生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_皮膚外用剤
出願番号:2008214250
年次:2010
IPC分類:A61K 8/63,A61K 8/67,A61K 8/97,A61Q 19/02


特許情報キャッシュ

吉田 浩子 服部 華代 野崎 美津世 中島 紀子 JP 2010047535 公開特許公報(A) 20100304 2008214250 20080822 皮膚外用剤 株式会社ノエビア 000135324 吉田 浩子 服部 華代 野崎 美津世 中島 紀子 A61K 8/63 20060101AFI20100205BHJP A61K 8/67 20060101ALI20100205BHJP A61K 8/97 20060101ALI20100205BHJP A61Q 19/02 20060101ALI20100205BHJP JPA61K8/63A61K8/67A61K8/97A61Q19/02 1 OL 7 4C083 4C083AA111 4C083AA112 4C083AB032 4C083AC072 4C083AC102 4C083AC122 4C083AC302 4C083AC422 4C083AC432 4C083AC482 4C083AC532 4C083AD092 4C083AD282 4C083AD352 4C083AD531 4C083AD532 4C083AD572 4C083AD641 4C083AD642 4C083AD662 4C083BB51 4C083CC02 4C083CC04 4C083CC05 4C083CC07 4C083DD22 4C083DD23 4C083DD27 4C083DD31 4C083DD41 4C083EE10 4C083EE12 4C083EE16 4C083EE17 本発明は、皮膚安全性に優れ、紫外線による皮膚の紅斑を抑制する効果を有する皮膚外用剤に関する。 紫外線により皮膚は炎症(紅斑)を起こし種々の因子が放出されメラノサイトを刺激する。これにより色調は変化し黒化する。この黒化は、メラノサイトにおいて産生され表皮細胞に受け渡されるメラニンの過剰生産が原因である。従来より、メラニンの過剰生成を抑える目的で、メラニンを精製するチロシナーゼの活性を抑制したり、メラニンの生成を抑制する物質の探索が多くなされている。また、紫外線による皮膚の炎症を予防する効果を有する物質の探索もあわせて行われている。 チロシナーゼ活性阻害剤としては、ハイドロキノン(特許文献1)、ビタミンC及びその誘導体(特許文献2)や、各種植物抽出物にその効果が見出されている(特許文献3、4ほか多数)。メラニンの生成を抑制する物質としては、胎盤抽出物(特許文献5)のほか各種植物抽出物にその効果が見出されている(特許文献6、7、8)。 紫外線などで惹起される炎症の予防・症状改善を目的として、グリチルリチン酸、アラントインなどの抗炎症剤が提案され、これらを配合した皮膚外用剤が上市されている。また、各種植物抽出物にもその効果が見出されている(特許文献9、10))。特開2004−352658号公報特開平10−09704号公報特開2008−013481号公報特開2008−056587号公報特公昭61−57291号公報特開2006−182731号公報特開2007−008818号公報特開2008−156325号公報特開2005−145878号公報特開2002−138029号公報 しかしながら、上記の抗炎症剤は、十分な効果を得るためにはかなりの高濃度を配合しなければならない。そのため、安全性の面で問題を生ずることがあり、安全性ならびに作用効果のすべての面で十分に満足できるものが無いのが現状であった。 皮膚安全性に優れ、紫外線による皮膚の紅斑を予防する効果を有する皮膚外用剤を得るために鋭意検討を行った結果、アスコルビン酸及びその誘導体又はその塩と、グリチルリチン酸及びその誘導体又はその塩と、コメヌカ由来成分と、ゲンチアナエキスを併用して皮膚外用剤に配合することにより、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。 本発明によれば、安全性の面で問題がなく、しかも紫外線による紅斑を抑制する効果に優れた皮膚外用剤を提供することができる。 本発明の皮膚外用剤は、アスコルビン酸及びその誘導体又はその塩と、グリチルリチン酸及びその誘導体又はその塩と、コメヌカ由来成分と、ゲンチアナエキスを併用して用いる。本発明の必須成分についてそれぞれ説明する。 アスコルビン酸及びその誘導体又はその塩としては、皮膚外用剤に配合しうるものであれば特に限定されず、アスコルビン酸、アスコルビン酸カルシウム、アスコルビン酸マグネシウム、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸テトラヘキシルデシル、アスコルビン酸ポリペプチド、アスコルビン酸メチルシラノール、アスコルビン酸硫酸ナトリウム、イソステアリルアスコルビルリンナトリウム、イソパルミチン酸アスコルビルリン酸ナトリウム、キトサンアスコルビン酸、ジパルミチン酸アスコルビル、ステアリン酸アスコルビル、テトラヘキシルデカン酸アスコルビル、パルミチン酸アスコルビル、パルミチン酸アスコルビルリン酸ナトリウム、マレイン酸アスコルビルトコフェリル、アスコルビルグルコシド、アスコルビルリン酸ナトリウム、アスコルビルリン酸マグネシウム、アスコルビルリン酸アミノプロピル、アスコルビルリン酸カリウム、アスコルビルリン酸亜鉛、アスコルビルエチル、(アスコルビン酸/ピロリドンカルボン酸)マグネシウム、(アスコルビル/トコフェリル)リン酸カリウム、(アスコルビル/コレステリル)リン酸ナトリウムなどが例示される。アスコルビン酸及びその誘導体又はその塩は、皮膚外用剤全量に対し、0.001〜5質量%配合する。 グリチルリチン酸及びその誘導体又はその塩としては、皮膚外用剤に配合しうるものであれば特に限定されず、アラントイングリチルレチン酸、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸ジナトリウム、グリチルリチン酸トリナトリウム、グリチルリチン酸カリウム、グリチルリチン酸アンモニウム、グリチルレチン酸、グリチルレチン酸グリセリル、グリチルレチン酸ステアリル、グリチルレチン酸ピリドキシン、グリチルレチン酸亜鉛、サクシニルグリチルレチン酸ジナトリウム、サクシニルオキシグリチルレチン酸ジナトリウム、ステアリン酸グリチルレチニル等が例示される。グリチルリチン酸及びその誘導体又はその塩は、皮膚外用剤全量に対し、0.001〜5質量%配合する。 コメヌカ由来成分としては、皮膚外用剤に配合しうるものであれば特に限定されず、コメヌカから水、エタノール、1,3−ブチレングリコールなどを溶媒として公知の方法で得られる抽出物をそのまま、もしくは分画、精製、加水分解などの処理を行ったものを用いることができる。コメヌカ由来成分としては、市販のコメヌカ由来成分を用いることも可能である。かかるコメヌカ由来成分としては、コメヌカエキスである、米ぬか抽出液(香栄興業社製)、コメヌカエキスBG(丸善製薬社製)、コメヌカエキスLA(丸善製薬社製)、コメヌカエキスパウダーS(丸善製薬社製)、コメヌカエキスS(小城製薬社製)、コメヌカ発酵液であるオリザリキッドS(一丸ファルコス社製)、加水分解コメヌカエキスであるニッサンオクタコサノール12−OS(日油社製)、加水分解コメヌカ蛋白であるRegu−Age(ペンタファーム社製)等を使用することができる。コメヌカ由来成分は、皮膚外用剤全量に対し、0.0001〜5質量%配合する。 ゲンチアナエキスは、ゲンチアナ(Gentiana lutea)の根のエキスを用いる。ゲンチアナエキスは、市販のものを用いることが可能であり、たとえば、ゲンチアン抽出物BG(丸善製薬社製)、ゲンチアン抽出物BG−J(丸善製薬社製)、ゲンチアン抽出物ET−30(香栄興業社製)、ゲンチアン抽出物J(丸善製薬社製)、ファルコレックスゲンチアナB(一丸ファルコス社製)等を使用することができる。ゲンチアナエキスは、皮膚外用剤全量に対し、0.0001〜5質量%配合する。 本発明の皮膚外用剤は、アスコルビン酸及びその誘導体又はその塩と、グリチルリチン酸及びその誘導体又はその塩と、コメヌカ由来成分と、ゲンチアナエキスを併用して用いることにより、皮膚安全性に優れ、紫外線による皮膚の炎症を予防する効果を有する。 本発明の皮膚外用剤には、上記必須成分のほか、本発明の効果を損なわない範囲で、通常皮膚外用剤に配合される成分を配合することができる。また、皮膚外用剤の剤型は任意であり、例えば、ローションなどの可溶化系やカラミンローション等の分散系、クリームや乳液などの乳化系として提供することができる。さらに、噴射剤と共に充填するエアゾール形態、軟膏剤、パップ剤などの種々の剤型で提供することもできる。 具体的には、乳液、クリーム、ローション、化粧水、パック、美容液、洗浄料、メイクアップ化粧料等の各種化粧料;液剤、軟膏、粉末、顆粒、エアゾール剤、貼付剤、パップ剤等の様々な形態の化粧料、医薬部外品や外用医薬品などが例示できる。 本発明を実施例を用いて説明する。まず本発明の実施例を表1に示した処方にて、常法により調製した。この実施例1並びに比較例1〜3を用いて、紅斑抑制試験を以下の手順で行った。[紅斑抑制試験] 1.前処理 実施例若しくは比較例24mLを縦6cm、横8cmのコットンにしみこませ、被験者4名の背部にそれぞれ貼付し、粘着性フィルム(パーミエイド(登録商標)日東電工社製)で被覆固定し、60分間静置した後、剥離し5分間風乾する。 2.紫外線照射 塗布部位に紫外線照射機(光洋社製)を用いて1.25MED量のUV−Bを照射する。 3.後処理 前処理と同様に、塗布部位を実施例若しくは比較例で被覆し、5時間後に剥離する。 4.紅斑の判定 紫外線照射の24時間後、専門評価者により、紅斑の状態を目視判定し、下記の基準で判定し、合計点を紅斑抑制スコアとした。(目視評価基準)−1:紅班なし 0:断片的あるいはわずかに紅班あり 1:紅班あり 2:強い紅班あり 表2に示したとおり、リン酸アスコルビルMgとグリチルリチン酸ジカリウムを配合し、ゲンチアナエキスと加水分解コメヌカエキスを配合していない比較例1において、若干の紅斑抑制効果が認められていた。比較例1にゲンチアナエキスを0.02質量%添加した比較例2においては、比較例1から紅斑抑制効果の向上は認められなかった。比較例1に加水分解コメヌカエキスを0.02質量%添加した比較例3においては、若干紅斑抑制効果が向上した。これに対し、リン酸アスコルビルMgとグリチルリチン酸ジカリウムと、ゲンチアナエキスを0.01質量%、加水分解コメヌカエキスを0.01質量%添加した本願発明の実施例においては、明確な紅斑抑制効果が認められ、紅斑抑制効果が認められなかったゲンチアナエキスを、リン酸アスコルビルMgとグリチルリチン酸ジカリウム、加水分解コメヌカエキスと併用することにより、相乗的な紅斑抑制効果の向上が認められた。[安全性試験] 実施例1を用いて、24時間閉塞貼付テスト、モルモット眼粘膜刺激試験を実施したところ、すべて問題は認められず、実施例1が高い安全性を有するものであることが示された。 [実施例2]化粧水(1)エタノール 15.0(質量%)(2)ポリオキシエチレン(40E.O.)硬化ヒマシ油 0.3(3)香料 0.1(4)精製水 100とする残部(5)クエン酸 0.02(6)クエン酸ナトリウム 0.1(7)グリセリン 1.0(8)ヒドロキシエチルセルロース 0.1(9)リン酸アスコルビルNa 1.0(10)グリチルリチン酸ジカリウム(1質量%水溶液) 5.0(11)加水分解コメヌカエキス 0.01(12)ゲンチアナエキス 0.01製法:(1)に(2)及び(3)を溶解する。さらに(4)〜(8)を順次添加した後、十分に攪拌し、(9)〜(12)を加え、均一に混合する。 [実施例3]水性ジェル(1)アクリル変性カルボキシビニルポリマー 0.5(質量%)(2)精製水 100とする残部(3)ポリオキシエチレン(60E.O.)硬化ヒマシ油 1.0(4)水酸化ナトリウム(10質量%水溶液) 0.5(5)エタノール 10.0(6)パラオキシ安息香酸メチル 0.1(7)香料 0.1(8)リン酸アスコルビルNa 1.0(9)グリチルリチン酸ジカリウム(1質量%水溶液) 5.0(10)コメヌカエキス 0.01(11)ゲンチアナエキス 0.01製法:(1)を(2)に加え、均一に攪拌した後、(3)〜(11)の成分を順次添加し、均一に混合する。 アスコルビン酸及びその誘導体又はその塩と、グリチルリチン酸及びその誘導体又はその塩と、コメヌカ由来成分と、ゲンチアナエキスを含有する皮膚外用剤。 【課題】皮膚安全性に優れ、紫外線による皮膚の紅斑を抑制する効果を有する皮膚外用剤を提供する。【解決手段】アスコルビン酸及びその誘導体又はその塩と、グリチルリチン酸及びその誘導体又はその塩と、コメヌカ由来成分と、ゲンチアナエキスを含有する皮膚外用剤。該外用剤は、乳液、クリーム、ローション、化粧水、パック、美容液、洗浄料、メイクアップ化粧料、液剤、軟膏、粉末、顆粒、エアゾール剤、貼付剤、パップ剤等の様々な形態の化粧料、医薬部外品や外用医薬品などの剤型で使用することができる。【選択図】なし


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