生命科学関連特許情報

タイトル:公表特許公報(A)_ゼアキサンチンの過剰蓄積を示すトウガラシ属品種およびそこから得られる産物
出願番号:2007555277
年次:2008
IPC分類:A01H 5/00,A23L 1/30,A23L 1/272,C12N 5/04,A23L 1/221,A23L 1/226,A23L 3/3463,A23L 1/36,A23L 1/212,A61K 36/81,A61P 27/02,A61P 27/12,A61P 35/00,A61P 9/00,A61P 29/00,A61P 25/00,A61P 19/02,A61P 39/06,A61K 8/34,A61Q 1/06,A61Q 19/00,A61Q 1/00,A61Q 1/10,A61Q 17/04,A61Q 5/02,A61Q 5/12,A61Q 11/00,A61K 31/047,A61K 9/48,A61K 9/20,A61K 9/14,A61K 9/70,A61K 9/08,A61K 9/52,A61K 9/12,A61K 9/10,A61K 8/97,A01G 1/00,A23K 1/16,C12N 15/09


特許情報キャッシュ

トッド・ポール・エイチ ヤング・キャリー・ケイ ローシー・キャロル・エル バレン・ジェイムズ・ピー ヴァンデンホームバーグ・アンソニー・ピー バーダール・ドナルド・アール カーネル・ジェフリー・エス JP 2008532492 公表特許公報(A) 20080821 2007555277 20060210 ゼアキサンチンの過剰蓄積を示すトウガラシ属品種およびそこから得られる産物 カラマズー・ホールディングス・インコーポレイテッド 506083257 江崎 光史 100069556 奥村 義道 100093919 鍛冶澤 實 100111486 トッド・ポール・エイチ ヤング・キャリー・ケイ ローシー・キャロル・エル バレン・ジェイムズ・ピー ヴァンデンホームバーグ・アンソニー・ピー バーダール・ドナルド・アール カーネル・ジェフリー・エス US 60/652,478 20050211 A01H 5/00 20060101AFI20080725BHJP A23L 1/30 20060101ALI20080725BHJP A23L 1/272 20060101ALI20080725BHJP C12N 5/04 20060101ALI20080725BHJP A23L 1/221 20060101ALI20080725BHJP A23L 1/226 20060101ALI20080725BHJP A23L 3/3463 20060101ALI20080725BHJP A23L 1/36 20060101ALI20080725BHJP A23L 1/212 20060101ALI20080725BHJP A61K 36/81 20060101ALI20080725BHJP A61P 27/02 20060101ALI20080725BHJP A61P 27/12 20060101ALI20080725BHJP A61P 35/00 20060101ALI20080725BHJP A61P 9/00 20060101ALI20080725BHJP A61P 29/00 20060101ALI20080725BHJP A61P 25/00 20060101ALI20080725BHJP A61P 19/02 20060101ALI20080725BHJP A61P 39/06 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101A61P39/06A61K8/34A61Q1/06A61Q19/00A61Q1/00A61Q1/10A61Q17/04A61Q5/02A61Q5/12A61Q11/00A61K31/047A61K9/48A61K9/20A61K9/14A61K9/70 401A61K9/08A61K9/52A61K9/12A61K9/10A61K8/97A01G1/00 301ZA01G1/00 302AA23K1/16 304CC12N15/00 A AP(BW,GH,GM,KE,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,NL,PL,PT,RO,SE,SI,SK,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,LY,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PG,PH,PL,PT,RO,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,SY,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,YU,ZA,ZM,ZW US2006004880 20060210 WO2006086706 20060817 66 20071002 2B022 2B030 2B150 4B016 4B018 4B021 4B024 4B036 4B047 4B065 4C076 4C083 4C088 4C206 2B022AB15 2B022AB20 2B030AA02 2B030AB03 2B030AD20 2B030CA01 2B150DA06 2B150DD42 2B150DD57 4B016LC03 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本発明は、商業的に栽培されるトウガラシ属(Capsicum)栽培品種から植物育種技法によって開発された、乾燥成熟実莢肉中に重量で約0.4%より多いゼアキサンチンを産生するトウガラシ属植物に関する。非エステル化型で測定した場合に、ゼアキサンチンは、乾燥成熟実莢肉中に見出される主要カロテノイドである。あるいは、これらの植物を、ASTA値として測定される高度の色素形成を示すと特徴づけることもでき、さらにゼアキサンチンの優勢な存在によって特徴づけることもできる。これらのトウガラシ属植物から得られるゼアキサンチンは、栄養補助剤、食品、機能性食品、化粧品、動物用飼料、水産養殖用飼料、および医薬品を含む用途に使用することができる。 トウガラシ属の成熟果実は、一般にキサントフィル類と呼ばれる酸素化されたカロテン誘導体を含むさまざまなカロテノイド類の周知の重要な供給源である。トウガラシ属は、かなりの栄養的価値および医学的価値を持つカプサンチン、カプソルビン、クリプトカプシン、ゼアキサンチン、ルテイン、および他のカロテノイド類を含有する。疫学的研究により、カロテノイド類の頻繁かつ習慣的な消費は、心血管疾患[Kohlmeierら(1995)]または癌[Murakoshiら(1992);Levyら(1995);Tanakaら(1994);Itoら(2005);Connorら(2004);およびRockら(2005)]などの慢性障害のリスクを低下させることが示されている。カロテノイド類は疾患予防に抗酸化剤としても機能しうる。ゼアキサンチンとルテインはどちらも強い抗腫瘍性を持つと報告されている[Packerら(1999)]。疫学的研究により、食事性カロテノイド類の抗酸化能は、炎症をもたらしうる酸化損傷を防ぎうることが示唆されている。食事性カロテノイド摂取量の中程度の増加は、慢性関節リウマチなどの炎症性障害を発症するリスクの低下と関連する[Pattisonら(2005)]。 多量のカロテノイド類の食事性摂取は、高齢の成人に起こるAMD(加齢性黄斑変性症)に関する低リスクとも関連する。早期発症を伴う遺伝型には、シュタルガルト病、ベスト病、および進行性錐体ジストロフィーがある。網膜全体を冒す遺伝性網膜変性症は、より重症になりがちである。これらの疾患のうち、最も一般的なタイプは、色素性網膜炎、コロイデレミア、アッシャー症候群および糖尿病性網膜症である。最も高レベルのカロテノイド類を消費する人々は、AMDに関して43%(統計的に有意)低いリスクを示す[Seddonら(1994)]。特定のカロテノイド類、すなわちゼアキサンチンおよびルテインが、AMDに関する低下したリスクと、最も強く関連する。ゼアキサンチンおよびルテインは、網膜に見出される唯一のキサントフィル色素であり、黄斑に濃縮されている。黄斑におけるカロテロイド類の役割に関する優れた概説は、Daviesら,2004、Stahlら(2005)、Stringhamら(2005)、Ahmedら(2005)、Stahl(2005)、Beattyら(2004)、Davies(2004)、およびAlves−Rodrigues(2004)に見出される。 ゼアキサンチンおよびルテインを含むキサントフィル類を含有する濃緑色野菜の高い消費量と、白内障形成などの光誘発性酸化的眼損傷に関するリスクの低下との間には、強い関連がある。Brownら(1999)およびRibaya−Mercado(2004)を参照されたい。濃緑色野菜はゼアキサンチンおよびルテインの優れた食事性供給源であるが、これらの化合物を緑色野菜から大量に単離、精製するには時間がかかり、多大の費用を要する。ケールなどの新鮮な濃緑色野菜25グラムから理論的には10mgのルテインが得られる(Khachikら 1995)。ゼアキサンチン含有量の最も高い植物供給源の一つであるトウモロコシは、トウモロコシ100gあたり0.528mgのゼアキサンチンを含有している(「Lutein and Zeaxanthin Scientific Review」Roche Vitamins Technical Publication HHN−1382/0800)。これらの供給源から10mgのゼアキサンチンを得るには、1.9kgのトウモロコシまたは0.623kgのペッパー(pepper)類が必要だろう。 したがって、食事補助剤および機能性食品の製造には、天然ゼアキサンチンの高濃度供給源が必要である。さらにまたゼアキサンチンは、食品に色を付けるための重要な成分であり、家禽の皮、卵黄、魚肉などを着色するための動物用飼料添加物としても重要な成分である。これらの用途においては、食品に使用することができるゼアキサンチンの天然供給源は、合成品よりも好ましく、かつ/または制限されている。 「GRAS」は「Generally Recognized As Safe(一般に安全と認められる)」という表現の頭字語である。連邦食品医薬品化粧品法(「法」)の201条(s)および409条によれば、食品に意図的に加えられる物質はいずれも食品添加物であり、換言すれば、その物質が、意図されたその使用条件下で安全であることが十分に示されていると有資格の専門家の間で一般に認められない限り、さもなくばその物質の使用が食品添加物の定義から除外されない限り、FDAによる市販前審査および承認を必要とする。ある物質の使用が食品添加物使用であるかどうか、またはGRASであるかどうかにかかわらず、その物質が意図されたその使用条件下で安全であることの証拠がなければならない。FDAは、「安全」(21 CFR 170.3(i))を、その物質が意図されたその使用条件下で有害でないという、適格な科学者の考えとしての合理的な確信と定義している。安全性を実証する具体的なデータおよび情報は、その物質の特徴、推定される食事性摂取量、およびその物質を消費する集団に依存する。 天然供給源から得られるゼアキサンチンは、通常、遊離のキサントフィル化合物と、脂肪酸のモノエステルおよびジエステルの混合物の形をとっている当該色素との混合物として得られる。脂肪酸は一般に8〜20個の炭素原子を含有する。これらのエステル化型ゼアキサンチンを遊離アルコール型に変換する方法はよく知られており、文献に記録されている。非エステル化型からエステルを製造する方法も知られており、文献に記録されている。 天然供給源由来のゼアキサンチンは一般に全trans異性体の形で得られる。trans異性体を、熱および/または光の適用によって、または触媒量のヨウ素の添加によって、cis型に変換できることは、よく知られている(Zechmeister,1962;Khachikら 1992;Updikeら,2003;Englertら 1991およびその参考文献;KarrerおよびJucker,1950)。Zechmeisterは、酸触媒、活性表面との接触、三フッ化ホウ素錯体および生物立体異性化による異性化も議論している。構造中の二重結合の数を考えると、多数の異なるcis異性体が可能である。網膜ではcis異性体とtrans異性体がどちらも検出されている。 ゼアキサンチンは、二つのエナンチオマー型および一つのメソ型でも存在する。すなわち、3R,3’R;3S,3’Sおよび3R,3’S(3S,3’Rは3R,3’Sと同一であることに注意)である。ヒト網膜には三つの立体異性体が全て見出されているが(特許文献1)、3R,3’R異性体が主要である。ゼアキサンチンのこれら三つの異性体を、人間の消費用に商業的な量で互いに分離することは困難である。したがって、ゼアキサンチンの合成生産には、3R,3’R立体異性体を精製し生産するために、キラルプロセスまたはキラル分離プロセスが必要である。 加齢性黄斑変性症(AMD)は、米国の65歳を越える高齢者にとって、失明の主原因であり、2030年までに4000万人の米国在住者を冒すと予想されている[Abel(2004)]。この疾患の影響を改善するための処置およびこの疾患の発症を予防する方法が、厳に必要とされている。ルテインおよびゼアキサンチンは黄斑の保護に重要な役割を果たすので、人々が、食事性の供給源、補助剤、またはこれらの栄養素の含有レベルが強化されているいわゆる機能性食品によって、これらの化合物を入手できることは重要である。数多くの疫学的研究により、ルテインおよびゼアキサンチンの典型的摂取量は、1〜3mg/日の範囲でしかないことが示唆されている。Brownら(1999)およびLyleら(1999)を参照されたい。Seddonら(1994)は、1日あたり6mgのルテインおよびゼアキサンチンの摂取と、AMDおよび白内障のリスクの減少との間の関係を報告した。この1日あたり3〜5mgの食事量差は補助剤の使用によって取り除くことができる。 市場では、食事補助剤、食品もしくは飲料添加物、または食品もしくは飲料着色剤の形で食事性供給源として役立ちうる、合成ゼアキサンチンではない天然由来のゼアキサンチンの必要性が、認知されている。さらにまた、生物学的に利用可能な形態をした、食事補助剤、食品または飲料添加物、および食品または飲料着色剤用のゼアキサンチンも、必要とされている。 家禽用飼料などの動物用飼料に、食肉および皮、卵黄ならびに魚肉を着色するための添加物として役立ちうる、合成ゼアキサンチンではない天然由来のゼアキサンチンも、必要とされている。トウモロコシグルテンから製造される、あるタイプの家禽用飼料添加物は、総カロテノイド類のパーセンテージとして測定した場合に、比較的高いパーセンテージのゼアキサンチン(約15〜30%)を含有する。しかし、これらの飼料添加物の総カロテノイド含量は極めて低い(家禽用飼料1ポンドにつき、わずか約100ミリグラムの総カロテノイド類)。もう一つのタイプの家禽用飼料添加物はマリーゴールド抽出物から製造される。この添加物は、添加物1ポンドにつき、およそ100〜200倍多い黄色色素(すなわち1ポンドあたり約10〜20グラムのルテインおよびゼアキサンチン)を含有するが、このマリーゴールド調合物中の黄色色素の95%はルテインであり、ゼアキサンチンではない。ゼアキサンチンはこの家禽用飼料添加物中の黄色色素の約2〜5%しか構成しない(特許文献2)。 <遺伝学> トウガラシ属の多肉果におけるカロテノイド類の蓄積はよく研究されており、数多くの既知生合成遺伝子がクローニングされ、配列決定され、ある程度、機能的に特徴づけられている。カロテノイド生合成の研究の大半は、モデル系ソラナムリコペルシコン(Solanum lycopersicon)(トマト)で行われてきたが、さらなる研究により、カロテノイド類を蓄積する全ての植物種の間でこれらの遺伝子は高レベルに保存されていることが示されている[Hirschberg(2001)]。また、一定のカルテノイド類は、分類学的特異性を示す。例えば、カプサンチンおよびカプソルビンは、トウガラシ属の成熟莢に見られる赤色を担っており、他の属には見られない。これら二つのカロテノイド類は、カプサンチン−カプソルビンシンターゼ(Ccs)の作用によって、それぞれアンテラキサンチンおよびビオラキサンチンから合成される。Ccsが存在しない場合、ペッパー類は有意な量のカプサンチンまたはカプソルビンを蓄積せず、結果として生じる成熟果実は橙色である[Bouvier,ら(1994)]。 食事補助剤市場は、米国でも欧州でも、遺伝子改変生物から得られる栄養素を許容しない。したがって、遺伝子改変植物から得られるのではない天然由来のゼアキサンチン産物が必要とされている。 現在、ゼアキサンチンはいくつかの供給源から入手することができる。ゼアキサンチンは、合成的に製造され、植物材料から抽出され、そして細菌から抽出される。 <合成ゼアキサンチン> 全trans−3R,3R’ゼアキサンチン異性体は合成的に製造され、その製造方法は特許文献3および特許文献4に開示されている。合成ゼアキサンチンは、その技術をHoffman−LaRocheから購入したDSMによって市販されている。Hoffman−LaRocheは、ゼアキサンチンの3R,3’R異性体の化学合成を記述する二つの特許を取得していたが、それが特許文献3と特許文献4である。そこに開示されている方法は、三つの主要中間体の製造および精製を必要とし、各中間体はその前駆体からの収率が約70〜85%である。これらの特許に開示されている方法は全体で、一連の14反応ステップを必要とするらしく、それらは最低でも83時間(精製を除く)を要して、反応物と生成物の混合物を与える。次に、ゼアキサンチンの3R,3’R異性体を精製するために、最終反応混合物を大規模に処理しなければならない。したがって、この技法を使って合成しかつ精製するのに要求される全工程は、商業規模での生産を、あまりにも困難にし、費用のかかるものにする。合成的に製造されたゼアキサンチンは、現在、非エステル化型でしか入手できない。一定の合成由来カロテノイド類に伴う重大な問題は、典型的に最終産物に残留して最終産物を汚染する、高レベルの残留溶剤(それらの合成に使用したもの)である。例えば、市販の合成β−カロテンを本発明者らの実験室で分析したところ、合成供給源に依存してそれぞれ2000ppmおよび1200ppmという残留レベルのトルエンまたはアセトンを含有することが示された。一般に公衆には知られていないこれらのレベルは、望ましいものではなく、パプリカまたはニンジンオレオレジンなどといった高レベルのカロテノイド類を含有するスパイス抽出物について21 CFR §173で許されている残留溶剤レベルより、およそ50〜100倍高い。 <ゼアキサンチンの植物供給源> 公衆は、一般に、合成的に製造されたものではなく天然供給源から得られた化合物を消費することを好む。高レベルのゼアキサンチンを含有する天然供給源には、現在、マリーゴールド花弁の一定の突然変異品種、リキウム(Lycium)属およびホオズキ(Physalis)属の液果、具体的にはクコ(リキウムキネンセ(Lycium chinense))の液果などが含まれる。特許文献5は、ゼアキサンチンを含有する好ましい材料には「オレンジ、モモ、パパイア、プルーン、およびマンゴなどの果実が含まれる」ことを開示している。この特許にはトウガラシ属の記載はない。 <マリーゴールド> マリーゴールド(タゲテスエレクタ(Tagetes erecta))花弁は、カロテノイド色素ルテインの商業的供給源として長い歴史を持っている。乾燥マリゴールド花は重量で約1〜1.6%のカロテノイド類を含有し、一般に総カロテノイド類の90%をルテインエステルが占める(Antonyら,2001)。特許文献6には、ゼアキサンチンを高レベルに発現させる突然変異マリーゴールドが開示されており、ここではゼアキサンチンが主要カロテノイド色素である。しかしマリーゴールド花弁は食品とは認識されていない。マリーゴールドから得られるルテインは自己確認による(self−affirmed)GRAS(Generally Recognized as Safe)プロセスを利用して食品添加物として導入されているが、それが食品の色を変化させる場合には、食品に添加することができない。これは、ルテインが21 CFR §73に基づく免除食品着色剤とは認識されていないからである。 マリーゴールドから単離される色素に伴う問題がもう一つある。マリーゴールドは、殺虫化合物を天然に産生し、他の植物に近接して植えると、それらを虫害から保護する助けになるので、庭園を囲むように植えられることが多い。これらの天然殺虫剤の一タイプは、ターチオフェン類および関連化合物として知られる化合物群である。ターチオフェン類は、生物学的系の光活性化損傷を引き起こす強力な光毒性剤である[Downumら(1995);Aransonら(1995)]。これらの光毒性化合物はマリーゴールド由来のゼアキサンチンから分離することが困難な場合がある。マリーゴールド供給源に由来する市販のゼアキサンチン(およびルテイン)を分析すると、そのような調合物は測定可能なレベルの光毒性ターチオフェン類を含有することが実証される(実施例12参照)。したがって、マリーゴールド由来のゼアキサンチンは目の健康にとって好ましい形態では決してない。α−ターチオフェン(α−ターチエニルとも呼ばれる)および他のマリーゴールド構成成分、例えばブテニルビチオフェンおよびヒドロキシトレメトン(hydroxytremetone)は、アレルギー性接触皮膚炎につながる感作性を持つと報告されている[Hausenら(1995)]。本トウガラシ属品種のゼアキサンチン含有抽出物は、これらの感作成分または光感作成分を含有しない。 <マリーゴールド由来ルテインのゼアキサンチンへの変換> ルテインからゼアキサンチンへの異性化反応は40年以上前から知られている。特許文献7に開示されている一方法では、ナトリウムエトキシド、メタノール、カリウムメトキシド、硫酸メチル、およびそれらの組み合わせを使って、この変換を達成する。 このアプローチの弱点は、1)マリーゴールドから得られるゼアキサンチンが食品に関してGRASでないこと、および2)マリーゴールド由来の光毒性化合物が必ずしも除去されないことである。さらにまた、この追加反応ステップは費用がかかり、得られるゼアキサンチンの収率を下げる。 <クコ> 中医学に使用されてきた歴史を持つクコ(リキウムチネンセ)から、ゼアキサンチンのジパルミチン酸エステルが、高濃度に単離されている[Zhouら(1999)]。21 CFR 182によれば、クコはGRAS食品物質ではないので、食品系におけるクコの潜在的使用は限定される。 <果実および野菜作物> ゼアキサンチンは、表1に示すように、広範囲にわたるさまざまな果実および野菜に見出される(「Lutein and Zeaxanthin Scientific Review」Roche Vitamins Technical Publication HHN−1382/0800)。これらのレベルは、本発明に存在する濃度[生(湿)ベースで約60,000マイクログラム/100g]と比較して、極めて低い。表1:一般に消費される果実および野菜中のゼアキサンチンの濃度 <トウガラシ属> カプサイシン含量の極めて低いトウガラシ(Capsicum annuum)には、基本タイプが二つある。すなわちベル(bell)タイプおよびパプリカ(paprika)タイプである。一部のパプリカは感知できるほどに辛いが、ペッパー中の辛味成分であるカプサイシンの有無は、本発明にとっては重大な問題ではない。 パプリカタイプペッパーの三つの主要色素タイプクラス(本明細書では、これらを赤色種、橙色種、および黄色種という)について議論する。トウガラシ属の赤色、橙色および黄色果実は、一般に、カロテノイド類の良い食事性供給源である。表1にいうペッパーはトウガラシ属である。与えられたクラスの外観は、色素の相対量と総色素濃度との組み合わせによって決まる。総濃度および視覚的外観にかかわらず、これらのクラスは、スペクトル分析によって、そしてHPLCによって、区別することができる。例えば、赤パプリカの莢は、色素濃度が低い場合には橙色に見えるが、高いゼアキサンチン含量を示す本橙パプリカとは異なる可視スペクトルおよびHPLC分析結果を持つだろう。赤パプリカには、かなりの量の赤色色素カプソルビンおよびカプサンチンが存在する。橙パプリカの場合、これら二つの色素の存在量は少なく、極めて高濃度のゼアキサンチンが存在する。黄色種には、二つの赤色色素も前駆体ビオラキサンチンも存在しない。ルテインおよび他の黄色色素ならびにそれらの前駆体は、ゼアキサンチンに対してかなり高い比率で存在し、総色素含量は、はるかに低いASTA値が示すとおり、はるかに少ない。 表2に、文献に報告されている乾燥トウガラシ属果実中のゼアキサンチンの濃度および総カロテノイド類に対するゼアキサンチンのパーセンテージを要約する。表2は、トウガラシ属中の総カロテノイド類に対するゼアキサンチンの百分率、および果実の乾燥重量の百分率として表したゼアキサンチンの重量パーセントが、本発明の特徴である驚くほど多量のゼアキサンチンよりも、はるかに低いことを示している。表2:先行技術トウガラシ属品種におけるゼアキサンチンの含量および比率(乾燥重量) 実際、この事実は、「そのうえ、ゼアキサンチンを唯一のキサントフィルとして含有するオレオレジン類は(またはゼアキサンチンを主要キサントフィルとして含有するオレオレジン類でさえも)入手できない」ということに気づいたBreithauptら(2005)によって述べられている。トウガラシ属の品種または栽培品種について今までに記述されている最も多量または最も高レベルのゼアキサンチの一つは、Deliら(1992)によって報告されたロンガムニグラム(longum nigrum)品種に見出される。この品種は、乾燥成熟実莢肉中に約0.273%のゼアキサンチンを含有する。しかし、このロンガムニグラム品種における総カロテノイド類に対するゼアキサンチンのパーセント比率は、8.49%でしかない。総カロテノイド類に対するゼアキサンチンの比率がいくらか高い品種が記述されている。Deliら(1996)が記述したリコスペルシシホルメルブラム(lycospersiciforme rubrum)品種は、総カロテノイド類に対して、16.2%、17.9%および20.5%というゼアキサンチンのパーセント比率を示す。しかし、乾燥成熟実莢肉中に存在するゼアキサンチンの質量は、これらの品種でははるかに低く、それぞれ総乾燥成熟実莢肉の0.027%、0.109%および0.161%である。 新鮮トウガラシ属果実中のカロテノイド類の分析に関する報告が文献にある。脱水果実との対比で、新鮮果実を使用すると、新鮮果実中のゼアキサンチン量を見積って(表2に記載したような)乾燥果実中に見出される量と比較する際に、問題を複雑にする因子が持ち込まれることになる。Breithauptら(2001)は、橙ペッパー(トウガラシグロッサム品種群(Capsicum annuum L. Grossum Grp.))が、新鮮実莢肉100gあたり9234マイクログラムの総カロテノイド類を含有することを見出した。これらの結果は、ジミリスチン酸ルテイン相当量として報告され、ゼアキサンチンについては絶対量も相対量も報告されていない。大半のパプリカタイプペッパーは、80〜85%の含水率を持つ。多肉品種(例えばベルペッパー)は、最高92%の水分を含有すると報告されている(Banarasら,1994)。この場合、ゼアキサンチン含量が高くなる方向に結果を歪曲するような仮定を適用しても、具体的には、このペッパーが水分92%のベルペッパーであると仮定し、非現実的ではあるが、存在するカロテノイド類の全てをゼアキサンチンが占めると仮定しても、問題の唐辛子属試料は、0.12%のゼアキサンチンしか含有しないことになる。Wellerら(2003)は、新鮮橙ペッパー(トウガラシ)100グラムあたりに、3.03ミリグラムのゼアキサンチンを見出した。先の含水率92%という仮定を用いると、これは乾燥重量ベースで0.04%のゼアキサンチンと計算される。この特定ペッパーに関してWellerが報告した総カロテノイド類に対するゼアキサンチンの比率は、44%だった。この著者らは、新鮮果実100gあたり16.75mgのゼアキサンチンを持つ赤ペッパーも記述している。上記と同じ現実的でない仮定、すなわちこれが含水率92%のベルペッパーであるという仮定を用いると、これは0.21%のゼアキサンチンと計算される。この赤ペッパーの場合、総カロテノイド類に対するゼアキサンチンの比率はわずか15%である。 Abellan−Palazonら(2001)は、アスコルビン酸チタンで処理したパプリカ栽培品種が0.56%のゼアキサンチンを持つことを報告したが、他のカロテノイド類に対するゼアキサンチンのパーセンテージは、この栽培品種の場合、16.6%しかなかった。この新鮮ペッパーの含水率は79.9%とされ、これが水分補正に用いられた因子である。Abellan−Palazonらは、この試料の乾燥後に、ゼアキサンチンの質量パーセントは0.16%に低下し、他のカロテノイド類に対するゼアキサンチンのパーセンテージは8.4%に低下したとも報告した。Sommerburgら(1998)は、橙ペッパーが37モルパーセントという最も多量のゼアキサンチンを持つ野菜だったことを報告している。分子量を考慮して調節すると、これは約37.8重量%と計算され、本発明で報告する>50%よりはかなり低い。Sommerburgのデータでは、当該橙ペッパーにおけるゼアキサンチンの質量パーセントを、モルパーセントデータから計算することができない。 <ゼアキサンチンの細菌供給源> フラボバクテリウムマルチボラム(Flavobacterium multivorum)(ATCC 55238)を使った発酵プロセスによってゼアキサンチンを製造する方法を開示している特許文献2に記載されているように、細菌はゼアキサンチンのもう一つの供給源になる。ゼアキサンチンを発現させることができる細菌は他にも同定されており、これにはフラボバクター属(Flavobacter)の微生物(ATCC 21081、21588、および11947)が含まれる。細菌供給源に由来するゼアキサンチンはGRASではない。さらにまた、細菌からの抽出物の安全性も確立されていない。利用できることが知られている細菌由来のゼアキサンチンの商業的供給源はない。米国特許第6,329,432号明細書米国再発行特許発明第38,009号明細書米国特許第4,952,716号明細書米国特許第5,227,507号明細書米国特許第6,191,293号明細書米国特許第6,784,351号明細書米国特許第6,376,722号明細書 その乾燥成熟果肉中にカロテノイド色素の過剰蓄積を示す実莢を実らせ、ゼアキサンチンが、遊離ゼアキサンチンと脂肪酸エステルとの混合物であり、非エステル化型で測定した場合に、ゼアキサンチンが主要カロテノイドである、新規トウガラシ属植物またはその再生可能部分を提供することが、本発明の目的である。 その乾燥成熟果肉中にカロテノイド色素の過剰蓄積を示す実莢を実らせ、遊離ジオールとして測定されるゼアキサンチンが、乾燥成熟実莢肉の約0.4重量%より多く存在する、新規トウガラシ属植物またはその再生可能部分を提供することが、本発明の目的である。 橙色の実莢を実らせ、かつ乾燥成熟実莢肉において175より大きいASTA値を持つカロテノイド色素を示す、トウガラシパプリカタイプ植物の新規かつ商業的に生育可能な株であって、ゼアキサンチンが主要カロテノイドである上記の株を提供することが、本発明の目的である。 本発明のさらにもう一つの目的は、そのような植物から得られるトウガラシ属産物/組成物の提供である。 本発明のさらにもう一つの目的は、そのような植物を開発し、そのような植物の成熟莢肉からトウガラシ属産物を抽出するための方法、およびそのような植物から得られる産物を使ってさまざまな状態を処置する方法の提供である。 したがって、本発明が包含すると本発明者らが考えているものは、なかんずく、以下の表現で要約することができる:高い絶対レベルおよび高い相対レベル(非エステル化型で測定した場合に総カロテノイド類と比較)のゼアキサンチンを、遊離ゼアキサンチンとゼアキサンチンの脂肪酸エステルとの混合物として発現させる、選抜育種法によって開発されるトウガラシ属品種。本発明は、その乾燥成熟実莢肉が、乾燥成熟実莢肉重量のパーセンテージとして、鹸化工程後に総非エステル化ゼアキサンチンとして測定して、0.4%より高いゼアキサンチンレベルを示す、トウガラシ属植物、その再生可能部分、雑種または後世代に関する。さらに本発明は、その乾燥成熟実莢肉が、総カロテノイド類に対して、非エステル化型で測定した場合に、50%より大きいゼアキサンチンのパーセンテージ[ゼアキサンチンの質量/(ゼアキサンチン質量+他のカロテノイド類の質量)×100]を示す、トウガラシ属植物、その再生可能部分、雑種または後世代に関する。さらに本発明は、橙色の実莢を実らせ、かつ乾燥成熟実莢肉中に、175より大きいASTA値を持つカロテノイド色素を示し、ゼアキサンチンの優勢を特徴とする、トウガラシパプリカタイプ植物の株に関する。 <発明の簡単な説明> 実莢を実らせ、かつ乾燥成熟実莢肉中にカロテノイド色素の過剰蓄積を示す、トウガラシ属(Capsicum)の植物またはその再生可能部分であって、非エステル型で測定した場合にゼアキサンチンが主要カロテノイドである、植物またはその再生可能部分。 トウガラシ種(annuum)の一構成要素である、上記植物またはその再生可能部分。 パプリカ品種である、上記植物またはその再生可能部分。 ゼアキサンチンの質量が、非エステル化型で測定した場合に、総乾燥成熟実莢肉の0.4%より大きい、上記植物またはその再生可能部分。 乾燥成熟実莢肉中の総カロテノイド類に対するゼアキサンチンのパーセンテージが50%より大きい、上記植物またはその再生可能部分。 ゼアキサンチンの質量が総乾燥成熟実莢肉の0.4%より大きい、上記植物またはその再生可能部分。 実莢を実らせ、かつ乾燥成熟実莢肉中にゼアキサンチンを示す、トウガラシ属の植物またはその再生可能部分であって、ゼアキサンチンの質量が、非エステル化型で測定した場合に、総乾燥成熟実莢肉の0.6%より大きい、植物またはその再生可能部分。 ゼアキサンチンの質量が総乾燥成熟実莢肉の0.7%より大きい、上記植物またはその再生可能部分。 ゼアキサンチンの質量が総乾燥成熟実莢肉の0.8%より大きい、上記植物またはその再生可能部分。 ゼアキサンチンの質量が総乾燥成熟実莢肉の0.9%より大きい、上記植物またはその再生可能部分。 乾燥成熟実莢肉において175より大きいASTA値を示す、上記植物またはその再生可能部分であって、ゼアキサンチンが、総色素類のHPLC面積カウントの約50%より高いレベルで存在する、植物またはその再生可能部分。 乾燥成熟実莢肉において200より大きいASTA値を示す、上記植物またはその再生可能部分。 乾燥成熟実莢肉において225より大きいASTA値を示す、上記植物またはその再生可能部分。 乾燥成熟実莢肉において275より大きいASTA値を示す、上記植物またはその再生可能部分。 ゼアキサンチンの質量が総乾燥成熟実莢肉の0.4%より大きい、上記植物またはその再生可能部分。 総色素類のHPLC面積カウントの約10%より少ないカプサンチンおよびカプソルビンの含量を特徴とする、上記植物またはその再生可能部分。 総色素類のHPLC面積カウントの約7%より少ないカプサンチンおよびカプソルビンの含量を特徴とする、上記植物またはその再生可能部分。 総色素類のHPLC面積カウントの約60%より多いゼアキサンチン含量を特徴とする、上記植物またはその再生可能部分。 総色素類のHPLC面積カウントの約70%より多いゼアキサンチン含量を特徴とする、上記植物またはその再生可能部分。 上記植物またはその再生可能部分から得られるオレオレジン組成物。 再生可能部分が、胚、分裂組織、花粉、葉、葯、胚珠、根、根端、実莢、種子、花弁、花、繊維、さや(bolls)、およびプロトプラストまたはそこから得られるカルスからなる群より選択される、上記植物またはその再生可能部分。 上記植物またはその再生可能部分の細胞培養物または組織培養物。 上記再生可能部分の接木植物または子孫。 適切な環境に植えて成熟するまで栽培した場合に上記トウガラシ属の植物をもたらす種子。 一方の祖先がトウガラシ属品種である、雑種トウガラシ属植物。 上記植物またはその再生可能部分のゲノム。 上記トウガラシ属植物またはその再生可能部分から得られるゼアキサンチンを含む植物抽出物組成物。 リップスティック、ローション、セッケン、ファンデーション、マスカラ、アイシャドー、ボディースクラブ、日焼けローション、マッド、パック、マスク、シャンプー、コンディショナーおよび練り歯磨きから選択される化粧品および洗浄調合物中の成分である、上記植物抽出物組成物。 動物用飼料補助剤中の成分である、上記植物抽出物組成物。 食品および飲料中の成分である、上記植物抽出物組成物。 食品、飲料、および動物用飼料中の着色剤である、上記植物抽出物組成物。 ゼアキサンチンが、モノエステル、ジエステル、遊離アルコール型、またはそれらの組み合わせの形態をとっている、上記植物抽出物組成物。 ゼアキサンチンが全trans幾何異性体もしくはcis幾何異性体またはそれらの組み合わせである、上記植物抽出物組成物。 固形または半固形である、上記植物抽出物組成物。 形態が粉末、ビーズレット、水分散性粉末、結晶、無定形固体、および封入固体から選択される、上記植物抽出物固体。 乳液状である、上記植物抽出物固体。 カプセル剤、錠剤、ビーズレット、タイトレーションパック、散剤、滴剤、口中錠、噴霧剤、シロップ剤、速溶性ストリップおよび徐放性カプセル剤から選択される摂取可能な形態をした、上記植物抽出物組成物。 皮膚貼付剤、注射用液剤、滴剤、坐剤、局所外用ローション剤、クリーム剤、および噴霧剤から選択される摂取可能でない形態をした、上記植物抽出物組成物。 シソ科(Labiatae)香草(ローズマリー、セージ、オレガノ、ペパーミント、バジル、スペアミント、サマーセイバリーを含む)の抽出物、オリーブ抽出物、コーヒー抽出物、柑橘抽出物、茶抽出物、茶カテキン類、カテキン、エピカテキン、没食子酸エピカテキン、没食子酸エピガロカテキン、没食子酸、トコフェロール類、トコトリエノール類、アスコルビン酸およびアスコルベート類(パルミチン酸アスコルビルを含む)、エリトルビン酸およびエリトルベート類、グルタチオン、カルノシン酸、カルノソール、ロスマノール、ロスマリン酸、サルビアフラシド(salviaflaside)、フラボノイド類もしくはフラボノイドグルクロニド類(ケルセチン(quercitin)、ルテオリン、アピゲニン、もしくはケルセチン、ルテオリンおよびアピゲニンのグルクロニドなどを含む)、クルクミン、テトラヒドロクルクミン、ヒドロキシチロソール、オリューロペイン、BHT、BHA、ヒドロキシルアミン類、没食子酸プロピル、エトキシキン、トロロックス(Trolox)もしくはTBHQ、またはそれらの混合物をさらに含む、上記植物抽出物組成物。 ベニノキ(Bixa orellana)、ウコン(Curcuma longa)、ニンジン(Daucus carota sativa)、トウガラシ(Capsicum annuum:本発明の品種ではないもの)、ドナリエナサリナ(Dunaliella salina)、ヘマタコッカスプルバルス(Haematacoccus pluvalus)の抽出物、β−カロテン、β−アポ−8−カロテナール、β−アポ−8−カロテン酸のエチルエステル、合成着色剤(FD&C着色剤)、および/またはそれらの混合物をさらに含む、上記植物抽出物組成物。 ヒトおよび動物の眼の健康のためおよび/または白内障、加齢性黄斑変性症、色素性網膜炎、アッシャー症候群、シュタルガルト病、ベスト病、進行性錐体ジストロフィーおよび網膜劣化(retinal degradation)を含む眼疾患を発症するリスクを低下させるために摂取される、上記植物抽出物組成物。 癌関連疾患、心血管疾患、炎症性障害および神経系疾患を含むヒトまたは動物の疾患を処置または予防するために摂取される、上記植物抽出物組成物。 癌関連疾患が乳癌、胃癌および黒色腫から選択される、上記植物抽出物組成物。 炎症性障害が多発性関節炎および慢性関節リウマチから選択される、上記植物抽出物組成物。 上記植物またはその再生可能部分から得られるオレオレジン組成物。 ゼアキサンチン、クリプトキサンチン、ルテイン、および他のカロテノイド類を含む、上記オレオレジン組成物。 ターチオフェン類を実質的に含まない、上記オレオレジン組成物。 スパイス抽出物に関する21 CFR §73規則の要件を満たす、上記オレオレジン組成物。 上記植物から得られる搾り滓(presscake)。 全形または破砕形である、上記植物の新鮮または乾燥果実。 上記植物から得られる鹸化産物。 天然香料および合成香料を含む、上記植物から得られる調味および着香組成物。 動物用およびヒト用食品のための、上記植物から得られる着色、着香および/または保存加工組成物。 加齢性黄斑変性症、白内障、心血管疾患および癌を含む変性疾患またはフリーラジカル介在性疾患を予防する方法であって、ヒトを含む生きた動物体に、上記植物またはその再生可能部分から得られるゼアキサンチンを、前記疾患の予防にとって栄養的に有効な量で投与するステップを含む方法。 加齢性黄斑変性症、白内障、心血管疾患および癌を含む変性疾患またはフリーラジカル介在性疾患を処置する方法であって、ヒトを含む生きた動物体に、上記植物またはその再生可能部分から得られるゼアキサンチンを、前記疾患を患う対象に治療上の利益を与えるのに有効な量で投与するステップを含む方法。 白内障、網膜変性症、加齢性黄斑変性症、シュタルガルト病、ベスト病、進行性錐体ジストロフィー、色素性網膜炎、コロイデレミア、アッシャー症候群および糖尿病性網膜症から選択される眼の障害を発症するリスクを低下させる方法であって、ヒトを含む生きた動物体に、上記植物から得られるゼアキサンチンを投与するステップを含む方法。 癌関連疾患、心血管疾患、炎症性障害、神経系疾患から選択されるフリーラジカル介在性疾患を発症するリスクを低下させる方法であって、ヒトを含む生きた動物体に、上記植物から得られるゼアキサンチンを投与するステップを含む方法。 癌関連疾患が乳癌、胃癌および黒色腫から選択される上記方法。 炎症性障害が多発性関節炎および慢性関節リウマチから選択される上記方法。 動物用およびヒト用食品を着色、着香、および/または保存加工するための方法であって、前記動物用およびヒト用食品に、上記植物またはその再生可能部分から得られる抽出物組成物を組み入れるステップを含む方法。 動物用およびヒト用食品を着色、着香、および/または保存加工するための方法であって、前記動物用およびヒト用食品に、上記植物またはその再生可能部分から得られるゼアキサンチンを組み入れるステップを含む方法。 高純度の非エステル化ゼアキサンチンを取得する方法であって、(a)上記植物またはその再生可能部分から得た粉砕成熟実莢を、その実莢からゼアキサンチンを抽出するのに十分な時間、溶剤と接触させること、(b)溶剤およびそこに溶解している抽出物を、残りの植物材料から分離すること、(c)抽出物を脱溶剤化してゼアキサンチンオレオレジンを得ること、(d)pHを下げるために、ゼアキサンチン抽出物をブチル化ヒドロキシトルエン、炭酸ナトリウムおよび水酸化カリウムと共に暗所で還流すること、および(e)溶液を中和して純粋な非エステル化ゼアキサンチンの溶液を生じさせることを含む方法。 <発明の詳細な説明> 本発明において、ゼアキサンチンという用語は、その幾何異性体、立体異性体および誘導体のどの形態にあるゼアキサンチンも包含する。ルテインは、本明細書では、ゼアキサンチンの異性体とはみなさない。ゼアキサンチン幾何異性体には、全trans型、ならびにさまざまなcis異性体、例えば9−cis、13−cisおよび15−cisが包含される。立体異性体には、3R,3’R;3S,3’R;3R,3’Sおよび3S,3’Sが含まれる。ゼアキサンチンの誘導体には、遊離ヒドロキシル型と、当技術分野においてその存在が典型的に知られているさまざまな脂肪酸とのエステルが、どちらも包含される。本発明は、これら全ての形態のゼアキサンチンの組み合わせに適用される。本発明の植物は、主として、trans−3R,3’Rを、遊離ヒドロキシル化合物と、脂肪酸のモノ−およびジ−エステルとの混合物として産生する。 トウガラシ属には、当技術分野で知られる全ての種および品種、ならびに開発されうる全ての種および品種が包含される。これらの種には、トウガラシ(annuum)、キダチトウガラシ(frutescens)、ロコト(pubescens)、キネンセ(chinense)が含まれるが、それらに限定されるわけではない。 本発明は、集団選抜、条播評価(seed to row evaluation)、個体選抜育種技法によって、または当技術分野で知られる他の技法によって得られる、ゼアキサンチンの過剰蓄積を示すトウガラシ属品種に関する。これらの技法は、以下の特徴を持つ植物を作出するために使用される: 1.遊離ジオールまたは非エステル化ジオールとして測定される、乾燥成熟実莢肉中のゼアキサンチンの質量が、総乾燥成熟実莢肉の質量の約0.4%より大きい。 2.乾燥成熟実莢肉中に存在する総カロテノイド類に対するゼアキサンチンのパーセンテージが、非エステル化型で測定した場合に、最も高濃度に存在するカロテノイドと定義される主要カロテノイドであるか、約50%より大きい。総カロテノイド類は、エステル化が可能な場合は、それらの遊離型と定義される。カプサンチンおよびクリプトキサンチンが、その例である。 3.高度に色素形成した品種において乾燥成熟実莢肉中に存在する他の特徴的カロテノイド類に対するゼアキサンチンの質量が、実用赤色品種と比較して、本橙色品種では4〜5倍多い。 過剰蓄積はさまざまな解釈が可能な用語である。本明細書に関して、ゼアキサンチンの過剰蓄積を示す植物とは、表1において生ペッパー果肉100グラムあたり1606マイクログラムのゼアキサンチンを与えると定義した標準的な橙ペッパーが示す量よりも、約20倍多い量を発現させる植物である。生ペッパー中の水分レベルが92%であるとすると、この標準ペッパーの場合、ゼアキサンチンの重量は乾燥重量ベースで0.02%になる。その場合、過剰蓄積を示すペッパーは、乾燥成熟実莢肉中に約0.4%のゼアキサンチンを含有することになる。 本明細書で使用する「乾燥(dried)」という用語は、パプリカを脱水したときに典型的に観察される含水率の範囲を指す。乾燥は、天日乾燥、オーブン乾燥および凍結乾燥を含む、当技術分野で知られる任意の手段によって行うことができる。乾燥パプリカの含水率は1〜20重量%の範囲に分布しうるが、典型的な範囲は2〜10%である。 本明細書にいう「実莢(fruit pod)の果肉」は、髄、種子、茎、胎座、および果皮を含んでも、含まなくてもよい。 本明細書で使用する「組織培養物」という用語は、そこからトウガラシ属植物またはトウガラシ属植物培養物を生成させることのできる植物細胞または植物部分を指し、植物プロトプラスト、植物カルス、植物塊、および植物中の完全な植物細胞、または植物の一部、例えば種子、葉、茎、花粉、根、根端、葯、胚珠、花弁、花、胚、繊維およびさやなどを包含する。 植物組織培養物を生成させ、組織培養物から植物を再生させる技法は、当技術分野では周知である。例えばそのような技法は、Vasil(1984)、Greenら(1987)、Weissbachら(1989)、Gelvinら(1990)、Evansら(1983)、およびKleeら(1987)によって記載されている。 植物細胞または植物部分の組織培養物は、植物プロトプラスト、植物カルス、植物塊、および植物中の完全な植物細胞、または植物の一部(再生させた時に、完全なトウガラシ属植物の形態学的および/または生理学的特徴を発現させることのできる植物または植物材料をもたらすもの)から生成させることができる。 胚、分裂組織、花粉、葉、葯、胚珠、根、根端、実莢、種子、花弁および花、繊維およびさやからなる群より選択される組織の植物細胞またはプロトプラストから得られる本発明のトウガラシ属植物の再生可能部分を培養して、本トウガラシ属品種の生理学的特徴の全て(ゼアキサンチンの過剰蓄積を含む)を発現させることのできる植物または植物材料を生じさせることができる。 核酸、ポリペプチドおよびカロテノイド類を含む再生可能細胞の細胞内構成要素は、本トウガラシ属植物の植物細胞またはプロトプラストから単離することができる。 本発明は、本トウガラシ属品種に特有のゼアキサンチンの過剰発現および/または蓄積を支配し可能にする遺伝子配列および対応するアミノ酸配列にも関係する。 本発明の核酸は、ゼアキサンチンのレベルが正常レベルより高いレベルにあるトランスジェニック植物またはトランスジェニック生物を作出するために使用することができる。この目的を達成するには、そのダウンレギュレーションがカロテノイド前駆体の過剰蓄積をもたらす可能性のある、カプサンチン−カプソルビンシンターゼまたはゼアキサンチンエポキシダーゼを含む、植物中のカロテノイド生合成酵素をコードする遺伝子の発現を、減少させるか、排除することが望ましいかもしれない。遺伝子操作の進歩により、外来遺伝子を含有しそれを発現させるように植物を形質転換するための必要不可欠なツール(Kahlら,1995;Hodgesら,米国特許第5,527,695号;Connerら,米国特許第6,506,565号)も、アンチセンス技術によって植物中の遺伝子の発現をサイレントするためのツール(Shewmakerら,米国特許第5,107,065号)も、提供されている。従来の植物育種の制約は、所望の表現型を発現するように遺伝子操作されたトランスジェニック植物の作出によって回避することができる(Yinら,2004およびその参考文献)。したがって当業者は、植物中のカロテノイドの量を増加させるために、さまざまな戦略および分子技法を使用することができる。例えば、植物中のゼアキサンチンのレベルを増加させるために、分子技法を使って、当技術分野における従来の方法に従って野生型植物を本核酸で形質転換することにより、それらの植物におけるカロテノイド生合成経路の酵素の活性を、結果としてゼアキサンチンの過剰蓄積が起こるように変化させることができる。 <育種> 本発明の植物はトウガラシ属に属し、古典的な雑種形成、個体選抜および子孫条播評価(progeny row evaluation)の植物育種法を使った植物育種プログラムの産物である。 <種子または植物処理> ゼアキサンチン産生量の増加を含むカロテノイド生合成の改変は、本発明の植物におけるアブシジン酸産生の量または時期の変化につながりうる。発芽、発芽率または発芽時期に対する悪影響を避けるために、それらの発生におけるどこかの時点で、植物または種子をアブシジン酸またはアブシジン酸前駆体で処理するか、当技術分野で知られる他の処理を行う必要があるかもしれない。そのような処理は、当技術分野では、多種多様な植物について知られている。 <収穫> 本発明の植物が実らせる実莢は当技術分野で知られる任意の手段によって収穫することができる。関心対象のトウガラシ属を収穫するための好ましい方法は、機械収穫である。手による収穫も用いることができる。実莢は完全に含水した形で収穫して、青果市場用のペッパーにすることができる。実莢は、莢が圃場の植物上で乾燥した後に、部分乾燥状態で収穫することもできる(実施例参照)。 <脱水> 新鮮な莢または部分乾燥した莢は、天日乾燥、オーブン乾燥、凍結乾燥などを含む当技術分野で知られる任意の手段によって、さらに乾燥させることができる。 <粉砕> 乾燥した莢は、当技術分野で知られる方法によって破砕または粉砕することができる。 <抽出方法> ゼアキサンチンおよび他のカロテノイド類は、新鮮莢肉の抽出、乾燥果実の抽出、またはそれらの混合物の抽出によって得ることができる。場合によっては、抽出工程に先だって、莢肉を粉砕してペーストまたは粉末にすることが好ましい。粉砕プロファイルは当技術分野で知られる手段によって最適化することができる。抽出は、当技術分野で現在知られている方法のどれを使っても行うことができる。これには、溶剤による抽出、溶剤混合物(例えば21 CFR §173で承認されているもの)による抽出、圧搾機を使った機械的手段による抽出(例えば米国特許第5,773,075号に記載されているもの)、亜臨界流体または超臨界流体(例えば追加溶剤または共溶剤の存在下または不在下での超臨界二酸化炭素)による抽出、炭化水素(例えばエタン、プロパンまたはブタン)による抽出、ハイドロフルオロカーボン(例えばテトラフルオロエタン)または21 CFR §173で承認されている有機溶剤と混合されたテトラフルオロエタンによる抽出などがあるが、それらに限定されるわけではない。適切な抽出用溶剤には、n−ヘキサン、シクロヘキサン、分岐ヘキサン類、ヘプタン、分岐ヘプタン類、オクタン、ノナン、デカン、および他の炭化水素などがあるが、それらに限定されるわけではない。適切な溶剤には、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、メチル−tert−ブチル−エーテル、エタノール、メタノール、アセトン、リモネン、および他の精油も含まれるが、それらに限定されるわけではない。当業者には知られているとおり、これらの溶剤の組み合わせも抽出に利用することができる。溶剤の使用を伴う方法の後には、一般に、例えば蒸留、真空蒸留、蒸気蒸留、エバポレーション、蒸気トリッピング、窒素ストリッピング、膜浸透気化法、または分子蒸留を含む(ただしこれらに限定されるわけではない)脱溶剤化工程が行われる。 <さらなる加工> 本トウガラシ属品種の全形新鮮莢、乾燥莢、粉砕莢、または莢抽出物を加熱して、天然の全transゼアキサンチンの全部または一部をcis型に変換することができる。同様にして、本トウガラシ属品種の全形新鮮莢、乾燥莢、粉砕莢、または莢抽出物に、天然の全transゼアキサンチンの全部または一部を同様のcis型またはさらなるcis型に変換するのに十分な波長の光を照射することもできる。あるいは、ゼアキサンチンのcis型を、エタノール中で還流することによって、trans型に変換し戻すすることもできる(Khachikら,1992)。β−カロテンおよびβ−アポ−8−カロテナールなどの他のカロテノイド類も、石油エーテルまたは水中で加熱してから結晶化することにより、cis型から全trans型へと高収率で変換することが示されている(Islerら,1956;米国特許第3,989,757号およびその参考文献)。cis異性体とtrans異性体の相互変換には、当技術分野で知られる他の化学的手段も使用することができる。 本発明のトウガラシ属の粉砕乾燥莢肉は、エステル化型で存在するゼアキサンチンおよび他のカロテノイド類を他の任意の加水分解性材料と共に鹸化または加水分解するために、苛性溶液で処理するか、酵素で処理することができる[米国特許第5,648,564参照]。遊離のゼアキサンチンおよび他のカロテノイド類は、遊離のゼアキサンチンおよび他のカロテノイド類を適切な溶剤に溶解し、その溶剤/ゼアキサンチン/他のカロテノイド混合物から不溶性成分を濾過するか、他の方法によって分離し、ゼアキサンチン/他のカロテノイド混合物から溶剤を分離することを含む、当技術分野で知られる手段によって、加水分解物から分離することができる。 あるいは、ゼアキサンチンおよび他のキサントフィル類の好ましいエステル化型を得るために、当技術分野で知られる方法を使って、脂肪酸をゼアキサンチン(および他のキサントフィル類)と反応させることにより、粉砕した材料をエステル交換反応に付してもよい。 <ゼアキサンチンのさらなる形態または製剤> 本発明は、トウガラシ属品種(非エステル化型で測定した場合に、乾燥成熟実莢肉において、50%より高い、総カロテノイド類に対するゼアキサンチンのパーセントを示すもの)から得られるゼアキサンチンの形態および製剤に関する。そのような形態および製剤は、ヒトおよび動物によって栄養補助剤、食品着色剤もしくは食品添加物、ヒト用食品もしくは動物用飼料の強化、または美容、介護もしくは医薬用途の成分として消費されることが企図される。 <新鮮ペッパー> 本植物産物は、トウガラシ属植物から収穫された新鮮実莢の形で、丸ごと、破砕して、ピューレ状にして、液体で柔らかくして、または圧搾汁として、摂取することができる。 <脱水ペッパー> 本植物産物は、トウガラシ属植物から収穫された脱水、乾燥または乾物実莢の形態で、丸ごと、または破砕もしくは粉砕して、摂取することができる。これらの脱水ペッパー産物は、ペッパー粉末として、調味料として、または食品もしくは飲料中の調味料として、消費者に届けることができるだろう。 <オレオレジン> 本植物産物は、当技術分野で知られる任意の手段によって製造される、トウガラシ属植物から収穫された実莢から製造されたオレオレジンまたは抽出物の形態で摂取することができる。 <搾り滓> 本植物産物は、例えば米国特許第5,773,075号の方法(ただしこれに限定されるわけではない)によって製造される、トウガラシ属植物の実莢からオレオレジンを圧搾抽出する際に副産物として生成する搾り滓(圧搾固形物)の形態で摂取することができる。本搾り滓は動物またはヒトの栄養補給に使用することができる。 <精製オレオレジン> 本植物産物は、トウガラシ属植物から収穫された実莢から製造されたオレオレジンまたは抽出物であって、最初に抽出されたオレオレジン形態中に存在するゼアキサンチンよりも高濃度のゼアキサンチンを含む材料を製造するために、当技術分野で知られる任意の適切な植物抽出物加工技法(例えば遠心分離、傾瀉、沈殿(シード添加または沈殿を助長する他の物質の添加によるもの)、濾過、結晶化または再結晶、鹸化、クロマトグラフィー、膜加工またはゾーン精製を含むが、これらに限定されるわけではない)によって、さらに加工されたものの形態で摂取することができる。これらの材料中にゼアキサンチンはエステル化型または非エステル化型で存在することができる。 本発明のトウガラシ属植物から得られるオレオレジンは、米国特許第6,504,067号に記載の方法によって精製することができ、その方法は参照により本明細書に組み入れられる。この方法では、1)薄いアルカリ水溶液で処理し(これにより、第1オレオレジン相と不純物を含有する第1水相が形成される)、2)第1オレオレジン相を薄い有機酸または無機酸水溶液で処理し、3)第2オレオレジン相および不純物を含有する第2水相を形成させ、そして4)不純物を含有する第2水相を第2オレオレジン相から分離して精製カロテノイド類を得ることにより、植物抽出物またはオレオレジンを精製する。 <単離および精製ゼアキサンチン> トウガラシ植物莢肉の抽出物をさらに加工して、異なる形態および純度のゼアキサンチンを得ることができる。さらなる加工方法には、遠心分離、傾瀉、沈殿(シード添加または沈殿を助長する他の物質の添加によるもの)、濾過、結晶化または再結晶、鹸化、クロマトグラフィー、膜加工またはゾーン精製などがあるが、これらに限定されるわけではない。これらの材料中にゼアキサンチンはエステル化型または非エステル化型で存在することができる。 例えば、米国特許第5,648,564号には、キサントフィル結晶(好ましくは、マリーゴールド花弁からルテイン、クコからゼアキサンチン、または赤ペッパーからカプサンチンおよびカプソルビン)を形成させ、単離し、精製する方法が開示されている。キサントフィルジエステル含有植物抽出物を、プロピレングリコールおよびアルカリ水溶液の組成物中で鹸化して、キサントフィル結晶を形成させる。結晶化は、有機溶剤を添加することなく、達成される。結晶を単離し、精製する。このようにして得られる実質的に純粋なキサントフィル結晶は、ヒトによる消費に適しており、栄養補助剤として使用することも、食品中の添加物として使用することもできる。 結晶化工程は、鹸化した抽出物からキサントフィル類を精製するために使用することができる。米国特許第6,329,557号には、鹸化した抽出物を水に分散させて分散液を形成させ、その分散液を、任意の水溶性化合物の一部が水に溶解して水相と水に溶解しない残渣とを形成するような条件で混合し、水相を残渣から分離し、残渣を非極性溶剤と、任意の脂質可溶性化合物の一部がその非極性溶剤に溶解し、キサントフィル類の一部が非極性溶剤から析出して沈殿物を形成するような条件下で接触させ、非極性溶剤を沈殿物から分離し、沈殿物を極性溶剤で、任意の残存クロロフィル類の少なくとも一部がその極性溶剤に溶解するように洗浄し、極性溶剤を沈殿物から分離することによって、所望するレベルの純度を持つキサントフィル類を含む産物を得るというステップを含む方法が記述されている。 <非エステル化型の精製ゼアキサンチン> トウガラシ属植物から得られるゼアキサンチンエステルは、当技術分野で記載されているいくつかの方法によって鹸化することができ、そのような方法には、1)酸または塩基による水中での鹸化、2)酸または塩基によるメタノールまたはイソプロピルアルコール中での鹸化、3)酸または塩基によるプロピレングリコール中での鹸化、および4)酵素を使った鹸化などがあるが、これらに限定されるわけではない。 トウガラシ属植物からゼアキサンチンを抽出することによって得られるオレオレジンは、遊離のゼアキサンチンを生成させるために、鹸化することができる。このゼアキサンチンの遊離全trans−3R,3’R異性体を結晶化させて純粋な形で得ることができる。したがって、ゼアキサンチンの遊離全trans−3R,3’R異性体は、全trans−βカロテンに用いられる方法と同様の方法で製剤化することができる。ルテインおよびゼアキサンチンの結晶を製造するための具体的一方法が、米国特許第5,648,564号に記述されている。 エステル化型または遊離型のキサントフィル類には利点と欠点がある。米国特許第6,689,400号には、遊離ルテインが、エステル化型と比較して、化学的および生物学的劣化をとりわけ起こしやすいことが開示されている。一方、卵および肉を着色する目的には遊離型のキサントフィル類の方がニワトリによって容易に吸収されることが、米国特許第5,997,922号に開示されている。ジエステル型のルテインは、非エステル化型よりも、ヒトにおける生物学的利用率が高いようである(Bowenら,2002)。Breithauptら(2004)では、3R,3R’−ゼアキサンチンジパルミテートの方が、非エステル化型よりも、ヒトにおいて高い生物学的利用率を持つことが観察された。 <再エステル化型の精製ゼアキサンチン> 短鎖有機酸を遊離ゼアキサンチンと反応させて、ゼアキサンチンの短鎖有機酸モノエステルまたはジエステルを製造することができる。これらの短鎖有機酸は、米国特許第5,959,138号に記述されているように、有機無水物をゼアキサンチン抽出物と反応させることによって得ることができる。使用することができる有機無水物には、例えば酢酸無水物、プロピオン酸無水物、およびそれらの組み合わせなどがあるが、これらに限定されるわけではない。他のカルボン酸、それらの無水物またはエステルが関わるエステル化工程によって、他のエステルを形成させることができる。ゼアキサンチンエステルをカルボン酸および酸、塩基または酵素触媒で処理するエステル交換反応を使って、さらなるゼアキサンチンエステルを製造することができる。 修飾エステル型のゼアキサンチンの場合は、カルボン酸部分が短鎖(C1〜C4)、中鎖(C5〜C12)、または長鎖(C13〜C30)からなることができる。カルボン酸部分は、飽和、不飽和または多価不飽和であることができる。カルボン酸部分は直鎖構造または分岐鎖構造を持つことができる。 <ゼアキサンチンの異性体> トウガラシ属植物中に存在するゼアキサンチンは、主として、3R,3’R立体異性体からなる。トウガラシ属植物の新鮮果実中に見出される色素は、圧倒的に、全trans配置にある。trans−ゼアキサンチンは、当技術分野で知られている方法により、その全部または一部を、さまざまなcis型に変換することができる(Khachikら,1992;Updikeら,2003)。 <油、脂肪、乳化剤もしくは安定剤、またはそれらの組み合わせに分散されたオレオレジン型または精製型のゼアキサンチン> トウガラシ属植物から得られるゼアキサンチンは、栄養補助剤もしくは飼料補助剤、食品着色剤もしくは飼料着色剤、または食品添加物もしくは飼料添加物としての、その使用を容易にするために、ヒト食用成分または動物食用成分を使って製剤化することができる。パプリカオレオレジン型のゼアキサンチンまたはより高度に精製された形態のゼアキサンチンは、トウモロコシ油、ダイズ油、カノーラ油、ラッカセイ油、ヒマワリ油、ベニバナ油、オリーブ油、綿実油、パーム油、ヤシ油、中鎖トリグリセリド、トリアセチン、硬化植物油などの植物油、ラード獣脂および家禽脂、漁油、鯨油などの動物脂、藻類油などの添加によって、着色力に関して標準化することができる。パプリカオレオレジン型のゼアキサンチンまたはより高度に精製された形態のゼアキサンチンは、乳化剤、例えばレシチン、ヒドロキシル化レシチン、モノグリセリド、ジグリセリド、ソルビタンエステル類、例えばポリソルベート−80、ショ糖エステル類、ポリグリセロールエステル類、モノグリセリドおよびジグリセリドの酒石酸エステル類などを含む食品等級の添加物と組み合わせることができる。具体的には、ゼアキサンチンを、食品および飲料の着香または着色に有用であり、油にも水にも分散可能な、均一液体香辛料組成物であって、(1)ヒドロキシル化レシチン、(2)モノグリセリドおよびジグリセリドの酒石酸エステル類、ならびに(3)食用着香剤、食用着色剤から選択される1以上の香辛料(そのうちの一つは本発明によって得られるゼアキサンチンでなければならない)を含み、(1)+(2)対(3)の重量比が少なくとも1:4であるような組成物に、することができる。食品等級の乳化剤を使って製剤化されたパプリカオレオレジン型のゼアキサンチンまたはより高度に精製された形態のゼアキサンチンは、飲料用途および乳液ベースの食品に、とりわけ有用である。 パプリカオレオレジン型のゼアキサンチンまたはより高度に精製された形態のゼアキサンチンは、当業者に公知の天然および合成酸化防止剤と組み合わせることができる。限定するわけではないが、これらには、例えば以下に挙げるものがある:シソ科香草(ローズマリー、セージ、オレガノ、ペパーミント、バジル、スペアミント、サマーセイバリーを含む)の抽出物、オリーブ抽出物、コーヒー抽出物、柑橘抽出物、茶抽出物、茶カテキン類、カテキン、エピカテキン、没食子酸エピカテキン、没食子酸エピガロカテキン、没食子酸、トコフェロール類、トコトリエノール類、アスコルビン酸およびアスコルベート類(パルミチン酸アスコルビルを含む)、エリトルビン酸およびエリトルベート類、グルタチオン、カルノシン酸、カルノソール、ロスマノール、ロズマリン酸、サルビアフラシド、フラボノイド類もしくはフラボノイドグルクロニド類(ケルセチン、ルテオリン、アピゲニン、もしくはケルセチン、ルテオリンおよびアピゲニンのグルクロニドなどを含む)、クルクミン、テトラヒドロクルクミン、ヒドロキシチロソール、オリューロペイン、BHT、BHA、ヒドロキシルアミン類、没食子酸プロピル、エトキシキン、トロロックスもしくはTBHQ、またはそれらの混合物。テトラヒドロクルクミノイド類による標準パプリカオレオレジンの安定化は米国特許第6,689,400号に記載されている。 <他のカロテノイド類、色素類、もしくは食品着色剤またはそれらの組み合わせと組み合わされたオレオレジン型または精製型のゼアキサンチン> パプリカオレオレジン型のゼアキサンチンまたはより高度に精製された形態のゼアキサンチンを、1以上の他の天然および/または合成カロテノイド類と組み合わせて、栄養補助剤もしくは飼料補助剤、食品着色剤もしくは飼料着色剤、または食品添加物もしくは飼料添加物として有用な混合カロテノイド組成物を得ることができる。組み合わせることができる他の天然および/または合成カロテノイド類の例には、以下に挙げるものがあるが、これらに限定されるわけではない:ニンジン抽出物、合成β−カロテン、トマト抽出物、合成リコペン、マリーゴールド抽出物、合成ルテイン、ベニノキ抽出物、ビキシン、ノルビキシン、β−アポ−8−カロテナール、カンタキサンチン、アスタキサンチン、ルテイン、藻類カロテノイド類、真菌カロテノイド類、クリプトキサンチン、α−ゼアカロテン、β−ゼアカロテンなど。 パプリカオレオレジン型のゼアキサンチンまたはより高度に精製された形態のゼアキサンチンを、承認された他の天然または合成食品着色剤と組み合わせて、食品用途または飼料用途で、一連の色合いを与えるのに有用な組成物を作り出すことができる。組み合わせることができる天然または合成着色剤には、例えば以下に挙げるものがあるが、これらに限定されるわけではない:ウコン抽出物、紫ニンジン(purple carrot)抽出物、アントシアニン類、ブドウ果皮抽出物、ビート抽出物、キャベツ抽出物、ニワトコ抽出物、カラメル、ベタリン(betalin)類、クロロフィルおよび承認されたFD&C食品着色剤。 <栄養補助剤、食品、飲料、化粧品または医薬品用途に適した固体上に分散させたオレオレジン型または精製型のゼアキサンチン> パプリカオレオレジンまたはより高度に精製された形態のゼアキサンチンを、多種多様な用途における使用に適した固体担体上に分散させることができる。担体には、塩、デキストロース、マルトデキストリン、ラクトース、リグニン、穀粉、タルク、二酸化チタン、医薬品用および化粧品用賦形剤もしくは他の固体物質またはそれらの組み合わせを含めることができる。トウガラシ属植物から得られるゼアキサンチンから製造されるカロテノイド類の安定な冷水分散性調合物は、カロテノイド類と、温血動物由来のゼラチンに代えて使用される水溶性または水分散性リグニン誘導体とを含む(米国特許第5,668,183号)。本調合物用のリグニン誘導体は、単一のリグニンを含有するか、数種類のリグニン誘導体の混合物を含有することができる。リグノスルホン酸ナトリウム、カルシウム、およびアンモニウムは、とりわけ好ましい。 また、冷水分散性の形態は、デンプン、ゴムを使って製造するか、当技術分野で知られる他の方法を使って製造することができる。 <栄養補助剤、食品、飲料、化粧品または医薬品用途に適したビーズレットの形態をしたオレオレジン型または精製型のゼアキサンチン> ゼアキサンチンをその形態のいずれかで含有するビーズレットまたはマイクロカプセルを製造することができる。典型的なカロテノイド濃度範囲は1〜50重量%の範囲である。マイクロカプセルは封入されたカロテノイドを摂取過程で放出する。これらのマイクロカプセルは、ヒト用または動物用食品、マルチビタミン剤、食事補助剤、および介護製品での使用にも適しうる。錠剤化およびカプセル剤にも使用することができる。 ビーズレットを製造するために使用されるゼアキサンチンは、結晶性粉末または油分散液のいずれかの形態をとることができる。場合によっては、より高濃度のゼアキサンチンを含有するビーズレットを得ることができるように、結晶性粉末から出発することが好ましい。 当技術分野で知られる化学的または物理的なマイクロカプセル化法を使って、本発明で得られるゼアキサンチンを封入することができる。化学的なマイクロカプセル化法には、相分離、溶剤蒸発、溶剤抽出、界面重合、単純および複合コアセルベーション、in−situ重合、リポソーム技術、ナノカプセル化、ゾル−ゲル法、気相堆積法、捕捉/マトリックス封入(entrapment/matrix encapsulation)、マクロエマルジョン、分散重合、脱溶剤和、およびゲル化を伴う方法があるが、これらに限定されるわけではない。物理的な封入法には、噴霧乾燥、噴霧冷却、回転円板微粒化、流動層コーティング、固定ノズル同時押出、遠心ヘッド同時押出、浸漬ノズル同時押出、パンコーティング、振動ノズル、押出、造粒(prilling)、および環状噴流法などがあるが、これらに限定されるわけではない。 この工程の一形態では、結晶性粉末を流動層乾燥機に加え、熱およびガスの流れを開始させる。液体コーティング材料を固体上に噴霧して所望の製剤を得る。液体コーティング材料は、例えば、糖またはソルビトールの水溶液、デンプンまたはマルトデキストリン、要すればゼラチンなどのコーティングタンパク質を含みうるが、これらに限定されるわけではない。この工程の詳細は米国特許第6,663,900号に開示されている。ゼアキサンチンに富む油分散液または高純度結晶型のゼアキサンチンは、米国特許第5,786,017号、米国特許第5,506,353号および米国特許第6,607,771号に記述されているようなマトリックスに封入することができる。 本発明によって得られるゼアキサンチンは、封入の過程で、当技術分野で知られるマトリックス材料と組み合わせることができる。一般に、親水コロイド、糖質、および他の化合物を使用することができる。親水コロイドには、例えばゼラチン、乳タンパク質、植物タンパク質、動物タンパク質、ゴム、および化工デンプンなどがあるが、これらに限定されるわけではない。糖質には、ショ糖、グルコース、およびデキストリン類などがあるが、これらに限定されるわけではない。他の成分には、酸化防止剤、乳化剤、安定剤、および増量剤などがある。 本発明によって得られるゼアキサンチンは、封入の過程で、当技術分野で知られる表面成分と組み合わせることができる。これらの物質には、例えばタンパク質、糖質、シリケート、多糖、多価アルコール、ロウ、脂肪、天然および合成ポリマー、樹脂、ゼラチン、ポリビニルアルコール、マルトデキストリン、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ならびにポリオキシメチレン尿素などがあるが、これらに限定されるわけではない。 本発明によって得られるゼアキサンチンは、熱安定性、化学安定性、光安定性および酸化安定性を改善するために;貯蔵寿命をよくするために;そして色、匂い、矯味性および取り扱いを改善するために、マイクロカプセルに入れることができる。本発明によって得られるゼアキサンチンは、封入された形態では、生物学的利用能を改善し、溶解度を変化させ、制御放出、持続放出、遅延放出、パルス状放出、pH誘発性放出、または標的放出(targeted release)をもたらすことができる。 <乳液状のオレオレジン型または精製型ゼアキサンチン> トウガラシ属植物から得られるゼアキサンチンの乳液は、当技術分野で周知の技法によって形成させることができる。食品、飲料、化粧品、医薬品および介護製品の水性系に使用するためのゼアキサンチン乳液を製造することができる。界面活性剤、ゼアキサンチン(要すれば油担体中)、そして要すれば制泡剤の組み合わせを使って、水性乳液を製造することができる。乳液を乾燥させて、水性媒質に容易に分散する粉末を形成させることができる。乳液中に使用するゼアキサンチンは、粗製オレオレジンの形態をとるか、より高度に精製されたゼアキサンチン(遊離のゼアキサンチンまたはエステル化型のゼアキサンチン)の形態をとることができる。 あるいは、米国特許第6,296,877号に従って、ゼアキサンチンの乳液を以下のように製造することもできる:1)水混和性有機溶剤中に、要すれば乳化剤および要すれば食用油を使って、ゼアキサンチンの均一溶液を調製し、2)この溶液を、保護コロイドの混合物の水溶液と混合し、そして要すれば、3)得られた分散液を溶剤および水から取り除き、それを乾燥させることによって、水分散性乾燥粉末を調製する。 <栄養補助剤、食品、飲料、化粧品、介護または医薬用途に適した噴霧乾燥粉末または封入粉末状のオレオレジン型または精製型ゼアキサンチン> トウガラシ属植物から得られるゼアキサンチンは、粉末状に加工するのに適している。ゼアキサンチンオレオレジンの乳液またはゼアキサンチン結晶の分散液または微粉状ゼアキサンチンは、当技術分野で知られる技術を使って噴霧乾燥することができる。一般的には、ゼアキサンチンの油分散液または油溶液を水およびポリマー材料、例えばゼラチン、植物性ゴム、化工デンプン、デキストリン、または非ゲル化タンパク質などと混合する。乳化剤を加え、混合物を均質化する。得られた乳剤を霧状にして、乾燥室中の加熱された空気の柱に導入すると、水が蒸発するにつれて、流動性粉末が生成する。この種類の方法の一例は、米国特許第6,635,293号に記載されている。固形のゼアキサンチンは、流動層凝集またはコアセルベーションを含む当技術分野で知られるさまざまな技法のいずれかによって封入することができる。 乾燥品を製造するもう一つの例は米国特許第3,998,753号に開示されている。トウガラシ属植物から得られるカロテノイド粉末組成物であって、水性溶液に分散性であり、光学的に透明な水性組成物を形成して、それらの水性溶液を望ましい均一な色に着色する組成物を、以下のように製造することができる。まず、カロテノイド類を可溶化することができる揮発性有機溶剤にカロテノイドの溶液を形成させ、食品等級の界面活性剤を含有する水溶液と共に、高速混合によって乳化させる。次に、得られた乳液から、溶剤が完全に除去されるまで高剪断力の高速混合を維持しながら乳液を加熱することによって、揮発性溶剤を除去する。次に、乳液は、そのまま使用するか、乾燥してカロテノイド含有粉末組成物を得ることができる。 <栄養補助剤、食品、飲料、化粧品または医薬品用途に、その栄養補助剤、食品、飲料、化粧品または医薬品の色を変化させずに組み入れることができるような方法で封入されたオレオレジン型または精製型のゼアキサンチン> ゼアキサンチン粒子またはゼアキサンチンを含有する粒子は、この色素の色を効果的に隠す不透明な材料でコーティングすることができる。これは、ある物品にゼアキサンチンをその物品の色を変えずに加えることが望ましい場合に、有用な技法である。 <ゼアキサンチン製剤の用途> (高ゼアキサンチン食品) カロテノイド色素の過剰蓄積を示す本発明のトウガラシ属品種の実莢はヒト用食品として直接使用することができ、そこから絞った汁は飲み物として使用することができる。トウガラシ属実莢は新鮮な状態または乾燥した状態で消費されうる。これらの形態は粉砕したり、切り刻んだり、液化したりして、単独で、または他の任意の食品、ソース、または飲料と組み合わせて使用することができる。この材料は調味料または香辛料の一成分として使用することができる。 (食品着色用途) 天然由来のカロテノイド類は着色剤としてかなりの重要性を帯びるようになっており、以前認定された一定の着色剤の使用が政府の規則によって取り消されまたは制限されたことにより、その重要性は増大している。本発明のトウガラシ属品種中の色素は、FDA規則(21 CFR §73.340)の下に米国では食品着色剤として許容されうる。トウガラシ属由来の色素は、現行の食品規則の下で食品着色剤として使用することができるゼアキサンチンの唯一知られた供給源である。食品産業では、ウコン(Curcuma longa)から得られる光に不安定なクルクミン色素に代わる光に安定な黄色着色剤の可用性に、かなりの関心が持たれている。トウガラシ属品種から得られるゼアキサンチン産物は、ウコンよりも高い光安定性を持つ明るい自然な黄色の外観を与えるために、ヒト消費用のさまざまな食品および飲料に、栄養食品−着色剤として加えることができる。 脂肪含有食品、例えばバター、マーガリン、植物油、チョコレート、焼き食品、例えばケーキ、パン、ベーグル、クラッカー、ピザ生地、パンケーキおよびワッフル、ならびにこれらのためのミックス、詰め物、ピーナツバター、サラダドレッシング、加工チーズ、加工肉、調味料配合物およびソースなど(ただしこれらに限定されるわけではない)は、全て、本発明のゼアキサンチンオレオレジンまたは油、脂肪および乳化剤中に分散させた精製型の本発明組成物を加えることによって、着色することができる。高濃度のゼアキサンチンを含有する本トウガラシ属品種の前記製剤は、当技術分野で知られる天然および合成酸化防止剤も含有することができる。 乾燥食品、例えばパンミックス、ベーグルミックス、ケーキミックス、ピザ生地ミックスを含むベーカリーミックス、シリアル、乾燥スープ、調味料配合物、トマト粉末、シリアル、マカロニ、パスタ粉、栄養バーおよびエネルギーバー(ただしこれらに限定されるわけではない)は、全て、ゼアキサンチンの粉末製剤の直接添加によって、着色することができる。これらの粉末製剤は、オレオレジンまたは精製オレオレジンの噴霧乾燥、封入または乾燥担体への乾式分散によって製造されたものであることができる。前記製剤は、当技術分野で知られる天然および合成酸化防止剤も含有することができる。 着香剤および/または保存剤と組み合わされた本発明のゼアキサンチン組成物を含む調味料製剤が考えられる。着香剤には、スパイスおよび香草抽出物、合成着香剤、精油、固定油などがあるが、これらに限定されるわけではない。保存剤には、当技術分野で知られる天然および合成酸化防止剤(そのうちのいくつかは上述した)が含まれるが、これらに限定されるわけではない。これらの組成物は、要すれば、上述のまたは当技術分野で知られる担体および/または賦形剤、例えば植物油、エタノール、水、プロピレングリコール、グリセリン、ベンジルアルコール、モノグリセリド、ジグリセリド、および他の乳化剤、またはそれらの組み合わせなど(ただしこれらに限定されるわけではない)を含むことができる。 着色剤および/または保存剤と組み合わされた本発明のゼアキサンチン組成物を含む着色製剤が考えられる。着色剤には、ベニノキ、ウコン、ニンジン、トウガラシ(本発明の品種ではないもの)、ドナリエナサリナ、ヘマタコッカスプルバルス(Haematacoccus pluvalus)の抽出物、β−カロテン、β−アポ−8−カロテナール、β−アポ−8−カロテン酸のエチルエステル、合成着色剤(FD&C着色剤)などがあるが、これらに限定されるわけではない。保存剤には、当技術分野で知られる天然および合成酸化防止剤(そのうちのいくつかは上述した)が含まれるが、これらに限定されるわけではない。これらの組成物は、要すれば、上述のまたは当技術分野で知られる担体および/または賦形剤、例えば植物油、エタノール、水、プロピレングリコール、グリセリン、ベンジルアルコール、モノグリセリド、ジグリセリド、および他の乳化剤またはそれらの組み合わせなど(ただしこれらに限定されるわけではない)を含むことができる。 水性食品、例えばトマトソース、ステーキソースおよびピザソースを含むソース類、グレイビー、スープ、ゼラチン、プディング、エッグノッグ、ケチャップ、ピクルス、サラダドレッシング、卵黄、肉マリネ、乳製品、例えば乳、ヨーグルト、およびアイスクリームなど(ただしこれらに限定されるわけではない)は、全て、ゼアキサンチンの水溶性粉末製剤の直接添加によって着色することができる。あるいは、モノグリセリド、トリグリセリドの酒石酸エステル、レシチン類、ポリソルベート類、ショ糖脂肪酸エステルもしくはヒドロキシル化レシチン類、またはそれらの混合物などといった乳化剤と混合して水分散性樹脂を形成させておいたゼアキサンチンオレオレジンの添加によって着色することもできる。前記製剤は、当技術分野で知られる天然および合成酸化防止剤も含有することができる。 飲料、例えば栄養ドリンク、ソーダ水類、乳、ビール、アルコール飲料、果汁(オレンジ果汁、リンゴ果汁、ブドウ果汁、クランベリー果汁、トマト果汁、グァバ果汁、マンゴ果汁、カンタループ果汁、ニンジン果汁、およびグレープフルーツ果汁を含むが、これらに限定されるわけではない)、乳飲料、大豆飲料、人工栄養乳、成人用製剤(Ensure(R)−Abbott Laboratories Corporationの登録商標−を含む)およびそれらの濃縮物(ただしこれらに限定されるわけではない)は、噴霧乾燥または封入によって製造された水分散性粉末の形態をしたゼアキサンチン製品を使って着色または強化することができる。あるいは、ゼアキサンチン産物を含有する水性乳液または乳化樹脂で着色することもできる。前記製剤は、当技術分野で知られる天然および合成酸化防止剤も含有することができる。 β−カロテンおよび他のカロテノイド類の食品着色剤、栄養添加物、飼料補助剤、化粧品添加物、介護添加物および医薬添加物としての製剤および使用に関する公表された論文および特許は、かなり多く存在する。そのような刊行物には、例えば米国特許第4,522,743号、米国特許第5,180,747号、米国特許第5,350,773号および米国特許第5,356,636号などがある。ゼアキサンチンとβ−カロテンまたは他のカロテノイドとは化学的および物理的性質が類似しているので、β−カロテンまたは他のカロテノイドを任意のタイプの食品用途、美容用途、飼料用途、医薬用途、介護用途または栄養補給用途に添加するための技法、添加物、安定剤、または他の方法は、いずれも、本トウガラシ属品種から得られるゼアキサンチン組成物にも、おそらくそのまま適用することができるだろう。 (化粧品) 本トウガラシ属植物から得られるゼアキサンチンは、さまざまなタイプの美容用途に使用することができる。これは、日焼け防止のために、そしてまた酸化防止剤として、局所外用するか、内服することができる。ゼアキサンチンは、リップクリーム、リップスティック、リップライナー、リップモイスチャライザーなどの唇用途に使用することができる。ゼアキサンチンは、ファンデーション、メークアップ、ほお紅、日焼け用クリームなどを含む美容用途に使用することができる。また、放射線(例えば太陽から来るもの)の作用から保護するために皮膚に適用される局所外用品に使用することもできる。これらの物品には、日焼けローション、日焼け促進剤、日焼け保湿剤などが含まれる。美容用途にゼアキサンチンを使用する一例は米国特許第6,110,478号であり、この特許には、皮膚色素沈着の調節剤であって、経口経路による投与にも皮膚への塗布にも適合する、美容目的の組成物が開示されている。 (動物用飼料) 本トウガラシ属品種から得られるゼアキサンチンは、動物に、その肉、皮膚または卵を着色する目的で、または栄養補助剤として役立つように、投与することができる。 (魚類および甲殻類の着色) 本トウガラシ属変種から得られるゼアキサンチンは、魚類または甲殻類に、その肉を着色する目的で投与することができる。例えば、消費者に対して訴求力を持つ肉色を作り出すために、サケに本発明の物品を給餌することができる。同様に、コエビ類、クルマエビ類、ロブスター類、およびザリガニ類などの甲殻類の肉を、より望ましい色に着色することができる。 (ブロイラー皮膚および卵の着色) 家禽ブロイラー皮膚および卵黄の色は、重要な品質属性として広く知られている。世界の各地域は、このパラメータに関して、それぞれ独自の仕様を確立している。したがって、ブロイラー皮膚および卵黄の最適な着色は、文化的伝統および好みに依存する。伝統的に家禽飼育者は赤色色素および黄色色素(天然および合成)を鳥の飼料に混合してきた。 合成カンタキサンチンは、家禽ブロイラー皮膚に黄橙色を与えるための色素、および卵黄に強い橙色、さらにはバラ色の色合いを与えるための色素として、何十年にもわたって使用されてきた(米国特許第5,997,922号)。 米国特許第3,539,686号には、キサントフィル類またはゼアキサンチンと1以上の色素(例えばカンタキサンチン、β−アポ−8−カロテナール、β−アポ−8−カロテン酸のエチルエステル、ならびにパプリカおよび赤ペッパーからの抽出物)との配合物を使用することによって、ブロイラー皮膚および卵黄に、黄色から赤色に及ぶ広範囲の色調を与えうることが開示されている。米国特許第3,539,686号には、黄色キサントフィル類だけを使用した場合に得られる色合いと比較して、より強い橙色または赤みがかった色合いを得るには、赤色色素を使用することが、両方の色素を使用した場合に得られる相乗作用ゆえに、必要であることが開示されている。 ブロイラー皮膚および卵黄に特別な色合いを与える目的で、さまざまな比率の黄色キサントフィル類および赤色色素を決定するために、大量の研究が行われてきた(米国特許第5,997,922号参照)。ゼアキサンチンは、ブロイラー皮膚に橙色の色合いを付与することにより、ルテインよりも効率のよい着色をもたらすことが、実証されている。 黄色キサントフィル類の伝統的供給源は、アルファルファ、黄トウモロコシグルテン、およびマリーゴールドミール濃縮物であり、この場合、家禽では鹸化天然色素の方が非鹸化色素よりも生物学的利用率は高いことが実証されている(米国特許第5,997,922号)。 抽出物に含まれるルテインを異性化する方法によって得られるゼアキサンチン含量の高い鹸化マリーゴールド抽出物の調合物(Hi−Gold(R)(Organica, S.A. de C.V.)と呼ばれるもの)が、米国特許第5,523,494に記述されている。この特許には、ブロイラー皮膚および卵黄を着色する目的でHi−Gold(R)を適用することにより、赤色色素の使用が省かれることが記述されている。さらにまた、Hi−Gold(R)の使用によって、伝統的な黄色色素類だけを単独で使用した場合に得られる色合いよりも深い色合いがブロイラー皮膚および卵黄に得られることも、実証されている。 米国特許第5,997,922号には、ブロイラー皮膚および卵黄を橙色の色調に着色する方法であって、約20〜80%のゼアキサンチン含量を持つ約8〜55ppmの鹸化キサントフィル類を、天然または合成赤色色素の不在下または存在下で、ブロイラーおよび産卵鶏の飼料、飲料、またはブロスに添加することを含む方法が開示されている。 本トウガラシ属品種から得られるゼアキサンチンは、ブロイラー皮膚および卵黄の着色に使用することができる。 (動物栄養補給) 本トウガラシ属品種から得られるゼアキサンチンは、ペット、家畜、および他の動物に、食餌補助剤として、そしてまた、白内障、AMDおよび他の変性疾患などの疾患を予防するために、投与することができる。本発明のゼアキサンチンは、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ヒツジ、魚、ヤギ、ウサギ、ニワトリ、シチメンチョウ、および他の動物に、食餌補助剤として使用することができる。ゼアキサンチンは、当技術分野で知られる広範囲にわたるさまざまな形態で、これらの動物に投与することができる。これには、錠剤、浸液、食品、処理、およびペレットなどが含まれるが、これらに限定されるわけではない。水産養殖では、体および/または肉に所望の色を付与するために、ゼアキサンチンを使用することができる。 (ヒト栄養補給) ゼアキサンチンはさまざまな眼疾患の処置に有効であることが開示されている(米国特許第5,854,015号)。立体異性体型のゼアキサンチンならびにAMDおよび他の眼障害の処置および予防におけるそれらの使用は、米国特許第6,329,432号に開示されている。本トウガラシ属品種から得られるゼアキサンチンには、先行技術のゼアキサンチン組成物と比較して、本明細書に挙げた理由による利点があり、それらを以下に再び要約する: 1.本トウガラシ属品種から得られるゼアキサンチン組成物は、光毒性物質または接触皮膚炎感作物質を含有せず、それらと接触したこともない。 2.本トウガラシ属品種から得られるゼアキサンチン組成物は、現行の食品規則の下で、天然食品着色剤として使用することができる。 3.本トウガラシ属品種から得られるゼアキサンチン組成物はGRASであり、食品添加物として使用することができる。 4.本トウガラシ属品種から得られるゼアキサンチン組成物は天然物である。 5.トウガラシ属の果実は一般的な食料源である。本願で言及した特許は全て、参照により本明細書に組み入れられる。 本発明の主題は、以下の実施例に関連して、より深く理解されるだろうが、これらの実施例は例示であって、本発明の範囲を限定しようとするものではない。ここに記述する実施例が本質的に典型例に過ぎないことは、当業者には明白だろう。 <実施例1> (高濃度のゼアキサンチンを示すトウガラシ属植物の開発) 成熟実莢肉中に高濃度のゼアキサンチンを示す本トウガラシ属植物は、古典的植物育種法および当業者に知られる方法を使用し、植物育種材料の供給源として実用トウガラシ品種NM草型を使って開発された。本品種は、実莢中に高濃度のカロテノイド色素を示す植物品種の開発によって得られた。高いカロテノイド濃度および適切な草性は商用品種にとって望ましい。 育種および選抜に際して、成熟実莢肉中に高濃度のゼアキサンチンを示す本発明のトウガラシ属品種は、その特徴的な橙色により、野生型の赤色果実品種とは容易に区別することができる。本発明のトウガラシ属品種は他のトウガラシ属品種とは十分に異なる外観を呈するので、当業者は、本発明のトウガラシ属品種を他のトウガラシ属品種と区別することができる。 成熟実莢肉中に高濃度のゼアキサンチンを示すトウガラシ属品種のスクリーニングは、まず最初に望ましい植物形態について選択し、次に果実中のカロテノイド組成を分析することにより、型どおりに行った。成熟果実中に高いゼアキサンチン濃度を示すトウガラシ属植物は、商業的に栽培されるNM品種(例えば1441)を親株として使って、予想どおりに育種することができる。本トウガラシ属品種の草性および成熟実莢の色は、親品種とは著しく異なる表現型を示すので、所望の表現型を示す植物のスクリーニングは、植物列の目視検査によって容易に行われる。ここに記述する育種方法を使って所望のゼアキサンチン組成を持つトウガラシ属植物が得られることは、比較的稀ではあるが、反復可能な事象である。例えば、ある試験プロットの約102,000の植物を評価することで、成熟実莢肉中に高濃度のゼアキサンチンを示すトウガラシ属植物が五つ得られた。所望の表現型に関するこの数の植物の定型的スクリーニングは、親品種または野生型品種の成熟果実(赤色果実)と比較した本品種の成熟果実(橙色果実)の容易に識別できる視覚的相違、および草性の形態学的相違に関する条播評価(row evaluation)によって、容易に行われた。選抜後に、成熟実莢肉中のゼアキサンチン含量をHPLC分析によって確認した。 同様の方法により、トウガラシ属の他の植物を使ってゼアキサンチンを過剰蓄積する品種を開発することができる。 <実施例2> (小規模圃場生産の説明) 本発明のトウガラシ属品種の小試験プロットに作付けを行った。6ヶ月後に、作物を落葉剤で処理し、圃場で乾燥させた。作物を手で収穫した。実莢を薄く切り、市販の連続ガス乾燥機で脱水した。生産によって得た乾燥実莢の複合試料二つを、実施例6、8および9で述べるように分析した。総カロテノイド類に対するゼアキサンチンの質量パーセントは70.81%および71.80%だった。成熟乾燥実莢中のゼアキサンチンの重量パーセントは0.93%および0.97%だった。 <実施例3> (圃場生産の説明) 本トウガラシ属品種の試験プロットに作付けを行った。6ヶ月後に、作物を落葉剤で処理し、圃場で乾燥させた。作物を手で収穫した。実莢を薄く切り、市販の連続ガス乾燥機で脱水した。7ロットの実莢を収穫し、それぞれの代表的試料を、実施例6、8および9で述べるように分析した。これらの7点の試料における、総カロテノイド類に対するゼアキサンチンの質量パーセントは、57.7%、59.7%、61.3%、59.1%、59.6%、53.3%および60.9%だった。乾燥成熟実莢中のゼアキサンチンの質量パーセントは、それぞれ、総乾燥成熟実莢肉の0.76%、0.81%、1.0%、0.96%、0.70%、0.83%、および0.87%だった。 <実施例4> (商業規模での本トウガラシ属品種の抽出) 実施例2で得た本トウガラシ属植物の乾燥成熟実莢2894ポンドを粉砕し、ヘキサンとアセトンの混合物(65:35)により、連続バスケット抽出機で溶剤抽出した。真空ストリッパーを使ってヘキサン類およびアセトンが25ppm未満になるまでミセルを脱溶剤化することにより、194ポンドのトウガラシ属オレオレジンを得た。このオレオレジンは、鹸化ステップ後に遊離ゼアキサンチンとして測定した場合に(実施例7および9の方法を使用)、6.7%の総ゼアキサンチンを含有していた。 <実施例5> (ゼアキサンチン立体化学の決定) オレオレジン中に存在する光学異性体を、商用試験所での分析によって決定した。粉砕した投入材料を実施例4と同様に抽出し、実施例6の方法で小規模に鹸化した。この鹸化試料を、勾配分離を用いるC30カラムでのカロテノイド分析のために、テトラヒドロフランに溶解し、希釈した。光学異性体分析のために、試料をヘキサンに溶解し、順相HPLCでキサントフィル含量を調べた。複数のピークを含む試料の場合、この系で複数回の注入を行って、ゼアキサンチンピークを集めた。合わせた収集物を再注入して、trans−ゼアキサンチンだけが集められていることを確認した。合わせた収集物を窒素下で濃縮し、直列した二本のキラルChiralcel(R)ODカラム(4.6×250mm,5μm)(Daicel Chemical Industries, LTD,ニュージャージー州フォートリー)に注入した。この分離に使用した移動相は、流速0.6mL/分の5%イソプロパノール/ヘキサンである。分析物を450nmで検出した。3R,3’R−ゼアキサンチンのニート標品を各試料セットと共に注入して、保持時間を確認した。ゼアキサンチンピークの保持時間が3R,3’R−ゼアキサンチンピークの保持時間と一致しない試料については、保持時間シフトと明確に異なるピークとを区別するために、その試料にこの標品をスパイクして再注入した。試料は、3R,3’R−ゼアキサンチンと同定される光学異性体を一つだけ含有することがわかった。 <実施例6> (HPLC分析のための粉砕トウガラシ属の鹸化手順) 本トウガラシ属品種の粉砕した成熟乾燥実莢肉(1.0g)を、化学天秤で1ミリグラムの10分の1の位まで秤量し、125mlエルレンマイヤーフラスコに定量的に移した。光への曝露を減らすために、そのフラスコを直ちにアルミニウム箔で覆った。ブチル化ヒドロキシトルエン(0.2g,Sigma Chemical Company)および炭酸ナトリウム粉末(Aldrich Chemical−A.C.S.試薬)1.5gを秤量し、エルレンマイヤーフラスコに加えた。メタノール(Fisher Scientific−HPLC等級)50mlおよび水酸化カリウム(VWR Intl.)約0.8gをエルレンマイヤーフラスコに加えた。その溶液に撹拌子を入れ、エルレンマイヤーフラスコの上部にビグリュー蒸留塔を装着した。その溶液をホットプレート上に置き、撹拌しながら弱く加熱(約65℃)して1時間還流した。次に、その溶液をホットプレートから降ろして冷ました。その溶液を中和するために、合計1.2mlのリン酸(Innophos 75% FCC等級;Innophos, Inc.,ニュージャージー州クランベリー)を加えた。その溶液を、Celite(R)(Eagle Picher Filtration and Minerals,ネバダ州リノ)が入っているブフナー漏斗を通して、200mlメスフラスコ中に直接、減圧濾過した。全ての色素をエルレンマイヤーフラスコおよびブフナー漏斗からメタノールで濯ぎ出し、それらを合わせて、総体積をメタノールで200mlにした。フラスコを数回上下反転させた後、その溶液を0.45ミクロンPTFE Acrodisc(R)(Gelman)フィルターを装着した3ccシリンジに注ぎ込み、HPLC分析用の褐色バイアルに注入した。 <実施例7> (HPLC分析のためのオレオレジン鹸化手順) 本トウガラシ属品種から得たオレオレジン(0.03g)を、化学天秤で1ミリグラムの10分の1の位まで秤量し、125mlエルレンマイヤーフラスコに直接移した。光への曝露を減らすために、そのフラスコを直ちにアルミニウム箔で覆った。合計0.2gのブチル化ヒドロキシトルエン(Sigma Chemical Company)および1.5gの炭酸ナトリウム粉末(Aldrich Chemical−A.C.S.試薬)を秤量し、エルレンマイヤーフラスコに加えた。メタノール(Fisher Scientific−HPLC等級)50mlおよび水酸化カリウム(VWR Intl.)約0.8gをエルレンマイヤーフラスコに加えた。その溶液に撹拌子を入れ、エルレンマイヤーフラスコの上部にビグリュー蒸留塔を装着した。その溶液をホットプレート上に置き、撹拌しながら弱く加熱(約65℃)して1時間還流した。次に、その溶液をホットプレートから降ろして冷ました。その溶液を中和するために、合計1.2mlのリン酸(Innophos 75% FCC等級)を加えた。その溶液を、Celite(R)(Eagle Picher Filtration and Minerals,ネバダ州リノ)が入っているブフナー漏斗を通して、200mlメスフラスコ中に直接、減圧濾過した。全ての色素をエルレンマイヤーフラスコおよびブフナー漏斗からメタノールですすぎ落とし、それらを合わせて、総体積をメタノールで200mlにした。フラスコを数回上下反転させた後、その溶液を0.45ミクロンPTFE Acrodisc(R)(Gelman)フィルターを装着した3ccシリンジに注ぎ込み、HPLC分析用の褐色バイアルに注入した。 <実施例8> (HPLCによる総カロテノイド類に対するゼアキサンチンのパーセンテージ(面積%)の決定) 分析は、データステーションにインストールされたEmpower(ビルド1154、データベースバージョン5.00.00.00)ソフトウェアを使って、Waters 2695(米国マサチューセッツ州ミルフォード)分離システムで行った。クロマトグラフィー分離は、逆相カラム(Waters Symmetry(R)C18,粒径5μm,250mm×4.6mm)で行った。溶離液は、メタノール/水/アセトンの三元勾配で、1.0ml/分とした。溶離液の初期組成はメタノール−水−アセトン(0:25:75,v/v/v)とした。初期直線勾配を15分間適用して、組成をメタノール−水−アセトン(20:5:75,v/v/v)にした。この組成を15分保った後、もう一つの直線勾配を30分間適用して、組成をメタノール−水−アセトン(25:0:75,v/v/v)にした。最後に、もう一つの直線勾配を15分間適用して、組成をメタノール−水−アセトン(0:0:100,v/v/v)にした。この組成を5分間保ち、初期条件に戻した。化合物は、20.0μlの注入体積を使って、Waters 996フォトダイオードアレイ検出器で検出した(400nm〜600nmのマックスプロット)。文献の保持時間およびPDAスペクトルを使って、ピークの一部(ビオロキサンチン(violoxanthin)、アンテラキサンチン、9−cis−ゼアキサンチン、クリプトカプシン、α−クリプトキサンチン、ζ−カロテン)を同定した。他の化合物を同定し、Carotenature(スイス・ルプジンゲン)から得た標品と比較した。それらを以下に列挙する:カプソルビン、カプサンチン、trans−ゼアキサンチン、ルテイン、β−クリプトキサンチン、α−カロテン、trans−β−カロテンおよびcis−β−カロテン。本トウガラシ属品種から得られる鹸化粉砕成熟乾燥実莢および鹸化オレオレジンのクロマトグラム例を、それぞれ図1および図2に示す。 <実施例9> (HPLCによるゼアキサンチン含量(重量%)の決定) 分析は、データステーションにインストールされたEmpower(ビルド1154、データベースバージョン5.00.00.00)ソフトウェアを使って、Waters 2695(米国マサチューセッツ州ミルフォード)分離システムで行った。クロマトグラフィー分離は、逆相カラム(Waters Symmetry(R)C18,粒径5μm,250mm×4.6mm)で行った。溶離液は、メタノール/水/アセトンの三元勾配で、1.0ml/分とした。溶離液の初期組成はメタノール−水−アセトン(0:25:75,v/v/v)とした。初期直線勾配を15分間適用して、組成をメタノール−水−アセトン(20:5:75,v/v/v)にした。この組成を15分保った後、もう一つの直線勾配を30分間適用して、組成をメタノール−水−アセトン(25:0:75,v/v/v)にした。最後に、もう一つの直線勾配を15分間適用して、組成をメタノール−水−アセトン(0:0:100,v/v/v)にした。この組成を5分間保ってから、初期条件に戻した。化合物は、20.0μlの注入体積を使って、Waters 996フォトダイオードアレイ検出器で検出した(400nm〜600nmのマックスプロット)。購入した標準試料で作成した検量線を基準としてゼアキサンチン含量を測定した。Carotenature(スイス・ルプジンゲン)から入手したtrans−ゼアキサンチンをメタノールに溶解した。この原液を使って、2.0μg/ml〜45.0μg/mlの濃度をカバーする5点外部検量線を作成した。9−cis−ゼアキサンチンは、応答係数を1:1と仮定して、trans−ゼアキサンチン検量線を使って定量した。ゼアキサンチン含量を全てのゼアキサンチン異性体の和として報告する。 <実施例10> (生産圃場のランダムサンプリング) ランダムな本発明トウガラシ属植物個体の圃場試料10点を収穫した。莢から種子を取り除き、実験用脱水装置で脱水し、実施例6および8に記載の分析に付した。非エステル化型で測定した、各試料における総カロテノイド類に対するゼアキサンチンのパーセンテージを、以下に示す。 <実施例11> (生産圃場のランダムサンプリング) ランダムな本発明トウガラシ属植物個体の圃場試料63点を収穫した。莢から種子を取り除き、実験用脱水装置で脱水し、実施例6、8および9に記載の分析に付した。非エステル化型で測定した、各試料における総カロテノイド類に対するゼアキサンチンのパーセンテージを、以下に示す。一部の試料については、遊離ジオールとして測定したゼアキサンチンの質量パーセントも示す。このHPLC法では、実施例8および9に記載の検量線を利用した。ASTA値およびASTAに基づくゼアキサンチン%は、実施例23の方法によって決定した。 <実施例12> (GC−EI−MSおよびGC−PFPDによる本発明のトウガラシ属品種の抽出物ならびにゼアキサンチンおよびルテインの商業的供給源におけるα−ターチオフェン(α−ターチエニル)レベルの決定) 分析は、Saturn 2000イオントラップ型質量分析計と接続したVarian 3800ガスクロマトグラフで行った。質量分析計は電子イオン化モードで運転し、40uから640uまでスキャンした。ピーク同定にはNIST Standard Reference Database(バージョン1.6)を使用した。GC−パルス式炎光光度検出器は供給元の仕様に従って硫黄特異的検出用に設定された。データ収集には、Varian Saturn GC/MSデータステーション(v5.51)を利用した。ガスクロマトグラフィーは、Supelco MDN−5S溶融石英キャピラリーカラム(30m×0.25mm内径,0.25μmフィルム(p/n24384))で行った。カラム流量は1.5mlヘリウム/分とした。インジェクター温度は240℃とした。検出器温度は230℃とした。オーブン温度プログラムは8℃/分で120℃から260℃まで、260℃で4.5分間維持とした。インジェクター分割比はPFPD分析用に1、およびGC−EI−MS実行用に20とした。注入体積は0.5μLとした。 アセトン1mlあたり160ngからアセトン1mlあたり5000ngまでのα−ターチエニル(Aldrich,2,2’:5’,2’’−ターチオフェン,#311073,純度99%)について、PFPD検量線を作成し、以後の定量に使用した。本トウガラシ属植物から得たオレオレジン、数種類の市販マリーゴールドオレオレジン、および2種類の栄養補助カプセル剤を試験した。注入に先だって、アセトン1mlにつきオレオレジン3300マイクログラムの割合で、各オレオレジンをアセトンに溶解した。得られた試料面積応答を、Microsoft Excel 2000を使ったカーブフィッティングアルゴリズムによって生成する二次多項式を解くことにより、検量線から得られる対応するα−ターチエニルppm値に変換した。結果を以下に列挙する。図3は、本パプリカオレオレジンと市販マリーゴールドオレオレジンとのクロマトグラフィー比較を表す。 カプセル剤の場合、検出下限(LOD)は1.0マイクログラム/カプセル剤である。 <実施例13> (本トウガラシ属品種から得られるオレオレジンの鹸化およびより高いゼアキサンチンレベルを持つ組成物の製造) ビグリュー蒸留塔と磁気撹拌子を装備した125mLエルレンマイヤーフラスコ中で、実施例4で得たオレオレジン(15.0g)、メタノール(15mL)および45%水酸化カリウム水溶液(6mL)を混合し、フラスコをアルミニウム箔で包んだ。その混合物を撹拌しながら1.5時間加熱還流した。その分散液を500mL丸底フラスコに軟水(30mL)を使って移した。その丸底フラスコからロータリーエバポレーターでメタノールを除去し、次にその溶液を600mLにビーカーに移し、そこに酢酸エチル(200mL)を加えた。その分散液を30分間撹拌し、アルミニウム箔で覆った分液漏斗に移した。液相は数時間後に相分離した。水相を酢酸エチル(200mL)で洗浄し、デカントした二つの酢酸エチル画分を合わせた。合わせた酢酸エチル溶液に軟水(100mL)を加え、その液液分散系を撹拌し、リン酸で中和した。その分散液を分液漏斗に移し、水層をデカントして取り除いた。分液漏斗に残っている酢酸エチル層にヘプタン(100mL)および軟水(25mL)を加え、その分散液を撹拌した。水層を除去し、有機相を、十分な酢酸エチルが除去されて固形物の形成が始まるまで、40〜45℃および圧力20インチでロータリーエバポーレーターにかけた。次に、そのスラリーを濾過し、この固形物の第1収穫をヘプタンですすいだ。固形物の第1収穫の収量は0.88gで、約58%ゼアキサンチンの純度だった。濾液を再びロータリーエバポレーターにかけて、残りの溶剤を除去することにより、さらなる固形物を含むオレオレジンを得た。ヘプタンを加え、その溶液を濾過することにより、固形物の第2収穫を得た。固形物の第2収穫の収量は0.43gで、約26%ゼアキサンチンの純度だった。第2濾液からヘプタンを蒸発させて、約968の測色値(American Spice Trade Association Method 20.1)を持つオレオレジンを得た。 <実施例14> (安定化オレオレジン) 実施例4で得たオレオレジンを、ゼアキサンチンの最終濃度が5%、添加したトコフェロール類の最終濃度が1%になるように、天然トコフェロール類および要すれば食用油と混合する。得られた液体を、ヒトまたは動物による摂取に適したゲルカプセルに封入する。 <実施例15> (安定化オレオレジン) 実施例4で得たオレオレジンを、ゼアキサンチンの最終濃度が5%、添加したトコフェロール類およびパルミチン酸アスコルビルの最終濃度が1%になるように、天然トコフェロール類、パルミチン酸アスコルビルおよび要すれば食用油と混合する。得られた液体を、ヒトまたは動物による摂取に適したゲルカプセルに封入する。 <実施例16> (安定化製剤) 実施例13で得たゼアキサンチン固形物を長鎖脂肪酸で再エステル化する。得られたゼアキサンチンエステルをアスコルビン酸、天然トコフェロール類、要すれば植物油および要すればローズマリー抽出物と共に製剤化して、5%ゼアキサンチン、5%アスコルビン酸、5%添加天然トコフェロール類および0〜5%ローズマリー抽出物を含有する完成品を得る。得られた液体を、ヒトまたは動物による摂取に適したゲルカプセルに封入する。 <実施例17> (安定化製剤) 実施例13で得たゼアキサンチン固形物を長鎖脂肪酸で再エステル化する。得られたゼアキサンチンエステルをパルミチン酸アスコルビル、天然トコフェロール類、要すれば植物油および要すればローズマリー抽出物と共に製剤化して、5%ゼアキサンチン、1〜5%パルミチン酸アスコルビル、5%添加天然トコフェロール類および0〜5%ローズマリー抽出物を含有する完成品を得る。得られた液体を、ヒトまたは動物による摂取に適したゲルカプセルに封入する。 <実施例18> (安定化製剤) 実施例13で得たゼアキサンチン固形物を食用油に分散させ、アスコルビン酸、天然トコフェロール類および要すればローズマリー抽出物と混合することにより、20%遊離(非エステル化)型ゼアキサンチン、5%アスコルビン酸、5%トコフェロールおよび0〜5%ローズマリー抽出物を含有する製品を得る。 <実施例19> (安定化製剤) 実施例13で得たゼアキサンチン固形物を食用油に分散させ、パルミチン酸アスコルビル、天然トコフェロール類および要すればローズマリー抽出物と混合することにより、20%遊離(非エステル化)型ゼアキサンチン、5%パルミチン酸アスコルビル、5%トコフェロールおよび0〜5%ローズマリー抽出物を含有する製品を得る。 <実施例20> (安定化製剤) 実施例13で得たゼアキサンチン固形物またはその固形物をさらに精製したものを食用油に分散させ、ルテイン、アスコルビン酸、天然トコフェロール類および要すればローズマリー抽出物と混合することにより、0〜20%ルテイン、1〜19%遊離(非エステル化)型ゼアキサンチン、1〜5%アスコルビン酸、5%トコフェロールおよび0〜5%ローズマリー抽出物を含有する製品を得る。 <実施例21> (安定化製剤) 実施例13で得たゼアキサンチン固形物またはその固形物をさらに精製したものを食用油に分散させ、ルテイン、パルミチン酸アスコルビル、天然トコフェロール類および要すればローズマリー抽出物と混合することにより、0〜20%ルテイン、1〜19%遊離(非エステル化)型ゼアキサンチン、1〜5%パルミチン酸アスコルビル、5%トコフェロールおよび0〜5%ローズマリー抽出物を含有する製品を得る。 <実施例22> (安定化製剤) 実施例4で得たオレオレジンを、ゼアキサンチンの最終濃度が2%、添加した天然トコフェロール類の最終濃度が1%になるように、天然トコフェロール類およびオリーブ抽出物と混合する。得られた液体を、ヒトまたは動物による摂取に適したゲルカプセルに封入する。 <実施例23> (種子を含む試料および種子を含まない試料に関する粉砕パプリカのASTA手順(ASTA法20.1を適応させたもの)) 本トウガラシ属品種の種子を含むまたは種子を含まない粉砕成熟乾燥実莢肉(1.0g)を電子はかり(top loading balance)で秤量し、125mlエルレンマイヤーフラスコに定量的に移した。アセトン50mlをフラスコに加えた。その混合物を1分間ホモジナイズした。その溶液をブフナー漏斗を通して100mlメスフラスコ中に直接、減圧濾過した。全ての色素をエルレンマイヤーフラスコおよびブフナー漏斗からアセトンで濯ぎ出し、それらを合わせて、総体積をアセトンで100mlにした。1ml試料を100mlメスフラスコから25mlメスフラスコにピペットで移し、アセトンで合計25mlにした。分光光度計(BeckmanモデルDU650)を400nmから550nmまでの波長スキャンに設定し、アセトンブランクを使ってゼロ合わせをした。25mlメスフラスコ中の溶液の一部をセルに移し、スキャンを400nmから550nmまで行った。460nmでの吸光度を決定した。次の等式によってASTAを計算した。 ASTA=E1%1CM×16.4ASTA値に基づくゼアキサンチンパーセント計算値は、次の式を使って計算した。 ゼアキサンチン%計算値=(E1%1CM(試料)/2340*)×総カロテノイド類に対するゼアキサンチン% *E1%1CM純粋ゼアキサンチン=2340 <実施例24> (遠心分離によるキサントフィル色素類の濃縮) 6.25%の総ゼアキサンチン(遊離ゼアキサンチンとして測定)を含有するオレオレジン量を、高速遠心分離器によって処理した。運転条件を変えて、数種類の濃縮物画分を作ったところ、そのうちの少なくとも一つは、12.55%の総ゼアキサンチン(遊離ゼアキサンチンとして測定)を含有した。この遠心分離によって得た上清は、抽出物全体に存在するレベルと比較して、クリプトキサンチンを濃縮された濃度で含んでいた。 <実施例25> (生産圃場のさらなるランダムサンプリング) ランダムな本発明トウガラシ属植物個体の試料を収穫した。莢を実験用脱水装置で脱水し、分析に付した。乾燥果肉中のゼアキサンチンの濃度を、実施例26および27に記載するHPLC法で測定した。非エステル化型で測定した、総カロテノイド類に対するゼアキサンチンのパーセンテージも、実施例28に記載のHPLC法で測定した。各試料の分析結果を以下に示す。各試料のASTA値も、実施例23に記載した方法によって測定し、測定されたASTA値から、対応するゼアキサンチン質量パーセントを算出した。ASTA値のゼアキサンチン質量パーセントへの変換は、実施例23に記載の手順で計算した。 <実施例26> (HPLC分析のための種子を含む粉砕トウガラシ属の鹸化手順) 本トウガラシ属品種の粉砕した成熟乾燥実莢肉(0.5g)を、化学天秤で1ミリグラムの10分の1の位まで秤量し、125mlエルレンマイヤーフラスコに定量的に移した。光への曝露を減らすために、そのフラスコを直ちにアルミニウム箔で覆った。ブチル化ヒドロキシトルエン(0.2g,Sigma Chemical Company)および炭酸ナトリウム粉末(Aldrich Chemical−A.C.S.試薬)1.5gを秤量し、エルレンマイヤーフラスコに加えた。メタノール(Fisher Scientific−HPLC等級)50.0mlおよび水酸化カリウム(VWR Intl.)8粒(約0.8g)をエルレンマイヤーフラスコに加えた。その溶液に撹拌子を入れ、エルレンマイヤーフラスコの上部にビグリュー蒸留塔を装着した。その溶液をホットプレート上に置き、撹拌しながら弱く加熱(約65℃)して1時間還流した。次に、その溶液をホットプレートから降ろして冷ました。その溶液を中和するために、合計1.2mlのリン酸(JT Baker−A.C.S.試薬)を加えた。その溶液を、Celite(R)(Eagle Picher Filtration and Minerals,ネバダ州リノ)が入っているブフナー漏斗を通して、200mlメスフラスコ中に直接、減圧濾過した。全ての色素をエルレンマイヤーフラスコおよびブフナー漏斗からメタノールで濯ぎ出し、それらを合わせて、総体積をメタノールで200mlにした。フラスコを数回上下反転させた後、その溶液を0.45ミクロンPTFE Acrodisc(R)(Gelman)フィルターを装着した3ccシリンジに注ぎ込み、HPLC分析用の褐色バイアルに注入した。 <実施例27> (種子を含むトウガラシ属莢中および種子を含まないトウガラシ属莢中のゼアキサンチン含量(重量%)のHPLCによる決定) 分析は、データステーションにインストールされたEmpower(ビルド1154、データベースバージョン5.00.00.00)ソフトウェアを使って、Waters 2695(米国マサチューセッツ州ミルフォード)分離システムで行った。クロマトグラフィー分離は、逆相カラム(Waters Symmetry(R)C18,粒径5μm,250mm×4.6mm)で行った。溶離液は、メタノール/水/アセトンの三元勾配で、1.0ml/分とした。溶離液の初期組成はメタノール−水−アセトン(0:25:75,v/v/v)とした。初期直線勾配を15分間適用して、組成をメタノール−水−アセトン(20:5:75,v/v/v)にした。この組成を15分保った後、もう一つの直線勾配を5分間適用して、組成をメタノール−水−アセトン(0:0:100,v/v/v)にし、5分間保った。もう一つの直線勾配を5分間適用して初期状態とし、次の注入まで15分間保った。化合物は、20.0μlの注入体積を使って、Waters 2996フォトダイオードアレイ検出器により、分光光度法で検出した(400nm〜600nmのマックスプロット)。購入した標準試料で作成した検量線を基準としてゼアキサンチン含量を測定した。Indofine Chemical Company, Inc.から入手したtrans−ゼアキサンチンを90%のアセトン/10%の6%氷酢酸を含有するアセトンに溶解した。この原液をアセトンで希釈し、Beckman Coulter DU640分光光度計により452nmで測定した。その吸光度を、2340というE1%と共に用いることにより、原液の濃度を計算した。次に原液をアセトンで希釈して、4.0μg/ml〜75.0μg/mlの濃度をカバーする5点外部検量線を線形フィットで作成した。9−cis−ゼアキサンチンは、応答係数を1:1と仮定して、trans−ゼアキサンチン検量線を使って定量した。ゼアキサンチン含量を全てのゼアキサンチン異性体の和として報告する。システムチェック用試料(DSMゼアキサンチン20%FS;製品コード:5002001;ロット:UE00303001)を、25.0μg/ml〜45.0μg/mlのレベルで、分析当日に測定した。チェック用試料が予想値の5%以内にない場合に限り、結果を補正した。 <実施例28> (種子を含むトウガラシ属莢および種子を含まないトウガラシ属莢に関するHPLCによる総カロテノイド類に対するゼアキサンチンのパーセンテージ(面積%)の決定) 分析は、データステーションにインストールされたEmpower(ビルド1154、データベースバージョン5.00.00.00)ソフトウェアを使って、Waters 2695(米国マサチューセッツ州ミルフォード)分離システムで行った。クロマトグラフィー分離は、逆相カラム(Waters Symmetry(R)C18,粒径5μm,250mm×4.6mm)で行った。溶離液は、メタノール/水/アセトンの三元勾配で、1.0ml/分とした。溶離液の初期組成はメタノール−水−アセトン(0:25:75,v/v/v)とした。初期直線勾配を15分間適用して、組成をメタノール−水−アセトン(20:5:75,v/v/v)にした。この組成を15分保った後、もう一つの直線勾配を5分間適用して、組成をメタノール−水−アセトン(0:0:100,v/v/v)にし、5分間保った。もう一つの直線勾配を5分間適用して初期状態とし、次の注入まで15分間保った。化合物は、20.0μlの注入体積を使って、Waters 2996フォトダイオードアレイ検出器により、分光光度法で検出した(400nm〜600nmのマックスプロット)。文献の保持時間およびPDAスペクトルを使って、ピークの一部(ビオロキサンチン、アンテラキサンチン、9−cis−ゼアキサンチン、クリプトカプシン、α−クリプトキサンチン、ζ−カロテン)を同定した。他の化合物を同定し、Carotenature(スイス・ルプジンゲン)から得た標品と比較した。それらを以下に列挙する:カプソルビン、カプサンチン、trans−ゼアキサンチン、ルテイン、β−クリプトキサンチン、α−カロテン、trans−β−カロテンおよびcis−β−カロテン。 <実施例29> (HPLC分析のための種子を含まない粉砕トウガラシ属の鹸化手順) 種子を含まない本トウガラシ属品種の成熟乾燥実莢肉(0.5g)を粉砕し、化学天秤で1ミリグラムの10分の1の位まで秤量し、125mlエルレンマイヤーフラスコに定量的に移した。光への曝露を減らすために、そのフラスコを直ちにアルミニウム箔で覆った。ブチル化ヒドロキシトルエン(0.2g,Sigma Chemical Company)および炭酸ナトリウム粉末(Aldrich Chemical−A.C.S.試薬)1.5gを秤量し、エルレンマイヤーフラスコに加えた。メタノール(Fisher Scientific−HPLC等級)50mlおよび水酸化カリウム(VWR Intl.)8粒(約0.8g)をエルレンマイヤーフラスコに加えた。その溶液に撹拌子を入れ、エルレンマイヤーフラスコの上部にビグリュー蒸留塔を装着した。その溶液をホットプレート上に置き、撹拌しながら弱く加熱(約65℃)して1時間還流した。次に、その溶液をホットプレートから降ろして冷ました。その溶液を中和するために、合計1.2mlのリン酸(JT Baker−A.C.S.試薬)を加えた。その溶液を、Celite(R)(Eagle Picher Filtration and Minerals,ネバダ州リノ)が入っているブフナー漏斗を通して、200mlメスフラスコ中に直接、減圧濾過した。全ての色素をエルレンマイヤーフラスコおよびブフナー漏斗からメタノールで濯ぎ出し、それらを合わせて、総体積をメタノールで200mlにした。フラスコを数回上下反転させた後、その溶液を0.45ミクロンPTFE Acrodisc(R)(Gelman)フィルターを装着した3ccシリンジに注ぎ込み、HPLC分析用の褐色バイアルに注入した。 <実施例30> (種子を含まないトウガラシ属の分析) ランダムな本発明トウガラシ属植物個体の試料を収穫した。莢から種子を取り除き、実験用脱水装置で脱水し、分析のために実施例29に沿って処理した。乾燥果肉中のゼアキサンチンの濃度を、実施例27に記載のHPLC法で測定した。非エステル化型で測定した、総カロテノイド類に対するゼアキサンチンのパーセンテージも、実施例28に記載のHPLC法で測定した。各試料の分析結果を以下に示す。 <実施例31> (色素のHPLC分離) 赤パプリカと本発明の橙パプリカは、どちらも、未同定の色素をいくつか含有し、それらのスペクトルは、橙パプリカと比較して赤パプリカで作動する代替生合成経路が存在することを示している。黄色種では色素の約40%以上までが、現在、HPLCによって同定されていない。このような著しい相違があるので、黄色タイプはこれ以上考慮しない。 赤色種および橙色種中の少量色素の多くは、α−およびβ−カロテンがそのジオール誘導体に変換される際の中間体である。例えばクリプトキサンチン類は、カプソルビンの前駆体ビオラキサンチンのように、非常に異なる濃度で存在する。これらの中間体は比較的少量に存在するので、以下の表3には含まれていない。総色素含量に対するそれらの相対量は、莢の実際の成熟度に多少のばらつきがあることを表すのかもしれない。その量はクラス間の弁別に影響を及ぼすには不十分であり、赤色果実株と橙色果実株の間の生化学的相違を表現しているのかもしれない。表3:橙色パプリカを赤色パプリカから識別するキー色素比 表3は、赤パプリカおよび橙パプリカの代表的タイプにおける色素レベルの重要な相違を示している。赤色果実株ではカプソルビンおよびカプサンチンが優勢であるのに対して、橙色果実株ではゼアキサンチンが優勢であり、赤色色素のレベルは赤色株におけるレベルの約半分以下である。橙色果実株に観察されるゼアキサンチンレベルは、相対的に、赤色果実株に観察されるレベルより約4〜5倍高い。橙色果実株に観察されるルテインレベルは、相対的に、赤色株の場合の約5〜6分の1である。橙色果実株に観察されるカプサンチン+カプソルビンの和は、相対的に、赤色種の場合の約7〜8分の1である。橙色果実株に観察されるルテイン対ゼアキサンチンの比は、相対的に、赤色種の約25分の1である。橙色果実株に観察されるα−カロテン対β−カロテンの比は、相対的に、赤色果実株より約2倍大きい。橙色果実株におけるカプサンチン対ゼアキサンチンの比は、相対的に、赤色果実株の場合の約42分の1である。この分析結果は、本明細書に記載する本橙パプリカ株と赤パプリカ株とでは、カロテノイド生合成経路に相違があることを裏付けている。 ASTAが色素のモル比または重量比の代用物として使用されることに注目すべきである。ASTAは波長460nmにおける抽出物溶液の吸光度を利用する。橙パプリカが454〜455nmにλmaxを持つのに対して、赤パプリカは460nm近くにλmaxを持つ。したがって、色素含量が等しい時のASTAは、橙パプリカの方が赤パプリカよりもいくらか低くなる。これは、遺伝子型を分けるという観点から見れば、問題にはならない。圃場サンプリングでは、単一の植物および同じ株の植物間に観察されるASTAに、常にばらつきがあるということにも注意すべきである。これは、成熟度、病害および他のストレス、ならびに圃場土壌の相違のばらつきによるものである。 表3は、赤色果実株と本発明の橙色果実株の間の明白な生化学的相違を実証することを目的として、ASTAおよびHPLC比の合理的な平均値を表している。同じ植物または異なる植物から得られる個々の莢は、異なる色素比およびASTAを持ちうる。これらの平均は、これらのパプリカから得られる正常な作物から合理的に予測されるものを示している。 本発明の橙パプリカは、遺伝子またはプロモーターの組換えによって色素含量を減少させることなくカロテノイド経路を改変した、注意深い雑種形成、優秀な植物の選抜によって開発された。橙色株のASTAは実用赤パプリカに匹敵するが、橙色株は、赤色種とは明白に異なる吸収スペクトルを持つ、ゼアキサンチンの多い新規な色素プロファイルを有する。したがって、トウガラシのパプリカ型栽培品種の株は、ゼアキサンチンの供給源として好ましいタイプのトウガラシ属である。ゼアキサンチンが総色素類の面積カウントの約50%より多く存在すれば、商業上魅力的である。面積カウント%が65%まで、さらに75%まで、さらには80%まで増えるに連れて、ゼアキサンチンのコストが下がる。これはゼアキサンチンに富むオレオレジンの好ましい供給源にもなる。 <参考文献> Abel, R.Jr.,2004「The Eye Care Revolution: Prevent and Reverse Common Vision Problems」Kensington Publishing Corp., ニューヨーク州ニューヨーク ISBN 0−7582−0622−4, p. 159. 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Ocular Pharm. and Therap., 15(6), pp. 557−565.本発明のトウガラシ属植物から得た鹸化粉砕乾燥成熟実莢肉のHPLCクロマトグラム(マックスプロット400nm〜600nm)(実施例8に記載したもの)。ピーク同定は次のとおりである:1=カプソルビン、3=カプサンチン、4=trans−ゼアキサンチン、5=ルテイン、6=アンテラキサンチン、7=9−cis−ゼアキサンチン、9=α−クリプトキサンチン、10=β−クリプトキサンチンおよび13=trans−β−カロテン。全てのゼアキサンチン異性体について面積カウントを合計し、その数値を、全てのカロテノイドピークの総面積カウントで割ることによって、総カロテノイド類に対するゼアキサンチンの比率を計算した。本トウガラシ属品種から得た鹸化オレオレジンのHPLCクロマトグラム(マックスプロット400nm〜600nm)(実施例8に記載したもの)。ピーク同定は次のとおりである:1=カプソルビン、2=ビオロキサンチン、3=カプサンチン、4=trans−ゼアキサンチン、5=ルテイン、6=アンテラキサンチン、7=9−cis−ゼアキサンチン、8=クリプトカプシン、9=α−クリプトキサンチン、10=β−クリプトキサンチン、11=ζ−カロテン、12=α−カロテン、13=trans−β−カロテンおよび14=cis−β−カロテン。全てのゼアキサンチン異性体について面積カウントを合計し、その数値を、全てのカロテノイドピークの総面積カウントで割ることによって、総カロテノイド類に対するゼアキサンチンの比率を計算した。実施例12のようにα−ターチエニルのレベルを決定するためのクロマトグラフィプロファイル。マリーゴールドオレオレジンの市販試料中のα−ターチエニルのレベルを、本発明のトウガラシ属オレオレジン中のα−ターチエニルレベルと比較する。 実莢を実らせ、かつ乾燥成熟実莢肉中にカロテノイド色素の過剰蓄積を示す、トウガラシ属(Capsicum)の植物またはその再生可能部分であって、非エステル型で測定した場合にゼアキサンチンが主要カロテノイドである、植物またはその再生可能部分。 トウガラシ種(annuum)の一構成要素である、請求項1記載の植物またはその再生可能部分。 パプリカ品種である、請求項2記載の植物またはその再生可能部分。 ゼアキサンチンの質量が、非エステル化型で測定した場合に、総乾燥成熟実莢肉の0.4%より大きい、請求項1記載の植物またはその再生可能部分。 乾燥成熟実莢肉中の総カロテノイド類に対するゼアキサンチンのパーセンテージが50%より大きい、請求項1記載の植物またはその再生可能部分。 ゼアキサンチンの質量が総乾燥成熟実莢肉の0.4%より大きい、請求項5記載の植物またはその再生可能部分。 実莢を実らせ、かつ乾燥成熟実莢肉中にゼアキサンチンを示す、トウガラシ属の植物またはその再生可能部分であって、ゼアキサンチンの質量が、非エステル化型で測定した場合に、総乾燥成熟実莢肉の0.6%より大きい、トウガラシ属の植物またはその再生可能部分。 ゼアキサンチンの質量が総乾燥成熟実莢肉の0.7%より大きい、請求項7記載の植物またはその再生可能部分。 ゼアキサンチンの質量が総乾燥成熟実莢肉の0.8%より大きい、請求項7記載の植物またはその再生可能部分。 ゼアキサンチンの質量が総乾燥成熟実莢肉の0.9%より大きい、請求項7記載の植物またはその再生可能部分。 乾燥成熟実莢肉において175より大きいASTA値を示す、請求項3記載の植物またはその再生可能部分であって、ゼアキサンチンが、総色素類のHPLC面積カウントの約50%より高いレベルで存在する、植物またはその再生可能部分。 乾燥成熟実莢肉において200より大きいASTA値を示す、請求項11記載の植物またはその再生可能部分。 乾燥成熟実莢肉において225より大きいASTA値を示す、請求項11記載の植物またはその再生可能部分。 乾燥成熟実莢肉において275より大きいASTA値を示す、請求項11記載の植物またはその再生可能部分。 ゼアキサンチンの質量が総乾燥成熟実莢肉の0.4%より大きい、請求項11記載の植物またはその再生可能部分。 総色素類のHPLC面積カウントの約10%より少ないカプサンチンおよびカプソルビンの含量を特徴とする、請求項11記載の植物またはその再生可能部分。 総色素類のHPLC面積カウントの約7%より少ないカプサンチンおよびカプソルビンの含量を特徴とする、請求項16記載の植物またはその再生可能部分。 総色素類のHPLC面積カウントの約60%より多いゼアキサンチン含量を特徴とする、請求項11記載の植物またはその再生可能部分。 総色素類のHPLC面積カウントの約70%より多いゼアキサンチン含量を特徴とする、請求項18記載の植物またはその再生可能部分。 請求項11記載の植物またはその再生可能部分から得られるオレオレジン組成物。 再生可能部分が、胚、分裂組織、花粉、葉、葯、胚珠、根、根端、実莢、種子、花弁、花、繊維、さや(bolls)、およびプロトプラストまたはそこから得られるカルスからなる群より選択される、請求項1記載の植物またはその再生可能部分。 請求項1記載の植物またはその再生可能部分の細胞培養物または組織培養物。 請求項1記載の再生可能部分の接木植物または子孫。 適切な環境に植えて成熟するまで栽培した場合に請求項1記載のトウガラシ属の植物をもたらす種子。 一方の祖先が請求項1記載のトウガラシ属品種である、雑種トウガラシ属植物。 請求項1記載の植物またはその再生可能部分のゲノム。 請求項1記載のトウガラシ属植物またはその再生可能部分から得られるゼアキサンチンを含む植物抽出物組成物。 請求項2記載のトウガラシ属植物またはその再生可能部分から得られるゼアキサンチンを含む植物抽出物組成物。 請求項3記載のトウガラシ属植物またはその再生可能部分から得られるゼアキサンチンを含む植物抽出物組成物。 リップスティック、ローション、セッケン、ファンデーション、マスカラ、アイシャドー、ボディースクラブ、日焼けローション、マッド、パック、マスク、シャンプー、コンディショナーおよび練り歯磨きから選択される化粧品および洗浄調合物中の成分である、請求項27記載の植物抽出物組成物。 動物用飼料補助剤中の成分である、請求項27記載の植物抽出物組成物。 食品および飲料中の成分である、請求項27記載の植物抽出物組成物。 食品、飲料、および動物用飼料中の着色剤である、請求項27記載の植物抽出物組成物。 ゼアキサンチンが、モノエステル、ジエステル、遊離アルコール型、またはそれらの組み合わせの形態をとっている、請求項27記載の植物抽出物組成物。 ゼアキサンチンが全trans幾何異性体もしくはcis幾何異性体またはそれらの組み合わせである、請求項27記載の植物抽出物組成物。 固形または半固形である、請求項27記載の植物抽出物組成物。 形態が粉末、ビーズレット、水分散性粉末、結晶、無定形固体、および封入固体から選択される、請求項27記載の植物抽出物組成物。 乳液状である、請求項27記載の植物抽出物組成物。 カプセル剤、錠剤、ビーズレット、タイトレーションパック、散剤、滴剤、口中錠、噴霧剤、シロップ剤、速溶性ストリップおよび徐放性カプセル剤から選択される摂取可能な形態をした、請求項27記載の植物抽出物組成物。 皮膚貼付剤、注射用液剤、滴剤、坐剤、局所外用ローション剤、クリーム剤、および噴霧剤から選択される摂取可能でない形態をした、請求項27記載の植物抽出物組成物。 シソ科(Labiatae)香草(ローズマリー、セージ、オレガノ、ペパーミント、バジル、スペアミント、サマーセイバリーを含む)の抽出物、オリーブ抽出物、コーヒー抽出物、柑橘抽出物、茶抽出物、茶カテキン類、カテキン、エピカテキン、没食子酸エピカテキン、没食子酸エピガロカテキン、没食子酸、トコフェロール類、トコトリエノール類、アスコルビン酸およびアスコルベート類(パルミチン酸アスコルビルを含む)、エリトルビン酸およびエリトルベート類、グルタチオン、カルノシン酸、カルノソール、ロスマノール、ロズマリン酸、サルビアフラシド(salviaflaside)、フラボノイド類もしくはフラボノイドグルクロニド類(ケルセチン(quercitin)、ルテオリン、アピゲニン、もしくはケルセチン、ルテオリンおよびアピゲニンのグルクロニドなどを含む)、クルクミン、テトラヒドロクルクミン、ヒドロキシチロソール、オリューロペイン、BHT、BHA、ヒドロキシルアミン類、没食子酸プロピル、エトキシキン、トロロックス(Trolox)もしくはTBHQ、またはそれらの混合物をさらに含む、請求項27記載の植物抽出物組成物。 ベニノキ(Bixa orellana)、ウコン(Curcuma longa)、ニンジン(Daucus carota sativa)、トウガラシ(Capsicum annuum:本発明の品種ではないもの)、ドナリエナサリナ(Dunaliella salina)、ヘマタコッカスプルバルス(Haematacoccus pluvalus)の抽出物、β−カロテン、β−アポ−8−カロテナール、β−アポ−8−カロテン酸のエチルエステル、合成着色剤(FD&C着色剤)、および/またはそれらの混合物をさらに含む、請求項27記載の植物抽出物組成物。 ヒトおよび動物の眼の健康のためおよび/または白内障、加齢性黄斑変性症、色素性網膜炎、アッシャー症候群、シュタルガルト病、ベスト病、進行性錐体ジストロフィーおよび網膜劣化(retinal degradation)を含む眼疾患を発症するリスクを低下させるために摂取される、請求項27記載の植物抽出物組成物。 癌関連疾患、心血管疾患、炎症性障害および神経系疾患を含むヒトまたは動物の疾患を処置または予防するために摂取される、請求項27記載の植物抽出物組成物。 癌関連疾患が乳癌、胃癌および黒色腫から選択される、請求項27記載の植物抽出物組成物。 炎症性障害が多発性関節炎および慢性関節リウマチから選択される、請求項27記載の植物抽出物組成物。 請求項1記載の植物またはその再生可能部分から得られるオレオレジン組成物。 ゼアキサンチン、クリプトキサンチン、ルテイン、および他のカロテノイド類を含む、請求項47記載のオレオレジン組成物。 ターチオフェン類を実質的に含まない、請求項47記載のオレオレジン組成物。 スパイス抽出物に関する21 CFR §73規則の要件を満たす、請求項47記載のオレオレジン組成物。 請求項1記載の植物から得られる搾り滓(presscake)。 全形または破砕形である、請求項1記載の植物の新鮮または乾燥果実。 請求項1記載の植物から得られる鹸化産物。 天然香料および合成香料を含む、請求項1記載の植物から得られる調味および着香組成物。 動物用およびヒト用食品のための、請求項1記載の植物から得られる着色、着香および/または保存加工組成物。 加齢性黄斑変性症、網膜変性症、白内障、心血管疾患および癌を含む変性疾患またはフリーラジカル介在性疾患を予防する方法であって、ヒトを含む生きた動物体に、請求項1記載の植物またはその再生可能部分から得られるゼアキサンチンを、前記疾患の予防にとって栄養的に有効な量で投与するステップを含む方法。 加齢性黄斑変性症、網膜変性症、白内障、心血管疾患および癌を含む変性疾患またはフリーラジカル介在性疾患を処置する方法であって、ヒトを含む生きた動物体に、請求項1記載の植物またはその再生可能部分から得られるゼアキサンチンを、前記疾患を患う対象に治療上の利益を与えるのに有効な量で投与するステップを含む方法。 白内障、網膜変性症、加齢性黄斑変性症、シュタルガルト病、ベスト病、進行性錐体ジストロフィー、色素性網膜炎、コロイデレミア、アッシャー症候群および糖尿病性網膜症から選択される眼の障害を発症するリスクを低下させる方法であって、ヒトを含む生きた動物体に、請求項1記載の植物から得られるゼアキサンチンを投与するステップを含む方法。 癌関連疾患、心血管疾患、炎症性障害、神経系疾患から選択されるフリーラジカル介在性疾患を発症するリスクを低下させる方法であって、ヒトを含む生きた動物体に、請求項1記載の植物から得られるゼアキサンチンを投与するステップを含む方法。 癌関連疾患が乳癌、胃癌および黒色腫から選択される、請求項59記載の方法。 炎症性障害が多発性関節炎および慢性関節リウマチから選択される、請求項59記載の方法。 動物用およびヒト用食品を着色、着香、および/または保存加工するための方法であって、前記動物用およびヒト用食品に、請求項1記載の植物またはその再生可能部分から得られる抽出物組成物を組み入れるステップを含む方法。 動物用およびヒト用食品を着色、着香、および/または保存加工するための方法であって、前記動物用およびヒト用食品に、請求項1記載の植物またはその再生可能部分から得られるゼアキサンチンを組み入れるステップを含む方法。 高純度の非エステル化ゼアキサンチンを取得する方法であって、(a)請求項1記載の植物またはその再生可能部分から得た粉砕成熟実莢を、その実莢からゼアキサンチンを抽出するのに十分な時間、溶剤と接触させること、(b)溶剤およびそこに溶解している抽出物を、残りの植物材料から分離すること、(c)抽出物を脱溶剤化してゼアキサンチンオレオレジンを得ること、(d)pHを下げるために、ゼアキサンチン抽出物をブチル化ヒドロキシトルエン、炭酸ナトリウムおよび水酸化カリウムと共に暗所で還流すること、および(e)溶液を中和して純粋な非エステル化ゼアキサンチンの溶液を生じさせることを含む方法。 本発明は、商業的に栽培されるトウガラシ属(Capsicum)栽培品種から植物育種技法によって開発された、乾燥成熟実莢肉中に重量で約(0.4%)より多いゼアキサンチンを産生するトウガラシ属植物に関する。ゼアキサンチンは、非エステル化型で測定した場合、乾燥成熟実莢肉中の主要カロテノイドである。あるいは、これらの植物を、ASTA値として測定される高度の色素形成を示すと特徴づけることもでき、さらにゼアキサンチンの優勢な存在によって特徴づけることもできる。これらのトウガラシ属植物から得られるゼアキサンチンは、栄養補助剤、食品、機能性食品、化粧品、動物用飼料、水産養殖用飼料、および医薬品を含む用途に使用することができる。 20071002A16333全文3 実莢を実らせ、かつ乾燥成熟実莢肉中にカロテノイド色素の過剰蓄積を示す、トウガラシ属(Capsicum)の植物またはその再生可能部分であって、非エステル型で測定した場合にゼアキサンチンが乾燥成熟実莢肉中に0.4%より大きい量で存在し、そして非エステル型で測定した場合にゼアキサンチンが主要カロテノイドである、植物またはその再生可能部分。 トウガラシ種(annuum)の一構成要素である、請求項1記載の植物またはその再生可能部分。 パプリカ植物である、請求項2記載の植物またはその再生可能部分。 乾燥成熟実莢肉中の総カロテノイド類に対するゼアキサンチンのパーセンテージが50%より大きい、請求項1記載の植物またはその再生可能部分。 ゼアキサンチンの質量が総乾燥成熟実莢肉の0.4%より大きい、請求項4記載の植物またはその再生可能部分。 実莢を実らせ、かつ乾燥成熟実莢肉中にゼアキサンチンを示す、トウガラシ属の植物またはその再生可能部分であって、ゼアキサンチンの質量が、非エステル化型で測定した場合に、総乾燥成熟実莢肉の0.6%より大きい、トウガラシ属の植物またはその再生可能部分。 ゼアキサンチンの質量が総乾燥成熟実莢肉の0.7%より大きい、請求項6記載の植物またはその再生可能部分。 ゼアキサンチンの質量が総乾燥成熟実莢肉の0.8%より大きい、請求項7記載の植物またはその再生可能部分。 ゼアキサンチンの質量が総乾燥成熟実莢肉の0.9%より大きい、請求項6記載の植物またはその再生可能部分。 乾燥成熟実莢肉において175より大きいASTA値を示す、請求項3記載の植物またはその再生可能部分であって、ゼアキサンチンが、総色素類のHPLC面積カウントの約50%より高いレベルで存在する、植物またはその再生可能部分。 乾燥成熟実莢肉において200より大きいASTA値を示す、請求項10記載の植物またはその再生可能部分。 乾燥成熟実莢肉において225より大きいASTA値を示す、請求項10記載の植物またはその再生可能部分。 乾燥成熟実莢肉において275より大きいASTA値を示す、請求項10記載の植物またはその再生可能部分。 ゼアキサンチンの質量が総乾燥成熟実莢肉の0.4%より大きい、請求項10記載の植物またはその再生可能部分。 総色素類のHPLC面積カウントの約10%より少ないカプサンチンおよびカプソルビンの含量を特徴とする、請求項10記載の植物またはその再生可能部分。 総色素類のHPLC面積カウントの約7%より少ないカプサンチンおよびカプソルビンの含量を特徴とする、請求項15記載の植物またはその再生可能部分。 総色素類のHPLC面積カウントの約60%より多いゼアキサンチン含量を特徴とする、請求項10記載の植物またはその再生可能部分。 総色素類のHPLC面積カウントの約70%より多いゼアキサンチン含量を特徴とする、請求項17記載の植物またはその再生可能部分。 請求項10記載の植物またはその再生可能部分から得られるオレオレジン組成物。 再生可能部分が、胚、分裂組織、花粉、葉、葯、胚珠、根、根端、実莢、種子、花弁、花、繊維、さや(bolls)、およびプロトプラストまたはそこから得られるカルスからなる群より選択される、請求項1記載の植物またはその再生可能部分。 請求項1記載の植物またはその再生可能部分の細胞培養物または組織培養物。 請求項1記載の再生可能部分の接木植物または子孫。 適切な環境に植えて成熟するまで栽培した場合に請求項1記載のトウガラシ属の植物をもたらす種子。 一方の祖先が請求項1記載のトウガラシ属植物である、雑種トウガラシ属植物。 請求項1記載の植物またはその再生可能部分のゲノム。 請求項1記載のトウガラシ属植物またはその再生可能部分から得られるゼアキサンチンを含む植物抽出物組成物。 請求項2記載のトウガラシ属植物またはその再生可能部分から得られるゼアキサンチンを含む植物抽出物組成物。 請求項3記載のトウガラシ属植物またはその再生可能部分から得られるゼアキサンチンを含む植物抽出物組成物。 リップスティック、ローション、セッケン、ファンデーション、マスカラ、アイシャドー、ボディースクラブ、日焼けローション、マッド、パック、マスク、シャンプー、コンディショナーおよび練り歯磨きから選択される化粧品および洗浄調合物中の成分である、請求項26記載の植物抽出物組成物。 動物用飼料補助剤中の成分である、請求項26記載の植物抽出物組成物。 食品および飲料中の成分である、請求項26記載の植物抽出物組成物。 食品、飲料、および動物用飼料中の着色剤である、請求項26記載の植物抽出物組成物。 ゼアキサンチンが、モノエステル、ジエステル、遊離アルコール型、またはそれらの組み合わせの形態をとっている、請求項26記載の植物抽出物組成物。 ゼアキサンチンが全trans幾何異性体もしくはcis幾何異性体またはそれらの組み合わせである、請求項26記載の植物抽出物組成物。 固形または半固形である、請求項26記載の植物抽出物組成物。 形態が粉末、ビーズレット、水分散性粉末、結晶、無定形固体、および封入固体から選択される、請求項26記載の植物抽出物組成物。 乳液状である、請求項26記載の植物抽出物組成物。 カプセル剤、錠剤、ビーズレット、タイトレーションパック、散剤、滴剤、口中錠、噴霧剤、シロップ剤、速溶性ストリップおよび徐放性カプセル剤から選択される摂取可能な形態をした、請求項26記載の植物抽出物組成物。 皮膚貼付剤、注射用液剤、滴剤、坐剤、局所外用ローション剤、クリーム剤、および噴霧剤から選択される摂取可能でない形態をした、請求項26記載の植物抽出物組成物。 シソ科(Labiatae)香草(ローズマリー、セージ、オレガノ、ペパーミント、バジル、スペアミント、サマーセイバリーを含む)の抽出物、オリーブ抽出物、コーヒー抽出物、柑橘抽出物、茶抽出物、茶カテキン類、カテキン、エピカテキン、没食子酸エピカテキン、没食子酸エピガロカテキン、没食子酸、トコフェロール類、トコトリエノール類、アスコルビン酸およびアスコルベート類(パルミチン酸アスコルビルを含む)、エリトルビン酸およびエリトルベート類、グルタチオン、カルノシン酸、カルノソール、ロスマノール、ロズマリン酸、サルビアフラシド(salviaflaside)、フラボノイド類もしくはフラボノイドグルクロニド類(ケルセチン(quercitin)、ルテオリン、アピゲニン、もしくはケルセチン、ルテオリンおよびアピゲニンのグルクロニドなどを含む)、クルクミン、テトラヒドロクルクミン、ヒドロキシチロソール、オリューロペイン、BHT、BHA、ヒドロキシルアミン類、没食子酸プロピル、エトキシキン、トロロックス(Trolox)もしくはTBHQ、またはそれらの混合物をさらに含む、請求項26記載の植物抽出物組成物。 ベニノキ(Bixa orellana)、ウコン(Curcuma longa)、ニンジン(Daucus carota sativa)、トウガラシ(Capsicum annuum:本発明の品種ではないもの)、ドナリエナサリナ(Dunaliella salina)、ヘマタコッカスプルバルス(Haematacoccus pluvalus)の抽出物、β−カロテン、β−アポ−8−カロテナール、β−アポ−8−カロテン酸のエチルエステル、合成着色剤(FD&C着色剤)、および/またはそれらの混合物をさらに含む、請求項26記載の植物抽出物組成物。 ヒトおよび動物の眼の健康のためおよび/または白内障、加齢性黄斑変性症、色素性網膜炎、アッシャー症候群、シュタルガルト病、ベスト病、進行性錐体ジストロフィーおよび網膜劣化(retinal degradation)を含む眼疾患を発症するリスクを低下させるために摂取される、請求項26記載の植物抽出物組成物。 癌関連疾患、心血管疾患、炎症性障害および神経系疾患を含むヒトまたは動物の疾患を処置または予防するために摂取される、請求項26記載の植物抽出物組成物。 癌関連疾患が乳癌、胃癌および黒色腫から選択される、請求項26記載の植物抽出物組成物。 炎症性障害が多発性関節炎および慢性関節リウマチから選択される、請求項26記載の植物抽出物組成物。 請求項1記載の植物またはその再生可能部分から得られるオレオレジン組成物。 ゼアキサンチン、クリプトキサンチン、ルテイン、および他のカロテノイド類を含む、請求項46記載のオレオレジン組成物。 ターチオフェン類を実質的に含まない、請求項46記載のオレオレジン組成物。 スパイス抽出物に関する21 CFR §73規則の要件を満たす、請求項46記載のオレオレジン組成物。 請求項1記載の植物から得られる搾り滓(presscake)。 全形または破砕形である、請求項1記載の植物の新鮮または乾燥果実。 請求項1記載の植物から得られる鹸化産物。 天然香料および合成香料を含む、請求項1記載の植物から得られる調味および着香組成物。 動物用およびヒト用食品のための、請求項1記載の植物から得られる着色、着香および/または保存加工組成物。 加齢性黄斑変性症、網膜変性症、白内障、心血管疾患および癌を含む変性疾患またはフリーラジカル介在性疾患を予防する方法であって、ヒトを含む生きた動物体に、請求項1記載の植物またはその再生可能部分から得られるゼアキサンチンを、前記疾患の予防にとって栄養的に有効な量で投与するステップを含む方法。 加齢性黄斑変性症、網膜変性症、白内障、心血管疾患および癌を含む変性疾患またはフリーラジカル介在性疾患を処置する方法であって、ヒトを含む生きた動物体に、請求項1記載の植物またはその再生可能部分から得られるゼアキサンチンを、前記疾患を患う対象に治療上の利益を与えるのに有効な量で投与するステップを含む方法。 白内障、網膜変性症、加齢性黄斑変性症、シュタルガルト病、ベスト病、進行性錐体ジストロフィー、色素性網膜炎、コロイデレミア、アッシャー症候群および糖尿病性網膜症から選択される眼の障害を発症するリスクを低下させる方法であって、ヒトを含む生きた動物体に、請求項1記載の植物から得られるゼアキサンチンを投与するステップを含む方法。 癌関連疾患、心血管疾患、炎症性障害、神経系疾患から選択されるフリーラジカル介在性疾患を発症するリスクを低下させる方法であって、ヒトを含む生きた動物体に、請求項1記載の植物から得られるゼアキサンチンを投与するステップを含む方法。 癌関連疾患が乳癌、胃癌および黒色腫から選択される、請求項58記載の方法。 炎症性障害が多発性関節炎および慢性関節リウマチから選択される、請求項58記載の方法。 動物用およびヒト用食品を着色、着香、および/または保存加工するための方法であって、前記動物用およびヒト用食品に、請求項1記載の植物またはその再生可能部分から得られる抽出物組成物を組み入れるステップを含む方法。 動物用およびヒト用食品を着色、着香、および/または保存加工するための方法であって、前記動物用およびヒト用食品に、請求項1記載の植物またはその再生可能部分から得られるゼアキサンチンを組み入れるステップを含む方法。 高純度の非エステル化ゼアキサンチンを取得する方法であって、(a)請求項1記載の植物またはその再生可能部分から得た粉砕成熟実莢を、その実莢からゼアキサンチンを抽出するのに十分な時間、溶剤と接触させること、(b)溶剤およびそこに溶解している抽出物を、残りの植物材料から分離すること、(c)抽出物を脱溶剤化してゼアキサンチンオレオレジンを得ること、(d)pHを下げるために、ゼアキサンチン抽出物をブチル化ヒドロキシトルエン、炭酸ナトリウムおよび水酸化カリウムと共に暗所で還流すること、および(e)溶液を中和して純粋な非エステル化ゼアキサンチンの溶液を生じさせることを含む方法。 請求項1記載の植物に由来する汁製品。 請求項1記載の植物に由来する食品。A16330図面の簡単な説明3【図面の簡単な説明】 【0230】 【図1】本トウガラシ属品種から得た鹸化オレオレジンのHPLCクロマトグラム(マックスプロット400nm〜600nm)(実施例8に記載したもの)。ピーク同定は次のとおりである:1=カプソルビン、2=ビオロキサンチン、3=カプサンチン、4=trans−ゼアキサンチン、5=ルテイン、6=アンテラキサンチン、7=9−cis−ゼアキサンチン、8=クリプトカプシン、9=α−クリプトキサンチン、10=β−クリプトキサンチン、11=ζ−カロテン、12=α−カロテン、13=trans−β−カロテンおよび14=cis−β−カロテン。全てのゼアキサンチン異性体について面積カウントを合計し、その数値を、全てのカロテノイドピークの総面積カウントで割ることによって、総カロテノイド類に対するゼアキサンチンの比率を計算した。 【図2】本発明のトウガラシ属植物から得た鹸化粉砕乾燥成熟実莢肉のHPLCクロマトグラム(マックスプロット400nm〜600nm)(実施例8に記載したもの)。ピーク同定は次のとおりである:1=カプソルビン、3=カプサンチン、4=trans−ゼアキサンチン、5=ルテイン、6=アンテラキサンチン、7=9−cis−ゼアキサンチン、9=α−クリプトキサンチン、10=β−クリプトキサンチンおよび13=trans−β−カロテンおよび14=cis−β−カロテン。全てのゼアキサンチン異性体について面積カウントを合計し、その数値を、全てのカロテノイドピークの総面積カウントで割ることによって、総カロテノイド類に対するゼアキサンチンの比率を計算した。 【図3】実施例12のようにα−ターチエニルのレベルを決定するためのクロマトグラフィプロファイル。マリーゴールドオレオレジンの市販試料中のα−ターチエニルのレベルを、本発明のトウガラシ属オレオレジン中のα−ターチエニルレベルと比較する。


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