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タイトル:特許公報(B2)_還元型グルタチオン経口投与のためのリポソーム処方物
出願番号:2007539376
年次:2013
IPC分類:A61K 38/00,A61K 9/127,A61K 47/10,A61K 47/34,A61K 47/20,A61K 47/46,A61K 47/12,A61P 25/16,A61P 11/00


特許情報キャッシュ

ティモシー エフ. ギルフォード JP 5112876 特許公報(B2) 20121019 2007539376 20051107 還元型グルタチオン経口投与のためのリポソーム処方物 ティモシー エフ. ギルフォード 507143200 清原 義博 100082072 ティモシー エフ. ギルフォード US 60/522,785 20041107 US 60/594,996 20050525 US 60/597,041 20051106 20130109 A61K 38/00 20060101AFI20121213BHJP A61K 9/127 20060101ALI20121213BHJP A61K 47/10 20060101ALI20121213BHJP A61K 47/34 20060101ALI20121213BHJP A61K 47/20 20060101ALI20121213BHJP A61K 47/46 20060101ALI20121213BHJP A61K 47/12 20060101ALI20121213BHJP A61P 25/16 20060101ALI20121213BHJP A61P 11/00 20060101ALI20121213BHJP JPA61K37/02A61K9/127A61K47/10A61K47/34A61K47/20A61K47/46A61K47/12A61P25/16A61P11/00 A61K 38/00-38/58 A61K 9/00-9/72 A61K 47/00-47/48 CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN) JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamII) 米国特許第06764693(US,B1) 特表2000−510841(JP,A) 特開平06−040897(JP,A) 特開昭57−046921(JP,A) 特開平08−059503(JP,A) 特開平04−244017(JP,A) 特開2004−105088(JP,A) 特開平08−187067(JP,A) 米国特許第06764696(US,B1) FAVILLI,F. et al,Effect of orally administered glutathione on glutathione levels in some organs of rats: role of specific transporters,Br J Nutr,1997年,Vol.78, No.2,p.293-300 HAGEN,T.M. et al,Bioavailability of dietary glutathione: effect on plasma concentration,Am J Physiol,1990年,Vol.259, No.4 Pt 1,p.G524-9 JONES,D.P. et al,ORAL ADMINISTRATION OF GLUTATHIONE(GSH) INCREASES PLASMA GSH CONCENTRATION IN HUMANS,FASEB Journal,1989年,Vol.3, No.4,p.A1250 JURIMA-ROMET,M. et al,Lung uptake of liposome-entrapped glutathione after intratracheal administration,J Pharm Pharmacol,1991年,Vol.43, No.1,p.6-10 SECHI,G. et al,Reduced intravenous glutathione in the treatment of early Parkinson's disease,Prog Neuropsychopharmacol Biol Psychiatry,1996年,Vol.20, No.7,p.1159-70 ROUM,J.H. et al,Glutathione aerosol suppresses lung epithelial surface inflammatory cell-derived oxidants in cystic fibrosis,J Appl Physiol,1999年,Vol.87, No.1,p.438-43 Jana Havranova,RELEASE OF GLUTATHIONE FROM AN ORAL DOSAGE FOR THE TREATMENT OF CYSTIC FIBROSIS LUNG DISEASE,The 226th ACS National Meeting, New York, NY, September 7-11, 2003 ABSTRACTS OF PAPERS,2003年,CHED 171 1 US2005040308 20051107 WO2006060120 20060608 2008518976 20080605 17 20081106 池上 京子 本発明は、栄養物質であるグルタチオン輸送の分野に関する。グルタチオンは生理学的還元型の状態で、リポソーム調剤されている。リポソーム調剤により、グルタチオン新規輸送法が可能となる。グルタチオン欠乏による疾患状態を改善するために十分な(還元型)グルタチオンが経口投与される。この輸送は、局所的な経皮注入や静脈内注射によって鼻粘膜、口、胃腸管を介した吸収によってもなされる。 尚、本出願は、米国出願番号60/522,785、(題名:(還元型)グルタチオンの経口投与のためのリポソーム処方物、出願日:2004年11月5日)の優先権を主張する。本出願は、仮出願番号60/597,041(題名:(還元型)グルタチオンの経口投与のためのリボソーム処方物)、および、仮出願番号60/554,996(題名:(還元型)グルタチオンの経口投与および/または、グルタチオン欠乏およびメチオニン再メチル化経路欠陥による疾患へのリポソーム処方物の使用、出願日:2005年5月25日)の優先権を主張する。本出願はこれら出願の一部継続出願である。 トリペプチド‐Lグルタチオン(GSH)(ガンマーグルタミルーシステイニルーグリシン)は、生物学や医学分野ではよく知られており、哺乳類などの高等生物の細胞でいくつかの不可欠な役割を果たしている。GSHは、還元状態型(GSH)として知られる生体内型として存在したときに機能する。GSHは酸化すると二量体(GSSG)を形成する。 グルタチオンは還元状態(GSH)で抗酸化剤として機能し、活性酸素による損傷から細胞を守り、また、毒素を細胞や肝臓から外に輸送する解毒剤であり、特に免疫系では細胞伝達物質である。 (還元型)グルタチオン欠乏は、いくつかの機構により細胞および組織損傷を引き起こす。過剰量の活性酸素の蓄積は分子破壊を起こす。特に脂質は脂質過酸化を起こし、毒素蓄積と併発すると細胞死へとつながる。これらの機構は、一般的には酸化ストレスといわれている。酸化型に対して十分量の還元型グルタチオンの欠乏は、(還元型)グルタチオン生成の欠如、または、毒素などの(還元型)グルタチオンを消費する物質の過剰が原因でも起こりうる。(還元型)グルタイオン欠乏は、全身疾患として、または、酸化ストレスにさらされている特定の細胞で局所的に現れることがある。 還元状態のグルタチオン欠乏は酸化ストレスにつながり、老化および以下に示すような多くの症状に大きく関与する。 ・嚢胞性線維症 ・肝臓疾患 ・パーキンソン病 ・アルツハイマー病 ・心臓麻痺および心臓発作 ・糖尿病 ・ウイルス性疾患 ・核、生物学的および生化学的損傷に起因する活性酸素損傷 ・細菌感染による活性酸素損傷 ・予防接種後の免疫系調節グルタチオンもしくは(還元型)グルタチオンとの用語の使用は、還元状態のグルタチオンを意味するものとする。 グルタチオン欠乏にグルタチオンを補うことは、経口投与によりグルタチオンが直接吸収されないため難しいとされてきた。グルタチオンは水溶性のペプチドである。このグルタチオンの性質が経口投接種後のグルタチオンの吸収を妨げていると考えられている。グルタチオンの直接経口摂取の結果、臨床研究では、一回につき3グラムのグルタチオンの経口摂取では、血漿中グルタチオン量の増加は確認されなかった。 体内グルタチオン量を増加させるためには、グルタチオン自体の静脈注射、もしくはグルタチオンの構成要素であるシステインの投与が必要とされてきた(スミスら、米国特許第6,495,170号参照)。これは、グルタチオン自体の経口摂取ではグルタチオン量が増加せず、また、臨床的効果も得られなかったからである(ロウら、米国特許第5,747,495号参照)。 グルタチオンの静脈注射は、抹消血管症の血流改善、および、パーキンソン病に見られる症状の改善に有効であると報告されている。本出願は、本発明の経口剤型を疾患治療へ適用することを請求項に含む。適用される疾患には、パーキンソン病、嚢胞性線維症、抹消血管症、糖尿病および呼吸管炎症疾患がある。本発明の特に利点は、グルタチオンをリポソームに封入することにより、還元型グルタチオンを赤血球などの細胞内区画へと運搬できることにあるが、これは、赤血球だけに限られるものではない。本発明の特性は、嚢胞性線維症に見られるような、グルタチオンの細胞輸送に欠陥のある個人にとって重要である。 臨床的に有効で純粋な形でのグルタチオン使用は、カプセル化や(「付加的処理しない」型で)形質転換せずに使用するには、生化学的還元型状態での静脈注射に限られていた。グルタチオンは、溶液中では、本発明によって提供されているような酸化からの保護なしでは不安定であり、液体調剤での安定性は限られていた。デモポラスらは米国特許第6,204,248号で、経口投与を目的として、グルタチオンと結晶性アスコルビン酸を供に含有する、ゲル体の調剤方法を示している。デモポラスらは米国特許第6,204,248号で、経口投与を目的として、グルタチオンと結晶性アスコルビンを供に含有するゲル体の調剤方法を示している。前記調剤方法は、経口投与により細胞の酸化還元状態を調整し、疾患状態の改善を目的としている。また、デモポラスらは米国特許第6,350,467号で、グルタチオンと結晶性アスコルビン酸を包含するゲル体の経口投与により、疾患症状の治療についても言及している。最近の特許では、スミスが米国特許第6,764,693号で、グルタチオンと少なくとも一種類の抗酸化物質を供に包有するリポソームを用い、細胞内および細胞外抗酸化剤の増加について言及している。しかしながらこの特許請求は、リポソームグルタチオンに関し、グルタチオン単独および抗酸化剤との併用使用のどちらについても、パーキンソン病もしくは嚢胞性線維症治療に関してはされていない。さらに、スミスの米国特許第6,764,693号の請求はリポソーム活性に関し、過酸化および溶解化に適したリポソーム群が全身循環にその(中に含まれる)含有物を放出していることについて言及している。本発明で請求しているリポソームの好ましい組成方法は、リポソームとして機能し、細胞に融合し、そして含有グルタチオンを細胞内に輸送することを目的としている。この方法が機能している根拠は、臨床例で示されていように、赤血球中のグルタチオン量に伴う嚢胞性線維症の症状緩和にもとづく。 リポソームは顕微鏡的な液体に満たされた嚢である。リポソームの細胞壁は一重もしくは多重層のリン脂質物質からなり、リン脂質は細胞膜を構成するリン脂質と同一である。脂質は薬剤などの物質を体内に運搬するのに用いられる。これはリポソームの吸収が増加するためである。リポソームの外壁は脂溶性であり、一方。内壁は水溶性である。この構成のおかげで、リポソームはすばらしい水溶性物質の運搬手段となっている。リポソームなしでは、水溶性物質は生体内に運搬され吸収されない。リポソーム形成に用いられる一般的な物質にはホスファチジルコリンがあげられ、これはレクチンに見られる物質である。本発明の更に詳細な構成要素については後述されている。 嚢胞性線維症(CF)は遺伝的疾患で、約30,000人の子供が米国で発病している。嚢胞性線維症は最も一般的な遺伝的疾患で、子供の遺伝的死因のもっとも大きな要素となっている。嚢胞性線維症の特徴には、肺および洞に厚い粘液層を構成することがあげられ、感染症や胃腸器官の機能障害にもながる。現時点では治療法がなく、根底にある細胞の問題を直す治療法はない。現在の治療法は粘液を取り除く方針に基づき、物理的療法、および、必然的に起こる感染症治療のための抗体療法がある。集中的治療にもかかわらず、CF患者の平均寿命は30代前半である。CFは胃腸管および生殖器官の深刻な合併症を引き起こすが、肺疾患がCF患者の死因の90%を占めている。 近年の研究で、CFで欠損している遺伝子は、細胞膜通過物質を運搬するタンパク質をコードしていることが示されている。このことは、CF患者が塩素イオンを細胞内輸送できないことと関連していて、CF患者には、皮膚に過剰な塩素蓄積がみられる。このCF特徴が見られたら、初期試験として塩素発汗試験が行われる。塩素を運搬するタンパク質は、CF膜貫通型透過性制御因子(CFTR)タンパク質で、グルタチオンなどの大きな陰イオンを膜通過させることが発見されている。大人のCF患者のepithelial lining fluidは対照と比べグルタチオン量が少なく、CFTRタンパク質遺伝子欠損マウスを用いた実験動物試験により、CFではグルタチオン輸送が欠如しているとの知見が確認された。さらに、CF患者の還元型および酸化型GSH比は、酸化型グルタチオンの過剰であり異常である。グルタチオン輸送の欠如は、ある知見を導くこの知見は、経口サプリメントによりグルタチオン量が増加せず、赤血球細胞(RBC)などのグルタチオン欠損細胞内にグルタチオンがまったく送り届けられないという知見につながっている。したがって、RBCグルタチオン量は、嚢胞性線維症患者の重症度を示すタンパク質マーカーとして提唱されている。 グルタチオンの大部分は肝臓で生産され、血液中に放出されている。嚢胞性線維症にみられる細胞膜輸送の欠如は、赤血球細胞にみられるように、十分な細胞内グルタチオン量維持に影響していると考えられている。したがって、より深刻な嚢胞性線維症は、血漿に見られる赤血球細胞内グルタチオン量の減少を伴う。本発明に述べられたように、リポソームグルタチオンの添加により、全身の、赤血球細胞などの体細胞内グルタチオン量を増加させることができる。 リポソームは、赤血球細胞と融合し、その含有物を細胞内に運搬することが実証されている(Constantinescu I, Artificial cells, blood substitutes, and immobilization biotechnology. 2003 Nov;31(4):395-424参照)。 臨床例より、本発明により、嚢胞性線維症患者の赤血球細胞内グルタチオン量を増加することを実証している。これらの患者細胞は、グルタチオンの細胞膜間輸送に遺伝的欠陥があり、観察された赤血球細胞内のグルタチオン量の増加は本発明の経口摂取後に起こることが実証された。このグルタチオンの増加は、リポソーム融合などの機構により起こる。還元型グルタチオンの全身循環への放出は、嚢胞性線維症患者で見られたようなグルタチオン増加の結果につながらない。 リポソームは以下の4つの方法のうちの1つにより、その中に含まれる含有物を細胞内に運搬することができる。 吸収:リポソーム壁が細胞と癒着し、リポソーム中に含まれる含有物を細胞内に放出する。 エンドサイトーシス: エンドサイトーシスでは、細胞がリポソームを取り込み、追加層をリポソーム周囲に形成し、それによってリポソームは細胞内に吸収され、リポソーム含有物を放出する。エンドサイトーシスの過程では、原形質膜の一部が陥入しくびれて膜から離れて、細胞膜に囲まれた小胞を形成し、この小胞はエンドーソムと呼ばれる。 脂質交換:リポソームと細胞の脂質内容物を交換し、リポソーム含有物を放出する。 融合:リポソーム膜と細胞膜の併合により、リポソーム含有物が細胞内へ輸送される。 一、もしくはそれ以上の機構が機能し、本発明では、嚢胞性線維症患者でのグルタチオンの細胞内輸送が可能となっている。 錠剤、もしくは他の固形での栄養物投与は、多くの患者にとって便利であるが、錠剤を飲み込むことのできない人も多くいる。飲み込みができない要因は年齢によるものもあり、小児科人口、もしくは、年齢分布の反対側に属する、高齢者人口の多くが、錠剤の飲み込を困難としている。この理由により、線量計算が簡単なことともあわせ、液体ゲルによるグルタチオン輸送はより普遍的に受け入れられる。もう一つの利点は、本発明により、一回の服用で、非経口的投与以外の方法に比べて多量のGSH投与が可能であり、子供や大人の一服分の増分調整が可能であることである。 リポソームによるグルタチオン輸送は、本発明に述べられているように、グルタチオンの細胞膜間輸送に、特に効果的である。グルタチオンの細胞間輸送は、嚢胞性線維症の治療に重要である。この疾患は特定分子輸送能の遺伝的欠損によるもので、グルタチオンなどを細胞膜間輸送できず、その結果、細胞内グルタチオンが欠乏する。嚢胞性線維症による症状は幼い時期からおこり、この時期は、年齢が小さいために、液体摂取が唯一の選択肢である。(パーキンソン病) パーキンソン病(PD)は、神経―運動経路に関する症状で、4つの初期症状によって特徴付けられる。 ・手、腕、足、顎、および顔の振戦、もしくは、震え。 ・肢および幹の硬直、もしくは、こわばり。 ・動作緩慢、もしくは、動作が遅くなること ・体位の不安定性、もしくは、平衡および協調障害 パーキンソン病の患者は、歩行、会話、もしくは他の単純作業障害を示すことがある。パーキンソン病は、慢性的で進行性がある。初期症状はわずかで徐々に起り、たいていの場合進行性である。 脳は体の情報伝達司令部である。脳は、感覚系各部から届く情報の調整をする。脳は、系統的な方法で情報を処理し、運動系に情報を返信することで動作が起こる。この高度に組織化された情報伝達は、一連の流れである、化学反応連鎖でのほんの些細な異状により乱され、その結果、重大な異常につながる。 脳の2つの領域が、運動機能不全に特化しており、その領域は黒質および線条体である。黒質は中脳にあり、大脳皮質と脊髄の中間に位置する。健康な人では、黒質は神経細胞の一種である、線条体と呼ばれる細胞を含み、黒質細胞が化学物質であるドーパミンを生産する。ドーパミンは神経細胞系に沿って、黒質から線条体と呼ばれる脳の他の領域へと移動する。線条体では、ドーパミンは神経細胞を活性化し、それによって正常な筋肉運動が調整される。 パーキンソン病の人は、黒質細胞が衰退し、加速して死に至り、黒質の損失により線条体へのドーパミン供給が減少する。ドーパミンは化学伝達物質の一種で、脳内の信号伝達を担っている。ドーパミン量は、アセチルコーリンなどの他の神経伝達物質と釣り合っていなければならない。ドーパミン量が適当でないと、線条体の神経細胞が不適切に活性化し、筋肉機能制御能が損なわれ、歩行、平衡、および筋肉運動などの機能が損なわれる。 黒質細胞は酸化ストレスに非常に損傷を受けやすい。黒質細胞で酸化ストレスが起こるのは、ドーパミン代謝が酸化を必要とするからで、その結果、過酸化水素からの活性酸素生成につながるからである。鉄などの金属イオンの存在下では、過酸化水素はヒドロキシルイオンを形成する。ヒドロキシルイオンは細胞に大きな損傷を与える。過酸化水素は、通常は還元型グルタチオンによって無害化されるが、この反応はグルタチオン過酸化酵素によって触媒される。即ち、ドーパミンの代謝回転率の増加、もしくはグルタチオン欠乏は酸化ストレスへとつながる。従って、活性酸素は、黒質神経の損傷の最も重要な要因の一つではないかと考えられている。 パーキンソン病は、グルタチオンの静脈注射によってある程治療されてきたが、グルタチオンの経口投与によるパーキンソン病治療の成功例は報告されていない(Sechi G, Deledda MG, Bua G, Satta WM, Deiana GA, Pes GM, Rosati G. Reduced intravenous glutathione in the treatment of early Parkinson's disease, Prog Neuropsychopharmacol Biol Psychiatry, 1996 Oct;20(7):1159-70 PMID: 8938817参照)。 本発明により、臨床的改善がパーキンソン病患者に見られたことから、リポソームグルタチオンの経口投与により、グルタチオンが全身に提供されるだけでなく、中枢神経系でも吸収されることが示唆された。 いくつかの研究により、抗活性剤化学物質の欠乏による、パーキンソン病患者の黒質細胞中グルタチオンの減少が示された。グルタチオン量減少の度合いは症状の重症度と対応している。 一般的なパーキンソン病の治療法は、ドーパミンをレボドパという形で置換する方法を利用している。レボドパは、L−Dopa(正式名L−3,4−ジヒドロキシルフェニルアラニンから)としても知られ、中性アミノ酸で、自然界では植物または動物にみられ、パーキンソン病に見られる硬直、振戦、攣縮、および筋肉制御不良の治療に用いられる。経口摂取後、レボドパは小腸を介して吸収される。レボドパはその構造により脳に入ることができる。脳では、神経細胞がレボドパを脱炭酸してドーパミンを形成し、減少した脳のドーパミンが補充される。ドーパミンは直接投与できない。これは、ドーパミンが、微細血管と細胞の複雑な網目構造からなる、血液―脳関門を通過できないからで、この構造が脳に到達する血液を濾過している。レボドパは巨大中性アミノ酸運搬体輸送機構により血液―脳関門通過する。レボドパが単独で投与されると、約95%が体内でドーパミンに代謝され、脳には到達しない。脳で使われる代わりに体内を循環するドーパミンは、肝臓で分解される前に、吐き気や嘔吐といった副作用を起こす。 副作用を抑えるために、レボドパは、通常はカルビドパと併用して投与され、レボドパの有効性と利用性を高めている。カルビドパは、抹消でのレボドパの脱炭酸化を抑制しているが、中枢神経系では抑制しておらず、これは、カルビドパが血管―脳関門を通過しないからである。抹消では、レボドパの脱炭素化が抑制されているため、より多くのレボドパが脳輸送に使われる。レボドパは脳でドーパミンとなり、パーキンソン病の症状を緩和する。カルビドパとレボドパは一緒に処方され、スタレボ(Orion Pharma Inc.の登録商標)もしくはシネメット(Bristol-Myers-Squibbの登録商標)の商品名で、および、多種のジェネリック薬品として処方さる。カルビドパの併用によりレボドパがより効率的に効き、レボドパの一服量が80%減少される。これにより、レボドパによる副作用の発生率が減少する。カルビドパと併用すると、レボドパの半減期は1から2時間(患者によっては15時間と長い)に増える。約30%のカルビドパはドーパミンに変わらず尿中に排出される。 PDに使用されるものとしては、ドーパミンの類似体であるプラミペキソール二塩酸塩などが挙げられ、MIRAPEX(ベーリンガーインゲルハイム製薬会社とファイザー社の共同商品の登録商標)という名前で売られており、経口リポソーム還元型グルチオンとの併用も可能である。 カルビドパ/レボドパはパーキンソン病に見られる硬化や動作緩慢を緩和するが、振動や平衡障害の治療にはあまり有効でない。 最近の研究では、ドーパミンの投与(ドーパミン単独、もしくはカルビドパとレボドパと併用して)の結果、活性酸素形成が増加し、基礎疾患が継続するといった問題が報告されている。したがって、レボドパの投与は、パーキンソン病の症状は改善するが、活性酸素、酸化、および細胞内グルタチオンの喪失などの発症機序を変えるものではない。数年にわたるカルビドパ/レボドパ使用の結果、カルビドパ/レボドパの効果が減少し、患者は、症状を制御するためにより多くの、また、より頻繁な薬の投与が必要になる。 いくつかの研究により、抗酸化生化学物質である、還元型グルタチオンと呼ばれる物質が特異脳細胞である黒質で欠損すると、運動障害につながるとの報告がされている(Pearce RK, Owen A, Daniel S. Jenner P, Marsden CD. Alterations in the distribution of glutathione in the substantia nigra in Parkinson's disease. Journal of Neural Transmission, 1997:104(6-7):661-77. PMID:9444566参照)。 有効且つ機能的な還元型グルタチオンの特異脳細胞における減少度合が、症状の重症度と対応している。パーキンソン病にみられる、ドーパミン損失につながる一連の現象は、黒質でのドーパミンの代謝回転がより速くなるためで、過酸化水素形成の増加によるものと理論付けされている。この活性酸素形成物質の存在は、還元型グルタチオンもしくは酸化状態のグルタチオン蓄積と関連している。1996年にされたイタリアの出版物では、グルタチオンの生静脈注射の使用によりグルタチオン欠乏細胞を治療する可能性を検討している。グルタチオンは、9人の患者に、一回量600mgを一日2回、30日間生静脈注射投与された。すべての患者において、グルタチオン療法の結果有意義な改善が見られ、約42%が身体障害の減少を示した。この治療の効果は2−4ヶ月間持続した。著者はグルタチオンが症候に有効であることに注目しており、グルタチオンがおそらく症状の進行を抑制しているのではないかと推測している。リポソーム還元型グルタイオンについての言及は全くされていない(Sechi G, Deledda MG, Bua G, Satta WM, Deiana GA, Pes GM, Rosati G. Reduced intravenous glutathione in the treatment of early Parkinson's disease, Prog Neuropsychopharmacol Biol Psychiatry, 1996 Oct;20(7):1159-70 PMID: 8938817参照)。 本発明が解決しようとしている問題は、患者が効果的に利用できる方法で、パーキンソン病による脳細胞内グルタチオン濃度の減少を回復することである。その結果、ドーパミン代謝が正常になり、ドーパミン反応が正常になると予想される。現在までに、リポソームグルタチオンを用いたパーキンソン病治療について示唆した特許申請および文献はない。 本発明は、グルタチオンを生理活性状態で安定化させるために、リポソーム処方されたグルタチオン(活性型)の組成物に関する。リポソーム処方されたグルタチオンは経口投与され、治療に有効な量の(還元型)グルタチオンを提供し、体内細胞にグルタチオンを輸送することで疾患症状を改善する。従来の技術では、治療に有効な方法での(還元型)グルタチオンの経口投与が可能ではなかった。また、本発明は、グルタチオンをカプセル化する方法に関し、生理的活性状態でグルタチオンを安定化させ、治療に有効な量のグルタチオンの経口投与を可能にし、また、グルタチオンが体細胞へ取り込こまれることにより疾患状態を改善するものである。リポソームグルタチオンの効果を高める化合物としては、セレニウム、EDTA、カルビドパ、レボドパなどがよく知られている。 本発明の最もよく使われる方法は、十分量のグルタチオン投与に関し、リポソームグルタチオンにより還元型グルタチオンを経口投与することで、ドーパミン代謝を機能状態に回復させる。この方法により症状に改善が見られ、ドーパミンに応答する黒質細胞が、有効なドーパミンが少量でも応答するようになる。レボドパ/カルビドパを服用しているパーキンソン病患者に導入されると、患者はその時点の服用回数でより効果的に反応するようになる、もしくは、薬のそれ以上の効果が見込めない用量が減少する。また、本発明の使用により、低用量のレボドパ/カルビドパで反応を示す患者も見られる。パーキンソン病の初期症状を示す患者に本発明を適用することで、レボドパ/カルビドパの投与を遅らせることも可能である。 進行性パーキンソン病患者は、レボドパ治療により様々な運動系合併症を引き起こす。早朝の無動もしくは「ウエアリング・オフ現象」などの運動機能の変動は、本発明のリポソームグルタチオン使用によりみられる兆候である。 本発明は、グルタチオンのリポソームカプセルを用い、治療に有効量のグルタチオンをパーキンソン患者に経口投与るための組み合わせ物である。本発明の導入以前は、治療に有効な量のグルタチオンを投与する唯一の方法は、グルタチオンの静脈内注射だけであった。静脈内注射は、患者ごとにグルタチオン治療の有効性を評価するには有用であるが、静脈内注射の費用や不便さのために、継続治療のための反復投与が非常に難しい。 リポソームの生静脈内摂取に関しては、物質毒素にさらされた動物肝細胞の保護について報告されているが(Wendel A., Hepatic lipid peroxidation: caused by acute drug intoxication, prevented by liposomal glutathione, International Journal Clinical Pharmacology Research, 1983;3(6):443-7. PMID:6678834)、人の疾病過程治療にリポソームグルタチオンが役に立ったという報告は過去には無く、パーキンソン病および嚢胞性線維症などの疾患状態治療のための経口リポソームグルタチオンの使用に関する特許請求もされていない。 経口投与による全身アベイラビリティが無いため、疾患状態の治療には、グルタチオンは経口型で使用されてこなかった。本発明は、経口投与に有効なグルタチオンを組み込む組成物、および、経口投与に有効なグルタチオンを組み込む組成物の製造法を提供する。本発明は、還元型グルタチオンの経口投与方法に関し、還元型グルタチオンをリポソームに組み込み、これにより、胃腸管および体内細胞両方からのグルタチオン吸収が増大する。更に、リポソーム封入の使用により、活性型である還元状態のグルタチオンが全身循環に取り込まれる前に酸化状態となり、退化することが防げる、もしくは遅らせる。この投与方法により、還元型グルタチオンの吸収により、または、還元型グルタチオンの活性型抗酸化剤状態での持続により、生物学的に利用可能なグルタチオンが増える。 本発明で特許請求しているリポソーム調剤により、安定な製品の製造が可能となり、便利な形態でのグルタチオン投与が可能となる。安定性には、二つの側面がある。一つ目は、既に述べたように、還元型グルタチオンの有効的細胞内輸送で、二つ目は、有効期限の観点からの製品の安定性である。上述のリポソーム―グルタチオン調剤は、酸化に対しても安定な為、製品標準ストレス試験に基づく製品の冷蔵不要有効期限が推定二年であり、細胞膜に取り込まれるという特質の為に、特定の症状に対し治療の質を上げている。 以下の表は、有効期限安定性特性試験の結果を示し、これは、本発明が従来技術より新しい点で、従来技術には、有効期限安定性および、還元型グルタチオンを細胞に運搬する為の細胞内安定性がない。 従来のリポソームに封入されたグルタチオンの使用は、前述の組成物が、胃の酸性および酵素により悪影響を受けるという問題により制限されていた。本発明で使用される調剤は、これらの問題はあるが、治療に有効な量のグルタチオンを全身循環に運搬することができる。本発明は、還元型グルタチオンの脂質封入について述べており、グルタチオンをリポソームの脂質小胞に封入するもので、経口投与され、経粘膜的吸収により鼻、口、咽喉および胃腸管により吸収され、治療に有効量の還元型グルタチオンを便利に供給することを可能としている。本発明は、静脈内投与はもちろん、皮膚または桂皮投与によっても投与される(実施例1) リポソームグルタチオンドリンク又はスプレー(2500mg/1オンス) 構成材料であるレシチン、エタノール、コレステロール、グリセリンは、大容量フラスコ内で混合された後、これを置いて構成材料を混ぜ合わせた。(全実施例において、還元型グルタチオンが8.5%である代わりに、0.25%トコフェロールアセテートを加えて還元型グルタチオンを8.25%まで低下させ得る。) 別個のビーカに、水、ヒドロキシクエン酸、グリセリン、ポリソルベート‐20及びグルタチオンが混合されて、50℃まで加熱された。 前記水混合物が、前記脂質混合物に添加されるとともに、高速で、高せん断均質化ミキサーを用いて30分あたり750−1500rpmでよく混合された。 この均質化を停止した後、溶液を磁性板上において、パラフィルムで覆った。そして、この溶液を、室温まで冷やして、磁性のかき混ぜ棒で混合した。さらに、この溶液に、シトラス・シード抽出物が加えられて、液体又はスプレー調剤として摂取できる適切な容器に入れられた。 調製物は、400倍率で偏光を用いて視覚的光学顕微鏡で分析され、これにより多重膜脂質小胞(MLV:Multilamellar lipid vesicles)と単層脂質小胞を確認した。 好適な実施例としては、より低い濃度のグルタチオン量を作るために、調製物は様々なグルタチオン量を含む。この記載には、米国特許第5891465号(Keller et al)に記載されている製造方法が組み込まれている。 本発明の好適な変更例は、1オンス当たり100mgのEDTA(エチレンジアミン4酢酸)を添加して、グルタチオンとともにリポソーム内に封入するというものである。(実施例1A) リポソームグルタチオンドリンク又はスプレー(2500mg/1オンス)、又はカプセル封入に適した形態、又はゲル 構成材料であるレシチン、エタノール、グリセリンを含んだ脂質混合物は、大容量フラスコ内で混合された後、これを置いて構成材料を混ぜ合わせた。 別個のビーカに、水、グリセリン及びグルタチオンを含む水混合物が混合されて、50℃まで加熱された。 前記水混合物が、前記脂質混合物に添加されるとともに、高速で、高せん断均質化ミキサーを用いて30分あたり750−1500rpmでよく混合された。 この均質化を停止した後、溶液を磁性板上に置いて、パラフィルムで覆った。そして、この溶液を、室温まで冷やして、磁性のかき混ぜ棒で混合した。通常、この溶液に、シトラス・シード抽出物を加え、また、ソルビン酸カリウムやBHT等の腐敗抑制剤が加えられる。そして、この溶液は、液体として摂取可能、或いはスプレーとして投与可能とするような適切な容器に入れられた。 調製物は、400倍率で偏光を用いて視覚的光学顕微鏡で分析され、これにより多重膜脂質小胞(MLV:Multilamellar lipid vesicles)と単層脂質小胞を確認した。 好適な実施例としては、より低い濃度のグルタチオン量を作るために、調製物は様々なグルタチオン量を含む。この記載には、米国特許第5891465号(Keller et al)に記載されている製造方法が組み込まれている。(実施例2) EDTA(1000mg/1オンス)を含むリポソームグルタチオンドリンク又はスプレー(1000mg/1オンス) 本発明の実施例2は、液体のリポソーム(実施例1Aで調製したもの等)をゼラチンのカプセルに組み込むものである。この実施例は、その安定性が向上し、便利な剤型とすることができ、さらにリポソームの放出しようとする特性を抑えることができる。本実施例は、還元型のグルタチオンの使用に関し、このグルタチオンは、リポソームに封入されている、或いはプリリポソーム処方物として処方されて、カプセルに封入される。前記カプセルは、軟質なゲルカプセルであってもよく、このようなゲルカプセルは、一定量の水を保持することができる。或いは、前記カプセルは、ツーピースカプセルであってもよく、このようなツーピースカプセルも一定量の水を保持することができる。さらに前記カプセルは、リポソームが予め製造されて脱水された状態のツーピースカプセルであってもよい。 生物学的に封入された物質を含むリポソームカプセルユニットが摂取されうる。これは経口投与により、或いは、局所的に用いられる使用ユニット(ユニット オブ ユーズ)応用を用いた、他の応用の眼内、鼻腔内、直腸、又は膣であるような他の経路を介する投与により行われてもよい。 実施例1と実施例2の組成物は、本発明のカプセル封入された実施例として利用されてもよい。 ゼラチンカプセルは、その内側及び外側において、水に対する耐性が低い。軟質なゲルカプセルの通常の水耐性は、その内側において10%である。リポソーム処方物における水の濃度は、60〜90%の範囲の値をとりうるが、本発明の必須の構成材料であるリポソーム処方物は、5〜10%の範囲であるような、比較的少ない量の水分を含む処方物である。水分が少ない水系中でリポソームを製造することにより、リポソームが生物学的に活性な物質を封入することができ、またカプセル内側が水にさらされることを制限できる。この水の濃度は使用されるカプセルの水の耐性を超えない。本発明の好適なカプセルは15−20%の範囲の水分に対して耐性を有する。 米国特許第6726924号(Keller et al)に記載された方法は、本明細書に組み込まれる。 構成材料が混合されて、リポソームは注入方法(Lasic, D., Liposomes, Elsevier, 88-90, 1993参照)により作られる。リポソーム混合物を冷却して、そのうちの0.7mlを、1mlインシュリン・シリンジの中に取り込んだ。そして、リポソーム混合物を軟質のゼラチンカプセルの開口へ注入し、ピンセットを用いてカプセルをふさいだ。得られたカプセルは10mgのCoQ10を含む。大量のゲルのふたをするためには、回転金敷方法(rotary die method)やノートンカプセル機であるような他の方法を用いることが最適である。(実施例3)グルタチオン・リポキャップ(LipoCap)処方物 構成材料が混合されて、リポソームは注入方法(Lasic, D., Liposomes, Elsevier, 88-90, 1993参照)により作られる。リポソーム混合物を冷却して、そのうちの0.7mlを、1mlインシュリン・シリンジの中に取り込んだ。そして、リポソーム混合物を軟質のゼラチンカプセルの開口へ注入し、ピンセットを用いてカプセルをふさいだ。得られた1グラムのカプセルは、898IUのビタミンEを含む。回転金敷方法等の、大量のゲルのふたをするための方法は、商業的に応用するためには好適な方法である。 本発明の実施例3は、自己形成した、熱力学的に安定なリポソームを用いたリポソーム懸濁液の製造を含む。この懸濁液は、水溶液へジアシルグリセロール-PEG脂質を添加して形成される。前記ジアシルグリセロール-PEG脂質は適切な充填パラメータを有し、前記添加が、前記脂質の融解温度を超える温度で行われる。米国特許第6610322号(Keller et al)に記載される方法は、本明細書に組み込まれる。 大体の場合、全てではないが、公知のリポソームの懸濁液は、熱力学的に安定していない。むしろ、公知の懸濁液のリポソームは、リポソーム形成に用いられるエネルギーにより、動力学的に高エネルギー状態にある。エネルギーは、熱、音波、放出、均質化として提供されてもよい。全ての高エネルギー状態は、自由エネルギーを低くするように働くから、公知のリポソーム処方物は、凝集、融解、沈降、及び、リポソーム関連物質の漏出の問題を抱えている。したがって、このような問題を有さない熱力学的に安定なリポソーム処方物が望ましい。 本実施例において、形成時の温度で熱力学的に安定なリポソーム懸濁液が好適に使用される。前記懸濁液は、脂質の構成材料を使用することによりに形成され、該脂質は基本的性質を有している。第1に、脂質構成材料は、リポソームの形成を可能とする充填パラメータを有する。第2に、脂質は、その頭部基の一部に、ポリエチレングリコール(PEG)又はこれと類似の特性を有するポリマーを含み、懸濁液内でリポソームを立体的に安定化する。第3として、脂質は、水溶液とともに混合される際に液状であることが可能であるような融解温度を有する。 好適な基本的性質を有する脂質構成材料を使用することにより、リポソームを形成する際に水溶液と脂質を混合するときのエネルギーが、殆ど或いは完全に不要となる。脂質が水と混合されるときには、それらが含まれる系が低い自由エネルギー状態になろうとするから、脂質の分子は分散して、自己集合する。使用される脂質に応じて、最も低い自由エネルギー状態が、小さな単層小胞(SUV)リポソーム、多重膜小胞(MLV)リポソーム、或いは、SUVやMLVの組合せを含んでもよい。 本発明の一側面として、本発明はリポソームを調製する方法を含む。この方法は、水溶液を準備する段階;、脂質溶液を準備する段階を含み、該溶液は、充填パラメータ測定により、Pa(Paは表面充填パラメータを示す)が、0.84から0.88の間の数値を有し、Pv(Pvは容量充填パラメータを示す)が、0.88から0.93の間の数値を示す(D. D. Lasic, Liposomes, From Physics to Applications, Elsevier, p. 51 1993参照)。そして、溶液に含まれる少なくとも1つの脂質が、ポリエチレングリコール(PEG)鎖を含み、これにより水溶液と脂質溶液が混合されている。PEG鎖は、好ましくは約300から500の間のダルトンの分子量である。振動やボルテックスであるような、運動エネルギーが、前記脂質溶液や水溶液に与えられる。前記脂質溶液は、単一の脂質を含んでもよい。また前記脂質は、ジオレオリルグリセロール‐PEG−12(dioleolylglycerol-PEG-12)を単独で、或いは脂質の混合物のうちの1つとして含んでもよい。本発明の方法は、さらに活性化合物を準備する段階を備え、本発明において、この活性化合物とは還元型グルタチオンである。本発明の方法は、さらに前記脂質溶液と水溶液と前記活性化合物を組み合わせる段階を含む。 実施例3の変更例は、還元型グルタチオンとEDTAの組合せ物である。 還元型グルタチオンと本発明に係る化合物の本実施例の更なる変更例は、米国特許第6610322号(Keller et al.)に記載されるレボドパ、カルビドパ、セラニウム及びEDTAを含む。(事例及び投薬) 嚢胞性線維症におけるリポソームグルタチオン(事例1) 4歳児(MF)は嚢胞性繊維症と診断され、汗の塩素濃度が高い等の特徴的な所見が確認されている。彼女は、抗生物質治療が必要となるような呼吸器系感染症に頻繁にかかり、また、慢性的に咳をする。彼女の母親は、彼女が活発に遊ばなくなった、また身体的活動が制限されているとの見解を示した。MFの赤血球のグルタチオンレベルは、2004年に136と確認された。(正常領域は200〜400マイクロモル/Lである) 経口リポソーム還元型グルタチオンは一回につき300mgの用量で摂取された。これを1日1回投与で2週間継続した。この組合せ物の摂取から2週間後、患者のグルタチオンレベルは570マイクロモル/Lを示した。経口リポソーム還元型グルタチオンを、前記間隔で摂取している間、患者の慢性的な咳の臨床症状が改善され、患者がより活発になったことが確認された。母親は、経口リポソーム還元型グルタチオン摂取の後は、彼女は正常に生活しているとの見解を示した。彼女の経口リポソーム還元型グルタチオンの摂取量は、1日1回、1回につき150mg用量に調節されて、グルタチオンレベルは、240マイクロモル/Lまで減少した。そして、この1日1回、1回につき150mg用量は維持された。(事例2)Laura B 深刻な慢性肺疾患と慢性副鼻腔うっ血の症状を示すCF患者(23歳)について、彼女の肺機能は2年間非常に低いレベルであり、変化がない。 ベースラインRBC GSHは低い。 ベースラインRBC GSHは46マイクロモル/Lで低い。治療して3週間後、RBC GSHは246マイクロモル/Lであった。RBC GSHの正常範囲は、200〜400マイクロモル/Lである。 臨床的に、患者は副鼻腔と肺における粘液分泌の量が減少し、また慢性的な咳の症状が改善したことが確認された。(事例3) 18ヶ月の女児(GF)は、胃腸に嚢胞性線維症の兆候が見られた。最初の12ヶ月の彼女の成長パターンは正常で、彼女の体重も50パーセンタイルであった。最初の診断の時、彼女の体重は25パーセンタイルまで減少した。グルタチオンの血中レベルは正常であった。女児は1日2回、100mg/30ポンドの用量でリポソームグルタチオンを摂取して処置された。 リポソームグルタチオンを摂取してから3ヶ月後、女児の成長は正常に戻り、彼女の体重も50〜60パーセンタイルを示すようになった。 本発明の好適な実施例における投薬は実施例1に示されたものであり、経口リポソームグルタチオン2500mg/オンスを使用するものである。(好適な使用) 1オンスは小さじ5.56杯である。小さじ1杯分の経口リポソーム還元型グルタチオンはおよそ440mgGSHを含む。 提案される用量は体重に依存し、推奨される用量は、日々使用されるための用量である。好みに応じてリポソームグルタチオンを液体中に混合してもよい。開封の後は変質を防ぐために冷蔵する必要がある。(体重に基づく日用量の決定)(パーキンソン病) パーキンソン病に対する本発明の好適な応用は、最初にグルタチオン治療に対する患者の反応を確認することである。この治療とは、グルタチオン1500mgの静脈内注射を用いるものである。1回1500mgのグルタチオン静脈投与を、12〜24時間おきに合計3回行う。そして、患者の反応を確認する。このグルタチオンの使用により、好ましい兆候(患者のパーキンソン病の症状の改善)が確認された場合は、本発明(リポソームグルタチオン)を経口投与して、パーキンソン病の症状の改善を図ることができる。(レボドパの投与ガイド) カルビドパ/レボドパ(各10/100含有錠剤:カルビドパ10mgとレボドパ100mg、各25/100含有錠剤:カルビドパ25mgとレボドパ100mg、各25/250含有錠剤:カルビドパ25mgとレボドパ250mg、放出抑制錠剤:カルビドパ50mgとレボドパ200mg)(事例3) 67歳の女性(PP)は、手が震える症状を示し、これはパーキンソン病の症状と一致する。彼女は、この震えにより、ボタンを留める動作やサインする動作が困難である。彼女は、リポソーム還元型グルタチオンを経口投与され、この投与は、600mgを1週間に2回行うというものであった。このリポソーム還元型グルタチオンの投与をして3週間後、PPの震えは顕著に減少したことが確認された。この震えの減少により、PPは、ボタンを容易に且つ早く留めることが可能となり、サインをすることもできるようになった。(パーキンソン病におけるリポソームグルタチオンの投与方法) 最初の治療は、好ましくは、小さじ1.5杯量のリポソームグルタチオンを投与することで、このリポソームグルタチオン量には、約660mgのグルタチオンを含む。前記投与を、1日2回、2週間行う。この投与の期間の間で、臨床的な改善が確認された場合は、患者のよい反応が維持できる程度まで用量を減らして、投与を継続的に行ってもよい。 約660mgのグルタチオンを含む、小さじ1.5杯量のリポソームグルタチオンの投与(1日2回、2週間)による治療により、その期間の終わりまでに患者の反応が何ら確認できない場合は、或いは、臨床的に改善が確認された。この投与の期間の間で、臨床的な改善が確認された場合は、患者のよい反応が維持できる程度まで用量を減らして、投与を継続的に行ってもよい。 本発明の変更例には、下記の使用が含まれる。 最初の用量は、1オンス(=2500mg)である。全投与或いは4回投与を、12時間おきに行う。患者の反応を確認して、臨床的に反応が得られる程度の用量で投与を継続する。以下は、用量を決定するための体重の指標である。表中、患者の体重と治療に対する反応により日用量を決定し、還元型グルタチオンを「GSH」という。 単語「セラニウム」は、化学元素のセラニウム、或いは薬学上許容されるセラニウム由来の化合物を意味する。このセラニウムはグルタチオンが関与する生化学サイクルの活動を促進する。セラニウムは、十分なセラニウムが存在することを確認するために用いられる。 本発明は、本明細書に開示する内容に限定されず、また本発明の最良の形態に限定されない。さらに本発明は、本発明と等価のもの全て、また本発明の実施例と類似するものを含むものとする。本発明が、ヒト、哺乳類、動物、植物科学に適用さることは当業者により明らかである。本発明の等価のものとは、本発明は安定剤や添加物との組合せ物も含み、安定剤や添加物により保存性が向上する。これら等価のものとしては、薬学的に活性なラセミ混合物、ジアステレオマー、光学異性体、また薬学的に許容される塩を、適当な製薬担体と組合せられてもよい。 71.9%w/wの脱イオン水、 15.00%w/wのグリセリン、 2.50%w/wのポリソルベート−20、 1.50%w/wのレシチン、 0.50%w/wのシトラス・シード抽出物、 0.10%w/wのソルビン酸カリウム、および 8.50%w/wの還元型グルタチオン、を含む、嚢胞性線維症又はパーキンソン病を処置するための、ドリンク又はスプレーとしてのみの経口投与のためのリポソームグルタチオン。


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