タイトル: | 公開特許公報(A)_高甘味度甘味料の呈味が改善された飲料 |
出願番号: | 2008104959 |
年次: | 2009 |
IPC分類: | C12G 3/04 |
生木 大志 河野 美香 塚本 環 川本 憲良 JP 2009254247 公開特許公報(A) 20091105 2008104959 20080414 高甘味度甘味料の呈味が改善された飲料 サントリーホールディングス株式会社 309007911 小野 新次郎 100140109 社本 一夫 100089705 小林 泰 100075270 千葉 昭男 100080137 富田 博行 100096013 江尻 ひろ子 100091638 泉谷 玲子 100107386 野▲崎▼ 久子 100113309 山本 修 100118902 中村 充利 100126985 福所 しのぶ 100128750 梶田 剛 100129458 中田 尚志 100133765 小笠原 有紀 100141265 押鴨 涼子 100124305 山崎 幸作 100114487 生木 大志 河野 美香 塚本 環 川本 憲良 C12G 3/04 20060101AFI20091009BHJP JPC12G3/04 6 OL 11 4B015 4B015NB02 4B015NG09 4B015NG17 本発明は、高甘味度甘味料と、少量の野菜汁と、アルコールとを含有し、高甘味度甘味料の呈味が改善された飲料に関する。 食品や医薬品などの製品においては、甘味料として、良質な甘味とコクを飲料に付与することができる砂糖(ショ糖)が広く利用されている。しかしながら、ショ糖は、肥満や虫歯の原因となり得るという欠点も有する。このため、健康指向が高まっている近年においては、ショ糖に代えて、アスパルテーム、アセスルファムK、スクラロースなどの低カロリーの高甘味度甘味料を用いる商品が増加している。 高甘味度甘味料の甘味度は、ショ糖の数倍〜数百倍であるが、一方で、甘味が長く持続し、後味のキレが悪いこと、及び特有の不快な後味、例えば、苦味、エグ味を示すことなどの欠点を有している。 高甘味度甘味料が有する上記のような問題を解決するために多くの手段が提案されている。例えば、特許文献1には、L−アスパラギン酸などのアミノ酸、グルコン酸、クエン酸などの有機酸、及びその塩を使用する方法;高甘味度甘味料とルチン、ヘスペリジン等の天然物等を組み合わせる方法;ガラクトマンナン分解物、ニゲロオリゴ糖、ビートオリゴ糖、マンノースなどの糖類を高甘味度甘味料の味質改善に用いる方法;さとうきび由来のバガス抽出物や酵素処理イチョウ葉エキス等の植物由来の抽出物を高甘味度甘味料に配合する方法;コーヒー豆を酵素又はアルカリで加水分解処理して得られた処理物を精製して得られるキナ酸を甘味改善剤として用いることにより、高甘味度甘味料の不快な後味を抑制する方法;オランダセンニチ等に由来するスピラントール又はスピラントールを含有する植物の抽出物若しくは精油からなることを特徴とする高甘味度甘味料の呈味改善剤が記載されている。また、特許文献2には、タバコ由来のスクレオライド又はタバコの香気増強剤として知られている2−アセチルピロールを含む、甘味料に対する呈味改良組成物が記載されている。 しかしながら、これら技術において用いられている物質は、通常は飲食品中に多量に含まれるものでないため、飲食品に添加されると特異な味を飲食品に付与し得る。そして、その味は、時として不快なものとなる。したがって、上記の開示された技術は必ずしも満足できるものではなかった。WO2006/087991号公報WO2003/007734号公報 本発明の目的は、対象となる、高甘味度甘味料が添加される飲料が本来有する特徴(風味)を損なうことなく、高甘味度甘味料が有する呈味の問題である、甘味の持続及び不快な後味を抑制すること、及びこの目的が達成された飲料を提供することである。 本発明者は上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、少量の野菜汁とアルコールとを用いることにより、高甘味度甘味料の呈味を改善できることを見出した。つまり、(1)飲料中の野菜汁及びアルコールにより、高甘味度甘味料の甘味の持続及び不快な後味を抑制できること、(2)野菜汁の量を少量にしても呈味改善効果が認められ、しかも飲料の設計品質(風味)を保持できる一方で、飲料に使用する野菜汁の量が多ければ、飲料の香味が野菜汁自身の香味の影響を受けてしまい、設計品質が損なわれてしまう可能性があること、(3)さらに、アルコールと少量の野菜汁との併用による効果として、飲料の甘味の立ち上がりが早く、かつ甘味のピークが強く感じられ、さらに飲料全体として、自然な、メリハリのある味わいを付与できること、を見出した。 即ち、本発明は以下のものに関する。1.高甘味度甘味料と、飲料全体に対し0.5重量%〜3.0重量%の野菜汁と、アルコールとを含有する飲料。2.前記野菜汁が、トマト、ニンジン及びセロリからなる群から選ばれる1種または2種以上の野菜から得られるものである、1に記載の飲料。3.飲料全体のアルコール度数が、1v/v%〜5v/v%である、1又は2に記載の飲料。4.前記高甘味度甘味料が、アセスルファムK、スクラロース、アスパルテーム、ネオテーム、グリチルリチン、ステビアからなる群から選ばれる1種または2種以上の高甘味度甘味料である、1〜3のいずれか1項に記載の飲料。5.さらに果汁を含有する、1〜4のいずれか1項に記載の飲料。6.高甘味度甘味料を含有する飲料中に、野菜汁を、飲料全体に対して0.5重量%〜3.0重量%、アルコールを、当該飲料のアルコール度数として1v/v%〜5v/v%で配合することを特徴とする、当該飲料中の高甘味度甘味料の呈味を改善する方法。 本発明は、高甘味度甘味料が有する呈味を改善することができる。より具体的には、高甘味度甘味料特有の甘味の持続、及び/又は苦味・エグ味を包含する不快な後味を抑制することができる。また、本発明を最も適切に用いる場合には、飲料の甘味の立ち上がりが早く、かつ甘味のピークが強く感じられるようになり、全体として飲料に、自然な、メリハリのある味わいがもたらされる。発明を実施するための形態 本発明は、高甘味度甘味料とともに、少量の野菜汁とアルコールとを含有する飲料(以下、「本発明の飲料」とも表す)、及び少量の野菜汁及びアルコールを用いて飲料中の高甘味度甘味料の呈味を改善する方法に関する。 (高甘味度甘味料) 本明細書において用いられる「高甘味度甘味料」との用語は、ショ糖に比べて強い甘味を有する(例えばショ糖の数倍から数百倍の甘味を有する)天然甘味料及び合成甘味料を意味する。そのような高甘味度甘味料としては、ペプチド系甘味料、例えばアスパルテーム、アリテーム等;配糖体系甘味料、例えばステビア甘味料(ステビア抽出物およびステビアを酵素処理してブドウ糖を付加した酵素処理ステビアおよびステビアの甘味成分の中で最も甘味質のよいレバウディオサイドAを含む)、カンゾウ抽出物等;蔗糖誘導体、例えばスクラロース等;合成甘味料、例えばアセスルファムK、サッカリン等が挙げられる。本発明は、高甘味度甘味料の内、濃度増大に伴って苦味が目立つものや、甘味が持続し甘味のキレが悪いものに用いるのが好ましく、そのような高甘味度甘味料は、アセスルファムK、スクラロース、アスパルテーム、ネオテーム、グリチルリチン、ステビアから選択される1種又は2種以上のものである。 本発明の飲料に含まれる高甘味度甘味料の種類と濃度は、飲料に求められる甘さの質や甘味度等により適宜決定すればよいが、通常、飲料全体の0.005〜0.05重量%、好ましくは0.005〜0.04重量%、より好ましくは0.005〜0.03重量%である。この濃度は、HPLC法などの公知の方法により測定することができる。 (野菜汁) 本発明においては、高甘味度甘味料の呈味を改善するために野菜汁を用いる。本明細書において用いられる「野菜汁」との用語は、野菜を収穫後、所望により加熱、非可食部の除去、細断、粉砕等の工程を経て、そして圧搾、遠心分離等の工程により得られる汁液を意味する。さらに他の工程、例えば、ろ過、酵素処理を経て得られたものであってもよく、乳酸菌や酵母を使用してなる発酵液であってもよい。野菜汁は、濃縮されていないストレートのものであってもよく、濃縮されたものであってもよい。野菜汁には、清澄汁が含まれる。清澄汁は、野菜汁について沈殿物を生じないように清澄化処理を施したものである。清澄化処理工程としては、例えば、酵素処理、遠心分離、ろ過があり、これらの工程を単独で又は組合せて用いることができる。或いは、野菜汁は、清澄化されていない、野菜の植物体を含むものでもよい。 野菜汁の原料は、例えば、トマト、ニンジン、セロリ、ビート、ケール、アスパラガス、赤ピーマン、キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、パセリ、ラディッシュ、ホウレン草、レタス、クレソン等であるが、これらに限定されない。これら野菜の内の1種から得られる野菜汁を単独で用いてもよいし、2種類以上から得られる野菜汁を組み合わせて用いてもよい。好ましい野菜汁は、トマト汁、ニンジン汁及びセロリ汁から選択される1種又は2種以上のものである。 高甘味度甘味料の呈味を改善するために飲料中に配合される野菜汁の量は、少量である。具体的には、1種又は2種以上の野菜汁を、合計量で、飲料全体の好ましくは0.5重量%〜3.0重量%、より好ましくは1.0重量%〜2.0重量%配合する。尚、本明細書においては、飲料中の野菜汁の含有量は、ストレートの野菜汁の含有量に換算した値で表記する(例えば、13倍濃縮野菜汁を0.4kg配合する場合には、13×0.4=5.2kg配合しているものとみなす)。 (アルコール) 本発明においては、高甘味度甘味料の呈味を改善するためにアルコールを用いる。尚、本明細書における「アルコール」との用語は、エタノールを意味する。 高甘味度甘味料の呈味を改善するために飲料中に配合されるアルコール量は、該飲料全体のアルコール度数として、好ましくは1v/v%〜5v/v%、より好ましくは、3v/v%〜4.5v/v%である。アルコール度数の測定方法は、公知のいずれかのものを用いればよい。例えば、振動式密度計を用いて測定することができる。具体的には、試料(試料が炭酸ガスを含む場合は、濾過又は超音波によって炭酸ガスを抜いた試料)を直火蒸留し、得られた留液の15℃における密度を測定し、国税庁所定分析法(平19国税庁訓令第6号、平成19年6月22日改訂)の付表である「第2表 アルコール分と密度(15℃)及び比重(15/15℃)換算表」を用いて換算して求めることができる。 上記のようなアルコール度数でアルコールを含有する飲料には、いわゆるチューハイ、カクテル飲料などが含まれる。 本発明の飲料に含まれるアルコールは、飲用可能なアルコールであれば特に制限はなく、主に、酵母による糖のアルコール発酵によって得ることができる。本発明の飲料又はその原料としては、醸造酒、蒸留酒、混成酒等を利用することができ、例えば、醸造アルコール、スピリッツ類(例えばジン、ウォッカ、ラム、テキーラ等のスピリッツ、および原料用アルコールなど)、リキュール類、ウイスキー類(例えばウイスキー、ブランデーなど)又は焼酎(連続式蒸留焼酎、単式蒸留焼酎)等、更には清酒、ワイン、ビール等の醸造酒を、1種又は2種以上を組合せて用いることができる。アルコールの原料も特に制限されず、ブドウ、リンゴ、サクランボ、ヤシなどの果実、米、麦、トウモロコシなどの穀物、ジャガイモ、サツマイモなどの根菜類、その他サトウキビなどを挙げることができる。 (果汁) 本発明の飲料には、果汁を含有させることにより、本発明の呈味改善効果に加えて、果汁由来の甘味・酸味により爽やかな風味が付与され、より高い呈味改善効果が得られるので、果汁を飲料に含有させることがより好ましい。 本発明の飲料に用いられる果汁は、果実を搾汁して得られる果汁をそのまま使用するストレート果汁あるいは濃縮した濃縮果汁のいずれの形態であってもよい。濃縮果汁を用いる場合、果実由来の混濁成分や難溶性成分の不溶化により、沈殿や増粘などの問題を引き起こすことがあることから、果汁の一部または全部が清澄化処理された果汁、すなわち透明果汁又は半透明果汁を用いることが好ましい。清澄化処理の方法としては、精密濾過法、酵素処理法、限外濾過法等が知られているが、そのいずれの方法で処理されたものであってもよい。濃縮果汁は場合によって、糖類、はちみつ等で糖度を調整したもの、あるいは酸度が調整されたものであってもよい。また、透明果汁の他に、混濁果汁を使用することもでき、果実の外皮を含む全果を破砕し種子など特に粗剛な固形物のみを除いた全果果汁、果実を裏ごしした果実ピューレ、或いは、乾燥果実の果肉を破砕もしくは抽出した果汁を用いることもできる。 本発明の飲料に含まれる果汁は、その種類および量に通常使用される範囲内であれば特に制限はない。果汁の種類としては、例えば、柑橘類果汁(オレンジ果汁、ミカン果汁、グレープフルーツ果汁、レモン果汁、ライム果汁、和柑橘果汁、等)、リンゴ果汁、ブドウ果汁、モモ果汁、熱帯果実果汁(パイナップル果汁、グァバ果汁、バナナ果汁、マンゴー果汁、アセロラ果汁、パパイヤ果汁、パッションフルーツ果汁、ライチ果汁、等)、その他果実の果汁(ウメ果汁、ナシ果汁、アンズ果汁、スモモ果汁、ベリー果汁、キウイフルーツ果汁、サクランボ果汁、クリ果汁、等)、スイカ果汁、トマト果汁、ニンジン果汁、イチゴ果汁、メロン果汁などが挙げられる。本発明においては、果汁を単独で使用することも、2種以上を併用することも可能である。 (高甘味度甘味料の呈味改善) 後述する実施例において示されている通り、本発明においては、高甘味度甘味料、野菜汁、アルコールの組み合わせにより、高甘味度甘味料の甘味の後味のキレがもたらされ、また、高甘味度甘味料の苦味も抑制された。即ち、高甘味度甘味料の甘味の持続及び不快な後味を抑制することができた。また、本発明を用いる場合には、甘味の立ち上がりが早く、かつ甘味のピークが強く感じられるようになり、全体として飲料に、自然な、メリハリのある味わいがもたらされることをコメントするパネラーもいた。 したがって、本発明は、アルコール飲料中の高甘味度甘味料の呈味の改善方法にも利用できる。この改善効果は、特に野菜汁及びアルコールの濃度を特定の範囲に制御する場合に顕著となる。 (その他の成分) 本発明の飲料においては、高甘味度甘味料、野菜汁及びアルコールの他にも、本発明の効果を損なわない限り、糖類、酸類、香料、ビタミン、色素、着色料、酸化防止剤、甘味料、酸味料、乳化剤、保存料、調味料、エキス類、pH調整剤、品質安定化剤などの、飲料に通常配合される成分を配合することができる。 本発明の飲料には、炭酸ガスを配合することにより、爽快感が高まり、高甘味度甘味料の後味のキレが一層改善されるので、好ましい。本発明の飲料は、炭酸ガスを、好ましくはガス圧0.13〜0.19MPaで含有する。 炭酸ガス圧の測定方法は、公知のいずれかの方法を用いればよい。例えば、試料温度を20℃にし、京都電子工業製ガスボリューム測定装置 GVA−500Aにて容器内空気中のガス抜き(スニフト)・振とう後、炭酸ガス圧を測定する。 (容器詰め飲料) 本発明の飲料の特徴を長期間維持するため、本発明の飲料は容器に充填して容器詰め飲料とすることが好ましい。容器の形態はなんら制限されず、プラスチックを主成分とする成形容器、金属缶、金属箔やプラスチックフィルムが積層されたラミネート紙容器、ガラス瓶などの通常の形態で提供することができる。特に本発明のアルコール飲料が炭酸ガスを含んでいる場合には、炭酸ガスが抜けることを防ぎ、飲料の爽快感を長期間維持することが可能であるため容器詰め飲料にすることが好ましく、通常の缶容器のみならず、例えばボトル缶などを用いることができる。 以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1 (アルコール度数の影響) アルコール度数が0、1、2、3、4、4.5、5又は6v/v%である、高甘味度甘味料、野菜汁及びアルコールを含有する飲料を調製した。野菜汁としては12.5倍濃縮トマト汁を用いた。表1の組成の通り各原料を調合し、59v/v%アルコール(ニュートラルスピリッツ)を、飲料のアルコール度数が最終的に0、1、2、3、4、4.5、5又は6v/v%となるよう調整して配合した。各飲料のガス圧は、0.17〜0.19MPaであった。 上記の飲料を被検試料として、高甘味度甘味料の呈味の改善効果を検討した。具体的には、下記の評価基準に基づいて専門パネラー6名により官能評価を実施した。 評点 4点:高甘味度甘味料の後味のキレ・苦味の改善がハッキリと認められる。 3点:高甘味度甘味料の後味のキレ・苦味の改善が認められる。 2点:多少の改善効果は見られるが、別の悪い香味も認められる。 1点:高甘味度甘味料の後味のキレ・苦味の改善効果が認められない。 各サンプルについてパネラー6名の評点の平均点を求めた。その結果を下記の表2に示す。この平均点が3点以上のとき、呈味改善効果が得られたものと判断した。尚、表2に示される飲料全体に対するトマト汁の濃度は、使用した12.5倍濃縮トマト汁の実際の重量を対応するストレート果汁の重量に換算して得られる値を用いて求めた。 表2の結果から明らかな通り、高甘味度甘味料に野菜汁及びアルコールを適度に加えることによって、高甘味度甘味料のべたつく甘味の持続や苦味が抑制され、後味がスッキリとし、甘味の後引きが弱まる/消える、といった呈味改善効果が認められた。この効果は、アルコール度数が1v/v%以上、特に1v/v%〜5v/v%である場合に認められた。さらに、アルコール度数が3v/v%〜4.5v/v%である場合には、その傾向が強くなるだけでなく、甘味の立ち上がりが早まり、かつ甘味のピークが強く感じられるといった甘味の質の改善と、全体として味にメリハリがつき、自然な味わいとなるといった効果も認められた。 実施例2 (野菜汁の濃度の影響) アルコール度数を、実施例1で良好な結果を示した3v/v%に調整し、高甘味度甘味料、野菜汁及びアルコールを含有する飲料を調製した。用いられた野菜汁は12.5倍濃縮トマト汁、6.4倍濃縮ニンジン汁、ストレートセロリ汁であった。これら野菜汁の飲料中の濃度を、使用した野菜汁の実際の重量をストレート果汁の重量に換算して得られる値で0.5、1.0、2.0、3.0、又は4.0重量%に調整した。それら飲料の組成を表3に示す。各飲料のガス圧は、0.17〜0.19MPaであった。 得られた飲料について実施例1と同様にして、専門パネラー5名で官能評価を行なった。その結果を表4〜6に示す。パネラー5名の評点の平均点が3点以上のとき、呈味改善効果が得られたものと判断した。尚、表4〜6に示される各野菜汁の濃度は、使用した野菜汁の実際の重量をストレート果汁の重量に換算して得られる値を用いて求めた。 表4〜6の結果から明らかな通り、種々の野菜汁を用いても、アルコールと少量の野菜汁とによって、高甘味度甘味料のべたつく甘味の持続や苦味が抑制され、後味がスッキリとし、甘味の後引きが弱まる/消える、といった呈味改善効果が認められた。これらの効果は、野菜汁濃度が0.1重量%以上で発揮されるものと考えられるが、特に、0.5重量%〜3.0重量%において顕著となった。さらに、野菜汁濃度が1.0重量%〜2.0重量%である場合には、その傾向が強くなるだけでなく、甘味の立ち上がりが早まり、かつ甘味のピークが強く感じられるといった甘味の質の改善と、全体として味にメリハリがつき、自然な味わいとなるといった効果も認められた。 高甘味度甘味料と、飲料全体に対し0.5重量%〜3.0重量%の野菜汁と、アルコールとを含有する飲料。 前記野菜汁が、トマト、ニンジン及びセロリからなる群から選ばれる1種または2種以上の野菜から得られるものである、請求項1に記載の飲料。 飲料全体のアルコール度数が、1v/v%〜5v/v%である、請求項1又は2に記載の飲料。 前記高甘味度甘味料が、アセスルファムK、スクラロース、アスパルテーム、ネオテーム、グリチルリチン、ステビアからなる群から選ばれる1種または2種以上の高甘味度甘味料である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の飲料。 さらに果汁を含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の飲料。 高甘味度甘味料を含有する飲料中に、野菜汁を、飲料全体に対して0.5重量%〜3.0重量%、アルコールを、当該飲料のアルコール度数として1v/v%〜5v/v%で配合することを特徴とする、当該飲料中の高甘味度甘味料の呈味を改善する方法。 【課題】対象となる、高甘味度甘味料が添加される飲料の特徴を損なうことなく、高甘味度甘味料が有する呈味の問題である、甘味の持続及び不快な後味を抑制すること。【解決手段】高甘味度甘味料に、少量の野菜汁とアルコールとを組み合わせる。【選択図】なし