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タイトル:公表特許公報(A)_下垂体アデニル酸シクラーゼ活性化ペプチド(PACAP)受容体(VPAC2)アゴニストおよびそれらの薬理学的使用方法
出願番号:2008510022
年次:2008
IPC分類:C12N 15/09,C12N 1/15,C12N 1/19,C12N 1/21,C12N 5/10,C12P 21/02,C07K 14/435,C07K 16/18,A61P 3/10,A61K 45/00,A61K 38/00,A61P 3/06,A61P 5/50,A61P 3/04,A61P 9/10,A61P 9/12


特許情報キャッシュ

クレアモント,ケビン ラム,ケビン ウエラン,ジエイムズ JP 2008539723 公表特許公報(A) 20081120 2008510022 20060418 下垂体アデニル酸シクラーゼ活性化ペプチド(PACAP)受容体(VPAC2)アゴニストおよびそれらの薬理学的使用方法 バイエル・フアーマシユーチカルズ・コーポレーシヨン 503211596 小田島 平吉 100060782 クレアモント,ケビン ラム,ケビン ウエラン,ジエイムズ US 60/678,860 20050506 C12N 15/09 20060101AFI20081024BHJP C12N 1/15 20060101ALI20081024BHJP C12N 1/19 20060101ALI20081024BHJP C12N 1/21 20060101ALI20081024BHJP C12N 5/10 20060101ALI20081024BHJP C12P 21/02 20060101ALI20081024BHJP C07K 14/435 20060101ALI20081024BHJP C07K 16/18 20060101ALI20081024BHJP A61P 3/10 20060101ALI20081024BHJP A61K 45/00 20060101ALI20081024BHJP A61K 38/00 20060101ALI20081024BHJP A61P 3/06 20060101ALI20081024BHJP A61P 5/50 20060101ALI20081024BHJP A61P 3/04 20060101ALI20081024BHJP A61P 9/10 20060101ALI20081024BHJP A61P 9/12 20060101ALI20081024BHJP JPC12N15/00 AC12N1/15C12N1/19C12N1/21C12N5/00 AC12P21/02 CC07K14/435C07K16/18A61P3/10A61K45/00A61K37/02A61P3/06A61P5/50A61P3/04A61P9/10A61P9/12 AP(BW,GH,GM,KE,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,NL,PL,PT,RO,SE,SI,SK,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,LY,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PG,PH,PL,PT,RO,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,SY,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,YU,ZA,ZM,ZW US2006014808 20060418 WO2006121588 20061116 89 20071213 4B024 4B064 4B065 4C084 4H045 4B024AA01 4B024BA80 4B024CA02 4B024DA01 4B024DA02 4B024DA05 4B024DA11 4B024DA12 4B024GA11 4B064AG01 4B064CA01 4B064CA19 4B064DA01 4B064DA13 4B065AA01X 4B065AA58X 4B065AA72X 4B065AA87X 4B065AA93Y 4B065AB01 4B065AC14 4B065BA01 4B065CA24 4B065CA43 4B065CA44 4B065CA46 4C084AA01 4C084AA02 4C084AA19 4C084BA32 4C084CA59 4C084MA02 4C084NA03 4C084NA06 4C084NA12 4C084ZA422 4C084ZA452 4C084ZA702 4C084ZC33 4C084ZC35 4H045AA10 4H045AA11 4H045AA20 4H045AA30 4H045BA19 4H045BA50 4H045BA51 4H045BA55 4H045BA57 4H045CA40 4H045EA20 4H045EA50 4H045FA41 4H045FA51 4H045FA74 本出願は、2005年5月6日出願の米国仮出願第60/678,860号(その内容はそっくりそのまま引用することにより本明細書に組込まれる)の利益を主張する。 本発明は、ペプチドの薬物動態特性を改良するための適する誘導体化部位を提供する新規改変に関する。第一のアミノ酸残基の主鎖アミノ基のこうしたN末端修飾若しくは最後のアミノ酸残基の主鎖カルボン酸基のC末端修飾は、脂肪族、C3ないしC7シクロアルキル、アリール、または1個若しくはそれ以上の窒素、酸素および/若しくはイオウヘテロ原子を含有する単若しくは二環ヘテロ芳香族を包含しうる。加えて、該N末端修飾は適する誘導体化部位(限定されるものでないがアミノおよびチオール基を挙げることができる)を提供しうる。本発明の修飾ペプチドは、グルコース依存性の様式で膵β細胞からのインスリンの放出の刺激において有用であり、それにより糖尿病若しくは耐糖能異常(前糖尿病状態)のような代謝障害に苦しめられる個体に処置の選択肢を提供する。 糖尿病は、とりわけ糖尿病患者における上昇された血糖値によりそれ自身を明示する糖代謝異常を特徴とする。根底にある欠陥は、2つの大きな群、すなわち患者が彼らの膵ランゲルハンス島中にインスリンを産生するβ細胞を欠く場合に生じる1型糖尿病すなわちインスリン依存性糖尿病(IDDM);ならびに、損なわれたβ細胞機能およびインスリン作用の変化を伴う患者で発生する2型糖尿病すなわちインスリン非依存性糖尿病(NIDDM)への糖尿病の分類に至る。 1型糖尿病は現在、インスリンで処置される一方、2型糖尿病患者の大多数は、β細胞機能を刺激する剤若しくはインスリンに対する患者の組織感受性を高める剤で処置される。長い間に、2型糖尿病の被験体のほぼ半数はこれらの剤に対する彼らの応答を喪失し、そしてその後はインスリン治療に置かれなければならない。2型糖尿病を処置するのに現在使用されている薬物を下述する。 α−グルコシダーゼ阻害剤(例えばPrecose(R)、VogliboseTMおよびMiglitol(R))は、腸管からのグルコースの吸収を遅延させることにより食後グルコースの偏位(excursion)を低下させる。これらの薬物は安全でありかつ軽度ないし中程度に冒された糖尿病被験体に処置を提供する。しかしながら胃腸の副作用が文献で報告されている。 インスリン感作物質はインスリンに対する身体の応答を高める薬物である。AvandiaTM(ロシグリタゾン)およびActosTM(ピオグリタゾン)のようなチオゾリジンジオンは、ペルオキシソーム増殖剤活性化受容体(PPAR)γサブタイプを活性化し、かつ、十分には記述されていない一組の遺伝子の活性を調節する。この分類の最初の薬物RezulinTM(トログリタゾン)は、上昇された肝酵素レベルおよび薬物誘発性の肝毒性のため回収された。これらの肝の影響はAvandiaTMおよびActosTMを使用する患者では大きな問題であるようではない。そうであっても、治療の最初の年は2ヵ月ごと、およびその後は定期的な肝酵素検査が推奨される。AvandiaTMおよびActosTMは体液貯留および浮腫を伴うとみられる。別の潜在的副作用は体重増加である。AvandiaTMは、うっ血性心不全についての懸念のため、インスリンとともにの使用に指示されない。 インスリン分泌促進物質(例えば、スルホニル尿素(SFU)、およびATP依存性K+チャンネルにより作用する他の剤)は、2型糖尿病を処置するのに現在使用されている別の薬物型である。SFUは、軽度ないし中程度の空腹時高血糖を有する2型糖尿病患者の標準的治療である。SFUは、低血糖、体重増加、ならびに高い一次および二次失敗率を誘発する潜在性を包含する制限を有する。当初処置される患者の10ないし20%が有意の処置効果を示すことに失敗する(一次失敗)。二次失敗は、SFU服用6ヵ月後の処置効果の追加の20〜30%喪失により示される。5〜7年の治療後のSFU応答体の50%でインスリン処置が必要とされる(非特許文献1)。 GlucophageTM(メトホルミンHCl)は、肝のグルコース出力を減少させかつ末梢のグルコース取り込みおよび利用を増大させることにより血糖を低下させるビグアニドである。該薬物は軽度および中等度に冒されている被験体で血糖の低下で有効であり、そして、体重増加、若しくは低血糖を誘発する可能性という副作用を有しない。しかしながら、GlucophageTMは胃腸の不調および乳酸アシドーシスの可能性を包含する多数の副作用を有する。GlucophageTMは、70歳超の糖尿病患者および腎若しくは肝機能の傷害を伴う被験体で禁忌である。最後に、GlucophageTMはSFUに類似の一次および二次失敗率を有する。 インスリン処置は、食餌、運動および経口医薬品が血糖を十分に制御することに失敗した後に実施する。この処置は、それが注射剤である、それが低血糖を生じ得る、およびそれが体重増加を引き起こすという欠点を有する。 現在の処置での問題により、2型糖尿病を処置するための新たな治療が必要とされる。とりわけ、正常な(グルコース依存性の)インスリン分泌を保持する新たな処置が必要とされる。こうした新たな薬物は、以下の特徴、すなわち、インスリン分泌を促進するためにグルコースに依存する(すなわち、上昇された血糖の存在下でのみインスリン分泌を生じる);低い一次および二次失敗率;ならびに膵島細胞機能の保存を有すべきである。本明細書に開示される新たな治療を開発するための戦略は、環状アデノシン一リン酸(cAMP)シグナル伝達機構およびインスリン分泌に対するその効果に基づく。 環状AMPはインスリン分泌過程の主要調節物質である。このシグナル伝達分子の上昇は、タンパク質キナーゼA経路の活性化後のK+チャンネルの閉鎖を促進する。K+チャンネルの閉鎖は、細胞の脱分極およびCa++チャンネルのその後の開放を引き起こし、それは順にインスリン顆粒のエンドサイトーシスにつながる。インスリン分泌に対するあってもわずかな影響が、低グルコース濃度の非存在下で起こる(非特許文献2)。PACAP(下垂体アデニル酸シクラーゼ活性化ペプチド)、VIP(血管作用性小腸ペプチド)、GIP(グルコース依存性インスリン分泌性ポリペプチド)およびGLP−1(グルカゴン様ペプチド1)のような分泌促進物質は、グルコース依存性の様式でインスリン分泌を調節するのにcAMP系を使用する(非特許文献3;非特許文献4;非特許文献5)。GLP−1、VIP、GIPおよびPACAPのような、cAMPの上昇により作用するインスリン分泌促進物質は、インスリン放出に加え、インスリン合成もまた高めることが可能である(非特許文献6;非特許文献7)。 GLP−1は、食後に腸L細胞から放出され、そしてインクレチンホルモンとして機能する(すなわち、それは膵β細胞からのグルコース誘発性のインスリン放出を増強する)。それは、組織型に依存してグルカゴン遺伝子により差別的に発現される37アミノ酸のペプチドである。β細胞中のcAMP濃度を上昇させることの有益な効果を裏付ける臨床データがGLP−1で収集された。乏しく制御された2型糖尿病患者でのGLP−1の注入は彼らの空腹時血糖値を正常化し(非特許文献8)、また、より長い注入でβ細胞機能を正常被験体のものまで改善した(非特許文献9)。最近の報告は、GLP−1が耐糖能異常を伴う被験体で、グルコースに応答するβ細胞の能力を改善することを示した(非特許文献10)。これらの効果の全部は、しかしながら該ペプチドの短い半減期のため持続期間が短い。 Amylin Pharmaceuticalsは、元はアメリカドクトカゲ(Gila Monster)で同定された39アミノ酸のペプチド、エキセンジン−4(AC2993)を用いるフェーズIII試験を実施中である。Amylinは、臨床試験が、エキセンジン−4で処置した2型糖尿病患者での改善された血糖管理を示したことを報告した。しかしながら吐き気および嘔吐の発生率は有意であった。 グルコース依存性インスリン分泌性ペプチド(GIP)は、脂肪およびグルコース代謝の調節に関与する42残基の腸ペプチドであり、インスリン分泌機能は残基1−30に存する。GIPはDPPIVのタンパク質分解により分解され、そして腎排泄により排泄される。限られた臨床データがGIPで収集された。2型糖尿病患者でのIV若しくは連続投与は、血漿インスリンレベルの急性の増大を引き起こした(非特許文献11;非特許文献12)。これらの効果は、しかしながら該ペプチドの短い半減期のため持続時間が短い。 PACAPは膵β細胞からのグルコース依存性のインスリン分泌の強力な刺激物質である。3種の異なるPACAP受容体型(PAC1、VPAC1およびVPAC2)が記述されている(非特許文献13;非特許文献14)。PACAPは受容体選択性を表さず、全3種の受容体で匹敵する活性および効力を有する。PAC1はCNSに主として位置する一方、VPAC1およびVPAC2はより広範に分布される。VPAC1は、CNS、ならびに肝、肺および腸に位置する。VPAC2は、CNS、膵、骨格筋、心、腎、脂肪組織、精巣および胃に位置する。最近の研究は、VPAC2がβ細胞からのインスリン分泌の原因であることを議論している(非特許文献15;非特許文献16)。PACAPのこのインスリン分泌作用はGTP結合タンパク質Gsにより媒介される。細胞内cAMPの蓄積は、順に、β細胞の非選択的陽イオンチャンネルを活性化して[Ca++]を増大させ、そしてインスリンを含有する分泌顆粒の開口分泌を促進する。 PACAPは、cAMP媒介性のシグナル伝達経路を通じてそれらの作用を発揮する代謝、神経内分泌および神経伝達物質ペプチドホルモンのスーパーファミリーの最新のメンバーである(非特許文献17)。生物学的に活性のペプチドは、2種の分子形態、すなわち38アミノ酸ペプチド(PACAP−38)および/若しくはアミド化されたカルボキシル末端をもつ27アミノ酸ペプチド(PACAP−27)のいずれかとして生合成前駆体から遊離される(非特許文献17)。 該2形態のペプチドの最高濃度は脳および精巣で見出される(非特許文献17)。より短い形態のペプチド、PACAP−27は、血管作用性小腸ペプチド(VIP)に対する68%の構造の相同性を示す。しかしながら、中枢神経系でのPACAPおよびVIPの分布は、これらの構造的に関連するペプチドが別個の神経伝達物質機能を有することを示唆する(非特許文献18)。 最近の研究は、インスリン分泌を刺激する能力(非特許文献19)から生殖における役割(非特許文献20)までのPACAP−38の多彩な生物学的効果を示した。加えて、PACAPは、脂質及び炭水化物の代謝のホルモン調節(非特許文献21);概日機能(非特許文献22);自己免疫疾患(例えば全身性エリテマトーデス)を包含する免疫系;成長;エネルギー恒常性;食欲の調節(非特許文献23);勃起不全(非特許文献24)を包含する男性生殖機能(非特許文献25);神経保護(非特許文献26);急性および慢性炎症性疾患、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、敗血症ショック(非特許文献27)、ならびにHIV感染症において役割を演じているようである。 血管作用性小腸ペプチド(VIP)は、最初はブタ上部小腸から単離された28アミノ酸のペプチドである(非特許文献28;特許文献1)。このペプチドは、ヘロデルミン、セクレチン、ソマトスタチン類およびグルカゴンを包含する、構造的に関係した小型ポリペプチドの1ファミリーに属する。VIPの生物学的効果は、細胞内cAMPシグナル伝達系に共役されている膜結合型受容体タンパク質の活性化により媒介される。これらの受容体は、元はVIP−R1およびVIP−R2として知られたが、しかしながら、それらは後にVPAC1およびVPAC2と同一の受容体であることが見出された。VIPはVPAC1およびVPAC2で匹敵する活性および効力を表す。 ヒト肺液中のVIPの安定性を改良するため、Bolinら(非特許文献29)は、このペプチドのらせん形の傾向を高めかつタンパク質分解性の分解を低下させるように設計した一連のVIPバリアントを作成した。置換は、受容体結合に重要でないことに関与した位置8、12、17および25−28に集中した。さらに、「GGT」配列を、らせんをより効果的にキャッピングするという望みをもってVIPムテインのC末端に付けた。最後に、らせんをさらに安定化するために数種の環状バリアントを合成した(特許文献2)。これらの努力は受容体選択性に向けられなかったとは言え、それらは100倍以上のVPAC2選択性を有する2種のアナログを生じた(非特許文献30;非特許文献31)。 PACAP、VIP、GIP、GLP−1若しくはエキセンジン−4のグルコース依存性のインスリン分泌促進活性を有し、しかしより少ない副作用を伴い、かつ、好ましくは製剤中で安定でありかつin vivoで長い血漿半減期を有する改良されたペプチドに対する必要性が存在する。こうした改良されたin vivo半減期は、低下された消失、およびタンパク質分解に対する低下された感受性の双方を伴うペプチドから生じる。さらに、血漿グルコースレベルのより確実な管理は長期の糖尿病合併症を予防しうる。従って、新たな糖尿病薬は患者に改善された生活の質を提供するはずである。米国特許第3,879,371号米国特許第5,677,419号Scheenら、Diabetes Res.Clin.Pract.6:533−543、1989Weinhausら、Diabetes 47:1426−1435、1998Komatsuら、Diabetes 46:1928−1938、1997Filipssonら、Diabetes 50:1959−1969、2001Drucker、Endocrinology 142:521−527、2001Skoglundら、Diabetes 49:1156−1164、2000Borboniら、Endocrinology 140:5530−5537、1999Gutniakら、New Eng.J.Med.326:1316−1322、1992Rachmanら、Diabetes 45:1524−1530、1996Byrneら、Diabetes 47:1259−1265、1998Kindmarkら、J.Clin.Endocrinol.Metab.86:2015−2019、2001Meierら、Diabetes 53(Suppl 3):S220−S224、2004Harmarら、Pharmacol.Reviews 50:265−270、1998Vaudryら、Pharmacol.Reviews 52:269−324、2000Inagakiら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:2679−2683、1994Tsutsumiら、Diabetes 51:1453−1460、2002Arimura、Regul.Peptides 37:287−303、1992Kovesら、Neuroendocrinology 54:159−169、1991Yadaら、J.Biol.Chem.269:1290−1293、1994McArdle、Endocrinology 135:815−817、1994Grayら、Mol.Endocrinol.15:1739−47、2001Harmarら、Cell 109:497−508、2002Tachibanaら、Neurosci.Lett.339:203−206、2003Hafezら、Arch.Androl.51:15−31、2005Asnicarら、Endrocrinol.143:3994−4006、2002Zusevら、Regul.Pept.123:33−41、2004Pozo、Trends Mol.Med.9:211−217、2003SaidとMutt、Science 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本発明は、ペプチドの薬物動態特性を改良するための適する誘導体化部位を提供する新規改変を提供する。第一のペプチド残基のアミノ基のこうしたN末端修飾は、脂肪族、C3ないしC7シクロアルキル、アリール、または1個若しくはそれ以上の窒素、酸素および/若しくはイオウヘテロ原子を含有する単若しくは二環ヘテロ芳香族を包含しうる。加えて、N末端修飾は、適する誘導体化部位(限定されるものでないがアミノおよびチオール基を挙げることができる)を提供しうる。こうしたN末端修飾のいくつかの例は、限定されるものでないが、2−アミノ安息香酸、3−アミノ安息香酸、4−アミノ安息香酸、4−アミノ−2−クロロ−安息香酸、4−アミノ−3−メトキシ−安息香酸、4−アミノ−3−メチル−安息香酸、1−アミノ−シクロペンタン−3−カルボン酸、trans−3−アミノシクロヘキサンカルボン酸、D−ピペコリン酸、4−アミノ−1−メチル−1H−イミダゾール−2−カルボン酸、4−メチルチオ安息香酸、2−メチルチオ安息香酸、2−メチルチオニコチン酸、プロリン、6−アミノヘキサン酸、安息香酸、(S)−テトラヒドロイソキノリン酢酸、インドリン−2−カルボン酸、cis−3−アミノシクロヘキサンカルボン酸、L−ピペコリン酸、9−グルオレニルメトキシカルボニル、2−チオ−ポリエチレングリコール安息香酸、2−チオ−ポリエチレングリコールニコチン酸、4−アミノ−1−メチル−1H−イミダゾール−2−カルボン酸、1−アミノ−シクロペンタン−3−カルボン酸、4−アミノ−1−メチル−1H−イミダゾール−2−カルボン酸、1−アミノ−シクロペンタン−3−カルボン酸、1−アミノ−シクロペンタン−3−カルボン酸、(2−メルカプト−1H−ベンズイミダゾル−1−イル)酢酸、2−(トリチルチオ)エチル]アミノ}ニコチネート、2−{[2−(トリチルチオ)エチル]アミノ}ニコチネート、1−[2−(トリチルチオ)エチル]−1H−イミダゾール−2−カルボキシレート、4−{[2−(トリチルチオ)エチル]アミノ}ピリミジン−5−カルボキシレート、1−[2−(トリチルチオ)エチル]−1H−ベンズイミダゾール−2−カルボキシレート、2−メルカプト−1H−イミダゾル−1−イル)酢酸、({1−[2−(トリチルチオ)エチル]−1H−イミダゾル−2−イル}チオ)アセテート、3−(2−トリチルスルファニルエチルアミノ)ピラジン−2−カルボキシレート、4−メルカプトチアゾール−5−カルボン酸、2−メルカプトチアゾール−5−カルボン酸、2−(2−トリチルスルファニルエチルアミノ)チアゾール−5−カルボキシレート、2−メルカプト−6−メチルピリミジン−4−カルボン酸、5−メルカプトニコチン酸、5−イソプロピル−2−メルカプトチアゾール−4−カルボン酸、1−ヘキサデシル−1H−ベンゾイミダゾル−2−イルスルファニル)酢酸、および2−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノエチルアミノ)チアゾール−5−カルボン酸を挙げることができる。 本発明は、式(I)Z1−A1−A2−A3−A4−A5−Phe−Thr−A8−A9−A10−A11−A12−A13−Arg−A15−A16−A17−Ala−A19−A20−A21−Tyr−Leu−A24−A25−A26−A27−A28−A29−A30−A31−A32−A33−A34−A35−A36−A37−A38−A39−A40−Z2(配列番号1)のペプチドに関し、式中、A1はHis若しくはAlaであり;A2はSer、Thr若しくはAlaであり;A3はAsp若しくはGluであり;A4はAla若しくはGlyであり;A5はVal若しくはIleであり;A8はAsp、Glu若しくはAlaであり;A9は、Gln、Asn、Ser若しくはAlaであり;A11はThr若しくはSerであり;A12はArg若しくはLysであり;A13はLeu若しくはTyrであり;A15はLys若しくはAlaであり;A16はGln若しくはAlaであり;A17は、Val、Met、Leu、Nle若しくはAlaであり;A19はAla、Val、Gly、Lys、Arg、Ser、Glu、Phe、Ile、Leu、Met、Thr若しくはTrpであり;A20はLys若しくはHisであり;A21はLys、His若しくはAlaであり;A24はGln、Asn若しくはAlaであり;A25はSer、Asp、Thr若しくはAlaであり;A26はIle、Val、Leu若しくはAlaであり;A27はいずれかのアミノ酸であり;A28はGln、Asn、Gly、Ala若しくはLysであり;A29は、Lys、Gly、Arg、Cys、Ala、Asp、Glu、His、Ile、Leu、Met、Asn、Pro、Gln、Arg、Ser、Thrであるか若しくは欠失されており;A30はいずれかのアミノ酸であるか若しくは欠失されており;A31は、Tyr、Thr、Cysであるか若しくは欠失されており;A32は、Lys、Cys、Lys−X、Cys−PEGであるか若しくは欠失されており;A33は、Gln、Lys、Cys、Lys−X、Cys−PEGであるか若しくは欠失されており;A34は、Arg、Lys、Cys、Lys−X、Cys−PEGであるか若しくは欠失されており;A35は、Val、Lys、Cys、Lys−X、Cys−PEGであるか若しくは欠失されており;A36は、Lys、Cys、Lys−X、Cys−PEGであるか若しくは欠失されており;A37は、Asn、Lys、Cys、Lys−X、Cys−PEGであるか若しくは欠失されており;A38は、Lys、Cys、Lys−X、Cys−PEGであるか若しくは欠失されており;および、A39は、Lys、Cys、Lys−X、Cys−PEGであるか若しくは欠失されている。 Lys−Xは、NεでCH3(CH2)nCOOH(式中nは0から約24までの範囲にわたる)により例示される脂肪酸で修飾されているLysである。 Z1は、から選択される。 Z2は、該ペプチドが未修飾のカルボン酸C末端を有するようなヒドロキシル基でありうるか、若しくは、Z2は、C末端カルボン酸基の修飾でありうる。Z2はアミド化のような修飾でありうるか、または、Z2は非天然のアミノ酸若しくはアミドでもまたありうる。Z2は、限定されるものでないが、を挙げることができる。 式(I)のペプチドについて、N末端の修飾は前記ペプチドの第一のアミノ酸のα−アミノ基にアミド結合を介して結合しうる。C末端修飾は、前記ペプチドの最後のアミノ酸の主鎖カルボン酸基にアミド結合を介して結合しうる。式(I)のペプチドの例は、限定されるものでないが表1に記述されるペプチド(例えば配列番号1〜156)に見出しうる。 本発明の誘導体は、該ペプチドの半減期を増大させかつ/若しくは該ペプチドの潜在的免疫原性を低下させるための化合物(例えばポリエチレングリコール、「PEG」)のような別の化合物と融合されたペプチドを包含しうる。例えば、ペグ化ペプチドは、典型的に、in vivoでより長い半減期を有する(Greenwald、Adv.Drug.Del.Rev.55:217−250、2003)。 ペグ化の場合、PEGへのペプチドの融合は、当業者に既知のいずれの手段によっても達成しうる。例えば、ペグ化は、最初に、PEGに結合するリンカーを提供するためにペプチドにシステイン突然変異を導入すること、次いでPEG−マレイミドでの部位特異的誘導体化により達成しうる。あるいは、N末端修飾は、上で開示されるN末端修飾化合物のアミン基、メルカプト基若しくはカルボン酸基により例示されるところの、PEGに結合するための反応部分を組み込みうる。例えば、ペグ化は、最初に、PEGに結合するリンカーを提供するためにN末端修飾基を介してペプチドにメルカプト部分を導入すること、次いで、例えばNektar Therapeutics(米国カリフォルニア州サンカルロス)および/若しくはNOF(日本国東京)いずれかにより供給されるメトキシ−PEG−マレイミド試薬での部位特異的誘導体化により達成しうる。マレイミドに加え、アルキルハロゲン化物およびビニルスルホンの使用のような、多数のCys反応基がタンパク質架橋の当業者に既知である(例えば、Proteins,Structure and Molecular Properties、第2版、T.E.Creighton、W.H.Freeman and Company、ニューヨーク、1993を参照されたい)。加えて、PEGはC末端カルボン酸基、またはCys、Lys、Asp若しくはGluのような内部アミノ酸、または類似の反応性側鎖部分を含有する非天然のアミノ酸への直接結合により導入し得る。 限定されるものでないが、約5kDaから約43kDaまでのPEGポリマーを挙げることができる多様な大きさのPEG基を使用し得る。PEG修飾は単一の直鎖状PEGを包含しうる。例えば、マレイミド若しくは他の架橋基に結合される直鎖状の5、20若しくは30kDaのPEGがNektarおよび/若しくはNOFから入手可能である(例えば表2を参照されたい)。また、修飾は、マレイミド若しくは他の架橋基に結合されるがNektarおよびNOFから入手可能である2種若しくはそれ以上のPEGポリマー鎖を含有する分枝状PEGを必要としうる(例えば表2を参照されたい)。 より小さいPEG(例えば直鎖状の5kDaのPEG)でのペグ化はペプチドの活性を低下させることがより少なくありそうであることができる一方、より大きいPEG(例えば分枝状の40kDaのPEG)は活性を低下させることがよりありそうであることができることが可能である。しかしながら、より大きいPEGは、週1回の注入が可能でありうるように血漿半減期をさらに延長することができる(Harrisら、Clin.Pharmacokinet.40:539−551、2001)。 PEGとペプチド架橋基の間のリンカーは変動し得る。例えば、Nektar(アラバマ州ハンツビル)からの商業的に入手可能なチオール反応性の40kDaのPEG(mPEG2−MAL)は、Cysへの複合にマレイミド基を使用し、そして、該マレイミド基はLysを含有するリンカーを介して該PEGに結合される(例えば表2を参照されたい)。第二の例として、NOFからの商業的に入手可能なチオール反応性の43kDaのPEG(GL2−400MA)は、Cysへの複合にマレイミド基を使用し、そして該マレイミド基は二置換アルカンリンカーを介して該PEGに結合される(例えば表2を参照されたい)。加えて、PEGポリマーは、Nektar Therapeutics(アラバマ州ハンツビル)から入手可能な分子量5および20kDaのPEG試薬により例示されるとおり、マレイミドに直接結合し得る(例えば表2を参照されたい)。 本発明は、限定されるものでないが架橋部位としてのメルカプト基の使用を挙げることができる。N末端修飾化合物のアミノ基、未修飾のC末端若しくはZ2で修飾されたペプチドいずれかのC末端カルボン酸、ならびにLys、Arg、AspおよびGluのようなアミノ酸の側鎖のような、アミノ酸に存在する他の部分が、共有修飾およびPEGへの結合に適する部分を提供する反応性基を提供することが公知である。適する架橋剤の多数の例が当業者に既知である(例えば、Proteins,Structure and Molecular Properties、第2版、T.E.Creighton、W.H.Freeman and Company、ニューヨーク、1993を参照されたい)。こうした架橋剤は、限定されるものでないが、例えばNektarおよびNOFにより市販されている、アミン、アルデヒド、アセタール、マレイミド、スクシンイミドおよびチオールを含有する商業的に入手可能なPEG誘導体により例示されるとおり、PEGに結合し得る(例えば、Harrisら、Clin.Pharmokinet.40:539−551、2001)。 ペグ化に加え、本発明のペプチドは薬力学特性を改良する脂肪酸で修飾しうる。例えば、アミンを含有するN末端修飾化合物を、当業者に既知の方法を使用して、パルミチン酸若しくはミリストレイン酸または他の脂肪酸で誘導体化し得るか、あるいは、アルキル(例えばC6−C18)部分をN末端修飾化合物の一部として直接包含し得る。 本発明のペプチドは、PACAP若しくはVIPに比較して、DPPIVによるタンパク質分解に対するおよび血漿中での改良された安定性を有する。VIPおよびPACAP27の双方はDPPIVによる切断に対し抵抗性であることが報告された(Zhuら、J.Biol.Chem 278:22418−22423、2003)一方、発明者は、これらのペプチドがより長い時間点で切断されることを示した。本発明の誘導体は、in vivoで延長された作用持続時間を示し、誘導体化された場合に1日あたり1回または週若しくはそれ以上あたり1回未満の投与間隔を支援する。 本発明のペプチド(例えば表1)は、例えば低下された内因性インスリン分泌から生じるもののような代謝障害、とりわけ2型糖尿病を伴う患者、若しくは耐糖能異常(インスリン分泌の軽度の変化を有する前糖尿病状態)を伴う患者に新たな治療を提供する。加えて、本発明のペプチドは、1型糖尿病、妊娠糖尿病、若年発症成人型糖尿病(MODY)、成人性潜在型糖尿病(latent autoimmune diabetes adult(LADA))および関連する糖尿病性脂質代謝異常、ならびに他の糖尿病合併症、ならびに、高血糖症、高インスリン血症、耐糖能異常、空腹時高血糖、脂質代謝異常、高トリグリセリド血症、シンドロームXおよびインスリン抵抗性の予防および/若しくは処置で有用でありうる。 本発明のペプチド(例えば表1)は、肥満(例えば食欲および食物摂取の調節);エネルギー恒常性の障害;脂質および炭水化物の代謝の障害;アテローム硬化症、冠動脈心疾患、冠動脈疾患、高脂血症、高コレステロール血症、低HDLレベルおよび高血圧症を包含する心血管系疾患;脳血管系疾患および末梢血管疾患;多嚢胞性卵巣症候群;発癌および過形成;喘息および慢性閉塞性肺疾患;男性の生殖の問題(勃起不全を包含する);潰瘍;神経変性疾患(パーキンソン病およびアルツハイマー病を包含する);睡眠障害および概日機能不全;成長障害;自己免疫疾患(例えば全身性エリテマトーデス)を包含する免疫疾患;慢性炎症性疾患;敗血症ショック;HIV感染症およびAIDS、ならびに本明細書に同定される他の状態、若しくは本明細書で後に記述されるところのそれ以外の機能の予防および/若しくは処置にもまた利用しうる。 本発明の一局面は、式(I)のペプチド、ならびに、その機能的同等物を包含する、式(I)のペプチドと実質的に同一である最低1種の生物学的機能を示すそのフラグメント、誘導体およびバリアント(集合的に「本発明のペプチド」)である(例えば表1)。 本発明のペプチド(例えば表1)を選択的に結合する抗体および抗体フラグメントもまた提供される。こうした抗体は、本発明のペプチドの検出において有用であり、そして当該技術分野で公知の手順により同定および作成し得る。本発明のペプチドを認識するポリクローナルN末端IgG抗体およびモノクローナルC末端Fab抗体が生成されている。 本発明はまた、治療上有効な量の本発明のペプチドのいずれか若しくは式(I)のペプチドのようなVPAC2で活性のいずれかのペプチド(例えば表1)を哺乳動物に投与することを含んでなる、前記哺乳動物における、例えば本発明のペプチドのVPAC2アゴニスト機能により遂げられる、糖尿病、糖尿病関連障害および/または本発明のペプチドにより影響を及ぼされる他の疾患若しくは状態の処置方法にも向けられる。 本発明のペプチドの作成方法もまた開示される。[発明の詳細な記述] 本発明は、式(I)のペプチドと実質的に同一である最低1種の生物学的機能を示す、新規の改変されたペプチドならびにそれらのフラグメント、誘導体およびバリアント(本発明のペプチド)を提供する。本発明のペプチドは(例えば表1)、in vivoでVPAC2のアゴニストとして、または、そうでなければ、1型および2型双方の糖尿病、妊娠糖尿病、若年発症成人型糖尿病(MODY)(Hermanら、Diabetes 43:40、1994);成人性潜在型糖尿病(LADA)(Zimmetら、Diabetes Med.11:299、1994)を包含する糖尿病;ならびに関連する糖尿病性脂質代謝異常および他の糖尿病合併症、ならびに、高血糖症、高インスリン血症、耐糖能異常、空腹時高血糖、脂質代謝異常、高トリグリセリド血症、シンドロームXおよびインスリン抵抗性のような疾患若しくは状態の予防および/若しくは処置で機能する。 本発明のペプチド(例えば表1)は、肥満(例えば食欲および食物摂取の調節);エネルギー恒常性の障害;脂質および炭水化物の代謝の障害;アテローム硬化症、冠動脈心疾患、冠動脈疾患、高脂血症、高コレステロール血症、低HDLレベルおよび高血圧症を包含する心血管系疾患;脳血管系疾患および末梢血管疾患;多嚢胞性卵巣症候群;発癌および過形成;喘息および慢性閉塞性肺疾患;男性の生殖の問題(勃起不全を包含する);潰瘍;神経変性疾患(パーキンソン病およびアルツハイマー病を包含する);睡眠障害および概日機能不全;成長障害;自己免疫疾患(例えば全身性エリテマトーデス)を包含する免疫疾患;慢性炎症性疾患;敗血症ショック;HIV感染症およびAIDS、ならびに本明細書に同定される他の状態、若しくは本明細書で後に記述されるところのそれ以外の機能の予防および/若しくは処置にもまた利用しうる。 本発明のペプチド(例えば表1)は、グルコース依存性の様式で膵β細胞からのインスリン放出を刺激することができる。さらに、本発明のペプチドは、水性および非水性双方の製剤中で安定であり、そして、1時間より長い血漿半減期を表す(例えば6時間以上の血漿半減期を示す)。 本発明のペプチドはVPAC2アゴニストである(例えば表1)。さらに、本発明のペプチドは、例えば2型糖尿病の処置に逆効果である血漿グルコースのレベルの静止若しくは増大を誘導することなく、グルコース依存性の様式で血漿中へのインスリンの放出を刺激する。加えて、本発明のペプチドはVPAC2受容体の選択的アゴニストであることができ、それにより、例えば、胃腸の水貯留のような不愉快な若しくは危険な副作用および/または増大された心拍数若しくは血圧のような望ましくない心血管系の影響の原因である他の受容体に対し選択的でありつつ、血漿中へのインスリン放出の増大を引き起こす。 本発明のペプチドはまた水性および非水性製剤中でも安定である。本発明のペプチドは、(7〜8の間のpHの)水若しくは非水性有機溶媒に溶解される場合に1週間にわたり37〜40℃で10%未満の分解を表すことができるか、または、本発明のペプチドは、(7〜8の間のpHの)水若しくは非水性有機溶媒に溶解される場合に1週間にわたり37〜40℃で5%未満の分解を表すことができる。さらに、本発明の組成物および製剤は、本発明のペプチドおよび約2%ないし約30%のDMSOを含みうる。本発明の別の態様において、組成物および製剤は、場合によっては、約0.2%ないし約3%(w/V)のプロピレングリコール、ジメチルホルムアミド、プロピレンカーボネート、ポリエチレングリコールおよびトリグリセリドのような付加的な溶媒を包含しうる。 最後に、本発明の誘導体化されたペプチドは、例えばIV注入後ラットで1時間、3時間若しくは6時間の血漿半減期を表しうる。さらに、誘導体化されたペプチドは、例えば注入後24時間、41時間若しくは65時間、ラットで皮下注入後の血漿グルコースAUCの有意の低下を示しうる。 本発明のペプチドは、低下された内因性インスリン分泌若しくは耐糖能異常、とりわけ2型糖尿病を伴う患者に新たな治療を提供する。すなわち、本発明のペプチドは、グルコースで刺激されるインスリン分泌を維持、改善および復帰するのに使用しうる長時間作用型VPAC2受容体アゴニストである。さらに、VPAC2受容体の選択的ペプチドアゴニストは、他のPACAP受容体の非選択的活性化と関連する副作用を引き起こすことなく、膵でのグルコース依存性インスリン分泌を高めることができる。 本明細を通じて使用されるある種の用語を下に定義し、また、他者は紹介されるように定義することができる。特定のアミノ酸の一文字略語、その対応するアミノ酸、および三文字略語は後に続くとおりである。すなわち、A、アラニン(Ala);C、システイン(Cys);D、アスパラギン酸(Asp);E、グルタミン酸(Glu);F、フェニルアラニン(Phe);G、グリシン(Gly);H、ヒスチジン(His);I、イソロイシン(Ile);K、リシン(Lys);L、ロイシン(Leu);M、メチオニン(Met);N、アスパラギン(Asn);P、プロリン(Pro);Q、グルタミン(Gln);R、アルギニン(Arg);S、セリン(Ser);T、トレオニン(Thr);V、バリン(Val);W、トリプトファン(Trp);Y、チロシン(Tyr);およびノルロイシン(Nle)。 「機能的同等物」および「実質的に同一の生物学的機能若しくは活性」は、それぞれ、各ペプチドの生物学的活性を同一手順により測定する場合に、それが比較されているペプチドにより示される生物学的活性の約30%ないし約100%若しくはそれ以上以内である生物学的活性の程度を意味している。 本明細書で互換性に使用される「生物学的活性」、「活性」若しくは「生物学的機能」は、ペプチド(その天然のコンホメーションにあろうと変性されたコンホメーションにあろうと)、若しくはそのいずれかのフラグメント、誘導体およびバリアントにより直接若しくは間接的に実行されるエフェクター機能を意味している。生物学的活性は、例えば、ペプチドへの結合、他のタンパク質若しくは分子への結合、DNA結合タンパク質、転写調節物質としての活性、損傷を受けたDNAを結合する能力などを包含する。 本発明のペプチドを指す場合の「フラグメント」、「誘導体」および「バリアント」という用語は、下でさらに記述されるところの、こうしたペプチドと実質的に同一の生物学的機能若しくは活性を保持するペプチドのフラグメント、誘導体およびバリアントを意味している。 フラグメントは、例えば本明細書に開示されるin vivoモデルで記述されるところの実質的に類似の機能的活性を保持するペプチドの一部分である。 誘導体は、さらに下述されるところの、本明細書に開示される機能を実質的に保存しかつ付加的な構造および付随する機能を包含するペプチド(例えば修飾N末端ペプチド、修飾C末端ペプチド若しくはペグ化ペプチド)、ターゲッティング特異性若しくは意図している標的に対する毒性のような付加的な活性を賦与する融合ペプチドに対する全部の改変を包含する。 本発明のペプチドは合成ペプチドでありうる。 本発明のペプチドのフラグメント、誘導体若しくはバリアントは、(i)アミノ酸残基の1個若しくはそれ以上が保存された若しくは保存されないアミノ酸残基で置換されかつこうした置換されたアミノ酸残基が遺伝暗号によりコードされるものであってももしくはなくてもよいもの、あるいは(ii)アミノ酸残基の1個若しくはそれ以上が置換基を包含するもの、あるいは(iii)成熟ペプチドが、ペプチドの半減期を増大させるための化合物(例えばポリエチレングリコール)のような別の化合物に融合されているもの、あるいは(iv)リーダー若しくは分泌配列、または成熟ペプチドの精製に使用される配列のような付加的なアミノ酸が成熟ペプチドに融合されているもの、あるいは(v)ペプチド配列がより大きなペプチド(例えば、効果の増大された持続時間のためのヒトアルブミン、抗体若しくはFc)と融合されているものでありうる。こうしたフラグメント、誘導体およびバリアント、ならびにアナログは、本明細書の教示から当業者の範囲内にあると思われる。 本発明の誘導体は、1個若しくはそれ以上の不可欠でないアミノ酸残基でなされる保存的アミノ酸置換(下でさらに定義される)を含有しうる。「不可欠でない」アミノ酸残基は、生物学的活性を変えることなくタンパク質の野生型配列から変えることができる残基である一方、「不可欠な」アミノ酸残基は生物学的活性に必要とされる。「保存的アミノ酸置換」は、アミノ酸残基が類似の側鎖を有するあるアミノ酸残基で置換されているものである。類似の側鎖を有するアミノ酸残基の一族が当該技術分野で定義されている。これらの族は、塩基性側鎖(例えばリシン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖(例えばアスパラギン酸、グルタミン酸)、荷電していない極性側鎖(例えばグリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、チロシン、システイン)、非極性側鎖(例えばアラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、β−分枝状側鎖(例えばトレオニン、バリン、イソロイシン)、および芳香族側鎖(例えばチロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)をもつアミノ酸を包含する。フラグメント、すなわち生物学的に活性の部分は、医薬品として、抗体を生成するために、研究試薬として、などの使用に適するペプチドフラグメントを包含する。フラグメントは、本発明のペプチドのアミノ酸配列に十分に類似の若しくはそれ由来のアミノ酸配列を含んでなり、かつ、そのペプチドの最低1種の活性を表すが、しかし本明細書に開示される完全長のペプチドより少ないアミノ酸を包含するペプチドを包含する。典型的には、生物学的に活性の部分は該ペプチドの最低1種の活性をもつドメイン若しくはモチーフを含んでなる。ペプチドの生物学的に活性の部分は、例えば長さが5アミノ酸若しくはそれ以上であるペプチドであり得る。こうした生物学的に活性の部分は、合成で若しくは組換え技術により製造し得、そして、本発明のペプチドの機能的活性の1種若しくはそれ以上について、本明細書に開示されかつ/若しくは当該技術分野で公知の手段により評価し得る。 本発明のペプチドのバリアントは、本発明のペプチド若しくはそのドメインのアミノ酸配列に十分に類似のアミノ酸配列を有するペプチドを包含する。「十分に類似の」という用語は、第一および第二のアミノ酸配列が共通の構造ドメインおよび/若しくは共通の機能的活性を有するような、第二のアミノ酸配列に関して十分な若しくは最少の数の同一の若しくは同等なアミノ酸残基を含有する第一のアミノ酸配列を意味している。例えば、最低約45%、約75%から98%同一である共通の構造ドメインを含有するアミノ酸配列を、本明細書で十分に類似と定義する。バリアントは、本発明のペプチドのアミノ酸配列に十分に類似であることができる。こうしたバリアントは、一般に、本発明のペプチドの機能的活性を保持する。 バリアントは突然変異誘発によりアミノ酸配列が異なるペプチドを包含する。VPAC受容体アゴニストとして機能するバリアントは、本発明のペプチドの変異体、例えば切断型変異体のコンビナトリアルライブラリーをVPAC受容体アゴニスト活性についてスクリーニングすることにより同定しうる。 本発明はまたキメラ若しくは融合ペプチドも提供する。ターゲッティング配列は潜在的副作用を最小限にするようにペプチドの送達を局在化するよう設計する。本発明のペプチドは、ペプチド結合若しくは改変ペプチド結合(すなわちペプチドアイソスター)により相互に結合されたアミノ酸から構成されることができ、かつ、20種の遺伝子にコードされるアミノ酸以外のアミノ酸を含有しうる。ペプチドは、翻訳後プロセシングのような天然の過程、若しくは当該技術分野で公知である化学修飾技術のいずれによっても修飾されうる。こうした修飾は、基本的教科書、およびより詳述されたモノグラフ、ならびに膨大な研究文献に十分に記述されている。修飾は、ペプチドバックボーン、アミノ酸側鎖およびアミノ若しくはカルボキシル末端を包含する、ペプチド中のどこに存在してもよい。同一の型の修飾が所定のペプチドのいくつかの部位で同一若しくは異なる程度で存在しうることが認識されるであろう。また、所定のペプチドは多くの型の修飾を含有しうる。ペプチドは、例えばユビキチン化の結果として分枝状であることができ、また、それらは分枝を伴う若しくは伴わない環状でありうる。環状、分枝状および分枝環状ペプチドは、翻訳後の天然の過程から生じうるか、若しくは合成方法により作成しうる。修飾は、アセチル化、アシル化、ADP−リボシル化、アミド化、フラビンの共有結合、ヘム部分の共有結合、ヌクレオチド若しくはヌクレオチド誘導体の共有結合、脂質若しくは脂質誘導体の共有結合、ホスホチジルイノシトールの共有結合、架橋、環化、ジスルフィド結合形成、脱メチル化、共有架橋の形成、システインの形成、ピログルタミン酸の形成、ホルミル化、γ−カルボキシル化、グリコシル化、GPIアンカー形成、水酸化、ヨウ素化、メチル化、ミリストイル化、酸化、ペグ化、タンパク質分解性プロセシング、リン酸化、プレニル化、ラセミ化、セレノイル化、硫酸化、アルギニル化のようなタンパク質へのアミノ酸の転移RNA媒介性の付加、ならびにユビキチン化を包含する(例えば、Proteins,Structure and Molecular Properties、第2版、T.E.Creighton、W.H.Freeman and Company、ニューヨーク(1993);Posttranslational Covalent Modification of Proteins、B.C.Johnson編、Academic Press、ニューヨーク、1−12ページ(1983);Seifterら、Meth.Enzymol.182、626−646、1990;Rattanら、Ann.N.Y.Acad.Sci.、663、48−62、1992を参照されたい)。 本発明のペプチドは、式(I)のペプチド(例えば表1)、ならびにそれらとの配列のごくわずかな変動を有する配列を包含する。「ごくわずかな変動」は、本発明のペプチドの最低1種の生物学的機能、例えばVPAC受容体アゴニスト活性、および/または本明細書に示されるインスリン分泌の増強若しくは血糖の低下を実質的に維持する、いかなる配列の付加、置換若しくは欠失バリアントも包含するとみられる。これらの機能的同等物は、本発明のペプチドに対する最低約90%の同一性、本発明のペプチドに対する最低95%の同一性、および本発明のペプチドに対する最低99%の同一性を有するペプチドを包含することができ、かつ、実質的に同一の生物学的活性を有するこうしたペプチドの部分もまた包含しうる。しかしながら、本明細書でさらに記述されるところの機能的同等性を示す、本発明のペプチドとのアミノ酸配列のごくわずかな変動を有するいかなるペプチドも、本発明の記述に包含される。 本発明のペプチドは化学合成手順の生成物でありうる。 本発明のペプチドは、当該技術分野で公知である方法により便宜的に単離しうる。調製物の純度は、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動および質量分析ならびに液体クロマトグラフィーのような、当該技術分野で既知のいずれの手段によってもまた評価しうる。 化学的模倣物、有機模倣物若しくはペプチド模倣物のような当業者の理解内の関連ペプチドもまた提供される。本明細書で使用されるところの「模倣物」、「ペプチド模倣物(peptide mimetic)」、「ペプチド模倣物(peptidomimetic)」、「有機模倣物」および「化学的模倣物」という用語は、本発明のペプチドのものに同等である三次元の幾何学的配置の原子の配置を有するペプチド誘導体、ペプチドアナログおよび化合物を包含することを意図している。本明細書で使用されるところの「に同等な」という句は、本発明のペプチドの生物学的機能を有するように前記ペプチド中のある原子および化学的部分の同一の若しくは十分に類似の配置若しくは幾何学的配置を生じる模倣ペプチド中の結合長さ、結合角および配置を有する前記原子若しくは化学的部分の置換(1個若しくは複数)を有するペプチドを包含することを意図していることが理解されるであろう。ペプチド模倣物中では、化学的構成要素の三次元配置は、ペプチド中のペプチドバックボーンおよび成分のアミノ酸側鎖の三次元配置に構造的にかつ/若しくは機能的に同等であることができ、実質的な生物学的活性を有する本発明のペプチドのこうしたペプチド、有機および化学的模倣物をもたらす。これらの用語は、例えば、引用することにより本明細書に組込まれる、Fauchere(Adv.Drug Res.15:29、1986);VeberとFreidinger(TINS p.392、1985);およびEvansら(J.Med.Chem.30:1229、1987)により具体的に説明されるとおり、当該技術分野における理解に従って使用される。 本発明の各ペプチドの生物学的活性についてファルマコフォアが存在することが理解される。ファルマコフォアは、生物学的活性の構造的要件の理想化された三次元の定義を含んでなることと当該技術分野で理解されている。ペプチド、有機および化学的模倣物は、現在のコンピュータモデル化ソフトウェア(コンピュータ支援薬物設計)を用いて各ファルマコフォアを適合させるように設計しうる。前記模倣物は、本発明のペプチド中の置換基原子からの位置情報に基づき、構造−機能分析により生じさせうる。 本発明により提供されるところのペプチドは、有利には、当該技術分野で既知の化学合成技術のいずれか、とりわけ、例えば商業的に入手可能な自動ペプチド合成機を使用する固相合成技術により合成しうる。本発明の模倣物は、ペプチドの合成に慣習的に使用される固相若しくは溶液相法により合成しうる(例えば、Merrifield、J.Amer.Chem.Soc.85:2149−54、1963;Carpino、Acc.Chem.Res.6:191−98、1973;Birr、Aspects of the Merrifield Peptide Synthesis、Springer−Verlag:ハイデルベルク、1978;The Peptides:Analysis,Synthesis,Biology、第1、2、3および5巻(GrossとMeinhofer編)、Academic Press:ニューヨーク、1979;Stewartら、Solid Phase Peptide Synthesis、第2版、Pierce Chem.Co.:イリノイ州ロックフォード、1984;Kent、Ann.Rev.Biochem.57:957−89、1988;ならびにGreggら、Int.J.Peptide Protein Res.55:161−214、1990(そっくりそのまま引用することにより本明細書に組込まれる)を参照されたい)。 本発明のペプチドは固相の方法論により製造しうる。簡潔には、N保護されたC末端アミノ酸残基を、ジビニルベンゼン架橋ポリスチレン、ポリアクリルアミド樹脂、キーゼルグール/ポリアミド(ペプシンK)、微細孔性ガラス、セルロース、ポリプロピレンメンブレン、アクリル酸被覆したポリエチレン棒状物などのような不溶性支持体に連結する。連続した保護されたアミノ酸誘導体の脱保護、中和およびカップリングの周期を使用して、アミノ酸配列に従いアミノ酸をC末端から連結する。数種の合成ペプチドについては、酸感受性樹脂を使用するFMOC戦略を使用しうる。固体支持体は、この点に関して、クロロメチル樹脂、ヒドロキシメチル樹脂、パラアセトアミドメチル樹脂、ベンズヒドリルアミン(BHA)樹脂、4−メチルベンズヒドリルアミン(MBHA)樹脂、オキシム樹脂、4−アルコキシベンジルアルコール樹脂(Wang樹脂)、4−(2’,4’−ジメトキシフェニルアミノメチル)−フェノキシメチル樹脂、2,4−ジメトキシベンズヒドリル−アミン樹脂、および4−(2’,4’−ジメトキシフェニル−FMOC−アミノ−メチル)−フェノキシアセトアミドノルロイシル−MBHA樹脂(RinkアミドMBHA樹脂)を包含する多様な官能性化された形態で商業的に入手可能である、ジビニルベンゼン架橋ポリスチレン樹脂でありうる。加えて、酸感受性樹脂もまた所望の場合はC末端酸を提供する。αアミノ酸の保護基は、塩基不安定性の9−フルオレニルメトキシ−カルボニル(FMOC)である。 BOC(t−ブチルオキシカルボニル)およびFMOC基と化学的に適合性のアミノ酸の側鎖官能性の適する保護基は当該技術分野で公知である。FMOC化学を使用する場合、以下の保護されたアミノ酸誘導体、すなわちFMOC−Cys(Trt)、FMOC−Ser(But)、FMOC−Asn(Trt)、FMOC−Leu、FMOC−Thr(Trt)、FMOC−Val、FMOC−Gly、FMOC−Lys(Boc)、FMOC−Gln(Trt)、FMOC−Glu(OBut)、FMOC−His(Trt)、FMOC−Tyr(But)、FMOC−Arg(PMC(2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン−6−スルホニル))、FMOC−Arg(BOC)2、FMOC−ProおよびFMOC−Trp(BOC)を利用しうる。アミノ酸残基は、DIC(ジイソプロピル−カルボジイミド)、DCC(ジシクロヘキシルカルボジイミド)、BOP(ヘキサフルオロリン酸ベンゾトリアゾリル−N−オキシトリスジメチルアミノホスホニウム)、PyBOP(ヘキサフルオロリン酸ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス−ピロリジノホスホニウム)、PyBrOP(ヘキサフルオロリン酸ブロモ−トリス−ピロリジノホスホニウム)との直接カップリングのような当該技術分野で既知の多様なカップリング剤および化学を使用することにより;実施された対称無水物を介して;ペンタフルオロフェニルエステルのような活性エステルを介して;あるいは、実施されたHOBt(1−ヒドロキシベンゾトリアゾール)活性エステルを介して、若しくはFMOC−アミノ酸フッ化物および塩化物を使用することにより、またはFMOC−アミノ酸−N−カルボキシ無水物を使用することにより、カップリングしうる。例えば、活性化は、HOBt若しくはHOAt(7−アザヒドロキシベンゾトリアゾール)の存在下にHBTU(ヘキサフルオロリン酸2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル),1,1,3,3−テトラメチルウロニウム)若しくはHATU(ヘキサフルオロリン酸2−(1H−7−アザ−ベンゾトリアゾール−1−イル),1,1,3,3−テトラメチルウロニウム)を用いて実施しうる。 固相法は、人的に、若しくは商業的に入手可能なペプチド合成機(例えば、Applied Biosystems 431Aなど;Applied Biosystems、カリフォルニア州フォスターシティ)での自動合成により実施しうる。典型的な合成において、第一の(C末端)アミノ酸をクロロトリチル樹脂に負荷する。ABIのFastMocプロトコル(Applied Biosystems)に従った連続的脱保護(20%ピペリジン/NMP(N−メチルピロリドン)を用いる)およびカップリング周期を使用して、ペプチド配列を生成しうる。無水酢酸によるカップリングを用いる二重および三重カップリングもまた使用しうる。 合成模倣ペプチドを樹脂から切断し、そして適切なスカベンジャーを含有するTFA(トリフルオロ酢酸)での処理により脱保護しうる。試薬K(Reagent K)(0.75g結晶フェノール、0.25mLエタンジチオール、0.5mLチオアニソール、0.5mL脱イオン水、10mL TFA)および他者のような多くのこうした切断試薬を使用しうる。ペプチドを濾過により樹脂から分離し、そしてエーテル沈殿により単離する。さらなる精製は、ゲル濾過および逆相HPLC(高速液体クロマトグラフィー)のような慣習的方法により達成しうる。本発明の合成模倣物は、製薬学的に許容できる塩、とりわけ、有機塩基および無機塩基の塩を包含する塩基付加塩の形態にありうる。酸性アミノ酸残基の塩基付加塩は、当業者に公知の手順に従った適切な塩基若しくは無機塩基でのペプチドの処理により製造するか、または、所望の塩は適切な塩基の凍結乾燥により直接得ることができる。 一般に、当業者は、本明細書に記述されるところのペプチドを、未修飾ペプチドと本質的に同一の活性を有しかつ場合によっては他の所望の特性を有するペプチドを製造するための多様な化学技術により修飾しうることを認識するであろう。例えば、ペプチドのカルボン酸基は製薬学的に許容できる陽イオンの塩の形態で提供しうる。ペプチド内のアミノ基は、HCl、HBr、酢酸、安息香酸、トルエンスルホン酸、マレイン酸、酒石酸および他の有機酸のような製薬学的に許容できる酸付加塩の形態にありうるか、若しくはアミドに転化しうる。チオールはアセトアミド基のような多数の十分に認識された保護基のいずれか1種で保護しうる。当業者はまた、天然の結合配置をより近くに近づけることができるように本発明のペプチドに環状構造を導入する方法も認識するであろう。例えば、酸化される場合にペプチドがジスルフィド結合を含有してそれにより環状ペプチドを生成することができるように、カルボキシル末端若しくはアミノ末端システイン残基をペプチドに付加しうる。他のペプチド環化方法は、チオエーテルならびにカルボキシルおよびアミノ末端のアミドおよびエステルの形成を包含する。 とりわけ、対応するペプチドと同一若しくは類似の所望の生物学的活性をもつがしかし溶解性、安定性、ならびに加水分解およびタンパク質分解に対する感受性に関して該ペプチドより好都合な活性をもつペプチド誘導体およびアナログを構築するための多様な技術が利用可能である。こうした誘導体およびアナログは、限定されるものでないが式(I)のペプチド(例えば表1)により例示されるところのN末端アミノ基、C末端アミド基で修飾されたペプチド、および/またはペプチド中のアミド結合の1種若しくはそれ以上を非アミド結合に変更することを包含する。2個若しくはそれ以上のこうした修飾を1種のペプチド模倣物構造中で組合せうる(例えば、C末端アミド基での修飾およびペプチド中の2アミノ酸間の−CH2−カルバメート結合の包含)ことが理解されるであろう。 当該技術分野で理解されかつ本発明により提供されるところのペプチド模倣物は、本発明のペプチドに構造上類似であるが、しかし、当該技術分野で既知かつ以下の参考文献、すなわちSpatola、Chemistry and Biochemistry of Amino Acids,Peptides,and Proteins、(Weinstein編)、Marcel Dekker:ニューヨーク、p.267、1983;Spatola、Peptide Backbone Modifications 1:3、1983;Morley、Trends Pharm.Sci.pp.463−468、1980;Hudsonら、Int.J.Pept.Prot.Res.14:177−185、1979;Spatolaら、Life Sci.38:1243−1249、1986;Hann、J.Chem.Soc.Perkin Trans.I 307−314、1982;Almquistら、J.Med.Chem.23:1392−1398、1980;Jennings−Whiteら、Tetrahedron Lett.23:2533、1982;Szelkeら、第EP045665A号明細書;Holladayら、Tetrahedron Lett.24:4401−4404、1983;およびHruby、Life Sci.31:189−199、1982(それらのそれぞれは引用することにより本明細書に組込まれる)にさらに記述される方法により、結合、例えば−CH2NH−、−CH2S−、−CH2CH2−、−CH=CH−(cisおよびtrans双方の配座異性体で)、−COCH2−、−CH(OH)CH2−ならびに−CH2SO−により場合によっては置換されている1個若しくはそれ以上のペプチド結合を有する。こうしたペプチド模倣物は、例えば、製造するのがより経済的、より大きな化学的安定性若しくは高められた(半減期、吸収、効力、有効性のような)薬理学的特性、低下された抗原性および他の特性を包含する、ペプチドの態様を上回る有意の利点を有しうる。 本発明のペプチドの模倣物アナログは、慣習的若しくは合理的薬物設計の原理を使用してもまた得ることができる(例えば、Andrewsら、Proc.Alfred Benzon Symp.28:145−165、1990;McPherson、Eur.J.Biochem.189:1−24、1990;Holら、Molecular Recognition:Chemical and Biochemical Problems、(Roberts編);Royal Society of Chemistry中;pp.84−93、1989a;Hol、Arzneim−Forsch.39:1016−1018、1989b;Hol、Agnew Chem.Int.Ed.Engl.25:767−778、1986(それらの開示は引用することにより本明細書に組込まれる)を参照されたい)。 慣習的薬物設計方法に従い、その構造が「天然の」ペプチドの構造と共通の属性を有する分子を無作為に試験することにより、所望の模倣物分子を得ることができる。結合分子の特定の1個の基の変化から生じる量的寄与は、ペプチドの活性と比較した推定の模倣物の生物学的活性を測定することにより決定しうる。合理的薬物設計の一態様においては、ペプチドの最も安定な三次元コンホメーションの属性を共有するように模倣物を設計する。従って、例えば、模倣物は、本明細書に開示されるところの本発明のペプチドにより表されるものに類似であるイオン性、疎水性若しくはファンデルワールス相互作用を引き起こすのに十分な方法で配置されている化学基を有するように設計しうる。 合理的な模倣物設計の一実施方法は、Hol、1989a;Hol、1989b;およびHol、1986により例示されるもののようなペプチドの三次元構造の表示を形成することが可能なコンピュータシステムを使用する。本発明のペプチドのペプチド、有機および化学的模倣物の分子構造は、当該技術分野で商業的に入手可能なコンピュータ支援設計プログラムを使用して生じさせうる。こうしたプログラムの例は、SYBYL 6.5(R)、HQSARTMおよびALCHEMY 2000TM(Tripos);GALAXYTMおよびAM2000TM(AM Technologies、Inc.、テキサス州サンアントニオ);CATALYSTTMおよびCERIUSTM(Molecular Simulations、Inc.、カリフォルニア州サンディエゴ);CACHE PRODUCTSTM、TSARTM、AMBERTMおよびCHEM−XTM(Oxford Molecular Products、カリフォルニア州オックスフォード)ならびにCHEMBUILDER3DTM(Interactive Simulations、Inc.、カリフォルニア州サンディエゴ)を包含する。 例えば技術に認識される分子モデル化プログラムを使用して、本明細書に開示されるペプチドを使用して製造されるペプチド、有機および化学的模倣物は、例えばコンビナトリアルケミストリー法を包含するハイスループットスクリーニングを適応するよう設計された、慣習的化学合成技術を使用して製造しうる。本発明のペプチド、有機および化学的模倣物の製造で有用なコンビナトリアル法は、例えば、SIDDCO(アリゾナ州トゥーソン);Tripos、Inc.;Calbiochem/Novabiochem(カリフォルニア州サンディエゴ);Symyx Technologies、Inc.(カリフォルニア州サンタクララ);Medichem Research、Inc.(イリノイ州レモント);Pharm−Eco Laboratories、Inc.(ペンシルバニア州ベスレヘム);若しくはN.V.Organon(オランダ・オッス)により提供されるところのファージディスプレイアレイ、固相合成およびコンビナトリアルケミストリーアレイを包含する。本発明のペプチド、有機および化学的模倣物のコンビナトリアルケミストリー製造法は、限定されるものでないが、Terrett、(Combinatorial Chemistry、Oxford University Press、ロンドン、1998);Gallopら、J.Med.Chem.37:1233−51、1994;Gordonら、J.Med.Chem.37:1385−1401、1994;Lookら、Bioorg.Med.Chem.Lett.6:707−12、1996;Ruhlandら、J.Amer.Chem.Soc.118:253−4、1996;Gordonら、Acc.Chem.Res.29:144−54、1996;ThompsonとEllman、Chem.Rev.96:555−600、1996;FruchtelとJung、Angew.Chem.Int.Ed.Engl.35:17−42、1996;Pavia、“The Chemical Generation of Molecular Diversity”、Network Science Center、www.netsci.org、1995;Adnanら、“Solid Support Combinatorial Chemistry in Lead Discovery and SAR Optimization、”Id.、1995;DaviesとBriant、“Combinatorial Chemistry Library Design using Pharmacophore Diversity、”Id.、1995;Pavia、“Chemically Generated Screening Libraries:Present and Future、”Id.、1996;ならびに米国特許第5,880,972号;同第5,463,564号;同第5,331573号;および同第5,573,905号明細書に開示される技術を挙げることができる、当該技術分野で既知の方法に従って製造しうる。 新たに合成されるペプチドは、調製的高速液体クロマトグラフィーにより実質的に精製しうる(例えば、Creighton、Proteins:Structures And Molecular Principles、WH Freeman and Co.、ニューヨーク州ニューヨーク、1983を参照されたい)。本発明の合成ペプチドの組成物は、アミノ酸分析、若しくは、例えばエドマン分解手順(Creighton、上記)による配列決定により確認しうる。加えて、ペプチドのアミノ酸配列のいずれかの部分を、直接合成の間に変えかつ/または化学的方法を使用して他のタンパク質からの配列と結合してバリアントペプチド若しくは融合ペプチドを製造しうる。 本発明のペプチドを選択的に結合する抗体および抗体フラグメントもまた本発明に包含される。当該技術分野で既知のいずれの型の抗体も当該技術分野で公知の方法を使用して生成しうる。例えば、抗体は本発明のペプチドの1エピトープに特異的に結合するように生成しうる。本明細書で使用されるところの「抗体」は、無傷の免疫グロブリン分子、ならびに本発明のペプチドの1エピトープを結合することが可能であるFab、F(ab’)2およびFvのようなそれらのフラグメントを包含する。典型的には、6、8、10若しくは12の連続するアミノ酸が1エピトープを形成するのに必要とされる。しかしながら、連続しないアミノ酸を伴うエピトープは、より多くのアミノ酸、例えば15、25若しくは50アミノ酸を必要としうる。 本発明のペプチドの1エピトープに特異的に結合する抗体は、治療的に、ならびに、ウエスタンブロット、ELISA、ラジオイムノアッセイ、免疫組織化学アッセイ、免疫沈降法、若しくは当該技術分野で既知の他の免疫化学アッセイのような免疫化学アッセイで使用しうる。多様なイムノアッセイを使用して、所望の特異性を有する抗体を同定しうる。競合的結合若しくは免疫放射測定アッセイの多数のプロトコルが当該技術分野で公知である。こうしたイムノアッセイは、典型的に、免疫原と該免疫原に特異的に結合する抗体の間の複合体形成の測定を必要とする。 典型的には、本発明のペプチドに特異的に結合する抗体は、免疫化学アッセイで使用される場合に、他のタンパク質で提供される検出シグナルより高い検出シグナルを提供する。本発明のペプチドに特異的に結合する抗体は、免疫化学アッセイで他のタンパク質を検出せず、そして、溶液から本発明のペプチドを免疫沈降し得る。 本発明のペプチドを使用して、ポリクローナル抗体を製造するためにマウス、ラット、ウサギ、モルモット、ヤギ、ヒツジ、サル若しくはヒトのような哺乳動物を免疫しうる。所望の場合は、本発明のペプチドを、ウシ血清アルブミン、チログロブリンおよびキーホールリンペットヘモシアニンのような担体タンパク質に複合しうる。宿主の種に依存して、免疫学的応答を増大させるために多様なアジュバントを使用しうる。こうしたアジュバントは、限定されるものでないが、フロイントのアジュバント、鉱物ゲル(例えば水酸化アルミニウム)、ならびに表面活性物質(例えばリソレシチン、プルロニック多価アルコール、ポリアニオン、ペプチド、油乳剤、キーホールリンペットヘモシアニンおよびジニトロフェノール)を挙げることができる。ヒトで使用されるアジュバントのうち、BCG(カルメット−ゲラン桿菌)およびコリネバクテリウム パルバム(Corynebacterium parvum)がとりわけ有用である。 本発明のペプチドに特異的に結合するモノクローナル抗体は、培養物中の連続細胞株による抗体分子の産生を提供するいずれの技術を使用しても製造しうる。これらの技術は、限定されるものでないが、ハイブリドーマ技術、ヒトB細胞ハイブリドーマ技術およびEBVハイブリドーマ技術を挙げることができる(Kohlerら、Nature 256:495−97、1985;Kozborら、J.Immunol.Methods 81:3142、1985;Coteら、Proc.Natl.Acad.Sci.80:2026−30、1983;Coleら、Mol.Cell Biol.62:109−20、1984)。 加えて、「キメラ抗体」の製造のため開発された技術、すなわち適切な抗原特異性および生物学的活性をもつ分子を得るためのヒト抗体遺伝子へのマウス抗体遺伝子のスプライシングを使用しうる(Morrisonら、Proc.Natl.Acad.Sci.81:6851−55、1984;Neubergerら、Nature 312:604−08、1984;Takedaら、Nature 314:452−54、1985)。モノクローナルおよび他の抗体は、それを治療的に使用する場合に患者が該抗体に対する免疫応答を装備することを予防するようにまた「ヒト化」もし得る。こうした抗体は、治療で直接使用されるためにヒト抗体に対し配列が十分に類似でありうるか、若しくは、いくつかの重要な残基の変更を必要としうる。げっ歯類抗体とヒト配列の間の配列の差違は、個々の残基の部位特異的突然変異誘発若しくは相補性決定領域全体のグラフトによりヒト配列中の残基と異なる残基を置換することにより、最低限にしうる。あるいは、組換え法を使用してヒト化抗体を製造しうる(例えば第GB2188638B号明細書を参照されたい)。本発明のペプチドに特異的に結合する抗体は、米国特許第5,565,332号明細書に開示されるとおり、部分的に若しくは完全にのいずれかでヒト化されている抗原結合部位を含有しうる。 あるいは、一本鎖抗体の製造について記述された技術を、当該技術分野で既知の方法を使用して適合させて、本発明のペプチドに特異的に結合する一本鎖抗体を製造しうる。関連した特異性をもつがしかし別個のイディオタイプ組成の抗体は、ランダムコンビナトリアル免疫グロブリンライブラリーからの鎖シャッフリング(Burton、Proc.Natl.Acad.Sci.88:11120−23、1991)により生成し得る。 一本鎖抗体は、鋳型としてハイブリドーマcDNAを使用するPCRのようなDNA増幅法を使用してもまた構築しうる(Thirionら、Eur.J.Cancer Prev.5:507−11、1996)。一本鎖抗体は一若しくは二特異性であり得、そして二価若しくは四価であり得る。四価の二特異性一本鎖抗体の構築は、例えばColomaとMorrison(Nat.Biotechnol.15:159−63、1997)に教示されている。二価の二特異性一本鎖抗体の構築はMallenderとVoss(J.Biol.Chem.269:199−206、1994)に教示されている。 一本鎖抗体をコードするヌクレオチド配列は、下述されるとおり、人的若しくは自動ヌクレオチド合成を使用して構築し、標準的組換えDNA法を使用して発現構築物にクローン化し、そして細胞に導入してコーディング配列を発現させうる。あるいは、一本鎖抗体は、例えば繊維状ファージ技術(Verhaarら、Int.J.Cancer 61:497−501、1995;Nichollsら、J.Immunol.Meth.165:81−91、1993)を使用して直接製造し得る。 本発明のペプチドに特異的に結合する抗体は、リンパ球集団でin vivo産生を誘導することにより、または免疫グロブリンライブラリー若しくは文献(Orlandiら、Proc.Natl.Acad.Sci.86:38333−37、1989;Winterら、Nature 349:293−99、1991)に開示されるところの高度に特異的な結合試薬の一団をスクリーニングすることによってもまた製造しうる。 他の型の抗体を構築しかつ本発明の方法で治療的に使用しうる。例えば、キメラ抗体は第WO 93/03151号明細書に開示されるとおり構築しうる。「二重特異性抗体」のような、免疫グロブリン由来でありかつ多価かつ多特異性である結合タンパク質もまた製造し得る(例えば第WO 94/13804号明細書を参照されたい)。 本発明のペプチドに結合する能力をもつヒト抗体は、後に続くところのMorphoSysのHuCAL(R)ライブラリーからもまた同定しうる。本発明のペプチドをマイクロタイタープレートに被覆し、そしてMorphoSys HuCAL(R)Fabファージライブラリーとインキュベートしうる。本発明のペプチドに結合しないファージに結合したFabをプレートから洗い流して、本発明のペプチドに強固に結合するファージのみを残し得る。結合したファージは、例えばpHの変化により、若しくは大腸菌(E.coli)との溶離により溶離し得、そして大腸菌(E.coli)宿主の感染により増幅し得る。このパニング法を1若しくは2回反復して、本発明のペプチドに強固に結合する抗体の集団について濃縮し得る。濃縮されたプールからのFabをその後発現させ、精製しかつELISAアッセイでスクリーニングする。 本発明の抗体は当該技術分野で公知の方法により精製しうる。例えば、抗体は本発明のペプチドが結合されているカラムの通過により親和性精製しうる。結合した抗体をその後、高塩濃度をもつ緩衝液を使用してカラムから溶離し得る。使用方法 本明細書で使用されるところの多様な用語を下で定義する。 本発明若しくはその好ましい態様(1個若しくは複数)の要素を紹介する場合に、冠詞「ある(a、an)」、「該」および「前記」は、該要素の1個若しくはそれ以上が存在することを意味することを意図している。「含んでなること」、「包含すること」および「有すること」という用語は、包括的でありかつ列挙される要素以外の付加的な要素が存在しうることを意味することを意図している。 本明細書で使用されるところの「被験体」という用語は哺乳動物(例えばヒトおよび動物)を包含する。 「処置」という用語は、ヒトを包含する被験体が該被験体の状態を直接若しくは間接的に改善する、または該被験体における状態若しくは障害の進行を遅らせる目的で医学的補助を提供される、いかなる過程、行動、応用、治療なども包含する。 「併用療法」若しくは「共療法(co−therapy)」という用語は、例えば糖尿病を処置するための2種若しくはそれ以上の治療薬の投与を意味している。こうした投与は、固定された比率の有効成分を有する単一カプセル剤、若しくは各阻害剤の複数の別個のカプセル剤でのような実質的に同時の様式の2種若しくはそれ以上の治療薬の共投与を包含する。加えて、こうした投与は各型の治療薬の連続した様式での使用を包含する。 「治療上有効な」という句は、所定の治療的処置に伴う有害な副作用を回避若しくは最低限にしつつ、糖尿病の状態若しくは障害の重症度の改善という目標を達成するであろう、投与される各剤の量を意味している。 「製薬学的に許容できる」という用語は、主題の品目が医薬品での使用に適切であることを意味している。 式(I)のペプチドは治療薬として価値があることが期待される(例えば表1)。従って、本発明の一態様は、標的状態の処置において有効である式(I)のペプチドのある量を含有する組成物を患者(哺乳動物を包含する)に投与することを含んでなる、前記患者における多様な状態の処置方法を包含する。 本発明のペプチドは、in vitroで膵島細胞からのインスリン分泌を刺激する能力の結果として、およびin vivoでの血糖の低下を引き起こすことにより、1型および2型(インスリン非依存性糖尿病)双方の糖尿病を包含する糖尿病の処置で使用しうる。こうした処置は糖尿病および糖尿病合併症の発症もまた遅延させうる。該ペプチドは、耐糖能異常を伴う被験体が進行して2型糖尿病を発症することを予防するのに使用しうる。本発明の方法で本発明の化合物を使用して処置若しくは予防しうる他の疾患および状態は、若年発症成人型糖尿病(MODY)(Hermanら、Diabetes 43:40、1994);成人性潜在型糖尿病(LADA)(Zimmetら、Diabetes Med.11:299、1994);耐糖能異常(IGT)(Expert Committee on Classification of Diabetes Mellitus、Diabetes Care 22(Supp.1):S5、1999);空腹時高血糖(IFG)(Charlesら、Diabetes 40:796、1991);妊娠糖尿病(Metzger、Diabetes、40:197、1991);および代謝性シンドロームXを包含する。 本発明のペプチドは、肥満(例えば食欲および食物摂取の調節);エネルギー恒常性の障害;脂質および炭水化物の代謝の障害;アテローム硬化症、冠動脈心疾患、冠動脈疾患、高脂血症、高コレステロール血症、低HDLレベルおよび高血圧症を包含する心血管系疾患;脳血管系疾患および末梢血管疾患;多嚢胞性卵巣症候群;発癌および過形成;喘息および慢性閉塞性肺疾患;男性の生殖の問題(勃起不全を包含する);潰瘍;神経変性疾患(パーキンソン病およびアルツハイマー病を包含する);睡眠障害および概日機能不全;成長障害;自己免疫疾患(例えば全身性エリテマトーデス)を包含する免疫疾患;慢性炎症性疾患;敗血症ショック;HIV感染症およびAIDS、ならびに本明細書に同定される他の状態、若しくは本明細書で後に記述されるところのそれ以外の機能の予防および/若しくは処置にもまた利用しうる。 本発明の化合物は、例えば、脂質蓄積細胞を生じるための細胞分化、例えば異常な膵β細胞機能に関与するインスリン感受性および血糖値の調節、動脈硬化巣の形成に至るマクロファージ分化、炎症応答、発癌、過形成、膵β細胞量、インスリン分泌、インスリンに対する組織感受性の減少、脂肪肉腫細胞増殖、多嚢胞性卵巣疾患、慢性無排卵症、アンドロゲン過剰症、プロゲステロン産生、ステロイド産生、細胞中の酸化還元電位および酸化的ストレス、一酸化窒素合成酵素(NOS)産生、増大されたγ−グルタミルトランスペプチダーゼ、カタラーゼ、血漿トリグリセリド、HDLおよびHDLコレステロールレベルなどに関する生理学的障害を処置するためにもまた有用でありうる。 本発明の化合物は、本発明の糖尿病の二次的原因の処置方法でもまた使用しうる(Expert Committee on Classification of Diabetes Mellitus、Diabetes Care 22(Supp.1):S5、1999)。こうした二次的原因は、グルココルチコイド過剰、成長ホルモン過剰、褐色細胞腫および薬物誘発性糖尿病を包含する。糖尿病を誘発しうる薬物は、限定されるものでないが、ピリミニル、ニコチン酸、グルココルチコイド、フェニトイン、甲状腺ホルモン、β−アドレナリン作動薬、α−インターフェロン、およびHIV感染症を処置するのに使用される薬物を挙げることができる。 加えて、本発明のペプチドは、喘息(Bokinら、Biopolymer 37:57−66、1995;米国特許第5,677,419号明細書;ペプチドR3P0がモルモット気管平滑筋の弛緩において活性であることを示す);低血圧の誘導(VIPは喘息患者で低血圧、頻脈および顔面潮紅を誘発する(Moriceら、Peptides 7:279−280、1986;Moriceら、Lancet 2:1225−1227、1983);男性の生殖の問題(Slowら、Arch.Androl.43(1):67−71、1999)の処置のため;抗アポトーシス/神経保護剤(Brennemanら、Ann.N.Y.Acad.Sci.865:207−12、1998);虚血事象の間の心保護(Kalfinら、J.Pharmacol.Exp.Ther.1268(2):952−8、1994;Dasら、Ann.N.Y.Acad.Sci.865:297−308、1998)、概日時計の操作およびその関連障害(Hamarら、Cell 109:497−508、2002;Shenら、Proc.Natl.Acad.Sci.97:11575−80、2000)として、ならびに、最後に抗潰瘍薬として(Tuncelら、Ann.N.Y.Acad.Sci.865:309−22、1998)使用しうる。 本発明のペプチドは、単独で、または糖尿病および関連障害の処置で当業者に既知の付加的な治療および/若しくは化合物とともに使用しうる。あるいは、本明細書に記述される方法および化合物は部分的に若しくは完全に併用療法で使用しうる。 本発明のペプチドは、PPARリガンド(例えばアゴニスト、アンタゴニスト)、インスリン分泌促進物質、例えばスルホニル尿素薬物および非スルホニル尿素分泌促進物質、α−グルコシダーゼ阻害剤、インスリン感作物質、インスリン分泌促進物質、肝グルコース出力低下化合物、インスリンおよびインスリン誘導体、ならびに抗肥満薬を包含する、糖尿病の処置のための他の既知の治療とともにもまた投与しうる。こうした治療は、本発明の化合物の投与の前、同時に若しくは後に投与しうる。インスリンおよびインスリン誘導体は長および短時間作用型双方の形態のインスリンならびにインスリンの製剤を包含する。PPARリガンドは、PPAR受容体のいずれかのアゴニストおよび/若しくはアンタゴニストまたはそれらの組合せを包含しうる。例えば、PPARリガンドは、PPAR−α、PPAR−g、PPAR−δ、またはPPARの受容体の2若しくは3種のいずれかの組合せのリガンドを包含しうる。PPARリガンドは、例えばロシグリタゾン、トログリタゾンおよびピオグリタゾンを包含する。スルホニル尿素薬物は、例えば、グリブリド、グリメピリド、クロルプロパミド、トルブタミドおよびグリピジドを包含する。本発明の化合物とともに投与される場合に糖尿病の処置において有用でありうるα−グルコシダーゼ阻害剤は、アカルボース、ミグリトールおよびボグリボースを包含する。糖尿病の処置において有用でありうるインスリン感作物質は、グリタゾン(例えばトログリタゾン、ピオグリタゾン、エングリタゾン、MCC−555、ロシグリタゾンなど)、ならびに、他のチアゾリジンジオンおよびチアゾリジンジオン以外の化合物のようなPPAR−γアゴニスト;メトホルミンおよびフェンホルミンのようなビグアニド;タンパク質チロシンホスファターゼ−1B(PTP−1B)阻害剤;ジペプチジルペプチダーゼIV(DPPIV)阻害剤;ならびに11β−HSD阻害剤を包含する。本発明のペプチドとともに投与される場合に糖尿病の処置において有用でありうる肝グルコース出力低下化合物は、例えば、グルカゴンアンタゴニスト、ならびにGlucophageおよびGlucophage XRのようなメトホルミンを包含する。本発明のペプチドとともに投与される場合に糖尿病の処置において有用でありうるインスリン分泌促進物質は、スルホニル尿素および非スルホニル尿素薬物、すなわちGLP−1、GIP、VIP、PACAP、セクレチンおよびそれらの誘導体;ナテグリニド、メグリチニド、レパグリニド、グリベンクラミド、グリメピリド、クロルプロパミドおよびグリピジドを包含する。例えば、GLP−1は、例えば脂肪酸誘導体化GLP−1およびエキセンジンのような、天然のGLP−1より長い半減期をもつGLP−1の誘導体を包含する。本発明の一態様において、本発明のペプチドを、インスリン分泌促進物質に対する膵β細胞の感受性を増大させるためにインスリン分泌促進物質とともに使用する。 本発明のペプチドは、本発明の方法で抗肥満薬と組合せでもまた使用しうる。例えば、抗肥満薬は、CL 316,243のようなβ−3アドレナリン受容体アゴニスト;Rimonabantのようなカンナビノイド(例えばCB−1)アンタゴニスト;ニューロペプチドY受容体アンタゴニスト;ニューロペプチドY5阻害剤;アポ−B/MTP阻害剤;11β−ヒドロキシステロイド脱水素酵素−1阻害剤;ペプチドYY3−36若しくはそのアナログ;MCR4アゴニスト;CCK−Aアゴニスト;モノアミン再取り込み阻害剤;交感神経興奮薬;ドーパミンアゴニスト;メラノサイト刺激ホルモン受容体アナログ;メラニン濃縮ホルモンアンタゴニスト;レプチン;レプチンアナログ;レプチン受容体アゴニスト;ガラニンアンタゴニスト;リパーゼ阻害剤;ボンベシンアゴニスト;甲状腺ホルモン様剤;デヒドロエピアンドロステロン若しくはそのアナログ;グルココルチコイド受容体アンタゴニスト;オレキシン受容体アンタゴニスト;繊毛様神経栄養因子;グレリン受容体アンタゴニスト;ヒスタミン−3受容体アンタゴニスト;ニューロメディンU受容体アゴニスト;例えばシブトラミン(Meridia)のような食欲抑制剤;および例えばオルリスタット(Xenical)のようなリパーゼ阻害剤を包含する。本発明の化合物は、熱産生、脂肪分解、腸運動性、脂肪吸収および満腹を調節する薬物のような、消化および/若しくは代謝を調節する薬物化合物とともにもまた投与しうる。 本発明のペプチドは、脂質障害を処置するのに一般に使用される薬物とともにもまた本発明の方法で使用しうる。こうした薬物は、限定されるものでないが、HMG−CoA還元酵素阻害剤、ニコチン酸、脂肪酸を低下させる化合物(例えばアシピモックス);脂質を低下させる薬物(例えばスタノールエステル、チクェシドのようなステロール配糖体、およびエゼチミブのようなアゼチジノン)、ACAT阻害剤(アバシミブのような)、胆汁酸捕捉剤、胆汁酸再取り込み阻害剤、ミクロソームトリグリセリド輸送阻害剤、ならびにフィブリン酸誘導体を挙げることができる。HMG−CoA還元酵素阻害剤は、例えば、ロバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、アトロバスタチン、リバスタチン、イタバスタチン、セリバスタチンおよびZD−4522を包含する。フィブリン酸誘導体は、例えば、クロフィブラート、フェノフィブラート、ベザフィブラート、シプロフィブラート、ベクロフィブラート、エトフィブラートおよびゲムフィブロジルを包含する。捕捉剤は、例えばコレスチラミン、コレスチポール、および架橋デキストランのジアルキルアミノアルキル誘導体を包含する。 さらに、本発明のペプチドは、例えばβ−遮断薬およびACE阻害薬のような降圧薬と組合せでもまた投与しうる。本発明のペプチドとともにの使用のための付加的な降圧薬の例は、カルシウム拮抗薬(L型およびT型;例えばジルチアゼム、ベラパミル、ニフェジピン、アムロジピンおよびミベフラジル)、利尿薬(例えばクロロチアジド、ヒドロクロロチアジド、フルメチアジド、ヒドロフルメチアジド、ベンドロフルメチアジド、メチルクロロチアジド、トリクロロメチアジド、ポリチアジド、ベンズチアジド、エタクリン酸トリクリナフェン(tricrynafen)、クロルタリドン、フロセミド、ムソリミン、ブメタニド、トリアムトレネン、アミロリド、スピロノラクトン)、レニン阻害剤、ACE阻害薬(例えばカプトプリル、ゾフェノプリル、ホシノプリル、エナラプリル、セラノプリル、シラゾプリル、デラプリル、ペントプリル、キナプリル、ラミプリル、リシノプリル)、AT−1受容体アンタゴニスト(例えばロサルタン、イルベサルタン、バルサルタン)、ET受容体アンタゴニスト(例えばシタクスセンタン(sitaxsentan)、アトルセンタン、中性エンドペプチダーゼ(NEP)阻害剤、バソペプシダーゼ阻害剤(二重NEP−ACE阻害剤)(例えばオマパトリラートおよびゲモパトリラート)、ならびに硝酸塩を包含する。 こうした共療法は、2種若しくはそれ以上の薬物のいかなる組合せでも投与しうる(例えば、インスリン感作物質および抗肥満薬と組合せの本発明の化合物)。こうした共療法は、上述されたところの製薬学的組成物の形態で投与しうる。製薬学的組成物 哺乳動物における上で同定された状態の処置についての有効性を決定するのに使用される公知のアッセイに基づき、および、これらの状態を処置するのに使用される既知の医薬品の結果とのこれらの結果の比較により、本発明のペプチドの有効投薬量を各所望の適応症の処置について容易に決定し得る。これらの状態の1種の処置で投与されるべき有効成分の量は、使用される特定のペプチドおよび投薬単位、投与様式、処置の期間、処置される患者の齢および性、ならびに処置される状態の性質および程度のような考慮に従って広範に変動し得る。 投与されるべき有効成分の総量は、一般に、1日あたり例えば約0.0001mg/kgから約200mg/kgまで、若しくは約0.001mg/kgから約200mg/kg体重までの範囲にわたりうる。単位投薬量は、例えば約0.05mgから約1500mgまでの有効成分を含有することができ、そして1日あたり1回若しくはそれ以上投与しうる。静脈内、筋肉内、皮下および非経口注入を包含する注入(injection)、ならびに注入(infusion)技術の使用による投与のための1日投薬量は、例えば約0.001から約200mg/kgまででありうる。1日の直腸投薬レジメンは、例えば約0.001から約200mg/kg総体重まででありうる。経皮濃度は、例えば約0.001から約200mg/kgまでの1日用量を維持するのに必要とされるものでありうる。 もちろん、各患者の特定の初期および継続投薬レジメンは、担当医である診断医により決定されるところの状態の性質および重症度、使用される特定のペプチドの活性、患者の齢、患者の食餌、投与時間、投与経路、薬物排泄速度、薬物の組合せなどに従って変動することができる。所望の処置様式および本発明のペプチドの用量の数は、慣習的処置試験を使用して、当業者により確かめられうる。 本発明のペプチドは、適切に処方された製薬学的組成物でのそれの必要な被験体への投与により所望の薬理学的効果を達成するために利用しうる。被験体は、例えば特定の状態若しくは疾患に対する処置の必要なヒトを包含する哺乳動物でありうる。従って、本発明は、製薬学的に許容できる担体、および製薬学的有効量の本発明のペプチドから構成される製薬学的組成物を包含する。製薬学的に許容できる担体は、該担体に帰されるいかなる副作用も有効成分の有益な効果を損なわないように、有効成分の有効な活性と矛盾しない濃度で患者に対し比較的非毒性かつ無害であるいずれかの担体である。ペプチドの製薬学的有効量は、処置されている特定の状態に対する結果を生じる若しくは影響を発揮する量である。本発明のペプチドは、経口、非経口、局所などで、例えば即時放出および徐放製剤を包含するいずれかの効果的な慣習的投薬単位形態物を使用して、製薬学的に許容できる担体とともに投与しうる。 経口投与のためには、ペプチドは、例えばカプセル剤、丸剤、錠剤、トローチ剤(troche)、トローチ剤(lozenge)、溶融物、散剤、溶液、懸濁剤若しくは乳剤のような固体若しくは液体製剤に処方することができ、また、製薬学的組成物の製造の技術分野に既知の方法に従って製造しうる。固体の単位投薬形態物は、例えば界面活性剤、滑沢剤、ならびに乳糖、ショ糖、リン酸カルシウムおよびトウモロコシデンプンのような不活性増量剤を含有する通常の硬若しくは軟殻ゼラチン型のものであり得るカプセル剤でありうる。 別の態様において、本発明のペプチドは、アラビアゴム、トウモロコシデンプン若しくはゼラチンのような結合剤;バレイショデンプン、アルギン酸、トウモロコシデンプンおよびグアールガムのような、投与後の錠剤の崩壊および溶解を補助することを意図している崩壊剤;錠剤造粒の流動を改良しかつ打錠ダイおよびパンチの表面への錠剤物質の付着を予防することを意図している滑沢剤、例えばタルク、ステアリン酸、またはステアリン酸マグネシウム、カルシウム若しくは亜鉛;色素;着色剤;ならびに錠剤の審美的質を高めかつそれらを患者により受け入れられるようにすることを意図している着香料と組合せの、乳糖、ショ糖およびトウモロコシデンプンのような慣習的錠剤基剤とともに打錠しうる。経口の液体投薬形態物での使用のための適する賦形剤は、製薬学的に許容できる界面活性剤、懸濁化剤若しくは乳化剤の添加を伴う若しくは伴わないのいずれかの、水およびアルコール、例えばエタノール、ベンジルアルコールおよびポリエチレンアルコールのような希釈剤を包含する。多様な他の物質が、コーティングとして、若しくは投薬単位の物理的形態を別の方法で改変するために存在しうる。例えば、錠剤、丸剤若しくはカプセル剤はセラック、糖若しくは双方で被覆しうる。 分散可能な粉末および顆粒は水性懸濁液の製造に適する。それらは、分散助剤若しくは湿潤剤、懸濁化剤および1種若しくはそれ以上の保存剤と混合状態の有効成分を提供する。適する分散助剤若しくは湿潤剤、および懸濁化剤は上で既に挙げられたものにより例示される。付加的な賦形剤、例えば上述された甘味料、着香料および着色剤もまた存在しうる。 本発明の製薬学的組成物は水中油型乳剤の形態でもまた存在しうる。油相は流動パラフィンのような植物油若しくは植物油の混合物でありうる。適する乳化剤は、(1)アラビアゴムおよびトラガカントガムのような天然に存在するガム、(2)ダイズおよびレシチンのような天然に存在するホスファチド、(3)脂肪酸およびヘキシトール無水物由来のエステル若しくは部分エステル、例えばソルビタンモノオレエート、ならびに(4)前記部分エステルのエチレンオキサイドとの縮合生成物、例えばポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートでありうる。乳剤は甘味料および着香料もまた含有しうる。 シロップ剤およびエリキシル剤は、例えばグリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール若しくはショ糖のような甘味料とともに処方しうる。こうした製剤は、粘滑薬、ならびに保存剤、着香料および着色剤もまた含有しうる。 本発明のペプチドは、石鹸若しくは洗剤のような製薬学的に許容できる界面活性剤、ペクチン、カーボマー、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース若しくはカルボキシメチルセルロースのような懸濁化剤、または乳化剤および他の製薬学的補助物質の添加を伴う若しくは伴わない、水、生理的食塩水、水性D−ブドウ糖および関連糖溶液のような無菌液体若しくは液体の混合物;エタノール、イソプロパノール若しくはヘキサデシルアルコールのようなアルコール;プロピレングリコール若しくはポリエチレングリコールのようなグリコール;2,2−ジメチル−1,1−ジオキソラン−4−メタノールのようなグリセロールケタール、ポリ(エチレングリコール)400のようなエーテル;油;脂肪酸;脂肪酸エステル若しくはグリセリド;またはアセチル化脂肪酸グリセリドでありうる製薬学的担体を含む生理学的に許容できる希釈剤中のペプチドの注入可能な投薬量として、非経口で、すなわち皮下、静脈内、筋肉内若しくは腹腔内でもまた投与しうる。 石油、動物、植物若しくは合成起源のもの、例えば、ラッカセイ油、ダイズ油、ゴマ油、綿実油、トウモロコシ油、オリーブ油、ワセリンおよび鉱物油が、本発明の非経口製剤で使用し得る油を具体的に説明する。適する脂肪酸はオレイン酸、ステアリン酸およびイソステアリン酸を包含する。適する脂肪酸エステルは、例えばオレイン酸エチルおよびミリスチン酸イソプロピルである。適する石鹸は、脂肪アルカリ金属、アンモニウム、およびトリエタノールアミン塩を包含し、また、適する洗剤は、陽イオン性洗剤、例えばジメチルジアルキルアンモニウムハロゲン化物、アルキルピリジニウムハロゲン化物およびアルキルアミン酢酸塩;陰イオン性洗剤、例えばアルキル、アリールおよびオレフィンスルホン酸塩、アルキル、オレフィン、エーテルおよびモノグリセリド硫酸塩、ならびにスルホコハク酸塩;非イオン性洗剤、例えば脂肪アミン酸化物、脂肪酸アルカノールアミドおよびポリオキシエチレンポリプロピレンコポリマー;ならびに両性洗剤、例えばアルキル−β−アミノプロピオン酸塩および2−アルキルイミダゾリン四級アンモニウム塩、ならびに混合物を包含する。 本発明の非経口組成物は、典型的に、約0.5%から約25重量%までの有効成分を溶液中に含有しうる。保存剤および緩衝剤もまた有利に使用しうる。注入の部位での刺激を最低限にする若しくは排除するために、こうした組成物は、約12から約17までの親水親油バランス(HLB)を有する非イオン性界面活性剤を含有しうる。こうした製剤中の界面活性剤の量は約5%から約15重量%までの範囲にわたる。界面活性剤は上のHLBを有する単一成分であり得るか、または所望のHLBを有する2種若しくはそれ以上の成分の混合物であり得る。 ポリエチレンソルビタン脂肪酸エステルの分類、例えばソルビタンモノオレエート、およびプロピレンオキシドのプロピレングリコールとの縮合により形成される疎水性基剤とのエチレンオキシドの高分子量付加物が、非経口製剤で使用される界面活性剤を具体的に説明する。 製薬学的組成物は無菌の注入可能な水性懸濁剤の形態にありうる。こうした懸濁剤は、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル−セルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントガムおよびアラビアゴムのような適する分散助剤若しくは湿潤剤および懸濁化剤;レシチンのような天然に存在するホスファチド、アルキレンオキシドの脂肪酸との縮合生成物、例えばポリオキシエチレンステアレート、エチレンオキシドの長鎖脂肪アルコールとの縮合生成物、例えばヘプタデカエチレンオキシセタノール、ポリオキシエチレンソルビトールモノオレエートのような脂肪酸およびヘキシトール由来の部分エステルとのエチレンオキシドの縮合生成物、若しくは脂肪酸およびヘキシトール無水物由来の部分エステルとのエチレンオキシドの縮合生成物、例えばポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートでありうる分散助剤若しくは湿潤剤を使用して、既知の方法に従って処方しうる。 無菌の注入可能な製剤は、非毒性の非経口で許容できる希釈剤若しくは溶媒中の無菌の注入可能な溶液若しくは懸濁剤でもまたありうる。使用しうる希釈剤および溶媒は、例えば、水、リンゲル液および等張の塩化ナトリウム溶液である。加えて、無菌の固定油を溶媒若しくは懸濁媒として慣習的に使用する。この目的上、合成モノ若しくはジグリセリドを包含するいかなる無刺激性の固定油も使用しうる。加えて、オレイン酸のような脂肪酸を注射剤の製造で使用しうる。 本発明の組成物は、薬物の直腸投与のため坐剤の形態でもまた投与しうる。これらの組成物は、常温で固体であるがしかし直腸温度で液体でありかつ従って直腸で融解して薬物を放出することができる、適する非刺激性の賦形剤と薬物を混合することにより製造しうる。こうした物質は、例えばカカオバターおよびポリエチレングリコールである。 本発明の方法で使用される別の製剤は経皮送達装置(「貼付剤」)を使用する。こうした経皮貼付剤を使用して、制御された量の本発明のペプチドの連続的若しくは非連続的注入を提供しうる。製薬学的作用物質の送達のための経皮貼付剤の構築および使用は当該技術分野で公知である(例えば米国特許第5,023,252号明細書(引用することにより本明細書に組込まれる)を参照されたい)。こうした貼付剤は、製薬学的作用物質の連続的、拍動的若しくは要求に応じた送達のため構築しうる。 別の製剤は、本発明のペプチドおよびペグ化ペプチドの制御された持続放出を可能にする生物分解性ミクロスフェアの使用を使用する。こうした製剤は合成ポリマー若しくはコポリマーから構成し得る。こうした製剤は、注入、吸入、鼻若しくは経口投与を見込む。製薬学的作用物質の送達のための生物分解性ミクロスフェアの構築および使用は当該技術分野で公知である(例えば、米国特許第6,706,289号明細書(引用することにより本明細書に組込まれる))。 製薬学的組成物を、機械的送達装置を介して患者に導入することが望ましいか若しくは必要なことがある。製薬学的作用物質の送達のための機械的送達装置の構築および使用は当該技術分野で公知である。例えば、脳に直接薬物を投与するための直接技術は、通常、血液脳関門を迂回するための患者の脳室系への薬物送達カテーテルの設置を必要とする。身体の特定の解剖学的領域への剤の輸送に使用される1種のこうした埋込可能な送達系が、米国特許第5,011,472号明細書(引用することにより本明細書に組込まれる)に記述されている。 本発明の組成物は、必要若しくは所望のところの、一般に担体若しくは希釈剤と称される他の慣習的な製薬学的に許容できる調合成分もまた含有しうる。本発明の組成物のいずれも、アスコルビン酸のような抗酸化剤の添加若しくは他の適する保存剤により保存しうる。こうした組成物の適切な投薬形態物での慣習的製造手順を利用し得る。 その意図される投与経路のため組成物を処方するのに適切なように使用しうる一般に使用される製薬学的成分は、限定されるものでないが酢酸、クエン酸、フマル酸、塩酸、硝酸を挙げることができる酸性化剤;限定されるものでないがアンモニア溶液、炭酸アンモニウム、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、水酸化カリウム、ホウ酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、トロラミンを挙げることができるアルカリ化剤を包含する。 本明細書に記述される方法により同定されるペプチドは、単独の製薬学的作用物質として、または組合せが許容できない悪影響を引き起こさない場合は1種若しくはそれ以上の他の製薬学的作用物質と組合せで投与しうる。例えば、本発明のペプチドは、既知の抗糖尿病薬、または既知の抗肥満薬、心血管系薬若しくは他の適応症の剤など、ならびにそれらの混合状態および組合せと組み合わせ得る。 本明細書に記述される方法により同定されるペプチドは、遊離塩基の形態若しくは組成物で、研究および診断で、または分析の参照標準品などとしてもまた利用しうる。従って、本発明は、不活性担体および有効量の本発明のペプチドから構成される組成物を包含する。不活性担体は、運搬されるべきペプチドと相互作用せずかつ支持、運搬の手段、嵩、追跡可能な物質などを運搬されるべきペプチドに与えるいずれかの物質である。ペプチドの有効量は、実施されている特定の手順に対する結果を生じるか若しくは影響を発揮する量である。 皮下、静脈内、筋肉内などに適する製剤;適する製薬学的担体;ならびに処方および投与技術は、当該技術分野で公知の方法のいずれかにより製造しうる(例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、Mack Publishing Co.、ペンシルバニア州イーストン、第20版、2000を参照されたい)。 ペプチドは、水性および非水性環境で加水分解、アミド分解、酸化、ラセミ化および異性化を受けることが知られている。加水分解、アミド分解若しくは酸化のような分解は、キャピラリー電気泳動により容易に検出し得る。酵素分解にもかかわらず、延長された血漿半減期若しくは生物学的滞在時間(resident time)を有するペプチドは、少なくとも水性溶液中で安定であるはずである。例えば、ペプチドは体温で1日にわたり10%未満の分解、若しくは体温で1日にわたり5%未満の分解を表す。体温での1週間にわたる安定性(すなわち数%未満の分解)は、より少なく頻繁な投与を可能にすることができる。冷蔵温度での年の桁の安定性は、製造者が液体製剤を与え従って再構成の不便を回避することを可能にするであろう。加えて、有機溶媒中での安定性は、ペプチドが埋込物のような新規投薬形態物に処方されることを提供するとみられる。 本明細書に記述される構造、物質、組成物および方法は本発明の代表例であることを意図しており、そして、本発明の範囲が実施例の範囲により制限されないことが理解されるであろう。当業者は、本発明が、開示される構造、物質、組成物および方法に対する変形を伴い実施しうることを認識することができ、そしてこうした変形物は本発明の範囲内とみなされる。 以下の実施例は、本明細書に記述される本発明を具体的に説明するために提示されるが、しかし本発明の範囲をいずれかの方法で制限すると解釈されるべきでない。実施例 本発明がより良好に理解されうるために以下の実施例を示す。これらの実施例は具体的説明の目的上のみであり、そして本発明の範囲をいずれかの様式で制限すると解釈されるべきでない。本明細書で挙げられる全部の刊行物は、そっくりそのまま引用することにより組込まれる。N末端修飾化合物の製造 空気および水分感受性の液体および溶液はシリンジ若しくはカニューレを介して移動し、そしてゴム隔壁を通して反応容器に導入した。商業等級の試薬および溶媒をさらなる精製なしに使用した。「減圧下での濃縮」という用語は、およそ15mmのHgでのBuchiロータリーエバポレーターの使用を指す。全部の温度は摂氏度(℃)で未補正で報告する。薄層クロマトグラフィー(TLC)は、EM Scienceのプレコートガラス支持シリカゲル60 A F−254 250μmプレートで実施した。カラムクロマトグラフィー(フラッシュクロマトグラフィー)は、32〜63ミクロン、60Aシリカゲルを予め充填したカートリッジを使用してBiotage装置で実施した。調製的逆相HPLCクロマトグラフィーを使用する精製は、Gilson 215装置およびYMC Pro−C18 AS−342(150×20mmI.D.)カラムを使用して達成した。典型的には、使用した移動相はH2O(A)およびMeCN(B)の混合物であった。水は0.1%TFAと混合し得たか若しくはし得なかった。典型的勾配は:であった。 電子衝撃質量スペクトル(EI−MS若しくはGC−MS)は、J&W DB−5カラム(0.25μMコーティング;30m×0.25mm)を伴うHewlett Packard 5890ガスクロマトグラフ装置を装備したHewlett Packard 5989A質量分析計で得た。イオン源は250℃に維持し、そしてスペクトルを走査あたり2秒で50〜800amuから走査した。高速液体クロマトグラフィー−エレクトロスプレー質量スペクトル(LC−MS)は、四連ポンプ、254nmに設定した可変波長検出器、YMC pro C−18カラム(2×23mm、120A)、およびエレクトロスプレーイオン化を伴うFinnigan LCQイオントラップ質量分析を装備した、Hewlett−Packard 1100 HPLCを使用して得た。スペクトルは、イオン化源中のイオンの数に従って、可変のイオン時間を使用して、120〜1200amuから走査した。溶離液は、A:0.02%TFAを含む水中2%アセトニトリル、およびB:0.018%TFAを含むアセトニトリル中2%水であった。1.0mL/分の流速で3.5分にわたる10%から95%Bまでの勾配溶離を、0.5分の初期保持および0.5分の95%Bでの最終保持を伴い使用した。総分析時間は6.5分であった。特徴付けデータの一貫性のため、保持時間(RT)を、254nmに設定したUV可視検出器により検出されるところのピーク頂上で分で報告する。 慣例の一次元NMR分光法は、300若しくは400MHzのVarian Mercury−plus分光計で実施した。サンプルはCambridge Isotope Labsから得た重水素溶媒に溶解し、そして5mmIDのWilmad NMRチューブに移した。スペクトルは293Kで取得した。化学シフトはppm尺度で記録し、そして、1Hスペクトルについて、DMSO−d6の2.49ppm、CD3CNの1.93ppm、CD3ODの3.30ppm、CD2Cl2の5.32ppm、およびCDCl3の7.26ppm、ならびに13Cスペクトルについて、DMSO−d6の39.5ppm、CD3CNの1.3ppm、CD3ODの49.0ppm、CD2Cl2の53.8ppm、およびCDCl3の77.0ppmのような、適切な残留溶媒シグナルを参照した。一般的製造方法は、後に続く反応スキームに、および特定の製造実施例により具体的に説明する。略語および頭文字語 本開示を通じて以下の略語を使用する場合、それらは以下の意味を有する。Ac アセチルAcOH 酢酸Boc t−ブトキシカルボニルBu ブチルCDCl3 重水素クロロホルムCelite(R) ケイ藻土のCelite Corp.銘柄の登 録商標CI 化学イオン化d 二重項dd 二重項の二重項ddd 二重項の二重項の二重項DME ジメトキシエタンDMF N,N−ジメチルホルムアミドDMSO ジメチルスルホキシドDMSO−d6 ジメチルスルホキシド−d6dppf 1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェ ロセンEI 電子衝撃イオン化EI−MS 電子衝撃−質量分析Et エチルEtOH エタノールEtOAc 酢酸エチルg グラムGC−MS ガスクロマトグラフィー−質量分析h 時間(1若しくは複数)1H NMR プロトン核磁気共鳴Hex ヘキサンHPLC 高速液体クロマトグラフィーLC−MS 液体クロマトグラフィー/質量分析LDA リチウムジイソプロピルアミドm 多重項M モルm/z 質量電荷比Me メチルMeCN アセトニトリルmg ミリグラムMHz メガヘルツmin 分(1若しくは複数)mol モルmmol ミリモルMS 質量分析N 規定度NMR 核磁気共鳴NaOAc 酢酸ナトリウムPd/C 炭上パラジウムPdCl2(dppf).CH2Cl2 ジクロロメタンとの[1,1’−ビス(ジフェ ニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジ ウム(II)錯体(1:1)Ph フェニルPPh3 トリフェニルホスフィンppm 百万分率Pr プロピルq 四重項qt 五重項quant. 定量的Rf TLC保持係数rt 室温RT 保持時間(HPLC)s 一重項TFA トリフルオロ酢酸THF テトラヒドロフランTLC 薄層クロマトグラフィーTMS テトラメチルシランv/v 単位容量あたり容量vol 容量w/w 単位重量あたり重量実施例1A(2−メルカプト−1H−ベンズイミダゾル−1−イル)酢酸の製造段階1.(2−クロロ−1H−ベンズイミダゾル−1−イル)酢酸メチルの製造 NaH(鉱物油中60%分散剤の157.3mg、3.93mmol)を無水DMF(5mL)およびヘキサン(0.5mL)に懸濁した。2−クロロベンズイミダゾール(500mg、3.28mmol)を添加し、そして生じる溶液をrtで1時間攪拌させた。ブロモ酢酸メチル(0.37mL、3.93mmol)を添加し、そして溶液をrtで一夜攪拌させた。反応混合物をその後水で希釈し、そして生じる黄褐色沈殿物を濾過により収集し、エーテルとともに摩砕しかつ乾燥して、385mg(52%)の粗物質を生じた。1H NMR(400MHz、CD3CN)δ3.78(s、3H)、5.03(s、2H)、7.28−7.38(m、2H)、7.43(d、1H)、7.65(d、1H)。段階2.(2−メルカプト−1H−ベンズイミダゾル−1−イル)酢酸メチルの製造 (2−クロロ−1H−ベンズイミダゾル−1−イル)酢酸メチル(150mg、0.67mmol)およびチオ尿素(101.7mg、1.34mmol)をエタノール(30mL)中で一夜還流に加熱した。反応混合物を濃縮し、そして残渣を水とともに摩砕しかつ乾燥して、142.5mg(96%)の粗生成物を生じた。1H NMR(400MHz、CD3CN)δ3.78(s、3H)、5.03(s、2H)、7.20−7.35(m、4H)、10.43(bs、1H)。段階3.(2−メルカプト−1H−ベンズイミダゾル−1−イル)酢酸の製造 (2−メルカプト−1H−ベンズイミダゾル−1−イル)酢酸メチル(143mg、0.64mmol)をTHF(1mL)、MeOH(1mL)および水(0.5mL)に溶解した。溶液をLiOH(17.0mg、0.71mmol)で処理しかつ80℃に4時間加熱した。pHをその後1N HClでpH4に調節した。溶液を水で希釈し、そして5%EtOH/EtOAcで抽出した。有機物をMgSO4で乾燥しかつ真空中で濃縮して、75.0mg(56%)の所望の生成物を生じた。LC/MS m/z 209.1(M+H)+;RT 1.08分。1H NMR(400MHz、CD3CN)δ5.03(s、2H)、7.20−7.35(m、4H)、10.43(bs、1H)。実施例1B2−{[2−(トリチルチオ)エチル]アミノ}ニコチン酸リチウムの製造段階1.2−{[2−(トリチルチオ)エチル]アミノ}ニコチン酸エチルの製造 2−クロロニコチン酸エチル(100mg、0.54mmol)を、2−(トリチルチオ)エタンアミン(344mg、1.08mmol)、炭酸セシウム(438mg、1.35mmol)、およびジクロロメタンとの[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)錯体(1:1)(110mg、0.13mmol)と合わせた。固形物をジオキサン(2mL)、水(1mL)に溶解し、そして48時間にわたり還流に加熱した。反応混合物をその後EtOAcで希釈しかつ水および塩水で洗浄した。有機物をNa2-SO4で乾燥しかつ真空中で濃縮した。粗残渣をBiotageカラムクロマトグラフィー(10%EtOAc/ヘキサン)により精製して、215mg(85%)の所望の生成物を生じた。1H NMR(400MHz、CD2Cl2)δ1.40(t、3H)、2.45(t、2H)、3.38(t、2H)、4.37(q、2H)、7.03(m、1H)、7.18−7.45(m、16H)、8.18(d、1H)、8.45(d、1H)。段階2.2−{[2−(トリチルチオ)エチル]アミノ}ニコチン酸リチウムの製造 2−{[2−(トリチルチオ)エチル]アミノ}ニコチン酸エチル(215mg、0.46mmol)をTHF(1mL)、MeOH(1mL)および水(0.5mL)に溶解した。溶液をLiOH(12.1mg、0.50mmol)で処理しかつ80℃に4時間加熱した。粗水性混合物をエーテルで抽出して不純物を除去した。溶液をその後水で希釈し、そして5%EtOH/EtOAcで抽出した。EtOH/EtOAc抽出液をMgSO4で乾燥しかつ真空中で濃縮して、55.0mg(27%)の所望の生成物を生じた。LC/MS m/z 440.7(M+H)+;RT 2.17分。1H NMR(400MHz、CD3CN)δ2.38(t、2H)、3.32(t、2H)、7.08(m、1H)、7.18−7.45(m、16H)、8.19(d、1H)、8.45(d、1H)。実施例1C1−[2−(トリチルチオ)エチル]−1H−イミダゾール−2−カルボン酸リチウムの製造段階1.1,1’,1”−{[(2−ブロモエチル)チオ]メタントリイル}トリベンゼンの製造 トリフェニルメチルメルカプタン(3.00g、10.9mmol)をTHF(10mL)に溶解しかつ0℃に冷却した。リチウムヘキサメチルジシラジド(THF中1M溶液の10.85ml)を添加し、そして反応混合物を30分間攪拌させた。冷却浴を除去し、そしてジブロモエタン(1.12mL、13.0mmol)を添加した。反応混合物を追加の30分間rtで攪拌させ、そして真空中で濃縮した。粗残渣を酢酸エチルに溶解し、そして水および塩水で洗浄した。有機物をNa2SO4で乾燥しかつ濃縮して、3.44gの粗物質(1H NMR積分により80%純粋)を生じた。この物質をさらなる精製なしに使用した。1H NMR(400MHz、CD2Cl2)δ2.75(t、2H)、2.90(t、2H)、7.20−7.45(m、18.6H)。段階2.1−[2−(トリチルチオ)エチル]−1H−イミダゾールの製造 NaH(鉱物油中60%懸濁液の70.5mg、1.76mmol)を無水DMF(3mL)およびヘキサン(0.5mL)に懸濁した。イミダゾール(100mg、1.47mmol)を添加し、そして生じる溶液をrtで1時間攪拌させた。1,1’,1”−{[(2−ブロモエチル)チオ]メタントリイル}トリベンゼン(845mg、1.76mmol)を添加し、そして溶液をrtで一夜攪拌させた。反応混合物を水で希釈しかつEtOAcで抽出した。有機物を水および塩水で洗浄し、そしてNa2SO4で乾燥した。粗生成物をBiotageカラムクロマトグラフィー(50%EtOAc/ヘキサン、1%Et3N)により精製して、280mg(51%)の所望の生成物を生じた。1H NMR(400MHz、CD2Cl2)δ2.63(t、2H)、3.48(t、2H)、6.70(s、1H)、6.92(s、1H)、7.19(s、1H)、7.22−7.45(m、15H)。段階3.1−[2−(トリチルチオ)エチル]−1H−イミダゾール−2−カルボン酸リチウムの製造 1−[2−(トリチルチオ)エチル]−1H−イミダゾール(140mg、0.38mmol)を無水ジクロロメタン(1.5mL)に溶解し、そして塩化トリクロロアセチル(0.06mL、0.57mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.07mL、0.42mmol)で処理した。反応混合物をrtで一夜攪拌させた。反応混合物をその後真空中で濃縮した。粗残渣をTHF(1mL)、MeOH(1mL)および水(0.5mL)に溶解し、LiOH(18.1mg、0.76mmol)で処理し、そして80℃で4時間攪拌させた。粗反応混合物をその後真空中で濃縮した。HPLCによる精製が70mg(44%)の所望の生成物を生じた。LC/MS m/z 414.9(M+H)+;RT 2.76分。1H NMR(400MHz、CD3OD)δ2.68(t、2H)、4.18(t、2H)、6.72(s、1H)、6.85(s、1H)、7.19−7.40(m、15H)。実施例1D4−{[2−(トリチルチオ)エチル]アミノ}ピリミジン−5−カルボン酸リチウムの製造段階1.4−ヒドロキシピリミジン−5−カルボン酸エチルの製造 マロン酸ジエチル(3.14mL、20.7mmol)をN,N’,N”−メチリジントリスホルムアミド(3.00g、20.7mmol)およびp−トルエンスルホン酸(356mg、2.07mmol)と合わせ、そして反応混合物を180℃に4時間加熱した。生じる赤色油状物を一夜rtに冷却させた。粗反応混合物を最少量の水に溶解し、そして一夜結晶させた。固形物を濾過により収集し、水で洗浄しかつ乾燥して、822mg(24%)の所望の生成物を生じた。1H NMR(400MHz、CD3OD)δ1.38(t、3H)、4.32(q、2H)、8.32(s、1H)、8.60(s、1H)。段階2.4−クロロピリミジン−5−カルボン酸エチルの製造 4−ヒドロキシピリミジン−5−カルボン酸エチル(380mg、2.26mmol)をTHF(5mL)に溶解しかつ塩化チオニル(1.65ml、22.6mmol)で処理した。該溶液を還流に4時間加熱し、そしてその後真空中で濃縮して、417mg(99%)の粗生成物を生じた。この物質を精製若しくは特徴付けなしに使用した。段階3.4−{[2−(トリチルチオ)エチル]アミノ}ピリミジン−5−カルボン酸エチルの製造 4−クロロピリミジン−5−カルボン酸エチル(200mg、1.07mmol)をTHF(2mL)に溶解し、そして2−(トリチルチオ)エタンアミン(514mg、1.61mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.56ml、3.22mmol)を添加した。反応混合物を還流に一夜加熱し、そしてその後真空中で濃縮した。粗残渣をBiotageカラムクロマトグラフィーにより精製して、230mg(46%)の生成物を生じた。生成物はHNMRにより確認した。1H NMR(400MHz、CD2Cl2)δ1.42(t、3H)、2.48(bs、2H)、3.40(bs、2H)、4.40(q、2H)、7.18−7.50(m、16H)、8.85(s、1H)、8.96(s、1H)。段階4.4−{[2−(トリチルチオ)エチル]アミノ}ピリミジン−5−カルボン酸リチウムの製造 4−{[2−(トリチルチオ)エチル]アミノ}ピリミジン−5−カルボン酸エチル(230mg、0.49mmol)をTHF(1mL)、MeOH(1mL)および水(0.5mL)に溶解した。該溶液をLiOH(23.5mg、0.98mmol)で処理し、そしてrtで2日間攪拌させた。粗反応混合物をその後水で希釈しかつEtOAcで抽出した。有機抽出液をNa2SO4で乾燥しかつ真空中で濃縮して、180mg(82%)の所望の生成物を生じた。LC/MS m/z 441.6(M+H)+;RT 2.54分。1H NMR(400MHz、CD3OD)δ2.43(t、2H)、3.32(m 溶媒ピークの下)、7.10−7.42(m、1H)、8.70(d、2H)。実施例1E1−[2−(トリチルチオ)エチル]−1H−ベンズイミダゾール−2−カルボン酸リチウムの製造段階1.1H−ベンズイミダゾール−2−カルボン酸エチルの製造 1H−ベンズイミダゾール−2−カルボン酸(500mg、3.08mmol)をEtOH(5mL)に懸濁し、塩化チオニル(1.12mL、15.4mmol)で処理し、そして還流に一夜加熱した。反応混合物を真空中で濃縮して、644mg(99%)の粗生成物を生じた。1H NMR(400MHz、CD2Cl2)δ1.32(t、3H)、4.38(q、2H)、7.30(m、2H)、7.63(m、2H)。段階2.1−(2−ブロモエチル)−1H−ベンズイミダゾール−2−カルボン酸エチルの製造 NaH(鉱物油中60%懸濁液の504mg、1.07mmol)を無水DMF(1.5mL)に懸濁した。1H−ベンズイミダゾール−2−カルボン酸エチル(170mg、0.89mmol)を添加し、そして溶液をrtで1時間攪拌させた。1,2−ジブロモエタン(0.23mL、2.7mmol)を添加し、そして溶液を50℃に一夜加熱した。反応混合物を水で希釈しかつEtOAcで抽出した。有機抽出液をNa2SO4で乾燥し、真空中で濃縮し、そしてBiotageカラムクロマトグラフィー(15%EtOAc/ヘキサン)により精製して、100mg(38%)の所望の生成物を生じた。1H NMR(400MHz、CD2Cl2)δ1.48(t、3H)、3.80(t、2H)、4.50(q、2H)、5.02(t、2H)、7.39(t、1H)、7.45(t、1H)、7.53(d、1H)、7.87(d、1H)。段階3.1−[2−(トリチルチオ)エチル]−1H−ベンズイミダゾール−2−カルボン酸エチルの製造 THF(1ml)中の1−(2−ブロモエチル)−1H−ベンズイミダゾール−2−カルボン酸エチル(100mg、0.34mmol)、トリフェニルメチルメルカプタン(112mg、0.40mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.07ml、0.40mmol)の溶液をrtで2時間攪拌させた。別個のフラスコ中で、THF(1ml)中のトリフェニルメチルメルカプタン(112mg、0.40mmol)の溶液をリチウムヘキサメチルジシラジド(THF中1M溶液の0.40mL)で処理し、そしてrtで10分間攪拌させた。この溶液を元の反応混合物に添加し、直ちに赤色溶液をもたらし、これをrtで一夜攪拌させた。反応混合物を真空中で濃縮し、そして粗残渣をBiotageカラムクロマトグラフィーにより精製して、80mg(48%)の所望の生成物を生じた。1H NMR(400MHz、CD2Cl2)δ1.44(t、3H)、2.78(t、2H)、4.40−4.52(m、4H)、7.03(m、1H)、7.20−7.40(m、15H)、7.42(m、1H)、7.82(m、1H)。段階4.1−[2−(トリチルチオ)エチル]−1H−ベンズイミダゾール−2−カルボン酸リチウムの製造 1−[2−(トリチルチオ)エチル]−1H−ベンズイミダゾール−2−カルボン酸エチル(75mg、0.15mmol)をTHF(1mL)、MeOH(1mL)および水(0.5mL)に溶解した。溶液をLiOH(7.3mg、0.30mmol)で処理しかつrtで2日間攪拌させた。粗反応混合物をその後水で希釈しかつEtOAcで抽出した。有機抽出液をNa2SO4で乾燥しかつ真空中で濃縮して、74mg(99%)の所望の生成物を生じた。LC/MS m/z 464.9(M+H)+;RT 3.16分。1H NMR(400MHz、CD3OD)δ2.72(t、2H)、4.58(t、2H)、6.98(m、1H)、7.15−7.30(m、16H)、7.38(d、1H)、7.63(m、1H)。実施例1F(2−メルカプト−1H−イミダゾル−1−イル)酢酸の製造段階1.N−(2,2−ジメトキシエチル)グリシン酸エチル塩酸塩の製造 ブロモアセトアルデヒドジメチルアセタール(0.85mL、7.2mmol)を、THF(4mL)およびEtOH(1mL)中のグリシンエチルエステル塩酸塩(500mg、3.58mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(1.37mL、7.88mmol)の溶液に添加した。反応混合物を70℃に加熱しかつ一夜攪拌させた。溶液を水で希釈しかつジクロロメタンで抽出した。有機抽出液をNa2SO4で乾燥しかつ真空中で濃縮した。粗残渣をエーテル中1N HClで処理し、そして生じる沈殿物を濾過により収集しかつ乾燥して、371mg(23%)の所望の生成物を生じた。1H NMR(400MHz、CD3CN)δ1.30(t、3H)、3.18(bs、2H)、3.42(s、6H)、3.85(bs、2H)、4.27(q、2H)、4.92(t、1H)、9.40(bs、2H)。段階2.(2−メルカプト−1H−イミダゾル−1−イル)酢酸エチルの製造 N−(2,2−ジメトキシエチル)グリシン酸エチル塩酸塩(370mg、1.63mmol)をEtOH(2mL)に溶解し、そしてEtOH(8mL)中のチオシアン酸カリウム(237mg、2.44mmol)の溶液で処理した。桃色懸濁液を還流に一夜加熱した。濃HCl(0.136mL、1.63mmol)を添加し、そして溶液を3時間還流させた。反応混合物を真空中で濃縮し、そして生じる固形物をEtOAcから再結晶して、130mg(43%)の所望の生成物を生じた。1H NMR(400MHz、CD3CN)δ1.33(t、3H)、4.20(q、2H)、4.77(s、2H)、6.77(s、1H)、6.83(s、1H)、9.92(bs、1H)。段階3.(2−メルカプト−1H−イミダゾル−1−イル)酢酸の製造 (2−メルカプト−1H−イミダゾル−1−イル)酢酸エチル(130mg、0.70mmol)をTHF(1mL)、MeOH(1mL)および水(0.5mL)に溶解した。溶液をLiOH(33.4mg、1.40mmol)で処理しかつrtで2日間攪拌させた。粗反応混合物を2N HClでpH2に酸性化し、水で希釈し、そして5:1 EtOAc/EtOHで抽出した。有機抽出液をNa2SO4で乾燥しかつ真空中で濃縮して、70mg(63%)の所望の生成物を生じた。LC/MS m/z 159.1(M+H)+;RT 1.05分。1H NMR(400MHz、CD3OD)δ4.82(s、2H)、6.82(s、1H)、6.99(s、1H)。実施例1G({1−[2−(トリチルチオ)エチル]−1H−イミダゾル−2−イル}チオ)酢酸リチウムの製造段階1.(1H−イミダゾル−2−イルチオ)酢酸メチルの製造 2−チオイミダゾール(300mg、3.00mmol)をTHF(3mL)に溶解し、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.63mL、3.59mmol)およびブロモ酢酸メチル(0.31mL、3.3mmol)で処理し、そしてrtで1時間攪拌させた。固体の沈殿物を濾過分離し、そして濾液をEtOAcで希釈した。有機物を水で洗浄し、Na2SO4で乾燥しかつ真空中で濃縮して、385mg(75%)の所望の生成物を生じた。1H NMR(400MHz、CD3CN)δ3.68(s、3H)、3.82(s、2H)、7.05(s、2H)。段階2.({1−[2−(トリチルチオ)エチル]−1H−イミダゾル−2−イル}チオ)酢酸メチルの製造 NaH(鉱物油中60%懸濁液の55.7mg、1.39mmol)を無水DMF(1.5mL)に懸濁した。(1H−イミダゾル−2−イルチオ)酢酸メチル(200mg、1.16mmol)を添加し、そして生じる溶液をrtで1時間攪拌させた。1,1’,1”−{[(2−ブロモエチル)チオ]メタントリイル}トリベンゼン(668mg、1.39mmol)を添加し、そして反応混合物を50℃に一夜加熱した。反応混合物を水で希釈しかつEtOAcで抽出した。有機抽出液を水および塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥しかつ真空中で濃縮した。粗残渣をBiotageカラムクロマトグラフィー(20%EtOAc/ヘキサン)により精製して、180mg(33%)の所望の生成物を生じた。1H NMR(400MHz、CD2Cl2)δ2.60(t、2H)、3.65(m、5H)、3.78(s、2H)、6.69(s、1H)、6.96(s、1H)、7.20−7.40(m、15H)。段階3.({1−[2−(トリチルチオ)エチル]−1H−イミダゾル−2−イル}チオ)酢酸リチウムの製造 ({1−[2−(トリチルチオ)エチル]−1H−イミダゾル−2−イル}チオ)酢酸メチル(180mg、0.38mmol)をTHF(1mL)、MeOH(1mL)および水(0.5mL)に溶解した。溶液をLiOH(18.2mg、0.76mmol)で処理しかつrtで一夜攪拌させた。反応混合物を水で希釈しかつEtOAcで抽出した。有機抽出液をNa2SO4で乾燥しかつ真空中で濃縮した。HPLCによる粗物質の精製は61mg(34%)の所望の生成物を生じた。LC/MS m/z 460.9(M+H)+;RT 2.81分。1H NMR(400MHz、CD3OD)δ2.59(t、2H)、3.60(s、2H)、3.92(t、2H)、6.89(s、1H)、6.92(s、1H)、7.19−7.35(m、15H)。実施例1H3−(2−トリチルスルファニルエチルアミノ)ピラジン−2−カルボン酸リチウムの製造段階1.2−トリチルスルファニルエチルアミンの製造 ジクロロメタン(20mL)中の塩酸システアミン(1.14g、9.80mmol)およびトリエチルアミン(3.0mL、21.6mmol)の懸濁液をrtで10分間攪拌した。N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(1.99g、9.80mmol)をその後添加し、そして反応を窒素下で30分間攪拌させた。反応混合物を0℃に冷却し、そして塩化トリチル(2.46g、8.82mmol)を一部分で添加した。懸濁液をrtに加温させかつ16時間攪拌させた。反応混合物を水(15mL)でクエンチした。混合物を1N HCl(2×10mL)、水(2×10mL)、15%アンモニア溶液(4mL)および水(5×20mL)で順次洗浄した。有機物をNa2SO4で乾燥しかつ真空中で濃縮して、1.9g(61%)の淡褐色油状物を生じた。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ7.70−7.18(m、15H)、2.71(t、2H)、2.4(b、2H)。段階2.3−ブロモピラジン−2−カルボン酸メチルエステルの製造 臭素(3.91g、24.46mmol)を、3−アミノピラジン−2−カルボン酸メチルエステル(1.27g、8.29mmol)および臭化水素酸(4.70mL、41.5mmol)の攪拌混合物に0℃で一滴ずつ添加した。水(6mL)中の亜硝酸ナトリウム(1.44g、20.9mmol)の溶液をその後一滴ずつ添加した。反応混合物を15分間攪拌し、NaHCO3(飽和、水性)でpH8にもたらし、そして酢酸エチル(80mL)およびクロロホルム(50mL)で抽出した。合わせた有機物をMgSO4で乾燥しかつ真空中で濃縮して、静置で固化した1.13g(63%)の橙色油状物を生じた。LC−MS m/z 217(M+H+);RT 1.15分。段階3.3−(2−トリチルスルファニルエチルアミノ)ピラジン−2−カルボン酸メチルエステルの製造 アセトニトリル(5mL)中の3−ブロモピラジン−2−カルボン酸メチルエステル(0.10g、0.45mmol)、2−トリチルスルファニルエチルアミン(0.29g、0.90mmol)およびトリエチルアミン(0.06mL、0.44mmol)の溶液をアルゴン下に還流に18時間加熱した。混合物を減圧下に濃縮しかつカラムクロマトグラフィー(3:1 Hex:EtOAc)により精製して、0.058g(28%)の所望の生成物を生じた。1H NMR(400MHz、CD2Cl2)δ7.95(s、1H)、8.44(s、1H)、8.31(s、1H)、7.57.18(m、15H)、4.20(s、3H)、3.36(t、2H)、2.50(t、2H)。段階4.3−(2−トリチルスルファニルエチルアミノ)ピラジン−2−カルボン酸リチウムの製造 THF(5mL)、メタノール(5mL)および水(2.5mL)中の3−(2−トリチルスルファニルエチルアミノ)ピラジン−2−カルボン酸メチルエステル(0.12g、0.27mmol)およびLiOH(0.030g、1.3mmol)の混合物をrtで18時間攪拌した。反応混合物を濃縮しかつHPLCにより精製して、0.075g(63%)の所望の生成物を生じた。1H NMR(400MHz、CD3OD)δ8.26(s、1H)、8.15(s、1H)、7.42−7(m、15H)、3.30(t、2H)、2.40(t、2H)。実施例1I4−メルカプトチアゾール−5−カルボン酸の製造段階1.4−(2−メトキシカルボニルエチルスルファニル)チアゾール−5−カルボン酸エチルエステルの製造 THF(8mL)中のイソシアノ酢酸エチル(0.92g、7.7mmol)の溶液を、−40℃でTHF(6mL)中のカリウムtert−ブトキシド(1.0g、8.5mmol)の懸濁液に一滴ずつ添加した。混合物を−60℃に冷却し、そしてTHF(8mL)中の二硫化炭素(0.59g、7.7mmol)の溶液を、温度を−50℃より下に保ちつつ一滴ずつ添加した。混合物を10℃に加温しかつ3−ブロモプロピオン酸メチル(1.33g、7.70mmol)を添加した。混合物を2時間攪拌させ、そして真空中で濃縮した。生成物をジクロロメタン/ヘキサンから再結晶して、1.28g(60%)の所望の生成物を白色固形物として生じた。LC−MS m/z 276(M+H+);RT 1.65分。段階2.4−メルカプトチアゾール−5−カルボン酸エチルエステルの製造 水酸化ナトリウム(0.14g、3.5mmol)を、メタノール(13.6mL)中の4−(2−メトキシカルボニルエチルスルファニル)チアゾール−5−カルボン酸エチルエステル(0.96g、3.5mmol)の溶液に添加した。混合物を1時間還流し、そしてその後真空中で濃縮した。残渣を酢酸エチル/水に溶解し、そして2N HClでpHを2に調節した。有機層を単離しかつ真空中で濃縮して、0.66g(100%)の所望の生成物を生じ、これをさらなる精製なしに使用した。LC−MS m/z 189(M+H+);RT 1.47分。段階3.4−メルカプトチアゾール−5−カルボン酸の製造 水酸化ナトリウム(0.25g、6.3mmol)を、メタノール(5mL)および水(5mL)中の4−メルカプトチアゾール−5−カルボン酸エチルエステル(0.60g、3.2mmol)の溶液に添加し、そして混合物を80℃に3時間加熱した。rtへの冷却に際して、反応混合物を真空中で濃縮した。残渣を2N HClで酸性化しかつジクロロメタンで抽出した。有機層をMgSO4で乾燥し、真空中で濃縮し、そしてHPLCにより精製して、0.059g(12%)の所望の生成物を生じた。1H NMR(400MHz、CD3OD)δ8.95(s、1H);LC−MS m/z 162(M+H+);RT 1.01分。実施例1J2−メルカプトチアゾール−5−カルボン酸の製造段階1.2−メルカプトチアゾール−5−カルボン酸メチルエステルの製造 エタノール(6mL)中の2−ブロモチアゾール−5−カルボン酸メチルエステル(0.40g、1.8mmol)およびチオ尿素(0.16g、2.1mmol)の混合物を還流に2時間加熱した。混合物をrtに冷まさせ、そして生じる懸濁液を濾過して、0.19g(61%)の所望の生成物を黄色固形物として生じた。LC−MS m/z 176.1(M+H+);RT 1.17分。段階2.2−メルカプトチアゾール−5−カルボン酸の製造 水酸化ナトリウム(0.08g、1.9mmol)を、メタノール(5mL)および水(5mL)中の2−メルカプトチアゾール−5−カルボン酸メチルエステル(0.17g、0.97mmol)の溶液に添加した。反応混合物をrtで3時間攪拌しかつ真空中で濃縮した。残渣を2N HClで酸性化し、そして生じる懸濁液を濾過して、0.061g(39%)の所望の生成物を灰白色固形物として生じた。1H NMR(400MHz、CD3OD)δ7.80(s、1H);LC−MS m/z 161(M+H+);RT 1.02分。実施例1K2−(2−トリチルスルファニルエチルアミノ)チアゾール−5−カルボン酸リチウムの製造段階1.2−(2−トリチルスルファニル−エチルアミノ)−チアゾール−5−カルボン酸メチルエステルの製造 アセトニトリル(5mL)中の2−ブロモチアゾール−5−カルボン酸メチルエステル(0.20g、0.88mmol)、2−トリチルスルファニルエチルアミン(0.42g、1.3mmol)およびトリエチルアミン(0.12mL、0.88mmol)の溶液をアルゴン下に還流に18時間加熱した。混合物を真空中で濃縮しかつカラムクロマトグラフィー(3:1 Hex:EtOAc)により精製して、0.12g(29%)の所望の生成物を生じた。1H NMR(400MHz、CD2Cl2)δ8.15(s、1H)、7.60−7.15(m、15H)、4.20(s、3H)、3.45(t、2H)、2.50(br、2H)。段階2.2−(2−トリチルスルファニルエチルアミノ)−チアゾール−5−カルボン酸リチウムの製造 THF(5mL)、メタノール(5mL)および水(2.5mL)中の2−(2−トリチルスルファニルエチルアミノ)−チアゾール−5−カルボン酸メチルエステル(0.12g、0.26mmol)およびLiOH(0.03g、1.3mmol)の混合物をrtで18時間攪拌した。反応混合物を真空中で濃縮しかつHPLCにより精製して、0.087g(75%)の所望の生成物を生じた。1H NMR(400MHz、CD2Cl2)δ7.90(s、1H)、7.40−7.10(m、15H)、3.30(s、3H)、3.45(t、2H)、2.40(br、2H)。実施例1L2−メルカプト−6−メチルピリミジン−4−カルボン酸の製造段階1.2−カルバムイミドイルスルファニル−6−メチルピリミジン−4−カルボン酸メチルエステル臭化水素酸塩の製造 エタノール(8mL)中の2−クロロ−6−メチルピリミジン−4−カルボン酸メチルエステル(0.50g、2.7mmol)およびチオ尿素(0.41g、5.4mmol)の混合物を還流に16時間加熱し、そしてその後真空中で濃縮した。再結晶(メタノール/エーテル)による生成物を精製するための試みは0.229g(38%)の油状物を生じ、これは所望の生成物として確認された。LC−MS m/z 226.9(M+H+);RT 1.07分。段階2.2−メルカプト−6−メチルピリミジン−4−カルボン酸の製造 1N水酸化ナトリウム(6.98mL、6.98mmol)および2−カルバムイミドイルスルファニル−6−メチルピリミジン−4−カルボン酸メチルエステル臭化水素酸塩(0.37g、1.4mmol)の混合物を還流に2時間加熱した。rtへの冷却に際して、反応混合物を真空中で濃縮した。残渣を水に溶解しかつMP−TsOH(Argonaut technologies)を添加した。混合物を4のpHが達成されるまで18時間攪拌した。混合物を濾過し、そして濾液を真空中で濃縮した。残渣をメタノールに溶解し、濾過し、そして濾液を真空中で濃縮して、0.139g(59%)の所望の生成物を帯褐色固形物として生じた。1H NMR(400MHz、CD3OD)δ7.10(s、1H)、3.40(s、3H);LC−MS m/z 171(M+H+);RT 1.15分。実施例1M5−メルカプトニコチン酸の製造段階1.5−tert−ブチルスルファニルニコチノニトリルの製造 tert−ブチルチオール(0.43g、4.8mmol)をDMF(15mL)中のNaH(0.19g、4.8mmol)の懸濁液に添加し、そして反応混合物を50℃で1時間加熱した。5−ブロモニコチノニトリル(0.60g、3.2mmol)を、生じる懸濁液に添加し、そして反応混合物を120℃で5時間加熱した。rtへの冷却に際して、混合物を真空中で濃縮しかつHPLCにより精製して、0.329g(54%)の所望の生成物を灰白色固形物として生じた。LC−MS m/z 193(M+H+);RT 2.90分。段階2.5−tert−ブチルスルファニルニコチン酸の製造 エタノール(5mL)および水(5mL)中の5−tert−ブチルスルファニルニコチノニトリル(0.43g、2.2mmol)および水酸化ナトリウム(0.89g、22mmol)の混合物を還流に1時間加熱した。rtへの冷却に際して、反応混合物を水で希釈しかつエーテルで抽出した。水層を2N HClで酸性化しかつジクロロメタンで抽出した。ジクロロメタン抽出液をMgSO4で乾燥しかつ濃縮して、0.433g(79%)の所望の生成物を白色固形物として生じた。LC−MS m/z 212(M+H+);RT 2.36分。段階3.5−メルカプトニコチン酸の製造 2N HCl(9mL、18mmol)中の5−tert−ブチルスルファニルニコチン酸(0.30g、1.2mmol)の溶液を還流に32時間加熱した。rtへの冷却に際して、反応混合物を真空中で濃縮して、0.054g(28%)の所望の生成物を生じた。1H NMR(400MHz、CD3OD)δ9.00−8.80(m、2H)、8.40(d、1H);LC−MS m/z 156(M+H+);RT 2.37分。実施例1N5−イソプロピル−2−メルカプトチアゾール−4−カルボン酸の製造段階1.2−クロロ−4−メチル−3−オキソペンタン酸エチルエステルの製造 トルエン(5mL)中の塩化スルフリル(1.63mL、19.7mmol)の溶液を、トルエン(25mL)中の4−メチル−3−オキソペンタン酸エチルエステル(3.28g、19.7mmol)の溶液に10分にわたり一滴ずつ添加した。生じる混合物をrtで18時間攪拌し、そしてその後水およびNaHCO3(飽和、水性)でゆっくりとクエンチした。混合物を酢酸エチルで抽出し、そして合わせた有機物をMgSO4で乾燥しかつ真空中で濃縮して、3.4g(70%)の所望の生成物を生じ、これをさらなる精製なしに使用した。LC−MS m/z 194.1(M+H+);RT 2.69分。段階2.2−アミノ−5−イソプロピルチアゾール−4−カルボン酸エチルエステルの製造 エタノール(8mL)中の2−クロロ−4−メチル−3−オキソペンタン酸エチルエステル(2.0g、7.3mmol)およびチオ尿素(0.43g、5.6mmol)の混合物を18時間還流し、そしてその後真空中で濃縮した。残渣を水性アンモニアで処理し、そして生じる黄色固形物を水に溶解しかつジクロロメタンで抽出した。合わせた有機物をNa2SO4で乾燥しかつ真空中で濃縮した。固形物を少量のジクロロメタンに溶解しかつ濾過して、1.02g(85%)の所望の生成物をクリーム色固形物として生じた。LC−MS m/z 215.1(M+H+);RT 1.96分。段階3.2−ブロモ−5−イソプロピルチアゾール−4−カルボン酸エチルエステルの製造 冷却器を装備した二頸フラスコ中のアセトニトリル(10mL)中の臭化銅(II)(2.47g、11.1mmol)の暗褐色溶液に、tert−ブチルニトリル(0.63g、5.5mmol)をrtでゆっくりと添加した。混合物を60℃に加熱し、そしてアセトニトリル(14mL)中の2−アミノ−5−イソプロピルチアゾール−4−カルボン酸エチルエステル(0.79g、3.7mmol)の懸濁液を一滴ずつ添加した。混合物をその後60℃で3時間加熱した。rtへの冷却に際して、反応混合物を1N NaOH(40mL)に注ぎ、そして酢酸エチルで抽出した。合わせた有機物をNa2SO4で乾燥し、真空中で濃縮しそしてカラムクロマトグラフィー(2:1 EtOAc/ヘキサン)により精製して、0.88g(86%)の所望の生成物を黄色油状物として生じた。LC−MS m/z 280(M+H+);RT 3.65分。段階4.5−イソプロピル−2−メルカプトチアゾール−4−カルボン酸エチルエステルの製造 エタノール(6mL)中の2−ブロモ−5−イソプロピルチアゾール−4−カルボン酸エチルエステル(0.20g、0.72mmol)およびチオ尿素(0.07g、0.86mmol)の混合物を還流に2時間加熱した。rtへの冷却に際して、生じる懸濁液を濾過して、0.11g(66%)の所望の生成物を黄色固形物として生じた。LC−MS m/z 232.1(M+H+);RT 2.72分。段階5.5−イソプロピル−2−メルカプトチアゾール−4−カルボン酸の製造 NaOH(1N、0.78mL、0.78mmol)を、メタノール(3mL)および水(2mL)中の5−イソプロピル−2−メルカプトチアゾール−4−カルボン酸エチルエステル(0.09g、0.39mmol)の溶液に添加し、そして混合物をrtで3時間攪拌した。反応混合物を真空中で濃縮し、そして残渣を2N HClで酸性化した。生じる懸濁液を濾過して、0.045g(57%)の所望の生成物を灰白色固形物として生じた。1H NMR(400MHz、CD3OD)δ3.85−4.10(m、1H)、1.22(d、6H);LC−MS m/z 204.2(M+H+);RT 1.65分。実施例1O(1−ヘキサデシル−1H−ベンゾイミダゾル−2−イルスルファニル)酢酸の製造段階1.(1H−ベンゾイミダゾル−2−イルスルファニル)酢酸エチルエステルの製造 エタノール(3.1mL)中の2−メルカプトベンズイミダゾール(0.3g、2mmol)、ブロモ酢酸エチル(0.50g、2.9mmol)および炭酸カリウム(0.14g、0.98mmol)の混合物を還流に8時間加熱し、そしてその後真空中で濃縮した。HPLCによる精製は0.22g(46%)の所望の生成物を生じた。LC−MS m/z 237.2(M+H+);RT 1.41分。段階2.(1−ヘキサデシル−1H−ベンゾイミダゾル−2−イルスルファニル)酢酸メチルエステルの製造 水素化ナトリウム(0.03g、0.8mmol)をDMF(10mL)中の(1H−ベンゾイミダゾル−2−イルスルファニル)酢酸エチルエステル(0.21g、0.79mmol)の溶液に0℃で添加し、そして混合物をrtで1時間攪拌した。臭化ヘキサデシル(0.22g、0.71mmol)を添加し、そして混合物をrtで18時間攪拌した。反応混合物を水およびメタノールで希釈しかつ真空中で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(ヘキサン中20%酢酸エチル)による精製は0.24g(67%)の所望の生成物を生じた。LC−MS m/z 447.4(M+H+);RT 5.03分。段階3.(1−ヘキサデシル−1H−ベンゾイミダゾル−2−イルスルファニル)酢酸の製造 水酸化リチウム(0.060g、2.4mmol)および(1−ヘキサデシル−1H−ベンゾイミダゾル−2−イルスルファニル)酢酸メチルエステル(0.21g、0.47mmol)の混合物を還流に2時間加熱し、rtに冷却しかつ真空中で濃縮した。残渣を水に溶解し、そして懸濁液を1N HClで酸性化しかつ濾過した。固形物を収集しかつ乾燥して、0.16g(79%)の所望の生成物を生じた。1H NMR(400MHz、CD3OD)δ7.70−7.20(m、4H)、4.20(t、2H)、3.80(s、2H)、1.85(m、2H)、1.21−1.50(m、28H)、0.90(t、3H);LC−MS m/z 433.2(M+H+);RT 4.72分。実施例1P6−(2−トリチルスルファニルエチルアミノ)ニコチン酸リチウムの製造段階1.6−(2−トリチルスルファニルエチルアミノ)ニコチン酸メチルエステルの製造。 6−クロロニコチン酸メチル(0.20g、1.17mmol)、2−トリチルスルファニルエチルアミン(0.56g、1.75mmol)、炭酸セシウム(0.95g、2.91mmol)、およびジクロロメタンとの[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)錯体(1:1)(0.24g、0.29mmol)を、1,4−ジオキサン(4.0mL)および水中で120℃に一夜加熱した。rtへの冷却に際して、反応混合物をCelite(R)を通して濾過し、真空中で濃縮し、そしてBiotageカラムクロマトグラフィー(5%EtOAc/ヘキサン)により精製した。これは0.3442gの白色固形物を生じた。物質を10%EtOAc/ヘキサンから再結晶して、0.272g(51%)の所望の生成物を白色固形物として生じた。Rf=0.42(20%EtOAc/ヘキサン)。1H NMR(400MHz、CD2Cl2)δ2.0(bs、1H)、2.45(t、2H)、3.40(t、2H)、3.92(s、3H)、7.15−7.30(m、10H)、7.42−7.50(m、6H)、8.02(d、1H)、8.90(s、1H)。段階2.6−(2−トリチルスルファニルエチルアミノ)ニコチン酸リチウムの製造 6−(2−トリチルスルファニルエチルアミノ)ニコチン酸メチルエステル(270mg、0.59mmol)をTHF(2mL)、MeOH(2mL)および水(1mL)に懸濁した。反応混合物をLiOH(20mg、0.65mmol)で処理しかつ50℃に2時間加熱した。rtへの冷却に際して、反応混合物を真空中で濃縮した。EtOAc/ヘキサン(3:1)からの再結晶は、236mg(89%)の所望の生成物を白色固形物として生じた。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δ2.25(t、2H)、3.00(bt、1H)、3.28(t、2H)、7.00−7.40(m、16H)、7.90(d、1H)、8.72(s、1H)。ペプチド合成 ペプチドは、Rinkアミド樹脂上でのHBTU活性化を伴うFMOC化学を使用して、Applied Biosystems 430Aペプチド合成機で合成する。標準的なApplied Biosystemsのプロトコルを使用する。ペプチドは、84.6%TFA、4.4%フェノール、4.4%水、4.4%チオアニソールおよび2.2%エタンジチオールで切断する。ペプチドは、冷tertブチルメチルエーテルを使用して切断カクテルから沈殿させる。沈殿物を冷エーテルで洗浄しかつアルゴン下に乾燥する。ペプチドは、0.1%TFAを含有する直線的水/アセトニトリル勾配を用いる逆相C18 HPLCによりで精製する。ペプチドの同一性は、MALDIおよびエレクトロスプレー質量分析ならびにアミノ酸分析で確認する。N末端修飾化合物の付加方法 ペプチドは、Rinkアミド樹脂上でのHBTU活性化を伴うFMOC化学を使用して、Applied Biosystems 430Aペプチド合成機で合成する。標準的なApplied Biosystemsのプロトコルを使用する。N末端修飾化合物を、FMOC化学の間に天然のアミノ酸カップリングに従ってペプチドに結合する。N末端修飾化合物は商業的に入手可能であるか、若しくは実施例1に記述されたとおり合成するかのいずれかである。アミンおよびメルカプトを含有するN末端修飾化合物の場合、アミンおよびメルカプト基はペプチドへのカップリングの間、それぞれFmoc若しくはトリチルで保護する。ペプチドは、84.6%TFA、4.4%フェノール、4.4%水、4.4%チオアニソールおよび2.2%エタンジチオールで切断する。ペプチドは、冷tertブチルメチルエーテルを使用して切断カクテルから沈殿させる。沈殿物を冷エーテルで洗浄しかつアルゴン下に乾燥する。ペプチドは、0.1%TFAを含有する直線的水/アセトニトリル勾配を用いる逆相C18 HPLCによりで精製する。ペプチドの同一性は、MALDIおよびエレクトロスプレー質量分析ならびにアミノ酸分析で確認する。C末端修飾化合物の付加方法 ペプチドは、Rinkアミド樹脂上でのHBTU活性化を伴うFMOC化学を使用して、Applied Biosystems 433Aペプチド合成機で合成する。標準的なApplied Biosystemsのプロトコルを使用する。HBTUで活性化したC末端修飾化合物を、FMOC化学の間に天然のアミノ酸のカップリングに従って、樹脂(例えば、遊離カルボン酸を含有するC末端修飾化合物をもつペプチドを製造するためのWang樹脂、若しくはアミドバリアントを製造するためのRink Amide)に結合する。ペプチドをその後、標準的なFOMCプロトコルを使用するアミノ酸の段階的付加により合成する。ペプチドは、84.6%TFA、4.4%フェノール、4.4%水、4.4%チオアニソールおよび2.2%エタンジチオールで切断する。ペプチドは、冷tertブチルメチルエーテルを使用して切断カクテルから沈殿させる。沈殿物を冷エーテルで洗浄しかつアルゴン下に乾燥する。ペプチドは、0.1%TFAを含有する直線的水/アセトニトリル勾配を用いる逆相C18 HPLCによりで精製する。ペプチドの同一性は、MALDIおよびエレクトロスプレー質量分析ならびにアミノ酸分析で確認する。ペグ化ペプチドの製造 ペグ化誘導体は、N末端修飾基のメルカプト部分に結合するためにマレイミドで誘導体化したメトキシポリエトレングリコールをインキュベートすることにより製造する。Nektar Therapeutics(米国アラバマ州ハンツビル)により供給されるmPEG−MAL若しくはmPEG2−MAL製品、またはNOF(日本国東京)により供給されるGLE−200MA若しくはGLE−400MA製品を使用する。カップリング反応は、ペプチドおよび2倍モル過剰のマレイミド−PEGを50mMトリス、pH7中rtで2〜12時間インキュベートすることにより実施する。ペプチド濃度は1mg/ml若しくはそれ未満でありうる。誘導体化されないペプチドおよびPEGは、陽イオン交換クロマトグラフィーおよび透析で、若しくは逆相C18 HPLCにより、ペグ化したペプチドから精製する。精製したPEG−ペプチド複合物をその後凍結乾燥する。脂肪酸誘導体化ペプチドの製造 アミンを含有するN末端修飾化合物の脂肪酸(パルミチン酸)誘導体は、脱保護および切断前にN末端修飾基のアミン部分のFmoc保護基を0.1%TFAで選択的に除去しかつ通常のアミノ酸カップリングについてと同一条件を使用してパルミチン酸で誘導体化したことを除き、実施例3に記述されたところのN末端修飾ペプチドとして製造する。 脂肪酸誘導体は、実施例1に記述されるとおりに合成した、1−ヘキサデシル−1H−ベンゾイミダゾル−2−イルスルファニル)酢酸をN末端修飾基として使用して、実施例3に記述されるとおりにもまた製造し得る。製薬学的組成物−IVおよびSC製剤 無菌のIV注入可能な製剤は、当該技術分野で公知のいずれかの製造方法を使用して、4mgの式(I)のペプチド若しくは4mgのペプチド含量の同等物を有する誘導体化ペプチド、および1L滅菌生理的食塩水を用いて製造する。より高濃度のペプチドはSC製剤に使用しうる。式(I)のペプチド若しくは誘導体化ペプチドの場合、4mgを100mLの生理的食塩水若しくはDMSOに溶解し、そして無菌濾過後の無菌バイアルを該組成物で充填する。ペプチドの質量分析 40pmol/2μlアリコートのペプチドを水で10μlまで希釈する。HEPES緩衝液を、製造元の説明書に従っての馴化したMillipore C18 ZipTipへのサンプルの50%(20pmol/5μl)の適用により除去する。サンプルはマトリックス(50%ACN、0.1%TFA中10mg/ml α−シアノヒドロキシケイヒ酸)でZipTipからMALDIプレートに直接溶離する。サンプルを、リフレクターイオンモードで作動させるApplied Biosystems Voyager DE−PRO MALDIで分析する。データを500〜4000Da範囲で収集し、そして生じる質量を人的計算により期待されるものと比較した。ペプチドのエドマン分析 ペプチドサンプルを、10mM HEPES、pH7.4、5%TFA中1nmol/10μlでエドマン分解のため供給する。エドマン分析前に、HEPES緩衝液塩を、Applied Biosystems ProSorbサンプルカートリッジを製造元の説明書に従って使用することにより除去する。簡潔には、サンプルをPVDFメンブレンに適用しかつ0.1%TFAで洗浄し、その後メンブレンを取り出しかつエドマン分解のためタンパク質シークェンサーに挿入する。エドマン分解は、製造元の説明書に従ってパルス液体法を使用してApplied Biosystems Procise 494HTタンパク質配列決定装置で実施する。配列を人的に読み取る。ペプチドの安定性 実施例4に記述される製剤を定常安定性室に入れる。ペプチドは、DPPIVの溶液および血漿中での分解に対する安定性についてもまた分析する。ペプチドの分解の感受性の検出方法である、キャピラリー電気泳動、質量分析、エドマン分解、ELISAおよびタンパク質活性のアッセイによる分析のため、サンプルを定期的に取り出す。多様なピークの面積を合計し、そして親ペプチドのピークの面積を該総ピーク面積により除算する。該商が純度%である。新鮮なペプチド中に存在する不純物が存在するため、多様な時点での純度を初期の純度により除算することにより純度の変化を正規化する。DPPIVおよび血漿に対する安定性について、20pmol/μlのペプチドを100mM HEPES、pH7.4中300pMのDPPIVの存在下37℃でインキュベートした。多様な時間点で、反応(2μlアリコート)を、1μM DPPIV阻害剤の添加および凍結することにより終了させる。MALDI質量分析のため、T=0時間、1時間、5時間および24時間の時間点を評価する。結果を、分解生成物と比較した無傷のペプチド若しくはペプチド誘導体のパーセントとしてプロットする。PACAP1ならびにVPAC1および2受容体へのペプチドの結合 PAC1、VPAC1およびVPAC2受容体を発現するCHO細胞を集密まで増殖させ、それらのフラスコから掻き取り、そして50mlチューブ中で緩やかな回転でペレットにする。ペレットをトリスに基づく均質化緩衝液に再懸濁し、そして氷上での30〜40回の人的ストロークを用いてDounce組織粉砕機で均質化する。懸濁液を超遠心機で回転して膜をペレットにする。このペレットを少量の均質化緩衝液に再懸濁し、そしてPierceからのBCAキットの使用によりタンパク質濃度を測定する。 10μgの膜タンパク質0.1nMの125I−PACAP−27および試験されるべきペプチドの用量曲線を含有する結合反応を、96ウェルプレート中37℃で20分間インキュベートする。プレートの氷上での20分間の設置により反応を停止する。反応を、非特異的結合を回避するため0.1%PEIで前インキュベートしたフィルタープレートに添加し、真空マニホールド上で処理し、そしてBSAに基づく洗浄溶液で数回洗浄する。フィルタープレートを乾燥し、シンチラントを添加し、そしてMicroBetaカウンターで読取る。データを解析しかつPrismグラフで提示する。ペプチドに応答してのcAMPの上昇 VPAC2ペプチドを発現するCHO細胞を、8×104細胞/ウェルで96ウェルプレートでプレーティングし、そしてαMEM、ヌクレオシド、グルタミン(Gibco BRL、メリーランド州ロックビル)、5%FBS、100μg/mLペニシリン/ストレプトマイシン、0.4mg/mLハイグロマイシンおよび1.5mg/mLジェネチシン(Gibco/BRL)中37℃で24時間増殖させる。培地を除去し、そしてプレートをPBSで洗浄する。細胞を、(1%BSAおよび100μM IBMXを含む10mMHepes、150mL NaCL、5mM KCL、2.5mM CaCl2、1.2mM KH2PO4、1.2mM MgSO4、25mM NaHCO3(pH7.4)中)ペプチドと37℃で15分間インキュベートする。細胞抽出液中の環状AMPを、cAMP SPA直接スクリーニングアッセイ系(Amersham Pharmacia Biotech Inc、ニュージャージー州ピスカタウェイ)を使用して定量する。ライセート中に存在するcAMPの量を、このキットとともに提供される説明書に従って測定する。ペプチドの各濃度で産生されるcAMPの量(pmol)をプロットしかつPrizmソフトウェアを使用する非線形回帰により解析して、各ペプチドのEC50を決定する。 あるいは、受容体活性化に応答してのcAMPの上昇を、所望の受容体を発現するのみならずしかしまたcAMP応答配列(CRE)に連結されたルシフェラーゼのようなレポーターも発現するCHOのようなレポーター細胞株中で測定し得る。こうした細胞を、96ウェルプレート中でウェルあたり104細胞でプレーティングし、そして、αMEM、ヌクレオシド、グルタミン(Gibco BRL、メリーランド州ロックビル)、5%FBS、100μg/mLペニシリン/ストレプトマイシン、0.4mg/mLハイグロマイシンおよび1.5mg/mLジェネチシン(Gibco/BRL)中37℃で48時間増殖させる。細胞をその後ペプチドと6時間インキュベートし、培地を除去し、そしてBright−Glo試薬(Promega)を添加する。シンチレーションカウンターを使用してシグナルを検出する。分散させたラット膵島細胞からのインスリン分泌 多数の本発明のペプチドにより媒介される分散させたラット膵島のインスリン分泌を、後に続くとおり測定する。SDラット(200〜250g)から単離したランゲルハンス島を、コラゲナーゼを使用して消化する。分散させた膵島細胞をトリプシンで処理し、96V字形底プレートに播種し、そしてペレットにする。細胞をその後、本発明のペプチドを含む若しくは含まない培地中で一夜培養する。培地を吸引し、そして、3mMグルコースを含有するクレブス−リンゲル−HEPES緩衝液とともに細胞を37℃で30分間前インキュベートする。前インキュベーション緩衝液を除去し、そして、ペプチドを伴い若しくは伴わずに適切なグルコース濃度(例えば8mM)を含有するクレブス−リンゲル−HEPES緩衝液とともに、細胞を37℃で適切な時間インキュベートする。上清の一部分を取り出し、そしてそのインスリン含量をSPAにより測定する。結果は「対照の倍数(fold over control)」(FOC)として表す。ペプチド特異的抗体の生成およびELISAによるペプチドの測定 本発明のペプチドに特異的なポリクローナル抗体を、ABI 433Aペプチド合成機を使用して本発明のペプチドの特定のフラグメントを合成することにより生成する。ペプチドをその後樹脂から切断し、そしてBeckman System Gold分析および調製的HPLC装置で精製する。Perspective MALDI質量分析装置を使用して正しい生成物を同定する。ペプチドは凍結乾燥機を使用して乾燥する。ペプチド(2mg)をその後、Cysの遊離スルフヒドリル基を介してキーホールリンペットヘモシアニン(KLH)に複合させる。 雌性ニュージーランドホワイトラビットを第0、14、35、56および77日に免疫する。第0日に、各ウサギに250μgのペプチドおよびフロイントの完全アジュバントを皮下注入する。その後の免疫化はウサギあたり125μgのペプチドを利用する。採血を第21日に開始し、そしてその後21日間隔で継続する。抗ペプチド抗体の精製は、粗血清に特異的ペプチド親和性精製カラムを通過させることにより実施する。抗体力価をELISAにより測定する。 96ウェルImmulon 4HBXプレートを本発明のペプチドに特異的なC末端F(ab)抗体で被覆し、そして4℃で一夜インキュベートさせる。プレートをその後、非特異的結合を予防するためにブロッキングする。その後、ペプチド標準(2500ng/mL〜160pg/mL)を33%血漿で希釈し、そしてサンプルを緩衝液で3倍希釈し、次いでrtで1.5時間インキュベートする。洗浄後、本発明のペプチドに特異的なポリクローナルN末端抗体をプレート上で1時間インキュベートする。これに次いで、ワサビペルオキシダーゼ(HRP)−ロバ抗ウサギ抗体を添加し、そしてサンプルおよび標準を別の1時間インキュベートする。3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン(TMB)溶液とのインキュベーション後に検出を評価し、そしてプレートをOD450で読取る。 あるいは、96ウェルImmulon 4HBXプレートを本発明のペプチドに特異的なポリクローナルN末端抗体で被覆し、そして4℃で一夜インキュベートさせる。プレートをその後、非特異的結合を予防するためにブロッキングする。その後、ペプチド標準(2500ng/mL〜160pg/mL)を50%血漿で希釈し、そしてサンプルを緩衝液で2倍希釈し、次いでrtで1.5時間インキュベートする。洗浄後、本発明のペプチドに特異的なモノクローナル抗PEG抗体をプレート上で1時間インキュベートする。これに次いで、ワサビペルオキシダーゼ(HRP)−抗マウス抗体を添加し、そしてサンプルおよび標準を別の1時間インキュベートする。3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン(TMB)溶液とのインキュベーション後に検出を評価し、そしてプレートをOD450で読取る。IVおよび皮下投与後のペプチドの薬物動態 血漿サンプルを微小遠心管に移し、そして等容量のアセトニトリルをサンプルに添加する(50%最終濃度)。サンプルを約5分間活発にボルテックス攪拌し、そして氷上に10分間静置させる。サンプルを再度約1分間ボルテックス攪拌し、そしてその後微小遠心機(4℃)で最大(約15,000×g)で30分間遠心分離する。 遠心分離後、水層を清浄な遠心管に慎重に移し、そしてサンプルを微小遠心機(4℃)で最大速度(約15,000×g)で5分間遠心分離する。抽出したサンプルを、中程度の加熱設定を伴うSpeed Vac SC110(Savant)を使用して乾燥するまで真空下で乾燥する。サンプルを適切な容量の滅菌水に再懸濁しかつ4℃で維持する。サンプルをその後、分析前に超音波浴中rtで10分間超音波処理する。ラットにおける腹腔内耐糖能に対するペプチドの効果 皮下に投与される場合の本発明のペプチドのin vivo活性をラットで検査する。一夜絶食させたラットに、対照若しくはペプチド(1〜100μg/kg)の皮下注入を与える。3時間後に基礎血糖を測定し、そしてラットに2g/kgのグルコースを腹腔内で与える。血糖を15、30および60分後に再度測定する。 本発明のペプチドの活性の立証は、当該技術分野で公知であるin vitro、ex vivoおよびin vivoアッセイにより達成しうる。例えば、糖尿病、ならびにシンドロームX、耐糖能異常、空腹時高血糖および抗インスリン血症のような関連障害;アテローム硬化性疾患、ならびに高トリグリセリド血症および高コレステロール血症のような関連障害;ならびに肥満の処置のための製薬学的作用物質の有効性を示すため、以下のアッセイを使用しうる。血糖値の測定方法 db/dbマウス(Jackson Laboratories、メーン州バーハーバーから得た)を(眼若しくは尾いずれかの静脈で)採血し、そして同等な平均血糖値に従ってグループ分けする。それらに試験ペプチドを14日間投与する。この時点で、動物を眼若しくは尾静脈により再度採血し、そして血糖値を測定した。各場合に、グルコース濃度はGlucometer Elite XL(Bayer Corporation、インジアナ州エルクハート)で測定する。心血管系パラメータに対する影響の測定方法 心血管系パラメータ(例えば心拍数および血圧)もまた評価する。SHRラットにベヒクル若しくは試験ペプチドを2週間投与する。血圧および心拍数を、Grinsellら(Am.J.Hypertens.13:370−375、2000)により記述されるところのテイルカフ法を使用して測定する。サルにおいて、血圧および心拍数をShenら(J.Pharmacol.Exp.Therap.278:1435−1443、1996)により記述されるとおりモニターする。トリグリセリドレベルの測定方法 hApoA1マウス(Jackson Laboratories、メーン州バーハーバーから得た)を(眼若しくは尾いずれかの静脈で)採血し、そして同等な平均血清トリグリセリドレベルに従ってグループ分けする。それらに試験ペプチドを8日間投与する。動物をその後、眼若しくは尾静脈で再度採血し、そして血清トリグリセリドレベルを測定する。各場合で、トリグリセリドレベルはTechnicon Axon自動分析機(Bayer Corporation、ニューヨーク州タリータウン)を使用して測定する。HDLコレステロールレベルの測定方法 血漿HDLコレステロールレベルを測定するため、hApoP1マウスを採血し、そして同等な平均血漿HDLコレステロールレベルでグループ分けする。マウスにベヒクル若しくは試験ペプチドを7日間投与し、そしてその後第8日に採血する。血漿を、Synchron臨床装置(CX4)(Beckman Coulter、カリフォルニア州フラートン)を使用してHDLコレステロールについて分析する。総コレステロール、HDLコレステロール、トリグリセリドおよびグルコースのレベルの測定方法 別のin vivoアッセイにおいて、肥満サルを採血し、その後ベヒクル若しくは試験ペプチドを4週間投与し、そしてその後再度採血する。血清を、総コレステロール、HDLコレステロール、トリグリセリドおよびグルコースについて、Synchron臨床装置(CX4)(Beckman Coulter、カリフォルニア州フラートン)を使用して分析する。リポタンパク質のサブクラス分析は、Oliverら(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 98:5306−5311、2001)により記述されるところのNMR分光法により実施する。 上の明細で挙げられる全部の刊行物および特許は引用することにより本明細書に組込まれる。本発明の記述される組成物および方法の多様な改変および変形物が、本発明の範囲および技術思想から離れることなく当業者に明らかであろう。本発明は特定の好ましい態様に関して記述したとは言え、特許請求されるところの本発明はこうした特定の態様に不当に制限されるべきでないことが理解されるべきである。事実、生化学の分野若しくは関連分野の当業者に明らかである本発明を実施するための上述された様式の多様な改変は、以下の請求の範囲の範囲内にあることを意図している。当業者は、わずかに慣例の実験を使用して、本明細書に記述される本発明の特定の態様に対する多くの同等物を認識するであろうか、若しくは確かめることが可能であろう。こうした同等物は以下の請求の範囲により包含されることを意図している。 式(I)Z1−A1−A2−A3−A4−A5−Phe−Thr−A8−A9−A10−A11−A12−A13−Arg−A15−A16−A17−Ala−A19−A20−A21−Tyr−Leu−A24−A25−A26−A27−A28−A29−A30−A31−A32−A33−A34−A35−A36−A37−A38−A39−A40−Z2(配列番号1)式中、A1はHis、Alaであり;A2はSer、Thr、Alaであり;A3はAsp、Gluであり;A4はAla、Glyであり;A5はVal、Ileであり;A8はAsp、Glu、Alaであり;A9は、Gln、Asn、Ser、Alaであり;A11はThr、Serであり;A12はArg、Lysであり;A13はLeu、Tyrであり;A15はLys、Alaであり;A16はGln、Alaであり;A17は、Val、Met、Leu、Nle、Alaであり;A19は、Ala、Val、Gly、Lys、Arg、Ser、Glu、Phe、Ile、Leu、Met、Thr、Trpであり;A20はLys、Hisであり;A21はLys、His、Alaであり;A24はGln、Asn、Alaであり;A25はSer、Asp、Thr、Alaであり;A26はIle、Val、Leu、Alaであり;A27はいずれかのアミノ酸であり;A28は、Gln、Asn、Gly、Ala、Lysであり;A29は、Lys、Gly、Arg、Cys、Ala、Asp、Glu、His、Ile、Leu、Met、Asn、Pro、Gln、Arg、Ser、Thrであるか若しくは欠失されており;A30はいずれかのアミノ酸であるか若しくは欠失されており;A31は、Tyr、Thr、Cysであるか若しくは欠失されており;A32は、Lys、Cys、Lys−X、Cys−PEGであるか若しくは欠失されており;A33は、Gln、Lys、Cys、Lys−X、Cys−PEGであるか若しくは欠失されており;A34は、Arg、Lys、Cys、Lys−X、Cys−PEGであるか若しくは欠失されており;A35は、Val、Lys、Cys、Lys−X、Cys−PEGであるか若しくは欠失されており;A36は、Lys、Cys、Lys−X、Cys−PEGであるか若しくは欠失されており;A37は、Asn、Lys、Cys、Lys−X、Cys−PEGであるか若しくは欠失されており;A38は、Lys、Cys、Lys−X、Cys−PEGであるか若しくは欠失されており;およびA39は、Lys、Cys、Lys−X、Cys−PEGであるか若しくは欠失されており、Lys−Xは、Nεで脂肪酸で修飾されているLysであり、Z1は、から選択され、ならびに、Z2は、から選択される、のペプチド。 配列番号1−156から選択される、請求項1に記載のペプチド。 配列番号1−111から選択される、請求項2に記載のペプチド。 配列番号112−156から選択される、請求項2に記載のペプチド。 配列番号2、8、23、34、52、67、89、103、104、113、118、133、137、144および148から選択される、請求項2に記載のペプチド。 配列番号3、10、11、26、42、48、56、64、92、107、109、114、125、132および141から選択される、請求項2に記載のペプチド。 配列番号4、14、15、24、28、29、30、31、32、41、71、73、88、101、115、122、127および135から選択される、請求項2に記載のペプチド。 配列番号5、6、12、18、51、55、58、63、68、75、81、85、93、97、116、117、131、138および145から選択される、請求項2に記載のペプチド。 ペプチドがペグ化されている、請求項1〜8のいずれか1つに記載のペプチド。 ペプチドがC末端でペグ化されている、請求項1〜8のいずれか1つに記載のペプチド。 PEGが、から選択される、請求項9若しくは10に記載のペプチド。 ペプチドがアセチル化されている、請求項1〜11のいずれか1つに記載のペプチド。 Z1が、から選択される、請求項1〜8のいずれか1つに記載のペプチド。 Z1が、から選択される、請求項1〜8のいずれか1つに記載のペプチド。 PEGが、から選択される、請求項13若しくは14に記載のペプチド。 配列番号1−156のペプチド若しくはそれらの縮重バリアントをコードするポリヌクレオチド。 請求項16に記載のポリヌクレオチドを含んでなるベクター。 請求項17に記載のベクターを含んでなる宿主細胞。 a)ポリペプチドの発現に適する条件下で請求項18に記載の宿主細胞を培養すること;およびb)ペプチドを宿主細胞培養物から回収することを含んでなる、ペプチドの製造方法。 請求項1〜15のいずれか1つに記載のペプチドに特異的に結合する精製された抗体。 製薬学的に許容できる担体と組合せの、請求項1〜15のいずれか1つに記載のペプチドの有効量を含んでなる製薬学的組成物。 製薬学的に許容できる担体および1種若しくはそれ以上の製薬学的作用物質と組合せの、請求項1〜15のいずれか1つに記載のペプチドの治療上有効な量を含んでなる製薬学的組成物。 製薬学的作用物質が、PPARリガンド、インスリン分泌促進物質、スルホニル尿素薬物、α−グルコシダーゼ阻害剤、インスリン感作物質、肝グルコース出力低下化合物、インスリンおよびインスリン誘導体、ビグアニド、タンパク質チロシンホスファターゼ1B、ジペプチジルペプチダーゼIV、11β−HSD阻害剤、抗肥満薬、HMG−CoA還元酵素阻害剤、ニコチン酸、脂質低下薬、ACAT阻害剤、胆汁酸捕捉剤、胆汁酸取り込み阻害剤、ミクロソームトリグリセリド輸送阻害剤、フィブリン酸誘導体、β−遮断薬、ACE阻害薬、カルシウム拮抗薬、利尿薬、レニン阻害薬、AT−1受容体アンタゴニスト、ET受容体アンタゴニスト、中性エンドペプチダーゼ阻害剤、バソペプシダーゼ阻害剤および硝酸塩よりなる群から選択される、請求項22に記載の製薬学的組成物。 治療上有効な量の、請求項1〜15のいずれか1つに記載のペプチドまたは請求項21、22若しくは23に記載の製薬学的組成物を、それの必要な被験体に投与する段階を含んでなる、糖尿病の処置方法。 糖尿病が、1型糖尿病、2型糖尿病、若年発症成人型糖尿病、成人性潜在型糖尿病および妊娠糖尿病よりなる群から選択される、請求項24に記載の方法。 治療上有効な量の、請求項1〜15のいずれか1つに記載のペプチドまたは請求項21、22若しくは23に記載の製薬学的組成物を、それの必要な被験体に投与する段階を含んでなる、シンドロームXの処置方法。 治療上有効な量の、請求項1〜15のいずれか1つに記載のペプチドまたは請求項21、22若しくは23に記載の製薬学的組成物を、それの必要な被験体に投与する段階を含んでなる、糖尿病関連障害の処置方法。 糖尿病関連障害が、高血糖症、高インスリン血症、耐糖能異常、空腹時高血糖、脂質代謝異常、高トリグリセリド血症およびインスリン抵抗性よりなる群から選択される、請求項27に記載の方法。 治療上有効な量の、請求項1〜15のいずれか1つに記載のペプチドまたは請求項21、22若しくは23に記載の製薬学的組成物を、それの必要な被験体に投与する段階を含んでなる、糖尿病の二次的原因の処置若しくは予防方法。 二次的原因が、グルココルチコイド過剰、成長ホルモン過剰、褐色細胞腫および薬物誘発性糖尿病よりなる群から選択される、請求項29に記載の方法。 1種若しくはそれ以上の製薬学的作用物質と組合せの、治療上有効な量の請求項1〜15のいずれか1つに記載のペプチドを、それの必要な被験体に投与する段階を含んでなる、糖尿病の処置方法。 製薬学的作用物質が、PPARアゴニスト、スルホニル尿素薬物、非スルホニル尿素分泌促進物質、α−グルコシダーゼ阻害剤、インスリン感作物質、インスリン分泌促進物質、肝グルコース出力低下化合物、インスリンおよび抗肥満薬よりなる群から選択される、請求項31に記載の方法。 糖尿病が、1型糖尿病、2型糖尿病、若年発症成人型糖尿病、成人性潜在型糖尿病および妊娠糖尿病よりなる群から選択される、請求項32に記載の方法。 1種若しくはそれ以上の製薬学的作用物質と組合せの、治療上有効な量の請求項1〜15のいずれか1つに記載のペプチドを、それの必要な被験体に投与する段階を含んでなる、シンドロームXの処置方法。 製薬学的作用物質が、PPARアゴニスト、スルホニル尿素薬物、非スルホニル尿素分泌促進物質、α−グルコシダーゼ阻害剤、インスリン感作物質、インスリン分泌促進物質、肝グルコース出力低下化合物、インスリンおよび抗肥満薬よりなる群から選択される、請求項34に記載の方法。 1種若しくはそれ以上の製薬学的作用物質と組合せの、治療上有効な量の請求項1〜15のいずれか1つに記載のペプチドを、それの必要な被験体に投与する段階を含んでなる、糖尿病関連障害の処置方法。 糖尿病関連障害が、高血糖症、高インスリン血症、耐糖能異常、空腹時高血糖、脂質代謝異常、高トリグリセリド血症およびインスリン抵抗性よりなる群から選択される、請求項36に記載の方法。 製薬学的作用物質が、PPARアゴニスト、スルホニル尿素薬物、非スルホニル尿素分泌促進物質、α−グルコシダーゼ阻害剤、インスリン感作物質、インスリン分泌促進物質、肝グルコース出力低下化合物、インスリンおよび抗肥満薬よりなる群から選択される、請求項37に記載の方法。 1種若しくはそれ以上の製薬学的作用物質と組合せの、治療上有効な量の請求項1〜15のいずれか1つに記載のペプチドを、それの必要な被験体に投与する段階を含んでなる、糖尿病の二次的原因の処置若しくは予防方法。 製薬学的作用物質が、PPARアゴニスト、スルホニル尿素薬物、非スルホニル尿素分泌促進物質、α−グルコシダーゼ阻害剤、インスリン感作物質、インスリン分泌促進物質、肝グルコース出力低下化合物、インスリンおよび抗肥満薬よりなる群から選択される、請求項39に記載の方法。 HMG−CoA還元酵素阻害剤、ニコチン酸、脂質低下薬、ACAT阻害剤、胆汁酸捕捉剤、胆汁酸取り込み阻害剤、ミクロソームトリグリセリド輸送阻害剤、フィブリン酸誘導体、β−遮断薬、ACE阻害薬、カルシウム拮抗薬、利尿薬、レニン阻害剤、AT−1受容体アンタゴニスト、ET受容体アンタゴニスト、中性エンドペプチダーゼ阻害剤、バソペプシダーゼ阻害剤および硝酸塩よりなる群から選択される1種若しくはそれ以上の剤と組合せの、治療上有効な量の請求項1〜15のいずれか1つに記載のペプチドを、それの必要な被験体に投与する段階を含んでなる、糖尿病、シンドロームX、糖尿病関連障害、若しくは糖尿病の二次的原因の処置方法。 糖尿病関連障害が、高血糖症、高インスリン血症、耐糖能異常、空腹時高血糖、脂質代謝異常、高トリグリセリド血症およびインスリン抵抗性よりなる群から選択される、請求項41に記載の方法。 請求項1〜15のいずれか1つに記載のペプチド、および1種若しくはそれ以上の製薬学的作用物質が単一製薬学的投薬製剤として投与される、請求項31ないし42のいずれか1つに記載の方法。 治療上有効な量の、請求項1〜15のいずれか1つに記載のペプチドまたは請求項21、22若しくは23に記載の製薬学的組成物を、それの必要な被験体に投与する段階を含んでなる、心血管系疾患の処置方法。 心血管系疾患が、アテロ―ム硬化症、冠動脈心疾患、冠動脈疾患および高血圧症から選択される、請求項44に記載の方法。 治療上有効な量の、請求項1〜15のいずれか1つに記載のペプチドまたは請求項21、22若しくは23に記載の製薬学的組成物を、それの必要な被験体に投与する段階を含んでなる、肥満の処置方法。 請求項1〜15のいずれか1つに記載のペプチドまたは請求項21、22若しくは23に記載の製薬学的組成物をそれの必要な被験体に投与することによる、前記被験体におけるインスリン分泌の刺激方法。 糖尿病および糖尿病関連障害の処置および/若しくは予防のための請求項1〜15のいずれか1つに記載のペプチド。 最低1種の製薬学的に許容できる製薬学的に安全な担体若しくは賦形剤と組合せの、請求項1〜15のいずれか1つに記載の最低1種のペプチドを含有する医薬品。 糖尿病および糖尿病関連障害の処置および/若しくは予防のための医薬品の製造のための、請求項1〜15のいずれか1つに記載のペプチドの使用。 糖尿病の処置および/若しくは予防のための請求項49に記載の医薬品。 本発明は、ペプチドの薬物動態特性を改良するための適する誘導体化部位を提供する新規改変をペプチドに提供する。これらの修飾ペプチドはin vivoでVPAC2受容体のアゴニストとして機能する。本発明のペプチドは、低下された内因性インスリン分泌、例えば2型糖尿病を伴う患者に新たな治療を提供する。配列表


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