タイトル: | 公開特許公報(A)_動物性生薬エキス配合液剤 |
出願番号: | 2008197232 |
年次: | 2009 |
IPC分類: | A61K 47/36,A61K 9/08,A61K 35/413,A61K 35/64,A61K 35/12,A61K 35/407 |
本畝 聡子 小野 瑞穂 若松 淳一郎 加納 志保 池田 陽一 JP 2009057373 公開特許公報(A) 20090319 2008197232 20080731 動物性生薬エキス配合液剤 湧永製薬株式会社 000250100 特許業務法人アルガ特許事務所 110000084 有賀 三幸 100068700 高野 登志雄 100077562 中嶋 俊夫 100096736 村田 正樹 100117156 山本 博人 100111028 本畝 聡子 小野 瑞穂 若松 淳一郎 加納 志保 池田 陽一 JP 2007202590 20070803 A61K 47/36 20060101AFI20090220BHJP A61K 9/08 20060101ALI20090220BHJP A61K 35/413 20060101ALI20090220BHJP A61K 35/64 20060101ALI20090220BHJP A61K 35/12 20060101ALI20090220BHJP A61K 35/407 20060101ALI20090220BHJP JPA61K47/36A61K9/08A61K35/413A61K35/64A61K35/12A61K35/407 4 OL 10 4C076 4C087 4C076AA11 4C076BB01 4C076CC03 4C076CC21 4C076EE30 4C076EE56 4C076FF11 4C076FF36 4C076FF61 4C087AA01 4C087AA02 4C087BB22 4C087BB48 4C087BB52 4C087BB53 4C087CA03 4C087MA16 4C087MA52 4C087NA03 4C087ZB01 4C087ZB21 4C087ZC21 本発明は、経時的な沈殿や懸濁の発生が抑制され長期間保存安定な、動物性生薬エキス配合液剤に関する。 生薬は、感冒薬、胃腸薬、滋養強壮薬等の有効成分として広く使用されている。その商品形態の一つとして、これらを含有する液剤が多数市販されている。液剤は、服用がしやすいこと、速やかに薬効が発揮されること、などの利点を有することから、好ましい剤形の一つとして用いられている。市販されている生薬エキス配合液剤の1回服用量は、通常25mLから100mLである。しかし、お年寄りや弱年者、病気等により体力が落ちている人等にとっては、より1回の服用量を減らすことが好ましい。1回服用量を減らし、且つ生薬の有効性を確保するためには、生薬エキスを液剤全量に対して高濃度で配合する必要がある。しかし、液剤中の生薬成分の濃度が増加すると成分の凝集が起こり、経時的な沈殿や濁りの発生、薬効低下等の問題点が懸念される。 一方、生薬エキス配合液剤は、風味及び防腐性等の観点からなるべく液剤のpHを低く設定することが必要である。しかし、液剤のpHを下げることにより経時的に沈殿や濁りが液剤中に発生することが知られており、その結果、消費者に不快感を与え製品価値が損なわれたり、生薬の有効性への影響が問題となる。生薬エキスが高濃度になれば、このような問題はより顕著となる。従って、液性が低いpHに調整され、かつ沈殿の発生が防止された高濃度の生薬エキス配合液剤の実現が望まれる。 生薬エキスを配合した液剤において、経時的に生じる沈殿や濁りを抑制する方法としては、例えば溶解補助作用を有する界面活性剤等を使用することが一般的に知られている。しかし、この方法では、高濃度の生薬を溶解させるためには大量の界面活性剤を必要とすること、一部の界面活性剤では低いpHで加水分解を受けやすいことから、溶解補助作用が減弱してしまう等の問題があった。 本発明者らは、生薬エキスを乾燥物換算量で液剤全量に対して5〜50w/v%の高濃度で配合した液剤において、糖類を液剤全量に対して5〜40w/v%含み、且つ、pHを4.5〜5.5に調整することにより沈殿の防止された生薬エキス配合液剤を報告している(特許文献1)。しかし、液剤の液性をより低いpHにした場合の沈殿防止効果は十分とは言えず、更に検討が必要であった。 また、動物性生薬を配合した液剤において、カラメルを配合することによる動物性タンパク質に起因する沈殿の防止効果が報告されている(特許文献2)。しかし、当該文献には、低濃度の動物性生薬液剤についての効果は開示されているが、高濃度に生薬エキスが配合された液剤における沈殿防止効果については一切検討されていない。国際公開第2003/024466号パンフレット特開平08−198762号公報 本発明は、経時的な沈殿や懸濁の発生が抑制された、動物性生薬エキスを高濃度含有する酸性液剤を提供することに関する。 本発明者らは、動物性生薬エキスを高濃度含有する酸性液剤の沈殿防止について検討したところ、等電点が0.5〜4.0で、且つ1.0w/v%水溶液のpHが4.5〜6.1であるカラメルを特定量配合することにより、経時的な沈殿や濁りの発生が抑制できることを見出した。 すなわち、本発明は、以下の発明に係るものである。 1) 動物性生薬エキスを乾燥物換算量で液剤全量に対して5〜50w/v%含有し、pHが3.0〜5.5である生薬エキス配合液剤であって、等電点が0.5〜4.0で、且つ1.0w/v%水溶液のpHが4.5〜6.1であるカラメルを液剤全量に対して0.5〜20w/v%配合してなる動物性生薬エキス配合液剤。 2)動物性生薬エキスがゴオウ、シベット、ローヤルゼリー、ロクジョウ及び肝臓加水分解物から選択される一種以上の動物性生薬のエキスを含む上記1)記載の動物性生薬エキス配合液剤。 3)単糖類及び/又は糖アルコールを、液剤全量に対して1.0〜40w/v%の範囲で配合してなる上記1)又は2)の動物性生薬エキス配合液剤。 4)動物性生薬エキスを乾燥物換算量で液剤全量に対して5〜50w/v%含有し、pHが3.0〜5.5である生薬エキス配合液剤において、等電点が0.5〜4.0で、且つ1.0w/v%水溶液のpHが4.5〜6.1であるカラメルを液剤全量に対して0.5〜20w/v%配合することを特徴とする動物性生薬エキス配合液剤の安定化方法。 本発明の動物性生薬エキス配合液剤は、動物性生薬由来の経時的な沈殿や濁りの発生が防止されて安定であり、消費者に不快感を与えることなく服用することができる。 本発明で用いられる動物性生薬としては、例えばカイクジン、カイバ、ゴオウ、シベット、ロクジョウ、ハンピ等の他、ローヤルゼリー、動物の肝臓、心臓若しくは胎盤等の臓器が挙げられ、動物性生薬エキスには、それらの抽出物又はこれらを酸、塩基若しくは酵素を用いて製造した加水分解物(肝臓加水分解物、脳加水分解物、プラセンタエキス、心臓エキス等)が包含される。好適な動物性生薬エキスとしては、ゴオウ、シベット、ロクジョウの抽出物、ローヤルゼリー、肝臓加水分解物が挙げられ、特に好ましくはゴオウ、シベット又はロクジョウの抽出物、肝臓加水分解物が挙げられる。 生薬エキスの調製は、常法に従って行えばよく、例えば各生薬の全部又は一部をそのまま若しくは乾燥、細断、粉砕した後、水;メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール等のアルコール類、及びその混合液等の適当な溶剤で抽出し、抽出物を濃縮し、適宜濾過、活性炭処理、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等の公知の手段で不要成分等を除去することにより調製することができる。 本発明の生薬エキスには、軟エキス、乾燥エキス、流エキス、チンキ等が包含される。 本発明の動物性生薬エキス配合液剤における動物性生薬エキスの含有量は、乾燥物換算量で液剤全量に対して5〜50w/v%、好ましくは7〜45w/v%、更に好ましくは10〜40w/v%である。 ここで、動物性生薬エキスの乾燥物換算量とは、チンキ、流エキスの場合、蒸発残留物から換算した固形分量をいい、チンキ又は流エキス10mLを重量既知のビーカーに量り、沸騰水浴上で蒸発乾固し、105℃で6時間乾燥した後、デシケーター(シリカゲル入り)中で放冷して得られる残留物重量(蒸発残留物)から換算することができる。例えば、蒸発残留物300mgのチンキ1mLの固形分量は30mgである。また、軟エキスの場合、日本薬局方に定められた試験法により得られた乾燥減量から換算した固形分量をいう。例えば、乾燥減量60%の軟エキス1gの固形分量は400mgである。 「カラメル」とは、砂糖、ぶどう糖等の食用炭水化物を熱処理して得られたものをいい、より詳しくは第7版食品添加物公定書1991年で定義されている、(I)でん粉加水分解物、糖蜜又は糖類の食用炭水化物を、熱処理して得られたもの、又は酸もしくはアルカリを加えて熱処理して得られたもので、亜硫酸化合物およびアンモニウム化合物を使用していないもの、(II)でん粉加水分解物、糖蜜又は糖類の食用炭水化物に、亜硫酸化合物を加えて、又はこれに酸もしくはアルカリを加えて熱処理して得られたもので、アンモニウム化合物を使用していないもの、(III)でん粉加水分解物、糖蜜又は糖類の食用炭水化物に、アンモニウム化合物を加えて、又はこれに酸もしくはアルカリを加えて熱処理して得られたもので、亜硫酸化合物を使用していないもの、(IV)でん粉加水分解物、糖蜜又は糖類の食用炭水化物に、亜硫酸化合物およびアンモニウム化合物を加えて、又はこれに酸もしくはアルカリを加えて熱処理して得られたもの、の何れかに該当する褐色の液体または粉末を意味するが、本発明で用いられるカラメルとしては、(I)の方法で製造されたものが好ましい。また、原料となる食用炭水化物は、特に限定されるものではないが、砂糖、ブドウ糖、果糖等の糖類が好ましい。 本発明のカラメルは、その等電点0.5〜4.0の範囲で、かつ且つ1.0w/v%水溶液のpHが4.5〜6.1のものである。等電点は、例えば0.5〜1.0、0.5〜2.4、0.6〜4.0等の範囲が挙げられ、0.6〜3.6であるものがより好ましく、さらに1.0w/v%水溶液のpHが4.9〜6.1であるものが好ましい。 斯かるカラメルは、市販品を用いることができ、例えば、カラメルSF(池田糖化工業(株)製)、カラメルS−W(仙波糖化工業(株)製)、カラメルKD−W(仙波糖化工業(株)製)、カラメルBCF−3(池田糖化工業(株)製)、カラメルC−85(天野実業(株)製)、カラメルSS(天野実業(株)製)、カラメルKS−W(仙波糖化工業(株)製)、カラメルFS(昭和化学工業(株)製)、カラメルFS−350S(昭和化学工業(株)製)、カラメルS(池田糖化工業(株)製)等が使用できる。 液剤へのカラメルの配合量は、液剤全量に対して0.5〜20w/v%の範囲で用いることができ、好ましくは0.7〜18w/v%、更に好ましくは0.8〜15w/v%である。 本発明の動物性生薬エキス配合液剤には、カラメルの効果を損なわない範囲で、種々の薬効成分、例えば、イカリソウ、エゾウコギ、トシシ、ニンニク、薬用人参、イチョウ葉等の植物性生薬エキス、ビタミンB1類(塩酸チアミン、硝酸チアミン等)、ビタミンB2類、ビタミンB6類、ビタミンE類、ニコチン酸類、パントテン酸類、ビタミンB12類などのビタミン類、解熱鎮痛剤、抗ヒスタミン剤、去痰剤、鎮咳剤等を配合することができる。 さらに本発明の動物性生薬エキス配合液剤には、必要に応じて溶解補助の目的で単糖類及び/又は糖アルコールを添加することができ、その配合量は、液剤全量に対して1.0〜40w/v%の範囲で用いることができ、好ましくは3〜35w/v%、更に好ましくは5〜30w/v%である。 ここで、単糖類としては、フルクトース、フコース、マンノース、グルコース、ガラクトース及びリボース等が挙げられるが、特にフルクトース、グルコース及びガラクトースが好ましい。本発明で用いられる糖アルコールとしては市販のものが挙げられ、例えばエリスリトール、キシリトール、マルチトール、マンニトール、D−ソルビトール、ラクチトール、グリセロール、イノシトール及びその混液等が挙げられるが、好ましくはソルビトール又はキシリトールが挙げられる。 これらの添加剤は、例えば本発明植物性生薬エキス配合液剤において、カラメルの添加量を減量したい場合であって、減量により沈殿防止効果が減弱される場合に用いることができる。 本発明の動物性生薬エキス配合液剤の製造方法は、例えば生薬エキスの1種又は2種以上を乾燥物換算量で最終的に得られる液剤全量に対して5〜50w/v%の範囲で水に溶解し、必要に応じて遠心処理、カラム又は濾過により不溶物を除去する。得られた溶液にカラメルを室温で最終的に得られる液剤全量に対して5〜40w/v%添加、撹拌し、次いで適宜pH調節剤を加えpHを3.0〜5.5に調整し、水を加えて全量とした後、必要に応じて濾過することにより得ることができる。 本発明で用いられるpH調節剤としては、一般公知のものが用いられるが、例えばクエン酸、酢酸、フタル酸、コハク酸、マレイン酸、アスパラギン酸、アジピン酸、グルタミン酸、フマル酸、リン酸、塩酸、硝酸、硫酸、酒石酸、リンゴ酸等の酸類、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、炭素水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム等の塩基類等が挙げられる。 本発明の液剤を以下実施例によって詳しく説明する。 なお、以下に示す全ての実施例、比較例は、全量を100mLとし、これらの溶液を濾過した後、ガラス試験管に充填し、キャップ閉めしたものをサンプルとして用いた。 また、カラメルの等電点は、以下の方法により求めた。<等電点測定法> 0.5w/v%タンニン酸溶液50mLにカラメル約0.5gを溶解し、ガラス製試験管9本に各5mLずつ分注する。液が澄明な場合、0.4%塩酸または19.9%塩酸を25μLの差で累増添加し、よく混合して混濁澄明の分岐点を目視判定する。24時間室温保管後、もう一度目視観察し混濁澄明分岐点のpHを測定し、そのpHを等電点とする。カラメル溶解後の溶液が既に混濁している場合は、0.4%水酸化ナトリウムまたは16.9%水酸化ナトリウムを塩酸と同様に累増添加し、以下同じ操作を行う。例えば、混濁澄明分岐点付近の溶液pHが2.9、3.0、3.1、3.2であり、pH2.9、3.0が混濁、pH3.1、3.2が澄明な場合、等電点は3.0である。実施例1 肝臓加水分解物乾燥物換算量5.0gを室温で適量の精製水に加え十分撹拌し、これにカラメルSF(池田糖化工業(株)製、pH5.7、等電点3.1)5.0gを加え溶解する。次いで10%塩酸を用いてpHを4.0に調整し、精製水を加え全量を100mLとした(サンプル1)。実施例2 肝臓加水分解物乾燥物換算量5.0gを室温で適量の精製水に加え十分撹拌し、これにカラメルS−W(仙波糖化工業(株)製、pH5.1、等電点3.1)5.0gを加え溶解する。次いで10%塩酸を用いてpHを4.0に調整し、精製水を加え全量を100mLとした(サンプル2)。実施例3 肝臓加水分解物乾燥物換算量5.0gを室温で適量の精製水に加え十分撹拌し、これにカラメルKD−W(仙波糖化工業(株)製、pH5.1、等電点0.9)5.0gを加え溶解する。次いで10%塩酸を用いてpHを4.0に調整し、精製水を加え全量を100mLとした(サンプル3)。実施例4 肝臓加水分解物乾燥物換算量5.0gを室温で適量の精製水に加え十分撹拌し、これにカラメルBCF−3(池田糖化工業(株)製、pH5.1、等電点0.6)5.0gを加え溶解する。次いで10%塩酸を用いてpHを4.0に調整し、精製水を加え全量を100mLとした(サンプル4)。実施例5 肝臓加水分解物乾燥物換算量5.0gを室温で適量の精製水に加え十分撹拌し、これにカラメルC−85(天野実業(株)製、pH4.9、等電点2.9)5.0gを加え溶解する。次いで10%塩酸を用いてpHを4.0に調整し、精製水を加え全量を100mLとした(サンプル5)。実施例6 肝臓加水分解物乾燥物換算量5.0gを室温で適量の精製水に加え十分撹拌し、これにカラメルSS(天野実業(株)製、pH5.9、等電点3.5)5.0gを加え溶解する。次いで10%塩酸を用いてpHを4.0に調整し、精製水を加え全量を100mLとした(サンプル6)。実施例7 肝臓加水分解物乾燥物換算量5.0gを室温で適量の精製水に加え十分撹拌し、これにカラメルKS−W(仙波糖化工業(株)製、pH6.1、等電点3.6)5.0gを加え溶解する。次いで10%塩酸を用いてpHを4.0に調整し、精製水を加え全量を100mLとした(サンプル7)。実施例8 肝臓加水分解物乾燥物換算量5.0gを室温で適量の精製水に加え十分撹拌し、これにカラメルSF(池田糖化工業(株)製、pH5.7、等電点3.1)3.0g、ソルビトール20gを加え溶解する。次いで10%塩酸を用いてpHを4.0に調整し、精製水を加え全量を100mLとした(サンプル8)。実施例9 肝臓加水分解物乾燥物換算量5.0g、ゴオウチンキ乾燥物換算量3.2mg、シベットチンキ乾燥物換算量4.1mg、ロクジョウ流エキス乾燥物換算量16.7mgを室温で適量の精製水に加え十分撹拌し、これにカラメルKS−W(仙波糖化工業(株)製、pH6.1、等電点3.6)5.0gを加え溶解する。次いで10%塩酸を用いてpHを4.0に調整し、精製水を加え全量を100mLとした。比較例1 肝臓加水分解物乾燥物換算量5.0gを室温で適量の精製水に加え十分撹拌し、溶解する。次いで10%塩酸を用いてpHを4.0に調整し、精製水を加え全量を100mLとした(サンプル9)。比較例2 肝臓加水分解物乾燥物換算量5.0gを室温で適量の精製水に加え十分撹拌し、これにカラメルZ−100(仙波糖化工業(株)製、pH3.5、等電点0.4)5.0gを加え溶解する。次いで10%塩酸を用いてpHを4.0に調整し、精製水を加え全量を100mLとした(サンプル10)。比較例3 肝臓加水分解物乾燥物換算量5.0gを室温で適量の精製水に加え十分撹拌し、これにカラメルS(仙波糖化工業(株)製、pH4.3、等電点1.2)5.0gを加え溶解する。次いで10%塩酸を用いてpHを4.0に調整し、精製水を加え全量を100mLとした(サンプル11)。比較例4 肝臓加水分解物乾燥物換算量5.0gを室温で適量の精製水に加え十分撹拌し、これにカラメルKS−S(仙波糖化工業(株)製、pH6.2、等電点3.2)5.0gを加え溶解する。次いで10%塩酸を用いてpHを4.0に調整し、精製水を加え全量を100mLとした(サンプル12)。比較例5 肝臓加水分解物乾燥物換算量5.0gを室温で適量の精製水に加え十分撹拌し、これにカラメルFB(昭和化学工業(株)製、pH4.0、等電点3.4)5.0gを加え溶解する。次いで10%塩酸を用いてpHを4.0に調整し、精製水を加え全量を100mLとした(サンプル13)。比較例6 肝臓加水分解物乾燥物換算量5.0gを室温で適量の精製水に加え十分撹拌し、これにカラメルMG−18W(仙波糖化工業(株)製、pH5.3、等電点6.5)5.0gを加え溶解する。次いで10%塩酸を用いてpHを4.0に調整し、精製水を加え全量を100mLとした(サンプル14)。比較例7 肝臓加水分解物乾燥物換算量5.0gを室温で適量の精製水に加え十分撹拌し、ソルビトール40gを加え溶解する。次いで10%塩酸を用いてpHを4.0に調整し、精製水を加え全量を100mLとした(サンプル15)。試験例1 サンプル1〜7及びサンプル9〜14を用い、25℃で6箇月保存を行った。この時の、カラメル添加による生薬の経時的な沈殿又は懸濁に対する効果を観察した。結果を表1に示す。その結果、カラメルSF、カラメルS−W、カラメルKD−W、カラメルBCF−3、カラメルC−85、カラメルSS、カラメルKS−Wを加えた本発明の動物性生薬エキス配合液剤サンプル1〜7では、6箇月保存ではほとんど沈殿又は懸濁が確認されなかったが、カラメルを加えなかったサンプル9、ならびにカラメルZ−100、カラメルS、カラメルKS−S、カラメルFB、カラメルMG−18Wを加えたサンプル10〜14では、経時的な沈殿又は懸濁が確認された。試験例2 サンプル8及び15を用い、40℃で4週間保存を行った。この時の、カラメル及びソルビトール添加による生薬の経時的な沈殿又は懸濁に対する効果を観察した。結果を表2に示す。その結果、カラメルSF及びソルビトールを加えた本発明の動物性生薬エキス配合液剤サンプル8では、4週間保存ではほとんど沈殿又は懸濁が確認されなかったが、ソルビトールのみ(カラメル無添加)を加えたサンプル15では、経時的な沈殿又は懸濁が確認された。 動物性生薬エキスを乾燥物換算量で液剤全量に対して5〜50w/v%含有し、pHが3.0〜5.5である生薬エキス配合液剤であって、等電点が0.5〜4.0で、且つ1.0w/v%水溶液のpHが4.5〜6.1であるカラメルを液剤全量に対して0.5〜20w/v%配合してなる動物性生薬エキス配合液剤。 動物性生薬エキスがゴオウ、シベット、ローヤルゼリー、ロクジョウ及び肝臓加水分解物から選択される一種以上の動物性生薬のエキスを含む請求項1記載の動物性生薬エキス配合液剤。 単糖類及び/又は糖アルコールを、液剤全量に対して1.0〜40w/v%の範囲で配合してなる請求項1又は2記載の動物性生薬エキス配合液剤。 動物性生薬エキスを乾燥物換算量で液剤全量に対して5〜50w/v%含有し、pHが3.0〜5.5である生薬エキス配合液剤において、等電点が0.5〜4.0で、且つ1.0w/v%水溶液のpHが4.5〜6.1であるカラメルを液剤全量に対して0.5〜20w/v%配合することを特徴とする動物性生薬エキス配合液剤の安定化方法。 【課題】経時的な沈殿や懸濁の発生が抑制された、動物性生薬エキスを高濃度含有する酸性液剤の提供。【解決手段】動物性生薬エキスを乾燥物換算量で液剤全量に対して5〜50w/v%含有し、pHが3.0〜5.5である生薬エキス配合液剤において、等電点が0.5〜4.0で、且つ1.0w/v%水溶液のpHが4.5〜6.1であるカラメルを液剤全量に対して0.5〜20w/v%配合してなる動物性生薬エキス配合液剤。【選択図】なし