タイトル: | 特許公報(B2)_ブナシメジ由来抽出物の製造方法 |
出願番号: | 2007529510 |
年次: | 2012 |
IPC分類: | C07G 99/00,C07C 7/10,C07C 7/12,C07C 13/16,C07C 13/28,A23L 1/30,A61K 36/07,A61P 7/02,A61P 35/00 |
遠藤 博 榊原 仁嗣 服部 靖士 佐々木 久実 加藤 郁之進 JP 5084505 特許公報(B2) 20120914 2007529510 20060802 ブナシメジ由来抽出物の製造方法 タカラバイオ株式会社 302019245 細田 芳徳 100095832 遠藤 博 榊原 仁嗣 服部 靖士 佐々木 久実 加藤 郁之進 JP 2005230641 20050809 20121128 C07G 99/00 20090101AFI20121108BHJP C07C 7/10 20060101ALI20121108BHJP C07C 7/12 20060101ALI20121108BHJP C07C 13/16 20060101ALI20121108BHJP C07C 13/28 20060101ALI20121108BHJP A23L 1/30 20060101ALN20121108BHJP A61K 36/07 20060101ALN20121108BHJP A61P 7/02 20060101ALN20121108BHJP A61P 35/00 20060101ALN20121108BHJP JPC07G99/00 ZC07C7/10C07C7/12C07C13/16C07C13/28A23L1/30 BA61K35/84 AA61P7/02A61P35/00 A23L 1/30 C07G 99/00 JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamII) 国際公開第2003/007977(WO,A1) 特開平04−104795(JP,A) 国際公開第2005/115364(WO,A1) 米国特許出願公開第2002/0016299(US,A1) 6 JP2006315311 20060802 WO2007018095 20070215 15 20090401 松田 芳子 本発明は、ブナシメジ由来抽出物の製造方法、該製造方法によって得られるブナシメジ由来抽出物、該抽出物を含む食品、及び該抽出物を含む医薬に関する。更には、ブナシメジ由来のテルペン化合物の製造方法に関する。 近年、担子菌類からの生理活性物質検索が盛んであり、様々な報告がなされている。ブナシメジ由来の生理活性成分としては、SBSという物質が血小板凝集抑制作用および抗発ガンプロモーター作用を有していることが知られている(例えば、特許文献1)。このSBSは、苦味成分であるテルペン化合物(テルペノイド)の一種であり、ブナシメジには他にも種々のテルペン化合物が含まれていることが知られている(例えば、非特許文献1)。 テルペン化合物は、多くの植物に存在する有機化合物であり、炭素数が5の倍数で、n個のイソプレンあるいはイソペンタンから構成される前駆物質に由来する。n=2のものはモノテルペン、n=3はセスキテルペン、n=4はジテルペン、n=5はセスタテルペン、n=6はトリテルペン、n=8はテトラテルペン、それ以上はポリテルペンと称される。テルペン化合物にはアポトーシスを誘発する作用も知られており、たとえば、トリテルペンのアポトーシス誘発作用の報告など、数多く存在する。 ブナシメジ由来のテルペン化合物は水に難溶性であることが知られており(例えば、特許文献1)、該テルペン化合物を抽出する方法としては、ブナシメジ子実体より酢酸エチル等の有機溶媒で抽出する方法(例えば、特許文献1)や、熱処理したブナシメジ子実体を70%エタノールで抽出する方法(例えば、非特許文献1)が知られている。特開平4−104795号公報Sawabe A.他3名,Journal of Mass Spectrometry,1996年,Vol.31,P921−925 上記のような従来の方法でブナシメジよりテルペン化合物を抽出する場合、大量の有機溶媒、例えばエタノール、酢酸エチルを使用する必要がある。ところが、エタノールや酢酸エチルは危険物として取り扱われるものであり、工業化にあたっては安全性の観点から、その取り扱いや保管、管理、使用などには十分な注意を要する。また、それらの保管、管理の為の設備も必要となる。これらが相まって、テルペン化合物を豊富に含むブナシメジ由来抽出物の製造原価を押し上げる要因となっており、工業化に際して大きな課題となっている。 また、上記のような従来の方法で得られたブナシメジ由来抽出物を食品に用いる場合、有機溶剤の抽出物中への残留が食品の風味を損ねるという問題や、有機溶剤が毒性物質である場合には人体へ悪影響を及ぼす恐れがある。たとえこれらの問題を回避するために残留有機溶媒を除去する工程を加えたとしても、完全に残留有機溶剤を除去する事は困難である。また、有機溶剤を除去する工程を加える事により、製造原価がさらに上昇する事となる。 従って、本発明の目的は、有機溶剤を用いる事なくブナシメジよりテルペン化合物を効率よく抽出し、テルペン化合物を多く含むブナシメジ由来抽出物を低コストにて提供する事である。 本発明者らは、ブナシメジをアルカリ性の抽出溶媒で処理する事により、有機溶剤を用いることなく、テルペン化合物を豊富に含むブナシメジ由来抽出物を製造できる事を見出し、本発明を完成させた。 即ち、本発明を概説すれば、本発明の第1の発明は、ブナシメジ子実体又は菌糸体よりブナシメジ由来抽出物を製造する方法であって、抽出溶媒としてアルカリ性の水性溶媒を用いる、ブナシメジ由来抽出物の製造方法に関する。第1の発明においては、得られた抽出物を酸により中和する工程をさらに含んでも良い。また、第1の発明においては、さらに乳化剤を添加する工程を含んでいても良い。 第1の発明に使用されるアルカリ性の水性溶媒としては、炭酸ナトリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、又は陰イオン交換樹脂懸濁液が例示される。 第1の発明において、抽出溶媒での抽出としては、40〜120℃の温度で行われる抽出が例示される。 本発明の第2の発明は、第1の発明の製造方法によって得られうる、ブナシメジ由来抽出物に関する。第2の発明のブナシメジ抽出物としては、テルペン化合物を乾固物換算で0.4重量%以上含むものが例示される。 本発明の第3の発明は、第2の発明のブナシメジ由来抽出物を含有する食品に関する。 本発明の第4の発明は、第2の発明のブナシメジ由来抽出物を含有する医薬に関する。 本発明の第5の発明は、テルペン化合物の製造方法に関し、(a)ブナシメジ子実体又は菌糸体をアルカリ性の抽出溶媒で処理し、ブナシメジ由来抽出物を得る工程、及び(b)工程(a)により得られた抽出物からテルペン化合物を精製する工程、を含む製造方法に関する。 第5の発明に使用されるアルカリ性の水性溶媒としては、炭酸ナトリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、又は陰イオン交換樹脂懸濁液が例示される。 第5の発明において、アルカリ性の水性溶媒での処理としては、40〜120℃の温度で行われる処理が例示される。 本発明により、テルペン化合物を豊富に含むブナシメジ由来抽出物の製造方法が提供される。該製造方法は、製造に有機溶剤を必要としないため、食品に適した抽出物を製造する事ができる。更には、従来の製造方法に比べて製造原価を低減する事ができる。また、該製造方法により、テルペン化合物を豊富に含む、食品に適したブナシメジ由来抽出物が提供される。また、本発明により、該ブナシメジ由来抽出物を含有する食品及び医薬が提供される。更には、安価なテルペン化合物の製造方法が提供される。 ブナシメジは自然界においては秋期に種々の広葉樹の枯れ木に叢生あるいは離生しており、他のきのこと比較して形がよく、歯切れのよい肉質のため、美味なきのことして採食されてきた。また、近年ではオガクズに米糠やその他の栄養源を配合した培養基を用いて、ビン又は箱で栽培を行う菌床人工栽培法が確立され、季節に関係なく一年を通じて安定してきのこを収穫できるようになっている。すなわち、本発明の抽出物の原料となるブナシメジは安価に入手でき、医薬や健康食品原料としても適している。 原料として使用されるブナシメジは天然のものでも人工栽培品でもよいが、好適にはLyophyllum ulmarium M−8171(FERM BP−1415、寄託日:1986年8月23日)、又はLyophyllum ulmarium K−0259(FERM P−12981、寄託日:1992年6月2日)が例示される(これらの菌株はいずれも、独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(〒305−8566 日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1中央第6)に寄託されている)。また、これらの菌株は、商品名「やまびこほんしめじ(登録商標)」もしくは「Superやまびこしめじ(登録商標)」として市場に流通されている。ブナシメジとして人工栽培品を使用する場合は、製造されるブナシメジ由来抽出物中のテルペン化合物の含有量を向上させるという物質、例えばマメカワを含有する培地で栽培されたブナシメジの子実体が好適に使用される。子実体は株のままでも粉砕したものでも原料として使用することができ、生のものでも加熱乾燥、天日乾燥、凍結乾燥等で乾燥された子実体乾燥物であっても原料として使用できる。また、原料としてブナシメジの菌糸体やその凍結乾燥物を使用することもできる。また、上記の子実体又は菌糸体を熱水により洗浄したものも、原料として使用することができる。 本発明者らは、抽出溶媒としてアルカリ性の水性溶媒を用いる事により、有機溶剤を用いる事無く、水に難溶性のテルペン化合物を豊富に含むブナシメジ由来抽出物を製造する事に成功した。なお、本発明において、テルペン化合物としては前述の非特許文献1に記載されているようなブナシメジ由来のポリテルペンが例示される。 本発明のブナシメジ由来抽出物の製造方法に用いる抽出溶媒としては、有機溶剤を含まないアルカリ性の水性溶媒であれば特に限定はなく、例えば、無機塩基(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化バリウムなどのアルカリ土類金属の水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩;炭酸マグネシウム、炭酸バリウムなどのアルカリ土類金属の炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属の炭酸水素塩;炭酸アンモニウム;アンモニアなど)を含むアルカリ性水溶液、有機塩基(例えば、酢酸ナトリウム、プロピオン酸カリウムなどのアルカリ金属の有機酸塩;ギ酸マグネシウム、酢酸マグネシウムなどのアルカリ土類金属の有機酸塩;トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ピペリジンなどのアミン類;ピリジンなどの含窒素複素環化合物など)を含むアルカリ性水溶液、及び陰イオン交換樹脂を含むアルカリ性の懸濁液を用いることができ、そのうち、炭酸ナトリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、又は陰イオン交換樹脂懸濁液を好適に用いることができる。 更には、抽出物を中和した場合に抽出物由来の沈殿物を生じにくく、中和後の抽出液が発泡しにくいという事から、陰イオン交換樹脂懸濁液をより好適に用いることができる。 抽出溶媒中の無機塩基、有機塩基又は陰イオン交換樹脂の含有量は、特に制限はなく、抽出溶媒のpHが後述の範囲内になるよう、調整することができる。 また、抽出溶媒のpHはアルカリ性であれば特に限定されないが、好ましくは8〜12であり、より好ましくは9〜12である。 抽出溶媒での処理温度は、テルペン化合物を所望の量抽出できる温度であれば特に限定はなく、例えば4〜120℃で処理する事ができるが、短時間でより多くのテルペン化合物を抽出する事ができるという点で、高温で処理を行う事が好ましい。この様な処理温度としては、好ましくは40〜120℃であり、より好ましくは80〜110℃であり、更に好ましくは85〜105℃であり、最も好ましくは、90〜100℃である。 抽出溶媒での処理時間は、処理温度により異なるが、例えば4〜60℃の処理温度の場合は、16〜24時間、90〜105℃の処理温度の場合は0.5〜5時間が好適である。 上記製造方法によって得られた抽出物を、酸により中和する工程を更に含むブナシメジ由来抽出物の製造方法も、本発明のブナシメジ由来抽出物の製造方法に包含される。中和に用いる酸としては、抽出物を食品に用いる場合には、食品添加物として用いられる酸が好ましい。食品添加物として用いられる酸としては、例えば、アジピン酸、クエン酸、グルコン酸、コハク酸、酢酸及び酒石酸が挙げられる。そのうち、クエン酸が最も好適である。 また、上記の製造方法においては、さらに適当な乳化剤を添加する工程を含む事が好ましい。乳化剤による安定化により、水に難溶性のテルペン化合物の沈殿を抑える事ができ、また、製造工程における機械器具、副材料への吸着も抑えることができる。乳化剤の添加時期は、アルカリ性の水性溶媒による抽出前、抽出後、または抽出中のいずれのタイミングでもよく、例えば、後述の実施例4に記載の通り、抽出後に添加することが好ましい。また、乳化剤の添加後に上記の中和工程を施す事が好ましい。本発明に使用される乳化剤としては、特に限定はないが、例えばポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、大豆由来レシチン、卵黄由来レシチン等が使用できる。 乳化剤の添加量は、特に制限はないが、例えば、抽出物100重量部に対して、0.1〜3重量部であることが好ましい。 上記製造方法によって得られた抽出物より、さらに抽出残渣を取り除く事により、本発明のブナシメジ由来抽出物が得られうる。抽出残渣を取り除く工程としては、遠心分離、濾過、限外濾過が例示されるが、大規模生産に適した濾過法をより好適に使用できる。濾過に際しては濾過助剤を用いる事ができ、濾過助剤としてはCelite#545が例示される。 本発明において抽出物とは、抽出溶媒を用いて抽出操作を行う工程により得られる物質のことを言う。また、該物質にさらに濾過、遠心分離、濃縮、限外濾過、分子ふるい、中和等の処理を施して得られる物質も本発明の抽出物に包含される。また、上記物質を公知の方法で分画することによって得られる画分や、分画操作を複数回繰り返すことによって得られる画分も、本発明の抽出物に包含される。上記の分画手段としては、抽出、分別沈殿、カラムクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー等が挙げられる。 本発明において、本発明の抽出物の形状は特に限定はないが、粉状、固形状、液状のいずれの形状であっても良い。粉状とする場合、特に限定はないが、原料よりアルカリ性の水性溶媒により抽出された抽出物を濃縮し、さらにデキストリン、ショ糖脂肪酸エステル、乳糖等の賦形剤を添加し、乾燥、粉砕する事により、本発明の抽出物を得ることが出来る。また、当該抽出物を公知の方法で造粒して得た粒状の固形物を、本発明の抽出物として使用することもできる。造粒方法としては、特に限定はないが、転動造粒、攪拌造粒、流動層造粒、気流造粒、押出し造粒、圧縮成型造粒、解砕造粒、噴射造粒又は噴霧造粒等が例示される。また、液状の抽出物としては、前記抽出物の製造方法により得られた液体そのもの、その濃縮物や希釈物の他、前記の粉状の抽出物を液体、例えば水やアルコール等に溶解して液状としたものが例示される。 本発明のブナシメジ由来抽出物は、ブナシメジ由来の生理活性成分であるSBS等のテルペン化合物を多く含む事を特徴とし、例えば、乾固物換算で0.4重量%以上のテルペン化合物を含む抽出物であり、より具体的には、乾固物換算で0.4重量%〜1.0重量%のテルペン化合物を含む抽出物である。乾固物換算での重量%とは、液体をエバポレーター等で乾燥させた場合に得られる乾燥物全体の重量に占める、目的とする成分の重量を百分率で示した値のことを言う。 本発明の食品は、上記のブナシメジ由来抽出物を含有する。本発明の食品はSBS等のブナシメジ由来のテルペン化合物を多く含むため、血小板凝集抑制作用、抗発ガンプロモーター作用、及び抗癌作用を有することが期待できる。当該食品としては、例えば血小板凝集抑制作用、抗発ガンプロモーター作用、又は抗癌作用による所望の効果の発現のために用いられるものである旨の表示を付した健康食品(特定保健用食品)とすることもできる。 本発明の食品の製造方法に特に限定はない。たとえば、配合、調理、加工などは一般の食品のものに従えばよく、それらの製造方法により製造することができ、得られた食品に本発明に係る前記抽出物が含有されていれば良い。また、本発明のブナシメジ由来抽出物そのものを食品としたものであっても良い。 なお、本発明の食品において「含有」とは、含有、添加および/または希釈を意味する。ここで、「含有」とは食品中に本発明で使用される抽出物が含まれるという態様を、「添加」とは食品の原料に、本発明で使用される抽出物を添加するという態様を、「希釈」とは本発明で使用される抽出物に、食品の原料を添加するという態様をいうものである。 本発明の食品は、特に限定するものではないが、例えば、穀物加工品(例、小麦粉加工品、デンプン類加工品、プレミックス加工品、麺類、マカロニ類、パン類、あん類、そば類、麩、ビーフン、はるさめ、包装餅等)、油脂加工品(例、可塑性油脂、てんぷら油、サラダ油、マヨネーズ類、ドレッシング等)、大豆加工品(例、豆腐類、味噌、納豆等)、食肉加工品(例、ハム、ベーコン、プレスハム、ソーセージ等)、水産製品(例、冷凍すりみ、かまぼこ、ちくわ、はんぺん、さつま揚げ、つみれ、すじ、魚肉ハム、ソーセージ、かつお節、魚卵加工品、水産缶詰、つくだ煮等)、乳製品(例、原料乳、クリーム、ヨーグルト、バター、チーズ、練乳、粉乳、アイスクリーム等)、野菜・果実加工品(例、ペースト類、ジャム類、漬物類、果実飲料、野菜飲料、ミックス飲料等)、菓子類(例、チョコレート、ビスケット類、菓子パン類、ケーキ、餅菓子、米菓類等)、アルコール類(例、日本酒、中国酒、ワイン、ウイスキー、焼酎、ウオッカ、ブランデー、ジン、ラム酒、ビール、清涼アルコール飲料、果実酒、リキュール等)、嗜好飲料(例、緑茶、紅茶、ウーロン茶、コーヒー、健康飲料、清涼飲料、乳酸飲料等)、調味料(例、しょうゆ、ソース、酢、みりん等)、缶詰・瓶詰・袋詰食品、半乾燥または濃縮食品(例、レバーペースト、その他のスプレッド、そば・うどんの汁、濃縮スープ類等)、乾燥食品(例、即席麺類、即席カレー、インスタントコーヒー、粉末ジュース、粉末スープ、即席味噌汁、調理済食品、調理済飲料、調理済スープ等)、冷凍食品等が挙げられる。 本発明の食品は、前記抽出物が含有されるものであれば特にその形状に限定はなく、タブレット状、顆粒状、カプセル状等の形状の経口的に摂取可能な形状物も包含する。また、前記抽出物にグリセリン等を添加して、前記抽出物が濃縮された健康食品とすることもできる。 本発明の食品中の前記抽出物の含有量は特に限定はなく、その官能と活性発現の観点から適宜設定できるが、例えば食品中における前記抽出物の乾燥重量で、0.1〜100重量%、好ましくは0.5〜95重量%、更に好ましくは1〜90重量%である。 本発明の食品は、ブナシメジ由来抽出物の苦味を押さえ、味をまろやかにできる事から、前述の抽出物の製造方法において、乳化剤を添加して得られたブナシメジ由来抽出物を使用することが好ましい。 なお、本発明の食品としては、テルペン化合物の体内への吸収が良いという点で、実施例4に記載のような飲料が特に好適である 本発明の医薬は、前記のブナシメジ由来抽出物を含有する。本発明の医薬としては、本発明に係る前記抽出物を公知の医薬用担体と組み合わせて製剤化したものが挙げられる。 本発明の医薬は、通常、前記抽出物を薬学的に許容できる液状または固体状の担体と配合することにより製造され、所望により溶剤、分散剤、乳化剤、緩衝剤、安定剤、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤等を加えて、錠剤、顆粒剤、散剤、粉末剤、カプセル剤等の固形剤や通常液剤、懸濁剤、乳剤等の液剤とすることができる。また、使用前に適当な担体の添加によって液状となし得る乾燥品や、その他、外用剤とすることもできる。 医薬用担体は、本発明の医薬の投与形態および剤型に応じて選択することができる。固体組成物からなる経口剤とする場合は、錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、細粒剤、顆粒剤等とすることができ、たとえば、デンプン、乳糖、白糖、マンニット、カルボキシメチルセルロース、コーンスターチ、無機塩などが担体として利用される。また経口剤の調製に当っては、更に結合剤、崩壊剤、界面活性剤、潤沢剤、流動性促進剤、矯味剤、着色剤、香料などを配合することもできる。たとえば、錠剤または丸剤とする場合は、所望によりショ糖、ゼラチン、ハイドロキシプロピルセルロースなどの糖衣または胃溶性もしくは腸溶性物質のフィルムで被覆してもよい。液体組成物からなる経口剤とする場合は、薬理学的に許容される乳濁剤、溶液剤、懸濁剤、シロップ剤などとすることができ、たとえば、精製水、エタノールなどが担体として利用される。また、さらに所望により湿潤剤、懸濁剤のような補助剤、甘味剤、風味剤、防腐剤などを添加してもよい。なお、本発明の抽出物は経口投与によっても十分な効果を発揮することから、その投与の簡便性の観点から経口投与用の医薬とするのか好適な形態である。 一方、非経口剤とする場合は、常法に従い本発明の前記抽出物を希釈剤としての注射用蒸留水、生理食塩水、ブドウ糖水溶液、注射用植物油、ゴマ油、落花生油、大豆油、トウモロコシ油、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなどに溶解ないし懸濁させ、必要に応じ、殺菌剤、安定剤、等張化剤、無痛化剤などを加えることにより調製することができる。また、固体組成物を製造し、使用前に無菌水または無菌の注射用溶媒に溶解して使用することもできる。 外用剤としては、経皮投与用または経粘膜(口腔内、鼻腔内)投与用の、固体、半固体状または液状の製剤が含まれる。また、座剤なども含まれる。たとえば、乳剤、ローション剤などの乳濁剤、外用チンキ剤、経粘膜投与用液剤などの液状製剤、油性軟膏、親水性軟膏などの軟膏剤、フィルム剤、テープ剤、パップ剤などの経皮投与用または経粘膜投与用の貼付剤などとすることができる。 以上の各種製剤は、それぞれ公知の医薬用担体などを利用して、適宜、常法により製造することができる。また、かかる製剤における抽出物の含有量は、その投与形態、投与方法などを考慮し、好ましくは後述の投与量範囲で当該抽出物を投与できるような量であれば特に限定されるものではない。本発明の医薬中の前記抽出物の含有量としては、乾燥重量で0.1〜100重量%程度である。 本発明の医薬の投与量は、その製剤形態、投与方法、使用目的および当該医薬の投与対象である患者の年齢、体重、症状によって適宜設定され一定ではない。一般には、製剤中に含有される前記抽出物量を乾燥重量で表した場合の投与量で、例えば成人1日当り1μg〜100mg/kg体重、好適には5μg〜50mg/kg体重、さらに好適には10μg〜10mg/kg体重である。もちろん投与量は、種々の条件によって変動するので、上記投与量より少ない量で十分な場合もあるし、あるいは範囲を超えて必要な場合もある。投与は、所望の投与量範囲内において、1日内において単回で、または数回に分けて行ってもよい。投与期間も任意である。また、本発明の医薬はそのまま経口投与するほか、任意の飲食品に添加して日常的に摂取させることもできる。 本発明のテルペン化合物の製造方法は、(a)ブナシメジ子実体又は菌糸体をアルカリ性の水性溶媒で処理し、ブナシメジ由来抽出物を得る工程、及び(b)工程(a)により得られた抽出物からテルペン化合物を精製する工程を含む、テルペン化合物の製造方法である。当該製造方法において、(a)工程により得られた抽出物としては、前述の本発明のブナシメジ由来抽出物が例示される。また、当該テルペン化合物の製造方法においては、本発明のブナシメジ由来抽出物の製造方法と同様に、アルカリ性の水性溶媒としては、炭酸ナトリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、又は陰イオン交換樹脂懸濁液を好適に用いることができ、抽出溶媒での処理温度は、テルペン化合物を所望の量抽出できる温度であれば特に限定はなく、例えば4〜120℃で処理する事ができる。本発明のブナシメジ由来本発明のテルペン化合物の製造方法は、ブナシメジ子実体又は菌糸体よりテルペン化合物を豊富に含む抽出物を抽出する工程において有機溶媒を必要としない為、テルペン化合物を安価に製造する事ができる。 本発明のテルペン化合物の製造方法により製造され得るブナシメジ由来のテルペン化合物としては、特開平4−104795号に記載の物質SBSが挙げられる。なお、この物質は沢辺らの文献(Sawabe A.他3名,Journal of Mass Spectrometry,1996年,Vol.31,P921−925)に記載されている、hypsiziprenol A9と同一物質である。また、SBS以外の本発明のテルペン化合物の製造方法により製造され得るテルペン化合物としては、前記沢辺らの文献に記載の、hypsiziprenol A8、A10、A11、A12、A13、A14、B8、B9、B10、B12、C9等のブナシメジ由来テルペン化合物が例示される。 ブナシメジをアルカリ性の水性溶媒で処理する事により得られる抽出物よりテルペン化合物を精製する方法としては、公知の方法を用いる事ができ、抽出、分別沈殿、カラムクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、及びこれらの方法の組み合わせが挙げられる。カラムクロマトグラフィーとしては、高速液体クロマトグラフィーが例示され、本発明においては、逆相高速液体クロマトグラフィーを好適に用いる事ができる。 以下、本発明を実施例をもって詳細に説明するが本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。調製例1 標準物質の調製 特開平4−104795号の実施例1に記載の方法に従い、ブナシメジ由来抽出物の抽出、シリカゲルカラムによる精製、及び逆相高速液体クロマトグラフィーによる分画操作を行った。得られた画分のうち、画分G、及びSBSを含む画分をHPLC/MS法を用いて解析し、これら2つの画分の精製物が、それぞれ異なる構造を持つテルペン化合物である事を確認した。なお、画分Gは、沢辺らの文献(Sawabe A.他3名,Journal of Mass Spectrometry,1996年,Vol.31,P921−925)に記載されている、hypsiziprenol A8と同一物質であった。また、SBSは、上記沢辺らの文献に記載されている、hypsiziprenol A9と同一物質であった。こうして得られた画分G、及びSBSの精製物を、それぞれブナシメジ由来テルペン化合物の標準物質hypsiziprenol A8、及びSBSとした。実施例1 アルカリ性溶媒による抽出1 ブナシメジ(Lyophyllum ulmarium M−8171)の子実体をConstant Temperature Oven(Yamato社製)で十分乾燥させた後、乾燥物をクッキングミル(NATIONAL社製)により粉砕し、ブナシメジ乾燥粉砕物を得た。次に該ブナシメジ乾燥粉砕物5gに1%Na2CO3水溶液(pH11.93)0.1Lを加え、95℃で3時間熱処理を行った。熱処理後、10,000r/min、10分の遠心分離操作(遠心分離装置(TOMY社製))で不溶物を除き、得られた抽出物を逆相高速液体クロマトグラフィー(カラム=μBondapak C18 Φ0.39×300mm(Waters社製)、溶媒=メタノール:エタノール:水=3:4:4(容量比)、流速=0.7mL/min、カラムオーブン温度=40℃、検出波長=210nm)に付し、該抽出物に含まれるテルペン化合物量を定量した。定量には、前述の調製例で調製した2種類のテルペン化合物を標準物質として用いた。逆相高速液体クロマトグラフィーにより得られたクロマトパターンを図1Aに示す。図1Aの縦軸は、吸光度(210nm)を、横軸は、溶出時間(分)を示す。比較例1 蒸留水による抽出 1%Na2CO3水溶液に換えて蒸留水(pH6.78)を用いる点を除いて、実施例1と同様の方法で抽出物を調製し、抽出物中のテルペン化合物量を定量した。逆相高速液体クロマトグラフィーにより得られたクロマトパターンを図1Bに示す。図1Bの縦軸は、吸光度(210nm)、横軸は、溶出時間(分)を示す。比較例2 KCl水溶液による抽出 1%Na2CO3水溶液に換えて0.15M KCl水溶液(pH6.54)を用いる点を除いて、実施例1と同様の方法で抽出物を調製し、抽出物中のテルペン化合物量を定量した。逆相高速液体クロマトグラフィーにより得られたクロマトパターンを図1Cに示す。図1Cの縦軸は、吸光度(210nm)、横軸は、溶出時間(分)を示す。比較例3 酸性溶媒による抽出 1%Na2CO3水溶液に換えて1%クエン酸水溶液(pH2.46)を用いる点を除いて、実施例1と同様の方法で抽出物を調製し、抽出物中のテルペン化合物量を定量した。逆相高速液体クロマトグラフィーにより得られたクロマトパターンを図1Dに示す。図1Dの縦軸は、吸光度(210nm)、横軸は、溶出時間(分)を示す。 実施例1および比較例1〜3のテルペン化合物量の定量結果を合わせて表1に示す。 表1の通り、蒸留水、0.15M KCl、1%クエン酸水溶液を抽出溶媒として用いた場合の抽出物(比較例1〜3)は、テルペン化合物含有量が定量限界以下であったのに対して、実施例1の1%Na2CO3水溶液を抽出溶媒として用いた場合の抽出物は、142μg/mLのテルペン化合物を含有していた。実施例2 種々のアルカリ性溶媒による抽出と抽出物の中和実施例2−1 Na2CO3水溶液による抽出 実施例1と同じ方法で抽出物を調製し、抽出物中のSBS量を定量した。続いて、該抽出物を食品又は飲料に用いるため、クエン酸粉末を加えて該抽出物を中和した。該中和後の抽出物について、デジタル糖度計 Palette(ATAGO社製)を用いて糖度を測定した。また、色調、発泡の有無及び沈殿の有無についても、目視で確認を行った。なお、色調については目視での確認の他に、分光光度計UV−160A(島津製作所(株)製)による測定も行った。実施例2−2 NaOH水溶液による抽出 0.1N NaOH水溶液(pH11.52)を1%Na2CO3水溶液に換えて用いる点以外は実施例1と同様の方法で抽出物を調製し、実施例2−1と同様の方法でSBS含有量測定、中和、及び糖度測定を行い、色調、発泡、沈殿についても観察した。実施例2−3 陰イオン交換樹脂による抽出 5%イオン交換樹脂ダイヤイオンSA10AOH(日本錬水社製)懸濁水(pH10.54)を1%Na2CO3水溶液に換えて用いる点以外は実施例1と同様の方法で抽出物を調製し、実施例2−1と同様の方法でSBS含有量測定、中和、及び糖度測定を行い、色調、発泡、沈殿についても観察した。実施例2−1〜実施例2−3の結果を合わせて表2に示す。 表2に示したとおり、いずれのアルカリ性抽出溶媒を用いた場合においても、SBSを多く含む抽出物を得ることが出来た。また、抽出に陰イオン交換樹脂を用いた場合には、他のアルカリを用いた場合に比べて抽出物の糖含有量が少なく、純度の比較的高いSBSを得ることが出来た。さらに、抽出に陰イオン交換樹脂を用いた場合には、抽出物を中和した後に発泡や沈殿が発生しなかった。これは、抽出物の濃縮等、その後の取り扱いが容易であるという点において、有利である。実施例3 冷アルカリによる抽出 5%イオン交換樹脂ダイヤイオンSA10AOH(日本錬水社製)懸濁水を用いて低温条件下(5℃、24時間)で抽出した抽出物について、5℃、24時間処理を行う点以外は、実施例2−3と同様の方法で調製し、SBS含有量の測定を行った。結果を表3に示す。 その結果、5℃、24時間の抽出条件でもSBSを多量に含む抽出物を得られることが明らかとなったが、そのSBS含有量は95℃、3時間処理を行った場合に比べて少ないものであった。実施例4 テルペン化合物含有飲料の製造 ブナシメジの子実体をConstant Temperature Oven(Yamato社製)で十分乾燥させた後、乾燥物をクッキングミル(NATIONAL社製)により粉砕した。蒸留水1リットルにブナシメジ粉砕物50g及び熱水洗浄済みイオン交換樹脂ダイヤイオンSA10AOH(日本錬水社製)50gを混合した。オートクレーブを用い、設定温度95℃で1時間ごとに撹拌を続け3時間保温した。次いで冷却し、冷却物1.1リットルを得た。次いで50メッシュ篩(目の開き300μm)を用い、冷却物よりイオン交換樹脂を除去し、約1リットルの上清液を調製した。上清液に大豆由来レシチンを2g添加し、30分室温で撹拌を行った。 次いで、クエン酸を用いてpHを10.25から6.85に調整した。該pH調整液より抽出残渣を取り除く為、上記pH調整液1リットルに60グラムの濾過助剤Celite#545を添加した後、濾過助剤Celite#545を3グラムでプレコートしたヌッチェで吸引濾過を行った。こうして得られた濾過液850ミリリットルのブナシメジ由来抽出物を、テルペン化合物含有飲料とした。該飲料は、実施例1〜3の抽出物と比べて、苦味の感じ方が軽減され、飲みやすい飲料であった。実施例5 アルカリ性溶媒による抽出2 実施例1と同様の方法で、ブナシメジ乾燥粉砕物を得た。次に該ブナシメジ乾燥粉砕物500gに蒸留水10Lを加え、熱水洗浄を95℃で1時間行った。熱洗浄後、4,500r/min、30分の遠心分離操作(遠心分離装置(HITACHI社製))により上清を除き、ブナシメジ子実体熱水洗浄物を得た。次に、ブナシメジ子実体熱水洗浄物に蒸留水10Lおよび熱水洗浄済みイオン交換樹脂ダイヤイオンSA10AOH(日本錬水社製)500gを加え、95℃で3時間熱処理を行った。熱処理後、50メッシュ篩(目の開き300μm)を用い、冷却物よりイオン交換樹脂を除去し、約10リットルの上清液を調製した。上清液に大豆由来レシチンを20g添加し、30分室温で撹拌を行った。次いで、クエン酸を用いてpHを9.75から6.44に調整した。このpH調整液を4,500r/min、20分の遠心分離操作(遠心分離装置(HITACHI社製))で不溶物を除いた。得られたpH調整液の上清10リットルに100グラムの濾過助剤Silika#600Sを添加した後、濾過助剤Silika#600Sを100グラムでプレコートしたヌッチェで吸引濾過を行った。こうして得られた濾過液9500ミリリットルをロータリーエバポレーターで濃縮・凍結乾燥したものを、ブナシメジ由来抽出物とした。実施例6 ブナシメジ由来抽出物の腫瘍増殖抑制活性 CDF1マウス(日本エスエルシー社)は、6週齢の雌を購入して使用した。IMC carcinoma (以下IMC)腫瘍細胞は、CDF1マウスの腹腔に移植して腹水をつくり、7日毎に別のマウスに移植して継代した。継代して7日目の腹水を採取し、PHOSPHATE BUFFERED SALTS(タカラバイオ社)緩衝液で遠心洗浄後、同緩衝液に懸濁して細胞数カウント後、5×107個/mLとなるように調整した。この0.1mLをCDF1マウスの右側腹部皮下に移植し、7日後の固形腫瘍の大きさを測定した。腫瘍の大きさの平均が各群で均等になるように、1群10匹となるようにマウスを群分けした。 次に、実施例5のブナシメジ由来抽出物を重量比で1.4%となるよう、通常の粉末飼料CE−2に対して混ぜてマウスに与えた。また、比較対照として、アガリクス由来抽出物(仙生露エキスゴールド(サンドリー社))を重量比で2.4%となるよう、粉末CE−2飼料に対して混ぜ、これを乾燥させてマウスに与えた。投与量は表4のとおりである。コントロール群にはCE−2のみを与えた。腫瘍の大きさは、IMC細胞移植後4週目に測定した。また、腫瘍の大きさは長径と短径を測定し、以下の計算式にしたがって体積を算出して比較した。2回の実験を行った結果を表4に示す。腫瘍体積(mm3)=(長径)×(短径)2/2また、腫瘍抑制活性は、以下の計算式にしたがって算出した。腫瘍抑制活性(%)=(コントロール群の腫瘍体積−抽出物投与群の腫瘍体積)/コントロール群の腫瘍体積×100 その結果、比較対照のアガリクス由来抽出物を投与した群では、IMC固形腫瘍増殖の抑制がほとんどみられなかった。これに対して、ブナシメジ由来抽出物を投与した群では、いずれの実験においてもIMC固形腫瘍増殖の抑制がみられた。 本発明により、テルペン化合物を豊富に含む、食品、医薬に適したブナシメジ由来抽出物を安価に製造する事ができる。また、本発明により、テルペン化合物を安価に製造する事ができる。よって、本発明は食品や医薬分野において特に有用である。図1は、ブナシメジ由来抽出物の逆相クロマトグラフィーの結果を示す図である。図中A、B、CおよびDは、それぞれアルカリ性溶媒による抽出、蒸留水による抽出、KCl水溶液による抽出および酸性溶媒による抽出の結果を示す。 ブナシメジ子実体又は菌糸体よりブナシメジ由来抽出物を製造する方法であって、抽出溶媒として有機溶剤を含まないアルカリ性の陰イオン交換樹脂懸濁液を用いる、ブナシメジ由来抽出物の製造方法。 得られた抽出物を酸により中和する工程を含む、請求項1記載の製造方法。 さらに乳化剤を添加する工程を含む、請求項1記載の製造方法。 抽出溶媒での抽出が、40〜120℃の温度で行われる、請求項1記載の製造方法。 下記(a)及び(b)の各工程を含む、テルペン化合物の製造方法(a)ブナシメジ子実体又は菌糸体を有機溶剤を含まないアルカリ性の陰イオン交換樹脂懸濁液で処理し、ブナシメジ由来抽出物を得る工程;(b)工程(a)により得られた抽出物からテルペン化合物を精製する工程。 アルカリ性の陰イオン交換樹脂懸濁液での処理が、40〜120℃の温度で行われる、請求項5記載の製造方法。