| タイトル: | 公開特許公報(A)_モリブデン含有育毛・発毛剤、白髪防止剤、皮膚外用剤、分化誘導剤 |
| 出願番号: | 2008183190 |
| 年次: | 2010 |
| IPC分類: | A61K 33/24,A61K 36/06,A61K 35/74,A61P 17/14,A61P 17/00,A61P 43/00,A61K 8/19,A61K 8/99,A61Q 7/00,A61Q 5/00 |
松井 源頴 塩島 憲治 足立 正一 持田 弘 大澤 立志 JP 2010001276 公開特許公報(A) 20100107 2008183190 20080618 モリブデン含有育毛・発毛剤、白髪防止剤、皮膚外用剤、分化誘導剤 Ada Bio株式会社 504293355 有限会社マツイ 506329281 松井 源頴 塩島 憲治 足立 正一 持田 弘 大澤 立志 A61K 33/24 20060101AFI20091204BHJP A61K 36/06 20060101ALI20091204BHJP A61K 35/74 20060101ALI20091204BHJP A61P 17/14 20060101ALI20091204BHJP A61P 17/00 20060101ALI20091204BHJP A61P 43/00 20060101ALI20091204BHJP A61K 8/19 20060101ALI20091204BHJP A61K 8/99 20060101ALI20091204BHJP A61Q 7/00 20060101ALI20091204BHJP A61Q 5/00 20060101ALI20091204BHJP JPA61K33/24A61K35/72A61K35/74 AA61P17/14A61P17/00A61P43/00 107A61K8/19A61K8/99A61Q7/00A61Q5/00A61P43/00 121 4 1 書面 7 4C083 4C086 4C087 4C083AA031 4C083AA032 4C083AB191 4C083AB192 4C083CC02 4C083CC31 4C083CC37 4C083EE22 4C083EE24 4C083FF01 4C086AA01 4C086AA02 4C086HA06 4C086MA02 4C086MA04 4C086NA14 4C086ZA89 4C086ZA92 4C086ZB22 4C086ZC75 4C087AA01 4C087AA02 4C087BC11 4C087BC56 4C087CA09 4C087MA02 4C087MA63 4C087NA14 4C087ZA89 4C087ZA92 4C087ZB22 4C087ZC75 本発明は、モリブデン含有酵母、モリブデン含有乳酸菌のうち1種または2種を含有することにより、安全で優れた育毛・発毛効果、白髪防止効果等を得ることのできる育毛・発毛剤、白髪防止剤、皮膚外用剤、分化誘導剤に関する。 毛器官は、胎生期に真皮との相互作用を介して表皮より発生する皮膚付属器の一つであり、毛髪とそれを包み込む毛包で構成される。 毛器官は一生涯にわたり、成長期、退行期、休止期からなる毛周期を形成する。その際、いずれの時期にも膨大部(バルジ領域)から上方部分である恒常部の形態は変化せず、それより下方の可変部のみが伸張と退縮を繰り返す。 成長期では毛包下端の毛球部が盛んに毛髪を産生する。退行期になると可変部の毛包がアポトーシスにより退縮し、休止期に入る。休止期では毛包下方に存在する毛乳頭が、膨大部の幹細胞にシグナルを出して成長期を誘導する役割を果たす。 従来の外用育毛剤は、栄養補給や血行促進等の間接的な作用を目的としたものがほとんどであった。すなわち、毛包周辺の血行促進をはかる血管拡張剤(塩化カルプロニウム等)や、栄養補給を目指した薬物(ペンタデカン酸グリセリド等)等をさまざまな組み合わせで含有し、毛包成長阻害要因を取り除き、抜け毛を少なくし、毛母細胞増殖のための栄養を十分に与えることで毛包の成長を助けるものがほとんどであった(特許文献1〜4)。しかしながら、その効果は十分とは言えなかった。 近年、再生医学研究の進展に伴い、毛髪の発生・再生が精力的に研究されるようになってきた。その結果、毛包のバルジ領域に毛包再生を司る幹細胞の存在が明らかにされ、毛包幹細胞による毛包や皮膚の再生を目指したさまざまな研究が行われるようになってきた。また、このような幹細胞の細胞生物学的な知見を利用した育毛・発毛剤、皮膚外用剤の開発が期待されるようになってきた。 一方、本発明者らは毛包の上皮幹細胞及び色素幹細胞に酸性条件下でモリブデン化合物を用いて刺激を与えることにより、幹細胞の分化を誘導することを見出し、モリブデンの発毛・育毛作用を報告した(特許文献5)。また、モリブデンイオン含有イソポリ酸又はヘテロポリ酸に毛乳頭細胞増殖活性があることが報告されている(特許文献6)。特開2008−56703号公報特開平6−9349号公報特開2007−204426号公報特開平6−40857号公報特願2006−265371号特開2007−191434号公報板見智編、「毛の悩みに応える皮膚科診療」南山堂、2006年6月8日発行 以上のように、モリブデン及びモリブデン化合物は、頭皮等に塗布することにより、毛包中の上皮幹細胞や色素幹細胞の分化を誘導し、育毛・発毛を促進し、白髪を黒髪に復するなど、優れた皮膚外用剤として供せられる可能性を有する。 しかしながらモリブデン及びその化合物は、日本国内ではPRTR制度(人の健康や生態系に有害なおそれがある化学物質について、環境中への排出量及び廃棄物に含まれての移動量を事業者が自ら把握して行政庁に報告し、さらに行政庁は事業者からの報告や統計資料を用いた推計に基づき排出量・移動量を集計・公表する制度)やMSDS制度(第一種指定化学物質、第二種指定化学物質及びそれらを含有する製品(指定化学物質等)を他の事業者に譲渡・提供する際、その性状及び取扱いに関する情報(MSDS:Material Safety Data Sheet)の提供を義務付ける制度)の対象物質であり、その安全性については十分な確証が得られていない。 そこで、本発明は有効性が高く安全なモリブデン化合物を見出し、それを有効成分とする育毛・発毛剤、白髪防止剤、皮膚外用剤、分化誘導剤を提供することを目的とする。 本発明者らは、広範なスクリーニングの結果、食品として市販され、既に安全性が確立されているモリブデン含有酵母及びモリブデン含有乳酸菌が優れた育毛・発毛効果、白髪防止効果等を有することを見出し、本発明を完成させた。 すなわち本発明は、安全性の高いモリブデン含有酵母、モリブデン含有乳酸菌のうち1種または2種を含有することを特徴とする育毛・発毛剤、白髪防止剤、皮膚外用剤、分化誘導剤を提供する。 本発明のモリブデン含有酵母及び/又はモリブデン含有乳酸菌水溶液は、皮膚へ塗布することにより、毛包の上皮幹細胞に分化を誘導する。その結果、育毛を促進するとともに、休止期にある毛包を成長期に移行させ発毛を促進する。また創傷時などには毛包の幹細胞が表皮や脂腺に角化細胞を供給することから、創傷治癒時などに皮膚の再生を促進する。さらに、毛包の色素幹細胞に分化を誘導することにより、白髪を黒髪化する。 従って、種々の脱毛症、白毛症の治療や予防、あるいは皮膚の再生を促進する皮膚外用剤、分化誘導剤として有用である。 モリブデン含有酵母及び/又はモリブデン含有乳酸菌を蒸留水で可溶化する。溶液は酸性領域が好ましく(pH3.5〜6.5)、アルカリ領域では効果発現が弱い。従って、蒸留水もしくは蒸留水に副作用をおこさない範囲の酸性溶液(硫酸、亜硫酸、炭酸、塩酸、ホウ酸等)を加えても良い。至適のpHは5前後。又、浸透を促進するグリセリン、アルコール等を加えても良い。 本発明におけるモリブンデン含有酵母及び/又はモリブデン含有乳酸菌の配合量は、薬剤の具体的な形態や他の配合成分との兼ね合いに応じて適宜選択するべきものであり、特に限定されるものではないが、薬剤全量中のモリブデン濃度は、好ましくは5〜400μg/mlであり、特に好ましくは20〜200μg/mlである。 本発明を証明する為に、ウサギ及びマウスを用いた実験を行った。すなわち、剃毛したウサギと、遺伝的形質により殆ど体表に毛を有しないリンパ球欠損マウス(ヌードマウス)を用いて、発毛状態及び幹細胞分化誘導の発現状況を肉眼的及び光学的に観察した。 実施例1 雌の日本白色種5か月令家兎(1匹)を用いて、その背部を2か所、アニマルクリッパーで剃毛した。その1か所に、あらかじめ調整した5%モリブデン(シティ社製、USA)含有酵母水溶液(モリブデン2mg/g含有酵母500mgを精製水10mlに溶解)を1日1回塗布し、経時的に観察した。また残りの1か所にはコントロールとしてモリブデンを含有しない酵母水溶液を塗布した。 図1に、処置前、7日目、18日目の様子を示す。図1に示すように、経時的観察の結果、モリブデン含有酵母水溶液を塗布した部位とモリブデンを含有しない酵母水溶液を塗布した部位では、明らかに育毛状態に差が認められた。 次に、両者の病理学的観察を行った。すなわち、処置後1か月の皮膚を剥離し10%ホルマリン溶液で固定後、ヘマトキシリン・エオジン(以下「HE」という。)染色を実施し、表皮部及び皮筋部近傍(真皮深部)を顕微鏡にて観察した。 図2に示す様に、モリブデンを含有しない酵母水溶液を塗布した部位(コントロール)に比べモリブデン含有酵母水溶液を塗布した部位では表皮に於いても毛・毛包及び色素細胞が多く、かつ皮筋近傍に於いてはコントロールには全くみられない毛包細胞が密集していることが判明し、幹細胞の分化誘導が明らかとなった。 実施例2 次に人為的な剃毛ではなく、遺伝的に無毛に近い状態を有している雌のヌードマウス7週令(チャ−ルスリバー、オリエンタルバイオサービス社供給)を用いた実験を行った。すなわち、コントロール群(5匹)にはモリブデンを含有しない酵母水溶液を毎日塗布し、処置群(5匹)には5%モリブデン含有酵母水溶液を毎日塗布し観察した。なお水溶液の塗布は背中から顔面にかけて行った。 図3に30日後のコントロール群の顔面部、図4に30日後の処置群の顔面部を示す。 コントロール群と比較して、処置群の顔面にかなりの密度で発毛が開始されたことが明らかとなった。 モリブデン含有酵母水溶液とモリブデンを含有しない酵母水溶液を毎日塗布したウサギの背部の経時的変化。モリブデン含有酵母水溶液とモリブデンを含有しない酵母水溶液を毎日1か月間塗布したウサギ背部のHE染色の顕微鏡像(対物レンズ×4)。モリブデンを含有しない酵母水溶液を毎日30日間背中から顔面にかけて塗布したヌードマウス(コントロール群、5匹)。モリブデン含有酵母水溶液を毎日30日間背中から顔面にかけて塗布したヌードマウス(処置群、5匹)。 モリブデン含有酵母、モリブデン含有乳酸菌のうち1種または2種を含有することを特徴とする育毛・発毛剤。 モリブデン含有酵母、モリブデン含有乳酸菌のうち1種または2種を含有することを特徴とする白髪防止剤。 モリブデン含有酵母、モリブデン含有乳酸菌のうち1種または2種を含有することを特徴とする皮膚外用剤。 モリブデン含有酵母、モリブデン含有乳酸菌のうち1種または2種を含有することを特徴をする分化誘導剤。 【課題】モリブデン又はその化合物を含有する、安全性の高い育毛・発毛剤、白髪防止剤、皮膚外用剤、分化誘導剤の提供。【解決手段】モリブデン含有酵母、モリブデン含有乳酸菌のうち1種または2種を含有することを特徴とする育毛・発毛剤、白髪防止剤、皮膚外用剤、分化誘導剤。【選択図】図1