生命科学関連特許情報

タイトル:公表特許公報(A)_真菌感染、特にアスペルギルス症を処置するための医薬
出願番号:2007512731
年次:2007
IPC分類:A61K 38/00,A61K 45/00,A61K 31/7048,A61P 11/00,A61P 31/10,A61P 43/00


特許情報キャッシュ

ジョバンニ・サルヴァトリ パオロ・カルミナティ ルイジナ・ロマーニ JP 2007536380 公表特許公報(A) 20071213 2007512731 20050428 真菌感染、特にアスペルギルス症を処置するための医薬 シグマ−タウ・インドゥストリエ・ファルマチェウチケ・リウニテ・ソシエタ・ペル・アチオニ 591043248 SIGMA−TAU INDUSTRIE FARMACEUTICHE RIUNITE SOCIETA PER AZIONI 田中 光雄 100081422 山崎 宏 100084146 松谷 道子 100106518 志賀 美苗 100127638 ジョバンニ・サルヴァトリ パオロ・カルミナティ ルイジナ・ロマーニ IT RM2004A000223 20040507 A61K 38/00 20060101AFI20071116BHJP A61K 45/00 20060101ALI20071116BHJP A61K 31/7048 20060101ALI20071116BHJP A61P 11/00 20060101ALI20071116BHJP A61P 31/10 20060101ALI20071116BHJP A61P 43/00 20060101ALI20071116BHJP JPA61K37/02A61K45/00A61K31/7048A61P11/00A61P31/10A61P43/00 121 AP(BW,GH,GM,KE,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,MC,NL,PL,PT,RO,SE,SI,SK,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX,MZ,NA,NI,NO,NZ,OM,PG,PH,PL,PT,RO,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,SY,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,YU,ZA,ZM,ZW IT2005000247 20050428 WO2005107791 20051117 18 20070105 4C084 4C086 4C084AA02 4C084AA03 4C084AA19 4C084BA44 4C084BA50 4C084CA18 4C084DC50 4C084MA02 4C084MA24 4C084MA52 4C084MA55 4C084NA05 4C084ZA592 4C084ZB322 4C084ZC752 4C086AA01 4C086AA02 4C086EA15 4C086MA02 4C086MA04 4C086MA07 4C086MA24 4C086MA52 4C086MA55 4C086NA05 4C086ZA59 4C086ZB32 4C086ZC75 本発明は、アスペルギルス症を処置するための、ペントラキシンPTX3と抗真菌物質の組み合わせから成る医薬に関する。 浸潤性アスペルギルス症(IA)は、院内感染による肺炎や同種間骨髄(BM)移植における死亡の主要因であり、その感染率は8%から15%の範囲、関連死亡率は約90%と推定されている(3,16,30,36,47)。早期診断法および新たな抗真菌薬による治療法が進歩しているにもかかわらず(6,31)、AI症例の大多数は診断未確定であり治療が行われないままとなっている(16)。歴史的に見ると、かつてAIの最大の危険因子は好中球減少症であった。しかし、化学療法や移植といった患者への処置の効果により、好中球減少症の期間は大幅に減縮した。多く研究により、アスペルギルス症は、骨髄移植後、移植片対宿主(GvH)病(30)の発症と同時に起こることが示されている。非好中球減少症患者においてもIAは発症することから(17)、IAの発病においては、生得的および適応的の両免疫エフェクターメカニズムにおける特定の欠陥が重要であることが分かる(13,20,22,32,39,43,44)。特に、真菌に対する重要な二次的防御を提供するThリンパ球の役割が近年評価されている(8-10,12,14,23,26)。免疫が保たれている個体におけるIAは非常に稀なので、宿主の免疫反応の促進を目的とする治療がこの感染の処置における新しく有望なアプローチとなる。 生得的な免疫系は、肺組織を感染から守るために複雑で多面的な様式で進化してきた。肺組織の保護は、微生物増殖の予防的制御だけでなく、危険な程度の肺胞浸出および浸潤を起さないように感染を留めるのに十分な均衡の取れた炎症反応作用の発動をも含むと考えられる。肺胞内面の分子成分は、感染に対する主要な免疫調節物質として近年非常に注目されている(28,29)。 ペントラキシン(PTX)はアメリカカブトガニ(limulus polyphemus)からヒトへの進化過程で保存されているスーパーファミリータンパク質であり、通常は五量体構造を特徴とする(21)。PTX3は長いペントラキシンの原型で、短いPTXのホモログであるペントラキシンC末端領域にN末端部分が結合している(7)。PTX3は、主な炎症性サイトカインに反応した多種の細胞、具体的には単核食細胞、内皮細胞および樹状細胞(DC)といった細胞から、インビトロおよびインビボで分泌される(11,38,18)。多様な感染および炎症状態において、このタンパク質の循環レベルの増加が検出されている(37,19,34,41)。PTX3は多数の選択微生物因子(例えばアスペルギルス・フミガトゥス・コニディア(A. fumigatus conidia)や緑膿菌(P. aeruginosa))と結合し、免疫系の様々なエフェクター経路を活性化して病原体の感染力に対抗する(20)。PTX3欠損マウスの研究により、PTX3はパターン認識レセプター(PRR)であり、選択病原体への耐性に必須的役割を持つことが示されている(20)。PTX3欠損マウスのアスペルギルス・フミガトゥスへの感受性は、I型適応的免疫反応の組織化の失敗と関係していたが、組換えPTX3の外因性投与により回復する(20)。 最近は抗真菌用の医療設備が拡張されてはいるものの、アルペルギルス症に対抗する治療の進歩が必要である。 抗真菌物質とサイトカインの特徴的な組み合わせを用いた新しい方法の探索が研究者らにより始められている(46)。第一選択薬としてのアムホテリシンBによる治療は、用量依存的腎毒性(nephrotoxity)のために制限されるので、BM移植を受けた患者を十分量で治療することは無理である(24)。従来のD-AmB(25)およびL-AmB(2)に関係する毒性を減少させるために、脂質ベースの様々なアムホテリシンB製剤が開発されている。L-AmB毒性の薬物動態学的性質はD-AmBのそれよりも好ましいものであるので、十分量での治療が可能である。それでもなお、失敗率が問題として残る(1)。発表されているIAマウスモデルは、抗真菌物質の有効性が評価済であり、これは、マウスの感染に対する感受性を低くするために、副腎皮質ステロイド使用または不使用の化学療法により好中球減少症を誘導したものである。最近は、新規な治療標的を特徴とする薬物クラスである、IAを処置するための新しい抗真菌薬の開発が増加しており(45)、このことはIAの処置に対して新たな展望となり、潜在的な新規な併用療法の数を増加させている(45)。他の感染性疾患の処置を鑑みると(4)、併用療法は重要な治療的選択肢であると考えられる。 [発明の概要] ペントラキシンPTX3は他の抗真菌物質と併用すると驚くべき相乗効果を示すので、最適用量以下の抗真菌物質が特徴の薬物を調製することができる。この特徴により個々の活性成分に固有の副作用を実質的に制限することが可能であるので、医薬の管理容易性がより高いという点で有利である。 従って本発明は、ペントラキシンPTX3と抗真菌物質の組み合わせ、該組み合わせを含む医薬組成物、および真菌感染、特にアスペルギルス症の予防的または治療的処置のための医薬を調製するための該組み合わせの使用を対象とする。 [発明の詳しい説明] ペントラキシンPTX3およびその様々な治療的使用は本出願人の名義で出願された様々な特許出願に記載されている。 国際公開第99/32516号パンフレットにタンパク質の配列および感染、炎症または腫瘍性疾患におけるその使用が記載されている。長いペントラキシンPTX3の他の使用が国際公開第02/38169号、国際公開第02/36151号、国際公開第03/011326号および国際公開第03/084561号パンフレットに記載されている。 本発明の好ましい態様において、抗真菌物質は、アムホテリシンB、より好ましくは、市場でファンギゾン(Fungizone (Bristol-Myers Squibb))の商標で知られるそのデオキシコール酸塩型、または市場でアムビゾーム(AmBisome (GILEAD))の商標で知られるリポソーム製剤である。 本発明の産業上の利用可能性に関する側面については、長いペントラキシンPTX3および抗真菌物質は、活性成分が製薬的に許容される賦形剤および/または希釈剤により可溶化および/または賦形化された医薬組成物の形態である。 長いペントラキシンPTX3に利用できる医薬組成物の例はまた、国際公開第99/32516号パンフレットにも記載されている。 本発明の組成物は、経腸または非経口ルートで投与できる。 1日の用量は、かかりつけ医の判断に従い、患者の体重、年齢および全身症状に依拠する。 該医薬組成物の調製は、徐放性のものも含め、薬剤師や製薬技術の専門家に周知の一般的技法と器具類を用いて行うことができる。 本発明の特定の態様において、真菌感染は浸潤性アスペルギルス症(IA)である。 本発明の前記組み合わせを、同じ状態のヒトに見られる免疫不全を模したマウスの骨髄移植モデルにおいて評価した。各マウスに各種処置法を施し、IAへの耐性、生得的および適応的免疫パラメーターを評価した。その結果から、PTX3は感染および再感染への総合的耐性を誘導すること、I型感染防御反応を活性化すること、および、抗真菌物質と共に投与すると抗真菌物質の治療効果を顕著に増大させることが示された。 本発明を以下の実施例および図により詳細に説明する。 被検体および方法 [動物]8-10週齢のメスのBALB/cおよびC3H/HeJマウスをCharles River Breeding Laboratories (Calco, Italy)から入手した。マウスは特別な無菌状態で飼育した。BM移植マウスを小さな滅菌ケージに入れ(1ケージにつき5匹)、滅菌した餌と水を与えた。動物とその取扱いに関する手続きはすべて国内および国際法および基準に従った。全てのインビボ研究は国のガイドラインおよびペルージャ大学の動物の取扱いおよび使用に関する委員会のガイドラインに沿って行った。 [BM移植モデル]BALB/cドナーマウスの骨髄(BM)細胞は、ダイズのアグルチニンを用いた分別凝集によって調製した。致死量の9Gyに曝したレシピエントC3H/HeJマウスに、濃度4×106/mL以上のTリンパ球減少細胞群(FACS解析による測定でT細胞汚染が1%未満)を静脈注射(i.v.)した(33)。BM移植をしない場合、マウスは14日以内に死亡した。先の研究では(33)、マウスの95%超が生き残っているが、それらは、脾臓からの細胞においてドナー型のMHCクラスIの発現が検出されたことから、安定ドナーの造血性キメラであることが示されている。 [微生物、培養条件および感染]アスペルギルス・フミガトゥス株はペルージャ大学の感染症研究所(Institute for Infectious Diseases)における肺アスペルギルス症の致死例から入手した(13)。感染に際して、マウスにエチルエーテルを吸入させて軽く麻酔した後、滅菌したディスポーサルチップを付けたマイクロピペットを用いて2×107のコニディア/20μL食塩水の懸濁液を、鼻孔を通してゆっくり滴下した。この工程を連続3日間繰り返した。再感染に際して、初めの経鼻腔(i.n.)感染を生きのびたマウスに、5×105のアスペルギルス・コニディアをi.v.接種した。感染マウスの肺、脳および腎臓における真菌負荷をサブローデキストロース培地上での連続プレーティングにより定量し、その結果(平均±SE)を、上記器官から得たサンプルにおけるコロニー形成ユニット(CFU)として示した。選択した実験において、キチン分析によっても真菌成長を評価した(10)。組織学的解析において、肺を除去し、即座にホルマリンで固定した。パラフィンに包埋した組織の切片(3から4μm)を過ヨウ素酸シッフ塩基法で染色した(13, 20)。 [処置]PTX3(SIGMA-Tau, Pomezia, Rome, Italy)をトランスフェクトしたCHOの細胞培養物の上清から、免疫親和性クロマトグラフィーによりPTX3を精製し、エンドトキシンが存在しないことをモニターした(20)。PTX3、アムホテリシンBデオキシコール酸塩(D-AmB, Fungizone, Bristol-Myers Squibb, Sermoneta, Italy)およびリポソームアムホテリシンB(L-AmB, AmBisome, GILEAD, Milan, Italy)を、滅菌食塩水(PTX3)もしくは5%グルコース水溶液に、所望の濃度にまで希釈した。以下のスケジュールに沿って処置を行った:各用量のPTX3、アムホテリシンBまたはアムビゾームを単独でまたは組み合わせて、アスペルギルス感染前の5日間(予防的処置)、感染と同時に、および感染後5日間、またはコニディアの最後の感染後5日間(治療的処置)、腹腔内(i.p.)または鼻腔内(i.n.)(PTX3のみ)投与した。i.n.投与の場合、PTX3およびコニディアは個別に投与した。対照動物には希釈剤または滅菌食塩水のみを投与した。 [フローサイトメトリー]様々な細胞種の表現型を、PharMingen (San Diego, Ca)のFITCとコンジュゲートしたラットの抗マウス抗体で示された抗原に対するマウス抗体を用いて評価した。免疫化学的同定の前に、5%正常血清で細胞をインキュベートしてFcRを飽和させた。組織型(histotype)抗体をコントロールとして使用した。解析はFACScan(Becton Dickinson, Mountain View, Ca)を用いて行った。得られたデータを陽性細胞のパーセンテージとして評価した。ヒストグラムは4つの独立した実験のうちの1つを表している。 [リアルタイムRT-PCRによるサイトカイン転写物の定量]トータルRNA(5μg、CD4+T脾臓細胞からRNeasy Mini Kit (QIAGEN S.p.A., Milan, Italy)を用いて抽出)をSensiscript reverse transcriptase (QIAGEN)を用いて説明書に従い逆転写した。PCRプライマーはApplied Biosystems (Foster City, Ca)から入手した。ABI PRISM 7000 Sequence Detection System (Applied Biosystems)を用いて、サンプルを、95℃15秒を40増幅サイクル、次いで1分間60℃にかけた。説明書(Applied Biosystems)に従い、サンプルの標準化を行うために真核生物の18S rRNAハウスキーピング遺伝子のPCR増幅を行った。特異性を保証するために、水を加えたコントロールも含めた。全てのデータを、増幅グラフの解析により関数として検証した。RNA 18Sで標準化したデータを、試験したサイトカインの相対mRNA(ΔΔCt)として表し、未処理マウスのデータと比較した(10)。 [サイトカインの分析および「酵素が結合した免疫吸着スポット」(ELISPOT)解析]熱的に活性化されたアスペルギルスで刺激された、気管支肺胞洗浄液および脾臓細胞の培養上清(9, 10)におけるサイトカインレベルをELISA Kit (R&D Systems, Inc. Space Import-Export srl, Milan Italy)を用いて測定した。解析の検出限界(pg/ml)は、IL-12 p70で<16、TNF-αで<32、IFN-γで<10、IL-4およびIL-10で<3であった。サイトカインを産生するCD4+T細胞の計数のために、精製CD4+T脾臓細胞(9, 10)に対してELISPOT解析を用いた。結果は、105細胞につきサイトカインを産生する細胞の平均数(±SE)として表し、連続細胞希釈の複製物を用いて算出した。 [統計的解析]log-rank検定を用いてカプラン-マイヤー(Kaplan-Meier)生存曲線の対のデータを解析した。学生のt検定または分散分析(ANOVA)およびボンフェローニ(Bonferroni)検定を用い、図の説明に示したように、臓器クリアランスおよびインビトロ解析における差異の統計的有意性を決定した。有意性をP<0.05と定義した。インビボ群は4-6体の動物で構成した。得られたデータは、特に記述のない限り、3-5実験分蓄積した。 [結果] 既に示したように、IAに罹患したPTX3欠損マウスは、PTX3の外因性投与により抗真菌耐性を回復した(20)。PTX3が別の感受性マウスに有利な効果を持つかどうかを調べるために、IAに対する実質的な感受性がよく示されているBM移植マウス(15)を使用した。感染の前、同時または後に、マウスに異なる用量のPTX3を鼻腔内または腹腔内投与する処置を行った。気管支肺胞洗浄液におけるPTX3濃度(0.5mg/kg/i.n.の用量において)は少なくとも24時間高く(2時間から24時間の間、70から25ng/ml)、感染の1日後にIA罹患マウスで観察される値(2から15ng/ml)よりも高い(20および非公開データ)ことを示した予備試験に基づき、PTX3の用量を選択した。肺および脳における生存パラメーターおよび真菌負荷を、異なる用量のアムビゾームまたはファンギゾンで処置したマウスから得られた値と比較して記録および解析した。その結果、処置したマウスの大多数(85から95%)の生存期間が増加(60日以上)したこと、および特に、最高用量(1mg/kg)を投与したマウスの肺および脳における真菌負荷が有意に減少したことから、予防的に投与したPTX3(図1A)により、アッセイしたどの用量においてもIAに対する総合的耐性が誘導されたことが示された。感染と同時にPTX3投与したマウスにおいても同様の結果が得られた(図1B)。この投与期間において用量依存的効果が検出されており、0.04mg/kgの用量ではPTX3の予防的効果は失われていた。感染後にPTX3を投与した場合、生存期間はより高い用量を投与したマウスにおいてのみ増加したが、両用量において肺の真菌負荷が有意に減少し、より高い用量において脳の真菌負荷が有意に減少した(図1C)。2投与経路間での差異は認められなかった。5mg/kgのアムビゾームで処置したマウスにおいて同様の結果が観察され、そこでは感染前および感染後の処置により全てのマウスが感染を生き抜いた(図1D)。ファンギゾンでは同程度の予防的効果は得られず、耐容性を示した最高用量(4mg/kg)を感染後に投与した場合にのみ生存期間の増加および真菌負荷の減少が観察された(図1E)。さらに、PTX3による処置後に回復したマウスのアスペルギルス症再感染に対する感受性を評価し、再感染マウスの腎臓における真菌成長が減少したことからPTX3処置により再感染に対する耐性も有意に増加することを見出した(図2)。PTX3はまた肺の症状も改善させた。感染マウスの肺切片から、肺実質に浸潤した多数のアスペルギルス菌糸の存在が、気管支壁の激しい損傷や壊死および乏しい炎症細胞動員の徴候とともに観察された(図3A)。これらの特徴はPTX3処置したマウスでは観察されず、その肺は多核および単核炎症細胞が治癒的に浸潤し、明らかな真菌成長または気管支壁の破壊は見られなかった(図3B)。これらのデータは、抗真菌物質が通常減少した活性を示すBM移植状態(16, 31)における、PTX3の治療的効果を証明している。 IA罹患マウスにおいて、感染への耐性は、IFN-γを産生するTh1細胞の活性と相関がある(12, 13)。BM移植したIA罹患マウスにおいてPTX3によりTh1細胞反応性が活性化されるかどうかを調べるために、FACS解析による細胞回復、エフェクター食細胞の局所的サイトカイン生成および抗真菌活性の評価を行った。血液の白血球の定量的評価により、PTX3で処置した後の循環好中球の絶対数が有意に増加したことが示された(data not shown)。しかしながら、血中好中球濃度からはアスペルギルス症への感受性を予測することはできないので(5)、肺および脾臓細胞に対して細胞蛍光測定解析を行った。CD4+細胞、CD8+細胞およびGr-1+好中球の数がPTX3で処置したマウスの肺において有意に増加した(図4A)。脾臓において、好中球およびCD4+T細胞の一部の回復が観察された。PTX3処置または非処置の肺または脾臓のF4-80+細胞数に差異は見られなかった(図4B)。肺ホモジネートにおける炎症促進性(IL-12)および抗炎症性(IL-10)サイトカインの産生、およびCD4+Th1(IFN-γ)およびTh2(IL-4)の頻度によって示されるように、回復した細胞およびリンパ球は機能的に活性であることが判明した。図5Aは、PTX3処置により(非処置対照と比較して)IL-12産生は実質的に増加した(約4倍)一方、IL-10産生は半減したことを示しており、この結果は、PTX3が炎症過程を通して感染部位において微細な調節を行っていることを示唆している。さらに、PTX3による処置は、脾臓においてCD4+Th1細胞の頻度を増加させ、IL-4を産生する細胞の頻度を減少させており(図5B)、この発見は定量的PCRを用いたサイトカインのmRNA発現レベルを評価することにより確認された。図5Cは、PTX3による予防的および治療的両処置により、IFN-γの発現は有意に増加し、IL-4の発現は減少したことを示している。エフェクター食細胞の抗真菌活性レベルを調べたところ、エフェクター食細胞のコニディア殺活性は、非処置マウスよりもPTX3処置マウスにおいてより高かった(data not shown)。インビトロ研究からPTX3が真菌に対する直接的な殺活性を持つことは考えられないので(data not shown)、これらのデータは、PTX3が、生得的および適応的両方の抗真菌免疫に対する実質的な免疫調節活性を有する新しい薬剤に適することを示している。 上記のあらゆる発見に促され、PTX3の免疫調節活性がアムビゾームまたはファンギゾンの治療的効果を促進し得るかどうかを調べた。というのも、これらの薬剤は抗真菌エフェクター食細胞と相乗的に作用することが知られているためである(40)。この目的のために、PTX3を単独でまたはポリエン(polenye)と併せ、いずれの薬剤も最大の治療的効果を挙げない最適以下の用量でBM移植マウスに投与した。組み合わせ投与または単独投与は感染前または感染後に行った。生存、真菌成長およびサイトカイン産生についてマウスをモニターした。単独で投与した各単剤は肺における真菌成長を有意に減少させたが、感染前に単独で投与したPTX3を除いて、マウスの生存期間は有意には改善されなかった。しかし、PTX3とアムビゾームの併用療法では、生存期間の増加(>60日)および真菌成長の減少から判断して、感染前または感染後投与のどちらにおいてもマウスは感染から回復した。感染後に投与した場合、PTX3およびファンギゾンの組み合わせ投与はファンギゾン単独の投与と比較して真菌感染に対する耐性を有意に増加させた(図6)。肺ホモジネートおよび抗原刺激した脾臓細胞の培養上清についてのサイトカイン解析では、ファンギゾンを投与したマウスの肺におけるTNF-α産生は、ファンギゾン単独で処置したマウスにおいて観察された値と比較して、PTX3によりかなり減少したことが示された;アムビゾームに対する反応としてのTNF-αの産生レベルは、ファンギゾン処置により誘導された値と比較してより低く、PTX3と組み合わせた処置によっても変化しなかった(図7A)。非処置マウスと比較して、各単独投与後の脾臓細胞によるIFN-γ産生は有意に増加し、PTX3およびアムビゾームで処置したマウスではさらに増加した;対照的に、IL-4の産生は、PTX3および/またはアムビゾームでの処置によっても、またPTX3およびファンギゾンの組み合わせの処置によっても、程度はより小さいがかなり減少した(図7B)。従って、PTX3は、肺の炎症反応の減少およびTh1抗真菌反応性の促進において、ファンギゾンよりもアムビゾームとともに、より相乗的に作用するようである。 本発明のPTX3は微小病変(minimal disease)を伴ったIAマウスにおいて治癒反応を誘導した。PTX3は予防的に投与した場合に効果的であったこと、およびPTX3は真菌細胞に直接の活性を示さないことを鑑みると、PTX3の有利な作用は、Th1による予防的耐性を活性化する能力に依るようである。 PTX3は、病原体の感染性に対する、少なくとも2つのエフェクター経路、すなわち古典補体活性化経路をC1q結合において活性化し(35)、また、今のところ同定されていない1またはそれ以上の細胞レセプターとの相互作用を介して食細胞の促進を活性化する(20)。常在性の単核細胞によるコニディアの内在化は、真菌の感染力を制限し、肺における骨髄細胞およびリンパ球の回復を可能にする働きをするようである。しかし、PTX3はまた、アスペルギルス・コニディアに反応してなされたIL-12の産生および共刺激性分子の発現を介してDCを活性化する(20)。このように、トール様レセプター(TLR)ファミリーメンバーを介したDCにおけるPTX3の産生の素早い開始は(18)、生得的な耐性の増幅および適応的な免疫の方向付けにおけるPTX3の直接的役割を示唆している。 PTX3で処置した感染マウスの肺においてIL-12の産生は増加し、IL-10の産生は減少したという結果は、炎症反応を示している。しかし、TNF-αの産生はPTX3処置によって増加しなかったという結果は、PTX3が、多数のコレクチンのように、炎症促進性刺激と抗炎症刺激間の平衡の良好なレギュレーターとして働く可能性があることを示唆している(42, 48)。 本発明によって、BM移植レシピエントにおいて示される深刻な免疫病理学(浸潤性の真菌感染への感受性が防御的Th反応の発達あるいはその他と必然的に関係している)と類似するBM移植感染モデル(15, 33)において、アムビゾームおよびファンギゾンの治療効果を評価した。我々は、ファンギゾンと比較してアムビゾームが、BM移植後のIAマウスにおいて優れた活性を示したことを見出した。5mg/kgアムビゾームによる毎日の予防的処置および治療的処置の両方により、マウスは感染から回復し、肺における真菌負荷が減少した。D-AmBについては、感染後に最大耐容量(例えば4mg/kg)を投与した場合において、観察された感染への耐性の増加はわずかばかりであった。 熱や震えなどのD-AmBの毒性は、TLR依存性メカニズムを介した生得的な免疫細胞による炎症促進性サイトカイン産生の結果である(43)。TLR2、CD14およびMyD88アダプタータンパク質を発現するマウスのマクロファージおよびヒト細胞株は、D-AmBに反応してTNF-αを含む炎症促進性サイトカインを放出した。ここで我々は、L-AmBで処置したマウスよりもD-AmBで処置したマウスにおける方が、TNF-αの産生がより高いことを発見した。しかし、PTX3を組み合わせた処置により、ファンギゾン処置で誘導されたTNF-αの産生はかなり減少したが、一方、感染後PTX3およびD-AmBの組み合わせで処置したマウスにおける生存期間の増加および真菌負荷の減少から示されるように、PTX3の併用処置は同時にファンギゾンの治療効果を増大させた。PTX3との併用療法はまた、各単独処置において観察された効果と比較して、TNF-α産生レベルに影響を与えずに最適以下用量のアムビゾームの効果を増大させた。従って、抗真菌物質と同時投与した場合のPTX3の活性は、TNF-α産生の低下に勝る作用に依拠するようである。この点について、抗真菌性化学療法の効果は宿主の免疫反応性に依拠すること(32)、また、別のアムホテリシンB製剤はアスペルギルス・フミガトゥスに対するエフェクター食細胞と組み合わさって付加的な抗真菌活性を示すことが知られている(40)。また、PTX3は、アスペルギルス・コニディアに対するエフェクター食細胞の食作用および殺活性を増大させることが報告されている(20)。 参考文献1. 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Blazar, and I. Y. Haddad. 2002. Surfactant protein A decreases lung injury and mortality after murine marrow transplantation. Am. J. Respir. Cell Mol. Biol. 27:297-305.図1は、浸潤性アスペルギルス症マウスにおける、PTX3、アムビゾーム(L-AmB)またはファンギゾン(D-AmB)の投与効果を示す。致死的な放射線を照射したC3H/HeJマウスにBALB/cマウスのT細胞減少BM細胞(2×106)を注入し、その一週間後、2×107のアスペルギルス・コニディアを鼻腔内感染させた。感染(コニディア)の5日前または後または同時に、示した用量および経路によりマウスをPTX3またはポリエンで処置し、各処置において翌5日間投与を繰り返した。感染に対する耐性を生存率として評価した。感染マウスの肺、脳および腎臓における真菌負荷を、種々の器官の洗浄液のサブローデキストロース培地上における連続プレーティングにより定量化し、その結果を、感染前に死亡したマウスについては死亡時点、そうでなければ感染後6日での、記載および試験した器官から得たサンプルにおけるコロニー形成単位(CFU)(平均±SE)として表した。* P<0.05 (処置マウス対非処置マウス)図2はアスペルギルス再感染に対する耐性へのPTX3投与の効果を示す。図1の説明文で詳細に記載した通りに作製したBM移植マウスに、BM移植の1週間後に2×107のアスペルギルス・コニディアを鼻腔内感染させ、感染日から開始し翌5日間連続して、示した用量および投与経路にてPTX3で同時に処置した。感染の2週間後、生き延びたマウスに5×105のアルペルギルス・コニディアを静脈内に再感染させた。腎臓における真菌成長(CFU)を再感染の3日後に評価した。* P<0.05 (処置マウス対非処置マウス)図3は浸潤性アスペルギルス症のマウスにおいてPTX3が肺疾患を軽減させることを示す。非処置(A)またはアスペルギルス・コニディア感染日および翌5日間連続して1mg/kgのPTX3を腹腔内処置した(B)、コニディア感染BM移植マウスの肺から、過ヨウ素酸シッフ塩基切片を調製した。非処置マウス(感染の3日後)の肺においては、多数のアスペルギルス菌糸(矢印)が肺実質に、大規模な実質の破壊および気管支壁損傷の強い徴候を伴って浸潤しており、壊死および乏しい細胞動員が見られる。PTX3処置マウスの肺組織には治癒的な炎症細胞の浸潤が見られ、明らかな実質破壊または真菌成長(感染の6日後)は見られなかった。パネルAおよびBの倍率×100;はめ込み画像の倍率×400図4は、浸潤性アスペルギルス症のマウスにおいてPTX3が細胞の回復を促進することを示す。図1の説明文で詳細に記載した通りに作製したBM移植マウスに、2×107のアスペルギルス・コニディアを鼻腔内感染させ、感染日および翌5日間1mg/kgのPTX3を腹腔内に処置した(+)または処置しなかった(-)。数字は、肺(A)および脾臓(B)におけるFACS解析により測定した、感染の3または6日後の陽性細胞のパーセンテージを示す。図5はPTX3がTh1細胞の機能的回復を誘導することを示す。図1の説明文で詳細に記載した通りに作製したBM移植マウスに、2×107のアスペルギルス・コニディアを鼻腔内感染させ、感染前(斜線の棒グラフ)、および感染日および翌3日間(点模様の棒グラフ)に1mg/kgのPTX3を腹腔内処置した。感染の3日後、IL-12 p70およびIL-10濃度を気管支肺胞洗浄液(A)の特定ELISA解析により測定し、サイトカインを産生するCD4+T脾臓細胞の数をELISPOT解析(B)により計数し、CD4+脾臓細胞におけるサイトカイン遺伝子発現をリアルタイムPCRで測定した。棒線は標準誤差を示す。*P<0.05、感染マウス対非感染マウス;**P<0.05、PTX3処置マウス対非処置マウス。非感染マウス(白の棒グラフ);感染マウス(黒の棒グラフ)。図6は、PTX3がアムビゾーム(L-AmB)およびファンギゾン(D-AmB)の治療効果を増大させることを示す。図1の説明文に詳細に記載した通りに作製したBM移植マウスを2×107のアスペルギルス・コニディアに鼻腔内感染させ、感染前または感染後に、各単剤のみまたは組み合わせて腹腔内処置を行った。その用量は:感染前または感染後にそれぞれ0.04および0.2mg/kgのPTX3;1mg/kgのアムビゾームおよび2mg/kgのファンギゾンである。感染前に死亡したマウスについては死亡時点、そうでなければ感染後6日に、感染に対する耐性を、生存率および肺のCFUとして評価した。*P<0.05、処置マウス対非処置マウス;**P<0.001、PTX3+L-AmBの組み合わせ処置対各単独処置のみ;***P<0.05、PTX3+D-AmBの組み合わせ処置対D-AmB単独。図7は、ポリエンで処置したマウスにおいて、PTX3はTNF-αの産生を減少させ、Th1:Th2のサイトカイン比を増加させることを示す。図1の説明文で詳細に記載した通りに作製したBM移植マウスを2×107のアスペルギルス・コニディアに鼻腔内感染させ、感染後、各単剤のみまたは組み合わせて腹腔内処置を行った。その用量は図6の説明文に詳細に記載した通りである。感染の3日後の気管支肺胞洗浄液のTNF-γ濃度(pg/ml)を測定し(A)、感染前に死亡したマウスについては死亡時点、そうでなければ感染後6日に、抗原活性化脾臓細胞の培養上清におけるIFN-γおよびIL-4濃度(pg/ml)を測定した(B)。棒線は標準誤差を示す。(-、非処置マウス)。*P<0.05、処置マウス対非処置マウス;**P<0.05、PTX3+ファンギゾン(D-AmB)の組み合わせ処置対D-AmB単独;***P<0.05、PTX3+アムビゾーム(L-AmB)の組み合わせ処置対各単独処置のみ。 ペントラキシンPTX3および抗真菌物質の組み合わせ。 抗真菌物質がアムホテリシンBである、請求項1に記載の組み合わせ。 アムホテリシンBがデオキシコール酸塩型またはリポソーム製剤である、請求項2に記載の組み合わせ。 請求項1から3のうちいずれかに記載の組み合わせから成る医薬組成物。 最適用量以下の抗真菌物質を含有する請求項4に記載の組成物。 真菌感染を予防的または治療的に処置するための医薬を調製するための、請求項1から3のいずれかに記載の組み合わせの使用。 前記医薬が最適用量以下の抗真菌物質を含有する、請求項6に記載の使用。 真菌感染が肺アスペルギルス症である、請求項6および7記載の使用。 真菌感染、特にアスペルギルス・フミガトゥス感染の処置のための、ペントラキシンPTX3および抗真菌物質の組み合わせを記載する。


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特許公報(B2)_真菌感染、特にアスペルギルス症を処置するための医薬

生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_真菌感染、特にアスペルギルス症を処置するための医薬
出願番号:2007512731
年次:2014
IPC分類:A61K 38/00,A61K 9/127,A61K 31/7048,A61P 11/00,A61P 31/10,A61P 43/00


特許情報キャッシュ

ジョバンニ・サルヴァトリ パオロ・カルミナティ ルイジナ・ロマーニ JP 5574565 特許公報(B2) 20140711 2007512731 20050428 真菌感染、特にアスペルギルス症を処置するための医薬 シグマ−タウ・インドゥストリエ・ファルマチェウチケ・リウニテ・ソシエタ・ペル・アチオニ 591043248 SIGMA−TAU INDUSTRIE FARMACEUTICHE RIUNITE SOCIETA PER AZIONI 田中 光雄 100081422 山崎 宏 100084146 冨田 憲史 100122301 ジョバンニ・サルヴァトリ パオロ・カルミナティ ルイジナ・ロマーニ IT RM2004A000223 20040507 20140820 A61K 38/00 20060101AFI20140731BHJP A61K 9/127 20060101ALI20140731BHJP A61K 31/7048 20060101ALI20140731BHJP A61P 11/00 20060101ALI20140731BHJP A61P 31/10 20060101ALI20140731BHJP A61P 43/00 20060101ALI20140731BHJP JPA61K37/02A61K9/127A61K31/7048A61P11/00A61P31/10A61P43/00 121 A61K31/33-33/44,38/00-38/58 Registry/CAplus/MEDLINE/BIOSIS/EMBASE (STN) GARLANDA C, et al., Non−redundant role of the long pentraxin PTX3 in anti−fungal innate immune response, Nature, (2002.11.14), Vol.420, No.6912, p.182−186 STEINBACH WJ, et al., Review of Newer Antifungal and Immunomodulatory Strategies for Invasive Aspergillosis, Clinical Infectious Diseases, (2003.10.1), Vol.37, Suppl.3, p.S157−187 STEINBACH WJ, et al., Combination and Sequential Antifungal Therapy for Invasive Aspergillosis: Review of Published In Vitro and In Vivo Interactions and 6281 Clinical Cases from 1966 to 2001, Clinical Infectious Diseases, (2003.10.1), Vol.37, Suppl.3, p.S188−224 1 IT2005000247 20050428 WO2005107791 20051117 2007536380 20071213 15 20080428 2012004796 20120313 内田 淳子 川口 裕美子 大宅 郁治 本発明は、アスペルギルス症を処置するための、ペントラキシンPTX3と抗真菌物質の組み合わせから成る医薬に関する。 浸潤性アスペルギルス症(IA)は、院内感染による肺炎や同種間骨髄(BM)移植における死亡の主要因であり、その感染率は8%から15%の範囲、関連死亡率は約90%と推定されている(3,16,30,36,47)。早期診断法および新たな抗真菌薬による治療法が進歩しているにもかかわらず(6,31)、IA症例の大多数は診断未確定であり治療が行われないままとなっている(16)。歴史的に見ると、かつてIAの最大の危険因子は好中球減少症であった。しかし、化学療法や移植といった患者への処置の効果により、好中球減少症の期間は大幅に減縮した。多く研究により、アスペルギルス症は、骨髄移植後、移植片対宿主(GvH)病(30)の発症と同時に起こることが示されている。非好中球減少症患者においてもIAは発症することから(17)、IAの発病においては、生得的および適応的の両免疫エフェクターメカニズムにおける特定の欠陥が重要であることが分かる(13,20,22,32,39,43,44)。特に、真菌に対する重要な二次的防御を提供するThリンパ球の役割が近年評価されている(8-10,12,14,23,26)。免疫が保たれている個体におけるIAは非常に稀なので、宿主の免疫反応の促進を目的とする治療がこの感染の処置における新しく有望なアプローチとなる。 生得的な免疫系は、肺組織を感染から守るために複雑で多面的な様式で進化してきた。肺組織の保護は、微生物増殖の予防的制御だけでなく、危険な程度の肺胞浸出および浸潤を起さないように感染を留めるのに十分な均衡の取れた炎症反応作用の発動をも含むと考えられる。肺胞内面の分子成分は、感染に対する主要な免疫調節物質として近年非常に注目されている(28,29)。 ペントラキシン(PTX)はアメリカカブトガニ(limulus polyphemus)からヒトへの進化過程で保存されているスーパーファミリータンパク質であり、通常は五量体構造を特徴とする(21)。PTX3は長いペントラキシンの原型で、短いPTXのホモログであるペントラキシンC末端領域にN末端部分が結合している(7)。PTX3は、主な炎症性サイトカインに反応した多種の細胞、具体的には単核食細胞、内皮細胞および樹状細胞(DC)といった細胞から、インビトロおよびインビボで分泌される(11,38,18)。多様な感染および炎症状態において、このタンパク質の循環レベルの増加が検出されている(37,19,34,41)。PTX3は多数の選択微生物因子(例えばアスペルギルス・フミガトゥス・コニディア(A. fumigatus conidia)や緑膿菌(P. aeruginosa))と結合し、免疫系の様々なエフェクター経路を活性化して病原体の感染力に対抗する(20)。PTX3欠損マウスの研究により、PTX3はパターン認識レセプター(PRR)であり、選択病原体への耐性に必須的役割を持つことが示されている(20)。PTX3欠損マウスのアスペルギルス・フミガトゥスへの感受性は、I型適応的免疫反応の組織化の失敗と関係していたが、組換えPTX3の外因性投与により回復する(20)。 最近は抗真菌用の医療設備が拡張されてはいるものの、アルペルギルス症に対抗する治療の進歩が必要である。 抗真菌物質とサイトカインの特徴的な組み合わせを用いた新しい方法の探索が研究者らにより始められている(46)。第一選択薬としてのアムホテリシンBによる治療は、用量依存的腎毒性(nephrotoxity)のために制限されるので、BM移植を受けた患者を十分量で治療することは無理である(24)。従来のD-AmB(25)およびL-AmB(2)に関係する毒性を減少させるために、脂質ベースの様々なアムホテリシンB製剤が開発されている。L-AmB毒性の薬物動態学的性質はD-AmBのそれよりも好ましいものであるので、十分量での治療が可能である。それでもなお、失敗率が問題として残る(1)。発表されているIAマウスモデルは、抗真菌物質の有効性が評価済であり、これは、マウスの感染に対する感受性を低くするために、副腎皮質ステロイド使用または不使用の化学療法により好中球減少症を誘導したものである。最近は、新規な治療標的を特徴とする薬物クラスである、IAを処置するための新しい抗真菌薬の開発が増加しており(45)、このことはIAの処置に対して新たな展望となり、潜在的な新規な併用療法の数を増加させている(45)。他の感染性疾患の処置を鑑みると(4)、併用療法は重要な治療的選択肢であると考えられる。 [発明の概要] ペントラキシンPTX3は他の抗真菌物質と併用すると驚くべき相乗効果を示すので、最適用量以下の抗真菌物質が特徴の薬物を調製することができる。この特徴により個々の活性成分に固有の副作用を実質的に制限することが可能であるので、医薬の管理容易性がより高いという点で有利である。 従って本発明は、ペントラキシンPTX3と抗真菌物質の組み合わせ、該組み合わせを含む医薬組成物、および真菌感染、特にアスペルギルス症の予防的または治療的処置のための医薬を調製するための該組み合わせの使用を対象とする。 [発明の詳しい説明] ペントラキシンPTX3およびその様々な治療的使用は本出願人の名義で出願された様々な特許出願に記載されている。 国際公開第99/32516号パンフレットにタンパク質の配列および感染、炎症または腫瘍性疾患におけるその使用が記載されている。長いペントラキシンPTX3の他の使用が国際公開第02/38169号、国際公開第02/36151号、国際公開第03/011326号および国際公開第03/084561号パンフレットに記載されている。 本発明の好ましい態様において、抗真菌物質は、アムホテリシンB、より好ましくは、市場でファンギゾン(Fungizone (Bristol-Myers Squibb))の商標で知られるそのデオキシコール酸塩型、または市場でアムビゾーム(AmBisome (GILEAD))の商標で知られるリポソーム製剤である。 本発明の産業上の利用可能性に関する側面については、長いペントラキシンPTX3および抗真菌物質は、活性成分が製薬的に許容される賦形剤および/または希釈剤により可溶化および/または賦形化された医薬組成物の形態である。 長いペントラキシンPTX3に利用できる医薬組成物の例はまた、国際公開第99/32516号パンフレットにも記載されている。 本発明の組成物は、経腸または非経口ルートで投与できる。 1日の用量は、かかりつけ医の判断に従い、患者の体重、年齢および全身症状に依拠する。 該医薬組成物の調製は、徐放性のものも含め、薬剤師や製薬技術の専門家に周知の一般的技法と器具類を用いて行うことができる。 本発明の特定の態様において、真菌感染は浸潤性アスペルギルス症(IA)である。 本発明の前記組み合わせを、同じ状態のヒトに見られる免疫不全を模したマウスの骨髄移植モデルにおいて評価した。各マウスに各種処置法を施し、IAへの耐性、生得的および適応的免疫パラメーターを評価した。その結果から、PTX3は感染および再感染への総合的耐性を誘導すること、I型感染防御反応を活性化すること、および、抗真菌物質と共に投与すると抗真菌物質の治療効果を顕著に増大させることが示された。 本発明を以下の実施例および図により詳細に説明する。 被検体および方法 [動物]8-10週齢のメスのBALB/cおよびC3H/HeJマウスをCharles River Breeding Laboratories (Calco, Italy)から入手した。マウスは特別な無菌状態で飼育した。BM移植マウスを小さな滅菌ケージに入れ(1ケージにつき5匹)、滅菌した餌と水を与えた。動物とその取扱いに関する手続きはすべて国内および国際法および基準に従った。全てのインビボ研究は国のガイドラインおよびペルージャ大学の動物の取扱いおよび使用に関する委員会のガイドラインに沿って行った。 [BM移植モデル]BALB/cドナーマウスの骨髄(BM)細胞は、ダイズのアグルチニンを用いた分別凝集によって調製した。致死量の9Gyに曝したレシピエントC3H/HeJマウスに、濃度4×106/mL以上のTリンパ球減少細胞群(FACS解析による測定でT細胞汚染が1%未満)を静脈注射(i.v.)した(33)。BM移植をしない場合、マウスは14日以内に死亡した。先の研究では(33)、マウスの95%超が生き残っているが、それらは、脾臓からの細胞においてドナー型のMHCクラスIの発現が検出されたことから、安定ドナーの造血性キメラであることが示されている。 [微生物、培養条件および感染]アスペルギルス・フミガトゥス株はペルージャ大学の感染症研究所(Institute for Infectious Diseases)における肺アスペルギルス症の致死例から入手した(13)。感染に際して、マウスにエチルエーテルを吸入させて軽く麻酔した後、滅菌したディスポーサルチップを付けたマイクロピペットを用いて2×107のコニディア/20μL食塩水の懸濁液を、鼻孔を通してゆっくり滴下した。この工程を連続3日間繰り返した。再感染に際して、初めの経鼻腔(i.n.)感染を生きのびたマウスに、5×105のアスペルギルス・コニディアをi.v.接種した。感染マウスの肺、脳および腎臓における真菌負荷をサブローデキストロース培地上での連続プレーティングにより定量し、その結果を、上記器官から得たサンプルにおけるコロニー形成ユニット(CFU)(平均±SE)として示した。選択した実験において、キチン分析によっても真菌成長を評価した(10)。組織学的解析において、肺を除去し、即座にホルマリンで固定した。パラフィンに包埋した組織の切片(3から4μm)を過ヨウ素酸シッフ塩基法で染色した(13, 20)。 [処置]PTX3(SIGMA-Tau, Pomezia, Rome, Italy)をトランスフェクトしたCHOの細胞培養物の上清から、免疫親和性クロマトグラフィーによりPTX3を精製し、エンドトキシンが存在しないことをモニターした(20)。PTX3、アムホテリシンBデオキシコール酸塩(D-AmB, Fungizone, Bristol-Myers Squibb, Sermoneta, Italy)およびリポソームアムホテリシンB(L-AmB, AmBisome, GILEAD, Milan, Italy)を、滅菌食塩水(PTX3)もしくは5%グルコース水溶液に、所望の濃度にまで希釈した。以下のスケジュールに沿って処置を行った:各用量のPTX3、アムホテリシンBまたはアムビゾームを単独でまたは組み合わせて、アスペルギルス感染前の5日間(予防的処置)、感染と同時に、および感染後5日間、またはコニディアの最後の感染後5日間(治療的処置)、腹腔内(i.p.)または鼻腔内(i.n.)(PTX3のみ)投与した。i.n.投与の場合、PTX3およびコニディアは個別に投与した。対照動物には希釈剤または滅菌食塩水のみを投与した。 [フローサイトメトリー]様々な細胞種の表現型を、PharMingen (San Diego, Ca)のFITCとコンジュゲートしたラットの抗マウス抗体で示された抗原に対するマウス抗体を用いて評価した。免疫化学的同定の前に、5%正常血清で細胞をインキュベートしてFcRを飽和させた。組織型(histotype)抗体をコントロールとして使用した。解析はFACScan(Becton Dickinson, Mountain View, Ca)を用いて行った。得られたデータを陽性細胞のパーセンテージとして評価した。ヒストグラムは4つの独立した実験のうちの1つを表している。 [リアルタイムRT-PCRによるサイトカイン転写物の定量]トータルRNA(5μg、CD4+T脾臓細胞からRNeasy Mini Kit (QIAGEN S.p.A., Milan, Italy)を用いて抽出)をSensiscript reverse transcriptase (QIAGEN)を用いて説明書に従い逆転写した。PCRプライマーはApplied Biosystems (Foster City, Ca)から入手した。ABI PRISM 7000 Sequence Detection System (Applied Biosystems)を用いて、サンプルを、95℃15秒を40増幅サイクル、次いで1分間60℃にかけた。説明書(Applied Biosystems)に従い、サンプルの標準化を行うために真核生物の18S rRNAハウスキーピング遺伝子のPCR増幅を行った。特異性を保証するために、水を加えたコントロールも含めた。全てのデータを、増幅グラフの解析により関数として検証した。RNA 18Sで標準化したデータを、試験したサイトカインの相対mRNA(ΔΔCt)として表し、未処理マウスのデータと比較した(10)。 [サイトカインの分析および「酵素が結合した免疫吸着スポット」(ELISPOT)解析]熱的に活性化されたアスペルギルスで刺激された、気管支肺胞洗浄液および脾臓細胞の培養上清(9, 10)におけるサイトカインレベルをELISA Kit (R&D Systems, Inc. Space Import-Export srl, Milan Italy)を用いて測定した。解析の検出限界(pg/ml)は、IL-12 p70で<16、TNF-αで<32、IFN-γで<10、IL-4およびIL-10で<3であった。サイトカインを産生するCD4+T細胞の計数のために、精製CD4+T脾臓細胞(9, 10)に対してELISPOT解析を用いた。結果は、105細胞につきサイトカインを産生する細胞の平均数(±SE)として表し、連続細胞希釈の複製物を用いて算出した。 [統計的解析]log-rank検定を用いてカプラン-マイヤー(Kaplan-Meier)生存曲線の対のデータを解析した。学生のt検定または分散分析(ANOVA)およびボンフェローニ(Bonferroni)検定を用い、図の説明に示したように、臓器クリアランスおよびインビトロ解析における差異の統計的有意性を決定した。有意性をP<0.05と定義した。インビボ群は4-6体の動物で構成した。得られたデータは、特に記述のない限り、3-5実験分蓄積した。 [結果] 既に示したように、IAに罹患したPTX3欠損マウスは、PTX3の外因性投与により抗真菌耐性を回復した(20)。PTX3が別の感受性マウスに有利な効果を持つかどうかを調べるために、IAに対する実質的な感受性がよく示されているBM移植マウス(15)を使用した。感染の前、同時または後に、マウスに異なる用量のPTX3を鼻腔内または腹腔内投与する処置を行った。気管支肺胞洗浄液におけるPTX3濃度(0.5mg/kg/i.n.の用量において)は少なくとも24時間高く(2時間から24時間の間、70から25ng/ml)、感染の1日後にIA罹患マウスで観察される値(2から15ng/ml)よりも高い(20および非公開データ)ことを示した予備試験に基づき、PTX3の用量を選択した。生存パラメーターおよび肺および脳における真菌負荷を、各用量のアムビゾームまたはファンギゾンで処置したマウスから得られた値と比較して記録および解析した。その結果、処置したマウスの大多数(85から95%)の生存期間が増加(60日以上)したこと、および特に、最高用量(1mg/kg)を投与したマウスの肺および脳における真菌負荷が有意に減少したことから、予防的に投与したPTX3(図1A)により、アッセイしたどの用量においてもIAに対する総合的耐性が誘導されたことが示された。感染と同時にPTX3投与したマウスにおいても同様の結果が得られた(図1B)。この投与期間において用量依存的効果が検出されており、0.04mg/kgの用量ではPTX3の予防的効果は失われていた。感染後にPTX3を投与した場合、生存期間はより高い用量を投与したマウスにおいてのみ増加したが、両用量において肺の真菌負荷が有意に減少し、より高い用量において脳の真菌負荷が有意に減少した(図1C)。2投与経路間での差異は認められなかった。5mg/kgのアムビゾームで処置したマウスにおいて同様の結果が観察され、そこでは感染前および感染後の処置により全てのマウスが感染を生き抜いた(図1D)。ファンギゾンでは同程度の予防的効果は得られず、耐容性を示した最高用量(4mg/kg)を感染後に投与した場合にのみ生存期間の増加および真菌負荷の減少が観察された(図1E)。さらに、PTX3による処置後に回復したマウスのアスペルギルス症再感染に対する感受性を評価し、再感染マウスの腎臓における真菌成長が減少したことからPTX3処置により再感染に対する耐性も有意に増加することを見出した(図2)。PTX3はまた肺の症状も改善させた。感染マウスの肺切片から、肺実質に浸潤した多数のアスペルギルス菌糸の存在が、気管支壁の激しい損傷や壊死および乏しい炎症細胞動員の徴候とともに観察された(図3A)。これらの特徴はPTX3処置したマウスでは観察されず、その肺は多核および単核炎症細胞が治癒的に浸潤し、明らかな真菌成長または気管支壁の破壊は見られなかった(図3B)。これらのデータは、抗真菌物質が通常減少した活性を示すBM移植状態(16, 31)における、PTX3の治療的効果を証明している。 IA罹患マウスにおいて、感染への耐性は、IFN-γを産生するTh1細胞の活性と相関がある(12, 13)。BM移植したIA罹患マウスにおいてPTX3によりTh1細胞反応性が活性化されるかどうかを調べるために、FACS解析による細胞回復、エフェクター食細胞の局所的サイトカイン生成および抗真菌活性の評価を行った。血液の白血球の定量的評価により、PTX3で処置した後の循環好中球の絶対数が有意に増加したことが示された(data not shown)。しかしながら、血中好中球濃度からはアスペルギルス症への感受性を予測することはできないので(5)、肺および脾臓細胞に対して細胞蛍光測定解析を行った。CD4+細胞、CD8+細胞およびGr-1+好中球の数がPTX3で処置したマウスの肺において有意に増加した(図4A)。脾臓において、好中球およびCD4+T細胞の一部の回復が観察された。PTX3処置または非処置の肺または脾臓のF4-80+細胞数に差異は見られなかった(図4B)。肺ホモジネートにおける炎症促進性(IL-12)および抗炎症性(IL-10)サイトカインの産生、およびCD4+Th1(IFN-γ)およびTh2(IL-4)の頻度によって示されるように、回復した細胞およびリンパ球は機能的に活性であることが判明した。図5Aは、PTX3処置により(非処置対照と比較して)IL-12産生は実質的に増加した(約4倍)一方、IL-10産生は半減したことを示しており、この結果は、PTX3が炎症過程を通して感染部位において微細な調節を行っていることを示唆している。さらに、PTX3による処置は、脾臓においてCD4+Th1細胞の頻度を増加させ、IL-4を産生する細胞の頻度を減少させており(図5B)、この発見は定量的PCRを用いたサイトカインのmRNA発現レベルを評価することにより確認された。図5Cは、PTX3による予防的および治療的両処置により、IFN-γの発現は有意に増加し、IL-4の発現は減少したことを示している。エフェクター食細胞の抗真菌活性レベルを調べたところ、エフェクター食細胞のコニディア殺活性は、非処置マウスよりもPTX3処置マウスにおいてより高かった(data not shown)。インビトロ研究からPTX3が真菌に対する直接的な殺活性を持つことは考えられないので(data not shown)、これらのデータは、PTX3が、生得的および適応的両方の抗真菌免疫に対する実質的な免疫調節活性を有する新しい薬剤に適することを示している。 上記のあらゆる発見に促され、PTX3の免疫調節活性がアムビゾームまたはファンギゾンの治療的効果を促進し得るかどうかを調べた。というのも、これらの薬剤は抗真菌エフェクター食細胞と相乗的に作用することが知られているためである(40)。この目的のために、PTX3を単独でまたはポリエン(polenye)と併せ、いずれの薬剤も最大の治療的効果を挙げない最適以下の用量でBM移植マウスに投与した。組み合わせ投与または単独投与は感染前または感染後に行った。生存、真菌成長およびサイトカイン産生についてマウスをモニターした。単独で投与した各単剤は肺における真菌成長を有意に減少させたが、感染前に単独で投与したPTX3を除いて、マウスの生存期間は有意には改善されなかった。しかし、PTX3とアムビゾームの併用療法では、生存期間の増加(>60日)および真菌成長の減少から判断して、感染前または感染後投与のどちらにおいてもマウスは感染から回復した。感染後に投与した場合、PTX3およびファンギゾンの組み合わせ投与はファンギゾン単独の投与と比較して真菌感染に対する耐性を有意に増加させた(図6)。肺ホモジネートおよび抗原刺激した脾臓細胞の培養上清についてのサイトカイン解析では、ファンギゾンを投与したマウスの肺におけるTNF-α産生は、ファンギゾン単独で処置したマウスにおいて観察された値と比較して、PTX3によりかなり減少したことが示された;アムビゾームに対する反応としてのTNF-αの産生レベルは、ファンギゾン処置により誘導された値と比較してより低く、PTX3と組み合わせた処置によっても変化しなかった(図7A)。非処置マウスと比較して、各単独投与後の脾臓細胞によるIFN-γ産生は有意に増加し、PTX3およびアムビゾームで処置したマウスではさらに増加した;対照的に、IL-4の産生は、PTX3および/またはアムビゾームでの処置によっても、またPTX3およびファンギゾンの組み合わせの処置によっても、程度はより小さいがかなり減少した(図7B)。従って、PTX3は、肺の炎症反応の減少およびTh1抗真菌反応性の促進において、ファンギゾンよりもアムビゾームとともに、より相乗的に作用するようである。 本発明のPTX3は微小病変(minimal disease)を伴ったIAマウスにおいて治癒反応を誘導した。PTX3は予防的に投与した場合に効果的であったこと、およびPTX3は真菌細胞に直接の活性を示さないことを鑑みると、PTX3の有利な作用は、Th1による予防的耐性を活性化する能力に依るようである。 PTX3は、病原体の感染性に対する、少なくとも2つのエフェクター経路、すなわち古典補体活性化経路をC1q結合において活性化し(35)、また、今のところ同定されていない1またはそれ以上の細胞レセプターとの相互作用を介して食細胞の促進を活性化する(20)。常在性の単核細胞によるコニディアの内在化は、真菌の感染力を制限し、肺における骨髄細胞およびリンパ球の回復を可能にする働きをするようである。しかし、PTX3はまた、アスペルギルス・コニディアに反応してなされたIL-12の産生および共刺激性分子の発現を介してDCを活性化する(20)。このように、トール様レセプター(TLR)ファミリーメンバーを介したDCにおけるPTX3の産生の素早い開始は(18)、生得的な耐性の増幅および適応的な免疫の方向付けにおけるPTX3の直接的役割を示唆している。 PTX3で処置した感染マウスの肺においてIL-12の産生は増加し、IL-10の産生は減少したという結果は、炎症反応を示している。しかし、TNF-αの産生はPTX3処置によって増加しなかったという結果は、PTX3が、多数のコレクチンのように、炎症促進性刺激と抗炎症刺激間の平衡の良好なレギュレーターとして働く可能性があることを示唆している(42, 48)。 本発明によって、BM移植レシピエントにおいて示される深刻な免疫病理学(浸潤性の真菌感染への感受性が防御的Th反応の発達あるいはその他と必然的に関係している)と類似するBM移植感染モデル(15, 33)において、アムビゾームおよびファンギゾンの治療効果を評価した。我々は、ファンギゾンと比較してアムビゾームが、BM移植後のIAマウスにおいて優れた活性を示したことを見出した。5mg/kgアムビゾームによる毎日の予防的処置および治療的処置の両方により、マウスは感染から回復し、肺における真菌負荷が減少した。D-AmBについては、感染後に最大耐容量(例えば4mg/kg)を投与した場合において、観察された感染への耐性の増加はわずかばかりであった。 熱や震えなどのD-AmBの毒性は、TLR依存性メカニズムを介した生得的な免疫細胞による炎症促進性サイトカイン産生の結果である(43)。TLR2、CD14およびMyD88アダプタータンパク質を発現するマウスのマクロファージおよびヒト細胞株は、D-AmBに反応してTNF-αを含む炎症促進性サイトカインを放出した。ここで我々は、L-AmBで処置したマウスよりもD-AmBで処置したマウスにおける方が、TNF-αの産生がより高いことを発見した。しかし、PTX3を組み合わせた処置により、ファンギゾン処置で誘導されたTNF-αの産生はかなり減少したが、一方、感染後PTX3およびD-AmBの組み合わせで処置したマウスにおける生存期間の増加および真菌負荷の減少から示されるように、PTX3の併用処置は同時にファンギゾンの治療効果を増大させた。PTX3との併用療法はまた、各単独処置において観察された効果と比較して、TNF-α産生レベルに影響を与えずに最適以下用量のアムビゾームの効果を増大させた。従って、抗真菌物質と同時投与した場合のPTX3の活性は、TNF-α産生の低下に勝る作用に依拠するようである。この点について、抗真菌性化学療法の効果は宿主の免疫反応性に依拠すること(32)、また、別のアムホテリシンB製剤はアスペルギルス・フミガトゥスに対するエフェクター食細胞と組み合わさって付加的な抗真菌活性を示すことが知られている(40)。また、PTX3は、アスペルギルス・コニディアに対するエフェクター食細胞の食作用および殺活性を増大させることが報告されている(20)。 参考文献1. 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Biol. 27:297-305.図1は、浸潤性アスペルギルス症マウスにおける、PTX3、アムビゾーム(L-AmB)またはファンギゾン(D-AmB)の投与効果を示す。致死的な放射線を照射したC3H/HeJマウスにBALB/cマウスのT細胞減少BM細胞(2×106)を注入し、その一週間後、2×107のアスペルギルス・コニディアを鼻腔内感染させた。感染(コニディア)の5日前または後または同時に、示した用量および経路によりマウスをPTX3またはポリエンで処置し、各処置において翌5日間投与を繰り返した。感染に対する耐性を生存率として評価した。感染マウスの肺、脳および腎臓における真菌負荷を、種々の器官の洗浄液のサブローデキストロース培地上における連続プレーティングにより定量化し、その結果を、感染前に死亡したマウスについては死亡時点、そうでなければ感染後6日での、記載および試験した器官から得たサンプルにおけるコロニー形成単位(CFU)(平均±SE)として表した。* P<0.05 (処置マウス対非処置マウス)図2はアスペルギルス再感染に対する耐性へのPTX3投与の効果を示す。図1の説明文で詳細に記載した通りに作製したBM移植マウスに、BM移植の1週間後に2×107のアスペルギルス・コニディアを鼻腔内感染させ、感染日から開始し翌5日間連続して、示した用量および投与経路にてPTX3で同時に処置した。感染の2週間後、生き延びたマウスに5×105のアルペルギルス・コニディアを静脈内に再感染させた。腎臓における真菌成長(CFU)を再感染の3日後に評価した。* P<0.05 (処置マウス対非処置マウス)図3は浸潤性アスペルギルス症のマウスにおいてPTX3が肺疾患を軽減させることを示す。非処置(A)またはアスペルギルス・コニディア感染日および翌5日間連続して1mg/kgのPTX3を腹腔内処置した(B)、コニディア感染BM移植マウスの肺から、過ヨウ素酸シッフ塩基切片を調製した。非処置マウス(感染の3日後)の肺においては、多数のアスペルギルス菌糸(矢印)が肺実質に、大規模な実質の破壊および気管支壁損傷の強い徴候を伴って浸潤しており、壊死および乏しい細胞動員が見られる。PTX3処置マウスの肺組織には治癒的な炎症細胞の浸潤が見られ、明らかな実質破壊または真菌成長(感染の6日後)は見られなかった。パネルAおよびBの倍率×100;はめ込み画像の倍率×400図4は、浸潤性アスペルギルス症のマウスにおいてPTX3が細胞の回復を促進することを示す。図1の説明文で詳細に記載した通りに作製したBM移植マウスに、2×107のアスペルギルス・コニディアを鼻腔内感染させ、感染日および翌5日間1mg/kgのPTX3を腹腔内に処置した(+)または処置しなかった(-)。数字は、肺(A)および脾臓(B)におけるFACS解析により測定した、感染の3または6日後の陽性細胞のパーセンテージを示す。図5はPTX3がTh1細胞の機能的回復を誘導することを示す。図1の説明文で詳細に記載した通りに作製したBM移植マウスに、2×107のアスペルギルス・コニディアを鼻腔内感染させ、感染前(斜線の棒グラフ)、および感染日および翌3日間(点模様の棒グラフ)に1mg/kgのPTX3を腹腔内処置した。感染の3日後、IL-12 p70およびIL-10濃度を気管支肺胞洗浄液(A)の特定ELISA解析により測定し、サイトカインを産生するCD4+T脾臓細胞の数をELISPOT解析(B)により計数し、CD4+脾臓細胞におけるサイトカイン遺伝子発現をリアルタイムPCRで測定した。棒線は標準誤差を示す。*P<0.05、感染マウス対非感染マウス;**P<0.05、PTX3処置マウス対非処置マウス。非感染マウス(白の棒グラフ);感染マウス(黒の棒グラフ)。図6は、PTX3がアムビゾーム(L-AmB)およびファンギゾン(D-AmB)の治療効果を増大させることを示す。図1の説明文に詳細に記載した通りに作製したBM移植マウスを2×107のアスペルギルス・コニディアに鼻腔内感染させ、感染前または感染後に、各単剤のみまたは組み合わせて腹腔内処置を行った。その用量は:感染前または感染後にそれぞれ0.04および0.2mg/kgのPTX3;1mg/kgのアムビゾームおよび2mg/kgのファンギゾンである。感染前に死亡したマウスについては死亡時点、そうでなければ感染後6日に、感染に対する耐性を、生存率および肺のCFUとして評価した。*P<0.05、処置マウス対非処置マウス;**P<0.001、PTX3+L-AmBの組み合わせ処置対各単独処置のみ;***P<0.05、PTX3+D-AmBの組み合わせ処置対D-AmB単独。図7は、ポリエンで処置したマウスにおいて、PTX3はTNF-αの産生を減少させ、Th1:Th2のサイトカイン比を増加させることを示す。図1の説明文で詳細に記載した通りに作製したBM移植マウスを2×107のアスペルギルス・コニディアに鼻腔内感染させ、感染後、各単剤のみまたは組み合わせて腹腔内処置を行った。その用量は図6の説明文に詳細に記載した通りである。感染の3日後の気管支肺胞洗浄液のTNF-γ濃度(pg/ml)を測定し(A)、感染前に死亡したマウスについては死亡時点、そうでなければ感染後6日に、抗原活性化脾臓細胞の培養上清におけるIFN-γおよびIL-4濃度(pg/ml)を測定した(B)。棒線は標準誤差を示す。(-、非処置マウス)。*P<0.05、処置マウス対非処置マウス;**P<0.05、PTX3+ファンギゾン(D-AmB)の組み合わせ処置対D-AmB単独;***P<0.05、PTX3+アムビゾーム(L-AmB)の組み合わせ処置対各単独処置のみ。 ペントラキシンPTX3およびアムホテリシンBのリポソーム製剤を組み合わせて含む、侵襲性肺アスペルギルス症の予防または治療のための組成物。


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