タイトル: | 公表特許公報(A)_4,4’−ジフルオロベンゾフェノンの製造方法 |
出願番号: | 2008524406 |
年次: | 2009 |
IPC分類: | C07C 45/33,C07C 49/813,C07B 61/00 |
レーゲル ハラルド ウンゲランク マルクス JP 2009503000 公表特許公報(A) 20090129 2008524406 20060727 4,4’−ジフルオロベンゾフェノンの製造方法 エボニック フィブレ ゲーエムベーハー 508014028 須藤 雄一 100110629 レーゲル ハラルド ウンゲランク マルクス DE 102005037337.2 20050804 C07C 45/33 20060101AFI20081226BHJP C07C 49/813 20060101ALI20081226BHJP C07B 61/00 20060101ALN20081226BHJP JPC07C45/33C07C49/813C07B61/00 300 AP(BW,GH,GM,KE,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,NL,PL,PT,RO,SE,SI,SK,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,LY,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PG,PH,PL,PT,RO,RS,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,SY,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,ZA,ZM,ZW EP2006007426 20060727 WO2007014692 20070208 13 20080324 4H006 4H039 4H006AA02 4H006AC25 4H006AC44 4H006AD11 4H006AD15 4H006BA28 4H006BA34 4H006BA36 4H006BA60 4H006BB12 4H006BC10 4H006BC14 4H006BD10 4H006BD20 4H006BD42 4H006BD43 4H006BD70 4H006BE02 4H006BE30 4H039CA19 4H039CA62 4H039CC30 4H039CL25 本発明は4,4'-ジフルオロベンゾフェノンとその異性体の製造方法に関するものである。 4,4'-ジフルオロベンゾフェノン(以降4,4'-DFBPとも表記する)は、芳香族ポリエーテルケトン類を製造するための主要な出発物質である。この芳香族ポリエーテルケトン類は年々一定に増加中の生産容積を有する高性能な高分子であるので、世界中の4,4'-DFBPの毎年の生産容積はこの増加中に含まれている。最も重要なポリエーテルケトン類は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)とポリエーテルケトン(PEK)である。これらは330℃以上の融解点と高い化学的耐性を有することを特徴とする。これらの生産量のうちの小分量は、薬剤と農薬を作り出すのにも使用される。 現在、4,4'-DFBPを得るには、HEAD 他によるUS-A-2,606,183(1952)(特許文献1参照)とUS-A-2,705,730(1995)(特許文献2参照)に基づく、以下に記載する2段階の合成方法によってほとんど独占的に行われている。その第1段階は、4,4'-ジアミノジフェニルメタン(メチレンジアニリン(MDA))がHF溶液中でNaNO2によりジアゾ化されて、弗化物イオンが芳香族中にBalz-Schiemann反応の窒素の放出によりHBF4と共に導入される。(Beyer, Walter, Lehrbuchder organischen Chemie [Textbook of organic chemistry] , Hirzel, 24th edition, 2004, page 626, and Balz, Schiemann, Berichte, vol. 60, p. 1186 (1927)(非特許文献1参照))前記非特許文献1によれば、4,4'-ジフルオロジフェニルメタン(以降ジフルオロジフェニルメタンをDFDPMとも表記する)は、精製後にHNO3により酸化される。 EP-A-0004710, Staniland 他(1979)(特許文献3参照)、及び、US-A-2,563,796 (Shenk 他)(特許文献4参照)によれば、ジアゾニウム弗化物を弗化水素酸中に直接溶解して、加熱によって分解することもまた可能である。 ベンゾフェノンの合成への第2の経路はFriedel-Craftsアシル化である。そのFriedel-Craftsアシル化は以下の二つの方法のどちらかにより作用をもたらされるが、そのひとつは、US-A-4,618,762 (Desbois (1986))(特許文献5参照)による、弗化水素酸中で触媒としてホウ素三弗化物を用いてのフルオロベンゼンとホスゲンから直接もたらされるもので、もうひとつは、US-A-4,814,508 (Gors 他 (1989))(特許文献6参照)による、アルミ塩化物と塩化リチウムを触媒として用いてフルオロベンゼンと4-フルオロベンゾイルクロリドから直接もたらされるものである。 合成の第3の手段は芳香族(SNAr)の求核置換反応である。この方法では、テトラメチルアンモニウム弗化物を相間移動触媒(以降PTCとも表記する)として用いてニトロ基を弗素原子と交換する(US-A-6,274,770, Clarc 他, 2001)(特許文献7参照)か、または、ハロゲン化物をカリウム弗化物と共に弗素原子と高温下(150℃から200℃までの)で交換する(JP-A-57169441)(特許文献8参照)。更なる4,4'-ジフルオロベンゾフェノンの取得の手段はJP-A-61221146(福岡 他 1986)(特許文献9参照)に記載されている。フルオロベンゼンは、一酸化炭素と酸素と貴金属触媒の援助を受けてオートクレーブ中で反応する。 DE-A-698 15 082(特許文献10参照)には4,4'-ジニトロジニフェニルメタンからの合成について記述してある。酸化はジメチルアセトアミド中で空気により効果が与えられる。これによれば、芳香族の求核置換反応は、相間移動触媒(PTC)としてのテトラメチルアンモニウム弗化物の援助によって生じる。収率は約70%である。この反応は、60mgの出発物質が10mlの溶媒中にある状態で行われる。これはつまり、この方法が工業的に利用可能な製造方法ではないことを意味する。 U.S.A-4,978,798(特許文献11参照)は、トリハロメチルベンゼンが最初にルイス酸の存在の元で、少なくとも2つの塩化物置換基を含むハロベンゼンと反応する多段階の複雑なプロセスであることについて記載してある。そして、形成されたビスフェニルジハロメタンは、水で処置されてハロベンゼンフェノンを形成する。そして、塩化物置換基は、二段階で弗化物と交換される。 ジフルオロベンゾフェノンを製造するための異なった合成方法の探索は、数十年以上も進歩を続けてきたのであるが、それらのいずれも重大な欠点が無いものではないことを示している。 Friedel-Craftsアシル化を通した変化型では、特にその欠点は高い触媒への要求とその廃棄物である。Balz-Schiemann反応では、特に問題となるのは、弗化水素酸溶媒とテトラフルオロホウ酸の再処理である。さらに付け加えるに、大量の無機塩類を得てしまうことである。 ジフルオロベンゾフェノンを得る求核置換反応はこれまで少しの産業的意味をも獲得していない。4,4'-ジクロロベンゾフェノンは、出発物質として安価ではなく、実際に問題を二倍パラ置換されたベンゾフェノンの製造方法にただシフトさせるだけである。4,4'-ジニトロベンゾフェノンから解放されたニトロ基が硝酸塩を形成し、その硝酸塩が全くもってありうることに、その使用される温度で、かつ経済的に実行可能な濃度で副反応を引き起こすことが可能である。米国特許2,606,183号米国特許2,705,730号ヨーロッパ特許0004710号米国特許2,563,796号米国特許4,618,762号米国特許4,814,508号米国特許6,274,770号日本国特許57169441号日本国特許61221146号ドイツ国特許69815082号米国特許4,978,798号Beyer, Walter, Lehrbuch der organischenChemie [Textbook of organic chemistry] , Hirzel, 24th edition, 2004, page 626, and Balz, Schiemann, Berichte, vol. 60, p. 1186 (1927) 上で議論した先行技術を考慮すると、本発明の目的は、4,4'-ジフルオロベンゾフェノンを合成するための更なる簡単な製造方法を提供することである。この目的は、酸の触媒下で、2,4'- と4,4'-DFDPMとの異性体の混合物を形成するように、フルオロベンゼンをホルムアルデヒドとカップリングすることによって達成される。その後に続いて、前記2,4'- と4,4'-DFDPMは、それぞれ呼応するベンゾフェノンに酸化される。ベンゾフェノン異性体は再結晶化によって分離される。 この製造方法は以下の利点を有する。 1. カップリングと酸化では、副産物は別として、水だけを生じるが、ストイキオメトリックな収量で起こりうる他のどんな副産物も形成されない。 2. 両方の反応は、標準圧力と0℃と100℃の間の温度範囲内で進めることができる。このことは装置の複雑さを有意義的に減少させる。 3. 減圧加熱によって酸性触媒を再生産することが可能である。 本発明は、4,4'-ジフルオロベンゾフェノンの製造方法を提供する。その製造方法中では、第1段階で、フルオロベンゼンがホルムアルデヒドと、有機的なスルホン酸による触媒により反応して、ジフルオロジフェニルメタンを生成し、得られた生成物が分離されて、第2段階では硝酸により酸化されて、4,4'-ジフルオロベンゾフェノンを生成する。 第1段階の後に、約95%のジフルオロジフェニルメタン異性体(DFDPM)と5%のより高濃度に凝集した生成物の混合物を得る。 生成されたジフルオロジフェニルメタンは約77%の4,4'-DFDPMと23%の2,4'-DFDPMから成る。この異性体の混合物は、副産物と真空蒸留によって分離されるが、異性体毎には分離できない。 第1段階の後に、有機的なスルホン酸は、取り除かれて再処理される。 同様にDFDPMから余分なフルオロベンゼンは、真空蒸留の前に取り除かれる。 フルオロベンゼンは含弗素有機化合物への良い出発物質である、なぜなら、それが産業規模で準備されており、比較的安価であるためである。 フルオロベンゼンは反応の第1段階では過剰に使用される、そして、それは同時に溶媒でもある。溶液が希薄であればあるほど、DFDPMに比してより高濃度に凝縮された副産物の生成量はより少なくなる。 フルオロベンゼン対ホルムアルデヒドのモル比は、5:1から30:1の間であり、より望ましくは、8:1と12:1の間である。 望ましくは、ホルムアルデヒドはトリオキサンの形またはパラホルムアルデヒドの形で使用される。しかしながら、また、乾燥したガス状態のホルムアルデヒドを導入することも可能である。 触媒として適当な有機的なスルホン酸は、例えば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、m-ベンゼンジスルホン酸、ベンゼン-1,3-5-トリスルホン酸、2,4-ジニトロベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、およびフルオロベンゼンスルホン酸(以降FBSAとも表記する)、またはナフタレンジスルホン酸である。 FBSAは、メタンスルホン酸に対して、フルオロベンゼン中に溶解可能である点と、45℃未満においてさえも、比較的高温での振る舞いと同様に4,4'-DFDPMと2,4'-DFDPMとの異性体比率を好ましく無い方向にシフトさせることなく明確な早い反応速度をもたらす点との長所を有する。 p-トルエンスルホン酸との比較におけるFBSAのひとつの利点は、第1の反応段階の後に系から触媒の分解産物を取り除かなければいけないということがないことである。 FBSAの触媒としての使用がより好まれる。一般に、FBSAは4-フルオロベンゼンスルホン酸と2-フルオロベンゼンスルホン酸の異性体混合物として存在している。 第1段階における反応温度は、一般に-15℃から70℃の範囲であり、望ましくは、-15℃から45℃までの範囲、さらに望ましくは、0℃から25℃までの範囲である。 第2段階では、DFDPM異性体混合物は50℃から130℃の温度範囲で、より望ましくは、65℃から100℃までの温度範囲で硝酸によって酸化され、そして、形成した4,4'-DFBPは、再結晶によって異性体的に純粋な形で分離される。異性体の分離は、酢酸と水の混合物からの再結晶によって有効に行われるが、ここでは、酢酸と水の両方とも経済的に、かつ生態学的に有利である、というのは、酢酸以外のどんな追加溶媒も必要とされないからである。 本発明による製造方法の更なる選択肢としての実施例は、第2段階での硝酸による酸化で生成された亜硝酸のガスは、Ostwald法に類似して、分子状酸素によって酸化されて硝酸と水とに変換される。この反応では、純酸素か、空気かのどちらかが使用可能である。 本発明による製造方法は、以下の例を用いて図解することができる。 [1.1 フルオロベンゼンのホルムアルデヒドとの反応] 無水のFBSAはフルオロベンゼン中に溶解されて、そして、粉末状のパラホルムアルデヒドが加えられ、そして混合物は数時間、反応熱を除去しながら攪拌される。以下の(化1)の反応が生じる。 フルオロベンゼンは、過剰に使用されて、同時に溶媒である。 フルオロベンゼンとホルムアルデヒドのモル比は5:1から30:1の範囲内であり、より望ましくは8:1から12:1の範囲内である。FBSAは4-フルオロベンゼンスルホン酸と2-フルオロベンゼンスルホン酸の異性体混合物である。 反応中に取り除かれた水はFBSAと共に不溶性の一水和物を形成している。 これは反応時間の数分後でさえ結晶化して析出し始める。それゆえ、FBSAは、ホルムアルデヒドと等モル量でなければならず、FBSAのわずかな過剰より良い結果をもたらす。 溶液が冷たければ冷たいほど4,4'-DFDPMと2,4'-DFDPMの比率は、より有利である。2,2'-DFDPMは形成されない。 温度は-15℃と+70℃の範囲内であり、より望ましくは0℃と30℃の範囲内である。1回目の反応は低温で有利に行われ、終わりに向かって温度は反応のより速い完了のために高くすることができる。 [1.2 FBSAの除去と再処理] 反応の終わりに、少量の水(使用されるFBSAの4gに対して約1g)が加えられる。結晶は液化する。酸の相は最低値に落ち着く。それらは、取り除かれて再度純粋なフルオロベンゼンで洗浄される。 FBSAは2つの方法で再処理される。 ・減圧下での最大140℃までの加熱、これにより水はほぼ完全に取り除かれる。 または ・減圧下で短時間で最大120℃までに加熱、まだ水とフルオロベンゼンを含んでいる溶液を抽出、フルオロベンゼン中の不溶性の部分を再度加熱する。 FBSAは、工業的にはフルオロベンゼンを濃硫酸でスルホン化することによって生成される。スルホン化は可逆反応である。したがって、水を含んだFBSAが加熱されるにつれて、少量のフルオロベンゼン(フルオロベンゼンはすぐに、気化する)と硫酸が生成される。硫酸は取り除かなければならない、なぜなら、硫酸は無水状態中でパラホルムアルデヒドを水の除去により炭化させるためである。温度が高ければ高いほど、この逆反応はより著しい。この反応で排除されたフルオロベンゼンをプラントから取り除く必要はない。 これがp-トルエンスルホン酸に比してのFBSAの本質的な利点である。系から排除されたトルエンは厳しく取り除かなければならない、そうでなければ、パラホルムアルデヒドとフルオロベンゼンと反応して、4-メチル-4'-フルオロジフェニルメタンを生成してしまうからである。水の緩やかな除去の場合では、トルエンの形成が非常に少ないので、結果としての収率の損失は低い。p-トルエンスルホン酸の使用は、FBSAの容易な入手に関する問題があるときであれば望ましい。 [1.3 フルオロベンゼンの除去とDFDPMの真空蒸留] 最終段階の有機相は、室温で最初に少量の水と、そして次に炭酸ソーダ溶液とにより洗浄され、そして、大部分のフルオロベンゼンは標準圧力下で排出され、そして次に残りは約25ミリバールの減圧下で約90℃で排出される。炭酸ソーダ溶液の残留物によって生成されたどのような結晶もフィルターによって取り除かれる。ろ過液は、DFDPMの異性体と、より凝集した生成物からなる。 前者は、絶対圧で25ミリバール下において温度が130℃と140℃の範囲内で異性体の分離なしに蒸留する。これらの温度では、より高度に凝集した二次成分は、いずれも蒸留しない。 もっとも、温度が蒸留装置の底部で200℃まで増加するときは、これらの二次成分は、蒸留液中にだんだんと存在するようになる。この少量の部分は二重に蒸留されなければならない。 この底部は、二次成分と約25%から35%のDFDPMによって構成されている。 [1.4 硝酸による酸化] DFDPMの異性体混合物は、HNO3によって65℃から100℃の温度範囲内で望ましくは酸化される。 102g(0.50mol)のDFDPMと500mlの65%のHNO3(2.5mol)との混合物が75℃まで加熱され15時間攪拌されるとき、亜硝酸のガスの生成と共に酸化が定量的に進行する。冷却中に、温度が50℃未満になるとき、有機相は、4,4'-DFBPの小結晶と一緒に結合されたろう状の塊に固化する。この固まりは、水相と切り離されて、再結晶させられる。 本発明による製造方法の更なる好適な実施例では、まず第1に硝酸の高需要と第2に複雑な廃ガス洗浄が吸着装置ユニットの下流への接続によって避けることができる。このユニットは硝酸による酸化によって形成された亜硝酸のガスを酸化剤として酸素を用いて硝酸に変換し戻す。 この本発明による製造方法の変化形について例を挙げて以下に説明する。 まず、温度計、かき混ぜ機、およびヒーターを有する三つ口フラスコは酸化リアクターとして用いられる。 次に、かき混ぜ機、クーラー、および酸素で満たされたガス気球と接続された、前記のものと等しく大きい三つ口フラスコが吸着装置として機能する。2個のフラスコのガス空間は、お互いに接続されて、前記ガス気球と共に閉じた系を形成する。さらに、2個のポンプが取り付けられる。第1のポンプは硝酸を反応フラスコから吸着装置へ汲みだし、第2のポンプは硝酸を吸着装置から反応フラスコへ汲みだす。 反応フラスコ中のDFDPMは3分の1の容積の25%の硝酸によって覆われておだやかに攪拌される。この低濃度のものでは、硝酸は上面に浮かぶ。同じ容量で同じ濃度の硝酸が吸着装置に入る。始めは、両方のフラスコの全体の気層は純酸素で満たされている。反応フラスコは約65℃まで加熱され、3時間後に約75℃まで加熱される。約25℃に冷却された吸着装置中では、混合物は、気層と液体の間の表面積が吹付け小液滴によって増加されるように活発にかき回される。反応フラスコで形成された亜硝酸のガスは、吸着装置に入る。冷条件の下では、それらは、酸素によって酸化されて、液体の中に溶解されて硝酸を形成する。これはOstwald法による硝酸の製造方法に完全に類似している。量が豊富となった硝酸は反応フラスコにポンプで送られて、そして、消耗された酸はそこから吸着装置に同じ送出排出量をポンプで送られる。 この反応系では、酸素は消費されるが、系の全体的な収支から見ると他のガスは全く発生しない。酸素は付属の気球から反応が終了するまで吸い出される。酸化の終了後、DFDPMの硝化の結果による最小量の損失は別として、硝酸のすべてが再び次のバッチに利用可能である。 硝酸は酸化で形成された水によってほんの少し希釈されるだけである。 このように、それは単に酸化の触媒として機能するのであって、その酸化は事実上は分子状酸素によって行われる。 冷却の間に、有機相はろう状の塊に固化する。 [1.5 再結晶] 4,4'-DFDPMは、実質的にはどんな純度のものでも、氷酢酸と水(9:1)との混合物を溶媒として酸化の後に得られた波形の固まりを繰り返して再結晶化をすることにより得ることができる。この最後に、酸化生成物は1.5倍の量の溶媒に混ぜられて加熱される。約80℃から90℃で、溶液は均質になる。冷却の間に、結晶スラリーが形成され、その結晶スラリーからは、約95%の純度の粗製の生成物が吸引フィルタリングによって濾し取られる。少なくとも99.5%の純度が合計3回の再結晶化をいつも同じ量の溶媒で行うことにより達成できる。 吸引フィルタリングによって取り除かれた結晶は、温度90℃の減圧下で乾燥される。 母液は、最初の再結晶化段階後に、溶媒を回収する目的で減圧下での蒸発によって濃縮される。 4,4'-ジフルオロベンゾフェノンの製造方法であって、 第1段階では、有機のスルホン酸の触媒と共に、フルオロベンゼンはホルムアルデヒドと反応させて、ジフルオロジフェニルメタンを生成し、 得られた生成物は分離されて、 第2段階では、硝酸により酸化して、4,4'-ジフルオロベンゾフェノンを生成する ことを特徴とする4,4'-ジフルオロベンゾフェノンの製造方法。 請求項1記載の4,4'-ジフルオロベンゾフェノンの製造方法であって、 前記第1段階の反応において、 前記フルオロベンゼンは、溶媒として用いられ、 前記触媒は、フルオロベンゼンスルホン酸が使用される ことを特徴とする4,4'-ジフルオロベンゾフェノンの製造方法。 請求項1記載の4,4'-ジフルオロベンゾフェノンの製造方法であって、 前記第1段階の反応温度が-15℃から70℃の範囲内である。 ことを特徴とする4,4'-ジフルオロベンゾフェノンの製造方法。 請求項1記載の4,4'-ジフルオロベンゾフェノンの製造方法であって、 前記第2段階は、酸化は硝酸によって作用されて、 結果物としての亜硝酸ガスは、酸化剤により硝酸に戻される ことを特徴とする4,4'-ジフルオロベンゾフェノンの製造方法。 請求項4記載の4,4'-ジフルオロベンゾフェノンの製造方法であって、 前記酸化剤は、酸素である。 ことを特徴とする4,4'-ジフルオロベンゾフェノンの製造方法。 本発明は4,4'-ジフルオロベンゾフェノンの製造方法であって、第1段階では、有機のスルホン酸の触媒と共に、フルオロベンゼンはホルムアルデヒドと反応させて、ジフルオロジフェニルメタンを生成し、得られた生成物は分離されて、第2段階で硝酸により酸化して、4,4'-ジフルオロベンゾフェノンを生成することを特徴とする4,4'-ジフルオロベンゾフェノンの製造方法である。4,4'-ジフルオロベンゾフェノン(4,4'-DFBP)は、芳香族ポリエーテルケトン類を製造するための主要な出発物質である。