生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_アレルギー性疾患の予防または治療薬
出願番号:2008272271
年次:2009
IPC分類:A61K 31/737,A61P 37/08,A61P 27/16,A61P 11/06,A61P 17/06,A61P 7/02,A61P 9/10,A61P 43/00,A61P 29/00,A61P 17/02,A61P 17/16


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赤塚 正裕 浜田 順一 JP 2009096807 公開特許公報(A) 20090507 2008272271 20081022 アレルギー性疾患の予防または治療薬 マルホ株式会社 000113908 三枝 英二 100065215 斎藤 健治 100099988 中野 睦子 100108084 赤塚 正裕 浜田 順一 A61K 31/737 20060101AFI20090410BHJP A61P 37/08 20060101ALI20090410BHJP A61P 27/16 20060101ALI20090410BHJP A61P 11/06 20060101ALI20090410BHJP A61P 17/06 20060101ALI20090410BHJP A61P 7/02 20060101ALI20090410BHJP A61P 9/10 20060101ALI20090410BHJP A61P 43/00 20060101ALI20090410BHJP A61P 29/00 20060101ALI20090410BHJP A61P 17/02 20060101ALI20090410BHJP A61P 17/16 20060101ALI20090410BHJP JPA61K31/737A61P37/08A61P27/16A61P11/06A61P17/06A61P7/02A61P9/10A61P43/00 105A61P29/00A61P17/02A61P17/16 2 1998138546 19980520 OL 7 4C086 4C086AA01 4C086AA02 4C086EA26 4C086MA01 4C086MA04 4C086NA14 4C086ZA34 4C086ZA36 4C086ZA54 4C086ZA59 4C086ZA89 4C086ZB11 4C086ZB13 4C086ZB21 本発明は、アレルギー性疾患治療薬に関する。 多硫酸化ムコ多糖類の一種である多硫酸化コンドロイチン硫酸(ヘパリン類似物質)は、血液凝固抑制作用、末梢血液循環促進作用、繊維芽細胞増殖抑制作用を有し、血栓性静脈炎などの血行障害に基づく炎症性疾患や肥厚性瘢痕・ケロイドの治療と予防に有用性が認められている。また、多硫酸化コンドロイチン硫酸は皮膚保湿作用を有し、乾皮症、皮脂欠乏症、進行性指掌角皮症などの乾燥性皮膚疾患にも有用性が知られている。 本発明者は、多硫酸化ムコ多糖類に着目し、その新たな用途について研究した結果、多硫酸化コンドロイチン硫酸などの多硫酸化ムコ多糖類が優れたアレルギー疾患治療作用を有することを見出した。 本発明は、以下の項1および項2を提供するものである。 項1.多硫酸化コンドロイチン硫酸を有効成分とするアレルギー性疾患の予防または治療薬。 項2.アレルギー性疾患が、アレルギー性鼻炎、アレルギー性喘息、アトピー性皮膚炎、花粉症及び接触性皮膚炎からなる群から選ばれる項1に記載のアレルギー性疾患の予防または治療薬。 本発明によれば、多硫酸化ムコ多糖類を有効成分とする安全なアレルギーの予防ないし治療剤が提供できる。 IV型アレルギー性疾患としては、自己免疫疾患、移植免疫、接触性皮膚炎が挙げられる。 本発明のアレルギー性疾患の予防または治療薬は、IV型アレルギー並びにアレルギー性鼻炎、アレルギー性喘息、アトピー性皮膚炎および花粉症に有効である。 本発明で使用する「多硫酸化ムコ多糖類」は、ヘキソサミン(N−アセチル化されたグルコサミンまたはガラクトサミン)とウロン酸(D−グルクロン酸またはL−イズロン酸)よりなる二糖の繰り返し単位を持つ長鎖多糖類に、化学的に硫酸基を導入することによって合成されたものを意味する。天然由来のムコ多糖類には、硫酸基を持つものもあるので、それらをさらに化学的に多硫酸化したものも本発明の多硫酸化ムコ多糖類に包含される。また、硫酸基を持たないムコ多糖類は、化学的に硫酸基を導入する。ムコ多糖類の具体例としては、コンドロイチン−4−硫酸、コンドロイチン−6−硫酸、デルマタン硫酸、ヘパラン硫酸並びにケラタン硫酸、ヒアルロン酸、コンドロイチンが挙げられる。特に、日本薬局方外医薬品規格に記載のヘパリン類似物質(以下、MPSという)などの多硫酸化コンドロイチン硫酸が好ましい。 ムコ多糖類に硫酸基を導入する方法としては、公知の方法、例えば天然のムコ多糖類と硫酸化剤を適当な溶媒中で加温下で反応させる方法が挙げられる。硫酸化剤としては、多硫酸化の目的を達成することができるものであれば特に限定されるものではなく、例えば無水硫酸とピリジンもしくはトリエチルアミン等の錯体を使用するのが好ましい。ムコ多糖類と硫酸化剤の使用割合は、目的とする多硫酸化ムコ多糖類の硫酸化率(または硫黄含有率)及び反応条件に従って任意に選ぶことができる。一般に、ムコ多糖類1重量部に対して硫酸化剤が2〜10重量部となるような割合で使用するのが好ましい。 溶媒としては、例えば、ジメチルホルムアミド等の親プロトン性溶媒を挙げることができる。反応温度、反応時間は、所望の硫酸化率が達成できる限り特に限定されないが、例えば40〜90℃で30分〜20日間程度反応させることで、反応は有利に進行する。 多硫酸化ムコ多糖類の精製は、各種修飾多糖類で常用されている精製操作、例えば中和透析よる脱塩、有機溶媒を添加して沈殿させることによる回収操作、凍結乾燥による回収操作などの工程が挙げられる。 本発明の多硫酸化ムコ多糖類は、必要によりアルカリ金属の水酸化物もしくは炭酸塩、アミン類等を用いる造塩反応にかけた生理学的に許容される塩形態として使用することもできる。 本発明の多硫酸化ムコ多糖類またはその生理学的に許容される塩は、製剤学的な助剤、例えば通常の医薬製剤の調製に使用される賦形剤、添加剤等を用いて軟膏剤、硬膏剤、錠剤、エアゾール剤、液剤、カプセル剤、懸濁剤、注射剤、ローション剤などの製剤とし、局所、粘膜、皮膚、皮下、静脈内、筋肉内、動脈内、経口または経肺等により投与することができる。 製剤中の多硫酸化ムコ多糖類の含有量は、剤型によって適宜調製することができ、例えば0.001〜50(重量/容量)%程度、好ましくは0.05〜1(重量/容量)%程度が挙げられる。 軟膏剤に配合される添加剤としては、基剤、乳化剤、保存剤が挙げられ、基剤としては白色ワセリン、流動パラフィン等の炭化水素、大豆等の油脂類、ミツロウ、ラノリン等のロウ類、ステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸、ラノリンアルコール、セトステアリルアルコール等の高級アルコール及びそのエステル類、マクロゴール類等が挙げられ、乳化剤としては、非イオン性界面活性剤等が挙げられ、保存剤としては、チモール、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル等が挙げられる。 硬膏剤ないし貼付剤に配合される添加剤としては、増粘剤、保湿剤、充填剤、架橋剤、溶解剤、乳化剤等が挙げられ、具体的には、増粘剤としてはアルギン酸ナトリウム、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム等;保湿剤としてはグリセリン、マクロゴール類等;充填剤としてはカオリン、二酸化チタン、亜鉛華等;架橋剤としては、アセトアルデヒド、ジメチルケトン、硫酸アルミニウム等;溶解剤としては、エタノール、2−プロパノール等のアルコール類、マクロゴール類等;乳化剤としては、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤等が各々例示される。 注射剤として調製する場合、添加剤としては、pH調整剤、緩衝剤、安定化剤、等張化剤、局所麻酔剤などが挙げられ、これらを適当量配合することにより、注射剤用製剤とすることができる。該製剤は、静脈内、筋肉内又は皮下に投与される。 経口剤として調製する場合の添加剤としては、賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、結合剤、矯臭剤、矯味剤などが挙げられる。 本発明のアレルギーの予防ないし治療剤の有効成分である多硫酸化ムコ多糖類の投与量は、患者の年齢、体重、性別、症状の程度(重症、軽症)、投与経路等により異なり、特に限定されない。例えば軟膏剤の場合には、多硫酸化ムコ多糖類を0.1〜10%程度含有する軟膏剤の適量を1日数回塗布し、有効成分1日量として1〜1000mg程度塗布することが挙げられる。なお、多硫酸化ムコ多糖類を0.1〜10%程度含有する軟膏剤を皮膚に塗布しても、炎症等の副作用は認められない。 以下、本発明を実施例を用いてより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。 実施例1 Compound 48/80刺激したラット腹腔肥満細胞のヒスタミン遊離に対する影響 Compound 48/80(250ng/ml;シグマ社製)をMPSまたはヘパリンの存在下、あるいは非存在下(対照群)に肥満細胞(2×104細胞)に添加して10分インキュベートした。 上清中及び細胞内ヒスタミン量をヒスタミンELISAキット(イムノテック社製)により測定し、ヒスタミン遊離率を算出した。 結果を図1及び表1に示す。*P<0.01は、対照群に対する有意差を示す。 #P<0.01は、ヘパリン添加群に対する有意差を示す。 表1の結果から、多硫酸化コンドロイチン硫酸は、肥満細胞からのヒスタミン遊離を抑制することが確認された。 実施例2 マウス接触性皮膚炎抑制作用 コンドロイチン硫酸の多硫酸化物として、MPSを含む軟膏を用いた。 BALB/c系雄性マウス(7週齢)の腹部を剃毛後、3%オキサゾロン(アルドリッチ)入りエタノール溶液100μlを塗布して感作した。感作6日後に、1%オキサゾロン入りアセトン溶液10μlを右耳介両面に塗布することにより、皮膚炎を惹起した。MPS含有軟膏は惹起6時間後に20mgを右耳介両面に塗布した。惹起24時間後に左右両耳介をディスポパンチ(直径6mm、マルホ株式会社製)にて打ち抜き、その切片の重量を測定した。 耳介浮腫率は以下の式により算出した。[数1]耳介浮腫率(%)={(A−B)/B}×100A:右耳介切片重量B:左耳介切片重量 結果を表2及び図2に示す。なお、表3の対照群は、MPS含有軟膏を塗布しない場合の結果である。***P<0.001は、対照群に対する有意差を示す。 表2の結果から、MPS含有軟膏はIV型アレルギーである接触性皮膚炎を抑制することが確認された。 本発明により、アレルギー性疾患の予防または治療薬が提供できる。多硫酸化コンドロイチン硫酸及びヘパリン存在下でのCompound 48/80刺激によるヒスタミン放出率を示す。MPS含有軟膏の接触性皮膚炎に対する効果を示す。多硫酸化コンドロイチン硫酸を有効成分とするアレルギー性疾患の予防または治療薬。アレルギー性疾患が、アレルギー性鼻炎、アレルギー性喘息、アトピー性皮膚炎、花粉症及び接触性皮膚炎からなる群から選ばれる請求項1に記載のアレルギー性疾患の予防または治療薬。 【課題】優れたアレルギーの予防ないし治療剤を提供する。【解決手段】多硫酸化コンドロイチン硫酸(ヘパリン類似物質)は具体例としてコンドロイチン−4−硫酸、コンドロイチン−6−硫酸、デルマタン硫酸、ケラタン硫酸などがありアレルギー性疾患の予防または治療薬となる。アレルギー疾患が、自己免疫性疾患、アレルギー性鼻炎、アレルギー性喘息、アトピー性皮膚炎、花粉症および接触性皮膚炎からなる群から選ばれるものである。【選択図】なし


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特許公報(B2)_アレルギー性疾患の予防または治療薬

生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_アレルギー性疾患の予防または治療薬
出願番号:2008272271
年次:2014
IPC分類:A61K 31/737,A61P 17/00,A61P 37/08


特許情報キャッシュ

赤塚 正裕 浜田 順一 JP 5622357 特許公報(B2) 20141003 2008272271 20081022 アレルギー性疾患の予防または治療薬 マルホ株式会社 000113908 特許業務法人三枝国際特許事務所 110000796 赤塚 正裕 浜田 順一 20141112 A61K 31/737 20060101AFI20141023BHJP A61P 17/00 20060101ALI20141023BHJP A61P 37/08 20060101ALI20141023BHJP JPA61K31/737A61P17/00A61P37/08 C08B37/00-37/10 JSTPLUS JMEDPLUS JST7580 特開平11−335288(JP,A) 基礎と臨床,1988年,Vol.22, No.9,p.359−362 基礎と臨床,1988年,Vol.22, No.9,p.355−358 臨床医薬,1988年,Vol.4, No.10,p.193−197 臨床と研究,1992年,Vol.69, No.5,p.5−10 北海道大学免疫科学研究所紀要,1978年,Vol.38,p.59−65 1 1998138546 19980520 2009096807 20090507 6 20081024 2012023032 20121121 村上 騎見高 穴吹 智子 渕野 留香 本発明は、アレルギー性疾患治療薬に関する。 多硫酸化ムコ多糖類の一種である多硫酸化コンドロイチン硫酸(ヘパリン類似物質)は、血液凝固抑制作用、末梢血液循環促進作用、繊維芽細胞増殖抑制作用を有し、血栓性静脈炎などの血行障害に基づく炎症性疾患や肥厚性瘢痕・ケロイドの治療と予防に有用性が認められている。また、多硫酸化コンドロイチン硫酸は皮膚保湿作用を有し、乾皮症、皮脂欠乏症、進行性指掌角皮症などの乾燥性皮膚疾患にも有用性が知られている。 本発明者は、多硫酸化ムコ多糖類に着目し、その新たな用途について研究した結果、多硫酸化コンドロイチン硫酸などの多硫酸化ムコ多糖類が優れたアレルギー疾患治療作用を有することを見出した。 本発明は、以下の項1および項2を提供するものである。 項1.多硫酸化コンドロイチン硫酸を有効成分とするアレルギー性疾患の予防または治療薬。 項2.アレルギー性疾患が、アレルギー性鼻炎、アレルギー性喘息、アトピー性皮膚炎、花粉症及び接触性皮膚炎からなる群から選ばれる項1に記載のアレルギー性疾患の予防または治療薬。 本発明によれば、多硫酸化ムコ多糖類を有効成分とする安全なアレルギーの予防ないし治療剤が提供できる。 IV型アレルギー性疾患としては、自己免疫疾患、移植免疫、接触性皮膚炎が挙げられる。 本発明のアレルギー性疾患の予防または治療薬は、IV型アレルギー並びにアレルギー性鼻炎、アレルギー性喘息、アトピー性皮膚炎および花粉症に有効である。 本発明で使用する「多硫酸化ムコ多糖類」は、ヘキソサミン(N−アセチル化されたグルコサミンまたはガラクトサミン)とウロン酸(D−グルクロン酸またはL−イズロン酸)よりなる二糖の繰り返し単位を持つ長鎖多糖類に、化学的に硫酸基を導入することによって合成されたものを意味する。天然由来のムコ多糖類には、硫酸基を持つものもあるので、それらをさらに化学的に多硫酸化したものも本発明の多硫酸化ムコ多糖類に包含される。また、硫酸基を持たないムコ多糖類は、化学的に硫酸基を導入する。ムコ多糖類の具体例としては、コンドロイチン−4−硫酸、コンドロイチン−6−硫酸、デルマタン硫酸、ヘパラン硫酸並びにケラタン硫酸、ヒアルロン酸、コンドロイチンが挙げられる。特に、日本薬局方外医薬品規格に記載のヘパリン類似物質(以下、MPSという)などの多硫酸化コンドロイチン硫酸が好ましい。 ムコ多糖類に硫酸基を導入する方法としては、公知の方法、例えば天然のムコ多糖類と硫酸化剤を適当な溶媒中で加温下で反応させる方法が挙げられる。硫酸化剤としては、多硫酸化の目的を達成することができるものであれば特に限定されるものではなく、例えば無水硫酸とピリジンもしくはトリエチルアミン等の錯体を使用するのが好ましい。ムコ多糖類と硫酸化剤の使用割合は、目的とする多硫酸化ムコ多糖類の硫酸化率(または硫黄含有率)及び反応条件に従って任意に選ぶことができる。一般に、ムコ多糖類1重量部に対して硫酸化剤が2〜10重量部となるような割合で使用するのが好ましい。 溶媒としては、例えば、ジメチルホルムアミド等の親プロトン性溶媒を挙げることができる。反応温度、反応時間は、所望の硫酸化率が達成できる限り特に限定されないが、例えば40〜90℃で30分〜20日間程度反応させることで、反応は有利に進行する。 多硫酸化ムコ多糖類の精製は、各種修飾多糖類で常用されている精製操作、例えば中和透析よる脱塩、有機溶媒を添加して沈殿させることによる回収操作、凍結乾燥による回収操作などの工程が挙げられる。 本発明の多硫酸化ムコ多糖類は、必要によりアルカリ金属の水酸化物もしくは炭酸塩、アミン類等を用いる造塩反応にかけた生理学的に許容される塩形態として使用することもできる。 本発明の多硫酸化ムコ多糖類またはその生理学的に許容される塩は、製剤学的な助剤、例えば通常の医薬製剤の調製に使用される賦形剤、添加剤等を用いて軟膏剤、硬膏剤、錠剤、エアゾール剤、液剤、カプセル剤、懸濁剤、注射剤、ローション剤などの製剤とし、局所、粘膜、皮膚、皮下、静脈内、筋肉内、動脈内、経口または経肺等により投与することができる。 製剤中の多硫酸化ムコ多糖類の含有量は、剤型によって適宜調製することができ、例えば0.001〜50(重量/容量)%程度、好ましくは0.05〜1(重量/容量)%程度が挙げられる。 軟膏剤に配合される添加剤としては、基剤、乳化剤、保存剤が挙げられ、基剤としては白色ワセリン、流動パラフィン等の炭化水素、大豆等の油脂類、ミツロウ、ラノリン等のロウ類、ステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸、ラノリンアルコール、セトステアリルアルコール等の高級アルコール及びそのエステル類、マクロゴール類等が挙げられ、乳化剤としては、非イオン性界面活性剤等が挙げられ、保存剤としては、チモール、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル等が挙げられる。 硬膏剤ないし貼付剤に配合される添加剤としては、増粘剤、保湿剤、充填剤、架橋剤、溶解剤、乳化剤等が挙げられ、具体的には、増粘剤としてはアルギン酸ナトリウム、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム等;保湿剤としてはグリセリン、マクロゴール類等;充填剤としてはカオリン、二酸化チタン、亜鉛華等;架橋剤としては、アセトアルデヒド、ジメチルケトン、硫酸アルミニウム等;溶解剤としては、エタノール、2−プロパノール等のアルコール類、マクロゴール類等;乳化剤としては、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤等が各々例示される。 注射剤として調製する場合、添加剤としては、pH調整剤、緩衝剤、安定化剤、等張化剤、局所麻酔剤などが挙げられ、これらを適当量配合することにより、注射剤用製剤とすることができる。該製剤は、静脈内、筋肉内又は皮下に投与される。 経口剤として調製する場合の添加剤としては、賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、結合剤、矯臭剤、矯味剤などが挙げられる。 本発明のアレルギーの予防ないし治療剤の有効成分である多硫酸化ムコ多糖類の投与量は、患者の年齢、体重、性別、症状の程度(重症、軽症)、投与経路等により異なり、特に限定されない。例えば軟膏剤の場合には、多硫酸化ムコ多糖類を0.1〜10%程度含有する軟膏剤の適量を1日数回塗布し、有効成分1日量として1〜1000mg程度塗布することが挙げられる。なお、多硫酸化ムコ多糖類を0.1〜10%程度含有する軟膏剤を皮膚に塗布しても、炎症等の副作用は認められない。 以下、本発明を実施例を用いてより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。 実施例1 Compound 48/80刺激したラット腹腔肥満細胞のヒスタミン遊離に対する影響 Compound 48/80(250ng/ml;シグマ社製)をMPSまたはヘパリンの存在下、あるいは非存在下(対照群)に肥満細胞(2×104細胞)に添加して10分インキュベートした。 上清中及び細胞内ヒスタミン量をヒスタミンELISAキット(イムノテック社製)により測定し、ヒスタミン遊離率を算出した。 結果を図1及び表1に示す。*P<0.01は、対照群に対する有意差を示す。 #P<0.01は、ヘパリン添加群に対する有意差を示す。 表1の結果から、多硫酸化コンドロイチン硫酸は、肥満細胞からのヒスタミン遊離を抑制することが確認された。 実施例2 マウス接触性皮膚炎抑制作用 コンドロイチン硫酸の多硫酸化物として、MPSを含む軟膏を用いた。 BALB/c系雄性マウス(7週齢)の腹部を剃毛後、3%オキサゾロン(アルドリッチ)入りエタノール溶液100μlを塗布して感作した。感作6日後に、1%オキサゾロン入りアセトン溶液10μlを右耳介両面に塗布することにより、皮膚炎を惹起した。MPS含有軟膏は惹起6時間後に20mgを右耳介両面に塗布した。惹起24時間後に左右両耳介をディスポパンチ(直径6mm、マルホ株式会社製)にて打ち抜き、その切片の重量を測定した。 耳介浮腫率は以下の式により算出した。[数1]耳介浮腫率(%)={(A−B)/B}×100A:右耳介切片重量B:左耳介切片重量 結果を表2及び図2に示す。なお、表3の対照群は、MPS含有軟膏を塗布しない場合の結果である。***P<0.001は、対照群に対する有意差を示す。 表2の結果から、MPS含有軟膏はIV型アレルギーである接触性皮膚炎を抑制することが確認された。 本発明により、アレルギー性疾患の予防または治療薬が提供できる。多硫酸化コンドロイチン硫酸及びヘパリン存在下でのCompound 48/80刺激によるヒスタミン放出率を示す。MPS含有軟膏の接触性皮膚炎に対する効果を示す。多硫酸化コンドロイチン硫酸を有効成分とするIV型アレルギーである、接触性皮膚炎の予防または治療薬。


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