生命科学関連特許情報

タイトル:公表特許公報(A)_癌および/または関節炎の新たな治療および/または予防
出願番号:2008508199
年次:2008
IPC分類:A61K 38/00,A61P 19/04,A61P 35/00,C12N 15/09,C07K 14/47,C07K 19/00


特許情報キャッシュ

パワー,クリスティン ヨーク−スミス,メラニー JP 2008539194 公表特許公報(A) 20081113 2008508199 20060420 癌および/または関節炎の新たな治療および/または予防 ラボラトワール セローノ ソシエテ アノニム 507348713 青木 篤 100099759 石田 敬 100077517 福本 積 100087871 古賀 哲次 100087413 小池 慎太郎 100145436 パワー,クリスティン ヨーク−スミス,メラニー EP 05103402.3 20050426 US 60/681,731 20050517 A61K 38/00 20060101AFI20081017BHJP A61P 19/04 20060101ALI20081017BHJP A61P 35/00 20060101ALI20081017BHJP C12N 15/09 20060101ALN20081017BHJP C07K 14/47 20060101ALN20081017BHJP C07K 19/00 20060101ALN20081017BHJP JPA61K37/02A61P19/04A61P35/00C12N15/00 AC07K14/47C07K19/00 AP(BW,GH,GM,KE,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,NL,PL,PT,RO,SE,SI,SK,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,LY,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PG,PH,PL,PT,RO,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,SY,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,YU,ZA,ZM,ZW EP2006061710 20060420 WO2006114387 20061102 33 20071220 4B024 4C084 4H045 4B024AA01 4B024BA61 4B024BA80 4B024CA04 4B024CA07 4B024DA02 4B024DA06 4B024EA04 4C084AA02 4C084BA01 4C084BA22 4C084NA14 4C084ZA942 4C084ZB262 4H045AA30 4H045BA10 4H045BA41 4H045CA40 4H045EA28 4H045FA74 本発明は、癌および/または筋骨格/結合組織疾患、特に肺癌および/または変形性関節症の治療および/または予防のためのINSP163の使用に関するものである。 変形性関節症(変形性関節疾患;変形性関節症;肥厚性関節炎)は、硝子軟骨の変化を伴う関節症であって、関節軟骨の喪失および骨の過形成、骨棘の形成を特徴とする。最も一般的な関節疾患である変形性関節症(OA)は、10ないし20歳代に無症候性で始まり、70歳までには極めて一般的となる。殆ど全ての人々が40歳までには荷重関節に何らかの病変を持つが、症状のある人は比較的まれである。男性も女性も等しく罹患するが、発症は男性が早い。 広く使用されているNSAIDがOAに対して長期的な利点があるという証拠はない。1日4回1g用量までのアセトアミノフェンは有用な鎮痛薬であり、概してNSAIDよりも安全である。治療抵抗性の疼痛がある、または炎症の徴候がより大きな患者では、アスピリンまたはその他のNSAIDが使用でき、関節リウマチ下でより良好な症状の軽減が得られることがある。COX-2インヒビター(コキシブとも言う)は、より小さなGI副作用で炎症を制御し疼痛を減弱させる。しかしながらこのクラスの一成員であるロフェコキシブ(市場から回収済み)は、長期使用後に心血管イベントのリスクを増大させると思われる。他のコキシブに伴う心血管イベントのリスクは評価中である。或る研究で、セレコキシブに伴い心血管イベントの2.5倍の増加が示されたため、FDAは、GI出血に高いリスクがある患者、または非選択的NSAIDに不耐性の病歴がある患者、または非選択的NSAIDに良好な反応を示さない患者に対しては、コキシブの使用を制限する事を推奨している(更なる証拠が未決定である)。長期のまたは心血管リスクファクターのある患者へのコキシブの使用は、注意深くアプローチすべきである。 OAに罹患している関節を支えようとすることにより負荷のかかる筋肉から疼痛が起こる場合には、時に、筋弛緩薬(通常は低用量)が一時的な効果を上げる。経口コルチコステロイド療法は通常適応とならない。関節内デポコルチコステロイドは、滲出液または炎症徴候が存在する場合に役立ち、これらの薬物は通常、間欠的にのみ必要とされ、一般的にはできるだけ低い頻度で使用すべきである。薬物療法は最適な管理の、最も重要性が低い側面であり、恐らくは全プログラムの15%である。滑液の正常な生理的成分であるヒアルロン酸は、膝のOAの管理に有効であることが証明されている。市販製剤ヒアルガンおよびARTZは、注射によって、臨床的、放射線解析的、および実験室的基準を用いて測定可能な改善をもたらした。 気管支原性癌は、肺癌症例の殆どを占める非常に悪性の原発性肺腫瘍であって、極めて予後不良である。気管支原性癌は全ての肺腫瘍の>90%を占める。これは、男性では二番目に多い(13%)癌であり、女性では三番目に多い(13%)癌である。これは男性(32%)および女性(25%)の癌死亡原因の第1位であり、その罹患率は女性においてより急速に上昇しているようである。これは45から70歳の間の年齢で最も一般的である。 通常、気管支原性癌には4種類の組織型が識別されている。普通、大気管支に発生し、直接浸潤およびリンパ節転移により広がる扁平上皮細胞;しばしば早期血行性転移を伴う未分化小細胞;通常は血流を通って広がる未分化大細胞;そして、通常は末梢性であり、しばしば血流を通って広がる腺癌である。これら全てのタイプは一般的にリンパ管を介しても広がる。 腺癌の亜型である気管支肺胞癌は、気腔を統合し、肺を超えて拡大することはあまり無い。孤立性の形態は存在するものの、この癌はその多病巣性起源により、時に他の型の気管支原性癌と区別される。 ホルネル症候群(頸部胸郭交感神経の侵襲に起因する)は、眼球陥入、縮瞳、眼瞼下垂、および同側顔面無汗症より成る。 パンコースト症候群(腕神経叢ならびに近傍の肋骨および椎骨への浸潤による)は、冒された腕の疼痛、しびれ、および脱力より成る。これら二つの症候群は共存することがある。 数多くある肺癌の新生物随伴症候群は、腫瘍の肺外性の遠隔的影響である。これらは、原発腫瘍または転移に無関係の代謝障害および神経筋障害を導く。これらは発症または再発の最初の徴候であることがあるが、必ずしも腫瘍が胸部の外に広がったことを示している訳ではない。肥大性肺性骨関節症(最もよく知られている)では、ばち状指および足趾ならびに長骨遠位部の骨膜隆起が起こる。神経系の全レベルが冒されることがあり、主として脳障害、亜急性小脳変性、脳脊髄炎、イートン・ランバート症候群、および末梢神経障害が引き起こされる。多発筋炎および皮膚筋炎またはホルモン活性を持つ物質の産生に起因する代謝性の症候群が発症し得る。小細胞癌は、クッシング症候群をもたらす異所性ACTH、または水分貯留および低ナトリウム血症を惹起するADHを分泌することがあり、カルチノイド症候群(顔面紅潮、喘鳴、下痢、および心臓弁の病変)とも関連している。扁平上皮癌は、高カルシウム血症をもたらす副甲状腺ホルモン様物質を分泌することがある。原発性肺癌に関連する他の内分泌性症候群には、女性化乳房、高血糖、甲状腺中毒症、および皮膚色素沈着が含まれる。血小板減少性紫斑病、類白血病反応、骨髄障害性貧血、多血症、および衰弱性血栓症を含む血液学的異常もまた生じ得る。 扁平上皮癌は、気管支原性癌の全症例のおよそ三分の一を占める、肺癌の一般的な型である。腺癌とは異なり、これは喫煙歴との関連性が高い。その組織形成は、気管支上皮の慢性炎症および損傷に関連しており、それが、正常な繊毛円柱上皮から扁平上皮への変化を導く。腺上皮から扁平上皮へのこの変形は扁平化生として知られる。 気管支原性癌は予後不良である。治療されない気管支原性癌患者の余命は平均8ヶ月であり、腫瘍の約10ないし35%は切除可能であるが、5年全生存率はおよそ13%である。境界明瞭な、増殖の遅い腫瘍を持つ患者では、切除後の5年生存率は、IIIA期非小細胞癌患者の15%からI期非小細胞癌患者の70%までの範囲である。末梢結節性病変を葉切除により処置した患者において最良の結果が得られている。二次原発性肺癌は6ないし12%の生存者に発症する。小細胞癌は診断時点で殆ど常に原発部位を超えて広がっているため、通常は手術不能である。まれに、初期の小細胞癌は外科的切除ができるが、腫瘍が再発し易いため、シスプラチンおよびエトポシドによる補助化学療法が通常推奨される。二次原発性癌は、25ないし50%の症例において早期小細胞癌の治療後に発症する。 気管支原性癌の予防は、喫煙および産業における潜在的発癌物質への暴露を回避することを含む。 放射線療法を伴うまたは伴わない多剤化学療法、特にシスプラチンおよびトポイソメラーゼインヒビターによる化学療法は、小細胞癌患者において手術よりも高い生存率をもたらしたが、治癒はまれである。切除不能なIIIA、IIIB、またはIV期の非小細胞肺癌における化学療法は、生存のメジアンを平均6ないし12週間改善するように見受けられ、応答する患者における疾患の症状を効果的に改善できる。この疾患において活性な薬物として、白金化合物(シスプラチンおよびカルボプラチン)、ビンカアルカロイド(ビノレルビン、ビンクリスチン、およびビンブラスチン)、タキシン類(ドセタキセルおよびパクリタキセル)、および種々のトポイソメラーゼインヒビターが含まれる。 蛋白INSP163が、ゼリーロール折り畳み構造を持つ分泌蛋白、特にサイトカインのTNF(腫瘍壊死因子)様ファミリーの一員として、具体的にはc1q様蛋白として、国際出願第PCT/GB2004/004544に開示された。INSP163が癌および/または筋骨格/結合組織疾患に関わりを持つことを示す実験データは今までのところ提供されていない。 発明の概要 本発明は、INSP163が、特定組織、即ち肺腫瘍および変形性関節症の組織において限定的な発現を示すという、予想外の発見に基づいている。 故に、本発明の第一の目的は、INSP163を、癌および/または筋骨格/結合組織疾患、特に肺癌および/または変形性関節症の治療および/または予防のための薬物の製造に使用することである。本発明の第二の目的は、INSP163を発現する細胞、またはINSP163のコード配列を含む発現ベクターを、癌および/または筋骨格/結合組織疾患、特に肺癌および/または変形性関節症の治療および/または予防のための薬物の製造に使用することである。本発明はさらに、癌および/または筋骨格/結合組織疾患、特に肺癌および/または変形性関節症の治療および/または予防のための、INSP163を含む医薬組成物を目的とする。 発明の説明 本発明は、一つの肺腫瘍組織および二つの変形性関節症組織におけるINSP163の限定的な発現という予想外の発見に基づいている。この肺腫瘍は気管支原性癌、より具体的には扁平上皮癌である。このINSP163の特異的発現パターンは、INSP163が肺癌および/または変形性関節症に関わっているという結論を導く。国際出願第PCT/GB2004/004544号に記載のポリヌクレオチドまたは対応ポリペプチドに対してここで特徴付けられたこれらの驚くべき性質は、それらを薬物または医薬組成物の製造に特に好適なものとしている。 したがって第一の側面において本発明は、癌および/または筋骨格/結合組織疾患の治療および/または予防のための薬物を製造するための、ポリペプチドの使用に関するものであり、ここで当該ポリペプチドは、 a) 配列番号30より成るポリペプチド、または、 b) 配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34もしくは配列番号36のいずれかを含むポリペプチド、または、 c) 配列番号2または配列番号34より成るポリペプチドの成熟型、または、 d) 配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号32、配列番号26、配列番号28、配列番号32、もしくは配列番号36より成るポリペプチドのヒスチジンタグ型、または、 e) 配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、もしくは配列番号14より成るポリペプチドの開裂型、または、 f) 当該ポリペプチドのグリコシル化型[ここでこのポリペプチドは1またはそれ以上の部位でグリコシル化されている]、または、 g) (a)ないし(f)のいずれかのムテイン[ここで、このアミノ酸配列は、(a)ないし(f)に記載の配列の少なくとも一つと、少なくとも40%または50%または60%または70%または80%または90%の一致を有し、INSP163の生物活性を保持している]、または、 h) アミノ酸配列中の任意の変化が(a)ないし(f)に記載のアミノ酸配列に対する保存的アミノ酸置換であり、INSP163の生物活性を保持している、(a)ないし(f)のいずれかのムテイン、または、 i) (a)ないし(h)のいずれかの、塩もしくはイソ型、融合蛋白、機能的誘導体、活性画分または循環的に順序を変えた誘導体、より成る群から選ばれる。 第二の側面において本発明は、癌および/または筋骨格/結合組織疾患の治療および/または予防のための薬物を製造するための、核酸分子の使用に関するものであり、ここで当該核酸は、 a) 配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33もしくは配列番号35のいずれかに開示される核酸配列、または、 b) 中等度のストリンジェント条件または高度のストリンジェント条件下で、(a)の核酸配列の相補体にハイブリダイズする核酸配列、または、 c) (a)または(b)のいずれかに記載の核酸配列[ここで、この核酸配列は、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34もしくは配列番号36に記載のアミノ酸配列に対する保存的アミノ酸置換を有するアミノ酸配列をコードしている]、より成る群から選ばれる。 第三の側面において本発明は、 (a) 配列番号30より成るポリペプチド、または、 (b) 配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34もしくは配列番号36のいずれかを含むポリペプチド、または、 (c) 配列番号2もしくは配列番号34より成るポリペプチドの成熟型、または、 (d) 配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号32、配列番号26、配列番号28、配列番号32、もしくは配列番号36より成るポリペプチドのヒスチジンタグ型、または、 e) 配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、もしくは配列番号14より成るポリペプチドの開裂型、または、 f) 当該ポリペプチドのグリコシル化型[ここでこのポリペプチドは1またはそれ以上の部位でグリコシル化されている]、または、 g) (a)ないし(f)のいずれかのムテイン[ここで、このアミノ酸配列は、(a)ないし(f)に記載の配列の少なくとも一つと、少なくとも40%または50%または60%または70%または80%または90%の一致を有し、INSP163の生物活性を保持している]、または、 h) アミノ酸配列中の任意の変化が(a)ないし(f)に記載のアミノ酸配列に対する保存的アミノ酸置換であり、INSP163の生物活性を保持している、(a)ないし(f)のいずれかのムテイン、または、 i) (a)ないし(h)のいずれかの、塩もしくはイソ型、融合蛋白、機能的誘導体、活性画分または循環的に順序を変えた誘導体、より成る群から選ばれるポリペプチドを含む、癌および/または筋骨格/結合組織疾患の治療および/または予防のための医薬組成物に関するものである。 第四の側面において本発明は、 a) 配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33もしくは配列番号35のいずれかに開示される核酸配列、または、 b) 中等度のストリンジェント条件または高度のストリンジェント条件下で、(a)の核酸配列の相補体にハイブリダイズする核酸配列、または、 c) (a)または(b)のいずれかの核酸配列[ここで、この核酸配列は、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34もしくは配列番号36に記載のアミノ酸配列に対する保存的アミノ酸置換を有するアミノ酸配列をコードしている]、より成る群から選ばれる核酸を含む、癌および/または筋骨格/結合組織疾患の治療および/または予防のための医薬組成物に関するものである。 当業者には、本発明に従い、内因性INSP163の放出を刺激しまたは活性を強化する物質を、癌および/または筋骨格/結合組織疾患、特に肺癌および/または変形性関節症の治療および/または予防に等しく使用できることが理解できるであろう。 配列番号2に記載の配列を有するポリペプチドは、本明細書では以後「代替的成熟INSP163ポリペプチド」と称する。配列番号34に記載の配列を有するポリペプチドは、本明細書では以後「成熟INSP163ポリペプチド」と称する。配列番号2または配列番号34は、本明細書では「成熟型」と称する。配列番号4に記載の配列を有するポリペプチドは、本明細書では以後「INSP163-Aポリペプチド」と称する。配列番号6に記載の配列を有するポリペプチドは、本明細書では以後「INSP163-Bポリペプチド」と称する。配列番号8に記載の配列を有するポリペプチドは、本明細書では以後「INSP163-Cポリペプチド」と称する。配列番号10に記載の配列を有するポリペプチドは、本明細書では以後「INSP163-Dポリペプチド」と称する。配列番号12に記載の配列を有するポリペプチドは、本明細書では以後「INSP163-Eポリペプチド」と称する。配列番号14に記載の配列を有するポリペプチドは、本明細書では以後「INSP163-Fポリペプチド」と称する。配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、または配列番号14は、本明細書では「開裂型」と称する。 本出願人は、この理論に拘束されることを望む訳ではないが、INSP163ポリペプチドはさらに、N末端に長さ25アミノ酸のシグナルペプチドを含み、これが成熟INSP163ポリペプチドを導くと考えられている。 さらに、INSP163ポリペプチドはN末端に長さ20アミノ酸のシグナルペプチドをさらに含み、これが代替的成熟INSP163ポリペプチドを導くと考えられている。 それぞれ想定されたシグナル配列を伴う成熟INSP163ポリペプチドおよび代替的成熟INSP163ポリペプチド配列は、配列番号30に記載されている。 配列番号30に記載の配列を有するポリペプチドは、本明細書では以後「INSP163ポリペプチド」と称する。 本発明に係るポリペプチドはさらにヒスチジンタグを含むことができ、これを本明細書では「ヒスチジンタグ型」と称する。好ましくはこのヒスチジンタグは、ポリペプチドのC末端に見いだされる。好ましくはこのヒスチジンタグは1-10のヒスチジン残基(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10残基)を含む。より好ましくはこのヒスチジンタグは6残基を含む。故に好ましいポリペプチドは、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号32、および/または配列番号36に記載の配列を含むポリペプチドである。 配列番号16に記載の配列を有するポリペプチドは、本明細書では以後「ヒスチジンタグ代替的成熟INSP163ポリペプチド」と称する。配列番号18に記載の配列を有するポリペプチドは、本明細書では以後「ヒスチジンタグINSP163-Aポリペプチド」と称する。配列番号20に記載の配列を有するポリペプチドは、本明細書では以後「ヒスチジンタグINSP163-Bポリペプチド」と称する。配列番号22に記載の配列を有するポリペプチドは、本明細書では以後「ヒスチジンタグINSP163-Cポリペプチド」と称する。配列番号24に記載の配列を有するポリペプチドは、本明細書では以後「ヒスチジンタグINSP163-Dポリペプチド」と称する。配列番号26に記載の配列を有するポリペプチドは、本明細書では以後「ヒスチジンタグINSP163-Eポリペプチド」と称する。配列番号28に記載の配列を有するポリペプチドは、本明細書では以後「ヒスチジンタグINSP163-Fポリペプチド」と称する。配列番号32に記載の配列を有するポリペプチドは、本明細書では以後「ヒスチジンタグINSP163ポリペプチド」と称する。配列番号36に記載の配列を有するポリペプチドは、本明細書では以後「ヒスチジンタグ成熟INSP163ポリペプチド」と称する。 本明細書中で使用する「INSP163ポリペプチド」または「INSP163」という語は、代替的成熟INSP163ポリペプチド、成熟INSP163ポリペプチド、INSP163-Aポリペプチド、INSP163-Bポリペプチド、INSP163-Cポリペプチド、INSP163-Dポリペプチド、INSP163-Eポリペプチド、INSP163-Fポリペプチド、INSP163ポリペプチド、ヒスチジンタグ代替的成熟INSP163ポリペプチド、ヒスチジンタグINSP163-Aポリペプチド、ヒスチジンタグINSP163-Bポリペプチド、ヒスチジンタグINSP163-Cポリペプチド、ヒスチジンタグINSP163-Dポリペプチド、ヒスチジンタグINSP163-Eポリペプチド、ヒスチジンタグINSP163-Fポリペプチド、ヒスチジンタグINSP163ポリペプチド、ヒスチジンタグ成熟INSP163ポリペプチドおよび全長INSP163(シグナルペプチドを伴う成熟INSP163ポリペプチド)を包含する。 好ましくは、この核酸分子は、配列番号1(代替的成熟INSP163ポリペプチドをコードしている)、配列番号3(INSP163-Aポリペプチドをコードしている)、配列番号5(INSP163-Bポリペプチドをコードしている)、配列番号7(INSP163-Cポリペプチドをコードしている)、配列番号9(INSP163-Dポリペプチドをコードしている)、配列番号11(INSP163-Eポリペプチドをコードしている)、配列番号13(INSP163-Fポリペプチドをコードしている)、配列番号15(ヒスチジンタグ代替的成熟INSP163ポリペプチドをコードしている)、配列番号17(ヒスチジンタグINSP163-Aポリペプチドをコードしている)、配列番号19(ヒスチジンタグINSP163-Bポリペプチドをコードしている)、配列番号21(ヒスチジンタグINSP163-Cポリペプチドをコードしている)、配列番号23(ヒスチジンタグINSP163-Dポリペプチドをコードしている)、配列番号25(ヒスチジンタグINSP163-Eポリペプチドをコードしている)、配列番号27(ヒスチジンタグINSP163-Fポリペプチドをコードしている)、配列番号29(INSP163ポリペプチドをコードしている)、配列番号31(ヒスチジンタグINSP163ポリペプチドをコードしている)、配列番号33(成熟INSP163ポリペプチドをコードしている)、配列番号35(ヒスチジンタグ成熟INSP163ポリペプチドをコードしている)に記載の核酸配列を含む。 好ましくは、この核酸分子は、配列番号1(代替的成熟INSP163ポリペプチドをコードしている)、配列番号3(INSP163-Aポリペプチドをコードしている)、配列番号5(INSP163-Bポリペプチドをコードしている)、配列番号7(INSP163-Cポリペプチドをコードしている)、配列番号9(INSP163-Dポリペプチドをコードしている)、配列番号11(INSP163-Eポリペプチドをコードしている)、配列番号13(INSP163-Fポリペプチドをコードしている)、配列番号15(ヒスチジンタグ代替的成熟INSP163ポリペプチドをコードしている)、配列番号17(ヒスチジンタグINSP163-Aポリペプチドをコードしている)、配列番号19(ヒスチジンタグINSP163-Bポリペプチドをコードしている)、配列番号21(ヒスチジンタグINSP163-Cポリペプチドをコードしている)、配列番号23(ヒスチジンタグINSP163-Dポリペプチドをコードしている)、配列番号25(ヒスチジンタグINSP163-Eポリペプチドをコードしている)、配列番号27(ヒスチジンタグINSP163-Fポリペプチドをコードしている)、配列番号29(INSP163ポリペプチドをコードしている)、配列番号31(ヒスチジンタグINSP163ポリペプチドをコードしている)、配列番号33(成熟INSP163ポリペプチドをコードしている)、配列番号35(ヒスチジンタグ成熟INSP163ポリペプチドをコードしている)に記載の核酸配列より成る。 本明細書中で使用する「治療および/または予防」という語は、疾患の形成、発症、進行の、または、疾患の徴候のうち任意の一つもしくは幾つかもしくは全ての形成、発症または進行の、減弱、低下、または部分的、実質的もしくは完全な防止もしくは遮断を包含する。 好ましくは、「癌」とは、血液およびリンパ系に由来する癌、皮膚癌、消化器系の癌、泌尿器系の癌、乳癌、卵巣癌、婦人科系癌、絨毛癌、肺癌、脳腫瘍、骨腫瘍、カルチノイド腫瘍、鼻咽頭癌、後腹膜肉腫、軟組織腫瘍、甲状腺癌または原発不明癌から選ばれる。 好ましくは、本明細書で互換的に使用される「肺の腫瘍」または「肺癌」とは、良性または悪性の原発性腫瘍、または他の多くの臓器および組織の原発性癌からの転移から選ばれる。 好ましくは、肺癌は、気管支原性癌、気管支カルチノイド、軟骨性過誤腫(良性)、孤立性リンパ腫、肉腫(悪性)または多病巣性リンパ腫を包含する原発性肺腫瘍から選ばれる。 好ましくは、気管支原性癌は、扁平上皮癌、未分化小細胞癌、未分化大細胞癌、腺癌または気管支肺胞癌から選ばれる。 好ましくは、気管支原性癌は扁平上皮癌または非小細胞肺癌である。 好ましくは、肺癌は、皮膚、乳房、結腸、前立腺、腎臓、甲状腺、胃、頸部、直腸、精巣、および骨の原発性癌からの、ならびにメラノーマからの転移から選ばれる。 互換的に使用できる「気管支カルチノイド」または「気管支腺腫」という語は、良性であることも悪性であることもあり、両性に等しく起こる。その経過は長い。この腫瘍の気管支内部分は主気管支内腔を閉塞し得る。しばしば、上を覆っている粘膜から激しい出血が起こる。同じ肺野内の反復性肺炎およびそれを覆う胸膜の局所疼痛が一般的である。転移はまれであるが、局所リンパ節に起こることがある。 好ましくは、「筋骨格/結合組織疾患」とは、骨および関節の腫瘍、びまん性結合組織疾患、骨粗鬆症、脊椎炎に随伴する関節炎、骨のパジェット病、変形性関節症(OA)および神経原性関節障害、非関節性リウマチ、虚血壊死、一般的な足および足首の障害、骨および関節の感染症、一般的な手の障害、結晶誘発性病態または一般的なスポーツ障害から選ばれる疾患である。 「変形性関節症」(OA)は、原発性(特発性)または何らかの既知原因に続発するものに分類される。原発性全身性OAは、遠位および近位指節間関節(ヘバーデンおよびブシャール結節を生ずる)、第一手根中手骨関節、頸椎および腰椎の椎間円板および関節突起間関節、第一中足指節関節、股関節、および膝を含む。好ましくは「変形性関節症」は、びらん性炎症性OAおよび迅速破壊的な肩のOAおよびより頻度は低いが高齢者の股関節および膝のOAを含む原発性OAの亜分類から選択される。好ましくは「変形性関節症」は、汎発性特発性骨増殖症(これは、大きなOA様脊椎骨棘を含むが関節軟骨の喪失を全くまたは殆ど伴わない症候群である)、若者の膝蓋軟骨の軽度OAである膝蓋軟骨軟化症、または、肥大性肺性骨関節症から選ばれる。 好ましくは「変形性関節症」は、先天的な関節異常;遺伝的欠陥;感染性、代謝性、内分泌性、および神経傷害性疾患;硝子軟骨の正常な構造および機能を変化させる疾患(例えば、関節リウマチまたはRA、痛風および軟骨石灰化症)、ならびに硝子軟骨または周囲組織への (骨折を含む) 外傷(例えば、鋳造作業、採炭およびバスの運転といった職業に関連する、関節または関節群の長期酷使に由来する)から誘導される二次的OAから選択される。 本明細書で使用する「INSP163」という語は、同封の配列表に記載の配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34もしくは配列番号36(全てヒト)の配列の全体または一部、ならびにそれらの塩、イソ型、ムテイン、活性画分、機能的誘導体および循環的に順序を変えた誘導体を含む蛋白に関するものである。人間に実質的な免疫反応を誘起せずにその蛋白に生物活性を示させるという点でそれらの蛋白間に充分な同一性がある限り、ヒト以外の種、例えばマウスまたはラット由来のINSP163を本発明に従って使用することもできる。 本明細書で使用する「INSP163」という語はさらに、肺癌および/または変形性関節症またはその他の癌および/または筋骨格/結合組織疾患において所望の活性を示す、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34もしくは配列番号36の、任意のフラグメント、部分、ドメインまたはサブドメインに関するものである。この蛋白の蛋白フラグメント、イソ型、様々にグリコシル化もしくはシアリル化された型またはこの蛋白の1またはそれ以上のドメインを、それらが癌および/または筋骨格/結合組織疾患に有益な効果、好ましくは少なくとも全長蛋白に匹敵する効果を示す限り、本発明に従って使用することができる。その有益な効果は、下記実施例に記載のインビトロまたはインビボ試験の一つで、または、癌および/または筋骨格/結合組織疾患、特に肺癌および/または変形性関節症における効果を立証するに充分なその他任意のアッセイで測定することができる。 本発明によればINSP163は、天然に存在する、即ち天然の蛋白または組換え蛋白であってよい。組換え生産は、真核細胞、例えば酵母細胞もしくは哺乳動物細胞、好ましくはCHO細胞、HEK細胞(ヒト胎児腎細胞)で、またはヒト線維芽細胞もしくは細胞株で実施できる。E.コリ(E.coli)のような原核細胞で産生することもできる。 好ましくは、INSP163は1またはそれ以上の部位でグリコシル化される。必要に応じて、そして蛋白の産生もしくは単離原料によってはグリコシル化されていないこともある。 好ましくは、本発明に係るポリペプチドは配列番号30の残基43および/または281でグリコシル化されている。 本明細書において「塩」という語は、INSP163分子もしくはその類似体のカルボキシル基の塩およびアミノ基の酸付加塩の両者を指す。カルボキシル基の塩は当分野で既知の手段によって生成でき、無機塩、例えばナトリウム、カルシウム、アンモニウム、鉄または亜鉛塩など、および、例えばアミン、例えばトリエタノールアミン、アルギニンまたはリジン、ピペリジン、プロカインなどによって生成される有機塩基との塩を包含する。酸付加塩は、例えば鉱酸、例えば塩酸または硫酸との塩、および有機酸、例えば酢酸または蓚酸との塩を包含する。無論、このような塩はいずれも本発明に関連するINSP163の生物活性を保持、即ち癌および/または筋骨格/結合組織疾患、特に肺癌および/または変形性関節症への有益な効果を示さねばならない。 INSP163のイソ型またはスプライス変異体もまた、それらが疾患の進行および/または当該疾患の症状を阻害できる限り、本発明に従って使用できる。 本明細書で使用する「ムテイン」という語は、天然INSP163のアミノ酸残基の1もしくはそれ以上が別のアミノ酸残基に置換されているか、または除去されているか、または1もしくはそれ以上のアミノ酸残基がINSP163の天然配列に付加されていて、好ましくは少なくとも野生型INSP163と同じ活性を有するか、または遙かに高い活性を有するようなINSP163の類似体を指す。INSP163の生物活性は、例えばアポトーシスを誘発する能力についてINSP163をアッセイすることによって測定できる。非小細胞肺癌細胞におけるIKK2活性を測定するための実施例3に記載のアッセイは、INSP163が細胞死を誘発するかどうかの決定に好適である。蛋白-蛋白相互作用を評価するアッセイは当業者に周知である。そのようなアッセイの例は、ELISA型結合検定、免疫沈降検定、またはBIAコア系のようなその他任意の適当な系での測定である。これらのムテインは、既知の合成および/または部位特異的突然変異誘発技術、またはその他任意の適当な技術によって製造する。 このようなムテインのいかなるものも、好ましくはINSP163と充分に重複したアミノ酸配列を有し、例えばINSP163と少なくとも実質的に類似の活性を持っている。INSP163突然変異体の活性は、下記実施例(実施例3)で説明するアッセイでさらに試験することができる。例えばINSP163で処置した非小細胞肺癌細胞の細胞死を測定することが、INSP163突然変異体の活性を評価するための好適な試験となり得る。 本発明に係るムテインは、本発明に従いストリンジェント条件下でINSP163をコードしているDNAまたはRNAとハイブリダイズする核酸、例えばDNAまたはRNAによりコードされている蛋白を包含する。「ストリンジェント条件」という語は、当業者が通常「ストリンジェント」と呼ぶハイブリダイゼーションおよびその後の洗浄条件を指す。Ausubel et al., Current Protocols in Molecular Biology(上記), Interscience, N. Y., §§6.3および6.4(1987, 1992)、およびSambrook et al. (Sambrook, J. C., Fritsch, E. F., and Maniatis, T.(1989) Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY)を参照されたい。 これに限定される訳ではないが、ストリンジェント条件の例は、被検ハイブリッドの理論的Tmより12-20℃低い温度で、例えば2 x SSCおよび0.5% SDSで5分間、2 x SSCおよび0.1% SDSで15分間;0.1 x SSCおよび0.5% SDS、37℃で30-60分間、次いで0.1 x SSCおよび0.5% SDS、68℃で30-60分間という洗浄条件を含む。当業者は、ストリンジェント条件は、DNA配列、オリゴヌクレオチドプローブ(例えば10-40塩基)または混合オリゴヌクレオチドプローブの長さにも依存することが理解できるであろう。混合プローブを使用する場合、SSCの代わりにテトラメチルアンモニウムクロリド(TMAC)を使用するのが好ましい。Ausubel(上記)を参照されたい。 このようなムテインのいかなるものも、好ましくはINSP163と充分に重複するアミノ酸配列を有し、例えばINSP163と実質的に類似の、またはより優れた生物活性を持っている。 一つの容易に測定可能なINSP163活性は、癌細胞(例えばA549細胞)の細胞死を誘発する能力である。ムテインが癌細胞(例えばA549細胞。実施例3を参照されたい)の細胞死を誘発する実質的な活性を有する限り、それはINSP163と実質上類似の活性を有すると考えられる。したがって、与えられた任意のムテインが、INSP163と少なくとも実質上同じ活性を有するかどうかを、当該ムテインを対象とすること含む通常の実験によって決定することができる。 好ましい態様では、このようなムテインのいかなるものも、INSP163の配列と少なくとも40%の一致または相同性を有する。より好ましくは、それは少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、または最も好ましくは少なくとも90%の一致または相同性を有する。 一致は、配列を比較することにより決定される、2もしくはそれ以上のポリペプチド配列または2もしくはそれ以上のポリヌクレオチド配列間の関係を示す。一般に、一致とは、比較される配列の長さにわたった、2つのポリヌクレオチドまたは二つのポリペプチド配列それぞれの、ヌクレオチド対ヌクレオチドまたはアミノ酸対アミノ酸の正確な対応を意味する。 正確に一致しない配列に対しては「%一致」を決定できる。一般に、比較しようとする二つの配列を、配列間に最大の相関を与えるようにアラインする。これは、アラインメントの程度を高めるために一方または両方の配列に「ギャップ」を挿入することを含み得る。%一致は、比較する各配列の全長にわたって決定でき(いわゆるグローバルアラインメント)、これは、同じまたは極めて似通った長さの配列に対して特に好適であり、或いは、より短い限定的長さに対して決定でき(いわゆるローカルアラインメント)、これは、同じでない長さの配列に対してより適当である。 2またはそれ以上の配列の一致および相同性を比較する方法は当分野で周知である。即ち例えば、Wisconsin Sequence Analysis Package, version 9.1(Devereux J et al, 1984)で入手可能なプログラム、例えばプログラムBESTFITおよびGAPを使用して、二つのポリヌクレオチド間の%一致ならびに二つのポリペプチド配列間の%一致および%相同性を決定することができる。BESTFITは、Smith and Waterman(1981)の「ローカル相同性」アルゴリズムを使用して、二つの配列間で最良の類似性を持つ単一の領域を見いだす。配列間の一致および/または相同性を決定するための他のプログラム、例えばBLASTファミリーのプログラム(Altschul S F et al, 1990, Altschul S F et al, 1997、NCBIのホームページからアクセス可能(www.ncbi.nlm.nih.gov))およびFASTA(Pearson W R, 1990;Pearson 1988)もまた当分野で既知である。 本発明に従って使用できるINSP163のムテインまたはそれらをコードしている核酸は、本明細書に記載の技術および手引きに基づき過度の実験をせずに当業者が日常的に入手できる、置換ペプチドまたはポリヌクレオチドとしての、実質的に対応する配列の有限集合を包含する。 本発明に従う好ましいムテインの変化は、「保存的」置換として知られるものである。INSP163ポリペプチドまたは蛋白の保存的アミノ酸置換は、その群の成員間での置換が当該分子の生物学的機能を保持するような、充分似通った物理化学的性質を有する群内の同義的アミノ酸を包含できる(Grantham, 1974)。特に挿入または除去が数個のアミノ酸、例えば30未満、好ましくは10未満のアミノ酸しか含まず、しかも機能的コンホメーションにとって必須のアミノ酸、例えばシステイン残基を除去または移動させない場合には、上記定義による配列においてアミノ酸の挿入および除去を、それらの機能を変化させずに行い得るという事が明白である。このような除去および/または挿入によって生成される蛋白およびムテインは、本発明の範囲内に包含される。 好ましくは、同義的アミノ酸群は表1に定義されるものである。より好ましくは、同義的アミノ酸群は表IIに定義されるものであり、最も好ましくは同義的アミノ酸は表IIIに定義されるものである。 本発明で使用するためのINSP163ポリペプチドまたは蛋白のムテインを取得するために使用できる蛋白のアミノ酸置換を生成する例には、任意の既知の方法段階、例えば米国特許4959314、4588585および4737462(Mark et al);5116943(Koths et al.)、4965195(Namen et al);4879111(Chong et al);および5017691(Lee et al);ならびに米国特許第4904584号(Shaw et al)に記載のリジン置換蛋白がある。 「融合蛋白」という語は、例えば体液中での延長された滞留時間を有する、他の蛋白と融合した、INSP163を含むポリペプチドまたはそのムテインを指す。例えば、ヒトの体内での半減期といったような当該分子の生物活性を改善できる、蛋白の全体または機能的部分に融合したINSP163の全体または機能的部分を含む融合蛋白が、本発明にとって好ましい。好ましい態様では、この融合蛋白は、免疫グロブリン(Ig)融合を含む。免疫グロブリンの全体または一部と融合したINSP163の全体または一部を含む融合蛋白が、極めて好ましい。これらは単量体または多量体、ヘテロ多量体またはホモ多量体であってよい。この融合蛋白は、免疫グロブリンの不変領域、特に免疫グロブリンのFc部分の不変領域を含むのが有利である。免疫グロブリンがIgG1またはIgG2アイソタイプである態様が、本発明にとってさらに好ましい。好ましくはこの融合はFc融合である。 このようにINSP163は、他の蛋白、ポリペプチドなど、例えば免疫グロブリンまたはそのフラグメントと融合できる。融合は、直接的であっても、または長さ1ないし3アミノ酸残基という短い、またはこれより長い、例えば13アミノ酸残基長であることのできる短いリンカーペプチドを介するものであってもよい。このリンカーは、INSP163配列および免疫グロブリン配列の間に導入される、例えば配列E-F-M(Glu-Phe-Met)というトリペプチドであってよく、または、Glu-Phe-Gly-Ala-Gly-Leu-Val-Leu-Gly-Gly-Gln-Phe-Metを含む13アミノ酸リンカー配列であってもよい。 本明細書で使用する「機能的誘導体」とは、当分野で既知の手段によって残基上の側鎖またはNもしくはC末端基として存在する官能基から製造できる、INSP163の誘導体ならびにそれらのムテインおよび融合蛋白を包含し、それらは、医薬として許容され続ける限り、即ち、INSP163の活性と少なくとも実質的に類似の蛋白の活性を破壊せず、それを含有する組成物に毒性を与えない限り、本発明に包含される。故に、好ましい態様では、機能的誘導体は、1またはそれ以上の官能基に結合した少なくとも1個の部分を含み、その官能基が当該アミノ酸残基上の1またはそれ以上の側鎖として存在する。 本発明によれば、ポリエチレングリコール(PEG)側鎖は極めて好ましい部分である。PEG側鎖は抗原部位を遮蔽し、それらが結合している物質の、体液中での滞留を延長することができる。他の誘導体には、カルボキシル基の脂肪族エステル、アンモニアまたは1級もしくは2級アミンとの反応によるカルボキシル基のアミド、アシル部分を用いて生成されるアミノ酸残基の遊離アミノ基のN-アシル誘導体(例えば、アルカノイルまたは炭素環式アロイル基)、またはアシル部分を用いて生成される遊離ヒドロキシ基 (例えば、セリルまたはスレオニル残基のヒドロキシ基) のO-アシル誘導体がある。 INSP163およびそのムテインおよび融合蛋白の「活性画分」とは、その活性画分が少なくともINSP163と実質上類似の活性を有する限り、単独の、またはそれに結合した随伴分子または残基、例えば糖または燐酸残基を伴う当該蛋白分子のポリペプチド鎖の任意のフラグメントもしくは前駆体、または、当該蛋白分子の凝集体または糖残基自身を包含する。 本発明によれば、INSP163は、当該核酸分子を含むベクターの形態で人間の体に投与することもできる。故に、本発明はさらに、肺癌および/または変形性関節症の治療および/または予防のための薬物を製造するための、当該核酸分子を含むベクターの使用に関するものである。好ましくは、このベクターは、INSP163のコード配列の全体または一部に作用可能に結合したプロモーターを含む発現ベクターである。さらに好ましい態様では、このベクターは遺伝子治療ベクターである。遺伝子治療ベクターは当分野で既知であり、それらの殆どはウイルスから誘導されるベクター、例えばアデノウイルスまたはレンチウイルスベクターである。 本発明によれば、INSP163はINSP163を産生および/または分泌する細胞の形態で人間の体に投与することもできる。故に本発明はさらに、肺癌および/または変形性関節症またはその他任意の癌および/または筋骨格/結合組織疾患の治療および/または予防のための薬物を製造するための、INSP163を発現する細胞の使用、即ち、肺癌および/または変形性関節症またはその他の癌および/または筋骨格/結合組織疾患の治療および/または予防のための細胞療法に関するものである。この細胞は、天然に産生されるINSP163および/または組換えINSP163を産生するトランスフェクトされた細胞であってよい。大量の蛋白を発現および分泌する細胞、例えばINSP163をコードしている核酸分子を含む発現ベクターを多コピー有する過剰発現細胞が好ましい。 本発明はさらに、癌および/または筋骨格/結合組織疾患、特に肺癌および/または変形性関節症の治療および/または予防のための薬物を製造するための、INSP163の全体または一部をコードしている核酸分子を含むベクターを含む細胞に関するものである。本発明に係るポリペプチドを産生するよう遺伝的に改変された細胞もまた、本発明の範囲内にある。 通常はサイレントな、または充分量でないインヒビターを発現する細胞においてINSP163の体内産生を誘導および/または増強する発現ベクターの使用もまた本発明によって企図される。したがって本発明は、所望蛋白の産生のための内因性遺伝子活性化(EGA)として知られる技術を利用するものである。 本発明によれば、INSP163を単独で、または幾つかの他の治療レジメンまたは物質と組み合わせて(例えば多剤レジメン)投与して、癌または筋骨格/結合組織疾患の治療および/または予防のための相加または相乗効果を得ることができる。故に、好ましくは本発明に係る薬物はさらに、 ・インターフェロン、特にインターフェロン-β、または、 ・腫瘍壊死因子(TNF)アンタゴニスト、特に可溶性TNFR、例えば可溶性p55(TBPI)および/または可溶性p75(TBP II)、または、 ・抗癌剤、または、 ・抗関節炎剤、を含む。 抗癌剤は、シスプラチンおよびカルボプラチンのような白金化合物、ビノレルビン、ビンクリスチン、およびビンブラスチンのようなビンカアルカロイド、ドセタキセルおよびパクリタキセルのようなタキシン類、ならびに種々のトポイソメラーゼインヒビターから選択される。 抗関節炎剤は、NSAID、アセトアミノフェン、イブプロフェン、COX-2インヒビター(コキシブ)、プレジゾンのようなコルチコステロイド、ヒアルロン酸、ヒアルガンまたはARTZから選択される。 全ての処置は、同時、連続的、または個別的使用を意図する。 INSP163と共に1またはそれ以上の上記物質を含む医薬組成物は、本発明の範囲内にある。 本発明のさらに別の態様では、INSP163をTNFアンタゴニストと組み合わせて使用する。TNFアンタゴニストは幾つかのやり方でその作用を発揮する。第一に、アンタゴニストは、TNFレセプター結合を担うTNFエピトープまたはエピトープ群を部分的または実質的に中和するに充分な親和性および特異性をもってTNF分子自身に結合またはこれを封鎖できる(本明細書では以後これを「封鎖アンタゴニスト」と称する)。封鎖アンタゴニストは例えばTNFに対する抗体であってよい。 或いはTNFアンタゴニストは、TNF結合後に細胞表面レセプターにより活性化されるTNFシグナル伝達経路を阻害することができる(以後「シグナル伝達アンタゴニスト」と称する)。TNFアンタゴニストは、感受性細胞株、例えばヒトB細胞(この場合、TNFは増殖および免疫グロブリン分泌を惹起する)において天然TNFの活性に及ぼすそれらの効果について候補物質を常套的にスクリーニングすることにより、インビトロで容易に評価および同定される。このアッセイは、種々の希釈、例えばアッセイで使用するTNFモル量の0.1ないし100倍の候補アンタゴニストのTNF調製物、ならびにTNFを含まない、またはアンタゴニストのみを含む対照を含む(Tucci et al., 1992)。 封鎖アンタゴニストは、本発明に従って使用される好ましいTNFアンタゴニストである。封鎖アンタゴニストの中でも、高い親和性でTNFと結合し免疫原性の低いポリペプチドが好ましい。可溶性TNFレセプター分子およびTNFに対する中和抗体が特に好ましい。例えば、TNF-RI(p55)およびTNF-RII(p75)の可溶性型が本発明において有用である。当該レセプターの細胞外ドメインまたはその機能性部分を含む、これらのレセプターの切断型は、本発明に従うさらに好ましいアンタゴニストである。末端切除可溶性TNF I型およびII型レセプターが、例えばEP914431に記載されている。 TNFレセプターの切断型は可溶性であり、尿および血清中に約30kDaまたは40kDa TNF阻害性結合蛋白として検出されている(これらは各々TBP IおよびTBP IIと呼ばれている)(Engelmann et al., 1990)。本発明によれば、TNFアンタゴニストおよび/またはインターフェロンとの、INSP163の同時、連続的または個別的使用が好ましい。 本発明によれば、TBP IおよびTBP IIは、INSP163と組み合わせて使用するための好ましいTNFアンタゴニストである。このレセプター分子の誘導体、フラグメント、領域および生物活性部分は、本発明で使用できるレセプター分子と機能上類似している。レセプター分子のこのような生物活性等価物または誘導体とは、充分なサイズを持ち、膜に結合したTNFレセプターとの相互作用が阻害または遮断されるような親和性をもってTNFに結合できる、当該ポリペプチドの一部またはレセプター分子をコードしている配列の一部を意味する。 さらなる好ましい態様では、ヒト可溶性TNF-RI(TBP I)が、本発明に従って使用されるTNFアンタゴニストである。天然および組換え可溶性TNFレセプター分子およびそれらの産生方法は、欧州特許EP308378、EP398327およびEP433900に記載されている。 疾患の初期段階でTNF-αを遮断することは有益であるが、疾患の進行につれてTNF自身が有益な効果を発揮し得るという事が後の段階で議論された(Abraham et al., 2000)。故に、本発明はさらに、肺癌および/または変形性関節症の、特に進行段階の疾患の治療または予防のための、INSP163およびTNFの組み合わせに関するものである。TNF-αまたはTNF-βを本発明に従って使用できる。 本発明はさらに、任意に1またはそれ以上の医薬として許容し得る担体、希釈剤または賦形剤と共にINSP163を含む、癌および/または筋骨格/結合組織疾患、特に肺癌および/または変形性関節症の治療および/または予防のための医薬組成物に関するものである。この医薬組成物はさらに、上に記載したさらなる成分、好ましくはインターフェロンを含むことができる。 本発明に係る医薬組成物はさらに、本発明に係る核酸分子を含むベクター、またはINSP163を発現する細胞を含むことができる。 この薬物の活性成分、即ち、本発明に係るポリペプチド、核酸または細胞、またはそれらの組み合わせ、ならびに上記物質の組み合わせを、種々の方法で個体に投与することができる。投与経路には、皮内、経皮(例えば、徐放製剤)、筋肉内、腹腔内、静脈内、皮下、経口、硬膜外、局所、および鼻内経路がある。その他任意の治療上有益な投与経路、例えば上皮または内皮組織を介した吸収、または活性物質をコードしているDNA分子を患者に投与する(例えばベクターによって)遺伝子治療(これは活性物質のインビボ発現および分泌を惹起する)を利用することもできる。加えて、本発明に係る蛋白(群)を生物活性物質の他の成分、例えば医薬として許容し得る界面活性剤、賦形剤、担体、希釈剤およびビヒクルと共に投与することもできる。 「医薬として許容し得る」という定義は、活性成分の生物活性の有効性を妨げない、そしてそれが投与される宿主にとって毒性でない、任意の担体の包含を意味する。例えば、非経口投与のためには、活性蛋白は、生理食塩水、デキストロース溶液、血清アルブミンおよびリンゲル液のようなビヒクル中で注射用の単位投薬形態に調合できる。 非経口(例えば、静脈内、皮下、筋肉内)投与のためには、活性蛋白(群)を、医薬として許容し得る非経口ビヒクル(例えば、水、生理食塩水、デキストロース溶液)ならびに等張性を維持する添加物(例えばマンニトール)または化学的安定性を維持する添加物(例えば保存剤および緩衝剤)と共に、溶液、懸濁液、エマルジョンまたは凍結乾燥粉末に調合することができる。この製剤を、一般に使用される技術によって滅菌する。 本発明に係る活性蛋白のバイオアベイラビリティーを、人間の体内での当該分子の半減期を増大させるコンジュゲーション方法、例えばPCT特許出願WO92/13095に記載のようにこの分子をポリエチレングリコールに結合させる方法を用いて改善することもできる。 活性蛋白(群)の治療有効量は、レセプターのタイプ、レセプターに対する本発明物質の親和性、それにより発現される任意の残留細胞毒性、投与経路、患者の臨床状態、といった多くの変化要因の関数となる。 「治療有効量」とは、投与された時に本発明に係る物質が疾患の発現または進行にインビボで有益な効果をもたらす事である。単一または複数用量としての個体への投与量は、INSP163の薬物動態学的性質、投与経路、患者の状態および性質(性別、年齢、体重、健康、体格)、症状の程度、同時に行われる治療、治療頻度および所望の効果を包含する様々な因子に応じて変わる。確立された用量範囲の調節および操作は、充分に当業者の能力の範囲内にある。 必要な本発明に係るポリペプチドの用量は、約0.0001ないし100mg/kgまたは約0.01ないし10mg/kgまたは約0.1ないし5mg/kgまたは約1ないし3mg/kgまで変わり得るが、上記のように、これは大幅な治療上の裁量下にある。本発明に係る薬物は、毎日、隔日、または週に3回投与できる。 日用量は通常、分割用量で、または所望の結果を得るために有効な持続放出剤型で投与する。2回目またはその後の投与は、初回または前回その個体に投与した用量と同じか、より少ないか、またはより多い用量で実施できる。2回目またはその後の投与は、疾患の最中または発症に先立って投与できる。 本発明はさらに、それを必要とする患者に、任意に医薬として許容し得る担体と共に本発明に係る物質の有効量を投与することを含む、癌および/または筋骨格/結合組織疾患、特に肺癌および/または変形性関節症の治療および/または予防のための方法に関するものである。或いは、またはこれに加えて、INSP163を産生する細胞、または任意に発現ベクター中に入れた本発明に係る核酸分子を、本発明に従って投与することができる。 発現ベクターは全身投与することができる。好ましくは、発現ベクターは筋肉内注射によって投与する。さらに好ましい投与経路は吸入であり、特に、疾患に肺癌が含まれる場合には好ましい。INSP163配列を含む発現ベクターまたは本発明に係るINSP163ポリペプチドの局所投与はさらに好ましい投与経路であり、特に皮膚が関わっている場合には好ましい。 本発明はさらに、INSP163の有効量を医薬として許容し得る担体と混合することを含む医薬組成物の製造方法、ならびに、それを必要とする宿主にINSP163の有効量を投与することを含む、癌および/または筋骨格/結合組織疾患の治療および/または予防方法に関するものである。 雑誌の記事または要約、公開されたまたは公開されていない特許出願、登録された特許またはその他任意の参考文献を包含する、本明細書に引用した全ての参考文献は、その引用文献に記載された全てのデータ、表、図面および文章を含めて、引用により本明細書の一部とする。さらに、本明細書に引用した参考文献中に引用されている参考文献の全内容もまた、引用により本明細書の一部とする。 既知方法の段階、常套的方法の段階、既知方法または常套的方法に対する言及は、本発明の何らかの側面、説明または態様が、関連技術に開示、教示または示唆されているとの容認を表すものでは決してない。 前記の具体的態様の説明は本発明の一般的性質を完全に表しているため、当分野における通常の知識(本明細書に引用した文献の内容を含む)を適用することにより、過度の実験をせずに、本発明の一般概念を逸脱することなく、そのような具体的態様を容易に修飾および/または様々な応用へと適合させる事ができる。したがって、このような適合および修飾は、本明細書に記載の教示および手引きに基づき、開示された態様の等価物の範囲内にあることが意図されている。本明細書の語法または用語は説明目的のためであって限定を目的とするものではなく、本明細書の用語または語法は、当業者の知識と組み合わせて、本明細書に記載の教示および手引きに照らして当業者により解釈されるべきであることは明白である。 本発明をこのように説明してきたが、本発明は、例示のために提供され本発明の限定を意図していない以下の実施例を参照することによってより容易に理解されるであろう。 実施例1 - クローニングおよび発現 INSP163のクローニングおよびINSP163のための哺乳動物細胞発現ベクターの組み立てが、国際出願第PCT/GB2004/004544号の実施例4および実施例5に記載されている。 実施例2 - TaqMan分析によるINSP163遺伝子発現レベルの分析 各試料由来の全RNAを、RT-PCR用Superscript III First-Strand Synthesis System (Invitrogen, Cat. No. 18080-051)を用いて最終反応容量20μlで逆転写した。全RNAのうち2μgを、ランダムヘキサマープライマー50ng、dATP、dGTP、dCTP、およびdTTP各10mM、ならびに10μl容量のDEPC処理と混ぜ合わせた。混合物を65℃で5分間インキュベートし、その後氷上で1分間冷却した。別の管に以下のようなcDNA合成ミックス10μlを調製した:10X RT緩衝液2μl、25mM MgCl2 4μl、0.1M DTT2μl、RnaseOUT(登録商標)1μl(40単位/μl)、およびSuperScript(登録商標)III RT酵素1μl(200単位/μl)。このcDNA合成ミックスをRNA/プライマー混合物に加え、穏やかに混合し、25℃で10分間、次いで50℃で50分間インキュベートした。次に85℃で5分間インキュベートすることによりRT酵素を失活させた。混合物を氷上で冷却し、次いでE.コリ(E.coli)のRnaseH(2単位/μl)1μlを加え、混合物を37℃で20分間インキュベートした。混合物を氷上で冷却し、次いで滅菌水で1/250に希釈した。次にこの逆転写酵素反応の希釈液をTaqMan機器(PE Biosystems 7700)でリアルタイムPCR分析に付した。 Primer Expressソフトウェア(PE Biosystems)を用いてヒトINSP163用PCRプライマーおよびハウスキーピング対照遺伝子グリセルアルデヒド三燐酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)を設計した。選択されたプライマーは、h-INSP163-エキソン3-4-331F(配列番号49)およびh-INSP163-エキソン3-4-392R(配列番号50)であった。TaqMan分析に使用するための特異性および最適プライマー濃度を、プラスミドpCR4-TOPO-INSP163の連続希釈についてINSP163遺伝子特異的プライマーを試験することにより決定した。GAPDHイントロン配列に特異的なプライマーを用いるPCR反応を実施することにより、cDNAのゲノムDNA汚染の可能性を排除した。4%アガロースゲル上でPCR生成物を分析することにより非特異的増幅の不在を制御し、予想分子量の単一バンドの生成を確実とした。 SYBR Green PCRマスターミックス(PE Biosystems)25μl(ここには前もってAmpEraseウラシルN-グリコシラーゼ(UNG, PE Biosystems)0.5単位を添加しておいた)、増幅プライマー各300nM、およびRT-PCR生成物5μlを含有する反応容量50μl中で、SYBR GreenリアルタイムPCR反応を実施した。以下のようにプログラムしたABI PRISM 7700(TaqMan)検出系を用いて環化を実施した:50℃2分間を1サイクル;95℃10分間を1サイクル;95℃15秒間、60℃1分間を40サイクル。各反応を二重で行い、結果を平均した。 逆転写されたcDNA試料のプライマー特異的領域をこのように増幅し、それらのサイクル閾値(Ct)を決定した。各cDNA試料のCt値をハウスキーピング遺伝子GAPDHのCt値に対して以下のように正規化した。各cDNA試料におけるGAPDH遺伝子およびINSP163遺伝子間の発現レベルの相違を、Ct値の相違、即ちデルタ(δ)Ct=Ct(GAPDH)−Ct(INSP163)として表した。次に、各試料についての結果を、式フォールド・ディファレンス(Fold Difference) = 2(-δCt)に従い、GAPDHと比較した、検出可能なINSP163遺伝子発現に要するサイクル数におけるフォールド・ディファレンス(fold difference)として表した。最後に、各cDNA試料におけるINSP163遺伝子の発現レベルを、INSP163のフォールド・ディファレンス(Fold Difference)によって100を除することにより、GAPDH遺伝子発現レベル[ここでGAPDH発現レベル=100%である]と比較して示した。結果を表4に示す。 GAPDH発現と比較したINSP163の発現レベルの閾値を1.0と定義すると、TaqMan発現の結果は、1個の肺腫瘍組織および2個の変形性関節症組織において予想外の限定的なINSP163の発現を示す。正常肺組織ではINSP163の発現は観察されない(GAPDHと比較したINSP163の発現レベルは0.12より低い)。この肺腫瘍は気管支原性癌、より具体的には扁平上皮癌である。 この特異的発現パターンは、INSP163が肺癌および変形性関節症に関わっているという結論を導く。国際出願第PCT/GB2004/004544号に記載のポリヌクレオチドまたは対応ポリペプチドを特徴付ける、これらの驚くべき性質は、それらを薬剤または医薬組成物の調製のために特に好適なものとする。 実施例3 - 非小細胞肺癌細胞(A549)においてIKK2活性を決定するためのアッセイ 腫瘍壊死因子-α(TNFα)は、細胞の活性化、分化およびアポトーシスといった多機能を持つ多形質発現性サイトカインである。TNFαは、細胞型特異的な様式でアポトーシス的および抗アポトーシス的作用の両方を発揮する。TNFαの抗アポトーシス作用は、NF-κB活性のアップレギュレーションにより介在されるように見受けられる。TNFαが誘発するNF-κBの活性化は、細胞を細胞死から保護する幾つかの抗アポトーシス蛋白の発現を増大させる。この経路が阻害されると、TNFαは細胞死を誘発する可能性がある。NF-κBの活性化はIKK複合体により介在される。 ヒト肺癌細胞A549細胞でIKK2活性の活性化を測定できるアッセイが開発されている。TNFαはアポトーシス支持経路および抗アポトーシス経路の両者を誘導できることから、シクロヘキシミドによる抗アポトーシス遺伝子発現の遮断は細胞死を導き得る。細胞がいったんアポトーシスを受けると、それらは培地表面から剥離する。細胞をクリスタルバイオレットで固定し、その後洗浄すると、生細胞のみが染色され、これらを540nmで読み取ることができる。したがって、A549細胞における細胞死の決定にこの方法を使用する。 A549細胞をシクロヘキシミドの存在下にTNFαで処置すると、それはアポトーシスをもたらす。IKK経路を誘導するため細胞をIL-1βまたはTNFαで前処置して抗アポトーシス遺伝子をアップレギュレートすると、それはTNFα+シクロヘキシミド処置により誘導される死から細胞を保護し得る。IL-1βによる前処置段階の間、特異的インヒビターでIKK活性を遮断すると、TNFα+シクロヘキシミドの介在する細胞死へのIL1βの保護効果を無効にし得る。したがって、このTNFαシグナル伝達の性質を、A549細胞におけるIKK活性の観察に使用する。IKK-インヒビターはA549細胞においてIL-1β介在保護効果を用量依存的に遮断できるが、EGFでは保護効果はない。IKK活性観察のためのプロトコルは以下のとおりである: 1) A549細胞を播種し(50,000細胞/ウェル)、一晩培養し、 2) 細胞を、無血清培地中で、当該化合物、即ちINSP163ポリペプチドを加えたまたは加えていないIL-1β(1ng/ml)またはTNF-αで一晩前処置する。この化合物はIKK活性の特異的インヒビターである。 3) 細胞をTNF-αおよびシクロヘキシミドで8時間処置し、そして、 4) 細胞死をクリスタルバイオレットを用いて観察する。 この化合物、即ちINSP163は、上記アッセイにおいて非小細胞肺癌細胞(A549細胞)の細胞死を誘導する。故に、INSP163(INSP163ポリペプチド)は、癌、好ましくは肺癌、好ましくは気管支原性癌の治療および/または予防に有用であると結論づけられる。 ポリペプチドが、 a) 配列番号30より成るポリペプチド、または、 b) 配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34もしくは配列番号36のいずれかを含むポリペプチド、または、 c) 配列番号2または配列番号34より成るポリペプチドの成熟型、または、 d) 配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号32、配列番号26、配列番号28、配列番号32、もしくは配列番号36より成るポリペプチドのヒスチジンタグ型、または、 e) 配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、もしくは配列番号14より成るポリペプチドの開裂型、または、 f) 当該ポリペプチドのグリコシル化型[ここでこのポリペプチドは1またはそれ以上の部位でグリコシル化されている]、または、 g) (a)ないし(f)のいずれかのムテイン[ここで、このアミノ酸配列は、(a)ないし(f)に記載の配列の少なくとも一つと、少なくとも40%または50%または60%または70%または80%または90%の一致を有し、INSP163の生物活性を保持している]、または、 h) アミノ酸配列中の任意の変化が(a)ないし(f)に記載のアミノ酸配列に対する保存的アミノ酸置換であり、INSP163の生物活性を保持している、(a)ないし(f)のいずれかのムテイン、または、 i) (a)ないし(h)のいずれかの、塩もしくはイソ型、融合蛋白、機能的誘導体、活性画分または循環的に順序を変えた誘導体、より成る群から選ばれる、癌および/または筋骨格/結合組織疾患の治療および/または予防のための薬物を製造するための、該ポリペプチドの使用。 核酸が、 a) 配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33もしくは配列番号35のいずれかに開示される核酸配列、または、 b) 中等度のストリンジェント条件または高度のストリンジェント条件下で、(a)の核酸配列の相補体にハイブリダイズする核酸配列、または、 c) (a)または(b)のいずれかに記載の核酸配列[ここで、この核酸配列は、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34もしくは配列番号36に記載のアミノ酸配列に対する保存的アミノ酸置換を有するアミノ酸配列をコードしている]、より成る群から選ばれる、癌および/または筋骨格/結合組織疾患の治療および/または予防のための薬物を製造するための、該核酸分子の使用。 (a) 配列番号30より成るポリペプチド、または、 (b) 配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34もしくは配列番号36のいずれかを含むポリペプチド、または、 (c) 配列番号2もしくは配列番号34より成るポリペプチドの成熟型、または、 (d) 配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号32、配列番号26、配列番号28、配列番号32、もしくは配列番号36より成るポリペプチドのヒスチジンタグ型、または、 e) 配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、もしくは配列番号14より成るポリペプチドの開裂型、または、 f) 当該ポリペプチドのグリコシル化型[ここでこのポリペプチドは1またはそれ以上の部位でグリコシル化されている]、または、 g) (a)ないし(f)のいずれかのムテイン[ここで、このアミノ酸配列は、(a)ないし(f)に記載の配列の少なくとも一つと、少なくとも40%または50%または60%または70%または80%または90%の一致を有し、INSP163の生物活性を保持している]、または、 h) アミノ酸配列中の任意の変化が(a)ないし(f)に記載のアミノ酸配列に対する保存的アミノ酸置換であり、INSP163の生物活性を保持している、(a)ないし(f)のいずれかのムテイン、または、 i) (a)ないし(h)のいずれかの、塩もしくはイソ型、融合蛋白、機能的誘導体、活性画分または循環的に順序を変えた誘導体、より成る群から選ばれるポリペプチドを含む、癌および/または筋骨格/結合組織疾患の治療および/または予防のための医薬組成物。 a) 配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33もしくは配列番号35のいずれかに開示される核酸配列、または、 b) 中等度のストリンジェント条件または高度のストリンジェント条件下で、(a)の核酸配列の相補体にハイブリダイズする核酸配列、または、 c) (a)または(b)のいずれかの核酸配列[ここで、この核酸配列は、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34もしくは配列番号36に記載のアミノ酸配列に対する保存的アミノ酸置換を有するアミノ酸配列をコードしている]、より成る群から選ばれる核酸を含む、癌および/または筋骨格/結合組織疾患の治療および/または予防のための医薬組成物。 ポリペプチドが配列番号30の残基43および/または281でグリコシル化されている、請求項3に記載の医薬組成物または請求項1に記載の使用。 融合蛋白が免疫グロブリン(Ig)融合を含む、請求項3に記載の医薬組成物または請求項1に記載の使用。 Ig融合がFc融合である、請求項6に記載の医薬組成物または使用。 機能的誘導体が1またはそれ以上の官能基に結合した少なくとも1個の部分を含み、その官能基が該アミノ酸残基上の1またはそれ以上の側鎖として存在する、請求項3に記載の医薬組成物または請求項1に記載の使用。 当該部分がポリエチレン部分である、請求項8に記載の医薬組成物または使用。 核酸分子が発現ベクター中に含まれる、請求項4に記載の医薬組成物または請求項2に記載の使用。 ベクターが遺伝子治療ベクターである、請求項10に記載の医薬組成物または使用。 癌および/または筋骨格/結合組織疾患の治療および/または予防のための医薬組成物または薬物を製造するための、細胞中で請求項1に記載のポリペプチドの内因性産生を誘導および/または増強するためのベクターの使用。 癌および/または筋骨格/結合組織疾患の治療および/または予防のための医薬組成物または薬物を製造するための、請求項2に記載の核酸分子を含む細胞の使用。 癌および/または筋骨格/結合組織疾患の治療および/または予防のための医薬組成物または薬物を製造するための、請求項1に記載のポリペプチドを発現する細胞の使用。 薬物または医薬組成物が、同時、連続的、または個別的使用のためにインターフェロンをさらに含む、前記請求項のいずれか一項に記載の医薬組成物または使用。 インターフェロンがインターフェロン-βである、請求項15に記載の医薬組成物または使用。 薬物または医薬組成物が、同時、連続的、または個別的使用のために腫瘍壊死因子(TNF)アンタゴニストをさらに含む、請求項1ないし4のいずれかに記載の医薬組成物または使用。 TNFアンタゴニストがTBP Iおよび/またはTBP IIである、請求項17に記載の医薬組成物または使用。 薬物または医薬組成物が、同時、連続的、または個別的使用のために抗癌剤および/または抗関節炎剤をさらに含む、前記請求項のいずれか一項に記載の医薬組成物または使用。 抗癌剤が、シスプラチンおよびカルボプラチンのような白金化合物、ビノレルビン、ビンクリスチン、およびビンブラスチンのようなビンカアルカロイド、ドセタキセルおよびパクリタキセルのようなタキシン類、または種々のトポイソメラーゼインヒビターより成る群から選ばれる、請求項19に記載の医薬組成物または使用。 抗関節炎剤が、NSAID、アセトアミノフェン、イブプロフェン、COX-2インヒビター(コキシブ)、プレジゾンのようなコルチコステロイド、ヒアルロン酸、ヒアルガンまたはARTZより成る群から選ばれる、請求項19に記載の医薬組成物または使用。 癌が、血液およびリンパ系に由来する癌、皮膚癌、消化器系の癌、泌尿器系の癌、乳癌、卵巣癌、婦人科系癌、絨毛癌、肺癌、脳腫瘍、骨腫瘍、カルチノイド腫瘍、鼻咽頭癌、後腹膜肉腫、軟組織腫瘍、甲状腺癌、原発不明癌、皮膚、乳房、結腸、前立腺、腎臓、甲状腺、胃、頸部、直腸、精巣、および骨の原発性癌からの転移ならびにメラノーマからの転移である、前記請求項のいずれか一項に記載の医薬組成物または使用。 肺癌が、気管支原性癌、気管支カルチノイド、軟骨性過誤腫(良性)、孤立性リンパ腫、肉腫、多病巣性リンパ腫、扁平上皮癌、未分化小細胞癌、未分化大細胞癌、腺癌、気管支肺胞癌または非小細胞肺癌である、請求項22に記載の医薬組成物または使用。 筋骨格/結合組織疾患が、骨および関節の腫瘍、びまん性結合組織疾患、骨粗鬆症、脊椎炎に随伴する関節炎、骨のパジェット病、変形性関節症(OA)および神経原性関節障害、非関節性リウマチ、虚血壊死、一般的な足および足首の障害、骨および関節の感染症、一般的な手の障害、結晶誘発性病態または一般的なスポーツ障害である、前記請求項のいずれか一項に記載の医薬組成物または使用。 変形性関節症が、原発性(特発性)OA、例えば汎発性特発性骨増殖症、膝蓋軟骨軟化症、もしくは肥大性肺性骨関節症;または、先天的な関節異常;遺伝的欠陥;感染性、代謝性、内分泌性、および神経傷害性疾患;硝子軟骨の正常な構造および機能を変化させる疾患、例えば関節リウマチもしくはRA、痛風および軟骨石灰化症;または硝子軟骨もしくは周囲組織への外傷、骨折、から誘導される二次的OAから選ばれる、請求項24に記載の医薬組成物または使用。 任意に医薬として許容し得る担体と共に、請求項1または請求項2に記載の物質の有効量を、それを必要とする患者に投与することを含む、癌および/または筋骨格/結合組織疾患の治療および/または予防のための方法。 癌が、血液およびリンパ系に由来する癌、皮膚癌、消化器系の癌、泌尿器系の癌、乳癌、卵巣癌、婦人科系癌、絨毛癌、肺癌、脳腫瘍、骨腫瘍、カルチノイド腫瘍、鼻咽頭癌、後腹膜肉腫、軟組織腫瘍、甲状腺癌、原発不明癌、皮膚、乳房、結腸、前立腺、腎臓、甲状腺、胃、頸部、直腸、精巣、および骨の原発性癌からの転移ならびにメラノーマからの転移である、請求項26に記載の方法。 肺癌が、気管支原性癌、気管支カルチノイド、軟骨性過誤腫、孤立性リンパ腫、肉腫、多病巣性リンパ腫、扁平上皮癌、未分化小細胞癌、未分化大細胞癌、腺癌、気管支肺胞癌または非小細胞肺癌である、請求項27に記載の方法。 筋骨格/結合組織疾患が、骨および関節の腫瘍、びまん性結合組織疾患、骨粗鬆症、脊椎炎に随伴する関節炎、骨のパジェット病、変形性関節症(OA)および神経原性関節障害、非関節性リウマチ、虚血壊死、一般的な足および足首の障害、骨および関節の感染症、一般的な手の障害、結晶誘発性病態または一般的なスポーツ障害である、請求項26に記載の方法。 変形性関節症が、原発性(特発性)OA、例えば、汎発性特発性骨増殖症、膝蓋軟骨軟化症、もしくは肥大性肺性骨関節症;または、先天的な関節異常;遺伝的欠陥;感染性、代謝性、内分泌性、および神経傷害性疾患;硝子軟骨の正常な構造および機能を変化させる疾患、例えば関節リウマチまたはRA、痛風および軟骨石灰化症;または硝子軟骨もしくは周囲組織への外傷、骨折、から誘導される二次的OAから選ばれる、請求項29に記載の方法。 本発明は、癌および/または筋骨格/結合組織疾患、特に肺癌および/または変形性関節症の治療および/または予防のためのINSP163の使用に関するものである。INSP163の、インターフェロン、TNFアンタゴニスト又は更なる抗癌剤又は抗関節炎剤との組み合わせも、本発明の範囲内である。配列表


ページのトップへ戻る

生命科学データベース横断検索へ戻る