生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_血栓症治療剤
出願番号:2007510480
年次:2011
IPC分類:A61K 31/47,A61K 31/616,A61P 7/02,A61P 43/00


特許情報キャッシュ

横山 融 青木 太郎 JP 4839309 特許公報(B2) 20111007 2007510480 20060327 血栓症治療剤 興和株式会社 000163006 日産化学工業株式会社 000003986 特許業務法人アルガ特許事務所 110000084 有賀 三幸 100068700 高野 登志雄 100077562 中嶋 俊夫 100096736 村田 正樹 100117156 山本 博人 100111028 横山 融 青木 太郎 US 60/665,390 20050328 US 11/158,080 20050622 20111221 A61K 31/47 20060101AFI20111201BHJP A61K 31/616 20060101ALI20111201BHJP A61P 7/02 20060101ALI20111201BHJP A61P 43/00 20060101ALI20111201BHJP JPA61K31/47A61K31/616A61P7/02A61P43/00 121 A61K 31/00 A61P 7/00 A61P 43/00 CAPLUS/REGISTRY/BIOSIS/MEDLINE/WPIDS(STN) 特表2001−500875(JP,A) 国際公開第03/086466(WO,A1) 5 JP2006306125 20060327 WO2006104086 20061005 10 20081114 岡山 太一郎 本発明は、血栓症治療剤、特に血液凝固抑制及び血栓溶解のいずれに対しても有効な血栓症治療剤に関する。 血栓症では、血小板凝集能亢進、血液凝固因子活性化による血液凝固能の上昇及び血栓溶解能の低下が単独または相まって作用することによって、動脈血管内或いは静脈血管内に血栓が形成され、それに伴い血行の不全が生じる。その結果引き起こされる虚血は、脳、心臓及び他の臓器を含む末梢組織において酸素や栄養供給などの低下をもたらし、脳梗塞、心筋梗塞等の致命的な症状に至る疾患の発症と強く拘わっている。従って、上記分野の疾患において血栓症の治療は重要であると考えられている。 現在、血栓症の治療には種々の薬剤が用いられている。アスピリン、チクロピジン、エイコサペンタエン酸(EPA)、ジピリダモール、塩酸ジラゼプなどの血小板の凝集を抑制する抗血小板剤、及びワルファリン、ヘパリン、低分子ヘパリン、アルガトロバンなどの血液凝固因子を抑制する抗凝固剤などの単独あるいは併用投与が治療の中心をなしている。 アスピリンなどの抗血小板剤は、血小板凝集能を抑制することにより、血小板凝集が引き金となり引き起こされる血液凝固進展の場を減少させ、血管の障害部位における血栓及び血餅形成能を抑制する。一方、血小板は血管からの出血を防止する機能を併せ持つため、これを過度に抑制することは生理的な出血防御能の低下に繋がり、抗血小板剤による血栓症の治療には十分な投与量を確保することが難しい場合が多い。 さらに、アスピリンなどの抗血小板剤は直接抗血液凝固作用を示さないため、血栓症患者において抗血小板剤のみでは十分な抗血栓作用をもたらすことは困難な場合が多い。また、アスピリンでは、高用量のアスピリン投与によるアスピリンジレンマが知られている。すなわち生理的な消化管粘膜保護物質の生成を抑制することによる重篤な胃腸障害を引き起こすことや、生理的血管拡張作用物質の生成を抑制することによる血液循環系の障害を誘発することが知られており、アスピリンの投与量を増加する方法は推奨されていない。この面からも、血栓症治療に必要な十分量のアスピリンを投与することが困難になっている。 一方、抗凝固剤も高用量の投与では出血などの副作用をもたらす恐れがあり、血栓症治療に必要な十分量の抗凝固剤を投与するのが困難な場合が多い。 したがって、血栓症の治療には、アスピリンなどの適当な量の抗血小板剤と適当な量の抗凝固剤との併用投与が有用である場合も多い。 しかしながら、これらはそれぞれ異なるメカニズムでいずれも血栓の形成を防止するものであり、投与量によっては出血傾向が増強されるという問題がある。 新たな血栓症治療剤として、特許文献1には、HMG−CoAリダクターゼ阻害剤とアスピリンの併用投与による抗血栓症剤が開示されている。HMG−CoAリダクターゼ阻害剤は、強いHMG−CoAリダクターゼ阻害作用を有し、血中コレステロール低下剤として有用であることが知られているが、血栓症治療剤としての位置づけはなされていない。また、上記公報には、その併用投与による作用効果の具体的な記載はなく、その程度は不明である。更に、HMG−CoAリダクターゼ阻害剤の一つであるピタバスタチン類(特許文献2、3)とアスピリンの併用投与による作用効果に関する記載もない。国際公開第98/11896号パンフレット米国特許第5856336号公報特開平1−279866号公報 従って、本発明は、副作用が少なく、血液凝固抑制及び血栓溶解の両方に有効な血栓症治療剤を提供することを目的とする。 本発明者らは、斯かる実情に鑑み、鋭意研究した結果、ピタバスタチン類とアスピリンを組み合わせて使用した場合には、他のHMG−CoAリダクターゼ阻害剤とアスピリンを併用した場合に比べて顕著に優れた血液凝固抑制作用及び血栓溶解亢進作用が得られ、血栓症の治療に有効であることを見出し、本発明を完成した。 すなわち、本発明は、ピタバスタチン類及びアスピリンを含有することを特徴とする血栓症治療剤を提供するものである。 また、本発明は、ピタバスタチン類及びアスピリンの血栓症治療剤製造のための使用を提供するものである。 さらに、本発明は、ピタバスタチン類とアスピリンを併用投与することを特徴とする血栓症の治療方法を提供するものである。 本発明の血栓症治療剤によれば、優れた抗血液凝固作用及び血栓溶解亢進作用の両作用により、他のHMG−CoAリダクターゼ阻害剤とアスピリンを併用した場合に比べて顕著に優れた抗血栓作用を示し、高血圧症、血管攣縮、動脈硬化、糖尿病、外科手術、血液鬱滞等の単独あるいは併発に伴う血栓症の治療に有効である。また、ピタバスタチン類及びアスピリンの併用投与は、アスピリン単独投与に比べ、強い抗血栓作用を示すことから、副作用を伴う高用量のアスピリンの投与を避けることができるだけでなく、アスピリンの通常の投与用量を減らすことによってアスピリン自体のもつ副作用をも軽減することが可能である。 本発明で使用するピタバスタチン類は、ピタバスタチン((3R,5S,6E)−7−[2−シクロプロピル−4−(4−フルオロフェニル)−3−キノリル]−3,5−ジヒドロキシ−6−ヘプテン酸):米国特許第5856336号、特開平1−279866号公報)、そのラクトン環形成体及びその塩を包含し、これらの水和物、医薬品として許容される溶媒との溶媒和物も包含される。塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩;フェネチルアミン塩等の有機アミン塩又はアンモニウム塩等が挙げられる。これらのうち、ピタバスタチン類としては、ピタバスタチンの塩が好ましく、特にカルシウム塩が好ましい。 ピタバスタチン類は、米国特許第5856336号、特開平1−279866号公報に記載の方法により製造することができる。 本発明におけるアスピリンはアセチルサリチル酸を示し、市販品として容易に入手することができる。また、当該アスピリンは、例えばナトリウム、カルシウム、アルミニウムとの塩を形成していてもよい。 本発明は、ピタバスタチン類とアスピリンを併用投与するもので、後記実施例に示すように、モルモットにおいてピタバスタチン類あるいはアスピリンを単独で投与した場合に比べ、血液凝固時間の延長作用(抗血液凝固作用)及び最大血餅形成の抑制作用(血栓溶解亢進作用)を有する。 従って、本発明の血栓症治療剤は、高血圧症、血管攣縮、動脈硬化、糖尿病、外科手術、血液鬱滞等疾患の単独あるいは併発に伴う血管障害に基づいて発症する血栓症の治療に有効である。 本発明の血栓症治療剤におけるピタバスタチン類とアスピリンの使用形態は特に限定されず、それぞれの製剤を別々に投与しても良いし、単一製剤として投与しても良い。また、同時に投与しても良いし、間隔を置いて別々に投与しても良い。各成分の投与回数は異なっても良い。 単一製剤として投与する場合、ピタバスタチン類とアスピリンの配合比は、質量比で1:2.5〜1:300の範囲、さらに1:2.5〜1:150の範囲であることが好ましい。 また、ピタバスタチン類とアスピリンは、製剤学的に許容される希釈剤、賦形剤等と混合して単一製剤とするか、両薬剤を別々に製剤化してセット(キット)としてもよい。両薬剤を別々に製剤する場合には、両製剤は同一の剤形としなくてもよい。 本発明の医薬の投与形態としては、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、液剤、シロップ剤等による経口投与が挙げられる。 製剤は、有効成分の他に、その剤形に応じて薬学的に許容される賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、希釈剤、緩衝剤、等張化剤、防腐剤、潤滑剤、乳化剤、分散剤、安定化剤、溶解補助剤等と適宜混合、希釈又は溶解し、常法に従って製造することができる。 本発明において、ピタバスタチン類とアスピリンの投与量は、患者の体重、年齢、性別、症状等によって適宜選択されるが、通常成人の場合、1日当たり、ピタバスタチン類は、1〜100mg、好ましくは1〜50mg、更に好ましくは1〜20mg投与するのが好ましく、アスピリンは10〜300mg、好ましくは10〜100mg投与するのがよい。また、投与は、1日1回でもよいが、2回以上に分けて投与してもよい。 以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例1 アスピリンとピタバスタチンカルシウムの併用投与による全血凝固時間(r+k値)(抗血液凝固作用)及び最大血餅形成能(MA)(血栓溶解亢進作用)に対する効果 アスピリンとピタバスタチンカルシウムを投与したときの全血凝固時間(r+k値)及び最大血餅形成能(MA)に対する効果を次法(下記1〜4)に従って測定し、5にその結果を示した(r,reaction time;k,clotting time;MA,Maximal Amplitude)。1.供試動物及び飼育環境 Hartley系雄性モルモット(日本エスエルシー株式会社)6週齢を供試した。実験期間を通じて、明暗サイクル(室内光による明るい期間:午前7時〜午後7時)、温度23±3℃、湿度55±15%に維持された飼育室で飼育し、固形飼料(RC4;オリエンタル酵母工業(株))及び水道水を自由摂取させた。2.薬物調製 ピタバスタチンカルシウム、あるいはアスピリンはカルボキシメチルセルロースナトリウム(岩井化学薬品(株))の0.5質量%水溶液に懸濁し、濃度がそれぞれ1mg/mLないし10mg/mLになるように調製した。なお、ピタバスタチンカルシウムは9.43質量%の水分を含むため、投与量の1.1質量倍を秤量して補正した。懸濁液は遮光ビンにて冷蔵(4℃)保存し、調製は7日ごとに行った。3.試験方法 モルモット24匹を以下の4群(各群6例)、すなわち、対照(薬物非投与)群、ピタバスタチンカルシウム単独投与(3mg/kg)群、アスピリン単独投与(100mg/kg)群、及びピタバスタチンカルシウム(3mg/kg)及びアスピリン(100mg/kg)併用投与群に群分けした。両薬物は、1日1回(午後4時)14日間反復経口投与し、対照群にはカルボキシメチルセルロースナトリウム0.5質量%水溶液 1mL/kgを経口投与した。いずれの群も最終投与より18時間絶食した後に採血を行い、トロンボエラストグラフ(Helige社)を用い、全血凝固時間(r+k値)及び最大血餅形成能(MA)を測定した。4.データ処理法 結果は、各群の平均値±標準偏差で示した。5.試験結果 図1及び表1(ピタバスタチンカルシウムはピタバスタチンと表記)に示すように、全血凝固時間(r+k値)は、ピタバスタチンカルシウム及びアスピリン単独投与群では軽度延長した(110%及び109%)。これに対して、両薬物併用投与群では、各単独投与群に比べ、全血凝固時間は大幅に延長し(122%)、その効果は相乗的(バルジの式)であった。 すなわち、併用投与の効果は、単独投与のそれぞれの効果の積より大きいものであった(122%>110%X109%=120%)。 また、図2及び表2(ピタバスタチンカルシウムはピタバスタチンと表記)に示すように最大血餅形成能(MA)は、ピタバスタチンカルシウム及びアスピリン単独投与群では軽度抑制された(99%及び98%)。これに対して、両薬物併用投与群では、各単独投与群に比べ、最大血餅形成能は大幅に抑制され(88%)、その効果は相乗的(バルジの式)であった。 すなわち、併用投与の効果は、単独投与のそれぞれの効果の積より大きいものであった(88%<99%X98%=97%)。 したがって、アスピリンとピタバスタチン類の併用投与は、それぞれの薬剤の単独投与に比べ、血液凝固抑制作用及び血栓溶解亢進作用の両作用において極めて強い抗血栓作用を示すことが確認された。比較例1〜3 アスピリンとアトルバスタチン、シンバスタチン又はプラバスタチンの併用投与による全血凝固時間(r+k値)及び最大血餅形成能(MA)に対する効果 ピタバスタチンカルシウムの代わりに代表的なHMG−CoAリダクターゼ阻害剤の一つであるアトルバスタチンカルシウム水和物(米国特許第4681893号公報及び第5273995号公報、特開平3−58967号公報)、シンバスタチン(米国特許第4444784号公報)、又はプラバスタチンナトリウム(米国特許第4346227号公報)を用い、実施例1と同様にして、全血凝固時間(r+k値)及び最大血餅形成能(MA)に対する効果測定した。なお、アトルバスタチンカルシウム水和物、シンバスタチン、及びプラバスタチンナトリウムの投与量はそれぞれ15mg/kgで行なった。結果を表3〜8に示す。 表3及び4(アトルバスタチンカルシウムはアトルバスタチンと表記)に示すように、アトルバスタチンカルシウム水和物とアスピリン併用投与群における全血凝固時間(r+k値)に対する延長作用は認められなかった。また、最大血餅形成能(MA)においても、併用投与による抑制作用は認められなかった。すなわち、アトルバスタチンカルシウム水和物とアスピリンの併用投与では、血液凝固抑制作用及び血栓溶解亢進作用の両作用ともに増強作用は確認されなかった。 表5及び6に示すように、シンバスタチンをアスピリンと併用投与した場合、全血凝固時間(表5)、最大血餅形成能(表6)には影響が認められなかった。また、プラバスタチンナトリウム(プラバスタチンと表記)をアスピリンと併用投与した場合も、全血凝固時間(表7)、最大血餅形成能(表8)には影響が認められなかった。すなわち、シンバスタチンないしプラバスタチンにはアスピリンとの併用投与によって、全血凝固時間の延長作用(抗凝固作用)及び最大血餅形成能抑制作用(血栓溶解作用)は示されなかった。 以上のことから、相乗的な全血凝固時間の延長作用(抗凝固作用)及び最大血餅形成能抑制作用(血栓溶解作用)は、ピタバスタチンとアスピリンとの併用に限ってのみ示されることが確認された。図1はピタバスタチンカルシウム(ピタバスタチンと表記)とアスピリンの併用投与によるトロンボエラストグラフ全血凝固時間(r+k値)延長効果(抗血液凝固作用)を示す図である。図2はピタバスタチンカルシウム(ピタバスタチンと表記)とアスピリンの併用投与による最大血餅形成能(MA)抑制効果(血栓溶解亢進作用)を示す図である。 ピタバスタチン又はその塩とアスピリンを含有することを特徴とする血栓症治療剤。 ピタバスタチンの塩がピタバスタチンカルシウムである請求項1記載の血栓症治療剤。 ピタバスタチン又はその塩とアスピリンを、質量比で1:2.5〜1:300の範囲で配合したものである請求項1又は2記載の血栓症治療剤。 ピタバスタチン又はその塩とアスピリンの質量比が1:2.5〜1:150である請求項3記載の血栓症治療剤。 ピタバスタチン又はその塩とアスピリンが別々の製剤の形態である請求項1〜4のいずれか1項記載の血栓症治療剤。


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