生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_メラノソーム輸送阻害剤、及び皮膚外用剤
出願番号:2008056389
年次:2009
IPC分類:A61K 8/49,A61Q 19/02


特許情報キャッシュ

板倉 研 畑 友紀 成 英次 高山 明美 福田 光則 JP 2009209121 公開特許公報(A) 20090917 2008056389 20080306 メラノソーム輸送阻害剤、及び皮膚外用剤 株式会社コーセー 000145862 特許業務法人特許事務所サイクス 110000109 板倉 研 畑 友紀 成 英次 高山 明美 福田 光則 A61K 8/49 20060101AFI20090821BHJP A61Q 19/02 20060101ALI20090821BHJP JPA61K8/49A61Q19/02 3 OL 7 4C083 4C083AB032 4C083AC022 4C083AC072 4C083AC102 4C083AC122 4C083AC242 4C083AC302 4C083AC422 4C083AC442 4C083AC841 4C083AC842 4C083AD092 4C083AD332 4C083AD432 4C083CC04 4C083CC05 4C083EE10 4C083EE16 本発明は、新規なメラノソーム輸送阻害剤、及びそれを利用した皮膚外用剤に関する。 最近メラノサイト内のメラノソーム輸送にかかわるタンパク質と、その機能が解明された。Slac2−a、Rab27a、及びミオシン5aの3つのタンパク質が、メラノソーム上で複合体を形成し、メラノソームの微小管からアクチン線維への受け渡しと、アクチン線維上のメラノソーム輸送に関わっていること;ならびにSlp2−aは、細胞周辺へ移動させたメラノソームを細胞膜につなぎとめる役割を果たしていること;が報告され、メラノソーム輸送阻害が美白効果につながることが示唆された(例えば、非特許文献1)。 また、メラノソーム輸送に関するタンパク質Rab27aの不活性化剤が提案されている(特許文献1)。 一方、クマリン酸等のピロン化合物を含有する美白化粧料(特許文献2)、及び皮膚色不均一性改善剤(特許文献3)が知られているが、メラノソーム輸送における作用についてはなんら知られていない。「シナプトダグミンによる調節性分泌の制御」、蛋白質 核酸 酵素、p2186−2197、Vol.49、No.14、2004年特開2007−137821号公報特開昭53−3538号公報特開2007−246441号公報 本発明は、皮膚外用剤等に有用な新規なメラノソーム輸送阻害剤を提供することを課題とする。 また、本発明は、メラノソーム輸送阻害能を示し、しかも細胞毒性の低い皮膚外用剤を提供することを課題とする。 本発明は前記課題を解決するため、クマリン酸又はその塩を有効成分として含有することを特徴とするメラノソーム輸送阻害剤を提供する。 本発明のメラノソーム輸送阻害剤は、メラノソーム輸送関連タンパク質Rab27a、Slp2−a及びミオシン5aの少なくとも1種のタンパク質量を減少させることを特徴とする。 また、他の観点から、本発明によって、クマリン酸又はその塩を有効成分として含有し、メラノソーム輸送関連タンパク質Rab27a、Slp2−a、及びミオシン5aの少なくとも1種のタンパク質量を減少させることを特徴とする皮膚外用剤;クマリン酸又はその塩を適用することによって、メラノソーム輸送関連タンパク質Rab27a、Slp2−a、及びミオシン5aのタンパク質量を減少させることを特徴とするメラノソーム輸送を阻害する方法;が提供される。 本発明によれば、皮膚外用剤等に有用な新規なメラノソーム輸送阻害剤を提供することができる。 また、本発明によれば、メラノソーム輸送阻害能を示し、しかも細胞毒性の低い皮膚外用剤を提供することができる。 以下、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書において、「〜」はその前後の数値を含む範囲を意味するものとする。 本発明は、クマリン酸又はその塩を有効成分として含有することを特徴とするメラノソーム輸送阻害剤に関する。本発明では、クマリン酸を、遊離酸の状態で用いてもよいし、塩基で中和し、塩の状態で用いてもよい。有効成分として使用可能なクマリン酸の塩は、生理的に許容されるものであれば特に制限はない。その例には、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属塩等が含まれる。なお、クマリン酸は、市販されていて容易に入手可能であり、またクマリン酸塩も、種々の塩基とクマリン酸から通常の方法により容易に調製できる。 本発明者は、クマリン酸又はその塩が、メラノソーム輸送にかかわるタンパク質の中でも、Rab27a、Slp2−a及びミオシン5aの3種について、タンパク質量を減少させ得ることを見出した。メラノソーム輸送にかかわるタンパク質は、これらの3種以外にも、Slac2−a及びアクチンなどが知られているが、クマリン酸又はその塩は、これらのタンパク質に対しては作用しない。従って、本発明のメラノソーム輸送阻害剤は、特許文献1に開示されているRab27A不活性剤とは作用が全く異なる剤である。また、アクチンに対して重合阻害能があることが知られているサイトカラシンDは、メラノソームの輸送を阻害するが、アクチン線維を破壊するため細胞に対する毒性が非常に高く、人体に適用することはできない。本発明では、メラノソーム輸送にかかわるタンパク質のうち、上記3種のタンパク質の少なくとも1種(好ましくは2種以上、より好ましくは3種のタンパク質の全て)に対して、タンパク質量減少作用を示すクマリン酸又はその塩を有効成分として用いることで、皮膚外用剤等の人体に適用することを目的とする用途においても、細胞毒性等の副作用を起こさせることなく、メラノソームの輸送を阻害することを可能としている。従って、本発明のメラノソーム輸送阻害剤は安全性が高く、人体に適用することを目的とする、皮膚外用剤の用途において特に有用である。 本発明のメラノソーム輸送阻害剤によって、メラノソームの輸送が阻害されると、例えば、メラノサイトで生成したメラニンが、ケラチノサイトに受け渡されることがなくなるため、肌の色素沈着を抑制することができ美白効果を発揮するものと考えられる。本発明者は、従来の美白剤、コウジ酸、アルブチンには、メラノソーム輸送阻害作用がないことを確認している。従って、本発明の皮膚外用剤は、クマリン酸又はその塩に特異的なメラノソーム輸送阻害作用による美白効果を奏するものであり、従来のコウジ酸やアルブチン等を含有する美白用化粧料が奏する美白効果とは、全く異なるメカニズムによるものである。メラノソーム輸送にかかわるタンパク質はメラノソーム輸送以外にホルモン分泌や消化酵素の分泌などに関わっていることが知られているので、クマリン酸は美白効果以外にもこれらの分泌制御に関わる可能性がある。 本発明は、クマリン酸又はその塩を有効成分として含有し、メラノソーム輸送関連タンパク質Rab27a、Slp2−a及びミオシン5aの少なくとも1種のタンパク質量を減少させることを特徴とする皮膚外用剤にも関する。本発明の皮膚外用剤におけるクマリン酸もしくはその塩の配合量(塩の場合は遊離酸の状態に換算した配合量)は固形分で、0.00001〜1質量%であるのが好ましく、0.001〜0.1質量%(以下、単に「%」とという)であるのがより好ましい。前記範囲であると、高いメラノソーム輸送阻害効果が得られるとともに、皮膚外用剤中に安定的に配合することができる。 本発明の皮膚外用剤は、本発明のメラノソーム輸送阻害剤であるクマリン酸又はその塩とともに、化粧料や医薬部外品、外用医薬品等に通常使用される各種の成分、即ち、水、アルコール、油剤、界面活性剤、増粘剤、粉体、キレート剤、pH調整剤、各種薬効剤、動植物・微生物由来の抽出物、香料等を、本発明の効果を損なわない範囲で適宜加えることができる。また、抗酸化剤、細胞賦活剤、抗炎症剤、紫外線防止剤等の薬効成分を併用して、本発明の効果を更に高める、もしくは他の効果をさらに付加することもできる。 本発明の皮膚外用剤は、美肌等を目的とする化粧料、特に美白用化粧料として調製するのに適する。化粧料の形態については特に限定されず、例えば、乳液、クリーム、化粧水、パック、洗浄料、メーキャップ化粧料等のいずれの形態の化粧料であってもよい。その他、分散液、軟膏、液剤、エアゾール、貼付剤、パップ剤、リニメント剤等の外用医薬品として調製してもよい。また、本発明の皮膚外用剤は、乳化型皮膚外用剤であってもよく、かかる場合は、W/O型及びO/W型のいずれであってもよい。 以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定されることはない。[実施例1:メラノソーム輸送阻害作用の評価] マウスメラノーマ細胞JCRB株を用い、10%FBSを含むEagle’s MEMにて培養した。クマリン酸を最終濃度0.0001%になるように添加して72時間後に細胞を回収し、タンパク質の抽出を行った。一定のタンパク質量をSDS−PAGEで分離した後、抗Rab27a・ミオシン5a・Slac2−a・Slp2−a・アクチン抗体を用いてウエスタンブロッティングを行った。クマリン酸を添加していない細胞を対照として、検出されたバンドの濃さの比較から、各タンパク質量の変化を決定した。・結果 対照試料及びクマリン酸で処理した細胞それぞれから抽出された輸送関連タンパク質量を、それぞれのバンドの濃さで比較した結果を図1に示す。図1に示す通り、クマリン酸処理により、Rab27a、ミオシン5a、及びSlp2−aのバンドが薄くなっていた。一方、アクチンとSlac2−aの量は変化していなかった。図1に示す結果から、クマリン酸はRab27a、ミオシン5a及びSlp2−aのタンパク質量を減少させることによりメラノソームの輸送を阻害することが理解できる。[実施例2:化粧水の調製] 下記の組成の化粧水を、以下の方法で調製した。A. 成分(3)、(4)及び(8)〜(10)を混合溶解する。B. 成分(1)、(2)、(5)〜(7)及び(11)を混合溶解する。C. AとBを混合して均一にし、化粧水を得た。(成分) (%)(1)グリセリン 5.0(2)1,3−ブチレングリコール 6.5(3)ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタン 1.2 モノラウリン酸エステル(4)エタノール 12.0(5)乳酸 0.05(6)乳酸ナトリウム 0.1(7)コラーゲン 1.0(8)クマリン酸 0.1(9)防腐剤 適量(10)香料 適量(11)精製水 残量[実施例3:乳液の調製] 下記の組成の乳液を、以下の方法で調製した。A. 成分(9)を加熱し、70℃に保つ。B. 成分(1)〜(8)および(10)を加熱混合し、70℃に保つ。C. BにAを加えて混合し、均一に乳化する。D. Cを冷却後(11)〜(14)を加え、均一に混合して乳液を得た。(成分) (%)(1)ポリオキシエチレン(10E.O.)ソルビタン 1.0 モノステアレート(2)ポリオキシエチレン(60E.O.)ソルビット 0.5 テトラオレエート(3)グリセリルモノステアレート 1.0(4)ステアリン酸 0.5(5)ベヘニルアルコール 0.5(6)スクワラン 8.0(7)エタノール 5.0(8)クマリン酸 0.01(9)精製水 残量(10)防腐剤 適量(11)カルボキシビニルポリマー 0.2(12)水酸化ナトリウム 0.1(13)ヒアルロン酸 0.1(14)香料 適量 上記実施例2及び実施例3の化粧料は、皮膚に適用することにより、皮膚を白くする作用がある化粧料であることを確認した。 本発明によれば、安全性の高い、新規なメラノソーム輸送阻害剤、及びそれを利用した皮膚外用剤を提供することができる。実施例1で行ったウエスタンブロッティングの結果を示す写真である。クマリン酸又はその塩を有効成分として含有することを特徴とするメラノソーム輸送阻害剤。メラノソーム輸送関連タンパク質Rab27a、Slp2−a及びミオシン5aの少なくとも1種のタンパク質量を減少させることを特徴とする請求項1に記載のメラノソーム輸送阻害剤。クマリン酸又はその塩を有効成分として含有し、メラノソーム輸送関連タンパク質Rab27a、Slp2−a、及びミオシン5aの少なくとも1種のタンパク質量を減少させることを特徴とする皮膚外用剤。 【課題】メラノソーム輸送阻害剤及びメラノソーム輸送阻害能を示す皮膚外用剤を提供する。【解決手段】クマリン酸又はその塩を有効成分として含有することを特徴とするメラノソーム輸送阻害剤;及びクマリン酸又はその塩を有効成分として含有し、メラノソーム輸送関連タンパク質Rab27a、Slp2−a、及びミオシン5aの少なくとも1種のタンパク質量を減少させることを特徴とする皮膚外用剤である。【選択図】なし


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