タイトル: | 再公表特許(A1)_アミド化触媒、カルボン酸アミドの製造方法、及びペプチドの製造方法 |
出願番号: | 2008070078 |
年次: | 2011 |
IPC分類: | C07C 231/02,C07C 233/05,C07K 1/06,B01J 27/128,B01J 27/125,B01J 29/035,B01J 27/053,B01J 23/745,B01J 27/25,B01J 27/135,B01J 27/132,B01J 27/10,B01J 31/22,B01J 27/122,B01J 27/138,C07B 61/00 |
杉 義弘 小村 賢一 寺田 佑嗣 JP WO2009060843 20090514 JP2008070078 20081105 アミド化触媒、カルボン酸アミドの製造方法、及びペプチドの製造方法 国立大学法人岐阜大学 304019399 青山 陽 100118706 杉 義弘 小村 賢一 寺田 佑嗣 JP 2007291541 20071109 C07C 231/02 20060101AFI20110301BHJP C07C 233/05 20060101ALI20110301BHJP C07K 1/06 20060101ALI20110301BHJP B01J 27/128 20060101ALI20110301BHJP B01J 27/125 20060101ALI20110301BHJP B01J 29/035 20060101ALI20110301BHJP B01J 27/053 20060101ALI20110301BHJP B01J 23/745 20060101ALI20110301BHJP B01J 27/25 20060101ALI20110301BHJP B01J 27/135 20060101ALI20110301BHJP B01J 27/132 20060101ALI20110301BHJP B01J 27/10 20060101ALI20110301BHJP B01J 31/22 20060101ALI20110301BHJP B01J 27/122 20060101ALI20110301BHJP B01J 27/138 20060101ALI20110301BHJP C07B 61/00 20060101ALN20110301BHJP JPC07C231/02C07C233/05C07K1/06B01J27/128 ZB01J27/125 ZB01J29/035 ZB01J27/053 ZB01J23/74 301ZB01J27/25 ZB01J27/135 ZB01J27/132 ZB01J27/10 ZB01J31/22 ZB01J27/122 ZB01J27/138 ZC07B61/00 300 AP(BW,GH,GM,KE,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MT,NL,NO,PL,PT,RO,SE,SI,SK,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PG,PH,PL,PT,RO,RS,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,ZA,ZM,ZW 再公表特許(A1) 20110324 2009540052 29 4G169 4H006 4H039 4H045 4G169AA01 4G169AA03 4G169AA08 4G169AA10 4G169BA07B 4G169BB04A 4G169BB04B 4G169BB08A 4G169BB08B 4G169BB10A 4G169BB10B 4G169BB12A 4G169BB12B 4G169BC04A 4G169BC04B 4G169BC09A 4G169BC09B 4G169BC10A 4G169BC10B 4G169BC16A 4G169BC16B 4G169BC18A 4G169BC18B 4G169BC31A 4G169BC31B 4G169BC35A 4G169BC35B 4G169BC52B 4G169BC52C 4G169BC58A 4G169BC58B 4G169BC62A 4G169BC62B 4G169BC66A 4G169BC66B 4G169BC67A 4G169BC67B 4G169BC68A 4G169BC68B 4G169BD12B 4G169BE08A 4G169BE08B 4G169CB25 4G169CB77 4G169ZA36B 4H006AA02 4H006AC53 4H006BA03 4H006BA05 4H006BA06 4H006BA07 4H006BA09 4H006BA10 4H006BA14 4H006BA16 4H006BA19 4H006BA20 4H006BA21 4H006BA30 4H006BA32 4H006BA34 4H006BA36 4H006BA37 4H006BA55 4H006BB31 4H006BD36 4H006BD52 4H006BV22 4H039CA71 4H039CD10 4H039CD30 4H045AA20 4H045BA11 4H045BA12 4H045EA01 4H045EA20 4H045FA31 4H045FA40 4H045FA58 4H045FA59 4H045FA61 本発明は、カルボン酸と第1アミン又は第2アミンとをアミド化するアミド化触媒、それを用いたカルボン酸アミドの製造方法、及びそれを用いたペプチドの製造方法に関する。 カルボン酸アミドは、形式的にはカルボン酸とアミンとの脱水縮合物である。しかし、カルボン酸とアミンとを反応させても、カルボン酸アミドの収率は低く、実用化はされていない。このため、従来、カルボン酸アミドの工業的製法としては、まずカルボン酸を酸塩化物とし、酸塩化物とアミンとを反応させてカルボン酸アミドとする方法や、カルボン酸またはカルボン酸エステルを大過剰のアミンと高温下で加熱する方法等が行なわれてきた。 また、特許文献1には、遊離カルボン酸とアンモニアやアミンとから、温和な条件かつ良好な収率でアミドを得るための触媒として、テトライソプロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタート、チタンポリヒドロキシステアレート、チタン−アセチルアセトネート、テトラアルキルジチタネート、テトラ−2−エチルヘキシルチタネート、テトラステアリルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート等のチタン化合物や、ジルコンアセチルアセトネート、四塩化ジルコニウム等のジルコニウム化合物や、五塩化タンタル等のタンタル化合物が挙げられている。 一方、発明者らは、高級アルコールと高級脂肪酸とのエステル化反応の触媒として、アルミニウム、ガリウム、インジウム、鉄、コバルト、ニッケル、亜鉛、ジルコニウム、ハフニウム及びニオブの金属塩水和物を見出している。これらの金属塩水和物の存在下での高級アルコールと高級脂肪酸とのエステル化反応は、収率が高く、使用した触媒を再利用することができ、環境問題を生ずるおそれも少ない(特許文献2)。特公昭58−30294号公報WO2006/064685 しかし、上記従来の酸塩化物を経由するカルボン酸アミドの製造方法では、塩化チオニル、三塩化リン、オキシ塩化リン、五塩化リン等の非常に毒性の強い試薬を用いるため、環境負荷が大きく、試薬の取り扱いに厳重な注意が必要であった。また、カルボン酸を酸塩化物に変換してからアミド化するため、製造のための工程数が多く、手間がかかるものであった。また、比較的高分子量のカルボン酸と低分子量のアミンとを無触媒で反応させた場合、高温においてアミドが生成することが知られているが、その反応速度は遅く、大過剰のアミンを使用しないと、収率が悪いという問題点があった。 本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであり、製造のための工程数が少なくて手間がかからず、収率の良いカルボン酸アミドの製造方法、それに用いるアミド化触媒、及びそれを用いたペプチドの製造方法を提供することを解決すべき課題としている。 発明者らは、高級アルコールと高級脂肪酸とのエステル化反応の触媒として開発された上記特許文献1に記載の多価金属塩触媒を、カルボン酸とアミンとを直接アミド化する反応に応用することを試み、鋭意研究を行った。その結果、それらの金属化合物のうち、カルボン酸アミドを高収率で得ることができるものを見いだし、本発明を完成するに至った。 すなわち、本発明のカルボン酸アミドの製造方法は、カルボン酸と第1アミン又は第2アミンとを触媒の存在下でアミド化するカルボン酸アミドの製造方法であって、 前記触媒はクロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、ハフニウム、インジウム、銅、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム及びリチウムから選ばれた少なくとも一種の金属化合物を含むことを特徴とする。 発明者らの試験結果によれば、カルボン酸とアミンとを直接アミド化する反応において、触媒としてクロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、ハフニウム、インジウム、銅、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム及びリチウムの金属化合物を用いれば、アミド化反応が促進され、高収率で相当するアミドを得ることができる。また、カルボン酸やアミンを大過剰で反応させる必要がなく、対応するアミドが高収率で得られるため、原料を過剰に使用する必要がなく、無駄が少なくなる。さらには、マイクロ波加熱等の過酷な条件下でなくても、アミド化反応を円滑に進行させることができる。 触媒となる金属化合物としては、例えば塩化物、臭化物等のハロゲン化物、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、過塩素酸塩、酢酸塩、クロロ酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、アセチル酢酸塩等のカルボン酸塩、酸化物等を用いることができる。これらの金属化合物の中でも、塩化第二鉄・6水和物は特に優れた触媒活性を有しており、好適である。 触媒となる金属化合物は担体に担持させて用いることも好ましい。こうして、固体触媒にすることにより、触媒のハンドリングが容易となる。さらに、担体に担持された触媒は、ろ過等の手段によって簡単に回収することができる。担体としては、例えばFSM−16,MCM−41,MCM−48,SBA−1,SBA−15等のメソポーラスシリカ、シリカゲル、アルミナ、ジルコニア、活性炭、粘土、リン酸ジルコニア等を用いることができる。 さらに、本発明のカルボン酸アミドの製造方法は、無溶媒あるいは溶媒中で行うことができる。溶媒としては特に限定するものでは無いが、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、プソイドクメン、ジエチルベンゼン、テトラリン等の芳香族炭化水素、オクタン、ノナン、デカンなどの脂肪族炭化水素、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジグリム、トリグリム、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等の含酸素溶媒が挙げられる。この際、生成する水を除去することにより、反応を促進させることが可能である。このためには、還流下、水と共沸混合物を形成する芳香族溶媒が特に好適である。 本発明のカルボン酸アミドの製造方法において用いられるカルボン酸としては、特に限定されるものではないが、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、カプロン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチル酸、パルミチル酸、ステアリン酸の様な飽和脂肪酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、エライジン酸の様な不飽和脂肪酸、こはく酸、グルタル酸、アジピン酸、1,6−ヘキサンジカルボン酸、1,8−オクタンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸の様なジカルボン酸、フェニル酢酸、2−フェニルプロピオン酸、3−フェニルプロピオン酸およびこれらの核置換体等の芳香族カルボン酸、2−クロロプロピオン酸、3−クロロ酪酸のようなハロゲン置換カルボン酸の様な酸が挙げられる。 また、アミンとしても特に限定されるものではないが、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、テトラデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミンの様な脂肪族第1級アミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミンの様な第2級アミン、ベンジルアミン、2−フェニルエチルアミン及びこれらの核置換体などの芳香族置換アミン、1−アミノ−2−メトキシエチエタン、α−アミノ−ω−アルコキシポリエチレングルコール、α−アミノ−ω−アルコキシポリプロピレングルコール、ω−アルコキシポリアルキレングリコールアミン等のエーテルアミン、1,2−エタンジアミン、1,3−プロパンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,10−デカンジアミンの様なジアミン、ポリエチレンイミンの様なポリアミンなどが挙げられる。 さらには、アミノ基とカルキシル基の両方を有するω−アミノカルボン酸も分子内でアミド化を行うことが可能である。これらの例としては、ω−アミノデカン酸、ω−アミノドデカン酸、ω−アミノテトラデカン酸、ω−アミノヘキサデカン酸、ω−アミノオクタデカン酸等が挙げられる。 カルボン酸とアミンとの直接反応によるアミドの製造は、従来特に困難とされていた反応であり、本発明のカルボン酸アミドの製造方法の優れた特性を示すものである。 また、本発明のカルボン酸アミドの製造方法は、(基質として使用するカルボン酸のモル数)/(基質として使用するアミンのモル数)を0.5〜5.0、さらには0.8〜1.2において反応を容易に進行させることが可能であり、一方の基質を大過剰に用いなくても反応を進行させることができる。 また、本発明のカルボン酸アミドの製造方法における反応温度についても、特に限定するものでは無いがはないが、反応速度を向上させるために、60〜180℃程度に加温することも好ましい。アミド化反応は、通常、生成する水を効率的に除去するために、還流下で行うことが好ましい。この際、上述したように、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素を用いて水を共沸混合物にして排除し、反応を円滑に進行させることが可能である。また、カルボン酸及びアミンの沸点が、使用する溶媒の沸点に比べて低い場合は、オートクレーブ等の高圧容器中で行うことが好ましい。 本発明のペプチドの製造方法は、第1のアミノ酸のアミノ基が保護基で保護されたアミノ基保護アミノ酸と、第2のアミノ酸のカルボキシル基が保護基で保護されたカルボキシル基保護アミノ酸とを、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、ハフニウム、インジウム、銅、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム及びリチウムから選ばれた少なくとも一種の金属化合物を含む触媒の存在下でアミド化することを特徴とする。 このペプチドの製造方法を用いれば、アミノ酸同士をアミド結合させることができるため、ジペプチドの合成法として用いることができる(図1参照)。 触媒となる金属化合物としては、例えば塩化物、臭化物等のハロゲン化物、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、過塩素酸塩、酢酸塩、クロロ酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、アセチル酢酸塩等のカルボン酸塩、酸化物等を用いることができる。これらの金属化合物の中でも、塩化第二鉄・6水和物は特に優れた触媒活性を有しており、好適である。 触媒となる金属化合物は担体に担持させて用いることも好ましい。こうして、固体触媒にすることにより、触媒のハンドリングが容易となる。さらに、担体に担持された触媒は、ろ過等の手段によって簡単に回収することができる。担体としては、例えばFSM−16,MCM−41,MCM−48,SBA−1,SBA−15等のメソポーラスシリカ、シリカゲル、アルミナ、ジルコニア、活性炭、粘土、リン酸ジルコニア等を用いることができる。 さらに、本発明のカルボン酸アミドの製造方法は、無溶媒あるいは溶媒中で行うことができる。溶媒としては特に限定するものでは無いが、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、プソイドクメン、ジエチルベンゼン、テトラリン等の芳香族炭化水素、オクタン、ノナン、デカンなどの脂肪族炭化水素、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等の含酸素溶媒が挙げられる。この際、生成する水を除去することにより、反応を促進させることが可能である。このためには、還流下、水と共沸混合物を形成する芳香族溶媒が特に好適である。 本発明のカルボン酸アミドの製造方法をジペプチド合成法に応用する場合において、α−アミノ基の保護基としては、α−カルボキシル基との縮合の時に他の保護基を残すことが可能で、しかも後から選択的に脱保護できるものが好ましい。例えば、フッ化水素酸、トリフルオロ酢酸等の強酸や、ピペリジン等の強塩基や、接触水素添加等の処理等によって脱保護できるものを用いることができる。また、α−カルボキシル基の保護基としては、アミド化反応中は安定であり、アミド化終了後において容易に脱保護できるものが好ましい。例えば接触水素添加やトリフルオロ酢酸等の強酸による処理で、他の保護基と共に脱保護できるものを用いることができる。 具体的には、α―カルボン酸の保護基として、メチル基、エチル基、ベンジル基、4‐ニトロベンジル基、4−メトキシベンジル基、2,4−ジメトキシベンジル基、o−クロロトリチル基、4−ピコリル基、2−(トルエン−4−スルホニル)−エチル基、フェナシル基、4−メトキシフェナシル基、ジフェニルメチル基、tert−ブチル基、シクロヘキシル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、ジシクロプロピルメチル基、9−フェニルフルオレン−9−イル基(Pf基)、9−フルオレニルメチル基、2−トリメチルシリルエチル基、2−フェニル−2−トリメチルシリルエチル基、アリル基、4−{N−[1−(4,4−ジメチル−2,6−ジオキソシクロヘキヘキシリデン)−3−メチルブチル]−アミノ}ベンジル基(Dmab基)、ベンジルオキシカルボニル基、4−メトキシベンジロキシカルボニル基、2−ニトロベンジロキシカルボニル基、4−ニトロベンジロキシカルボニル基、クロロベンジロキシカルボニル基、3,5−ジメトキシベンジロキシカルボニル基、6−ニトロベラトリロキシカルボニル基、4−(フェニルジアゼニル)−ベンジロキシカルボニル基、α−メチル−2,4,5−トリメチルベンジロキシカルボニル基、ベンジソキサゾイル−5−イロキシカルボニル基、2−(ビフェニル−4−イル)−2−プロポキシカルボニル基、(4−フェニルアゾフェニル)−イソプロポキシカルボニル基、イソニコチニルオキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、2−シアノ−tert−ブトキシカルボニル基、2,2,2−トリクロロ−tert−ブトキシカルボニル基、アダマンチル−1−オキシカルボニル基、1−(1−アダマンチル)−1−メチルエトキシカルボニル基、イソボルニソキシカルボニル基、フルオレニル−9−メトキシカルボニル基、(2−ニトロフルオレン−9−イル)メトキシカルボニル基、2−(4−トルエンスルホニル)−エトキシカルボニル基、メチルスルホニルエトキシカルボニル基、2−(4−ニトロフェニルスルホニル)エトキシカルボニル基、2−(tert−ブチルスルホニル)−2−プロペニロキシカルボニル基、1,1−ジオキソベンゾ[b]チエン−2−イルメトキシカルボニル基、2−(メチルスルホニル)−3−フェニル−2−プロペニルオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、2−(トリメチルシリル)エトキシカルボニル基、トリイソプロピルシリルエトキシカルボニル基、ピペリジニロキシカルボニル基、シクロペンオキシカルボニル基、3−ニトロ−1,5−ジオキサスピロ[5.5]ウンデシル−3−メトキシカルボニル基、2−エチニル−2−プロピロキシカルボニル基等が挙げられる。 なお、アミノ基が保護基で保護された第1のアミノ酸に、ジペプチドの合成条件において妨げとなる官能基が存在する場合には、その妨げとなる官能基も保護基で保護しておくことが必要となる。また、カルボキシル基が保護基で保護された第2のアミノ酸に、ジペプチドの合成条件において妨げとなる官能基が存在する場合には、その妨げとなる官能基も保護基で保護しておくことが必要となる。 このような保護基としては、水酸基、チオール基に対しては、ベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、2,4,6−トリメトキシベンジル基、ジフェニルメチル基、トリチル基、tert−ブチル基、アセトアミドメチル基、トリメチルアセトアミドメチル基、9−フルオレニルメチル機、tert−ブチルスルファニル基、3−ニトロ−2−ピリジルスルファニル基、アリルオキシカルボニルアミノメチル基、9H−キサンテン−9−イル基、2,6−ジクロロベンジル基、シクロヘキシル基、2−ブロモベンジロキシカルボニル基、1−ベンジルオキシアルボニルアミノ−2,2,2−トリフルオロエチル基、メチルチオメチル基、アリル基、アリルオキシカルボニル基、などが挙げられる。イミダゾール基に対しては、ベンジル基、2,4−ジニトロフェニル基、ベンジルオキシメチル基、アダマンチル−1−オキシカルボニル基、ピリジルジフェニルメチル基、4−トルエンスルホニル基、メトキシベンゼンスルホニル基、アリル基、アリルオキシメチル基、tert−ブトキシカルボニル基などが挙げられる。インドール基に対しては、ホルミル基などが挙げられる。 そして、さらには、アミド化の後に保護基を脱離させ、再生したアミノ基又はカルボキシル基と、第3のアミノ酸のカルボキシル基又はアミノ基とをアミド化させることにより、トリペプチドを合成することができる(図2参照、N末端からC末端への合成例を示す)。 すなわち、第1のアミノ酸のアミノ基が保護基で保護されたアミノ基保護アミノ酸と、第2のアミノ酸のカルボキシル基が保護基で保護されたカルボキシル基保護アミノ酸とを、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、ハフニウム、インジウム、銅、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム及びリチウムから選ばれた少なくとも一種の金属化合物を含む触媒の存在下でアミド化する第1アミド化工程と、 該アミノ基の保護基又は該カルボキシル基の保護基を脱離させる脱保護工程と、 該脱保護工程によって再生したアミノ基又はカルボキシル基と、 該脱保護工程によって再生した官能基がアミノ基である場合にはアミノ基が保護基で保護され、該脱保護工程によって再生した官能基がカルボキシル基である場合にはカルボキシル基が保護基で保護された第3のアミノ酸のカルボキシル基又はアミノ基とを、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、ハフニウム、インジウム、銅、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム及びリチウムから選ばれた少なくとも一種の金属化合物を含む触媒の存在下でアミド化する第2アミド化工程を備えることを特徴とするペプチドの製造方法である。この様なアミノ酸の例としては、グリシン、アラニン、バリン、メチオニン、プロリン、セリン、トレオニンン、チロシン等が挙げられるが、これらのアミノ酸に限られるものではない。 そして、さらにこれを繰り返すことにより、複数個のアミノ酸がペプチド結合した所望のオリゴペプチド、更にはポリペプチドを合成することが可能となる。この様なジペプチドとしては、L−アラニル−L−アラニン、L−アラニル−L−フェニルアラニン、L−アラニル−L−ロイシン、L−ロイシル−L−フェニルアラニン等の例が挙げられるが、これらのペプチドに限られるものではない。 なお、図2では脱保護工程でカルボン酸の保護基を脱離させるN末端からC末端への合成スキームを示しているが、この代わりに一般的に用いられているアミノ基の保護基を脱離させるC末端からN末端への合成スキームを用いてもよい。いずれの合成スキームを用いる場合であっても、そのスキームで使用するアミノ酸ユニットが有する官能基の特性を考慮して、保護・脱保護において適切な選択性を有する保護基を用いることができ、例えば、図2において、α−アミノ基の保護基としては、α−カルボキシル基との縮合の時に他の保護基を残したまま選択的に脱保護できるもの、すなわちフッ化水素酸、トリフルオロ酢酸等の強酸、ピペリジン等の塩基、接触水素添加等の処理により脱保護できるもの、を用いることができ、α−カルボキシル基の保護基としては、合成スキームの最後において脱保護できるもの、すなわち接触水素添加やトリフルオロ酢酸等の強酸による処理、あるいは水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等の塩基による処理で他の保護基と共に脱保護できるものを用いることができる。 α―カルボン酸の保護基として、メチル基、エチル基、ベンジル基、4‐ニトロベンジル基、4−メトキシベンジル基、2,4−ジメトキシベンジル基、o−クロロトリチル基、4−ピコリル基、2−(トルエン−4−スルホニル)−エチル基、フェナシル基、4−メトキシフェナシル基、ジフェニルメチル基、tert−ブチル基、シクロヘキシル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、ジシクロプロピルメチル基、9−フェニルフルオレン−9−イル基(Pf基)、9−フルオレニルメチル基、2−トリメチルシリルエチル基、2−フェニル−2−トリメチルシリルエチル基、アリル基、4−{N−[1−(4,4−ジメチル−2,6−ジオキソシクロヘキヘキシリデン)−3−メチルブチル]−アミノ}ベンジル基(DMAB基)、ベンジルオキシカルボニル基、4−メトキシベンジロキシカルボニル基、2−ニトロベンジロキシカルボニル基、4−ニトロベンジロキシカルボニル基、クロロベンジロキシカルボニル基、3,5−ジメトキシベンジロキシカルボニル基、6−ニトロベラトリロキシカルボニル基、4−(フェニルジアゼニル)−ベンジロキシカルボニル基、α−メチル−2,4,5−トリメチルベンジロキシカルボニル基、ベンジソキサゾイル−5−イロキシカルボニル基、2−(ビフェニル−4−イル)−2−プロポキシカルボニル基、(4−フェニルアゾフェニル)−イソプロポキシカルボニル基、イソニコチニルオキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、2−シアノ−tert−ブトキシカルボニル基、2,2,2−トリクロロ−tert−ブトキシカルボニル基、アダマンチル−1−オキシカルボニル基、1−(1−アダマンチル)−1−メチルエトキシカルボニル基、イソボルニソキシカルボニル基、フルオレニル−9−メトキシカルボニル基、(2−ニトロフルオレン−9−イル)メトキシカルボニル基、2−(4−トルエンスルホニル)−エトキシカルボニル基、メチルスルホニルエトキシカルボニル基、2−(4−ニトロフェニルスルホニル)エトキシカルボニル基、2−(tert−ブチルスルホニル)−2−プロペニロキシカルボニル基、1,1−ジオキソベンゾ[b]チエン−2−イルメトキシカルボニル基、2−(メチルスルホニル)−3−フェニル−2−プロペニルオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、2−(トリメチルシリル)エトキシカルボニル基、トリイソプロピルシリルエトキシカルボニル基、ピペリジニロキシカルボニル基、シクロペンオキシカルボニル基、3−ニトロ−1,5−ジオキサスピロ[5.5]ウンデシル−3−メトキシカルボニル基、2−エチニル−2−プロピロキシカルボニル基等が挙げられる。 なお、通常のペプチド合成におけるペプチド結合を形成する縮合剤として、ジイソプロピルカルボジイミド(DIPCDI)、1―エチル3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(WSC)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)等が挙げられるが、これらの縮合剤には、副生成物の除去、アレルギー反応の惹起、価格の点等で問題となるものもある。これに対し、本発明のカルボン酸アミドの製造方法は、縮合剤を使う必要がないため、こうした問題がないという利点がある。 また、これらの縮合剤を用いる方法では、ペプチド反応の各素反応を完全に行うために、アミド化試薬を大量に使用する必要がある。このことは、製造コストの高騰を招く他、資源の無駄遣いとなる問題がある。この点、本発明のカルボン酸アミドの製造方法では、試薬間は基本的には等量で良く、また、ペプチド合成の各段階における精製が容易であるために、従来法に比べて大きな試薬使用量の大幅な削減が見込め、環境に対する負担も小さくなる。本発明のペプチドの製造方法によるジペプチド合成を示した模式図である。本発明のペプチドの製造方法によるトリペプチド合成を示した模式図である。<各種の金属化合物存在下におけるカルボン酸のアミド化反応>(実施例1、2及び比較例1) 実施例1及び実施例2では、パルミチン酸とドデシルアミンとを、m−キシレン溶媒中、種々の金属化合物の存在下で、6時間(6h)反応させアミド化させた。原料のパルミチン酸及びドデシルアミン、及び金属化合物は、市販品を精製することなく、そのまま用いた。反応の手順は以下のとおりである。 すなわち、パルミチン酸(6mmol)とドデシルアミン(6mmol)とをDean−Stark管を取り付けた2口の100mL丸底フラスコに入れ、さらに金属化合物(0.12mmol)を加え、m−キシレン溶媒(40mL)中、加熱還流下で6時間撹拌した後、粗反応液をガスクロマトグラフィー(GC−14−A(株)島津製作所製)を用いて収率を求めた。パルミチン酸の分析は、内径0.3mm、長さ25m、内壁に0.32μmのジメチルポリシロキサン層を有するキャピラリーカラムを用いた。パルミチン酸ドデシルアミドの分析は、内径0.25mm、長さ15mであり、内壁に0.10μmのフェニルメチルポリシロキサン層を有するキャピラリーカラムを用いた。また、後述する実施例3〜76及び比較例1〜8についても、同様の方法によって収率を求めた。 また、比較例1では無触媒条件下、実施例1では塩化第二鉄・6水和物を、実施例2では塩化アルミニウム・6水和物をそれぞれ添加し、上記と同様の操作を行った。 結果を表1に示す。表1から明らかなように、実施例1及び実施例2では,において、金属化合物を添加しなかった比較例1に比して、高収率でのパルミチン酸アミドの生成が認められた。(実施例3〜6、試験例1及び比較例2,3) 実施例3〜6及び試験例1では、反応時間を24時間とし、各種の金属化合物又はMCM−41(C. T. Kresge, M. E. Leonowicz, W.J. Roth, J. C.Vartuli, J. S. Beck,Nature 1992年、359巻、22号、710ヘ゜ーシ゛参照)に各種の金属化合物を担持させた固体触媒を用いて、同様にアミド化反応・分析を行った。また、反応時間は24時間とした。その他の条件は実施例1及び2と同様であり、説明を省略する。 担体担持触媒の調製方法 担体担持触媒の調製は、蒸留エタノール(14mL)に、MCM−41に対し20wt%の塩化第二鉄・6水和物(66.6mg)を溶解させ、MCM−41(0.2g)を加える。室温にて6時間攪拌後、エタノールを除去し、塩化第二鉄・6水和物固定化MCM−41を得た。塩化第二鉄・6水和物以外の金属化合物についても同様に固定化を行なった。 比較例2では何らの金属化合物も添加しなかった。また、比較例3ではMCM−41のみを添加し、金属化合物は用いなかった。さらに、実施例3では塩化第二鉄・6水和物、実施例4では塩化アルミニウム・6水和物を添加した。また、実施例5ではMCM−41に塩化第二鉄を、実施例6では塩化アルミニウム・6水和物を、試験例1では2塩化ジルコニル・8水和物を、それぞれ担持させた担体担持触媒をそれぞれ添加し、実施例3及び4と同様の操作を行った。なお、比較例3ではMCM−41の添加量は0.01gであり、実施例5、6及び試験例1では金属化合物を20wt%含有するMCM−41を0.16g用いた。 結果を表2に示す。表2から明らかなように、金属化合物を添加した実施例3〜4及び金属化合物をMCM−41に担持させた担体担持触媒を添加した実施例5、6のいずれにおいても、何らの金属化合物も添加をしない比較例2及びMCM−41のみを添加した比較例3の収率よりも高い収率でパルミチン酸アミドの生成が認められた。また、m−キシレンレン中の6時間反応に比し、反応時間が6時間から24時間へと4倍増加したことに伴い、実施例3(金属化合物:塩化第二鉄・6水和物)及び実施例4(金属化合物:塩化アルミニウム・6水和物)の収率は、実施例1(金属化合物:塩化第二鉄・6水和物)及び実施例2(金属化合物:塩化アルミニウム・6水和物)の収率に対して、それぞれ約1.5倍及び約2倍に増加した。また、実施例3及び4と実施例5及び6との比較から明らかなように、金属化合物を添加した場合よりも金属化合物をMCM−41に担持させた担体担持触媒を添加した場合の方が収率が高くなる傾向を示した。なお、塩化第二鉄・6水和物は金属化合物として用いた場合及びMCM−41に担持させて用いた場合の双方において、90%以上の非常に高い収率を示した。(実施例7〜29、試験例2〜5及び比較例4〜6) 実施例7〜29及び試験例2〜5では、反応溶媒をメシチレンとし、各種の金属化合物及びMCM−41に各種の金属化合物を担持させた担体担持触媒を用いて、アミド化反応及び反応生成物の分析を行った。その他の条件は実施例1及び2の反応条件と同様であり、説明を省略する。 比較例4では何らの金属化合物も添加しなかった。また、比較例5では触媒として硫酸を用い、比較例6ではMCM−41のみを用い、実施例7〜27及び試験例2〜4では金属化合物として、塩化第二鉄・6水和物、硫酸第二鉄・6水和物、三二酸化鉄、硝酸第二鉄・9水和物、硫酸アルミニウム・14〜16水和物、硝酸アルミニウム・9水和物、4塩化ジルコニウム、2二塩化ジルコニル・8水和物、硫酸ジルコニル、2硝酸ジルコニル、塩化第二クロム・6水和物、塩化マンガン・6水和物、塩化コバルト・6水和物、塩化ニッケル・6水和物、硫酸ニッケル・6水和物、硝酸ニッケル・6水和物、酢酸ニッケル・6水和物、塩化第二銅・2水和物、塩化亜鉛・2水和物、塩化リチウム・1水和物、塩化マグネシウム・6水和物、二塩化ハフニル・2水和物、塩化インジウム・4水和物、硫酸インジウム・9水和物、硝酸インジウム・3水和物及び酸化鉄をそれぞれ用い、実施例28、29及び試験例5ではMCM−41に塩化第二鉄・6水和物、酸化鉄及び二塩化ジルコニル・8水和物酸のいずれかを担持させた触媒を用いて、アミド化反応を行った。また、反応温度は162℃とした。その他の条件は実施例8と同様である。 結果を表3に示す。表3から明らかなように、実施例の全てにおいて、比較例4〜6に比して、良好な収率が認められた。中でも、実施例9、20、21、22、25、26、27及び33については70%以上〜80%未満の比較的高い収率が認められ、実施例7、9及び28については80%以上の高い収率が認められた。また、反応温度が139℃から162℃へと23℃増加したことに伴い、実施例7(金属化合物:塩化第二鉄・6水和物)の収率は実施例1(金属化合物:塩化第二鉄・6水和物)の収率に対して1.3倍の増加を示した。(実施例30〜43、試験例5〜7及び比較例7,8) 実施例30〜43及び試験例6〜7では、反応溶媒をメシチレンとし、各種の金属化合物.及びMCM−41に各種の金属化合物を担持させた触媒を用いて、アミド化反応及び反応生成物の分析を行った。また、反応温度は162℃とした。その他の反応条件は実施例3〜6と同様である。 比較例7では何らの金属化合物も添加せず、比較例8ではMCM−41のみを用い、実施例35〜45では金属化合物として、塩化第二鉄・6水和物、硫酸第二鉄・6水和物、三二酸化鉄、塩化アルミニウム・6水和物、二塩化ジルコニル・8水和物、塩化第二クロム・6水和物、塩化マンガン・6水和物、塩化コバルト・6水和物、塩化ニッケル・6水和物、塩化第二銅・2水和物、塩化亜鉛・2水和物をそれぞれ用い、実施例30〜43ではMCM−41にそれぞれ塩化第二鉄、硫酸第二鉄、酸化鉄、塩化アルミニウム、二塩化ジルコニルを担持させた触媒を用いてアミド化反応を行った。その他の反応条件は実施例30〜43と同様である。 結果を表4に示す。表4から明らかなように、実施例の全てにおいて、比較例7及び8に比して、良好な収率が認められた。中でも、実施例38については73%という比較的高い収率が認められ、実施例34、36、37、41、42及び43については80%以上〜90%未満の高い収率が認められ、実施例30、31、32、35、39及び40については90%以上の高い収率が認められた。 これらの結果から、金属化合物としては、塩化第二鉄・6水和物、硫酸第二鉄・6水和物、酸化鉄、塩化マンガン・6水和物、塩化亜鉛・2水和物が最も好適であり、塩化第二クロム・6水和物、塩化コバルト・6水和物、塩化ニッケル・6水和物がより好適である。また、MCM−41を担体として用いた触媒としては、塩化第二鉄をMCM−41に担持させた触媒が最も好適であり、硫酸第二鉄又は酸化鉄をMCM−41に担持させた触媒がより好適であることが分かる。(実施例44〜52) 実施例44〜52では、金属化合物として塩化第二鉄・6水和物を用い、カルボン酸としてパルミチン酸を用い、アミンとして表2に示す各種の1級アミンを用い、アミド化反応及び反応生成物の分析を行った。反応温度は実施例44、45では108℃、実施例46では139℃、実施例47〜52では162℃とした。また、溶媒として実施例44、45ではトルエン、実施例46ではm−キシレン、実施例7〜52ではメシチレンとした。その他の反応条件は実施例30〜43と同様である。 その結果、表5に示すように、用いるアミンの炭素鎖が長くなるにつれ、収率は減少するが、良好な収率でアミドが得られた。(実施例53〜60) 実施例53〜60では、金属化合物として塩化第二鉄・6水和物を用い、カルボン酸としてオクタン酸を用い、アミンとして表6に示す各種のアミンを用いて、アミド化反応及び反応生成物の分析を行なった。反応温度は実施例53、54では108℃、実施例55〜60では139℃とした。また、反応溶媒として実施例53、54ではトルエン、実施例55〜60ではm−キシレンとした。その他の反応条件は実施例44〜52と同様である。 その結果、表6に示すように、用いるカルボン酸の炭素鎖が長くなるにつれ、収率は減少するが、良好な収率でアミドが得られた。(実施例61〜71) 実施例61〜71では、金属化合物として塩化第二鉄・6水和物を用い、アミンとしてドデシルアミンを用い、カルボン酸として表7に示す各種カルボン酸を用い、アミド化反応及び反応生成物の分析を行った。反応温度は実施例61〜64では108℃、実施例65、66では139℃、実施例67〜71では162℃とした。また、反応溶媒として実施例61〜64ではトルエン、実施例65、66ではm−キシレン、実施例67〜71ではメシチレンとした。その他の反応条件は、実施例53〜60と同様である。 その結果、表7に示すように、カルボン酸の炭素鎖の増加により収率の低下が認められるが、高い収率でカルボン酸ドデシルアミドが得られた。(実施例72〜76) 実施例72〜76では、金属化合物として塩化第二鉄・6水和物を用い、アミンとしてドデシルアミンを用い、カルボン酸として表8に示す各種カルボン酸を用い、アミド化反応及び反応生成物の分析を行った。反応温度は139℃、反応溶媒はm−キシレンとした。その他の反応条件は、実施例53〜60と同様である。 その結果、表8に示すように、カルボン酸の炭素鎖の増加により収率の低下が認められるが、高い収率でカルボン酸ドデシルアミドが得られた。 実施例77では、金属化合物として塩化第二鉄・6水和物を用い、アミンとして1,6−ヘキサンジアミンを用い、カルボン酸としてデカン酸を用い、メシチレン溶媒中で還流下、アミド化反応を行った。NMRにより反応生成物の分析を行った結果、ジアミドのみが観測された。 実施例78では、金属化合物として塩化第二鉄・6水和物を用い、アミンとしてオクチルアミンを用い、カルボン酸としてアジピン酸を用い、メシチレン溶媒中で還流下、アミド化反応を行った。NMRにより反応生成物の分析を行った結果、ジアミドのみが観測された。<ジペプチドの合成>(実施例79〜81及び比較例9) 実施例79〜81では、カルボン酸としてアセチルアラニンを用い、アミンとしてフェニルアラニンエチルエステルを用い、金属化合物として塩化第二鉄・6水和物を用いて、アミド化反応及び反応生成物の分析を行った。すなわち、アセチルアラニン(1.5mmol)とフェニルアラニンエチルエステル(1.5mmol)とをDean−Stark管を取り付けた2口の丸底フラスコに入れ、さらに金属化合物(0.03mmol)を加え、m−キシレンあるいはメシチレン溶媒(40mL)中、加熱還流下で24時間撹拌した。減圧下にて溶媒を除去後、真空乾燥し得られる生成物を1H−NMRにて分析し、積分値にて収率を求めた。 反応温度は実施例79では162℃、実施例80では139℃、実施例81では108℃とした。また、反応溶媒として実施例79ではメシチレン、実施例80ではm−キシレン実施例81ではトルエンとし、反応時間は24時間とした。その他の反応条件は実施例30〜43と同様である。 一方、比較例9では、金属化合物を添加することなく、その他については実施例79と同様の条件とした。 その結果、表9に示すように、実施例86〜88では良好な収率でアセチルアラニルフェニルアラニンエチルエステルが得られたのに対して、金属化合物を添加しなかった比較例9では、アセチルアラニルフェニルアラニンエチルエステルは、極めて低い収率でしか得られなかった。(実施例82及び実施例83) 触媒として実施例82ではLiCl、実施例83ではMgCl2を用い、その他について実施例80と同じ条件下でアミド化反応を行った。その結果、結果を表10に示すように、N−アセチルアラニルフェニルアラニンエチルエステルが40〜46%の収率で得られた。(実施例84〜87及び比較例10) 実施例84〜87では、カルボン酸としてt−BOCアラニンを用い、アミンとしてフェニルアラニンベンジルエステルを用い、触媒として表11に示す各種金属化合物を用いてアミド化反応を行い、反応生成物の分析を行った。反応温度は実施例84では162℃、実施例85〜87では139℃とした。また、反応溶媒として実施例84ではメシチレン、実施例85〜87ではm−キシレンとし、反応時間は6時間とした。 一方、比較例10では、金属化合物は添加することなく、反応時間は24時間とし、その他については実施例91の場合と同様とした。その結果、表11に示すように、実施例84〜87ではN−t−Bocアラニルフェニルアラニンベンジルエステルが得られた。特に塩化第二鉄・6水和物を触媒として用いた実施例84及び85において収率が高かった。これに対し、比較例10では、反応時間を長くしたにもかかわらず、収率は10%と低かった。(実施例88〜91) 実施例88〜91では、L−ロイシンベンジルエステルと、アミン保護カルボン酸(実施例88ではBoc−L−アラニン、実施例89ではBoc−L−フェニルアラニン、実施例90ではBoc−L−イソロイシン、実施例91ではBoc−L−ロイシン)とを塩化第二鉄・6水和物存在下、メシチレン還流下にて同様のアミド化反応を行ない、同様の分析を行った。(実施例92〜95) 実施例92〜95では、L−アラニンベンジルエステルと、アミン保護カルボン酸(実施例92ではBoc−L−アラニン、実施例93ではBoc−L−フェニルアラニン、実施例94ではBoc−L−イソロイシン、実施例95ではBoc−L−ロイシン)とを、塩化第二鉄・6水和物存在下、メシチレン還流下にて同様のアミド化反応を行ない、同様の分析を行った。(実施例96〜99) 実施例96〜99では、L−バリンベンジルエステルと、アミン保護カルボン酸(実施例96ではBoc−L−アラニン、実施例97ではBoc−L−フェニルアラニン、実施例98ではBoc−L−イソロイシン、実施例99ではBoc−L−ロイシン)とを、塩化第二鉄・6水和物存在下、メシチレン還流下にて同様のアミド化反応を行ない、同様の分析を行った。(実施例100〜102)実施例100〜102では、アミノ酸のアミン部位をFmoc基(フルオレニルメトキシアルボニル)で保護されたL−アラリンと、L−アラニンベンジルエステル、L−ロイシンベンジルエステル又はL−バリンベンジルエステルとを、塩化第二鉄6水和物存在下、メシチレン還流下にて同様のアミド化反応を行ない、同様の分析を行った。(実施例103〜105)実施例103〜105は、ベンジルオキシカルボニル基(以下、Cbz基)によりL−フェニルアラニンのアミン部位を保護されたL−グリシンとのジペプチド(Cbz−L−phe−Gly−OH)と、L−アラニンベンジルエステル、L−バリンベンジルエステル又はL−ロイシンベンジルエステルとを、塩化第二鉄6水和物存在下、メシチレン還流下にて同様のアミド化反応を行ない、同様の分析を行った。 こうして得られたN−t−Bocアラニルフェニルアラニンベンジルエステル等のペプチドは、酸によってt−Boc基を脱離させることにより、容易にアミノ基を出現させることができる。また、Pdなどの貴金属触媒下、水素添加することにより、容易にカルボキシル基を出現させることができる。こうして脱保護させて出現したアミノ基やカルボキシル基にさらに同様の操作を加えて、ペプチド鎖を伸ばしていくことができる。<カルボン酸と第2アミンとのアミド化反応>(実施例106) 実施例106では、長鎖脂肪酸としてパルミチン酸(6mmol)と、第二級アミンとしてジヘキシルアミン(6mmol)とをメシチレン(40ml)に溶かし、さらに塩化第二鉄・6水和物(0.12mmol)を加えて還流条件下にてアミド化反応を行ない、分析を行った。(比較例11) 比較例11では、触媒を加えることなく、その他については実施例106の条件と同様の条件で反応を行なった。 その結果、表17に示すように、無触媒で反応を行なった比較例11が収率30%であったのに対し、塩化第二鉄・6水和物存在下では収率が50%となり、第二級アミンによるアミド化においても、塩化第二鉄・6水和物は触媒として作用することが分かった。 この発明は、上記発明の実施例の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。 カルボン酸と第1アミン又は第2アミンとを触媒の存在下でアミド化するカルボン酸アミドの製造方法であって、 前記触媒はクロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、ハフニウム、インジウム、銅、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム及びリチウムから選ばれた少なくとも一種の金属化合物を含むことを特徴とするカルボン酸アミドの製造方法。 前記カルボン酸、前記第1アミン及び前記第2アミンの少なくとも一種は炭素数が4以上であることを特徴とする請求項1記載のカルボン酸アミドの製造方法。 前記金属化合物は、ハロゲン化物、硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩及び酸化物から選ばれた少なくとも一種の金属化合物を含むことを特徴とする請求項1又は2記載のカルボン酸アミドの製造方法。 アミド化反応終了後に触媒を回収し、再使用することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のカルボン酸アミドの製造方法。 金属化合物が担体に担持されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載のカルボン酸アミドの製造方法。 クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、ハフニウム、インジウム、銅、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム及びリチウムから選ばれた少なくとも一種の金属化合物を含み、カルボン酸と第1アミン又は第2アミンとをアミド化することを特徴とするアミド化触媒。 前記金属化合物は、ハロゲン化物、硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩及び酸化物から選ばれた少なくとも一種の金属化合物を含むことを特徴とする請求項6記載のアミド化触媒。 金属化合物が担体に担持されていることを特徴とする請求項6又は7のいずれか1項記載のアミド化触媒。 第1のアミノ酸のアミノ基が保護基で保護されたアミノ基保護アミノ酸と、第2のアミノ酸のカルボキシル基が保護基で保護されたカルボキシル基保護アミノ酸とを、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、ハフニウム、インジウム、銅、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム及びリチウムから選ばれた少なくとも一種の金属化合物を含む触媒の存在下でアミド化するペプチドの製造方法。 第1のアミノ酸のアミノ基が保護基で保護されたアミノ基保護アミノ酸と、第2のアミノ酸のカルボキシル基が保護基で保護されたカルボキシル基保護アミノ酸とを、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、ハフニウム、インジウム、銅、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム及びリチウムから選ばれた少なくとも一種の金属化合物を含む触媒の存在下でアミド化する第1アミド化工程と、 該アミノ基の保護基又は該カルボキシル基の保護基を脱離させる脱保護工程と、 該脱保護工程によって再生したアミノ基又はカルボキシル基と、 該脱保護工程によって再生した官能基がアミノ基である場合にはアミノ基が保護基で保護され、該脱保護工程によって再生した官能基がカルボキシル基である場合にはカルボキシル基が保護基で保護された第3のアミノ酸のカルボキシル基又はアミノ基とを、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、ハフニウム、インジウム、銅、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム及びリチウムから選ばれた少なくとも一種の金属化合物を含む触媒の存在下でアミド化する第2アミド化工程と、 を備えることを特徴とするペプチドの製造方法。 【課題】製造のための工程数が少なくて手間がかからず、収率の良いカルボン酸アミドの製造方法、それに用いるアミド化触媒、及びそれを用いたペプチドの製造方法を提供する。【解決手段】本発明のカルボン酸アミドの製造方法は、カルボン酸と第1アミン又は第2アミンとをクロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、ハフニウム、インジウム、銅、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム及びリチウムから選ばれた少なくとも一種の金属化合物を含む触媒の存在下でアミド化する。【選択図】なし20090220A16333全文3 カルボン酸と第1アミンとを触媒及び水の存在下でアミド化するカルボン酸アミドの製造方法であって、 前記触媒はクロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、ハフニウム、インジウム、銅、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム及びリチウムから選ばれた少なくとも一種の金属化合物を含むことを特徴とするカルボン酸アミドの製造方法。 前記カルボン酸及び前記第1アミンの少なくとも一種は炭素数が4以上であることを特徴とする請求項1記載のカルボン酸アミドの製造方法。 前記金属化合物は、ハロゲン化物、硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩及び酸化物から選ばれた少なくとも一種の金属化合物を含むことを特徴とする請求項1又は2記載のカルボン酸アミドの製造方法。 アミド化反応終了後に触媒を回収し、再使用することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のカルボン酸アミドの製造方法。 金属化合物が担体に担持されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載のカルボン酸アミドの製造方法。 クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、ハフニウム、インジウム、銅、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム及びリチウムから選ばれた少なくとも一種の金属化合物を含み、カルボン酸と第1アミンとを水の存在下でアミド化することを特徴とするアミド化触媒。 前記金属化合物は、ハロゲン化物、硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩及び酸化物から選ばれた少なくとも一種の金属化合物を含むことを特徴とする請求項6記載のアミド化触媒。 金属化合物が担体に担持されていることを特徴とする請求項6又は7のいずれか1項記載のアミド化触媒。 第1のアミノ酸のアミノ基が保護基で保護されたアミノ基保護アミノ酸と、第2のアミノ酸のカルボキシル基が保護基で保護されたカルボキシル基保護アミノ酸とを、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、ハフニウム、インジウム、銅、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム及びリチウムから選ばれた少なくとも一種の金属化合物を含む触媒の存在下でアミド化するペプチドの製造方法。 第1のアミノ酸のアミノ基が保護基で保護されたアミノ基保護アミノ酸と、第2のアミノ酸のカルボキシル基が保護基で保護されたカルボキシル基保護アミノ酸とを、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、ハフニウム、インジウム、銅、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム及びリチウムから選ばれた少なくとも一種の金属化合物を含む触媒の存在下でアミド化する第1アミド化工程と、 該アミノ基の保護基又は該カルボキシル基の保護基を脱離させる脱保護工程と、 該脱保護工程によって再生したアミノ基又はカルボキシル基と、 該脱保護工程によって再生した官能基がアミノ基である場合にはアミノ基が保護基で保護され、該脱保護工程によって再生した官能基がカルボキシル基である場合にはカルボキシル基が保護基で保護された第3のアミノ酸のカルボキシル基又はアミノ基とを、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、ハフニウム、インジウム、銅、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム及びリチウムから選ばれた少なくとも一種の金属化合物を含む触媒の存在下でアミド化する第2アミド化工程と、 を備えることを特徴とするペプチドの製造方法。