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タイトル:特許公報(B2)_SiO2および酸化セリウムを含む、コーティングを有する真珠光沢顔料
出願番号:2007528706
年次:2012
IPC分類:C09C 3/06,C09C 1/00,C09C 3/12,C09D 7/12,C09D 201/00,C09D 11/00,A61K 8/25,A61Q 1/02


特許情報キャッシュ

フランク ヘングライン ウルリッヒ シュミット ペーター クリューガー ギュンター カウップ JP 5065897 特許公報(B2) 20120817 2007528706 20050819 SiO2および酸化セリウムを含む、コーティングを有する真珠光沢顔料 エッカルト ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 502099902 Eckart GmbH 辻田 幸史 100106611 清水 善廣 100087745 阿部 伸一 100098545 フランク ヘングライン ウルリッヒ シュミット ペーター クリューガー ギュンター カウップ DE 102004041586.2 20040826 20121107 C09C 3/06 20060101AFI20121018BHJP C09C 1/00 20060101ALI20121018BHJP C09C 3/12 20060101ALI20121018BHJP C09D 7/12 20060101ALI20121018BHJP C09D 201/00 20060101ALI20121018BHJP C09D 11/00 20060101ALI20121018BHJP A61K 8/25 20060101ALI20121018BHJP A61Q 1/02 20060101ALI20121018BHJP JPC09C3/06C09C1/00C09C3/12C09D7/12C09D201/00C09D11/00A61K8/25A61Q1/02 C09C 1/00 C09C 3/06 C09C 3/12 特表2000−502401(JP,A) 特表2004−518769(JP,A) 特開昭62−091567(JP,A) 38 EP2005009006 20050819 WO2006021386 20060302 2008510866 20080410 27 20080620 村上 騎見高 本発明は、第一および第二の保護層を備えた、金属酸化物(この金属酸化物は1.8よりも高い屈折率を有している)を含有する微小板状(platelet)タイプの基材を有する真珠光沢顔料に関する。本発明はさらに、そのような真珠光沢顔料を製造するためのプロセスおよびその使用にも関する。 被覆層に二酸化チタンを含んでいたり、あるいは微粒子状のTiO2から構成されたりした真珠光沢顔料は、ある種の光触媒活性を有している。水および酸素の存在下で真珠光沢顔料に紫外線を作用させると、真珠光沢顔料のUV活性によって、有機化合物たとえばバインダーマトリックスの分解が加速される可能性がある。日光の中に存在する紫外線の量でもこの反応を起こすことができるので、そのため、屋外条件に直接暴露される、たとえば自動車のコーティングのような用途では特に安定化された真珠光沢顔料を使用しなければならない。屋外用途にとっては不都合な、この作用に対処するためには、真珠光沢顔料には、その光活性を抑制するための各種の保護コーティングを与えることができる。 EP0 141 174には、屋外暴露に対する抵抗性が改善された真珠光沢顔料が記載されているが、それは、本質的に希土類金属化合物(たとえば、セリウム)とポリシロキサンとからなる保護コーティングを有している。それに加えて、亜鉛塩またはアルミニウム塩または別なものとしてはケイ酸塩をその保護コーティングの中に存在させることも可能であるが、それらは水性懸濁液の形態である。コーティングそのものは、水性懸濁液中で生成されるが、生成物はそれを単離した後に乾燥される。 EP0 342 533には、酸化ジルコニウムを用いてコーティングされた顔料が開示されていて、それに対しては、コバルト、マンガンまたはセリウムの金属酸化物水和物からなる層を適用することができる。このようにして処理された顔料は、非水系ラッカーシステムに容易に採用することが可能な筈ではあるが、EP632109に記載されているような水希釈可能なラッカーにおいてはまだ不適当であり、その理由は、この場合ラッカー膜の中に微小な気泡の生成が起きるからである。 EP0 632 109の教示によれば、金属酸化物を用いてコーティングされた微小板状タイプの基材に、3層の保護層を適用する。第一の工程で、SiO2を適用し、第二の工程で、セリウム、アルミニウムまたはジルコニウムの水酸化物または水和酸化物を適用し、第三の工程で、セリウム、アルミニウムまたはジルコニウムの少なくとも1種の水酸化物または水和酸化物と有機カップリング剤を適用している。さらに、そのカップリング剤は、顔料表面に結合させる前に加水分解させなければならないが、EP0 888 410B1の教示によれば、このことは、顔料表面に結合させる添加カップリング剤の最大60%でしか可能でない。 EP0 888 410B1には、金属酸化物を用いてコーティングされた微小板状タイプの基材をベースとする修飾真珠光沢顔料が開示されている。EP0 888 410B1の教示によれば、その被覆層は、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化チタン、または酸化ジルコニウムの少なくとも2種の酸化物、酸化物の混合物または混合酸化物と、水系のオリゴマーシランシステムとからなる。真珠光沢顔料のUV安定性に対するそれらの作用に関して、酸化物保護層の順序の影響については、いかなる検討結果も開示されていない。したがって、最適な保護層の構成についての記述も一切ない。さらに、その水系オリゴマーシランシステムは、最大でも8個の炭素原子しか含むことができない。さもないと、水への溶解性が確保できないからである。そのため、この場合には、コーティング後のプロセスにおける変法の可能性が制約されている。 EP0 649 886は、二酸化チタンまたは酸化鉄のコーティングを有する真珠光沢顔料に関するものであって、それは、後に水層で水和させた酸化セリウムおよび酸化アルミニウムの組み合わせを適用され、次いで乾燥される。 EP1 203 795の教示によれば、真珠光沢顔料が層構造を有することが可能で、そこでは、第一の層にはケイ素またはアルミニウムの水和酸化物を含み、それに続く第二の層にはケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、またはセリウムの水和酸化物を含むが、その第一の層の組成物は、第二の層の組成物とは別なものである。その真珠光沢顔料はさらに、少なくとも1種の疎水性有機カップリング剤の第三の層を有し、その疎水性有機カップリング剤は、たとえばラッカーシステムの中のバインダーとは反応しない。 従来技術において使用されるプロセスのほとんどでは、SiO2および/または酸化アルミニウムを第一の層として適用している。酸化セリウム層は通常、その後に適用されるか、あるいは、混合酸化物沈殿物としてさらなる成分と共に適用される。シランの結合は通常、水溶液中の金属水酸化物の沈殿と共に生成して、混合沈殿物となる。水酸化物とシランシステムの混合沈殿物であるために、そのオリゴマーシランシステムを含む表面コーティングの効率は低い。したがって、高価なシランを不相応に大量に使用することとなり、それが原料コストを不必要に上昇させてしまう。 EP1 084 198B1には、効果顔料の記載があるが、それは、反応性配向剤を含む表面修飾層のために、ベースラッカーに対して極めて良好な接着性を示す。EP1 084 198B1には真珠光沢顔料の開示があるが、そのものは耐候安定性がない。 本発明の目的は、単純な構成の保護層構造を有し、従来技術よりも改善された効果を有する金属酸化物含有真珠光沢顔料を提供することである。その保護層構造は特に、紫外線によってもたらされる顔料の光触媒活性に対する効果的な保護作用を与えることが必要であり、しかも、顔料の光学的性質、たとえばその光沢を顕著に損なうようなことがあってはならない。 さらに、本発明による真珠光沢顔料は、有機化合物による後に適用される層が与えられることを目的としており、それが、ラッカー中の真珠光沢顔料に極めて良好な配向特性と共に、バインダーに対して抜群の結合性(極めて良好な接着性)を与える。本発明による真珠光沢顔料は、改善された総合的な耐候安定性を与えることを目的としている。 単純で効果的な保護層構造を有する金属酸化物含有真珠光沢顔料を製造するための単純なプロセスを提供することも、さらなる目的である。さらに、後に適用される層において使用することが可能な配合剤を極めて広汎に多様化させることを可能とする、後コーティングを効果的に適用するための単純な方法も提供する。 本発明が基づいているその目的は、金属酸化物含有微小板状タイプの基材を含む真珠光沢顔料を提供することにより達成されるが、ここでその金属酸化物は1.8より高い屈折率を有し、また第一および第二の保護層を有している。微小板状タイプの基材に対して、酸化セリウムおよび/または酸化セリウム水和物および/または水酸化セリウムを含む第一の保護層およびSiO2の第二の保護層を適用し、それに対して少なくとも1種の官能性結合基を含む少なくとも1種のシランおよび官能性結合基を含まない少なくとも1種のシランを含む有機化合物による後に適用される層を適用する。本発明の一つの展開においては、第一の保護層と第二の保護層との間に、酸化セリウムおよび/または酸化セリウム水和物および/または水酸化セリウムならびにSiO2以外の金属酸化物層を配置することができる。 好適な展開は、従属請求項2〜18に示されている。 本発明においては、改善されたUV安定性と、市販のラッカーシステムに対する最適な相溶性とを有する真珠光沢顔料を、「耐候安定性」または「屋外暴露安定性」と記述することとする。 本発明の目的においては、金属酸化物を含有する微小板状タイプの基材とは、特に、たとえば金属酸化物を用いてコーティングされたマイカの微小板状物を含む金属酸化物含有真珠光沢顔料であると理解されたい。 セリウム含有保護層は、酸化セリウムおよび/または水酸化セリウムおよび/または酸化セリウム水和物を含むか、あるいはそれらからなる。セリウム含有層は、水酸化セリウムを沈殿させることにより適用し、たとえば熱を加えて脱水させることによって、酸化セリウムおよび/または酸化セリウム水和物に部分的または全面的に変化させる。したがって、その保護層は、後になって、酸化セリウム層の存在が示唆されたとしても、酸化セリウムに加えて水酸化セリウムおよび/または酸化セリウム水和物も含まれている可能性がある。 セリウムは、3価もしくは4価の形態で存在するか、またはそれらの2つの形態の混ざった形態で存在する。セリウムが3価の形態で使用されているのが好ましい。 有機化合物による後に適用される層は、SiO2コーティングとの混合層の形態でないのが好ましい。すなわち、第二の保護層を適用するときに、最初にSiO2を効果顔料に適用し、次いで、有機化合物層を後に適用する。 有機化合物による後コーティングは、単一の方法で実施するのが極めて有利で、それにより極めて多種類の表面修飾剤を使用することが可能となる。使用可能な表面修飾剤が多数存在するために、本発明の顔料は極めて各種のラッカーシステムに対して相溶性とすることができる。光学的性質たとえば光沢は、極めて良好である。 本発明の真珠光沢顔料を製造するための本発明によるプロセスには、以下の工程が含まれる:(a)金属酸化物(この金属酸化物は1.8より高い屈折率を有している)を含有する微小板状タイプの基材を液相の中に懸濁させる工程、(b)その微小板状タイプの基材に酸化セリウムおよび/または酸化セリウム水和物および/または水酸化セリウムを含む層を適用する工程、(c)場合によっては、工程(b)においてコーティングされた顔料に、1種または複数の金属酸化物層を適用する工程、(d)工程(b)または(c)においてコーティングされた顔料に、SiO2層を適用する工程、(e)官能性結合基を含む少なくとも1種のシランおよび官能性結合基を含まない少なくとも1種のシランを含む後に適用される層で、そのSiO2層の表面を修飾する工程。 本発明によるプロセスの好適な展開は、請求項19〜30において定義されている。 工程(e)を、有機溶媒過剰の溶媒を含む液相の中で、1種または複数の有機官能性シランを用いて実施するのが好ましい。この場合、各種の添加物、特に疎水性シランが、有機溶媒過剰の溶媒には極めて容易に溶解するので、とても有利である。これによって、プロセスの調節が簡単になり、また表面修飾剤の選択の幅が極めて広くなる。 驚くべきことには、この真珠光沢顔料の優れたUV安定性および耐候安定性が、金属酸化物を含有する微小板状タイプの基材を有し、その微小板状タイプの基材に、酸化セリウムおよび/または酸化セリウム水和物および/または水酸化セリウムを含むかあるいはそれらからなる層を含む第一の保護層を、好ましくは直接適用し、そして有機化合物による後に適用される層を有するSiO2の層を含む他の層が適用されることによる、真珠光沢顔料により達成されることが今や見出された。驚くべきことには、さらには、薄い層厚でも高いUV安定性を得るには充分であることも判った。 SiO2の屈折率が低いにも関わらず、その顔料は驚くべき良好な光沢を有している。このことは決して予想されるものではないが、その理由は、DE4207723A1、p.2、第19〜21行に以下のような記載があるからである:「ケイ酸塩コーティングまたはAl2O3コーティングした顔料は、分散させるのが困難であるばかりでなく、印刷インキおよびラッカーのコーティングにおいて光沢の低下を示す」。 使用されるセリウム、好ましくは酸化セリウムおよび/または酸化セリウム水和物および/または水酸化セリウムの形態で使用されるセリウムの量は、好ましくはセリウムの0.05〜3.0重量%の間、より好ましくは0.1〜1.0重量%の間、極めて好ましくは0.2〜0.7重量%の間であるが、ここではいずれの場合も、顔料の全重量を基準にしている。使用される顔料の量を基準にして、重量含有率は1.0%以下であるのが好ましいが、その理由は、そうしないと、顔料の光学的性質の低下があまりにも大きくなるからである。それとは対照的に、重量含有率が0.1%よりも低いと、一般的に、UV安定化の向上が充分に良好なものとはならない。個々の場合において、その重量比率は、真珠光沢顔料の細かさ、従ってその比表面積にも依存し、またTiO2層の層の厚みにも依存する。一般に、顔料がより細かい程、そしてTiO2層がより厚い程、酸化セリウムおよび/または水酸化セリウムおよび/または酸化セリウム水和物の含量を高くする必要がある。 本発明による真珠光沢顔料におけるSiO2含量は、好ましくは顔料の0.5〜8重量%に等しく、より好ましくは1.0〜6.5重量%、さらにより好ましくは1.5重量%〜5.0重量%、最も好ましくは1.8〜4.5重量%であるが、いずれも顔料の全重量を基準とした数値である。ここにおいても、個々の場合におけるSiO2の量は、真珠光沢顔料の細かさとさらには比表面積、そしてTiO2層の層厚に依存する。この場合も同様に、一般に顔料がより細かい程、そしてTiO2層がより厚い程、SiO2含量を高くする必要がある。SiO2を8重量%よりも多くしても、耐候安定性およびUV安定性のそれ以上の改善は観察されない。多くの場合、それらの性質は悪化するが、その理由はおそらく、保護層が厚いと脆くおよび/または砕けやすくなって、その結果小さなクラックが入り、そのため、コーティングされたTiO2の光活性がもはや充分効果的に抑制されなくなってしまうためであろう。0.5重量%未満では一般に、SiO2の保護作用が低くなりすぎる。 SiO2に加えて、ケイ素の水酸化物および/または水和酸化物もまた、そのSiO2層の中に存在しうる。 本発明による真珠光沢顔料が一段と優れた屋外暴露抵抗性とUV抵抗性を有しているのは、特に、第一に酸化セリウム、次いでSiO2という本発明における層の順序に起因していると考えられる。酸化セリウムおよび/または酸化セリウム水和物および/または水酸化セリウムは、TiO2の光化学活性を抑制するために極めて効果的な薬剤であることは自体公知である。その効果は特に、公知のCe(III)/Ce(IV)酸化還元系によるものであろう。この手段によって、その表面上にTiO2の光化学活性の結果として発生するフリーラジカルが、効果的に反応を完結することができる。言うまでもなく、酸化セリウムおよび/または酸化セリウム水和物および/または水酸化セリウムが最初の顔料のTiO2表面上に直接接触する第一の層として堆積されれば、光触媒的に発生されたフリーラジカルに対するバリアーとしての酸化セリウムの効果は特に高くなる。 したがって本発明においては、酸化セリウムおよび/または酸化セリウム水和物および/または水酸化セリウムの層を直接TiO2層に適用するのが好ましい。しかしながら、酸化セリウムおよび/または酸化セリウム水和物および/または水酸化セリウムの層は、必ずしも直接TiO2層に適用されなければならないという訳ではない。酸化セリウムおよび/または酸化セリウム水和物および/または水酸化セリウムの層は、単独沈殿により、すなわち、混合沈殿ではなく適用して、それによって酸化セリウムおよび/または酸化セリウム水和物および/または水酸化セリウムの層が好ましくは他の金属酸化物を実質的に含まないようにするのが好ましい。 酸化セリウムおよび/または酸化セリウム水和物および/または水酸化セリウムのセリウム含有層は独立した層であって、か焼または未か焼の金属酸化物層たとえば酸化チタン層からなる下側層と混合層を形成しないのが好ましい。 さらに、SiO2層を、酸化セリウムおよび/または酸化セリウム水和物および/または水酸化セリウムの層に対して直接適用するのが好ましい。SiO2層は、ゾルゲルプロセスを使用して、有機溶媒過剰の溶媒混合物から適用するのが極めて好ましいが、これについては以下において説明する。そのSiO2層も同様に、独立した層であって、その下側の、酸化セリウムおよび/または酸化セリウム水和物および/または水酸化セリウムのセリウム含有層と混合層を形成しないのが、さらに好ましい。 したがって、本発明による顔料は、酸化セリウムおよび/または酸化セリウム水和物および/または水酸化セリウムの層、直接それに続けてのSiO2層の保護層構造を有し、それに対して少なくとも1種の官能性結合基を含む少なくとも1種のシランおよび結合基を含まない少なくとも1種のシランを含む先に述べた表面修飾層が適用されるのが好ましい。この保護層構造は、TiO2層に直接適用されるのが好ましい。 続けてのSiO2層、すなわち、第二の保護層は、いずれの場合においてもさらなるバリアーを形成する。それは真珠光沢顔料表面を水の浸入から守るとともに、その一方で酸化セリウムおよび/または酸化セリウム水和物および/または水酸化セリウムの層を通過してきた各種フリーラジカル種を引き留める。 さらに、ケイ酸塩層は、その電子的な性質のために、安定化作用をも有することができると考えられる。SiO2のバンドの端部におけるエネルギー状態は、好適に使用されるTiO2コーティングを有する真珠光沢顔料におけるTiO2のそれと比較して、特に電子ホール、さらには半導体のTiO2にUVフォトンが吸収されて形成される電子の遷移を、顔料の境界面において効果的に抑制(「ダイオード効果」)するのに好ましいと考えられる。 本発明による真珠光沢顔料の有利な性質は、上述の最適化された酸化物層構造だけによって達成される訳ではない。驚くべきことには、少なくとも1種の官能性結合基を含む少なくとも1種のシランと官能性結合基を含まない少なくとも1種のシランとを含む、SiO2層の上の有機化合物による後に適用される層によって、さらに有利な適用特性が得られている。驚くべきことには、本発明の真珠光沢顔料は、コーティング媒体の中で優れた配向挙動を示す。光学的性質たとえば光沢は、極めて良好である。 ここでは、「官能性結合基」とは、バインダーに対して化学的な相互作用をすることが可能な官能基を意味するものと理解されたい。その化学的な相互作用は、ここでは、共有結合、水素結合およびイオン的相互作用からなっていてもよい。 官能性結合基としては、アクリレート基、メタクリレート基、ビニル基、アミノ基、シアネート基、イソシアネート基、エポキシ基、ヒドロキシル基、チオール基、ウレイド基、および/またはカルボキシル基を挙げることができる。 好適な官能基をいかに選択するかは、バインダーの化学的な性質に依存する。良好な結合性を得るためには、バインダーの官能性と化学的になじみやすい官能基を選択するのが好ましい。耐候安定およびUV安定な真珠光沢顔料に関しては、このことは極めて重要であるが、その理由は、そのようにすることで、顔料と硬化されたバインダーとの間に充分に強力な接着が得られるからである。このことはたとえば、DIN 50 017に従った、凝縮水分試験条件下の碁盤目試験のような接着性試験において、実証することができる。このような試験に合格することが、自動車用ラッカーにおいて耐候安定性真珠光沢顔料を使用するための必須の前提条件である。 表面修飾剤として使用するのに好適な、適切な官能基を含む有機官能性シランは、市場で入手可能であり、独国ラインフェルデン(Rheinfelden,Germany)のデグッサ(Degussa)により製造され、「ダイナシラン(Dynasylan,登録商標)」の商品名で販売されている。その他の製品としては、OSiスペシャルテーィズ(OSi Specialties)からのシルクエスト(Silquest)(登録商標)シランや、ワッカー(Wacker)からのゲニオシル(GENIOSIL)(登録商標)製品群のたとえば標準およびα−シランがある。それらの例として、以下のようなものが挙げられる:3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン(ダイナシラン(Dynasylan)MEMO、シルクエスト(Silquest)A−174NT)、ビニルトリ(メ)エトキシシラン(ダイナシラン(Dynasylan)VTMOまたはVTEO、シルクエスト(Silquest)A−151またはA−171)、3−メルカプトプロピルトリ(メ)エトキシシラン(ダイナシラン(Dynasylan)MTMOまたは3201;シルクエスト(Silquest)A−189)、3−グリシドオキシプロピルトリメトキシシラン(ダイナシラン(Dynasylan)GLYMO、シルクエスト(Silquest)A−187)、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート(シルクエスト(Silquest)Y−11597)、ガンマ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(シルクエスト(Silquest)A−189)、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィド(シルクエスト(Silquest)A−1289)、ビス(3−トリエトキシシリル)ジスルフィド(シルクエスト(Silquest)A−1589)、ベータ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(シルクエスト(Silquest)A−186)、ビス(トリエトキシシリル)エタン(シルクエスト(Silquest)Y−9805)、ガンマ−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン(シルクエスト(Silquest)A−Link35、ゲニオシル(GENIOSIL)GF40)、(メタクリルオキシメチル)トリ(メ)エトキシシラン(ゲニオシル(GENIOSIL)XL33、XL36)、(メタクリルオキシメチル)(メ)エチルジメトキシシラン(ゲニオシル(GENIOSIL)XL32、XL34)、(イソシアナトメチル)トリメトキシシラン(ゲニオシル(GENIOSIL)XL43)、(イソシアナトメチル)メチルジメトキシシラン(ゲニオシル(GENIOSIL)XL42)、(イソシアナトメチル)トリメトキシシラン(ゲニオシル(GENIOSIL)XL43)、3−(トリエトキシシリル)プロピルコハク酸無水物(ゲニオシル(GENIOSIL)GF20)。 好ましい実施態様においては、SiO2層を修飾するための有機官能性シラン混合物には、官能性結合基を含まない少なくとも1種のシランに加えて、少なくとも1種のアミノ官能性シランが含まれる。アミノ官能基は、バインダー中に通常存在している基と1種または複数の化学反応をすることが可能な官能基である。これには、たとえば、バインダーのイソシアネート基またはカルボキシレート基との共有結合や、OH基またはCOOR基などとの水素架橋、あるいはそれに代わるイオン性の相互作用などが含まれる。したがって、アミノ官能基は、効果顔料を各種のバインダーに化学的な結合をさせる目的において、極めて好適なものである。 この目的のためには、下記のような化合物を使用するのが好ましい:アミノプロピルトリメトキシシラン(ダイナシラン(Dynasylan)AMMO;シルクエスト(Silquest)A−1110)、アミノプロピルトリエトキシシラン(ダイナシラン(Dynasylan)AMEO)もしくはN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(ダイナシラン(Dynasylan)DAMO、シルクエスト(Silquest)A−1120)もしくはN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、トリアミノ官能性トリメトキシシラン(シルクエスト(Silquest)A−1130)、ビス(ガンマ−トリメトキシシリルプロピル)アミン(シルクエスト(Silquest)A−1170)、N−エチル−ガンマ−アミノイソブチルトリメトキシシラン(シルクエスト(Silquest)A−Link15)、N−フェニル−ガンマ−アミノプロピルトリメトキシシラン(シルクエスト(Silquest)Y−9669)、4−アミノ−3,3−ジメチルブチルトリメトキシシラン(シルクエスト(Silquest)Y−11637)、N−シクロヘキシルアミノメチルメチルジエトキシシラン(ゲニオシル(GENIOSIL)XL924)、(N−シクロヘキシルアミノメチル)トリエトキシシラン(ゲニオシル(GENIOSIL)XL926)、(N−フェニルアミノメチル)トリメトキシシラン(ゲニオシル(GENIOSIL)XL973)、およびそれらの混合物。 また別な好ましい実施態様においては、官能性結合基を含まないシランはアルキルシランである。アルキルシランは式(I)であるのが好ましい: R(4−z)Si(X)z (I)ここで、zは1〜3の整数であり、Rは、10〜22個の炭素原子を有する、置換または非置換、非分岐状または分岐状のアルキル鎖であり、Xはハロゲンおよび/またはアルコキシ基を表す。少なくとも12個の炭素原子を有するアルキル鎖を含むアルキルシランが好ましい。Rは、Siと環状に結合されていてもよく、その場合には、zは通常2である。 このタイプのシランが、顔料表面の強い疎水化をもたらす。それに伴い、このことが要因となって、ラッカーコーティングの中で、コーティングされた真珠光沢顔料が浮かび上がる傾向が強くなる。微小板状タイプの効果顔料においては、このタイプの挙動は、「リーフィング」と呼ばれている。 大変驚いたことには、少なくとも1種の官能基を有する少なくとも1種のシランからなるシラン混合物が、バインダーに結合することが可能となり、上述のようなアミノ基を含まない水不溶性または水難溶性のアルキルシランが真珠光沢顔料において最適な適用性を与えることが今や見出された。 真珠光沢顔料がラッカーに非常にうまく結合するので、接着ロスが起きない。その一方で、その顔料は、ラッカーの中において、面に平行な優れた配向性を示し、「残存リーフィング」挙動、すなわち、顔料の統計的に測定可能な部分が、硬化させたベースラッカーの上側領域、クリアラッカーの近傍に見出される。通常は、ベースラッカーの境界面の上部に顔料が配列すると、接着性が損なわれることになるが、その理由は、真珠光沢顔料が、その微小板状タイプ構造のために、クリアラッカーとベースラッカーとの間で好ましくないバリアーとして機能するからである。本発明においては、驚くべきことには、顔料がベースラッカーの境界面の上部に集まることがなく、ベースラッカーの境界面の上部の近傍に集まり、それによって、クリアラッカーのベースラッカーに対する信頼性のおける接着が可能となる。すなわち、好都合なことには、本発明による顔料は、好ましくないバリアーとして機能することはない。 この「残存リーフィング」挙動、および極めて良好に面に平行に配向することによって、たとえばラッカーコーティング中における本発明による真珠光沢顔料の、改善された光沢性および高純度の色合いが得られるようになる。 アルキルシランの鎖長が炭素原子10個未満である場合には、その表面の疎水化は、このタイプの効果を示すには不十分である。この場合はおそらく、アルキル鎖が互いに平行に配列して、「自己集合単層」の状態となっているようなセグメントを、顔料表面上に形成することができないであろう。このタイプの層は、表面に接着性の基を有する添加物と、少なくとも10個の炭素原子を有するアルキル鎖とを用いて表面をコーティングしたときに、好適に得ることができる。 シランが22個を超える炭素原子を有している場合には、官能性結合基を有するシランによってバインダーシステムに結合させることが通常、充分でなくなる、すなわち、ラッカーの適用において、接着の問題が、多くの場合、DIN 50 017に従った凝縮水分試験で観察される。 また別な好ましい実施態様においては、その表面修飾層には、構造式(II)のシランが含まれるが、 (R1−X−[A−Y]n−B)(4−z)Si(OR2)z (II)ここで、nは、1〜100に等しく、zは、1〜3の整数であり、R1は、1〜12個の炭素原子を有する直鎖状または分岐鎖状のアルキルを表し、それは、ハロゲン;6〜12個の炭素原子を有するアリール;もしくは、1〜6個の炭素原子を有するアルキルおよび/またはハロゲンによって置換されていてもよい6〜12個の炭素原子を有するアリールによって置換されていてもよく、R2は、1〜6個の炭素原子を有する直鎖状または分岐鎖状のアルキルを表し、AおよびBは独立して、1〜12個の炭素原子を有する直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン;6〜12個の炭素原子を有するアリーレン;または1〜6個の炭素原子を有するアルキルおよび/またはハロゲンによって置換されていてもよい、6〜12個の炭素原子を有するアリーレンからなる、2価の基を表し、XおよびYは独立して、OまたはSを表す。 ここでは、ハロゲンとは、F、Cl、Br、および/またはIであると理解されたい。 好ましい実施態様においては、R1およびR2は独立して、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、フェニル、ビフェニル、ナフチル、またはそれらの混合物を表す。 他の好ましい実施態様においては、AおよびBは独立して、エチレン、プロピレン、1−ブチレン、2−ブチレン、フェニレン、1〜6個の炭素原子を有するアルキルによって置換されたフェニレン、およびそれらの混合物を表す。 これらのシランは、nが特定の値に等しい純粋な形態で存在していてもよいし、あるいはnが複数の数値を有する混合物として存在していてもよい。 好ましい実施態様においては、nの範囲は1〜20、より好ましくは5〜15である。 特に好ましい実施態様においては、その表面修飾層には、式(III)のシランが含まれるが、H3CO−[CH2−CH2−O−]nCH2−CH2−Si(OR2)3 (III)ここで、nは1〜100、好ましくは1〜20、より好ましくは5〜25に等しく、そしてR2は先に挙げた意味を有する。R2が独立してメチルまたはエチルであれば、極めて好ましい。 これらのシランは、nが所定の値を有する純粋な形態で存在していてもよいし、あるいは(nが複数の数値を有する)混合物の形態で存在していてもよい。鎖の中の、それらのオキシエチレン基(単数または複数)のために、このタイプのシランは特に良好な濡れ特性および分散特性を有している。このタイプのシランは、たとえばOSiスペシャルテーィズ(OSi Specialties)から、製品名シルクエスト(Silquest)(登録商標)A−1230として入手可能である。 有機官能性シランは、SiO2層に適用するまでは、主としてモノマーの形態で存在しているのが好ましい。 後に適用される層として適用するシランの量は、酸化セリウムおよびSiO2でコーティングされた全真珠光沢顔料を基準にして、好ましくは0.1〜6重量%、より好ましくは0.2〜5重量%、極めて好ましくは0.3〜3重量%、最も好ましくは0.5〜2.5重量%である。個々のケースにおいて、その量は、その真珠光沢顔料の細かさおよび比表面積にも依存することがある。しかしながら一般的には、顔料表面上の1層またはそれ以下のシラン単層の厚さになるオーダーの量で充分である。量が少なすぎると、顔料表面が充分にコーティングされず、その結果として、ラッカーの適用において、凝縮水分試験(DIN 50 017に規定された試験)で劣った結果となってしまう。 少なくとも1種の官能性結合基を含むシランの、官能性結合基を含まないものに対する混合比は、重量比で、1:5から5:1まで、より好ましくは1:3から3:1まで、極めて好ましくは1:2から2:1までである。そのシラン混合物に含まれる官能性結合基が全体として少なすぎる場合には、その表面修飾層の疎水性が強すぎる。これでは、ラッカーコーティングにおいて、DIN 50 017に規定された凝縮水分試験のような負荷試験において、接着性の問題が起きる可能性がある。その一方で、官能性結合基が多すぎると、その表面が親水性になりすぎて、水系ラッカーにおける顔料のペースト形成性能や、硬化させたラッカーコーティング中での真珠光沢顔料の配向が貧弱となる。凝縮水分試験においては、顔料の親水性が強すぎると、ラッカー層の中への水の浸入が促進され、それが、特に、像鮮鋭性(DOI)の低下や、ミクロ微小水泡の形成をもたらす。 本発明のまた別な実施態様においては、安定化させる真珠光沢顔料に、酸化セリウムおよび/または酸化セリウム水和物および/または水酸化セリウムならびにSiO2の混合層を第一の保護層としてコーティングする。セリウムは、3価もしくは4価の形態、またはそれらの二つの形態の混合物として存在させるが、3価のセリウムを使用するのが好ましい。しかしながら、最初に酸化セリウムおよび/または酸化セリウム水和物および/または水酸化セリウム、次いでSiO2の順とするのが好ましいが、その理由は、そのようにするとUV安定性がより良好なものが得られるからである。 本発明のまた別な実施態様は、1種または複数の金属酸化物層、好ましくは酸化スズの層を有する微小板状タイプの基材からなる。酸化スズの層は、たとえばDE3535818A1の実施例1および5に記載されているような方法で適用することが可能である(この特許をここに参照することにより、本明細書に取り入れたものとする)。この層は、基材の製造プロセスの間に適用し、次いでか焼するのが好ましい。 真珠光沢顔料を製造する際に酸化スズを使用するのは、基材、好ましくはマイカ微小板状物の上に沈殿させたTiO2層にルチル構造を誘導するためである。マイカの上では、TiO2はアナターゼ構造で成長するが、それは光活性がより高いために望ましくない。しかしながら、SnO2を用いて基材をプレコーティングすると、次に適用されるTiO2をルチル変態させるが、その理由は、それら2種の酸化物が類似の結晶構造を有しているからである。 驚くべきことには、TiO2コーティングをした後、すなわち、酸化セリウムおよび/または酸化セリウム水和物および/または水酸化セリウムからなるか、あるいはそれらを含む第一の保護層と、SiO2の第二の保護層とを適用する前に、SnO2を用いて追加のコーティングをすると、耐候安定性がさらに改善されるということが今や見出された。ここでは、そのSnO2層は、TiO2層に直接適用されるのが好ましい。 本発明のさらなる実施態様においては、酸化セリウムおよび/または酸化セリウム水和物および/または水酸化セリウムからなるか、あるいはそれらを含む第一の保護層とSiO2の第二の保護層との間に、追加の層、好ましくは金属酸化物層を設けることも可能である。この場合に関わる金属酸化物は、好ましくはZrO2である。 使用される真珠光沢顔料には、たとえば以下において記述されるような、慣用され、市販されている顔料がすべて含まれる。 真珠光沢顔料には微小板状タイプの基材が含まれるが、それらは好ましくは、マイカ、タルク、セリサイト、カオリン、およびSiO2微小板状物、ガラス微小板状物、グラファイト微小板状物またはAl2O3微小板状物、およびそれらの混合物からなる群より選択される。ここで好適な基材は、マイカ、SiO2微小板状物、ガラス微小板状物、およびAl2O3微小板状物である。 さらに、この低屈折性の微小板状タイプの基材の上に、高屈折性の層を配置するのが好ましい。このタイプの層は、金属カルコゲニド、特に金属酸化物、金属水酸化物、水和金属酸化物、金属亜酸化物、および金属硫化物、金属フッ化物、金属窒化物、金属炭化物、ならびにそれらの混合物からなる群より選択するのが好ましい。 真珠光沢顔料の基材は、金属酸化物、金属水酸化物、金属亜酸化物、および/または水和金属酸化物を含むか、あるいはそれらからなる多層の層構造を用いてコーティングされているのが好ましいが、そのコーティングの順序はいかようにも変化させることができる。それらの金属酸化物、金属水酸化物、金属亜酸化物、および/または水和金属酸化物は、同一の層の中に共存していてもよい。 真珠光沢顔料の基材は、TiO2、Fe2O3、Fe3O4、TiFe2O5、ZnO、SnO2、CoO、Co3O4、ZrO2、Cr2O3、VO2、V2O3,(Sn,Sb)O2、およびそれらの混合物からなるか、あるいはそれらを含む群からなる1種または複数の金属酸化物層を用いてコーティングされているのが好ましい。TiO2および/またはFe2O3が特に好ましい。 また別な実施態様においては、多層の層構造は、基材の上で、少なくとも1層の高屈折性の層と少なくとも1層の低屈折性の層が交互になっている、層の順序を有している。 別な態様においては、1層または複数の直接重ね合わせた高屈折性の層を、1層または複数の直接重ね合わせた低屈折性の層と交互に適用することも可能である。しかしながら、層構造の中に高屈折性の層と低屈折性の層が存在していることが必須である。 多層の層構造が、基材の上に、少なくとも1層の高屈折性の層、少なくとも1層の低屈折性の層、そして少なくとも1層の高屈折性の層の順に配置されているような層の順序になっているのが好ましい。 この変法においてもまた、1種または複数の低屈折性の層または高屈折性の層を直接重ね合わせて配置することも可能である。しかしながら、その層構造においては、高屈折性の層またはそのような層の群が低屈折性の層またはそのような層の群によってコーティングされ、次いで、それが高屈折性の層またはそのような層の群によってコーティングされていることが必須である。 少なくとも1層の高屈折性の層が、TiO2、Fe2O3、Fe3O4、TiFe2O5、ZnO、SnO2、CoO、Co3O4、ZrO2、Cr2O3、VO2、V2O3、(Sn,Sb)O2、およびそれらの混合物からなる群より選択される金属酸化物および/または金属水酸化物を含むか、あるいはそれらからなるのが好ましい。低屈折性の層が、SiO2、Al2O3、およびそれらの混合物からなる群より選択される金属酸化物および/または金属水酸化物を含むか、あるいはそれらからなるのが好ましい。 高屈折性の層と低屈折性の層とを含む真珠光沢顔料は、特に強力な干渉色を作る。とりわけ、高屈折性の層、次いで低屈折性の層、次いで別の高屈折性の層を有している真珠光沢顔料が特に好ましい。TiO2/SiO2/TiO2を含むか、あるいはそれらからなる層構造、場合によってはさらにFe2O3を含む層を有するものは、強い金色の色相を呈するので、特に好ましい。 また別な実施態様においては、真珠光沢顔料が基材としてガラス微小板状物を用い、その両面が半透明の金属層を用いてコーティングされている。 その半透明な金属層の金属は、銀、アルミニウム、クロム、ニッケル、金、白金、パラジウム、銅、亜鉛、それらの混合物、およびそれらの合金、からなる群より選択されるのが好ましい。半透明な層の厚みは、好ましくは約2nm〜約30nm、より好ましくは約5nm〜約20nmの範囲である。 本発明において提供される、保護層を有する微小板状タイプの基材として好ましいのは以下のものである:・TiO2コーティングおよび/または酸化鉄コーティングしたマイカ微小板状物、・TiO2コーティングおよび/または酸化鉄コーティングしたガラス微小板状物、・TiO2コーティングおよび/または酸化鉄コーティングした酸化アルミニウム微小板状物、・TiO2コーティングおよび/または酸化鉄コーティングしたSiO2微小板状物、・ビスマスオキシクロライド微小板状物、・純TiO2微小板状物、および全てのそれらの基材の混合物。 良好な真珠光沢効果を得るためには、金属酸化物層の屈折率が、1.8より高く、好ましくは2.2より高く、より好ましくは2.3より高く、さらにより好ましくは2.4より高く、最も好ましくは2.5以上である。 本発明においては、TiO2を用いてコーティングされた基材が上述の保護層を有しているのが好ましい。TiO2および/または酸化鉄を用いてコーティングされたマイカ顔料は、たとえばフェニックス(PHOENIX)(登録商標)(エッカルト(Eckart)製)の名前で市販されている。TiO2および/またはFe2O3を用いてコーティングされたAl2O3フレークは、メルク(Merck)から商品名キシラリック(Xirallic)(登録商標)として、さらに同様のコーティングされたSiO2フレークは、メルク(Merck)から商品名カラーストリーム(Colorstream)(登録商標)として販売されている。TiO2および/または酸化鉄を用いてコーティングされたガラスフレークは、たとえば米国のエンゲルハード(Engelhard)からファイアミスト(Firemist)(登録商標)の名前で販売されている。先に述べた、たとえばDE19618569にあるような、低屈折率および高屈折率の金属酸化物の交互の層を用いてコーティングされた担体材料からなる多層干渉顔料は、本発明においては、後適用することができる。 上述の顔料は、最初に酸化セリウムおよび/または酸化セリウム水和物および/または水酸化セリウムからなるか、あるいはそれらを含む第一の保護層を用い、それに続けてSiO2の第二の保護層とその後の有機化合物による後に適用される層を用いることにより、紫外線により誘起される光触媒活性に対しての優れた安定性を得ることができる。 本発明によるプロセスにおいては、工程(e)で製造された顔料から溶媒を除去し、場合によっては乾燥させることができる。さらに、必要であれば、その後で分級をしてもよい。 水酸化セリウム層の沈殿は、場合によっては水を添加し、場合によっては塩基または酸を添加し、室温から溶媒の沸騰温度までの範囲の反応温度で、場合によっては触媒の存在下に起こさせるのが好ましい。堆積反応の間に放出される酸性または塩基性の構成成分、たとえばプロトンまたはヒドロキシルイオンは、塩基または酸を添加することによって中和、または部分的に中和させてから、ケイ酸塩、好ましくはSiO2の堆積が開始されるようにすることができる。この場合、その塩基または酸は、セリウム剤と同時、あるいはセリウム塩溶液の導入の後に定量注入することができる。驚くべきことには、用いたセリウム剤の沈殿は、pH3〜pH8、好ましくはpH4〜pH7のpH範囲においては、ほとんど定量的に、好ましくは定量的に起きるので、そのため、それに続く、好ましくはテトラアルコキシシランの添加と、SiO2の沈殿の際に、ほとんど純粋な、好ましくは純粋なSiO2層が形成されることが判った。 したがって、本発明においては、セリウム含有層とSiO2層の適用がその順で起きるので、好ましいことには、互いに独立して別々の層が適用される。 SiO2層は、有機溶媒過剰の溶媒混合物中でのゾルゲルプロセスの手段により適用するのが好ましい。このケースでは、工程(d)において、SiO2層を、好ましくはテトラアルコキシシランを使用し、場合によっては水を添加して適用する。有機溶媒過剰の溶媒混合物中で実施される、このタイプのゾルゲルプロセスは、従来技術においてすでに記載されているように、水性のケイ酸塩溶液からSiO2の堆積が始まるという利点がある。最近のバインダーシステムは、塩の存在には極めて敏感である。後者は、たとえば、バインダー粒子のコロイド安定性を妨害し、そのために、ラッカーのバインダーシステムの調節不能な凝集を起こす可能性がある。そうなると、そのラッカーは使用不能となる。さらに、塩のような水溶性の成分は、ラッカーの中での浸透プロセスを促進するために、ラッカー層中での水の蓄積が原因で、気泡の生成および剥離の問題が生じうる。真珠光沢顔料の脱塩ないしは低塩製造プロセスによって、複雑な精製工程はもはや不要となる。すなわち、懸濁させた後では、本発明による顔料は、通常のものよりも低い伝導度の値を有する。 大量の反応副生物として、アルコールが生成するが、それは、たとえば蒸留によって、仕上げ操作を行い、アルコール性溶媒と共にリサイクルすることができる。 Si(OR)4+2H2O→SiO2+4ROH 本発明の好適な展開においては、テトラアルコキシシランのアルコキシ基は使用する有機溶媒に相当する。テトラアルコキシシランを加水分解させると、RがCH3、C2H5またはC3H7であれば、それぞれに対応するアルコール、たとえばメタノール、エタノール、またはプロパノールの放出を生ずる。したがって、有機溶媒としてメタノール、エタノール、またはプロパノールを使用すれば、加水分解の後に異種の溶媒の混合物が生成することはなく、このことは、溶媒の仕上げやさらなる使用の観点からは、プロセス技術の目的のためには極めて大きなメリットである。 SiO2層を形成させるために、モノマー性の出発物質を使用すると、さらなるメリットが得られる。有機溶媒中におけるゾルゲルプロセスにおいては、その反応は、テトラアルコキシシラン、すなわち、分子モノマーの加水分解で開始される。しかしながら、水性ケイ酸塩溶液、たとえば水ガラスは、常に、すでに予め縮合された−O−Si−O−単位のオリゴマーの形で存在する。そのため、加水分解工程およびそれに続く縮合を、本発明において好適に使用されるゾルゲルプロセスにおいては、よりうまく調節することが可能である。このことは、形成される層の品質と構造に有利な効果を与える。有機溶媒過剰の溶媒混合物中でのゾルゲルプロセスにおいてSiO2が調節されて堆積することによってさらに、層の高品質と、それにより得られる極めて良好なバリアー効果が与えられると考えられる。 SiO2層のために使用される出発化合物は、テトラアルコキシシランが好ましい。その例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、またはそれらの混合物が挙げられる。 SiO2堆積のためのゾルゲルプロセスの触媒作用は、塩基性媒体中で起こすのが好ましい。窒素含有塩基を触媒として使用するのが好ましい。それらの例としては、アンモニア、ヒドラジン、メチルアミン、エチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、メチルエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、1−プロピルアミン、2−プロピルアミン、1−ブチルアミン、2−ブチルアミン、1−プロピルメチルアミン、2−プロピルメチルアミン、1−ブチルメチルアミン、2−ブチルメチルアミン、1−プロピルエチルアミン、2−プロピルエチルアミン、1−ブチルエチルアミン、2−ブチルエチルアミン、ピペラジン、およびピリジンが挙げられる。 これらの塩基は、水酸化セリウムを堆積させる際に放出される可能性のある、各種のプロトンを中和させるのにも適している。 水酸化セリウムを堆積させる際に放出される可能性のある、各種の塩基性成分を中和させるには、たとえばHNO3またはHClが適している。 本発明によるプロセスの好適な変法においては、工程(a)における液相が、有機溶媒過剰の溶媒混合物である。さらに、純粋な光沢顔料を(b)から(e)で完全にコーティングすることを、有機溶媒過剰の溶媒混合物中、または有機溶媒成分が過剰である液相中において実施するのが好ましい。ここで「有機溶媒過剰の溶媒混合物」とは、好ましくは50重量%未満の水を含むものを意味すると理解されるべきである。 使用される有機溶媒は、たとえば、エーテル、エステル、アルコール、ケトン、アルデヒド、またはホワイトスピリットである。 使用する有機溶媒過剰の溶媒混合物が、50〜99重量%のアルコール含量を有するアルコール性溶媒であれば好ましい。アルコール含量は、好ましくは60〜95重量%、より好ましくは70〜90重量%である。アルコール含量が50重量%を下回ると、コーティングを有する真珠光沢顔料の応用性能に悪影響を与える可能性がある。これはたとえば、コーティングにおける光沢の損失をもたらす可能性がある。最後に、99重量%を超えると、その反応混合物は明らかに水分不足で、そのために、アルコキシシランの加水分解が遅くなり、その結果、反応時間があまりにも長くなってしまう。 それ自体好適なアルコールとしては、たとえば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソ−プロパノール、n−ブタノール、2−メチルプロパノール、2−メトキシプロパノール、ブチルグリコールなどが挙げられる。これらのアルコールを各種所望の割合で混合したものも、使用可能である。その混合物の残りの部分は、一方では反応相手の水からなり、他方ではさらなる有機溶媒が存在していてもよい。 有機溶媒過剰の溶媒を使用する利点は、特に工程(e)において、多くのシランが有機溶媒に極めて溶解しやすい、という点にある。その結果、親水性シランだけではなく、特に疎水性シランもまた表面修飾に使用することが可能である。しかしながら、多くのシランは水性溶液に可溶性ではない。このことは、シランを適度に予備的に加水分解させるか(US5,759,255)または、特殊な水溶性オリゴマー系の合成を実施する(DE196 39 783)ことによって対策を取ることができる。しかしながら、予備的に加水分解させたシラン系は、貯蔵安定性に欠ける。さらに加水分解を受けたり縮合反応が起こったりする結果、それらのシランが架橋したり、オリゴマー化したりして、最後には表面修飾の目的には使用できなくなる。最後に、水溶性オリゴマー系は、まず合成が困難であり、そしてそれらは同様に貯蔵するのがより困難であり、有機官能基のバリエーションの可能性の数に限界がある。特に、10〜22個の炭素原子を有するアルキルシランは、水に不溶性であるか、あるいはほとんど溶解しない。その一方で、無極性のアルキルシランはここで使用される溶媒、および前述の溶媒混合物には何の問題もなく溶解することができ、そのことが、顔料表面の上に層を形成させるのに有利な効果をもたらす。さらに、比較的高価なシランについての、効果的な原料使用が可能となる。 しかしながら、アミノシランは一般に、水に溶解するものの、自触媒作用で加水分解を受け、凝縮してオリゴマー系やポリマー系を与える。そのために、それらは水中においては極めて限られた貯蔵安定性しか有さない。 表面修飾剤として使用可能なシランは極めて多いので、本発明による真珠光沢顔料の表面特性を、各種のラッカーシステムに対して種々の方法で適用することができる。しかしながら、予備的に加水分解させたシランおよび特に水溶性シランオリゴマーを使用する場合には、8個以下の炭素原子を有する短鎖の脂肪族または芳香族ラジカルに限定される。 上述のプロセスの工程(a)〜(e)は、同じ液状媒体中で実施するのが好ましい。この実施態様においては、有機溶媒過剰の溶媒中に充分に溶解性のあるセリウム塩を工程(c)で使用する。そのようなものの好適な例としては、酢酸セリウム(III)、オクチル酸セリウム(III)、セリウム(III)アセチルアセトネート、硝酸セリウム(III)、塩化セリウム(III)、および硝酸アンモニウムセリウム(IV)などが挙げられる。 ここに記載の、本発明におけるプロセスの好ましい変法の特徴はワンポットプロセスであって、そこでは、有機化合部による後コーティングを、酸化セリウム/水酸化物、次いでSiO2を用いたコーティングの後、すぐに続けて実施する。その反応溶液にシランを直接、すなわち、予備的な加水分解をせずに添加し、その場で加水分解させ、最終的には、SiO2層のヒドロキシル基を用いて縮合させて、顔料表面への共有結合が生じるようにする。このために、プロセスの調節が極端に単純となると同時に、使用可能なシランを極めて良好に選択することが可能となる。 本発明によるプロセスのさらなる変法においては、水性溶液から酸化セリウムおよび/または酸化セリウム水和物および/または水酸化セリウムのコーティングを適用した後に、SiO2コーティングを、所望によりケイ酸塩溶液から、水性媒体中で実施することが可能である。セリウムまたはケイ酸塩化合物を水性溶液から堆積させるための条件は、たとえばEP0141174の実施例2の第30〜37行、またはEP649886B1の実施例1、ならびにDE4207723の実施例1またはDE2106613の実施例1に記載がある(これらの特許をここに参照することにより、本明細書に取り入れたものとする)。場合によっては、それに続けてか焼工程を実施することができる。このために必要な条件は当業者には自体公知であり、たとえばDE2106613またはDE3535818に開示されている。 基材の上に追加の金属酸化物層を使用する本発明の顔料を製造するための、本発明によるプロセスのさらなる変法は、その基材を製造することを含む工程において、この層を適用する工程と、適切であればその後にか焼する工程とを含む。この方法の詳細は当業者には公知であり、たとえばDE2106613またはDE3535818に開示されている。 酸化セリウムおよび/または水酸化セリウムの層とSiO2層との間に追加の金属酸化物層を使用する、本発明による顔料を製造するためのまた別なプロセスには、酸化セリウム/水酸化セリウムの層を適用した後に、この金属酸化物層を沈殿させる工程が含まれる。この金属酸化物層の堆積は、有機溶媒過剰の溶媒混合物中、または水性溶液中のいずれかで実施することができる。 本発明による真珠光沢顔料は、ラッカー、粉体ラッカー、印刷インキ、プラスチック、およびコーティングにおいて好適に使用される。 特に、本発明のコーティングを有する真珠光沢顔料は、自動車用ラッカー、粉体ラッカー、および屋外用途のためのコーティングにおける、耐候性の真珠光沢顔料として使用される。 極めて特徴的な利点は、本発明の真珠光沢顔料によって、単一層のUV安定性、かつ耐候安定性のラッカーまたはコーティングを得ることが可能となったことであり、それらには、その後のクリアラッカーまたは保護ラッカーを適用する必要はない。 本発明の目的はさらに、請求項1〜18のいずれか1項に定義される真珠光沢顔料を含むコーティングを有する物品によっても達成される。本発明の好ましい展開においては、前記物品は、車両ボディ、好ましくは自動車のボディ、またはファサードたとえば、ファサード構成要素である。 以下の実施例を用いて本発明を説明するが、本発明がそれらに限定される訳ではない。実施例1: 100gの、TiO2コーティングしたマイカをベースとした粒径範囲5〜25μmの市販の青色真珠光沢顔料(フェニックス(PHOENIX)PX2261、エッカルト(Eckart)製)を300mLのイソプロパノールに懸濁させ、沸騰させた。撹拌しながら、まず2.0gのH2Oを加え、次いで、1時間かけて、100gのイソプロパノール中2.17gのCe(NO3)3の溶液を加えた。次いで、3.0gのH2O中0.45gのエチレンジアミンの溶液を加えた。その後で、10.6gのテトラエトキシシランと22gのイソプロパノールを、定量ポンプ(イスマテック(Ismatec))を用いて2時間かけて連続的に導入した。次いでその懸濁液を、さらに6時間反応を続けさせた。次いで、0.4gのダイナシラン(Dynasylan)AMEOと1.3gのダイナシラン(Dynasylan)9116を加え、その溶液をゆっくりと冷やした。混合物を室温で一夜撹拌し、翌日吸引濾過した。次いで、顔料のフィルターケーキを真空中80℃で乾燥させた。 その顔料の理論上のCe含量は0.7重量%、SiO2含量は3.0重量%であった。実施例2: 100gの、TiO2コーティングしたマイカをベースとした粒径範囲5〜25μmの市販の青色真珠光沢顔料(フェニックス(PHOENIX)PX2261、エッカルト(Eckart)製)を900gの水に懸濁させた。次いでpH2.4で、45mLの希塩酸中2.30gのSnCl4・5H2Oの溶液を2mL/分の速度で定量導入した。その間、同時に20%強度の苛性ソーダを滴下により加えることによってpHを一定に保った。30分間連続的に撹拌してから、固形分を濾去し、水を用いて洗浄し、120℃で乾燥させた。 その乾燥させた、コーティングされた顔料を300mLのイソプロパノールに懸濁させ、沸騰させた。撹拌しながら、まず2.0gのH2Oを加え、次いで、1時間かけて、100gのイソプロパノール中2.17gのCe(NO3)3・6H2Oの溶液を加えた。次いで、8gのH2O中0.45gのエチレンジアミンの溶液を加えた。その後で、10.6gのテトラエトキシシランと20gのイソプロパノールを、定量ポンプ(イスマテック(Ismatec))を用いて2時間かけて連続的に導入した。次いでその懸濁液を、さらに6時間反応を続けさせた。次いで、0.4gのダイナシラン(Dynasylan)AMEOと1.3gのダイナシラン(Dynasylan)9116を加え、その溶液をゆっくりと冷やした。混合物を室温で一夜撹拌し、翌日吸引濾過した。次いで、顔料のフィルターケーキを真空中100℃で6時間かけて乾燥させた。 その顔料の理論上のSnO2含量は1.0重量%、セリウム含量は0.7重量%、そしてSiO2含量は4.2重量%であった。比較例3: 市販の、エクステリアCFSメアーリンスーパーブルー(Exterior CFS Mearlin Super Blue)6303Z(10〜40μm)(米国、エンゲルハード(Engelhard)製)。比較例4: 実施例1と同様にして調製したが、アミノシランを使用しなかったもの。後に適用される層は、1.3gのダイナシラン(Dynasylan)9116のみを適用した。 本発明による実施例および比較例のものを、耐候安定性およびUV安定性のための各種の試験にかけた。試験方法と関連の結果を以下に記す。A.凝縮水分試験 数種類の顔料サンプルを水系のラッカーシステムに組み入れ、試験の適用物をスプレー法により製作した。ベースラッカーに市販の1Kクリアラッカーのトップコートをかけてから、焼き付けた。それらの適用物を、DIN 50 017に従って試験した(凝縮水分一定気候条件)。試験直後と1時間後に、その接着強さを、DIN EN ISO 2409に従った碁盤目試験により試験して、負荷をかけていないサンプルと比較した。このケースでは、Gt0は変化がなかったことを表し、Gt5は極めて大きな変化があったことを表している。 凝縮水分試験の直後に、DIN 53230に従ってその膨潤挙動を視覚的に評価した。このケースでは、スコア0は変化がなかったことを表し、スコア5は極めて大きな変化があったことを表している。 DIN 53209に従って、ブリスターの程度を視覚的に判定した。ここでもまた、0(「極めて良好」)から6(「極めて劣る」)までの相対的なスコアを用いる。頻度を「m」であらわし、ブリスターの大きさを「g」で表す。 最後に、DOI(像鮮鋭性)を視覚的に判定した。それは、膨潤プロセスに関連した水の取り込みによって、実質的に変化する。 本発明による実施例1および2は、すべての面で従来技術である比較例3と対等であり、凝縮水分試験にも合格する。しかしながら、比較例4は、後に適用される層が、ラッカーシステムに結合する官能基を含まないアルキルシラン(16個の炭素原子)のみからなるものであるが、碁盤目をつけた領域における接着強さの点で明らかに劣っていて、試験には合格しない。 したがって、このサンプルについては、さらなる負荷試験たとえばWOM試験は実施しなかった。B.WOM試験 顔料サンプルを水系のラッカーシステムに組み入れ、試験の適用物をスプレーペイント法により製作した。ベースラッカーに市販のクリアラッカーのトップコートをかけてから、焼き付けた。加速屋外暴露試験は、SAE−J1960に従って、アトラスCi−65Aキセノ(Atlas Ci−65A Xeno)試験機で、水冷の6.5kWキセノン光源を用いて実施した。ΔE*値を求め、それぞれの負荷をかけていないサンプルに対して、グレースケール分類を実施した。C.ドローダウン・コーティングにおけるUV安定性 この試験は、TiO2顔料の光化学UV活性を求めるために、EP0 870 730に記載のUVエクスプレス試験に合致するようにして実施した。 この目的のために、1.0gの真珠光沢顔料を、9.0gの、二重結合が多いメラミン含有ラッカーの中に分散させた。ドローダウン・コーティングは、板の上に搭載した紙の上に調製し、後者を室温で乾燥させた。ドローダウン・コーティングを切断して二つにし、いずれの場合においても、その二つになった部分の一方を、負荷をかけていないサンプルとして暗所に保存した。次いで、サンプルに、Q−パネル(Q−Panel)製のQUV装置中で、紫外線を含む光線(UVA−340ランプ、照射強度1.0W/m2/nm)を150分間照射した。試験完了直後に、その負荷をかけたテストピースのカラースコアを、CM−508iカラーメーター(ミノルタ(Minolta)製)を用いて、対応する保存サンプルと比較して求めた。ハンター(Hunter)L*a*b*式から計算して得られたΔE*値を表2に列記する。 その試験では、紫外線の影響を受けて生成したTi(III)中心に起因して、真珠光沢顔料のTiO2層の本質的にグレー・ブルーの変色がドローダウン・コーティングに観察された。この理由は、電子ホールが空間的にTiO2から離れ(おそらくはバインダーのオレフィン性二重結合との反応による)、残りの電子と直接的に再結合することができないからである。メラミン含有ラッカー層が、水蒸気および酸素の顔料表面への拡散を顕著に抑制するために、チタン(III)中心の再酸化が明らかに遅くなって、そのためにグレー化が測定可能となり、ΔE値を顔料のUV安定性の目安としての見なすことができる。したがって、負荷をかけずに保存しておいたサンプルに対して負荷をかけたサンプルがより大きなΔE*値を有しているということは、問題としている条件化ではその顔料のUV安定性がより低いということを意味している。 この試験を本発明の実施例について使用する際には、有機表面修飾(OSM)を行ったサンプルと、それを行わなかったサンプルとの間の区別をしなければならない。 有機表面修飾がある場合には、その顔料表面は、少なくとも部分的には、反応性の不飽和メラミン系からは分離されている。したがって、着色を与えるTi(III)中心を生成させるのに絶対に必要な酸化還元反応は、最初に述べたケースと同じ効率および速度では起こりえない。そのため必然的に、有機的に表面修飾した顔料の場合には、変色の度合いがかなり低くなることが観察される。しかしながら、このことがあるからといっても、この場合にUV触媒活性が低いということは意味しない。しかしながら、そのために、有機的に修飾されていない本発明の真珠光沢顔料のΔE*値は、その表面を後処理されたサンプルよりも、常に幾分かは高い。 本発明の実施例1および2の青色顔料のWOM試験における変色ΔE*を、従来技術を代表する比較例3(表2)と比較すると、値が低くなって、耐候性がより良いことが判る。ドローダウン試験で求めた、光堅牢性の値は、とりわけ明らかに良好である。 したがって、本発明の真珠光沢顔料は、第一に酸化セリウム、次いでSiO2という最適な層の順序を用いているために、従来技術からの比較例と比べて耐候安定性およびUV安定性を改善することが可能となった。UV安定性: 酸化物層の構造とSiO2層の厚みの効果をさらに詳しく検討するために、本発明による追加の実施例および比較例を調製して、ドローダウン・コーティング試験によってそれらのUV抵抗性を調べた。ここでは後に適用される層を省いたが、その理由は、それがUV試験結果に歪みを与える可能性があるからである(上記参照)。実施例5および6: 100gの、TiO2コーティングしたマイカをベースとした粒径範囲10〜40μmの市販の青色真珠光沢顔料(フェニックス(PHOENIX)PX2261、エッカルト(Eckart)製)を300mLのイソプロパノールに懸濁させ、沸騰させた。撹拌しながら、まず2.0gのH2Oを加え、次いで、1時間かけて、8gのイソプロパノール中0.93gのCe(NO3)3・6H2Oの溶液を加えた。次いで、3.0gのH2O中0.45gのエチレンジアミンの溶液を加えた。その後で、所定量のテトラエトキシシラン(表3参照)と22gのイソプロパノールを、定量ポンプ(イスマテック(Ismatec))を用いて2時間かけて連続的に導入した。次いでその懸濁液を、さらに6時間反応を続けさせた。混合物を室温で一夜撹拌し、翌日吸引濾過した。次いで、顔料のフィルターケーキを真空中100℃で6時間かけて乾燥させた。 同様にして、SiO2の量を変えて堆積させた(表3参照)。実施例7および8: 比較のために、セリウム塩を追加で堆積させることなく、SiO2含量を各種変更した各種の保護層を調製した。実施例9: SiO2を追加で堆積させることなく、セリウム含有保護層(Ce含量0.3%)を有する比較サンプルも調製した。 すべての実施例について、ドローダウン・コーティングに対する上述のUV安定性試験で、ΔE*の値を求めた。使用した化学物質の量、保護層成分の理論含量、およびΔE*の値を表3に示す。実施例10および11(混合層): 100gの、TiO2コーティングしたマイカをベースとした粒径範囲10〜40μmの市販の青色真珠光沢顔料(フェニックス(PHOENIX)PX2261、エッカルト(Eckart)製)を300mLのイソプロパノールに懸濁させ、沸騰させた。撹拌しながら、まず2.0gのH2Oを加え、次いで、1時間かけて、3.0gのH2O中0.45gのエチレンジアミン溶液を加えた。次いで、100gのイソプロパノール中テトラエトキシシランの溶液(表3参照)および100gのイソプロパノール中0.93gのCe(NO3)3・6H2Oの溶液を、定量ポンプ(イスマテック(Ismatec))を用いて、2時間かけて連続的に導入した。次いでその懸濁液を、さらに6時間反応を続けさせた。混合物を室温で一夜撹拌し、翌日吸引濾過した。次いで、顔料のフィルターケーキを真空中80℃で乾燥させた。同様にして、SiO2の量を変えて堆積させた(表3参照)。比較例12および13: 比較例12および13は、実施例6および7に記載したコーティング方法により調製したが、ただしこの場合には、ケイ酸塩化合物を導入して最初に沈殿させ、次いでセリウム塩を導入して沈殿させた。 表3から、最初に酸化セリウムおよび/または酸化セリウム水和物および/または水酸化セリウム、次いでSiO2という層/層の順序によって、最良のUV安定性が得られることが明らかに判る。SiO2によってのみ保護された真珠光沢顔料、および酸化セリウムおよび/または酸化セリウム水和物および/または水酸化セリウムによってのみ保護されたもの、あるいは、最初にSiO2、次いで酸化セリウムおよび/または酸化セリウム水和物および/または水酸化セリウムという層の順序となっているものは、比較してみれば明らかに安定性が低い。SiO2と、酸化セリウムおよび/または酸化セリウム水和物および/または水酸化セリウムとの混合層の場合もまた、低い安定化効果を示している。これらの知見は、水酸化セリウムとSiO2を組み合わせて連続的に沈殿させたコーティングの相乗効果を明らかに証明したものであって、酸化セリウムおよび/または酸化セリウム水和物および/または水酸化セリウムを最初に沈殿させ、次いで酸化ケイ素層を沈殿させた場合においてのみその効果が明示される。実施例14 以下においては、実施例1に従って酸化セリウム層およびSiO2層を用いてコーティングされた、フェニックス(PHOENIX)PX2261真珠光沢顔料の光沢性を、後に適用をされないフェニックス(PHOENIX)PX2261真珠光沢顔料の場合と比較する。 この目的のために、酸化セリウムの層とSiO2の層とを有するフェニックス(PHOENIX)PX2261真珠光沢顔料(実施例1参照)と、いかなる後に適用される層も有さないものとを、ラッカーの全重量を基準にして6重量%の顔料着色レベルにて、市販のNCラッカーシステムに組み入れた。ウェット層の厚みが36μmのドローダウン・コーティングを、その着色NCラッカーシステムから調製した。そのドローダウン・コーティングを、独国のBYKガードナー(BYK Gardner)製の黒色および白色表面を有する試験用カードに塗布し、25℃で30分間乾燥させた。 光沢測定は、BYKガードナー(BYK Gardner)製のマイクロ−トリ−グロス μ(micro−TRI−Gloss μ)測定器を用い、メーカーの取扱説明書に従い、測定角度を垂直に対して60度で行った。測定角60度というのは、10〜70グロスポイントの範囲のいわゆる「半光沢」に適した角度で、グロスポイントの数値が高いほど、光沢が高くなる。得られた読みを表4に列記するが、これはそれぞれ場合において独立した5つの読みの平均値を表している。それぞれの結果についての標準偏差をカッコの中に表示する。 驚くべきことには、表4から、酸化セリウムの層と低い屈折率を有するSiO2の層を用いて真珠光沢顔料をコーティングすることによっても、光沢の顕著な低下を招かないということが判る。SiO2が低屈折率であることを考慮すれば、SiO2を用いてコーティングした真珠光沢顔料は、コーティングしていないフェニックス(PHOENIX)PX2261顔料よりも、明らかに低い光沢性を示すであろうと、予想されるであろう。 金属酸化物含有微小板状タイプの基材を含む真珠光沢顔料であって、前記金属酸化物が1.8より高い屈折率を有し、第一および第二の保護層を有するが、ここで、前記微小板状タイプの基材が、・TiO2コーティングしたマイカ微小板状物、・TiO2コーティングしたガラス微小板状物、・TiO2コーティングした酸化アルミニウム微小板状物、・TiO2コーティングしたSiO2微小板状物、およびそれらの混合物、からなる群より選択され、この基材に、酸化セリウムおよび/または酸化セリウム水和物および/または水酸化セリウムを含む第一の保護層およびSiO2の第二の保護層を適用し、それに、少なくとも1種の官能性結合基を含む少なくとも1種のシランと官能性結合基を含まない少なくとも1種のシランとを含む有機化合物による後に適用される層を適用し、その第一および第二の保護層の間に、酸化セリウムおよび/または酸化セリウム水和物および/または水酸化セリウムならびにSiO2以外の金属酸化物層が配置されていてもよい、真珠光沢顔料。 有機化合物による後に適用される層がSiO2層に共有結合していることを特徴とする、請求項1に定義される真珠光沢顔料。 顔料のSiO2含量が、顔料の全重量を基準にして、0.5〜8%であることを特徴とする、請求項1または請求項2に定義される真珠光沢顔料。 官能性結合基を含まないシランが、式R(4−z)Si(X)zのアルキルシラン[式中、Rは10〜22個の炭素原子を有する置換または非置換、非分岐状または分岐状のアルキル鎖であり、Xはハロゲン基および/またはアルコキシ基を表し、zは1〜3の整数である]を用いて適用されたアルキルシランであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に定義される真珠光沢顔料。 官能性結合基を含まないシランが、構造式(II)(R1−X−[A−Y]n−B)(4−z)Si(OR2)z (II)[式中、nは、1〜100に等しく、zは、1〜3の整数であり、R1は、1〜12個の炭素原子を有する直鎖状または分岐鎖状のアルキルを表し、それは、ハロゲン;6〜12個の炭素原子を有するアリール;もしくは、1〜6個の炭素原子を有するアルキルおよび/またはハロゲンによって置換されていてもよい6〜12個の炭素原子を有するアリールによって置換されていてもよく、R2は、1〜6個の炭素原子を有する直鎖状または分岐鎖状のアルキルを表し、AおよびBは独立して、1〜12個の炭素原子を有する直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン;6〜12個の炭素原子を有するアリーレン;または1〜6個の炭素原子を有するアルキルおよび/またはハロゲンによって置換されていてもよい、6〜12個の炭素原子を有するアリーレンからなる、2価の基を表し、そしてXおよびYは独立して、OまたはSを表す]を有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に定義される真珠光沢顔料。 R1およびR2が独立して、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、フェニル、ビフェニル、ナフチル、またはそれらの混合物を表すことを特徴とする、請求項5に定義される真珠光沢顔料。 AおよびBが独立して、エチレン、プロピレン、1−ブチレン、2−ブチレン、フェニレン、1〜6個の炭素原子を有するアルキルによって置換されたフェニレン、およびそれらの混合物を表すことを特徴とする、請求項5または6のいずれか1項に定義される真珠光沢顔料。 シランが、nが特定の数値を有する形態で存在していてもよいし、あるいはnが複数の数値を有する混合物として存在していてもよいことを特徴とする、請求項5〜7のいずれか1項に定義される真珠光沢顔料。 少なくとも1種の官能性結合基が、アクリレート基、メタクリレート基、ビニル基、アミノ基、シアネート基、イソシアネート基、エポキシ基、ヒドロキシル基、チオール基、ウレイド基、カルボキシル基およびそれらの混合物からなる群より選択されることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に定義される真珠光沢顔料。 シランが、少なくとも1種の官能性結合基を含むアミノシランであることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に定義される真珠光沢顔料。 セリウムの含量が、顔料の全重量を基準にして、0.05〜3.0重量%であることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に定義される真珠光沢顔料。 セリウムの含量が、顔料の全重量を基準にして、0.1〜1.0重量%であることを特徴とする、請求項11に定義される真珠光沢顔料。 有機化合物による後に適用される層の含量が、顔料の全重量を基準にして、0.1〜6重量%であることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1項に定義される真珠光沢顔料。 第一の保護層が、酸化セリウムおよび/または酸化セリウム水和物および/または水酸化セリウムならびにさらにSiO2を含んでいてもよいことを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1項に定義される真珠光沢顔料。 第一の保護層が、酸化セリウムおよび/または酸化セリウム水和物および/または水酸化セリウムからなることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1項に定義される真珠光沢顔料。 微小板状タイプの基材が1種または複数の金属酸化物層として1層または複数の酸化スズの層を有し、1種または複数の金属酸化物層を有する前記微小板状タイプの基材がか焼されていることを特徴とする、請求項1〜15のいずれか1項に定義される真珠光沢顔料。 酸化セリウムおよび/または酸化セリウム水和物および/または水酸化セリウムを含む第一の保護層と、SiO2からなる第二の保護層との間に、追加の層として金属酸化物層が配置されることを特徴とする、請求項1〜16のいずれか1項に定義される真珠光沢顔料。 基材が、TiO2の層を含むことを特徴とする、請求項1〜17のいずれか1項に定義される真珠光沢顔料。 請求項1〜18のいずれか1項に定義される真珠光沢顔料を製造するためのプロセスであって:(a)金属酸化物(この金属酸化物は1.8より高い屈折率を有している)を含有する微小板状タイプの基材を液相の中に懸濁させる工程、(b)その微小板状タイプの基材に酸化セリウムおよび/または酸化セリウム水和物および/または水酸化セリウムを含む層を適用する工程、(c)工程(b)においてコーティングされた顔料に、SiO2層を適用する工程、(d)官能性結合基を含む少なくとも1種のシランおよび官能性結合基を含まない少なくとも1種のシランを含む後に適用される層で、そのSiO2層の表面を修飾する工程、を含む、プロセス。 工程(b)と工程(c)の間で、工程(b)においてコーティングされた顔料に、1種または複数の金属酸化物層を適用する工程を行うことを特徴とする、請求項19に定義されるプロセス。 工程(a)において、液相が、有機溶媒が過剰量である、50重量%未満の水を含むことを特徴とする、請求項19または請求項20に定義されるプロセス。 工程(b)において、酸化セリウムおよび/または水酸化セリウムを含む層が、有機溶媒に可溶性のセリウム化合物を用いて適用されることを特徴とする、請求項19〜21のいずれか1項に定義されるプロセス。 有機溶媒に可溶性のセリウム化合物が、酢酸セリウム(III)、オクチル酸セリウム(III)、セリウム(III)アセチルアセトネート、硝酸セリウム(III)、塩化セリウム(III)、または硝酸アンモニウムセリウム(IV)、またはそれらの混合物であることを特徴とする、請求項22に定義されるプロセス。 酸化セリウムおよび/または水酸化セリウムを含む層が、水を添加して、適用されることを特徴とする、請求項22または請求項23に定義されるプロセス。 酸化セリウムおよび/または水酸化セリウムを含む層が、塩基または酸を添加して、適用されることを特徴とする、請求項22〜24のいずれか1項に定義されるプロセス。 工程(c)において、SiO2層が、工程(b)においてコーティングされた顔料にテトラアルコキシシランを加え、水を添加して、適用されることを特徴とする、請求項19〜25のいずれか1項に定義されるプロセス。 テトラアルコキシシランが、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、およびそれらの混合物からなる群より選択されることを特徴とする、請求項26に定義されるプロセス。 工程(b)および/または(c)において、窒素含有塩基をさらに添加することを特徴とする、請求項19〜27のいずれか1項に定義されるプロセス。 工程(d)において、SiO2層の表面が、有機溶媒が過剰量である液相中で修飾されることを特徴とする、請求項19〜28のいずれか1項に定義されるプロセス。 工程(c)において、工程(b)においてコーティングされた顔料が、水中または水過剰の媒体中に懸濁され、SiO2層が、水性ケイ酸塩溶液を用いて適用されることを特徴とする、請求項19に定義されるプロセス。 SiO2層を用いてコーティングされた顔料が、有機溶媒が過剰量である液相に取り込まれ、次いで表面修飾されることを特徴とする、請求項30に定義されるプロセス。 有機溶媒が、酢酸エチル、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、2−メチルプロパノール、2−メトキシプロパノール、ブチルグリコール、またはそれらの混合物であることを特徴とする、先行する請求項19〜29および請求項31のいずれか1項に定義されるプロセス。 少なくとも1種の官能性結合基を含む少なくとも1種のシランがモノマーであることを特徴とする、先行する請求項19〜32のいずれか1項に定義されるプロセス。 少なくとも1種の官能性結合基を含む少なくとも1種のシランが、50%以下の程度で予備的に加水分解されたシランであることを特徴とする、先行する請求項19〜33のいずれか1項に定義されるプロセス。 コーティング、ラッカー、粉体ラッカー、印刷インキ、プラスチックおよび化粧品調製における、請求項1〜18のいずれか1項に定義される真珠光沢顔料の使用。 耐候安定性自動車用ラッカーおよび粉体ラッカー、ならびに屋外用途のための耐候安定性のためのコーティング、ならびに耐候安定性ファサード用途における、請求項1〜18のいずれか1項に定義される真珠光沢顔料の使用。 請求項1〜18のいずれか1項に定義される真珠光沢顔料を含むコーティングを用いて得られることを特徴とする、物品。 物品が、車両のボディまたはファサードであることを特徴とする、請求項37に定義される物品。


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