生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_体臭消臭剤
出願番号:2008100794
年次:2008
IPC分類:A61K 8/97,A61K 8/49,A61Q 15/00


特許情報キャッシュ

松永 孝義 奥村 将記 林 邦明 JP 2008280338 公開特許公報(A) 20081120 2008100794 20080408 体臭消臭剤 株式会社 明煌 307010465 松永 孝義 奥村 将記 林 邦明 JP 2007102866 20070410 A61K 8/97 20060101AFI20081024BHJP A61K 8/49 20060101ALI20081024BHJP A61Q 15/00 20060101ALI20081024BHJP JPA61K8/97A61K8/49A61Q15/00 2 OL 11 4C083 4C083AA111 4C083AA112 4C083AC841 4C083AC842 4C083CC17 4C083EE18 本発明は、体臭 に対する消臭 効果が優れた体臭消臭剤に関するものである。 腋臭、汗臭、足臭等の体臭 は、本人のみならず、周囲の者にとっても不快感を与え、さらには、体臭 を持つ者にとっては、心理的、精神的に非常に大きな負担となっている。腋臭をはじめとする体臭の発生機構については、現在のところ完全には解明されていないが、一般には、汗や皮脂のバクテリア分解によって発生するものと考えられている(Perfumer & Flavarist, 1. 12−17 (1979), J. Soc. Chem., 34, 193−202 (1982))。この場合、悪臭物質としては、イソ吉草酸やカプロン酸等の低級脂肪酸、アンモニア、ブチルアミン等の含窒素化合物、インドール、エチルメルカプタン等の含イオウ化合物等があげられる。これらの悪臭を消臭するために金属化合物や複合粉末を配合した消臭剤やエアゾール組成物などが提案されている(特開平2−191693号、特開平4−65312号)が、その消臭効果は不十分である。また、植物抽出液を用いた口臭に対しての消臭剤は、これまでに提案されているが、この消臭剤は体臭に対する消臭効果が不十分である(特開昭57−204278号、特開昭61−240960号、特開昭61−143065号、特開昭63−24950号、特開平1−145063号)。特開平2−191693号特開平4−65312号特開昭57−204278号特開昭61−240960号特開昭61−143065号特開昭63−24950号特開平1−145063号 本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、腋臭、汗臭、足臭等の体臭に対して、優れた消臭 効果を持つ体臭消臭剤を提供することを、その目的とする。 前記目的を達成するために、本発明の体臭消臭剤は、フタバガキ科のレサックの樹材からの抽出物を含有する。 本発明者は、優れた体臭消臭機能を有する新規物質を探索した結果、前記のように、フタバガキ科のレサックの樹材からの抽出物に優れた体臭消臭機能を見出した。本発明は上記に鑑みなされたもので、請求項1の発明はフタバガキ科レサック樹材の、水または水可溶性の溶剤による抽出物を含有することを特徴とする体臭消臭剤である。 請求項2の発明は、下記化1に示す構造を有するスチルベン四量体化合物を含有することを特徴とする体臭消臭剤である。但し、Rは水素、メチル基又はアセチル基であり、C1とC2、又はD1とD2は入れ替わってもよい。 本発明の体臭消臭剤において、さらに、消臭機能を有する無機粒子を含有することが好ましい。このような無機粒子を含有すれば、これと前記抽出物との相乗効果により、さらに体臭消臭機能が優れるようになる。 本発明者は、さらに、前記抽出物および制汗成分が、それぞれの機能を互いに阻害しないことも見出した。したがって、本発明の体臭消臭剤は、制汗成分を含有することが好ましい。これにより、制汗機能と体臭 消臭機能とが優れた体臭消臭剤となる。 本発明の消臭剤は、フタバガキ科レサック樹材の、水または水可溶性の溶剤による抽出物を含有することを特徴とする。レサックはインド南部からニューギニアにかけて分布するフタバガキ科の樹木で、Vatica属あるいはCotylelobium属に属する。レサックは樹脂分が多く、常法により溶剤抽出できる。溶剤は、アセトン、エーテル、アルコール、石油ベンジン等通常用いられる溶剤を使用することも出来るが、水可溶性の溶剤を用いることが後で水に分散しようとするとき分散しやすく好ましい。さらには、水単独でも、樹材を微粉砕し煮沸することで、有効成分たるスチルベン四量体化合物を抽出することができる。水可溶性の溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、アセトン等を用いることが出来る。人に対する安全性からエタノールを好ましく使うことができる。 フタバガキ科レサック樹材は南洋材として知られ、Cotylelobium属ではC.flavum Pierre、C.malayanum V.SL.、C.melanoxylon Pierre、C.burckii Heim、C.lanceolatum Craiv、C.beccarii Pierre、C.harmandii Heimなどがあげられる。Vatica属ではV.blancona Elm、V.elliptica Foxw、V.mangachapoi Blco、V.mindanensis Foxw、V.obtusifolia ELM、V.pachyphylla Merr、V.papuana Dyer、V.whitfordii Foxw、V.albiramis V. Sl.、V.bancana Scheff、V.dulitensis Sym、V.maingayi Dyer、V.mangachapoi Bluco、V.marilima V. Sl.、V.micrantha V. Sl.、V.oblongifolia Hook. f.、V.sarawakensis Heim、V.scortechinii Brandis、V. umbonata Burck、V. bantamensis Burck、V. borneensis Burck、V. coriacea Ashton、V. cupularis V. Sl.、V. granulata V. Sl.、V. havilandii Brandis、V. odorata Sym、V. pedcellata Brandis、V. parvifolia Ashton、V. ramiflora V. Sl.、V. salawakensis V. Sl.、V. staphiana V. Sl.、V. venulosa Bl.、V. verrucosa Burck、V. vinosa Ashton、V.bella V. Sl.、V. cinerea King、V. cuspidate Sym.、flavida Foxw.、V. heteroptera Sym.、V. lobata Foxw.、V. lowii King、V. nitens King、V. pallida Dyer、V. patula Sym.、V. perakensis King、V. ridleyana Brandis、V. wallichii Dyer、V. celebica V. Sl.、V. flavovirens V. Sl.、V. rassak Bl.、V. subcordata Haillier、V. astrotricha、V. philastreana Pierre、Vatica sp. 、V. tonkinensis A. Chev.、Vatica chinensis Linn. 、V. obscure Trim.、V. lanceifolia Bl.、Vatica rassak、Vatica paucifloraなどがあげられる。Upuna属ではUpuna borneesis Sym.があげられる。Vatica属のレサック類が好ましく用いられる。 レサック抽出物を作るには、前記フタバガキ科の樹木で、Vatica属あるいはCotylelobium属に属するレサックの樹材を粉砕した木粉粒を溶剤に浸漬し、木粉粒を濾別することで抽出物が得られる。あるいは、木粉粒を溶剤でソックスレイ抽出または水蒸気蒸留により抽出してもよい。 レサック類樹材の抽出物には、特徴的なバチカノール類が含有されている。バチカノール類はポリフェノールであるスチルベンオリゴマーであり、代表的なバチカノールCは以下の化1に示す構造式のRがすべて水素である化合物である。このバチカノールCは、レスベラトロールを基本単位とするスチルベン四量体化合物であり、分子式C56H42O12、分子量906、淡黄色不定晶(粉末状)の天然物由来の有機化合物である。このバチカノールの有する多量のフェノール性OH基がにおい成分と結びつき、においを不揮発化して消臭効果を有すると考えられる。 化1に示す構造を有するスチルベン四量体化合物では、Rは水素、メチル基又はアセチル基であり、C1とC2、又はD1とD2は入れ替わってもよい。 レサックを含むフタバガキ科の天然の植物では前記バチカノールCだけを単独に含有しているのではなく、スチルベン四量体の置換基Rが水素、メチル基又はアセチル基である化合物の混合物であり、置換基あるいは構造異性体により、バチカノールC,バチカノールB,バチカノールF,イソバチカノールB,イソバチカノールC等と呼ばれ,またスチルベンのオリゴマーであることから多量体が存在し、三量体ではバチカノールA,バチカノールE,バチカノールG,六量体ではバチカノールD,七量体ではバチカノールJ,が存在する。表1はフタバガキ科の樹材と含有している化合物を示す。記号 ○:それぞれの化合物を含有している樹材 ◎:vaticanolを含有している樹材樹材略号 HU;Hopea utilis、 HP;Hopea parviflora、 DG;Dipterocarpus grandiflorus、 VI;Vateria indica、 SH;Sorea hemsleyana 表1よりVatica属の樹材であるVatica rassakは特徴的にvaticanol化合物を含有しており、また、Vatica属以外のDipterocarpus grandiflorus、 Vateria indica、 Sorea hemsleyanaもvaticanolの一部を含有していることがわかる。レサック樹材からの抽出物はこれらバチカノールの混合物であるが、その特徴づけるものとして化1に示す構造を有するスチルベン四量体化合物で、Rは水素、メチル基又はアセチル基のものを選び、さらには置換基Rが水素であるバチカノールCを含有する抽出物を本願を特徴付けるものとするところである。 体臭消臭剤としては、水媒体に分散することが環境、安全性の面からも好ましい。レサックの抽出を水可溶性の溶剤、例えばエタノールで行い、得られた抽出液から溶剤を留去して析出物を得る。この析出物の定量を再び少量のエタノールに溶解し、多量の水を加えることで水分散したレサック抽出物の消臭剤を作ることが出来る。レサック抽出物の濃度は用途に応じて適宜選択することができる。水分散する場合1wt%までは容易に分散できるが10wt%をこえるとアルコールを加えないと分散は困難になる。スプレイして消臭する場合、0.025w%でも充分な効果を有するが、0.001w%以下にまで薄めると効果は低い。また、バチカノールCはOH基が多く水に可溶のため、樹材を微粉砕すれば水で煮沸することでも抽出することができる。微粉樹材を予めアルコールに漬けてから煮沸することも有効である。 本発明において、抽出物の形態は特に制限されず、例えば、液状、ゾル状、粉末状等がある。液状の形態の場合は、例えば、抽出溶媒で抽出処理したものをそのまま用いてもよく、抽出溶媒を除去し、改めて別の溶媒に溶解してもよい。ゾル状の形態の場合は、抽出溶媒を完全ではなくある程度除去してゾル状としたものや、抽出溶媒を完全に除去し、これに改めて溶媒を添加してゾル状にしてもよい。粉末状の場合は、抽出溶媒を完全に除去し、粉末状にすればよい。 本発明の体臭消臭剤において、前記抽出物の配合量は、体臭消臭剤の剤型の種類等により適宜決定されるが、例えば、体臭消臭剤全体に対し、フタバガキ科のレサックの樹材からの抽出物に含まれる固形分の量が、0.000001〜20質量%含むようにフタバガキ科のレサックの樹材からの抽出物を配合するのが好ましく、0.0001〜10質量%であればより好ましい。0.000001質量%以上であれば、さらに十分な消臭効果が得られ、20質量%以下であれば、フタバガキ科のレサックの樹材からの抽出物中に含まれる固形分の析出が起こらず、保存安定性が良好になる。ここで、固形分の量は前記抽出物を加熱して、抽出溶媒を蒸発させ、蒸発後に残った固形分の質量を該抽出物の質量で割った量である。 前述のように、本発明の体臭消臭剤には、消臭機能を有する無機粒子を配合することが好ましい。前記無機粒子としては、非晶質シリカ、非晶質シリカ−アルミナおよび非晶質アルミノケイ酸塩の少なくとも一つからなる粒子が好ましく、この粒子は、0.1〜20μmの球状の一次粒子径を有することが好ましい。また、前記無機粒子は、金属化合物微粒子で被覆されていることや、金属化合物微粒子を内包する等している複合粒子であることも好ましい。前記被覆する若しくは内包される金属化合物としては、吸着剤や脱臭剤として従来知られている金属酸化物、金属水酸化物、金属塩(炭酸塩、亜硫酸塩、硫酸塩等)、金属硫化物、金属窒化物、金属炭化物等が挙げられる。これらの具体例を示すと、例えば、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化鉄(フェライト等)、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化銅、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化バナジウム、酸化タングステン、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、亜硫酸カルシウム、硫酸アルミニウム、塩化第一銅、炭化ケイ素、窒化ケイ素、臭化アルミニウム等が例示される。これらは単独で使用してもよく、または2種以上を組み合わせて使用してもよい。前記無機粒子としては、酸化マグネシウムで被覆されたもしくはこれを内包する非晶質シリカの粒子がより好ましい。 本発明の体臭消臭剤において、上記の無機粒子の配合量は、体臭消臭剤の剤型の種類等により適宜決定されるが、体臭消臭剤全体に対し、0.005〜50質量%の範囲内が好ましく、0.005〜25質量%であればより好ましい。消臭機能を有する無機粒子の配合量が0.005質量%以上であれば、さらに優れた消臭 効果が得られ、50質量%以下であれば、使用感が悪くなることもない。 前述のように、本発明の体臭消臭剤には、制汗成分を配合することができる。制汗成分としては、例えば、クロルヒドロキシアルミニウム(ACH)、パラフェノールスルホン酸亜鉛、アルミニウムジルコニウム錯体、硫酸亜鉛、硫酸アルミニウム、レシノレンサン亜鉛、スメクタイト等が挙げられる。これらの制汗成分は、1種類を単独で使用してもよく、若しくは2種類以上を併用してもよい。制汗成分の配合量は、体臭消臭剤全体に対し、0.001〜60質量%の範囲内が好ましく、0.05〜20質量%であればより好ましい。制汗成分の配合量が0.001質量%以上であれば、十分な制汗効果が得られ、60質量%以下であれば、使用感が悪くなることもない。 本発明の体臭消臭剤は常在菌にたいして抗菌性を有する。さらに、腋臭や汗臭、足臭のような体臭 防止(デオドラント )の目的で、殺菌剤、抗菌剤を加えてもよい。これらの殺菌剤、抗菌剤の配合量は、体臭消臭剤全体に対し、例えば、0.001〜10質量%の範囲内が好ましく、0.01〜1質量%であればより好ましい。殺菌剤の配合量が0.001質量%以上であれば、さらに優れた消臭 効果が得られ、10質量%以下であれば安全性がさらに優れたものとなる。 また、本発明の体臭消臭剤には、前述の成分以外にも、本発明の目的を損なわない範囲で従来、慣用されている各種添加成分を、必要に応じて配合することができる。このような添加成分としては、例えば、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、シリコーン油やエステル油等の油分、高分子、保湿剤、包接化合物、ビタミン類、紫外線吸収剤、アミノ酸類、抗炎症剤、冷感付与剤、酸化防止剤、着色剤、香料、溶剤(エタノール等)、脂肪酸等が挙げられる。これらの添加成分は、1種用いてもよいし、若しくは2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの成分は、体臭消臭剤調製の適当な段階で配合することができる。 本発明の体臭 消臭 剤は、皮膚に適用されるものであれば、固形状、半固形状、クリーム状、液状等のいかなる剤型の体臭消臭剤とすることもできるが、例えば、スティック型、ロールオン型、ジェル剤型、乳液型、化粧水型、パウダースプレー型等とすることが好ましい。 本発明の体臭消臭剤の製造方法は、目的とする剤型等により異なるが、各剤型における一般的な方法に従い製造することができる。 つぎに、本発明のフタバガキ科のレサックの樹材からの抽出物の製造例と体臭消臭剤の実施例について説明する。製造例1 Vatica rassakの樹材を粉砕し、その木粉粒500gに70%エタノール1Lを加えて、70〜75℃で3時間還流したのち濾過した。蒸発残分中バチカノールCを約10%含有していた。この濾液にアルコール溶液を加えてレサック抽出物の2%溶液を得た。この溶液に水を加えて0.02%の水溶液を得た。製造例2 製造例1のVatica rassakにかえてVateria indicaの樹材を用い、製造例1と同様の操作で抽出物の0.02%の水溶液を得た。製造例3 1mm以下に粉砕したレサック樹材40gに水400gを加えて2時間煮沸した。ろ紙で樹材を除去しレサックの水抽出液を得た。製造例4 Vatica rassakの樹材を粉砕し、その木粉粒150gに90%エタノール1.5Lを加えて、70〜80℃で2時間還流したのち濾過した。分取した濾液からエタノールを加熱留去し、蒸発残分の重量を測った結果、濾液中の蒸発残分は2.5%あった。この濾液30mLに1.5Lの水を加えて撹拌し、レサック抽出物の0.05%水分散液を得た。[使用感および消臭効果の評価方法] 専門パネラー5名による官能評価により、使用感および消臭効果を評価した。すなわち、発汗後の腋下部皮膚上に、体臭消臭剤を0.1g/10cm2の割合で塗布し、乾いた後の使用感(べたつきのなさ)および消臭効果を、下記の基準に基づき、点数で評価(絶対評価)した。そして、前記各項目の点数の平均を求め、平均点5点が◎、平均点4.5点以上が○、平均3〜4.4点が△、平均点3点未満が×として、下記表に示した。(使用感の評価基準)5点:使用感が良い、4点:使用感がやや良い、3点:どちらともいえない、2点:使用感がやや悪い、1点:使用感が悪い[消臭効果の評価基準]5点:汗臭がしない、4点:わずかに汗臭がする、3点:弱く汗臭がする、2点:かなり汗臭がする、1点:はっきり汗臭がする[足臭の評価] 朝、足裏および指間に体臭消臭剤を噴霧し、靴下を履いて通常の生活をおこなった。夕方、靴下を脱いだ時のにおいを官能評価した。[足臭の評価基準]5点:足臭がしない、4点:わずかに足臭がする、3点:弱く足臭がする、2点:かなり足臭がする、1点:はっきり足臭がする。パネラー5名の点数の平均を求め、平均点5点が◎、平均点4.5点以上が○、平均3〜4.4点が△、平均点3点未満が×として、下記表に示した。[抗菌性の評価]黄色ブドウ状球菌に対する抗菌性をJIS Z 2801に基づいて評価した。常在菌に対する抗菌性を有する。[ウサギを用いた皮膚一次刺激性試験]実施例5記載のvatica属のレサックから抽出したバチカノールC含有レサック抽出物の0.05%水分散液を検体として、OECD Guidelines for the Testing of Chemicals 404(2002)に準拠し、ウサギを用いた皮膚一次刺激性試験を行った。検体0.5mLを約2cm×3cmに裁断したガーゼパッチに均一に塗布し、ウサギ3匹の無傷及び有傷皮膚に4時間閉鎖適用した。その結果、除去後1時間に2例で非常に軽度な紅斑が見られたが、48時間までに消失した。Federal Register(1972)に準拠して求めた一次刺激性インデックス(P.I.I.)は0.3となり、ウサギを用いた皮膚一次刺激性試験において、検体は「無刺激性」の範疇に入るものと評価された。[ウサギを用いた眼刺激性試験]実施例5記載のvatica属のレサックから抽出したバチカノールC含有レサック抽出物の0.05%水分散液を検体として、OECD Guidelines for the Testing of Chemicals 405(2002)に準拠し、ウサギを用いた眼刺激性試験を行った。ウサギ3匹の片眼に検体を0.1mL点眼した結果、点眼後1,24,48及び72時間の各観察時間において刺激反応は見られなかった。Draze法に従って算出した観察期間中の平均合計評点の最高は0であった。以上の結果から、ウサギを用いた眼刺激性試験において、検体は「無刺激性」の範疇にあるものと評価された。[雌マウスを用いた急性経口毒性試験]実施例5記載のvatica属のレサックから抽出したバチカノールC含有レサック抽出物の0.05%水分散液を検体として、雌マウスを用いた急性経口毒性試験(限度試験)を行った。試験群には20mL/kgの用量の検体原液を、対象群には注射用水を雌マウスに単回経口投与し、14日間観察を行った。その結果、観察期間中に異常及び死亡例は認められなかった。このことから、検体のマウスにおける単回経口投与によるLD50値は、雌では20mL/kg以上であるものとかんがえられた。 以上のように、本発明の体臭消臭剤は、フタバガキ科のレサックの樹材からの抽出物を含有するために、優れた体臭消臭効果を奏する。また、動物実験でも安全であり、さらに常在菌に対する抗菌性も有するため体臭防止効果も有する。 フタバガキ科レサック樹材の、水または水可溶性の溶剤による抽出物を含有することを特徴とする体臭消臭剤。 下記化1に示す構造を有するスチルベン四量体化合物を含有することを特徴とする体臭消臭剤。但し、Rは水素、メチル基又はアセチル基であり、C1とC2、又はD1とD2は入れ替わってもよい。 【課題】 腋臭、汗臭、足臭等の体臭 に対して、優れた消臭効果を持つ新規の体臭消臭剤を提供する【解決手段】 インド南部からニューギニアにかけて分布するフタバガキ科の樹木で、Vatica属あるいはCotylelobium属に属するレサックの樹材から、水とエタノールの混合液を用いて抽出を行い、この抽出物を有効成分として配合し体臭消臭剤を製造する。抽出物にはバチカノールCが含まれている。【選択図】 なし


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