二本鎖ポリマーを指す。核酸は、ポリメラーゼにより正確な読み取り可能であり、その核酸がコードするポリペプチドの発現を低下させない、人工または改変ヌクレオチド塩基を任意に含むこともできる。「ヌクレオチド配列」または「核酸配列」とは、個々の単一鎖または二本鎖の核酸のセンスおよびアンチセンス鎖を指す。 「リボ核酸」(RNA)という用語には、RNAi(抑制性RNA)、dsRNA(二本鎖RNA)、siRNA(低分子干渉RNA)、mRNA(メッセンジャーRNA)、miRNA(マイクロRNA)、tRNA(トランスファーRNA;対応するアシル化アミノ酸の荷電状態を問わない)、cRNA(相補RNA)が含まれ、そして「デオキシリボ核酸」(DNA)にはcDNA、ゲノムDNA、DNA−RNAハイブリッドが含まれる。 「核酸断片」、「ヌクレオチド配列断片」、あるいはより一般的には「断片」という用語は、ゲノム配列、リボソームRNA配列、トランスファーRNA配列、メッセンジャーRNA配列、オペロン配列、およびタンパク質、ポリペプチド、ペプチドを発現する、またはこれらの発現に適した改変低分子ヌクレオチド配列を含む機能上の用語と当業者には理解される。 従って、本発明は、以下の配列番号のポリヌクレオチド配列のいずれかから成るグループから選択される配列を有するポリヌクレオチドを含む単離核酸分子に関する:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、49〜158、159、160、163、168、173、178、183、188、193、198、203、208、215、220、225、230、247、249、251、253、255、257、259、275〜472、473、478、483、488、493、498、503、513、515、517、519、521、533〜575、576、581、586、591、596、601、603、605、607、609、621〜767、768、773、778、783、788、793、795、797、799、801、813‐862、863、868、873、878、883、888、890、892、894、896、908〜1040、1041、1046、1051、1056、1061、1071、1073、1075、1077、1079、1081、1083、1085、1087、1089、1091、1093、1095、1097、1099、1101、1103、1105、1107、1109、1111、1113、1161〜1571、1572、1577、1582、1587、1592、1597、1602、1607、1612、1617、1622、1627、1632、1637、1642、1647、1652、1657、1662、1667、1672、1677、1682、1684、1686、1688、1690、1692、1694、1696、1698、1700、1702、1704、1730‐2039、2040、2045、2050、2055、2060、2065、2070、2075、2080、2085、2090、2095、2100、2102、2104、2106、2108、2120〜2338、2339、2344、2349、2354、2359、2364、2366、2368、2370、2372、2384〜2460、2461、2466、2471、2476、および2481。本発明は、以下の配列番号のポリヌクレオチド配列の機能的断片も提供する:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、49〜158、159、160、163、168、173、178、183、188、193、198、203、208、215、220、225、230、247、249、251、253、255、257、259、275〜472、473、478、483、488、493、498、503、513、515、517、519、521、533〜575、576、581、586、591、596、601、603、605、607、609、621〜767、768、773、778、783、788、793、795、797、799、801、813〜862、863、868、873、878、883、888、890、892、894、896、908〜1040、1041、1046、1051、1056、1061、1071、1073、1075、1077、1079、1081、1083、1085、1087、1089、1091、1093、1095、1097、1099、1101、1103、1105、1107、1109、1111、1113、1161‐1571、1572、1577、1582、1587、1592、1597、1602、1607、1612、1617、1622、1627、1632、1637、1642、1647、1652、1657、1662、1667、1672、1677、1682、1684、1686、1688、1690、1692、1694、1696、1698、1700、1702、1704、1730〜2039、2040、2045、2050、2055、2060、2065、2070、2075、2080、2085、2090、2095、2100、2102、2104、2106、2108、2120〜2338、2339、2344、2349、2354、2359、2364、2366、2368、2370、2372、2384〜2460、2461、2466、2471、2476、および2481。本発明は、更に、以下の配列番号のポリヌクレオチド配列のいずれかとハイブリダイズする少なくとも15個の連続塩基を含む核酸の他(1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、49〜158、159、160、163、168、173、178、183、188、193、198、203、208、215、220、225、230、247、249、251、253、255、257、259、275〜472、473、478、483、488、493、498、503、513、515、517、519、521、533〜575、576、581、586、591、596、601、603、605、607、609、621〜767、768、773、778、783、788、793、795、797、799、801、813‐862、863、868、873、878、883、888、890、892、894、896、908〜1040、1041、1046、1051、1056、1061、1071、1073、1075、1077、1079、1081、1083、1085、1087、1089、1091、1093、1095、1097、1099、1101、1103、1105、1107、1109、1111、1113、1161〜1571、1572、1577、1582、1587、1592、1597、1602、1607、1612、1617、1622、1627、1632、1637、1642、1647、1652、1657、1662、1667、1672、1677、1682、1684、1686、1688、1690、1692、1694、1696、1698、1700、1702、1704、1730〜2039、2040、2045、2050、2055、2060、2065、2070、2075、2080、2085、2090、2095、2100、2102、2104、2106、2108、2120〜2338、2339、2344、2349、2354、2359、2364、2366、2368、2370、2372、2384〜2460、2461、2466、2471、2476、および2481)、以下の配列番号のポリヌクレオチド配列のいずれかと相補的な核酸、またはその断片を提供する:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、49‐158、159、160、163、168、173、178、183、188、193、198、203、208、215、220、225、230、247、249、251、253、255、257、259、275〜472、473、478、483、488、493、498、503、513、515、517、519、521、533〜575、576、581、586、591、596、601、603、605、607、609、621〜767、768、773、778、783、788、793、795、797、799、801、813〜862、863、868、873、878、883、888、890、892、894、896、908〜1040、1041、1046、1051、1056、1061、1071、1073、1075、1077、1079、1081、1083、1085、1087、1089、1091、1093、1095、1097、1099、1101、1103、1105、1107、1109、1111、1113、1161〜1571、1572、1577、1582、1587、1592、1597、1602、1607、1612、1617、1622、1627、1632、1637、1642、1647、1652、1657、1662、1667、1672、1677、1682、1684、1686、1688、1690、1692、1694、1696、1698、1700、1702、1704、1730〜2039、2040、2045、2050、2055、2060、2065、2070、2075、2080、2085、2090、2095、2100、2102、2104、2106、2108、2120〜2338、2339、2344、2349、2354、2359、2364、2366、2368、2370、2372、2384〜2460、2461、2466、2471、2476、および2481。 本発明では、以下の本発明の配列番号のポリヌクレオチド配列のオーソロガス配列、ならびにその相補配列および断片も提供する:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、49〜158、159、160、163、168、173、178、183、188、193、198、203、208、215、220、225、230、247、249、251、253、255、257、259、275〜472、473、478、483、488、493、498、503、513、515、517、519、521、533〜575、576、581、586、591、596、601、603、605、607、609、621〜767、768、773、778、783、788、793、795、797、799、801、813〜862、863、868、873、878、883、888、890、892、894、896、908〜1040、1041、1046、1051、1056、1061、1071、1073、1075、1077、1079、1081、1083、1085、1087、1089、1091、1093、1095、1097、1099、1101、1103、1105、1107、1109、1111、1113、1161〜1571、1572、1577、1582、1587、1592、1597、1602、1607、1612、1617、1622、1627、1632、1637、1642、1647、1652、1657、1662、1667、1672、1677、1682、1684、1686、1688、1690、1692、1694、1696、1698、1700、1702、1704、1730〜2039、2040、2045、2050、2055、2060、2065、2070、2075、2080、2085、2090、2095、2100、2102、2104、2106、2108、2120〜2338、2339、2344、2349、2354、2359、2364、2366、2368、2370、2372、2384〜2460、2461、2466、2471、2476、および2481。従って、本発明は、以下の配列番号のいずれかで示されるヌクレオチド配列を含む遺伝子の昆虫オルソローグである標的遺伝子を含む:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、49〜158、159、160、163、168、173、178、183、188、193、198、203、208、215、220、225、230、247、249、251、253、255、257、259、275〜472、473、478、483、488、493、498、503、513、515、517、519、521、533〜575、576、581、586、591、596、601、603、605、607、609、621〜767、768、773、778、783、788、793、795、797、799、801、813〜862、863、868、873、878、883、888、890、892、894、896、908〜1040、1041、1046、1051、1056、1061、1071、1073、1075、1077、1079、1081、1083、1085、1087、1089、1091、1093、1095、1097、1099、1101、1103、1105、1107、1109、1111、1113、1161〜1571、1572、1577、1582、1587、1592、1597、1602、1607、1612、1617、1622、1627、1632、1637、1642、1647、1652、1657、1662、1667、1672、1677、1682、1684、1686、1688、1690、1692、1694、1696、1698、1700、1702、1704、1730〜2039、2040、2045、2050、2055、2060、2065、2070、2075、2080、2085、2090、2095、2100、2102、2104、2106、2108、2120〜2338、2339、2344、2349、2354、2359、2364、2366、2368、2370、2372、2384〜2460、2461、2466、2471、2476、および2481。一例として、昆虫オルソローグは、配列番号:49‐123、275〜434、533〜562、621〜738、813〜852、908〜1010、1161〜1437、1730〜1987、2120‐2290、2384〜2438のいずれかに示されるヌクレオチド配列、またはこれらの少なくとも15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、または27個のヌクレオチドの断片を含むことができる。限定されないが、昆虫またはクモ類のオルソローグ遺伝子、または本発明の配列の1つの少なくとも15個、好ましくは少なくとも17個の断片を含む配列を表(Table)4に記載している。 本発明は、以下の本発明の配列番号のいずれか1つで示されるヌクレオチド配列を含む遺伝子の線虫オルソローグである標的遺伝子も含む:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、49〜158、159、160、163、168、173、178、183、188、193、198、203、208、215、220、225、230、247、249、251、253、255、257、259、275〜472、473、478、483、488、493、498、503、513、515、517、519、521、533‐575、576、581、586、591、596、601、603、605、607、609、621〜767、768、773、778、783、788、793、795、797、799、801、813〜862、863、868、873、878、883、888、890、892、894、896、908〜1040、1041、1046、1051、1056、1061、1071、1073、1075、1077、1079、1081、1083、1085、1087、1089、1091、1093、1095、1097、1099、1101、1103、1105、1107、1109、1111、1113、1161〜1571、1572、1577、1582、1587、1592、1597、1602、1607、1612、1617、1622、1627、1632、1637、1642、1647、1652、1657、1662、1667、1672、1677、1682、1684、1686、1688、1690、1692、1694、1696、1698、1700、1702、1704、1730〜2039、2040、2045、2050、2055、2060、2065、2070、2075、2080、2085、2090、2095、2100、2102、2104、2106、2108、2120〜2338、2339、2344、2349、2354、2359、2364、2366、2368、2370、2372、2384〜2460、2461、2466、2471、2476、および2481。一例として、線虫オルソローグは、本発明の配列番号:124〜135、435〜446、563、564、739〜751、853、854、1011〜1025、1438〜1473、1988〜2001、2291〜2298、2439〜2440のいずれかに示されるヌクレオチド配列、またはこれらの少なくとも15、16、17、18、19、20、または21個のヌクレオチドを含むことができる。別の態様によると、このように本発明は、本明細書に記載している、線虫細胞と二本鎖RNAとの接触を含む、生物における線虫の増殖抑制方法、または線虫感染に感受性のある生物における線虫侵入の予防方法を含み、ここで二本鎖RNAはアニーリングした相補鎖を含んでおり、この内の1つは以下の配列番号で表される配列のいずれかの少なくとも17、18、19、20、21個のヌクレオチド断片を含む、標的遺伝子のヌクレオチド配列の少なくとも一部と相補的なヌクレオチド配列を有しており、これによって二本鎖RNAが真菌に取り込まれることで、増殖は抑制されて、侵入は予防される:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、49〜158、159、160、163、168、173、178、183、188、193、198、203、208、215、220、225、230、247、249、251、253、255、257、259、275〜472、473、478、483、488、493、498、503、513、515、517、519、521、533〜575、576、581、586、591、596、601、603、605、607、609、621〜767、768、773、778、783、788、793、795、797、799、801、813〜862、863、868、873、878、883、888、890、892、894、896、908〜1040、1041、1046、1051、1056、1061、1071、1073、1075、1077、1079、1081、1083、1085、1087、1089、1091、1093、1095、1097、1099、1101、1103、1105、1107、1109、1111、1113、1161〜1571、1572、1577、1582、1587、1592、1597、1602、1607、1612、1617、1622、1627、1632、1637、1642、1647、1652、1657、1662、1667、1672、1677、1682、1684、1686、1688、1690、1692、1694、1696、1698、1700、1702、1704、1730〜2039、2040、2045、2050、2055、2060、2065、2070、2075、2080、2085、2090、2095、2100、2102、2104、2106、2108、2120‐2338、2339、2344、2349、2354、2359、2364、2366、2368、2370、2372、2384〜2460、2461、2466、2471、2476、および2481。本発明は、以下の配列番号で示される配列のいずれかの少なくとも17、18、19、20、21個のヌクレオチド断片を含む、線虫耐性トランスジェニック植物にも関する:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、49‐158、159、160、163、168、173、178、183、188、193、198、203、208、215、220、225、230、247、249、251、253、255、257、259、275〜472、473、478、483、488、493、498、503、513、515、517、519、521、533〜575、576、581、586、591、596、601、603、605、607、609、621〜767、768、773、778、783、788、793、795、797、799、801、813〜862、863、868、873、878、883、888、890、892、894、896、908〜1040、1041、1046、1051、1056、1061、1071、1073、1075、1077、1079、1081、1083、1085、1087、1089、1091、1093、1095、1097、1099、1101、1103、1105、1107、1109、1111、1113、1161〜1571、1572、1577、1582、1587、1592、1597、1602、1607、1612、1617、1622、1627、1632、1637、1642、1647、1652、1657、1662、1667、1672、1677、1682、1684、1686、1688、1690、1692、1694、1696、1698、1700、1702、1704、1730〜2039、2040、2045、2050、2055、2060、2065、2070、2075、2080、2085、2090、2095、2100、2102、2104、2106、2108、2120〜2338、2339、2344、2349、2354、2359、2364、2366、2368、2370、2372、2384〜2460、2461、2466、2471、2476、および2481。限定されないが、本発明の配列の1つの少なくとも15bp、好ましくは少なくとも17bpの断片を含む線虫のオルソローグ遺伝子または配列を表(Table)5に記載している。 別の実施態様では、本発明は、以下の本発明の配列番号で示されるヌクレオチド配列を含む遺伝子の真菌オルソローグである標的遺伝子を含む:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、49‐158、159、160、163、168、173、178、183、188、193、198、203、208、215、220、225、230、247、249、251、253、255、257、259、275〜472、473、478、483、488、493、498、503、513、515、517、519、521、533〜575、576、581、586、591、596、601、603、605、607、609、621〜767、768、773、778、783、788、793、795、797、799、801、813〜862、863、868、873、878、883、888、890、892、894、896、908〜1040、1041、1046、1051、1056、1061、1071、1073、1075、1077、1079、1081、1083、1085、1087、1089、1091、1093、1095、1097、1099、1101、1103、1105、1107、1109、1111、1113、1161〜1571、1572、1577、1582、1587、1592、1597、1602、1607、1612、1617、1622、1627、1632、1637、1642、1647、1652、1657、1662、1667、1672、1677、1682、1684、1686、1688、1690、1692、1694、1696、1698、1700、1702、1704、1730〜2039、2040、2045、2050、2055、2060、2065、2070、2075、2080、2085、2090、2095、2100、2102、2104、2106、2108、2120〜2338、2339、2344、2349、2354、2359、2364、2366、2368、2370、2372、2384〜2460、2461、2466、2471、2476、および2481。一例として、真菌オルソローグは、配列番号:136〜158、447〜472、565〜575、752〜767、855〜862、1026〜1040、1474〜1571、2002〜2039、2299〜2338、2441〜2460のいずれかに示すヌクレオチド配列、またはこれらの少なくとも17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、または27個のヌクレオチド断片を含むことができる。別の態様によると、このように本発明は、本明細書に記載している、真菌細胞と二本鎖RNAとの接触を含む、細胞または生物体における真菌の増殖抑制方法、または真菌感染に感受性のある細胞または生物体における真菌侵入の予防方法を含み、ここで二本鎖RNAはアニーリングした相補鎖を含んでおり、この内の1つは以下の配列番号で示される配列のいずれかの少なくとも17、18、19、20、21個のヌクレオチド断片を含む、標的遺伝子のヌクレオチド配列の少なくとも一部と相補的なヌクレオチド配列を有しており、これによって二本鎖RNAが真菌に取り込まれることで、増殖は抑制されて、侵入は予防される:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、49〜158、159、160、163、168、173、178、183、188、193、198、203、208、215、220、225、230、247、249、251、253、255、257、259、275〜472、473、478、483、488、493、498、503、513、515、517、519、521、533〜575、576、581、586、591、596、601、603、605、607、609、621〜767、768、773、778、783、788、793、795、797、799、801、813〜862、863、868、873、878、883、888、890、892、894、896、908〜1040、1041、1046、1051、1056、1061、1071、1073、1075、1077、1079、1081、1083、1085、1087、1089、1091、1093、1095、1097、1099、1101、1103、1105、1107、1109、1111、1113、1161〜1571、1572、1577、1582、1587、1592、1597、1602、1607、1612、1617、1622、1627、1632、1637、1642、1647、1652、1657、1662、1667、1672、1677、1682、1684、1686、1688、1690、1692、1694、1696、1698、1700、1702、1704、1730〜2039、2040、2045、2050、2055、2060、2065、2070、2075、2080、2085、2090、2095、2100、2102、2104、2106、2108、2120〜2338、2339、2344、2349、2354、2359、2364、2366、2368、2370、2372、2384〜2460、2461、2466、2471、2476、および2481。本発明は、以下の配列番号で示される配列のいずれかの少なくとも17、18、19、20、21個のヌクレオチド断片を含む、真菌耐性トランスジェニック植物にも関する:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、49〜158、159、160、163、168、173、178、183、188、193、198、203、208、215、220、225、230、247、249、251、253、255、257、259、275〜472、473、478、483、488、493、498、503、513、515、517、519、521、533〜575、576、581、586、591、596、601、603、605、607、609、621〜767、768、773、778、783、788、793、795、797、799、801、813〜862、863、868、873、878、883、888、890、892、894、896、908〜1040、1041、1046、1051、1056、1061、1071、1073、1075、1077、1079、1081、1083、1085、1087、1089、1091、1093、1095、1097、1099、1101、1103、1105、1107、1109、1111、1113、1161〜1571、1572、1577、1582、1587、1592、1597、1602、1607、1612、1617、1622、1627、1632、1637、1642、1647、1652、1657、1662、1667、1672、1677、1682、1684、1686、1688、1690、1692、1694、1696、1698、1700、1702、1704、1730〜2039、2040、2045、2050、2055、2060、2065、2070、2075、2080、2085、2090、2095、2100、2102、2104、2106、2108、2120〜2338、2339、2344、2349、2354、2359、2364、2366、2368、2370、2372、2384〜2460、2461、2466、2471、2476、および2481。限定されないが、本発明の配列の1つの少なくとも15bp、好ましくは少なくとも17bpの断片を含む真菌のオルソローグ遺伝子または配列を表(Table)6に記載している。 別の実施態様では、本発明のdsRNA分子は、以下の配列番号のいずれかを含むが(1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、49〜158、159、160、163、168、173、178、183、188、193、198、203、208、215、220、225、230、247、249、251、253、255、257、259、275〜472、473、478、483、488、493、498、503、513、515、517、519、521、533〜575、576、581、586、591、596、601、603、605、607、609、621〜767、768、773、778、783、788、793、795、797、799、801、813〜862、863、868、873、878、883、888、890、892、894、896、908〜1040、1041、1046、1051、1056、1061、1071、1073、1075、1077、1079、1081、1083、1085、1087、1089、1091、1093、1095、1097、1099、1101、1103、1105、1107、1109、1111、1113、1161〜1571、1572、1577、1582、1587、1592、1597、1602、1607、1612、1617、1622、1627、1632、1637、1642、1647、1652、1657、1662、1667、1672、1677、1682、1684、1686、1688、1690、1692、1694、1696、1698、1700、1702、1704、1730〜2039、2040、2045、2050、2055、2060、2065、2070、2075、2080、2085、2090、2095、2100、2102、2104、2106、2108、2120〜2338、2339、2344、2349、2354、2359、2364、2366、2368、2370、2372、2384〜2460、2461、2466、2471、2476、および2481)、以下の配列番号で示される配列に限定されない:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、49〜158、159、160、163、168、173、178、183、188、193、198、203、208、215、220、225、230、247、249、251、253、255、257、259、275〜472、473、478、483、488、493、498、503、513、515、517、519、521、533〜575、576、581、586、591、596、601、603、605、607、609、621〜767、768、773、778、783、788、793、795、797、799、801、813〜862、863、868、873、878、883、888、890、892、894、896、908〜1040、1041、1046、1051、1056、1061、1071、1073、1075、1077、1079、1081、1083、1085、1087、1089、1091、1093、1095、1097、1099、1101、1103、1105、1107、1109、1111、1113、1161〜1571、1572、1577、1582、1587、1592、1597、1602、1607、1612、1617、1622、1627、1632、1637、1642、1647、1652、1657、1662、1667、1672、1677、1682、1684、1686、1688、1690、1692、1694、1696、1698、1700、1702、1704、1730〜2039、2040、2045、2050、2055、2060、2065、2070、2075、2080、2085、2090、2095、2100、2102、2104、2106、2108、2120〜2338、2339、2344、2349、2354、2359、2364、2366、2368、2370、2372、2384〜2460、2461、2466、2471、2476、および2481。本発明のdsRNA分子は、害虫種の連続する任意の標的遺伝子を含むことができる(例、約15〜25以上、または15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25以上の連続ヌクレオチド)。 「単離した」核酸とは、自然環境から取り出された核酸分子、DNAまたはRNAを指す。例えば、DNAコンストラクトに含まれる組み換えDNA分子は、本発明の目的のために単離していると考える。単離DNA分子の別の例として、異種宿主内に保持される組み換えDNA分子、または溶液中の(部分的に、または実質的に)精製したDNA分子が挙げられる。単離RNA分子としては、本発明のDNA分子のインビトロRNA転写産物が挙げられる。本発明による単離核酸分子として、更に、合成的に生成した分子が挙げられる。 本発明の核酸分子は、mRNAなどのRNA、または、例えば、クローニングによって得た、もしくは合成的に生成したcDNAやゲノムDNAなどのDNAの形であり得る。DNAまたはRNAは、二重鎖または一本鎖であり得る。一本鎖DNAはコーディング鎖(別名、センス鎖)であるか、もしくは非コーディング鎖(別名、アンチセンス鎖)であり得る。 IV.配列分析 特記ある場合を除き、本明細書において配列決定したDNA分子のヌクレオチド配列は、自動DNAシークエンサー(Model373、Applied Biosystems, Inc.)を使用して決定した。従って、この自動化アプローチによって決定したDNA配列に関して該技術分野で周知の通り、本明細書で決定した任意のヌクレオチド配列にはいくつかのエラーが含まれうる。自動決定したヌクレオチド配列は、配列決定したDNA分子の実際のヌクレオチド配列と、通常、少なくとも約95%、より多くは、少なくとも約96〜99.9%同一である。該技術分野において周知のマニュアルDNAシークエンシング法などの他のアプローチによって実際の配列をより正確に決定できる。同様に該技術分野において周知の通り、実際の配列との比較で、決定したヌクレオチド配列における1個の挿入または欠失は、ヌクレオチド配列の翻訳においてフレームシフトを起こし、決定したヌクレオチド配列がコードする予測アミノ酸配列は、配列決定したDNA分子が実際にコードするアミノ酸配列とは全く異なり、これらの挿入点または欠失点から開始しうる。 別の態様では、本発明は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、上記の本発明の核酸分子の一部のポリヌクレオチドとハイブリダイズするポリヌクレオチドを含む単離核酸分子を提供する。ポリヌクレオチドの「一部」にハイブリダイズするポリヌクレオチドは、少なくとも約15個のヌクレオチド、より好ましくは少なくとも約20個のヌクレオチド、更に好ましくは少なくとも約30個のヌクレオチド、更に好ましくは30個以上の基準ポリヌクレオチドにハイブリダイズするポリヌクレオチド(DNAまたはRNA)である。基準断片にハイブリダイズするこれらの断片は、診断用プローブ/プライマーとして有用である。本発明の目的で、ハイブリダイゼーション溶液(6X SSC、0.5% SDS、5Xデンハート液、100μg非特異的キャリアーDNA)中で二本鎖複合体を形成する場合に2つの配列はハイブリダイズする。Ausubelら、section 2.9, supplement 27 (1994)参照。配列は「中程度のストリンジェンシー」でハイブリダイズ可能であり、これはハイブリダイゼーション溶液(6X SSC、0.5% SDS、5Xデンハート液、100μg非特異的キャリアーDNA)中、温度60℃と定義される。「高いストリンジェンシー」でのハイブリダイゼーションでは、温度を68℃に上げる。中程度のストリンジェンシーでのハイブリダイゼーション反応後、ヌクレオチドを室温の洗浄液(2X SSC、0.05% SDS)で5回、続いて60℃の洗浄液(0.1X SSC、0.1% SDS)で1時間洗う。「高いストリンジェンシー」では、洗浄温度を68℃に上げる。本発明の目的では、ハイブリダイズしたヌクレオチドは、比放射能が10,000cpm/ngの放射線標識プローブ1ngを使用して検出されるヌクレオチドであり、ここでハイブリダイズしたヌクレオチドは−70℃、72時間以内のX線フィルムに暴露後にはっきりと見ることができる。 本願は、以下の配列番号のいずれかで示される核酸配列と少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、100%同一な核酸分子を対象としている:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、49〜158、159、160、163、168、173、178、183、188、193、198、203、208、215、220、225、230、247、249、251、253、255、257、259、275〜472、473、478、483、488、493、498、503、513、515、517、519、521、533〜575、576、581、586、591、596、601、603、605、607、609、621〜767、768、773、778、783、788、793、795、797、799、801、813〜862、863、868、873、878、883、888、890、892、894、896、908〜1040、1041、1046、1051、1056、1061、1071、1073、1075、1077、1079、1081、1083、1085、1087、1089、1091、1093、1095、1097、1099、1101、1103、1105、1107、1109、1111、1113、1161〜1571、1572、1577、1582、1587、1592、1597、1602、1607、1612、1617、1622、1627、1632、1637、1642、1647、1652、1657、1662、1667、1672、1677、1682、1684、1686、1688、1690、1692、1694、1696、1698、1700、1702、1704、1730〜2039、2040、2045、2050、2055、2060、2065、2070、2075、2080、2085、2090、2095、2100、2102、2104、2106、2108、2120〜2338、2339、2344、2349、2354、2359、2364、2366、2368、2370、2372、2384〜2460、2461、2466、2471、2476、および2481。一方、好ましくは、以下の配列番号で示される核酸配列と少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、100%同一な核酸分子である:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、49〜158、159、160、163、168、173、178、183、188、193、198、203、208、215、220、225、230、247、249、251、253、255、257、259、275〜472、473、478、483、488、493、498、503、513、515、517、519、521、533〜575、576、581、586、591、596、601、603、605、607、609、621〜767、768、773、778、783、788、793、795、797、799、801、813〜862、863、868、873、878、883、888、890、892、894、896、908〜1040、1041、1046、1051、1056、1061、1071、1073、1075、1077、1079、1081、1083、1085、1087、1089、1091、1093、1095、1097、1099、1101、1103、1105、1107、1109、1111、1113、1161〜1571、1572、1577、1582、1587、1592、1597、1602、1607、1612、1617、1622、1627、1632、1637、1642、1647、1652、1657、1662、1667、1672、1677、1682、1684、1686、1688、1690、1692、1694、1696、1698、1700、1702、1704、1730〜2039、2040、2045、2050、2055、2060、2065、2070、2075、2080、2085、2090、2095、2100、2102、2104、2106、2108、2120〜2338、2339、2344、2349、2354、2359、2364、2366、2368、2370、2372、2384〜2460、2461、2466、2471、2476、および2481。核酸配列の差は、基準ヌクレオチド配列の5’または3’末端の位置、またはこれらの末端位置のいずれかの場所に生じ、基準配列内の個々のヌクレオチド間または基準配列内の1つ以上の連続群内に散在している。 実際的な問題として、任意の特定の核酸分子が、基準ヌクレオチド配列と少なくとも95%、96%、97%、98%、99%同一であるか否かは、当業者には周知の基準アルゴリズムを利用した2分子間での比較を指し、BLASTNアルゴリズムなどの公的に利用可能なコンピュータープログラムを使用して、従来どおりに判断できる。 Altschulら、Nucleic Acids Res.25:3389-3402 (1997)参照。 本発明の一実施態様では、核酸は、約15〜30個(例、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30個)のヌクレオチドを有するアンチセンス鎖を含み、該アンチセンス鎖は細胞周期または相同組み換えを制御するタンパク質をコードするRNA配列またはその一部と相補的であり、前記siRNAは更に約15〜30個(例、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30個)のヌクレオチドを有するセンス鎖を含み、前記センス鎖および前記アンチセンス鎖は、各鎖の少なくとも約15ヌクレオチドが他の鎖と相補的な異なるヌクレオチド配列である。 一実施態様では、本発明は、RNA干渉遺伝子サイレンシングを媒介する二本鎖核酸分子を提供する。別の一実施態様では、本発明のsiRNA分子は約15〜30個(例、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30個)のヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド間に約15〜30個の塩基対を含む二本鎖核酸分子からなる。更に別の一実施態様では、本発明のsiRNAは、約1〜32個(例、約1、2、3個)のヌクレオチドのオーバーハング末端を有する二本鎖核酸分子、例えば、約19個の塩基対および3’末端モノヌクレオチド、ジヌクレオチド、またはトリヌクレオチドのオーバーハングを有する約21個のヌクレオチド二本鎖、を含む。更に別の一実施態様では、本発明のsiRNA分子は、平滑末端を有する二本鎖核酸分子を含み、ここで両末端は平滑、もしくは末端の一方は平滑である。 本発明のsiRNA分子は、RNAi媒介能を保持したままで修飾ヌクレオチドを含むことができる。修飾ヌクレオチドは、安定性、活性、および/または生物学的利用能などのインビトロまたはインビボでの特性を改善するために使用できる。例えば、本発明のsiRNA分子は、siRNA分子に存在しているヌクレオチドの総数の割合で修飾ヌクレオチドを含むことができる。該ものとして、本発明のsiRNA分子は、一般に、約5〜100%の修飾ヌクレオチド(例、約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、100%の修飾ヌクレオチド)を含むことができる。任意のsiRNA分子に存在する修飾ヌクレオチドの実際の割合は、siRNAに存在するヌクレオチドの総数に左右される。siRNAが一本鎖の場合、siRNA分子に存在するヌクレオチドの総数に基づいて割合を修正できる。同様に、siRNA分子が二本鎖の場合、センス鎖、アンチセンス鎖、またはセンス/アンチセンス鎖に存在するヌクレオチドの総数に基づいて割合を修正できる。 VII.核酸コンストラクト 組み換え核酸ベクターは、例えば、線状または閉環状プラスミドであり得る。ベクター系は、細菌宿主のゲノム内に導入する全核酸を一緒に含んでいる、単一のベクターまたはプラスミド、もしくは2以上のベクターまたはプラスミドでありうる。また、細菌ベクターは発現ベクターでありうる。以下の配列番号に記載の核酸分子、またはこれらの断片は、例えば、連結したコード配列または他のDNA配列の発現を促進させるために、1つ以上の微生物宿主内において機能する適切なプロモーターの制御下でベクター内に適当に挿入できる:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、49〜158、159、160、161、162、163、168、173、178、183、188、193、198、203、208、215、220、225、230、240〜246、247、249、251、253、255、257、259、275〜472、473、478、483、488、493、498、503、508〜512、513、515、517、519、521、533〜575、576、581、586、591、596、601、603、605、607、609、621〜767、768、773、778、783、788、793、795、797、799、801、813〜862、863、868、873、878、883、888、890、892、894、896、908〜1040、1041、1046、1051、1056、1061、1066〜1070、1071、1073、1075、1077、1079、1081、1083、1085、1087、1089、1091、1093、1095、1097、1099、1101、1103、1105、1107、1109、1111、1113、1161〜1571、1572、1577、1582、1587、1592、1597、1602、1607、1612、1617、1622、1627、1632、1637、1642、1647、1652、1657、1662、1667、1672、1677、1682、1684、1686、1688、1690、1692、1694、1696、1698、1700、1702、1704、1730〜2039、2040、2045、2050、2055、2060、2065、2070、2075、2080、2085、2090、2095、2100、2102、2104、2106、2108、2120〜2338、2339、2344、2349、2354、2359、2364、2366、2368、2370、2372、2384〜2460、2461、2466、2471、2476、および2481。多くのベクターがこの目的のために利用可能であり、適切なベクターの選択は主にベクターに挿入する核酸の大きさ、およびベクターで形質転換される特定の宿主細胞に左右される。各ベクターには、その機能(DNA増幅またはDNA発現)およびベクターが適合する特定の宿主細胞に応じた様々な要素が含まれる。細菌の形質転換のためのベクター成分には、限定されないが、一般に、以下の1つ以上が含まれる:シグナル配列、複製起点、1つ以上の選択マーカー遺伝子、外来DNAの発現を可能にする誘導プロモーター。 プロモーター 調節配列および構造ヌクレオチド配列に関連して使用する「機能的に連結した」とは、調節配列が連結している構造ヌクレオチド配列の発現を調節することを意味する。「調節配列」または「制御要素」とは、構造ヌクレオチド配列の上流(5’非コード配列)、内部、下流(3’非翻訳配列)に位置するヌクレオチド配列を指し、転写の時期およびレベルまたは量、RNAの処理または安定性、関連する構造ヌクレオチド配列の翻訳、に影響を及ぼす。調節配列としては、プロモーター、翻訳のリーダー配列、イントロン、エンハンサー、ステムループ構造、リプレッサー結合配列、ポリアデニル化認識配列などを挙げることができる。 mRNA産生用の発現ベクターには、宿主細菌が認識する誘導プロモーターも含まれ、例えば、D. v. virgifera mRNAまたは目的とするその断片をコードする核酸分子をコードする核酸と機能的に連結している。細菌宿主との使用に適した誘導プロモーターとして、βラクタマーゼ・プロモーター、大腸菌λファージPLおよびPRプロモーター、および大腸菌ガラクトース・プロモーター、アラビノース・プロモーター、アルカリフォスファターゼ・プロモーター、トリプトファン(trp)プロモーター、ラクトース・オペロン・プロモーター、およびこれらの変異体、およびtacプロモーターなどのハイブリッド・プロモーターが挙げられる。一方で、他の周知の細菌誘導プロモーターが適している。 本発明は異なる植物種内において機能するプロモーターを意図している。植物におけるポリペプチド発現に有用なプロモーターとしては、誘導プロモーター、ウィルス・プロモーター、合成プロモーター、構成的プロモーター(Odellら、1985)、および/または時間的、空間的、時間空間的に調節されるプロモーターが挙げられる。好ましいプロモーターとしては、強化CaMV35SプロモーターやFMV35Sプロモーターが挙げられる。本発明の目的(例、根を餌にする種の最適な防除)にとって、植物の根内でのこれらの遺伝子の最高レベルの発現を得ることが好ましい。根中での促進プロモーターが多数確認されており、該技術分野において周知である(Luら、2000年;米国特許第5,837,848号、第6,489,542号)。 一実施態様では、植物形質転換ベクターは、本発明の1つ以上のヌクレオチド配列に機能的に連結されたプロモーターを含む単離/精製DNA分子を含む。ヌクレオチド配列は、以下の配列番号1から成るグル‐プから選択される:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、49〜158、159、160、161、162、163、168、173、178、183、188、193、198、203、208、215、220、225、230、240〜246、247、249、251、253、255、257、259、275‐472、473、478、483、488、493、498、503、508〜512、513、515、517、519、521、533〜575、576、581、586、591、596、601、603、605、607、609、621〜767、768、773、778、783、788、793、795、797、799、801、813‐862、863、868、873、878、883、888、890、892、894、896、908〜1040、1041、1046、1051、1056、1061、1066〜1070、1071、1073、1075、1077、1079、1081、1083、1085、1087、1089、1091、1093、1095、1097、1099、1101、1103、1105、1107、1109、1111、1113、1161〜1571、1572、1577、1582、1587、1592、1597、1602、1607、1612、1617、1622、1627、1632、1637、1642、1647、1652、1657、1662、1667、1672、1677、1682、1684、1686、1688、1690、1692、1694、1696、1698、1700、1702、1704、1730〜2039、2040、2045、2050、2055、2060、2065、2070、2075、2080、2085、2090、2095、2100、2102、2104、2106、2108、2120〜2338、2339、2344、2349、2354、2359、2364、2366、2368、2370、2372、2384〜2460、2461、2466、2471、2476、および2481。ヌクレオチド配列としては、標的害虫RNA転写産物内に存在するRNAの一部分または全体をコードする断片を含み、および標的害虫RNAの全体または一部分の逆方向反復を含みうる。発現ベクターを含むDNA分子は、コード配列の上流、またはコード配列内のいずれかに位置する機能的イントロン配列も含み、プロモーターと翻訳開始点の間に位置する5個の5’非翻訳リーダー配列(すなわち、UTRまたは5’−UTR)を含みうる。 選択マーカー遺伝子 本発明の組み換えDNAベクターまたはコンストラクトには、一般に、形質転換細胞に選択可能な表現型を付与する選択マーカーが含まれる。選択マーカーは、本発明のポリペプチドまたはタンパク質をコードする外因性核酸を含む細胞の選択にも使用できる。マーカーは、抗生物質耐性(例、カナマイシン、G418、ブレオマイシン、ハイグロマイシンなど)などのバイオサイド耐性をコードしうる。選択マーカーの例として、カナマイシン耐性をコードしており、カナマイシン、G418などを使用して選択可能な、neo遺伝子、ビアラホス耐性をコードするbar遺伝子、ブロモキシニル耐性を付与するニトリラーゼ遺伝子、メトトレキサート耐性DHFR遺伝子が挙げられるが、これらに限定されない。該選択マーカーの例が、米国特許第5,550,318号、第5,633,435号、第5,780,708号、第6,118,047号に説明している。 本発明の組み換えベクターまたはコンストラクトには、スクリーニング用マーカーも含まれうる。スクリーニング用マーカーを使用して、発現をモニターできる。代表的なスクリーニング用マーカーとしては、様々な色素生成基質が知られている酵素をコードするαグルクロニダーゼまたはuidA遺伝子(GUS)(Jefferson, 1987; Jeffersonら、1987)、様々な色素生成基質が知られている酵素(例、PADAC、色素生成セファロスポリン)をコードする遺伝子であるαラクタマーゼ遺伝子(Sutcliffeら、1978)、ルシフェラーゼ遺伝子(Owら、1986)、色素生成カテコールを変換可能なカテコール・ジオキシゲナーゼをコードするxylE遺伝子(Zukowskyら、1983)、αアミラーゼ遺伝子(Ikatuら、1990)、チロシンをDOPAおよびドーパキノン(続いてメラニンに凝固する)に酸化できる酵素をコードするチロシナーゼ遺伝子(Katzら、1983)、色素生成αガラクトース基質に触媒作用を及ぼすαガラクトシダーゼが挙げられる。 好ましい植物形質転換ベクターとしては、アグロバクテリウム・チュメファシエンスのTiプラスミド由来のプロモーターが挙げられる(例、米国特許第4,536,475号、第4,693,977号、第4,886,937号、第5,501,967号、欧州特許第0122 791号)。アグロバクテリウム・リゾゲネス・プラスミド(または「Ri」)も有用であり、該技術分野において周知である。他の好ましい植物形質転換ベクターとしては、例えば、Herrera-Estrella(1983)、Bevan(1983)、Klee(1985)、欧州特許第0 120 516号で開示のベクターが挙げられる。 一般に、植物ゲノム内の非特異的部位へ機能的組み換えDNAを導入することが好ましい。特別な場合、部位特異的組込みによって組み換えDNAコンストラクトを挿入することが有用になり得る。植物において機能することが知られている数種の部位特異的組み換え系としては、米国特許第4,959,317号で開示されているcre−lox、米国特許第5,527,695号で開示されているFLP−FRTが挙げられる。 該技術分野で利用可能な方法によって容易に形質転換ベクターを調製できる。形質転換ベクターは、RNA分子に転写可能であり、昆虫ゲノムによってコードされる1つ以上のヌクレオチド配列と実質的に相同および/または相補的な、1つ以上のヌクレオチド配列を含み、RNAの取り込み時に、害虫ゲノムの各ヌクレオチド配列の少なくとも1つの発現をダウンレギュレートさせる。 植物形質転換ベクターが2つ以上の遺伝子由来の配列を含むことで、2つ以上のdsRNAの産生する標的害虫の細胞内において3つ以上の遺伝子の発現を阻害できる。異なる遺伝子に配列が存在する遺伝子に対応するDNA断片をトランスジェニック植物内において発現させるために1つの複合DNA断片に結合できることを当業者であれば容易に理解できる。または、エンハンサー、プロモーター、ターミネーター配列の間に追加のDNA断片を連続挿入することで少なくとも1つのDNA断片を既に含む本発明のプラスミドを改変できる。複数遺伝子の阻害用に設計した本発明の昆虫防除剤について、昆虫防除剤の有効性を高めるために、同じ昆虫種から阻害する遺伝子を得ることができる。ある実施態様では、薬剤が有効となる昆虫の範囲を広げるために、異なる昆虫から遺伝子を得ることができる。阻害、または発現と阻害の組み合わせのために複数遺伝子を標的とする場合、米国特許出願公開第2004−0029283号に図示・開示する通りにポリシストロン性DNAエレメントを組み立てることができる。 形質転換ベクターをdsDNAコンストラクトと称し、組み換え分子、昆虫防除剤、遺伝分子、キメラ遺伝子のコンストラクトと定義できる。本発明のキメラ遺伝子コンストラクトは、例えば、1つ以上のアンチセンス転写産物、1つ以上のセンス転写産物、1つ以上の上記のそれぞれをコードするヌクレオチド配列を含み、これらからの転写産物の全体または一部分は、昆虫ゲノム内のヌクレオチド配列によってコードされるRNA配列を含むRNA分子の全体または一部分と相同である。VIII.遺伝子組み換え用植物 「植物」は、葉緑体を含み、セルロース細胞壁を有する胚の産生を特徴とする、植物界の様々な光合成性、真核の多細胞生物のいずれかである。植物の一部、つまり「植物組織」は、本発明のトランスジェニック植物の作製方法に従って処理できる。多くの適切な植物組織が本発明に従って形質転換可能であり、これらの植物組織としては、限定されないが、体細胞胚、花粉、葉、茎、カルス、芽茎、極小塊茎、新芽が挙げられる。 このように、本発明では、アカシア、アルファルファ、リンゴ、杏、アーティチョーク、ハイノキ、アスパラガス、アボカド、バナナ、大麦、豆、ビート、カンバ、ブナノキ、ブラックベリー、ブルーベリー、ブロッコリー、メキャベツ、キャベツ、アブラナ、カンタループ、ニンジン、キャッサバ、カリフラワー、杉、シリアル、セロリ、クリノキ、桜、白菜、柑橘類、クレメンタイン、クローバー、コーヒー、コットン、カウピー豆、キュウリ、ヒノキ、なす、ニレ、エンダイブ、ユーカリ、ウイキョウ、イチジク、モミ、ゼラニウム、ブドウ、グレープフルーツ、ピーナツ、ホオズキ、ゴム毒人参、ヒッコリー、ケール、キーウィ、コールラビ、カラマツ、レタス、ニラ、レモン、ライム、バッタ、松、アジアンタム、トウモロコシ、マンゴー、カエデ、メロン、キビ、マッシュルーム、マスタード、木の実、樫、オート麦、オクラ、玉葱、オレンジ、観賞植物/花/木、パパイヤ、ヤシ、パセリ、パースニップ、エンドウ豆、桃、ピーナッツ、西洋ナシ、泥炭、ペッパー、柿、キマメ、松、パイナップル、オオバコ、プラム、ザクロ、ジャガイモ、パンプキン、赤チコリー、大根、菜種、ラズベリー、米、ライ麦、モロコシ、サルヤナギ、ホウレンソウ、モミの木、スカッシュ、イチゴ、サトウダイコン、サトウキビ、ひまわり、サツマイモ、スイートコーン、タンジェリン、お茶、タバコ、トマト、木、ライコムギ、芝草、つる草、クルミ、クレソン、スイカ、小麦、ヤムイモ、イチイ、ズッキーニなどの被子植物/裸子植物の形質転換を想定している。 本発明によると、「植物組織」には植物細胞も含まれる。植物細胞としては、浮遊培養物、カルス、胚、成長点部分、カルス組織、葉、根、新芽、配偶体、胞子体、花粉、種子、小胞子が挙げられる。植物組織は様々な成熟段階にあり、液体あるいは固形培養、もしくは鉢、グリーンハウス、田畑の土壌または適切な培地中で増殖できる。植物組織とは、有性生殖、無性生殖を問わず、該植物、種子、後代、珠芽のクローン、および切り枝や種子といったこれらの子孫も指す。 本発明において「後代」(例、トランスジェニック植物の後代)とは、植物またはトランスジェニック植物から生まれた、生じた、由来するものを指す。従って、「後代」植物、つまり「F1」世代植物は、発明の方法によって作出するトランスジェニック植物の子または子孫である。トランスジェニック植物の後代には、その細胞の少なくとも1つ、一部、または全てのゲノム内に、本明細書に記載の方法によって親トランスジェニック植物の細胞に取り込まれた所望のポリヌクレオチドを含みうる。従って、所望のポリヌクレオチドは子孫植物によって「伝達される」または「遺伝で受け継がれる」。このようにして子孫植物に遺伝で受け継がれる所望のポリヌクレオチドは、T−DNAコンストラクト内に存在し、やはりその親からの後代植物によって遺伝で受け継がれる。本明細書において「後代」とは、植物群の子または子孫も指す。 「種子」は、塊茎または胞子として、胚、および植物の増殖部位を含む成熟した植物胚珠と見なすことができる。例えば、アグロバクテリウムを介した形質転換前に、暗所において種子を培養して、発芽を促進できる。漂白剤での短時間の処理などにより、培養前に種子を不稔化することもできる。次に、結果として得られる幼植物をアグロバクテリウム属の所望の株または適切な細菌にさらして形質転換できる。 本発明は本明細書に記載の方法にまで及び、ここで昆虫はLeptinotarsa decemlineata(コロラドハムシ)であり、植物はジャガイモ、ナス、トマト、コショウ、タバコ、ホオズキまたは米、トウモロコシまたは綿である。 本発明は本明細書に記載の方法にまで及び、ここで昆虫はPhaedon cochleariae(マスタードハムシ)であり、植物はカラシナ、白菜、カブラ菜、コラードの若葉、チンゲン菜である。 本発明は本明細書に記載の方法にまで及び、ここで昆虫はEpilachna varivetisである、植物は豆、ソラマメ、インゲンマメ、サヤインゲンマメ、アオイマメ、マングビーン、サヤインゲン、ササゲ豆、ハッショウマメ、大豆、カウピー豆、キマメ、クローバー、アルファルファである。 本発明は本明細書に記載の方法にまで及び、ここで昆虫はAnthonomus grandis(メキシコワタノミゾウムシ)であり、植物は綿である。 本発明は本明細書に記載の方法にまで及び、ここで昆虫はTribolium castaneum(コクヌストモドキ)であり、植物は小麦粉、シリアル、穀粉、クラッカー、豆、スパイス、パスタ、ケーキミックス、乾燥ペットフード、ドライフラワー、チョコレート、木の実、種子、乾燥博物館見本などの貯蔵穀物製品の状態である。 本発明は本明細書に記載の方法にまで及び、ここで昆虫はMyzus persicae(green peach aphid)であり、植物はサクラ属(Prunus)、特に桃、杏、プラムなどの樹木;限定されないが、チョウセンアザミ、アスパラガス、豆、ビート、ブロッコリー、芽キャベツ、キャベツ、ニンジン、カリフラワー、カンタループ、セロリ、トウモロコシ、キュウリ、ウイキョウ、ケール、コールラビ、カブラ、なす、レタス、マスタード、オクラ、パセリ、パースニップ、エンドウ豆、ペッパー、ジャガイモ、ラディッシュ、ホウレンソウ、スカッシュ、トマト、カブラ、クレソン、スイカなど、ファミリーナス科(Solanaceae)、アカザ科(Chenopodiaceae)、キク科(Compositae)、十字花科(Cruciferae)とウリ科(Cucurbitaceae)の野菜作物;限定されないが、タバコ、サトウダイコン、ひまわりなどの農作物;花作物または他の観賞植物である。 本発明は本明細書に記載の方法にまで及び、ここで昆虫はNilaparvata lugensであり、植物は米である。 本発明は本明細書に記載の方法にまで及び、ここで昆虫はChilo suppressalis(rice striped stem borer)であり、植物は稲、オオムギ、モロコシ、トウモロコシ、小麦または牧草である。 本発明は本明細書に記載の方法にまで及び、ここで昆虫はPlutella xylostella(コナガ)であり、植物は、限定されないが、キャベツ、白菜、芽キャベツ、ケール、アブラナ、ブロッコリー、カリフラワー、カブラ、からし菜、大根などのアブラナ属 (Brassica) の種である。 本発明は本明細書に記載の方法にまで及び、ここで昆虫はAcheta domesticus(イエコオロギ)であり、植物は本明細書に記載の任意の植物または任意の有機物である。IX.遺伝子操作法 本発明は、害虫において1つ以上のdsRNA分子の発現レベルを阻害するため、生物にヌクレオチド配列を導入することを意図している。本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、標的宿主細胞内に組み換え配列を導入する、該技術分野において周知の手段によって、細菌または酵母細胞などの生物内に導入できる。該手段としては、限定されないが、形質移入、感染、形質転換、自然取り込み、リン酸カルシウム、エレクトロポレーション、マイクロインジェクション微粒子銃、微生物を介した形質転換プロトコルが挙げられる。例えば、"Procedure for Introducing Foreign DNA into Plants"In: Methods in Plant Molecular Biology and Biotechnology, Glick and Thompson, eds., CRC Press, Inc., Boca Raton, pages 67-88(Mikiら、1993)を参照。宿主生物に応じて様々な方法を選択する。 微生物を介した遺伝子移入とは、宿主植物内への外来遺伝子を導入するための微生物の使用に指す。アグロバクテリウム属(Horsch ら, Science 227:1229-31, 1985)は植物内への遺伝子移入に広く使用されるが、植物を形質転換可能な細菌のみではない。例えば、アグロバクテリウム属以外の数種の細菌を改変させて、様々な植物への遺伝子移入を媒介できることが示されている。2科、3属の根粒菌種の細菌。不活化Tiプラスミドとバイナリーベクターの両方を獲得することで、ベクターNGR234、Sinorhizobium meliloti、Mesorhizobium lotiを遺伝子移入のためにコンピテントにした。Broothaerts, W.ら、Nature Feb 10, 433 (7026):629-633 (2005).葉ディスク、胚盤由来のカルス、floral dip法を使用して、これらの非アグロバクテリウム属の種で3つの植物種(タバコ、米、シロイヌナズナ)を安定的に形質転換させた。従って、不活化Tiプラスミドとバイナリーベクター(恐らくは共組込み物またはTiプラスミド全体)を保有する場合、多様な植物関連細菌は、T−DNAを容易に植物に移入可能であり、本発明に従って使用できる。 本発明のトランスジェニック植物は、外来核酸が安定的に組み入れられた少なくとも1個の細胞ゲノムを含む。本発明によると、トランスジェニック植物は遺伝子組み換え細胞および細胞ゲノムを1つだけ含む植物、または一部の遺伝子組み換え細胞を含む植物、または全細胞が遺伝子組み換えされている植物である。本発明のトランスジェニック植物は、植物の一部分にのみ、所望のポリヌクレオチド、つまり外因性核酸を植物の一部分にのみに含む、植物であり得る。従って、トランスジェニック植物はその特定部位の組織に遺伝子組み換え細胞のみを含みうる。 トランスジェニック植物の作出、および特に植物における異種核酸の発現のための方法は周知であり、本明細書で使用する核酸を使用して、標的害虫生物による摂食に対する感受性の低下を示すトランスジェニック植物を作製できる。例えば、本明細書に開示するdsRNA産生核酸を植物形質転換ベクターに挿入して、植物内にこれらを導入することによって植物形質転換ベクターは作製できる。周知の1ベクターシステムは、アグロバクテリウム・チュメファシエンスの自然な遺伝子移入系の改変に由来している。天然系にはT−DNAとして知られる大きな断片を含む大型Ti(腫瘍誘導性)プラスミドが含まれ、これを形質転換植物に移入させる。Tiプラスミドの別の断片であるvir領域はT−DNAの移入に関与している。T−DNA領域は末端反復と隣接している。改変バイナリーベクターにおいて、腫瘍誘発遺伝子を欠失させて、vir領域の機能を活用してT−DNA境界配列と隣接した外来DNAを移入させる。T領域は、トランスジェニック植物および細胞の効率的な回収のための選択可能マーカー、ならびにdsRNAコーディング核酸などの移入のための挿入配列用のマルチクローニングサイトを含むこともできる。 アグロバクテリウム属あるいは微生物を介した他の形質転換法を利用して作製したトランスジェニック植物は、通常、1染色体に挿入された組み換えヌクレオチドを含んでおり、トランスジェニックと呼ばれる。該トランスジェニック植物は挿入された外因性配列についてヘテロ接合性と言える。F1種子を作製するために独立した分離個体トランスジェニック植物を自配することでトランス遺伝子に関してのホモ接合性のトランスジェニック植物を得た。作出したF1種子の4分の1がトランス遺伝子に関してホモ接合性でありうる。F1種子を発芽させることで、通常、ヘテロ接合性とホモ接合性を区別可能にするNPアッセイまたは熱増幅アッセイ(つまり、接合アッセイ)を利用して、ヘテロ接合性またはホモ接合性の試験が可能な植物がもたらされる。 したがって、本発明は、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドを含む植物または植物細胞をも提供する。一実施態様では、植物は被子植物または裸子植物である。植物の通常の意味を越えて、「植物」という用語は、植物の果実、種子、胞子嚢穂などを意味することを意図している。本発明の植物は直接の形質移入体であり、アグロバクテリウム属を介してなど、植物内に直接ベクターが導入されたことを意味し、または植物は形質移入植物の子孫でありうる。子孫は形質移入植物の無性生殖によっても得ることができる。第2世代、またはそれ以降の世代の植物は、有性生殖、つまり受精によって産出される可能性がある。さらに、植物は配偶体(一倍体段階)または胞子体(二倍体段階)であり得る。X.従来の育種/交配 組み換え核酸コンストラクトを伴う植物の直接形質転換に加えて、トランスジェニック植物は、組み換え核酸コンストラクトを伴う第1の植物とコンストラクトを欠く第2の植物を交配させて作製できる。例えば、遺伝子抑制用の組み換え核酸を形質転換に適した第一植物系統に導入して、第二植物系統と交配可能なトランスジェニック植物を作製して、第二植物系統に遺伝子抑制用の組み換え核酸を移入できる。 例えば、トランス遺伝子の周辺植物への流出の懸念を軽減させる手段として、不稔性の雄株内の組み換え核酸コンストラクトを発現することが有利になりうる。 本発明では、実際には、植物における他の昆虫防除特性と組み合わせて、昆虫侵入の防除を高めるために望ましい特性を獲得する。別の作用機序を利用する昆虫の防除形質を組み合わせることで、野外で耐性が発生する可能性が低下するため、単一の昆虫防除形質を有する植物よりすぐれた耐久性を有する、昆虫から保護されたトランスジェニック植物を提供できる。 1つ以上の害虫防除タンパク質遺伝子と特定のdsRNAコンストラクトの組み合わせによって、トランスジェニック植物の害虫防除の表現型を高める相乗作用を引き起こすことができる。人工飼料または植物組織全体を使用する害虫バイオアッセイを利用して、dsRNAと害虫防除タンパク質の両方を使って幼虫の死亡率、例えば、または成長阻害に関する用量反応を規定することができる。当業者であれば、バイオアッセイにおいて、dsRNA分子と害虫防除タンパク質の混合物を試験して、害虫から保護された植物での配置に相乗効果をもたらし、望ましい有効成分の組み合わせを特定できる(Tabashnik, 1992)。異なる昆虫防除タンパク質間での害虫の殺傷における相乗作用が報告されている(総説はSchnepfら、1998年参照)。特定のdsRNA間、および特定のdsRNと特定の昆虫防除タンパク質間に相乗作用の存在が予想される。XI.標的遺伝子の発現阻害の定量化 標的遺伝子の発現阻害は、内因性RNAまたは標的RNAの翻訳によって産生されるタンパク質のいずれかを測定することによって定量可能であり、阻害の結果は、細胞または生物の表面上の特性を試験することで確認できる。RNAおよびタンパク質の定量方法は当業者には周知である。アンピシリン、ブレオマイシン、クロラムフェニュール、ゲンタマイシン、ハイグロマイシン、カナマイシン、リンコマイシン、メトトレザト、フォスフィノスリシン、プロマイシン、スペクチノマイシン、リファンピシン、テトラサイクリンなど耐性を付与する複数の選択可能マーカーを利用できる。 ある実施態様では、遺伝子発現は、少なくとも10%、好ましくは少なくとも33%、より好ましくは少なくとも50%、更に好ましくは少なくとも80%阻害される。本発明の特に好ましい実施態様では、害虫の細胞内において遺伝子発現は、少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%、または少なくとも99%阻害されて、有意な阻害が起る。有意な阻害とは、検出可能な表現型(例、幼虫の成長停止、麻痺、死亡など)をもたらす十分な阻害、または阻害する標的遺伝子に対応するRNAおよび/またはタンパク質の検出可能な低下を指す。本発明のある実施態様では、実質的に全ての害虫の細胞において阻害が起り、他の好ましい実施態様では、遺伝子を発現する一部の細胞においてのみ阻害は起る。例えば、標的遺伝子が昆虫の消化管内の細胞において重要な役割を果たす場合、これらの細胞内での遺伝子阻害は昆虫に有害作用を与えるのに十分である。XII.産物 発明は、本発明の1つ以上の配列を含み、組み換え植物または本発明の1つ以上のヌクレオチド配列を含む種子から作られる商品産物を提供する。本発明の1つ以上の配列を含む商品産物として、限定されないが、穀粉、油、破砕穀物または全粒粉もしくは植物の種子、組み換え植物または種子の任意の穀粉、油、破砕穀物または全粒粉を含む製品、または任意の貯蔵牧草、繊維、紙、本発明の1つ以上の配列を含む本発明の植物由来の他の産物が挙げられる。商品産物での本発明の配列の検出により、該商品がトランスジェニック植物またはその一部を含み、dsRNAを介した遺伝子抑制法を利用した害虫侵入を防除するための発明の配列を発現するという事実上の証拠が与えられる。 植物内への標的配列の導入方法の他、害虫内における必須の特性や機能を阻害するための、本発明に例示する、少なくとも1つ以上の二本鎖RNA分子を含む標的配列の同定方法に関する具体的な実施例を以下に示している。これらは例示であって、本発明を限定するものではない。 実施例1:ハイスループット・スクリーニングでのC.エレガンス(C.elegans)におけるC.エレガンス標的遺伝子のサイレンシング 同じ2個のT7プロモーターとターミネーターとの間のpGN9Aベクター(WO第01/88121号)内にC.エレガンス・ゲノム・ワイドライブラリーを作製して、IPTG誘導性T7ポリメラーゼの発現時にセンスおよびアンチセンス方向での発現を促進させた。 このライブラリーを96ウェル・プレートフォーマットにて細菌株AB301−105(DE3)に形質転換させた。ゲノム・ワイドスクリーニングのため、これら細菌性細胞をヌクレアーゼ欠損C.エレガンス株nuc−1(e1392)を餌として与えた。 細菌株AB301−105(DE3)中で産生したdsRNAをC.エレガンスnuc−1(e1392)虫に餌として与えることを、以下のように96ウェル・プレートフォーマットにて行った:別々のプレートにnuc−1の卵を移して、20℃で同時孵化させて、L1世代を同期化させた。IPTGを含む液体増殖培地100μL、およびdsRNA発現のためのC.エレガンス・ゲノム断片を伴う各ベクターを有するC.エレガンスdsRNAライブラリーの細菌性細胞培養液(OD6001 AB301−105(DE3))10μLで96ウェル・プレートを満たした。各ウェルに、同期化したL1虫4匹を加え、25℃で少なくとも4〜5日間培養させた。これらの実験は4回行った。スクリーニングでは、6つの対照を使用した:‐pGN29=陰性対照、野生型‐pGZ1=unc−22=収縮性の表現型‐pGZ18=キチンシンターゼ=胚致死‐pGZ25=pos−1=胚致死‐pGZ59=bli−4D=急性致死‐ACC=アセチル補酵素A カルボキシラーゼ=急性致死 5日後、dsRNA産生細菌を餌として与えたC.エレガンスnuc−1(e1392)虫の表現型と、空ベクター(pGN29)および他の対照を与えた虫の表現型を比較した。dsRNAを餌として与えた虫について、親(Po)世代の(急性または幼性)致死率、一代雑種(F1)の(胚性)致死率、Poの発育遅延を以下の通りにスクリーニングした:(i)Poの急性致死:L1は発生せず、死亡し、この表現型では子孫はできず、ウェルは全く空に見える、(ii)Poの(幼性)致死:PoはL1よりも後期に死亡し、この表現型でも子孫はできない。幼虫または成虫の死亡がウェル内で認められた:(iii)F1の致死率:L1は成虫段階まで発生して、依然として生存している。この表現型では子孫はできない。これは不妊性、胚性致死(ウェル底での卵死)、胚性停止、または幼性停止(最終的には致死)に起因する可能性がある:(iv)子孫の通常発生および通常個体数が正常なウェルとの比較で、増殖停止および増殖遅延。 表(Table)1Aに示した標的配列について、C.エレガンスなどの線虫におけるC.エレガンス標的遺伝子のdsRNA媒介性サイレンシングは虫の増殖や生存に致死的影響を及ぼすと結論付けた。 上記のdsRNAサイレンシング実験に続いて、24ウェル・プレート上で、ハイスループット・フォーマットにてC.エレガンスの詳細な表現型実験を実施した。上記の通り、細菌株AB301−105(DE3)中で産生したdsRNAライブラリーを24ウェル・プレート上の線虫nuc−1(e1392)に餌として、以下のように与えた:別々のプレートにnuc−1卵を移して、20℃で同時孵化させて、L1世代を同期化させた。続いて、同期化させたL1虫100匹を、5μ/mLコレステロール、4μ/mL PEG、および1mM IPTG、ならびにdsRNA発現のためのC.エレガンス・ゲノム断片を伴う各ベクターのC.エレガンスdsRNAライブラリー500μL細菌性細胞培養物(OD6001 AB301−105 (DE3))を含むS‐完全培地の混合物500μLに浸した。浸したL1虫を25℃で2時間回転させた。 上精950μLを遠心分離で除去した後、残りの再懸濁した沈殿5μL(約10〜15匹の虫を含む)を24ウェル・プレートの各ウェルの中央に移して、アガーLB培地の層で満たした。摂取したプレートを25℃で2日間培養した。成虫段階では、成虫1匹を選び出し、25℃で2日間培養して、その子孫について検証した。他の成虫をインシツにて元の24ウェル・プレート上で検証した。これらの実験は4回行った。 第2バッチの虫について詳細な表現型スクリーニングを繰り返し、第2バッチの虫を20℃で3日間培養した点のみが異なっていた。 C.エレガンスのdsRNAを餌として与えた虫の表現形を、空ベクターを餌として与えたC.エレガンスnuc−1(e1392)虫の表現形と比較した。 この実験に基づき、表(Table)1Aに示したように、C.エレガンス標的遺伝子のサイレンシングは虫の増殖や生存に致死的作用を及ぼし、標的遺伝子が線虫の生存に必須であると結論付けた。従って、これらの遺伝子は、dsRNA媒介性の遺伝子サイレンシングを介した線虫の抑制(殺傷または増殖抑制)において良好な標的遺伝子である。従って、本発明は、様々な生物や材質に線虫が侵入するのを抑制するための、上記のC.エレガンス標的遺伝子の線虫オルソローグの使用を含む。 実施例2:キイロショウジョウバエのオルソローグの同定 実施例1に記載の通り、多数のC.エレガンスの致死配列が同定されており、他の種や属でのオルソローグの同定に利用可能である。例えば、C.エレガンスの致死配列を使用して、キイロショウジョウバエのオルソローグ配列を同定できる。つまり、GenBankなどの公的データベースによって、キイロショウジョウバエのオーソロガス配列について、各C.エレガンス配列を照合できる。配列相同性の高く(好ましくは、E値は1E−30以下)、BLAST検索で配列のヒットが相互に最高となる、潜在的なキイロショウジョウバエのオルソローグを選択し、後者は他の生物(例、C.エレガンス、キイロショウジョウバエ)由来の配列が、BLAST検索で互いにヒットが最高となることを意味する。例えば、BLASTを利用して、C.エレガンス由来の配列をキイロショウジョウバエの配列と比較した。配列Cについてはキイロショウジョウバエの配列Dでヒットが最高となるが、DをC.エレガンスの全配列と比較した場合、やはり配列Cが最高であることが分かり、DとCでヒットは互いに最高となる。オルソロジー(orthology)を定義するためにこの基準を利用すること多く、同様の機能を有する異なる種由来の同様の配列を意味している。表(Table)1Aにキイロショウジョウバエ配列の発見者を示している。 実施例3:Leptinotarsa decemlineata(コロラドハムシ) A.コロラドハムシ由来の遺伝子の部分配列のクローニング TRIzol試薬(カタログ番号15596-026/15596-018、Invitrogen社、米国メリーランド州ロックビル)を使用して、使用説明書に従って、異なる4幼虫期のLeptinotarsa decemlineata(コロラドハムシ;入手先:Jeroen van Schaik,Entocare CV Biologische Gewasbescherming, Postbus 162, 6700 AD Wageningen、オランダ)から完全な高品質RNAを単離した。使用説明書に従ったDNase(カタログ番号1700,Promega社)処理によってRNA調製物に存在するゲノムDNAを除去した。市販のキット(SuperScriptTM(商標)III Reverse Transcriptase,カタログ番号18080044,Invitrogen社、米国メリーランド州ロックビル)使用して、使用説明書に従って、cDNAを生成した。 LD001、LD002、LD003、LD006、LD007、LD010、LD011、LD014、LD015、LD016、LD018遺伝子の一部を含むcDNA配列を単離するために、Amplitaq Gold(カタログ番号N8080240,Applied Biosystems社)を使用して、使用説明書に従って、変性プライマーによる一連のPCR反応を実施した。 各遺伝子の増幅に使用する変性プライマーの配列を表(Table)2−LDに示しており、これらはプライマー配列および得られたcDNA配列などのLeptintarsa decemlineata標的遺伝子を示している。以下の条件の各PCR反応にこれらのプライマーを使用した:95℃10分、続いて95℃30秒、55℃1分、72℃1分を40サイクル、続いて72℃10分。結果として得たPCR断片をアガロースゲル(QIAquick Gel Extraction kit,カタログ番号28706,Qiagen社)で分離・精製して、pCR8/GW/topoベクター(カタログ番号K2500-20,Invitrogen社)にクローニングして、塩基配列を決定した。表(Table)2−LDに示すように、結果として得たPCR産物の配列を各配列番号で示し、部分配列と呼ぶ。表(Table)3−LDに示すように、対応する部分アミノ酸配列を各配列番号で示し、ここではリーディング・フレームの開始部分をカッコで示している。 B.コロラドハムシ遺伝子のdsRNA産生 市販のキットT7 RibomaxTM(商標)Express RNAi System(カタログ番号P1700、Promega社)を使用してミリグラム量のdsRNAを合成した。最初に、2つの別々のPCR反応において2つ別々の5’T7 RNAポリメラーゼ・プロモーター・テンプレートを作製して、各反応にはT7プロモーターに対して異なる方向の標的配列を含んでいた。 各標的遺伝子について、特異的T7フォーワード・プライマーおよびリバース・プライマーを使用してセンスT7テンプレートを作製した。各標的遺伝子のセンス・テンプレート増幅用の各プライマーの配列を表(Table)8−LDに示している。PCR反応の条件は以下の通りである:95℃4分間、続いて95℃30秒間、55℃30秒間、72℃1分間を35サイクル、続いて72℃10分。上記と同じ条件のPCR反応において、特異的T7フォーワード・プライマーおよびリバース・プライマーを使用してアンチセンスT7テンプレートを作製した。各標的遺伝子のアンチセンス・テンプレート増幅用の各プライマーの配列を表(Table)8−LDに示している。結果として得たPCR産物をアガロースゲルで分離して、PCR精製キット(Qiaquick PCR Purification Kit,カタログ番号28106,Qiagen社)およびNaClO4沈殿で精製した。使用説明書に従って、作製したT7フォーワードおよびリバース・テンプレートを混合させて、転写させ、結果として得たRNA鎖をアニーリングさせて、DNaseおよびRNase処理して、酢酸ナトリウムで精製した。各標的遺伝子について、結果として得たdsRNAのセンス鎖を表(Table)8−LDに示している。表(Table)8−LDには、コロラドハムシの標的配列に対するdsRNA断片の調製用配列、およびプライマー配列を含むコンカテマー配列を示している。 C.植物ベクターpK7GWIWG2D(II)内へのLeptinotarsa decemlineata遺伝子のクローニング RNA干渉の機序はdsRNA断片を介して機能するため、先に選択した標的遺伝子の標的ヌクレオチド配列をイントロン−CmR−イントロン(CmRはクロラムフェニコール耐性マーカー)を隔ててアンチセンスおよびセンス方向でクローニングして、dsRNAヘアピン・コンストラクトを形成させる。attLを含む挿入クローン(実施例1参照)とattRを含む目的ベクター(=pK7GWIWG2D(II))間でのLR組み換え反応を利用してこれらのヘアピン・コンストラクトを作製した。材料移動契約により、VIB/Plant Systems Biologyから植物ベクターpK7GWIWG2D(II)を入手した。LR ClonaseTM(商標)II enzyme mix(カタログ番号11791-020,Invitrogen)を使用して、使用説明書に従って、LR組み換え反応を実施した。これらのクローニング実験によって、プロモーター−センス−イントロン−CmR−イントロン−アンチセンス方向、またはプロモーター−アンチセンス−イントロン−CmR−イントロン−センス方向(プロモーターは植物で機能する35Sプロモーターである)のLD002、LD006、LD007、LD010、LD011、LD014、LD016遺伝子のいずれかのヘアピン・コンストラクトがもたらされる。35Sプロモーターを伴うバイナリーベクターpK7GWIWG2D(II)は、A.tumefaciens内への形質転換に適している。 LD002では、pCR8/GW/topoへクローニングしたLD002上で制限酵素BsoBI&PvuIで二重切断を行った(実施例3A参照)。LD006では、pCR8/GW/topoへクローニングしたLD006を制限酵素BsoBIで切断した(実施例3A参照)。LD007では、pCR8/GW/topoへクローニングしたLD007を制限酵素BsoBIで切断した(実施例3A参照)。LD007では、pCR8/GW/topoへクローニングしたLD007を制限酵素BsoBIで切断した(実施例3A参照)。LD010では、pCR8/GW/topoへクローニングしたLD010を制限酵素PvuI & PvuIIで二重切断した(実施例3A参照)。LD014では、pCR8/GW/topoへクローニングしたLD014を制限酵素BsoBIで切断した(実施例1参照)。LD016では、pCR8/GW/topoへクローニングしたLD016を制限酵素BsoBIで切断した(実施例3A参照)。Qiaquick Gel Extraction Kit(カタログ番号28706、Qiagen)を使用して、attL部位に挾まれた目的遺伝子を含むバンドを精製した。精製断片150ngとpK7GWIWG2D(II)150ngをLR clonase II酵素と共に加えて、25℃で少なくとも1時間インキュベートさせた。プロテイナーゼK溶液での処理後(37℃で10分間)、組み換え混合物の全量をTop 10化学コンピテント細胞に形質転換させた。陽性クローンを制限酵素切断分析で選択した。ヘアピン・コンストラクトの完全配列: −LD002(アンチセンス−イントロン−CmR−イントロン−センス)は配列番号:240に示される; −LD006(センス−イントロン−CmR−イントロン−アンチセンス)は配列番号:241に示される; −LD007(センス−イントロン−CmR−イントロン−アンチセンス)は配列番号:242に示される; −LD010(センス−イントロン−CmR−イントロン−アンチセンス)は配列番号:243に示される; −LD011(アンチセンス−イントロン−CmR−イントロン−センス)は配列番号:244に示される; −LD014(アンチセンス−イントロン−CmR−イントロン−センス)は配列番号:245に示される; −LD016(アンチセンス−イントロン−CmR−イントロン−センス)は配列番号:246に示される;表(Table)9−LDには、各ヘアピン・コンストラクトの完全配列を示している。 D.人工飼料を使用した、dsRNA標的のコロラドハムシに対する活性のスクリーニング コロラドハムシ用の人工飼料を以下の通りに調製した(Gelmanら、2001, J. Ins.Sc., vol. 1, no. 7, 1-10を改変):水とアガーをオートクレーブして、温度が55℃まで下がった時点で残りの成分(表2)を加えた。この温度で、成分を十分に混合した後、1ウェル当たり1mL量の飼料を24ウェル・プレート(Nunc社)に分注した。人工飼料を室温まで冷まして、固まらせた。飼料は最長3週間まで4℃で保存した。表2:人工飼料の成分 1mg/mL濃度のdsRNA液剤50μLをマルチウェル・プレートのウェル内の固形人工飼料に局所適用した。層流キャビン内で飼料を乾燥させた。処理毎に、コロラドハムシの幼虫24匹(第2幼虫期)を試験した(1ウェル当たり昆虫2匹)。プレートを25±2℃、相対湿度60%の昆虫飼育用チェンバー内に保存した(光周期は明期:暗期=16:8時間)。コロラドハムシの生死を1、2、3日毎に評価した。7日後、標的LD006、LD007、LD010、LD011、LD014について、同濃度(1mg/mL)のdsRNAを局所適用した新しい飼料と交換した;標的LD001、LD002、LD003、LD015、LD016については、新しい飼料のみと交換した。飼料のみ、またはGFP(緑色螢光タンパク質)のコード配列(配列番号:235)の断片に対応するdsRNAを局所適用した飼料について、dsRNA標的を比較した。 異なる2回のバイオアッセイで示したように、無傷で裸のdsRNAを含む人工飼料をL.decemlineataの幼虫に餌として与えると、幼虫の死亡率が有意に上昇した(図1LD−2LD)。 最終的には、試験した全てのdsRNAによって7‐14日目に100%の死亡率が招かれた。GFP dsRNAの有無に関わらず、バイオアッセイを通して、飼料によって昆虫が維持されて、死亡率は0%に近かった。 一般に、観察した全てのアッセイにおいて、第2幼虫期のCBPには、通常、2日間にわたりdsRNAを含む飼料、または含まない飼料を与え、第3幼虫期に脱皮させた。この新しい幼虫期では、CPBによるこれらの給餌の有意な減少、または完全な停止が認められ、結果として死亡率が上昇した。 E.ジャガイモ葉ディスクを使用した、dsRNA標的のコロラドハムシに対する活性のバイオアッセイ CPBの食物源として人工飼料ではなくジャガイモ葉材料を使用した、代替バイオアッセイを利用した。適切な大きさの穿孔器を使用して、2〜3週目のジャガイモ植物の葉から、直径約1.1cm(または0.95cm2)のディスクを切り出した。葉の向軸面に標的LD002 dsRNAまたは対照gfp dsRNA 10ng/μL溶液20μLを塗布することで、処理済み葉ディスクを調製した。葉ディスクを乾燥させて、一個一個を24ウェル・マルチプレート(Nunc社)の24ウェル内に置いた。第2幼虫期のCBP1匹を各ウェル内に置いて、ティッシュペーパーとマルチウェルのプラスチック蓋で覆った。昆虫と葉ディスクを含むプレートを、光周期が明期16時間/暗期8時間の昆虫チェンバー内で維持した。昆虫に2日間葉ディスクを食べさせて、その後、新しい処理済み葉ディスクを含む新しいプレートに昆虫を移した。その後、7日目まで毎日、未処理の葉ディスクを含むプレートに昆虫を移した。昆虫の死亡率と重量スコアを記録した。 標的LD002に対する表面塗布した無傷で、裸のdsRNAを有するジャガイモ葉ディスクをL.decemlineataに餌として与えると、幼虫の死亡率が有意に上昇したが(7日目には全ての昆虫が死亡した;死亡率100%)、対照gfp dsRNAはCPBの生存率に影響を及ぼさなかった。標的LD002 dsRNAは2〜3日目に幼虫の成長に深刻な影響を及ぼしたが、同じ濃度のgfp dsRNAを与えた幼虫は正常に発育した(図3−LD)。 F.人工飼料を使用した、より短いdsRNA標的のコロラドハムシに対する活性のスクリーニング この実施例では、より短い(60あるいは100bp)dsRNA断片が、それ自体として、またはコンカテマー・コンストラクトとして、コロラドハムシに対して毒性を起こすのに十分であるとの知見を例示している。 この実施例においては、コロラドハムシに致死を誘発することが判明している標的LD014を選択した。この遺伝子は、V−ATPaseサブユニットE(配列番号:15)をコードする。 配列番号:15(配列番号:159)の195−294番目の位置の100塩基対(bp)断片LD014_F1、および配列番号:15(配列番号:160)の235〜294番目の位置の60塩基対(bp)断片LD014_F2を更に選択した。表(Table)7−LDも参照。 300塩基対(bp)の2つのコンカテマー(LD014_C1、LD014_C2)を設計した(配列番号:161、配列番号:162)。LD014_C1は上記の100塩基対(bp)断片(配列番号:159)を3リピート含んでいたが、LD014_C2は上記の60塩基対(bp)断片(配列番号:160)を5リピート含んでいた。表(Table)7−LDも参照。 センス/アンチセンス・プライマーとしてLD014_F1、LD014_F2断片を合成した。これらのプライマーをアニーリングさせて、クローニング前に二本鎖DNA分子を作った。クローニングを容易にするために、プライマーの5’、3’末端にはそれぞれXbaI、XmaI制限酵素部位が含まれた。 コンカテマーは300塩基対(bp)の合成遺伝子として作製した。クローニングを容易にするために、合成DNA断片の5’、3’末端にはそれぞれXbaI、XmaI制限酵素部位が含まれた。 4つのDNA分子(即ち、2つの単一ユニット(LD014_F1 & LD014_F2))と2つのコンカテマー(LD014_C1 & LD014_C2)をXbaI/XmaIで切断して、XbaI/XmaI切断により線形化させたpBluescriptII SK+にサブクローニングさせて、それぞれ組み換えプラスミドp1、p2、p3、p4を作製した。 二本鎖RNA産生:市販のキットT7 RibomaxTM(商標)Express RNAi System(カタログ番号P1700、Promega社)を使用してdsRNAを合成した。最初に、2つの別々のPCR反応において、異なる2つずつの5’ T7 RNAポリメラーゼ・プロモーター・テンプレートを作製して、各反応にはT7プロモーターに対して異なる方向の標的配列を含んでいた。LD014_F1については、以下の条件のPCR反応において、特異的T7フォーワード・プライマーoGBM159と特異的T7リバース・プライマーoGBM164(本明細書ではそれぞれ配列番号:204、205と記載)を使用してセンスT7テンプレートを作製した:95℃4分間、続いて95℃30秒間、55℃30秒間、72℃1分間を35サイクル、続いて72℃10分。上記と同じ条件のPCR反応において、特異的T7フォーワード・プライマーoGBM163と特異的T7リバース・プライマーoGBM160(本明細書ではそれぞれ配列番号:206、207と記載)を使用してアンチセンスT7テンプレートを作製した。結果として得たPCR産物をアガロースゲルで分離して、PCR精製キット(Qiaquick PCR Purification Kit,カタログ番号28106,Qiagen社)およびNaClO4沈殿で精製した。使用説明書に従って、作製したT7フォーワードおよびリバース・テンプレートを混合させて、転写させ、結果として得たRNA鎖をアニーリングさせて、DNaseおよびRNase処理して、酢酸ナトリウムで精製した。結果として得たdsRNAのセンス鎖は、本明細書において配列番号:203と示した。 LD014_F2については、以下の条件のPCR反応において、特異的T7フォーワード・プライマーoGBM161と特異的T7リバース・プライマーoGBM166(本明細書ではそれぞれ配列番号:209、および210と記載)を使用してセンスT7テンプレートを作製した:95℃4分間、続いて95℃30秒間、55℃30秒間、72℃1分間を35サイクル、続いて72℃10分。上記と同じ条件のPCR反応において、特異的T7フォーワード・プライマーoGBM165と特異的T7リバース・プライマーoGBM162(本明細書ではそれぞれ配列番号:211、および212と記載)を使用してアンチセンスT7テンプレートを作製した。結果として得たPCR産物をアガロースゲルで分離して、PCR精製キット(Qiaquick PCR Purification Kit,カタログ番号28106,Qiagen社)およびNaClO4沈殿で精製した。使用説明書に従って、作製したT7フォーワードおよびリバース・テンプレートを混合させて、転写させ、結果として得たRNA鎖をアニーリングさせて、DNaseおよびRNase処理して、酢酸ナトリウムで精製した。結果として得たdsRNAのセンス鎖は、本明細書において配列番号:208と示した。 コンカテマーについても、2つの別々のPCR反応において、異なる2つずつの5’T7 RNAポリメラーゼ・プロモーター・テンプレートを作製して、各反応にはT7プロモーターに対して異なる方向の標的配列を含んでいた。LD014_C1&LD014_C2を含む組み換えプラスミドp3、p4をXbaIまたはXmaIで線形化させて、各コンストラクトの2つの線形化断片を精製して、クローニング部位に隣接するT7プロモーターを利用して、インビトロ転写でのテンプレートとして使用した。T7 RiboMAXTM(商標)Express RNAi System(Promega社)を使用して、インビトロ転写によって二本鎖RNAを調製した。LD014_C1、LD014_C2について結果として得たdsRNAのセンス鎖は、本明細書においてそれぞれ配列番号:213、および214と示した。 図4−LDに示すように、標的LD014のより短い配列およびコンカテマーによってコロラドハムシを殺すことができる。 G.人工飼料を使用した、異なる濃度のdsRNAのコロラドハムシに対する活性のスクリーニング 1μg/μL(標的LD027では、0.1μg/μLから)から0.01ng/μLまでの10倍濃度系列のdsRNA溶液50μLを24ウェル・プレート(Nunc社)のウェル内の固形人工飼料上に局所適用した。層流キャビン内で飼料を乾燥させた。処理毎に、コロラドハムシの幼虫24匹(第2幼虫期;2匹/ウェル)を試験した。プレートを25±2℃、相対湿度60%の昆虫飼育用チェンバー内(光周期は明期:暗期=16:8時間)に保存した。コロラドハムシの生死を14日目まで定期的に評価した。7日後、同濃度のdsRNAを局所適用した新しい飼料と交換した。dsRNA標的を飼料のみと比較した。 様々な標的の完全な裸のdsRNAを含む人工飼料をL.decemlineataの幼虫に与えると、図5−LDに示すように、0.1‐10ng dsRNA/μLという低濃度で幼虫の死亡率が高まった。 H.昆虫−活性化二本鎖RNAの細菌生産に適したベクター内でのCPB遺伝断片のクローニング 任意の効率的な細菌プロモーターを使用できるが、MLB遺伝子標的に対応するDNA断片を細菌宿主での二本鎖RNA発現ベクター内にクローニングした(WO第00/01846号参照)。 増幅に使用した特異的プライマーの配列を表(Table)8に示している。使用したテンプレートは、標的配列のいずれかを含むpCR8/GW/topoベクターである。以下の条件のPCR反応においてプライマーを使用した:98℃5分、続いて98℃10秒、55℃30秒、72℃2分を30サイクル、続いて72℃10分。結果として得たPCR断片をアガロースゲル(QIAquick Gel Extraction kit,カタログ番号28706,Qiagen社)で分離・精製し、平滑末端にしてSrf Iで線形化したpGNA49Aベクター(WO第00188121A1号)にクローニングして、配列を決定した。結果として得たPCR産物の配列は、表(Table)8に示す各配列に対応する。この配列を保有する組み換えベクターをpGBNJ003と名付けた。 標的遺伝子断片LD010の増幅に使用した特異的プライマーの配列を表(Table)8に示している(フォーワード・プライマー配列番号:191、リバース・プライマー配列番号:190)。使用したテンプレートは、LD010配列(配列番号:11)を含むpCR8/GW/topoベクターであった。以下の条件のPCR反応においてプライマーを使用した:98℃5分、続いて98℃10秒、55℃30秒、72℃2分を30サイクル、続いて72℃10分。結果として得たPCR断片をアガロースゲル(QIAquick Gel Extraction kit,カタログ番号28706,Qiagen社)で分離・精製し、平滑末端にしてSrf Iで線形化したpGNA49Aベクター(WO第00/188121A1号)にクローニングして、配列を決定した。結果として得たPCR産物の配列は、表(Table)8に示す配列番号:188に対応する。この配列を伴う組み換えベクターをpGBNJ003と名付けた。 I.2種の大腸菌株、(1)AB309−105、(2)BL21(DE3)における二本鎖RNA標的の発現および産生 下記の手順に従って、細菌内において標的LD010に対する昆虫‐活性化二本鎖RNAを適切なレベルにまで発現させた。野生型RNaseIIIを含む細菌BL21(DE3)との比較でRNaseIII欠損株AB309−105を使用した。 AB309−105およびBL21(DE3)の形質転換 300ngのプラスミドを加えて、氷冷させた化学コンピテント大腸菌株AB309−105またはBL21(DE3)50μLにゆっくりと混合させた。細胞を氷上で20分間インキュベートさせて、37℃、5分間のヒートショック処理を施し、その後、細胞を更に5分間氷上に置いた。室温のSOC培地450μLを細胞に加えて、懸濁液をシェーカー(250rpm)で37℃、1時間培養させた。100μg/mLカルベニシリン抗生物質を添加したLB培地150mLの入った500mL三角フラスコに細菌懸濁液100μLを移した。37℃のInnova 4430シェーカー(250rpm)で一晩(16〜18時間)培養物を培養した。 AB309−105およびBL21(DE3)における二本鎖RNA発現の化学誘導発現制御のための全ての遺伝要素が存在するため、細菌株AB309−105またはBL21(DE3)における組み換えベクターpGBNJ003からの二本鎖RNAの発現は可能となっている。化学誘導物質イソプロピルチオガラクトシド(IPTG)の存在下で、反対方向のT7プロモーターに挟まれているため、T7ポリメラーゼはアンチセンスおよびセンスの両方向で標的配列の転写を促進させる。 適切な分光光度計を使用して細菌の一晩培養物のOD600nmを測定し、新しいLB培地を添加して値を1に調整した。この培養物50mLを50mLファルコン・チューブに移して、培養物を3000gで10分間、15℃で遠心分離させた。上精を除去して、細菌沈殿物を100μg/mLカルベニシリン、1mM IPTGを添加した新しいS完全培地(5μg/mLコレステロール添加SNC培地)50mL中に再懸濁させた。室温で2〜4時間、細菌に誘導をかけた。 細菌の熱処理 試験プレート内における人工飼料の混入リスクを最小限にするために、細菌を熱処理で殺した。しかし、RNA干渉のため、二本鎖RNA発現細菌の熱処理は、昆虫に対する毒性誘導に必須ではない。誘導をかけた細菌培養物を室温で10分間、3000gの遠心分離にかけて、上精を捨て、沈殿物を80℃の水浴に20分間浸した。熱処理後、細菌の沈殿を1.5mLのMilliQ水に再懸濁させて、懸濁液をマイクロチューブに移した。数本のチューブを準備して、補給毎にバイオアッセイに使用した。チューブは使用まで−20℃で保存した。 J.コロラドハムシに対するdsRNA標的LD010を発現する大腸菌を試験するための実験 2種のバイオアッセイ方法を利用して、コロラドハムシの幼虫に対して大腸菌内で産生させた二本鎖RNAを検証した:(1)人工飼料バイオアッセイ、および(2)植物バイオアッセイ。 人工飼料バイオアッセイ 先の実施例4に記載のとおりに、コロラドハムシの人工飼料を調製した。飼料0.5mLを48ウェル・マルチウェル試験プレートの各ウェルに分注した。処理毎に、熱処理済みdsRNA発現細菌の懸濁液(OD1)50μL(約5×107個の細菌細胞に相当)をウェル内の固形飼料に局所適用して、プレートを層流キャビン内で乾燥させた。処理毎に、第2幼虫期のコロラドハムシ48匹(飼料および細菌を含む各ウェルに1匹)を検証した。プレート(8ウェル)の各列を1複製物と見なした。プレートを25±2℃、相対湿度60%の昆虫飼育用チェンバー内に保存した(光周期は明期:暗期=16:8時間)。4日後毎に、局所適用した細菌を含む新しい飼料にコロラドハムシを移した。侵入から1〜3日後毎にコロラドハムシの生死を評価した。生存個体については、侵入後7日目に幼虫の重量に関する成長および発生を記録した。 RNaseIII欠損大腸菌株AB309−105については、CPB毒性のバイオアッセイにおいてプラスミドpGBNJ003を含む細菌、および空ベクターpGN29(WO第00/188121A1号参照)を含む細菌を検証した。pGBNJ003プラスミドを保有する細菌では、昆虫の生存率において明らかな経時的上昇が示されたが、pGN29および飼料のみの対照において死亡はほとんど認められなかった(図6a−LD & 7a−LD)。dsRNA標的LD010を発現する細菌を含む人工飼料を与えてから7日後、生き残ったコロラドハムシ幼虫の成長および発生が大幅に遅くなった(表(Table)10−LD、図8a−LD)。 大腸菌株BL21(DE3)について、コロラドハムシの幼虫に対するプラスミドpGBNJ003を含む細菌、および空ベクターpGN29を含む細菌を検証した。RNaseIII欠損大腸菌株AB309−105について、BL21(DE3)細菌を添加した飼料を与えた幼虫に及ぼす同様の有害影響が認められた(図6b−LD、7b−LD)。しかし、5クローンでの生存個体数はAB309−105よりもBL21(DE3)で高かった。12日目、RNase III欠損株と比較して、この株での平均生存率は約25%低かった。また、標的LD010に対応するdsRNAを発現するBL21(DE3)を含む飼料を与えた生存個体での平均重量は、大幅に低下していた(表(Table)10−LD、図8b−LD)。 空ベクターpGN29を保有する細菌、または飼料のみのプレートと比較して、4日目以降、新しいプレートのウェルには粉くずは認められなかったため、プラスミドpGBNJ003を保有する2種類の細菌株のいずれかを含む飼料を与えたCPB幼虫の成長および発生の遅延と給餌阻害には直接的な相関関係が認められた。人工飼料に局所適用したインビトロ転写された二本鎖RNAをCBPに与えた場合での知見とこの知見は似ており(実施例3D参照)、ここでは、処理済み飼料において2回目以降に給餌を停止した。 植物バイオアッセイ 化学誘発性のdsRNA発現細菌の懸濁液をジャガイモ植物全体に噴霧して、植物をCPB幼虫に食べさせた。以下の条件の植物生育室内において塊茎から8〜12開葉期までジャガイモ品種「5系統」を生育させた:25±2℃、相対湿度60%、光周期:明期16時間、暗期8時間。通気可能にして、内部での凝結を減らし、幼虫が逃げるのを防ぐように底部を開けて細目ナイロン・メッシュを被せた、500mLプラスチック・ボトルを逆さまにして、首部分をしっかりと鉢内の土壌中に固定することで、植物を囲った。L1幼虫期のコロラドハムシ幼虫15匹を囲い内の各処理済み植物に置いた。pGBNJ003プラスミド(クローン1;図7a−LD)またはpGN29プラスミド(クローン1;図7a−LD)を保有する大腸菌AB309−105の懸濁液で植物を処理した。異なる量の細菌を植物に適用した:66、22、および7ユニット(ここで1ユニットは波長600nmで光学濃度1の細菌懸濁液1mL中の109個の細菌と定義する)。それぞれの場合で、気化器を使用して総量1.6mLを植物に噴霧した。この試験では、処理毎に1植物を使用した。生存個体数を数え、各生存個体の重量を記録した。 pGBNJ003から標的dsRNAを発現する大腸菌株AB309−105の懸濁液を植物に噴霧することで、pGN29の対照と比較して、昆虫の生存率が劇的に上昇した。細菌細胞懸濁液の9倍希釈時、死亡個体数は維持された(図9−LD)。pGBNJ003ベクターを保有する細菌を噴霧した植物において、11日目に生存していた幼虫の平均重量は、pGN29での重量の約10倍少なかった(図10−LD)。空ベクターpGN29を含む細菌を噴霧したジャガイモ植物に生じた損傷と比較して、pGBNJ003プラスミドを含む細菌を噴霧したジャガイモ植物でのCPB幼虫の摂食による損傷はずっと軽度であった(図11−LD)。 これらの実験では、昆虫の生存率および生き残った幼虫での成長/発生の遅延における大幅な上昇という観点から、野生型またはRNaseIII欠損細菌発現系において産生させた昆虫遺伝子の標的配列に対応する二本鎖RNAが、昆虫に対して有毒であることが示された。これらの実験から、昆虫の遺伝子標的に対応する二本鎖RNAを発現する細菌から成る製剤のスプレーを利用することで、植物/作物を昆虫による損傷から効果的に保護できることが例示されることも明らかである。 K.コロラドハムシに対するdsRNA標的LD010を発現する大腸菌の様々な濃度の培養懸濁液の試験 実施例3Jに細菌培養物の調製/処理について記載している。標的LD010の二本鎖RNAを発現するRNAaseIII欠損大腸菌株AB309−105の3倍希釈培養物(0.25ユニット相当から開始)を8〜12開葉期の「Bintje」品種のジャガイモ植物葉に適用した。処理済み植物上に第1幼虫期のL.decemlineataを10匹を置いた(処理当たり1植物)。7日目に昆虫の死亡率および増殖遅延を点数化した(侵入後7日目)。 図14−LDに示すように、濃度0.25、0.08、および0.025細菌ユニットでpGBNJ003プラスミド(標的10dsRNA発現用)を保有する大腸菌の熱不活化培養物を細目スプレーによって局所適用したジャガイモ葉を昆虫に与えた1週間後にCPB幼虫の死亡率を記録した(90〜100%)。0.008ユニットで、昆虫の約3分の1が死亡していたが、生き残った昆虫は、対照群よりも有意に小さかった(空ベクターpGN29を保有する大腸菌または水のみ)。空ベクターpGN29を含む細菌を噴霧したジャガイモ植物上で生じる損傷と比較して、濃度0.025または0.008ユニットのpGBNJ003を含む細菌を植物に噴霧したジャガイモ植物のCPB幼虫による摂食損傷は大幅に軽減されていた(図15−LD)。 L.標的遺伝子に対応するdsRNAの経口摂取による、成虫の感受性は極めて高い。 以下の実施例では、標的遺伝子に対応するdsRNAの経口摂取による、成虫(幼虫のみならず)の感受性は極めて高いとの知見を提示して強調している。 この実験では4つの標的を選んだ:標的2、10、14、および16(配列番号:168、188、198、220)。GFP断片dsRNA(配列番号:235)を対照として使用した。昆虫の雌雄に偏りがないように、実験室の飼育培養から幼齢(2〜3日齢)昆虫を無作為に取り出した。処理毎に成虫10匹を選んだ。処理開始前の少なくとも6時間は成虫には餌を与えなかった。処理の初日、ディスク1枚当たり25μLの0.1μg/μL標的dsRNAの局所適用によって前処理したジャガイモ葉ディスク(直径1.5cm2)4枚を各成虫に与えた(実施例3Aに記載のとおりに合成;実施例3Eに記載の局所適用)。全ての昆虫が同量の食物を食べて、同用量のdsRNAを摂取するように、各成虫を小さなペトリ・ディッシュ(直径3cm)内に閉じ込めた。後日、上記のとおり、処理済み葉4枚を各成虫に再び与えた。3日目、処理当たり成虫10匹を集めて、通気を良くするために細目ナイロン・メッシュをフタに付けたプラスチック箱(寸法30cm x 20cm x 15cm)から成るケージ内に置いた。箱内には、底に湿らせたろ紙を置いた。紙上にジャガイモ葉(未治療)を置いて、実験中に成虫を保持させた。5日目以降、死亡/生存(動いている)/瀕死状態の昆虫の個体数を定期的に評価した。昆虫の瀕死状態については、昆虫を逆さまに置いて、数分以内に戻れるか否かを調べた。戻れない場合には昆虫は瀕死状態と見なされた。 この実験では、コロラドハムシの成虫に対する、異なる標的に対応する二本鎖RNAの明確な特異的毒性影響が実証された(図12−LD)。gfp断片に対応する二本鎖RNAについては、最終評価日にCPBの成虫に対する毒性は認められなかった(19日目)。この実験では、経口投与時に数日間dsRNAにさらされた後、CPBの成虫の生存率は大幅に低下することが明確に示された。例えば、標的10では、5日目に、成虫10匹中5匹が瀕死の状態であった(病気または動きが鈍い)。6日目、成虫10匹中4匹が死亡し、生き残った3匹は瀕死の状態であった。9日目、全ての成虫の死亡が認められた。 この実験の結果として、害虫に対する標的二本鎖RNAの適用を拡大させて、コロラドハムシの場合と同様に、広範な作物損傷の原因となりうる2発育段階(幼虫期および成虫期)の害虫を含めたることができる。 実施例4:Phaedon cochleariae(マスタードハムシ) A.ファミリーPCRによるPhaedon cochleariae(マスタードハムシ)のPC001、PC003、PC005、PC010、PC014、PC016、およびPC027遺伝子の部分配列のクローニング TRIzol試薬(カタログ番号15596-026/15596-018、Invitrogen社、米国メリーランド州ロックビル)を使用して、使用説明書に従って、第3幼虫期のPhaedon cochleariae(マスタードハムシ;入手先:Dr. Caroline Muller, Julius-von-Sachs-INSTITUTE for Biosciences, Chemical Ecology Group, University of Wuerzburg, Julius-von-Sachs-Platz 3, D-97082 Wuerzburg,ドイツ)から完全な高品質RNAを単離した。使用説明書に従ったDNase(カタログ番号1700,Promega社)処理によってRNA調製物に存在するゲノムDNAを除去した。市販のキット(SuperScript TM(商標)III Reverse Transcriptase,カタログ番号18080044,Invitrogen社、米国メリーランド州ロックビル)使用して、使用説明書に従って、cDNAを生成した。 PC001、PC003、PC005、PC010、PC014、PC016、およびPC027遺伝子の一部を含むcDNA配列を単離するために、Amplitaq Gold(カタログ番号N8080240,Applied Biosystems社)を使用して、使用説明書に従って、変性プライマーによる一連のPCR反応を実施した。 各遺伝子の増幅に使用する変性プライマーの配列を表(Table)2−PCに示している。表(Table)2−PCには、プライマー配列および得られたcDNA配列などのPhaedon cochleariae標的遺伝子を示している。以下の条件の各PCR反応にこれらのプライマーを使用した:95℃10分、続いて95℃30秒、55℃1分、72℃1分を40サイクル、続いて72℃10分。結果として得たPCR断片をアガロースゲル(QIAquick Gel Extraction kit,カタログ番号28706,Qiagen社)で分離・精製して、pCR4/TOPOベクター(カタログ番号K4530−20,Invitrogen社)にクローニングして、塩基配列を決定した。表(Table)2−PCに示すように、結果として得たPCR産物の配列を各配列番号で示し、部分配列と呼ぶ。 表(Table)3−PCに示すように、対応する部分アミノ酸配列を各配列番号で示した。表(Table)3−PCには、cDNAクローンのアミノ酸配列を示しており、リーディング・フレームの開始部分をカッコで示している。 B.Phaedon cochleariae遺伝子のdsRNA産生 市販のキットT7 RibomaxTM(商標)Express RNAi System(カタログ番号P1700、Promega社)を使用してミリグラム量のdsRNAを合成した。最初に、2つの別々のPCR反応において2つ別々の5’T7 RNAポリメラーゼ・プロモーター・テンプレートを作製して、各反応にはT7プロモーターに対して異なる方向の標的配列を含んでいた。 各標的遺伝子について、特異的T7フォーワード・プライマーおよびリバース・プライマーを使用してセンスT7テンプレートを作製した。各標的遺伝子のセンス・テンプレート増幅用の各プライマーの配列を表(Table)8−PCに示している。表(Table)8‐PCには、プライマー配列を含むPhaedon cochleariae標的配列のdsRNA断片の調製に関する詳細が示されている。 PCR反応の条件は以下の通りである:95℃1分、続いて95℃30秒、60℃30秒、72℃1分を20サイクル、続いて95℃30秒、50℃30秒、72℃1分を15サイクル、続いて72℃10分。上記と同じ条件のPCR反応において、特異的T7フォーワード・プライマーおよびリバース・プライマーを使用してアンチセンスT7テンプレートを作製した。各標的遺伝子のアンチセンス・テンプレート増幅用の各プライマーの配列を表(Table)8−PCに示している。結果として得たPCR産物をアガロースゲルで分離して、PCR精製キット(Qiaquick PCR Purification Kit,カタログ番号28106,Qiagen社)およびNaClO4沈殿で精製した。使用説明書に従って、作製したT7フォーワードおよびリバース・テンプレートを混合させて、転写させ、結果として得たRNA鎖をアニーリングさせて、DNaseおよびRNase処理して、酢酸ナトリウムで精製した。各標的遺伝子について、結果として得たdsRNAのセンス鎖を表(Table)8−PCに示している。 C.植物ベクターpK7GWIWG2D(II)内へのPhaedon cochleariae(マスタードハムシ)遺伝子の組み換え RNA干渉の機序はdsRNA断片を介して機能するため、先に選択した標的遺伝子の標的ヌクレオチド配列をイントロン−CmR−イントロン(CmRはクロラムフェニコール耐性マーカー)を隔ててアンチセンスおよびセンス方向でクローニングして、dsRNAヘアピン・コンストラクトを形成させる。attLを含む挿入クローン(実施例4A参照)とattRを含む目的ベクター(=pK7GWIWG2D(II))間でのLR組み換え反応を利用してこれらのヘアピン・コンストラクトを作製した。材料移動契約により、VIB/Plant Systems Biologyから植物ベクターpK7GWIWG2D(II)を入手した。LR ClonaseTM(商標)II enzyme mix(カタログ番号11791-020,Invitrogen)を使用して、使用説明書に従って、LR組み換え反応を実施した。これらのクローニング実験によって、プロモーター−センス−イントロン−CmR−イントロン−アンチセンス方向(プロモーターは植物で機能する35Sプロモーターである)のPC001、PC010、PC014、PC016、PC027遺伝子のいずれかのヘアピン・コンストラクトがもたらされる。35Sプロモーターを伴うバイナリーベクターpK7GWIWG2D(II)は、A. tumefaciens内への形質転換に適している。 異なる標的を含むpCR8/GW/TOPOプラスミドを制限酵素で切断した(実施例4B参照):PC001では、BsoBI & PvuI二重切断;PC010では、PvuI & PvuII二重切断;PC014では、HincII、PvuI & XhoI三重切断;PC016では、ApaLI切断;PC027では、AvaI & DrdI二重切断。Qiaquick Gel Extraction Kit(カタログ番号28706、Qiagen)を使用して、attL部位に挾まれた目的遺伝子を含むバンドを精製した。精製断片150ngとpK7GWIWG2D(II)150ngをLR clonase II酵素と共に加えて、25℃で少なくとも1時間インキュベートさせた。プロテイナーゼK溶液での処理後(37℃で10分間)、組み換え混合物の全量をTop 10化学コンピテント細胞に形質転換させた。陽性クローンを制限酵素切断分析で選択した。ヘアピン・コンストラクトの完全配列: −PC001(センス−イントロン−CmR−イントロン−アンチセンス)は配列番号:508に示される; −PC010(センス−イントロン−CmR−イントロン−アンチセンス)を配列番号:509に示される; −PC014(センス−イントロン−CmR−イントロン−アンチセンス)は配列番号:510に示される; −PC016(センス−イントロン−CmR−イントロン−アンチセンス)は配列番号:511に示される; −PC027(センス−イントロン−CmR−イントロン−アンチセンス)は配列番号:512に示される;表(Table)9−PCには、各ヘアピン・コンストラクトの完全配列を示している。 D.アブラナ葉ディスクを使用した、dsRNA標的のPhaedon cochleariae幼虫に対する活性を試験するための実験 以下の実施例は、マスタードハムシ(MLB)の幼虫が、標的遺伝子に対応するdsRNAの経口摂取に感受性であるとの知見に関する例示である。 MLB幼虫に対する二本鎖RNAサンプルを試験するために、アブラナ葉材料(Brassica napus variety SW Oban;入手先:Nick Balaam, Sw Seed Ltd., 49 North Road, Abington, Cambridge, CB1 6AS, イギリス)を食物源として使用した葉ディスクアッセイを利用した。昆虫培養物を、25±2℃、相対湿度60%±5%の昆虫飼育用チェンバー内の同じ品種のアブラナ上に保持した(光周期は明期:暗期=16:8時間)。適切な大きさの穿孔器を使用して、4〜6週目のアブラナ葉から、直径約1.1cm(または0.95cm2)のディスクを切り出した。二本鎖RNAサンプルを0.05%Triton X−100を含むMilli−Q水中に0.1μg/μLに希釈した。葉の向軸面に標的PC001、PC003、PC005、PC010、PC014、PC016、PC027 dsRNAおよび対照であるgfp dsRNAの希釈溶液、または0.05%Triton X−100を25μL塗布することで、処理済み葉ディスクを調製した。葉ディスクを放置して乾かし、葉ディスクの乾燥予防に役立つゲル化2%アガー1mLを含む24ウェル・マルチプレートの各24ウェルにそれぞれ置いた。MLBの新生幼虫2匹をプレートの各ウェル内に置き、これをマルチウェル・プラスチック・フタで覆った。プレート(1処理に48匹含む)を4つの複製物(1複製物12匹)に分けた(各列)。昆虫と葉ディスクを含むプレートを、25±2℃、相対湿度60%±5%の昆虫飼育用チェンバー内に保持した(光周期は明期:暗期=16:8時間)。昆虫に2日間葉ディスクを食べさせて、その後、新しい処理済み葉ディスクを含む新しいプレートに昆虫を移した。その後、バイオアッセイの開始から4日後、各複製物から昆虫を回収して、未処理アブラナ葉を含むペトリ・ディッシュに移した。2、4、7、9、および11日目に幼虫の死亡率および平均重量を記録した。 図1(a)で示したように、完全な裸の標的dsRNAで処理したアブラナ葉をP.cochleariaeの幼虫に与えると、幼虫の死亡率が有意に上昇した。標的PC010では9日目に、標的PC027では11日目に、試験した二本鎖RNAによって幼虫の死亡率が100%になった。他の全ての標的について、対照のgfp dsRNAと比較して、11日目に死亡率が有意に高くなった:(パーセントの平均値±信頼区間+α0.05)PC001(94.4±8.2);PC003(86.1±4.1);PC005(83.3±7.8);PC014(63.9±20.6);PC016(75.0±16.8);gfp dsRNA(11.1±8.2);0.05% Triton X−100(19.4±10.5);葉のみ(8.3±10.5)。 平均重量に基づいて、生き残った幼虫を評価した。全ての標的について、バイオアッセイの4日目以降、マスタードハムシの幼虫の平均重量は有意に低下した。葉のみでの幼虫と同様に、対照であるgfp dsRNAまたは0.05% Triton X−100のみを与えた昆虫は正常に発生した(図1(b)−PC)。 E.アブラナ葉ディスクを使用した、異なる濃度のdsRNAのPhaedon cochleariae幼虫に対する活性のスクリーニング実験 上記の実施例4Dに記載のとおり、0.1μg/μLから0.01ng/μLまでの10倍濃度系列の標的PC010またはPC027由来のdsRNA溶液25μLをアブラナ葉ディスク上に局所適用した。陰性対照として、0.05%Triton X−100のみを葉ディスクに投与した。処理毎に、マスタードハムシの新生幼虫24匹(2匹/ウェル)を試験した。プレートを25±2℃、相対湿度60±5%の昆虫飼育用チェンバー内(光周期は明期:暗期=16:8時間)に保存した。2日目、新しいdsRNA処理済み葉ディスクを含む新しいプレートに幼虫を移した。標的PC010では4日目、標的PC027では5日目、十分量の未処理葉材料を含むペトリ・ディッシュに各複製物の昆虫を移した。標的PC010では2、4、7、8、9、および11日目、標的PC027では2、5、8、9、および12日目、マスタードハムシの生死を評価した。 2つの異なる標的(PC010、およびPC027)の完全な裸のdsRNAを含むアブラナ葉ディスクをP.cochleariaeの幼虫に与えると、図2(a)(b)に示すように、1ng dsRNA/μLという低濃度で幼虫の死亡率が高まった。11日目、標的PC010に対する異なる濃度のdsRNAにおけるパーセントの平均死亡率±信頼区間+α0.05(0μg/μL:8.3±9.4;0.1μg/μL:100;0.01μg/μL:79.2±20.6;0.001μg/μL:58.3±9.4;0.0001μg/μL:12.5±15.6;12日目、標的PC027では、0μg/μL:8.3±9.4;0.1μg/μL:95.8±8.2;0.01μg/μL:95.8±8.2;0.001μg/μL:83.3±13.3;0.0001μg/μL:12.5±8.2)。 F.昆虫−活性化二本鎖RNAの細菌生産に適したベクター内でのMLB遺伝子断片のクローニング 以下は、細菌宿主内での二本鎖RNA発現ベクター内へのMLB遺伝子標的に対応するDNA断片のクローニングの例であり、もっともT7プロモーターや細菌内での効率的発現用の他のプロモーターを含む任意のベクターを使用できる(WO第0001846号参照)。 増幅に使用した特異的プライマーの配列を表(Table)8に示している。使用したテンプレートは、標的配列のいずれかを含むpCR8/GW/topoベクターである。以下の条件のPCR反応においてプライマーを使用した:98℃5分、続いて98℃10秒、55℃30秒、72℃2分を30サイクル、続いて72℃10分。結果として得たPCR断片をアガロースゲル(QIAquick Gel Extraction kit,カタログ番号28706,Qiagen社)で分離・精製し、平滑末端にしてSrf Iで線形化したpGNA49Aベクター(WO第00188121A1号)にクローニングして、配列を決定した。結果として得たPCR産物の配列は、表(Table)8に示す各配列に対応する。この配列を保有する組み換えベクターをpGBNJ00(未完成)と名付けた。 標的遺伝子断片PC010の増幅に使用した特異的プライマーの配列を表(Table)8−PCに示している。使用したテンプレートは、PC010配列(配列番号:253)を含むpCR8/GW/topoベクターであった。以下の条件のタッチダウンPCR反応においてプライマーを使用した:95℃1分、続いて95℃30秒、60℃30秒(1サイクルごとに温度を0.5℃下げる)、72℃1分を20サイクル、続いて95℃30秒、50℃30秒、72℃1分を15サイクル、続いて72℃10分。結果として得たPCR断片をアガロースゲル(QIAquick Gel Extraction kit,カタログ番号28706,Qiagen社)で分離・精製し、平滑末端にして、Srf Iで線形化したpGNA49Aベクター(WO第00188121A1号)にクローニングして、配列を決定した。結果として得たPCR産物の配列は、表(Table)8−PCに示す配列番号:488に対応する。この配列を伴う組み換えベクターをpGCDJ001と名付けた。 G.大腸菌株AB309−105の2株における二本鎖RNA標的の発現および産生 下記の手順に従って、細菌内において昆虫標的に対する昆虫‐活性化二本鎖RNAを適切なレベルにまで発現させた。この実験では、RNaseIII欠損株AB309−105を使用した。AB309−105の形質転換 300ngのプラスミドを加えて、氷冷させた50μLの化学コンピテント大腸菌株AB309−105にゆっくりと混合させた。細胞を氷上で20分間インキュベートさせて、37℃、5分間のヒートショック処理を施し、その後、細胞を更に5分間氷上に戻した。室温のSOC培地450μLをこの細胞に加えて、懸濁液をシェーカー(250rpm)で37℃、1時間培養させた。100μg/mLカルベニシリン抗生物質を添加したLB培地150mLの入った500mL三角フラスコに細菌懸濁液100μLを移した。37℃のInnova 4430シェーカー(250rpm)で一晩(16〜18時間)培養物を培養した。AB309−105における二本鎖RNA発現の化学誘導 発現制御のための全ての遺伝要素が存在するため、細菌株AB309−105における組み換えベクターpGBNJ003からの二本鎖RNAの発現は可能となっている。化学誘導物質イソプロピルチオガラクトシド(IPTG)の存在下で、反対方向のT7プロモーターに挟まれているため、T7ポリメラーゼはアンチセンスおよびセンスの両方向で標的配列の転写を促進させる。 適切な分光光度計を使用して細菌の一晩培養物のOD600nmを測定し、新しいLB培地を添加して値を1に調整した。この培養物50mLを50mLファルコン・チューブに移して、培養物を3000gで10分間、15℃で遠心分離させた。上精を除去して、細菌沈殿物を100μg/mLカルベニシリン、1mM IPTGを添加した新しいS完全培地(5μg/mLコレステロール添加SNC培地)50mL中に再懸濁させた。室温で2〜4時間、細菌に誘導をかけた。細菌の熱処理 試験プレート内における人工飼料の混入リスクを最小限にするために、細菌を熱処理で殺した。しかし、RNA干渉のため、二本鎖RNA発現細菌の熱処理は、昆虫に対する毒性誘導に必須ではない。誘導をかけた細菌培養物を室温で10分間、3000gの遠心分離にかけて、上精を捨て、沈殿物を80℃の水浴に20分間浸した。熱処理後、細菌の沈殿を総量50mLの0.05% Triton X−100溶液に再懸濁させた。チューブは使用まで4℃で保存した。 H.Phaedon cochleariaeに対するdsRNA標的を発現する大腸菌を試験するための実験葉ディスクバイオアッセイ 葉ディスクバイオアッセイを利用して、マスタードハムシの幼虫に対する大腸菌(プラスミドpGCDJ001)での標的PC010由来の二本鎖RNAを検証した。実施例4に記載のとおり、葉ディスクはアブラナ葉から調製した。20μLの細菌懸濁液(OD600nm=1)を各ディスク上にピペットで取った。ゲル化アガー1mLを含む24マルチウェル・プレートのウェルに葉ディスクを置いた。各葉ディスク上に新生幼虫2匹を置いた。各処理について、3複製物(新生幼虫16匹/複製物)を準備した。プレートを25±2℃、相対湿度60±5%の昆虫飼育用チェンバー内(光周期は明期:暗期=16:8時間)に保存した。3日目(バイオアッセイから3日後)、新しい処理済み(同用量)葉ディスクを含む新しいプレートに幼虫を移した。5日目以降、1日おきに葉材料を補給した。バイオアッセイでは、死亡率と平均重量を点数化した。陰性対照は、プラスミドpGN29(空ベクター)を保有する細菌で処理した葉ディスク、および葉のみであった。 プラスミドpGCDJ001を含むRNaseIII欠損大腸菌株AB309−105の懸濁液で処理したアブラナ葉を昆虫に与えた後、P.cochleariaeの幼虫において経時的で明らかな死亡率の上昇が認められたが、プラスミドpGN29を含む細菌または葉のみの対照では昆虫の死亡はほとんど認められなかった(図3−PC)。植物バイオアッセイ 化学誘発性のdsRNA発現細菌の懸濁液を植物全体に噴霧して、MLBに植物を餌として与えた。MLBは植物生育室内で生育させた。500mLプラスチック・ボトルを逆さまにして、首部分をしっかりと鉢内の土壌中に固定し、底部を切り開くことで、植物を囲み、細目ナイロン・メッシュで覆って、通気が可能になり、内部凝結を減らし、幼虫が逃げるのを防いだ。囲い内の各処理済み植物にMLBを置いた。pGBNJ001プラスミドまたはpGN29プラスミドを保有する大腸菌AB309−105の懸濁液で植物を処理した。異なる量の細菌を植物に適用した:例、66、22、および7ユニット(ここで1ユニットは波長600nmで光学濃度1の細菌懸濁液1mL中の109個の細菌と定義する)。それぞれの場合で、気化器を使用して総量1〜10mLを植物に噴霧した。この試験では、処理毎に1植物を使用した。生存個体数を数え、各生存個体の重量を記録した。 pGBNJ003から標的dsRNAを発現する大腸菌株AB309−105の懸濁液を植物に噴霧することで、pGN29の対照と比較して、昆虫の生存率が劇的に上昇した。これらの実験では、昆虫の生存率および生き残った幼虫での成長/発生の遅延における大幅な上昇という観点から、野生型またはRNaseIII欠損細菌発現系において産生させた昆虫遺伝子の標的配列に対応する二本鎖RNAが、昆虫に対して有毒であることが示された。これらの実験から、昆虫の遺伝子標的に対応する二本鎖RNAを発現する細菌から成る製剤のスプレーを利用することで、植物/作物を昆虫による損傷から効果的に保護できることが例示されることも明らかである。 実施例5:Epilachna varivetis(インゲンテントウ) A.Epilachna varivetisの遺伝子の部分配列のクローニング TRIzol試薬(カタログ番号15596-026/15596-018、Invitrogen社、米国メリーランド州ロックビル)を使用して、使用説明書に従って、第3幼虫期のEpilachna varivetis(インゲンテントウ; 入手先:Thomas Dorsey(昆虫学者/責任者),New Jersey Department of Agriculture, Division of Plant Industry, Bureau of Biological Pest Control, Phillip Alampi Beneficial Insect Laboratory, 米国08625-0330ニュージャージー州トレントン私書箱330)から完全な高品質RNAを単離した。使用説明書に従ったDNase(カタログ番号1700,Promega社)処理によってRNA調製物に存在するゲノムDNAを除去した。市販のキット(SuperScriptTM(商標)III Reverse Transcriptase,カタログ番号18080044,Invitrogen社、米国メリーランド州ロックビル)使用して、使用説明書に従って、cDNAを合成した。 EV005、EV009、EV010、EV015、およびEV016遺伝子の一部を含むcDNA配列を単離するために、Amplitaq Gold(カタログ番号N8080240,Applied Biosystems社)を使用して、使用説明書に従って、変性プライマーによる一連のPCR反応を実施した。 各遺伝子の増幅に使用する変性プライマーの配列を表(Table)2−EVに示しており、ここにはプライマー配列および得られたcDNA配列などのEpilachna varivetis標的遺伝子を示している。以下の条件の各PCR反応にこれらのプライマーを使用した:EV005およびEV009では、95℃10分、続いて95℃30秒、50℃1分、72℃1分30秒を40サイクル、続いて72℃7分;EV014では、95℃10分、続いて95℃30秒、53℃1分、72℃1分を40サイクル、続いて72℃7分;EV010およびEV016では、95℃10分、続いて95℃30秒、54℃1分、72℃1分40秒を40サイクル、続いて72℃7分。結果として得たPCR断片をアガロースゲル(QIAquick Gel Extraction kit,カタログ番号28706,Qiagen社)で分離・精製して、pCR4/TOPOベクター(カタログ番号K4530-20,Invitrogen社)にクローニングして、塩基配列を決定した。表(Table)2−EVに示すように、結果として得たPCR産物の配列を各配列番号で示し、部分配列と呼ぶ。表(Table)3−EVに示すように、対応する部分アミノ酸配列を各配列番号で示し、リーディング・フレームの開始部分をカッコで示している。 B.Epilachna varivetis遺伝子のdsRNA産生 市販のキットT7 RibomaxTM(商標)Express RNAi System(カタログ番号P1700、Promega社)を使用してミリグラム量のdsRNAを合成した。最初に、2つの別々のPCR反応において2つ別々の5’T7 RNAポリメラーゼ・プロモーター・テンプレートを作製して、各反応にはT7プロモーターに対して異なる方向の標的配列を含んでいた。 各標的遺伝子について、特異的T7フォーワード・プライマーおよびリバース・プライマーを使用してセンスT7テンプレートを作製した。各標的遺伝子のセンス・テンプレート増幅用の各プライマーの配列を表(Table)8−EVに示している。 PCR反応の条件は以下の通りである:95℃1分、続いて95℃30秒、60℃30秒、72℃1分を20サイクル、続いて95℃30秒、50℃30秒、72℃1分を15サイクル、続いて72℃10分。上記と同じ条件のPCR反応において、特異的T7フォーワード・プライマーおよびリバース・プライマーを使用してアンチセンスT7テンプレートを作製した。各標的遺伝子のアンチセンス・テンプレート増幅用の各プライマーの配列を表(Table)8−EVに示している。結果として得たPCR産物をアガロースゲルで分離して、PCR精製キット(Qiaquick PCR Purification Kit,カタログ番号28106,Qiagen社)およびNaClO4沈殿で精製した。使用説明書に従って、作製したT7フォーワードおよびリバース・テンプレートを混合させて、転写させ、結果として得たRNA鎖をアニーリングさせて、DNaseおよびRNase処理して、酢酸ナトリウムで精製した。各標的遺伝子について、結果として得たdsRNAのセンス鎖を表(Table)8−EVに示している。 C.植物ベクターpK7GWIWG2D(II)内へのEpilachna varivetis遺伝子の組み換え RNA干渉の機序はdsRNA断片を介して機能するため、先に選択した標的遺伝子の標的ヌクレオチド配列をイントロン−CmR−イントロン(CmRはクロラムフェニコール耐性マーカー)を隔ててアンチセンスおよびセンス方向でクローニングして、dsRNAヘアピン・コンストラクトを形成させる。attLを含む挿入クローン(実施例1参照)とattRを含む目的ベクター(=pK7GWIWG2D(II))間でのLR組み換え反応を利用してこれらのヘアピン・コンストラクトを作製した。材料移動契約により、VIB/Plant Systems Biologyから植物ベクターpK7GWIWG2D(II)を入手した。LR ClonaseTM(商標)II enzyme mix(カタログ番号11791-020,Invitrogen)を使用して、使用説明書に従って、LR組み換え反応を実施した。これらのクローニング実験によって、プロモーター−センス−イントロン−CmR−イントロン−アンチセンス方向(プロモーターは植物で機能する35Sプロモーターである)の各標的遺伝子のいずれかのヘアピン・コンストラクトがもたらされる。35Sプロモーターを伴うバイナリーベクターpK7GWIWG2D(II)は、A.tumefaciens内への形質転換に適している。 異なる標的を含むpCR8/GW/TOPOプラスミドを制限酵素で切断した(実施例B参照)。Qiaquick Gel Extraction Kit(カタログ番号28706、Qiagen)を使用して、attL部位に挾まれた目的遺伝子を含むバンドを精製した。精製断片150ngとpK7GWIWG2D(II)150ngをLR clonase II酵素と共に加えて、25℃で少なくとも1時間インキュベートさせた。プロテイナーゼK溶液での処理後(37℃で10分間)、組み換え混合物の全量をTop 10化学コンピテント細胞に形質転換させた。陽性クローンを制限酵素切断分析で選択した。 D.マメ葉ディスクを使用した、dsRNA標的のEpilachna varivetis幼虫に対する活性を試験するための実験 以下の実施例は、インゲンテントウ(MBB)の幼虫が、標的遺伝子に対応するdsRNAの経口摂取に感受性であるとの知見に関する例示である。 MBB幼虫に対する二本鎖RNAサンプルを試験するために、スナップビーン(Phaseolus vulgaris variety Montano;入手先: Aveve NV,ベルギー)を食物源として使用した葉ディスクアッセイを利用した。同じ品種のマメを使用して、昆虫培養物を25±2℃、相対湿度60%±5%の昆虫飼育室内で保持した(光周期は明期:暗期=16:8時間)。適切な大きさの穿孔器を使用して、1‐2週目のアブラナ葉から、直径約1.1cm(または0.95cm2)のディスクを切り出した。二本鎖RNAサンプルを0.05%Triton X−100を含むMilli−Q水中に0.1μg/μLに希釈した。葉の向軸面に標的Ev005、Ev010、Ev015、Ev016 dsRNAおよび対照であるgfp dsRNAの希釈溶液、または0.05%Triton X−100を25μL塗布することで、処理済み葉ディスクを調製した。葉ディスクを放置して乾かし、葉ディスクの乾燥予防に役立つゲル化2%アガー1mLを含む24ウェル・マルチプレートの各24ウェルにそれぞれ置いた。MBBの新生幼虫1匹をプレートの各ウェル内に置き、これをマルチウェル・プラスチック・フタで覆った。プレートを3つの複製物(1複製物8匹)に分けた(各列)。昆虫と葉ディスクを含むプレートを、25±2℃、相対湿度60%±5%の昆虫飼育用チェンバー内に保持した(光周期は明期:暗期=16:8時間)。昆虫に2日間葉ディスクを食べさせて、その後、新しい処理済み葉ディスクを含む新しいプレートに昆虫を移した。その後、バイオアッセイの開始から4日後、10日目まで毎日、昆虫を未処理の新しいマメ葉を含むペトリ・ディッシュに移した。2日目、そしてそれ以降は毎日、昆虫の死亡率を記録した。 図1に示すとおり、表面適用した完全な裸の標的dsRNAを含むスナップビーンをE.varivestisの幼虫に与えると、幼虫の死亡率が有意に上昇した。試験した標的Ev010、Ev015、およびEv016の二本鎖RNAでは8日目に死亡率が100%になったが、標的Ev005のdsRNAでは全ての幼虫を殺すのに10日間を要した。対照であるgfp dsRNAまたは表面活性剤Triton X−100を含む処理済み葉ディスクを与えた昆虫の大部分が、バイオアッセイを通して保持された(図1−EV)。 E.マメ葉ディスクを使用した、dsRNA標的のEpilachna varivestis成虫に対する活性を試験するための実験 以下の実施例は、インゲンテントウの成虫が、標的遺伝子に対応するdsRNAの経口摂取に感受性であるとの知見に関する例示である。 インゲンテントウの幼虫での同様の設定のバイオアッセイにおいて、マメ葉ディスクに局所適用した二本鎖RNAに対して、成虫MBBを検証した。各標的Ev010、Ev015、Ev016からの被験dsRNAを0.05% Triton X−100で最終濃度0.1μg/μLに希釈した。各ディスク上への試験溶液30μLの局所適用によってマメ葉ディスクを処理した。ディスクを完全に乾燥させて、24ウェル・マルチウェル・プレートの各ウェル内のゲル化2%アガー・スライス上にそれぞれ置いた。3日齢の成虫を培養ケージから回収し、7〜8時間は何も与えず、その後、バイオアッセイ・プレートの各ウェルに成虫1匹を置いた(成虫24匹/処理)。昆虫飼育室内にプレートを保持して(MBB幼虫と同じ条件で24時間)、その後、新しいdsRNA処理済み葉ディスクを含む新しいプレートに成虫を移した。更に24時間後、処理毎に成虫を回収して、2個の鉢植えである、未処理の3週齢マメ植物を含むプラスチック箱(寸法30cm×15cm×10cm)内に置いた。4〜11日目まで、昆虫の死亡率を評価した。 図2(a)−EVに示すとおり、Epilachna varivestisの成虫が3種の標的dsRNA(Ev010、Ev015、Ev016)のいずれを摂取しても、4日目以降(バイオアッセイ開始後4日目)、死亡率が有意に上昇した。5日目以降、最初に標的dsRNA処理済みマメ葉ディスクを与えた昆虫と、対照であるgfp dsRNAまたは界面活性剤Triton X−100を含むディスクを与えた昆虫との間に、摂食パターンに劇的な変化が認められた。程度は異なるが、gfp dsRNAや界面活性剤のみの対照と比較した場合、3種の標的全てについて、未処理マメ植物でのMBB成虫による葉損傷の軽減が明らかであった。標的15を与えた昆虫において、マメ葉の損傷が最も軽度であった(図2(b)−EV)。 F.昆虫−活性化二本鎖RNAの細菌生産に適したベクター内でのMBB遺伝子断片のクローニング 以下は、細菌宿主内での二本鎖RNA発現ベクター内へのMLB遺伝子標的に対応するDNA断片のクローニングの例であり、もっともT7プロモーターまたは細菌内での効率的発現用の他のプロモーターを含む任意のベクターを使用できる(WO第0001846号参照)。 増幅に使用した特異的プライマーの配列を表(Table)8−EVに示している。使用したテンプレートは、標的配列のいずれかを含むpCR8/GW/topoベクターである。以下の条件のPCR反応においてプライマーを使用した:98℃5分、続いて98℃10秒、55℃30秒、72℃2分を30サイクル、続いて72℃10分。結果として得たPCR断片をアガロースゲル(QIAquick Gel Extraction kit,カタログ番号28706,Qiagen社)で分離・精製し、平滑末端にしてSrf Iで線形化したpGNA49Aベクター(WO第00188121A1号)にクローニングして、配列を決定した。結果として得たPCR産物の配列は、表(Table)8−EVに示す各配列に対応する。この配列を保有する組み換えベクターをpGBNJ00XXと名付けた。 G.2種の大腸菌株(1)AB309−105、および(2)BL21(DE3)における二本鎖RNA標的の発現および産生 下記の手順に従って、細菌内において昆虫標的に対する昆虫‐活性化二本鎖RNAを適切なレベルにまで発現させた。野生型RNaseIII保有細菌BL21(DE3)との比較で、RNaseIII欠損株AB309−105を使用した。AB309−105およびBL21(DE3)の形質転換 300ngのプラスミドを加えて、氷冷させた50μLの化学コンピテント大腸菌株AB309−105またはBL21(DE3)にゆっくりと混合させた。細胞を氷上で20分間インキュベートさせて、37℃、5分間のヒートショック処理を施し、その後、細胞を更に5分間氷上に戻した。室温のSOC培地450μLをこの細胞に加えて、懸濁液をシェーカー(250rpm)で37℃、1時間培養させた。100μg/mLカルベニシリン抗生物質を添加したLB培地150mLの入った500mL三角フラスコに細菌懸濁液100μLを移した。37℃のInnova 4430シェーカー(250rpm)で一晩(16〜18時間)培養物を培養した。 AB309−105およびBL21(DE3)における二本鎖RNA発現の化学誘導発現制御のための全ての遺伝要素が存在するため、細菌株AB309−105またはBL21(DE3)における組み換えベクターpGBNJ003からの二本鎖RNAの発現は可能となっている。化学誘導物質イソプロピルチオガラクトシド(IPTG)の存在下で、反対方向のT7プロモーターに挟まれているため、T7ポリメラーゼはアンチセンスおよびセンスの両方向で標的配列の転写を促進させる。 適切な分光光度計を使用して細菌の一晩培養物のOD600nmを測定し、新しいLB培地を添加して値を1に調整した。この培養物50mLを50mLファルコン・チューブに移して、培養物を3000gで10分間、15℃で遠心分離させた。上精を除去して、細菌沈殿物を100μg/mLカルベニシリン、1mM IPTGを添加した新しいS完全培地(5μg/mLコレステロール添加SNC培地)50mL中に再懸濁させた。室温で2〜4時間、細菌に誘導をかけた。細菌の熱処理 試験プレート内における人工飼料の混入リスクを最小限にするために、細菌を熱処理で殺した。しかし、RNA干渉のため、二本鎖RNA発現細菌の熱処理は、昆虫に対する毒性誘導に必須ではない。誘導をかけた細菌培養物を室温で10分間、3000gの遠心分離にかけて、上精を捨て、沈殿物を80℃の水浴に20分間浸した。熱処理後、細菌の沈殿を1.5mLのMilliQ水に再懸濁させて、懸濁液をマイクロチューブに移した。数本のチューブを準備して、補給毎にバイオアッセイに使用した。チューブは使用まで−20℃で保存した。 H.Epilachna varivetisに対するdsRNA標的を発現する大腸菌を試験するための実験植物バイオアッセイ 化学誘発性のdsRNA発現細菌の懸濁液を植物全体に噴霧して、MBBに植物を餌として与えた。MBBは植物生育室内で生育させた。500mLプラスチック・ボトルを逆さまにして、首部分をしっかりと鉢内の土壌中に固定し、底部を切り開くことで、植物を囲み、細目ナイロン・メッシュで覆って、通気が可能になり、内部凝結を減らし、幼虫が逃げるのを防いだ。囲い内の各処理済み植物にMMBを置いた。pGBNJ001プラスミドまたはpGN29プラスミドを保有する大腸菌AB309−105の懸濁液で植物を処理した。異なる量の細菌を植物に適用した:例、66、22、7ユニット(ここで1ユニットは波長600nmで光学濃度1の細菌懸濁液1mL中の109個の細菌と定義する)。それぞれの場合で、気化器を使用して総量1〜10mLを植物に噴霧した。この試験では、処理毎に1植物を使用した。生存個体数を数え、各生存個体の重量を記録した。 pGBNJ003から標的dsRNAを発現する大腸菌株AB309−105の懸濁液を植物に噴霧することで、pGN29の対照と比較して、昆虫の生存率が劇的に上昇した。これらの実験では、昆虫の生存率および生き残った幼虫での成長/発生の遅延における大幅な上昇という観点から、野生型またはRNaseIII欠損細菌発現系において産生させた昆虫遺伝子の標的配列に対応する二本鎖RNAが、昆虫に対して有毒であることが示された。これらの実験から、昆虫の遺伝子標的に対応する二本鎖RNAを発現する細菌から成る製剤のスプレーを利用することで、植物/作物を昆虫による損傷から効果的に保護できることが例示されることも明らかである。 実施例6:Anthonomus grandis(メキシコワタノミゾウムシ) A.Anthonomus grandisの部分配列のクローニング TRIzol試薬(カタログ番号15596-026/15596-018、Invitrogen社、米国メリーランド州ロックビル)を使用して、使用説明書に従って、3齢のAnthonomus grandis(メキシコワタノミゾウムシ;入手先:Dr. Gary Benzon, Benzon Research Inc., 7 Kuhn Drive, Carlisle, Pennsylvania 17013, 米国)から完全な高品質RNAを単離した。使用説明書に従ったDNase(カタログ番号1700,Promega社)処理によってRNA調製物に存在するゲノムDNAを除去した。市販のキット(SuperScriptTM(商標)III Reverse Transcriptase,カタログ番号18080044,Invitrogen社、米国メリーランド州ロックビル)使用して、使用説明書に従って、cDNAを生成した。 AG001、AG005、AG010、AG014、AG016遺伝子の一部を含むcDNA配列を単離するために、Amplitaq Gold(カタログ番号N8080240,Applied Biosystems社)を使用して、使用説明書に従って、変性プライマーによる一連のPCR反応を実施した。 各遺伝子の増幅に使用する変性プライマーの配列を表(Table)2−AGに示している。以下の条件の各PCR反応にこれらのプライマーを使用した:AG001、AG005、AG016では、95℃10分、続いて95℃30秒、50℃1分、72℃1分30秒を40サイクル、続いて72℃7分;AG010では、95℃10分、続いて95℃30秒、54℃1分、72℃2分30秒を40サイクル、続いて72℃7分;AG014では、95℃10分、続いて95℃30秒、55℃1分、72℃1分を40サイクル、続いて72℃7分。結果として得たPCR断片をアガロースゲル(QIAquick Gel Extraction kit,カタログ番号28706,Qiagen社)で分離・精製して、pCR8/GW/TOPOベクター(カタログ番号K2500-20,Invitrogen社)にクローニングして、塩基配列を決定した。表(Table)2−AGに示すように、結果として得たPCR産物の配列を各配列番号で示し、部分配列と呼ぶ。表(Table)3−AGに示すように、対応する部分アミノ酸配列を各配列番号で示した。 B.Anthonomus grandis(メキシコワタノミゾウムシ)遺伝子のdsRNA産生 市販のキットT7 RibomaxTM(商標)Express RNAi System(カタログ番号P1700、Promega社)を使用してミリグラム量のdsRNAを合成した。最初に、2つの別々のPCR反応において2つ別々の5’T7 RNAポリメラーゼ・プロモーター・テンプレートを作製して、各反応にはT7プロモーターに対して異なる方向の標的配列を含んでいた。 各標的遺伝子について、特異的T7フォーワード・プライマー/リバース・プライマーを使用してセンスT7テンプレートを作製した。各標的遺伝子のセンス・テンプレート増幅用の各プライマーの配列を表(Table)8−AGに示している。タッチダウンPCR反応の条件は以下の通りである:95℃1分、続いて95℃30秒、60℃30秒(1サイクルごとに温度を0.5℃下げる)、72℃1分を20サイクル、続いて95℃30秒、50℃30秒、72℃1分を15サイクル、続いて72℃10分。上記と同じ条件のPCR反応において、特異的T7フォーワード・プライマーおよびリバース・プライマーを使用してアンチセンスT7テンプレートを作製した。各標的遺伝子のアンチセンス・テンプレート増幅用の各プライマーの配列を表(Table)8−AGに示している。結果として得たPCR産物をアガロースゲルで分離して、PCR精製キット(Qiaquick PCR Purification Kit,カタログ番号28106,Qiagen社)およびNaClO4沈殿で精製した。使用説明書に従って、作製したT7フォーワードおよびリバース・テンプレートを混合させて、転写させ、結果として得たRNA鎖をアニーリングさせて、DNaseおよびRNase処理して、酢酸ナトリウムで精製した。各標的遺伝子について、結果として得たdsRNAのセンス鎖を表(Table)8−AGに示している。 C.植物ベクターpK7GWIWG2D(II)内へのAnthonomus grandis遺伝子の組み換え RNA干渉の機序はdsRNA断片を介して機能するため、先に選択した標的遺伝子の標的ヌクレオチド配列をイントロン−CmR−イントロン(CmRはクロラムフェニコール耐性マーカー)を隔ててアンチセンスおよびセンス方向でクローニングして、dsRNAヘアピン・コンストラクトを形成させる。attLを含む挿入クローン(実施例1参照)とattRを含む目的ベクター(=pK7GWIWG2D(II))間でのLR組み換え反応を利用してこれらのヘアピン・コンストラクトを作製する。材料移動契約により、VIB/Plant Systems Biologyから植物ベクターpK7GWIWG2D(II)を入手した。LR ClonaseTM(商標)II enzyme mix(カタログ番号11791-020,Invitrogen)を使用して、使用説明書に従って、LR組み換え反応を実施した。これらのクローニング実験によって、プロモーター−センス−イントロン−CmR−イントロン−アンチセンス方向(プロモーターは植物で機能する35Sプロモーターである)の各標的遺伝子のいずれかのヘアピン・コンストラクトがもたらされる。35Sプロモーターを伴うバイナリーベクターpK7GWIWG2D(II)は、A.tumefaciens内への形質転換に適している。 異なる標的を含むpCR8/GW/TOPOプラスミドを制限酵素で切断した(実施例2参照)。Qiaquick Gel Extraction Kit(カタログ番号28706、Qiagen)を使用して、attL部位に挾まれた目的遺伝子を含むバンドを精製した。精製断片150ngとpK7GWIWG2D(II)150ngをLR clonase II酵素と共に加えて、25℃で少なくとも1時間インキュベートさせた。プロテイナーゼK溶液での処理後(37℃で10分間)、組み換え混合物の全量をTop 10化学コンピテント細胞に形質転換させた。陽性クローンを制限酵素切断分析で選択した。 D.人工飼料を使用した、dsRNA標的のイエコオロギAcheta domesticusの幼虫に対する活性を試験するための実験 Insect Investigations Ltd.(origin: Blades Biological Ltd., Kent, 英国)でイエコオロギAcheta domesticusを保持した。ブラン・ペレットとキャベツ葉で昆虫を飼育した。試験に使用するために、同じ大きさで、5日齢以上の雌雄同体の若虫を選んだ。二本鎖RNAを小麦ベースのネズミ用小麦ペレット飼料と混ぜた(ラット/マウス用の標準食、B & K Universal Ltd., Grimston,Aldbrough, Hull 英国)。飼料(BK001P)には、重量順に、以下の成分が含まれる:小麦、大豆、小麦食、大麦、ペレット結合剤、ネズミ用5ビタミン、脂肪混合物、リン酸二カルシウム、カビ炭水化物(mould carb)。ネズミ用のペレット飼料を粉砕して、電子レンジで熱処理して、酵素成分を不活化させた後、混合させた。全てのネズミ用飼料を同じバッチから取ることで、一貫性を保証した。粉砕した飼料とdsRNAを十分に混合させて、同じ重さの小ペレットに成形させて、室温で一晩乾燥させた。 標的およびgfp対照からの二本鎖RNAサンプル(濃度10μg/μL)を粉砕飼料1gにdsRNA溶液1mLの割合で適用することで、ペレット1g当たり10mgのdsRNAという適切な割合にした。毎週、ペレットを交換した。試験の最初3週間にわたり、処理済みペレットを昆虫に与えた。その後、未処理ペレットを与えた。ふた付きプラスチック容器(直径9センチ、深さ4.5センチ)1個当たり昆虫10匹を保持した。各領域には、処理済み餌ペレット1個と水源1個(湿らせた球状脱脂綿)が含まれ、それぞれを別々の小さな検量ボートに置いた。実験を通して、適宜、水を補給した。 対照の全ての昆虫が死ぬか、または脱皮して成虫になるまで、週2回間隔で評価を行った(84日間で評価間隔は4日以内)。各評価において、昆虫の生死を評価し、異常を検査した。46日目以降、成虫への脱皮が始まると直ぐに、全ての昆虫(生死を問わず)について、若虫、成虫いずれであるのかを評価した。試験の55日目、生き残った昆虫の重量を測った。各処理について4回繰り返した。試験中、試験条件は25〜33℃、相対湿度20−25%、そして光周期が明期:暗期=12:12時間であった。 E.昆虫−活性化二本鎖RNAの細菌生産に適したベクター内でのMLB遺伝子断片のクローニング 以下は、細菌宿主内での二本鎖RNA発現ベクター内へのMLB遺伝子標的に対応するDNA断片のクローニングの例であり、もっともT7プロモーターまたは細菌内での効率的発現用の他のプロモーターを含む任意のベクターを使用できる(WO第0001846号参照)。 標的遺伝子の増幅に使用した特異的プライマーの配列を表(Table)8に示している。使用したテンプレートは、標的配列のいずれかを含むpCR8/GW/topoベクターである。以下の条件のPCR反応においてプライマーを使用した:98℃5分、続いて98℃10秒、55℃30秒、72℃2分を30サイクル、続いて72℃10分。結果として得たPCR断片をアガロースゲル(QIAquick Gel Extraction kit,カタログ番号28706,Qiagen社社)で分離・精製し、平滑末端にしてSrf Iで線形化したpGNA49Aベクター(WO第00188121A1号)にクローニングして、配列を決定した。結果として得たPCR産物の配列は、表(Table)8に示す各配列に対応する。この配列を保有する組み換えベクターをpGBNJ00XXと名付けた。 F.2種の大腸菌株(1)AB309−105、および(2)BL21(DE3)における二本鎖RNA標的の発現および産生 下記の手順に従って、細菌内において昆虫標的に対する昆虫‐活性化二本鎖RNAを適切なレベルにまで発現させた。野生型RNaseIII保有細菌BL21(DE3)との比較で、RNaseIII欠損株AB309−105を使用した。AB309−105およびBL21(DE3)の形質転換 300ngのプラスミドを加えて、氷冷させた50μLの化学コンピテント大腸菌株AB309−105またはBL21(DE3)にゆっくりと混合させた。細胞を氷上で20分間インキュベートさせて、37℃、5分間のヒートショック処理を施し、その後、細胞を更に5分間氷上に戻した。室温のSOC培地450μLをこの細胞に加えて、懸濁液をシェーカー(250rpm)で37℃、1時間培養させた。100μg/mLカルベニシリン抗生物質を添加したLB培地150mLの入った500mL三角フラスコに細菌懸濁液100μLを移した。37℃のInnova 4430シェーカー(250rpm)で一晩(16〜18時間)培養物を培養した。 AB309−105およびBL21(DE3)における二本鎖RNA発現の化学誘導発現制御のための全ての遺伝要素が存在するため、細菌株AB309−105またはBL21(DE3)における組み換えベクターpGBNJ003からの二本鎖RNAの発現は可能となっている。化学誘導物質イソプロピルチオガラクトシド(IPTG)の存在下で、反対方向のT7プロモーターに挟まれているため、T7ポリメラーゼはアンチセンスおよびセンスの両方向で標的配列の転写を促進させる。 適切な分光光度計を使用して細菌の一晩培養物のOD600nmを測定し、新しいLB培地を添加して値を1に調整した。この培養物50mLを50mLファルコン・チューブに移して、培養物を3000gで10分間、15℃で遠心分離させた。上精を除去して、細菌沈殿物を100μg/mLカルベニシリン、1mM IPTGを添加した新しいS完全培地(5μg/mLコレステロール添加SNC培地)50mL中に再懸濁させた。室温で2〜4時間、細菌に誘導をかけた。細菌の熱処理 試験プレート内における人工飼料の混入リスクを最小限にするために、細菌を熱処理で殺した。しかし、RNA干渉のため、二本鎖RNA発現細菌の熱処理は、昆虫に対する毒性誘導に必須ではない。誘導をかけた細菌培養物を室温で10分間、3000gの遠心分離にかけて、上精を捨て、沈殿物を80℃の水浴に20分間浸した。熱処理後、細菌の沈殿を1.5mLのMilliQ水に再懸濁させて、懸濁液をマイクロチューブに移した。数本のチューブを準備して、補給毎にバイオアッセイに使用した。チューブは使用まで−20℃で保存した。 G.Anthonomus grandisに対するdsRNA標的を発現する大腸菌を試験するための実験植物バイオアッセイ 化学誘発性のdsRNA発現細菌の懸濁液を植物全体に噴霧して、CBWに植物を餌として与えた。CBWは植物生育室内で生育させた。500mLプラスチック・ボトルを逆さまにして、首部分をしっかりと鉢内の土壌中に固定し、底部を切り開くことで、植物を囲み、細目ナイロン・メッシュで覆って、通気が可能になり、内部凝結を減らし、幼虫が逃げるのを防いだ。囲い内の各処理済み植物にCBWを置いた。pGBNJ001プラスミドまたはpGN29プラスミドを保有する大腸菌AB309−105の懸濁液で植物を処理した。異なる量の細菌を植物に適用した:例、66、22、および7ユニット(ここで1ユニットは波長600nmで光学濃度1の細菌懸濁液1mL中の109個の細菌と定義する)。それぞれの場合で、気化器を使用して総量1〜10mLを植物に噴霧した。この試験では、処理毎に1植物を使用した。生存個体数を数え、各生存個体の重量を記録した。 pGBNJ003から標的dsRNAを発現する大腸菌株AB309−105の懸濁液を植物に噴霧することで、pGN29の対照と比較して、昆虫の生存率が劇的に上昇した。これらの実験では、昆虫の生存率および生き残った幼虫での成長/発生の遅延における大幅な上昇という観点から、野生型またはRNaseIII欠損細菌発現系において産生させた昆虫遺伝子の標的配列に対応する二本鎖RNAが、昆虫に対して有毒であることが示された。これらの実験から、昆虫の遺伝子標的に対応する二本鎖RNAを発現する細菌から成る製剤のスプレーを利用することで、植物/作物を昆虫による損傷から効果的に保護できることが例示されることも明らかである。 実施例7:Tribolium castaneum(コクヌストモドキ) A.Tribolium castaneumの部分配列のクローニング TRIzol試薬(カタログ番号15596-026/15596-018、Invitrogen社、米国メリーランド州ロックビル)を使用して、使用説明書に従って、異なる全齢のTribolium castaneum(コクヌストモドキ;入手先:Dr. Lara Senior, Insect Investigations Ltd., Capital Business Park, Wentloog, Cardiff, CF3 2PX, 英国ウェールズ)から完全な高品質RNAを単離した。使用説明書に従ったDNase(カタログ番号1700,Promega社)処理によってRNA調製物に存在するゲノムDNAを除去した。市販のキット(SuperScriptTM(商標)III Reverse Transcriptase,カタログ番号1808004,Invitrogen社、米国メリーランド州ロックビル)使用して、使用説明書に従って、cDNAを合成した。 TC001、TC002、TC010、TC014、およびTC015遺伝子の一部を含むcDNA配列を単離するために、Amplitaq Gold(カタログ番号N8080240,Applied Biosystems社)を使用して、使用説明書に従って、変性プライマーによる一連のPCR反応を実施した。 各遺伝子の増幅に使用する変性プライマーの配列を表(Table)2−TCに示している。以下の条件の各PCR反応にこれらのプライマーを使用した:95℃10分、続いて95℃30秒、50℃1分、72℃1分30秒を40サイクル、続いて72℃7分(TC001、TC014、TC015);95℃10分、続いて95℃30秒、54℃1分、72℃2分30秒を40サイクル、続いて72℃7分(TC010);95℃10分、続いて95℃30秒、55℃1分、72℃1分を40サイクル、続いて72℃7分(TC002)。結果として得たPCR断片をアガロースゲル(QIAquick Gel Extraction kit,カタログ番号28706,Qiagen社)で分離・精製して、pCR8/GW/TOPOベクター(カタログ番号K2500-20,Invitrogen社)にクローニングして、塩基配列を決定した。表(Table)2−TCに示すように、結果として得たPCR産物の配列を各配列番号で示し、部分配列と呼ぶ。表(Table)3−TCに示すように、対応する部分アミノ酸配列を各配列番号で示した。 B.Tribolium castaneumの遺伝子のdsRNA産生 市販のキットT7 RibomaxTM(商標)Express RNAi System(カタログ番号P1700、Promega社)を使用してミリグラム量のdsRNAを合成した。最初に、2つの別々のPCR反応において2つ別々の5’T7 RNAポリメラーゼ・プロモーター・テンプレートを作製して、各反応にはT7プロモーターに対して異なる方向の標的配列を含んでいた。 各標的遺伝子について、特異的T7フォーワード・プライマー/リバース・プライマーを使用してセンスT7テンプレートを作製した。各標的遺伝子のセンス・テンプレート増幅用の各プライマーの配列を表(Table)8−TCに示している。PCR反応の条件は以下の通りである:95℃1分、続いて95℃30秒、60℃30秒(1サイクルごとに温度を0.5℃下げる)、72℃1分を20サイクル、続いて95℃30秒、50℃30秒、72℃1分を15サイクル、続いて72℃10分。上記と同じ条件のPCR反応において、特異的T7フォーワード・プライマーおよびリバース・プライマーを使用してアンチセンスT7テンプレートを作製した。各標的遺伝子のアンチセンス・テンプレート増幅用の各プライマーの配列を表(Table)8−TCに示している。結果として得たPCR産物をアガロースゲルで分離して、PCR精製キット(Qiaquick PCR Purification Kit,カタログ番号28106,Qiagen社)およびNaClO4沈殿で精製した。使用説明書に従って、作製したT7フォーワードおよびリバース・テンプレートを混合させて、転写させ、結果として得たRNA鎖をアニーリングさせて、DNaseおよびRNase処理して、酢酸ナトリウムで精製した。各標的遺伝子について、結果として得たdsRNAのセンス鎖を表(Table)8−TCに示している。 C.植物ベクターpK7GWIWG2D(II)内へのTribolium castaneum遺伝子の組み換え RNA干渉の機序はdsRNA断片を介して機能するため、先に選択した標的遺伝子の標的ヌクレオチド配列をイントロン−CmR−イントロン(CmRはクロラムフェニコール耐性マーカー)を隔ててアンチセンスおよびセンス方向でクローニングして、dsRNAヘアピン・コンストラクトを形成させる。attLを含む挿入クローン(実施例1参照)とattRを含む目的ベクター(=pK7GWIWG2D(II))間でのLR組み換え反応を利用してこれらのヘアピン・コンストラクトを作製した。材料移動契約により、VIB/Plant Systems Biologyから植物ベクターpK7GWIWG2D(II)を入手した。LR ClonaseTM(商標)II enzyme mix(カタログ番号11791-020,Invitrogen)を使用して、使用説明書に従って、LR組み換え反応を実施した。これらのクローニング実験によって、プロモーター−センス−イントロン−CmR−イントロン−アンチセンス方向(プロモーターは植物で機能する35Sプロモーターである)の各標的遺伝子のいずれかのヘアピン・コンストラクトがもたらされる。35Sプロモーターを伴うバイナリーベクターpK7GWIWG2D(II)は、A.tumefaciens内への形質転換に適している。 異なる標的を含むpCR8/GW/TOPOプラスミドを制限酵素で切断した(実施例2参照)。Qiaquick Gel Extraction Kit(カタログ番号28706、Qiagen)を使用して、attL部位に挾まれた目的遺伝子を含むバンドを精製した。精製断片150ngとpK7GWIWG2D(II)150ngをLR clonase II酵素と共に加えて、25℃で少なくとも1時間インキュベートさせた。プロテイナーゼK溶液での処理後(37℃で10分間)、組み換え混合物の全量をTop 10化学コンピテント細胞に形質転換させた。陽性クローンを制限酵素切断分析で選択した。 D.人工飼料を使用した、dsRNA標的のTribolium castaneum幼虫に対する活性を試験するための実験 以下の実施例は、コクヌストモドキ(RFB)の幼虫が、標的遺伝子に対応するdsRNAの経口摂取に感受性であるとの知見に関する例示である。 Tribolium castaneum(コクヌストモドキ)はInsect Investigations Ltd.(入手先:Imperial College of Science, Technology and Medicine, 英国バークシャー州シルウッドパーク)で維持した。企業のSOP/251/01にしたがって昆虫を培養した。簡単に説明すると、昆虫をプラスチック製のビンまたはタンクにコクヌストモドキを入れた。これらは上部が開いており、換気可能である。上部にネットを付けて、ゴムバンドで固定して、逃げないようにした。コクヌストモドキを繁殖可能な容器内に、幼虫用の飼育培地(小麦)を置いた。貯蔵食品害虫であるコクヌストモドキのコロニーを25±2℃、相対湿度60%±5%の温度管理室内で保持した(光周期は明期:暗期=16:8時間)。 標的TC014(配列番号:−799に対応する配列)からの二本鎖RNAを小麦と粉ミルク(全粒小麦粉:粉ミルク=4:1)の混合物に取り込ませて、一晩乾燥させた。それぞれの調製物を別々に調製した:10μg/μL dsRNA溶液100μL(1mg dsRNA)を0.1g小麦/乳混合物に加えた。乾燥させた混合物を微粉状にした。二層のろ紙を敷いたペトリ・ディッシュ(直径55ミリ)内に昆虫を維持した。2枚のろ紙層に処理済み飼料を置いた。1齢の雌雄同体の幼虫10匹を各ディッシュ内に置いた(複製物)。各処理について4回繰り返した。対照はMilli−Q水であった。定期的に評価(生存個体数)を行った。試験中、試験条件は、温度25〜33℃、相対湿度20〜25%、光周期は明期:暗期=12:12時間であった。 図1に示すとおり、飼料のみの対照と比較して、標的TC014 dsRNAで処理した人工飼料におけるT.castaneumの幼虫の経時的な生存率は有意に低下した。 E.昆虫−活性化二本鎖RNAの細菌生産に適したベクター内でのRFB遺伝子断片のクローニング 以下は、細菌宿主内での二本鎖RNA発現ベクター内へのRFB遺伝子標的に対応するDNA断片のクローニングの例であり、もっともT7プロモーターまたは細菌内での効率的発現用の他のプロモーターを含む任意のベクターを使用できる(WO第0001846号参照)。 標的遺伝子の増幅に使用した特異的プライマーの配列を表(Table)8−TCに示している。使用したテンプレートは、標的配列のいずれかを含むpCR8/GW/topoベクターである。以下の条件のPCR反応においてプライマーを使用した:98℃5分、続いて98℃10秒、55℃30秒、72℃2分を30サイクル、続いて72℃10分。結果として得たPCR断片をアガロースゲル(QIAquick Gel Extraction kit,カタログ番号28706,Qiagen社)で分離・精製し、平滑末端にしてSrf Iで線形化したpGNA49Aベクター(WO第00188121A1号)にクローニングして、配列を決定した。結果として得たPCR産物の配列は、表(Table)8−TCに示す各配列に対応する。この配列を保有する組み換えベクターをpGBNJ00XXと名付けた。 F.2種の大腸菌株(1)AB309−105、(2)BL21(DE3)における二本鎖RNA標的の発現および産生 下記の手順に従って、細菌内において昆虫標的に対する昆虫‐活性化二本鎖RNAを適切なレベルにまで発現させた。野生型RNaseIII保有細菌BL21(DE3)との比較で、RNaseIII欠損株AB309−105を使用した。AB309−105およびBL21(DE3)の形質転換 300ngのプラスミドを加えて、氷冷させた50μLの化学コンピテント大腸菌株AB309−105またはBL21(DE3)にゆっくりと混合させた。細胞を氷上で20分間インキュベートさせて、37℃、5分間のヒートショック処理を施し、その後、細胞を更に5分間氷上に戻した。室温のSOC培地450μLをこの細胞に加えて、懸濁液をシェーカー(250rpm)で37℃、1時間培養させた。100μg/mLカルベニシリン抗生物質を添加したLB培地150mLの入った500mL三角フラスコに細菌懸濁液100μLを移した。37℃のInnova 4430シェーカー(250rpm)で一晩(16〜18時間)培養物を培養した。 AB309−105およびBL21(DE3)における二本鎖RNA発現の化学誘導 発現制御のための全ての遺伝要素が存在するため、細菌株AB309−105またはBL21(DE3)における組み換えベクターpGBNJ003からの二本鎖RNAの発現は可能となっている。化学誘導物質イソプロピルチオガラクトシド、すなわちIPTGの存在下で、反対方向のT7プロモーターに挟まれているため、T7ポリメラーゼはアンチセンスおよびセンスの両方向で標的配列の転写を促進させる。 適切な分光光度計を使用して細菌の一晩培養物の600nmでの光学濃度を測定し、新しいLB培地を添加して値を1に調整した。この培養物50mLを50mLファルコン・チューブに移して、培養物を3000gで10分間、15℃で遠心分離させた。上精を除去して、細菌の沈殿物を100μg/mLカルベニシリン、および1mM IPTGを添加した新しいS完全培地(5μg/mLコレステロール添加SNC培地)50mL中に再懸濁させた。室温で2〜4時間、細菌に誘導をかけた。細菌の熱処理 試験プレート内における人工飼料の混入リスクを最小限にするために、細菌を熱処理で殺した。しかし、RNA干渉のため、二本鎖RNA発現細菌の熱処理は、昆虫に対する毒性誘導に必須ではない。誘導をかけた細菌培養物を室温で10分間、3000gの遠心分離にかけて、上精を捨て、沈殿物を80℃の水浴に20分間浸した。熱処理後、細菌の沈殿物を1.5mLのMilliQ水に再懸濁させて、懸濁液をマイクロチューブに移した。数本のチューブを準備して、補給毎にバイオアッセイに使用した。チューブは使用まで−20℃で保存した。 G.Tribolium castaneumに対するdsRNA標的を発現する大腸菌を試験するための実験植物バイオアッセイ 化学誘発性のdsRNA発現細菌の懸濁液を植物全体に噴霧して、RFBに植物を餌として与えた。RFBは植物生育室内で生育させた。500mLプラスチック・ボトルを逆さまにして、首部分をしっかりと鉢内の土壌中に固定し、底部を切り開くことで、植物を囲み、細目ナイロン・メッシュで覆って、通気が可能になり、内部凝結を減らし、幼虫が逃げるのを防いだ。囲い内の各処理済み植物にRFBを置いた。pGBNJ001プラスミドまたはpGN29プラスミドを保有する大腸菌AB309−105の懸濁液で植物を処理した。異なる量の細菌を植物に適用した:例、66、22、および7ユニット(ここで1ユニットは波長600nmで光学濃度1の細菌懸濁液1mL中の109個の細菌と定義する)。それぞれの場合で、気化器を使用して総量1〜10mLを植物に噴霧した。この試験では、処理毎に1植物を使用した。生存個体数を数え、各生存個体の重量を記録した。 pGBNJ003から標的dsRNAを発現する大腸菌株AB309−105の懸濁液を植物に噴霧することで、pGN29の対照と比較して、昆虫の生存率が劇的に上昇した。これらの実験では、昆虫の生存率および生き残った幼虫での成長/発生の遅延における大幅な上昇という観点から、野生型またはRNaseIII欠損細菌発現系において産生させた昆虫遺伝子の標的配列に対応する二本鎖RNAが、昆虫に対して有毒であることが示された。これらの実験から、昆虫の遺伝子標的に対応する二本鎖RNAを発現する細菌から成る製剤のスプレーを利用することで、植物/作物を昆虫による損傷から効果的に保護できることが例示されることも明らかである。 実施例10:Myzus persicae(アカアブラムシ) A.Myzus persicaeの部分配列のクローニング TRIzol試薬(カタログ番号15596-026/15596-018、Invitrogen社、米国メリーランド州ロックビル)を使用して、使用説明書に従って、Myzus persicaeの若虫(アカアブラムシ;入手先:Dr. Rachel Down, Insect & Pathogen Interactions, Central Science Laboratory, Sand Hutton, York, YO41 1LZ, 英国)から高品質で、無傷のRNAを単離した。使用説明書に従ったDNase(カタログ番号1700,Promega社)処理によってRNA調製物に存在するゲノムDNAを除去した。市販のキット(SuperScriptTM(商標) III Reverse Transcriptase,カタログ番号18080044,Invitrogen社、米国メリーランド州ロックビル)用いて、使用説明書に従って、cDNAを作製した。 MP001、MP002、MP010、MP016、およびMP027遺伝子の一部を含むcDNA配列を単離するために、Amplitaq Gold(カタログ番号N8080240,Applied Biosystems社)を用いて、使用説明書に従って、変性プライマーによる一連のPCR反応を実施した。 各遺伝子の増幅に使用する変性プライマーの配列を表(Table)2−MPに示している。以下の条件の各PCR反応にこれらのプライマーを使用した:MP001、MP002、MP016 では、95℃10分、続いて95℃30秒、50℃1分、72℃1分30秒を40サイクル、続いて72℃7分;MP027ではタッチダウンプログラムを使用:95℃10分、続いて95℃30秒、60℃40秒(1サイクルごとに温度を1℃下げる)、72℃1分10秒を10サイクル、続いて95℃30秒、50℃40秒、72℃1分10秒を30サイクル、続いて72℃7分;MP010では、95℃10分、続いて95℃30秒、54℃1分、72℃3分を40サイクル、続いて72℃7分。結果として得たPCR断片をアガロースゲル(QIAquick Gel Extraction kit,カタログ番号28706,Qiagen社)で分離・精製して、pCR8/GW/TOPOベクター(カタログ番号K2500−20,Invitrogen社)にクローニングして、塩基配列を決定した。表(Table)2−MPに示すように、結果として得たPCR産物の配列を各配列番号で示し、部分配列と呼ぶ。表(Table)3−MPに示すように、対応する部分アミノ酸配列を各配列番号で示した。 B.Myzus persicaeの遺伝子のdsRNA産生 市販のキットT7 RibomaxTM(商標)Express RNAi System(カタログ番号P1700、Promega社)を使用してミリグラム量のdsRNAを合成した。最初に、2つの別々のPCR反応において2つ別々の5’T7RNAポリメラーゼ・プロモーター・テンプレートを作製して、各反応にはT7プロモーターに対して異なる方向の標的配列を含んでいた。 各標的遺伝子について、特異的T7フォーワード・プライマーおよびリバース・プライマーを使用してセンスT7テンプレートを作製した。各標的遺伝子のセンス・テンプレート増幅用の各プライマーの配列を表(Table)8−MPに示している。タッチダウンPCR反応の条件は以下の通りである:95℃1分、続いて95℃30秒、55℃30秒(MP001、MP002、MP016、MP027、gfp)または50℃30秒(MP001)(1サイクルごとに温度を0.5℃下げる)、72℃1分を20サイクル、続いて95℃30秒、45℃30秒、72℃1分を15サイクル、続いて72℃10分。上記と同じ条件のPCR反応において、特異的T7フォーワード・プライマーおよびリバース・プライマーを使用してアンチセンスT7テンプレートを作製した。各標的遺伝子のアンチセンス・テンプレート増幅用の各プライマーの配列を表(Table)8−MPに示している。結果として得たPCR産物をアガロースゲルで分離して、PCR精製キット(Qiaquick PCR Purification Kit,カタログ番号28106,Qiagen社)およびNaClO4沈殿で精製した。使用説明書に従って、作製したT7フォーワードおよびリバース・テンプレートを混合させて、転写させ、結果として得たRNA鎖をアニーリングさせて、DNaseおよびRNase処理して、酢酸ナトリウムで精製した。各標的遺伝子について、結果として得たdsRNAのセンス鎖を表(Table)8−MPに示している。 C.植物ベクターpK7GWIWG2D(II)内へのMyzus persicae遺伝子の組み換え RNA干渉の機序はdsRNA断片を介して機能するため、先に選択した標的遺伝子の標的ヌクレオチド配列をイントロン−CmR−イントロン(CmRはクロラムフェニコール耐性マーカー)を隔ててアンチセンスおよびセンス方向でクローニングして、dsRNAヘアピン・コンストラクトを形成させる。attLを含む挿入クローン(実施例A参照)とattRを含む目的ベクター(=pK7GWIWG2D(II))間でのLR組み換え反応を利用してこれらのヘアピン・コンストラクトを作製した。材料移動契約により、VIB/Plant Systems Biologyから植物ベクターpK7GWIWG2D(II)を入手した。LR ClonaseTM(商標)II enzyme mix(カタログ番号11791-020,Invitrogen)を使用して、使用説明書に従って、LR組み換え反応を実施した。これらのクローニング実験によって、プロモーター−センス−イントロン−CmR−イントロン−アンチセンス方向(プロモーターは植物で機能する35Sプロモーターである)のMP001、MP002、MP010、MP016、MP026遺伝子のいずれかのヘアピン・コンストラクトがもたらされる。35Sプロモーターを伴うバイナリーベクターpK7GWIWG2D(II)は、A. tumefaciens内への形質転換に適している。 異なる標的を含むpCR8/GW/TOPOプラスミドを制限酵素で切断した(実施例B参照)。Qiaquick Gel Extraction Kit(カタログ番号28706、Qiagen)を使用して、attL部位に挾まれた目的遺伝子を含むバンドを精製した。精製断片150ngとpK7GWIWG2D(II)150ngをLR clonase II酵素と共に加えて、25℃で少なくとも1時間インキュベートさせた。プロテイナーゼK溶液での処理後(37℃で10分間)、組み換え混合物の全量をTop 10化学コンピテント細胞に形質転換させた。陽性クローンを制限酵素切断分析で選択した。ヘアピン・コンストラクトの完全配列:MP001(センス−イントロン−CmR−イントロン−アンチセンス)は配列番号:1066に示される;MP002(センス−イントロン−CmR−イントロン−アンチセンス)は配列番号:1067に示される;MP010(センス−イントロン−CmR−イントロン−アンチセンス)は配列番号:1068に示される;MP016(センス−イントロン−CmR−イントロン−アンチセンス)は配列番号:1069に示される;MP027(センス−イントロン−CmR−イントロン−アンチセンス)は配列番号:1070に示される。表(Table)9−MPには、各ヘアピン・コンストラクトの完全配列を示している。 D.液体人工飼料を使用した、dsRNA標的のMyzus persicaeに対する活性を試験するための実験 Febvayらの記載(1988年)の方法[Influence of the amino acid balance on the improvement of an artificial diet for a biotype of Acyrthosiphon pisum (Homoptera: Aphididae).Can .J. Zool. 66: 2449-2453]に多少の改変を加えて、Acyrthosiphon pisum(エンドウヒゲナガアブラムシ)に適した飼料に基づいて、Myzus persicae(アカアブラムシ)用の液体人工飼料を調製した。飼料のアミノ酸成分は以下の通りに調製した(mg/100mL):アラニン178.71、βアラニン6.22、アルギニン244.9、アスパラギン298.55、アスパラギン酸88.25、システイン29.59、グルタミン酸149.36、グルタミン445.61、グリシン166.56、ヒスチジン136.02、イソロイシン164.75、ロイシン231.56、塩酸リジン351.09、メチオニン72.35、オルニチン(塩酸)9.41、フェニルアラニン293、プロリン129.33、セリン124.28、トレオニン127.16、トリプトファン42.75、チロシン38.63で、Lバリン190.85。アミノ酸混合物を加える前に数滴の1M HClに溶解したチロシンを除く、アミノ酸を30mLのMilli−Q水に溶解させた。飼料のビタミン混合成分を以下の通りに5X濃縮液として調製した(mg/L):アミノ安息香酸100、アスコルビン酸1000、ビオチン1、パントテン酸カルシウム50、塩化コリン500、葉酸10、ミオイノシトール420、ニコチン酸100、塩酸ピリドキシン25、リボフラビン5、塩酸チアミン25。リボフラビンを50℃の水1mLに溶解させて、ビタミン混合物に加えた。ビタミン混合物を20mLに分注して−20℃で保存した。ビタミン混合物20mLをアミノ酸溶液に加えた。ショ糖20g、MgSO4.7H2O 242mgを混合物に加えた。微量金属ストック溶液 を以下の通りに調製した(mg/100mL):CuSO4.5H2O 4.7、FeCl3.6H2O 44.5、MnCl2.4H2O 6.5、塩化ナトリウム25.4、ZnCl 28.3。微量金属溶液10mL、KH2PO4 250mgを飼料に加え、Milli−Q水を液体飼料に加えて、最終容積を100mLとした。1M KOH溶液で飼料をpH7に調整した。液体飼料を0.22μmのフィルター・ディスク(Millipore社)でろ過滅菌した。 以下の条件で、環境管理室内の70μmメッシュを含むアルミニウム・フレーム付きケージ内で、4〜6週齢のアブラナ(Brassica napus variety SW Oban;入手先:Nick Balaam, Sw Seed Ltd.,49 North Road, Abington, Cambridge, CB1 6AS, 英国)でアカアブラムシ(Myzus persicae;入手先: Dr. Rachel Down, Insect & Pathogen Interactions, Central Science Laboratory, Sand Hutton, York, YO41 1LZ, 英国)を飼育した:23±2℃、相対湿度60±5%、光周期が明期:暗期=16:8時間。 バイオアッセイの開始1日前、飼育ケージ内から成虫を集めて、ペトリ・ディッシュ内の新しい分離アブラナ葉上に置いて、昆虫チェンバー内で一晩放置した。翌日、一齢の若虫を選んで、給餌器内に移した。給餌器には、飼料50μLを加えた1枚目の薄層パラフィルムMで覆ったペトリ・ディッシュ(直径3cm)内の一齢の若虫10匹が含まれた。チェンバーを2枚目のパラフィルムで密封して、成虫の培養と同じ条件で培養した。dsRNAを含む飼料を隔日で新しい飼料と交換して、8日目(バイオアッセイ開始後8日目)に昆虫の生存率を評価した。処理毎に、バイオアッセイ用の5個の給餌器(複製物)を同時に設置した。試験用dsRNA、対照(gfp)dsRNA溶液を最終濃度2μg/μLで飼料に加えた。給餌器を23±2℃、相対湿度60±5%に保ち、光周期は明期:暗期=16:8時間であった。GraphPad Prism version 4によってマンホイットニー検定を決め、標的27(MP027)とgfp dsRNAとで中央値に確実な有意差があるかどうかを立証した。 バイオアッセイでは、図1に示すとおり、給餌器を使用して、標的27(配列番号:1061)からの完全な裸のdsRNAを添加した液体人工飼料をMyzus persicaeの若虫に与えると、死亡率が有意に上昇した。標的27、gfp dsRNA、飼料のみでの生存個体の平均割合は、それぞれ2、34、および82%であった。マンホイットニー検定を利用した標的027とgfp dsRNAとの比較では、片側P値は0.004であり、これは標的027の中央値と、gfp dsRNAで予測される大きい方の中央値とに有意差(p<0.05)が有ることを示唆している。標的27 dsRNAを加えた液体飼料上のアカアブラムシは、飼料のみ、またはgfp dsRNA対照を加えた飼料を与えたアカアブラムシよりも顕著に小さかった(データ未掲載)。 E.昆虫−活性化二本鎖RNAの細菌生産に適したベクター内でのGPA遺伝子断片クローニング 以下は、細菌宿主内での二本鎖RNA発現ベクター内へのGPA遺伝子標的に対応するDNA断片のクローニングの例であり、もっともT7プロモーターまたは細菌内での効率的発現用の他のプロモーターを含む任意のベクターを使用できる(WO第0001846号参照)。 標的遺伝子の増幅に用いた特異的プライマーの配列を表(Table)8−MPに示している。使用したテンプレートは、標的配列のいずれかを含むpCR8/GW/topoベクターである。以下の条件のPCR反応においてプライマーを使用した:98℃5分、続いて98℃10秒、55℃30秒、72℃2分を30サイクル、続いて72℃10分。結果として得たPCR断片をアガロースゲル(QIAquick Gel Extraction kit,カタログ番号28706,Qiagen社)で分離・精製し、平滑末端にしてSrf Iで線形化したpGNA49Aベクター(WO第00188121A1号)にクローニングして、配列を決定した。結果として得たPCR産物の配列は、表(Table)8−MPに示す各配列に対応する。この配列を保有する組み換えベクターをpGBNJ00XXと名付けた。 F.2種の大腸菌株(1)AB309−105、および(2)BL21(DE3)における二本鎖RNA標的の発現および産生 下記の手順に従って、細菌内において昆虫標的に対する昆虫‐活性化二本鎖RNAを適切なレベルにまで発現させた。野生型RNaseIII保有細菌BL21(DE3)との比較で、RNaseIII欠損株AB309−105を使用した。AB309−105およびBL21(DE3)の形質転換 300ngのプラスミドを加えて、氷冷させた50μLの化学コンピテント大腸菌株AB309−105またはBL21(DE3)にゆっくりと混合させた。細胞を氷上で20分間インキュベートさせて、37℃、5分間のヒートショック処理を施し、その後、細胞を更に5分間氷上に戻した。室温のSOC培地450μLをこの細胞に加えて、懸濁液をシェーカー(250rpm)で37℃、1時間培養させた。100μg/mLカルベニシリン抗生物質を添加したLB培地150mLの入った500mL三角フラスコに細菌懸濁液100μLを移した。37℃のInnova 4430シェーカー(250rpm)で一晩(16〜18時間)培養物を培養した。 AB309−105およびBL21(DE3)における二本鎖RNA発現の化学誘導発現制御のための全ての遺伝要素が存在するため、細菌株AB309−105またはBL21(DE3)における組み換えベクターpGBNJ003からの二本鎖RNAの発現は可能となっている。化学誘導物質イソプロピルチオガラクトシド(IPTG)の存在下で、反対方向のT7プロモーターに挟まれているため、T7ポリメラーゼはアンチセンス/センスの両方向で標的配列の転写を促進させる。 適切な分光光度計を使用して細菌の一晩培養物の600nmでの光学濃度を測定し、新しいLB培地を添加して光学濃度を1の値に調整した。この培養物50mLを50mLファルコン・チューブに移して、培養物を3000gで10分間、15℃で遠心分離させた。上精を除去して、細菌沈殿物を100μg/mLカルベニシリン、および1mM IPTGを添加した新しいS完全培地(5μg/mLコレステロール添加SNC培地)50mL中に再懸濁させた。室温で2〜4時間、細菌に誘導をかけた。細菌の熱処理 試験プレート内における人工飼料の混入リスクを最小限にするために、細菌を熱処理で殺した。しかし、RNA干渉のため、二本鎖RNA発現細菌の熱処理は、昆虫に対する毒性誘導に必須ではない。誘導をかけた細菌培養物を室温で10分間、3000gの遠心分離にかけて、上精を捨て、沈殿物を80℃の水浴に20分間浸した。熱処理後、細菌の沈殿を1.5mLのMilliQ水に再懸濁させて、懸濁液をマイクロチューブに移した。数本のチューブを準備して、補給毎にバイオアッセイに使用した。チューブは使用まで−20℃で保存した。 G.Myzus persicaeに対するdsRNA標的を発現する大腸菌を試験するための実験植物バイオアッセイ 化学誘発性のdsRNA発現細菌の懸濁液を植物全体に噴霧して、GPAに植物を餌として与えた。GPAは植物生育室内で生育させた。500mLプラスチック・ボトルを逆さまにして、首部分をしっかりと鉢内の土壌中に固定し、底部を切り開くことで、植物を囲み、細目ナイロン・メッシュで覆って、通気が可能になり、内部凝結を減らし、幼虫が逃げるのを防いだ。囲い内の各処理済み植物にGPAを置いた。pGBNJ001プラスミドまたはpGN29プラスミドを保有する大腸菌AB309−105の懸濁液で植物を処理した。異なる量の細菌を植物に適用した:例、66、22、7ユニット(ここで1ユニットは波長600nmで光学濃度1の細菌懸濁液1mL中の109個の細菌と定義する)。それぞれの場合で、気化器を使用して総量1〜10mLを植物に噴霧した。この試験では、処理毎に1植物を使用した。生存個体数を数え、各生存個体の重量を記録した。 pGBNJ003から標的dsRNAを発現する大腸菌株AB309−105の懸濁液を植物に噴霧することで、pGN29の対照と比較して、昆虫の生存率が劇的に上昇した。これらの実験では、昆虫の生存率および生き残った幼虫での成長/発生の遅延における大幅な上昇という観点から、野生型またはRNaseIII欠損細菌発現系において産生させた昆虫遺伝子の標的配列に対応する二本鎖RNAが、昆虫に対して有毒であることが示された。これらの実験から、昆虫の遺伝子標的に対応する二本鎖RNAを発現する細菌から成る製剤のスプレーを利用することで、植物/作物を昆虫による損傷から効果的に保護できることが例示されることも明らかである。 実施例11:Nilaparvata lugens(Brown Plant Hopper) A.Nilaparvata lugensの部分配列のクローニング Nilaparvata lugensの高品質な全RNA(入手先:Dr. J. A. Gatehouse, Dept.Biological Sciences, Durham University, 英国)から、市販のキット(SuperScriptTM(商標)III Reverse Transcriptase,カタログ番号18080044,Invitrogen社、米国メリーランド州ロックビル)使用して、使用説明書に従って、cDNAを生成した。 Nilaparvata lugensのNL001、NL002、NL003、NL004、NL005、NL006、NL007、NL008、NL009、NL010、NL011、NL012、NL013、NL014、NL015、NL016、NL018、NL019、NL021、NL022、およびNL027遺伝子の一部を含むcDNA配列を単離するために、Amplitaq Gold(カタログ番号N8080240,Applied Biosystems社)を使用して、メーカーのプロトコルに従って、変性プライマーによる一連のPCR反応を実施した。 各遺伝子の増幅に使用する変性プライマーの配列を表(Table)2−NLに示している。以下の条件の各PCR反応にこれらのプライマーを使用した:NL001では、95℃5分、続いて95℃30秒、55℃1分、72℃1分を40サイクル、続いて72℃10分;NL002では、95℃3分、続いて95℃30秒、55℃1分、72℃1分を40サイクル、続いて72℃10分;NL003では、95℃3分、続いて95℃30秒、61℃1分、72℃1分を40サイクル、続いて72℃10分;NL004では、95℃10分、続いて95℃30秒、51℃1分、72℃1分を40サイクル;NL005では、95℃10分、続いて95℃30秒、54℃1分、72℃1分を40サイクル、続いて72℃10分;NL006では、95℃10分、続いて95℃30秒、55℃1分、72℃3分30秒を40サイクル、続いて72℃10分;NL007では、95℃10分、続いて95℃30秒、54℃1分、72℃1分15秒を40サイクル、続いて72℃10分;NL008では、95℃10分、続いて95℃30秒、53℃1分、72℃1分を40サイクル、続いて72℃10分;NL009では、95℃10分、続いて95℃30秒、55℃1分、72℃1分を40サイクル、続いて72℃10分;NL010では、95℃10分、続いて95℃30秒、54℃1分、72℃2分30秒を40サイクル、続いて72℃10分;NL011では、95℃10分、続いて95℃30秒、55℃1分、72℃1分を40サイクル;NL012では、95℃10分、続いて95℃30秒、55℃1分、72℃1分を40サイクル;NL013では、95℃10分、続いて95℃30秒、54℃1分、72℃1分10秒を40サイクル、続いて72℃10分;NL014では、95℃10分、続いて95℃30秒、53℃30秒、72℃1分を40サイクル、続いて72℃10分;NL015では、95℃10分、続いて95℃30秒、54℃1分、72℃1分40秒を35サイクル、続いて72℃10分;NL016では、95℃10分、続いて95℃30秒、54℃1分、72℃1分40秒を40サイクル、続いて72℃10分;NL018では、95℃10分、続いて95℃30秒、54℃1分、72℃1分35秒を40サイクル、続いて72℃10分;NL019では、95℃10分、続いて95℃30秒、55℃1分、72℃1分を40サイクル、続いて72℃10分;NL021では、95℃10分、続いて95℃30秒、54℃1分、72℃1分45秒を40サイクル、続いて72℃10分;NL022では、95℃10分、続いて95℃30秒、54℃30秒、72℃1分45秒を40サイクル、続いて72℃10分;NL027では、95℃10分、続いて95℃30秒、54℃30秒、72℃1分45秒を40サイクル、続いて72℃10分。結果として得たPCR断片をアガロースゲル(QIAquick Gel Extraction kit,カタログ番号28706,Qiagen社)で分離・精製して、pCR8/GW/topoベクター(カタログ番号K2500-20,Invitrogen社)にクローニングして、塩基配列を決定した。表(Table)2−NLに示すように、結果として得たPCR産物の配列を各配列番号で示し、部分配列と呼ぶ。表(Table)3−NLに示すように、対応する部分アミノ酸配列を各配列番号で示した。 B.EST配列によるNilaparvata lugens NL023遺伝子の部分配列のクローニング Nilaparvata lugensの高品質な全RNA(入手先:Dr. J. A. Gatehouse, Dept.Biological Sciences, Durham University, 英国)から、市販のキット(SuperScriptTM(商標)III Reverse Transcriptase,カタログ番号1808044,Invitrogen社、米国メリーランド州ロックビル)使用して、プロトコルに従って、cDNAを生成した。 Nilaparvata lugens cDNAから部分cDNA配列NL023を増幅させ、これは公共データベースであるGenbankのNilaparvata lugens EST(受託番号CAH65679.2)に対応する。NL023遺伝子の一部を含むcDNA配列を単離するために、PerfectShotTM(商標)ExTaq(カタログ番号RR005A,Takara Bio Inc.)を使用して、プロトコルに従って、EST特異的配列のプライマーによる一連のPCR反応を実施した。 NL023については、以下の条件の2つの独立した各PCR反応に特異的プライマーoGBKW002(配列番号:1157)、oGBKW003(配列番号:1158)を使用した:95℃3分、続いて95℃30秒、56℃30秒、72℃2分を30サイクル、続いて72℃10分。結果として得たPCR断片をアガロースゲル(QIAquick Gel Extraction kit,カタログ番号28706,Qiagen社)で分離・精製して、pCR4−TOPOベクター(カタログ番号K4575-40,Invitrogen社)にクローニングして、塩基配列を決定した。両方のPCR産物の配列決定からのコンセンサス配列は、本明細書において配列番号:1111と示し、NL023遺伝子の部分配列と呼ぶ。対応する部分アミノ酸配列は、本明細書において配列番号:1112と示す。 C.Nilaparvata lugens遺伝子のdsRNA産生 市販のキットT7 RibomaxTM(商標)Express RNAi System(カタログ番号P1700、Promega社)を使用してミリグラム量のdsRNAを合成した。最初に、2つの別々のPCR反応において2つ別々の5’T7 RNAポリメラーゼ・プロモーター・テンプレートを作製して、各反応にはT7プロモーターに対して異なる方向の標的配列を含んでいた。 各標的遺伝子について、特異的T7フォーワード・プライマーおよびリバース・プライマーを使用してセンスT7テンプレートを作製した。各標的遺伝子のセンス・テンプレート増幅用の各プライマーの配列を表(Table)4に示している。以下の条件の各PCR反応にこれらのプライマーを使用した:NL001では、95℃4分、続いて94℃30秒、60℃30秒、72℃1分を35サイクル、続いて72℃10分;NL002では、95℃4分、続いて94℃30秒、60℃30秒、72℃1分を40サイクル、続いて72℃10分;NL003では、94℃4分、続いて94℃30秒、66℃30秒、72℃1分を35サイクル、続いて72℃10分;NL004では、95℃4分、続いて95℃30秒、54℃30秒、72℃1分を35サイクル、続いて72℃10分;NL005では、95℃4分、続いて95℃30秒、57℃30秒、72℃1分を35サイクル、続いて72℃10分;NL006では、95℃4分、続いて95℃30秒、54℃30秒、72℃1分を35サイクル、続いて72℃10分;NL007では、95℃4分、続いて95℃30秒、51℃30秒、72℃1分を35サイクル、続いて72℃10分;NL008では、95℃4分、続いて95℃30秒、54℃30秒、72℃1分を35サイクル、続いて72℃10分;NL009では、95℃4分、続いて95℃30秒、54℃30秒、72℃1分を35サイクル、続いて72℃10分;NL010では、95℃4分、続いて95℃30秒、54℃30秒、72℃1分を35サイクル、続いて72℃10分;NL011では、95℃4分、続いて95℃30秒、53℃30秒、72℃1分を35サイクル、続いて72℃10分;NL012では、95℃4分、続いて95℃30秒、53℃30秒、72℃1分を35サイクル、続いて72℃10分;NL013では、95℃4分、続いて95℃30秒、55℃30秒、72℃1分を35サイクル、続いて72℃10分;NL014では、95℃4分、続いて95℃30秒、51℃30秒、72℃1分を35サイクル、続いて72℃10分;NL015では、95℃4分、続いて95℃30秒、55℃30秒、72℃1分を35サイクル、続いて72℃10分;NL016では、95℃4分、続いて95℃30秒、57℃30秒、72℃1分を35サイクル、続いて72℃10分;NL018では、95℃4分、続いて95℃30秒、55℃30秒、72℃1分を35サイクル、続いて72℃10分;NL019では、95℃4分、続いて95℃30秒、54℃30秒、72℃1分を35サイクル、続いて72℃10分;NL021では、95℃4分、続いて95℃30秒、55℃30秒、72℃1分を35サイクル、続いて72℃10分;NL022では、95℃4分、続いて95℃30秒、53℃30秒、72℃1分を35サイクル、続いて72℃10分;NL023では、95℃4分、続いて95℃30秒、52℃30秒、72℃1分を35サイクル、続いて72℃10分;NL027では、95℃4分、続いて95℃30秒、52℃30秒、72℃1分を35サイクル、続いて72℃10分。上記と同じ条件のPCR反応において、特異的T7フォーワード・プライマーおよびリバース・プライマーを使用してアンチセンスT7テンプレートを作製した。各標的遺伝子のアンチセンス・テンプレート増幅用の各プライマーの配列を表(Table)4−NLに示している。結果として得たPCR産物をアガロースゲルで分離して、PCR精製キット(Qiaquick PCR Purification Kit,カタログ番号28106,Qiagen社)で精製した。使用説明書に従って(改変:70%エタノールでRNA沈殿物を洗浄)、作製したT7フォーワードおよびリバース・テンプレートを混合させて、転写させ、結果として得たRNA鎖をアニーリングさせて、DNaseおよびRNase処理して、酢酸ナトリウムで精製した。各標的遺伝子について、結果として得たdsRNAのセンス鎖を表(Table)8−NLに示している。 緑色蛍光タンパク質(gfp)の対照に対するT7プライマーによるPCR反応で使用するテンプレートDNAはプラスミドpPD96.12(Fire Lab, http://genome-www.stanford.edu/group/fire/)であり、これには3個の合成イントロンが散在する野生型gfpコード配列が含まれる。市販のキットT7 RibomaxTM(商標)Express RNAi System(カタログ番号P1700、Promega社)を使用して二本鎖RNAを合成した。最初に、2つの別々のPCR反応において2つ別々の5’T7 RNAポリメラーゼ・プロモーター・テンプレートを作製して、各反応にはT7プロモーターに対して異なる方向の標的配列を含んでいた。gfpについては、以下の条件のPCR反応において、特異的T7フォーワード・プライマーoGAU183(配列番号:236)と特異的T7リバース・プライマーoGAU182(配列番号:236)を使用してセンスT7テンプレートを作製した:95℃4分、続いて95℃30秒、55℃30秒、72℃1分を35サイクル、続いて72℃10分。上記と同じ条件で、特異的T7フォーワード・プライマーoGAU181(配列番号:238)と特異的T7リバース・プライマーoGAU184(配列番号:239)を使用してアンチセンスT7テンプレートを作製した。結果として得たPCR産物をアガロースゲルで分離して、PCR精製キット(Qiaquick PCR Purification Kit,カタログ番号28106,Qiagen社)で精製した。使用説明書に従って(改変:70%エタノールでRNA沈殿物を洗浄)、作製したT7フォーワードおよびリバース・テンプレートを混合させて、転写させ、結果として得たRNA鎖をアニーリングさせて、DNaseおよびRNase処理して、酢酸ナトリウムおよびイソプロパノールで精製した。結果として得たdsRNAのセンス鎖を本明細書では配列番号:235と示している。 D. 液体人工飼料を使用した、dsRNA標的のNilaparvata lugensに対する活性を試験するための実験 Koyamaらの記載(1988年)の方法[Artificial rearing and nutritional physiology of the planthoppers and leafhoppers (Homoptera: Delphacidae and Deltocephalidae) on a holidic diet.JARQ 22: 20-27]に多少の改変(飼料中のショ糖成分の最終濃度:14.4%w/v)を加えて、Nilaparvata lugens(rice brown planthopper)用の液体人工飼料(MMD−1)を調製した。異なる濃度の飼料成分を調製した:10×無機物ストック(4℃保存)、2×アミノ酸ストック(−20℃保存)、10×ビタミン・ストック(−20℃保存)。バイオアッセイの開始直前、ストック成分を4/3×濃度に混合させて、dsRNA試験液で希釈し(4×濃度)、pH6.5に調整して、ろ過滅菌して約500μL量にした。 環境管理室内(27±2℃、相対湿度80%、光周期が明期:暗期=16:8時間)で、2〜3週齢の稲(Oryza sativa cv Taichung Native 1)でRice brown planthopper(Nilaparvata lugens)を飼育した。給餌器には、飼料50μLを加えた1枚目の薄層パラフィルムMを覆ったペトリ・ディッシュ(直径3cm)内の一齢または二齢の若虫10匹が含まれた。チェンバーを2枚目のパラフィルムで密封して、直射日光が無い点を除いて、成虫の培養と同じ条件で培養した。dsRNAを含む飼料を隔日で新しい飼料と交換して、昆虫の生存率を毎日評価した。処理毎に、バイオアッセイ用の5個の給餌器(複製物)を同時に設置した。試験用dsRNA、対照(gfp)dsRNA溶液を最終濃度2μg/μLで飼料に加えた。給餌器を27±2℃、相対湿度80%に保ち、光周期は明期:暗期=16:8時間であった。カプラン・マイヤー生存曲線モデルを利用して、昆虫の生存データを分析して、ログランク検定(Prism version 4.0)を利用して群間で生存率を比較した。 4つの異なるバイオアッセイで示すとおり、給餌器を使用して、無傷で、裸のdsRNAをインビトロで添加した液体人工飼料をNilaparvata lugensに与えると、若虫の死亡率が有意に上昇した(図1(a)−(d)−NL;表(Table)1a−d−NL)。これらの結果から、異なる必須BPHに対応するdsRNAがrice brown planthopperに対して有意な毒性を有することが実証された。 これらのバイオアッセイにおいてBPHに及ぼすgfp dsRNAの影響は、飼料のみでの生存率とは異なった。 表(Table)10a−d−NLには、以下の標的を2mg/mL(最終濃度)添加した人工飼料におけるNilaparvata lugensの生存率をまとめている:表(Table)10(a)−NL:NL002、NL003、NL005、NL010;表(Table)10(b)−NL:NL009、NL016;表(Table)10(c)−NL:NL014、NL018;表(Table)10(d)−NL:NL013、NL015、NL021。生存率分析カラムにおいて、RNAiの効果は以下の通りに示す。+=:gfp dsRNA対照との比較で、生存率の有意な低下(α<0.05);−=:gfp dsRNA対照との比較で、有意差なし。ログランク検定を利用して、生存曲線を比較した(飼料のみ、と試験dsRNA、gfp dsRNAを添加した飼料、そして飼料のみとgfp dsRNA)。 E.人工飼料を使用した、異なる濃度のdsRNA標的のNilaparvata lugensに対する活性のスクリーニング実験 異なる濃度(最終濃度:1、0.2、0.08、および0.04mg/mL)の標的NL002 dsRNAを添加した液体人工飼料50μLをbrown plant hopperの給餌器に用いた。dsRNAを含む飼料を隔日で新しい飼料と交換して、昆虫の生存率を毎日評価した。処理毎に、バイオアッセイ用の5個の給餌器(複製物)を同時に設置した。給餌器を27±2℃、相対湿度80%に保ち、光周期は明期:暗期=16:8時間であった。カプラン・マイヤー生存曲線モデルを利用して、昆虫の生存データを分析して、ログランク検定(Prism version 4.0)を利用して生存率を群間比較した。 標的NL002の無傷で、裸のdsRNAを異なる濃度で添加した人工飼料を与えると、図2−NLおよび表(Table)9−NLに示すように、飼料のみでの生存率と比較して、最終濃度0.04mg dsRNA/mL飼料という低濃度でBPHの死亡率が有意に高まった。表(Table)9−NLには、標的NL002を1、0.2、0.08、および0.04mg/mL(最終濃度)添加した人工飼料におけるNilaparvata lugensの生存率をまとめている。生存率分析カラムにおいて、RNAiの効果は以下の通りに示す。+=:飼料のみの対照との比較で、生存率の有意な低下(α<0.05);−=:飼料のみの対照との比較で、有意差なし。ログランク検定を利用して、生存曲線を比較した。 F.昆虫−活性化二本鎖RNAの細菌生産に適したベクター内でのBPH遺伝子断片のクローニング 以下は、細菌宿主内での二本鎖RNA発現ベクター内へのBPH遺伝子標的に対応するDNA断片のクローニングの例であり、もっともT7プロモーターや細菌内での効率的発現用の他のプロモーターを含む任意のベクターを使用できる(WO第0001846号参照)。 増幅に使用した特異的プライマーの配列を表(Table)8に示している。使用したテンプレートは、標的配列のいずれかを含むpCR8/GW/topoベクターである。以下の条件のPCR反応においてプライマーを使用した:98℃5分、続いて98℃10秒、55℃30秒、72℃2分を30サイクル、続いて72℃10分。結果として得たPCR断片をアガロースゲル(QIAquick Gel Extraction kit,カタログ番号28706,Qiagen社)で分離・精製し、平滑末端にしてSrf Iで線形化したpGNA49Aベクター(WO第00188121A1号)にクローニングして、配列を決定した。結果として得たPCR産物の配列は、表(Table)8−NLに示す各配列に対応する。この配列を保有する組み換えベクターをpGBNJ00と名付けた。 G.2種の大腸菌株(1)AB309−105、および(2)BL21(DE3)における二本鎖RNA標的の発現および産生 下記の手順に従って、細菌内において昆虫標的に対する昆虫‐活性化二本鎖RNAを適切なレベルにまで発現させた。野生型RNaseIII保有細菌BL21(DE3)との比較で、RNaseIII欠損株AB309−105を使用した。AB309−105およびBL21(DE3)の形質転換 300ngのプラスミドを加えて、氷冷させた50μLの化学コンピテント大腸菌株AB309−105またはBL21(DE3)にゆっくりと混合させた。細胞を氷上で20分間インキュベートさせて、37℃、5分間のヒートショック処理を施し、その後、細胞を更に5分間氷上に戻した。室温のSOC培地450μLをこの細胞に加えて、懸濁液をシェーカー(250rpm)で37℃、1時間培養させた。100μg/mLカルベニシリン抗生物質を添加したLB培地150mLの入った500mL三角フラスコに細菌懸濁液100μLを移した。37℃のInnova 4430シェーカー(250rpm)で一晩(16〜18時間)培養物を培養した。 AB309−105およびBL21(DE3)における二本鎖RNA発現の化学誘導発現制御のための全ての遺伝要素が存在するため、細菌株AB309−105またはBL21(DE3)における組み換えベクターpGBNJ003からの二本鎖RNAの発現は可能となっている。化学誘導物質イソプロピルチオガラクトシド(IPTG)の存在下で、反対方向のT7プロモーターに挟まれているため、T7ポリメラーゼはアンチセンスおよびセンスの両方向で標的配列の転写を促進させる。 適切な分光光度計を使用して細菌の一晩培養物のOD600nmを測定し、新しいLB培地を添加して値を1に調整した。この培養物50mLを50mLファルコン・チューブに移して、培養物を3000gで10分間、15℃で遠心分離させた。上精を除去して、細菌沈殿物を100μg/mLカルベニシリン、1mM IPTGを添加した新しいS完全培地(5μg/mLコレステロール添加SNC培地)50mL中に再懸濁させた。室温で2〜4時間、細菌に誘導をかけた。 細菌の熱処理 試験プレート内における人工飼料の混入リスクを最小限にするために、細菌を熱処理で殺した。しかし、RNA干渉のため、二本鎖RNA発現細菌の熱処理は、昆虫に対する毒性誘導に必須ではない。誘導をかけた細菌培養物を室温で10分間、3000gの遠心分離にかけて、上精を捨て、沈殿物を80℃の水浴に20分間浸した。熱処理後、細菌の沈殿を1.5mLのMilliQ水に再懸濁させて、懸濁液をマイクロチューブに移した。数本のチューブを準備して、補給毎にバイオアッセイに使用した。チューブは使用まで−20℃で保存した。 H.Nilaparvata lugensに対するdsRNA標的を発現する大腸菌を検証するための実験植物バイオアッセイ 化学誘発性のdsRNA発現細菌の懸濁液を植物全体に噴霧して、BPHに植物を餌として与えた。BPHは植物生育室内で生育させた。500mLプラスチック・ボトルを逆さまにして、首部分をしっかりと鉢内の土壌中に固定し、底部を切り開くことで、植物を囲み、細目ナイロン・メッシュで覆って、通気が可能になり、内部凝結を減らし、幼虫が逃げるのを防いだ。囲い内の各処理済み植物にBPHを置いた。pGBNJ001プラスミドまたはpGN29プラスミドを保有する大腸菌AB309−105の懸濁液で植物を処理した。異なる量の細菌を植物に適用した:例、66、22、および7ユニット(ここで1ユニットは波長600nmで光学濃度1の細菌懸濁液1mL中の109個の細菌と定義する)。それぞれの場合で、気化器を使用して総量1〜10mLを植物に噴霧した。この試験では、処理毎に1植物を使用した。生存個体数を数え、各生存個体の重量を記録した。 pGBNJ003から標的dsRNAを発現する大腸菌株AB309−105の懸濁液を植物に噴霧することで、pGN29の対照と比較して、昆虫の生存率が劇的に上昇した。これらの実験では、昆虫の生存率および生き残った幼虫での成長/発生の遅延における大幅な上昇という観点から、野生型またはRNaseIII欠損細菌発現系において産生させた昆虫遺伝子の標的配列に対応する二本鎖RNAが、昆虫に対して有毒であることが示された。これらの実験から、昆虫の遺伝子標的に対応する二本鎖RNAを発現する細菌から成る製剤のスプレーを利用することで、植物/作物を昆虫による損傷から効果的に保護できることが例示されることも明らかである。 実施例10:Chilo suppressalis(ニカメイガ rice striped stem borer) A.ファミリーPCRによるChilo suppressalisの遺伝子の部分配列のクローニング TRIzol試薬(カタログ番号15596-026/15596-018、Invitrogen社、米国メリーランド州ロックビル)を使用して、使用説明書に従って、異なる4幼虫期のChilo suppressalis(ニカメイガ rice striped stem borer)から完全な高品質RNAを単離した。使用説明書に従ったDNase(カタログ番号1700, Promega社)処理によってRNA調製物に存在するゲノムDNAを除去した。市販のキット(SuperScriptTM(商標)III Reverse Transcriptase,カタログ番号18080044,Invitrogen社、米国メリーランド州ロックビル)使用して、使用説明書に従って、cDNAを合成した。 CS001、CS002、CS003、CS006、CS007、CS009、CS011、CS013、CS014、CS015、CS016、およびCS018遺伝子の一部を含むcDNA配列を単離するために、Amplitaq Gold(カタログ番号N8080240,Applied Biosystems社)を使用して、使用説明書に従って、変性プライマーによる一連のPCR反応を実施した。 各遺伝子の増幅に使用する変性プライマーの配列を表(Table)2−CSに示している。以下の条件の各PCR反応にこれらのプライマーを使用した:95℃10分、続いて95℃30秒、55℃1分、72℃1分を40サイクル、続いて72℃10分。結果として得たPCR断片をアガロースゲル(QIAquick Gel Extraction kit,カタログ番号28706,Qiagen社)で分離・精製して、pCR4/TOPOベクター(カタログ番号K2500−20,Invitrogen社)にクローニングして、塩基配列を決定した。表(Table)2−CSに示すように、結果として得たPCR産物の配列を各配列番号で示し、部分配列と呼ぶ。表(Table)3−CSに示すように、対応する部分アミノ酸配列を各配列番号で示した。 B.Chilo suppressalis遺伝子のdsRNA産生市販のキットT7 RibomaxTM(商標)Express RNAi System(カタログ番号P1700、Promega社)を使用してミリグラム量のdsRNAを合成した。最初に、2つの別々のPCR反応において2つ別々の5’T7 RNAポリメラーゼ・プロモーター・テンプレートを作製して、各反応にはT7プロモーターに対して異なる方向の標的配列を含んでいた。 各標的遺伝子について、特異的T7フォーワード・プライマーおよびリバース・プライマーを使用してセンスT7テンプレートを作製した。各標的遺伝子のセンス・テンプレート増幅用の各プライマーの配列を表(Table)8−CSに示している。PCR反応の条件は以下の通りである:95℃4分、続いて95℃30秒、55℃30秒、72℃1分を35サイクル、続いて72℃10分。上記と同じ条件のPCR反応において、特異的T7フォーワード・プライマーおよびリバース・プライマーを使用してアンチセンスT7テンプレートを作製した。各標的遺伝子のアンチセンス・テンプレート増幅用の各プライマーの配列を表(Table)8−CSに示している。結果として得たPCR産物をアガロースゲルで分離して、PCR精製キット(Qiaquick PCR Purification Kit,カタログ番号28106,Qiagen社)およびNaClO4沈殿で精製した。使用説明書に従って、作製したT7フォーワードおよびリバース・テンプレートを混合させて、転写させ、結果として得たRNA鎖をアニーリングさせて、DNaseおよびRNase処理して、酢酸ナトリウムで精製した。各標的遺伝子について、結果として得たdsRNAのセンス鎖を表(Table)8−CSに示している。 C.植物ベクターpK7GWIWG2D(II)内へのChilo suppressalis遺伝子の組み換え RNA干渉の機序はdsRNA断片を介して機能するため、先に選択した標的遺伝子の標的ヌクレオチド配列をイントロン−CmR−イントロン(CmRはクロラムフェニコール耐性マーカー)を隔ててアンチセンスおよびセンス方向でクローニングして、dsRNAヘアピン・コンストラクトを形成させる。attLを含む挿入クローン(実施例1参照)とattRを含む目的ベクター(=pK7GWIWG2D(II))間でのLR組み換え反応を利用してこれらのヘアピン・コンストラクトを作製した。材料移動契約により、VIB/Plant Systems Biologyから植物ベクターpK7GWIWG2D(II)を入手した。LR ClonaseTM(商標)II enzyme mix(カタログ番号11791-020,Invitrogen)を使用して、使用説明書に従って、LR組み換え反応を実施した。これらのクローニング実験によって、プロモーター−センス−イントロン−CmR−イントロン−アンチセンス方向(プロモーターは植物で機能する35Sプロモーターである)の各標的遺伝子のいずれかのヘアピン・コンストラクトがもたらされる。35Sプロモーターを伴うバイナリーベクターpK7GWIWG2D(II)は、A.tumefaciens内への形質転換に適している。 異なる標的を含むpCR8/GW/TOPOプラスミドを制限酵素で切断した(実施例B参照)。Qiaquick Gel Extraction Kit(カタログ番号28706、Qiagen)を使用して、attL部位に挾まれた目的遺伝子を含むバンドを精製した。精製断片150ngとpK7GWIWG2D(II)150ngをLR clonase II酵素と共に加えて、25℃で少なくとも1時間インキュベートさせた。プロテイナーゼK溶液での処理後(37℃で10分間)、組み換え混合物の全量をTop 10化学コンピテント細胞に形質転換させた。陽性クローンを制限酵素切断分析で選択した。 D.人工飼料を使用した、dsRNA標的のChilo suppressalisの幼虫に対する活性を試験するための実験 Kamano & Satoの記載の改変人工飼料においてChilo suppressalis(ニカメイガ Rice striped stem borers, 入手先:Syngenta, Stein, Switzerland)を維持した(Handbook of Insect Rearing.Volumes I & II.P Singh and RF Moore, eds., Elsevier Science Publishers, Amsterdam and New York, 1985, pp 448)。簡単に説明すると、以下の通りに飼料1Lを調製した:アガー20gをMilli−Q水980mLに添加して、オートクレーブした。アガー溶液を約55℃に冷却させて、残り成分を加えて、十分に混合させた:トウモロコシ粉(Polenta)40g、セルロース20g、ショ糖30g、カゼイン30g、小麦麦芽(トースト)20g、ウェッソン塩混合物8g、Vanderzantのビタミン混合物12g、ソルビン酸1.8g、ニパギン(Nipagin:メチルパラベン)1.6g、オーレオマイシン0.3g、コレステロール0.4g、L−システイン0.6g。飼料を45℃に冷却して、飼育トレイまたはカップに注いだ。水平層流キャビン内に飼料を放置した。成虫の蛾を入れているケージから産卵された卵の付着した稲葉切片を取り出して、飼育用カップまたはトレイ内の固形飼料に固定させた。卵を孵化させて、バイオアッセイにおよび昆虫培養の維持に新生幼虫を利用可能であった。試験および飼育中、条件は、28±2℃、相対湿度80±5%、光周期は明期:暗期=16:8時間であった。 同じ人工飼料をバイオアッセイに使用したが、この場合、飼料を24ウェル・プレートに均等に注ぎ、各ウェルには飼料1mLが含まれた。飼料を設置すると直ぐに、試験用調剤50μLを(1μg/μLの標的のdsRNA)を飼料の表面(2cm2)に適用した。dsRNA溶液は乾燥させて、各ウェルに一齢の蛾の幼虫を置いた。7日後、マルチウェル・プレート内の新しい処理済み飼料に幼虫を移した。14日後(バイオアッセイ開始後14日目)、昆虫の生死個体数を記録して、以上を調べた。処理毎に、幼虫計24匹を試験した。 処理済み稲をニカメイガの新生幼虫に与える代替バイオアッセイを実施した。インディカ米品種Taichung native 1の小葉切片を、1μg/μLの標的dsRNAを含む0.05% Triton X−100に浸し、乾燥させて、ゲル化2%アガーを含む24マルチウェル・プレートの1ウェルに各切片を置いた。飼育トレイから各dsRNA処理済み葉切片に新生幼虫2匹を移した(24匹/処理)。4、8日間後、新鮮な処理済み稲切片に幼虫を移した。4、8、および12日目に幼虫の生死個体数を評価し、異常も記録した。 E.昆虫−活性化二本鎖RNAの細菌生産に適したベクター内でのSSB遺伝子断片のクローニング 以下は、細菌宿主内での二本鎖RNA発現ベクター内へのSSB遺伝子標的に対応するDNA断片のクローニングの例であり、もっともT7プロモーターまたは細菌内での効率的発現用の他のプロモーターを含む任意のベクターを使用できる(WO第0001846号参照)。 増幅に使用した特異的プライマーの配列を表(Table)8に示している。使用したテンプレートは、標的配列のいずれかを含むpCR8/GW/topoベクターである。以下の条件のPCR反応においてプライマーを使用した:98℃5分、続いて98℃10秒、55℃30秒、72℃2分を30サイクル、続いて72℃10分。結果として得たPCR断片をアガロースゲル(QIAquick Gel Extraction kit,カタログ番号28706,Qiagen社)で分離・精製し、平滑末端にしてSrf Iで線形化したpGNA49Aベクター(WO第00188121A1号)にクローニングして、配列を決定した。結果として得たPCR産物の配列は、表(Table)8−CSに示す各配列に対応する。この配列を保有する組み換えベクターをpGBNJ00XXと名付けた。 F.2種の大腸菌株(1)AB309−105、および(2)BL21(DE3)における二本鎖RNA標的の発現および産生 下記の手順に従って、細菌内において昆虫標的に対する昆虫‐活性化二本鎖RNAを適切なレベルにまで発現させた。野生型RNaseIII保有細菌BL21(DE3)との比較で、RNaseIII欠損株AB309−105を使用した。AB309−105およびBL21(DE3)の形質転換 300ngのプラスミドを加えて、氷冷させた50μLの化学コンピテント大腸菌株AB309−105またはBL21(DE3)にゆっくりと混合させた。細胞を氷上で20分間インキュベートさせて、37℃、5分間のヒートショック処理を施し、その後、細胞を更に5分間氷上に戻した。室温のSOC培地450μLをこの細胞に加えて、懸濁液をシェーカー(250rpm)で37℃、1時間培養させた。100μg/mLカルベニシリン抗生物質を添加したLB培地150mLの入った500mL三角フラスコに細菌懸濁液100μLを移した。37℃のInnova 4430シェーカー(250rpm)で一晩(16〜18時間)培養物を培養した。 AB309−105およびBL21(DE3)における二本鎖RNA発現の化学誘導発現制御のための全ての遺伝要素が存在するため、細菌株AB309−105またはBL21(DE3)における組み換えベクターpGBNJ003からの二本鎖RNAの発現は可能となっている。化学誘導物質イソプロピルチオガラクトシド(IPTG)の存在下で、反対方向のT7プロモーターに挟まれているため、T7ポリメラーゼはアンチセンスおよびセンスの両方向で標的配列の転写を促進させる。 適切な分光光度計を使用して細菌の一晩培養物のOD600nmを測定し、新しいLB培地を添加して値を1に調整した。この培養物50mLを50mLファルコン・チューブに移して、培養物を3000gで10分間、15℃で遠心分離させた。上精を除去して、細菌沈殿物を100μg/mLカルベニシリン、1mM IPTGを添加した新しいS完全培地(5μg/mLコレステロール添加SNC培地)50mL中に再懸濁させた。室温で2〜4時間、細菌に誘導をかけた。細菌の熱処理 試験プレート内における人工飼料の混入リスクを最小限にするために、細菌を熱処理で殺した。しかし、RNA干渉のため、二本鎖RNA発現細菌の熱処理は、昆虫に対する毒性誘導に必須ではない。誘導をかけた細菌培養物を室温で10分間、3000gの遠心分離にかけて、上精を捨て、沈殿を80℃の水浴に20分間浸した。熱処理後、細菌の沈殿を1.5mLのMilliQ水に再懸濁させて、懸濁液をマイクロチューブに移した。数本のチューブを準備して、補給毎にバイオアッセイに使用した。チューブは使用まで−20℃で保存した。 G.Chilo suppressalisに対するdsRNA標的を発現する大腸菌を試験するための実験植物バイオアッセイ 化学誘発性のdsRNA発現細菌の懸濁液を植物全体に噴霧して、SSBに植物を餌として与えた。SSBは植物生育室内で生育させた。500mLプラスチック・ボトルを逆さまにして、首部分をしっかりと鉢内の土壌中に固定し、底部を切り開くことで、植物を囲み、細目ナイロン・メッシュで覆って、通気が可能になり、内部凝結を減らし、幼虫が逃げるのを防いだ。囲い内の各処理済み植物上にSSBを置いた。pGBNJ001プラスミドまたはpGN29プラスミドを保有する大腸菌AB309−105の懸濁液で植物を処理した。異なる量の細菌を植物に適用した:例、66、22、および7ユニット(ここで1ユニットは波長600nmで光学濃度1の細菌懸濁液1mL中の109個の細菌と定義する)。それぞれの場合で、気化器を使用して総量1〜10mLを植物に噴霧した。この試験では、処理毎に1植物を使用した。生存個体数を数え、各生存個体の重量を記録した。 pGBNJ003から標的dsRNAを発現する大腸菌株AB309−105の懸濁液を植物に噴霧することで、pGN29の対照と比較して、昆虫の生存率が劇的に上昇した。これらの実験では、昆虫の生存率および生き残った幼虫での成長/発生の遅延における大幅な上昇という観点から、野生型またはRNaseIII欠損細菌発現系において産生させた昆虫遺伝子の標的配列に対応する二本鎖RNAが、昆虫に対して有毒であることが示された。これらの実験から、昆虫の遺伝子標的に対応する二本鎖RNAを発現する細菌から成る製剤のスプレーを利用することで、植物/作物を昆虫による損傷から効果的に保護できることが例示されることも明らかである。 実施例9:Plutella xylostella(コナガ) A.Plutella xylostellaの部分配列のクローニング TRIzol試薬(カタログ番号15596-026/15596-018、Invitrogen社、米国メリーランド州ロックビル)を使用して、使用説明書に従って、異なる全ての幼虫期のPlutella xylostella(コナガ;入手先:Dr. Lara Senior, Insect Investigations Ltd., Capital Business Park, Wentloog, Cardiff, CF3 2PX, 英国ウェールズ)から無傷の高品質RNAを単離した。使用説明書に従ったDNase(カタログ番号1700,Promega社)処理によってRNA調製物に存在するゲノムDNAを除去した。市販のキット(SuperScriptTM(商標)III Reverse Transcriptase,カタログ番号18080044,Invitrogen社、米国メリーランド州ロックビル)使用して、使用説明書に従って、cDNAを合成した。 PX001、PX009、PX010、PX015、PX016遺伝子の一部を含むcDNA配列を単離するために、Amplitaq Gold(カタログ番号N8080240,Applied Biosystems社)を使用して、使用説明書に従って、変性プライマーによる一連のPCR反応を実施した。 各遺伝子の増幅に使用する変性プライマーの配列を表(Table)2−PXに示している。以下の条件の各PCR反応にこれらのプライマーを使用した:95℃10分、続いて95℃30秒、50℃1分、72℃1分30秒を40サイクル、続いて72℃7分(PX001、PX009、PX015、PX016);95℃10分、続いて95℃30秒、54℃1分、72℃2分30秒を40サイクル、続いて72℃7分(PX010)。結果として得たPCR断片をアガロースゲル(QIAquick Gel Extraction kit,カタログ番号28706,Qiagen社)で分離・精製して、pCR8/GW/TOPOベクター(カタログ番号K2500−20,Invitrogen社)にクローニングして、塩基配列を決定した。表(Table)2−PXに示すように、結果として得たPCR産物の配列を各配列番号で示し、部分配列と呼ぶ。表(Table)3−PXに示すように、対応する部分アミノ酸配列を各配列番号で示した。 B.Plutella xylostella遺伝子のdsRNA産生 市販のキットT7 RibomaxTM(商標)Express RNAi System(カタログ番号P1700、Promega社)を使用してミリグラム量のdsRNAを合成した。最初に、2つの別々のPCR反応において2つ別々の5’T7 RNAポリメラーゼ・プロモーター・テンプレートを作製して、各反応にはT7プロモーターに対して異なる方向の標的配列を含んでいた。 各標的遺伝子について、特異的T7フォーワード・プライマーおよびリバース・プライマーを使用してセンスT7テンプレートを作製した。各標的遺伝子のセンス・テンプレート増幅用の各プライマーの配列を表(Table)8−PXに示している。PCR反応の条件は以下の通りである:95℃1分、続いて95℃30秒、60℃30秒(1サイクルごとに温度を0.5℃下げる)、72℃1分を20サイクル、続いて95℃30秒、50℃30秒、72℃1分を15サイクル、続いて72℃10分。上記と同じ条件のPCR反応において、特異的T7フォーワード・プライマーおよびリバース・プライマーを使用してアンチセンスT7テンプレートを作製した。各標的遺伝子のアンチセンス・テンプレート増幅用の各プライマーの配列を表(Table)8−PXに示している。結果として得たPCR産物をアガロースゲルで分離して、PCR精製キット(Qiaquick PCR Purification Kit,カタログ番号28106,Qiagen社)およびNaClO4沈殿で精製した。使用説明書に従って、作製したT7フォーワードおよびリバース・テンプレートを混合させて、転写させ、結果として得たRNA鎖をアニーリングさせて、DNaseおよびRNase処理して、酢酸ナトリウムで精製した。各標的遺伝子について、結果として得たdsRNAのセンス鎖を表(Table)8−PXに示している。 C.植物ベクターpK7GWIWG2D(II)内へのPlutella xylostella遺伝子の組み換え RNA干渉の機序はdsRNA断片を介して機能するため、先に選択した標的遺伝子の標的ヌクレオチド配列をイントロン−CmR−イントロン(CmRはクロラムフェニコール耐性マーカー)を隔ててアンチセンスおよびセンス方向でクローニングして、dsRNAヘアピン・コンストラクトを形成させる。attLを含む挿入クローン(実施例1参照)とattRを含む目的ベクター(=pK7GWIWG2D(II))間でのLR組み換え反応を利用してこれらのヘアピン・コンストラクトを作製する。材料移動契約により、VIB/Plant Systems Biologyから植物ベクターpK7GWIWG2D(II)を入手した。LR Clonase(商標)II enzyme mix(カタログ番号11791-020,Invitrogen)を使用して、使用説明書に従って、LR組み換え反応を実施した。これらのクローニング実験によって、プロモーター−センス−イントロン−CmR−イントロン−アンチセンス方向(プロモーターは植物で機能する35Sプロモーターである)の各標的遺伝子のいずれかのヘアピン・コンストラクトがもたらされる。35Sプロモーターを伴うバイナリーベクターpK7GWIWG2D(II)は、A.tumefaciens内への形質転換に適している。 異なる標的を含むpCR8/GW/TOPOプラスミドを制限酵素で切断した(実施例2参照)。Qiaquick Gel Extraction Kit(カタログ番号28706、Qiagen)を使用して、attL部位に挾まれた目的遺伝子を含むバンドを精製した。精製断片150ngとpK7GWIWG2D(II)150ngをLR clonase II酵素と共に加えて、25℃で少なくとも1時間インキュベートさせた。プロテイナーゼK溶液での処理後(37℃で10分間)、組み換え混合物の全量をTop 10化学コンピテント細胞に形質転換させた。陽性クローンを制限酵素切断分析で選択した。 C.人工飼料を使用した、dsRNA標的のPlutella xylostellaの幼虫に対する活性を試験するための実験 Plutella xylostella(コナガ)はInsect Investigations Ltd.で維持した(入手先:Newcastle University,Newcastle-upon-Tyne,英国)。キャベツ葉で昆虫を飼育した。一齢の雌雄同体幼虫(1日齢前後)を試験用に選んだ。エッペンドルフ・チューブ(容積1.5mL)内で昆虫を維持した。使用説明書に従って調製した、市販のコナガ用飼料(Bio-Serv,米国ニュージャージー州)を各チューブのフタ内に置いた(容積0.25mL、直径8mm)。まだ液状のうちに、飼料を平らにして、余分を除いて、表面を平らにした。 飼料を設置すると直ぐに、試験製剤を飼料表面に適用した(複製物当たり未希釈製剤25μL(1μg/μL dsRNA標的))。試験製剤を乾燥させて、一齢の蛾の幼虫を各チューブ内に置いた。フタ内の飼料表面に幼虫を置いて、注意深くチューブを閉じた。チューブを逆さまにしてフタを下にして保存し、各幼虫が飼料表面にいるままにした。週2回、幼虫を新しい飼料の入った新しいエッペンドルフ・チューブに移した。試験の最初の2週間、昆虫に処理済み飼料を与え、その後は未処理飼料を与えた。 計38日間にわたり週2回、評価を実施し、38日目には全ての幼虫が死んでいた。各評価において、昆虫の生死を評価し、異常を調べた。各処理について、単一の幼虫で40回繰り返した。試験中、試験条件は23〜26℃、相対湿度50〜60%、光周期は明期:暗期=16:8時間であった。 E.昆虫−活性化二本鎖RNAの細菌産生に適したベクター内でのDBM遺伝子断片のクローニング 以下は、細菌宿主内での二本鎖RNA発現ベクター内へのDBM遺伝子標的に対応するDNA断片のクローニングの例であり、もっともT7プロモーターまたは細菌内での効率的発現用の他のプロモーターを含む任意のベクターを使用できる(WO第0001846号参照)。 増幅に使用した特異的プライマーの配列を表(Table)8−PXに示している。使用したテンプレートは、標的配列のいずれかを含むpCR8/GW/topoベクターである。以下の条件のPCR反応においてプライマーを使用した:98℃5分、続いて98℃10秒、55℃30秒、72℃2分を30サイクル、続いて72℃10分。結果として得たPCR断片をアガロースゲル(QIAquick Gel Extraction kit,カタログ番号28706,Qiagen社)で分離・精製し、平滑末端にしてSrf Iで線形化したpGNA49Aベクター(WO第00188121A1号)にクローニングして、配列を決定した。結果として得たPCR産物の配列は、表(Table)8−PXに示す各配列に対応する。この配列を保有する組み換えベクターをpGBNJ00XXと名付けた。 F.2種の大腸菌株(1)AB309−105、および(2)BL21(DE3)における二本鎖RNA標的の発現および産生 下記の手順に従って、細菌内において昆虫標的に対する昆虫‐活性化二本鎖RNAを適切なレベルにまで発現させた。野生型RNaseIII保有細菌BL21(DE3)との比較で、RNaseIII欠損株AB309−105を使用した。AB309−105およびBL21(DE3)の形質転換 300ngのプラスミドを加えて、氷冷させた50μLの化学コンピテント大腸菌株AB309−105またはBL21(DE3)にゆっくりと混合させた。細胞を氷上で20分間インキュベートさせて、37℃、5分間のヒートショック処理を施し、その後、細胞を更に5分間氷上に戻した。室温のSOC培地450μLをこの細胞に加えて、懸濁液をシェーカー(250rpm)で37℃、1時間培養させた。100μg/mLカルベニシリン抗生物質を添加したLB培地150mLの入った500mL三角フラスコに細菌懸濁液100μLを移した。37℃のInnova 4430シェーカー(250rpm)で一晩(16〜18時間)培養物を培養した。 AB309−105およびBL21(DE3)における二本鎖RNA発現の化学誘導発現制御のための全ての遺伝要素が存在するため、細菌株AB309−105またはBL21(DE3)における組み換えベクターpGBNJ003からの二本鎖RNAの発現は可能となっている。化学誘導物質イソプロピルチオガラクトシド(IPTG)の存在下で、反対方向のT7プロモーターに挟まれているため、T7ポリメラーゼはアンチセンスおよびセンスの両方向で標的配列の転写を促進させる。 適切な分光光度計を使用して細菌の一晩培養物のOD600nmを測定し、新しいLB培地を添加して値を1に調整した。この培養物50mLを50mLファルコン・チューブに移して、培養物を3000gで10分間、15℃で遠心分離させた。上精を除去して、細菌沈殿物を100μg/mLカルベニシリン、1mM IPTGを添加した新しいS完全培地(5μg/mLコレステロール添加SNC培地)50mL中に再懸濁させた。室温で2〜4時間、細菌に誘導をかけた。細菌の熱処理 試験プレート内における人工飼料の混入リスクを最小限にするために、細菌を熱処理で殺した。しかし、RNA干渉のため、二本鎖RNA発現細菌の熱処理は、昆虫に対する毒性誘導に必須ではない。誘導をかけた細菌培養物を室温で10分間、3000gの遠心分離にかけて、上精を捨て、沈殿物を80℃の水浴に20分間浸した。熱処理後、細菌の沈殿を1.5mLのMilliQ水に再懸濁させて、懸濁液をマイクロチューブに移した。数本のチューブを準備して、補給毎にバイオアッセイに使用した。チューブは使用まで−20℃で保存した。 G.Plutella xylostellaに対するdsRNA標的を発現する大腸菌を試験するための実験植物バイオアッセイ 化学誘発性のdsRNA発現細菌の懸濁液を植物全体に噴霧して、DBMに植物を餌として与えた。DBMは植物生育室内で生育させた。500mLプラスチック・ボトルを逆さまにして、首部分をしっかりと鉢内の土壌中に固定し、底部を切り開くことで、植物を囲み、細目ナイロン・メッシュで覆って、通気が可能になり、内部凝結を減らし、幼虫が逃げるのを防いだ。囲い内の各処理済み植物上にDBMを置いた。pGBNJ001プラスミドまたはpGN29プラスミドを保有する大腸菌AB309−105の懸濁液で植物を処理した。異なる量の細菌を植物に適用した:例、66、22、および7ユニット(ここで1ユニットは波長600nmで光学濃度1の細菌懸濁液1mL中の109個の細菌と定義する)。それぞれの場合で、気化器を使用して総量1〜10mLを植物に噴霧した。この試験では、処理毎に1植物を使用した。生存個体数を数え、各生存個体の重量を記録した。 pGBNJ003から標的dsRNAを発現する大腸菌株AB309−105の懸濁液を植物に噴霧することで、pGN29の対照と比較して、昆虫の生存率が劇的に上昇した。これらの実験では、昆虫の生存率および生き残った幼虫での成長/発生の遅延における大幅な上昇という観点から、野生型またはRNaseIII欠損細菌発現系において産生させた昆虫遺伝子の標的配列に対応する二本鎖RNAが、昆虫に対して有毒であることが示された。これらの実験から、昆虫の遺伝子標的に対応する二本鎖RNAを発現する細菌から成る製剤のスプレーを利用することで、植物/作物を昆虫による損傷から効果的に保護できることが例示されることも明らかである。 実施例12:Acheta domesticus(イエコオロギ) A.Acheta domesticusの部分配列のクローニング TRIzol試薬(カタログ番号15596-026/15596-018、Invitrogen社、米国メリーランド州ロックビル)を使用して、使用説明書に従って、異なる全ての昆虫期のAcheta domesticus(イエコオロギ;入手先:Dr. Lara Senior, Insect Investigations Ltd., Capital Business Park, Wentloog, Cardiff, CF3 2PX, 英国ウェールズ)から完全な高品質RNAを単離した。使用説明書に従ったDNase(カタログ番号1700,Promega社)処理によってRNA調製物に存在するゲノムDNAを除去した。市販のキット(SuperScriptTM(商標)III Reverse Transcriptase,カタログ番号18080044,Invitrogen社、米国メリーランド州ロックビル)使用して、使用説明書に従って、cDNAを合成した。 AD001、AD002、AD009、AD015、AD016遺伝子の一部を含むcDNA配列を単離するために、Amplitaq Gold(カタログ番号N8080240,Applied Biosystems社)を使用して、使用説明書に従って、変性プライマーによる一連のPCR反応を実施した。 各遺伝子の増幅に使用する変性プライマーの配列を表(Table)2−ADに示している。以下の条件の各PCR反応にこれらのプライマーを使用した:95℃10分、続いて95℃30秒、50℃1分、72℃1分30秒を40サイクル、続いて72℃7分。結果として得たPCR断片をアガロースゲル(QIAquick Gel Extraction kit,カタログ番号28706,Qiagen社)で分離・精製して、pCR8/GW/topoベクター(カタログ番号K2500-20,Invitrogen社)にクローニングして、塩基配列を決定した。表(Table)2−ADに示すように、結果として得たPCR産物の配列を各配列番号で示し、部分配列と呼ぶ。表(Table)3−ADに示すように、対応する部分アミノ酸配列を各配列番号で示した。 B.Acheta domesticus遺伝子のdsRNA産生 市販のキットT7 RibomaxTM(商標)Express RNAi System(カタログ番号P1700、Promega社)を使用してミリグラム量のdsRNAを合成した。最初に、2つの別々のPCR反応において2つ別々の5’T7 RNAポリメラーゼ・プロモーター・テンプレートを作製して、各反応にはT7プロモーターに対して異なる方向の標的配列を含んでいた。 各標的遺伝子について、特異的T7フォーワード・プライマーおよびリバース・プライマーを使用してセンスT7テンプレートを作製した。各標的遺伝子のセンス・テンプレート増幅用の各プライマーの配列を表(Table)8−ADに示している。PCR反応の条件は以下の通りである:95℃1分、続いて95℃30秒、60℃30秒(1サイクルごとに温度を0.5℃下げる)、72℃1分を20サイクル、続いて95℃30秒、50℃30秒、72℃1分を15サイクル、続いて72℃10分。上記と同じ条件のPCR反応において、特異的T7フォーワード・プライマーおよびリバース・プライマーを使用してアンチセンスT7テンプレートを作製した。各標的遺伝子のアンチセンス・テンプレート増幅用の各プライマーの配列を表(Table)8−ADに示している。結果として得たPCR産物をアガロースゲルで分離して、PCR精製キット(Qiaquick PCR Purification Kit,カタログ番号28106,Qiagen社)およびNaClO4沈殿で精製した。使用説明書に従って、作製したT7フォーワードおよびリバース・テンプレートを混合させて、転写させ、結果として得たRNA鎖をアニーリングさせて、DNaseおよびRNase処理して、酢酸ナトリウムで精製した。各標的遺伝子について、結果として得たdsRNAのセンス鎖を表(Table)8−ADに示している。 C.植物ベクターpK7GWIWG2D(II)内へのAcheta domesticus遺伝子の組み換え RNA干渉の機序はdsRNA断片を介して機能するため、先に選択した標的遺伝子の標的ヌクレオチド配列をイントロン−CmR−イントロン(CmRはクロラムフェニコール耐性マーカー)を隔ててアンチセンスおよびセンス方向でクローニングして、dsRNAヘアピン・コンストラクトを形成させる。attLを含む挿入クローン(実施例1参照)とattRを含む目的ベクター(=pK7GWIWG2D(II))間でのLR組み換え反応を利用してこれらのヘアピン・コンストラクトを作製する。材料移動契約により、VIB/Plant Systems Biologyから植物ベクターpK7GWIWG2D(II)を入手した。LR ClonaseTM(商標)II enzyme mix(カタログ番号11791-020,Invitrogen)を使用して、使用説明書に従って、LR組み換え反応を実施した。これらのクローニング実験によって、プロモーター−センス−イントロン−CmR−イントロン−アンチセンス方向(プロモーターは植物で機能する35Sプロモーターである)の各標的遺伝子のいずれかのヘアピン・コンストラクトがもたらされる。35Sプロモーターを伴う「バイナリーベクターpK7GWIWG2D(II)は、A.tumefaciens内への形質転換に適している。 異なる標的を含むpCR8/GW/TOPOプラスミドを制限酵素で切断した(実施例2参照)。Qiaquick Gel Extraction Kit(カタログ番号28706、Qiagen)を使用して、attL部位に挾まれた目的遺伝子を含むバンドを精製した。精製断片150ngとpK7GWIWG2D(II)150ngをLR clonase II酵素と共に加えて、25℃で少なくとも1時間インキュベートさせた。プロテイナーゼK溶液での処理後(37℃で10分間)、組み換え混合物の全量をTop 10化学コンピテント細胞に形質転換させた。陽性クローンを制限酵素切断分析で選択した。 D.人工飼料を使用した、dsRNA標的のAcheta domesticusの幼虫に対する活性を試験するための実験 Acheta domesticus(イエコオロギ)はInsect Investigations Ltd.で維持した(入手先:Blades Biological Ltd.,英国ケント週)。キャベツ葉で昆虫を飼育した。試験に使用するために、同じ大きさで、5日齢以上の雌雄同体の若虫を選んだ。二本鎖RNAを小麦ベースのネズミ用小麦ペレット飼料と混ぜた(ラット/マウス用の標準食、B & K Universal Ltd., Grimston,Aldbrough, Hull 英国)。飼料(BK001P)には、重量順に、以下の成分が含まれる:小麦、大豆、小麦食、大麦、ペレット結合剤、ネズミ用5ビタミン、脂肪混合物、リン酸二カルシウム、カビ炭水化物。ネズミ用のペレット飼料を粉砕して、電子レンジで熱処理して、酵素成分を不活化させた後、混合させた。全てのネズミ用飼料を同じバッチから取ることで、一貫性を保証した。粉砕した飼料とdsRNAを十分に混合させて、同じ重さの小ペレットに成形させて、室温で一晩乾燥させた。 標的およびgfp対照からの二本鎖RNAサンプル(濃度10μg/μL)を粉砕飼料1gにdsRNA溶液1mLの割合で適用することで、ペレット1g当たり10mgのdsRNAという割合にした。毎週、ペレットを交換した。試験の最初3週間にわたり、処理済みペレットを昆虫に与えた。その後、未処理ペレットを与えた。ふた付きプラスチック容器(直径9センチ、深さ4.5センチ)1個当たり昆虫10匹を保持した。各領域には、処理済み餌ペレット1個と水源1個(湿らせた球状脱脂綿)が含まれ、それぞれを別々の小さな検量ボートに置いた。実験を通して、適宜、水を補給した。 対照の全ての昆虫が死ぬか、または脱皮して成虫になるまで、週2回間隔で評価を行った(84日間で評価間隔は4日以内)。各評価において、昆虫の生死を評価し、異常を検査した。46日目以降、成虫への脱皮が始まると直ぐに、全ての昆虫(生死を問わず)について、若虫、成虫いずれであるのかを評価した。試験の55日目、生き残った昆虫の重量を測った。各処理について4回繰り返した。試験中、試験条件は25〜33℃、相対湿度20〜25%、そして光周期が明期:暗期=12:12時間であった。 E.昆虫−活性化二本鎖RNAの細菌生産に適したベクター内でのHC遺伝子断片のクローニング 以下は、細菌宿主内での二本鎖RNA発現ベクター内へのHC遺伝子標的に対応するDNA断片のクローニングの例であり、もっともT7プロモーターまたは細菌内での効率的発現用の他のプロモーターを含む任意のベクターを使用できる(WO第0001846号参照)。 増幅に使用した特異的プライマーの配列を表(Table)8に示している。使用したテンプレートは、標的配列のいずれかを含むpCR8/GW/topoベクターである。以下の条件のPCR反応においてプライマーを使用した:98℃5分、続いて98℃10秒、55℃30秒、72℃2分を30サイクル、続いて72℃10分。結果として得たPCR断片をアガロースゲル(QIAquick Gel Extraction kit,カタログ番号28706,Qiagen社)で分離・精製し、平滑末端にしてSrf Iで線形化したpGNA49Aベクター(WO第00188121A1号)にクローニングして、配列を決定した。結果として得たPCR産物の配列は、表(Table)8−ADに示す各配列に対応する。この配列を保有する組み換えベクターをpGBNJ00XXと名付けた。 F.2種の大腸菌株(1)AB309−105、および(2)BL21(DE3)における二本鎖RNA標的の発現および産生 下記の手順に従って、細菌内において昆虫標的に対する昆虫‐活性化二本鎖RNAを適切なレベルにまで発現させた。野生型RNaseIII保有細菌BL21(DE3)との比較で、RNaseIII欠損株AB309−105を使用した。AB309−105およびBL21(DE3)の形質転換 300ngのプラスミドを加えて、氷冷させた50μLの化学コンピテント大腸菌株AB309−105またはBL21(DE3)にゆっくりと混合させた。細胞を氷上で20分間インキュベートさせて、37℃、5分間のヒートショック処理を施し、その後、細胞を更に5分間氷上に戻した。室温のSOC培地450μLをこの細胞に加えて、懸濁液をシェーカー(250rpm)で37℃、1時間培養させた。100μg/mLカルベニシリン抗生物質を添加したLB培地150mLの入った500mL三角フラスコに細菌懸濁液100μLを移した。37℃のInnova 4430シェーカー(250rpm)で一晩(16〜18時間)培養物を培養した。 AB309−105およびBL21(DE3)における二本鎖RNA発現の化学誘導発現制御のための全ての遺伝要素が存在するため、細菌株AB309−105またはBL21(DE3)における組み換えベクターpGBNJ003からの二本鎖RNAの発現は可能となっている。化学誘導物質イソプロピルチオガラクトシド(IPTG)の存在下で、反対方向のT7プロモーターに挟まれているため、T7ポリメラーゼはアンチセンスおよびセンスの両方向で標的配列の転写を促進させる。 適切な分光光度計を使用して細菌の一晩培養物のOD600nmを測定し、新しいLB培地を添加して値を1に調整した。この培養物50mLを50mLファルコン・チューブに移して、培養物を3000gで10分間、15℃で遠心分離させた。上精を除去して、細菌沈殿物を100μg/mLカルベニシリン、1mM IPTGを添加した新しいS完全培地(5μg/mLコレステロール添加SNC培地)50mL中に再懸濁させた。室温で2〜4時間、細菌に誘導をかけた。細菌の熱処理 試験プレート内における人工飼料の混入リスクを最小限にするために、細菌を熱処理で殺した。しかし、RNA干渉のため、二本鎖RNA発現細菌の熱処理は、昆虫に対する毒性誘導に必須ではない。誘導をかけた細菌培養物を室温で10分間、3000gの遠心分離にかけて、上精を捨て、沈殿物を80℃の水浴に20分間浸した。熱処理後、細菌の沈殿を1.5mLのMilliQ水に再懸濁させて、懸濁液をマイクロチューブに移した。数本のチューブを準備して、補給毎にバイオアッセイに使用した。チューブは使用まで−20℃で保存した。 G.Acheta domesticusに対するdsRNA標的を発現する大腸菌を試験するための実験植物バイオアッセイ 化学誘発性のdsRNA発現細菌の懸濁液を植物全体に噴霧して、HCに植物を餌として与えた。HCは植物生育室内で生育させた。500mLプラスチック・ボトルを逆さまにして、首部分をしっかりと鉢内の土壌中に固定し、底部を切り開くことで、植物を囲み、細目ナイロン・メッシュで覆って、通気が可能になり、内部凝結を減らし、幼虫が逃げるのを防いだ。囲い内の各処理済み植物上にHCを置いた。pGBNJ001プラスミドまたはpGN29プラスミドを保有する大腸菌AB309−105の懸濁液で植物を処理した。異なる量の細菌を植物に適用した:例、66、22、および7ユニット(ここで1ユニットは波長600nmで光学濃度1の細菌懸濁液1mL中の109個の細菌と定義する)。それぞれの場合で、気化器を使用して総量1〜10mLを植物に噴霧した。この試験では、処理毎に1植物を使用した。生存個体数を数え、各生存個体の重量を記録した。 pGBNJ003から標的dsRNAを発現する大腸菌株AB309−105の懸濁液を植物に噴霧することで、pGN29の対照と比較して、昆虫の生存率が劇的に上昇した。これらの実験では、昆虫の生存率および生き残った幼虫での成長/発生の遅延における大幅な上昇という観点から、野生型またはRNaseIII欠損細菌発現系において産生させた昆虫遺伝子の標的配列に対応する二本鎖RNAが、昆虫に対して有毒であることが示された。これらの実験から、昆虫の遺伝子標的に対応する二本鎖RNAを発現する細菌から成る製剤のスプレーを利用することで、植物/作物を昆虫による損傷から効果的に保護できることが例示されることも明らかである。 実施例13:イモチ菌(イネイモチ病) A.イモチ菌の部分配列のクローニング TRIzol試薬(カタログ番号15596-026/15596-018、Invitrogen社、米国メリーランド州ロックビル)を使用して、使用説明書に従って、異なる成長期のイモチ菌から完全な高品質RNAを単離した。使用説明書に従ったDNase(カタログ番号1700,Promega社)処理によってRNA調製物に存在するゲノムDNAを除去した。市販のキット(SuperScriptTM(商標)III Reverse Transcriptase,カタログ番号1808044,Invitrogen社、米国メリーランド州ロックビル)使用して、使用説明書に従って、cDNAを合成した。 標的遺伝子の一部を含むcDNA配列を単離するために、Amplitaq Gold(カタログ番号N8080240,Applied Biosystems社)を使用して、使用説明書に従って、変性プライマーによるPCRを実施した。結果として得たPCR産物を分画して、配列を決定した。 B.イモチ菌遺伝子のdsRNA生産 市販のキットT7 RibomaxTM(商標)Express RNAi System(カタログ番号P1700、Promega社)を使用してミリグラム量のdsRNAを合成した。結果として得たPCR産物をアガロースゲルで分離して、PCR精製キット(Qiaquick PCR Purification Kit,カタログ番号28106,Qiagen社)およびNaClO4沈殿で精製した。使用説明書に従って、作製したT7フォーワードおよびリバース・テンプレートを混合させて、結果として得たRNA鎖をアニーリングさせて、DNaseおよびRNase処理して、酢酸ナトリウムで精製した。 C.植物ベクターpK7GWIWG2D(II)内へのP.grisea標的の組み換え RNA干渉の機序はdsRNA断片を介して機能するため、先に選択した標的遺伝子の標的ヌクレオチド配列をイントロン−CmR−イントロン(CmRはクロラムフェニコール耐性マーカー)を隔ててアンチセンスおよびセンス方向でクローニングして、dsRNAヘアピン・コンストラクトを形成させる。attLを含む挿入クローン(実施例A参照)とattRを含む目的ベクター(=pK7GWIWG2D(II))間でのLR組み換え反応を利用してこれらのヘアピン・コンストラクトを作製する。材料移動契約により、VIB/Plant Systems Biologyから植物ベクターpK7GWIWG2D(II)を入手した。LR ClonaseTM(商標)II enzyme mix(カタログ番号11791-020,Invitrogen)を使用して、使用説明書に従って、LR組み換え反応を実施した。これらのクローニング実験によって、プロモーター−センス−イントロン−CmR−イントロン−アンチセンス方向(プロモーターは植物で機能する35Sプロモーターである)の標的遺伝子のいずれかのヘアピン・コンストラクトがもたらされる。35Sプロモーターを伴うバイナリーベクターpK7GWIWG2D(II)は、A.tumefaciens内への形質転換に適している。 異なる標的を含むpCR8/GW/TOPOプラスミドを制限酵素で切断した(実施例B参照)。Qiaquick Gel Extraction Kit(カタログ番号28706、Qiagen)を使用して、attL部位に挾まれた目的遺伝子を含むバンドを精製した。精製断片150ngとpK7GWIWG2D(II)150ngをLR clonase II酵素と共に加えて、25℃で少なくとも1時間インキュベートさせた。プロテイナーゼK溶液での処理後(37℃で10分間)、組み換え混合物の全量をTop 10化学コンピテント細胞に形質転換させた。陽性クローンを制限酵素切断分析で選択した。 D.2種の大腸菌株(1)AB309−105、および(2)BL21(DE3)における二本鎖RNA標的の発現および産生 下記の手順に従って、細菌内において昆虫標的に対する昆虫‐活性化二本鎖RNAを適切なレベルにまで発現させた。野生型RNaseIII保有細菌BL21(DE3)との比較で、RNaseIII欠損株AB309−105を使用した。AB309−105およびBL21(DE3)の形質転換 300ngのプラスミドを加えて、氷冷させた50μLの化学コンピテント大腸菌株AB309−105またはBL21(DE3)にゆっくりと混合させた。細胞を氷上で20分間インキュベートさせて、37℃、5分間のヒートショック処理を施し、その後、細胞を更に5分間氷上に戻した。室温のSOC培地450μLをこの細胞に加えて、懸濁液をシェーカー(250rpm)で37℃、1時間培養させた。100μg/mLカルベニシリン抗生物質を添加したLB培地150mLの入った500mL三角フラスコに細菌懸濁液100μLを移した。37℃のInnova 4430シェーカー(250rpm)で一晩(16〜18時間)培養物を培養した。 AB309−105およびBL21(DE3)における二本鎖RNA発現の化学誘導発現制御のための全ての遺伝要素が存在するため、細菌株AB309−105またはBL21(DE3)における組み換えベクターpGBNJ003からの二本鎖RNAの発現は可能となっている。化学誘導物質イソプロピルチオガラクトシド(IPTG)の存在下で、反対方向のT7プロモーターに挟まれているため、T7ポリメラーゼはアンチセンスおよびセンスの両方向で標的配列の転写を促進させる。 適切な分光光度計を使用して細菌の一晩培養物のOD600nmを測定し、新しいLB培地を添加して値を1に調整した。この培養物50mLを50mLファルコン・チューブに移して、培養物を3000gで10分間、15℃で遠心分離させた。上精を除去して、細菌沈殿物を100μg/mLカルベニシリン、1mM IPTGを添加した新しいS完全培地(5μg/mLコレステロール添加SNC培地)50mL中に再懸濁させた。室温で2〜4時間、細菌に誘導をかけた。細菌の熱処理 試験プレート内における人工飼料の混入リスクを最小限にするために、細菌を熱処理で殺した。しかし、RNA干渉のため、二本鎖RNA発現細菌の熱処理は、昆虫に対する毒性誘導に必須ではない。誘導をかけた細菌培養物を室温で10分間、3000gの遠心分離にかけて、上精を捨て、沈殿物を80℃の水浴に20分間浸した。熱処理後、細菌の沈殿を1.5mLのMilliQ水に再懸濁させて、懸濁液をマイクロチューブに移した。数本のチューブを準備して、補給毎にバイオアッセイに使用した。チューブは使用まで−20℃で保存した。dsRNA処理済みマメ葉ディスク上でのE.varivestisの幼虫の生存率1μg/μLのdsRNA(標的またはgfp対照)の局所適用液剤25μLで処理したマメ葉ディスクを新生幼虫に与えた。2日後、新しいdsRNA処理済み葉ディスクに昆虫を移した。4日目、処理から幼虫を回収して、新しい未処理のマメ葉を含むプラスチックボックスに入れた。2、4、6、8、および10日目に昆虫の死亡率を算定した。0日目(分析試験の開始日)との比較で、幼虫の生存率を算出した。標的5:配列番号:576、標的10:配列番号:586、標的15:配列番号:591、標的16:配列番号:596、gfp dsRNA:配列番号:235。dsRNA処理した人工飼料でのコロラドハムシ(L.decemlineata)の生存率 dsRNA(標的またはgfp対照)の局所適用液剤50μLで処理した飼料を第2幼虫期の昆虫に与えた。7日後、飼料を、局所適用dsRNAを含む新しい飼料と交換した。昆虫の生存個体数を2、5、7、8、9、および13日目に算定した。0日目(分析開始)との比較で、幼虫の生存率を算出した。標的LD006:(配列番号:178)、標的LD007(配列番号:183)、標的LD010(配列番号:188)、標的LD011(配列番号:193)、標的LD014(配列番号:198)、gfp dsRNA(配列番号:235)。Myzus persicaeの若虫の生存率に及ぼす摂取した標的27のdsRNAの作用 2μg/μLのdsRNA(標的またはgfp対照)の液状飼料50μLを含む給餌器内に初齢幼虫を入れた。処理ごとに、各給餌器内に初齢幼虫10匹と共に5個の給餌器を設置した。バイオアッセイの開始後8日目に生存個体数を算定した。エラーバーは標準偏差を示す。標的MP027:配列番号1061、gfp dsRNA:配列番号235。dsRNA処理済み液体人工飼料上でのNilaparvata lugensの生存率 別々のバイオアッセイにおいて、2mg/mLのdsRNA標的溶液を添加した飼料を第1、2幼生期の若虫に与えた:(a)NL002、NL003、NL005、NL010、(b)NL009、NL016、(c)NL014、NL018、(d)NL013、NL015、NL021。昆虫の生存率を、飼料のみ、および同濃度のgfp dsRNA(対照)を含む飼料での生存率と比較した。2日ごとにdsRNAを含む新しい飼料と交換した。昆虫の生存個体数を毎日算定した。同上同上同上P.cochleariaeの幼虫の生存率および増殖に及ぼす摂取した標的二本鎖RNAの作用 新生幼虫に0.1μg/μL dsRNA(標的またはgfp対照)の局所適用液剤25μLで処理したアブラナ葉ディスクを与えた。2日後、新しいdsRNA処理済み葉ディスクに昆虫を移した。4日目、各処理の複製物1枚から幼虫を回収して、新しい未処理アブラナ葉を含むペトリ皿に入れた。2、4、7、9、および11日目に昆虫を算定した。(a)dsRNA処理済みアブラナ葉ディスク上でのE.varivestisの幼虫の生存率 0日目(分析試験の開始日)との比較で、幼虫の生存率を算出した。(b)dsRNA処理済みアブラナ葉ディスク上でのP.cochleariaeの幼虫の平均重量。各複製物の昆虫の重量を一緒に測り、幼虫毎に平均重量を決定した。エラーバーは標準偏差を示す。標的1:配列番号:473、標的3:配列番号:478、標的5:配列番号:483、標的10:配列番号:488、標的14:配列番号:493、標的16:配列番号:498、標的27:配列番号:503、gfp dsRNA:配列番号:235.同上標的14のdsRNAで処理した人工飼料上でのT.castaneumの幼虫の生存率 標的14のdsRNAを含む小麦粉/ミルク混合飼料を新生幼虫に与えた。対照では、飼料中に水(dsRNAなし)が含まれた。各処理について、4つ複製物(初齢幼虫10匹/複製物)を作製した。6、17、31、45、および60日目に平均割合として昆虫の生存率を算定した。0日目(分析試験の開始日)との比較で、幼虫の生存率を算出した。エラーバーは標準偏差を示す。標的TC014:配列番号:878。E.varivestisの成虫の生存率、およびsnap bean foliar insect損傷に対する耐性に及ぼす摂取した標的二本鎖RNAの作用。(a)dsRNA処理済みマメ葉ディスク上でのE.varivestisの成虫の生存率 0.1μg/μLのdsRNA(標的またはgfp対照)の局所適用液剤75μLで処理したマメ葉ディスクを成虫に与えた。24時間後、新しいdsRNA処理済み葉ディスクに昆虫を移した。更に24時間後、各処理の成虫を回収して、新しい未処理の鉢植えマメ植物全体を含むプラスチックボックスに入れた。4、5、6、7、8、および11日目に昆虫の死亡率を算定した。0日目(分析試験の開始日)との比較で、成虫の生存率を算出した。標的10:配列番号:586、標的15:配列番号:591、標的16:配列番号:596、gfp dsRNA:配列番号:235。E.varivestisの成虫の生存率、およびsnap bean foliar insect損傷に対する耐性に及ぼす摂取した標的二本鎖RNAの作用。(b) E.varivestisの成虫を原因とするマメ葉損傷に対するdsRNAによる耐性。9日目に、1つ処理での昆虫を含む全植物体((a)参照)における葉の損傷を調べた。(i)標的10、(ii)標的15E.varivestisの成虫の生存率、およびsnap bean foliar insect損傷に対する耐性に及ぼす摂取した標的二本鎖RNAの作用。(b) E.varivestisの成虫を原因とするマメ葉損傷に対するdsRNAによる耐性。9日目に、1つ処理での昆虫を含む全植物体((a)参照)における葉の損傷を調べた。(iii)標的16、(iv) gfp dsRNAE.varivestisの成虫の生存率、およびsnap bean foliar insect損傷に対する耐性に及ぼす摂取した標的二本鎖RNAの作用。(b) E.varivestisの成虫を原因とするマメ葉損傷に対するdsRNAによる耐性。9日目に、1つ処理での昆虫を含む全植物体((a)参照)における葉の損傷を調べた。(v)未処理dsRNA処理した人工飼料でのL.decemlineataの生存率 dsRNA(標的またはgfp対照)の局所適用液剤50μLで処理した飼料を第2幼虫期の昆虫に与えた。7日後にのみ、飼料を新しい飼料と交換した。昆虫の生存個体数を2、5、6、7、8、9、12、および14日目に算定した。0日目(分析開始)との比較で、幼虫の生存率を算出した。標的LD001(配列番号:163)、標的LD002(配列番号:168)、標的LD003(配列番号:173)、標的LD015(配列番号:215)、標的LD016(配列番号:220)、gfp dsRNA(配列番号:235)。異なる濃度の標的dsRNA NL002で処理した液体人工飼料上でのNilaparvata lugensの生存率 1、0.2、0.08、および0.04mg/mL(最終濃度)のNL002を添加した飼料を第1、2幼生期の若虫に与えた。2日ごとにdsRNAを含む新しい飼料と交換した。昆虫の生存個体数を毎日算定した。(a)標的PC010、(b)標的PC027の異なる濃度のdsRNAで処理したアブラナ葉ディスク上でのP.cochleariaeの生存率 dsRNAの局所適用液剤25μLで処理した葉ディスク上に新生幼虫を置いた。2日目に新しい処理済み葉ディスクに昆虫を移した。標的PC010については4日目、PC027については5日目に、新しい処理済み葉ディスクに昆虫を移した。PC010については2、4、7、8、9、および11日目、PC027については2、5、8、9、および12日目に昆虫の生存個体数を算定した。0日目(分析試験の開始日)との比較で、幼虫の生存率を算出した。同上dsRNAで処理したジャガイモ葉のディスク上でのL.decemlineata幼虫の平均重量。第2幼虫期の昆虫にdsRNA(標的LD002またはgfp)の局所適用液剤(10ng/μL)20μLで処理した葉ディスクを餌として与えた。2日後、昆虫を未処理の葉に毎日移した。マスタードハムシ(P.cochleariae)の幼虫の生存率に及ぼすdsRNA標的PC010発現大腸菌株AB309−105の作用 各処理のデータポイントは、3つの異なる複製物での平均死亡率を表す。エラーバーは標準偏差を示す。標的10:配列番号:488より短い標的LD014 dsRNAおよびコンカテマーdsRNAで処理した人工飼料でのL.decemlineataの生存率 第2幼虫期の昆虫にdsRNA(gfpまたは標的)の局所適用液剤50μLで処理した葉ディスクを与えた。昆虫の生存個体数を3、4、5、6、および7日目に算定した。0日目(分析開始)との比較で、幼虫の生存率を算出した。標的LD002(a)、標的LD007(b)、標的LD010(c)、標的LD011(d)、標的LD014(e)、標的LD015(f)、LD016(g)、および標的LD027(h)に対する様々な濃度のdsRNAで処理した人工飼料でのL. decemlineataの幼虫の生存率 dsRNAの局所適用液剤50μLで処理した飼料を第2幼虫期の昆虫に与えた。7日後、局所適用dsRNAを含む新しい飼料と交換した。昆虫の生存個体数を一定間隔で算出した。0日目(分析開始)との比較で、幼虫の生存率を算出した。同上同上同上同上同上同上同上コロラドハムシの幼虫の生存率に及ぼすdsRNA標的LD010発現大腸菌株の経時的作用 別々の人工飼料でのバイオアッセイにおいて2種の菌株を試験した:(a) AB309−105;pGBNJ003およびpGN29のデータポイントは、異なる5種の細菌クローンでの平均死亡率を示しており、(b) BL21(DE3);pGBNJ003およびpGN29のデータポイントは、異なる5種の細菌クローンおよび単一の細菌クローンでの平均死亡率の値を示す。エラーバーは標準偏差を示す。同上コロラドハムシの幼虫の生存率に及ぼす異なるクローンのdsRNA標的LD010発現大腸菌株((a) AB309−105および(b) BL21(DE3))の侵入後12日目での作用 データポイントはpGN29およびpGBNJ003の各クローンでの平均死亡率の値である。この時間点では、プラスミドpGBNJ003を保有するAB309−105のクローン1でCPB に対する死亡率100%が示された。エラーバーは標準偏差を示す。同上コロラドハムシの幼虫の増殖および発生に及ぼす異なるクローンのdsRNA標的LD010発現大腸菌株((a) AB309−105および(b) BL21(DE3))の侵入後7日目での作用 データポイントは、表(Table)10のデータに基づく、各クローン(pGN29の1クローンおよびpGBNJ003の5クローン)での幼虫の平均重量の値(%)である。飼料のみでの処理は、正常な幼虫の重量(100%)を示す。同上二本鎖RNA産生細菌を噴霧したジャガイモにおける侵入後7日目でのコロラドハムシの幼虫の生存率 幼虫の生存個体数を数えて、死亡率(%)で表した。使用した宿主菌株は、RNaseIII欠損株のAB309−105であった。昆虫の標的遺伝子はLD010であった。dsRNA産生細菌を噴霧したジャガイモを与えた、侵入後11日目に生き残っていたコロラドハムシの幼虫での増殖/発生の遅延。使用した宿主菌株は、RNaseIII欠損株のAB309−105であった。正常な幼虫の重量(%)で示されたデータ数値;飼料のみでの処理を正常な幼虫の重量(100%)とした。昆虫の標的遺伝子はLD010であった。エラーバーは標準偏差を示す。二本鎖RNA産生細菌による、侵入後7日目でのコロラドハムシの幼虫によるジャガイモ損傷に対する耐性。左:pGN29プラスミドを含む7単位のAB309−105細菌を噴霧された植物;右:pGBNJ003プラスミドを含む7単位のAb309−105細菌を噴霧された植物。1単位は、600nmでOD値が1である細菌懸濁液1mLの同等物と定義する。昆虫の標的遺伝子はLD010であった。dsRNA処理したジャガイモ葉ディスクでのL.decemlineataの成虫の生存率 最初2日間は若齢成体の成虫に二本鎖RNA処理した葉ディスクを与えて、次に未処理のジャガイモ葉に置いた。昆虫の生存個体数を定期的に算定した。動く昆虫は、生きており、普通に動くと思われる昆虫と記録した。瀕死の状態にある昆虫は、生きているが、病気であり、動きが緩慢に見える昆虫と記録した。これらの昆虫はひっくり返されても自分で戻ることができなかった。標的LD002(配列番号:168)、標的LD010(配列番号:188)、標的LD014(配列番号:198)、標的LD016(配列番号:220)、gfp dsRNA(配列番号:235)。L.decemlineataの幼虫に対して細菌が産生した標的二本鎖RNAの作用 熱処理済みのdsRNA(配列番号:188)発現細菌の懸濁液(OD1)50μLを48ウェル・プレートの各ウェル内の固形人工飼料上に局所適用した。第2幼虫期のCPB幼虫を各ウェルに入れた。7日目、(a)標的10二本鎖RNA発現細菌を含む飼料、(b)空のpGN29ベクターを有する細菌を含む飼料、そして(c)飼料のみを含むプレート内でCPB幼虫の写真を撮影した。同上同上昆虫侵入の前にジャガイモの葉に局所適用した、プラスミドpGBNJ003を有する異なる量の不活化大腸菌AB309−105株のCPB幼虫の生存率と成長に及ぼす作用 第1幼虫期の幼虫10匹に7日間、処理済みジャガイモを与えた。植物に噴霧した細菌懸濁液の量:0.25 U、0.08 U、0.025 U、0.008 Uの標的10および0.25UのpGN29(陰性対照であるMilli−Q水も含まれる)。1単位(U)は、培養液1mL(600nmでOD=1)中に存在する細菌量に等しい量と定義する。総量1.6mLを植物に噴霧した。昆虫の標的遺伝子はLD010であった。侵入後7日目、プラスミドpGBNJ003を有する不活化大腸菌AB309−105株による、CPB幼虫を原因とするジャガイモ損傷に対する耐性化。(a)水、(b)pGN29を有する0.25 Uの大腸菌AB309−105、(c)pGBNJ003を有する0.025Uの大腸菌AB309−105、(d)pGBNJ003を有する0.008Uの大腸菌AB309−105。1単位(U)は、培養液1mL(600nmでOD=1)中に存在する細菌量に等しい量と定義する。総量1.6mLを植物に噴霧した。昆虫の標的遺伝子はLD010であった。同上以下の配列番号で示される核酸配列を含む単離されたヌクレオチド配列:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、49〜158、159、160〜163、168、173、178、183、188、193、198、203、208、215、220、225、230、240〜247、249、251、253、255、257、259、275〜472、473、478、483、488、493、498、503、508〜513、515、517、519、521、533‐575、576、581、586、591、596、601、603、605、607、609、621〜767、768、773、778、783、788、793、795、797、799、801、813〜862、863、868、873、878、883、888、890、892、894、896、908〜1040、1041、1046、1051、1056、1061、1066〜1071、1073、1075、1077、1079、1081、1083、1085、1087、1089、1091、1093、1095、1097、1099、1101、1103、1105、1107、1109、1111、1113、1161〜1571、1572、1577、1582、1587、1592、1597、1602、1607、1612、1617、1622、1627、1632、1637、1642、1647、1652、1657、1662、1667、1672、1677、1682、1684、1686、1688、1690、1692、1694、1696、1698、1700、1702、1704、1730〜2039、2040、2045、2050、2055、2060、2065、2070、2075、2080、2085、2090、2095、2100、2102、2104、2106、2108、2120〜2338、2339、2344、2349、2354、2359、2364、2366、2368、2370、2372、2384〜2460、2461、2466、2471、2476、および2481。以下の配列番号のいずれかで示される核酸配列と少なくとも70%の配列同一性を有するヌクレオチド配列:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、49〜158、159、160〜163、168、173、178、183、188、193、198、203、208、215、220、225、230、240〜247、249、251、253、255、257、259、275〜472、473、478、483、488、493、498、503、508〜513、515、517、519、521、533〜575、576、581、586、591、596、601、603、605、607、609、621〜767、768、773、778、783、788、793、795、797、799、801、813〜862、863、868、873、878、883、888、890、892、894、896、908〜1040、1041、1046、1051、1056、1061、1066‐1071、1073、1075、1077、1079、1081、1083、1085、1087、1089、1091、1093、1095、1097、1099、1101、1103、1105、1107、1109、1111、1113、1161〜1571、1572、1577、1582、1587、1592、1597、1602、1607、1612、1617、1622、1627、1632、1637、1642、1647、1652、1657、1662、1667、1672、1677、1682、1684、1686、1688、1690、1692、1694、1696、1698、1700、1702、1704、1730〜2039、2040、2045、2050、2055、2060、2065、2070、2075、2080、2085、2090、2095、2100、2102、2104、2106、2108、2120〜2338、2339、2344、2349、2354、2359、2364、2366、2368、2370、2372、2384〜2460、2461、2466、2471、2476、および2481。以下の配列番号のいずれかから少なくとも17個の連続ヌクレオチドを含む遺伝子のオルソローグ(ortholog)、またはその相補体:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、49〜158、159、160、163、168、173、178、183、188、193、198、203、208、215、220、225、230、247、249、251、253、255、257、259、275〜472、473、478、483、488、493、498、503、513、515、517、519、521、533〜575、576、581、586、591、596、601、603、605、607、609、621〜767、768、773、778、783、788、793、795、797、799、801、813〜862、863、868、873、878、883、888、890、892、894、896、908〜1040、1041、1046、1051、1056、1061、1071、1073、1075、1077、1079、1081、1083、1085、1087、1089、1091、1093、1095、1097、1099、1101、1103、1105、1107、1109、1111、1113、1161〜1571、1572、1577、1582、1587、1592、1597、1602、1607、1612、1617、1622、1627、1632、1637、1642、1647、1652、1657、1662、1667、1672、1677、1682、1684、1686、1688、1690、1692、1694、1696、1698、1700、1702、1704、1730〜2039、2040、2045、2050、2055、2060、2065、2070、2075、2080、2085、2090、2095、2100、2102、2104、2106、2108、2120〜2338、2339、2344、2349、2354、2359、2364、2366、2368、2370、2372、2384〜2460、2461、2466、2471、2476、および2481。請求項1〜3のいずれかのポリヌクレオチド配列の発現によって産生される二本鎖リボヌクレオチド配列であり、リボヌクレオチド配列を植物害虫に摂取させて前記害虫の増殖を阻害する、二本鎖リボヌクレオチド配列。リボヌクレオチド配列であり、前記配列を摂取させて前記配列と実質的に相補的なヌクレオチド配列の発現を阻害する請求項4に記載のリボヌクレオチド配列。請求項1〜3のいずれかのポリヌクレオチドにより形質転換された細胞。前記細胞が植物細胞である、請求項6の細胞。請求項1〜3のいずれかのポリヌクレオチドにより形質転換された植物。植物の種子であり、前記種子が前記のポリヌクレオチドを含む、請求項8の植物の種子。植物から産生される産物であり、前記産物が、以下のいずれかの配列番号で示されるポリヌクレオチドまたはその相補体を含む、請求項8の植物から産生される産物:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、49‐158、159、160〜163、168、173、178、183、188、193、198、203、208、215、220、225、230、240〜247、249、251、253、255、257、259、275〜472、473、478、483、488、493、498、503、508〜513、515、517、519、521、533〜575、576、581、586、591、596、601、603、605、607、609、621〜767、768、773、778、783、788、793、795、797、799、801、813〜862、863、868、873、878、883、888、890、892、894、896、908‐1040、1041、1046、1051、1056、1061、1066〜1071、1073、1075、1077、1079、1081、1083、1085、1087、1089、1091、1093、1095、1097、1099、1101、1103、1105、1107、1109、1111、1113、1161〜1571、1572、1577、1582、1587、1592、1597、1602、1607、1612、1617、1622、1627、1632、1637、1642、1647、1652、1657、1662、1667、1672、1677、1682、1684、1686、1688、1690、1692、1694、1696、1698、1700、1702、1704、1730〜2039、2040、2045、2050、2055、2060、2065、2070、2075、2080、2085、2090、2095、2100、2102、2104、2106、2108、2120〜2338、2339、2344、2349、2354、2359、2364、2366、2368、2370、2372、2384〜2460、2461、2466、2471、2476、および2481。産物が、食物、飼料、繊維食品、紙、穀粉、タンパク質、でんぷん、小麦粉、貯蔵牧草、コーヒー、お茶、および油からなるグループから選択される、請求項10の産物。害虫種由来の二本鎖リボ核酸配列を含む植物。前記害虫が、昆虫、クモ形動物、甲殼類、菌類、細菌、ウイルス、線虫、扁形動物、回虫、蟯虫、鉤虫、サナダムシ、トリパノソーマ類、住血吸虫、ウシバエ、蚤、ダニ、およびシラミから成るグループから選択される、請求項12の植物。請求項12の植物において、前記配列により害虫の生物活性を阻害する、請求項12記載の植物。請求項12の植物において、前記配列により標的配列の発現を阻害する、請求項12記載の植物。請求項15の植物において、前記標的配列が、昆虫、線虫、細菌、または菌類の配列である、請求項15の植物。前記植物が細胞質雄性不稔である、請求項12の植物。害虫の生物活性を阻害するポリヌクレオチド配列を含む植物材料を害虫に与えることを含む、害虫の侵入を抑制する方法。前記ポリヌクレオチドが、以下のいずれかの配列番号で示されるか、またはその相補体である、請求項18の方法:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、49〜158、159、160〜163、168、173、178、183、188、193、198、203、208、215、220、225、230、240〜247、249、251、253、255、257、259、275〜472、473、478、483、488、493、498、503、508〜513、515、517、519、521、533〜575、576、581、586、591、596、601、603、605、607、609、621〜767、768、773、778、783、788、793、795、797、799、801、813〜862、863、868、873、878、883、888、890、892、894、896、908〜1040、1041、1046、1051、1056、1061、1066〜1071、1073、1075、1077、1079、1081、1083、1085、1087、1089、1091、1093、1095、1097、1099、1101、1103、1105、1107、1109、1111、1113、1161〜1571、1572、1577、1582、1587、1592、1597、1602、1607、1612、1617、1622、1627、1632、1637、1642、1647、1652、1657、1662、1667、1672、1677、1682、1684、1686、1688、1690、1692、1694、1696、1698、1700、1702、1704、1730〜2039、2040、2045、2050、2055、2060、2065、2070、2075、2080、2085、2090、2095、2100、2102、2104、2106、2108、2120〜2338、2339、2344、2349、2354、2359、2364、2366、2368、2370、2372、2384〜2460、2461、2466、2471、2476、および2481。標的ポリヌクレオチド配列を発現する植物を含む殺虫剤。害虫の侵入を抑制する方法であって、以下の工程を含む方法:(a)害虫内の標的配列を同定する工程;(b)前記配列を植物内に導入する工程;および(c)前記植物、またはその一部分を前記害虫に与える工程。害虫の侵入を抑制する方法であって、以下の工程を含む方法:(a)害虫内の標的配列を同定する工程;(b)第二の害虫種中でオーソロガス標的配列を探索する工程;(c)植物に前記オーソロガス配列を導入する工程;および(d)前記第二の害虫に前記植物、またはその一部分を与える工程。収穫高を向上させるための方法であって:(a)植物に請求項1〜3のいずれかのポリヌクレオチドを導入する工程;および(b)前記植物を培養して、ポリヌクレオチド発現を可能にする工程であって、前記発現によって害虫による摂食および害虫の侵入による収穫の損失を阻害する工程;を含む方法。ポリヌクレオチド発現によって、前記作物の一部分を摂取した害虫内で標的遺伝子を抑制するRNA分子が産生され、前記標的遺伝子は、該害虫による摂食、該害虫の生存、害虫細胞のアポトーシス、該害虫または任意の害虫細胞の分化および発生、該害虫の生殖、筋肉形成、筋痙攣、筋収縮、幼若ホルモンの形成および/または減少、幼若ホルモン調節、イオン調節および輸送、細胞膜電位の維持、アミノ酸生合成、アミノ酸分解、精子形成、フェロモン合成、フェロモン感知、触角形成、羽形成、脚形成、卵形成、幼生成熟、消化酵素合成、血リンパ合成、血リンパ維持、神経伝達、幼虫期移行、蛹化、蛹化からの羽化、細胞分裂、エネルギー代謝、呼吸、細胞構造の合成および維持、ヌクレオチド物質代謝、窒素代謝、水利用、水分保持、および知覚からなるグループから選択される少なくとも1つの必須の機能を発揮する、請求項23の方法。前記害虫が、昆虫、線虫、および菌類からなるグループから選択される、請求項23の方法。以下の工程を含む、商品産物を産生する方法:(a)害虫内の標的配列を同定する工程;(b)植物細胞に前記配列を導入する工程;(c)植物の産生に適した条件下で前記植物細胞を生育させる工程;および(d)前記植物またはその一部分から商品産物を産生する工程。請求項18〜19および21〜26のいずれかの方法であって、前記標的がL.decemlineata由来の遺伝子であり、前記植物が以下からなるグループから選択される、方法:アカシア、アルファルファ、リンゴ、杏、アーティチョーク、ハイノキ、アスパラガス、アボカド、バナナ、大麦、豆、ビート、カンバ、ブナノキ、ブラックベリー、ブルーベリー、ブロッコリー、メキャベツ、キャベツ、アブラナ、カンタループ、ニンジン、キャッサバ、カリフラワー、杉、シリアル、セロリ、クリノキ、桜、白菜、柑橘類、クレメンタイン、クローバー、コーヒー、コットン、カウピー豆、キュウリ、ヒノキ、なす、ニレ、エンダイブ、ユーカリ、ウイキョウ、イチジク、モミ、ゼラニウム、ブドウ、グレープフルーツ、ピーナツ、ホオズキ、ゴム毒人参、ヒッコリー、ケール、キーウィ、コールラビ、カラマツ、レタス、ニラ、レモン、ライム、バッタ、松、アジアンタム、トウモロコシ、マンゴー、カエデ、メロン、キビ、マッシュルーム、マスタード、木の実、樫、オート麦、オクラ、玉葱、オレンジ、観賞植物/花/木、パパイヤ、ヤシ、パセリ、パースニップ、エンドウ豆、桃、ピーナッツ、西洋ナシ、泥炭、ペッパー、柿、キマメ、松、パイナップル、オオバコ、プラム、ザクロ、ジャガイモ、パンプキン、赤チコリー、大根、菜種、ラズベリー、米、ライ麦、モロコシ、サルヤナギ、ホウレンソウ、モミの木、スカッシュ、イチゴ、サトウダイコン、サトウキビ、ひまわり、サツマイモ、スイートコーン、タンジェリン、お茶、タバコ、トマト、木、ライコムギ、芝草、つる草、クルミ、クレソン、スイカ、小麦、ヤムイモ、イチイ、およびズッキーニ。請求項18〜19および21〜26のいずれかの方法であって、前記標的がP.cochleariae由来の遺伝子であり、前記植物が以下からなるグループから選択される、方法:アカシア、アルファルファ、リンゴ、杏、アーティチョーク、ハイノキ、アスパラガス、アボカド、バナナ、大麦、豆、ビート、カンバ、ブナノキ、ブラックベリー、ブルーベリー、ブロッコリー、メキャベツ、キャベツ、アブラナ、カンタループ、ニンジン、キャッサバ、カリフラワー、杉、シリアル、セロリ、クリノキ、桜、白菜、柑橘類、クレメンタイン、クローバー、コーヒー、コットン、カウピー豆、キュウリ、ヒノキ、なす、ニレ、エンダイブ、ユーカリ、ウイキョウ、イチジク、モミ、ゼラニウム、ブドウ、グレープフルーツ、ピーナツ、ホオズキ、ゴム毒人参、ヒッコリー、ケール、キーウィ、コールラビ、カラマツ、レタス、ニラ、レモン、ライム、バッタ、松、アジアンタム、トウモロコシ、マンゴー、カエデ、メロン、キビ、マッシュルーム、マスタード、木の実、樫、オート麦、オクラ、玉葱、オレンジ、観賞植物/花/木、パパイヤ、ヤシ、パセリ、パースニップ、エンドウ豆、桃、ピーナッツ、西洋ナシ、泥炭、ペッパー、柿、キマメ、松、パイナップル、オオバコ、プラム、ザクロ、ジャガイモ、パンプキン、赤チコリー、大根、菜種、ラズベリー、米、ライ麦、モロコシ、サルヤナギ、ホウレンソウ、モミの木、スカッシュ、イチゴ、サトウダイコン、サトウキビ、ひまわり、サツマイモ、スイートコーン、タンジェリン、お茶、タバコ、トマト、木、ライコムギ、芝草、つる草、クルミ、クレソン、スイカ、小麦、ヤムイモ、イチイ、およびズッキーニ。請求項18〜19および21〜26のいずれかの方法であって、前記標的がE.varivetis由来の遺伝子であり、前記植物が以下からなるグループから選択される、方法:アカシア、アルファルファ、リンゴ、杏、アーティチョーク、ハイノキ、アスパラガス、アボカド、バナナ、大麦、豆、ビート、カンバ、ブナノキ、ブラックベリー、ブルーベリー、ブロッコリー、メキャベツ、キャベツ、アブラナ、カンタループ、ニンジン、キャッサバ、カリフラワー、杉、シリアル、セロリ、クリノキ、桜、白菜、柑橘類、クレメンタイン、クローバー、コーヒー、コットン、カウピー豆、キュウリ、ヒノキ、なす、ニレ、エンダイブ、ユーカリ、ウイキョウ、イチジク、モミ、ゼラニウム、ブドウ、グレープフルーツ、ピーナツ、ホオズキ、ゴム毒人参、ヒッコリー、ケール、キーウィ、コールラビ、カラマツ、レタス、ニラ、レモン、ライム、バッタ、松、アジアンタム、トウモロコシ、マンゴー、カエデ、メロン、キビ、マッシュルーム、マスタード、木の実、樫、オート麦、オクラ、玉葱、オレンジ、観賞植物/花/木、パパイヤ、ヤシ、パセリ、パースニップ、エンドウ豆、桃、ピーナッツ、西洋ナシ、泥炭、ペッパー、柿、キマメ、松、パイナップル、オオバコ、プラム、ザクロ、ジャガイモ、パンプキン、赤チコリー、大根、菜種、ラズベリー、米、ライ麦、モロコシ、サルヤナギ、ホウレンソウ、モミの木、スカッシュ、イチゴ、サトウダイコン、サトウキビ、ひまわり、サツマイモ、スイートコーン、タンジェリン、お茶、タバコ、トマト、木、ライコムギ、芝草、つる草、クルミ、クレソン、スイカ、小麦、ヤムイモ、イチイ、およびズッキーニ。請求項18〜19および21〜26のいずれかの方法であって、前記標的がA.grandis由来の遺伝子であり、前記植物が以下からなるグループから選択される、方法:アカシア、アルファルファ、リンゴ、杏、アーティチョーク、ハイノキ、アスパラガス、アボカド、バナナ、大麦、豆、ビート、カンバ、ブナノキ、ブラックベリー、ブルーベリー、ブロッコリー、メキャベツ、キャベツ、アブラナ、カンタループ、ニンジン、キャッサバ、カリフラワー、杉、シリアル、セロリ、クリノキ、桜、白菜、柑橘類、クレメンタイン、クローバー、コーヒー、コットン、カウピー豆、キュウリ、ヒノキ、なす、ニレ、エンダイブ、ユーカリ、ウイキョウ、イチジク、モミ、ゼラニウム、ブドウ、グレープフルーツ、ピーナツ、ホオズキ、ゴム毒人参、ヒッコリー、ケール、キーウィ、コールラビ、カラマツ、レタス、ニラ、レモン、ライム、バッタ、松、アジアンタム、トウモロコシ、マンゴー、カエデ、メロン、キビ、マッシュルーム、マスタード、木の実、樫、オート麦、オクラ、玉葱、オレンジ、観賞植物/花/木、パパイヤ、ヤシ、パセリ、パースニップ、エンドウ豆、桃、ピーナッツ、西洋ナシ、泥炭、ペッパー、柿、キマメ、松、パイナップル、オオバコ、プラム、ザクロ、ジャガイモ、パンプキン、赤チコリー、大根、菜種、ラズベリー、米、ライ麦、モロコシ、サルヤナギ、ホウレンソウ、モミの木、スカッシュ、イチゴ、サトウダイコン、サトウキビ、ひまわり、サツマイモ、スイートコーン、タンジェリン、お茶、タバコ、トマト、木、ライコムギ、芝草、つる草、クルミ、クレソン、スイカ、小麦、ヤムイモ、イチイ、およびズッキーニ。請求項18〜19および21〜26のいずれかの方法であって、前記標的がT.castaneum由来の遺伝子であり、前記植物が以下からなるグループから選択される、方法:アカシア、アルファルファ、リンゴ、杏、アーティチョーク、ハイノキ、アスパラガス、アボカド、バナナ、大麦、豆、ビート、カンバ、ブナノキ、ブラックベリー、ブルーベリー、ブロッコリー、メキャベツ、キャベツ、アブラナ、カンタループ、ニンジン、キャッサバ、カリフラワー、杉、シリアル、セロリ、クリノキ、桜、白菜、柑橘類、クレメンタイン、クローバー、コーヒー、コットン、カウピー豆、キュウリ、ヒノキ、なす、ニレ、エンダイブ、ユーカリ、ウイキョウ、イチジク、モミ、ゼラニウム、ブドウ、グレープフルーツ、ピーナツ、ホオズキ、ゴム毒人参、ヒッコリー、ケール、キーウィ、コールラビ、カラマツ、レタス、ニラ、レモン、ライム、バッタ、松、アジアンタム、トウモロコシ、マンゴー、カエデ、メロン、キビ、マッシュルーム、マスタード、木の実、樫、オート麦、オクラ、玉葱、オレンジ、観賞植物/花/木、パパイヤ、ヤシ、パセリ、パースニップ、エンドウ豆、桃、ピーナッツ、西洋ナシ、泥炭、ペッパー、柿、キマメ、松、パイナップル、オオバコ、プラム、ザクロ、ジャガイモ、パンプキン、赤チコリー、大根、菜種、ラズベリー、米、ライ麦、モロコシ、サルヤナギ、ホウレンソウ、モミの木、スカッシュ、イチゴ、サトウダイコン、サトウキビ、ひまわり、サツマイモ、スイートコーン、タンジェリン、お茶、タバコ、トマト、木、ライコムギ、芝草、つる草、クルミ、クレソン、スイカ、小麦、ヤムイモ、イチイ、およびズッキーニ。請求項18〜19および21〜26のいずれかの方法であって、前記標的がM.persicae由来の遺伝子であり、前記植物が以下からなるグループから選択される、方法:アカシア、アルファルファ、リンゴ、杏、アーティチョーク、ハイノキ、アスパラガス、アボカド、バナナ、大麦、豆、ビート、カンバ、ブナノキ、ブラックベリー、ブルーベリー、ブロッコリー、メキャベツ、キャベツ、アブラナ、カンタループ、ニンジン、キャッサバ、カリフラワー、杉、シリアル、セロリ、クリノキ、桜、白菜、柑橘類、クレメンタイン、クローバー、コーヒー、コットン、カウピー豆、キュウリ、ヒノキ、なす、ニレ、エンダイブ、ユーカリ、ウイキョウ、イチジク、モミ、ゼラニウム、ブドウ、グレープフルーツ、ピーナツ、ホオズキ、ゴム毒人参、ヒッコリー、ケール、キーウィ、コールラビ、カラマツ、レタス、ニラ、レモン、ライム、バッタ、松、アジアンタム、トウモロコシ、マンゴー、カエデ、メロン、キビ、マッシュルーム、マスタード、木の実、樫、オート麦、オクラ、玉葱、オレンジ、観賞植物/花/木、パパイヤ、ヤシ、パセリ、パースニップ、エンドウ豆、桃、ピーナッツ、西洋ナシ、泥炭、ペッパー、柿、キマメ、松、パイナップル、オオバコ、プラム、ザクロ、ジャガイモ、パンプキン、赤チコリー、大根、菜種、ラズベリー、米、ライ麦、モロコシ、サルヤナギ、ホウレンソウ、モミの木、スカッシュ、イチゴ、サトウダイコン、サトウキビ、ひまわり、サツマイモ、スイートコーン、タンジェリン、お茶、タバコ、トマト、木、ライコムギ、芝草、つる草、クルミ、クレソン、スイカ、小麦、ヤムイモ、イチイ、およびズッキーニ。請求項18〜19および21〜26のいずれかの方法であって、前記標的がN.lugens由来の遺伝子であり、前記植物が以下からなるグループから選択される、方法:アカシア、アルファルファ、リンゴ、杏、アーティチョーク、ハイノキ、アスパラガス、アボカド、バナナ、大麦、豆、ビート、カンバ、ブナノキ、ブラックベリー、ブルーベリー、ブロッコリー、メキャベツ、キャベツ、アブラナ、カンタループ、ニンジン、キャッサバ、カリフラワー、杉、シリアル、セロリ、クリノキ、桜、白菜、柑橘類、クレメンタイン、クローバー、コーヒー、コットン、カウピー豆、キュウリ、ヒノキ、なす、ニレ、エンダイブ、ユーカリ、ウイキョウ、イチジク、モミ、ゼラニウム、ブドウ、グレープフルーツ、ピーナツ、ホオズキ、ゴム毒人参、ヒッコリー、ケール、キーウィ、コールラビ、カラマツ、レタス、ニラ、レモン、ライム、バッタ、松、アジアンタム、トウモロコシ、マンゴー、カエデ、メロン、キビ、マッシュルーム、マスタード、木の実、樫、オート麦、オクラ、玉葱、オレンジ、観賞植物/花/木、パパイヤ、ヤシ、パセリ、パースニップ、エンドウ豆、桃、ピーナッツ、西洋ナシ、泥炭、ペッパー、柿、キマメ、松、パイナップル、オオバコ、プラム、ザクロ、ジャガイモ、パンプキン、赤チコリー、大根、菜種、ラズベリー、米、ライ麦、モロコシ、サルヤナギ、ホウレンソウ、モミの木、スカッシュ、イチゴ、サトウダイコン、サトウキビ、ひまわり、サツマイモ、スイートコーン、タンジェリン、お茶、タバコ、トマト、木、ライコムギ、芝草、つる草、クルミ、クレソン、スイカ、小麦、ヤムイモ、イチイ、およびズッキーニ。請求項18〜19および21〜26のいずれかの方法であって、前記標的がC.suppressalis由来の遺伝子であり、前記植物が以下からなるグループから選択される、方法:アカシア、アルファルファ、リンゴ、杏、アーティチョーク、ハイノキ、アスパラガス、アボカド、バナナ、大麦、豆、ビート、カンバ、ブナノキ、ブラックベリー、ブルーベリー、ブロッコリー、メキャベツ、キャベツ、アブラナ、カンタループ、ニンジン、キャッサバ、カリフラワー、杉、シリアル、セロリ、クリノキ、桜、白菜、柑橘類、クレメンタイン、クローバー、コーヒー、コットン、カウピー豆、キュウリ、ヒノキ、なす、ニレ、エンダイブ、ユーカリ、ウイキョウ、イチジク、モミ、ゼラニウム、ブドウ、グレープフルーツ、ピーナツ、ホオズキ、ゴム毒人参、ヒッコリー、ケール、キーウィ、コールラビ、カラマツ、レタス、ニラ、レモン、ライム、バッタ、松、アジアンタム、トウモロコシ、マンゴー、カエデ、メロン、キビ、マッシュルーム、マスタード、木の実、樫、オート麦、オクラ、玉葱、オレンジ、観賞植物/花/木、パパイヤ、ヤシ、パセリ、パースニップ、エンドウ豆、桃、ピーナッツ、西洋ナシ、泥炭、ペッパー、柿、キマメ、松、パイナップル、オオバコ、プラム、ザクロ、ジャガイモ、パンプキン、赤チコリー、大根、菜種、ラズベリー、米、ライ麦、モロコシ、サルヤナギ、ホウレンソウ、モミの木、スカッシュ、イチゴ、サトウダイコン、サトウキビ、ひまわり、サツマイモ、スイートコーン、タンジェリン、お茶、タバコ、トマト、木、ライコムギ、芝草、つる草、クルミ、クレソン、スイカ、小麦、ヤムイモ、イチイ、およびズッキーニ。請求項18〜19および21〜26のいずれかの方法であって、前記標的がP.xylostella由来の遺伝子であり、前記植物が以下からなるグループから選択される、方法:アカシア、アルファルファ、リンゴ、杏、アーティチョーク、ハイノキ、アスパラガス、アボカド、バナナ、大麦、豆、ビート、カンバ、ブナノキ、ブラックベリー、ブルーベリー、ブロッコリー、メキャベツ、キャベツ、アブラナ、カンタループ、ニンジン、キャッサバ、カリフラワー、杉、シリアル、セロリ、クリノキ、桜、白菜、柑橘類、クレメンタイン、クローバー、コーヒー、コットン、カウピー豆、キュウリ、ヒノキ、なす、ニレ、エンダイブ、ユーカリ、ウイキョウ、イチジク、モミ、ゼラニウム、ブドウ、グレープフルーツ、ピーナツ、ホオズキ、ゴム毒人参、ヒッコリー、ケール、キーウィ、コールラビ、カラマツ、レタス、ニラ、レモン、ライム、バッタ、松、アジアンタム、トウモロコシ、マンゴー、カエデ、メロン、キビ、マッシュルーム、マスタード、木の実、樫、オート麦、オクラ、玉葱、オレンジ、観賞植物/花/木、パパイヤ、ヤシ、パセリ、パースニップ、エンドウ豆、桃、ピーナッツ、西洋ナシ、泥炭、ペッパー、柿、キマメ、松、パイナップル、オオバコ、プラム、ザクロ、ジャガイモ、パンプキン、赤チコリー、大根、菜種、ラズベリー、米、ライ麦、モロコシ、サルヤナギ、ホウレンソウ、モミの木、スカッシュ、イチゴ、サトウダイコン、サトウキビ、ひまわり、サツマイモ、スイートコーン、タンジェリン、お茶、タバコ、トマト、木、ライコムギ、芝草、つる草、クルミ、クレソン、スイカ、小麦、ヤムイモ、イチイ、およびズッキーニ。 請求項18〜19および21〜26のいずれかの方法であって、前記標的がA.domesticus由来の遺伝子であり、前記植物が以下からなるグループから選択される、方法:アカシア、アルファルファ、リンゴ、杏、アーティチョーク、ハイノキ、アスパラガス、アボカド、バナナ、大麦、豆、ビート、カンバ、ブナノキ、ブラックベリー、ブルーベリー、ブロッコリー、メキャベツ、キャベツ、アブラナ、カンタループ、ニンジン、キャッサバ、カリフラワー、杉、シリアル、セロリ、クリノキ、桜、白菜、柑橘類、クレメンタイン、クローバー、コーヒー、コットン、カウピー豆、キュウリ、ヒノキ、なす、ニレ、エンダイブ、ユーカリ、ウイキョウ、イチジク、モミ、ゼラニウム、ブドウ、グレープフルーツ、ピーナツ、ホオズキ、ゴム毒人参、ヒッコリー、ケール、キーウィ、コールラビ、カラマツ、レタス、ニラ、レモン、ライム、バッタ、松、アジアンタム、トウモロコシ、マンゴー、カエデ、メロン、キビ、マッシュルーム、マスタード、木の実、樫、オート麦、オクラ、玉葱、オレンジ、観賞植物/花/木、パパイヤ、ヤシ、パセリ、パースニップ、エンドウ豆、桃、ピーナッツ、西洋ナシ、泥炭、ペッパー、柿、キマメ、松、パイナップル、オオバコ、プラム、ザクロ、ジャガイモ、パンプキン、赤チコリー、大根、菜種、ラズベリー、米、ライ麦、モロコシ、サルヤナギ、ホウレンソウ、モミの木、スカッシュ、イチゴ、サトウダイコン、サトウキビ、ひまわり、サツマイモ、スイートコーン、タンジェリン、お茶、タバコ、トマト、木、ライコムギ、芝草、つる草、クルミ、クレソン、スイカ、小麦、ヤムイモ、イチイ、およびズッキーニ。請求項18〜19および21〜26のいずれかの方法であって、前記標的が真菌由来の遺伝子であり、前記植物が以下からなるグループから選択される、方法:アカシア、アルファルファ、リンゴ、杏、アーティチョーク、ハイノキ、アスパラガス、アボカド、バナナ、大麦、豆、ビート、カンバ、ブナノキ、ブラックベリー、ブルーベリー、ブロッコリー、メキャベツ、キャベツ、アブラナ、カンタループ、ニンジン、キャッサバ、カリフラワー、杉、シリアル、セロリ、クリノキ、桜、白菜、柑橘類、クレメンタイン、クローバー、コーヒー、コットン、カウピー豆、キュウリ、ヒノキ、なす、ニレ、エンダイブ、ユーカリ、ウイキョウ、イチジク、モミ、ゼラニウム、ブドウ、グレープフルーツ、ピーナツ、ホオズキ、ゴム毒人参、ヒッコリー、ケール、キーウィ、コールラビ、カラマツ、レタス、ニラ、レモン、ライム、バッタ、松、アジアンタム、トウモロコシ、マンゴー、カエデ、メロン、キビ、マッシュルーム、マスタード、木の実、樫、オート麦、オクラ、玉葱、オレンジ、観賞植物/花/木、パパイヤ、ヤシ、パセリ、パースニップ、エンドウ豆、桃、ピーナッツ、西洋ナシ、泥炭、ペッパー、柿、キマメ、松、パイナップル、オオバコ、プラム、ザクロ、ジャガイモ、パンプキン、赤チコリー、大根、菜種、ラズベリー、米、ライ麦、モロコシ、サルヤナギ、ホウレンソウ、モミの木、スカッシュ、イチゴ、サトウダイコン、サトウキビ、ひまわり、サツマイモ、スイートコーン、タンジェリン、お茶、タバコ、トマト、木、ライコムギ、芝草、つる草、クルミ、クレソン、スイカ、小麦、ヤムイモ、イチイ、およびズッキーニ。植物の昆虫侵入を処置するための、請求項1〜3のいずれかの単離されたヌクレオチド配列、請求項4〜5のいずれかの二本鎖リボヌクレオチド配列、請求項6〜7のいずれかの細胞、請求項12〜17のいずれかの植物、請求項10〜11のいずれかの産物の使用。植物の線虫侵入を処置するための、請求項1〜3のいずれかの単離されたヌクレオチド配列、請求項4〜5のいずれかの二本鎖リボヌクレオチド配列、請求項6〜7のいずれかの細胞、請求項12〜17のいずれかの植物、請求項10〜11のいずれかの産物の使用。植物の真菌侵入を処置するための、請求項1〜3のいずれかの単離されたヌクレオチド配列、請求項4〜5のいずれかの二本鎖リボヌクレオチド配列、請求項6〜7のいずれかの細胞、請求項12〜17のいずれかに記載の植物、請求項10〜11のいずれかに記載の産物の使用。 本発明は、二本鎖RNA分子を使用して害虫の侵入を抑制する方法に関する。本発明は、殺虫剤、および本発明の植物が産生する商品産物の他、二本鎖RNA分子を発現するトランスジェニック植物の作製方法を提供する。 配列表


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