生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_魚類の飼育方法
出願番号:2008001797
年次:2009
IPC分類:A01K 61/00,A61K 31/353,A61P 31/04,A61P 33/00


特許情報キャッシュ

坂井 勝信 松原 創 JP 2009159905 公開特許公報(A) 20090723 2008001797 20080109 魚類の飼育方法 西南自動車工業株式会社 591124008 菊池 武胤 100075188 中野 圭二 100118728 坂井 勝信 松原 創 A01K 61/00 20060101AFI20090626BHJP A61K 31/353 20060101ALI20090626BHJP A61P 31/04 20060101ALI20090626BHJP A61P 33/00 20060101ALI20090626BHJP JPA01K61/00 BA61K31/353A61P31/04 171A61P33/00 171 4 OL 5 2B104 4C086 2B104BA14 4C086AA01 4C086AA02 4C086BA08 4C086MA01 4C086MA04 4C086NA14 4C086ZB35 4C086ZB37 本発明は、カビや寄生虫を駆除した魚類の飼育方法に関する。 海産魚の活魚水槽や陸上養殖を行う循環水槽は、同じ海水を循環させて使用しているために、海水が酸化したり、外部から侵入した雑菌・寄生虫・カビ等が水槽の中で繁殖して海産魚に大きなダメージを与えたりしていた。特に、循環水槽での陸上養殖においては、海水を殺菌しても寄生虫を駆除することができないために、従来は劇薬のホルマリンを使用して寄生虫を駆除していた。 最近では、ホルマリンの使用禁止により、マリンサワー等の寄生虫駆除剤が使用されているが、特にふぐ養殖においては、寄生虫のヘテロボツリウムに対して余り効果がなく、安全で効果的な寄生虫の駆除手段がないのが現状である。 一方、サケ・マス等の淡水での養殖においては、薬剤に代わる魚類のミズカビ病を防止する組成物として、カテキン、ガロカテキン、ガロカテキンガレート、エピカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキン、エピガロカテキンガレートからなるポリフェノール類を含有するミズカビ病防止組成物が知られている(例えば、特許文献1参照)。特開平8−53353号公報 海産魚の活魚水槽や陸上養殖を行う循環水槽において、薬剤に代わる安全で効果的なカビや寄生虫の駆除手段を提供することが望まれていた。 本発明は、上記課題を解決するために、海水に対してエピガロカテキンを0.5〜1.2ppmの重量比で混合し、この海水中で魚類を飼育する魚類の飼育方法を提供するものである。 また、本発明の魚類の飼育方法は、前記海水の塩分濃度が5〜35‰である。 また、本発明の魚類の飼育方法は、前記海水を浄化する手段を備えたものである。 また、本発明の魚類の飼育方法は、着色したエピガロカテキン含有物質を海水に投入混合し、着色された海水が透明になる毎に着色したエピガロカテキン含有物質を投入混合するようにしてある。 本発明の魚類の飼育方法は、海水に対してエピガロカテキンを0.5〜1.2ppmの重量比で混合し、この海水中で魚類を飼育することにより、海水において劇薬を使用することなくカビや寄生虫を確実に駆除することができ、安全で品質の良い魚類を飼育することができる効果がある。 また、本発明の魚類の飼育方法は、前記海水の塩分濃度が5〜35‰であることにより、低塩分濃度の5‰から通常の海水濃度の35‰において、カビや寄生虫を確実に駆除して、安全で品質の良い魚類を飼育することができる効果がある。 また、本発明の魚類の飼育方法は、前記海水を浄化する手段を備えたことにより、魚類の飼育用水槽の衛生状態を維持することができる効果がある。 また、本発明の魚類の飼育方法は、着色したエピガロカテキン含有物質を海水に投入混合し、着色された海水が透明になる毎に着色したエピガロカテキン含有物質を投入混合するようにしたことにより、海水の浄化手段によって減少したエピガロカテキンを補って、海水中のエピガロカテキン濃度を維持することができる。また、エピガロカテキン含有物質で着色された海水の色変化を観ることにより、エピガロカテキン濃度の減少を簡単に把握することができる効果がある。 本発明に係る魚類の飼育方法は、海水に対してエピガロカテキンを0.5〜1.2ppmの重量比で混合し、この海水中で魚類を飼育するようにしてある。 一般的に、淡水魚の寄生虫の駆除はカテキンで可能であると言われているが、カテキンは金属イオンと結合し易いために、海水魚では殆ど試験が行われてこなかった。本願の発明者は、海水魚のカビや寄生虫に対するカテキンの効用を研究し、海水中にエピガロカテキンを一定濃度混合することにより、安全性と寄生虫駆除効果の両面を解決することができた。いわゆるカテキンには、カテキン、ガロカテキン、ガロカテキンガレート、エピカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキン、エピガロカテキンガレートが含まれるが、海水中ではエピガロカテキンが寄生虫駆除効果を有することが分かった。 エピガロカテキンは、海水中の金属イオンと反応して、寄生虫に対して抗菌作用を有すると共に、海水の酸化防止効果を有する。また、エピガロカテキンは、カビに対しても殺菌作用があり、殆どの魚のカビをなくすことができる。一定濃度のエピガロカテキンを混合した海水中で海水魚を飼育すると、寄生虫は堅くなり死滅し、寄生虫の卵も堅くなり孵化しなくなる。また、魚はストレスを与えると粘液を出し、この粘液の主成分であるタンパク質とエピガロカテキンが結合して、海水の酸化を防止して海水を活性化させることができる。海水の塩分濃度に係わらず、一定の割合で水槽の中にエピガロカテキンを投入し、長くても3週間程度経過すると寄生虫の卵・幼虫・成虫も殆ど全て死滅し、駆除することができる。 次に、表1に示す実施例について説明する。 本実施例は、循環システムの無い1トン水槽に15‰の塩分濃度の海水を入れ、これに所定濃度のエピガロカテキンを加えてトラフグを飼育した。水槽には、700〜800gの成魚のトラフグを30尾ずつ入れ、海水中のエピガロカテキン濃度を変えて比較実験を行った。エピガロカテキン含有物質には、和光純薬工業株式会社製のエピガロカテキン(エピガロカテキン含有量99%)を使用した。 表1に示すように、海水1トンに対して99%エピガロカテキンを0.1g(エピガロカテキン濃度0.1ppm)混合した水槽では、1週間後に寄生虫が10%減少したが、寄生虫の駆除効果は余り向上しなかった。 一方、海水1tonに対して99%エピガロカテキンを0.5g(エピガロカテキン濃度0.5ppm)〜1.0g(エピガロカテキン濃度1.0ppm)混合した水槽では、2〜3日目に寄生虫の駆除効果が現れ始め、6〜7日目で寄生虫を完全に駆除することができた。また、カビの発生も抑止することができた。このことから、本発明に係る魚類の飼育方法は、海水中のエピガロカテキン濃度を0.5ppm以上に保つことが好ましい。 また、水槽に塩分濃度5‰の海水と塩分濃度25‰の海水を入れて、同じ実験を行ったが、海水の塩分濃度に影響を受けず同様の結果が得られた。従って、本飼育方法は、低塩分濃度の5‰から通常の海水濃度の35‰までの海水において使用可能なことが分かった。 次に、表2に示す実施例について説明する。 本実施例は、循環システムを備えた1トン水槽に15‰の塩分濃度の海水を入れ、これに所定濃度のエピガロカテキンを加えてトラフグを飼育した。水槽には、700〜800gの成魚のトラフグを30尾ずつ入れ、海水中のエピガロカテキン濃度を変えて比較実験を行った。エピガロカテキン含有物質には、太陽化学株式会社製のタンセノン100S(エピガロカテキン含有量60%)を使用し、本品は茶色に着色されている。 循環システムを備えた水槽では、海水の浄化に合わせてエピガロカテキン濃度が低下するから、エピガロカテキン濃度を維持する手段が必要となる。本実施例の飼育方法では、水槽に所定濃度のエピガロカテキンを投入混合し、茶色になった海水が目視で透明になった時(約3日後)に、初回と同量のエピガロカテキンを投入混合し、以後この作業を繰り返して海水中のエピガロカテキン濃度を維持した。 表2に示すように、海水1トンに対して60%エピガロカテキンを0.5g(エピガロカテキン濃度0.3ppm)混合した水槽では、1週間以上経過しても寄生虫の駆除効果は現れなかった。 海水1トンに対して60%エピガロカテキンを1.0g(エピガロカテキン濃度0.6ppm)混合した水槽では、4日目に寄生虫の駆除効果が現れ始め、9日目で寄生虫を完全に駆除することができた。また、カビの発生も抑止することができた。 また、海水1トンに対して60%エピガロカテキンを1.5g(エピガロカテキン濃度0.9ppm)混合した水槽では、2日目に寄生虫の駆除効果が現れ始め、7日目で寄生虫を完全に駆除することができた。 一方、海水1トンに対して60%エピガロカテキンを2.0g(エピガロカテキン濃度1.2ppm)混合した水槽では、2日目で30%の寄生虫を駆除することができるが、2回目のエピガロカテキン投入後の4日目に約半数の魚が死亡した。2回目以降のエピガロカテキンの投入時に、海水中に僅かにエピガロカテキンが残存していると考えられることから、2回目以降に投入するエピガロカテキンの量を初回投入量の7〜8割にすることが好ましい。この手段により、海水に対してエピガロカテキンを1.2ppmの重量比まで混合することができる。 水槽内の海水は、PH8.3、アンモニア濃度0.1ppm、亜硝酸濃度0.1ppmで変化なく、エピガロカテキン投入後も循環システムのバクテリアが機能していることが示された。エピガロカテキンは、循環水槽のバクテリアに全く影響を及ぼさないことが分かった。 また、水槽に塩分濃度5‰の海水と塩分濃度25‰の海水を入れて、同じ実験を行ったが、海水の塩分濃度に影響を受けず同様の結果が得られた。従って、本飼育方法は、低塩分濃度の5‰から通常の海水濃度の35‰までの海水において使用可能なことが分かった。 海水に対してエピガロカテキンを0.5〜1.2ppmの重量比で混合し、この海水中で魚類を飼育する魚類の飼育方法。 前記海水の塩分濃度が5〜35‰である請求項1に記載の魚類の飼育方法。 前記海水を浄化する手段を備えた請求項1又は2に記載の魚類の飼育方法。 着色したエピガロカテキン含有物質を海水に投入混合し、着色された海水が透明になる毎に着色したエピガロカテキン含有物質を投入混合するようにした請求項3に記載の魚類の飼育方法。 【課題】海産魚の活魚水槽や陸上養殖を行う循環水槽において、薬剤に代わる安全で効果的なカビや寄生虫の駆除手段を提供する。【解決手段】海水に対してエピガロカテキンを0.5〜1.2ppmの重量比で混合し、この海水中で魚類を飼育する魚類の飼育方法。


ページのトップへ戻る

生命科学データベース横断検索へ戻る

特許公報(B2)_魚類の飼育方法

生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_魚類の飼育方法
出願番号:2008001797
年次:2012
IPC分類:A01K 61/00,A61K 31/353,A61P 31/04,A61P 33/00


特許情報キャッシュ

坂井 勝信 松原 創 JP 4976313 特許公報(B2) 20120420 2008001797 20080109 魚類の飼育方法 西南自動車工業株式会社 591124008 菊池 武胤 100075188 中野 圭二 100118728 松原 創 509350631 菊池 武胤 100075188 坂井 勝信 松原 創 20120718 A01K 61/00 20060101AFI20120628BHJP A61K 31/353 20060101ALI20120628BHJP A61P 31/04 20060101ALI20120628BHJP A61P 33/00 20060101ALI20120628BHJP JPA01K61/00 BA61K31/353A61P31/04 171A61P33/00 171 A01K 61/00 A61K 31/353 A61P 31/04 A61P 33/00 JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamII) CiNii 特開2004−307346(JP,A) 特開2007−267656(JP,A) 特開2007−215538(JP,A) 特開2000−270785(JP,A) 鈴木 基生、藤田 信一,マアジに対する茶粉末投与効果の検討,静岡県栽培漁業センター事業報告,日本,静岡県栽培漁業センター,2002年 2月,pp.34−36 鈴木 邦夫、坂井 勝信,緑茶抽出ポリフェノールによるサケ及びサクラマス稚魚寄生イクチオボドの脱落効果,005年(平成17年)日本水産学会大会講演要旨集,日本,2005年 4月 1日,pp.72 Suppressive Effects of Green Tea Polyphenols on Microbial Growth and Volatile Basic Nitrogen Content in Round Form Yellowtail(Seriola Quinqueradiata) Meat During Ice Storage,ISHIHARA NORIYUKI, ARAKI TOSHIYOSHI, TAMARU YUTAKA, INOUE MISA, NISHIHARA AKIFUMI, AOI NOBUYUKI, CHU DJONG-SHI, JUNEJA LEKH RAJ, MORISHITA TATSUO,日本食品保蔵科学会誌,日本,日本食品保蔵科学会,2001年10月31日,Vol.27,pp.269−276 1 2009159905 20090723 6 20100127 村田 泰利 本発明は、カビや寄生虫を駆除した魚類の飼育方法に関する。 海産魚の活魚水槽や陸上養殖を行う循環水槽は、同じ海水を循環させて使用しているために、海水が酸化したり、外部から侵入した雑菌・寄生虫・カビ等が水槽の中で繁殖して海産魚に大きなダメージを与えたりしていた。特に、循環水槽での陸上養殖においては、海水を殺菌しても寄生虫を駆除することができないために、従来は劇薬のホルマリンを使用して寄生虫を駆除していた。 最近では、ホルマリンの使用禁止により、マリンサワー等の寄生虫駆除剤が使用されているが、特にふぐ養殖においては、寄生虫のヘテロボツリウムに対して余り効果がなく、安全で効果的な寄生虫の駆除手段がないのが現状である。 一方、サケ・マス等の淡水での養殖においては、薬剤に代わる魚類のミズカビ病を防止する組成物として、カテキン、ガロカテキン、ガロカテキンガレート、エピカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキン、エピガロカテキンガレートからなるポリフェノール類を含有するミズカビ病防止組成物が知られている(例えば、特許文献1参照)。特開平8−53353号公報 海産魚の活魚水槽や陸上養殖を行う循環水槽において、薬剤に代わる安全で効果的なカビや寄生虫の駆除手段を提供することが望まれていた。 本発明は、上記課題を解決するために、海水に対してエピガロカテキンを0.5〜1.2ppmの重量比で混合し、この海水中で魚類を飼育する魚類の飼育方法を提供するものである。 また、本発明の魚類の飼育方法は、前記海水の塩分濃度が5〜35‰である。 また、本発明の魚類の飼育方法は、前記海水を浄化する手段を備えたものである。 また、本発明の魚類の飼育方法は、着色したエピガロカテキン含有物質を海水に投入混合し、着色された海水が透明になる毎に着色したエピガロカテキン含有物質を投入混合するようにしてある。 本発明の魚類の飼育方法は、海水に対してエピガロカテキンを0.5〜1.2ppmの重量比で混合し、この海水中で魚類を飼育することにより、海水において劇薬を使用することなくカビや寄生虫を確実に駆除することができ、安全で品質の良い魚類を飼育することができる効果がある。 また、本発明の魚類の飼育方法は、前記海水の塩分濃度が5〜35‰であることにより、低塩分濃度の5‰から通常の海水濃度の35‰において、カビや寄生虫を確実に駆除して、安全で品質の良い魚類を飼育することができる効果がある。 また、本発明の魚類の飼育方法は、前記海水を浄化する手段を備えたことにより、魚類の飼育用水槽の衛生状態を維持することができる効果がある。 また、本発明の魚類の飼育方法は、着色したエピガロカテキン含有物質を海水に投入混合し、着色された海水が透明になる毎に着色したエピガロカテキン含有物質を投入混合するようにしたことにより、海水の浄化手段によって減少したエピガロカテキンを補って、海水中のエピガロカテキン濃度を維持することができる。また、エピガロカテキン含有物質で着色された海水の色変化を観ることにより、エピガロカテキン濃度の減少を簡単に把握することができる効果がある。 本発明に係る魚類の飼育方法は、海水に対してエピガロカテキンを0.5〜1.2ppmの重量比で混合し、この海水中で魚類を飼育するようにしてある。 一般的に、淡水魚の寄生虫の駆除はカテキンで可能であると言われているが、カテキンは金属イオンと結合し易いために、海水魚では殆ど試験が行われてこなかった。本願の発明者は、海水魚のカビや寄生虫に対するカテキンの効用を研究し、海水中にエピガロカテキンを一定濃度混合することにより、安全性と寄生虫駆除効果の両面を解決することができた。いわゆるカテキンには、カテキン、ガロカテキン、ガロカテキンガレート、エピカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキン、エピガロカテキンガレートが含まれるが、海水中ではエピガロカテキンが寄生虫駆除効果を有することが分かった。 エピガロカテキンは、海水中の金属イオンと反応して、寄生虫に対して抗菌作用を有すると共に、海水の酸化防止効果を有する。また、エピガロカテキンは、カビに対しても殺菌作用があり、殆どの魚のカビをなくすことができる。一定濃度のエピガロカテキンを混合した海水中で海水魚を飼育すると、寄生虫は堅くなり死滅し、寄生虫の卵も堅くなり孵化しなくなる。また、魚はストレスを与えると粘液を出し、この粘液の主成分であるタンパク質とエピガロカテキンが結合して、海水の酸化を防止して海水を活性化させることができる。海水の塩分濃度に係わらず、一定の割合で水槽の中にエピガロカテキンを投入し、長くても3週間程度経過すると寄生虫の卵・幼虫・成虫も殆ど全て死滅し、駆除することができる。 次に、表1に示す実施例について説明する。 本実施例は、循環システムの無い1トン水槽に15‰の塩分濃度の海水を入れ、これに所定濃度のエピガロカテキンを加えてトラフグを飼育した。水槽には、700〜800gの成魚のトラフグを30尾ずつ入れ、海水中のエピガロカテキン濃度を変えて比較実験を行った。エピガロカテキン含有物質には、和光純薬工業株式会社製のエピガロカテキン(エピガロカテキン含有量99%)を使用した。 表1に示すように、海水1トンに対して99%エピガロカテキンを0.1g(エピガロカテキン濃度0.1ppm)混合した水槽では、1週間後に寄生虫が10%減少したが、寄生虫の駆除効果は余り向上しなかった。 一方、海水1tonに対して99%エピガロカテキンを0.5g(エピガロカテキン濃度0.5ppm)〜1.0g(エピガロカテキン濃度1.0ppm)混合した水槽では、2〜3日目に寄生虫の駆除効果が現れ始め、6〜7日目で寄生虫を完全に駆除することができた。また、カビの発生も抑止することができた。このことから、本発明に係る魚類の飼育方法は、海水中のエピガロカテキン濃度を0.5ppm以上に保つことが好ましい。 また、水槽に塩分濃度5‰の海水と塩分濃度25‰の海水を入れて、同じ実験を行ったが、海水の塩分濃度に影響を受けず同様の結果が得られた。従って、本飼育方法は、低塩分濃度の5‰から通常の海水濃度の35‰までの海水において使用可能なことが分かった。 次に、表2に示す実施例について説明する。 本実施例は、循環システムを備えた1トン水槽に15‰の塩分濃度の海水を入れ、これに所定濃度のエピガロカテキンを加えてトラフグを飼育した。水槽には、700〜800gの成魚のトラフグを30尾ずつ入れ、海水中のエピガロカテキン濃度を変えて比較実験を行った。エピガロカテキン含有物質には、太陽化学株式会社製のタンセノン100S(エピガロカテキン含有量60%)を使用し、本品は茶色に着色されている。 循環システムを備えた水槽では、海水の浄化に合わせてエピガロカテキン濃度が低下するから、エピガロカテキン濃度を維持する手段が必要となる。本実施例の飼育方法では、水槽に所定濃度のエピガロカテキンを投入混合し、茶色になった海水が目視で透明になった時(約3日後)に、初回と同量のエピガロカテキンを投入混合し、以後この作業を繰り返して海水中のエピガロカテキン濃度を維持した。 表2に示すように、海水1トンに対して60%エピガロカテキンを0.5g(エピガロカテキン濃度0.3ppm)混合した水槽では、1週間以上経過しても寄生虫の駆除効果は現れなかった。 海水1トンに対して60%エピガロカテキンを1.0g(エピガロカテキン濃度0.6ppm)混合した水槽では、4日目に寄生虫の駆除効果が現れ始め、9日目で寄生虫を完全に駆除することができた。また、カビの発生も抑止することができた。 また、海水1トンに対して60%エピガロカテキンを1.5g(エピガロカテキン濃度0.9ppm)混合した水槽では、2日目に寄生虫の駆除効果が現れ始め、7日目で寄生虫を完全に駆除することができた。 一方、海水1トンに対して60%エピガロカテキンを2.0g(エピガロカテキン濃度1.2ppm)混合した水槽では、2日目で30%の寄生虫を駆除することができるが、2回目のエピガロカテキン投入後の4日目に約半数の魚が死亡した。2回目以降のエピガロカテキンの投入時に、海水中に僅かにエピガロカテキンが残存していると考えられることから、2回目以降に投入するエピガロカテキンの量を初回投入量の7〜8割にすることが好ましい。この手段により、海水に対してエピガロカテキンを1.2ppmの重量比まで混合することができる。 水槽内の海水は、PH8.3、アンモニア濃度0.1ppm、亜硝酸濃度0.1ppmで変化なく、エピガロカテキン投入後も循環システムのバクテリアが機能していることが示された。エピガロカテキンは、循環水槽のバクテリアに全く影響を及ぼさないことが分かった。 また、水槽に塩分濃度5‰の海水と塩分濃度25‰の海水を入れて、同じ実験を行ったが、海水の塩分濃度に影響を受けず同様の結果が得られた。従って、本飼育方法は、低塩分濃度の5‰から通常の海水濃度の35‰までの海水において使用可能なことが分かった。 海水に対してエピガロカテキンを0.5〜1.2ppmの重量比で混合し、この海水中で魚類を飼育する魚類の飼育方法であって、前記海水の塩分濃度が5〜35‰であり、前記海水を浄化する手段を備え、着色したエピガロカテキン含有物質を海水に投入混合し、着色された海水が透明になる毎に着色したエピガロカテキン含有物質を投入混合するようにしたことを特徴とする魚類の飼育方法。


ページのトップへ戻る

生命科学データベース横断検索へ戻る