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タイトル:公表特許公報(A)_脂肪酸代謝および解糖の阻害を提供する化合物の組み合わせ、または二官能性化合物を用いるヒトの炎症性および増殖性疾患を処置するためのシステムおよび方法
出願番号:2008510028
年次:2008
IPC分類:A61K 31/198,A61K 45/00,A61P 43/00,A61K 31/336,A61P 29/00,A61P 35/00


特許情報キャッシュ

ニューウェル, エム. カレン ロジャース ニューウェル, エバン JP 2008543734 公表特許公報(A) 20081204 2008510028 20060420 脂肪酸代謝および解糖の阻害を提供する化合物の組み合わせ、または二官能性化合物を用いるヒトの炎症性および増殖性疾患を処置するためのシステムおよび方法 ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ コロラド 305057006 山本 秀策 100078282 安村 高明 100062409 森下 夏樹 100113413 ニューウェル, エム. カレン ロジャース ニューウェル, エバン US 60/676,861 20050502 A61K 31/198 20060101AFI20081107BHJP A61K 45/00 20060101ALI20081107BHJP A61P 43/00 20060101ALI20081107BHJP A61K 31/336 20060101ALI20081107BHJP A61P 29/00 20060101ALI20081107BHJP A61P 35/00 20060101ALI20081107BHJP JPA61K31/198A61K45/00A61P43/00 111A61P43/00 121A61K31/336A61P29/00A61P35/00 AP(BW,GH,GM,KE,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,NL,PL,PT,RO,SE,SI,SK,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,LY,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PG,PH,PL,PT,RO,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,SY,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,YU,ZA,ZM,ZW US2006015124 20060420 WO2006118821 20061109 48 20071228 4C084 4C086 4C206 4C084AA17 4C084MA02 4C084NA05 4C084ZC201 4C084ZC332 4C084ZC751 4C086AA01 4C086BA02 4C086MA02 4C086MA04 4C086NA05 4C086ZB26 4C086ZC20 4C086ZC33 4C086ZC35 4C086ZC75 4C206AA01 4C206FA44 4C206MA02 4C206MA04 4C206NA05 4C206ZB26 4C206ZC20 4C206ZC33 4C206ZC75 (発明の分野) 本発明は、一般に、ヒトの炎症性および増殖性疾患を処置するためのシステムおよび方法に関する。 (背景) 正常組織は、細胞分裂および細胞死のプロセスによって発生し、そして維持される。増加した細胞分裂をともなう疾患として、癌およびアテローム性動脈硬化症が挙げられる。化学療法および/または放射線療法を用いるような初期処置は、有意な数の腫瘍細胞を破壊するために有効であるが、上記処置に耐性である小数の腫瘍細胞を後に残し、これは、次いで、治療の新たなラウンドが試行されるとき、処置に対してますます耐性である新たに検出される腫瘍を形成するように増殖することが癌を処置する工程において共通して観察される。化学療法薬物の「カクテル」の増大する流行は、多剤耐性(「MDR」)腫瘍細胞を生じ、これは、破壊することがなおさらに困難である。薬物を用いる処置の選択困難な中で、薬物感受性腫瘍細胞は、同じ腫瘍細胞タイプの薬物耐性バージョンに分化する。薬物耐性は、後天的または固有のいずれかであれ、癌における死の主要な原因である。 MDR腫瘍細胞を取り扱うための方法が提案されているが、このような細胞を完全に除去することの実際の明確な臨床的成功、およびMDR腫瘍をもつ患者のための治療を提供することはない。例えば、その全体が参考として本明細書中に援用され、「2−デオキシ−D−グルコースを用いる癌化学療法」と題するLampdisおよびPriebeの特許文献1には、腫瘍の中心である嫌気性細胞を攻撃することによって固形腫瘍を処置することにおいて、標準的な化学療法プロトコールと組み合わせる使用のための解糖阻害剤のクラスが記載されている。その全体が参考として本明細書中に援用される「細胞内マロニルCoAレベルを増加することによる癌の処置」と題する2002年12月12日に公開されたPizer、TownsendおよびKuhajdaの特許文献2では、脂肪酸代謝が、例えば、エトモキシルを用いて、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ−1の阻害によって操作されている。米国特許第6,670,330号明細書米国特許出願公開第20020187534号明細書 (発明の要旨) 本発明は、一般に、炎症性および増殖性疾患を処置するためのシステムおよび方法に関し、脂肪酸代謝および解糖の両方を阻害する化合物の組み合わせ、または二官能性化合物を用いることによりMDR腫瘍細胞の処置を可能にする。特に、本発明は、ハイポグリシンA(hypoglycin A)(ヒポグリシンA(hypoglycine A)とも呼ばれる)であるか、またはそれに由来する解糖阻害剤および脂肪酸代謝阻害剤を組み合わせるか、または連結する。好ましくは、本発明は、オキシランカルボン酸化合物の官能性を有する部分をハイポグリシンA誘導体の官能性を有する部分に連結する二官能性化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、エトモキシルの官能性を有する部分をハイポグリシンAの官能性を有する部分に連結する二官能性化合物を提供する。 1つのセットの実施形態では、本発明は、単独、または薬学的に受容可能なキャリアと組み合わせて化合物の特有の組み合わせ、または、好ましくは特有の二官能性化合物を提供する。 別のセットの実施形態では、本発明は、癌を処置するため、または創傷治癒を増大するよう創傷処置プロセスを刺激するために、細胞を、単独、またはそのほかの処置薬剤と併用して、化合物の組み合わせ、または二官能性化合物に曝す工程を包含する。 本発明のその他の利点および新規な特徴は、添付の図面と合わせて考慮されるとき、本発明の種々の非制限的な実施形態の以下の詳細な説明から明らかになる。本明細書および参考として援用される書類が矛盾および/または一致しない開示を含む場合には、本明細書が支配する。 (詳細な説明) 本発明は、細胞が、細胞に付与されるストレスの性質および程度に依存して利用される多くの異なる代謝経路にそれらが応じられ得ること、標的細胞が免疫系によって認識されるので細胞アポトーシスが顕著な程度まで引き起こされ、そしてMDR細胞は、この免疫系にとって顕著な程度まで見えないことを認識することによって進行する。本発明は、癌、自己免疫、心臓疾患、および慢性感染性疾患のようなヒトの炎症性および増殖性疾患を処置するために、欠陥細胞、組織または器官の細胞代謝経路、および免疫系を標的にする。本明細書に記載の方法はまた、神経再生、移植、および創傷治癒を含む組織再生で有用である。 身体中のすべての細胞は、エネルギーのために異なる比率で炭水化物、タンパク質、および脂質を用いる。燃料、その代謝戦略の細胞の選択は、その活性化または分化の状態に依存して変化する。例えば、急速に分裂している細胞は、分裂していない細胞とは異なるエネルギー要求を有する。ストレス下にあるか、または感染されている細胞についてもこれは真実である。薬物耐性細胞は、化学療法または照射のストレスを含む、ストレスの状態下で脂質を燃やす能力によって特徴付けられる特有の代謝戦略を有している。細胞が急速に分裂しているとき、それらは、グルコースを非常に高い割合で用いるが、ストレスの状態下では、細胞は、可能であれば、保護戦略として脂質をより大きな比率で用いる。呼吸、酸素使用、および外部ストレスは、細胞に損傷を引き起こし得る種々の毒性副産物(遊離ラジカルを含む)を生成し得る。腫瘍細胞は、このような副産物に対する保護戦略としてそれらが脂質を燃やすことを可能にするタンパク質を上方制御する。免疫系は、個々の細胞の代謝状態をモニターし得、そして不適切な状態にあるものを破壊する。しかし、腫瘍細胞は、この監視機構を、腫瘍細胞がこの免疫系に対して実質的に見えなくなるようにすることによってこの細胞を保護するものにそれらの代謝戦略を変えることによって生存し得る。 脂肪酸代謝を阻害することにより、この細胞は、グルコース代謝を再開するようにされ、それ故、その細胞表面上でUCPおよび/またはFasを提示し、免疫系に認識できるようになる。従って、本発明は、一般に、化合物の組み合わせ、または、好ましくは優勢な代謝経路;脂肪酸代謝および解糖を標的にする部分を有する二官能性化合物を用いて炎症性疾患および増殖性疾患を処置するシステムおよび方法に関する。より詳細には、本発明は、ハイポグリシンA(ヒポグリシンAとも呼ばれる)であるか、またはそれに由来する解糖阻害剤および脂肪酸代謝阻害剤を組み合わせるか、または連結する。好ましくは、本発明は、オキシランカルボン酸化合物の官能性を有する部分をハイポグリシンA誘導体の官能性を有する部分に連結する二官能性化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、エトモキシルの官能性を有する部分をハイポグリシンAの官能性を有する部分に連結する二官能性化合物を提供する。 非共役タンパク質(UCP)は、しばしば、急速に分裂する細胞の原形質膜中で発現される。細胞膜および細胞内膜内のUCP発現を操作することにより、細胞応答、代謝応答、および/または免疫学的応答の阻害が生じ得る。本発明では、上記細胞は、脂肪酸代謝阻害剤の官能性を有する本発明の下、化合物の組み合わせ、または二官能性化合物への曝露によって細胞表面Fasの量を増加するように操作され得る。 以下の出願は、参考として本明細書中に援用される:「ヒト炎症性疾患および増殖性疾患を処置するためのシステムおよび方法、脂肪酸代謝阻害剤および解糖阻害剤および/またはUCPおよび/またはFas抗体による」と題する、2004年4月29日に出願された米国仮特許出願番号第60/566,746号、「ヒト炎症性疾患および増殖性疾患を処置するためのシステムおよび方法、UCPおよび/またはFas抗体またはその他の阻害剤による、必要に応じて脂肪酸代謝阻害剤および/またはグルコース代謝阻害剤による」と題する、2005年1月7日に出願された米国特許出願番号第11/031109号、「ヒト炎症性疾患および増殖性疾患および創傷を処置するためのシステムおよび方法、脂肪酸代謝阻害剤および/または解糖阻害剤による」と題する、WO2004/111199として公開された、2004年6月11日に出願された国際特許出願番号第PCT/US2004/018612号、および「非共役タンパク質発現を操作するための方法および産物」と題する、WO2000/78941として公開された、2000年6月22日に出願された国際特許出願番号第PCT/US2000/17245号。 本明細書および請求項においてここで用いられるとき、不定冠詞「a」および「an」は、反対であることが明瞭に示されていなければ、「少なくとも1つ」を意味することが理解されるべきである。 本明細書中で用いられるとき、「または」は包括的であるか、または、すなわち、多くの要素またはリストの要素のうちの少なくとも1つを含むが、1つより多くを含むことを意味することが理解される。用語が反対であることを明瞭に示すときのみ、例えば、「排他的または」あるいは「正確に1つの」は、正確に、多くの要素またはリストの要素のうちの正確に1つの要素を含むことをいう。 本明細書で用いられるとき「被験体」は、ヒトまたは非ヒト哺乳動物を意味し、制限されないで、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ニワトリ、霊長類、ラットおよびマウスを含む。 本発明のシステムおよび方法は、インビトロ、インビボ、およびエクスビボで哺乳動物細胞成長を調節することで広範な有用性を有している。本発明のインビトロの方法は、種々の目的のために有用である。例えば、本発明のシステムおよび方法は、推定の化合物への曝露に際し細胞分裂または細胞死を行うように本発明によって操作される細胞を接触することにより、細胞分裂、癌、または細胞死に対する予防効果のような効果を有する薬物を同定するために有用であり得る。 インビトロ方法に加え、本発明の特定の方法は、被験体においてインビボまたはエクスビボで実施され得、被験体内の1つ以上の細胞タイプを操作する。本明細書で用いられるとき、「エクスビボ」方法は、被験体からの細胞の単離、身体の外側での細胞の操作、および被験体中への操作された細胞の再移植を含む方法である。このエクスビボ手順は、自系細胞または異種細胞上で用いられ得、そして代表的には、自系細胞上で用いられる。いくつかの実施形態では、このエクスビボ方法は、末梢血または骨髄のような体液から単離される細胞に対して実施されるが、これら細胞は、細胞の任意の供給源から単離され得る。被験体に戻されるとき、操作された細胞は、それが曝された処置に依存して、細胞死または分裂についてプログラムされ得る。細胞のエクスビボ操作は、当該技術分野におけるいくつかの参考文献に記載されており、Engleman、Cytotechnolgy、25:1、1997、Van Schootenら、Molecular Medicine Today、6月号、255、1997、Steinman、Experimental Hematology、24:849、1996、およびGluckman、Cytokines、Cellular and Molecular Therapy、3:187、1997を含む。本発明の細胞のエクスビボ活性化は、当該技術分野で公知の慣用のエクスビボ操作ステップによって実施され得る。 インビボ方法もまた、当該技術分野で周知である。それ故、本発明は、動物、または特定の医療、生理学的もしくは代謝経路または状態のインビトロモデルにおける試験のような、治療目的および研究目的のために有用である。 本発明の1つの形態で、その最も一般的な形態は、脂肪酸代謝阻害剤は、ハイポグリシンAまたはハイポグリシンAの誘導体と組み合わされる。本発明の別の形態では、脂肪酸代謝阻害剤として機能する部分は、ハイポグリシンAとして機能する部分に連結される。 好ましくは、この脂肪酸阻害剤は、オキシランカルボン酸化合物であるか、または脂肪酸代謝阻害剤の官能性は、オキシランカルボン酸化合物の官能性であり、脂肪酸代謝経路内の反応(例えば、この経路内の酵素触媒反応)を阻害(例えば、防ぐか、または少なくとも1桁以上活性を減少)し得る。この阻害剤は、例えば、この酵素の作動を妨害するように酵素に結合することにより(例えば、活性部位または結合部位をブロックすること、酵素の立体配座を改変すること、酵素の活性部位について酵素基質と競合することなどにより)、そして/または基質と反応するためにこの酵素に必要な補酵素、補因子などと反応することにより、この酵素を阻害し得る。脂肪酸代謝経路は、エネルギーのために細胞内で脂肪酸が代謝される経路である(例えば、ATPの合成、および脂肪酸のより単純な構造(例えば、CO2、アシル基など)への分解による)。 脂肪酸代謝経路は、いくつかの酵素反応、例えば、レダクターゼまたはイソメラーゼのような酵素を用いることを含む。この脂肪酸代謝経路内の酵素の特定の例は、2,4−ジエノイル−CoAレダクターゼ、2,4−ジエノイル−CoAイソメラーゼ、ブチリルデヒドロゲナーゼなどが挙げられる。1つの実施形態では、脂肪酸代謝阻害剤は、脂肪酸代謝経路内のβ−酸化反応を阻害し得る阻害剤である。別のセットの実施形態では、この阻害剤は、脂肪酸トランスポーター(例えば、脂肪酸を、細胞中に、または代謝のために細胞質からミトコンドリア中に輸送するトランスポーター)のための阻害剤であり、この阻害剤は、脂肪酸代謝経路内の鍵となるステップと反応するか、そうでなければ阻害し、あるいはこの阻害剤は、ミトコンドリアにおけるエネルギーの供給源としての脂肪酸の阻害剤であり得る。例えば、この阻害剤は、ブチリルCoA、グルタリルCoA、またはイソバレリルCoAのような中間体の分解を阻害し得る。1つの実施形態では、この阻害剤は、カルニチンの加水分解不能なアナログである。 2,4−ジエノイル−CoAレダクターゼは、ポリ不飽和脂肪酸の代謝に関与する還元反応を触媒する酵素である。脂肪酸は、ミトコンドリア内のこの2,4−ジエノイル−CoAレダクターゼの基質であり得る。いくつかの事例では、脂肪酸は、非共役タンパク質によりミトコンドリア中に輸送され得る。さらに、この非共役タンパク質は、ミトコンドリア代謝を増加し得、β−酸化のスループットを増加し、基質の利用可能性を増加する。 2,4−ジエノイル−CoAイソメラーゼは、特定の脂肪酸の異性化を触媒する酵素である。特定のポリ不飽和脂肪酸の代謝中の1つのステップは、反応性酸素中間体に対して保護的であり得る。それ故、2,4−ジエノイル−CoAイソメラーゼの活性のための基質およびアンタゴニストを生成することにより、反応性酸素中間体の生成は増大され、そして/または減少され得る。これは、次に、癌のような特定の疾患状態に影響し得る。 本明細書中で用いられるとき、オキシランカルボン酸化合物の官能性を有する部分はまた、細胞内の反応性酸素の細胞産生を改変するために有用である。例えば、細胞が脂肪酸を代謝する能力を改変することにより、この細胞の反応性酸素を産生する能力もまた影響され得る。なぜなら、細胞が反応性酸素中間体(「ROI」)を産生する1つの経路は、脂肪酸の代謝を通るからである。細胞中の反応性酸素の産生の改変は、細胞の免疫プロフィール、すなわち、どのように免疫細胞がこの細胞に応答するかにおける変化をともない得る。それ故、いくつかの事例では、細胞を脂肪酸代謝阻害剤に曝すこと、または細胞を脂肪酸代謝阻害剤から除去することは、反応性酸素の産生に影響し得る。反応性酸素の産生の改変は、癌を処置すること、および/または創傷治癒を増大することに有用であり得る。なぜなら、癌の部位または創傷内の細胞の免疫プロフィールの改変は、免疫系および/またはその他の創傷治癒プロセスを刺激し得るからである。 反応性酸素の産生の改変はまた、創傷治癒を増大することに有用であり得る。なぜなら、創傷内の細胞の免疫プロフィールの改変は、創傷治癒プロセスを刺激し得るからである。 好ましいオキシランカルボン酸化合物、またはオキシランカルボン酸化合物由来の成分、または合成されてオキシランカルボン酸化合物として機能する成分は以下の構造を有する:ここで、R6およびR7は各々、水素原子、ハロゲン原子、1〜4個の炭素原子のアルキル基、1〜4個の炭素原子のアルコキシ基、ニトロ基、またはトリフルオロメチル基であり、R8は水素原子または1〜4個の炭素原子のアルキル基を表し、Yは(CH2)kを表し、ここでkは2〜8、7または基−O−(CH2)m−であり、mは0または1〜4の整数であり、nは2〜8の整数であり、ここでmとnの合計は2〜8の整数である。より好ましいのは、R6がハロゲン原子、R7が水素原子、mは0、そしてnは6であり、そしてより特定すれば、R8はエチル基である、オキシランカルボン酸化合物である。最も特に好ましいのは、エトモキシル、すなわち、2−(6−(4−クロロフェノキシ)−ヘキシル)−オキシラン−2−カルボン酸エチルエステルである。 本明細書で用いられるとき、用語「ハロゲン」または等価に「ハロゲン原子」は、化学の分野で用いられるようなその通常の意味で与えられる。これらハロゲンは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、およびアスタチンを含む。好ましくは、本発明で用いられるハロゲン原子は、1つ以上のフッ素、塩素、臭素、またはヨウ素を含む。本発明の特定の実施形態では、上記構造内で見出されるハロゲン原子は、フッ素、塩素、および臭素、フッ素および塩素、塩素および臭素、またはハロゲン原子の単一のタイプである。 そのようなオキシランカルボン酸化合物の例は:2−(6−(4−クロロフェノキシ)−ヘキシル)−オキシラン−2−カルボン酸エチルエステル、2−(4−(3−クロロフェノキシ)−ブチル)−オキシラン−2−カルボン酸エチルエステル、2−(4−(3−トリフルオロメチルフェノキシ)−ブチル)−オキシラン−2−カルボン酸エチルエステル、2−(5−(4−クロロフェノキシ)−ペンチル)−オキシラン−2−カルボン酸エチルエステル、2−(6−(3,4−ジクロロフェノキシ)−ヘキシル)−オキシラン−2−カルボン酸エチルエステル、2−(6−(4−フルオロフェノキシ)−ヘキシル)−オキシラン−2−カルボン酸エチルエステル、および2−(6−フェノキシヘキシル)−オキシラン−2−カルボン酸エチルエステル、対応するオキシランカルボン酸、およびそれらの薬学的に受容可能な塩である。エトモキシル、すなわち、2−(6−(4−クロロフェノキシ)−ヘキシル)−オキシラン−2−カルボン酸エチルエステルを用いることが最も特に好ましい。 上記のオキシランカルボン酸化合物のいくつかは、市販され入手可能であり、市販され入手可能な化合物に由来するか、または当業者に公知、および/または本明細書中に記載される慣用の化学的合成手順を用いてデノボ合成され得る。 本発明のいくつかの実施形態では、脂肪酸代謝阻害剤、または脂肪酸代謝阻害剤として機能する部分は、そのホモログ、アナログ、誘導体、エナンチオマーおよび/またはそれらの機能的に等価な組成物、および/または本明細書中に記載される反応性酸素の細胞産生を改変し得る薬剤を含み得る。「機能的に等価」はまた、創傷であるか、もしくは癌の症状(もしくは本明細書中に記載されるその他の状態)を示す患者、癌に感受性のある患者、もしくはそうでなければ癌のリクスが高まった患者、または癌の症状を示さないが、癌のリスクを減少することが所望される患者(例えば、ワクチン接種もしくは予防的処置)などを処置し得る組成物をいう。親化合物と同程度に有効であるか、親化合物より有効であるホモログ、アナログ、誘導体、エナンチオマーおよび/または機能的に等価な組成物もまた、本発明のシステムおよび方法における使用のために意図される。このような組成物の合成は、当業者によって慣用的に実施されるような代表的な化学的改変方法を通じて達成され得る。 なお別のセットの実施形態では、本発明は、2,4−ジエノイル−CoAレダクターゼまたは2,4−ジエノイル−CoAイソメラーゼのような脂肪酸代謝経路内に存在する酵素をコードする領域に選択的に結合するアンチセンスオリゴヌクレオチドの使用を包含する。それ故、1つの実施形態では、脂肪酸代謝阻害剤、または脂肪酸代謝阻害剤として機能する部分は、アンチセンスオリゴヌクレオチドである。 なお別のセットの実施形態で、脂肪酸代謝阻害剤、または脂肪酸代謝阻害剤として機能する部分は、ドミナントネガティブ原形質膜ポリペプチドを含む。細胞中のドミナントネガティブポリペブチドの使用の最終結果(例えば、発現)は、脂肪酸代謝経路内に存在する機能的酵素の減少であり得る。当業者は、タンパク質または酵素のドミナントネガティブ改変体の能力を評価し得、そして1つ以上のドミナントネガティブ改変体ポリペプチドを生成する標準的な変異誘発技法を用い得る。例えば、当業者は、部位特異的変異誘発、走査変異誘発、部分的遺伝子欠失または短縮化などにより酵素コード領域の配列を改変し得る。例えば、米国特許番号第5,580,723号およびSambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第2版、Cold Spring Harbor Laboratory Press、1989を参照のこと。当業者は、次いで、選択されたこのタンパク質または酵素のこのような活性の消失および/または保持について変異誘発されたポリペプチドの集団を試験し得る。タンパク質のドミナントネガティブ改変体を生成し、かつ試験するためのその他の類似の方法は、当業者に明らかである。 本発明の好ましいハイポグリシンA化合物、または二官能性化合物は、以下の構造を有する、ハイポグリシンAから派生されるか、またはハイポグリシンAとして機能するよう合成される部分を有する:ここで、R1、R3、およびR5は各々、水素原子、1〜4個の炭素原子のアルキル基、1〜4個の炭素原子のアルコキシ基、ニトロ基、またはトリフルオロメチル基であり、そしてR8は、上記に記載されるようである。 ハイポグリシンA自体は、以下の構造を有する: (二官能性化合物) 好ましくは、本発明は、オキシランカルボン酸化合物の官能性を有する部分を、ハイポグリシンまたはハイポグリシンA誘導体の官能性を有する部分に連結する二官能性化合物を提供する。最も好ましいのは、エトモキシルの官能性を有する部分を、ハイポグリシンA誘導体の官能性を有する部分に連結する二官能性化合物である。図1〜4を参照して、12の二官能性化合物(I)〜(XII)の一般形態が示され、そして個々の特定の好ましい二官能性化合物(XIII)〜(XXVII)が図5〜9に示される。各々は以下の実施例でより詳細に言及され、ここで、R1、R2、R3、R4およびR5は、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、チオール基、またCO−R9を表し、ここでR9は、1〜20個の炭素原子のアルキル基、R6およびR7は各々、水素原子、ハロゲン原子、1〜4個の炭素原子のアルキル基、1〜4個の炭素原子のアルコキシ基、ニトロ基、またはトリフルオロメチル基を表し、R8は、水素原子または1〜4の炭素原子のアルキル基を表し、Yは、(CH2)kを表し、ここでkは、2〜8、7または基−O−(CH2)m−であり、mは0または1〜4の整数であり、nは2〜8の整数であり、ここでmとnの合計は2〜8の整数であり、そしてZは、O、Sまたは基(CH2)p−O−(CH2)qまたは(CH2)p−S−(CH2)qを表し、そしてpおよびqは各々0または1〜4の整数である。 (実施例1) 本発明において、MDR腫瘍を処置するために以下の構造を有する図1の二官能性化合物(I)を用い得る: 二官能性化合物(I)の好ましい特定の実施例は、化合物(XIII)として図5に示され、以下の構造を有する: (実施例2) 本発明において、MDR腫瘍を処置するために以下の構造を有する図1の二官能性化合物(II)を用い得る: 二官能性化合物(II)の好ましい特定の実施例は、化合物(XIV)として図5に示され、以下の構造を有する: (実施例3) 本発明において、MDR腫瘍を処置するために以下の構造を有する図2の二官能性化合物(III)を用い得る: 二官能性化合物(III)の好ましい特定の実施例は、化合物(XV)として図5に示され、以下の構造を有する: (実施例4) 本発明において、MDR腫瘍を処置するために以下の構造を有する図2の二官能性化合物(IV)を用い得る: 二官能性化合物(IV)の好ましい特定の実施例は、化合物(XVI)として図6に示され、以下の構造を有する: (実施例5) 本発明において、MDR腫瘍を処置するために以下の構造を有する図2の二官能性化合物(V)を用い得る: 二官能性化合物(V)の好ましい特定の実施例は、化合物(XVII)として図6に示され、以下の構造を有する: (実施例6) 本発明において、MDR腫瘍を処置するために以下の構造を有する図2の二官能性化合物(VI)を用い得る: 二官能性化合物(VI)の好ましい特定の実施例は、化合物(XVIII)として図6に示され、以下の構造を有する: (実施例7) 本発明において、MDR腫瘍を処置するために以下の構造を有する図3の二官能性化合物(VII)を用い得る: 二官能性化合物(VII)の好ましい特定の実施例は、化合物(XIX)として図7に示され、以下の構造を有する: (実施例8) 本発明において、MDR腫瘍を処置するために以下の構造を有する図3の二官能性化合物(VIII)を用い得る: 二官能性化合物(VIII)の好ましい特定の実施例は、化合物(XX)として図7に示され、以下の構造を有する: (実施例9) 本発明において、MDR腫瘍を処置するために以下の構造を有する図3の二官能性化合物(IX)を用い得る: 二官能性化合物(XXI)の好ましい特定の実施例は、化合物(XVII)として図6に示され、以下の構造を有する: (実施例10) 本発明において、MDR腫瘍を処置するために以下の構造を有する図4の二官能性化合物(X)を用い得る: 二官能性化合物(X)の好ましい特定の実施例は、化合物(XXII)として図8に示され、以下の構造を有する: 二官能性化合物(X)の別の好ましい特定の実施例は、化合物(XXIII)として図8に示され、以下の構造を有する: (実施例11) 本発明において、MDR腫瘍を処置するために以下の構造を有する図4の二官能性化合物(XI)を用い得る: 二官能性化合物(XI)の好ましい特定の実施例は、化合物(XXIV)として図8に示され、以下の構造を有する: 二官能性化合物(XI)の別の好ましい特定の実施例は、化合物(XXV)として図9に示され、以下の構造を有する: (実施例12) 本発明において、MDR腫瘍を処置するために以下の構造を有する図4の二官能性化合物(XII)を用い得る: 二官能性化合物(XII)の好ましい特定の実施例は、化合物(XXVI)として図9に示され、以下の構造を有する: 二官能性化合物(XII)の別の好ましい特定の実施例は、化合物(XXVII)として図9に示され、以下の構造を有する: (一般) 1つの局面では、本発明のシステムおよび方法は、癌、腫瘍、および代表的には制御されない急速に分割する細胞集団を含むその他の症状を処置することで有用である。本明細書で用いられるとき、「急速に分裂する細胞」は、有糸分裂成長を行っている細胞である。このような細胞は、当該技術分野では周知であり、制限されないで、腫瘍細胞、癌細胞、リンパ球(T細胞またはB細胞)、細菌、および膵臓β細胞を含む。このシステムおよび方法は、腫瘍細胞中を含む多くのタイプの哺乳動物細胞中で細胞死を誘導するために有用である。本明細書で用いられるとき、「腫瘍細胞」は、所望されない有糸分裂増殖を行っている細胞である。腫瘍細胞は、本発明のインビトロ局面で用いられるとき、被験体内の腫瘍から単離され得るか、または確立された細胞株の一部であり得る。 本明細書で用いられるとき、用語「細胞死」は、アポトーシスまたは細胞溶解のプロセスのいずれかをいうために用いられる。アポトーシスおよび細胞溶解の両方において、細胞は死ぬが、これらプロセスは、細胞の異なる機構および/または異なる代謝状態を通じて生じる。アポトーシスは、細胞が収縮および断片化を受け、次いで細胞断片の食作用が続く細胞死のプロセスである。アポトーシスは、当該技術分野で周知であり、そして任意の当該技術分野で認められた方法によって評価され得る。例えば、アポトーシスは、生存細胞と死細胞との間を区別し得るフローサイトメトリーを用いて容易に決定され得る。 被験体中の腫瘍細胞は、任意のタイプの癌の一部であり得る。癌は、制限されないで、胆汁管癌、膀胱癌、神経膠芽細胞腫および髄芽細胞腫を含む脳癌、乳癌、頸部癌、絨毛上皮腫、結腸癌、子宮内膜癌、食道癌、胃癌、急性リンパ球および骨髄性白血病を含む血液学的新生物、多発性骨髄腫、AIDS関連白血病および成人T細胞白血病リンパ腫、ボーエン病およびパジェット病を含む上皮内新生物、肝臓癌、肺癌、ホジキン病およびリンパ球性リンパ腫を含むリンパ腫、神経芽細胞腫、鱗状細胞癌腫を含む口癌、上皮細胞、間質細胞、生殖細胞および間葉細胞から生じるような卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、直腸癌、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、脂肪肉腫、線維肉腫、および骨肉腫を含む肉腫、メラノーマを含む皮膚癌、カポージ肉腫、基底細胞癌、および鱗状細胞癌、精上皮腫、非精上皮腫、奇形腫、絨毛癌、間質腫瘍および胚細胞腫瘍のような胚細胞腫瘍を含む精巣癌、甲状腺腺癌および髄質腺癌を含む甲状腺癌、および腺癌およびウィルムス腫瘍を含む腎臓癌を含む。一般に遭遇される癌は、胸部、前立腺、肺、卵巣、結腸直腸、および脳の癌を含む。一般に、癌を処置するための組成物の有効量は、インサイチュで哺乳動物癌細胞増殖を阻害するために必要な量であり得る。当業者は、当該技術分野で抗癌薬剤の有効量を評価することを良好に学習している。 1つのセットの実施形態では、本発明は、癌になりやすいか、または癌の症状を示す被験体を処置する方法を含む。いくつかの事例では、この癌は、薬物耐性または多剤耐性である。本明細書で用いられるとき、「薬物耐性癌」は、従来一般に知られる癌療法に耐性である癌である。従来の癌療法の例は、メトトレキセート、ドキソルビシン、5−フルオロウラシル、ビンクリスチン、ビンブラスチン、パミドロネート2ナトリウム、アナストロゾール、エキセメスタン、シクロホスファミド、エピルビシン、トレミフェン、レトロゾール、トラスツズマブ、メゲストロール、タモキシフェン、パクリタキセル、ドセタキセル、カペシタビン、酢酸ガセロリンなどのような薬剤での癌の処置を含む。「多剤耐性癌」は、1つ以上のタイプまたはクラスの癌薬剤に耐性である癌であり、すなわち、この癌は、第1の機構の作用を有する第1の薬物、および第2の機構の作用を有する第2の薬物に抵抗し得る。いくつかの事例では、被験体は、上記阻害剤での処置のためにそうでないことが示されておらず、例えば、被験体は、肥満処置のためには示されてはいない。 1つの局面では、本明細書に記載される本発明のシステムおよび方法のいずれも、癌処置の1つ以上のその他の形態と組み合わせて、例えば、抗癌剤、化学療法、放射線療法などと組み合わせて(例えば、同時または全体の処置手順の一部として)用いられ得る。本明細書中で用いられるとき、用語「癌処置」は、制限されないで、化学療法、アジュバント療法、ワクチン接種、またはこれら方法の任意の組み合わせを含み得る。変動し得る癌処置の局面は、制限されないで、投与量、投与のタイミングまたは療法の持続時間を含み、そしてこの癌処置は、投与量、タイミング、または持続時間が変動し得る。癌の別の処置は手術であり、これは、単独、または先の処置方法のいずれかとの組み合わせのいずれかで利用され得る。当業者は、被験体の適切な処置を決定し得る。 1つの実施形態では、この癌処置は、抗癌剤または薬物、例えば、従来公知の抗癌薬剤または薬物での処置を含み得る。適切な抗癌薬剤および薬物の例は、制限されないで、20−エピ−1,25ジヒドロキシビタミンD3,4−イポメアノール、5−エチニルウラシル、9−ジヒドロタキソール、アビラテロン、アシビシン、アクラルビシン、塩酸アコダゾール、アクロニン、アシルフルベン、アデシペノール、アドゼレシン、アルデスロイキン、オール−tkアンタゴニスト、アルトレタミン、アムバムスチン、アムボマイシン、酢酸アメタントロン、アミドックス、アミソフォスチン、アミノグルテチミド、アミノレブリン酸、アムルビシン、アムサクリン、アナグレリド、アナストロゾール、アンドログラフォリド、血管形成阻害剤、アンタゴニストD、アンタゴニストG、アンタレリックス、アントラマイシン、抗背面(anti−dorsalizing)形態形成タンパク質−1、抗エストロゲン、アンチネオプラストン、抗センスオリゴヌクレオチド、アフィジコリングリシネート、アポトーシス遺伝子モジュレーター、アポトーシスレギュレーター、アプリニン酸、ARA−CDP−DL−PTBA、アルギニンデアミナーゼ、アスパラギナーゼ、アスピリン、アスラクイン、アタメスタン、アトリムスチン、アキシナスタチン1、アキシナスタチン2、アキシナスタチン3、アザシチジン、アザセトロン、アザトキシン、アザチロシン、アゼテパ、アゾトマイシン、バッカチンIII誘導体、バラノール、バチマスタット、ベンゾクロリン、ベンゾデパ、ベンゾイルスタウロスポリン、βラクタム誘導体、β−アレチン、βクラマイシンB、ブツリン酸、BFGF阻害剤、ビカルタミド、ビサントレン、塩酸ビサントレン、ビサジリジニルスペルミン、ビスナフィド、ビスナフィドジメシレート、ビストラテンA、ビゼレシン、ブレオマシン、硫酸ブレオマシン、BRC/ABLアンタゴニスト、ブレフレート、ブレキナーナトリウム、ブロピリミン、ブドチタン、ブスルファン、ブチオニンスルフォキシミン、カクチノマイシン、カルシポトリオール、カルフォスチンC、カルステロン、カムプトテシン誘導体、カナリポックスIL−2、カペシタビン、カラセミド、カルべチマー、カルボプラチン、カルボキシアミド−アミノ−トリアゾール、カルボキシアミドトリアゾール、カレストM3、カルムスチン、カーン700、軟骨由来阻害剤、塩酸カルビシン、カルゼレシン、カゼインキナーゼ阻害剤、カスタノスペルミン、セクロピンB、セデフィンゴール、セトロレリックス、クロラムブシル、コリン、クロロキノキサリンスルフォンアミド、シカプロスト、シロレマイシン、シスプラチン、シス−ホルフィリン、クラドリビン、クロミフェンアナログ、クロトリマゾール、コリスマイシンA、コリスマイシンB、コムブレタスタチンA4、コムブレタスタチンアナログ、コナゲニン、クラムベスシジン816、クリスナトール、クリスナトールメシレート、クリプトフィシン8、クリプトフィシンA誘導体、キュラシンA、シクロペンタントラキノン、シクロホスファミド、シクロプラタム、サイペマイシン、サイタラビン、サイタラビンオクホスフェート、細胞溶解因子、サイトスタチン、ダカルバジン、ダクリキシマブ、ダクチノマイシン、塩酸ダウノルビシン、デシタビン、デヒドロジデムニンB、デスロレリン、デキシフォスファミド、デキソールマプラチン、デクスラゾキサン(dexrazoxane)、デクスベラパミル、デザグアニン、デザグアニンメシレート、ジアジクオン、ジデムニンB、ジドックス、ジエチルノルスペルミン、ジヒドロ−5−アザシチジン、ジオキサマイシン、ジフェニルスピロムスチン、ドセタキセル、ドコサノール、ドラセトロン、ドキシフルリジン、ドキソルビシン、塩酸ドキソルビシン、ドロロキシフェン、クエン酸ドロロキシフェン、プロピオン酸ドロモスタノロン、ドロナビノール、デュアゾマイシン、デュオカルマイシンSA、エブセレン、エコムスチン、エダトレキセート、エデルフォシン、エドレコロマブ、エフロニチン、塩酸エフロニチン、エレメン、エルサミトルシン、エミテフル、エンロプラチン、エンプロメート、エピロピジン、エピルビシン、塩酸エピルビシン、エプリステリド、エルブロゾール、赤血球遺伝子治療ベクター系、塩酸エソルビシン、エストラムスチン、エストラムスチンアナログ、エストラムスチンリン酸ナトリウム、エストロゲンアゴニスト、エストロゲンアンタゴニスト、エタニダゾール、エトポシド、リン酸エトポシド、エトプリン、エキセメスタン、ファドロゾール、塩酸ファドロゾール、ファザラビン、フェンレチニド、フィルグラスチン、フィナステリド、フラボピリドール、フレゼラスチン、フロックスウリジン、フルアステロン、フルダラビン、リン酸フルダラビン、塩酸フルオロダウノルニシン、フルオロウラシル、フルロシタビン、フォルフェニメックス、フォルメスタン、フォスキドン、フォストリエシン、フォストリエシンナトリウム、フォトムスチン、ガドリニウムテキサフィリン、硝酸ガリウム、ガロシタビン、ガニレリックス、ゼラチナーゼ阻害剤、ゲムシタビン、塩酸ゲムシタビン、グルタチオン阻害剤、ヘプスルファム、ヘレグリン、ヘキサメチレンビサセタミド、ヒドロキシウレア、ハイペリシン、イバンドロン酸、イダルビシン、塩酸イダルビシン、アイドキシフェン、イドラマントン、イフォスファミド、イルモフォシン、イロマスタット、イミダゾアクリドン、イミキモド、免疫刺激ペプチド、インスリン様成長因子−1レセプター阻害剤、インターフェロンアゴニスト、インターフェロンα−2A、インターフェロンα−2B、インターフェロンα−N3、インターフェロンβ−IA、インターフェロンγ−IB、インターフェロン、インターロイキン、アイオベングアン、ヨードドキソルビシン、イプロプラチン、イリノテカン、塩酸イリノテカン、イロプラクト、イルソグラディン、イソベンガゾール、イソホモハリコンドリンB、イタセトロン、ジャスプラキノリド、カハラリドF、ラメラリン−Nトリアセテート、ランレオチド、酢酸ランレオチド、レイナマイシン、レノグラスチム、硫酸レンチナン、レプトルスタチン、レトロゾール、白血病阻害因子、白血球αインターフェロン、酢酸ロイプロリド、ロイプロリド/エストロゲン/プロゲステロン、ロイプロレリン、レバミゾール、リアロゾール、塩酸リアロゾール、線状ボリアミンアナログ、脂肪親和性二糖類ペプチド、脂肪親和性白金化合物、リソクリナミド7、ロバプラチン、ロムブリシン、ロムエトレキソール、ロムエトレキソールナトリウム、ロムスチン、ロニダミン、ロソキサントロン、塩酸ロソキサントロン、ロバスタチン、ロキソリビン、ルートテカン(lutotecan)、モテチウムテキサフィリン、リソフィリン、溶解ペプチド、マイタンシン、マンノスタチンA、マリマスタット、マソプロコール、マスピン、マトリシン阻害剤、マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤、マイタンシン、塩酸メクロエタミン、酢酸メゲストール、酢酸メレンゲストール、メルファラン、メノガリル、メルバロン、メルカプトプリン、メテレリン、メチオニナーゼ、メトトレキセート、メトトレキセートナトリウム、メトクロプラミド、メトプリン、メチュレデパ、微藻類プロテインキナーゼC阻害剤、MIF阻害剤、ミフェプリストン、ミルテフォシン、ミリモスチン、ミスマッチ二本鎖RNA、ミチンドミド、マイトカルシン、マイトクロミン、マイトグアゾン、マイトラクトール、マイトマルシン、マイトマイシン、マイトマイシンアナログ、マイトナフィド、マイトスパー、マイトタン、マイトトキシン線維芽細胞成長因子−サポリン、マイトキサントロン、塩酸マイトキサントロン、モファロテン、モルグラモスチン、モノクローナル抗体、ヒト絨毛膜ゴナドトロフィン、モノホスファチジル脂質a/マイコバクリア細胞壁SK、モピダモール、多剤耐性遺伝子阻害剤、複数腫瘍サプレッサー1−を基礎にした療法、マスタード抗癌剤、マイカペルオキシドB、マイコバクリア細胞壁抽出物、ミコフェノール酸、ミリアポロン、n−アセチルジナリン、ナファレリン、ナグレスチップ、ナロキソン/ペンタゾシン、ナパビン、ナフテルピン、ナルトグラスチム、ネダプラチン、ネモルビシン、ネリドロン酸、中性エンドペプチダーゼ、ニルタミド、ニサマイシン、一酸化窒素モジュレーター、酸化窒素抗酸化剤、ニトルリン、ノコダゾール、ノガラマイシン、n−置換ベンザミド、O6−ベンジルグアニン、オクトレオチド、オキセノン、オリゴヌクレオチド、オナプリストン、オンダンセトロン、オラシン、経口サイトカインインデューサー、オルマプラチン、オサテロン、オキサリプラチン、オキサウロマイシン、オキシスラン、パクリタキセル、パクリタキセルアナログ、パクリタキセル誘導体、パラウアミン、パルミトイルリゾキシン、パミドロン酸、パナキシトリオール、パノミフェン、パラバクチン、パゼリプチン、ペガスパルガセ、ペルデシン、ペリオマイシン、ペンタムスチン、ペントサンポリ硫酸ナトリウム、ペントスタチン、ペントロゾール、硫酸ペプロマイシン、ペルフルブロン、ペルフォスファミド、ペリリルアルコール、フェナジノマイシン、酢酸フェニル、ホスファターゼ阻害剤、ピシバニール、塩酸ピロカルピン、ピポブロマン、ピポスルファン、ピラルビシン、ピリトレキシム、塩酸ピロキサントロン、プラセチンA、プラレチンB、プラスミノゲンアクチベーター阻害剤、白金複合体、白金化合物、白金−トリアミン複合体、プリカマイシン、プロメスタン、ポルフィマーナトリウム、ポルフィロマイシン、プレドニムスチン、塩酸プロカルバジン、プロピルビス−アクリドン、プロスタグランジンJ2、前立腺癌腫抗アンドロゲン、プロテアソーム阻害剤、プロテインAを基礎にする免疫モジュレーター、プロテインキナーゼC阻害剤、プロテインチロシンホスファターゼ阻害剤、プリンヌクレオシドホスホリラーゼ阻害剤、ピューロマイシン、塩酸ピューロマイシン、プルプリン、ピラゾフリン、ピラゾロアクリジン、ピリドキシル化ヘモグロビンポリオキシエチレン複合体、RAFアンタゴニスト、ラルチトレックスド、ラモセトロン、RASファルネシルプロテイントランスフェラーゼ阻害剤、RAS阻害剤、RAS−GAP阻害剤、脱メチル化レテリプチン、レニウムRE186エチドロネート、リゾキシン、リボプリン、リボザイム、RIIレチナミド、RNAi、ログレチミド、ロヒツカイン、ロムルチド、ロキニメックス、ルビギノンB1、ルボキシル、サフィンゴール、塩酸サフィンゴール、セイントピン、サルクヌ、サルコフィトールA、サルグラモスチム、SDI1模倣物、セムスチン、セネスセンス由来阻害剤1、センスオリゴヌクレオチド、シグナル形質導入阻害剤、シグナル形質導入モジュレーター、シムトラゼン、一本鎖抗原結合タンパク質、シゾフィラン、ソブゾキサン、ボロカプテートナトリウム、酢酸フェニルナトリウム、ソルベロール、ソマトメディン結合タンパク質、ソネルミン、スパルフォス酸トリウム、スパルフォス酸、スパルソマシイン、スピカマイシンD、塩酸スピロジャーマニウム、スピロムスチン、スピロプラチン、スプレノペンチン、スポンギスタチン1、スクアラミン、幹細胞阻害剤、幹細胞分裂阻害剤、スチピアミド、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ストロメリシン阻害剤、サルフィノシン、サルオフェヌル、超活性血管作動性腸管ペプチドアンタゴニスト、スラディスタ、スラミン、スバインソニン、合成グリコサミノグリカン、タリソマイシン、タリムスチン、タモキシフェンメチオジデ、タウロムスチン、タザロテン、テコガランナトリウム、テガフール、テルラピリリウム、テロメラーゼ阻害剤、塩酸テロキサントロン、トモポルフィン、テモゾロミド、テニポシド、テロキシロン、テストラクトン、テトラクロロデカオキシド、テトラゾミン、サリブラスチン、サリドマイド、チアミプリン、チオコラリン、チオグアニン、チオテパ、トロンボポイエチン、トロンボポイエチン模倣物、サイマルファシン、サイモポイエチンレセプターアゴニスト、サイモトリナン、甲状腺刺激ホルモン、チアゾフリン、エチルエチオプルプリン錫、チラパザミン、チタノセンジクロライド、塩酸トポテカン、トップセンチン、トレミフェン、クエン酸トレミフェン、分化全能幹細胞因子、翻訳阻害剤、酢酸トレストロン、トレチノイン、トリアセチルウリジン、トリシリビン、リン酸トリシリビン、トリメトレキセート、グルクロン酸トリメトレキセート、トリプトレリン、トロピセトロン、塩酸トブロゾール、チュロステリド、チロシンキナーゼ阻害剤、チルフォスチン、UBC阻害剤、ウベニメックス、ウラシルマスタード、ウレデパ、尿生殖器洞由来成長阻害因子、ウロキナーゼレセプターアンタゴニスト、バプレオチド、バリオリンB、ベラレゾール、ベラミン、ベルディン、ベルテポルフィン、硫酸ビンブラスチン、硫酸ビンクリスチン、ビンデシン、硫酸ビンデシン、硫酸ビネピジン、硫酸ビングリシネート、硫酸ビンロイロシン、ビノレルビン、酒石酸ビノレルビン、硫酸ビンロシジン、ビンキサルチン、硫酸ビゾリジン、ビタキシン、ボロゾール、ザノテロン、ゼニプラチン、ジラスコルブ、ジノスタチン、ジノスタチンスティマラマー、および塩酸ゾルビシン、ならびにこれらの塩、ホモログ、アナログ、誘導体、エナンチオマーおよび/または機能的に等価な組成物をほ含む。 1つのセットの実施形態では、細胞は、腫瘍(例えば、被験体からの腫瘍、インビトロで生育する腫瘍など)から取り出され得、そして特定の様式で本明細書中に記載される系および方法に曝される。適切な曝露の後、曝された細胞は、被験体中に導入され得る。1つの実施形態では、細胞の曝露は、例えば、被験体の免疫系が腫瘍細胞を認識し得るように特定の様式で、腫瘍細胞の免疫学的プロフィールを改変し得る。曝された細胞との相互作用の後、この被験体の免疫系は、次いで、被験体内に存在する腫瘍を認識し得、それ故、癌を減少させる。被験体が腫瘍を有する場合、それらの細胞は、この腫瘍中、この腫瘍の近傍、および/またはこの腫瘍から離れた身体中の領域に全身的または局所的に送達される。いくつかの事例では、腫瘍は被験体から取り出され得、次いで上記曝された細胞が、例えば、上記腫瘍の除去に際し生成された腔中、または身体内の別の部位に挿入され得る。必要に応じて、照射または従来の抗癌薬剤への曝露のようなその他の癌処置方法がまた、これらの方法と組み合わせて用いられ得る。いくつかの事例では、被験体は癌または腫瘍を有さないかも知れないが、上記細胞が注入され得、免疫系を刺激し、将来の癌および/またはその他の非制御細胞成長に対して抗体を産生し、すなわち、この被験体を癌および/またはその他の非制御細胞成長から「免疫する」。 特定の癌細胞が抗原性である場合には、そして免疫系による標的となり得る。それ故、本発明のシステムおよび方法と、癌医薬、特に癌免疫療法として分類されるようなものとの組み合わせ投与は、癌抗原に対して特異的な免疫応答を刺激するために非常に有用であり得る。本明細書で用いられるとき「癌抗原」は、腫瘍または癌細胞表面に付随するペプチドのような化合物であり、そしてこれは、MHC分子の関係で抗原提示細胞の表面上で発現されるとき免疫応答を惹起し得る。癌ワクチン中に存在するもの、または癌免疫療法を調製するために用いられるような癌抗原は、例えば、Cohenら、Cancer Research、54:1055、1994に記載されるように、粗癌細胞抽出物から、または組み換え技術を用いて抗原を部分的に精製することによるか、または既知の抗原のデノボ合成により調製され得る。癌抗原は、特定の抗原の免疫原性部分の形態で用いられ得るか、またはいくつかの事例では、全細胞または腫瘍塊が抗原として用いられ得る。このような抗原は、単離され得るか、組み換えにより調製され得るか、または当該技術分野で公知の任意のその他の手段による。 本発明のシステムおよび方法は、特定の事例では、免疫療法と組み合わせて用いられ得る。免疫療法の目的は、確立された腫瘍に対する被験体の免疫応答を増強することである。免疫療法の1つの方法は、アジュバントの使用を含む。bacillus Calmette−Guerinのような微生物由来のアジュバント物質は、免疫応答を高め得、そして動物において腫瘍に対する抵抗性を増大する。免疫療法薬剤は、しばしば、癌抗原に特異的に結合またはそうでなければ認識する抗体または抗体フラグメントに由来する医薬である。このような薬剤の結合は、抗原特異的免疫応答のような免疫応答を促進し得る。抗体を基礎にした免疫療法は、癌細胞の細胞表面への結合によって機能し得、これは、内因性免疫系を刺激し得、癌細胞を攻撃する。 本明細書で用いられるとき、「癌抗原」は、癌細胞によって発現される抗原として広範に規定される。この抗原は、癌細胞の細胞表面で発現され得る。多くの事例において、この抗原は、正常細胞によって発現されないものであるか、または少なくとも癌細胞におけるのと同じレベルまたは同じ濃度で発現されない。例として、いくつかの癌抗原は、正常細胞では通常サイレントであり(すなわち発現されない)、いくつかは分化の特定のステージでのみ発現され、そしてその他は(胚抗原および胎児抗原のように)一時的にのみ発現される。その他の癌抗原は、発癌遺伝子(例えば活性化ras発癌遺伝子)、サプレッサー遺伝子(例えば変異体p53)のように変異体細胞遺伝子によってコードされるか、内部欠失もしくは染色体転座から生じる融合タンパク質などである。なおその他の癌抗原は、RNAおよびDNA腫瘍ウイルス上に保持されるもののようなウイルス遺伝子によってコードされ得る。正常細胞および癌細胞における癌抗原の分化的発現は、いくつかの事例では癌細胞を標的にするために開発され得る。本明細書で用いられるとき、用語「癌抗原」および「腫瘍抗原」は、交換可能に用いられる。 免疫監視機構の理論は、免疫系の最初の機能が、腫瘍が形成される前に新生物細胞を検出および排除することである。この理論の基礎的原理は、癌細胞が正常細胞とは抗原性が異なり、そしてそれ故、免疫学的に不適合性の同種異系移植片の拒絶を引き起こすのと類似の免疫反応を惹起し得ることである。研究は、腫瘍細胞が、抗原のそれらの発現において、質的または量的に異なることを確認した。例えば、「腫瘍特異的抗原」は、正常細胞ではなく腫瘍細胞と特異的に関連している抗原である。腫瘍特異的抗原の例は、DNAまたはRNAウイルスによって誘導される腫瘍中のウイルス抗原である。「腫瘍関連」抗原は、腫瘍細胞および正常細胞の両方に存在するが、腫瘍細胞では異なる量または異なる形態で存在する。このような抗原の例は、発癌胎児抗原(例えば癌胎児性抗原)、分化抗原(例えばTおよびTn抗原)、および発癌遺伝子産物(例えばHER/neu)である。 インビトロおよびインビボで腫瘍標的を殺傷し得る異なるタイプの細胞が識別されている:ナチュラルキラー細胞(NK細胞)、細胞溶解性Tリンパ球(CTL)、リンホカイン活性化キラー細胞(LAK)、および活性化マクロファージである。NK細胞は、特異的抗原に先に感作されることなくして腫瘍細胞を殺傷し得、そしてその活性は、標的細胞上に腫瘍組織適合性複合体(MHC)によってコードされるクラスI抗原の存在を必要としない。NK細胞は、発生期の腫瘍の制御、および転移性成長の制御に参加すると考えられている。NK細胞とは対照的に、CTLは、腫瘍細胞を、それらが腫瘍抗原に感作された後に、そしてこの標的抗原が、これもまたMHCクラスIを発現する腫瘍細胞上で発現されるときにのみ殺傷し得る。CTLは、移植された腫瘍およびDNAウイルスにより引き起こされる腫瘍の拒絶におけるエフェクター細胞であると考えられる。LAK細胞は、NK集団およびCTL集団とは別個の特徴のないリンパ球のサブセットである。活性化マクロファージは、一旦活性化されると、抗原依存性でなく、MHCで制限されることない様式で腫瘍細胞を殺傷し得る。活性化マクロファージは、それらが浸潤する腫瘍の成長速度を減少すると考えられている。インビトロアッセイは、抗体依存性、細胞媒介細胞障害性反応、および抗体プラス補体による溶解のようなその他の免疫機構を同定した。しかし、これらの免疫エフェクター機構は、インビボにおけるNK、CTL、LAKおよびマクロファージの機能より、インビボにおいて重要ではないと考えられている(総説には、Piessens、「Tumor Immunology」、Scientific American Medicine、第2巻、Scientific American Books、1〜13頁、1996を参照のこと)。 1つの実施形態では、上記免疫療法薬剤は、癌細胞への毒性物質の特異的標的化のための送達システムとして機能し得る。例えば、この薬剤は、リシン(例えば、トウゴマから)、カリケアミシン、メイタンシノイドのようなトキシン、ヨウ素−131およびイットリウム−90のような放射活性同位体、化学療法剤、および/または生物学的応答改変剤に複合体化され得る。このようにして、上記毒性物質は、癌の領域中に濃縮され得、そして正常細胞に対する非特定的毒性は最小にされ得る。 別の実施形態では、上記免疫療法薬剤は、内皮細胞に結合するもののように、血管系の結合に向けて指向され得る。これは、固形腫瘍は一般に生存するために新たに形成された血管に依存し、そしてそれ故、大部分の腫瘍は、新たな血管の成長を補給かつ刺激し得るからである。結果として、多くの癌医薬の1つの戦略は、腫瘍を給餌する血管、および/またはこのような血管を支持する結合組織(支質)を攻撃することである。 別のセットの実施形態では、本発明のシステムおよび方法とアポトーシス化学療法薬剤との組み合わせ投与が用いられ得る。本明細書で用いられるとき、「アポトーシス化学療法薬剤」は、急速に分裂する細胞でアポトーシスを誘導する種々の機構によって機能する分子を含む。アポトーシス化学療法薬剤は、当業者に周知である化学療法剤のクラスである。化学療法剤は、本明細書中に参考として援用される、GoodmanおよびGilmanのThe Pharmacological Basis of Therapeutics、第8版、McGraw−Hill、Inc.Health Professions Division、1990の第52章「抗新生物薬剤」(Paul CalabresiおよびBruce A.Chabner)、およびそれへの導入、1202〜1263頁に開示されるような薬剤を含む。適切な化学療法薬剤は、種々の作用の機構を有し得る。適切な化学療法薬剤のクラスは、制限されないで:(a)ナイトロジェンマスタード(例えば、メクロルエタミン、シクロホスファミド、イフォスアミド、メルファラン、クロルアムブシル)、エチレンイミンおよびメチルメラミン(例えば、ヘキサメチルメラミン、チオテパ)、アルキルスルホネート(例えば、ブスルファン)、ニトロソウレア(例えば、BCNUとしてもまた知られるカルムスチン、CCNUとしてもまた知られるロムスチン、メチル−CCNUとしてもまた知られるセムスチン、クロロゾチシン、ストレプトゾシン)、およびトリアジン(例えば、DTICとしてもまた知られるジカルビジン)のようなアルキル化剤、(b)葉酸ナアログ(例えば、メトトレキセート)、ピリミジンアナログ(例えば、5−フルオロウラシルフロクスウリジン、シタラビン、およびアザウリジンおよびそのプロドラッグ形態アザリビン)、ならびにプリンアナログおよび関連物質(例えば、6−メルカプトプリン、6−チオグアニン、ペントスタチン)のような抗代謝物質、(c)ビンカアルカロイド(例えば、ビンブラスチン、ビンクリスチン)、エピポドフィロトキシン(例えば、エトポシド、テニポシド)、抗生物質(例えば、アクチノマイシン−Dとしてもまた知られるダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキシルビシン、ブレオマイシン、ピリカマイシン、マイトマイシン、4−エピドキソルビシンであるエピルビシン、4−ジメトキシダウノルビシンであるイダルビシン、およびマイトキサントロン)、酵素(例えば、L−アスパラギナーゼ)、および生物学的応答改変剤(例えば、インターフェロンα)、(d)白金配位複合体(例えば、シスプラチン、カルボプラチン)、置換尿素(例えば、ヒドロキシウレア)、メチルヒドラジン誘導体(例えば、プロカルバジン)、副腎皮質抑制剤(例えば、マイトタン、アミノグルテチミド)のような雑多な薬剤、(e)副腎皮質コルチコステロイド(例えば、プレドニソンなど)、プロゲスチン(例えば、ヒドロキシプロゲステロンカプロエート、メドロキシプロゲステロンアセテート、メゲストールアセテート)、エストロゲン(例えば、ジエチイトチベストロール、エチニルエストラジオールなど)、アンチエストロゲン(例えば、タモキシフェン)、アンドロゲン(例えば、テストステロンプロピオネート、フルオキシメステロンなど)、アンチアンドロゲン(例えば、フルタミド)、およびゴナドトロピン−放出ホルモアナログ(例えば、ロイプロリド)のようなホルモンおよびアンタゴニスト、および(f)アドリアマイシンのようなDNA損傷化合物を含む。本発明のシステムおよび方法と、腫瘍細胞の成長を阻害するために有効なアポトーシス化学療法剤との組み合わせ投与は、いくつかの事例では腫瘍細胞のアポトーシスを誘導するのに有効なその量である。 なお別のセットの実施形態では、本発明のシステムおよび方法は、種々の癌ワクチンと組み合わせて用いられ得る。癌ワクチンは、癌細胞に対する内因性免疫応答を刺激することが意図される医薬である。現在産生されるワクチンは、体液性免疫系(すなわち、抗体依存性免疫応答)を優先的に活性化する。現在開発中のその他のワクチンは、腫瘍細胞を殺傷し得る細胞傷害性Tリンパ球を含む細胞媒介免疫系を活性化することに焦点をあてられる。癌ワクチンは、一般に、抗原提示細胞(例えば、マクロファージおよび樹状細胞)および/またはT細胞、B細胞およびNK細胞のようなその他の免疫細胞の両方に癌抗原の提示を増大する。 癌ワクチンは、いくつかの形態の1つをとり得るが、それらの目的は、抗原提示細胞(APC)による癌抗原および/または癌関連抗原の内因性プロセッシングおよびMHCクラスI分子の関係で細胞表面上の抗原提示の最終的な提示を容易にするために、APCにこのような抗原を送達することである。癌ワクチンの1つの形態は、全細胞ワクチンであり、これは被験体から取り出され、エクスビボで処理され、そして次に被験体中に全細胞として再導入される癌細胞の調製である。腫瘍細胞の溶解物もまた、癌ワクチンとして用いられ得、特定の事例では、免疫応答を惹起する。癌ワクチンの別の形態はペプチドワクチンであり、これは、癌特異的または癌関連小タンパク質を用い、T細胞を活性化する。癌関連タンパク質は、癌細胞によって専ら発現されるのではないタンパク質である(すなわち、その他の通常細胞はなおこれらの抗原を発現し得る)。しかし、癌関連抗原の発現は、特定タイプの癌で一般に一致して上方制御される。癌ワクチンのなお別の形態は樹状細胞ワクチンであり、これは、インビトロで癌抗原または癌関連抗原に曝された全樹状細胞を含む。樹状細胞の溶解物または膜もまた、いくつかの事例では癌ワクチンとして用いられ得る。樹状細胞ワクチンは、抗原提示細胞を直接活性化し得る。癌ワクチンのその他の非制限的な例は、ガングリオシドワクチン、熱ショックタンパク質ワクチン、ウイルスおよび細菌ワクチン、および核酸ワクチンを含む。 いくつかの実施形態では、癌ワクチンは、アジュバントとともに用いられ得る。アジュバントは、被験体の免疫系を活性化する物質であり、そして本発明のシステムまたは方法のいずれかにおいてアジュバント療法として用いられ得る。アジュバントは、例えば、ミョウバン、QS−Stimulon(Aquila)、MF−59(Chiron)、Detox(Ribi)、Optivax(Vaxcels)およびLeIF(Corixa)を含む。 インビトロで癌抗原に曝された樹状細胞の形態をとるその他の癌ワクチンは、上記抗原をプロセッシングし、そしてその他の免疫系細胞への有効な抗原提示のためにMHC分子において、それらの細胞表面で癌抗原を発現し得る。 本発明は、なお別の局面で、慢性関節リウマチおよび強皮症のような急速に分裂する細胞をともなうその他の疾患を処置するために有用である。慢性関節リウマチは、滑膜細胞の急速分裂をともなうその初期ステージに関連する。このプロセスは、パンヌス形成と呼ばれる。この急速に分裂する細胞は、骨細胞を殺傷する物質を産生し、組織の硬化に至る。 別の局面では、本発明のシステムおよび方法は、被験体における創傷を処置することで有用である。本明細書で用いられるとき、用語「創傷」は、皮膚創傷および組織創傷を記載するために用いられる。「皮膚創傷」は、本明細書では、皮膚への直接損傷によって引き起こされる皮膚組織の連続性における破壊として規定される。皮膚創傷は、一般に、いくつかのクラスによって特徴付けられ、穿刺、切開を含み、外科的手順、切除、裂傷、擦過傷、萎縮性皮膚、または壊死創傷および火傷によって生成されるものを含む。本発明のシステムおよび方法は、皮膚のすべての創傷の治癒を増大するために有用である。 本明細書で用いられるとき、「組織損傷」は、血管、小腸、結腸などのような内部器官への損傷である。本発明のシステムおよび方法は、組織損傷における創傷治癒プロセスを、それらが自然に、または手術の結果として生じるか否かにかかわらず増大するために有用である。例えば、動脈の修復の間に、動脈は、封止され、そして創傷治癒プロセスは可能な限り迅速である必要があり得る。本発明のシステムおよび方法は、多くの事例において、そのプロセスをスピードアップし得る。本発明はまた、結腸中の損傷した組織の処置のために特に有用である。損傷した結腸の創傷治癒を促進することに加え、いくつかの場合には、本発明のシステムおよび方法は、抗微生物効果を提供し得る。 本発明によって処理された細胞は、創傷を処置するために用いられ得る。例えば、エクスビボ細胞は、包帯またはその他の基体に付着され得、そしてこの基体は、創傷上に少なくとも部分的にこの創傷を覆って位置決めされる。いくつかの場合には、この包帯またはその他の基体は、被験体に、例えば、接着剤の使用を通じて付着され得る。適切な接着剤は、当業者によって選択され得、いくつかの適切な接着剤は、以下にさらに説明され得る。 本発明のシステムおよび方法はまた、さらなる治療および/または薬学的に受容可能な薬剤を含み得る。例えば、上記組成物または方法は、例えば、デクスパンテノール、成長因子、酵素またはホルモン、ポビドン−ヨウ化物、脂肪酸、セチルフィリジニウムクロライドなど、抗生物質、および鎮痛剤のような創傷の処置のためのその他の薬剤を含み得る。いくつかの実施形態では、上記組成物はまた、成長因子を含み得る。成長因子は、制限されないで、線維芽細胞成長因子(FGF)、FGF−1、FGF−2、FGF−4、血小板由来成長因子(PDGF)、インシュリン結合成長因子(IGF)、IGF−1、IGF−2、上皮成長因子(EGF)、トランスフォーミング成長因子(TFG)、TFG−α、TFG−β、軟骨誘導因子−Aおよび−B、類骨誘導因子、オステオゲニンおよびその他の骨成長因子、コラーゲン成長因子、ヘパリン結合成長因子−1または−2、および/またはそれらの生物学的に活性な誘導体を含む。上記組成物はまた、いくつかの実施形態では、防腐剤を含み得る。 別の局面では、本発明のシステムおよび方法は、特異的抗原性免疫応答に関連する障害を処置または予防するために有用である。それ故、本発明のいくつかの実施形態では、これら方法は、自己免疫疾患のリスクにあるか、または罹患している哺乳動物を処置するために用いられる。自己免疫疾患は、宿主の免疫応答に欠陥があり、そして個体自身の抗原または成分に対する特異的免疫応答の産生を生じる障害である。自己免疫疾患では、個体自身の抗体が、宿主組織と反応するか、または免疫エフェクターT細胞が内因性自己ペプチドに自己反応的であり、そして組織の破壊を引き起こす。MHCクラスII対立遺伝子座が種々の自己免疫疾患に対する感受性における主要な遺伝的要素として作用することが良く確立されている。T細胞によって認識される構造、自己免疫を引き起こす細胞は、クラスII MHC分子および抗原性ペプチドからなる複合体である。T細胞が、宿主自身の遺伝子産物に由来する宿主のクラスII MHC分子/ペプチド複合体と反応するとき、自己免疫が生じ得る。これらのクラスII MHC分子/ペプチド複合体が形成されることを阻害される場合、この自己免疫応答は減少されるか、または抑制され、そしてそれ故、本発明によって阻害される。自己免疫障害のペプチド−抗原は自己抗原である。クラスII MHC分子/ペプチド複合体が役割を演じる任意の自己免疫疾患は、本発明の方法に従って処置され得る。このような自己免疫疾患は、制限されないで、幼児発症糖尿病(インシュリン依存性)、多発性硬化症、尋常性天疱瘡、グレーヴズ病、重症筋無力症、全身性エリテマトーデス(SLE)、セリアック病、慢性関節リウマチ、および橋本甲状腺炎を含む。本発明は、自己免疫疾患を発症する個体の感受性を決定するための方法を含む。本明細書で用いられるとき、「自己免疫疾患に対する感受性」は、自己免疫疾患を発症する平均より少なくとも大きい、そしていくつかの実施形態では少なくとも約10%より大きい可能性を示す。それ故、本発明はまた、自己免疫疾患を有する被験体を処置するためのシステムおよび方法を含み、関連する細胞死を減少する。 インビトロで哺乳動物細胞とともに用いられるとき、特定のシステムおよび方法は、MHC分子内の特異的抗原の負荷のために有用性を有し得る。クラスII分子内に特異的抗原負荷をもつ細胞は、種々の分析アッセイおよび診断アッセイにおいて有用性を有する。これらの細胞はまた、治療剤としても有用である。例えば、これら細胞は、免疫応答を調べるため、または抗原特異的免疫応答を阻害または促進することについて、推定の薬物の効果をスクリーニグするために培養中で用いられ得る。さらに、これら細胞は、抗原特異的T細胞応答を促進するために哺乳動物被験体に投与され得る。被験体に投与されるとき、細胞の表面上のクラスII MHC/抗原複合体は、内因性T細胞と相互作用し得、免疫カスケードを誘導し、そしてそれ故、抗原特異的免疫応答を生成し得る。いくつかの実施形態では、インビトロで操作された細胞は、同じ被験体からエクスビボで単離されている。 本発明のシステムおよび方法はまた、抗原特異的免疫応答を誘導するためにインビボで哺乳動物被験体を処置するために用いられ得る。それが、病理学的状態および/またはその哺乳動物宿主に対して任意の損傷を引き起こし得るか否かにかかわらず、任意の外来抗原に対する抗原特異的免疫応答を生成することは有用である。用語「外来抗原」または「抗原」は、同意語的に用いられ、宿主中に免疫応答を惹起し得る分子をいい、ここで、この抗原は、上記で規定されるような自己抗原ではない。それ故、これらの用語は、特異的に自己抗原を排除する。自己抗原は、本明細書中では、自己免疫障害のペプチド抗原をいうために用いられる。自己抗原に対する免疫応答は、自己免疫障害を生じる。用語「自己抗原」は、しかし、宿主によって外来として認識され、そして自己免疫疾患にともなわない癌抗原のような抗原は含まない。それ故、用語「抗原」は、自己抗原を特異的に排除し、そして宿主免疫系によって外来であると認識される任意のタイプの分子(例えば、宿主または異種細胞に関連する)を広く含む。抗原は、制限されないで、癌抗原および微生物抗原を含み、そして細胞、細胞抽出物、多糖類、多糖類複合体、脂質、糖脂質、炭水化物、ペプチド、タンパク質、ウイルス、ウイルス抽出物などを含み得る。本明細書で用いられるとき、「癌抗原」は、腫瘍または癌細胞表面に関連し、そしてこれは、クラスII MHC分子の関係で抗原提示細胞の表面上で発現されるとき、免疫応答を惹起し得る化合物である。癌または腫瘍は、上記で記載されたものを含む。 癌抗原は、制限されないで、Melan−A/MART−1、ジペプチジルペプチダーゼIV(DPPIV)、アデノシンデアミナーゼ−結合タンパク質(ADAbp)、シクロフィリンb、結腸直腸関連抗原(CRC)−−C017−1A/GA733、癌胎児性抗原(CEA)およびその免疫原性エピトープCAP−1およびCAP−2、etv6、aml1、前立腺特異的抗原(PSA)およびその免疫原性エピトープPSA−1、PSA−2およびPSA−3、前立腺特異的膜抗原(PSMA)、T細胞セレプター/CD3−ζ鎖、腫瘍抗原のMAGE−ファミリー腫瘍抗原のGAGE−ファミリー(例えば、GAGE−1、GAGE−2、GAGE−3、GAGE−4、GAGE−5、GAGE−6、GAGE−7、GAGE−8、GAGE−9)、BAGE、RAGE、LAGE−1、NAG、GnT−V、MUM−1、CDK4、チロシナーゼ、p53、MUCファミリー、HER2/neu、p21ras、RCAS1、α−フェトプロテイン、E−カドヘリン、α−カテニン、β−カテニンおよびγ−カテニン、p120ctn、gp100Pmel117、PRAME、NY−ESO−1、脳グリコーゲンホスホリラーゼ、SSX−1、SSX−2(HOM−MEL−40)、SSX−1、SSX−4、SSX−5、SCP−1およびCT−7、cdc27、腺腫様ポリープ症coliタンパク質(APC)、フォドリン、P1A、Connexin37、Ig−イディオタイプ、p15、gp75、GM2およびGD2ガングリオシド、ヒトパピローマウイルスタンパク質のようなウイルスタンパク質、腫瘍抗原のSmadファミリー、lmp−1、EBV−コード化核抗原(EBNA)−1、またはc−erbB−2を含む。 いくつかの実施形態では、免疫認識を逃れる癌または腫瘍、およびこのような腫瘍と関連する腫瘍抗原は(排他的ではなく)、急性リンパ芽球白血病(etv6、aml1、シクロフィリンb)、B細胞リンパ腫(Ig−イディオタイプ)、グリオーマ(E−カドヘリン、α−カテニン、β−カテニン、γ−カテニン、p120ctn)、膀胱癌(p21ras)、胆嚢癌(p21ras)、乳癌(MUCファミリー、HER2/neu、c−erbB−2)、頸部癌腫(p53、p21ras)、結腸癌腫(p21ras、HER2/neu、c−erbB−2、MUCファミリー)、結腸直腸癌(結腸直腸関連抗原(CRC)−−C017−1A/GA733、APC)、絨毛膜癌腫(CEA)、上皮細胞−癌(シクロフィリンb)、胃癌(HER2/neu、c−erbB−2、ga733糖タンパク質)、肝細胞癌(α−フェトプロテイン)、ホジキンリンパ腫(lmp−1、EBNA−1)、肺癌(CEA、MAGE−3、NY−ESO−1)、リンパ様細胞−由来白血病(シクロフィリンb)、メラノーマ(p15タンパク質、gp75、腫瘍胎児性抗原、GM2およびGD2ガングリオシド)、ミエローマ(MUCファミリー、p21ras)、非小細胞肺癌腫(HER2/neu、c−erbB−2)、鼻咽頭癌(lmp−1、EBNA−1)、卵巣癌(MUCファミリー、HER2/neu、c−erbB−2)、前立腺癌(前立腺特異的抗原(PSA)およびその免疫原性エピトープPSA−1、PSA−2、およびPSA−3、PSMA、HER2/neu、c−erbB−2)、膵臓癌(p21ras、MUCファミリー、HER2/neu、c−erbB−2、ga733糖タンパク質)、腎(HER2/neu、c−erbB−2)、頸部および食道の鱗状細胞癌(ヒトパピローマウイルスタンパク質のようなウイルスタンパク質)、精巣癌(NY−ESO−1)、T細胞白血病(HTLV−1エピトープ)、およびメラノーマ(Melan−A/MART−1、cdc27、MAGE−3、p21ras、gp100Pmel117)を含む。 MHCクラスIおよびMHCクラスII分子のいずれか、または両方に結合する腫瘍抗原の例については、以下の参考文献を参照のこと:これらの抗原およびその他は、PCT出願第PCT/US98/18601号に開示されている。 本発明のシステムおよび方法はまた、アレルギー応答にリスクにあるか、またはアレルギー応答を罹患している哺乳動物を処置するために有用である。本明細書で用いられるとき、「アレルギー応答」は、特定の抗原に対する宿主の免疫応答が不必要であるか、または不均衡で病状を生じる障害である。アレルギー応答は、一部、T細胞が特定のクラスII MHC/ペプチド複合体を認識し、そして免疫応答のカスケードを誘因するので起こり得る。このクラスII MHC/ペプチド複合体が形成されることを阻害されると、このアレルギー応答は減少されるか、または抑制される。クラスII MHC/ペプチド複合体が役割を担う任意のアレルギー応答は、本発明の方法に従って処置され得る。アレルギー応答から生じるアレルギーは、制限されないで、花粉、ブタクサ、甲殻類、家畜動物(例えば、ネコおよびイヌ)、B毒液などに対するアレルギーを含む。アレルギー応答のサブセットは喘息を生じる。アレルギー喘息応答もまた、用語「アレルギー応答」の定義内に含まれる。本発明のシステムおよび方法に従って、喘息攻撃または過敏症ショックの間に生じるような重篤または生命を脅かすアレルギー応答を処置することが特に好ましい。 別の局面では、本発明のシステムおよび方法はまた、器官移植または組織移植片を受けたか、または受けようとする哺乳動物を処置するために有用である。組織移植(例えば、腎臓、肺、肝臓、心臓)または皮膚移植片においては、ドナーとレシピントのクラスII MHC遺伝子型(HLAタイプ)間にミスマッチが存在するとき、ドナー組織に対する重篤な「同種異系免疫応答」が存在し得、これは、ドナー細胞の表面上の抗原性ペプチドを提示する非自己または同種異型クラスII MHC分子の存在からの結果である。 本発明のシステムおよび方法は、なお別の局面では、炎症性疾患または症状を有する哺乳動物を処置するために有用である。本明細書で用いられるとき、「炎症性疾患または症状」は、損傷または感染の部位での局所的炎症によって特徴付けられる任意の症状をいいし、そして自己免疫疾患、感染性炎症状態の特定の形態、器官移植またはその他の移植の所望されない好中球活性特徴、および所望されない好中球活性化によって特徴付けられる実質的に任意のその他の症状を含む。これらの症状は、制限されないで、髄膜炎、脳浮腫、関節炎、腎炎、成人呼吸困難症候群、膵臓炎、筋炎、神経炎、結合組織疾患、静脈炎、動脈炎、脈管炎、アレルギー、過敏症、エールリヒア症、痛風、器官移植および/または潰瘍性大腸炎を含む。 1つの局面では、本発明の組成物はまた、照射療法のようなその他の治療と組み合わせて用いられ得る。治療の組み合わせが用いられるとき、所望の結果、細胞増殖の阻害を達成するための有効量はより少なくてもよい。これは、個々の治療の高濃度にともなう任意の副作用を減少し得るか、またはなくし得る。1つの例は、本発明の1つ以上の組成物と照射療法の組み合わせである。いくつかの事例では、この照射療法はまた、原形質膜中のUCPの阻害に寄与し得る。照射感受性細胞は、原形質膜中でUCPを発現するような細胞であり、そして照射耐性細胞は、原形質膜UCPを発現しない。本発明はまた、いくつかの事例では、照射耐性細胞を処置するシステムおよび方法を含み、これは、原形質膜中のUCP発現を誘導すること、およびそれらを照射で処置することによる。 必要に応じて、いくつかの実施形態では、標的する機構は、本発明の1つ以上の組成物を特定の細胞、腫瘍、創傷などが標的となるように用いられ得る。多くの例では、細胞タイプを特異的に標的にすることが所望され、上記組成物の有効性および投与の特異性を増加し、それ故、非関連細胞を損傷または破壊し得る影響を避ける。それ故、このような薬物の標的細胞への特異的送達を可能にする送達システムが提供される。この送達システムは、処置の効果を増加し、そしてこのような処置の関連する「副作用」を低減し得る。 (癌細胞または創傷内の細胞のような)標的細胞を薬物およびその他の組成物の標的にする方法は、当該技術分野で周知である。標的化の1つの方法は、抗体またはレセプター標的化を含む。レセプターまたは抗体標的化は、本発明の化合物を、例えばUCPである、所望の標的細胞表面上で発現されるレセプターまたは細胞表面分子に対して親和性を有するリガンドまたは抗体に連結することを含む。このアプローチを用いて、本発明の組成物は、細胞表面上でのリガンド−レセプターまたは抗体−細胞表面抗原複合体の形成の後の標的細胞に付着することが意図される。細胞を標的にするために用いられるレセプターまたは抗体のタイプは、標的にされる細胞タイプに依存する。標的分子は、ペプチド結合またはスルフヒドリルまたはジスルフィド結合のようなその他のタイプの結合によって付着され得る。標的化分子は、例えば、米国特許番号第5,849,718号、および多くのその他の参考文献に記載されている。 一般に、上記標的化部分は、本発明の組成物にカップルされ得る。これら分子は、接合によるなど互いに直接カップルされ得るか、または互いに間接的にカップルされ得、この場合、例えば、この標的化分子は、リポソームの表面上にあり、そして本発明の1つ以上の組成物は、リポソームないに含まれる。上記分子が互いに共有結合される場合、そのときは、この標的化分子は、この標的化部分の標的化特異性を保存するような様式で、本発明の化合物に共有結合または非共有結合によって結合され得る。本明細書で用いられるとき、「連結される」または「連結」は、2つの実体が互いに任意の物理化学的手段によって結合されることを意味する。このような性質である連結は、本発明の組成物の有効性または上記標的化部分の結合特異性を実質的に損なわないことが重要である。これらのパラメーターを忘れずに、上記結合は共有結合であることが好ましいが、当業者に公知の任意の連結が採用され得る。連結のこのような手段および方法は、当業者に周知である。 本発明による連結は、直接連結である必要はない。本発明の組成物には、官能化された基が提供され得、それらの連結を容易にするか、そして/または本発明の成分は、単一プロセスで合成され得、それによってこの組成物は、単一の実体とみなされる。例えば、腫瘍細胞に特異的である標的化部分は、本発明のVCP阻害剤および脂肪酸代謝阻害剤とともに合成され得る。これらの改変またはその他の改変は、本発明に包含されることが意図される。 共有結合の特定の例は、二官能性架橋剤分子が用いられ得るようなものを含む。この架橋剤分子は、接合される分子の性質に依存して、ホモ二官能性またはヘテロ二官能性であり得る。ホモ二官能性架橋剤は、2つの同じ反応性基を有する。ヘテロ二官能性架橋剤は、逐次的接合反応を可能にする2つの異なる反応性基を有する。種々のタイプの市販され入手可能な架橋剤が、以下の基、例えば、一級アミン、二級アミン、スルフヒドリル、カルボキシル、カルボニルおよび炭水化物の1つ以上と反応性である。 接合の非共有結合方法もまた、いくつかの事例において、上記標的化部分と上記組成物を結合するために用いられ得る。非共有結合の結合は、直接または間接的手段によって達成され得、疎水性相互作用、イオン的相互作用、インターカーレーション、核酸の主溝または小溝への結合、およびその他の親和性相互作用を含む。 共有結合は、生理学的条件では、切断不能であり得るか、またはジスルフィド結合を含むリンカーのように生理学的環境で切断可能であり得る。このような分子は分解に抵抗し得るか、そして/または異なる細胞内輸送機構に供され得る。当業者は、過度の実験を要することなく、所定の適用のために、連結される分子の化学的性質と結合の好ましい特徴とに基づき、上記標的化部分と本発明の組成物とを連結する好ましい結合を確認し得る。 間接的連結には、上記標的化部分は、リポソームのような粒子の一部であり得、これは、特定の細胞タイプを標的にする。このリポソームは、次に、本発明の組成物を含み得る。本発明の組成物を含むリポソームの製造は、文献に完全に説明されている。多くは、例えば、出発成分としてコレステリック分子および/またはホスホリピドに基づく。それらは、合成に由来し得るか、または天然の膜成分から単離され得る。実質的に任意の疎水性物質が用いられ得、コレステリック分子、ホスホリピド、および好ましくは中程度の鎖長さ(すなわち、12〜20の炭素)、例えば、長さが14と18との間の炭素の脂肪酸を含む。これらの分子は、本発明の1つ以上の組成物に、例えば、リポソームの膜中に挿入される脂肪親和性のアンカーとともに付着され得、そしてこの組成物は、細胞へのリポソームの標的化のためにリポソーム表面上につながれる。その他の事例では、本発明の1つ以上の組成物は、リポソームの内部に存在し得る。 本発明の組成物の各々(またはその一部分)は、必要に応じて、1つの局面では、送達システムまたはベクターをともない得る。その最も広い意味において、「ベクター」は:(1)標的細胞への組成物の送達または(2)取り込みが重要である場合、標的細胞による組成物の取り込み、を促進し得る任意のビヒクルである。必要に応じて、(原形質膜標的化分子に加え、またはそれと同じ)「標的化リガンド」は、ベクターに付着され得、このベクターを、標的化リガンドのための同源レセプターをその表面上で発現する細胞に選択的に送達する。このようにして、(本発明の1つ以上を含む)ベクターは、細胞、例えば、腫瘍、創傷など中に選択的に送達され得る。一般に、本発明で有用なベクターは2つのクラスに分割される:コロイド分散系および生物学的ベクターである。本発明の組成物の標的細胞による取り込みを容易にするために用いられ得るその他の例の組成物は、リン酸カルシウム、および細胞内輸送、マイクロインジェクション、およびエレクトロポーレーションのその他の化学的メディエーターを含む。 一般に、本発明で有用なベクターは、制限されずに、UCPおよび/またはFas阻害剤核酸配列の挿入または取り込みにより操作された、プラスミド、ファージミド、ウイルス、ウイルス供給源または細菌供給源由来のその他のビヒクルを含む。ウイルスベクターは、制限されずに、以下のウイルスのいずれかからの核酸配列を含む:レトロウイルス、例えば、モロニーマウス白血病ウイルス、ハーヴィーマウス肉腫ウイルス、マウス乳房腫瘍ウイルス、およびラウス肉腫ウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、SV40−タイプウイルス、ポリオーマウイルス、エプスタインバーウイルス、パピローマウイルス、ヘルペスウイルス、ワクチニアウイルス、ポリオウイルス、およびレトロウイルスのようなRNAウイルス。上記の名前ではないが当該技術分野で公知のその他のベクターが容易に採用され得る。 いくつかの事例では、上記ウイルスベクターは、必須でない遺伝子が目的の遺伝子で置換された非細胞変性真核生物ウイルスに基づく。非細胞変性ウイルスはレトロウイルスを含み、その細胞周期は、ゲノムウイルスRNAのDNA中への逆転写を含み、次の宿主細胞DNA中へのプロウイルス組み込みをともなう。レトロウイルスは、ヒト遺伝子治療試行のために認可されている。最も有用なのは、複製欠損(すなわち、所望のタンパク質の合成を行い得るが、感染性粒子を製造することはできない)であるようなレトロウイルスである。このように遺伝的に改変されたレトロウイルス発現ベクターは、インビボでの遺伝子の高効率形質導入のために一般的な有用性を有する。複製欠損レトロウイルスを生成するための標準的なプロトコール(異種遺伝子材料のプラスミド中への取り込み、プラスミドでのパッケージング細胞株のトランスフェクション、このパッケージング細胞株による組み換えレトロウイルスの産生、組織培養培地からのウイルス粒子の収集、およびウイルス粒子での標的細胞の感染)は、文献中、例えば、Kriegler、Gene Transfer and Expression、A Laboratory Mannual、W.H.Freeman、Co.、1990、およびMurry編、Methods in Molecular Biology、第7巻、Humana Press、Inc.、1991に提供されている。 特定の適用のために有用なウイルスは、二本鎖DNAウイルスであるアデノ随伴ウイルスである。このアデノ随伴ウイルスは、複製欠損であるように操作され得、そして多くの事例において広範な範囲の細胞タイプおよび種に感染し得る。それはさらに、熱および脂質溶媒安定性、造血細胞を含む多様な系統の細胞における高形質導入頻度、および超感染阻害の欠如のような特定の利点を有し、それ故、複数シリーズの形質導入を可能にする。報告により、上記アデノ随伴ウイルスは、部位特異的様式でヒト細胞DNA中に組み込み得、それによって、レトロウイルス感染の挿入された遺伝子発現特徴の挿入変異誘発および変動性の可能性を最小にする。さらに、野生型アデノ随伴ウイルス感染は、選択圧の非存在下で100より多い継代の組織培養が続き、このアデノ随伴ウイルスゲノム組み込みは比較的安定な事象であることを示す。このアデノ随伴ウイルスはまた、染色体外様式で機能し得る。 その他の適切なベクターはプラスミドベクターを含む。プラスミドベクターは、当該技術分野で広範に記載されており、そして当業者に周知である。例えば、Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第2版、Cold Spring Harbor Laboratory Press、1989を参照のこと。プラスミドベクターは、インビボにおいて細胞に遺伝子を送達するために特に有利であることが見出されている。なぜなら、それらは、宿主ゲノム内で複製し、そしてその中に組み込まれることができないからである。これらのプラスミドは、しかし、宿主細胞と適合するプロモーターを有し、このプラスミド内で作動可能にコードされる遺伝子からペプチドを発現し得る。いくつかの一般に用いられるプラスミドは、pBR322、pUC18、pUC19、pRC/CMV、SV40、およびpBlueScriptを含む。その他のプラスミドは、当業者に周知である。さらに、プラスミドは、DNAの特定のフラグメントを除去および添加するために制限酵素および/または連結反応を用いて注文設計され得る。 遺伝子を保持するプラスミドは、細菌を用いてインビボで細胞に送達され得ることが発見されている。Salmonellaのような細菌の改変形態は、プラスミドでトランスフェクトされ得、そしてそれ故、いくつかの事例では送達ビヒクルとして用いられ得る。この細菌送達ビヒクルは、宿主被験体に、経口的またはその他の投与手段によって投与され得る。いくつかの事例における細菌は、消化管障壁を通過し得る。高レベルの発現が、この方法を用いて確立されている。 厚密作用剤がまた、単独、または本発明のベクターと組み合わせて用いられ得る。本明細書で用いられるとき、「圧縮剤(compaction agent)」は、核酸上の負電荷を中和し、そしてそれによって核酸の微細粒子への圧縮を許容するヒストンのような作用剤をいう。核酸の圧縮は、標的細胞による核酸の取り込みを容易にする。この圧縮剤は、単独、すなわち、上記組成物を細胞によってより効率的に取り込まれる形態で送達するため、または、より好ましくは、上記に記載のベクターの1つ以上と組み合わせて用いられ得る。 1つの局面では、本発明は、被験体に本明細書に記載される任意の組成物を投与する方法を提供する。投与されるとき、この組成物は、薬学的に受容可能な処方物として、治療的に有効な、薬学的に受容可能な量で付与される。本明細書中で用いられとき、用語「薬学的に受容可能」は、その通常の意味で与えられる。薬学的に受容可能な組成物は、一般に、この処方物のその他の材料と適合し、そして被験体に一般に有害でない。本発明の任意の組成物は、治療的に有効な用量で被験体に投与され得る。被験体への用量は、1つ以上の活性化合物の治療的に有効な量が被験体内の部位(単数または複数)に到達するようであり得る。本明細書で用いられるとき、「治療的に有効」または「有効な」用量は、処置される特定の症状の発症を遅延し、その進行を阻害し、その発症または進行をともに止め、それを診断するために必要な量を意味し、すなわち、その量は、処置される特定の症状を少なくとも部分的に防ぎ、回復し、低減し、減少し、改善し、またはそうでなければ抑制する。治療的に有効な量は、個々のベースで決定され得、そして少なくとも部分的には、哺乳動物の種、哺乳動物の年齢、性別、サイズ、および健康、用いられる組成物、用いられる送達システムのタイプ、単一、複数、または制御放出の用量レジメンが採用されるか否かに基づく。治療的に有効な量は、このような因子を採用し、そして慣用の実験を超えずに当業者によって決定され得る。 本明細書で用いられるとき、用語「処置」、「処置される」、「処置すること」などは、本発明のシステムおよび方法の被験体への投与をいい、これは、例えば、この被験体の癌の発症またはさらなる発症に対する耐性を増加し得、癌または創傷をなくするか、または少なくとも制御し、そして/または癌または創傷の重篤度を減少する。本発明の薬学的調製物は、被験体に有効量で投与される。被験体に投与されるとき、有効量は、処置される特定の症状および所望の結果に依存し得る。治療的に有効な用量は、当業者によって、例えば、以下にさらに説明されるような因子を採用し、そして慣用を超えない実験を用いて決定され得る。 本発明のシステムおよび方法を被験体に投与することで、投薬量、投薬スケジュール、投与の経路などは、これのシステムおよび方法の既知の活性を行うように選択され得る。投薬量は、投与の様式に依存して、局所または全身で所望の薬物レベルを達成するように適切に調節され得る。この用量は、1日当たり1つのまたはいくつかの投与で与えられ得る。1つの例として、毎日の投薬が必要である場合、毎日の用量は、約0.01mg/kg/日〜約1000mg/kg/日、そしていくつかの実施形態では、約0.1mg/kg/日〜約100mg/kg/日または約1mg/kg/日〜約10mg/kg/日であり得る。非経口投与は、いくつかの事例では、経口投与と比較したとき、1日当たり1〜数桁より小さい用量大きさであり得る。例えば、活性化合物の投薬量は、非経口的に投与されるとき、約0.1μg/kg/日〜約10mg/kg/日、そしていくつかの実施形態では、約1μg/kg/日〜約1mg/kg/日、または約0.01mg/kg/日〜約0.1mg/kg/日の間であり得る。 いくつかの実施形態では、上記組成物の活性化合物(単数または複数)の濃度は、全身的に投与される場合、1日あたり70kg体重の成人に対し約1.0mg〜約2000mgの用量である。その他の実施形態では、この用量は、約10mg〜約1000mg/70kg/日である。なおその他の実施形態では、この用量は、約100mg〜約500mg/70kg/日である。局所的に付与される場合、濃度は、約0.1mg〜約500mg/gの軟膏またはその他の基剤、約1.0mg〜約100mg/gの基剤、または約30mg〜約70mg/gの基剤である。詳細な濃度は、用いられる特定の組成物に部分的に依存し、なぜなら、あるものは他のものより有効であるからである。実際に投与される上記組成物の投薬濃度は、少なくとも部分的に、処置される特定の傷害、作用の部位で所望される組成物の最終濃度、投与の方法、特定組成物の効果、特定組成物の寿命、および疾患の重篤度に対する投与のタイミングに依存する。好ましくは、投薬形態は、それが哺乳動物に実質的に有害に影響しないようである。 上記投薬は、いくつかの事例では、最大量で与えられ得、その一方、被験体内の任意の可能な有害な副作用を避けるか、または最小にする。実際に投与される投薬は、活性部位における所望の最終濃度、被験体への投与の方法、組成物の効果、被験体内の組成物の寿命、投与のモードおよび/またはタイミング、同時処置の影響(例えば、カクテルとして)などのような因子に依存し得る。送達される用量はまた、被験体にともなう症状に依存し得、そしていくつかの事例では被験体毎に変動し得る。例えば、年齢、性別、体重、サイズ、環境、身体状態、癌または創傷の活性部位、または被験体の健康の現在の状態がまた、活性部位での組成物の必要な用量および/または濃度に影響し得る。投薬量における変動は、異なる個体、または異なる日で同じ個体内でさえ生じ得る。これら因子は、当業者に周知であり、そして慣用を超えない実験で取り扱われ得る。最大用量、すなわち、健全な医療判定に従う最も高い安全用量を用いることが好ましい。 特定の被験体の応答がこのような用量で不十分である場合、なおより高い用量(または、異なる、より局在化された送達経路による効率的により高い用量)が、被験体の耐性が許容する程度まで採用され得る。1日における複数回投薬がまた、いくつかの事例では企図され、適切な被験体内の全身レベル、または被験体の活性部位内レベルを達成する。特定の事例では、投薬量、投薬スケジュール、投与の経路などは、本明細書中で記載のように選択され得、それによって、治療的に有効なレベルの組成物が提供される。 癌が処置されている特定の実施形態では、本発明の組成物は、癌の家族歴を有する被験体、または癌の遺伝的素因を有する患者に投与される。その他の実施形態では、上記組成物は、特定の年齢に到達した被験体、または癌になる可能性のより高い被験体に投与される。なおその他の実施形態では、上記組成物は、癌の症状を示す(初期または進行期)被験体に投与される。なおその他の実施形態では、上記組成物は、予防的手段として被験体に投与され得る。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、人口統計学または疫学的研究に基づき被験体に、または特定の分野または経歴にある被験体に投与され得る。 本発明の組成物の被験体への投与は、この組成物をその標的に到達させる任意の医療的に受容可能な方法によって達成され得る。選択される特定のモードは、勿論、先に記載されたような因子に依存し、これには、例えば、特定の組成物、処置される被験体の状態の重篤度、治療効果のために必要な投薬量などがある。本明細書で用いられるとき、処置の「医療的に受容可能な」モードは、臨床的に受容不能な副作用を引き起こすことなく被験体内で組成物の活性成分(単数または複数)の有効レベルを生成し得るモードである。投与は、局在的(すなわち、特定の領域、生理学的システム、組織、器官または細胞タイプ)または全身的であり得、処置されている状態に依存する。例えば、上記組成物は、経口、経膣、直腸、頬、肺、局所的、鼻、経皮的、非経口的注入または移植で、外科的投与、あるいは標的への適切な接近が達成される投与の任意のその他の方法を経由して投与され得る。本発明とともに用いられ得る非経口的様式の例は、静脈内、皮内、皮下、腔内、筋肉内、腹腔内、硬膜外、またはくも膜下を含む。移植様式の例は、任意の移植可能または注入可能な薬物送達システムを含む。いくつかの実施形態では、経口投与が好適であり得、なぜなら、被験体にとって、そして投薬スケジュールに便利であるからである。経口投与に適切な組成物は、上記組成物の所定量を含むハードカプセルまたはソフトカプセル、ピル、カシェット(cachettes)、タブレット、トローチ、またはロゼンジのような別個の単位として提示され得る。本発明との使用のために適切なその他の経口組成物は、シロップ、エリキシル、またはエマルジョンのような水性または非水性液体中の溶液または懸濁物を含む。1つのセットの実施形態では、上記組成物は、食物または飲料を強化するために用いられ得る。 注入は、例えば、静脈内、皮内、皮下、筋肉内、または腹腔内であり得る。例えば、上記阻害剤は、多発性硬化症の処置のために静脈内または筋肉内に注入され得るか、または関節疾患の処置のために関節に直接注入され得るか、または尋常性天疱瘡の処置のために損傷中に直接注入され得る。上記組成物は、例えば、感染性疾患の処置または予防のために皮内に注入され得る。いくつかの実施形態では、上記注入は、複数位置で与えられる。移植は、移植可能な薬物送達システム、例えば、マイクロスフェア、ヒドロゲル、ポリマーリザーバー、コレステロールマトリックス、ボリマーシステム、例えば、マトリックス腐食および/または拡散システム、および非ポリマーシステム、例えば、圧縮、融合、または部分的融合ペレットを挿入することを含む。全身投与には、リポソーム中に上記組成物をカプセル化することが有用であり得る。 吸入は、単独か、または吸収され得るキャリアに付着されるかのいずれかで、吸入器中のエアロゾルで組成物を投与することを含む。 一般に、本発明の組成物は、拡散によるか、またはより好ましくはポリマーマトリックスの分解による生物腐食性インプラントを用いて送達され得る。生分解性送達システムを形成するために用いられ得る例示の合成ポリマーは:ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアルキレン、ポリアルキレングリコール、ポリアルキレンオキシド、ポリアルキレンテレフタレート、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリビニルエステル、ポリビニルハライド、ポリビニルピロリドン、ポリグリコリド、ポリシロキサン、ポリウレタンおよびそれらのコポリマー、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、ニトロセルロース、アクリル酸およびメタクリル酸のポリマー、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートフタレート、カルボキシメチルセルロース、セルローストリアセテート、セルローススルフェートナトリウム塩、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(エチルメタクリレート)、ポリ(ブチルメタクリレート)、ポリ(イソブチルメタクリレリート)、ポリ(ヘキシルメタクリレート)、ポリ(イソデシルメタクリレート)、ポリ(ラウリルメタクリレート)、ポリ(フェニルメタクリレート)、ポリ(メチルアクリレート)、ポリ(イソプロピルアクリレート)、ポリ(イソブチルアクリレート)、ポリ(オクタデシルアクリレート)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリビニルアセテート、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリビニルピロリドンを、ならびに乳酸およびグリコール酸のポリマー、ポリ無水物、ポリ(オルト)エステル、ポリ(酪酸)、ポリ(吉草酸)、およびポリ(ラクチド−コ−カプロラクトン)、およびアルギネート、およびデキストランおよびセルロース、コラーゲン、それらの化学的誘導体(化学基、例えば、アルキル、アルキレンの置換、付加、水酸化、酸化、および当業者によって慣用的になされるその他の改変)を含むその他の多糖、アルブミンおよびその他の親水性タンパク質、ゼインおよびその他のプロラミンならびにその他の疎水性タンパク質、それらのコポリマーおよび混合物を含む。一般に、これら物質は、酵素的加水分解またはインビボでの水への曝露のいずれかによるか、表面またはバルク腐食により分解する。非生分解性ポリマーの例は、エチレンビニルアセテート、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリアミド、それらのコポリマーおよび混合物を含む。 いくつかの場合において特に重要な生体接着性ポリマーは、制限されないで、参考とし本明細書中に援用されるSawhneyら、Macromolecules、26:581〜587、1993によって記載される生物腐食性のヒドロゲル、およびポリヒアルロン酸、カゼイン、ゼラチン、グルチン、ポリ無水物、ポリアクリル酸、アルギネート、キトサン、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(エチルメタクリレート)、ポリ(ブチルメタクリレート)、ポリ(イソブチルメタクリレート)、ポリ(ヘキシルメタクリレート)、ポリ(イソデシルメタクリレート)、ポリ(ラウリルメタクリレート)、ポリ(フェニルメタクリレート)、ポリ(メチルアクリレート)、ポリ(イソプロピルアクリレート)、ポリ(イソブチルアクリレート)、およびポリ(オクタデシルアクリレート)を含む。 本発明のシステムおよび方法は、本発明の組成物が標的細胞、例えば、腫瘍細胞に到達することを可能にする任意の方法によって投与され得る。これらの方法は、例えば、注射、注入、堆積、移植、肛門および膣坐剤、経口摂取、吸入、局所投与、または上記阻害剤による標的細胞への接近が得られる投与の任意のその他の方法を含む。いくつかの実施形態では、局所投与が、皮膚中のAPCの高濃度に起因して好ましい。局所投与を達成するための1つの方法は、イオン浸透療法のような経皮投与を含む。イオン浸透透過は、特定のパッチに依存して、数時間から数日から数週間の期間の間非破壊皮膚を通じて連続的に化合物を送達する市販され−入手可能なパッチを用いることにより達成され得る。この方法は、比較的高濃度で皮膚を通る組成物の制御送達を可能にする。イオン浸透パッチの1つの例は、Los Angeles、CAのGeneral Medical Companyによって販売されるLECTRO PATCHTMである。このパッチは、組成物を含むリザーバーの電気的刺激を用いて皮膚を横切って連続的または周期的に投与され得る異なる濃度の投薬を提供する。局所投与はまた、上皮投与を含み、これは、刺激原に対する免疫応答を惹起するに十分な上皮の最外層の機械的または化学的刺激を含む。刺激原は、刺激の部位にAPC誘因し、そこで、それらは、次に組成物を取り込む。機械的刺激原の1つの例は、歯(tyne)を含むデバイスである。このようなデバイスは、皮膚を刺激する歯を含み、そして同時に薬物を送達し、例えば、Lyon、FranceのPasteur Merieuxにより製造されるMONO VACCTMがある。このデバイスは、1つの端部でシリンジプランジャーを含み、そして他方で歯のディスクを含む。この歯のディスクは、いくつかの狭い直径の歯を支持、これらは、上皮細胞の最外層を引っ掻き得る。化学的刺激原は、例えば、サチル酸のようなケラチン溶解性薬剤を含み、そして単独または機械的刺激原のようなその他の刺激原と組み合わせて用いられ得る。 本発明の特定の実施形態では、本発明の組成物の投与は、特定の時間に亘り、例えば、数時間、数日、数週間、数ヶ月、または数年に亘って本発明の組成物への逐次的曝露を生じるように設計され得る。これは、例えば、上記の方法の1つによる本発明の組成物の反復投与により、および/または、通常、反復投与なしに延長された期間に亘って本発明の組成物が送達される持続または制御放出により達成され得る。このような送達システムを用いる上記組成物の投与は、例えば、経口投薬形態、ボーラス注入、経皮パッチまたは皮下インプラトによってであり得る。上記組成物の実質的に一定の濃度を維持することが、いくつかの場合で所望され得る。 本発明との使用のために適切なその他の送達システムは、時間放出、遅延放出、持続放出、または制御放出送達システムを含む。このようなシステムは、多くの場合において反復投与を避け得、被験体および医師への便利さを増加する。多くのタイプの放出送達システムが当業者に利用可能であり、そして公知である。それらは、例えば、ポリ乳酸および/またはポリグリコール酸、ポリ無水物、ポリカプロラクトン、コポリオキサレート、ポリエステルアミド、ポリオルトエステル、ポリヒドロキシ酪酸、および/またはそれらの組み合わせのようなポリマーベースのシステムを含む。薬物を含む前述のポリマーのマイクロカプセルが、例えば、米国特許第5,075,109号に記載されている。その他の例は、コレステロール、コレステロールエステルのようなステロール、およびモノ−、ジ−およびトリグリセリドのような脂肪酸または中性脂質を含む脂質ベース、ヒドロゲル放出システム、リポソームを基礎にしたシステム、ホスホリピドベースのシステム、シラスチックシステム、ペプチドをベースにしたシステム、ワックスコーティング、従来のバインダーおよび賦形剤を用いる圧縮タブレット、または部分的に融合したインプラントである非ポリマーシステムを含む。特定の例は、制限されないで、上記組成物がマトリックス内にある形態中に含まれる腐食システム(例えば、米国特許第4,452,775号、同第4,675,189号、同第5,736,152号、同第4,667,014号、同第4,748,034号および同第5,239,660号に記載される)、または活性成分が放出速度を制御する拡散システム(例えば、米国特許第3,832,253号、同第3,854,480号、同第5,133,974号および同第5,407,686号に記載される)を含む。この処方物は、例えば、マイクロスフェア、ヒドロゲル、ポリマーリザーバー、コレステロールマトリックス、またはポリマーシステムとして存在し得る。いくつかの実施形態では、上記システムは、例えば、上記組成物を含む処方物の拡散または腐食/分解速度の制御により、上記組成物の持続または制御放出が起こることを可能にし得る。さらに、ポンプを基礎にしたハードウェア送達システムを用い、いくつの場合で、本発明の1つ以上の実施形態を送達し得る。 放出がバーストして生じるシステムの例は、例えば、組成物が、ポリマーマトリックス中にカプセル化されるリポソーム中に包括されるシステム、特定の刺激、例えば、温度、pH、光または分解酵素に感受性であるリポソーム、および、組成物が、マイクロカプセルコア−分解酵素を備えたイオン的に被覆されたマイクロカプセルによってカプセル化されるシステムを含む。上記阻害剤の放出が斬進的であり、そして連続的であるシステムの例は、例えば、組成物がマトリックス内にある形態で含まれる腐食システム、および組成物が例えばポリマーを通って制御された速度で透過する拡散システムを含む。このような持続放出システムは、例えば、ペレット、またはカプセルの形態にあり得る。 長期間放出インプラントの使用は、本発明のいくつかの実施形態では特に適切であり得る。本明細書で用いられるとき、「長期間放出」は、上記組成物を含むインプラントが、上記組成物の治療的に有効なレベルを、少なくとも30または45日、そして好ましくは少なくとも60または90日、またはいくつかの場合にはなおより長くの間送達するように構築および手配されることを意味する。長期間放出インプラントは、当業者に周知であり、そして上記に記載の放出システムのいくつかを含む。 本発明の特定の実施形態では、組成物は、適切な薬学的に受容可能なキャリアを、例えば、リポソーム中に取り込まれ、ポリマー放出システム中に取り込まれ、または液体に懸濁され、例えば、溶解された形態またはコロイド分散系にあるようなコロイド形態で含み得る。一般に、本発明における使用のために適切な薬学的に受容可能なキャリアは、当業者に周知である。本明細書で用いられるとき、「薬学的に受容可能なキャリア」は、投与される活性化合物(単数または複数)の生物学的活性の有効性を顕著に妨害しないが、例えば、使用の前に組成物内の活性成分(単数または複数)を安定化または保護するための処方物成分として用いられる非毒性材料をいう。用語「キャリア」は、有機または無機成分を示し、これは天然または合成であり得、それとともに本発明の1つ以上の活性化合物が組み合わされて上記組成物の適用を容易にする。このキャリアは、本発明の1つ以上の活性化合物および互いと、所望の薬学的効果を実質的に損ない得るような相互作用が内容に、同時に入れ混ぜられるか、またはそうでなければ混合され得る。このキャリアは、適用に依存して可溶性または不溶性のいずれかであり得る。周知のキャリアの例は、ガラス、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、デキストラン、ナイロン、アミラーゼ、天然および改変セルロース、ポリアクリルアミド、アガロースおよび磁石を含む。このキャリアの性質は、可溶性または不溶性であり得る。当業者は、その他の適切なキャリアを知っているか、または、慣用の実験のみを用いてそれを確認し得る。 本明細書で用いられるとき、「コロイド分散システム」は、被験体に上記組成物を送達し得、被験体中に上記組成物を放出し得る、細菌学またはウイルス供給源由来のもの以外の天然または合成分子をいう。コロイド分散システムは、高分子複合体、ナノカプセル、マイクロスフェア、ビーズ、および水中油型エマルジョン、ミセル、混合ミセル、およびリポソームを含む脂質ベースのシステムを含む。本発明の好ましいコロイドシステムは、リポソームである。リポソームは、インビボまたはインビトロの送達システムとして有用である人工膜ベッセルである。それは、その範囲が0.2マイクロメートル〜4.0マイクロメートルのサイズである大きな単層ベッセル(LUV)であることが示され、水性の内部内に大きな高分子をカプセル化し得、そしてこれらの高分子は、生物学的に活性な形態で細胞中に送達され得る(Fraleyら、Trends Biochem.Sci.、6:77、1981)。 トランスフェクションのための脂質処方物は、例えばQIAGENから、例えばEFFECTENETM(特別のDNA濃縮エンハンサーを備えた非リポソーム脂質)として、およびSUPER−FECTTM(新規作用性樹状測定(dendrimetric)技術)、および、N−[1−(2,3−ジオレイルオキシ)−プロピル]−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド(DOTMA)およびジメチルジオクタデシルアンモニウムブロマイド(DDAB)から形成される、カチオン性脂質Gibco BRLから、例えばLIPOFECTINTMおよびLIPOFECTACETMとして市販され入手可能である。リポソームを作製するための方法は、当該技術分野で周知であり、そして多くの刊行物に記載されている。いくつかのリポソームは、本明細書に参考として援用される、Gregoriadisによる総説論文、Trends in Biotechnol.、3:235〜241、1985に記載された。 1つの実施形態において、上記ビヒクルは、哺乳動物レシピエント中への移植のために適する生体適合性マイクロパーティクルまたはインプラントである。この方法に従って有用な例示の生物腐食性インプラントは、PCT国際出願番号第PCT/US/03307号(「ポリマー性遺伝子送達システム」と題する公開番号第WO95/24929号)に記載される。PCT/US/03307は、適切なプロモーターの制御下の外来遺伝子を含めるための生体適合性の、好ましくは生分解性のポリマーマトリックスを記載している。このポリマー性マトリックスは、被験体における外来遺伝子の持続放出を達成するために用いられる。本発明に従って、本明細書中に記載される本発明の組成物は、PCT/US/03307に開示される生体適合性の、必要に応じて生分解性のポリマーマトリックス内にカプセル化または分散され得る。 上記ポリマーマトリックスは、マイクロスフェア(ここでは、上記組成物は、固形ポリマーマトリックスの全体に分散される)またはマイクロカプセル(ここでは、上記組成物は、ポリマー性殻のコア中に貯蔵される)のようなマイクロパーティクルの形態であり得る。上記組成物を含むためのこのポリマーマトリックスのその他の形態は、フィルム、コーティング、ゲル、インプラント、およびステントを含む。このポリマーマトリックスデバイスのサイズおよび組成は、このマトリックスが導入される組織中の都合の良い放出動力学を生じるように選択され得るも。このポリマーマトリックスのサイズはまた、用いられるべき送達の方法、代表的には、組織中への注入、または鼻および/または肺領域中へのエアロゾルによる懸濁物の投与に従って選択され得る。エアロゾル経路が用いられるとき、上記ポリマーマトリックスおよび組成物は、界面活性剤ビヒクル中に包含され得る。このポリマーマトリックス組成物は、都合の良い分解速度および/または生体接着性である材料から形成されることの両方を有するように選択され得、例えば、このマトリックスが、損傷を持続した鼻および/または肺表面に投与されるとき移入の有効性をさらに増加する。上記マトリックス組成物はまた、分解しないように、むしろ延長された時間の期間に亘る拡散により放出するように選択され得る。別の実施形態では、このマトリックスは、経口送達に適する生体適合性マイクロスフェアである。このようなマイクロスフェアは、Chickeringら、Biotech.and Bioenz.、52:96〜101、1996、およびMathiowitzら、Nature、386:410〜414、1997に開示されている。 非生分解性および生分解性の両方のポリマーマトリックスは、被験体に本発明の組成物を送達するために用いられ得る。このようなポリマーは、天然または合成のポリマーであり得る。このポリマーは、一般に、数時間から1年またはより長い大きさである放出が所望される時間の期間に基づいて選択され得る。代表的には、数時間と3〜12ヶ月との間からの範囲に亘る期間に亘る放出が所望される。上記ポリマーは、必要に応じて、水中でその重量の約90%までを吸収し得るヒドロゲルの形態であり、そしてさらに必要に応じて多価イオンまたはその他のポリマーで架橋される。 いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、塩、キャリア、緩衝化剤、乳化剤、希釈剤、賦形剤、キレート剤、充填剤、乾燥剤、抗酸化剤、抗生物質、保存剤、結合剤、バルキング剤、シリカ、可溶化剤、または安定化剤のような処方物成分とともに薬学的に受容可能なキャリアを含み得る。例えば、この処方物が液体である場合、上記キャリアは、溶媒、部分溶媒、または非溶媒であり得、そして水性または有機溶媒ベースであり得る。適切な処方物成分の例は、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、乳糖、カオリン、リン酸カルシウム、またはリン酸ナトリウム、コーンスターチまたはアルギン酸のような顆粒化剤または崩壊剤、スターチのような結合剤、ゼラチンまたはアカシア、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、またはタルクのような潤滑剤、グリセロールモノステアレートまたはグリセロールジステアレートのような遅延剤、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドンのような懸濁剤、レチチンまたはその他の天然に存在するホスファチドのような分散剤または湿潤剤、セチルアルコールまたは蜜ワックスのような厚化剤、酢酸およびその塩、クエン酸およびその塩、ホウ酸およびその塩、またはリン酸およびその塩のような緩衝化剤、または塩化ベンザルコニウム、クロロブタノール、パラベン、またはチメロザールのような保存剤を含む。適切なキャリア濃縮物は、当業者により、慣用を超えない実験を用いて決定され得る。本発明の組成物は、錠剤、エリクシル、粉末、顆粒、軟膏、溶液、坐剤、吸入剤または注射物のような、固形、半固形、液体またはガス状形態にある調製物に処方され得る。当業者は、その他の適切な処方物成分を知っており、そして慣用の実験のみを用いてそれらを確認し得る。 調製物は、滅菌水溶液または非水性溶液、懸濁物およびエマルジョンを含み、これらは、特定の実施形態では、被験体の血液と等張であり得る。非水性溶媒の例は、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油、ゴマ油、ココナッツ油、ラッカセイ油、ピーナッツ油、のような植物油、鉱物油、エチルオレエートのような注射可能な有機エステル、または合成のモノまたはジ−グリセリドを含む固定油である。水性キャリアは、水、アルコール/水溶液、生理食塩水または緩衝化媒体を含むエマルジョンまたは懸濁物を含む。非経口ビヒクルは、塩化ナトリウム溶液、1,3−ブタンジオール、リンゲルのデキストロース、デキストロースおよび塩化ナリトウム、乳酸リンゲル液または固定油を含む。静脈内ビビクルは、流体および栄養補助物、(リンゲルデキストロースのような)電解質補助物などを含む。例えば、抗微生物剤、抗酸化剤、キレート剤および不活性ガスなどのような保存剤およびその他の添加物もまた存在し得る。さらに、滅菌、固定油もまた溶媒または懸濁媒体として便利に採用される。この目的のために、任意の温和な固定油が採用され得、合成のモノ−またはジ−グリセリドを含む。さらに、オレイン酸のような脂肪酸が注射物の調製に用いられ得る。経口、皮下、静脈内、筋肉内などの投与のために適切なキャリア処方物は、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、Mark Publishing Co.中に見出され得る。当業者は、過度の実験に頼ることなく本発明の組成物を調製および処方するための種々のパラメーターを容易に決定し得る。 いくつかの実施形態では、本発明は、本発明の組成物を形成する工程を含み、活性成分を、1つ以上のアクセサリー成分を構成し得る適切なキャリアとの会合または接触にもたらすことによる。最終の組成物は、任意の適切な技法によって調製され得、例えば、この組成物を、液体キャリア、微細に分割された固体キャリアまたはその両方との会合に、必要に応じて先に記載のような1つ以上の処方物成分とともに均一かつ緊密にもたらすことにより、そして次に、所望であれば、この産物を成形する。 いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、薬学的に受容可能な塩として存在し得る。この用語「薬学的に受容可能な塩」は、この組成物内に見出される特定の化合物および所望される処置様式に依存して、例えば、酸または塩基と組み合わせて調製される組成物の塩を含む。薬学的に受容可能な塩は、リチウム、ナトリウム、もしくはカリウムの塩のようなアルカリ金属塩として、またはベリリウム、マグネシウムもしくはカルシウム塩のようなアルカリ土類金属塩として調製され得る。塩を形成するために用いられ得る適切な塩基の例は、アンモニウム、または水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化カルシムウ、水酸化マグネシウムなどのようなミネラルベースを含む。塩を形成するために用いられる適切な酸の例は、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素、フッ化水素、硝酸、炭酸、一水素炭酸、リン酸、一水素リン酸、二水素リン酸、硫酸、一水素硫酸、亜リン酸などを含む。その他の適切な酸は、有機酸、例えば、酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、マレイン酸、マロン酸、安息香酸、コハク酸、スベリン酸、フマル酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p−トリルスルホン酸、クエン酸、酒石酸、メタンスルホン酸、グルクロン酸、サリチル酸、ギ酸、ナフタレン−2−スルホン酸などを含む。なおその他の適切な酸は、アルギン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸などのようなアミノ酸を含む。 1つの局面では、本発明は、上記で述べた組成物のいずれかをキットで、必要に応じて、例えば、癌または創傷の処置のためのこの組成物の使用のための指示書を含んで提供する。すなわち、このキットは、癌または創傷に関連する本明細書に開示される任意の生物学的または化学的機構に関係するこの組成物の使用の説明を含む。これらキットは、症状とは対照的に、病状を処置することで癌または創傷の活性の説明をさらに含み得る。上記キットは、本明細書中で論議されたような組成物の使用の説明を含み得る。上記キットはまた、本発明の2つ以上の組成物の使用のための指示書、または本発明の組成物と、癌、創傷などの処置のための示される1つ以上のその他の化合物との組み合わせの使用のための指示書を含み得る。指示書はまた、先に記載のような任意の適切な技法により、例えば、経口、静脈内、ポンプもしくは移植可能な送達デバイス、または薬物送達の別の公知の経路を経由してこの組成物を投与するために提供される。 本発明はまた、別の局面で、本明細書に記載される任意のシステムまたは方法に従って、癌、創傷などの処置の促進を含む。いくつかの実施形態では、本発明の1つ以上の組成物は、癌または創傷の処置のために促進され得るか、または癌または創傷の処置のための指示書を含む。いくつかの場合には、本発明は、本発明の組成物の任意の1つの組成物の投与を経由して癌、創傷などの予防または処置を促進することを含む方法、ならびに本発明が、癌、創傷などを処置し得るそのホモログ、アナログ、誘導体、エナンチオマーおよび機能的に等価な組成物を含む。本明細書で用いられるとき、「促進される」は、教育の方法、病院およびその他の臨床指示書、薬学的販売を含む薬学的産業活動、および、癌または創傷の処置と連結されて本発明の組成物に関連する、任意の広告もしくは任意の形態の書面、口頭および電子通信を含むその他の促進活動を含むビジネスを行うすべての方法を含む。「指示書」は、促進の構成要素を規定し得、そして代表的には、本発明の組成物のパッケージングに関するか、またはそれにともなう書面の指示書を含む。指示書はまた、任意の様式で提供される任意の口頭または電子的指示書を含み得る。上記「キット」は、代表的には、本発明の1つ以上の組成物を含むパッケージおよび指示書、またはそのホモログ、アナログ、誘導体、エナンチオマーおよび機能的に等価な組成物を規定し、しかしまた、本発明の組成物、および、臨床専門家が、指示書が特定の組成物と関連すべきことを明確に認識するような様式で上記組成物と組み合わせて提供される任意の形態の指示書を含み得る。 本明細書中に記載されるキットはまた、本発明の組成物および先に記載されるその他の成分を含む1つ以上のコンテナを含み得る。このキットはまた、いくつかの場合には、上記組成物を混合、希釈、および/または投与するための指示書を含み得る。これらキットはまた、1つ以上の溶媒、界面活性剤、保存剤および/または希釈剤(例えば、規定生理食塩水(0.9%NaCl)、または5%デキストロース)を含むその他のコンテナ、ならびに上記成分を混合、希釈またはこのような処置を必要とする被験体に投与するためのコンテナを含む。 上記キットの組成物は、任意の適切な形態、例えば、液体溶液として、または乾燥粉末として提供され得る。この組成物が乾燥粉末であるとき、この組成物は、これもまた提供され得る適切な溶媒の添加により再構築され得る。組成物の液体形態が用いられる実施形態では、この液体形態は、濃縮され得るか、または使用の状態であり得る。溶媒は、組成物内の活性成分(単数または複数)、および使用または投与の様式に依存し得る。適切な溶媒は、例えば、先に記載のように周知であり、そして文献で利用可能である。この溶媒は、化合物およらび使用または投与の様式に依存し得る。 本発明のいくつかの実施形態が本明細書中に記載され、そして説明されているが、当業者は、本明細書中に記載される機能を実施するため、そして/または本明細書中に記載される結果および/または1つ以上の利点を得るために、種々のその他の手段および/または構造を容易に想定し得、そしてこのような改変例または修飾物の各々は、本発明の範囲ないとみなされる。より一般的には、当業者は、本明細書中に記載されるすべてのパラメーター、寸法、材料、および形態が例示であり、しかも実際のパラメーター、寸法、材料、および形態が、本発明の教示が用いられる特定の適用または複数の適用に依存することを容易に認識し得る。当業者は、慣用を超えない実験を用いて、本明細書中に記載される本発明の特定の実施形態の多くの等価物を認識、または確認し得る。従って、先行する実施形態は例示のみによって提示され、しかも、添付の請求項およびそれに対する等価物の範囲内で、本発明が、詳細に記載され、そして/または請求項に記載されるのとはその他で実施され得ることが理解されるべきである。本発明は、本明細書中に記載される各々の個々の特徴、システム、材料および/または方法に関する。さらに、2つ以上のこのような特徴、システム、物品、材料および/または方法の任意の組み合わせが、このような特徴、システム、物品、材料および/または方法が互いに不一致でない場合、本発明の範囲内に含まれる。 本明細書中で用いられるようなすべての定義は、本開示の目的のためのみである。これらの定義は、本開示に関連するか、または関連しないにかかわらず、その他の同時に所有される特許および/または特許出願に必ずしもよらない。これらの定義は、本明細書で用いられるとき、辞書の定義、参考として援用される書類中の定義、および/または定義される用語の通常の意味に対して支配することが理解されるべきである。 反対であることが明瞭にしめされなければ、1つ以上の行為を含む本明細書の請求項に記載の任意の方法において、この方法の行為の順序は、本発明の行為が記載される順序に必ずしも制限されないこともまた理解されるべきである。 請求項において、および上記の明細書において、「包含する」、「含む」、「保持する」、「有する」、「含有する」、「含む」、「保持する」などのすべての遷移の語句は、オープンエンドである、すなわち、制限されないで含むことを意味することが理解されるべきである。「からなる」および「から本質的になる」の遷移の語句のみが、米国特許庁特許審査手順マニュアル、セクション2111.03に提示されるように、それぞれ閉じた、または半分閉じた遷移の語句である。図1は、本発明の二官能性化合物の第1のセットの3つの実施形態の一般化学構造(I)、(II)、および(III)を示す。図2は、本発明の二官能性化合物の第2のセットの3つの実施形態の一般化学構造(IV)、(V)、および(VI)を示す。図3は、本発明の二官能性化合物の第3のセットの3つの実施形態の一般化学構造(VII)、(VIII)、および(IX)を示す。図4は、本発明の二官能性化合物の第4のセットの3つの実施形態の一般化学構造(X)、(XI)、および(XII)を示す。図5は、図1のそれぞれ(I)、(II)、および(III)の一般構造内の本発明の二官能性化合物のセットの特定の化学構造(XIII)、(XIV)、および(XV)を示す。図6は、図2のそれぞれ(IV)、(V)、および(VI)の一般構造内の本発明の二官能性化合物のセットの特定の化学構造(XVI)、(XVII)、および(XVIII)を示す。図7は、図3のそれぞれ(VII)、(VIII)、および(IX)の一般構造内の本発明の二官能性化合物のセットの特定の化学構造(XIX)、(XX)、および(XXI)を示す。図8は、図4のそれぞれ(X)、(X)、および(XI)の一般構造内の本発明の二官能性化合物のセットの特定の化学構造(XXII)、(XXIII)、および(XIV)を示す。図9は、図4のそれぞれ(XI)、(XII)、および(XII)の一般構造内の本発明の二官能性化合物のセットの特定の化学構造(XXV)、(XXVI)、および(XXVII)を示す。細胞を、ハイポグリシンAであるか、またはハイポグリシンA由来である解糖阻害剤と脂肪酸代謝阻害剤との組み合わせ、または、ハイポグリシンAであるか、またはハイポグリシンA由来である解糖阻害剤と脂肪酸代謝阻害剤とを連結する二官能性化合物を含む治療的に受容可能な量の薬剤に曝す工程を包含する、方法。前記薬剤が、ハイポグリシンAであるか、またはハイポグリシンA由来である解糖阻害剤と脂肪酸代謝阻害剤との組み合わせを含む、請求項1に記載の方法。前記解糖阻害剤が、構造:を有し、ここで、R1、R3、およびR5は各々、水素原子、1〜4個の炭素原子のアルキル基、1〜4個の炭素原子のアルコキシ基、ニトロ基、またはトリフルオロメチル基であり、そしてR8は、上記に記載されるようである、請求項2に記載の方法。前記解糖阻害剤が、ハイポグリシンAである、請求項3に記載の方法。前記脂肪酸代謝阻害剤が、オキシランカルボン酸化合物である請求項2に記載の方法。前記オキシランカルボン酸化合物が、構造:を有し、ここで、R6およびR7は各々、水素原子、ハロゲン原子、1〜4個の炭素原子のアルキル基、1〜4個の炭素原子のアルコキシ基、ニトロ基、またはトリフルオロメチル基であり、R8は水素原子または1〜4個の炭素原子のアルキル基を表し、Yは(CH2)kを表し、ここでkは2〜8、7または基−O−(CH2)m−であり、mは0または1〜4の整数であり、nは2〜8の整数であり、ここでmとnの合計は2〜8の整数である、請求項5に記載の方法。前記オキシランカルボン酸化合物が、エトモシキルである、請求項6に記載の方法。前記薬剤が、ハイポグリシンAであるか、またはハイポグリシンA由来である解糖阻害剤と脂肪酸代謝阻害剤とを連結する二官能性化合物を含む、請求項1に記載の方法。前記二官能性化合物が、オキシランカルボン酸化合物の官能性を有する部分をハイポグリシンまたはハイポグリシンA誘導体の官能性を有する部分に連結する、請求項8に記載の方法。ハイポグリシンAであるか、またはハイポグリシンA由来である解糖阻害剤と脂肪酸代謝阻害剤との組み合わせ、または、ハイポグリシンAであるか、またはハイポグリシンA由来である解糖阻害剤と脂肪酸代謝阻害剤とを連結する二官能性化合物を含む薬剤を含む、組成物。前記薬剤が、ハイポグリシンAであるか、またはハイポグリシンA由来である解糖阻害剤と脂肪酸代謝阻害剤との組み合わせを含む、請求項10に記載の組成物。前記解糖阻害剤が、構造:を有し、ここで、R1、R3、およびR5は各々、水素原子、1〜4個の炭素原子のアルキル基、1〜4個の炭素原子のアルコキシ基、ニトロ基、またはトリフルオロメチル基であり、そしてR8は、上記に記載されるようである、請求項11に記載の組成物。前記解糖阻害剤が、ハイポグリシンAである、請求項12に記載の組成物。前記脂肪酸代謝阻害剤が、オキシランカルボン酸化合物である請求項11に記載の組成物。前記オキシランカルボン酸化合物が、構造:を有し、ここで、R6およびR7は各々、水素原子、ハロゲン原子、1〜4個の炭素原子のアルキル基、1〜4個の炭素原子のアルコキシ基、ニトロ基、またはトリフルオロメチル基であり、R8は水素原子または1〜4個の炭素原子のアルキル基を表し、Yは(CH2)kを表し、ここでkは2〜8、7または基−O−(CH2)m−であり、mは0または1〜4の整数であり、nは2〜8の整数であり、ここでmとnの合計は2〜8の整数である、請求項14に記載の組成物。前記オキシランカルボン酸化合物が、エトモシキルである、請求項15に記載の組成物。前記薬剤が、ハイポグリシンAであるか、またはハイポグリシンA由来である解糖阻害剤と脂肪酸代謝阻害剤とを連結する二官能性化合物を含む、請求項10に記載の組成物。前記二官能性化合物が、オキシランカルボン酸化合物の官能性を有する部分をハイポグリシンまたはハイポグリシンA誘導体の官能性を有する部分に連結する、請求項17に記載の組成物。 炎症性および増殖性疾患を処置するための方法および組成物は、脂肪酸代謝および解糖の両方を阻害する化合物の組み合わせ、または二官能性化合物を用いることによりMDR腫瘍細胞の処置を可能にする。特に、本発明は、ハイポグリシンA(ヒポグリシンAとも呼ばれる)であるか、またはそれに由来する解糖阻害剤および脂肪酸代謝阻害剤を組み合わせるか、または連結する。好ましくは、本発明は、オキシランカルボン酸化合物の官能性を有する部分をハイポグリシンA誘導体の官能性を有する部分に連結する二官能性化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、エトモキシルの官能性を有する部分をハイポグリシンAの官能性を有する部分に連結する二官能性化合物を提供する。


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