タイトル: | 特許公報(B2)_液晶表示素子の配向材料及びその製造方法 |
出願番号: | 2008123292 |
年次: | 2013 |
IPC分類: | C07C 211/50,C07C 209/70,C08G 73/10,G02F 1/1337,C07B 61/00 |
朴 宰撤 崔 珍郁 金 鎭慕 金 容培 JP 5192281 特許公報(B2) 20130208 2008123292 20080509 液晶表示素子の配向材料及びその製造方法 東進セミケム株式会社 500013751 Dongjin Semichem Co.,Ltd. 大家 邦久 100081086 林 篤史 100121050 朴 宰撤 崔 珍郁 金 鎭慕 金 容培 KR 10-2007-0045463 20070510 20130508 C07C 211/50 20060101AFI20130411BHJP C07C 209/70 20060101ALI20130411BHJP C08G 73/10 20060101ALI20130411BHJP G02F 1/1337 20060101ALI20130411BHJP C07B 61/00 20060101ALN20130411BHJP JPC07C211/50C07C209/70C08G73/10G02F1/1337 525C07B61/00 300 C07C 211/50 C07C 209/70 C08G 73/10 G02F 1/1337 C07B 61/00 CA/REGISTRY(STN) 特表2009−527548(JP,A) 国際公開第2004/067623(WO,A2) 9 2008282015 20081120 17 20110509 井上 千弥子 本発明は液晶表示素子用配向材料及びその製造方法に関するものであって、特に、液晶配向性及びラビング耐性に優れ、電圧維持率、コントラストが高く、電荷蓄積を低減することができる下記化学式(1)で示されるジアミノベンゼン誘導体、その製造方法及びこれを利用した液晶配向膜に関するものである。 一般に、既存の陰極線管(CRT;cathode ray tube)方式のディスプレイ素子は優れた特性にもかかわらず、画面が大きくなるに従ってその体積と質量が急速に増加する短所のため、高画質、大画面及び平板型を要求する最近のマルチメディアシステムへの使用には不適切であり、これを改善するために液晶ディスプレイ方式(LCD;Liquid Crystal Device)が開発された。 液晶表示装置の製造過程において、配向膜の配向効果はLCD品質の良否を決める重要な要素である。液晶表示素子に使用される配向膜は基本的に液晶分子を配向させ基板面と液晶分子の間に駆動方法による適切な線傾斜角を有するようにし、安定的で均一な配向膜を形成しなければならないだけでなく、液晶分子と配向膜の間はW>10-4J/cm2の強いアンカリングエネルギーを形成しなければならない。配向膜は液晶表示素子の信頼性、表示均一性、残像と電圧維持率などを決める重要な要素であるためである。 現在、液晶配向膜として使用されるものとして多様なポリマー化合物が知られている。そのうち、最も多く利用される代表的な高分子化合物としてはポリアミック酸をイミド化して使用するポリアミック酸系及び可溶性ポリイミド系などのポリマー組成物がある。これらは優れた耐熱性及び耐化学性で液晶を配向させる配向剤として工業的に広く使用されている。一方、これら高分子化合物はジアミンとテトラカルボン酸二無水物の重合によって形成され、単量体の構造が高分子化合物の物質特性を示すようになる。 液晶配向膜の基本要求条件は線傾斜角の制御である。液晶分子の線傾斜角は配向膜表面の形状、側鎖の長さによって大きく影響を受けることが知られている。特に、IPSモードの液晶表示素子では1〜2度程度の低い線傾斜角が要求されている。 液晶表示素子の駆動方式は、透明電極上に配向膜をコーティングした二枚の透明電極基板の間にネマチック液晶分子を配列させたツイストネマチック(Twist nematic:以下、“TN”と呼ぶ。)モード、スーパーツイストネマチック(Super twist nematic:以下、“STN”と呼ぶ。)モード、インプレインスイッチング(In plane switching:以下、“IPS”と呼ぶ。)モード、垂直配向(Vertical alignment:以下、“VA”と呼ぶ。)モードと薄膜トランジスター(Thin film transistor:以下、“TFT”と呼ぶ。)を使用するTFT型に区分することができる。 視野角が改善されるIPS方式の液晶表示装置には、互いに平行な二つの基板のいずれか1つの基板に、互いに平行で線状である二つの電極が全て形成されている。二つの基板の間に満たされた液晶層の液晶分子の長軸は二つの基板に平行で電極と平行であるか一定の角度をなす方向に配列されている。二つの電極に電場を印加した時には、基板に平行な電場によって液晶分子の長軸が電場に平行に配列される。しかし、既存のIPS方式の液晶表示装置は暗い状態で光漏れ現象が発生してコントラスト比が落ち、液晶分子の応答速度が遅いという問題点を有している。 IPSモードは液晶分子が同一平面内で駆動される横電界方式を使用して左右に対称的な視野角特性を得ることができる。基板の片側にのみ電極を形成させて基板と平行方向の電界を印加する横電界方式は、従来の上下基板に形成された電極に電圧を印加して液晶を駆動させる縦電界に比べて、広い視野角特性を有し、また高品位の表示が可能な液晶表示素子として知られている。このような横電界方式を利用した液晶表示素子は例えば下記特許文献1に記載されている。 前記のように横電界方式の液晶セルは、視野角特性は優れるが、基板内に形成される電極の部分が少ないため静電気が液晶セル内に蓄積されやすく、また駆動によって発生される非対称電圧の印加によっても液晶セル内に電荷が蓄積され、これら蓄積された電荷が液晶の配向を乱したり、または残像や残像持続性として表示に影響を与えて、液晶素子の表示品位を顕著に低下させる問題があった。従って、特に横電界駆動用液晶表示素子で低い線傾斜角(1〜2度)を示すと共に、残像を低減するために液晶配向膜の特性改善が要求されている。特表平5−505247号公報 このような従来の技術の問題点を解決するために、本発明は液晶を安定的に配向させラビング耐性に優れ電圧維持率とコントラストが高いだけでなく、低い線傾斜角を有し、特に液晶の残像を低減することができるジアミノベンゼン誘導体、その製造方法及びこれを利用した液晶配向膜を提供することを目的とする。 前記目的を達成するために、本発明は、下記化学式(1)で示されるジアミノベンゼン誘導体を提供する。 化学式(1)中、A1〜A5はそれぞれ独立して、−H、−F、−CF3、−OCF3、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数1〜7のアルコキシ基、下記化学式(2a)、(2b)、(2c)、または(2d)で示される基であり、A1〜A5のうちの少なくとも1つは−Hではない。 化学式(2a)、(2b)、(2c)、(2d)中、Rはそれぞれ独立して炭素数1〜7のアルキル基または炭素数1〜7のアルコキシ基である。 また、本発明は、a)下記化学式(3)で示される化合物を4,4−ジクロロベンゾフェノンと反応させて化学式(4)で示される化合物を製造する工程;b)前記化学式(4)で示される化合物をp−トルエンスルホン酸とトルエン存在下で脱水させて、化学式(5)で示される化合物を製造する工程;c)前記化学式(5)で示される化合物をリチウムビス(トリメチルシリル)アミド、(ジベンジリデンアセトン)パラジウム、トリシクロヘキシルホスフィンと共に反応させて、下記化学式(6)で示される化合物を製造する工程;d)前記化学式(6)で示される化合物をPd/C触媒存在下に水素還元させ化合物を再結晶して分離する工程を含む前記化学式(1)で示されるジアミン化合物の製造方法を提供する。 前記化学式(3)〜(6)中、A1〜A5は前記と同じ意味を表す。 また、本発明は、a)溶媒存在下に、前記化学式(1)で示されるジアミン化合物と下記化学式(7)で示されるテトラカルボン酸無水物及び化学式(8)で示される側鎖基を有しないジアミン化合物を反応させて、下記化学式(9)で示されるポリアミック酸系ブロック共重合体を製造する工程;及びb)前記ポリアミック酸系ブロック共重合体を熱処理して、脱水閉環反応でポリイミドに変換させる工程を含む下記化学式(10)で示される液晶表示装置の配向剤用ポリイミド樹脂の製造方法を提供する。 前記化学式(7)〜(10)において、Xは4価有機基であり、Yは前記化学式(1)由来の側鎖型2価有機基であり、Zは側鎖基がない2価有機基であり、mは1であり、nは1以上の整数である。 また、本発明は、前記方法によって製造された、重量平均分子量が1,000〜200,000である液晶表示装置の配向剤用ポリイミド樹脂を提供する。 また、本発明は、前記液晶表示装置の配向剤用ポリイミド樹脂を利用して製造されることを特徴とする液晶配向膜を提供する。 また、本発明は、前記液晶配向膜を含むことを特徴とする液晶表示素子を提供する。 本発明の化学式(1)で示される側鎖型ジアミン化合物は横電界駆動用液晶配向剤として有用であり、また、前記ジアミン化合物を利用して製造されたポリイミド樹脂は液晶配向性が安定的であり、ラビング耐性に優れ1.5±0.2度の低い線傾斜角を発現することができ、さらに本発明によるポリイミド樹脂はコントラストと残像低減面で顕著に改善されて液晶表示素子の配向剤として有用である。 以下、本発明を詳細に説明する。 本発明の液晶配向材料は液晶を安定的に配向させラビング耐性に優れ電圧維持率とコントラストが高いだけでなく、低い線傾斜角を有し、特に液晶の残像を低減することができるように側鎖を設計して化学式1のようなジアミン化合物を使用する特徴がある。 前記化学式(1)のジアミン化合物は下記反応式1のような方法を通じて製造することができる。第1工程: 窒素雰囲気下で前記化学式(3)で示される化合物とマグネシウムをエーテルに溶かした溶液を常温まで冷ました後、テトラヒドロフランに4,4−ジクロロベンゾフェノンを溶かした溶液をゆっくり滴加して、前記化学式(4)で示される化合物を得ることができる。第2工程: 前記化学式(4)で示される化合物をp−トルエンスルホン酸1−ハイドレート存在下で脱水させて、化学式(5)で示される化合物を得ることができる。第3工程: 前記化学式(5)で示される化合物をリチウムビス(トリメチルシリル)アミド、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム、トリシクロヘキシルホスフィンと共に反応させて、下記化学式(6)で示されるジアミン化合物を得ることができる。第4工程: 前記化学式(6)で示される化合物をPd/C触媒存在下に水素還元させ異性体を分離して、化学式(1)で示される最終ジアミン化合物を得ることができる。 前記反応式1中、A1〜A5は前記で定義した通りである。 また、本発明は前記化学式(1)で示されるジアミン化合物を利用したポリイミド樹脂の製造方法及びポリイミド樹脂を提供し、a)溶媒存在下に、前記化学式(1)で示されるジアミン化合物と化学式(7)で示されるテトラカルボン酸無水物及び化学式(8)で示される側鎖基を有しないジアミン化合物を反応させて、化学式(9)で示されるポリアミック酸系ブロック共重合体を製造する工程;及びb)前記ポリアミック酸系ブロック共重合体を熱処理して、脱水閉環反応でポリイミドに変換させる工程を含むことを特徴とする。 具体的な一例として、前記化学式(1)で示される側鎖型ジアミン化合物と前記化学式(8)で示されるジアミンをN−メチル−2−ピロリドンに溶かした反応溶液に5℃を維持しながら前記化学式(7)で示されるテトラカルボン酸二無水物を窒素雰囲気で徐々に滴加した後、6時間撹拌してポリアミック酸系ブロック共重合体を製造する。この時、粘度はジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルなどのようなセロソルブ系溶媒を使用して調節することができる。 その後、本発明はポリアミック酸系ブロック共重合体を30分間〜2時間100〜250℃の間で熱処理して、脱水閉環反応でポリイミドに変換させることができる。また、ポリアミック酸を塩基性触媒と酸無水物の存在下に0〜180℃で1〜100時間 撹拌することによって化学的イミド化反応を通じてポリイミドに変換させることができる。このように得られたポリイミド溶液は前記ポリアミック酸合成で言及したように沈殿回収することが好ましい。 前記ポリアミック酸製造に使用される溶媒は生成されたポリアミック酸が溶解するものであれば特に限定されることはないが、具体的な例としては、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルカプロラクタム、ジメチルスルホキシド(DMSO)、r−ブチロラクトン、ヘキサメチルホスホアミド、テトラメチレンスルホン、p−クロロフェノール、p−ブロモフェノール、2−クロロ−4−ヒドロキシトルエン、ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、シクロヘキサノン等がある。また、ポリアミック酸が溶解しない溶媒であっても生成されたポリアミック酸が析出しない範囲で前記溶媒に混合して使用してもよい。さらに、有機溶媒中の水分は重合反応を阻害し生成されたポリアミック酸を加水分解させる原因になるため、有機溶媒はできれば脱水乾燥させたものを使用するのが好ましい。 ポリアミック酸の製造段階でのテトラカルボン酸二無水物でのXは4価の有機基である。具体的な例としては、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)、4,4’−オキシジフタル酸無水物(ODPA)、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物(PMDA)、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物(CBDA)及び4−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−1,2,3,4,−テトラヒドロナフタレン−1,2−ジカルボン酸二無水物(TDA)等がある。 また、前記化学式(9)または(10)の窒素原子を有するYを構成するためのジアミンは前記化学式(1)由来のジアミンである。このジアミンの側鎖の末端に位置したメチレン基に連結されたベンジル基誘導体は水平配向性を示すことができ、芳香族が多く含まれている主鎖と側鎖ジアミン、そしてテトラカルボン酸二無水物は表面極性を大きくすることができ、同時に配向膜の表面張力を高めて低い線傾斜角を示す。また、アミンが連結されたベンジル基は鎖の間に有機溶媒が侵入できる空間を形成して溶解性を増加させることができる。 また、前記化学式(9)または(10)の窒素原子を有するZを構成するための前記ジアミン化合物は、側鎖置換基を有していないジアミン化合物を使用することができる。具体的には、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)、4,4’−メチレンビスシクロヘキシルアミン(PACM)、4,4’−メチレン−2−メチルシクロヘキシルアミン(ANCAMINE)、4,4’−メチレンジアニリン、ジアミノベンゾフェノン、4,4’−メチレンジフェニルジアミン(MDA)、4,4’−ヘキサフルオロイソプロピルジフェニルジアミン(6FDA)、p−フェニレンジアミン(p−PDA)等がある。 ポリアミック酸を得るためにテトラカルボン酸二無水物成分とジアミン成分を有機溶媒中で反応させる時には、通常5〜100℃が好ましい。温度が高い場合には重合がはやく終了するが、高分子の分子量が過度に高くなることがあるので、注意しなければならない。また、反応濃度は5〜30質量%にして、均一な撹拌が行われ必要な分子量を得ることができるようにする。得られたポリアミック酸は反応溶液を希釈して使用することができ、沈殿回収を通じて再溶解して使用することもできる。沈殿回収に使用される貧溶媒は特に限定されないが、メタノール、エタノール、ヘキサン、アセトン、ブチルセロソルブ、メチルエチルケトン、トルエン、ベンゼン、ジエチルエーテル等を例として挙げることができる。貧溶媒に投入することによって得られたポリアミック酸沈殿物はろ過、洗浄して回収した後、常圧または減圧下で常温または加熱乾燥させて固形分として得ることができる。 前記ポリイミドで側鎖型2価有機基(Y)は液晶配向性、溶解性及び膜透過性のようなポリイミドの機能性を付与するのに使用され、側鎖がない2価有機基(Z)は側鎖間の間隔を調節して側鎖基の分布度を決定するのに使用される。前記化学式(7)でmは1であり、nは1〜10の整数、さらに好ましくは2〜4が好ましい。 前記側鎖型2価有機基(Y)の側鎖長さは液晶分子長軸の平均長さの比が0.8〜1.5倍になるように調節するのが好ましく、また、側鎖基間の長さが液晶分子長軸の長さより1.5〜3.5倍になるように側鎖基がない2価有機基(Z)の種類と使用量を決定するのが好ましい。このような方法でポリイミドで優れた配向性を示し、溶解性、膜透過性、化学的安定性で優れた特性を有することができる特定構造のポリイミド樹脂を製造することができる。好ましくは、前記ポリイミド樹脂の重量平均分子量が1,000〜200,000であるのがよい。 また、本発明は前記ポリイミド樹脂を利用した液晶配向膜を提供し、前記液晶配向膜はパターニングされた基板上に前記ポリイミド化合物を含む配向液をコーティングした後に焼成して得ることができる。前記配向液に使用される溶媒は通常液晶配向液に使用され前記ポリイミド化合物を溶解させることができるものであれば特に限定されず、好ましくは、配向液は前記ポリイミド化合物を1〜30質量%含むのがよい。 本発明の液晶配向膜は液晶配向性とラビング耐性に優れ、電圧維持率及びコントラストが高く、電荷蓄積を低減しただけでなく、ネマチック液晶に対して1〜2度の傾斜角を有し残像が無いようにすることができる。 以下、本発明を下記実施例に基づいて詳しく記載するが、本発明の範囲は下記実施例によって限定されるのではない。実施例1: 反応式1によって化学式(1)のジアミン化合物を合成した。各工程別合成方法は次の通りである。第1工程: 窒素雰囲気下でエーテル100mlにヨウ素片とマグネシウム3.5gを入れてゆっくり還流させながら、エーテル100mlにメチルベンジルブロマイド22.1gをゆっくり加えながら2時間還流させて、グリニャール反応物を製造した。これを常温まで冷ました後、テトラヒドロフラン150mlに4,4−ジクロロベンゾフェノン20gを溶かしてゆっくり滴加し、1時間30分間還流させた。反応物を冷ました後、飽和アンモニウムクロライド10mlを添加しセライトでフィルタリングした後、クロロフォームと塩化ナトリウムで抽出し無水硫酸マグネシウムで乾燥させ減圧蒸留して、1,1−ビス−(4−クロロ−フェニル)−2−メチルフェニルエタノールの淡い黄色の液体(25g、90%)を得た。1HNMR(CDCl3、ppm):7.20(d、4H)、7.13(d、4H)、7.09(d、1H)、6.93(d、1H)、6.92(s、1H)、6.88(d、1H)、3.32(d、2H)、2.35(d、3H)、2.00(s、1H)。第2工程: 1,1−ビス−(4−クロロ−フェニル)−2−メチルフェニルエタノール35gとパラトルエンスルホン酸一水和物(p-toluenesulfonic cid、1-hydrate)2.7gを入れ、トルエン200mlを入れた。この溶液を12時間還流して反応させた。反応終了をTLCプレート(TLC plate)で確認した後、飽和塩化ナトリウムとエーテルで洗い落として抽出した。残っている水分を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ減圧蒸留して、茶色の1,1−ビス−(4−クロロ−フェニル)−2−メチルフェニルエチレン液体(31g、95%)を得た。1HNMR(CDCl3、ppm):7.36(d、4H)、7.27(d、4H)、7.23(d、1H)、7.22(s、1H)、7.14(d、1H)、6.92(s、1H)、6.91(d、1H)、2.35(d、3H)。第3工程: 1,1−ビス−(4−クロロ−フェニル)−2−メチルフェニルエチレン20g、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド43.2g、トリシクロヘキシルホスフィン2.6g、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム/C5.3gを入れ、150mlのトルエンを入れた。反応容器内を窒素雰囲気で90℃に維持して12時間反応させた。反応進行をGC/Massで確認した。200mlのエーテルを入れて反応混合物を希釈し、1N塩酸300mlを入れて反応を終結した。有機層と水層を1N水酸化ナトリウムとエーテルを利用して洗い抽出して得た有機層は無水硫酸マグネシウムを入れ、乾燥後にろ過した。溶媒を減圧蒸留し除去して得た混合物をメチレンクロライドで再結晶して、白色の1,1−ビス−(4−アミノ−フェニル)−2−メチルフェニルエチレン固体(9g、50%)を得た。1HNMR(CDCl3、ppm):7.23(d、1H)、7.22(s、1H)、7.14(d、1H)、7.17(d、4H)、6.91(d、1H)、6.92(s、1H)、6.46(d、4H)、3.74(s、broad、4H)、2.35(d、3H)。第4工程: 1,1−ビス−(4−アミノ−フェニル)−2−メチルフェニルエチレン10gをベンゼンとエタノールに溶かした後、パラジウム/C(10mass% on activated carbon)を1g入れ、4kg/cm2の圧力下で5時間撹拌した。反応終結を確認した後、セライトを利用してろ過した後、溶液を減圧蒸留し白色固体を得た。この固体をエチレンアセテートとエタノールで再結晶して、白色の固体1,1−ビス−(4−アミノ−フェニル)−2−メチルフェニルエタン(5g、50%)を得た。1HNMR(CDCl3、ppm):7.09(t、1H)、6.93(d、1H)、6.92(s、1H)、6.88(d、1H)、6.87(d、4H)、6.41(d、4H)、4.44(t、1H)、3.74(s、broad、4H)、3.17(d、2H)、2.35(d、3H)。実施例2: 実施例1の第1工程のメチルベンジルブロマイドの代わりにフルオロベンジルブロマイドを使用したことを除いては、実施例1と同一の方法で1,1−ビス−(4−アミノ−フェニル)−2−フルオロフェニルエタン(5g、20%)を合成した。1HNMR(CDCl3、ppm):7.19(t、1H)、6.89(d、1H)、6.87(s、1H)、6.79(d、1H)、6.87(d、4H)、6.41(d、4H)、4.44(t、1H)、3.75(s、broad、4H)、3.17(d、2H)。実施例3: 1,1−ビス−(4−アミノ−フェニル)−2−メチルフェニルエタン6.3gと4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)8.3gを窒素雰囲気下でN−メチル−2−ピロリドン122gに溶かした後、5℃を維持しながら、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)20gを添加した。残ったN−メチル−2−ピロリドン132gを2時間徐々に滴下し、10時間反応させた。この反応溶液を過量の超純水に入れて析出した沈殿物をろ過した。このろ過物をメチルアルコールで洗浄し50℃の真空オーブンで減圧乾燥してポリアミック酸(重量平均分子量=60,000)を収得した。実施例4: 前記実施例3で利用した3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)を3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)に代替したことを除いては、実施例3と同一な方法でポリアミック酸固形分(重量平均分子量=70,000)を収得した。実施例5: 前記実施例3で利用した1,1−ビス−(4−アミノ−フェニル)−2−メチルフェニルエタンを1,1−ビス−(4−アミノ−フェニル)−2−フルオロフェニルエタンに代替したことを除いては、実施例3と同一な方法でポリアミック酸固形分(重量平均分子量=60,000)を収得した。実施例6: 前記実施例3で利用した1,1−ビス−(4−アミノ−フェニル)−2−メチルフェニルエタンを1,1−ビス−(4−アミノ−フェニル)−2−フルオロフェニルエタンに代替し、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)を3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)に代替したことを除いては、実施例3と同一な方法でポリアミック酸固形分(重量平均分子量=70,000)を収得した。比較例1: 前記実施例3で利用した1,1−ビス−(4−アミノ−フェニル)−2−メチルフェニルエタンを1,1−ビス−(4−アミノ−フェニル)−2−フェニルエタンに代替したことを除いては、実施例3と同一な方法でポリアミック酸固形分(重量平均分子量=60,000)を収得した。 物性評価方法は次の方法を使用した。(1)重合体の重量平均分子量 重合体の重量平均分子量を算出するためにゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を測定した。60℃でジメチルアセトアミド(Dimethyl acetamide、DMAc)を移動相として高分子物質が充填されたカラムの滞留時間を測定し、スチレン高分子の平均分子量と滞留時間を補正した結果からポリアミック酸固体の平均分子量を計算した。液晶配向剤を構成する重合体は1,000〜200,000g/mol程度の重量平均分子量の値を有する。(2)液晶表示素子の線傾斜角 文献(T. J. Schffer、et.al.、J., appl., phys., vol.19、2013 (1980))に記載された方法によってHe−Neレーザー光を使用して結晶回転法によって測定した。(3)液晶の配向性 液晶表示素子に電圧をオン、オフさせた時の液晶セル中の異常ドメインの有無を顕微鏡で観察し、異常ドメインがない場合を‘良好’であると判断した。(4)液晶表示素子の電圧維持率 液晶表示素子に5Vの電圧を60マイクロメーター秒間印加した後、印加解除から16.67ミリ秒後の電圧維持率を測定した。(5)コントラスト比(Contrast ratio) 液晶表示素子に電圧無印加状態(暗い状態)での光透過率及び光透過率が最大になる電圧下(明るい状態)での光透過率を測定して計算した。(6)残像評価 電極幅5μm、電極間間隔10μmのジグザグ電極(super-IPS)を有する基板上に液晶配向剤を印刷、乾燥、焼成して、膜厚200nmの薄膜を製作した(基板1)。同様に、電極を有しないガラス基板上に液晶配向剤を印刷、乾燥、焼成して、膜厚200nmの薄膜を製造した(基板2)。基板1に対しては液晶配向剤を電極方向に20度の角度を有するようにラビング処理した。また、基板2に対しては基板1とラビング方向が平行になるようにラビング処理し、この基板にスペーサを散布し貼り合わせてギャップ4μmのセルを製作し、このセルに液晶MJ991735(メルク社製)を注入して液晶セルを製作した。この液晶セルの電圧−透過率(V−T)特性を0〜10Vまで0.1V/sの速度で1kHzの周波数(frequency)を有する液晶セルに印加して測定した後、直流電圧10Vを30分間印加した。直流電圧をオフした直後に再びV−T特性を再測定し、直流電圧印加前後での電圧−透過率特性の変化から残像を評価した。つまり、V−T特性が変化を起こすことによって一定の電圧印加時の透過率が変化した場合、その領域では残像として観測される。 また、前記実施例3〜6及び比較例1で製造したポリアミック酸固形分を、NMPと2−ブトキシエタノールを3:1質量比率で混合した溶媒に添加して、濃度4質量%の溶液を製造した。この溶液を0.1μmのフィルターでろ過して、透明導電膜がパターニングされたガラス基板の上に600Åの厚さでスピナー法で塗布した。塗布後、90℃で3分間予備焼成し、210℃で1時間焼成して、ポリイミド配向膜が形成された基板を得た。 また、IPS用櫛形電極が付着されたガラス基板及び電極がないガラス基板の2枚のガラス基板を利用して得られた配向膜をエタノール中で3分間超音波洗浄後、超純水で表面を洗浄した後、オーブン乾燥後に4マイクロのギャップ材料を散布し合着した後、液晶を注入し、エポキシ硬化剤で密封して、液晶セルを製作した。このように製作した液晶セルの特性を次の表1に示した。 前記表1で示したように、本発明の実施例3〜6と比較例1の場合、全て横電界駆動用液晶配向剤として優れた特性を示し、同時に電圧維持率及び配向性に優れたことを確認することができる。特に、前記実施例3〜6は比較例1より残像が顕著に減少したことを確認することができる。 下記化学式(1)で示されるジアミノベンゼン誘導体:[式中、A1〜A5はそれぞれ独立して、−H、−F、−CF3、−OCF3、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数1〜7のアルコキシ基、下記化学式(2a)、(2b)、(2c)、または(2d)で示される基(基中、Rはそれぞれ独立して、炭素数1〜7のアルキル基または炭素数1〜7のアルコキシ基である。)であり、A1〜A5のうちの少なくとも1つは−Hではない。]。 a)下記化学式(3)で示される化合物を4,4−ジクロロベンゾフェノンと反応させて化学式(4)で示される化合物を製造する工程; b)前記化学式(4)の化合物をp−トルエンスルホン酸とトルエン存在下で脱水させて、化学式(5)の化合物を製造する工程; c)前記化学式(5)で示される化合物をリチウムビス(トリメチルシリル)アミド、(ジベンジリデンアセトン)パラジウム、トリシクロヘキシルホスフィンと共に反応させて、下記化学式(6)で示される化合物を製造する工程; d)前記化学式(6)で示される化合物をPd/C触媒存在下に水素還元させ化合物を再結晶して分離する工程(化学式(3)〜(6)中、A1〜A5は前記と同じ意味を表す。)を含む請求項1記載の化学式(1)で示されるジアミン化合物の製造方法。 a)溶媒存在下に、前記化学式(1)で示されるジアミン化合物と下記化学式(7)で示されるテトラカルボン酸無水物及び化学式(8)で示される側鎖基を有しないジアミン化合物を反応させて、下記化学式(9)で示されるポリアミック酸系ブロック共重合体を製造する工程;及び b)前記ポリアミック酸系ブロック共重合体を熱処理して、脱水閉環反応でポリイミドに変換させる工程を含む下記化学式(10)で示される液晶表示装置の配向剤用ポリイミド樹脂の製造方法:(化学式(7)〜(10)中、Xは4価有機基であり、Yは前記化学式(1)由来の側鎖型2価有機基であり、Zは側鎖基がない2価有機基であり、mは1であり、nは1以上の整数である。)。 前記化学式(10)において、nが1〜10の整数である請求項3に記載の液晶表示装置の配向剤用ポリイミド樹脂の製造方法。 前記溶媒が、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ヘキサメチルホスホアミド、テトラメチレンスルホン、p−クロロフェノール、p−ブロモフェノール、2−クロロ−4−ヒドロキシトルエン、ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、及びシクロヘキサノンからなる群より選択される1種以上の溶媒である請求項3に記載の液晶表示装置の配向剤用ポリイミド樹脂の製造方法。 請求項3記載の製造方法によって製造され、重量平均分子量が1,000〜200,000である液晶表示装置の配向剤用ポリイミド樹脂。 前記ポリイミドの側鎖長さが、液晶分子長軸長さの0.8〜1.5倍であり、側鎖間の長さが液晶分子長軸長さの1.5〜3.5倍である請求項6に記載のポリイミド樹脂。 請求項6記載の液晶表示装置の配向剤用ポリイミド樹脂を利用して製造されることを特徴とする液晶配向膜。 請求項8記載の液晶配向膜を含むことを特徴とする液晶表示素子。