生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_非特異的タンパク質結合のためのクマリンべースのシアニン色素
出願番号:2007552125
年次:2011
IPC分類:G01N 21/78


特許情報キャッシュ

ベーケルマン,トーマス アール. JP 4824704 特許公報(B2) 20110916 2007552125 20051208 非特異的タンパク質結合のためのクマリンべースのシアニン色素 バイオ−ラッド ラボラトリーズ,インコーポレイティド 591099809 青木 篤 100099759 石田 敬 100077517 福本 積 100087871 古賀 哲次 100087413 越阪部 倫子 100127085 ベーケルマン,トーマス アール. US 11/044,798 20050126 20111130 G01N 21/78 20060101AFI20111110BHJP JPG01N21/78 C G01N 21/75-21/83 G01N 33/48-33/98 CA/REGISTRY(STN) 米国特許出願公開第2004/0260093(US,A1) 特許第2980681(JP,B2) 特表2003−534435(JP,A) 10 US2005044378 20051208 WO2006080986 20060803 2008528965 20080731 14 20080117 廣田 健介 懸濁媒若しくはマトリックス中に懸濁されているか、又は溶液中に溶解されているタンパク質を可視化する、或いはタンパク質を光学的に検出可能とする必要性は、一般に、広範囲の分析的、分離的及び診断的手順にとって重要である。電気泳動による分離は、タンパク質の検出に依存する手順の優れた例であり、その多様な形態における電気泳動は、研究室及びクリニックにおいて、並びに水及び他の環境媒体及び生物学的サンプルの現場での分析において広い用途を見出す。タンパク質を光学的に検出可能とするさまざまな方法の中で、蛍光マーカーの結合が特に有用である。なぜなら、これらのマーカーが発生させるシグナルは、容易に定量可能であり、自動化された検出機器による読み取り、分析そして記録が可能だからである。蛍光シグナルはまた、使用者及びそれらが発生させられる装置が発光シグナルのタイミング及び強度を制御することも可能とする。 典型的な生物学的サンプル中では、タンパク質は、核酸、多糖、脂質及び他の小分子などのさまざまな非タンパク質種を伴う。懸濁媒中に存在するかもしれないさらなる非タンパク質成分は、界面活性剤、粘度調節剤、緩衝剤、両性担体、還元剤、及び未反応のモノマーである。バックグラウンドシグナルを比較的含まない、徹底的かつ信頼性のあるやり方でタンパク質に蛍光標識を適用する最も有効な手段は、蛍光色素の非タンパク質成分への結合を防ぎながらの該色素のタンパク質への結合である。蛍光色素をタンパク質に限定するために、1999年5月4日に付与された米国特許第5,900,376号中にDasらにより記載された方法などを用いて、色素の適用の前に非タンパク質妨害物質が分離されることができる。あいにく、この種の方法は、時間がかかり、労働集約的または不完全である。色素はまた、タンパク質に共有結合されることもできるが、共有結合自体は、反応性の問題及び反応が完結したことを確認する必要性に加えて、媒体中の他の物質との競合反応に比べた選択性の問題がある。 検出を目的として、ポリアクリルアミドゲルなどのマトリックス中でタンパク質が相互に分離される分析方法においては、一旦分離されたタンパク質は、タンパク質に選択的に結合するかまたはタンパク質との結合により蛍光を発するか可視的になる色素の溶液を適用することによって、典型的には可視化され、そして定量される。これを効果的に行うためには、一般に、色素が適用される前に界面活性剤、緩衝剤及び両性担体などの妨害物質を除去するためにマトリックスを大規模に洗浄することを必要とする。色素の適用後には、未反応または未結合の色素を除去するためにさらなる洗浄が必要とされる。 発明の要約 一定のクマリンベースのシアニン色素が、非共有結合かつ非特異的な様式でタンパク質と結合し、そして低pHに維持された媒体中で使用される場合、結合状態にあるとき、それらの非結合形態に比べて測定可能な蛍光の増加を示すことが発見された。この蛍光の増加は、色素を選択マーカーのように振る舞わせ、そしてタンパク質の検出及び定量において、タンパク質が溶解または懸濁されている媒体の他の成分を除去する必要性がわずかであるかまたはなく、そして色素とタンパク質間の共有結合を必要としないで、それらが効果的に使用されることを可能とする。本明細書に記載の色素は、色素の適用前に大規模に洗浄することなく、そして適用後に未結合の色素を洗い流す必要のない、ポリアクリルアミドゲルなどのマトリックス中のタンパク質の検出及び定量を可能とする。 発明の詳細な説明及び好ましい実施態様 本発明の対象であるクマリンベースのシアニン色素は以下の式:を有するものである。 この式中の記号は以下のように定義される: R1、R3、R4及びR5は、それぞれ、H、OH、SO3‐、C1-C10アルキル、C1-C10アルコキシ、ハロゲンで置換されたC1-C10アルキル、またはハロゲンで置換されたC1-C10アルコキシのいずれかである。これらの4つの基は、すべて同じであるかまたは1つ以上が他と異なる組み合わせである。1つ以上が他と異なる構造に加えて、その中の特別な記号群のすべての記号が同じである構造を含めることは、添付された請求項中で「独立して」という用語及び「から成る群から独立して選ばれる」という句によって表される。この意味は、この用語及び句が登場するすべての文脈においてに当てはまる。 R2は、OH、OR21及びNR22R23のいずれかであり、ここで、R21、R22及びR23はすべて同じ、1つが他の2つと異なる、或いは2つが3つ目のものと異なり、そしてそれぞれがH、C1-C10アルキル、フェニル、並びにC1-C10アルキル及びフェニルの置換された形態のいずれかであり、ここで、上記置換基はハロゲン、SO3‐またはハロゲンとSO3‐の組み合わせである。R22及びR23は、R2がN-含有複素環となるように、一緒になって単一のC4-C8アルキル基であることもできる。添付された請求項において、「から成る群から独立して選ばれるメンバー」という句は、置換基を説明する場合、かかる置換基群のうちの1つ以上が存在すること、そして2つ以上が存在する場合には該置換基は同じまたは組み合わせであってその中の2つ以上がお互いに異なる組み合わせであることを意味する。 同様に、R6及びR7は、同じであるかまたは異なり、それぞれがH、C1-C10アルキルまたは置換された形態のC1-C10であり、ここで、該置換基はハロゲン、SO3‐、またはハロゲンとSO3‐の組み合わせである。本発明の範囲内のさらなる構造においては、R6及びR7は、単一の、飽和又は不飽和のアルキレン基として一緒になって、それらが結合する炭素原子を架橋して、4、5、6、7又は8個の炭素原子の環状構造を形成する。 指数nは、0、1、2、3または4のいずれかである。 記号Qは、以下の式:のいずれか1つである4級アミン複素環である。 式II、III及びIVにおいては、アスタリスク(*)は、記号Qが式I中の残りの構造に結合する、これらの基の結合部位を意味する。式IIにおいては、さらに、記号R8は、O、S、Se、NR81、またはCR82R83のいずれかである二価ラジカルを表し、ここで、R81、R82及びR83のいずれも、他と同じであるかまたは異なり、それぞれはH、C1-C12アルキル、カルボニル(−C(=O)−)、イミノ(−NH−)またはその両方によって中断されたC1-C12アルキル、SO3‐で置換されたC1-C12アルキル、或いはSO3‐で置換され、かつカルボニル、イミノまたはその両方で中断されたC1-C12アルキルである。 式II、III及びIVにおいては、記号R9、R10、R11及びR12で表される基は、上記の定義の群におけると同様に、同じまたは異なることができ、それぞれがH、OH、SO3‐、メチル、またはハロゲン置換されたメチルのいずれかである。本発明のさらなる構造においては、R9、R10、R11及びR12のうちのいずれが2つは、単一の、飽和又は不飽和のアルキレン基として一緒になって、それらが結合する炭素原子を架橋して、4、5、6、7又は8個の炭素原子の環状構造を形成する。 式II、III及びIVにおいてはさらに、R13はC1-C20アルキルまたはCO2‐、SO3‐またはその両方で置換されたC1-C20アルキルのいずれかである。 式I、II、III及びIV中の各記号については、上記の範囲全体の一定部分が好ましい。記号R5は、好ましくは、H、OH、C1-C4アルキル、またはC1-C4アルコキシのいずれかである。これらの中で、OH及びC1-C4アルコキシがより好ましく、そしてOHが最も好ましい。さらに、R1、R3、R4及びR5は、好ましくはすべてが同じではなく、本発明の多くの実施態様においては、R5はR1、R3及びR4とは異なる。これらの実施態様の中でも、好ましい群は、その中でR1、R3及びR4がそれぞれHであるものである。記号R2は好ましくはOH、C1-C10アルコキシまたはNR22R23、ここで、R22及びR23は独立してC1-C10アルキルであり、これらの中でも、C1-C10アルコキシ及びNR22R23がより好ましく、NR22R23が最も好ましい。R13の範囲も同様に一定の優先傾向を有する。R13についての好ましい基は、C5-C20アルキル及びCO2‐、SO3‐またはその両方により置換されたC2-C10アルキルである。nについての好ましい値は、1及び2であり、2が最も好ましい。 記号Qで表される4級アミン複素環についての式の中でも同様に優先傾向が存在する。式II中にのみ現れる二価ラジカルR8は、好ましくはO、NR81またはCR82R83のいずれかであり、より好ましくはNR81またはCR82R83であり、最も好ましくはCR82R83である。CR82R83の1つの好ましい構造は、C(CH3)2である。本発明の範囲内の一定の構造においては、記号R82及びR83により表される基は異なり、そしてこれらの中で、R82は好ましくはメチル基でありそしてR83は好ましくはカルボニル、イミノ、またはそれらの両方で中断されたC1-C12アルキル、SO3‐で置換されたC1-C12アルキル、及びSO3‐で置換されかつカルボニル、イミノ、またはそれらの両方で中断されたC1-C12アルキルである。R83についての1つの好ましい構造は、(CH2)3-C(=O)-NH-(CH2)3-SO3‐である。記号R9、R10、R11及びR12で表される基では、かかる基の少なくとも1つがSO3‐であることが好ましく、1つがSO3‐であり、残りがすべてHであることが特に好ましい。記号Qについては、一般に、好ましい式は式II及びIVであり、最も好ましいのは式IIである。 本発明の実施において、媒体のpHを5以下に維持しながら媒体と色素を接触させることによって、色素は5以下のpHを有する媒体中のタンパク質を検出するために使用されることができる。好ましいpH範囲は1〜5であり、特に好ましい範囲は2〜5である。媒体は好ましくは水性媒体であり、ゲルまたは液体溶液であることができる。色素は、媒体中に懸濁された沈殿したタンパク質及び媒体中に溶解されたタンパク質の両方を検出するのに有用である。媒体は、スラブ型の電気泳動セルまたは固定されたチューブ若しくは毛細管中の静止したゲルのような固定媒体、或いはチューブまたは毛細管中を通過する液体担体中に溶解された溶質などの可動媒体であることができる。 色素は、好ましくは液体溶液として、そして最も好ましくは水性液体溶液として適用される。溶液中の色素以外の任意の成分は、以下の:(1)(体積に基づいて)50%以下の濃度の(メタノール、エタノール、1−もしくは2−プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジグリム、トリグリム、又はテトラグリムなどの)水混和性の有機成分、(2)(体積に基づいて)20%以下の濃度の(酢酸、葉酸、乳酸、プロピオン酸、リン酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、シュウ酸、または塩酸などの)酸成分、(3)5〜200mMの濃度でpH1〜6の(リン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、葉酸ナトリウム、又はクエン酸ナトリウムなどの)緩衝剤、及び(4)(重量/体積に基づいて)0.005%〜1%の濃度の(ドデシル硫酸ナトリウム、TRITON (登録商標)X-100、SB3-10、及びTWEEN(登録商標)20などの)界面活性剤である。溶液中の色素の濃度は、変化することができ、そして、最も効率がよくかつ経済的な結果は一般に約50nM〜約10μMの範囲内で達成されるが、本発明にとって決定的なものではない。媒体への色素の添加は、色素の溶液中での媒体の浸漬または媒体が色素溶液とともに保持される容器若しくはフロースルー容器のパージなどの染色媒についての慣用手段によって容易に達成される。 そして、蛍光発光の励起及び収集とプロセシングの慣用手段によって、タンパク質の存在及びそれぞれの相対量の検出が達成される。励起は、色素の最大吸収波長またはその付近の波長の光を発生させることのできる光源からの光を媒体に照射することなどによって達成されることができる。好適な光源の例は、紫外波長または可視波長ランプ、水銀アークランプ、キセノンアークランプ、アルゴンレーザー、及びYAG(イットリウム−アルミニウム−ガーネット)レーザーである。励起は、透光照射または落光照射によって実施可能である。好ましい光源は、300〜650nmの波長の光を発生させるものである。レーザースキャナー、蛍光マイクロタイタープレートリーダー、蛍光光度計、ゲルリーダー、及びクロマトグラフィー検出器が好適な光源の例である。色素が励起されたら、発光された蛍光は、同様に慣用手段によって検出可能であり、その例は、CCDカメラ、写真フィルム、光ダイオード、量子カウンター、走査顕微鏡、及び組み込まれた検出要素を有する光源として上記で列挙されたさまざまなタイプの機器である。 本発明の色素の合成のための反応スキームは、図1に示された代表例によって例解される。この例の色素において、R1、R3、R4、R6及びR7はHであり、R2は(C6H13)2N、R5はOH、nは1、そしてQは式IIであって、式中、R8は、(CH3)2C、R9、R11、及びR12はH、R10はSO3、そしてR13はスルホネートプロピル(‐O3S-(CH2)3)である。図中に示される各反応は、本分野で知られており、そして文献中に公開されている。中間体(1)を生成する反応は、例えば、Crossley, M.L., et al., Journal of the American Chemical Society 74: 573-578 (1952)中に開示され;中間体(2)を生成する反応は、Knierzinger, A., et al., Journal of Heterocyclic Chemistry 17: 225-229 (1980)中に開示され、中間体(3)を生成する反応は、Rahman, M.-U., et al., Indian Journal of Chemistry 29B: 941-943 (1990)及びEl-Aal, R.M.A., et al., Journal of the Chinese Chemical Society 47:389-395 (2000)中に開示され;中間体(4)及び(5)を生成する反応は、Mujumdar, R.B., et al., Bioconjugate Chemistry 4: 105-111 (1993)中に開示され;そして色素を生成するための最終反応は、2003年9月4日に公開された、Czerney et al., 米国特許出願公開第US2003/0165942 A1号に開示されている。本発明の範囲内にある他の色素は、熟練した合成化学者に容易に明らかとなる類似の反応スキームによって合成されることができる。 本発明は、以下の実施例によって例解される。 実施例1:クマリンベースのシアニン色素の蛍光に対するタンパク質の効果 上記の式Iの範囲内の一連のクマリンベースのシアニン色素を、以下の手順によって試験した。変性タンパク質(8M尿素中の酵母アルコールデヒドロゲナーゼ又はウシカルボニックアンハイドラーゼ)の20mg/mL溶液を、50mM 葉酸ナトリウムpH4.0中、100倍希釈して、最終濃度0.2mg/mLとした。色素を、DMSO原液(0.4〜1mM)から加えて、200nMの最終濃度とした。得られた混合物を少なくとも15分間室温でインキュベートし、各色素の吸収及び発光極大にそれぞれ設定した励起及び発光モノクロメーターを備えたAminco Bowman Series 2 蛍光光度計で蛍光の読み取り値を取った。分光光度計スリットの幅は4nmに設定した。同じ波長での蛍光の読み取り値を、タンパク質を加えない緩衝液で同じに希釈した各色素についても取った。 0.2mg/mlのタンパク質の存在下、pH4で測定した蛍光強度のピークを、タンパク質と結合したときのピーク強度と、色素-タンパク質複合体の強度とタンパク質を含まない色素の強度の比を両方列挙する、以下の表に示す。ピーク強度は、任意の単位で表し、示した値は相互にのみ有意であった。 実施例2: 1-D SDS-PAGEゲルの染色のための、クマリンベースのシアニン色素の使用 18ウエルの4〜20%トリス−Clゲル(Criterion(登録商標)System of Bio-Rad Laboratories, Inc., Hercules, California, USA)に、広範囲のSDS-PAGE標準物質(Bio-Rad Laboratories, Inc.)の一連の希釈物に添加し、そして製造者に指示にしたがって、電気泳動に供した。希釈液及び各希釈液が置かれるゲル中のレーンは以下に列挙するとおりである。 300mLの40%(体積/体積)エタノール及び10%(体積/体積)酢酸中で16.5時間、ゲルを固定化した。固定化ステップに続いて、30%(体積/体積)のメタノール及び1%(体積/体積)の蓚酸中、0.2μMの実施例1の化合物8からなる溶液、125mL中でゲルを染色した。2時間後、化合物8の添加後にゲルを洗わずに、FX 蛍光スキャナー(Bio-Rad Laboratories, Inc.)で532nmレーザー及び605nm bp 50nm発光フィルターを用いてゲルをスキャンした。スキャンは、11レーンまでさまざまなタンパク質について異なる、輪郭の明確なバンドを示し、レーン12〜14においては、いくつかのバンドはなお可視的であった。 実施例3:2−Dゲルの染色のための、クマリンベースのシアニン色素の使用 固定化したpH勾配の条片(ReadyStrip(登録商標)IPGストリップ、11cm pH3〜10NL、Bio-Rad Laboratories, Inc.)に、8M尿素、2%CHAPS、40mMジチオスレイトール、0.2%(重量/体積)Bio-Lyte両性電解質pH3〜10(Bio-Rad Laboratories, Inc.)中の40μgのE.コリタンパク質を添加した。第一次元等電点電気泳動とその後の平衡化そして第二次元でのSDS-PAGEを、ReadyStrip (登録商標)取扱説明書に記載のとおりに実施した。Criterion(登録商標)8〜16%トリス-Clゲル(Bio-Rad Laboratories, Inc.)を第二次元のために使用した。得られた二次元ゲルを、ゲルあたり170mLの40%(体積/体積)エタノール及び10%(体積/体積)酢酸中で1時間固定し、そして30%(体積/体積)メタノール及び7%(体積/体積)酢酸中、0.2μMの実施例1の化合物8からなる溶液、200mLで染色した。2時間後、化合物8の添加後ゲルを洗わずに、532nmレーザー及び605nm bp 50nm発光フィルターを用いてFX蛍光スキャナー(Bio-Rad Laboratories, Inc)でゲルをスキャンした。スキャンは、2次元のアレイ中に、異なる、輪郭の明確な点を示した。 実施例4:界面活性剤、両性担体及び還元剤の存在下におけるタンパク質の定量のための、クマリンベースのシアニン色素の使用 凍結したラット肝臓を粉砕し、そして9M 尿素、4%CHAPS、40mMジチオスレイトール、及び0.2%(重量/体積)Bio-Lyteを含む溶液で抽出した。同じ溶液で、相対濃度0.5×、0.25×、0.125×、及び0.05×の抽出物の希釈液を作製した。標準タンパク質(ラクトグロブリン及びミオグロブリン)を同じ溶液に2mg/mL、1mg/mL、0.5mg/mL、0.25mg/mL、0.125mg/mL及び0.1mg/mLの濃度で溶解した。各タンパク質サンプル(ラット肝臓抽出物及び標準タンパク質)を、pH4の50mM葉酸ナトリウム緩衝液中、2μMの実施例1の化合物2からなるアッセイ溶液で50倍に希釈した。抽出溶液の50倍希釈液も、アッセイゼロ点として作製した。室温で15分インキュベーション後、化合物2の適用後にゲルを洗わずに、各サンプルを、励起波長495nm及び発光波長535nmに設定した蛍光マイクロプレートリーダーにおいて計測した。ラット肝臓抽出物についての相対蛍光強度対(アッセイ緩衝液で希釈する前の)希釈係数のデータは、ゼロ希釈係数における約1,000の任意の蛍光単位〜0.5×における約17,000単位の範囲で直線関係を示した。標準タンパク質についての相対蛍光強度対(アッセイ緩衝液で希釈する前の)タンパク質濃度のデータは、直線回帰分析を用いて、どちらのタンパク質についてもゼロmg/mLのタンパク質〜2mg/mLのタンパク質の範囲で直線関係を示した。 上記は、例示の目的で提供される。本発明の範囲内におけるさらなる変更、改変及び置換は、当業者に容易に明らかとなるであろう。図1は、本発明の対象である、クマリンベースのシアニン色素の一般的な代表である化合物の製造のための合成スキームを表す。 5以下のpHを有する媒体中のタンパク質を検出する方法であって、前記媒体を以下の式: {式中、 R1、R3、R4及びR5は、H、OH、SO3‐、C1−C10アルキル、C1−C10アルコキシ、ハロゲンで置換されたC1−C10アルキル、及びハロゲンで置換されたC1−C10アルコキシから成る群から独立して選ばれるメンバーであり; R2は、OH、OR21、及びNR22R23から選ばれるメンバーであり、ここで、 R21、R22及びR23は、H、C1−C10アルキル、フェニル、並びにC1−C10アルキル及びフェニルの置換された形態から成る群から独立して選ばれるメンバーであり、ここで、該置換基は、ハロゲン及びSO3‐から成る群から独立して選ばれるか、又は R22及びR23は、R2がN−含有複素環となるように、一緒になって単一のC4−C8アルキル基を形成し; R6及びR7は、H、C1−C10アルキル、及びC1−C10アルキルの置換された形態から成る群から独立して選ばれるメンバーであり、ここで、該置換基は、ハロゲン及びSO3‐から成る群から選ばれるメンバーであるか、或いは、R6及びR7は、単一の、飽和又は不飽和のアルキレン基として一緒になって、それらが結合する炭素原子を架橋して、4〜8個の炭素原子の環状構造を形成し; nは、0、1、2、3、又は4であり;そして Qは、以下の: [式中、 *は、結合部位を表す。]から成る群から選ばれるメンバーであり、 R8は、O、S、Se、NR81、及びCR82R83から成る群から選ばれる二価ラジカルであり、ここで、 R81、R82及びR83は、H、C1−C12アルキル、カルボニル及びイミノから成る群から選ばれるメンバーによって中断されたC1−C12アルキル、SO3‐で置換されたC1−C12アルキル、並びに、カルボニル及びイミノから成る群から選ばれるメンバーによって中断されかつSO3‐で置換されたC1−C12アルキルからなる群から独立して選ばれ; R9、R10、R11及びR12は、H、OH、SO3‐、メチル、ハロゲンで置換されたメチルからなる群から独立して選ばれるメンバーであるか、或いは、R9、R10、R11及びR12のうちの任意の2つは、単一の、飽和又は不飽和のアルキレン基として一緒になって、それらが結合する炭素原子を架橋して、4〜8個の炭素原子の環状構造を形成し; R13は、C1−C20アルキル並びにCO2‐及びSO3‐から成る群から独立して選ばれるメンバーで置換されたC1−C20アルキルから成る群から選ばれるメンバーである。}により表される化合物と、前記媒体を5以下のpHに維持しそして前記化合物と前記タンパク質の間の共有結合の形成を回避しながら、接触させ、前記化合物と前記タンパク質との複合体を検出し、それにより前記タンパク質を検出することを含む、前記方法。 R5が、H、OH、C1−C4アルキル、及びC1−C4アルコキシから成る群から選ばれるメンバーである、請求項1に記載の方法。 R2が、OH、C1−C10アルコキシ、及びNR22R23から成る群から選ばれるメンバーであり、ここで、R22とR23が独立してC1−C10アルキルである、請求項1に記載の方法。 nが、1又は2である、請求項1に記載の方法。 R5がOHであり、かつR2がNR22R23である、請求項1に記載の方法。 請求項1に記載の方法であって、ここで、 R5がOHであり、 Qが以下の:であり、 R9、R10、R11及びR12のうちの1つがSO3‐であり、そしてR9、R10、R11及びR12のうちの残りがHであり、かつ R2がNR22R23である、前記方法。 前記化合物が、以下の:である、請求項1に記載の方法。 前記化合物が、以下の:である、請求項1に記載の方法。 前記化合物が、以下の:である、請求項1に記載の方法。 前記化合物が、以下の:である、請求項1に記載の方法。


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