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タイトル:特許公報(B2)_大腸連続性を伴う短腸症候群患者の治療
出願番号:2007539237
年次:2013
IPC分類:A61K 38/26,A61P 1/00


特許情報キャッシュ

サンギネッティ,エリザベス,エル. マリオット,トーマス,ビー. ロパンスリ,ジェニファー ブロッシュ,コンスエロ,マリア JP 5197012 特許公報(B2) 20130215 2007539237 20051101 大腸連続性を伴う短腸症候群患者の治療 エヌピーエス ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド 505166351 NPS PHARMACEUTICALS, INC. 平木 祐輔 100091096 石井 貞次 100096183 藤田 節 100118773 新井 栄一 100122389 サンギネッティ,エリザベス,エル. マリオット,トーマス,ビー. ロパンスリ,ジェニファー ブロッシュ,コンスエロ,マリア US 60/623,233 20041101 20130515 A61K 38/26 20060101AFI20130418BHJP A61P 1/00 20060101ALI20130418BHJP JPA61K37/28A61P1/00 A61K 38/00-38/58 A61P 1/00 CAPlus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN) JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamII) SCOTT,R.B. et al,The American journal of physiology,1998年,Vol.275, No.5,p.G911-21 SIGALET,D.L. et al,Journal of pediatric surgery,2000年,Vol.35, No.2,p.360-4 JEPPESEN,P.B. et al,Gastroenterology,2001年,Vol.120, No.4,p.806-15 Gastroenterology,2002年,Vol.122, Suppl.4,p.A191-192,S1249及びS1250の項 JEPPESEN,P.B.,The Journal of nutrition,2003年,Vol.133, No.11,p.3721-4 teduglutide,[ONLINE],NPS Pharmaceuticals,2003年10月 3日,[平成23年5月16日検索],インターネットから取得,URL,http://replay.web.archive.org/20031003111216/http://www.npsp.com/drug_development/dd_alx0600.php 12 US2005039222 20051101 WO2006050244 20060511 2008518941 20080605 17 20080818 荒巻 真介 本発明は、短腸症候群を呈する患者を治療する上で医学的に有用な生成物及び方法に関する。とりわけ本発明は、腸機能を改善する上で特に大腸連続性を伴う短腸症候群を呈する患者に有効なグルカゴン様ペプチド2(GLP-2)その他のGLP-2レセプターアゴニストに関する。 在宅中心静脈栄養法(home parenteral nutrition:HPN)を必要とする非悪性疾患を伴う短腸症候群(short bowel syndrome:SBS)患者の推定罹患率は、米国人口100万人あたり少なくとも40人である。SBSは、通常、クローン病、腸間膜梗塞、腸軸捻症、外傷、先天異常、及び癒着又は放射線による多発狭窄症等の病気を原因とする一部又は大部分の小腸の外科的切除に起因する。外科的切除は、大腸の全部又は一部の切除も包含し得る。SBS患者は、栄養失調、脱水症、及び体重減少の原因となり得る吸収障害に苦しむ。一部の患者は、過食により自己のタンパク質やエネルギーバランスを維持できる。さらに例外的に、これらの患者は、流体及び電解質要件を持続することができるので非経口流動食に依存しなくなることがある。 長期の非経口的栄養法(parenteral nutrition:PN)は、腸疾患を伴う患者にとって命を救うものであるが、高価で生活の質(QOL)を損なうものであり、またカテーテル敗血症、静脈閉塞、及び肝不全等の重大な合併症を伴う。絶対的な腸管吸収を増幅し、PNの必要性を排除又は最小にする治療法は、SBS患者にとって非常に大きな潜在的意義がある。 内在性の摂食誘導ホルモンであるグルカゴン様ペプチド-2(GLP-2)は、SBS患者にとって相当興味深いものである。GLP-2は、胃内容排出を遅め、胃液分泌を減少させ、腸の血流を増加させ、また小腸及び大腸の成長を促す機能をもつ。動物実験でのGLP-2投与は、クリプト細胞の増殖刺激及び腸細胞のアポトーシスの抑制によって、胃、及び小・大腸における粘膜上皮増殖を誘導する。 末端空腸瘻造設を有し、大腸を失っているSBS患者では、主として回腸末端部及び大腸に局在するGLP-2分泌L細胞の除去によりGLP-2の基底レベルが低く、また摂食誘導されるGLP-2分泌が制限されている。このGLP2欠乏が、切除後に最低限の適応反応をもたらし、また該SBS患者で観察される胃液分泌過多、急速な腸管輸送、腸適応性の欠如を説明できる。 Jeppesenらは、非特許文献1でSBS空腸瘻造設患者での天然GLP-2の薬理学的投与を使用した非盲検実験における決定的な利点を記載している。すなわち、体重、除脂肪体重の増加、及び尿クレアチニン排出の増加に繋がる腸湿重量吸収の顕著な改善及びエネルギー吸収の適度な改善があった。 一方、大腸連続性を伴うSBS患者は、湿重量増加及びエネルギー吸収の改善によって特徴づけられる、切除に対する適応反応をもたらす高い内在性GLP-2基底レベルを有している。該患者におけるGLP-2レセプターアゴニストの薬理学的投与の付加的利点に関する潜在性は明らかでなく、また研究されていない。Jeppesenら、Gastroenterology 2001;120:806-815. 今回、大腸連続性を呈するSBS患者をGLP-2レセプターアゴニストで処理すると、該患者の腸管吸収が増強されることを見出した。 したがって、一の局面において、本発明は残存小腸と繋がった少なくとも約25%の大腸を有する短腸症候群患者を治療用に選択し、前記患者をGLP-2レセプターアゴニストで処理して前記患者による腸管吸収を高めるステップを含む、短腸症候群を伴う患者の腸管吸収を増強する方法を提供する。 関連する局面において、本発明は残存小腸と繋がった少なくとも約25%の大腸を有する短腸症候群患者の腸管吸収を増強する薬剤調製におけるGLP-2レセプターアゴニストの使用を提供する。 好ましい実施形態において、前記GLP-2レセプターアゴニストはテドグルタイドとして知られる[Gly2]hGLP-2である。 以下、本発明の実施形態を添付の図面を参照して説明する。 少なくとも一部、例えば>25%の大腸を保有するSBS患者の腸管吸収に対するGLP-2レセプターアゴニストのプラス効果は、特に驚くべきものがある。該患者は、GLP-2産生組織を実質的に保有している。実際、正常で健康な個体において摂食刺激されるレベルと同じ高さになり得、また正常個体で腸管吸収に必要な腸粘膜の維持に関与する、内在性GLP-2の高い基底レベルを示す。それにもかかわらず、該患者を本方法によって治療した場合、該患者には、主に絶対湿重量吸収の増加で示されるように増強された腸管吸収として明らかになる臨床上大きな利益がある。 特に、本治療法の候補となる患者は、クローン病、血管虚血症、腸回転異常若しくは腸軸捻転症、外傷、先天異常、又は癒着若しくは放射線による多発狭窄等で併発し得る小腸切除に起因したSBSを呈しており、栄養要求を満たすため非経口栄養を必要とする者である。短腸症候群を呈する患者として、このような患者は一般に切除後少なくとも約25cmから多くとも約200cmの範囲内、例えば約50〜150cmの長さの小腸を保有している。このようなSBS患者としては、空腸の一部が切除され、かつ通常回腸の全部が切除されている空腸瘻造設の患者、及び/又は回腸の一部が切除され、かつ空腸はあってもなくてもよい回腸瘻造設を呈する患者が含まれる。空腸瘻造設又は回腸瘻造設を有するSBS患者は、一般に残存大腸をほとんど持っていないが、もし持っている場合は残存小腸と繋がっていない。 本方法の治療に選択されるSBS患者は、残存小腸と繋がった状態で、大腸の長さの少なくとも一部、例えば、少なくとも約25%、望ましくは30%、35%、40%、45%、また好ましくは少なくとも50%、60%、70%、80%、90%以上を保有する者である。大腸の残存長は、通常、患者候補者の外科記録から決定される。換言すれば、本治療法に好ましい患者は、少なくとも大腸のない患者により生産される極僅かなレベルよりも高い、理想的には健康なボランティアにより生産されるGLP-2レベルと同程度のレベルの内在性GLP-2を産生するのに十分な大腸を保有した短腸症候群患者である。正常で健康な個体の内在性GLP-2レベルは、空腹時15±2pmol/L、また摂食時61±9pmol/Lである。したがって、本治療法の候補者は、摂食期における前記レベルの少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%以上を生産するのに十分機能する大腸を保持したSBS患者である。例えば、少なくとも摂食時約5pmol/L、望ましくは摂食状態で10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、及び70pmol/Lの内在性GLP-2を生産するのに十分機能する大腸を保持したSBS患者である。 好ましい実施形態において、治療候補者は、残存小腸と繋がった少なくとも50%以上の大腸の長さを保持する短腸症候群患者である。このような治療候補者を本明細書では「≧50%の大腸連続性を呈する」患者と表示する。他の好ましい実施形態において、大腸との連続性をもつSBS患者は、少なくとも約50cmの長さの残存小腸を有する。該残存小腸は、少なくとも回腸の一部を含むことが望ましいが、これは必須ではない。 外科的切除後はいつでも前記患者を本方法による治療のために選択することができる。すなわち、術後順応する上で十分な時間のある患者だけでなく、現在順応中の患者も治療候補者として受け入れることができる。 本方法によれば、大腸連続性を呈する短腸症候群患者の治療は、腸管吸収、特に水分及び塩を含む流動物の腸管吸収、しかもそれだけでなく栄養を含む流動物の腸管吸収を増強するのに有効である。この効果は、特に活動栄養吸収試験を使用した食物湿重量から便湿重量を差し引くことで決定される絶対湿重量吸収において、治療を介した統計的に有意な増加として示される。また治療効果は、一般に便湿重量の減少、尿湿重量の増加、エネルギー排出の減少(本明細書記載に準じて測定される)、及び本明細書の実施例で示されるその他の事項としても見られる。 本治療方法は、腸管吸収を増強するのに有効な治療計画を用いて、選択した患者にGLP-2レセプターアゴニストを投薬することを伴う。このようなGLP-2レセプターアゴニストは、2000年6月20日に発行されたMonroeらの米国特許第6,077,949号(本願に引用して援用する)で報告されたように、ヒトGLP-2レセプターに好ましくは選択的に結合し、またそれを刺激する分子として特徴付けられる。簡単に言えば、レセプターアゴニストは、ヒトGLP-2レセプターを自然に産生する又は該レセプターをコードするDNAでトランスフェクトされている宿主細胞に接触した際に該レセプターと共役してセカンドメッセンジャーの生成を引き起こす、又は該セカンドメッセンジャーのレベルの上昇を誘発する作用剤であることが明らかとなっている。 本発明の一の実施形態において、GLP-2レセプターアゴニストはヒトGLP-2である。他の実施形態において、GLP-2レセプターアゴニストは、ヒトGLP-2の脊椎動物ホモログ、例えば哺乳動物ホモログである。したがって、本発明の実施形態で有用なGLP-2レセプターアゴニストは、ヒト、ウシ、ブタ、霊長類、ヒツジ、マウス、ラット、デグー及びそれに似たものを含むげっ歯類、並びに他の脊椎動物種に内在するGLP-2で見出された配列を有するGLP-2を含む。 他の実施形態において、GLP-2レセプターアゴニストは、少なくとも1個、また通常は多くて5個(例えば、1、2、又は3個)のアミノ酸置換又は付加を導入した、また1個から5個以上のアミノ酸のC末端切断も有し得るヒトGLP-2の類似体である。 好ましい一の実施形態において、GLP-2レセプターアゴニストは、血清中半減期を引き延ばすように改変されたGLP-2ペプチド類似体である。特に好ましい実施形態において、GLP-2ペプチドは、該ペプチドを内在性の酵素ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP-IV)に対して耐性にするアミノ酸置換を有している。そのような類似体は、必須ではないが望ましくは遺伝的にコードされたアミノ酸によって、希望するタンパク質の組換え産生を可能にするためAla2残基の適当な置換を有している。Ala2を効果的に置換してGLP-2レセプターアゴニスト活性を保持し、DPP-IVの影響を受けにくいGLP-2類似体を提供することのできるアミノ酸としては、Gly、D-Ala、Val、Glu、Lys、Arg、Leu及びIleがある。さらに他のGLP-2類似体には、酸化に対して感受性が低いアミノ酸によってMet10を置換したものが含まれる。 もう一つの実施形態は、GLP-2ペプチド、又はGLP-2ペプチド類似体を投与後に前記ペプチドが体内で分解される速度を低減するという望ましい効果を有する親油基、ポリエチレングリコール基、アルブミン、又はその他の官能基との結合により、例えば内部の又は置換したリジンで誘導体化して、血清中半減期を延長することである。このような誘導体型は、GLP-2レセプター活性に対して目に見える程のマイナス効果はないが希望の官能基と結合可能な保存された、又は保存されていないリジン置換等の置換をもったGLP-2の誘導類似体であってもよい。当然のことながらGLP-2又はGLP-2類似体の前記誘導体型は、たとえプロドラッグ、すなわち前投与形態ではGLP-2レセプターアゴニストの性質を示さないとしても、それらが投与後にGLP-2レセプターを介してその内因性の効果を発揮するのならば、GLP-2レセプターアゴニストと考えられる。 多種多様な有用活性GLP-2類似体及び誘導体が、以下のような文献に記載されている。すなわち、部位特異的GLP-2類似体を教示する2000年6月20日発行の米国特許第5,789,379号、及び関連する1997年10月23日公開の国際公開第97/39031号、GLP-2のアルブミン誘導体型及び類似体を教示する2003年8月27日公開の国際公開第02/066511号、及びGLP-2の脂溶性誘導体型及び類似体を記載している1999年10月14日公開の国際公開第99/43361号、2004年4月29日公開の国際公開第04/035624号、そして2004年10月7日公開の国際公開第04/085471号で明らかにされている。 本発明の特に好ましい実施形態において、GLP-2レセプターアゴニストは、テドグルタイドとして知られる[Gly2]hGLP-2である。 大腸連続性を伴うSBS患者を治療するのに効果的な投与計画は、選択したGLP-2レセプターアゴニストを、腸管吸収を増強するのに十分な投与量で前記患者にしばらく投与することを伴う。本明細書の実施例で言及したように、また本発明の好ましい実施形態によれば、適切な治療計画の一つは、30〜150μg/kg/日の範囲の投与量で約21日間、腹部、大腿部、あるいは腕への皮下注射によるテドグルタイドの1日1回の投与を伴う。ヒトGLP-2それ自体や同程度の性質をもつ他のGLP-2レセプターアゴニストと同様に、効果的なテドグルタイドの1日量は、20〜300μg/kg/日等、一般に約5〜500μg/kg/日、例えば約10〜400μg/kg/日の広範囲にあるであろうことが予想される。 これらの結果から、当然のことながら代替的な投薬計画において、テドグルタイドを使用するか、あるいはGLP-2レセプターアゴニスト関連物質のいずれかを使用すれば、類似の薬効を期待することができる。テドグルタイド自体については、1日2回、あるいはもっと頻繁な投与が効果的である。1日2回(12時間毎)の投薬は、通常約5〜250μg/kg/回で行う。約14日から数ヶ月又は数年といったような、より短い又はより望ましくは長期投与を必要とするスケジュールを組むことができる利点もある。また、患者が継続投薬か、フォローアップ投薬のいずれかを受けている維持量も望ましい。フォローアップ投薬は、通常、毎週、隔週、毎月、3ヶ月毎等のような標準頻度で行う。継続投与は、通常、初回処理で生じる腸管吸収が増加した増加吸収表面積の有効性を維持するのに効果的な量を患者に与え、1〜28日毎の範囲内で少なくとも1回、例えば1日おき、週2、3回、週1回等で患者に投薬することで効果をもたらすことができる。継続又はフォローアップ投与は、GLP-2レセプターアゴニストにより仲介される医学的効果を維持するのに重要な可能性がある。実施例で言及するように、例えばテドグルタイドでの治療後の腸管吸収の改善は、例を挙げれば投与中断後4週間以内に急速に失われる可能性がある。 本明細書に記載したテドグルタイド投与計画は、薬理学的、薬物動態学的、及び薬力学的性質に関係することで、薬剤開発における標準的方法に従って薬物動態学的性質が既に知られている、又は決定され得る他のGLP-2レセプターアゴニストの効果的な投与スケジュールを決定するのに役立つ。 当然のことながら、投与経路、及びGLP-2レセプターアゴニストの個々の剤形を選択して、その薬剤の効果を保持し、望ましくは最適化することができる。皮下、筋肉内、静脈内等のような注射による投与が適している。あるいは、薬剤を注入によって、又は蓄積注射(depot injection)による等、腸組織の漿膜側の標的部位に薬剤を送達するその他の手段によって投与することができる。もし注射で投与するならば、薬剤をユーザによる再調製用凍結乾燥粉末として、またユニットあるいは反復投与のいずれかとして処方できる。テドグルタイドの一処方は、例えば、2001年7月12日公開の国際公開第01/49314に記載されており、テドグルタイドがL-ヒスチジン、マンニトール、及びリン酸ナトリウムと共に存在する再調製用粉末を提供している。これは、注射及び自己投与のため水1mlを用いる再調製用として、通常10mgのテドグルタイドを含む3mlのガラス製の薬瓶として実用的に提供されている。もう一つの処方は、注射用に水0.5ml等の少量の水性媒体中に入れてテドグルタイド10mgを提供することである。 GLP-2レセプターアゴニストの選択と投薬スケジュールを含む選択治療パラメータが、腸管吸収の最適な増強を提供するために、例えば例として便湿重量で少なくとも約5%、10%、15%、若しくは20%以上の減少、及び/又は尿重量で少なくとも約5%、若しくは10%以上の増加として示される患者に吸収された流動物及び栄養物の量の増加を提供するために、適切に選択される。 本発明の実施例を以下に例示する。 <患者> 調査対象は、PNを受けている患者を介護する米国とデンマークのセンターから募集された。全患者は、胃、十二指腸又は膵臓のいずれの外科的切除もされることなく、小腸の広範囲に及ぶ切除を受けていた。 調査対象患者基準は以下の通りである。18歳以上;クローン病、腸軸捻症、損傷又は血管虚血、150cm以下の残存小腸に続発し得るSBSの診断;活性炎症性腸疾患(IBD)又は瘻孔の臨床所見がない;放射性腸炎、又はスプルーの病歴がない;アルコール又は薬物乱用がない;重大な腎臓、肝臓又は心臓の疾患がない;スクリーニング前の少なくとも4週間グルタミン投与がない;3ヵ月のスクリーニング中、成長因子の投与又はいずれの臨床試験への参加もない(再挑戦グループにおけるテドグルタイドの使用を除く)。≧50%の大腸連続性を伴うSBS患者は、1kg/日を超える実証便重量、及び2MJ/日(478Kcal/日)を超える便エネルギー損失が見られた。 出産可能年齢の女性は、本調査包含前に血中βヒト絨毛性ゴナドトロピン試験で陰性でなければならず、また調査期間中有効な避妊薬を使用した。プロトンポンプ阻害剤、コデイン、ロペラミド、並びに経口及び非経口サプリメント等の通常の薬剤投与は、そのまま継続された。地方倫理委員会又は施設内治験審査委員会が本プロトコルを承認した。手順は、1996年の第48世界医師会により変更された1964年のヘルシンキ宣言の倫理基準に従った。各適格患者は、実験前にインフォームド・コンセント書類にサインしている。 <実験プロトコル> これは、短腸症候群(SBS)を伴う患者におけるテドグルタイドの安全性と効果を測定するための非盲検な試験的研究である。前記患者の病歴を再検討し、また本調査包含前に身体検査を行って適格性を決定した。推定残存小腸及び大腸の長さは、手術報告書の見直し、また使用可能な放射線学的検査によって決定された。適任患者を18日間隔で分離した3時点、ベースライン期間の終りの3泊4日の間、並びに処理期間及びフォローアップ期間の終了時に病棟又は総合臨床研究センター(GCRC)に入院患者として収容した。治療薬は、L-ヒスチジン、マンニトール、リン酸1ナトリウム、及びリン酸2ナトリウムを含む凍結乾燥粉末(Lot 8502901)として調剤された組換えテドグルタイド(カナダ、オンタリオ、ミシソーガ、NPS Allelix社提供)から成る。腹部又は大腿部の皮下(s.c.)注射による投与のために水を加えて薬剤を再調製した。10人の空腸瘻造設を伴うSBS患者に0.03mg/kg/日、0.10mg/kg/日、又は0.15mg/kg/日で1日1回21日間投与した。5人の≧50%の大腸連続性を伴うSBS患者には、0.10mg/kg/日で1日1回21日間投与した。 それぞれの入院期間に、患者に72時間栄養バランス調査及びD-キシロース吸収調査を行い、また近位若しくは遠位内視鏡検査により腸粘膜の状態を確認し、生検サンプルを採取した。空腸瘻造設SBS患者からは、空腸瘻孔(人工肛門)を介して、又は上部消化管内視鏡により生研を採取した。大腸連続性を伴う患者からは、結腸‐直腸生検を採取した。テドグルタイド処理は第1日目に(ベースライン期間後直ちに)開始し、1日1回で21日間継続した。投与初日及び最終日に、全患者から血漿中濃度用、及び薬物動態パラメータ用に血液を採取し、またテドグルタイド若しくは大腸菌(E.coli)タンパク質に対するいずれの抗体についてもテストした。患者は、入院期間、及び通院患者が来院する7日目と14日目に安全性(有害事象、健康診断、バイタルサイン、ECG、実験室結果、及び注射部位試験)についてモニターされた。 通常の食事をしている各患者で72時間栄養バランス調査を行い、スクリーニング期間に患者が記入した7日間の食事日誌から計算した。これは、各入院期間に患者に同じ質と量の食物と飲物を飲食させるためであった。72時間バランス期間中の全経口摂取物(複製飲食物及び辞退した食物)、便/人工肛門排泄物、及び尿を回収し、重さを測定した。回収期間中の全ての排泄物サンプルを冷蔵した。排泄物と食物を別々にホモジェナイズし、エネルギー含量(ボンベ熱量計による)、窒素(マクロケルダール法による)、脂肪(重量法による)、並びにナトリウム及びカリウム(原子吸光による)について解析した。 D-キシロースを使用して腸の炭水化物吸収をテストした。一晩絶食後、200ml蒸留水に25gのD-キシロースを含んだ試験液を2〜3分間で患者に飲ませた。摂取2時間後に血液サンプルを採取し、また摂取5時間後に採尿した。 <形態学的解析> 内視鏡検査を、ベースライン期、処理期、及びフォローアップ期の完了時にそれぞれの被験者で行った。絨毛高及び腺窩深度測定用の全組織サンプルについては、同一病理学者が盲検方式で調製し、解析した。絨毛高及び腺窩深度については、十分に配向させた絨毛及びクリプト細胞10個の平均として光学顕微鏡(接眼レンズマイクロメータ)を用いて測定した。100クリプト上皮細胞あたりの有糸分裂像数を算出した。 <統計> SAS(バージョン8.2;SAS Institute社、ノースカロライナ、ケーリー)統計プログラムを使用して、スチューデント対応t検定をベースライン値に対する処理、及びベースライン値に対するフォローアップを比較するのに用いた。本研究では患者数が限られているため投与量の異なる、又は構造の異なる患者間では比較をしていない。データを平均±SD (標準偏差)で示した。p<0.05の値を有意とみなした。 <結果> (患者) 16人のSBS患者(女性9人、男性7人)を、本非盲検複数センター、投与量決定予備試験に登録し、テドグルタイドを投与した。米国施設4箇所で6人の患者が採用され、またデンマーク施設1箇所で10人の患者が採用された。処置されたこれら16人の患者のベースライン特性を表1に示す。該患者は、10人の末端空腸瘻造設グループ(グループ2)と5人の≧50%の大腸連続性グループ(グループ3)に細分された。当初11人の空腸瘻造設患者がいたが、患者03は生検で大腸の残存部を有することがわかり、後に30%あると判断された。本個体については、どのサブグループ解析にも含めなかった。断られた食物に合わせて調節した複製食の分析から判断されるように、一部の患者は他者よりもより良い食餌一貫性を有していた。治療において食物湿重量及びエネルギー含量が、ベースライン値と多くて10%の差である経口食物摂取を有する患者を「高食餌コンプライアンス」と呼んだ。末端空腸瘻造設を有する5人と≧50%の大腸連続性を伴う5人からなる10人が高食餌コンプライアンスであった(ベースライン値から<10%の変動性)(グループ4)。 SBS患者の二つのグループ(末端空腸瘻造設を有するグループと大腸連続性を伴うグループ)の個体群統計は、年齢幅27〜74歳、体重38.9〜79.2kg、身長幅158〜180cm、BMI(ボディマス指数)幅15.0〜26.9kg/m2、最終腸切除からの年数2.4〜20年(切除後0.9年の1患者を除く。本患者の結果は0.15mg/kg/日投与された他の患者と同様であった。)、及び残存空腸長幅25〜150cmで類似していた。腸切除の原因は、クローン病(11人)、腸間膜梗塞(2人)、腸軸捻転(1人)、狭窄症(1人)、及び損傷(1人)であった。16人のSBS患者のうち12人は止瀉薬を使用し、またオクトレオチドを服用した1人(患者12)を含む14人の患者は抗分泌薬を使用した。評価可能なデータを有する15人の患者のうち、大腸連続性を伴う3人の患者は、PN、あるいは流動食のどちらかを必要とせず、末端空腸瘻造設患者の2人は、流動食のみを必要とした。また、10人の患者はPNと流動食の両方を必要とした。(表1) (コンプライアンス) 連続した大腸部分を有することがわかっている空腸瘻造設患者03、及び大腸連続性を伴うことが知られている患者20は、フォローアップ期間を完了しなかった。服薬遵守(回収瓶の数をカウント)は、栄養バランス期間、参加した全患者で徹底された。15日間は総量で、2日間は半量で投与し、そして4日間は投薬なしであった大腸連続性を伴う患者の一人を除いて21日の治療期間中、投薬遵守は徹底された。 (安全性結果) 安全性について全患者をモニターした。死亡及び有害事象(AE)による中止はなかった。評価可能なデータを有する2人の患者が、投与後にカテーテル関連感染又はカテーテル関連合併症の重大な有害事象を報告した。該AEはテドグルタイドとは関連しないと判断された。AEの発生は、グループ間で類似していた。最も多く見られたAEは、下肢の浮腫、及び空腸瘻造設ニップルの限局性腫脹であった。他のAEとしては頭痛、腹痛があった。3人の患者に軽微な導入部位副次反応(痛み、硬化、発疹の単独症状、紅斑の4症状)が見られた。臨床的に有意な異常検査値は、テドグルタイド処理に関連するとは同定されなかった。バイタルサインやECG(心電図)から、安全性に対する懸念はみられなかった。テドグルタイドに対する抗体は、検出されなかった。患者の1人は処理後、1:1624の大腸菌タンパク質相対抗体力価を有し、6人の患者は1:107と1:228間の相対力価を有していた。 (内在性GLP-2レベル) ≧50%の大腸連続性を伴う患者について、内在性GLP-2の空腹時濃度をテドグルタイド投与前に測定した。5人の対象者のうち4人について該濃度は、健康なボランティアの空腹時平均レベルと摂食時平均レベル(空腹時:15±2pmol/L、摂食時:61±9pmol/L)の間にあった。濃度については、HartmannらによるPeptides 21 2000;73-80(本願に引用により援用する)に記載されたように測定した。5人の対象者の前記レベルは、16、27、37、41、及び73pmol/Lであった。 (テドグルタイドの効果) 湿重量 図1は、グループ2及び3における個々の患者のベースライン時、処理期間、及びフォローアップ時の便湿重量、腸湿重量吸収、及び尿重量を図示している。テドグルタイドでの処理21日目に、各サブグループ(グループ2及び3;表2)において便湿重量がベースラインと比較して有意に減少した。前記減少は、末端空腸瘻造設を有する患者(グループ2、682±911g/日, p=0.040)、及び大腸連続性を伴う患者(グループ3、822±341g/日, P=0.006)において同様であった。絶対湿重量吸収は、食物湿重量から便湿重量を差し引くことで得られた。テドグルタイドは、15人のSBS患者全てで絶対湿重量吸収をベースラインと比較して増加した。これらの増加は、全グループで有意であり、また便排泄の減少を直接反映した。前記絶対湿重量吸収は、15人のSBS患者のうち13人で摂取のパーセントとして増加した。相対吸収における増加は、末端空腸瘻造設を有するSBS患者(グループ2、20±18%, p=0.007)、及び≧50%の大腸連続性を伴う該患者(グループ3、26±16%, p=0.023)で類似していた。腸湿重量吸収の増加から予想されたように、テドグルタイドは15人のSBS患者のうち13人で尿重量を増加した。同様の増加が、末端空腸瘻造設を有する該患者(グループ2、680±535g/日, p=0.003)、及び≧50%の大腸連続性を伴う該患者(グループ3、461±200g/日, p=0.007)において見られた。 エネルギー 図2は、個々の患者のベースライン時、処理期間、及びフォローアップ時の便エネルギー排泄、及び腸エネルギー吸収を図示している。ベースラインと比較すると、15人のSBS患者のうち12人に、テドグルタイドでエネルギー排泄における有意な減少が見られた。本減少は、末端空腸瘻造設を有する該患者(グループ2、532±1703kJ/日, p>0.05)よりも大腸連続性を伴う該患者(グループ3、1343±916kJ/日, p=0.031)、及び高食餌コンプライアンスの該患者(グループ4、1060±1083kJ/日, p=0.013)において一層明らかであった。有意な効果は、改善されたエネルギー吸収(グループ3、1027±798kJ/日, p=0.045、グループ4、963±1290kJ/日, p=0.043)、及び相対エネルギー吸収(グループ3、10±7%, p=0.030、グループ4、8±11kJ/d, p=0.040)でも見られた。 生検 テドグルタイドに関する組織学的に有意な変化が、生検を行ったグループ2の患者8名中7名の空腸で見られた。すなわち、絨毛高(38±45%, p=0.030)、腺窩深度(22±18%, p=0.010)、及び分裂指数(115±108%, p=0.010)の増加があった。これらの結果は、観察された吸収の改善と一致する構造的変化を示していた。小腸の生検は、大腸連続性を伴う患者(グループ3)からは得なかった。しかし、大腸腺窩深度測定用の大腸生検を該患者から得た。腺窩深度は、テドグルタイド処理後、大腸生検5セット中4セットで増加したが、13±22%の平均増加は統計学的有意性に達しておらず(p=0.330)、また分裂指数における増加は有意ではなかった(76±112%, p=0.170)。テドグルタイドに関連する腸管吸収及び組織学での変化は殆どが、フォローアップ時に逆転した。<考察> 本研究における主な発見は、SBS患者の腸湿重量排出の減少と湿重量吸収の改善に対するGLP-2レセプターアゴニスト、テドグルタイド[Gly2]hGLP-2の注目すべき効果であった。これらの効果は、ほとんどで内在性GLP-2濃度が増加している大腸連続性を伴うSBS患者でも見られた。末端空腸瘻造設SBS患者10人では、有意に増加した絶対湿重量吸収(788±551g/日, p<0.01)及び有意に増加した相対湿重量吸収(20±18%, p<0.01)、並びに680±535g/日(p<0.01)の増加した尿生成及び682±911g/日(p<0.05)の減少した便湿重量排泄が見られた。同程度の効果が、≧50%の大腸連続性を伴うSBS患者で見られた。すなわち、有意に増加した絶対湿重量吸収(751±328g/日, p<0.001)及び増加した相対湿重量吸収(26±16%, p<0.05)、並びに461±200g/日(p<0.01)の増加した尿生成、並びに822±341g/日(p<0.01)の有意に減少した便湿重量排泄が見られた。これらの著しい効果は、従来の抗分泌薬及び止瀉薬で最適に処理した定常状態のSBS患者で見られた。 湿重量吸収に対するテドグルタイドの効果は、同様なベースライン湿重量吸収をもつ患者で実施されたもう一つのGLP-2レセプターアゴニストである天然GLP-2の35日間の試験的研究で観察された効果(420±480g/日, p=0.040)のおよそ2倍であった。この卓越した効果は、投与量、及びGLP-2とテドグルタイドそれぞれの半減期の違いに関連している可能性がある。天然GLP-2を用いた試験的研究では、400μgを1日2回与えた(0.013±0.002mg/kg/日に相当、0.011〜0.017mg/kg/日の範囲)。本発明の研究におけるテドグルタイド投与量は、3〜10倍高く、0.03〜0.15mg/kg/日の範囲であった。GLP-2の2位のアラニンのグリシンへの置換は、DPP-IVによる分解を阻害し、約7分(GLP-2)から約0.9〜2.3時間(テドグルタイド)に半減期を引き伸ばす。もし、曲線下面積(area under the curve: AUC)が湿重量吸収の効果に重要であるならば、テドグルタイド処理期間のAUCは、天然GLP-2を用いた時のAUCよりも200倍大きいかもしれない。本研究では、エネルギー及び主要栄養素吸収に対するテドグルタイドの効果は、湿重量吸収に対する効果に比べると小さかった。532±1703kJ/日(p>0.05)と1343±916(p<0.05)の便エネルギー排泄における減少は、それぞれ末端空腸瘻造設を有するSBS患者と大腸連続性を伴うSBS患者で立証されたが、これは絶対又は相対エネルギー吸収における有意な増加と見て取れなかった。にもかかわらず、絶対エネルギー吸収に対するテドグルタイドの効果は、所与の投与量と処理期間において天然GLP-2を用いたとき(441±634kJ/日([105±151kcal/日]), p=0.09)よりも1.5〜4倍高い。したがって、湿重量吸収にのみ影響するH2レセプターアンタゴニスト、プロトンポンプ阻害剤及びオクトレオチドと対照的に、天然GLP-2及びテドグルタイドは、既にこれらの非GLP-2アゴニストで処理した患者の湿重量吸収に対する付加的なプラス効果と共に腸湿重量とエネルギー吸収の両方に影響するようである。 いくつかの生理学的メカニズムは、テドグルタイド処理を用いた腸管吸収で見られたプラス効果を説明できる。内在性の摂食刺激性GLP-2分泌の限られた又は失われた末端空腸瘻造設を有するSBS患者は、少なくとも最初の腸切除後に、しばしば胃液の過剰分泌、及び急速な胃内容排出を受ける。GLP-2は、擬給食の健康なヒトで胃酸分泌を減少し、SBS患者では胃内容排出を長引かせることが証明されている。それゆえ、薬理学的な置換は、理想的破壊機構として以前記載された生理的フィードバックを修復できると思われる。本願は、GLP-2類似体の腸栄養的性質を実証した初めてのヒトでの研究である。他の薬剤は、おそらくは腸吸収表面積の増加の結果として、この規模での有意な順応を促進できなかった。末端空腸瘻造設を有するSBS患者では、テドグルタイドは、小腸絨毛高(38±45%, p=0.030)、腺窩深度(22±18%, p=0.010)、及び分裂指数(115±108, p=0.010)を有意に増加した。 大腸連続性を伴うSBS患者におけるテドグルタイドの効果についてのメカニズムは、推測の域である。これらの患者は、内在性GLP-2を連続して多量に分泌しているが、胃液分泌と胃内容排出は正常である。しかし、テドグルタイドの超生理学的な投与量は、胃液分泌を抑制し、小腸の成長を促進する局所的高濃度を生じ得る。小腸の生検については該患者から得なかった。大腸連続性を伴う、及び伴わないSBS患者においては、動物実験で記載されているように輸送タンパク質のアップレギュレーションが可能である。 厳密な生理学的機構にかかわらず、腸管順応を改善する治療に関連した腸管吸収における増加は好ましくは、体重若しくは組成、水和、身体活動、及び究極的には生活の質に関するがプラス効果に変換されるであろう。後者2点については、本明細書で引用したいずれの研究においても調べなかった。体重は、テドグルタイド処理後、優位には増加しなかった(0.9±2.1kg, p=0.120)。 有害事象のタイプと重篤性は、SBS患者において長期療法を考慮する場合に重要な問題である。本集団では、重大なAEが基礎症状に関連しており、またそのAEは主としてテドグルタイドの薬力学的効果に関連していた。腸湿重量吸収における増加は、非経口量を減らすことで治療可能な末梢浮腫の原因となるかもしれない。 テドグルタイドの薬力学は腸特異的のようであり、またそのAEは限定されている。それゆえテドグルタイドは、SBS患者の長期療法に有効であり得る。改善された湿重量吸収の0.75Lは、本SBS患者の集団に対して臨床上の意義を持つ(例えば、より少ないPN、あるいはより少ない日/週)。非経口注入の時間を減らすことは、該患者の生活の質に関して重要である。非PN依存SBS患者も本治療法の候補者となり得る。該患者の多くは、繰り返される脱水症、腎不全、腎結石の発作に苦しむ。該患者の湿重量吸収を増加することで、SBSでよく知られた合併症を減らすことができる。図1は、ベースライン(第−3〜0日)、処理期間(第18〜21日)、及びフォローアップ(第39〜42日)での個々の患者における便湿重量、腸湿重量吸収、及び尿重量に関して測定した結果を説明する。図2は、ベースライン(第−3〜0日)、処理期間(第18〜21日)、及びフォローアップ(第39〜42日)での個々の患者における便エネルギー排泄、及び腸管吸収に関して測定した結果を説明する。 GLP-2レセプターアゴニストが大腸連続性を呈する短腸症候群患者による腸管吸収を増強するのに効果的な量で存在する、前記患者を治療するための薬剤調製におけるGLP-2レセプターアゴニストの使用であって、前記患者が、ヒト患者であり、かつ残存小腸と繋がった少なくとも50%の大腸を有し、前記GLP-2レセプターアゴニストが[Gly2]hGLP-2である、前記使用。 前記患者は、残存小腸と繋がった少なくとも75%の大腸を有する、請求項1に記載の使用。 前記患者は、摂食状態で少なくとも5pmol/Lの内在性GLP-2血漿中濃度を生じるのに十分な大腸を有する、請求項1に記載の使用。 前記患者は、摂食状態で少なくとも10pmol/Lの内在性GLP-2血漿中濃度を生じるのに十分な大腸を有する、請求項3に記載の使用。 前記残存小腸は、少なくとも25cmの長さを有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の使用。 前記残存小腸は、少なくとも50cmの長さを有する、請求項5に記載の使用。 前記腸管吸収の増強は、便湿重量の減少である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の使用。 前記腸管吸収の増強は、尿湿重量の増加である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の使用。 前記GLP-2レセプターアゴニストを腸管吸収の増強のために効果的な投与計画で使用する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の使用。 前記投与計画は、前記GLP-2レセプターアゴニストの連日投与を含む、請求項9に記載の使用。 前記投与計画は、少なくとも21日の期間にわたる前記GLP-2レセプターアゴニストの投与を含む、請求項10に記載の使用。 前記GLP-2レセプターアゴニストを1日量5〜500μg/kg/日で投与する、請求項1〜11のいずれか1項に記載の使用。


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