タイトル: | 特許公報(B2)_レーザ装置および光断層画像撮像装置 |
出願番号: | 2008125642 |
年次: | 2014 |
IPC分類: | H01S 3/106,H01S 5/022,G01N 21/17,H01S 3/083 |
古澤 健太郎 水谷 夏彦 宮田 和英 JP 5495506 特許公報(B2) 20140314 2008125642 20080513 レーザ装置および光断層画像撮像装置 キヤノン株式会社 000001007 阿部 琢磨 100126240 黒岩 創吾 100124442 古澤 健太郎 水谷 夏彦 宮田 和英 20140521 H01S 3/106 20060101AFI20140424BHJP H01S 5/022 20060101ALI20140424BHJP G01N 21/17 20060101ALI20140424BHJP H01S 3/083 20060101ALI20140424BHJP JPH01S3/106H01S5/022G01N21/17 620H01S3/083 H01S 3/106 H01S 3/083 H01S 5/022 A61B 10/00 G01N 21/17 G02F 1/00−1/125 G02F 1/29−1/39 JSTPlus/JST7580(JDreamIII) Science Direct IEEE Xplore 特開平08−222790(JP,A) 特開2005−347668(JP,A) 特開平08−101411(JP,A) 特開平06−125124(JP,A) 特開2007−278868(JP,A) R. Huber, et al.,"Fourier domain mode locking(FDML):A new laser operating regime and applications for optical coherence tomography",OPTICS EXPRESS,2006年 4月17日,Vol.14,No.8,p.322-3237 12 2009277754 20091126 19 20110509 林 祥恵 本発明は、レーザ装置および該レーザ装置を光源とする光断層画像撮像装置に関するものである。 光断層画像撮像装置は、新しい医用画像撮像装置としてその利用が広がりつつある。特に、多波長光波干渉を利用した光コヒーレンストモグラフィ(OCT: Optical Coherence Tomography)による光断層画像撮像装置は、ミクロンオーダーの深さ分解能で、数mmの深さまで眼底の断層像を取得できる。以下、これをOCTと記す。そのため、従来の走査型レーザ眼底鏡(SLO: Scanning Laser ophthalmoscope )では得られなかった重要な情報を与える診断ツールとして、その重要性が高まっている。 様々な形態のOCTに関しては、非特許文献1に詳述されている。例えば、広帯域な光源とマイケルソン干渉計を組み合わせたTD−OCT(Time domain OCT)では、参照アームの遅延を走査することで、信号アームの後方散乱光との干渉光を計測し、深さ分解の情報を得るように構成されている。 しかし、このようなTD−OCTでは高速な画像取得は難しいことから、より高速にOCT画像を取得するための方法として、つぎのような形態のOCTが知られている。例えば、広帯域光源を用い、分光器でインターフェログラムを取得するOCTとして、SD−OCT(Spectral domain OCT)が知られている。また、周波数掃引光源を用い、インターフェログラムを時系列で取得するOCTとして、SS−OCT(Spectrally swept OCT)、等が知られている。 ところで、上記SS−OCTでは、周波数掃引光源の周波数掃引レートはフレームレート、およびボリュームレートを向上させる重要なファクターである。例えば、周波数掃引光源をフーリエドメインモード同期させ、ファイバリングにバッファーすることによって〜200kHzの掃引レート(Aスキャンレート)が達成されている。この光源を用いて、フレームレートとして〜900Hz程度、ボリュームレートとして3.5Hzのスキャンを行うことが可能となっている(非特許文献2参照)。 一方、最近において、通信技術分野において開発されてきた分散チューニング法による波長可変レーザを、OCTに転用することが試みられている(非特許文献3参照)。この分散チューニング法では、共振器中の分散を利用し、モード同期周波数の変化に応じて波長を変えることができるという原理が用いられる。これによると、波長を高速に掃引するための機械的駆動部を必要としないことから、広帯域で高速に波長を掃引することが可能となる。また、特許文献1では、このような分散チューニング法を利用し、発振波長を制御可能に構成したレーザ装置が提案されている。このレーザ装置は、リング共振器中に、正と負の分散領域と二つの変調器を備え、波長分散量をほぼ零とし、リング共振器内に単一波長の光パルスを発生するように構成されている。M.Brezinski, ¨Optical Coherence Tomography,¨ Wiley, London (2006)R.Huber, et al. Opt.Exp. Vol.14, pp.3225 (2006)S.Yamashita, et al. Opt.Exp. Vol.14, pp.9399 (2006)特開平8−222790号公報 最近のOCTのいくつかの応用において、より高速に3次元イメージングを達成する期待が高まっている。しかし、上記のフーリエドメインモード同期レーザにおいても、共振器内で可変フィルタを機械的に駆動するものであることから、変調速度に上限(<100kHz)があり、さらに高速化することは困難である。また、バッファーさせるために、共振器長が長くなり(>1km)、光源の安定性も劣化する。一方、非特許文献3のような分散チューニングによる場合においても、共振器内の利得が有限であり、この有限な利得によるパルスの立ち上がり時間によって掃引レートの上限が規定され、周波数掃引レートは(〜200kHz)程度に限られる。また、上記特許文献1のレーザ装置では、上記した分散チューニングによるリング共振器に二つの変調器を備え、リング共振器内に単一波長の光パルスを発生させるようにしたことについて開示されている。しかしながら、そこにはこれらの変調器を駆動する駆動信号を位相変調させることにより、リング共振器内に複数波長の光パルスを発生させることで掃引速度の向上を図り、1MHz以上の掃引レートを実現するようにしたこと等については何も開示されていない。 本発明は、上記課題に鑑み、掃引速度の向上を図ることができ、1MHz以上の掃引レートが可能となるレーザ装置および該レーザ装置を光源とする光断層画像撮像装置の提供を目的とする。 本発明は、つぎのように構成したレーザ装置および該レーザ装置を光源とする光断層画像撮像装置を提供するものである。本発明のレーザ装置は、第1の変調器、正常分散領域、第2の変調器、異常分散領域がこの順に配列され、これらの配列中に利得媒質と、出力カプラーと、を含む構造を備えたリング共振器と、 前記第1の変調器と前記第2の変調器それぞれに変調信号を供給する手段と、を有し、 前記変調信号を供給する手段は、前記第1の変調器と前記第2の変調器との間におけるゲート遅延時間に位相変調が与えられるように、 前記第2の変調器に対する変調信号として、前記第1の変調器に対する周期的な変調信号に周期的な位相変調を重畳させた信号を供給し、前記第2の変調器でゲートされる光の波長を変化させ、 前記出力カプラーから出力される光の波長を掃引することを特徴とする。また、本発明の光断層画像撮像装置は、 光源からの光を分割し、一方を被測定対象に導くと共に他方を参照ミラーに導き、該一方の被測定対象で反射された後方散乱光と該他方の参照ミラーで反射された反射光とによる干渉光を用い、前記被測定対象の断層像を撮像する光断層画像撮像装置であって、 前記光源が、上記したいずれかに記載のレーザ装置によって構成されていることを特徴とする。 本発明によれば、掃引速度の向上を図ることができ、1MHz以上の掃引レートが可能となるレーザ装置および該レーザ装置を光源とする光断層画像撮像装置を実現することができる。 以上の構成により、掃引速度の向上を図ることができ、1MHz以上の掃引レートが可能となるが、それは本発明者らのつぎのような知見に基づくものである。本発明者らは、分散チューニングを用いたリング共振器を備えたレーザ装置に、2つの変調器を設け、この2つの変調器を駆動するに当たり、一方の変調器の駆動信号を位相変調することで、1MHz以上の掃引レートが実現されることを見出した。リング共振器内に複数波長の光パルスを発生させ、1MHz以上の掃引レートが可能となることを見出した。すなわち、これは、前述した特許文献1のように、2つの変調器の一方の駆動信号を位相変調することなく、単一波長の光パルスを発生させるものと相違し、 一方の変調器の駆動信号を位相変調することで、リング共振器内に複数波長の光パルスを発生させるものである。したがって、このような本発明の構成によれば、1MHz以上の掃引レートが可能となる。 以下に、これらを具体的に構成した本発明の実施形態について説明する。本実施形態におけるレーザ装置においては、分散チューニングを用いたリング共振器を備えたレーザ装置を、つぎのように構成することができる。すなわち、レーザ装置を構成するリング共振器は、 光を発生させるための利得媒質、第1及び第2の変調器として振幅変調器を備え、光を分散するための媒質として例えばファイバによる正常分散領域、光の分散を補償するための媒質として例えばファイバによる異常分散領域を備える。そして、第1の変調器、正常分散領域、第2の変調器、異常分散領域の順に配列され、これらの配列中に利得媒質が含まれるように構成され、 前記第2の変調器に対する変調信号は、前記第1の変調器に対する周期的変調信号に周期的な位相変調を重畳させた信号として、前記第1と第2の変調器の間におけるゲート遅延時間に位相変調が与えられるように構成されている。なお、上記振幅変調手段は、マッハーツェンダー型の電気光学変調器、電界吸収型変調器、音響光学変調器、ポッケルスセルと偏光ビームスプリッタを組み合わせたもの、等によって構成することができる。以上により、第1と第2の変調手段の位相差に依存する発振波長を有する波長が可変で高調波によるモード同期レーザが構成される。正常分散領域と異常分散領域を有することによって、共振器周回時間の波長依存性を小さくできるため、繰り返し周波数の波長依存性は無視できるほどに小さくできる。また、上記したように前記第2の変調器に対する変調を、前記第1の変調器に対する変調に位相変調を周期的に重畳させて位相変調することで、周期的に周波数が掃引される光源を実現することができる。その際、繰り返し周波数の変動が無視できるため、高速な位相変調による高速な周波数掃引が可能となる。また、本実施形態におけるレーザ装置は、前記第2の変調器において重畳される位相変調の周期を、前記リング共振器を周回する光の波長が該共振器を一周する時間の整数分の1の周期とするように構成することができる。これにより、位相変調周波数がリング共振器の基本モード同期周波数よりも大きい場合においても発振条件を満たすことができる。また、時間的に波長が異なるパルス列が出力として得られ、その周波数掃引レートは位相変調周期で与えられるため、高速な波長掃引が可能となる。また、本実施形態におけるレーザ装置は、前記正常分散領域または/および前記異常分散領域が、偏光保存ファイバで構成することができる。ここで、偏光保存ファイバーとは、通常は軸対称である光ファイバーの形状・応力分布等に異方性を導入して複屈折性を付与することで2つの偏波主軸を与え、各軸に沿って直線偏波光が安定に伝送するようにされているものである。偏光保存ファイバーには、例えば、コア近傍に2つの応力付与領域を配したPANDA型の構成がある。これにより、環境変化に伴う共振器周回時間の変動を抑制することができ、安定化を図ることが可能となる。 また、本実施形態におけるレーザ装置は、前記第1の変調器における変調周波数をfm、前記第2の変調器において重畳される位相変調の周波数をfpとするとき、 前記第1と第2の変調器間におけるゲート遅延時間の位相変調のパラメータが、つぎの条件式を満たすように構成することができる。 fm>fp また、本実施形態におけるレーザ装置は、前記リング共振器から出力されるパルス出力信号のタイミングを、前記第1の変調器にフィードバック制御する手段を有する構成とすることができる。これにより、長期的なモード同期の安定化を図ることが可能となる。また、本実施形態におけるレーザ装置は、前記リング共振器から出力されるパルス出力信号を、外部光受動共振器により検出し、該検出された信号により前記第2の変調器をフィードバック制御する手段を有する構成とすることができる。これにより、それぞれのパルスの波長の安定化を図ることが可能となる。 また、本実施形態におけるレーザ装置は、前記リング共振器が、群遅延を連続的に可変にする手段を有する構成とすることができる。なお、上記群遅延を連続的に可変にする手段は、ファイバ伸張型遅延回路、グレーティング型、プリズム型、またはプリズム型のパルス伸張器・圧縮器、等で構成することができる。また、本実施形態におけるレーザ装置は、前記リング共振器から出力されるパルス出力信号を、前記外部光受動共振器により検出し、該検出された信号により前記群遅延を連続的に可変にする手段をフィードバック制御する手段を有する構成とすることができる。これらにより、それぞれのパルスの波長の安定化を図ることが可能となる。 また、本実施形態におけるレーザ装置は、前記利得媒質と、前記第1の変調器及び第2の変調器とが、同一の素子によって構成することができる。これによって、共振器内のコンポーネント数を減らすことができ、コストの削減を図ることが可能となる。また、本実施形態におけるレーザ装置は、前記リング共振器が、受動的スペクトル整形する手段を有する構成とすることができる。ここで、スペクトル整形手段は、利得媒質と励起源を組み合わせたもの、長周期ファイバグレーティング、エタロン、角度分散を与える素子と空間液晶変調器を組み合わせたもの、等で構成することができる。これにより、利得の波長依存性を平坦化できるだけでなく、発振波長も規制することができ、出力変動の安定化、発振波長の安定化を図ることが可能となる。また、本実施形態においては、上記レーザ装置の駆動方法をつぎのように実現することができる。前記第1の変調器と前記第の2の変調器とを駆動信号により駆動するに際し、前記第2の変調器に対する駆動信号を、前記第1の変調器に対する駆動信号に位相変調を加えて駆動することで、リング共振器内に複数波長の光パルスを発生させることができる。また、本実施形態におけるレーザ装置を光源として用い、つぎのような光断層画像撮像装置を構成することができる。すなわち、上記レーザ装置による光源からの光を分割し、一方を被測定対象に導くと共に他方を参照ミラーに導く。そして、該一方の被測定対象で反射された後方散乱光と該他方の参照ミラーで反射された反射光とによる干渉光を用い、前記被測定対象の断層像を撮像するようにした装置を構成することができる。これにより、前記光源の位相変調周期で与えられる周波数掃引レートで、被測定対象の光断層画像を取得できるため、従来よりも高速なフレームレート、ボリュームレートでOCT画像取得が可能な光断層画像撮像装置を実現することができる。 以上のレーザ装置について、図を用いて更に詳細に説明する。ここで、まず本実施形態におけるレーザ装置を説明する前に、このレーザ装置を光源として用いる光断層画像撮像装置の概略について説明しておく。図1に、本実施形態における光断層画像撮像装置の概略を説明する図を示す。図1(a)は本実施形態における光断層画像撮像装置の基本的な構成を示す図である。図1(b)は信号光105をビーム走査素子110で走査させるようにした構成例を説明する図である。図1(c)は測定物体107をステージ111に固定してその位置を走査させるようにした構成例を説明する図である。図1において、101は光源、102はマイケルソン干渉計、103はビームスプリッタ、104は参照光、105は信号光、106は参照ミラー、107測定物体、108は後方散乱光、109は光検出器である。 本実施形態の光断層画像撮像装置において、光源101からの光は、マイケルソン干渉計102に入射される。干渉計は広帯域ビームスプリッタ103を介して、参照光104と信号光105に分割される。参照光104は、反射率の最適化された参照ミラー106で反射される。また、信号光105は測定物体107へ入射され、後方散乱光108を発生させる。参照光104と後方散乱光108は、光検出器109で測光される。 この系において、後方散乱光108の発生部位を変化させてスキャンを行うために、例えば図1(b)のように信号光105をビーム走査素子110で走査してもよい。あるいは、図1(c)のように測定物体107をステージ111に固定し、その位置を走査してもよい。ビーム走査を行う場合、ライン状のビームを一次元方向に走査してもよいし、点状のビームを2次元方向に走査してもよい。それに応じて、光検出器109の形態、および光学系の構成は異なるが、これはよく知られている通りである。例えば、ライン状ビームの場合、光検出器109はアレイ状であってもよい。また、光源への戻り光を抑制するための光アイソレータなどの保護措置を、光源101とマイケルソン干渉計102の間に配置してもよい。 OCTの性能指標として、深さ分解能とダイナミックレンジは重要である。OCTの深さ分解能dzは、つぎの(1)式で与えられる。 ここで、λは光源の中心波長、Δλは光源の帯域、nsは測定物体の屈折率である。また、SD/SS−OCTにおける深さのダイナミックレンジは、つぎの(2)式で与えられる。 ここで、δλは測定における波長分解能である。これはSD−OCTの場合、光検出器109に対応する分光器の分光性能で決まるが、SS−OCTでは高速光検出器109の帯域、もしくはレーザ線幅で決まる。 つぎに、本実施形態における光断層画像撮像装置の光源(レーザ装置)について説明する。本実施形態における光源は、高調波によるモード同期レーザの分散チューニングによる波長可変を出発点としている。分散チューニングのメカニズムを利用した波長掃引光源に関しては、前述したように非特許文献3に記載されている。しかしながら、非特許文献3に記載の光源においては、前述したように有限な利得によるパルスの立ち上がり時間によって、掃引レートの上限が決められていることから、周波数掃引レートは(〜200kHz)程度以上とすることには限界がある。 このような課題を克服するためには、ある波長でモード同期された光パルスを、共振器を周回させた後、同じ振幅変調を受けるようにすることが必要である。そのためには、波長掃引のための周波数変調速度fmが、波長依存のパルス周回時間Tr(λ)の逆数の整数倍となっていればよい。この条件はつぎの(3)式で与えられる。fm=m/Tr(λ) (3)ここで、mは自然数である。色の異なる光パルスが同時に共振器内に存在するためには、各色の光パルスの周回時間がほぼ同じでなければならない。すなわち、群速度分散がほぼ零であることが必要である。しかし、これらは分散チューニングの原理に反する。それは、分散チューニングの原理によれば、有限な共振器内分散の値に対して、その繰り返し周波数(変調周波数fm)を変えることで、波長可変性を実現しているからである。そこで、分散チューニングの原理を利用しつつ、繰り返し周波数を一定にするために、前述した特許文献1に開示されている手法を採ることができる。すなわち、正常分散領域(正の分散領域)と異常分散領域(負の分散領域)がバランスされるように分散媒質を配置し、これら2媒質の中間に外部変調器を、それぞれ設けるようにすればよい。 図2に、本実施形態における光断層画像撮像装置の光源(レーザ装置)の基本的構成を説明する図を示す。図2において、202は利得媒質、203は出力カップラー、204は正常分散媒質、205は異常分散媒質、206は外部変調器である第1の変調器、207は外部変調器である第2の変調器、208は光アイソレータである。 本実施形態におけるレーザ装置を構成するリング共振器201は、以下の部材により構成されている。すなわち、利得媒質202、出力カップラー(アウトプットカップラ)203、正常分散媒質204と異常分散媒質205、第1の変調器206、第2の変調器207、光アイソレータ208から構成されている。ここで、光アイソレータ208は単一方向の動作を保証している。外部変調器を構成する第1の変調器206と第2の変調器207は、利得媒質を兼ねた半導体増幅器(SOA)でもよい。その場合、利得媒質202は必要条件ではなくなるが、寄生発振を抑制するために光アイソレータ208に加えて、もうひとつの光アイソレータを二つのSOAの中間(第1のSOA206と第2のSOA207の間)に挿入する必要がある。 分散媒質中では、光パルスはその色によって異なる群速度で伝搬するので、二つの外部変調器の変調タイミングがずれていれば、共振器でその瞬間に低損失となる色は制限される。すなわち、分散チューニングが実現される。この様子を時間領域と波長領域のそれぞれに関して図5に示す。第1の変調器206でゲートされ、異常分散媒質205(分散媒質D)を透過したパルスは、分散媒質の群速度分散の効果で時間的に広がる。そこで、位相をずらして第2の変調器207をゲートすれば、ある波長成分だけを通過させることができる。前述のように、その後に分散媒質Dを補償する分散媒質を通過させれば(分散補償)、どの波長に対しても(3)式は満たされる。但し、分散補償を行っても外部変調器が一つであった場合、このような作用は期待できない。なぜなら、変調器が設けられていない方の正常分散媒質と異常分散媒質の中間地点で、チャープが最大となれば、全ての波長が変調器のゲートを同時刻に通過できてしまうからである。 より定量的に説明するために、二つの変調器が光ファイバで接続されている場合を例にとり、説明する。第1の変調器を通過した光パルスが、第2の変調器に到着するまでにかかる相対的な群遅延時間は波長に依存し、つぎの(4)式で与えられる。Δτ(λ)=(λ−λ0)DL (4)ここで、Lはファイバの長さ、Dは波長λ0におけるファイバの分散パラメータである。波長可変範囲での最大の群遅延時間をΔτmaxとすると、二つの変調器間のゲート遅延時間ΔτGを、つぎの(5)式による範囲で変化させると、2つの変調器を通過する波長変化が変化する。T0<T0+ΔτG<T0+Δτmax (5)ここで、T0=L/νgであり、νgは群速度である。色分離をよくするためには、変調器のゲート時間τGは光ファイバで与えられる相対的な群遅延時間よりも十分短い必要がある。 一方、変調器の変調周波数fm(ゲートの繰り返し周波数)はΔτmaxの逆数よりも大きい必要がある。これらの二つは群遅延時間の範囲に対して、つぎの(6)式による束縛条件を与える。τG≪Δτmax<1/fm=Tr/m (6)共振条件を満たしつつ、第2の変調器を(5)式を満たすようにΔτGを位相変調するためには、その位相変調周波数fpはつぎの(7)式の条件を満たす必要がある。1/fm<1/fp=Tr/n (7)ここで、nは任意の整数である。以上より、(6)式を満たす繰り返し周波数で、第1と第2の変調器を変調し、(5)式および(7)式を満たすように第2の変調器においてゲート遅延時間ΔτGを位相変調する。これにより、m/n個の異なる波長のパルスが略等時間間隔で共振器内を周回することができ、異なる色のパルスがモード同期されていることになる。 なお、一般的な高調波モード同期のメカニズムは、ゲートを通過する光パルスが自己位相変調によって時間的に広がることによって損失を受けることに起因している。各々のパルスは基本モード同期、または低次の高調波モード同期が達成され、それぞれのパルスが利得を奪い合い、それぞれのスペクトル幅を広げようとするが、それは群速度分散の効果によって時間的な広がりとなる。従って、光変調器のゲートによって損失となるので、利得に負帰還がかかり、モード同期は達成される。 ところで、一般的なモード同期モデルでは時間コヒーレンスが無限大と仮定する。すなわち、モード同期されるモード構造はデルタ関数とみなしている。すなわち、パルス列の存在(周期性)を前提としている。上述のように、m/n個の異なる波長のパルスがパルス列を形成する場合、非線形光学効果(例えば相互位相変調)が介在しない限り、それぞれのパルス間に相互コヒーレンスは必ずしも要求されない。単一パルスのモード間隔が1/Trであればよいからである。すなわち、もし隣接するパルスのスペクトルがオーバーラップしない場合でもモード構造としては存在できる。今、ひとつのパルスに注目すると、そのパルスが共振器内の他の区間を伝搬している間も、振幅変調器によるゲートの開閉は生じている。これは結果としてレーザ出力のコヒーレンスを劣化させる。しかし、注目するパルスがゲートから空間的に離れているときに、ゲートの開閉によって生じるノイズ成分(ASE: 増幅自然放出光)は、そのゲートの開閉のタイミングに一番透過率の高い、別の波長成分に利得を奪われるため、結果的には抑制される。なお、隣接するパルスのスペクトルがオーバーラップする場合は断熱的な変化とみなすことができる。従って、モード構造を考慮しても上述の動作は成り立つといえる。 なお、上述の説明では光ファイバを分散媒質としたが、例えばスーパーストラクチャーファイバ回折格子やアレイ導波路回折格子などの有限な帯域を有するマルチチャネルの群遅延素子でもよい。これらの光学素子を用いることによって、共振器長を短くすることができ、モード間隔を広くすることができるため、モードホップも起こりにくくなり、環境に対してよりロバストな光源を構成することができる。 光ファイバを分散媒質として用いる場合でも、環境に対する安定性を確保するには分散パラメータDを大きくすれば良い。分散パラメータDが大きいと、温度変化に伴う共振器長の変化の効果は相対的に小さくできる。実効的な共振器長をLeff=neffLとすると、温度変化依存性はdLeff/dT=Ldneff/dTである。例えば、光ファイバリングを構成するシリカガラスではdn/dT〜1x10-5 [1/℃]なので、L=100mのとき、dLeff/dT〜1[mm/℃]である。一方、分散の効果による共振器長はdLeff/dλ=cDL/neffである。L=100mとして、例えばD=−50ps/nm/kmとすると、dLeff/dλ=1mm/nmとなる。従って、温度変化による共振器長への効果は、波長依存性としてみると小さなものとなる。 以下に、本発明の実施例について説明する。[実施例1] 実施例1においては、OCTの光源に適用される1.55μm帯のレーザ装置の構成例について説明する。図3に、本実施例におけるレーザ装置の構成例について説明する図を示す。図3において、301は励起レーザダイオード(LD)、302はWDMカップラー、303はエルビウム添加光ファイバ(EDF)、3031は利得等化器、304は正常分散光ファイバである305は第1のLN電気光学変調器(EOM)、306は出力カップラー、307は異常分散光ファイバ、308は第2のLN電気光学変調器(EOM)である。309はアイソレータ、310はタップカップラー、311は3dBカップラー、312は光検出器、313はクロック抽出回路、314は外部光受動共振器、315は光検出器、316は信号処理回路である。317はOCT信号処理用出力、318はRFシンセサイザ、319はRF増幅器、320はRF信号源、321はRF位相変調器、322はRF増幅器、324は分周器である。 本実施例におけるレーザ装置を構成するレーザ共振器は、エルビウム添加光ファイバ(EDF:300ppm,6m)303、利得等化器3031、正常分散ファイバ(D=−100ps/nm/km,200m)304を備える。また、第1のLN変調器であるLiNbO3(LN)電気光学変調器(EOM:Vp〜4V,帯域10GHz)305を備える。また、出力カップラー(5/95)306、異常分散ファイバ(D=70ps/nm/km,285m)307、第2のLN電気光学変調器(EOM)308を備える。また、光アイソレータ309、WDMカップラー(980/1550nm)302を備える。そして、これらにより偏波保存光ファイバリングが構成され、エルビウム添加光ファイバ(EDF)303はWDMカップラー302を介して、グレーティング安定化型の励起レーザダイオード(LD:300mW,λ=980nm)301で励起される。RFシンセサイザ318は、上記第1のLN電気光学変調器(EOM)305と第2のLN電気光学変調器(EOM)308を駆動する信号を発生し、RF増幅器319を介して第1のLN電気光学変調器(EOM)305を駆動する。RFシンセサイザ318のもう一つつの出力は、別のRF信号源320で駆動された位相変調器321で位相変調され、第2のRF増幅器322で増幅された後、第2のLN電気光学変調器(EOM)308を駆動する。RF信号源320の変調周波数はRFシンセサイザ318からの信号から、分周器324を介して同期されている。 励起LDを150mWで励起すると、出力〜1.5mWが得られる。レーザ共振器長は500mであるので、F〜410kHzである。RFシンセサイザ318はfm=〜1GHz、τg=100psで駆動されている。RF信号源320の代わりに直流電圧を加えると(位相変調器321を位相シフターとして使用すると)、m〜2400で高調波モード同期が達成される。発振波長はλ〜1550nmでスペクトル幅〜0.2nmである。直流電圧を変えると発振波長が変化する。それは、第2のLN電気光学変調器(EOM)308でゲートされる光の波長が変化することによる。位相シフトを概ね−π〜πの範囲で変化させると、1525nm〜1565nmの範囲で波長がチューニングされる。利得等化器3031のおかげで、出力変動は〜0.1mW程度である。本実施例ではD=70ps/nm/kmの光ファイバ285mであるので、群遅延時間は19.6ps/nmであり、40nmの波長変化は〜780psの遅延変化に対応する。RFゲートパルスの時間幅をより短くすることによって、より広範囲で波長可変となる。 次に、RF信号源320をRFシンセサイザ318に同期させて変調をかける。RF信号源320の変調周期はfm/mであるが、この整数倍であれば(3)式が満たされるのでモード同期が維持される。振幅を徐々に増加していくと、観測されるスペクトルはそのスペクトル幅を広げていくが、実際は、異なる色の光パルスが時系列に出力される状態となる。位相変調器の位相シフト量が−π〜πの範囲でスペクトル幅〜40nmとなる。波長掃引レートはRF信号源320の変調器に依存し、最低で〜400kHzである(Fに対応)。例えば、RF信号源320を4倍のfm/mの周波数で駆動すれば、掃引レートは〜1.6MHzとなる。 本実施例は偏光保存ファイバリングで構成されているので、偏光揺らぎに起因する不安定性は無い。但し、共振器長は500mであるので、dLeff/dT〜5[mm/℃]でdLeff/dλ=4[mm/nm]となる。1℃あたりの共振周波数の変化は数Hzのオーダーであるので、実験室環境では十分安定であるが、モード同期は1℃の温度変化は〜1.25nm程度の波長掃引帯域の重心変化を生じる。環境的安定性、安定してOCT信号を取得するための波長安定性を鑑みると、フィードバック制御を行うことが望ましい。 そこで、つぎにタイミングと波長を安定化する方法について説明する。レーザの出力をタップカップラー(10/90)310でモニタ出力を分岐し、それを3dBカップラー311で二つに分け、片方を高速光検出器312で直接検出する。タイミング回路(クロック抽出回路)313でタイミングを取り出し、それをRFシンセサイザ318にフィードバックする。この場合、全てのタイミングはRFシンセサイザ318のタイミングで同期されているので、フィードバック回路が高速なものが必要となるが、シンプルな構成となる。この場合、パルス列の繰り返し周波数はファイバの長さ揺らぎに追従し、モード同期は維持されるが、波長は安定化されない。従って、OCT画像処理手段に出力波長変化を伝達する手段が必要となる。 つぎに、そのための方法について説明する。3dBカップラー311のもう片方は、外部光受動共振器(FSR:Fp〜1GHz)314を介して光検出器315で検出する。Fp〜fmとすることで、緩やかな包絡線波形が得られる。揺らぎの成分はFSRに対して低周波であるので、その時間的変化が波長の時間的変化に対応する。信号処理回路(信号処理手段)316ではタイミング回路313からの位相調整されたタイミング情報を用いて、各パルスの1周期前からの波長変化を検出し、OCT画像処理手段(OCT信号処理用出力)317へ出力する。これによって、OCT信号のインターフェログラムをリアルタイムキャリブレーションすることが可能となる。その際、外部光受動共振器314とレーザ出力スペクトルは事前にキャリブレーションを行っておく。 また、波長を安定化させるために、この信号処理回路316の出力をRF信号源320にフィードバックしてもよい。この場合、モード同期を維持した上で、波長を安定化させることができ、OCT画像処理手段317への負荷を低減できる。この場合、出力の繰り返し周波数に変動が生じるが、OCT画像処理手段にトリガー信号が与えられていれば、画像取得の上で実質的な問題は生じない。 図6は本実施例のOCTの全体構成を示している。光源701からの光は、ファイバ型のマイケルソン干渉計702に入射される。3dBカップラー703で分岐された参照光はコリメータレンズ704を通して、参照ミラー705に照射され、その反射光は再びコリメータレンズ704からカップラー703に戻される。信号光はコリメータレンズ706によって、コリメートされた後、色消しレンズ707によってサンプル708に集光される。信号アームに結合された後方散乱光は、3dBカップラー703で参照光と重ねあわされた後、トランスインピーダンス増幅器付の光検出器(InGaAsフォトダイオード)709に結合され、時系列インターフェログラムを取り出す。 掃引レートは〜1.6MHzで、パルスの繰り返し周波数は〜1GHzであるので、〜625波長成分に分割される。帯域はΔλ〜45nmであるのでδλ〜0.07nmとなる。しかし、波長分解能は実際のモード同期パルスのスペクトル幅〜0.2nmとなる。(1)および(2)式より、水中(ns〜1.333)での深さ分解能は〜20μm、〜2.3μmとなる。逆に瞬間スペクトル幅から、帯域を分割する波長成分の数は225でよいことになるので、掃引レートは4.4MHz(10xF)程度まで高速にしても、ダイナミックレンジは劣化しない。 信号処理・画像表示手段710では、光源701からの制御信号を用いて、同期、インターフェログラムのキャリブレーションを行って、フーリエ変換を行い、光断層画像が再生される。〜17kHzのスキャナと組み合わせて、256ラインの取得が可能であり、その直交軸を60Hzのスキャナで操作すれば256x256のAスキャン信号が取得できる。従って、ハードウェアとしては60Hzのビデオレート以上でボリュームイメージを取得できる。 以上、1MHz以上の高速で、高ダイナミックレンジ(Ld>2mm)の波長1.55μm帯のOCTに関して述べた。 [実施例2] 実施例2においては、OCTの光源に適用される1.3μm帯のレーザ装置の構成例について説明する。図4に、本実施例におけるレーザ装置の構成例について説明する図を示す。図4において、401はSOA、402はLN変調器、403はファイバストレッチャ、404は異常分散ファイバ、405はアイソレータ、406はEAM−SOA、407は出力カップラー、408はアイソレータ、409は正常分散ファイバである。410はタップカップラー、411は3dBカップラー、412は光検出器、413はクロック抽出回路、414は外部光受動共振器、415は光検出器、416は信号処理回路、417はOCT信号処理用出力である。418は増幅器、419は遅延回路、420は高電圧増幅器、421はRFシンセサイザ、422はRF信号源、423はRF位相変調器、424はRF増幅器、425は分周器である。 本実施例におけるレーザ装置を構成するレーザ共振器は、SOA401、LN変調器(EOM:Vp〜4V,40GHz)402を備える。また、異常分散ファイバ(D=100ps/nm/km、200m)404、ファイバストレッチャ403、光アイソレータ405を備える。また、電界吸収型変調器付きSOA(EAM−SOA,30GHz)406、出力カップラー(10/90)407、光アイソレータ408、正常分散ファイバ(D=−140ps/nm/km、145m)409を備える。そして、これらにより偏波保存ファイバリングが構成されている。異常分散ファイバは、サイドピット型の偏波保存ファイバで、伝搬損失は〜5dB/km、標準的な偏光保存ファイバとの融着損失は〜0.3dBである。EAM−SOA406は、SOA増幅機能によってEAMの挿入損失を十分に補償しているだけでなく、SOAに直接変調するよりも高速に変調でき、LN変調器よりもコンパクトにできるというメリットがある。消光比は低いが、共振器内で用いるため、出力のサイドモード抑制比は30dB以上確保できる。また、高速動作に伴うチャープは、本実施例に用いる光ファイバの分散に比べると小さいので無視できる。また、ゲート時間が特に短くてチャープを無視できない場合でも、それを含めてゲートのタイミングを制御すればよいので、本実施例に好適に用いることができる。 出力カップラー407からの信号はタップカップラー410(10/90)で、モニタ用信号が取り出され、モニタ信号は3dBカップラー411で2分岐される。片方は光検出器412で直接検出し、クロック信号を取り出して、EAM−SOA406に変調信号を出力する。モード同期が安定化するまではRFシンセサイザ421の信号に対して、位相を制御された信号をEAM−SOA406とEOM402への出力信号としている。これによって、モード同期始動され、維持されるようになる。また、外部RF信号源422も分周器425を通して、クロック信号に同期される。 もう片方の光信号は、外部光受動共振器414を介して検波され、もうひとつの光検出器415で検波される。波長可変帯域の両端では、分散補償量が完全に零にはならないため、信号処理回路416の出力はRF信号源422の変調周期に依存した明確な周期構造を持っている。この時間周期は、フィネスの逆数に比例するため、増幅器(利得回路)418と遅延回路419で構成される負帰還回路、および高電圧増幅器420を通して、ファイバストレッチャ403を制御する。これによって、共振器長が環境変動に追従して調節されるため、繰り返し周波数が安定化される。 波長はRF信号源422のオフセット電圧に依存する。従って、信号処理回路416では1周期前の信号と比較して、波長のずれを検出した信号を出力することで、RF信号源422のオフセット制御へ帰還する。このようにすることで、波長が安定化される。また、この信号は、インターフェログラムのキャリブレーション信号としても利用できるので、OCTの画像処理手段417に伝達してもよい。しかし、波長が安定化されていて、その波長が(例えば分光器などを用いて観測することで)既知であれば、リアルタイムキャリブレーションは不要となる。さらに、RF信号源の掃引プロファイルを制御することによって、波長掃引をインターフェログラム取得に適するように、周波数領域で略線形となるようにすることもできる。 SOA401を600mAで駆動し、出力〜1mWが得られる。レーザ共振器長は360mであるので、F〜570kHzである。RFシンセサイザ421はfm=〜500MHz、τg=60psで駆動されている。m〜875で高調波モード同期が達成される。RF信号源422はRFシンセサイザ421の分周信号(分周器:425)に同期して〜1.14MHz(2xF)で位相変調器423を変調し、その変調信号はRF増幅器424で増幅され、EOM402を駆動する。従って、EOM402のゲートはEAM−SOA406のゲートに対して周期的にタイミングが変調される。EOM402でゲートされた光は、光ファイバ404によって、EAM−SOA406に到達する時間が波長によって異なるので、分散チューニングされる。発振波長は1260〜1340nmでスペクトル幅〜0.3nmである。D=100ps/nm/kmの光ファイバ200mであるので、群遅延時間は20ps/nmであり、80nmの波長変化は〜1.6nsの遅延変化に対応する。この場合、波長可変帯域は利得帯域で限られているといえる。 帯域はDλ〜80nm、モード同期パルスのスペクトル幅〜0.3nmであるので〜266波長成分を検出すれば十分である。fm=500MHzであるので、掃引レートは〜1.7MHz(3xF)まで高速にしても、ダイナミックレンジは劣化しない。(1)および(2)式より、水中(ns〜1.333)での深さ分解能は〜7μm、ダイナミックレンジは〜1.1mmとなる。なお、掃引レートは分周器425を切り替えることで、変更可能であり、例えば表面近傍の光断層像をより高いS/Nで取得したいときには、最大の分周比に設定できる。SS−OCT信号は、信号処理回路416の出力に同期して取得されているため、分周比の変化に連動して、画像表示モードとしてユーザインターフェースからの切り替えが可能である。以上、1MHz以上の高速で、高分解能(dz<10μm)の波長1.3μm帯のOCTに関して述べた。本発明の実施形態における光断層画像撮像装置の概略を説明する図である。図1(a)は本実施形態における光断層画像撮像装置の基本的な構成を示す図、図1(b)は信号光をビーム走査素子で走査させるようにした構成例を説明する図、図1(c)は測定物体をステージに固定してその位置を走査させるようにした構成例を説明する図である。本発明の実施形態における光断層画像撮像装置の光源(レーザ装置)の基本的構成を説明する図である。本発明の実施例1におけるOCTの光源に適用される1.55μm帯のレーザ装置の構成例について説明する図である。本発明の実施例2におけるOCTの光源に適用される1.3μm帯のレーザ装置の構成例について説明する図である。本発明の実施形態における分散チューニングが実現される様子を、時間領域と波長領域のそれぞれに関して示す図である。本発明の実施例1におけるOCTの全体構成を示す図である。符号の説明101:光源102:マイケルソン干渉計103:ビームスプリッタ104:参照光105:信号光106:参照ミラー107:測定物体108:後方散乱光109:光検出器202:利得媒質203:出力カップラー204:正常分散媒質205:異常分散媒質206:第1の外部変調器207:第2外部変調器208:光アイソレータ301:励起レーザダイオード(LD)302:WDMカップラー303:エルビウム添加光ファイバ(EDF)3031:利得等化器304:正常分散光ファイバ305:第1のLN電気光学変調器(EOM)306:出力カップラー307:異常分散光ファイバ308:第2のLN電気光学変調器(EOM)309:アイソレータ310:タップカップラー311:3dBカップラー312:光検出器313:クロック抽出回路314:外部光受動共振器315:光検出器316:信号処理回路317:OCT信号処理用出力318:RFシンセサイザ319:RF増幅器320:RF信号源321:RF位相変調器322:RF増幅器324:分周器401:SOA402:LN変調器(EOM)403:ファイバストレッチャ404:異常分散ファイバ405:アイソレータ406:EAM−SOA407:出力カップラー408:アイソレータ409:正常分散ファイバ410:タップカップラー411:3dBカップラー412:光検出器413:クロック抽出回路414:外部光受動共振器415:光検出器416:信号処理回路417:OCT信号処理用出力418:増幅器419:遅延回路420:高電圧増幅器421:RFシンセサイザ422:RF信号源423:RF位相変調器424:RF増幅器425:分周器701:光源702:マイケルソン干渉計703:3dBカップラー704:コリメータレンズ705:参照ミラー706:コリメータレンズ708:測定対象709:光検出器710:信号処理・画像表示手段 第1の変調器、正常分散領域、第2の変調器、異常分散領域がこの順に配列され、これらの配列中に利得媒質と、出力カプラーと、を含む構造を備えたリング共振器と、 前記第1の変調器と前記第2の変調器それぞれに変調信号を供給する手段と、を有し、 前記変調信号を供給する手段は、前記第1の変調器と前記第2の変調器との間におけるゲート遅延時間に位相変調が与えられるように、 前記第2の変調器に対する変調信号として、前記第1の変調器に対する周期的な変調信号に周期的な位相変調を重畳させた信号を供給し、前記第2の変調器でゲートされる光の波長を変化させ、 前記出力カプラーから出力される光の波長を掃引することを特徴とするレーザ装置。 前記重畳される位相変調の周期が、前記出力される光が前記リング共振器を一周する時間の逆数の整数倍の周期であることを特徴とする請求項1に記載のレーザ装置。 前記第1の変調器における変調周波数をfm、前記第2の変調器において重畳される位相変調の周波数をfpとするとき、 前記位相変調のパラメータが、つぎの条件式を満たすことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のレーザ装置。fm>fp 前記正常分散領域と前記異常分散領域のうち少なくとも一方が、偏光保存ファイバであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のレーザ装置。 前記リング共振器から出力されるパルス出力信号のタイミングを、前記第1の変調器にフィードバック制御する手段を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のレーザ装置。 前記リング共振器から出力されるパルス出力信号を、外部光受動共振器により検出し、該検出された信号により前記第2の変調器をフィードバック制御する手段を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のレーザ装置。 前記リング共振器が、群遅延時間を連続的に可変にする手段を有することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のレーザ装置。 前記リング共振器から出力されるパルス出力信号を、前記外部光受動共振器により検出し、該検出された信号により前記群遅延時間を連続的に可変にする手段をフィードバック制御する手段を有することを特徴とする請求項7に記載のレーザ装置。 前記第1の変調器と前記第2の変調器のうち少なくとも一方が、利得媒質で構成されていることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のレーザ装置。 前記第1の変調器と前記第2の変調器のうちいずれか一方が、前記利得媒質を兼ねることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のレーザ装置。 前記リング共振器が、受動的スペクトル整形する手段を有することを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載のレーザ装置。 光源からの光を分割し、一方を被測定対象に導くと共に他方を参照ミラーに導き、該一方の被測定対象で反射された後方散乱光と該他方の参照ミラーで反射された反射光とによる干渉光を用い、前記被測定対象の断層像を撮像する光断層画像撮像装置であって、 前記光源が、請求項1から11のいずれか1項に記載のレーザ装置によって構成されていることを特徴とする光断層画像撮像装置。