生命科学関連特許情報

タイトル:公表特許公報(A)_細菌の排出ポンプ阻害剤の使用および投与
出願番号:2007504097
年次:2008
IPC分類:A61K 31/155,A61K 31/4439,A61K 31/4425,A61K 31/426,A61K 31/422,A61K 31/381,A61K 31/433,A61K 31/4164,A61K 31/44,A61K 31/53,A61K 31/4965,A61K 31/341,A61K 31/4525,A61P 43/00,A61P 31/00,A61P 31/04,A61P 19/04,A61P 11/00,A61P 11/08,A61P 11/02,A61K 31/40


特許情報キャッシュ

キース・ボスシャン トマズ・グリンカ オルガ・ロモフスカヤ マーク・サーバー JP 2008500965 公表特許公報(A) 20080117 2007504097 20050316 細菌の排出ポンプ阻害剤の使用および投与 エムペックス・ファーマシューティカルズ・インコーポレーテッド 506313420 志賀 正武 100064908 渡邊 隆 100089037 村山 靖彦 100108453 実広 信哉 100110364 キース・ボスシャン トマズ・グリンカ オルガ・ロモフスカヤ マーク・サーバー US 60/554,143 20040317 US 60/564,916 20040422 A61K 31/155 20060101AFI20071214BHJP A61K 31/4439 20060101ALI20071214BHJP A61K 31/4425 20060101ALI20071214BHJP A61K 31/426 20060101ALI20071214BHJP A61K 31/422 20060101ALI20071214BHJP A61K 31/381 20060101ALI20071214BHJP A61K 31/433 20060101ALI20071214BHJP A61K 31/4164 20060101ALI20071214BHJP A61K 31/44 20060101ALI20071214BHJP A61K 31/53 20060101ALI20071214BHJP A61K 31/4965 20060101ALI20071214BHJP A61K 31/341 20060101ALI20071214BHJP A61K 31/4525 20060101ALI20071214BHJP A61P 43/00 20060101ALI20071214BHJP A61P 31/00 20060101ALI20071214BHJP A61P 31/04 20060101ALI20071214BHJP A61P 19/04 20060101ALI20071214BHJP A61P 11/00 20060101ALI20071214BHJP A61P 11/08 20060101ALI20071214BHJP A61P 11/02 20060101ALI20071214BHJP A61K 31/40 20060101ALI20071214BHJP JPA61K31/155A61K31/4439A61K31/4425A61K31/426A61K31/422A61K31/381A61K31/433A61K31/4164A61K31/44A61K31/53A61K31/4965A61K31/341A61K31/4525A61P43/00 111A61P31/00A61P31/04A61P19/04A61P11/00A61P11/08A61P11/02A61K31/40 AP(BW,GH,GM,KE,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,MC,NL,PL,PT,RO,SE,SI,SK,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX,MZ,NA,NI,NO,NZ,OM,PG,PH,PL,PT,RO,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,SY,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,YU,ZA,ZM,ZW US2005008873 20050316 WO2005089738 20050929 170 20061115 4C086 4C206 4C086AA01 4C086AA02 4C086BA03 4C086BB02 4C086BC05 4C086BC17 4C086BC38 4C086BC48 4C086BC64 4C086BC69 4C086BC82 4C086BC85 4C086GA04 4C086GA07 4C086GA08 4C086GA09 4C086GA10 4C086MA01 4C086MA04 4C086NA14 4C086ZA34 4C086ZA59 4C086ZA61 4C086ZB32 4C086ZB35 4C206AA01 4C206AA02 4C206HA10 4C206MA01 4C206MA04 4C206NA14 4C206ZA34 4C206ZA59 4C206ZA61 4C206ZB32 4C206ZB35 本発明は抗微生物薬の分野、さらに特定すると薬剤耐性病原体によって引き起こされる感染の治療のために抗微生物薬と共に併用される排出ポンプ阻害剤としてのペンタミジンおよび類似組成の使用に関する。本発明はまた、排出ポンプ阻害剤として有用な新規化合物、および排出ポンプ阻害剤と抗微生物薬を含む組成および装置も含む。 抗生物質は最近の半世紀にわたって感染症の治療に有効なツールであった。抗生物質両方の開発から1980年代末期まで、先進国では細菌感染全体にわたってほとんど完全な制御があった。しかしながら、抗生物質使用の圧力に応答して多耐性メカニズムが蔓延し、抗菌治療の臨床利用を脅かしている。抗生物質耐性菌株の増加は主要な病院およびケアセンターでは特に普通になってきた。耐性菌株の増加の結果はさらに高い羅病率と死亡率、さらに長期の患者の入院加療、および治療費の増大を含む。 抗生物質の作用に打ち勝つために細菌はいくつかの異なったメカニズムを進化させてきた。耐性のこれらのメカニズムは抗生物質の分子もしくは部類に特異的であることも可能であり、あるいは非特異的であってかつ無関係の抗生物質への耐性に含まれることも可能である。耐性のいくつかのメカニズムが単一の菌株中に存在することも可能であり、それらのメカニズムが独立して作用することも、あるいは抗生物質もしくは抗生物質の組合せの作用に打ち勝つために相乗的に作用することもあり得る。特異的なメカニズムは、薬剤の分解、酵素作用による形態変化による薬剤の不活化、および薬剤標的の変化を含む。しかしながら、薬剤耐性のさらに普遍的なメカニズムが存在し、そこでは細胞内への抗生物質の輸送を減少させることによって、または細胞から媒質の外部への薬剤の排出を増大させることによって、標的への薬剤のアクセスは阻止または削減される。両方のメカニズムが標的部位での薬剤の濃度を低下させることが可能であり、他の場合では細菌細胞を阻害または殺菌するであろう1つまたは複数の抗生物質の存在下での細菌の生存を可能にする。ある種の細菌は両方のメカニズムを利用し、抗生物質の活発な排出と細胞壁(膜を含む)の低透過性を組み合わせる。 近年、臨床隔離に排出ポンプを折り重ねるデータの量を増加させることにより、細菌での排出を媒介した耐性への関心が誘発された。抗生物質排出の現象は、腸内細菌におけるテトラサイクリン耐性のメカニズムとの関連で1980年に最初に発見された。それ以来、単一の生物体中の複数のポンプによって抗生物質の排出が媒介されることがあり得ること、およびすべての抗生物質がこのメカニズムによる耐性に晒されることが示された。 ある種の排出ポンプは特定の抗生物質を選択的に押し出す。そのようなポンプの範例は、テトラサイクリンまたはクロラムフェニコールをそれぞれ押し出すことが可能であるTetまたはCmlAトランスポーターを含む。他の排出ポンプ、いわゆる多剤耐性(MDR)ポンプは様々な構造的に異なる化合物を押し出す。後者のケースでは、単一の排出システムが異なる作用のモードを備えた多数の抗生物質への耐性を与えることもあり得る。この点で、細菌のMDRポンプは哺乳動物のMDRトランスポーターに類似している。実際に、1つのそのようなポンプ、すなわち最初に発見されたMDRポンプであるP-糖タンパクは癌細胞に多数の薬剤耐性を与え、抗癌治療への腫瘍の耐性の主な理由の1つであると考えられる。細菌のMDRポンプの代表的な範例は緑膿菌から由来するMexAB-OprMである。このポンプはほとんどすべての抗生物質類(フルオロキノロン、ベータラクタム、マクロライド、フェニコール、テトラサイクリン、およびオキサゾリジノン)への生物体の感受性に悪影響を及ぼすことが示されている。 グラム陽性細菌の排出ポンプは単一の細胞質膜を横切ってそれらの基質を排出する。これはまた、グラム陰性細菌のある種のポンプの場合でもあり、結果として、それらの基質は細胞周辺腔中へと排出される。グラム陰性細菌から由来する他の排出ポンプは周辺腔と外膜をバイパスしてそれらの基質を外部の媒質中へと直接的に排出する。これらのポンプは複雑な3つの成分構造で編成され、それらが内膜と外膜の両方を貫通する。それらは細胞質膜の中に位置するトランスポーター、外膜チャンネル、および他の2つの成分を接触させる周辺腔の「リンカー」タンパク質で構成される。周辺腔と外膜をバイパスすることによって薬剤を排出することはグラム陰性細菌にとって明らかに有利である。グラム陰性細菌では、外膜は親油性および親水性の両方の薬剤の進入を大幅に減速させる。エリスロマイシンおよびフシジン酸といった前者は外膜二重層の外側葉状構造のリポ多糖体成分によって妨害される。親水性薬剤は、そのサイズがフルオロキノロンおよびある種のベータラクタムといった小さい化合物についてでさえも高速の拡散を阻止する水充填されたポーリンを通って外膜を横切る。こうして、直接排出は強力な防御メカニズムを細胞に提供するように相乗的にはたらく2つの異なるメカニズムの可能性を作り出す。さらに、媒質中への直接排出は細胞質中だけではなく周辺腔中でも減少した薬剤の量に結び付く。これは、その標的のペニシリン結合タンパク質が周辺腔中で見出されるベータラクタム抗生物質から排出ポンプがグラム陰性細菌を保護するという明らかに逆説的な発見を説明することが可能である。 多くのMDRポンプは細菌の染色体の通常の構成要素である遺伝子によってコードされる。このケースでは、高められた抗生物質耐性はこれらの遺伝子の過剰発現の結果である。こうして、多数の特異的な耐性決定因子を取得することなく細菌は多剤耐性を進化させる能力を有する。いくつかのケースでは、同じ細胞内での排出ポンプおよび他の耐性メカニズムの同時動作が相乗効果に結び付く。 排出ポンプをコードするいくらかの遺伝子が野生型の細胞内で発現されず、発現のためには誘導または調節変異を起こすことを必要とするが、他の排出遺伝子は本質的に発現される。結果として、野生型の細胞は排出活性の基底レベルを有する。野生型細胞における多剤排出ポンプのこの基底活性は内在性の抗生物質耐性、またはさらに適切には減少した抗生物質感受性に貢献する。この内在性の耐性は、治療に対して細菌がなおも臨床的に感受性であるように十分に低い可能性が高い。しかしながら、排出ポンプが非機能性にされれば細菌がなおさらに感受性となることが可能であり、抗生物質のさらに低投与量が有効となることを可能にする。具体的に示すと、研究室で誘導された緑膿菌の変異株PAM1626は排出ポンプの測定可能な量を何ら作り出さず、MexAB-OprM排出ポンプの基底レベルを作り出す親株の緑膿菌PAM1020よりもレボフロキサシンおよびメロペネムに対して8から10倍感受性である。仮に排出ポンプが無かったとすると、多くのいわゆる「グラム陽性」抗生物質の活性のスペクトルは以前に非感受性のグラム陰性種へと広げられることが可能であった。これは「狭域スペクトル」のベータラクタム、マクロライド、リンコサミド、ストレプトグラミン、リファマイシン、フシジン酸、およびオキサゾリジノン(これらのすべては排出ポンプの欠落した遺伝子組み換え型変異種に対して強力な抗菌効果を有する)に当てはめられることが可能である。 多くのケースで、排出が媒介する耐性が無効にされれば問題の病原体の感受性に劇的な効果が大きく促進されるであろうことは明らかである。抗菌性薬剤の有効性に及ぼす排出の悪影響に対抗するための2つの取り組み方は、知られている抗生物質の誘導体であって排出されない誘導体の識別、および排出ポンプの輸送活性を阻害し、既にある抗生物質との組合せで使用されてその能力を高めることが可能な治療薬剤の開発と想像されることが可能である。 第1の取り組みが成功裏に実践へと帰着したときのいくつかの範例がある。これらの範例は、黄色ブドウ状球菌または肺炎連鎖球菌中の多剤耐性ポンプによって影響されない新規のフルオロキノロン、あるいは相当する抗生物質特異性ポンプによって識別されない新規のテトラサイクリンおよびマイクロライドの誘導体を含む。しかしながら、グラム陰性細菌から由来する多剤耐性ポンプのケースではこの取り組みははるかに不成功であると思われる。グラム陰性細菌では、奏功する薬剤の構造に特定の制限が課され、両方の膜を貫通するためにそれらは両親媒性でなければならない。抗生物質を、グラム陰性細菌から由来する多剤耐性排出ポンプの優れた基質にするのがこの際立った特性である。これらの細菌のケースでは、排出ポンプ阻害の取り組みは既にある抗菌治療の臨床的有効性を向上させることの中で主要な戦略となる。 排出ポンプ阻害の取り組みは哺乳動物のP-糖タンパクのケースで最初に有効化された。最初の阻害剤は、前述され、完全に可変の薬理活性を備えた化合物の中から見出された。例えば、P-糖タンパクが媒介する耐性はヴェルパミルおよびアジドピンのようなカルシウムチャンネルブロッカー、免疫抑制剤のシクロスポリンAおよびFK506、ならびにラパマイシンおよびFK520(Raymondら、1994年)といった抗真菌薬によって逆転されることが可能である。排出ポンプ阻害活性が決してこれらの化合物の他の活性へと結び付けられなかったことが重要である。実際に、P-糖タンパクの最新の阻害剤はシクロスポリンAの構造的誘導体であり、免疫抑制活性という条件を欠いている。Merck Index,Merck & Company,Rahway,NJGilmanら(編)(1990年)のGoodman and Gilman's:The Pharmacological Basis of Therapeutics,8th Ed.,Pergamon PressAntimicrobial Combination.In Antibiotics in Laboratory Medicine,Ed.Victor Lorian,M.D.,Fourth 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al.,eds.,pp.197-224(Butterworths,London,England,1984)米国特許第6,585,958号米国特許第2,868,691号米国特許第3,014,844号米国特許第4,534,345号米国特許第6,672,304号米国特許第5,404,871号米国特許第5,347,998号米国特許第5,284,133号米国特許第5,217,004号米国特許第5,119,806号米国特許第5,060,643号米国特許第4,664,107号米国特許第4,648,393号米国特許第3,789,843号米国特許第3,732,864号米国特許第3,636,949号米国特許第3,598,294号米国特許第3,565,070号米国特許第3,456,646号米国特許第3,456,645号米国特許第3,456,644号米国特許第4,470,412号米国特許第5,385,140号米国特許第6,435,177号米国特許第6,585,958号米国特許第5,642,730号米国特許第6,223,746号米国特許第4,955,371号米国特許第5,404,871号米国特許第5,364,838号米国特許第6,523,536号米国特許第5,478,578号PCT公報WO95/11666PCT公報WO87/05213PCT公報WO96/23485PCT公報WO97/03649米国特許第3,807,400号米国特許第3,906,950号米国特許第3,991,761号米国特許第4,013,075号EPO特許公開公報0211595A2EPO特許公開公報0455463A1EPO特許公開公報0467172A1米国特許第5,829,434号米国特許第5,437,270号米国特許第2,587,215号米国特許第5,113,855号米国特許第5,840,279号米国特許第4,688,218号米国特許第4,667,668号米国特許第5,033,463号米国特許第4,805,811号PCT公報WO92/09322米国特許第3,906,950号米国特許第5,113,855号米国特許第5,388,572号米国特許第6,029,662号PCT公報WO93/12831PCT公報WO90/07351PCT公報WO99/62495米国特許第3,948,264号米国特許第3,971,377号米国特許第4,147,166号米国特許第6,006,747号PCT公報WO98/03217PCT公報WO90/13327米国特許第5,694,920号米国特許第6,026,809号PCT公報WO93/24165米国特許第4,811,731号米国特許第5,113,855号米国特許第5,840,279号米国特許第3,507,277号米国特許第3,669,113号米国特許第3,635,219号米国特許第3,991,761号米国特許第4,353,365号米国特許第4,889,144号米国特許第4,907,538号米国特許第5,829,434号米国特許第6,681,768号米国特許第6,561,186号米国特許第5,918,594号米国特許第6,003,512号米国特許第5,775,320号米国特許第5,740,794号米国特許第6,626,173号米国特許第4,470,412号米国特許第4,790,305号米国特許第4,926,852号米国特許第5,012,803号米国特許第5,040,527号米国特許第5,024,467号米国特許第5,816,240号米国特許第5,027,806号米国特許第6,026,807号米国特許第4,809,692号米国特許第4,832,015号米国特許第5,012,804号米国特許第5,427,089号米国特許第5,645,049号米国特許第5,988,160号米国特許第5,364,615号米国特許第5,366,726号米国特許第4,853,416号米国特許第5,084,480号米国特許第5,262,157号米国特許第5,089,527号米国特許第5,204,113号米国特許第5,334,374号米国特許第4,807,814号SU628930Fox 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ペンタミジンが様々なグラム陰性細菌から由来する多剤耐性ポンプを阻害することが可能であることが発見された。耐性メカニズムとして(複数の)排出ポンプを用いる微生物感染を患っている患者に投与されると、ペンタミジンは(複数の)排出ポンプの活性を阻害し、同時投与された抗微生物薬が微生物を阻害して感染を治療するのに充分な濃度に蓄積することを可能にする。このようにして、一態様では、本発明は排出ポンプの耐性メカニズムを用いる微生物感染を阻害するための方法に関し、場合によっては抗微生物薬との組合せで排出ポンプ阻害剤と細胞を接触させる工程を含む。排出ポンプ阻害剤はペンタミジンまたは構造的に関連する化合物であることが可能である。 さらなる関連の態様では、本発明は哺乳動物の病気予防処置のための方法を含む。この方法では、微生物感染、例えば細菌感染の危険性のある哺乳動物に排出ポンプ阻害剤が投与される。いくつかの実施形態では抗微生物薬が排出ポンプ阻害剤との組合せで投与されるか、または同時投与される。 本発明は、微生物に対する抗微生物薬の抗菌活性を促進する方法もやはり特色とし、ここではそのような細菌は排出ポンプ阻害剤、および抗微生物薬と接触させられる。 さらなる態様では、本発明は細菌または真菌といった微生物による動物、例えば哺乳類の感染の治療に有効な医薬組成物を提供する。この組成は医薬として許容される基剤および上述されたような排出ポンプ阻害剤を含む。本発明はまた、抗微生物薬、排出ポンプ阻害剤、および基剤を含む抗菌製剤を提供する。好ましい実施形態では、この抗微生物薬は抗細菌薬剤である。 さらなる態様では、排出ポンプ阻害剤がエーロゾルとして肺に投与される。抗微生物薬がいずれかの知られている手段によってこの排出ポンプ阻害剤と併せて投与されることも可能である。最後に、本発明は排出ポンプ阻害剤として有用であるとここで開示される多数の知られている化合物だけではなく、その効用を備えた多数の新規の化合物もやはり含み、それらの新規化合物は本発明の一態様を含む。 本発明の追加的な目的および利点は部分的には以下に続く説明の中で述べられ、部分的にはこの説明から明らかとなり、あるいは本発明の実践によって知られることが可能である。本発明の目的および利点は、添付の特許請求項の中で特に指摘される要素および組合せによって実現され、達成されるであろう。 一実施形態では、対象の細菌感染を治療するための方法が提供され、細菌に感染した対象に抗微生物薬および式Iの化合物を、感染の部位で式Iの化合物の有効な排出ポンプ阻害濃度を達成するような方式で同時投与する工程を含み、 ここではR1およびR2が水素、メチル、アミン、およびC1-4アルキルアミンからなる群から独立的に選択され、 リンカーL1およびL3がアミン、C1-2アルキル、およびC1-2アルキルアミンからなる群から独立的に選択され、あるいは独立的に不在であり、 芳香環A1およびA2が以下からなる群から独立的に選択され、 ここではZ1-Z4が芳香環の芳香族性が維持されることを条件としてCおよびNからなる群から独立的に選択され、 CであるZ1-Z4が場合によってはC1-4、アルキル、CH2NH2、ハロゲン、メトキシ、CH2C(O)NMe2、C(O)NH2、C(O)NMe2、SO2Me、またはSO2NH2で置換され、 NであるZ1-Z4が場合によっては以下を形成するように四級化され、 式中Y1、Y3およびY4がCH、N、NH、S、およびOからなる群から別個に選択され、Y2およびY5が芳香環の芳香族性が維持されることを条件としてCおよびNからなる群から別個に選択され、 CであるY1、Y3、およびY4が場合によってはハロゲン、メトキシ、CH2C(O)NH2、CH2C(O)NMe2、C(O)NMe2、SO2Me、またはSO2NH2で置換され、 NであるY1、Y3、およびY4が場合によっては以下を形成するために四級化され、 式中R3がC1-4アルキル、CH2C(O)NH2、またはCH2C(O)NMe2であり、 リンカーL2が、C(O)NH、C(O)NR4、C(O)O、またはC(O)S単位を含まないことを条件としてCH2、C(CH3)2、O、C(O)、S、S(O)、S(O)2、NH、NR4、=N-、フェニル、単環式5員ヘテロアリール、単環式6員ヘテロアリール、-CH=CH-cis、-CH=CH-trans、NHC(O)NH、NR4C(O)NH、NHC(O)NR4、NR4C(O)NR4、OC(O)NH、NR4C(O)O、OC(O)NR4、およびNHC(O)Oからなる群から選択される単位を場合によって含む1から12単位の鎖であり、 5員のヘテロアリールがイミダゾール、フラン、チオフェン、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、1,2,3-オキサジアゾール、1,3,4-オキサジアゾール、1,2,4-オキサジアゾール、1,2,3-トリアゾール、1,3,4-トリアゾール、、1,2,3-チアゾール、1,3,4-チアゾール、および1,2,4-チアゾールからなる群から選択され、 6員のヘテロアリールがピリジン、ピリミジン、ピリダジン、1,2,4-トリアジン、および1,3,5-トリアジンからなる群から選択され、 R4がHおよびC1-4アルキルからなる群から選択される。 いくつかの実施形態では、本方法は対象を、抗微生物薬に耐性である細菌に感染した対象として識別する工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、本方法は対象を、抗微生物薬への耐性を進化させることが可能である細菌に感染した対象として識別する工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、この耐性は少なくとも部分的に排出ポンプ媒介型である。いくつかの実施形態では、排出ポンプ阻害濃度は細菌内の排出ポンプ媒介型耐性の出現を克服もしくは抑制することに十分である。 他の実施形態では、対象の病気予防的処置のための方法が提供され、細菌に感染する危険性のある対象に抗微生物薬および式Iの化合物を、上述されたような式Iの化合物の排出ポンプ阻害濃度を感染の可能性のある部位で達成するような方式で同時投与する工程を含む。一実施形態では、本方法は対象を、細菌感染の危険性のある対象として識別する工程をさらに含む。 他の実施形態では、対象の微生物感染を治療するための方法が提供され、微生物に感染した対象に上述されたような式Iの化合物を、式Iの化合物がペンタミジン、プロパミンジン、ヘキサミジン、ジブロモプロパミジン、フェナミジン、アミカルバリド、ジアミナゼン、およびスチルバミジンを含まないという条件で式Iの化合物の排出ポンプ阻害濃度を感染の部位で達成するような方式で投与する工程を含む。一実施形態では、本方法は対象を、抗微生物薬に耐性である微生物に感染した対象として識別する工程をさらに含む。一実施形態では、本方法は対象を、抗微生物薬への耐性を進化させることが可能である微生物に感染した対象として識別する工程をさらに含む。一実施形態では、この微生物は細菌である。ある実施形態はさらに、抗微生物薬を式Iの化合物と同時投与する工程をさらに含む。一実施形態では、この抗微生物薬は抗細菌薬剤である。一実施形態では式Iの化合物の、この微生物に関するMICは約32μg/mlよりも大きい。 他の実施形態では、対象の病気予防処置を供給するための方法が提供され、微生物に感染する危険性のある対象に式Iの化合物を、式Iの化合物がペンタミジン、プロパミンジン、ヘキサミジン、ジブロモプロパミジン、フェナミジン、アミカルバリド、ジアミナゼン、およびスチルバミジンを含まないという条件で式Iの化合物の排出ポンプ阻害濃度を感染の部位で達成するような方式で投与する工程を含む。一実施形態では、本方法は対象を、微生物感染の危険性のある対象として識別する工程をさらに含む。一実施形態ではこの微生物は細菌である。一実施形態では、本方法は抗微生物薬を式Iの化合物と同時投与する工程をさらに含む。一実施形態ではこの抗微生物薬は抗細菌薬剤である。一実施形態では式Iの化合物の、この微生物に関するMICは約32μg/mlよりも大きい。 他の実施形態では、上述されたような式Iの化合物を投与するための方法が提供され、式Iの化合物を含むエーロゾルの吸入を供給する工程を含み、このエーロゾルが約2ミクロンから約4ミクロンの空気動力学的粒径の平均粒子サイズ、および約2ミクロン以下の粒子サイズ幾何学的標準偏差を有する。 上述された方法のいくつかの実施形態では、式Iの化合物の有効排出ポンプ阻害濃度が感染の部位で少なくとも約2時間の期間残る。上述された方法のいくつかの実施形態では、式Iの化合物の有効排出ポンプ阻害濃度が感染の部位で少なくとも約4時間の期間残る。上述された方法のいくつかの実施形態では、式Iの化合物の有効排出ポンプ阻害濃度は感染の部位で、抗微生物薬がそのピークの期間で存在するのと同じ時間である。上述された方法のいくつかの実施形態では、式Iの化合物の有効排出ポンプ阻害濃度は感染の部位で、抗微生物薬がそのピークの期間で存在する時間の少なくとも約25%である。上述された方法のいくつかの実施形態では、この有効排出ポンプ阻害濃度は抗微生物薬のAUC/MIC比を少なくとも約25%向上させるために十分である。上述された方法のいくつかの実施形態では、この有効排出ポンプ阻害濃度は抗微生物薬に関してMICを上回る時間を少なくとも約25%向上させるために十分である。上述された方法のいくつかの実施形態では、この有効排出ポンプ阻害濃度は治療効果を生じさせるために十分である。上述された方法のいくつかの実施形態では、感染の部位は局所的である。上述された方法のいくつかの実施形態では、感染の部位は肺の部位である。上述された方法のいくつかの実施形態では、細菌はシュードモナス属である。上述された方法のいくつかの実施形態では、式Iの化合物がエーロゾルとして投与される。上述された方法のいくつかの実施形態では、毎日少なくとも約15mgの呼吸に適した供給服用量を達成するように、式Iの化合物は1回または複数回投与で投与される。上述された方法のいくつかの実施形態では、毎日少なくとも約40mgの呼吸に適した供給服用量を達成するように、式Iの化合物は1回または複数回投与で投与される。上述された方法のいくつかの実施形態では、毎日少なくとも約60mgの呼吸に適した供給服用量を達成するように、式Iの化合物は1回または複数回投与で投与される。上述された方法のいくつかの実施形態では、投与段階は抗微生物薬および式Iの化合物を予め決められた比で投与する工程を含む。上述された方法のいくつかの実施形態では、投与段階は抗微生物薬および式Iの化合物を別々の投与経路で投与する工程を含む。上述された方法のいくつかの実施形態では、抗微生物薬および式Iの化合物は順々に投与される。上述された方法のいくつかの実施形態では、抗微生物薬および式Iの化合物は同時に投与される。上述された方法のいくつかの実施形態では、抗微生物薬および式Iの化合物は組み合わされて固定された服用形式で投与される。上述された方法のいくつかの実施形態では、抗微生物薬は細菌内の排出ポンプの基質である。上述された方法のいくつかの実施形態では、抗微生物薬は抗細菌薬剤である。上述された方法のいくつかの実施形態では、抗微生物薬はキノロンである。上述された方法のいくつかの実施形態では、抗微生物薬はフルオロキノロンである。上述された方法のいくつかの実施形態では、抗微生物薬はシプロフロキサシン、エノキサシン、ガチフロキサシン、ジェミフロキサシン、レボフロキサシン、ロメフロキサシン、モキシフロキサシン、ノルフロキサシン、オフロキサシン、ペフロキサシン、スパルフロキサシン、ガレノキサシン、シタフロキサシン、およびDX-619からなる群から選択される。上述された方法のいくつかの実施形態では、抗微生物薬はアミノグリコシド、ベータラクタム、クメルマイシン、クロラムフェニコール、ダプトマイシン、グリコペプチド、グリシルサイクリン、ケトライド、マクロライド、オキサゾリドノン、リファマイシン、ストロプトグラミン、およびテトラサイクリンからなる群から選択される。上述された方法のいくつかの実施形態では、細菌はグラム陰性細菌である。上述された方法のいくつかの実施形態では、細菌は下記からなる群より選択される。 上述された方法のいくつかの実施形態では、対象はヒトである。上述された方法のいくつかの実施形態では、対象は嚢胞性線維症のヒトである。上述された方法のいくつかの実施形態では、対象は肺炎、慢性閉塞性肺疾患、または副鼻腔炎のヒト、あるいは機械的に肺換気を行われるヒトである。 他の実施形態では、抗微生物薬と上述されたような式Iの化合物の固定された組合せを含む医薬製品が提供される。あるそのような実施形態では、抗微生物薬と式Iの化合物は物理的に組み合わされる。一実施形態では、抗微生物薬と式Iの化合物は別々の容器内で一緒にパッケージ化される。一実施形態では、抗微生物薬は細菌内の排出ポンプの基質である。一実施形態では、抗菌剤はグラム陰性細菌によって引き起こされる感染を治療するために使用される抗菌剤である。一実施形態では、抗菌剤は下記の群からなる 群から選択される1種または複数種の細菌によって引き起こされる感染を治療するために使用される抗菌剤である。一実施形態では、抗菌剤は式Iの化合物で阻害される排出ポンプを有する細菌によって引き起こされる感染を治療するために使用される抗菌剤である。一実施形態では、抗菌剤と式Iの化合物は抗菌剤の割合約1に対して式Iの化合物の割合約1以上のモル比を有する。 他の実施形態では、上述された式Iの化合物の溶液を含み、約200mOsmol/kgから約500mOsmol/kgの浸透圧を有する医薬組成物が提供される。あるそのような実施形態では、この溶液が約50mMから約250mMの透過性イオン濃度を有する。 他の実施形態では、約50mMから約250mMの透過性イオン濃度を有する式Iの化合物の溶液を含む医薬組成物が提供される。あるそのような実施形態では、組成の中の1種または複数種の浸透性イオンは塩素および臭素からなる群から選択される。 他の実施形態では、式Iの化合物の溶液を含む容器およびこの容器に連結され、約2ミクロンから約4ミクロンの平均粒子サイズおよび約2ミクロン以下の粒子サイズ幾何学標準偏差を有する溶液のエーロゾルを作り出すように構成されたネブライザを含み、式Iの化合物を投与するためのシステムが提供される。 ある実施形態は、細菌の排出ポンプ活性を阻害するための薬物の製剤の中での上述された式Iの化合物の使用である。一実施形態では、この薬物はさらに、抗細菌薬剤治療を受ける患者への投与のためのものである。一実施形態では、この抗細菌薬剤治療は抗細菌薬剤耐性細菌感染を治療するためのものである。一実施形態では、この薬物はさらに、抗細菌薬剤耐性の出現を阻害するためのものである。一実施形態では、この薬物は抗細菌薬剤をさらに含む。 上述された使用、方法、製品、システム、および組成の一実施形態で、式Iの化合物中のR1およびR2はアミン基である。上述された使用、方法、製品、システム、および組成の一実施形態で、式Iの化合物中のL2は、-CH2-、-C(CH3)2-、-O-、-C(O)-、-S-、-S(O)-、-CH=CH-cis、および-CH=CH-transからなる群から選択される単位を含む1から12単位の鎖である。上述された使用、方法、製品、システム、および組成の一実施形態で、式Iの化合物はペンタミジン、プロパミジン、ヘキサミジン、ジブロモプロパミジン、 および からなる群から選択される。 前述の概要説明およびこれ以降の詳細説明の両方が単なる範例および解説であって、特許請求項記載の本発明の限定ではないことは理解されるべきである。 定義 「投与」および「投与する」という用語は哺乳動物、鳥、魚、または両生類を含む脊椎動物もしくは無脊椎動物に抗菌性医薬組成物を与える方法を称し、この方法は例えば呼吸器内投与、局所投与、経口投与、静脈内投与、腹膜内投与、または筋肉内投与である。好ましい投与の方法は様々な要因、例えば医薬組成物の成分、考え得るかまたは実際の細菌感染の部位、含まれる微生物、および実際の微生物感染の重症度によって決まる。 「基剤」または「賦形剤」は化合物の投与を容易にするため、例えば化合物の溶解度を高めるために使用される化合物もしくは物質である。固体の基剤は、例えばデンプン、ラクトース、第二リン酸カルシウム、スクロース、およびカオリンを含む。液体の基剤は、例えば滅菌水、生理食塩水、バッファ、非イオン性界面活性剤、および食用油(例えば油、ピーナッツ油、およびゴマ油)を含む。付け加えると、当該技術で一般的に使用されるような様々な佐剤が含まれることもあり得る。これらおよびその他のそのような化合物は、文献、例えばMerck Index,Merck & Company,Rahway,NJに記述されている。薬剤組成物の種々の成分の包含についての考察は、Gilmanら(編)(1990年)のGoodman and Gilman's:The Pharmacological Basis of Therapeutics,8th Ed.,Pergamon Pressに記述されている。 本願明細書に使用される「診断用」という語は、健康状態または疾病状態の識別および特徴付けに役立つ化合物、方法、システム、または装置である。診断用という語は当該技術で知られているような標準的な分析で使用され得る。 「排出ポンプ」という用語は基質分子を細胞の原形質または周辺腔からエネルギー依存の様式で運び出すタンパク質集合体を称する。したがって、排出ポンプは通常では細胞の細胞質膜内に(細胞質膜全長にわたって延びて)位置するであろう。グラム陰性細菌では、このポンプは周辺腔全長にわたって延び、そこには外膜全長にわたって延びる排出ポンプの部分もやはり存在し得る。 「排出ポンプ阻害剤」(「EPI」)は、通常の基質または他の化合物(例えば抗生物質)を運び出す排出ポンプの能力を特異的に妨害する化合物である。この阻害剤はそれ自体の内在性の抗菌(抗細菌)活性を有することもあり得るが、少なくとも関連する活性の重要な部分は排出ポンプ阻害活性に起因する。 本願明細書で使用される「高処理能力スクリーニング」は、多数の候補薬剤もしくはサンプルが同時に選別試験される手はずを整える分析を称する。下記でさらに述べられるように、そのような分析の範例はマイクロタイタープレートの使用を含むことが可能であり、これは膨大な数の分析が少量の試薬とサンプルを使用して同時に実行され得るので特に便利である。 「哺乳動物」は通常の生物学的意味で使用される。したがってそれは特にヒト、牛、馬、犬、および猫を含むが、多くの他の種もやはり含む。 「微生物感染」は、脊椎動物、無脊椎動物、魚、植物、鳥、または哺乳動物を問わず、病原微生物による宿主生物体の侵害を称する。これは哺乳動物もしくは他の生物体の体内もしくは体表面上に通常的に存在する微生物の過剰増殖を含む。さらに一般化すると、微生物感染は(複数種の)微生物個体群の存在が宿主哺乳動物に被害を与えているいずれの状況でもあり得る。したがって、微生物個体群の過剰な存在が哺乳動物の体内もしくは体表面上に存在するとき、または(複数種の)微生物個体群の存在の影響が哺乳動物の細胞もしくは他の組織に被害を与えているとき、哺乳動物は微生物感染を「羅患」している。特に、この説明は細菌感染に当てはまる。本発明が微生物の生育または細胞の培養液もしくは他の培地、または非生命体表面もしくは物体の処理にもやはり有用であり、特許請求項の中で明確に特定されない限り本発明を高度な生物体の治療だけに限定するものがあるはずがないことに留意すべきである。 「多剤耐性ポンプ」は特定の抗生物質に高度に特異的ではない排出ポンプを称する。したがってこの用語は(構造的特徴を変化させていくつかの化合物を流出させる)広範な基質ポンプを含む。これらのポンプは個別の抗生物質に高度に特異的であるポンプとは異なる。範例は、テトラサイクリン特異的排出ポンプ、クロラムフェニコール特異的排出ポンプ、またはマクロライド特異的排出ポンプを含む。そのような排出ポンプは細菌の中での特定の抗生物質への耐性に含まれる。しかしながら、それらは他の抗生物質への耐性を与えない。特定のポンプ成分に関する遺伝子がグラム陰性ならびにグラム陽性細菌中のプラスミドに見出される。 「ペンタミジン排出ポンプ阻害剤」という用語はペンタミジン、ペンタミジンの代謝産物、またはペンタミジンとその代謝産物の1種もしくは複数種との組合せを称し、単一の立体異性体、立体異性体と医薬として許容される塩との混合物、およびそれらの溶媒和物を含む。 「医薬として許容される基剤」または「医薬として許容される賦形剤」という用語は溶媒、分散媒、コーティング、抗細菌および抗真菌薬剤、等張液、および吸収遅延剤などのいずれかおよびすべてを含む。医薬として活性な基質に関するそのような媒質および薬剤の使用は当該技術でよく知られている。いずれかの従来の媒質もしくは薬剤が活性な成分と両立しない場合を除いて、治療用組成中への使用は予期される。補助的な活性成分が組成に組み入れられることもやはりあり得る。 「医薬として許容される塩」という用語は本発明の化合物の生物学的有効性および特徴を維持し、かつ生物学的もしくはそれ以外の点で望ましくないものではない塩を称する。多くのケースで、本発明の化合物はアミノ基および/またはカルボキシル基またはそれらに類似した化学基の存在のせいで酸性および/または塩基性の塩を形成することが可能である。無機酸および有機酸でもって、医薬として許容される酸添加塩が形成されることが可能である。塩が導き出されることが可能である無機酸は、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などを含む。塩が導き出されることが可能である有機酸は、例えば酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸などを含む。無機塩基および有機塩基でもって、医薬として許容される塩基添加塩が形成されることが可能である。塩が導き出されることが可能である無機塩は、例えばナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウムなどを含み、アンモニウム、カリウム、ナトリウム、カルシウム、およびマグネシウムの塩が特に好ましい。塩が導き出されることが可能である有機塩基は、例えば一級、二級および三級アミン、自然界に存在する置換アミンを含む置換アミン、環状アミン、塩基性イオン交換樹脂など、特に、例えばイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、およびエタノールアミンを含む。 「溶媒和物」は溶媒とペンタミジン、その代謝産物または塩の相互作用によって形成される化合物を称する。適切な溶媒和物は医薬として許容される溶媒和物であって水和物を含む。 本願明細書で使用される「対象」はヒト、またはヒト以外の哺乳類、例えば犬、猫、マウス、ラット、畜牛、羊、豚、ヤギ、ヒト以外の霊長類、または鳥、例えばニワトリ、ならびにいずれかの他の脊椎動物もしくは無脊椎動物を意味する。 抗微生物薬への細菌のような微生物の応答との関連で、「感受性」という用語は抗微生物薬の存在に関する微生物の敏感さを称する。したがって、感受性が上がることは微生物細胞を取り巻く媒質中のさらに低濃度の抗微生物薬によって微生物が発育阻止されるであろうことを意味する。これは、微生物が抗微生物薬にさらに敏感であると述べることと同等である。ほとんどのケースで、その抗微生物薬の最小発育阻止濃度(MIC)が低減されているであろう。 「治療効果の有る量」または「医薬として有効な量」によって、本発明に関して開示されるような排出ポンプ阻害剤の量、または排出ポンプ阻害剤と抗微生物薬の個々の量が意味され、これは治療効果を有する。組み合わせると治療として有用である排出ポンプ阻害剤と抗微生物薬の服用量が治療効果の有る量である。したがって本願明細書で使用されるように、治療効果の有る量は、臨床的試用結果および/またはモデル動物の感染調査によって判定されるときに組み合わせて使用されると望ましい治療効果を生み出す排出ポンプ阻害剤と抗微生物薬の量を意味する。特定の実施形態では、排出ポンプ阻害剤と抗微生物薬が予め決められた比率で組み合わされ、したがって治療効果の有る量はこの組合せの量となるであろう。この量および排出ポンプ阻害剤と抗微生物薬の量は当業者によって機械的作業で個々に判定されることが可能であり、含まれる特定の微生物菌株および特定の排出ポンプと使用される抗微生物薬といったいくつかの要因に応じて変更されるであろう。この量はさらに、患者の身長、体重、性別、年齢、および病歴に応じて決まることもあり得る。病気予防処置に関すると、治療効果の有る量は微生物感染を阻止するために有効であろう量である。 「治療効果」は、感染の症状のうちの1つまたは複数をある程度の量で和らげ、感染を治癒することを含む。「治癒」は活動中の感染の症状が取り除かれることを意味し、感染に含まれる生きた微生物の過剰部分の除去を含む。しかしながら、たとえ治癒が得られた後でも感染の一定長期間もしくは永久的な影響があることもあり得る(例えば広範囲の組織の損傷)。 本願明細書で使用される「治療する」、「治療」、または「治療する工程」は、病気予防および/または治療の目的で医薬組成物を投与することを称する。「病気予防処置」という用語は未だ感染していないが特定の感染に敏感であるかまたは危険性のある患者を処置することを称する。「治療的処置」という用語は既に感染を患っている患者に治療を施すことを称する。したがって好ましい実施形態では、治療は、ペンタミジンおよび抗細菌(もしくは抗菌)薬剤の治療効果の有る量の(同時または順次のどちらかでの)組合せによる哺乳動物への(治療目的または病気予防目的のどちらかでの)投与である。 本願明細書で使用される「有効排出ポンプ阻害濃度」はin vitroで最大生化学効果(MBE)または最大増強効果(MPE)のどちらかで少なくとも25%を達成するために十分な排出ポンプ阻害剤の最小濃度を称する。いくつかの実施形態では、in vitroで少なくとも25%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または100%の最大生化学効果(MBE)または最大増強効果(MPE)のどちらかを達成するために十分な有効排出ポンプ阻害濃度が供給される。排出ポンプ阻害剤が細菌に対して有することが可能である理論的最大効果は、別の場合で特定の基質について排出ポンプのすべてを欠いている同じ菌株で観察されるそれと同等のレベルへのポンプの活性のレベルの低下である。本願明細書で使用される「MBE」は、阻害剤が基質に関する排出ポンプの活性に対して有することが可能である最大計測可能生化学的効果である。このレベルは理論的最大効果以下である可能性が高い。本願明細書で使用される「MPE」は、微生物に対抗して排出ポンプ阻害剤が抗微生物薬の活性に対して有することが可能である最大増強効果である。増強効果は排出ポンプ阻害剤の存在下での抗微生物薬に対する微生物の感受性の増大である。MPEは、別の場合で抗微生物薬について排出ポンプのすべてを所有するかまたは欠いているかどちらかの同じ菌株の抗菌剤感受性の比である理論的最大増強効果以下である可能性が高い。 MBEは細胞全体の摂取実験で判定されることが可能である。各タイプの無傷の細胞内への排出ポンプの基質(抗細菌薬剤または非抗生物質基質)の摂取速度が判定されることが可能である。摂取の速度を判定するために、細胞が排出ポンプの基質とインキュベートされ、等しいサンプルが異なる時間で取り出され、各々の時間点で細胞の内部の基質の量が判定されることが可能である。摂取の速度は時間単位当たりに細胞の内部に蓄積される基質の量として規定される。細胞内濃度のこの判定は基質が蛍光物質または放射性であれば容易にされる。そうでない場合には、基質が細胞の外へと抽出され、HPLCを使用してその量が判定されることが可能である。場合によっては、細胞内および細胞外の基質が異なる蛍光または吸収を有すれば摂取の速度はリアルタイムで連続的にモニタされることが可能である。1つの範例は臭化エチジウムであって、これは細胞の内部に入るとDNAに結合し、強い蛍光性になる。他の範例はLeu-β-ナフチルアミドであって、これは溶液中では蛍光性ではないが細胞の内部に入ると加水分解を受けて強度に蛍光性のβ-ナフチルアミンになる。 摂取の速度は細胞内部への進入の速度と排出の速度の両方によって影響を受ける。進入の速度は両方の細胞のタイプで同じであるので、摂取速度の違いは排出活性の違いを反映する。2つの菌株の抗生物質摂取の速度の間の比が判定され、最大生化学効果(MBE)として規定される。 MPEは、NCCLS(National Committee for Clinical Laboratory Standard)によって推奨されるように液体微量希釈法を使用して標準的なチェッカーボード分析(例えばAntimicrobial Combination.In Antibiotics in Laboratory Medicine,Ed.Victor Lorian,M.D.,Fourth edition,1996,pp333-338)で判定されることが可能である。この分析では、2つの薬剤、すなわち抗生物質と排出ポンプ阻害剤の多数の希釈液が単独および組合せで細菌の生育を阻害するそれらの能力を試験されることが可能である。結果として、ポンプ発現菌株のMIC(組合せの中で抗生物質の最小濃度として規定され、そこでは生物体の目に見える生育が完全に阻害される)が阻害剤の各々の濃度の存在下で判定される。阻害剤の濃度の増大は結果として、最大抗生物質増強効果が達成されるまで阻害剤の無い場合に判定されたMICの低下につながる。阻害剤が無い場合およびMICの最大低下を達成する阻害剤濃度の存在下でのMICの比が判定されることが可能であり、MPEとして規定される。 いくつかの実施形態では、有効排出ポンプ阻害濃度は十分に高く、排出ポンプ阻害剤が抗微生物薬と組み合わされると治療効果を引き出す。本願明細書で使用される「治療効果」は宿主内の細菌負荷、耐性の出現、またはヒトの臨床結果もしくは動物実験によって測定されたときの感染症状の改善における統計学的に有意な減少として規定される。 薬物動力学(PK)は体内での抗菌剤濃度の経時変化に関係している。薬力学(PD)は薬物動力学とin vivoでの抗生物質の効能の間の関係と関係している。PK/PDパラメータは抗生物質曝露を抗生物質活性を相関付ける。抗生物質による殺菌の速度は抗生物質の作用モードによって決まり、殺菌に必要な時間の長さ(時間依存性)または濃度増大の効果(濃度依存性)のどちらかによって決定される。したがって、異なった作用のメカニズムを備えた抗生物質の治療の効能を予測するために、異なったPK/PDパラメータが使用されることがあり得る。 「AUC/MIC比」はPK/PDパラメータの1つの範例である。AUCはin vivo(動物もしくはヒト)における抗微生物薬の血漿もしくは感染部位の濃度-時間曲線下の面積として規定される。AUC/MIC比は個々の抗菌剤について24時間のAUCをin vitroで判定された同じ抗菌剤に関するMICで除算することによって決定される。服用量依存性殺菌を備えた抗生物質(例えばフルオロキノロン)の活性はAUC/MIC比の大きさによって十分に予測される。 「Time above MIC」(T>MIC)は別のPK/PDパラメータである。それは血漿もしくは感染部位のレベルがMICを超える服用間隔のパーセンテージとして表現される。時間依存性殺菌を備えた抗生物質(例えばベータラクタムまたはオキサゾリジノン)の活性はAUC/MIC比の大きさによって十分に予測される。 「服用間隔」という用語は多数回の服用処方計画の間の医薬の2回の順次の服用の投与間の時間を称する。例えば、毎日2回(従来の処方計画400mgb.i.d.)投与されるシプロフロキサシン、および1日1回(500mgまたは750mgq.d.)投与されるレボフロキサシンのケースでは服用間隔はそれぞれ12時間および24時間である。 本願明細書で使用される医薬のin vivoの濃度の「ピーク期間」は医薬濃度がその最大の血漿もしくは感染部位濃度の50%を下回らない医薬服用間隔のうちの時間として規定される。いくつかの実施形態では、「ピーク期間」は抗菌剤服用の間隔を説明することに使用される。 「呼吸に適した供給服用量」は欧州規格パターンにプログラムされた呼吸シミュレータ(毎分15回の呼吸、1:1の吸引対吐出の比)を使用し、5ミクロン以下であるシミュレータの吸息期の間に吸入される薬の量である。 排出ポンプ阻害の方法 一実施形態では、本願明細書に開示される1種または複数種の排出ポンプ阻害剤を投与することによって微生物感染を治療するための方法が提供される。この排出ポンプ阻害剤は感染の部位で排出ポンプ阻害剤の有効排出ポンプ阻害濃度が達成されるような方式で投与されることが可能である。いくつかの実施形態では、抗微生物薬は排出ポンプ阻害剤と同時投与される。「同時投与」によって、同時または順次を含めて化合物が実際に投与される時間に関係なく排出ポンプ阻害剤ならびに同時投与される化合物が患者の血流中で同時に、および/または感染の部位で同時に見出されることが可能となるように排出ポンプ阻害剤が患者に投与されることが意味される。ある有利な実施形態では、排出ポンプ阻害剤および同時投与される抗微生物薬の薬物動力学は実質的に同じである。いくつかの有利な実施形態では、感染部位での排出ポンプ阻害剤濃度が、同時投与される抗微生物薬が微生物の中で排出ポンプ阻害剤が存在しない場合に有するであろうそれよりも増大した細胞内濃度を有するように微生物の排出ポンプを阻害する。このようにしていくつかの実施形態では、抗菌剤の有効MICは排出ポンプ阻害剤の存在によって下げられる。 いくつかの実施形態では、本願明細書に開示される排出ポンプ阻害剤は、微生物に感染する危険性のある対象に阻害剤を投与することによって微生物による感染を阻止するために使用される。そのようなケースでは、排出ポンプ阻害剤は感染の可能性のある部位で排出ポンプ阻害剤の排出ポンプ阻害濃度が達成されるような方式で投与されることも可能である。 いくつかの実施形態では、有効排出ポンプ阻害濃度は少なくとも約1時間の期間、2時間の期間、3時間の期間、4時間の期間、5時間の期間、6時間の期間、または抗微生物薬服用間隔全体にわたって感染の部位で維持される。いくつかの実施形態では、有効排出ポンプ阻害濃度は抗微生物薬がそのピーク期間で存在するのと同じ時間で感染の部位に存在する。いくつかの実施形態では、排出ポンプ阻害剤服用間隔の間に有効排出ポンプ阻害濃度が感染の部位に存在する全体の期間が抗微生物薬のピーク期間の中に含まれる。他の実施形態では、排出ポンプ阻害剤服用間隔の間に有効排出ポンプ阻害濃度が感染の部位に存在する全体の期間の少なくとも約25%、50%、または75%が抗微生物薬のピーク期間の中に含まれる。 いくつかの実施形態では、微生物は細菌であって抗微生物薬は抗細菌薬剤である。いくつかの実施形態では、患者は別にペンタミジン治療を必要としない、すなわち、ペンタミジン治療が承認されるかまたは通常的に投与される状態を患っていない。ほとんどのケースで、これは患者が免疫障害を持っていない、あるいはニューモシスチスカリニに感染していないかもしくはニューモシスチスカリニ肺炎をもっていないことを表す。他の実施形態では、患者はさらにリーシュマニア症またはトリパノソーマ症を患っていない。 ペンタミジン ペンタミジンはニューモシスチスカリニ、ドノバンリーシュマニア、ブルーストリパノソーマ、ガンビアトリパノソーマ、およびローデシアトリパノソーマによる感染の治療のために現在使用される。ペンタミジンの構造は下記の通りである。 これは市販入手可能であって、注射または吸入用に調剤されている。注射用では、ペンタミジンは非発熱性の凍結乾燥製品としてパッケージ化される。復元の後、これが筋肉注射または静脈注射によって投与される。 ペンタミジンはイセチオン酸として調剤され、これは水およびグリセリンに可溶性でエーテル、アセトン、およびクロロホルムに不溶性の白色の結晶粉末である。これは4,4-ジアミジノ-ジフェノキシペンタンジ(β-ヒドロキシエタンスルホネート)と化学的に命名される。分子式はC23H36N4O10S2であり、分子量は592.68である。 ペンタミジンの抗菌作用モードは十分に理解されていない。哺乳動物の組織および原生動物のクリチジアオンコペルチによるin vitroの研究はこの薬が核の代謝を妨害し、DNA、RNA、リン脂質、およびタンパク質の合成の阻害を作り出すことを示している。 ニューモシスチスカリニに対抗するペンタミジンのin vitroでの阻害活性は0.3μg/mlである。(参考文献1) ペンタミジンが3mg/kgの日量服用量で低速の静脈注液(1-2時間)として投与されるとき、ピークの血清濃度は0.5から3.4μg/mlにわたる。(参考文献2) 血清中のレベルはペンタミジンのイセチオン酸塩の静脈注液の後の最初の2時間の間に急速に下がり、それに続いてはるかに低速の減衰となる。ペンタミジンの3mg/kg服用量の日量投与3週間の後、谷の血漿濃度は61.1+/-56.0ng/mLに達した。(参考文献3) 4mg/kgでペンタミジンの毎日のi.m.服用で10から12日治療された7人の患者の中で、血漿濃度は0.3μg/mLと0.5μg/mLの間であった。患者達は治療の中断の後、最大で6〜8週間尿中にペンタミジンの量を減少させながら排泄し続けた。エーロゾル治療の間の全身性の吸収は最小であり、ピーク血漿濃度はその後の同等の静脈投与で観察されたそれよりも5%未満であることが認められる。繰り返しの吸入では血漿中の蓄積は下記の多数回の静脈投与で述べられたように生じない。(参考文献4) エーロゾル投与の間で、ペンタミジンのさらに高い肺濃度が観察される。特に、ジェットネブライザでの300mgの投与の24時間後、気管支肺胞洗浄液の上清および沈殿物中のペンタミジン濃度はそれぞれ23.2+/-7.75ng/mlおよび705+/-242ng/mlであった。(参考文献5) 現在認可されているペンタミジンエーロゾル供給装置(Respirgard IIネブライザで300mg)は15.3mgの霧化されたペンタミジンの平均合計肺内堆積を供給し、これは初期のネブライザの投与量の5.1%である。(参考文献6) Respirgard IIネブライザによって作り出される粒子サイズのせいで、エーロゾル化されたペンタミジンの供給はほとんど肺胞中であると考えられる。 意外にも、ペンタミジンは排出ポンプ阻害剤であり、したがって本願明細書に述べられる本発明の方法に従って使用されることが可能である。特に、ペンタミジンの排出ポンプ阻害濃度は現在認可されている供給方法によって作り出されるペンタミジンのin vivo濃度よりも大きいことが発見されている。特に、10μg/mlから20μg/mlのペンタミジン濃度がin vitroでの耐性細菌に対抗してレボフラキサシンを増強するのに効果的であることが示されている。したがって、一実施形態では、抗微生物薬の効能を増強するために感染の部位で排出ポンプ阻害濃度を供給するような方式でペンタミジンと抗微生物薬を同時投与する工程を含む新規の方法が提供される。 いくつかの実施形態では、排出ポンプ阻害剤として使用するためにペンタミジンの代謝産物が提供される。ペンタミジンは体内で少なくとも7つの一次代謝産物へと急速に代謝される。これらの代謝産物のうちのいくつかはペンタミジンと1つまたは複数の活性を共有する。 7つのペンタミジン代謝産物が下記に示される。 ペンタミジン類似体 構造的にペンタミジンに関連する化合物もやはり、本願明細書に述べられるように使用されることが可能である。いくつかの実施形態では、これらの化合物は式(I)の構造を有し、 ここではR1およびR2は水素、メチル、アミン、およびC1-4アルキルアミンからなる群から独立的に選択され、リンカーL1およびL3はアミン、C1-2アルキル、およびC1-2アルキルアミンからなる群から独立的に選択されるか、または独立的に不在であり、芳香環A1およびA2は下記からなる群から独立的に選択され、 Z1-4は芳香環の芳香性が維持されることを前提条件としてCおよびNからなる群から独立的に選択され、CであるZ1-4は場合によってはC1-4アルキル、CH2NH2、ハロゲン、メトキシ、CH2C(O)NMe2、C(O)NH2、C(O)NMe2、SO2Me、またはSO2NH2で置換され、NであるZ1-4は場合によっては下記を形成するように四級化され、 Y1、Y3、およびY4はCH、N、NH、S、およびOからなる群から独立的に選択され、Y2およびY5は芳香環の芳香性が維持されることを前提条件としてCおよびNからなる群から独立的に選択され、CであるY1、Y3、およびY4は場合によってはハロゲン、メトキシ、CH2C(O)NH2、CH2C(O)NMe2、C(O)NMe2、SO2Me、またはSO2NH2で置換され、NであるY1、Y3、およびY4は場合によっては下記を形成するように四級化され、 R3はC1-4アルキル、CH2C(O)NH2、またはCH2C(O)NMe2であり、リンカーL2は、L2がC(O)NH、C(O)NR4、C(O)O、またはC(O)S単位を含まないという前提条件で場合によってはCH2、C(CH3)2、O、C(O)、S、S(O)、S(O)2、NH、NR4、フェニル、単環式5員ヘテロアリール、単環式6員ヘテロアリール、-CH=CH-cis、-CH=CH-trans、NHC(O)NH、NR4C(O)NH、NHC(O)NR4、NR4C(O)NR4、OC(O)NH、NR4C(O)O、OC(O)NR4、およびNHC(O)Oからなる群から選択される単位を含む1から12単位の鎖であり、5員ヘテロアリールはイミダゾール、フラン、チオフェン、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、1,2,3-オキサジアゾール、1,3,4-オキサジアゾール、1,2,4-オキサジアゾール、1,2,3-トリアゾール、1,3,4-トリアゾール、1,2,3-チアゾール、1,3,4-チアゾール、および1,2,4-チアゾールからなる群から選択され、6員ヘテロアリールはピリジン、ピリミジン、ピリダジン、1,2,4-トリアジン、および1,3,5−トリアジンからなる群から選択され、R4はHおよびC1-4アルキルからなる群から選択される。 いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、限定はされないが塩酸塩、臭化水素酸塩、メタンスルホン酸塩、イセチオン酸塩、トシラート、ベンゼンスルホン酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、ギ酸塩、および酢酸塩を含む様々な塩の形式で使用される。 様々な実施形態で、式(I)の化合物は以下の構造を有する。 他の実施形態では、本願明細書に述べられるような使用のための化合物は以下の構造を有する化合物を含む。 一実施形態では、本願明細書に述べられるような使用のための化合物は以下の式を有する化合物を含み、 ここではRはH、OH、OMe、および下記からなる群から選択される。 他の実施形態では、本願明細書に述べられるような使用のための化合物は以下の式を有する化合物を含み、 ここではX1はH、Me、OMe、およびClからなる群から選択され、X2はH、Me、およびOMeからなる群から選択される。 他の実施形態では、本願明細書に述べられるような使用のための化合物は以下の式を有する化合物を含み、 ここではX1はH、Me、OMe、ClおよびCF3からなる群から選択され、X2はH、およびMeからなる群から選択される。 他の実施形態では、本願明細書に述べられるような使用のための化合物は下記の米国特許に述べられているように以下に記載される化合物を含む。 米国特許第4,933,347号 上記の特許は以下の式を有する化合物を述べている。 ここでは各々のR1はHであるかまたは同じアミジン基の2つのR1基は一緒に-(CH2)m-を表し、ここではm=2、3、または4であり、R2はH、OCH3、NO2、またはNH2であり、R3はH、CH3、またはCH2CH3であり、n=2、3、4、または5であり、XはO、N、またはSである(ただしR1とR2の両方がHであり、XがOであり、nが5に等しくなり得ないことを前提条件とする)。 下記に示されるようなパラアミジン構造を有する化合物が特に好ましく、 ここではR1、R2、R3、X、mおよびnは上記と同じ意味を有する。 述べられている他の化合物は下記の式を有し、 ここでは各々のR1はHであるかまたは同じアミジン基の2つのR1基は一緒に-(CH2)m-を表し、ここではm=2、3、または4であり、R2はH、OCH3、NO2、またはNH2であり、R3はH、CH3、またはCH2CH3であり、n=2、3、4、または5であり、XはO、N、またはSである(ただしR1とR2の両方がHであり、XがNまたはSであるとき、およびR2がHであってXがOであり、2つのR1基が一緒に-(CH2)m-を表し、nが3または4であることを前提条件とする)。 これらの化合物のうち、下記に示されるようなパラアミジン構造を有する化合物が特に好ましく、 ここではR1、R2、R3、X、mおよびnは上記と同じ意味を有する。付け加えると、式中のn=6である新規化合物が予期される。 上記の化合物を合成するための方法が米国特許第4,933,347号に述べられている。 米国特許第5,206,236号 上記の特許は以下の構造を有する化合物を述べており、 ここではXがO、N、またはSであり、R1がHであるかまたは同じアミジン基の2つのR1基は一緒に-(CH2)m-を表し、ここではm=2、3、または4であり、R2がH、NH2、OCH3、Cl、またはNO2であり、R3がH、CH3、またはCH2CH3であってn=2-6である化合物であり、あるいは医薬として許容されるその塩であり、または下記の式の化合物であることがさらに好ましく、 ここではX、R1、R2、R3、mおよびnが前記と同じ意味を有し、あるいは医薬として許容されるその塩である。 米国特許第5,578,631号 上記の特許は以下の式を有する化合物を述べており、 ここではR1およびR2が各々独立的にHまたは低級アルキルからなる群から選択されるか、またはR1およびR2が一緒に-(CH2)m-を表し、ここではmが2から4であり、R3がHまたは低級アルキルであり、XがC1-12の直鎖もしくは分枝で飽和もしくは最大4つまで二重結合を有する不飽和のアルキルである(例えば-(CH2)nであってnは1〜8であり、置換を受けないかまたは低級アルキルで1から2回置換され、飽和であるかまたは最大で2つの二重結合を有する不飽和である)化合物、あるいは医薬として許容されるその塩である。ビス[5-(2-イミダゾリル)-2-ベンズイミダゾリル]メタンおよび1,4-ビス[5-(2-イミダゾリル)-2-ベンズイミダゾリル]ブタン、または医薬として許容されるこれらの塩であることが現在好ましい。 やはり述べられているものは上記の式の化合物であって、式中R1およびR2が一緒に-(CH2)m-を表し、ここではmが2から4であり、R3がHまたは低級アルキルであり、Xが-CH2-CH2-CH2-CH2-、-CH=CH-CH2-CH2-、-CH2-CH=CH-CH2-、-CH=CH-CH=CH-からなる群から選択される化合物、および低級アルキルで1から2回置換された前記化合物のいずれか、および医薬として許容されるこれらの塩である。 米国特許第5,602,172号 上記の特許は以下の式を有する化合物を述べており、 ここではR1およびR2が各々独立的にH、低級アルキル、アリール、アルキルアリール、アミノアルキル、アミノアリール、ハロゲン、オキシアルキル、オキシアリール、またはオキシアリールアルキルからなる群から選択され、R3およびR4が各々独立的にH、低級アルキル、オキシアルキル、アルキルアリール、アリール、オキシアリール、アミノアルキル、アミノアリール、またはハロゲンからなる群から選択され、XおよびYがパラまたはメタの位置に配置され、かつH、低級アルキル、オキシアルキル、および下記からなる群から選択され、 ここでは各々のR5が独立的にH、低級アルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、シクロアルキル、アリール、またはアルキルアリールからなる群から選択されるか、または2つのR5基が一緒にC2〜C10アルキル、ヒドロキシアルキル、またはアルキレンを表し、R6がH、ヒドロキシ、低級アルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、シクロアルキル、ヒドロキシシクロアルキル、アルコキシシクロアルキル、アリール、またはアルキルアリールである。 いくつかの実施形態では、2つのR5基が一緒に下記を表し、 ここではmが1〜3であり、R7がHまたは-CONHR8NR9R10であってR8が低級アルキルであり、R9およびR10が各々独立的にHおよび低級アルキルからなる群から選択される。しかしながら現在ではこれらの化合物は好ましくない。 いくつかの実施形態では、記述された化合物は上記の構造式を有し、かつXおよびYがパラの位置に配置されて各々が下記である化合物を含み、 ここでは、 (a)R1がHであり、R2がHまたは低級アルキルであり、R3がHであり、R4がHであり、R5がHであり、R6がイソプロピル、イソブチル、イソペンチルなどといったイソアルキルである、 (b)R1がHであり、R2がHであり、R3がHであり、R4がHであり、R5がHであり、R6がC3〜C8アルコキシアルキルである、 (c)R1がHであり、R2がHまたは低級アルキルであり、R3がHであり、R4がHであり、R5がHであり、R6がエチルヒドロキシ、プロピルヒドロキシ、ブチルヒドロキシ、ペンチルヒドロキシ、およびヘキシルヒドロキシといったアルキルヒドロキシである、 (d)R1がHであり、R2がHまたは低級アルキルであり、R3がHであり、R4がHであり、R5がHであり、R6がプロポキシエチルである、 (e)R1がHであり、R2がHまたは低級アルキルであり、R3がHであり、R4がHであり、R5がHであり、R6がプロポキシイソプロピルである、 (f)R1がHであり、R2がHまたは低級アルキルであり、R3がHであり、R4がHであり、R5がHであり、R6がアリールまたはアルキルアリールである、 (g)R1がHであり、R2がHまたは低級アルキルであり、R3がHであり、R4がHであり、R5がHであり、R6がアルキルシクロアルキルである、 化合物および医薬として許容されるこれらの塩である。 上述された化合物を合成するための方法が米国特許第5,602,172号に開示されている。 米国特許第5,668,167号 上記の特許は以下の式を有する化合物を述べており、 ここではXがパラまたはメタの位置に配置され、低級アルキル、低級アルコキシ、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、シクロアルキル、アリール、アルキルアリール、ハロゲン、または下記であり、 ここでは各々のR2が独立的にH、低級アルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、シクロアルキル、アリール、またはアルキルアリールからなる群から選択されるか、または2つのR2基が一緒にC2〜C10アルキレンを表すか、または2つのR2基が一緒に下記を表し、 ここではmが1〜3であり、R4がH、 または-CONHR5NR6R7であってR5が低級アルキルであり、R6およびR7が各々独立的にHおよび低級アルキルからなる群から選択され、各々のR8が独立的にH、低級アルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、シクロアルキル、アリール、またはアルキルアリールからなる群から選択されるか、または2つのR8基が一緒にC2〜C10アルキレンを表し、R9がH、ヒドロキシ、低級アルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、シクロアルキル、アリール、またはアルキルアリールであり、R3がH、ヒドロキシ、低級アルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、シクロアルキル、アリール、またはアルキルアリールであり、R1がH、低級アルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、シクロアルキル、アリール、アルキルアリール、またはハロゲンである化合物、または医薬として許容されるその塩である。 上述された化合物を合成する方法は米国特許第5,668,167号に述べられている。 米国特許第5,686,456号 上記の特許は以下の式を有する化合物を述べており、 ここではXおよびYがパラまたはメタの位置に配置され、H、低級アルキル、低級アルコキシ、および下記からなる群から選択され、 ここでは各々のR1が独立的にH、低級アルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、シクロアルキル、アリール、またはアルキルアリールからなる群から選択されるか、または2つのR1基が一緒にC2〜C10アルキル、ヒドロキシアルキル、またはアルキレンを表すか、または2つのR1基は一緒に下記を表し、 ここではmが1〜3であり、R7がHまたは-CONHR8NR9R10であってR8が低級アルキルであり、R9およびR10が各々独立的にHおよび低級アルキルからなる群から選択され、R2がH、ヒドロキシ、低級アルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、シクロアルキル、アリール、またはアルキルアリールであり、nが0から2の数(nが0である場合、結合は環の間の直接共有結合である)であり、R3およびR4が各々独立的にH、低級アルキル、低級アルコキシ、アルキルアリール、アリール、オキシアリール、アミノアルキル、アミノアリール、またはハロゲンからなる群から選択され、R5およびR6が各々独立的にH、低級アルキル、アリール、アルキルアリール、アミノアルキル、アミノアリール、ハロゲン、オキシアルキル、オキシアリール、またはオキシアリールアルキルからなる群から選択される化合物、または医薬として許容されるその塩である。 上述された化合物を合成する方法は米国特許第5,686,456号に述べられている。 米国特許第5,723,495号 上記の特許は以下の式を有する化合物を述べており、 ここではR1およびR2が各々独立的にH、低級アルキル、オキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、またはアルキルアミノアルキルからなる群から選択され、XがC1-12の直鎖または分枝で飽和または最大で4つの二重結合を含む不飽和のアルキルであり、YがHまたは低級アルキルである化合物、あるいは医薬として許容されるその塩である。 他の実施形態では、上記の特許は以下の式を有する化合物を述べており、 ここではR1およびR2が各々独立的にH、低級アルキル、オキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、またはアルキルアミノアルキルからなる群から選択され、R3がH、低級アルキル、オキシアルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、アリール、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、またはハロゲンであり、R4が-OHであり、あるいはR1およびR4が一緒に下記を表し、 ここではR5が下記であり、 YがHまたは低級アルキルであり、nが0から2の整数であり、Aが下記からなる群から選択される複素環式芳香族であり、 ここでR6、R7、およびR8が各々独立的にH、低級アルキル、ハロゲン、オキシアルキル、オキシアリール、またはオキシアリールアルキルからなる群から選択され、R9が水素、低級アルキル、ヒドロキシ、アミノアルキル、またはアルキルアミノアルキルである化合物、あるいは医薬として許容されるその塩である。 他の実施形態では、上記の特許は以下の式を有する化合物を述べており、 ここではR1およびR2が各々独立的にH、低級アルキル、オキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、またはアルキルアミノアルキルからなる群から選択され、R3がH、低級アルキル、オキシアルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、アリール、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、またはハロゲンであり、R4が-OHであり、あるいはR1およびR4が一緒に下記を表し、 ここではR5が下記であり、 YがHまたは低級アルキルであり、nが0から2の整数である化合物、あるいは医薬として許容されるその塩である。 上述された化合物を合成する方法は米国特許第5,723,495号に述べられている。 米国特許第6,127,554号 上記の特許は以下の式を有する化合物を述べており、 ここではR1およびR2が各々独立的にH、低級アルキル、アリール、アルキルアリール、アミノアルキル、アミノアリール、ハロゲン、オキシアルキル、オキシアリール、またはオキシアリールアルキルからなる群から選択され、R3およびR4が各々独立的にH、低級アルキル、オキシアルキル、アルキルアリール、アリール、オキシアリール、アミノアルキル、アミノアリール、またはハロゲンからなる群から選択され、XおよびYがパラまたはメタの位置に配置され、かつH、低級アルキル、オキシアルキル、および下記からなる群から各々選択され、 ここでは各々のR5が独立的にH、低級アルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、シクロアルキル、アリール、またはアルキルアリールからなる群から選択されるか、または2つのR5基が一緒にC2〜C10アルキル、ヒドロキシアルキル、またはアルキレンを表し、R6がH、ヒドロキシ、低級アルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、シクロアルキル、ヒドロキシシクロアルキル、アルコキシシクロアルキル、アリール、またはアルキルアリールである化合物、あるいは医薬として許容されるその塩である。 上述された化合物を合成する方法は米国特許第6,127,554号に述べられている。 米国特許第6,172,104号 上記の特許は以下の式を有する化合物を述べており、 ここではR1、R2、R3、およびR4が各々独立的にH、低級アルキル、オキシアルキル、アリール、アルキルアリール、アミノアルキル、アミノアリール、オキシアリール、オキシアリールアルキル、またはハロゲンからなる群から選択され、AおよびBがH、低級アルキル、オキシアルキル、および下記からなる群から各々選択され、 ここでは各々のR5が独立的にH、低級アルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、シクロアルキル、アリール、またはアルキルアリールからなる群から選択されるか、または2つのR5基が一緒にC2〜C10アルキル、ヒドロキシアルキル、またはアルキレンを表し、R6がH、ヒドロキシ、低級アルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、シクロアルキル、ヒドロキシシクロアルキル、アルコキシシクロアルキル、アリール、またはアルキルアリールである化合物、あるいは医薬として許容されるその塩である。 他の実施形態では、この特許は以下の式を有する化合物を述べており、 ここではR1、R2、R3、およびR4が各々独立的にH、低級アルキル、オキシアルキル、アリール、アルキルアリール、アミノアルキル、アミノアリール、オキシアリール、オキシアリールアルキル、またはハロゲンからなる群から選択され、AおよびBがH、低級アルキル、オキシアルキル、および下記からなる群から各々選択され、 ここでは各々のR5が独立的にH、低級アルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、シクロアルキル、アリール、またはアルキルアリールからなる群から選択されるか、または2つのR5基が一緒にC2〜C10アルキル、ヒドロキシアルキル、またはアルキレンを表し、R6がH、ヒドロキシ、低級アルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、シクロアルキル、ヒドロキシシクロアルキル、アルコキシシクロアルキル、アリール、またはアルキルアリールである化合物、あるいは医薬として許容されるその塩である。 他の実施形態では、この特許は以下の式を有する化合物を述べており、 ここではR1、R2、R3、およびR4が各々独立的にH、低級アルキル、オキシアルキル、アリール、アルキルアリール、アミノアルキル、アミノアリール、オキシアリール、オキシアリールアルキル、またはハロゲンからなる群から選択され、AおよびBがH、低級アルキル、オキシアルキル、および下記からなる群から各々選択され、 ここでは各々のR5が独立的にH、低級アルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、シクロアルキル、アリール、またはアルキルアリールからなる群から選択されるか、または2つのR5基が一緒にC2〜C10アルキル、ヒドロキシアルキル、またはアルキレンを表し、R6がH、ヒドロキシ、低級アルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、シクロアルキル、ヒドロキシシクロアルキル、アルコキシシクロアルキル、アリール、またはアルキルアリールである化合物、あるいは医薬として許容されるその塩である。 他の実施形態では、上記の特許は以下の式を有する化合物を述べており、 ここではR1、R2、R3、およびR4が各々独立的にH、低級アルキル、オキシアルキル、アリール、アルキルアリール、アミノアルキル、アミノアリール、オキシアリール、オキシアリールアルキル、またはハロゲンからなる群から選択され、AおよびBがH、低級アルキル、オキシアルキル、および下記からなる群から各々選択され、 ここでは各々のR5が独立的にH、低級アルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、シクロアルキル、アリール、またはアルキルアリールからなる群から選択されるか、または2つのR5基が一緒にC2〜C10アルキル、ヒドロキシアルキル、またはアルキレンを表し、R6がH、ヒドロキシ、低級アルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、シクロアルキル、ヒドロキシシクロアルキル、アルコキシシクロアルキル、アリール、またはアルキルアリールである化合物、あるいは医薬として許容されるその塩である。 上述された化合物を合成する方法は米国特許第6,172,104号に述べられている。 米国特許第6,326,395号 上記の特許は以下の式を有する化合物を述べており、 ここではR1およびR2が同じであるかまたは異なっていることが可能であってH、低級アルキル、アリール、アルキルアリール、アミノアルキル、アミノアリール、ハロゲン、オキシアルキル、オキシアリール、およびオキシアリールアルキルからなる群から選択され、Y5およびY6がメタまたはパラの位置に存在し、同じであるかまたは異なっていることが可能であり、下記からなる群から選択される式(a)または(b)によって表され、 ここでは各々のR22が独立的にH、低級アルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、シクロアルキル、アリール、またはアルキルアリールからなる群から選択されるか、または2つのR22基が一緒にC2〜C10アルキル、ヒドロキシアルキル、またはアルキレンを表し、R23がH、ヒドロキシ、低級アルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、シクロアルキル、ヒドロキシシクロアルキル、アルコキシシクロアルキル、アリール、またはアルキルアリールであり、および ここではY3はNR'"およびOからなる群から選択され、R'"がHおよび低級アルキルからなる群から選択され、Y4が下記の式で表され、 ここではR20がH、低級アルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、シクロアルキル、アリール、またはアルキルアリールからなる群から選択され、R21がヒドロキシ、低級アルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、シクロアルキル、ヒドロキシシクロアルキル、アルコキシシクロアルキル、アリール、およびアルキルアリールからなる群から選択される。 他の実施形態では、上記の特許は以下の式を有する化合物を開示しており、 Y15およびY16が同じであるかまたは異なっていることが可能であり、下記の式で表され、 ここでは各々のR22が独立的にH、低級アルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、アルキルアミノ、シクロアルキル、アリール、またはアルキルアリールからなる群から選択されるか、または2つのR22基が一緒にC2〜C10アルキル、ヒドロキシアルキル、またはアルキレンを表し、R23がH、ヒドロキシ、低級アルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、シクロアルキル、ヒドロキシシクロアルキル、アルコキシシクロアルキル、アリール、またはアルキルアリールである。 他の実施形態では、上記の特許は以下の式を有する化合物を述べており、 ここでは各々のR25が独立的にH、低級アルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、シクロアルキル、アリール、またはアルキルアリールからなる群から選択されるか、または2つのR25基が一緒に飽和または不飽和のC2〜C10アルキル、ヒドロキシアルキル、またはアルキレンを表し、R26がH、ヒドロキシ、低級アルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、シクロアルキル、ヒドロキシシクロアルキル、アルコキシシクロアルキル、アリール、またはアルキルアリールであり、R"がヒドロキシ、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアリール、アリールまたは下記からなる式(i)および(ii)から選択される置換基であり、 ここではnおよびmが独立して選択され、各々が0から6の範囲にわたり、各々のR22が独立的にH、低級アルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、シクロアルキル、アリール、またはアルキルアリールからなる群から選択されるか、または2つのR22基が一緒にC2〜C10アルキル、ヒドロキシアルキル、またはアルキレンを表し、R23がH、ヒドロキシ、低級アルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、シクロアルキル、ヒドロキシシクロアルキル、アルコキシシクロアルキル、アリール、またはアルキルアリールである。 他の実施形態では、上記の特許は以下の式を有する化合物を述べており、 ここではnが2から6であり、XがO、NH、およびSからなる群から選択され、Y9およびY10がメタまたはパラの位置にあることが可能であって独立して選択され、かつ下記の式で各々表され、 ここでは各々のR30がH、ヒドロキシ、低級アルキル、オキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、およびアルキルアミノアルキルからなる群から選択され、2つのR30基の各々が一緒にC2〜C10アルキル、ヒドロキシアルキル、またはアルキレンを表し、R31がH、ヒドロキシ、低級アルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、シクロアルキル、ヒドロキシシクロアルキル、アルコキシシクロアルキル、アリール、またはアルキルアリールからなる群から選択され、R3およびR4が同じであるかまたは異なることが可能であってH、アミノ、ニトロ、低級アルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、シクロアルキル、アリール、またはアルキルアリールからなる群から選択される。 他の実施形態では、上記の特許は以下の式を有する化合物を述べており、 ここではXがO、NH、またはSであることが可能であり、nおよびmが同じであるかまたは異なることが可能であって2から6の範囲にわたり、Y11およびY12が同じであるかまたは異なることが可能であって下記の式で表され、 ここでは各々のR30が独立的にH、低級アルキル、オキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、およびアルキルアミノアルキルからなる群から選択され、2つのR30基の各々が一緒にC2〜C10アルキル、ヒドロキシアルキル、またはアルキレンを表し、R31がH、ヒドロキシ、低級アルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、シクロアルキル、ヒドロキシシクロアルキル、アルコキシシクロアルキル、アリール、またはアルキルアリールからなる群から選択され、R5がH、ヒドロキシ、および下記からなる群から選択され、 ここではnが0から3の範囲にわたる。 他の実施形態では、上記の特許は以下の式を有する化合物を述べており、 ここではXがC1〜C12の直鎖もしくは分枝で飽和もしくは最大4つまで二重結合を有する不飽和のアルキルであるか、または置換を受けるかまたは置換されないアリールであり、Y13およびY14が同じであるかまたは異なることが可能であって下記の式で表され、 R40およびR42が各々独立的にH、低級アルキル、シクロアルキル、置換されたアリール、および未置換アリールからなる群から選択されるか、またはR40およびR42が一緒にC2〜C10アルキル、ヒドロキシアルキル、アルキレン、置換されたアリール、または未置換アリールを表すことが可能であり、R41がH、ヒドロキシ、低級アルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、シクロアルキル、ヒドロキシシクロアルキル、アルコキシシクロアルキル、アリール、またはアルキルアリールであることが可能である。 上述された化合物を合成する方法は米国特許第6,326,395号に述べられている。 米国特許第6,423,737B2号 上記の特許は以下の式を有する化合物を述べており、 ここではR2およびR2が各々独立的にH、低級アルキル、オキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、またはアルキルアミノアルキルからなる群から選択され、R3がH、低級アルキル、オキシアルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、アリール、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、またはハロゲンであり、nが2から6であり、XがOまたはSであり、YがHまたは低級アルキルである化合物、あるいは医薬として許容されるその塩である。 他の実施形態では、上記の特許は以下の式を有する化合物を述べており、 ここではR1およびR2が各々独立的にH、低級アルキル、オキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、またはアルキルアミノアルキルからなる群から選択され、R3がH、低級アルキル、オキシアルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、アリール、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、またはハロゲンであり、R4が-OYであり、またはR1およびR4が一緒に下記を表し、 ここではR5が下記であり、 ここではYがHまたは低級アルキルであり、nが0から2の整数であり、Aが下記からなる群から選択される複素環式芳香族であり、 ここではR6およびR7が各々独立的にH、低級アルキル、ハロゲン、オキシアルキル、オキシアリール、またはオキシアリールアルキルからなる群から選択される化合物、あるいは医薬として許容されるその塩である。 上述された化合物を合成する方法は米国特許第6,423,737号に述べられている。 米国特許第6,649,652号 上記の特許は以下の式を有する化合物を述べており、 ここではXがO、S、またはNR'であることが可能であってR'はHまたは低級アルキルであり、R1およびR2が独立的にH、低級アルキル、オキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、およびアルキルアミノアルキルからなる群から選択され、R3およびR4が各々独立的にH、低級アルキル、ハロゲン、オキシアルキル、オキシアリール、およびオキシアリールアルキルからなる群から選択され、R5が下記からなる群から選択される式で表され、 ここではX1、X2、およびX3が独立的にOおよびSから選択され、R6およびR7が独立的に低級アルキル、アリール、アルキルアリール、オキシアリール、エステル含有置換基、およびオキシアルキルからなる群から選択される化合物、あるいは医薬として許容されるその塩である。R6およびR7が独立的にCH3、CH2CCl3、CH2CH3、下記の群からなる群から選択されることが好ましい。 ある好ましい実施形態では、次式で表される化合物 にある置換基の各々は芳香族のパラの位置に存在するが、しかしこれらの置換基はメタの位置に存在することも可能である。 上述された化合物を合成する方法は米国特許第6,649,652号に述べられている。 米国特許第6,635,668号 上記の特許は以下の式を有する化合物を述べており、 ここではAおよびBが各々独立的にH、低級アルキル、オキシアルキル、ニトロ、アミノ、アミノアルキル、ハロ、ヒドロキシ、カルボキシ、および次式の化合物からなる群から選択され、 AおよびBのうちの少なくとも一方がそのような化合物であることを前提としてR1およびR2が各々独立的にH、低級アルキル、オキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、およびアルキルアミノアルキルからなる群から選択されるか、または同じアミジン基の2つのR1基が一緒に-(CH2)m-を表してmが2、3、または4であり、R3がH、低級アルキル、オキシアルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、アリール、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、またはハロゲンであり、nが2から6であり、XがO、NH、またはSである化合物、あるいは医薬として許容されるその塩である。一実施形態では、R1、R2、およびR3はHであり、XはOであり、nは5である。 他の実施形態では、上記の特許は以下の式を有する化合物を述べており、 ここではAおよびBが各々独立的にH、低級アルキル、オキシアルキル、ニトロ、アミノ、アミノアルキル、ハロ、ヒドロキシ、カルボキシ、および次式の化合物からなる群から選択され、 AおよびBのうちの少なくとも一方がそのような化合物であることを前提としてR1およびR2が各々独立的にH、低級アルキル、オキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、およびアルキルアミノアルキルからなる群から選択されるか、または同じアミジン基の2つのR1基が一緒に-(CH2)m-を表してmが2、3、または4であり、R3がH、低級アルキル、オキシアルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、アリール、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、またはハロゲンであり、Xが直鎖もしくは分枝で飽和もしくは最大4つまで二重結合を有する不飽和のC1〜C12のアルキルであるか、またはXが下記からなる群から選択される複素環式芳香族であり、 ここではR6、R7、およびR8が各々独立的にH、低級アルキル、ハロゲン、オキシアルキル、オキシアリール、またはオキシアリールアルキルからなる群から選択され、R9が水素、低級アルキル、ヒドロキシ、アミノアルキル、またはアルキルアミノアルキルである化合物、あるいは医薬として許容されるその塩である。 他の実施形態では、上記の特許は以下の式を有する化合物を述べており、 ここではAおよびBが各々独立的にH、低級アルキル、オキシアルキル、ニトロ、アミノ、アミノアルキル、ハロ、ヒドロキシ、カルボキシ、および次式の置換基からなる群から選択され、 AおよびBのうちの少なくとも一方がそのような置換基であることを前提としてR1およびR2が各々独立的にH、低級アルキル、オキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、およびアルキルアミノアルキルからなる群から選択されるか、または同じアミジン基の2つのR1基が一緒に-(CH2)m-を表してmが2、3、または4であり、R3がH、低級アルキル、オキシアルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、アリール、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、またはハロゲンであり、または同じアミジン基の2つのR1基が一緒に下記を表し、 ここではR5が下記であり、 nが0から2の整数であり、Aが下記の群からなる群から選択される複素環式芳香族であり、 ここではR6、R7、およびR8が各々独立的にH、低級アルキル、ハロゲン、オキシアルキル、オキシアリール、またはオキシアリールアルキルからなる群から選択され、R9が水素、低級アルキル、ヒドロキシ、アミノアルキル、またはアルキルアミノアルキルである化合物、および医薬として許容されるその塩である。 他の実施形態では、上記の特許は以下の式を有する化合物を述べており、 ここではAおよびBが各々独立的にH、低級アルキル、オキシアルキル、ニトロ、アミノ、アミノアルキル、ハロ、ヒドロキシ、カルボキシ、および次式の置換基からなる群から選択され、 AおよびBのうちの少なくとも一方がそのような置換基であることを前提としてR1およびR2が各々独立的にH、低級アルキル、オキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、およびアルキルアミノアルキルからなる群から選択されるか、または同じアミジン基の2つのR1基が一緒に-(CH2)m-を表してmが2、3、または4であり、R3がH、低級アルキル、オキシアルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、アリール、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、またはハロゲンであり、または同じアミジン基の2つのR1基が一緒に下記を表し、 ここでR5が下記である化合物、 および医薬として許容されるその塩である。 他の実施形態では、上記の特許は以下の式を有する化合物を述べており、 ここではAおよびBが各々独立的にH、低級アルキル、オキシアルキル、ニトロ、アミノ、アミノアルキル、ハロ、ヒドロキシ、カルボキシ、および次式の置換基からなる群から選択され、 AおよびBのうちの少なくとも一方がそのような置換基であることを前提としてR1およびR2が各々独立的にH、低級アルキル、アリール、アルキルアリール、アミノアルキル、アミノアリール、ハロゲン、オキシアルキル、オキシアリール、またはオキシアリールアルキルからなる群から選択され、R3およびR4が各々独立的にH、低級アルキル、オキシアルキル、アルキルアリール、アリール、オキシアリール、アミノアルキル、アミノアリール、またはハロゲンからなる群から選択され、各々のR5が独立的にH、低級アルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、シクロアルキル、アリール、またはアルキルアリールからなる群から選択されるか、または2つのR5基が一緒にC2〜C10アルキル、ヒドロキシアルキル、またはアルキレンを表し、R6がH、ヒドロキシ、低級アルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、シクロアルキル、ヒドロキシシクロアルキル、アルコキシシクロアルキル、アリール、またはアルキルアリールである化合物、あるいは医薬として許容されるその塩である。 他の実施形態では、上記の特許は以下の式を有する化合物を述べており、 ここではAおよびBが各々独立的にH、低級アルキル、オキシアルキル、ニトロ、アミノ、アミノアルキル、ハロ、ヒドロキシ、カルボキシ、および次式の置換基からなる群から選択され、 AおよびBのうちの少なくとも一方がそのような置換基であることを前提としてR1およびR2が各々独立的にH、低級アルキル、オキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、およびアルキルアミノアルキルからなる群から選択されるか、または同じアミジン基の2つのR1基が一緒に-(CH2)m-を表してmが2、3、または4であり、R3がH、低級アルキル、オキシアルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、アリール、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、またはハロゲンであり、または同じアミジン基の2つのR1基が一緒に下記を表し、 ここでR5が下記であり、 XがO、S、またはNHであり、nが1から8の整数である化合物、および医薬として許容されるその塩である。 米国特許第6,613,787号 上記の特許は以下の式を有する化合物を述べており、 ここではXがO、S、およびNHからなる群から選択され、YがCHまたはNであり、AがCHまたはNであり、BがNH、O、またはSからなる群から選択され、R1がH、低級アルキル、ハロゲン、オキシアルキル、オキシアリール、およびオキシアリールアルキルからなる群から選択され、R2およびR9が各々独立的にH、H2、ヒドロキシ、低級アルキル、シクロアルキル、アリール、アルキルアリール、アルコキシアルキル、ヒドロキシシクロアルキル、アルコキシシクロアルコキシ、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、およびアルキルアミノアルキルからなる群から選択され、R3、R4、R13、およびR14が各々独立的にH、低級アルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、アルキルアリール、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、およびアルキルアミノアルキルからなる群から選択されるか、またはR3とR4が一緒に、もしくはR13とR14が一緒になってC2〜C10アルキル、ヒドロキシアルキル、もしくはアルキレンを表すか、またはR3とR4が一緒に、もしくはR13とR14が一緒になって下記となり、 ここではnが1から3の数であり、R10がHまたは-CONHR11NR15R16であってR11が低級アルキルであり、R15およびR16が各々独立的にHおよび低級アルキルからなる群から選択され、Lが下記の群からなる群から選択され、 ここではR5、R6、R7、およびR8が各々個別にH、アルキル、ハロ、アリール、アリールアルキル、アミノアルキル、アミノアリール、オキソアルキル、オキソアリール、およびオキソアリールアルキルからなる群から選択され、式Iの化合物が副溝にある混合配列DNAにダイマーの形式で結合する。 好ましい実施形態では、上述された化合物はジカチオンであって、Lが下記であり、 AがNであり、BがNHであり、XがOであり、YがCHであり、R1、R2、R4、R5、R6、R7、R8、R9、およびR14が各々Hであり、R3およびR13が各々H2である。 上述された化合物を合成する方法が米国特許第6,613,787号に述べられている。 米国特許第4,619,942号 上記の特許は以下の化合物を述べている。 上記の特許は以下の化合物を述べており、 ここではR=HまたはC(NH)NH2であり、X=アルケン-1,ω-ジイル、または2-ヒドロキシブタン-1,4-ジイルである。 他の実施形態では、上記の特許は以下の化合物を述べており、 ここではn=1または2である。 他の実施形態では、上記の特許は以下の化合物を述べており、 ここではX=CHまたはNであり、X1=O、NH、NMe、またはNCH2C6H4C(NH)NH2-4である。 上述された化合物を合成する方法が米国特許第4,324,794号に述べられている。 米国特許第6,699,862号 上記の特許は以下の式を有する化合物を述べており、 ここではR1=Hまたはアルキルであり、R3、R4、R5、R8、R9、およびR10=Hまたはアルキルであり、場合によってはR3、R4、およびR8、R9がイミダゾリニル基を形成し、R14=H、NHCO(CH2)mR20、(CH2)mR20、CHMeR20、(CH2)m(C6H3)R17、(CH2)m(C6H3)R20、(CH2)m(ヘテロシクリル)R17、(CH2)m(ヘテロシクリル)R20、CH2CH:CHR20、(CH2)m CONHCHR20R21、(CH2)m CONHCH2CONHCHR20R21であり、R17=H、ハロ、アルキル、CF3、CN、NO2、N(R1)2、OH、アルキルアルコキシであり、R20=CO2R1、CH(OH)CH2、2、であり、21、アルキル、2n22、221、2であり、22、2、1、1、、2、2m1、21、チエニル、テトラヒドロピラニル、2、2、22、21であり、〜であり、〜である。 上述された化合物を合成する方法が米国特許第号に述べられている。 米国特許第号 上記の特許は以下の式を有する化合物を開示している。 米国特許第6,106,866号 上記の特許は以下の式の化合物を述べている。 米国特許第5,597,573号 上記の特許は以下の式を有する化合物を述べており、 ここではR1〜R6=(未)置換アルキル、アルケン、またはアルキンであり、E=OまたはNHである。 他の米国特許もやはり本発明に有用な化合物を開示しているが、そのうちのいくつかが上記で対応される。それらの特許は米国特許第6,503,940号、第6,486,200号、第6,025,398号、第6,008,247号、第5,843,980号、第6,214,883号、第5,668,166号、第5,627,184号、第5,622,955号、第5,606,058号、第5,521,189号、第5,428,051号、第5,202,320号、第4,963,589号、第4,397,863号、第4,324,794号、第6,204,279号、および第6,245,746号を含む。 他の実施形態では、本願明細書に述べられるような使用のための化合物は以下の公開国際PCT出願、公開外国特許出願、および発表論文記述されたものとして以下で述べられる化合物を含む。 PCT国際出願番号WO2004/006849A2 上記のPCT出願は以下の式を有する化合物を述べている。 上記の論文は以下の式を有する化合物を記述している。 PCT国際出願番号WO2001/021585A2 上記のPCT出願は以下の式を有する化合物を述べている。 PCT国際出願番号WO2000/010990A2 上記のPCT出願は以下の式を有する化合物を開示しており、 ここでは各々のRが独立的にH、アルキル、アルコキシ、C(NR5)NR5R6であり、R1〜R4=H、ハロ、アルキル、アルコキシなどであり、R5=H、アルキル、アルコキシ、アリールなどであり、R5=アルキレンなどであり、R6=H、OH、アルキル、アルコキシなどであり、Z=OまたはSである。 一実施形態では、この化合物は以下の式を有する。 上記の論文は以下の式を有する化合物を開示している。 上記の論文は以下の構造を有する化合物を開示している。 上記の論文は以下の構造を有する化合物を開示している。 上記の論文は以下の式を有する化合物を開示しており、 ここではX=X1=N、X=NかつX1=CH、X=X1=CHまたはX=CNH2かつX1=Nである。いくつかの実施形態では、この化合物は下記の式のうちの1つを有する。 上記の特許は以下の式を有する化合物を開示しており、 ここではR1およびR2が別々にH、(未)置換アルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、アルコキシ、アルカノイル、およびアロイルからなる群から選択され、またはNR1R2が(未)置換ヘテロシクリルであってもよく、R3が(未)置換アルキル、シクロアルキル、NH2からなる群から選択され、X=SO、NOR4であってR4=H、アルキル、シクロアルキルなどであり、Z1〜Z4=CH、CR、Nであり、R=H、ハロ、アルキル、アルコキシなどである。 上記の特許はまた、以下の式を有する化合物を記述しており、 ここではR6がシアノ、C(S)NH2、およびC(SO)NH2からなる群から選択される。 いくつかの実施形態では、上記の特許は以下の式を有する化合物を記述している。 上述された化合物を合成するための方法がフランス特許第2601010A1に述べられている。(参考文献7) 上記の論文は以下の式を有する化合物を記述しており、 ここではRがHまたはシアノである。 他の実施形態では、上記の論文は以下の式を有する化合物を記述しており、 ここではR1=HおよびZ=O、S、もしくはNOHであるか、またはR1=CONH2およびZ=Oであるか、またはR1=CSNH2およびZ=Sであるか、またはR1=C(NOH)NH2およびZ=NOHである。 いくつかの実施形態では、上記の論文は以下の構造を有する化合物を開示している。 上述された化合物を合成するための方法が上記の論文に述べられている。(参考文献8) 上記の論文は以下の式を有する化合物を開示している。 上記の論文は以下の式を有する化合物を開示している。 上記の論文は以下の式を有する化合物を開示している。 上記の論文は以下の式を有する化合物を開示しており、 ここではnが2から6である。 他の実施形態では、上記の論文は以下の式を有する化合物を開示しており、 ここではnが3から6である。 他の実施形態では、上記の論文は以下の式を有する化合物を開示しており、 ここではnが2から5であり、nが2、4、または5であるときにXがNO2であることが可能であり、nが2、3、または4であるときにXがNH2であることが可能であり、nが3、4、または5であるときにXがOCH3であることが可能であり、nが4または5であるときにXがClであることが可能であり、nが5であるときにXがBrであることが可能である。 他の実施形態では、上記の論文は以下の式を有する化合物を開示しており、 ここではnが3から6である。 他の実施形態では、上記の論文は以下の式を有する化合物を開示しており、 ここではnが2から6であり、nが2、4、5または6であるときにXがNH2であり、nが3または5であるときにXINO2である。 他の実施形態では、上記の論文は以下の式を有する化合物を開示しており、 ここではnが3から5であり、XがHまたはOCH3であり、YがHである。 PCT国際出願番号WO01/30757 上記のPCT出願は以下の式を有する排出ポンプ阻害剤を開示しており、 ここではR1およびR2が独立して各々ハロゲン、ハロゲノ、カルボキシなどを表し、J1が5または6員のヘテロアリールを表し、W1が-CH=CH-、-CH≡CH-、-CH2CH2-などを表し、A1がフェニレン、ピリジンジイル、フランジイルなどを表し、G1が酸素、カルボニル、エチニルなどを表し、pが0から3の整数であり、G2がフェニレン、フランジイル、テトラヒドロフランジイルなどを表し、G3が-CH2-または単結合を表し、mおよびnが0または1の整数を各々表し、Q1が酸性基を表す。 PCT国際出願番号WO02/087589 上記のPCT出願は以下の式を有する排出ポンプ阻害剤を記述しており、 ここではR1およびR2が各々水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基などを表し、W1が-CH=CH-、-CH2O-、-CH2CH2−などを表し、R3が水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、またはアミノ基を表し、R4が水素、一群の-OZ0-4R5(ここでZ0-4はアルキレン基またはフッ素置換されたアルキレン基または単結合を表し、R5は環式アルキル基、アリル基などを表す)などを表し、W2が単結合または-C(R8)=C(R9)-(ここでR8およびR9は水素、ハロゲン原子、低級アルキル基などを各々表す)を表し、Qが酸性基を表す(ただし前提条件としてW2およびQが一緒にビニリデンチアゾリジンジオンの複素環もしくはその同等物を形成することが可能であり、mおよびnが0から2の整数を表し、qが0から3の整数を表す)。(参考文献9) 上記の論文は以下の構造を有する化合物を開示している。 上記の論文は以下の構造を有する化合物を開示している。 上記の論文は以下の構造を有する化合物を開示している。 上記の論文は以下の構造を有する化合物を開示している。 上記の論文は以下の構造を有する化合物を開示している。 上記の論文は以下の構造を有する化合物を開示している。 上記の論文は以下の式を有する化合物を記述しており、 ここではX=NH、O、S、SO2、またはCH2であり、Y=CH、CNH2、Nなどであり、R1およびR2が別々にアミジノ、イミダゾリノなどであり、Z=CH:CH、PhO、CONH、NHなどであり、n=0または1である。 他の実施形態では、上記の論文は以下の式を有する化合物を記述しており、 ここではR1およびR2がアミジノまたはイミダゾリノであり、Z=CH:CH、NHN:Nなどである。 他の実施形態では、上記の論文は以下の式を有する化合物を記述しており、 ここではX=O、SまたはNHであり、Y=CH、CMe、またはNであり、R1およびR2=アミジノまたはイミダゾリノである。 他の実施形態では、上記の論文は以下の式を有する化合物を記述しており、 ここではX=NHであり、Y=CHであり、Z=CH:CHであり、R1およびR2=イミダゾリノであり、n=0または1である。(参考文献10) 上記の論文は以下の式を有する化合物を開示しており、 ここではR=NO2またはHCONHである。 他の実施形態では、上記の論文は以下の式を有する化合物を開示しており、 ここではR1=NO2、H2NC(:NH)NHCH2CONHである。(参考文献11) 上記の論文は以下の式を有する化合物を開示している。 他の実施形態では、上記の論文は以下の式を有する化合物を開示しており、 ここではRがC(:NH)NH2またはCNであり、XがCH2、CH2CH2、またはCHMeCH2である。 上記に開示された化合物を合成するための方法が上記の論文に述べられている。(参考文献12) 上記の論文は以下の式を有する化合物を記述しており、 ここではX=O、Sであり、R=Me2CHであり、R1=HまたはRR1=CH2CH2である。 他の実施形態では、上記の論文は以下の式を有する化合物を記述しており、 ここではX=O、Sであり、R=Me2CHであり、R1=HまたはRR1=CH2CH2である。 他の実施形態では、上記の論文は以下の式を有する化合物を記述しており、 ここではX=OまたはSである。 他の実施形態では、上記の論文は以下の式を有する化合物を記述しており、 ここではX=OまたはSである。 他の実施形態では、上記の論文は以下の式を有する化合物を記述しており、 ここではX=OまたはSである。 上記に開示された化合物を合成するための方法が上記の論文に述べられている。(参考文献13) 上記の論文は以下の式を有する化合物を開示している。 上記のPCT出願は以下の式を有する化合物を記述しており、 ここではA=O、S、またはNRであり、R=C1-8アルキルであり、D=O、S、またはNR7であり、W=N、CH、またはCR8であり、R1およびR3は独立的にH、(未)置換で直鎖もしくは分枝、環式もしくは非環式の飽和もしくは不飽和のC1-14アルキルであり、R2=Q(X3)-NR5-W2-R6であり、W2=CO、SO2、CONH、S(O)、または単結合であり、Q=(未)置換(CH2)z、(CH2)m-Q1-(CH2)lであってz=1〜12であり、z>1であるときに1つまたは複数のCH2基がO、S、または置換Nで置き換えられることが可能であり、lおよびmが独立的に0〜5であり、Q1がC3-12の(未)飽和の炭素環または複素環であり、X3=H、C1-8アルキル、アリール、C1-8アルコキシ、OH、CF3などであり、R4=NR9R10、またはNR11-C(:A1)-NR9R10であり、A1=O、S、NH、またはR12であり、R12=H、C1〜8アルキルまたはアリールであり、R5〜R9、R11、およびR12が独立的にいずれかの群のR1、アリール、またはヘテロアリールであり、R10=H、直鎖もしくは分枝、環式もしくは非環式の飽和もしくは不飽和のC1-12アルキル、(未)飽和アリール、アルコキシアルキル、2-もしくは3-テトラヒドロフルフリル、(CH2)2-12-OH、アミドアルキルであり、NR9R10=3〜10員環である化合物、それらの純粋もしくは部分的に分離された立体異性体またはラセミ混合物、およびそれらの遊離の塩基または医薬として許容される誘導体である。(参考文献14) 上記の論文は以下の式の化合物を記述している。 上記の論文は以下の式を有する化合物を記述しており、 ここでR=C(:NH)NH2または2-イミダゾリン-2-イルであり、R1=HまたはOMeである。(参考文献15) 上記の論文は以下の式を有する化合物を記述している。 上記の論文は以下の式を有する化合物を記述しており、 ここではR=NH2である。やはり開示されているのは以下の式を有する化合物である。 上記の論文は以下の式を有する化合物を記述しており、 ここではX=(CH2)nまたはフェニレンであり、n=1〜6である。 他の実施形態では、上記の論文は以下の式を有する化合物を記述しており、 ここではn=3〜6である。 上記の欧州特許出願は以下の式を有する化合物を記述しており、 ここではX1〜X3のうちの1つおよびX4〜X6のうちの1つがCHであり、その他がCHまたはNであり、Y=O、S、またはNR5であり、Z=O、S、またはNR6であり、R1およびR3がH、アルキル、アリールなどであり、R2およびR4〜R6がHまたはアルキルである。場合によってはNR1R2およびNR3R4がヘテロシクリルである。 インド特許出願番号157285A 上記のインド特許出願は以下の式を有する化合物を記述しており、 ここではXおよびX1がアルキル、アルコキシ、ハロ、CF3、SO3H、SO2Meなどであり、YおよびY1がハロ、アルキルなどであり、R1=Hまたは(未)置換アルキルであり、R2およびR3がH、(未)置換アルキル、または置換アシルである。場合によってはNR2R3がヘテロシクリルを形成してもよく、R1R2が(未)置換のN含有ヘテロシクリルを形成してもよい。 インド特許出願番号155439A 上記のインド特許出願は以下の式を有する化合物を記述しており、 ここではR1=Hまたはアルキルであり、R2およびR3=Hまたはアルキルである。場合によってはR2R3Nが複素環を形成してもよい。 他の実施形態では、上記の特許出願は以下の式を有する化合物を記述している。 上記のドイツ特許出願は以下の式を有する化合物を記述しており、 ここではR1=Hまたは(未)置換C1-5アルキルであり、R2およびR3がH、(未)置換C1-5アルキル、またはC1-5アルカノイルであり、場合によってはR2R3N=ヘテロシクリルであり、場合によってはR1CNR2=ヘテロシクリルであり、場合によってはR3=R2またはC2-5カルバルコキシであり、R4およびR5=C1-5アルキル、アルコキシ、ハロ、またはSO2Meであり、R6およびR7=Hまたはハロである。 インド特許出願番号153442 上記のインド特許出願は以下の式を有する化合物を記述しており、 ここではR=H、ハロ、アルコキシ、NH2、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、または場合によってO、S、もしくはNを含むNヘテロシクリルであり、R1=H、アルキル、アルコキシ、ハロ、NO2、またはNH2であり、R2=H、(未)置換アルキルであり、R3およびR4=Hまたはアルキルであり、場合によってはC(R2)R3N=ヘテロシクリルであり、場合によってはNR3R4=ヘテロシクリルである。 上記の化合物を合成するための方法がインド特許出願番号153442に述べられている。 ドイツ特許出願番号DE3305329A1 上記のドイツ特許出願は以下の式を有する化合物を記述しており、 ここではR=Hであり、R2=OC(O)であり、R1=H、アルキル、アルコキシ、ハロ、NO2、またはアミノであり、R2=Hまたは(未)置換アルキルであり、R3およびR4がアルキルであり、場合によってはR3R4N=ヘテロシクリルであり、X=O、N、NHであり、X1=O、H、ハロ、アルコキシ、アミノ、ヘテロシクリルであり、点線が場合によっては存在する二重結合を表す。(参考文献16) 上記の論文は以下の式の化合物を記述している。 上記の論文は以下の式の化合物を記述している。 上記の論文は以下の式を有する化合物を記述している。 上記の論文は以下の式を有する化合物を開示している。 上記のPCT出願は以下の式を有する化合物を記述しており、 ここでは各々のRが独立的にH、アルキル、アルコキシ、またはC(:NR5)NR5R6であり、R1〜R4=H、ハロ、アルキル、アルコキシなどであり、R5=H、アルキル、アルコキシ、アリールなどであり、場合によっては、R5R5=アルキレンなどであり、R6=H、OH、アルキル、アルコキシなどであり、Z=OまたはSである。(参考文献17) 上記の論文は以下の式の化合物を記述している。 上記の論文は以下の式を有する化合物を記述している。 上記のPCT出願は以下の式を有する化合物を記述しており、 ここではR=ハロ、アルキル、アルコキシ、アリール、またはC(:NR2)NR2R3であり、R1=ハロ、アルキル、アリールなどであり、R2=H、アルキル、アリールなどであり、R3=H、OH、アルキル、アリールなどである。(参考文献18) 上記の論文は以下の式を有する化合物を記述している。 上記の論文は以下の式を有する化合物を記述している。 上記の論文は以下の式を有する化合物を記述しており、 ここではZ1=SまたはOであり、Z2=Oであるかまたは存在しない。(参考文献19) 上記の論文は以下の式を有する化合物を記述しており、 ここではX=NH、O、S、SO2、またはCH2であり、Y=CH、CNH2、Nなどであり、R1およびR2=アミジノ、イミダゾリノなどであり、Z=CH:CH、PhO、CONH、NHなどであり、n=0または1である。 他の実施形態では、上記の論文は以下の式を有する化合物を記述しており、 ここではR1およびR2=アミジノまたはイミダゾリノであり、Z=CH:CH、NHN:Nなどである。 他の実施形態では、上記の論文は以下の式を有する化合物を記述しており、 ここではX=O、SまたはNHであり、Y=CH、CMe、Nであり、R1およびR2=アミジノまたはイミダゾリノである。 他の実施形態では、上記の論文は以下の式を有する化合物を記述しており、 ここではX=NHであり、Y=CHであり、Z=CH:CHであり、R1およびR2=イミダゾリノであり、n=0または1である。(参考文献20) 上記の論文は以下の式を有する化合物を記述しており、 ここではX=Oであるかまたは存在せず、R=R1=アミジノであり、場合によってはX=O、R=アミジノ、CONH(CH2)nC(:NH)NH2、R1=H、およびn=2または3である。(参考文献21) 上記の論文は以下の式を有する化合物を記述しており、 ここでは、R1およびR2=C(:NH)NH2、イミダゾリノなどであり、X、X1、およびX2=NH、O、Sなどであり、Y=CH、CNH2、CMe、またはNであり、Z=CH:CH、NHN:N、C6H4O、NHCOC6H4CONHなどである。(参考文献22) 上記の論文は以下の式を有する化合物を記述している。 上記の論文は以下の式を有する化合物を記述しており、 ここではRがH、Pr、i-Pr、c-Pr、c-ペンチル、およびi-アミルからなる群から選択される。(参考文献23) 上記の論文は以下の式を有する化合物を記述している。 本願明細書に開示されるような使用に適しているペンタミジン類似体を記述した他の出版物は以下の参考文献を含む。(参考文献24) 微生物種 本願明細書に述べられるような排出ポンプ阻害剤の使用を通じて阻害される微生物種は多数の細菌の属または種から由来し得る。非限定的な範例は表3のうちの1種または複数種である。 本願明細書に開示される排出ポンプ阻害剤の使用のために適した微生物の特に適切な範例は病原性細菌種の緑膿菌であって、これは一般的に使用される抗細菌薬剤の多くに対して内在的に耐性である。この細菌を排出ポンプ阻害剤に曝露することは細胞の内部からの抗細菌薬剤の運び出し、またはヘモジデリン貪食細胞の運び出しを大幅に遅くすることが可能である。したがって、排出ポンプ阻害剤と併用して抗細菌薬剤が投与されれば、そうでない場合に運び出し処理によって極めて低い細胞内濃度に維持されるであろう抗細菌薬剤は細菌細胞の生育を阻止するであろう濃度に蓄積することが可能である。この生育阻止は静菌性または殺菌性の活性に起因する可能性が高く、使用される特異的抗細菌薬剤によって決まる。緑膿菌は適した細菌の範例であるが、様々な抗微生物薬を活発に運び出す同様の広範な基質ポンプを他の細菌および微生物が有する可能性が高く、したがってやはり適切な標的となり得る。 抗微生物薬 特定の実施形態では本願明細書に述べられる排出ポンプ阻害剤と併用して様々な抗細菌薬剤が使用されることが可能である。これらはキノロン、テトラサイクリン、グリコペプチド、アミノグリコシド、ベータラクタム、リファマイシン、マクロライド/ケトライド、オキサゾリジノン、クメルマイシン、クロラムフェニコール、およびグリシルサイクリンを含む。特定の実施形態では上記の部類の抗生物質は、例えば、以下のうちの1つである。 ベータラクタム系抗生物質 イミペネム、メロペネム、ビアペネム、セファクロール、セファドロキシル、セフマンドール、セファトリジン、セファゼドン、セファゾリン、セフィキシム、セフメノキシム、セフォジジム、セフォニシド、セフォペラゾン、セフォラニド、セフォタキシム、セフォチアム、セフピミゾール、セフピラミド、セフポドキシム、セフスロジン、セフタジジム、セフテラム、セフテゾール、セフチブテン、セフチゾキシム、セフトリアキソン、セフロキシム、セフゾナム、セファアセトリル、セファレキシン、セファログリシン、セファロリジン、セファロシン、セファピリン、セファラジン、セフメタゾール、セフォキシチン、セフォテタン、アズスレオナム、カルモナム、フロモキセフ、モキサラクタム、アミジノシリン、アモキシシリン、アンピシリン、アズロシリン、カルベニシリン、ベンジルペニシリン、カルフェシリン、クロキサシリン、ジクロキサシリン、メチシリン、メズロシリン、ナフシリン、オキサシリン、ペニシリン G、ピペラシリン、スルベニシリン、テモシリン、チカルシリン、セフジトレン、SC004,KY-020,セフジニール、セフチブテン、FK-312,S-1090,CP-0467,BK-218,FK-037,DQ-2556,FK-518,セフォゾプラン、ME1228,KP-736,CP-6232,Ro 09-1227,OPC-20000,LY206763 マクロライド系 アジスロマイシン、クラリスロマイシン、エリスロマイシン、オレアンドマイシン、ロキタマイシン、ロザラマイシン、ロキシスロマイシン、トロレアンドマイシン ケトライド系 テリスロマイシン、セスロマイシン キノロン系 アミフロキサシン、シノキサシン、シプロフロキサシン、エノキサシン、フレロキサシン、フルメキン、ロメフロキサシン、ナリジクス酸、ノルフロキサシン、オフロキサシン、レボフロキサシン、ロメフロキサシン、オキソリン酸、ペフロキサシン、ロソキサシン、テマフロキサシン、トスフロキサシン、スパルフロキサシン、クリナフロキサシン、ガチフロキサシン、モキシフロキサシン、ジェミフロキサシン、ガレノキサシン;PD131628,PD138312,PD140248,Q-35,AM-1155,NM394,T-3761,ルフロキサシン、OPC-17116,シタフロキサシン(Sato,K.et al.,1992,Antimicrob.Agents Chemother.37:1491-98),DV-7751a(Tanaka,M.et al.,1992,Antimicrob.Agents Chemother.37:2212-18),and(Kurosaka et al.,Interscience Conference on Antimicrobial Agents and Chemotherapy,2003,43rd:Chicago(F-1061)). テトラサイクリン系、グリシルサイクリン系、オキサゾリジノン系 クロルテトラサイクリン、デメクロサイクリン、ドキシサイクリン、ライムサイクリン、メタサイクリン、ミノサイクリン、オキシテトラサイクリン、テトラサイクリン、チゲサイクリン、リネゾリド、エペロゾリド アミノグリコシド系 アミカシン、アルベカシン、ブチロシン、ジベカシン、フォルチミシン類、ゲンタマイシン、カナマイシン、メオマイシン、ネチルミシン、リボスタマイシン、シソミシン、スペクチノマイシン、ストレプトマイシン、トブラマイシン リンコサマイド系 クリンダマイシン、リンコマイシン 治療または病気予防の方法 ニューモシスチス、トリパノソーマおよびリーシュマニアといった様々な原生動物病原体の生育を阻害することが知られているペンタミジンが細菌または他の微生物の細胞内排出ポンプを阻害することもやはり可能であることは見出されている。そのような排出ポンプはエネルギー依存性の方式で原形質から基質分子を運び出し、運び出される基質分子は抗細菌薬剤を含むこともあり得る。そのような排出ポンプ阻害剤は、例えば、同時投与される拘禁薬剤の運び出しを低下させることによって、または微生物(例えば細菌)によって合成されることでそれらの生育を可能にするかまたは向上させる化合物の運び出しを阻止することによって微生物感染を治療することに有用である。排出ポンプの内因性の基質は未だ同定されていないが、細菌の病原性に関して排出ポンプが重要であり得るいくつかの兆候がある。したがって、やはり本願明細書に開示されるものは、そのような排出ポンプ阻害剤を含む組成およびそれらの組成を使用して微生物感染を治療するための方法である。 いくつかの実施形態では、動物の微生物感染(特に哺乳類に含まれる感染)を、抗微生物薬およびこの抗微生物薬に関する微生物の感受性を上げる排出ポンプ阻害剤でそのような感染を患っている動物を処置することによって治療する方法が提供される。そのような排出ポンプ阻害剤はペンタミジンまたは本願明細書に総称的もしくは特定的に述べられるペンタミジン類似化合物のいずれかから選択されることが可能である。この方式で、感染に含まれる微生物はさらに少量の抗微生物薬を使用して処理されることが可能になり、または排出ポンプ阻害剤の不在下で使用されると治療効果が無い抗微生物薬で処理されることが可能となる。したがって、この治療の方法は、高い服用レベルを必要とする(これは望ましくない副作用を引き起こしかねない)せいで、またはいずれの臨床効果のある抗微生物薬も欠如しているせいで抗微生物薬を単独使用して処理することが困難である微生物種を含む感染の治療にとって特に適している。しかしながら、特定の抗微生物薬に敏感である微生物を含む感染を、それらの特定の薬剤の服用量を削減できるように治療することにもやはり適している。これは副作用の危険性を減少させることができる。特定の抗微生物薬に敏感である微生物を含む感染を、耐性微生物の選別の頻度を削減できるように治療することにもやはり適している。特定の実施形態では、この微生物は細菌であって、例えば上記に示された属または種のいずれかから由来してもよい。 いくつかの実施形態では、哺乳動物の病気予防処置のための方法が提供される。この方法では、抗微生物薬および排出ポンプ阻害剤は微生物感染、例えば細菌感染の危険性のある哺乳動物に投与される。この排出ポンプ阻害剤はペンタミジンまたは本願明細書に総称的もしくは特定的に述べられるペンタミジン類似化合物のいずれかから選択されることが可能である。 いくつかの実施形態では、微生物に対抗する抗微生物薬の抗菌活性を増強するための方法が提供され、そこではそのような微生物は排出ポンプ阻害剤、および抗細菌薬剤と接触させられる。この排出ポンプ阻害剤はペンタミジンまたは本願明細書に総称的もしくは特定的に述べられるペンタミジン類似化合物のいずれかから選択されることが可能である。一実施形態ではこの排出ポンプ阻害剤はペンタミジンである。したがって、この方法は細胞が抗微生物薬と排出ポンプ阻害剤の組合せで処理されるとき、排出ポンプを発現する細胞に対して抗微生物薬をさらに効果的にする。特定の実施形態ではこの微生物は上記に示されたそれらのいずれかのような細菌または真菌であり、抗細菌薬剤は例えばベータラクタム、グリコペプチド、アミノグリコシド、キノロン、オキサゾリジノン、テトラサイクリン、リファマイシン、クメルマイシン、マクロライド、およびクロラムフェニコールを含むいくつかの抗生物質の構造分類から選択されることが可能である。特定の実施形態では上記の分類の抗生物質は上記に述べられたようなものであってもよい。 他の実施形態では、多剤耐性排出ポンプを発現する微生物、例えば細菌の生育を抑制するための方法が提供される。微生物が細菌であるケースで具体的に示されたように、この方法は細菌のMIC未満の抗細菌薬剤濃度の存在下で細菌を排出ポンプ阻害剤と接触させる工程を含む。この排出ポンプ阻害剤はペンタミジンまたは本願明細書に総称的もしくは特定的に述べられるペンタミジン類似化合物のいずれかから選択されることが可能である。この方法は、例えば、排出ポンプを有する細菌による細胞培養物の雑菌混入を阻止もしくは救済することに有用である。しかしながら、これはそのような生育抑制が望ましいどのようなケースにも当てはまる。 いくつかの実施形態では、本願明細書に総称的もしくは特定的に述べられる化合物のいずれかが排出ポンプ阻害剤単独、または他の治療用薬剤との組合せのどちらかで投与されることが可能である。いくつかの実施形態では、本願明細書に総称的もしくは特定的に述べられる化合物のいずれかが、本願明細書に特定的もしくは総称的に述べられる抗微生物薬のいずれか、ならびに処理される微生物種に対して有用な他の抗微生物薬のいずれかと組み合わせて、排出ポンプ阻害剤として投与されてもよく、そのとき、そのような微生物が排出ポンプ耐性メカニズムを利用することはない。いくつかの実施形態では、抗微生物薬はその通常の推奨服用量で投与される。他の実施形態では、抗微生物薬は医師によって判定される通りに削減された服用量で投与される。市場にある従来の抗菌剤のすべて、および臨床開発中の多くについて、服用量範囲および好ましい投与経路は十分に確立されており、それら服用量と経路は本発明の排出ポンプ阻害剤と組み合わせて使用されることが可能である。排出ポンプ阻害剤と組み合わされるときの増大した抗菌剤の効能に起因して、抗菌剤の減少した服用量が予期される。 いくつかの実施形態では、本願明細書に開示される化合物は例えばエーロゾルの吸入を通じて肺の感染部位に投与される。いくつかの実施形態では、この肺の感染はシュードモナス感染である。様々な実施形態で、本願明細書に開示される化合物の1回または複数回の投与は少なくとも約5mg、10mg、15mg、40mg、60mg、80mg、または100mgの供給毎日服用量を達成するように提供される。 いくつかの実施形態では、本願明細書に開示される化合物は抗微生物薬と共に投与される。2つの薬剤は予め決められた比で投与されてもよい。例えば、薬剤が1:1の比、1:2の比、2:1の比などで投与されることが可能である。薬剤は別々、一緒、同時、または順々に投与されることが可能である。薬剤は組み合わせて固定された服用形式、または別々の服用形式で投与されることが可能である。 いくつかの実施形態では、対象は抗微生物薬に耐性である細菌に感染していると識別される。この対象はその後、本願明細書に開示される化合物と組み合わせた抗微生物薬で治療される。対象は、抗菌剤に対する感染の無効応答の観察に基づいて耐性である細菌に感染していると識別されることもあり得る。場合によっては、当該技術で知られている適切な微生物学的技術によって細菌が培養され、知られている耐性菌株であると識別されることもあり得る。 いくつかの実施形態では、対象は抗菌剤への耐性を進化させることができる細菌に感染している対象であると識別される。この対象はその後、本願明細書に開示される化合物と組み合わせた抗微生物薬で治療されることが可能である。対象は、耐性菌株を有すると知られている細菌種または耐性菌株を有すると知られている属の一員である細菌による細菌感染に特徴的である症状を有する対象と診断することによって、耐性を進化させることができる細菌に感染していると識別されることもあり得る。場合によっては、細菌が培養され、耐性菌株を有すると知られている種または耐性菌株を有すると知られている属の一員である細菌と識別されることもあり得る。 いくつかの実施形態では、排出ポンプで媒介される耐性の細菌内での発現に打ち勝つかまたはこれを抑制するために十分なレベルで排出ポンプ阻害剤が投与される。いくつかの実施形態では、このレベルが感染の部位で有効排出ポンプ阻害濃度を作り出す。他の実施形態では、このレベルが細菌内のすべての排出ポンプを停止させることに相当する効果を作り出す。 いくつかの実施形態では、対象は細菌に感染する危険性のある対象であると識別される。この対象はその後、耐性細菌菌株による感染を阻止するために排出ポンプ阻害剤および抗微生物薬で予防的に処置されることが可能である。例えば、病院のような耐性細菌を有し易い環境中の対象が予防的に処置されることもあり得る。 いくつかの実施形態では、対象は別の場合では抗菌剤として概して効果的でない排出ポンプ阻害剤で処置される。このようにして、例えば、排出ポンプ阻害剤のMICは約32μg/ml、64μg/ml、128μg/ml、または256μg/mlよりも大きい大きいことがあり得る。 いくつかの実施形態では、排出ポンプ阻害剤が投与される対象はヒトである。他の実施形態では、対象はヒト以外の脊椎動物である。別の実施形態では、対象は哺乳動物以外の哺乳動物、鳥、魚、両生類、または爬虫類である。 排出ポンプ阻害剤の選別 考え得る排出ポンプ阻害剤化合物は、様々な微生物の多剤耐性排出ポンプを阻害し、かつ様々な抗微生物薬を増強する能力に関して本願明細書に述べられる方法ならびに当該技術で知られている方法を使用することによって試験されることが可能である。例えば、排出ポンプを過剰に発現することが知られている微生物の菌株が試験対象の排出ポンプ阻害剤化合物を随伴する抗微生物薬および随伴しない抗微生物薬で処理されることが可能である。増強が観察される相対濃度を判定するために抗微生物薬と試験化合物の両方の濃度を変えながらチェッカーボード分析が使用されることが可能である。 ある非限定的な範例では、試験化合物による緑膿菌の処理は以下の生物学的効果のうちの1つまたは複数を得ることを可能にする。 1)緑膿菌菌株が、シュードモナス感染の治療使用されることが不可能であった抗生物質に敏感になるか、またはシュードモナス感染の治療のために現在使用される抗生物質にさらに敏感になるであろう。 2)シュードモナス感染の治療のために現在使用される抗生物質への耐性を進化させた緑膿菌菌株がこれらの抗生物質に敏感になるであろう。 3)ポンプの阻害が結果として、このポンプの基質である抗生物質への耐性進化の減少した頻度につながるであろう。 これらの効果のうちの1つでも得ることはこの細菌による感染について見込みのある医療処置を提供する。同様のポンプが他の微生物でもやはり見出される。それらの微生物で上記の効果のいくつか、またはすべてが得られ、したがってそれらもやはり排出ポンプ阻害剤を検出もしくは使用するための適切な標的である。 医薬組成物 本願明細書に述べられるEPIおよび他の抗菌性化合物の同時投与の目的で、EPIは同時もしくは順次に他の抗細菌化合物と同じ経路で投与されることがあり得る。例えば、EPIおよび抗細菌化合物の両方が吸入器を使用して投与されることもあり得る。そのようなケースでは、両方の化合物はそれらが一緒にエーロゾル化されるように同じ区画に両方存在するそれらを得ることによって同時に投与されることが可能である。場合によっては、これらの化合物は別の区画に含まれ、PCT公開番号WO00/64520に記述されるように吸入器起動の過程で混合されることも可能である。他の実施形態は、米国特許第6,523,536号に記述されるように、順々に起動され得る同じ吸入器内の別々の薬剤区画を有する。 他の実施形態では、EPIおよび他の抗細菌化合物が固定の薬剤製剤に混合されるかまたは別々の製剤で存在するかのどちらかで両方共に静脈内に投与される。他の実施形態では、EPIおよび他の抗細菌化合物は同じ固定の製剤または別々の製剤のどちらかで両方共に経口投与される。さらに別の実施形態では、EPIおよび抗細菌化合物はやはり固定の薬剤製剤で混合されるかまたは別々の製剤で存在するかのどちらかで両方共に筋肉内に投与される。 いくつかの実施形態では、同時投与される、EPIおよび他の抗細菌化合物は別々の経路で投与される。例えば、EPIが吸入によって投与されることが可能であり、その一方で他方の抗細菌化合物が静脈内、筋肉内、または経口投与される。別々の経路投与のどのような他の考え得る組合せもやはり予期される。 いくつかの実施形態では、本願明細書に開示される排出ポンプ阻害剤は抗微生物薬と固定の組合せで組み合わされる。いくつかの実施形態では、この固定の組合せは多室式吸入器のような別々の容器にパッケージ化された排出ポンプ阻害剤と抗微生物薬を含む。他の実施形態では、この固定の組合せは同じ製剤中に物理的に組み合わされる(例えば組み合わされた固定服用形式)排出ポンプ阻害剤と抗微生物薬を含む。 投与 本願明細書に開示される排出ポンプ阻害剤は治療効果のある服用量で、例えば前述された疾病状態に治療を供給することに十分な服用量で投与されることが可能である。本発明の化合物に関してヒトの服用量のレベルはまださらに最適化されるべきであるが、ペンタミジンの毎日の服用量および本願明細書に開示される大部分の阻害剤については約0.05から100mg/kg体重であり、約0.10から10.0mg/kg体重であることが好ましく、約0.15から1.0mg/kg体重であることが最も好ましい。したがって70kgの個人への投与については、服用量の範囲は1日当たり約3.5から7000mgであり、1日当たり約7.0から700.0mgであることが好ましく、1日当たり約10.0から100.0mgであることが最も好ましい。投与される活性化合物の量はもちろん、対象および治療される疾病の状態、苦痛の厳しさ、投与の方式と日程、処方する医師の判定によって決まり、例えば、経口投与について考え得る服用量の範囲は1日当たり約70から700mgであろうが、それに対して静脈内投与については考え得る服用量範囲は1日当たり約700から7000mgであって活性薬剤はそれぞれさらに長いかまたは短い血漿中半減期で選択されるであろう。ペンタミジンについて本願明細書に述べられる選別技術が本願明細書に述べられる他の排出ポンプ阻害剤で使用されることでペンタミジンとの比較でそれらの阻害剤の効能を規定することが可能であり、ペンタミジンの服用量に等力の服用を規定するために阻害剤の服用量がこのようにして調節されることが可能である。 本願明細書に開示される化合物または医薬として許容されるその塩の投与は同様の効用に役立つ薬剤について受容される投与様式のいずれを介することも可能であり、限定はされないが口腔内、皮下、静脈内、鼻腔内、局所、経皮、腹腔内、筋肉内、肺内、膣内、直腸内、または眼内を含む。本発明の主題である兆候を治療することに経口および非経口投与が常習的である。 医薬として許容される組成は、例えば錠剤、カプセル、粉末、液体、懸濁液、坐剤、エーロゾルといった固体、半固体、液体、およびエーロゾルの服用形式を含む。予め決められた速度での長期および/または時限化、パルス化された投与のために、これらの化合物がデポー注射、浸透ポンプ、丸剤、経皮(電気的輸送を含む)パッチなどを含む持続性または制御された放出の服用形式で投与されることもやはり可能である。これらの組成は正確な服用量の単一の投与に適した単位服用量の形式で供給されることが好ましい。 これらの化合物は単独で、またはさらに一般的には従来の医薬基剤もしくは賦形剤など(例えばマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、タルク、セルロース、クロスカルメロースナトリウム、グルコース、ゼラチン、スクロース、炭酸マグネシウムなど)との組合せで投与されることが可能である。所望であれば、湿潤剤、乳化剤、可溶化剤、pH緩衝剤など(例えば酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、シクロデキストリン、ソルビタンモノラウレート、トリエタノールアミンアセテート、トリエタノールアミンオレアートなど)といった少量の無毒の補助剤を含むこともやはりあり得る。概して、意図される投与の様式に応じて、この医薬製剤は本発明の化合物の重量で約0.005%から95%、好ましくは約0.5%から50%を含むであろう。そのような服用形式を調製する実際の方法は当業者に知られているかまたは明らかであり、例えばRemington's Pharmaceutical Sciences,Mark Publishing Company,Easton,Pennsylvaniaを参照されたい。 付け加えると、これらの化合物が他の薬剤、調合剤、補助薬などと同時投与されることが可能であり、医薬組成物がこれらを含むことも可能である。適切な添加活性薬剤は、例えば上述されたような抗微生物薬を含む。使用時に、他の活性薬剤が本発明の排出ポンプ阻害剤の投与の前、同時、または後に投与されることもあり得る。いくつかの実施形態では、排出ポンプ阻害剤は1種または複数種の他の抗微生物薬と同時投与される。 こうして、本発明では、本願明細書に述べられるような排出ポンプ阻害剤が第1の経路を通じて投与されてもよく、抗微生物薬が第2の経路を通じて投与されてもよい。こうして、例えば、排出ポンプ阻害剤が肺の経路を経由して、例えばネブライザ、アトマイザ、噴霧器、エーロゾル、乾燥粉末吸入器、または他の適切な装置もしくは技術を通じて投与されてもよく、抗微生物薬が同じもしくは異なる経路(例えば口腔内、非経口、筋肉内、腹腔内、気管内、静脈内、皮下、経皮、または直腸もしくは膣内坐薬として)を経由して投与されてもよい。薬剤の血中レベルは投与の経路によって影響される。したがってある好ましい実施形態では、排出ポンプ阻害剤が第1の経路で投与され、抗生物質または抗菌剤が第2の経路で投与されるとき、服用量または服用形式は各々の薬剤の薬物動力学プロファイルに合致するように適切に調節される。両方の薬剤が同じ経路で投与されるときもやはりこれが為されることがあり得る。いずれにしても、制御された放出の製剤、投与のタイミング、ポンプおよびデポーの使用、および/または生物分解性もしくは生物侵食性の基剤の使用を含めた従来の技術が使用されることで2つの活性成分の薬物動力学を合致させることが可能である。 ある好ましい実施形態では、これらの組成は丸薬や錠剤といった単位服用量形式の形をとり、したがってこの組成は活性な成分と共にラクトース、スクロース、第2リン酸カルシウムなどといった希釈剤、ステアリン酸マグネシウムなどといった潤滑剤、およびデンプン、アラビアゴム、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、セルロース、セルロース誘導体などといった結合剤を含むこともあり得る。他の固形服用形式では、粉末、marume、(例えばプロピレンカーボネート、植物油、またはトリグリセリド中の)溶液または懸濁液がゼラチンカプセル中に封入される。2つの活性成分(阻害剤と抗菌剤)が物理的に分離される単位服用形式もやはり企図される(例えば各々の薬物の顆粒を備えたカプセル、2層錠剤、2区画のジェルカプセルなど)。 液体の医薬として投与可能な組成が、例えば、上記に規定される活性化合物および場合によって使用される基剤(例えば水、生理食塩水、水性デキストロース、グリセロール、グリコール、エタノールなど)中の補助薬を溶解、分散させることなどで溶液もしくは懸濁液を形成することによって調製されることも可能である。液体の溶液もしくは懸濁液として、乳濁液として従来の形で、または注入の前に液体に溶解もしくは懸濁させるために適した固体の形で注入物質が調製されることも可能である。そのような非経口投与組成に含まれる活性化合物のパーセンテージはその特異的性質、ならびにその化合物の活性および対象のニーズに大きく依存する。しかしながら、溶液中で0.01%から10%の活性成分のパーセンテージが採用に適しており、組成が後になって上記のパーセンテージに希釈されるであろう固体であればさらに高いであろう。いくつかの実施形態では、組成が溶液中に0.2〜2%の活性薬剤を含むであろう。 エーロゾル供給 本願明細書に総称的もしくは特定的に述べられる化合物のいずれかを含めた本願明細書に述べられる排出ポンプ阻害剤(EPI)がエーロゾルとして呼吸器官に投与されることもあり得る。いくつかの実施形態では、シュードモナスの肺感染といった肺の感染を治療するためにエーロゾル供給が使用される。したがって例えば、吸入器を通じて排出ポンプ阻害剤が感染の部位に直接投与されることが可能である。同時投与される抗微生物薬もやはり吸入器を通じて、または全身性の投与経路を通じて投与されることが可能である。 乾燥粉末または液体のエーロゾル化された製品のどちらかを供給するためのいくつかの装置技術が存在する。乾燥粉末の製剤は概して薬の投与に大して時間を必要としないが、けれども長期間かつ高費用の開発努力を必要とする。逆に、液体製剤は長い投与時間が従来からの難点であるが、しかし短くかつ低費用の開発努力という利点を有する。これまではペンタミジンは液体エーロゾルの形で投与されてきた。ペンタミジンおよび本願明細書に開示されるその類似体は概して可溶性で安定であるが、しかし液体エーロゾル吸入を通じた低速のペンタミジン薬剤供給が急性の過敏症の一因になってきた。さらに、ペンタミジン供給のためにこれまで使用されてきたネブライザは細菌感染部位で最大の薬剤蓄積を与えない粒子のサイズおよび分布を作り出す。 したがって、一実施形態では、本願明細書に開示される排出ポンプ阻害剤の特定の製剤は、感染の部位での最大の薬剤蓄積および最少の過敏症のために最適化される吸入用のエーロゾルを供給するために特定のエーロゾル装置と組み合わされる。最適化され得る因子は溶液もしくは固体の粒子製剤、供給の速度、およびエーロゾル装置によって作り出される粒子サイズと分布を含む。 粒子サイズと分布 概して、吸入された粒子は2つのメカニズム、すなわち通常は大きめの粒子で支配的である固着、および小さめの粒子で優勢である沈殿のうちの一方による堆積を起こし易い。粒子が空気の流れに従わずに生理学的表面に衝突するのに十分なほど吸入された粒子が大きいときに固着が生じる。逆に、吸入された空気流と共に移動してきた極めて小さい粒子が空気流の中の無秩序な拡散の結果として生理学的表面に衝突するときに沈殿が主に肺の奥部で生じる。 鼻を通じて吸入される鼻腔内投与薬剤化合物については、薬剤が鼻の粘膜に直接衝突することが望ましい可能性が高く、したがって鼻腔からの供給をターゲットにすると大きい(約5から100ミクロン)粒子または液滴が概して好ましい。肺への薬剤供給は口および咽喉を通じたエーロゾルの吸入によって達成されることが可能である。約5ミクロンよりも大きい空気動力学的粒径(MMAD)を有する粒子は概して肺に到達せず、その代わりに咽喉の後部に衝突する傾向を有し、飲み込まれて経口吸収されると思われる。約2から約5ミクロンの直径を有する粒子は肺上部から肺中間部の領域(誘導気道)に到達するのに十分なほど小さいが、肺胞に到達するには大き過ぎる。なおも小さい粒子、すなわち約0.5から約2ミクロンの粒子が肺胞の領域に到達することができる。約0.5ミクロンよりも小さい直径を有する粒子もやはり沈殿によって肺胞領域に堆積することが可能であるが、しかし極めて小さい粒子は吐出される可能性が高い。 いくつかの実施形態では、エーロゾルの粒子サイズは感染の部位でのEPI堆積を最大限にし、過敏症を最小限にするように最適化される。エーロゾル粒子のサイズは空気動力学的粒径(MMAD)という用語で表現されることが可能である。大きい粒子(例えばMMAD>5μm)は上気道に堆積する可能性が高いが、なぜならばそれらは上部気道の屈曲を進んで行くには大き過ぎるからである。小さい粒子(MMAD<2μm)は下気道にほとんど堆積することができず、したがって吐出され、上気道への堆積のための追加的な機会を与える。それゆえに、大きい粒子の吸入固着および繰り返される吸入吐出の間の小さい粒子の沈降から、過敏症(例えば咳および気管支痙攣)が上気道から生じる可能性が高い。したがって、一実施形態では、中肺の感染部位で堆積を最大にし、かつ上気道堆積に付随する過敏症を最少にするために最適の粒子サイズ(例えばMMAD=2〜4μm)が使用される。さらに、限定された幾何学的標準偏差(GSD)で規定された粒子サイズの発生は堆積および許容性を最適化し得る。狭域のGSDは望ましいMMADサイズ範囲を外れる粒子の数を制限する。一実施形態では、本願明細書に開示される1種または複数種の化合物を含むエーロゾルは約2ミクロン以下のGSDで約2ミクロンから約4ミクロンのMMADを有して供給される。他の実施形態では、約1.5ミクロンから約1.8ミクロンのGSDで約2.8ミクロンから約3.2ミクロンのMMADを有するエーロゾルが提供される。 いくつかの実施形態では、鼻の粘膜への供給を意図されるエーロゾルが鼻を通じた吸入のために提供される。鼻腔への最適な供給については、約5から約100ミクロンの吸入される粒子サイズが有用であり、約30から約60ミクロンの粒子サイズが好ましい。鼻への供給については、鼻粘膜への固着を最大化し、かつ投与される製剤の肺への堆積を最少化もしくは防止するために大きい吸入粒子サイズが望ましい。吸入粒子は溶解した薬剤を含む液滴、(薬剤が懸濁媒質に不溶性であるケースでは)懸濁した薬剤粒子を含む液滴、純粋な薬剤物質の乾燥粒子、薬剤のナノ粒子の凝集体、または埋め込まれた薬剤ナノ粒子を含む希釈剤の乾燥粒子として規定されることが可能である。 呼吸器への供給(全身性または局所性のどちらか)のために意図される本願明細書に開示される排出ポンプ阻害剤(抗生物質の存在下または不在下)は水性製剤として、ハロゲン化炭化水素の発射剤中の懸濁液もしくは溶液として、または乾燥粉末として投与されることが可能である。水性製剤は水圧式または超音波式の霧化のどちらかを使用する液体ネブライザによってエーロゾル化されてもよい。発射剤を基本とするシステムは適切な加圧型定量吸入器(pMDI)を使用することもあり得る。乾燥粉末は、薬剤物質を効果的に分散させることが可能な乾燥粉末吸入装置(DPI)を使用することもあり得る。望ましい粒子サイズおよび分布は適切な装置を選ぶことによって得られることが可能である。 液体ネブライザ 一実施形態では、抗生物質の存在下または不在下で、本願明細書に開示される排出ポンプ阻害剤の2から4μmのMMADを支配的に有するエーロゾルの形成を可能にすることを基本としてネブライザが選択される。一実施形態では、抗生物質の存在下または不在下での排出ポンプ阻害剤の供給量は呼吸器感染の治療および予防にとって有効である。エーロゾルが5μmよりも大きいMMADを備えた多数の粒子を含むとき、これらは上気道に堆積し、感染の部位に供給されるEPIまたはEPI-抗生物質組合せ物質の量を減少させる。 前に、2タイプ、すなわちジェットタイプと超音波タイプのネブライザが2と4μmの間のサイズを有するエーロゾル粒子を作り出して供給することが可能であると示された。緑膿菌、大腸菌、腸内細菌種、クレブシエラニューモニエ、クレブシエラオキシトカ、プロテウスミラビリス、緑膿菌、セラチア菌、ヘモフィルスインフルエンザ、セパシア菌、ステノトロホモナスマルトフィリア、アルカリゲネスキシロースオキシダンス、および多剤耐性緑膿菌といったグラム陰性細菌によって引き起こされる肺の細菌感染の治療にとってこれらの粒子サイズが最適であると示された。しかしながら、特別に製剤された溶液が使用されない限り、これらのネブライザは治療効果を得るのに十分な薬剤の量を投与するために通常ではさらに大量を必要とする。ジェット式ネブライザは空気圧力破壊を利用して水性アズトレオナム溶液をエーロゾル液滴にする。超音波式ネブライザは圧電クリスタルによる水性アズトレオナム溶液の剪断を利用する。しかしながら通常では、ジェット式ネブライザは臨床的条件下では約10%の効率しかなく、その一方で超音波式ネブライザは約5%の効率しかない。肺に堆積されて吸収される医薬の量はしたがって多量の薬剤がネブライザ内に設置されるにもかかわらず10%の画分である。 したがって、一実施形態では、本願明細書に開示される排出ポンプ阻害剤のエーロゾルを供給するために振動メッシュ式ネブライザが使用される。振動メッシュ式ネブライザはダイアフラムと流体連絡した液体貯蔵容器、および吸入バルブと吐出バルブからなる。一実施形態では、抗微生物薬を随伴するかまたは随伴しない1から5mlの排出ポンプ製剤が貯蔵容器内に設置され、エーロゾル発生器が係合させられて選択的に1と4μmの間の粒子サイズに霧化されたエーロゾルを作り出す。 非限定的な範例によると、本願明細書に開示される排出ポンプ阻害剤は抗生物質の存在下または不在下で液体噴霧吸入器内に設置され、1〜5ml中に1〜100mg、好ましくは1〜5ml中に10〜60mgの投与量で2と4μmのMMAD粒子サイズが作り出されて調製される。 水性および他の非加圧液体システムについては、(小容量ネブライザを含めた)様々なネブライザが製剤をエーロゾル化するために利用可能である。圧縮機で駆動されるネブライザはジェット技術を利用し、液体エーロゾルを発生させるために圧縮空気を使用する。そのような装置は、例えばHealthdyne Technologies,Inc.、Invacare,Inc.、Mountain Medical Equipment,Inc.、Pari Respiratory,Inc.、Mada Median,Inc.、Puritan-Bennet;Schuco,Inc.、DeVilbiss Health Care,Inc.、およびHospitak,Inc.から市販入手可能である。超音波式ネブライザは呼吸に適した液滴を発生させるために圧電クリスタルの振動の形の機械的エネルギーに頼り、例えばOmron Healthcare,Inc.およびDeVilbiss Health Care,Inc.から市販入手可能である。振動メッシュ式ネブライザは呼吸に適した液滴を発生させるために圧電または機械的パルスのどちらかに頼る。本願明細書に述べられるEPIとの使用のための他のネブライザの範例は米国特許第4,268,460号、第4,253,468号、第4,046,146号、第3,826,255号、第4,649,911号、第4,510,929号、第4,624,251号、第5,164,740号、第5,586,550号、第5,758,637号、第6,644,304号、第6,338,443号、第5,906,202号、第5,934,272号、第5,960,792号、第5,971,951号、第6,070,575号、第6,192,876号、第6,230,706号、第6,349,719号、第6,367,470号、第6,543,442号、第6,584,971号、第6,601,581号、第4,263,907号、第5,709,202号、第5,823,179号、第6,192,876号、第6,612,303号、第6,644,304号、第6,660,249号、第5,549,102号、第6,083,922号、第6,161,536号、第6,264,922号、第6,557,549号、第6,612,303号、および第6,660,249号に記述されている。本願明細書に述べられるEPIと使用されることが可能であるネブライザの市販の例はAerogenによって生産されるAeroneb(登録商標)、Aeroneb(登録商標)Pro、Aeroneb(登録商標)Go、Aradigmによって生産されるAERx(登録商標)、およびAERx Essence(商標)、Respironics,Inc.によって生産されるPorta-Neb(登録商標)、Freeway Freedom(商標)、Sidestream、VentstreamおよびI-neb、およびPARI,GmbHによって生産されるPARI LC-Plus(登録商標)、PARI LC-Star(登録商標)、およびe-Flowを含む。さらなる非限定的な範例によると、米国特許第6,196,219号である。 いくつかの実施形態では、患者によるネブライザの使用に先立って薬剤の溶液が形成される。他の実施形態では、薬剤は固体の形でネブライザの中に貯蔵される。このケースでは、米国特許第6,427,682号およびPCT公報WO03/035030に記述されるようにネブライザが作動すると溶液が混合される。これらのネブライザでは、場合によっては固体の組成を形成するために賦形剤と組み合わされた固体の薬剤が液体溶剤から隔離された区画に貯蔵される。 この液体溶剤はこの固体組成を溶解して液体組成を形成することが可能であり、これがエーロゾル化されて吸入される。他の要因の中でもとりわけそのような能力は液体の選択された量および、おそらく組合せの機能である。容易な取り扱いおよび再現性のある服用を可能にするために、無菌の水性液体が短い時間的期間内に場合によっては穏やかな振とう下で固体組成を溶解することが可能である。いくつかの実施形態では、約30秒を超えることなく最終的な液体の準備ができる。いくつかのケースでは固体の組成は約20秒以内、有利な場合には約10秒以内に溶解される。本願明細書で使用される「溶解される(た)」、「溶解する」、および「溶解」という用語は固体組成の崩壊および活性化合物の放出、すなわち溶解を称する。液体溶剤で固体組成を溶解する結果として、溶解された状態で活性化合物が含まれる液体組成が形成される。本願明細書に使用されるように少なくとも約90重量%が溶解されるとき、好ましくは少なくとも約95%が溶解されるときに活性化合物は溶解された状態にある。この崩壊および/または溶解の時間を測定するために、標準的な薬局方の方法が使用されることが可能である。しかしながら、これらの方法は固体組成が供給される特定の形式にとって適切であるように選択されなければならない。例えば、固体組成が粉末であれば、崩壊を測定することは無意味である可能性が高い。他のケースでは、薬剤の溶解時間を測定するための公式の方法はネブライザの実際の使用には無関係であることもあり得る。これらのケースでは、ネブライザが使用されるときに実際に存在するものに似通った条件下で溶解時間を測定する方がよい可能性が高い。 基本的な分離型区画のネブライザ設計に関すると、それが水性液体と固体組成を同じ容器もしくは一次パッケージの別々のチャンバの中に収容することが一層実用的であるかどうか、またはそれらが別々の容器で供給されるべきかどうかは特定の用途によって決まる。別々の容器が使用される場合、これらは同じ二次パッケージの中のセットとして供給される。2つ以上の活性化合物を入れるネブライザについては別々の容器の使用が特に好ましい。多数服用キットに供給される容器の総数に制限はない。一実施形態では、固体組成は多数の容器の中、または1つの容器の多数のチャンバの中に単位服用量として供給され、それに対して液体溶剤は1つのチャンバもしくは容器の中に供給される。このケースでは、好ましい設計は液体を定量服用ディスペンサ内に供給し、これは液体を秤量するための機械式ポンプのような分注装置で閉じられるガラスもしくはプラスティックのビンで構成されてもよい。例えば、ポンプ機構の1回の作動が固体組成の1回服用単位を溶解するための正確な量の液体を分注してもよい。 多数服用の分離区画型ネブライザに関する他の実施形態では、固体組成と液体溶剤の両方が一致した単位服用として多数の容器の中、または1つの容器の多数のチャンバの中に供給される。例えば、2チャンバ型容器が使用されてチャンバのうちの一方に固体組成の一単位を保持し、他方に液体の一単位を保持することが可能である。ここで使用される一単位は固体組成で存在する薬剤の量で規定され、これは一単位服用量である。しかしながら、そのような2チャンバ型容器は1つの単一薬剤服用量だけを入れるネブライザにとっても都合よく使用されることもやはりあり得る。 分離区画型ネブライザの一実施形態では、2つのブリスタを有するブリスタパックが使用され、これらのブリスタが最終の液体組成の服用単位を調製するために合致した量で固体組成と液体溶剤を入れるためのチャンバを表す。ここで使用されるブリスタパックは熱成形または加圧成形された一次パッケージを表し、場合によってはアルミニウムのような金属箔を有するポリマーのパッケージ材料を含む可能性が最も高い。ブリスタパックは内容物の容易な分注を可能にするように形作られてもよい。例えば、パックの一方の側がテーパー付けされるかまたはテーパー付けされた部分もしくは領域を有してもよく、テーパー付けされた端部でブリスタパックを開くとこれを通って内容物が他の容器へと分注されることが可能となる。テーパー付けされた端部が先端を表してもよい。 いくつかの実施形態では、ブリスタパックの2つのチャンバは通路で接続され、この通路は液体溶剤を含むブリスタから固体組成を含むブリスタへと流体を方向付けるように構成される。貯蔵の間では通路はシールで閉じられる。この意味では、シールは液体溶剤が固体組成に接触するのを防止するいずれかの構造である。シールは破壊可能であるかまたは取り外し可能であることが好ましく、ネブライザが使用されるべきときにシールを破壊または除去することは液体溶剤が他方のチャンバに進入して固体組成を溶解することを可能にするであろう。溶解処理はブリスタパックを振ることによって向上させられてもよい。このようにして吸入のための最終の液体組成が得られ、この液体は通路によって接続されたパックのチャンバのうちの一方または両方に存在し、それはパックが保持される状態によって決まる。 他の実施形態によると、チャンバのうちの一方、好ましくはブリスタパックのテーパー付けされた部分に近い方の一方は第2の通路と連絡し、この通路がチャンバからテーパー付き部分の末端の位置へと延びる。貯蔵の間では、この第2の通路はパックの外側と連絡しておらず、気密の方式で閉鎖される。場合によっては、第2の通路の遠端部が破壊可能もしくは除去可能なキャップまたは蓋によって閉鎖され、これは例えばネジ切りキャップ、折り取りキャップ、または切り取りキャップであってもよい。 固体組成自体は様々な異なるタイプの服用形式で供給されることが可能であり、薬剤の物理化学的特性、所望の溶解速度、経費検討、およびその他の基準によって決まる。一実施形態では、固体組成は単一単位である。これは、薬剤の1回の単位服用量が単一の物理的に形作られた固体の形もしくは品物に含まれることを意味する。言い換えると、固体組成が連続的であり、これは複数の単位が非連続的である多数の単位服用量の形式とは対照的である。 固体組成用の服用の形で使用されることが可能な単一単位の範例は圧縮錠のような錠剤、フィルム状単位、フォイル状単位、ウェハース、凍結乾燥マトリクス単位などを含む。好ましい実施形態では、固体組成は極めて多孔質の凍結乾燥された形である。しばしばウェハースまたは凍結乾燥錠剤とも呼ばれるそのような凍結乾燥物はその急速な崩壊性のために特に実用的であり、これはまた、活性化合物の急速な溶解も可能にする。 他方で、いくつかの用途については固体組成は上記で規定されたような多数の単位服用の形として形成されてもよい。多数単位の範例は粉末、顆粒、微粒子、ペレット、ビーズ、凍結乾燥粉末などである。一実施形態では、固体組成は凍結乾燥粉末である。そのような分散凍結乾燥系は数多くの粉末粒子を有し、粉末の形成時に使用される凍結乾燥処理のせいで各々の粒子は不規則で多孔質の微細構造を有し、これを通じて粉末は極めて急速に水を吸収することが可能であり、結果として迅速な溶解につながる。 やはり急速な薬剤溶解を達成することが可能な多粒子系の他のタイプは、薬剤でコーティングされた水溶性賦形剤から得られる粉末、顆粒、またはペレットであって、それにより、薬剤は個々の粒子の外側表面に配置される。このタイプの系では、水溶性の低分子量賦形剤はそのようなコーティング粒子の中核を調製するのに有用であり、これがその後に薬剤、および好ましくは1種または複数種の追加の賦形剤(例えば結合剤、ポア形成剤、糖類、糖アルコール、フィルム形成ポリマー、可塑剤、または医薬コーティング組成に使用される他の賦形剤)を含むコーティング組成でコーティングされる。 他の実施形態では、固体組成は不溶性材料で作られた多数の単位の上にコーティングされるコーティング層に類似する。不溶性の単位の範例はガラスで作られたビーズ、ポリマー、金属、および無機塩を含む。ここでも再び、望まれる効果は主としてコーティング層の急速な崩壊および迅速な薬剤溶解であり、これは特に高い表面対質量比を有する物理的形状で固体組成を供給することによって達成される。通常では、コーティング組成は薬剤および水溶性で低分子量の賦形剤に加えて1種または複数種のさらなる賦形剤(例えば可溶性粒子をコーティングするための上述のそれら、または医薬コーティング組成に有用であると知られているいずれかの他の賦形剤)を含むであろう。 望ましい効果を達成するために、複数種の水溶性で低分子量の賦形剤を固体組成に組み入れることが有用となる可能性が高い。例えば、ある賦形剤が薬剤の基剤および希釈剤機能のために選択され、その一方で別の賦形剤がpHを調整するために選択されることもあり得る。最終の液体組成が緩衝処理されることを必要とする場合、一緒に緩衝系を形成する2つの賦形剤が選択されてもよい。 一実施形態では、分離区画型ネブライザで使用される液体は水性の液体であって、これは本願明細書ではその主成分が水である液体として規定される。この液体は必ずしも水だけで構成される必要はないが、しかしある実施形態ではそれは純水である。他の実施形態では、この液体は他の成分もしくは物質を含んでおり、それは他の液体成分であることが好ましいが、溶解された固体であることもやはりあり得る。有用である可能性の高い水以外の液体成分はプロピレングリコール、グリセロール、およびポリエチレングリコールを含む。溶質として固体成分を組み入れる理由の1つはそのような化合物が最終の液体組成に必要とされるかまたは望ましいが、しかし固体組成もしくはその活性成分といった構成成分と相性が合わないためである。 液体溶剤に関する他の必要条件は無菌であることである。水性液体は仮に無菌性を確保するための対策が採られなければ無視し得ない微生物学的雑菌混入と増殖の危険に晒されるであろう。実質的に無菌の液体を供給するために、有効な量の許容される抗微生物薬もしくは防腐剤を組み入れるか、または供給の前に液体を滅菌処理して気密シールで密閉するか、どちらかが必要とされる。一実施形態では、この液体は防腐剤を含まない滅菌済み液体であって適切な気密容器に供給される。しかしながら、ネブライザが活性化合物の多数の服用量を有する他の実施形態によると、この液体は定量投与ディスペンサのような多数回投与容器に供給される可能性が高く、最初の使用の後の微生物混入を防止するために防腐剤を必要とする可能性が高い。 定量吸入器(MDI) 噴射剤で駆動する吸入器(pMDI)は作動する毎に定量の医薬を放出する。この医薬はハロゲン化炭化水素といった適切な噴射剤中の薬剤物質の懸濁液もしくは溶液として製剤される。pMDIは、例えばNewman,S.P.,「Aerosols and the Lung」,Clarke et al.,eds.,pp.197-224(Butterworths,London,England,1984)に述べられている。 MDIとネブライザに関するケースのように、DPI中の薬剤物質の粒子サイズが最適に選択されることが可能である。いくつかの実施形態では、活性成分の粒子は50ミクロン未満の直径を有する。いくつかの実施形態では、これらの粒子は10ミクロン未満の直径を有する。いくつかの実施形態では、これらの粒子は1ミクロンと5ミクロンの間の直径を有する。いくつかの実施形態では、これらの粒子は1ミクロン未満の直径を有する。ある好都合な実施形態では、これらの粒子は2ミクロンと4ミクロンの間の直径を有する。 MDIで使用するための噴射剤は当該技術で知られているいずれかの噴射剤であることが可能である。噴射剤の範例はジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、およびジクロロテトラフルオロエタンといったクロロフルオロカーボン(CFC)、ヒドロフルオロアルケン(HFA)、および二酸化炭素を含む。CFCの使用に付随する環境的懸念のせいで、CFCの代わりにHFAを使用することが好都合となり得る。HFAを含有する医薬エーロゾル調剤の範例は米国特許第6,585,958号、第2,868,691号、および第3,014,844号に提示されている。いくつかの実施形態では、薬剤物質の溶解または懸濁を容易にするために助剤が噴射剤と混合される。 いくつかの実施形態では、噴射剤および活性成分は米国特許第4,534,345号に記述されるように別々の容器に入れられる。 いくつかの実施形態では、本願明細書で使用されるMDIは患者がレバー、ボタン、または他のアクチュエータを押すことによって作動させられる。他の実施形態では、米国特許第6,672,304号、第5,404,871号、第5,347,998号、第5,284,133号、第5,217,004号、第5,119,806号、第5,060,643号、第4,664,107号、第4,648,393号、第3,789,843号、第3,732,864号、第3,636,949号、第3,598,294号、第3,565,070号、第3,456,646号、第3,456,645号、および第3,456,644号に記述されるようにエーロゾルの放出は、ユニットを装備した後にいったん患者が吸入を開始すると活性化合物が放出されるように呼吸作動式である。そのようなシステムはさらに多くの活性化合物が患者の肺に入り込むことを可能にする。患者が活性成分による適切な服用を得るのを補助する他のメカニズムは米国特許第4,470,412号および第5,385,140号に記述されるように、患者が複数の呼吸を使用して薬剤を吸入することを可能にするバルブ機構を含む。 当該技術で知られており、かつ本願明細書で使用するために適しているMDIの追加の範例は米国特許第6,435,177号、第6,585,958号、第5,642,730号、第6,223,746号、第4,955,371号、第5,404,871号、第5,364,838号、および第6,523,536号を含む。 乾燥粉末吸入器(DPI) 乾燥粉末吸入器の2つの主要な設計が存在する。1つの設計は秤量装置であってこの装置の中に薬剤用のリザーバが設置され、患者が薬剤の服用量を吸入チャンバの中に加える。第2は工場で秤量される装置であって各々の個々の服用量が別々の容器内に作製されている。両方のシステムが1から5μmのマスメジアン径の小粒子への薬剤の製剤に頼っており、普通はさらに大きい賦形剤粒子(通常では直径100μmのラクトース粒子)と共に製剤される。薬剤粉末が(装置秤量によるか工場秤量服用量の開封によるかのどちらかで)吸入チャンバの中に設置され、患者の呼吸気流が粉末を装置の外へと加速して口腔の中に入れる。粉末の経路の非層流特性が賦形剤-薬剤凝集体の分解を引き起こし、大きい賦形剤粒子の質量が咽喉の後部での固着を生じさせ、その一方でさらに小さい薬剤粒子は肺の奥部に堆積させられる。 液体ネブライザと同様に、抗生物質エーロゾル製剤の存在下または不在下でのペンタミジンもしくはペンタミジン類似体の粒子サイズが最適化されることが可能である。粒子サイズが5μmのMMADよりも大きければ粒子は上気道に堆積する。エーロゾルの粒子サイズが1μmよりも小さければそれは肺胞の中へと供給され、全身の血液循環の中へと移送されることが可能である。 非限定的な範例によると、乾燥粉末吸入器では抗生物質乾燥粉末の存在下または不在下での本願明細書に開示される排出ポンプ阻害剤は1と4μmの間のサイズを有する粒子として乾燥粉末の1〜100mg、好ましくは10〜60mgの服用量で調製される。 いくつかの実施形態では、本願明細書に述べられるEPIを分注するために乾燥粉末吸入器(DPI)が使用される。DPIは微細乾燥粒子の形状の薬剤物質を含む。通常では、患者による吸入が乾燥粒子にエーロゾルの雲を形成させ、それが患者の肺の中に引き込まれる。乾燥粒子は当該技術で知られているいずれかの技術によって作り出されることが可能である。いくつかのよく知られている技術はジェットミルもしくは他の粉砕機の使用、飽和または過飽和の溶液からの沈殿、吹き付け乾燥、または超臨界流体法を含む。通常の粉末製剤は球状ペレットまたは粘着性混合物の作製を含む。粘着性混合物では、薬剤粒子は直径で50から100ミクロンのサイズのラクトース一水和物といったさらに大きい基剤粒子に付着させられる。このさらに大きい基剤粒子は基剤/薬剤凝集体上の空気力学的力を増大させてエーロゾルの形成を高める。乱流および/または機械的装置が凝集体をその構成部分へと切断する。その後、小さい薬剤粒子は肺の中に引き込まれ、その一方で大きい粒子は口腔または咽喉に堆積する。粘着性混合物のいくつかの範例が米国特許第5,478,578号およびPCT公報WO95/11666、WO87/05213、WO96/23485、およびWO97/03649に記述されている。追加の賦形剤が薬剤物質と含まれることもやはりあり得る。 3つの普及したタイプのDPIがあり、これらのすべてが本願明細書に述べられるEPIで使用されることが可能である。単一服用量のDPIでは、乾燥薬剤物質/賦形剤の1回服用量を含んだカプセルが吸入器の中に装着される。作動するとカプセルが割られ、乾燥粉末がエーロゾル化されることを可能にする。追加の服用量を分注するためには古いカプセルが取り除かれて追加のカプセルが装着されなければならない。単一服用量DPIの範例は米国特許第3,807,400号、第3,906,950号、第3,991,761号、および第4,013,075号に記述されている。多数単位服用量のDPIでは、多数の単一服用量区画を有するパッケージが供給される。例えば、このパッケージがブリスタパックを含み、各々のブリスタ区画が1回服用量を含むことも可能である。ブリスタ区画を破ると各々の服用量が分注されることが可能となる。パッケージ内の区画のいくつかの配列のうちのいずれもが使用され得る。例えば、回転式または細長片型の配列が一般的である。多数単位服用量DPIの範例がEPO特許公開公報0211595A2、0455463A1、および0467172A1に記述されている。多数服用量DPIでは、乾燥粉末の単一のリザーバが使用される。米国特許第5,829,434号、第5,437,270号、第2,587,215号、第5,113,855号、第5,840,279号、第4,688,218号、第4,667,668号、第5,033,463号、および第4,805,811号、およびPCT公報WO92/09322に記述されるように、リザーバから単一服用量が秤量され、エーロゾル化されて吸入される機構が供給される。 いくつかの実施形態では、患者の吸入に追加して、またはそれ以外に補助のエネルギーが供給されることでDPIの操作を容易にすることが可能である。例えば、米国特許第3,906,950号、第5,113,855号、第5,388,572号、第6,029,662号、およびPCT公報WO93/12831、WO90/07351、およびWO99/62495に記述されるように、粉末の凝集解離を補助するために圧縮空気が供給されることも可能である。米国特許第3,948,264号、第3,971,377号、第4,147,166号、第6,006,747号、およびPCT公報WO98/03217に記述されるように、電気的に駆動される推進羽根が供給されることもやはり可能である。他のメカニズムはPCT公報WO90/13327に記述されるように電気的に動力を与えられるタッピングピストンである。他のDPIは米国特許第5,694,920号および第6,026,809号に記述されるように振動器を使用する。最後に、PCT公報WO93/24165に記述されるように擦過システムが使用されることも可能である。 本願明細書で使用するためのDPIの他の範例が米国特許第4,811,731号、第5,113,855号、第5,840,279号、第3,507,277号、第3,669,113号、第3,635,219号、第3,991,761号、第4,353,365号、第4,889,144号、第4,907,538号、第5,829,434号、第6,681,768号、第6,561,186号、第5,918,594号、第6,003,512号、第5,775,320号、第5,740,794号、および第6,626,173号に記述されている。 いくつかの実施形態では、米国特許第4,470,412号、第4,790,305号、第4,926,852号、第5,012,803号、第5,040,527号、第5,024,467号、第5,816,240号、第5,027,806号、および第6,026,807号に記述されるように、患者によって吸収される薬剤物質の量を増大させるためにスペーサまたはチャンバが本願明細書に述べられる吸入器のいずれかで使用されることが可能である。例えば、スペーサはエーロゾルの生成からエーロゾルが患者の口に入る時間を遅らせることが可能である。そのような遅延は患者の吸入とエーロゾル生成の間の同期を改善することが可能である。米国特許第4,809,692号、第4,832,015号、第5,012,804号、第5,427,089号、第5,645,049号、および第5,988,160号に記述されるように、従来のマウスピースを使用することに困難を有する乳幼児または他の患者のためにマスクが組み入れられることもやはり可能である。 吸入器で使用するためのペンタミジン製剤がニューモシスチスカリニ肺炎の治療に関して述べられてきた。例えば、ネブライザ分注のためのペンタミジン製剤が米国特許第5,364,615号、第5,366,726号、第4,853,416号、第5,084,480号、第5,262,157号、および第5,089,527号に記述されている。MDIまたはDPIによる分注のための乾燥ペンタミジン製剤が米国特許第5,204,113号および第5,334,374号に記述されている。これらの製剤および分注方法は本願明細書に述べられる排出ポンプ阻害剤用に使用されることが可能である。 乾燥粉末の凝集解離およびエーロゾル化を含む乾燥粉末吸入器(DPI)は普通では吸引された空気の爆発に頼り、それがユニットを通じて引き出されて薬剤服用量を供給する。そのような装置は、例えば吸引段および注入段を有する圧空式粉末噴出器に向けられた米国特許第4,807,814号に記述されており、SU628930(Abstract)は軸流チューブを有する携帯型粉末ディスペンサを記述しており、Fox et al.,Powder and Bulk Engineering,pages 33-36(March 1988)はベンチュリ式制限の上流に軸方向の空気入り口チューブを有するベンチュリ式排出装置を記述しており、EP347779は折り畳み可能な膨張チャンバを有する携帯型粉末ディスペンサを記述しており、米国特許第5,785,049号は薬剤用の乾燥粉末供給装置に向けられている。 溶液/分散製剤 一実施形態では、可溶性またはナノ粒子の薬剤粒子を含む水性の製剤が供給される。水性のエーロゾル製剤については、薬剤は約0.05mg/mL、最大で約600mg/mLまでの濃度で存在してもよい。そのような製剤は肺または鼻腔の適切な領域への効果的な供給を提供する。付け加えると、さらに濃縮されたエーロゾル製剤(すなわち水性のエーロゾル製剤については約10mg/mL、最大で約600mg/mLまで)は、大量の薬剤物質が極めて短い時間的期間で肺へと供給されることを可能にするという追加的な利点を有する。一実施形態では、十分に許容される製剤を供給するように製剤が最適化される。したがって一実施形態では、本願明細書に開示される(抗生物質の存在下または不在下での)排出ポンプ阻害剤は良好な味、5.5〜7の間のpH、150〜550mOsm/kgの間の浸透圧、31〜300mMの間の持続的イオン濃度を有するように製剤される。 一実施形態では、エーロゾル製剤の調製に使用するための溶液または希釈剤は4.5から7.5、好ましくは5.5と7.0の間のpH範囲を有する。このpH範囲は許容性を向上させる。エーロゾルが酸性または塩基性であるとき、気管支痙攣および咳を引き起こす可能性が高い。pHの安全範囲は相対的であり、いくらかの患者は弱酸性のエーロゾルを許容し得るが、その一方でその他は気管支痙攣を経験するであろう。4.5未満のpHを備えたどのようなエーロゾルも通常は気管支痙攣を誘発する。4.5と5.5の間のpHを備えたエーロゾルは場合によって気管支痙攣を引き起こすであろう。身体の組織はアルカリ性のエーロゾルを緩衝することができないので7.5よりも大きいpHを有するどのようなエーロゾルも避けられるべきである。4.5よりも下、および7.5よりも上に制御されたpHを備えたエーロゾルは結果として、深刻な気管支痙攣、咳および炎症反応を伴なう刺激につながる。これらの理由ならびに患者の気管支痙攣、咳、または炎症の回避のために、エーロゾル製剤に関して最適のpHはpH5.5とpH7.0の間であると判定された。したがって、一実施形態では、本願明細書に述べられるような使用のためのエーロゾル製剤は4.5と7.5の間のpH、好ましくは5.5と7.0の間のpHに調整される。最も好ましいpH範囲は5.5から6.5である。 非限定的な範例によると、組成が緩衝剤、または通常では有機の酸または塩基から調製される塩であるpH調整薬剤もやはり含むことが可能である。代表的な緩衝剤はクエン酸、アスコルビン酸、グルコン酸、炭酸、酒石酸、コハク酸、酢酸、またはフタル酸の有機酸の塩、Tris、塩酸トロメタミン、またはリン酸バッファを含む。 多くの患者は増大した感受性を様々な化学薬剤に有し、気管支痙攣、喘息、または他の咳き込む出来事の高い発病率を有する。彼らの気道は低張もしくは高張、および酸性もしくはアルカリ性の条件、およびいずれかの持続性イオン(例えば塩化物)の存在に特に敏感である。これらの条件のいずれかの不均衡または一定値以上の塩化物の存在は気管支痙攣、炎症の事態および/または咳につながり、これは吸入製剤による治療を大幅に損なう。これらの状況の両方が気管支空間へのエーロゾル薬剤の効率的な供給を妨げる。 いくつかの実施形態では、本願明細書に開示される排出ポンプ阻害剤の水溶液の浸透圧は賦形剤を供給することによって調整される。いくつかのケースでは、エーロゾル化されたアズトレオナムの連続的で効率的な供給のためにある量の塩化物または他のアニオンが必要とされる。しかしながら、そのような量は他の化合物のエーロゾルに関して供給され、通常に使用される量よりも低いことが見出されている。 気管支痙攣または咳反射はエーロゾル化用の希釈剤の同じ浸透圧に応答しない。しかしながら、希釈剤の浸透圧がある一定範囲にあるときにそれらが十分に制御され、かつ/または抑制される可能性が高い。安全でかつ許容される治療用化合物のエーロゾル化のための好ましい溶液は150と550mOsm/kgの間の合計浸透圧を有し、31mMと300mMの間の塩化物濃度の範囲を伴なう。この浸透圧が気管支痙攣を抑制し、浸透性アニオンとしてのこの塩化物濃度が咳を抑制する。臭素またはヨウ素イオンの両方が、それらが両方共に浸透性イオンであるので塩素と置き換えられることが可能である。付け加えると、重炭酸塩が塩化物イオンと置き換えられることが可能である。 非限定的な範例によると、抗生物質の存在下または不在下でのエーロゾルの排出ポンプ阻害剤のための製剤は希釈生理食塩水(1/10と3/4規定の生理食塩水)1ml当たり約1〜100mg、好ましくは約2〜50mgのペンタミジンまたはペンタミジン類似体を含むこともあり得る。さらに、この化合物は(抗生物質の存在下または不在下で)150と550mOsm/kgの間の浸透圧を有してもよい。そのような浸透圧は肺の細菌感染を患う患者への投与に適したエーロゾルの安全範囲内にある。 一実施形態では、溶液の浸透圧は約100mOsmol/kgから約600mOsmol/kgである。様々な他の実施形態では、溶液の浸透圧は約150mOsmol/kgから約550mOsmol/kg、約200mOsmol/kgから約500mOsmol/kg、約250mOsmol/kgから約450mOsmol/kg、および約300mOsmol/kgから約400mOsmol/kgである。 一実施形態では、透過性イオン濃度は約25mMから約400mMである。様々な他の実施形態では、透過性イオン濃度は約50mMから約300mM、約50mMから約250mM、約75mMから約200mM、および約100mMから約150mMである。 固体粒子製剤 いくつかの実施形態では、乾燥エーロゾルの発生に使用するため、または液体懸濁駅のナノ粒子を発生させるために固体薬剤のナノ粒子が供給される。ナノ粒子の薬剤を含む粉末はナノ粒子の薬剤および表面改質剤の水性分散液を吹き付け乾燥させて凝集した薬剤ナノ粒子からなる乾燥粉末を形成することによって作られることが可能である。一実施形態では、この凝集体は肺奥部への供給に適した約1から約2ミクロンのサイズを有することが可能である。凝集体粒子のサイズは、吹き付け乾燥される分散液中の薬剤の濃度を上げることによって、または吹き付け乾燥器で発生する液滴サイズを上げることによって上部気管支領域または鼻粘膜といった代替選択肢の供給部位を標的にするために上げられることが可能である。 場合によっては、薬剤および表面改質剤の水性分散液は、吹き付け乾燥処理されると各々が少なくとも1つの埋め込まれた薬剤と表面改質剤を含む粒子であって呼吸に適した希釈剤粒子を形成するラクトースまたはマンニトールといった溶解希釈剤を含むことが可能である。埋め込まれた薬剤を備えた希釈剤粒子は肺奥部への供給に適した約1から約2ミクロンの粒子サイズを有することが可能である。付け加えると、この希釈剤粒子のサイズは、吹き付け乾燥の前に水性分散液中の溶解希釈剤の濃度を上げることによって、または吹き付け乾燥によって生じる液滴サイズを上げることによって上部気管支領域または鼻粘膜といった代替選択肢の供給部位を標的にするために上げられることが可能である。 吹き付け乾燥処理された粉末は、単独または凍結乾燥されたナノ粒子粉末との組合せのどちらかでDPIまたはpMDIに使用されることが可能である。付け加えると、薬剤のナノ粒子を含む吹き付け乾燥処理された粉末は再構成され、ジェット式もしくは超音波式のネブライザのどちらかで使用されることで呼吸に適した液滴サイズを有する水性分散液を生じることが可能であり、ここでは各々の液滴が少なくとも1つの薬剤ナノ粒子を含む。濃縮されたナノ粒子分散液が本発明のこれらの態様に使用されることもやはり可能である。 鼻または肺への供給に適した粉末を得るためにナノ粒子の薬剤分散液が凍結乾燥されることもやはり可能である。そのような粉末は表面改質剤を有する凝集ナノ粒子の薬剤粒子を含むことが可能である。そのような凝集体は呼吸に適した範囲内、例えば約2から約4ミクロンMMADのサイズを有することが可能である。鼻粘膜のような代替選択肢の供給部位を標的にするためにさらに大きい凝集粒子が得られることも可能である。 追加的にラクトースまたはマンニトールのような溶解希釈剤を含む薬剤と表面改質剤の水性の分散液を凍結乾燥することによって適切な粒子サイズの凍結乾燥粉末を得ることもやはり可能である。これらの例では凍結乾燥された粉末は呼吸に適した希釈剤の粒子を含み、これらの各々が少なくとも1つの埋め込まれた薬剤ナノ粒子を含む。 凍結乾燥された粉末は単独または吹き付け乾燥処理されたナノ粒子粉末との組合せのどちらかでDPIまたはpMDIに使用されることが可能である。付け加えると、薬剤のナノ粒子を含む凍結乾燥された粉末は再構成され、ジェット式もしくは超音波式のネブライザのどちらかで使用されることで呼吸に適した液滴サイズを有する水性分散液を生じることが可能であり、ここでは各々の液滴が少なくとも1つの薬剤ナノ粒子を含む。 本発明の一実施形態は、ナノ粒子の薬剤粒子と表面改質剤を含んで噴射剤を基本とした系のための方法および組成に向けられる。そのような製剤は大気圧または高圧下のどちらかの条件で液体噴射剤中の粗い薬剤物質と表面改質剤を湿式粉砕することによって調製されることが可能である。場合によっては、薬剤ナノ粒子を含む乾燥粉末は薬剤ナノ粒子の水性分散液を吹き付け乾燥処理または凍結乾燥処理し、結果として得られる粉末を従来式のpMDIに使用するために適切な噴射剤の中に分散させることによって調製されることも可能である。そのようなナノ粒子のpMDI製剤は鼻または肺への供給のどちらにも使用されることが可能である。肺への投与に関すると、そのような製剤はこれらの方法から入手可能な小さい(例えば約1から2ミクロンのMMAD)粒子サイズが理由で肺奥部領域への増大した供給を提供する。濃縮されたエーロゾル製剤がpMDIに使用されることもやはり可能である。 他の実施形態は、肺または鼻への供給のためのナノ粒子組成を含む乾燥粉末へと向けられる。この粉末はナノ粒子薬剤の粒子呼吸に適した凝集体、または少なくとも1つの埋め込まれた薬剤ナノ粒子を含む希釈剤の呼吸に適した粒子で構成されてもよい。ナノ粒子薬剤の粒子を含む粉末は、吹き付け乾燥または凍結乾燥(フリーズドライ)を介して水を除去することによってナノ粒子の水性分散液から調製されることが可能である。吹き付け乾燥は凍結乾燥よりも消費時間が少なく、かつ費用も少なく、したがって費用効果が高い。しかしながら、生物製剤のようなある種の薬剤は乾燥粉末製剤を作るときに吹き付け乾燥よりも凍結乾燥から恩典を得る。 2〜3ミクロンMMADの粒径を有する乾燥粉末エーロゾル供給に使用される従来式のミクロン規模の薬剤粒子はそのような粉末に固有の静電的凝集力が原因で少量に秤量して分散させることがしばしば困難である。これらの困難は供給装置への薬剤物質の損失ならびに不完全な粉末分散および肺への最適に準ずる供給につながり得る。多くの薬剤化合物、特にタンパク質およびペプチドは肺奥部への供給および全身性の吸収を意図される。従来式に調製された乾燥粉末の平均粒子サイズは普通では2〜3ミクロンMMADの範囲にあるので、実際に肺胞領域に到達する材料の画分は極めて小さい可能性が高い。したがって、ミクロン規模の乾燥粉末の肺、特に肺胞領域への供給は粉末自体の特性が原因で概して極めて非効率的である。 ナノ粒子薬剤を含む乾燥粉末エーロゾルは比較対象のミクロン規模の薬剤物質よりも小さく作られることが可能であり、したがって肺奥部への効率的供給に適している。さらに、ナノ粒子薬剤の凝集体は幾何学的に球形であり、優れた流動特性を有し、したがって服用量秤量および投与された組成の肺または鼻腔での堆積を補助する。 乾燥ナノ粒子組成はDPIとpMDIの両方に使用されることが可能である。本願明細書で使用される「乾燥」は、5%未満の水分を有する組成を称する。 一実施形態では、光散乱法で測定されたときに約1000nm未満、さらに好ましくは約400nm未満、約300nm未満、約250nm未満、約100nm未満、または約50nm未満の実効平均粒子サイズを有するナノ粒子を含む組成が供給される。「約1000nm未満の実効平均粒子サイズ」によって、薬剤粒子の少なくとも50%が光散乱技術で測定されたときに約1000nm未満の重量平均粒子サイズを有することが意味される。薬剤粒子の少なくとも70%が約1000nm未満の平均粒子サイズを有することが好ましく、薬剤粒子の少なくとも90%が約1000nm未満の平均粒子サイズを有することがさらに好ましく、粒子の少なくとも95%が約1000nm未満の平均粒子サイズを有することがなおもさらに好ましい。 水性エーロゾル製剤については、ナノ粒子薬剤は約0.05mg/mL、最大で約600mg/mLまでの濃度で存在してもよい。乾燥粉末エーロゾル製剤については、ナノ粒子薬剤は約0.05mg/g、最大で約990mg/gまでの濃度で存在してもよく、望ましい薬剤服用量に応じて決まる。水性エーロゾル製剤に関して約10mg/mL、最大で約600mg/mLまでの濃度、および乾燥粉末エーロゾル製剤に関して約10mg/g、最大で約990mg/gまでの濃度でナノ粒子薬剤を含むと規定される濃縮ナノ粒子エーロゾルが特別に提供される。そのような製剤は短い投与時間、すなわち従来式の肺のネブライザ治療で見受けられるような最大で4から20分の投与時間と比較したときに約15秒未満の投与時間で肺または鼻腔の適切な領域に効率的な供給を提供する。 エーロゾル投与のためのナノ粒子薬剤の組成は、例えば(1)粉砕または沈降によって得られるナノ粒子薬剤の分散液を霧化すること、(2)ナノ粒子薬剤および表面改質剤の凝集体の乾燥粉末をエーロゾル化させること(エーロゾル化された組成が追加的に希釈剤を含んでもよい)、または(3)ナノ粒子薬剤の懸濁液または非水性の噴射剤中の薬剤凝集体をエーロゾル化させることによって作られることが可能である。ナノ粒子薬剤および表面改質剤の凝集体(追加的に希釈剤を含んでもよい)は非加圧の、または加圧された非水性の系で作られてもよい。そのような方法を介して濃縮エーロゾル製剤が作られることもやはり可能である。 ナノ粒子薬剤を得るための水性薬剤の粉砕は液体分散媒中に薬剤粒子を分散させ、粉砕媒質の存在下で機械的手段を適用することで薬剤のサイズを所望の実効平均粒子サイズへと下げることによって遂行されることが可能である。1種または複数種の表面改質剤の存在下で粒子がサイズを小さくされることもあり得る。場合によっては、小さくした後に粒子が1種または複数種の表面改質剤と接触させられることもあり得る。サイズ縮小処理中に希釈剤のような他の化合物が薬剤/表面改質剤に添加されることもあり得る。分散液は連続的またはバッチ方式で製造されることが可能である。 ナノ粒子分散液を形成する他の方法は微粒子沈降法による。これは、1種または複数種の表面改質剤、および有害な溶剤もしくは可溶化重金属不純物のどのような痕跡も含まない1種または複数種のコロイド安定性促進界面活性剤の存在下で安定な分散液を調製する方法である。そのような方法は、例えば(1)薬剤を適切な溶剤中に混合しながら溶解させる工程、(2)工程(1)から得られる製剤を少なくとも1種の表面改質剤を含む溶液に混合しながら添加して透明の溶液を形成する工程、および(3)工程(2)から得られる製剤を、適切な非溶剤を使用して混合しながら沈殿生成させる工程を含む。この方法に引き続いて、もしも存在すれば形成されるいずれの塩も、従来の手段による分散液の透析、ダイアフィルトレーションおよび濃縮によって除去されることもあり得る。結果として得られるナノ粒子薬剤分散液は液体ネブライザで利用されるか、あるいはDPIまたはpMDIで使用するために乾燥粉末を形成するように処理されることが可能である。 非水性、非加圧の粉砕システムでは、室温下で1気圧以下の蒸気圧を有し、薬剤物質が本質的に不溶性である非水性液体が湿式粉砕媒質として使用されることでナノ粒子薬剤組成を作ることが可能である。そのような方法では、薬剤および表面改質剤のスラリーが非水性媒質中で粉砕されることでナノ粒子薬剤の粒子を生じることが可能である。適切な非水性媒質の範例はエタノール、トリクロロモノフルオロメタン、(CFC-11)、およびジクロロテトラフルオロエタン(CFC-114)を含む。CFC-11の使用の利点は、これがほんの少し低温の室温で扱うことが可能であり、それに対してCFC-114は蒸発を避けるためにさらに制御された条件を必要とするということである。粉砕が完了すると、液体の媒質は真空下または加熱で除去および回収されることが可能であり、結果として乾燥ナノ粒子組成が得られる。その後、乾燥組成は適切な容器に満たされ、最終の噴射剤で充填されることが可能である。範例となる最終製品の噴射剤(塩素化炭化水素を含まないことが理想的である)はHFA-134a(テトラフルオロエタン)およびHFA-227(ヘプタフルオロヘプタン)を含む。非塩素化噴射剤は環境的理由で好ましいと考え得るが、塩素化噴射剤が本発明のこの態様に使用されることもやはり可能である。 非水性、非加圧の粉砕システムでは、室温下で1気圧よりも大幅に大きい蒸気圧を有する非水性液体媒質が粉砕処理に使用されてナノ粒子薬剤の組成を作ることも可能である。粉砕媒質が適切なハロゲン化炭化水素噴射剤であれば、結果として得られる分散液は適切なpMDI容器に直接満たされることが可能である。場合によっては、乾燥ナノ粒子組成を生じさせるために粉砕媒質が真空下または加熱で除去および回収されることも可能である。その後、この組成はpMDIに使用するために適切な容器に満たされ、最終の噴射剤で充填されることが可能である。 吹き付け乾燥は、液体媒質中での薬剤の粒子サイズ縮小に引き続いてナノ粒子薬剤の粒子を含む粉末を得るために使用される処理である。概して、液体媒質が室温下で約1気圧未満の蒸気圧を有するときに吹き付け乾燥が使用される可能性が高い。吹き付け乾燥機は液体の蒸発および薬剤粉末の収集を可能にする装置である。溶液または懸濁液のどちらかのサンプルが吹き付けノズルの中に供給される。このノズルが直径約20から100μmの範囲のサンプルの液滴を発生させ、その後、これらはキャリヤガスによって乾燥チャンバの中へと輸送される。キャリヤガスの温度は通常では約80と約200℃の間である。これらの液滴は急速な液体蒸発に晒されて後に乾燥粒子を残し、これらがサイクロン装置の下の特別なリザーバに収集される。 液体サンプルがナノ粒子の水性分散液および表面改質剤で構成される場合、収集される生成物はナノ粒子薬剤粒子の球状凝集体で構成されるであろう。液体サンプルが不活性の希釈材料(例えばラクトースやマンニトール)の溶解したナノ粒子の水性分散液で構成される場合、収集される生成物は埋め込まれたナノ粒子薬剤の粒子を含む希釈剤(例えばラクトースやマンニトール)の粒子で構成されるであろう。収集される生成物の最終的なサイズは制御されることが可能であり、液体サンプル中のナノ粒子薬剤および/または希釈剤の濃度、ならびに吹き付け乾燥機のノズルで作り出される液滴サイズによって決まる。収集される生成物は肺または鼻への供給のために従来式のDPIで使用され、pMDIに使用するために噴射剤中に分散させられ、あるいはネブライザで使用するために粒子が水中で再構成されることもあり得る。 いくつかの例では、最終製品の秤量特性を向上させるために不活性の基剤が吹き付け乾燥処理された材料に添加されることが望ましいこともあり得る。これは特に、吹き付け乾燥処理された粉末が極めて小さい(約5μm未満)とき、または意図される服用量が極めて少量であり、それにより、秤量が困難になるときのケースである可能性が高い。概して、そのような基剤粒子(充填剤としても知られている)は肺へと供給されるには大き過ぎ、単純に口および咽喉に固着して飲み込まれる。そのような基剤は通常、ラクトース、マンニトール、またはトレハロースといった糖で構成される。多糖類およびセルロース誘導体を含む他の不活性物質もやはり基剤として有用となり得る。 ナノ粒子薬剤の粒子を含む吹き付け乾燥処理された粉末は従来式のDPIで使用され、pMDIに使用するために噴射剤中に分散させられ、あるいはネブライザで使用するために粒子が水中で再構成されることもあり得る。 低融点(すなわち約70から約150℃)を有する化合物のような加熱によって変性を受けるかまたは不安定化される化合物、または例えば生物製剤については、乾燥粉末のナノ粒子薬剤組成を得るために昇華が蒸発以上に好ましい。これは昇華が吹き付け乾燥に付随する高い処理温度を回避するからである。付け加えると、フリーズドライもしくは凍結乾燥としても知られている昇華は薬剤化合物、特に生物学的製品の在庫時の安定性を増大させることが可能である。凍結乾燥処理された粒子が再構成され、ネブライザで使用されることもやはり可能である。凍結乾燥処理されたナノ粒子薬剤の粒子の凝集体が鼻または肺のどちらかへの供給のために乾燥粉末の中間体と混合されるか、または単独でDPIおよびpMDIに使用されるかのいずれもが可能である。 昇華は生成物を凍結させる工程および強度の真空条件に晒す工程を含む。これは形成された氷が固体状態から気体状態へと直接変換されることを可能にする。そのような処理は極めて効率的であり、したがって吹き付け乾燥よりも優れた収率を提供する。結果として得られる凍結乾燥処理された生成物は薬剤および(複数種の)改質剤を含む。この薬剤は通常では凝集状態で存在し、希釈剤(ラクトース、マンニトールなど)と併せてDPIまたはpMDIで(肺または鼻のどちらかへの)吸入単独に使用されるか、またはネブライザで使用するために再構成されることが可能である。 リポソーム組成 いくつかの実施形態では、本願明細書に開示される排出ポンプ阻害剤がリポソーム粒子の中に製剤され、その後、これが吸入型供給のためにエーロゾル化されることが可能である。本発明に有用である脂質は中性脂質および荷電脂質を含む様々な脂質のいずれかであることが可能である。望ましい特性を有する基剤系は脂質、標的化学基、および循環促進剤の適切な組合せを使用して調製されることが可能である。付け加えると、本願明細書に提供される組成はリポソームまたは脂質粒子の形であることが可能であり、脂質粒子であることが好ましい。本願明細書に使用される「脂質粒子」という用語は、核酸を「コーティング」し、水性の内側をほとんどもしくはまったく有さない脂質二重層の基剤を称する。さらに特定すると、この用語は自己組織化二重層の基剤を述べるために使用され、ここでは内側層の一部がカチオン脂質を含み、これが核酸上の負電荷とイオン結合またはイオン対を形成する(例えばプラスミドのホスホジエステルバックボーン)。この内側層はまた、中性または融合誘導脂質、およびいくつかの実施形態では負に荷電した脂質を含むこともあり得る。この粒子の外側層は通常、内側層の疎水性尾部と(リポソームのように)尾-尾方式に配向した混合物を含むであろう。外側層の脂質上に存在する極性の頭群が粒子の外表面を形成するであろう。 リソゾームの生物活性薬剤は持続性の治療効果または一層低い毒性を有するように設計されることが可能であり、一層少ない頻度の投与および向上した治療指数を可能にする。リポソームは所望の医薬を取り込む二重層によって構成される。これらは同心二重層の多重膜小嚢として構成されることが可能であり、医薬は異なる層の中または層間の水性の空間のどちらかに捕捉される。 非限定的な範例によると、組成に使用される脂質はリン脂質、トコフェロール、ステロイド、脂肪酸、アルブミンのようなグリコプロテイン、負荷電脂質、およびカチオン脂質を含む合成、半合成、または自然界に生じる脂質であることが可能である。リン脂質は卵ホスファチジルコリン(EPC)、卵ホスファチジルグリセロール(EPG)、卵ホスファチジルイノシトール(EPI)、卵ホスファチジルセリン(EPS)、ホスファチジルエタノールアミン(EPE)、および卵ホスファチジン酸(EPA)、ダイズ片割れ、ダイズホスファチジルコリン(SPC)、SPG、SPS、SPI、SPE、およびSPA、水素化された卵およびダイズ片割れ(例えばHEPC、HSPC)、12から26個の炭素原子を含んでグリセロールの2および3の位置で脂肪酸のエステル結合で作られ、グリセロールの1の位置で異なる先頭化学基を有し、コリン、グリセロール、イノシトール、セリン、エタノールアミンを含むその他のリン脂質、ならびに相当するホスファチジン酸を含む。これらの脂肪酸の鎖は飽和または不飽和であることが可能であり、リン脂質が異なる鎖長および異なる飽和度の脂肪酸で作り上げられることが可能である。特に、製剤の組成がジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、自然界に生じる肺表面活性剤の主成分、ならびにジオレオイルホスファチジルコリン(DOPC)、およびジオレオイルホスファチジルグリセロール(DOPG)を含むことが可能である。その他の範例はジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)とジミリストイルホスファチジルグリセロール(DMPG)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)とジパルミトイルホスファチジルグリセロール(DPPG)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)とジステアロイルホスファチジルグリセロール(DSPG)、ジオレイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)、およびパルミトイルステアロイルホスファチジルコリン(PSPC)およびパルミトイルステアロイルホスファチジルグリセロール(PSPG)のような混合型リン脂質、およびモノオレオイルホスファチジルエタノールアミン(MOPE)のような単一アシル化リン脂質を含む。 好ましい実施形態では、凝集防止剤としてPEG-修飾された脂質が本発明の組成の中に組み入れられる。PEG-修飾脂質の使用はリポソームまたは脂質基剤の表面上に巨大なPEG基を位置付け、基剤の外側へのDNAの結合を妨げる(したがって脂質基剤の架橋および凝集を阻害する)。PEG-セラミドの使用がしばしば好ましく、膜の二重層を安定化させ、循環寿命を延ばすという追加的な利点を有する。付け加えると、脂質二重層内のPEG-セラミドの寿命を制御するためにPEG-セラミドは異なる脂質尾長で調製されることが可能である。この方式で、「プログラム可能な」放出が達成されることが可能であり、これは結果として脂質基剤の融合の制御につながる。例えば、セラミド部分にC20-アシル基を有するPEG-セラミドは22時間の半減期で脂質二重層基剤の外へ拡散するであろう。C14-およびC8-アシル基を有するPEGセラミドはそれぞれ10分および1分未満の半減期で同じ基剤の外へ拡散するであろう。結果として、脂質尾長の選択は二重層が分かっている速度で不安定になる(したがって融合誘導になる)組成を提供する。優先傾向は下がるが、他のPEG-脂質または脂質-ポリオキシエチレン共役体が本組成で有用である。適切なPEG-修飾脂質の範例はPEG-修飾されたホスファチジルエタノールアミンおよびホスファチジン酸、PEG-修飾されたジアシルグリセロールおよびジアルキルグリセロール、PEG-修飾されたジアルキルアミンおよびPEG-修飾された1,2-ジアシルオキシプロパン-3-アミンを含む。米国特許第5,820,873号に記述されるPEG-セラミド共役体(例えばPEG-Cer-C8、PEG-Cer-C14、またはPEG-Cer-C20)が特に好ましい。 本発明の組成は、直径約50nmから約400nmであるリポソーム組成を与えるように調整されることが可能である。カプセル化される容量に応じてこの組成のサイズがさらに大きく、またはさらに小さくされ得ることを当業者は理解するであろう。したがって、大きい容量については、サイズの分布は通常では約80nmから約300nmであろう。 表面改質剤 本願明細書に開示される排出ポンプ阻害剤は抗生物質の存在下または不在下で、知られている有機および無機の医薬の賦形剤から選択され得る適切な表面改質剤と医薬組成物に調合されることが可能である。そのような賦形剤は低分子量のオリゴマー、ポリマー、界面活性剤、および自然の生成物を含む。好ましい表面改質剤は非イオン性およびイオン性の界面活性剤を含む。2種以上の表面改質剤が組合せで使用されることもあり得る。 表面改質剤の代表的な範例は塩化セチルピリジニウム、ゼラチン、カゼイン、レシチン(ホスファチド)、デキストラン、グリセロール、アラビアゴム、コレステロール、トラガカント、ステアリン酸、塩化ベンザルコニウム、ステアリン酸カルシウム、グリセロールモノステアレート、セトステアリルアルコール、セトマクロゴール乳化ワックス、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(例えばセトマクロゴール1000のようなマクロゴールエーテル)、ポリオキシエチレンキャスターオイル誘導体、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(例えば市販入手可能なTween20.RTMおよびTween80.RTMのようなTweens.RTM(ICI Specialty Chemicals))、ポリエチレングリコール(例えばCarbowaxs3350.RTM.および1450.RTM.、およびCarbopol934.RTM.(Union Carbide))、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ポリオキシエチレンステアレート、コロイド状二酸化ケイ素、リン酸塩、ドデシル硫酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC、HPC-SL、およびHPC-L)、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、非晶質セルロース、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、トリエタノールアミン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、酸化エチレンとホルムアルデヒドを伴なった4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-フェノール重合体(チオキサポール、surerione、およびtritonとしても知られている)、ポロキサマー(例えばPluronics F68.RTM.およびF108.RTM.、これらは酸化エチレンと酸化プロピレンのブロック共重合体である)、ポロキサミン(例えばPoloxamine908.RTM.としても知られているTetronic908.RTM.、これは四官能性のブロック共重合体であって、エチレンジアミンへの酸化プロピレンと酸化エチレンの順次の添加から誘導される(BASF Wyandotte Corporation,Parsippany,N.J.));ジミリストイルホスファチジルグリセロール、ジオクチルスルホサクシネート(DOSS);Tetronic 1508.RTM.(T-1508)(BASF Wyandotte Corporation)、スルホコハク酸ナトリウムのジアルキルエステル(例えばAerosol OT.RTM.、これはスルホコハク酸ナトリウムのジオクチルエステルである(American Cyanamid));Duponol P.RTM.、これはラウリル硫酸ナトリウムである(Dupont);Tritons X-200.RTM、これはアルキルアリールポリエーテルスルホネートである(Rohm and Haas);Crodestas F-110.RTM.、これはステアリン酸スクロースとジステアリン酸スクロースの混合物である(Croda Inc.);p-イソノニルフェノキシポリ-(グリシドール)、Olin-log.RTM.またはSurfactant 10-G.RTM.としても知られている(Olin Chemicals,Stamford,Conn.);Crodestas SL-40.RTM.(Croda Inc.);およびSA9OHCO、これはC.sub.18 H.sub.37 CH.sub.2(CON(CH.sub.3)-CH.sub.2(CHOH).sub.4(CH.sub.2 OH).sub.2(Eastman Kodak Co.);デカノイル-N-メチルグルカミド;n-デシルβ-D-グルコピラノシド;n-デシルβ-D-マルトピラノシド;n-ドデシルβ-D-グルコピラノシド;n-ドデシルβ-D-マルトシド;ヘプタノイル-N-メチルグルカミド;n-ヘプチル-β-D-グルコピラノシド;;n-ヘプチル-β-D-チオピラノシド;;n-ヘキシル-β-D-グルコピラノシド;ノナノイル-N-メチルグルコシド;n-ノイル-β-D-グルコピラノシド;オクタノイル-N-メチルグルカルミド;n-オクチル-β-D-グルコピラノシド;オクチル-β-D-チオグルコピラノシドなどを含む。チロキサポールはステロイドの肺または鼻腔内供給にとって特に好ましい表面改質剤であってネブライザ治療にとってはなおさらそうである。 これらの表面改質剤は知られている医薬の賦形剤であり、American Pharmaceutical AssociationおよびThe pharmaceutical Society of Great Britainによって共同発表された(The pharmaceutical Pres,1986)のHandbook of Pharmaceutical Excipientsに詳細に述べられている。表面改質剤は市販入手可能であり、かつ/または当該技術で知られている技法によって調製されることが可能である。薬剤と表面改質剤の相対量は広範に変わる可能性が高く、表面改質剤の最適量は、例えば選択される特定の薬剤と表面改質剤、ミセルを形成するのであれば表面改質剤の臨界ミセル濃度、表面活性剤の親水-親油バランス(HLB)、表面改質剤の融点、表面改質剤および/または薬剤の水溶性表面改質剤の水溶液の表面張力などによって決まる可能性が高い。 本発明では、表面改質剤に対する薬剤の最適比は抗生物質の存在下または不在下で約0.1%から99.9%であり、さらに好ましくは約10%から約90%である。 分散促進ペプチド 組成は2つ以上のロイシン残基を有する1つまたは複数のトリペプチドを含んでもよい。さらなる非限定的な範例によると、米国特許第6,835,372号が分散促進ペプチドを開示している。この特許は粉末の組成の分散性を高めることにジロイシル含有ジペプチド(例えばジロイシン)およびトリペプチドがその能力で優れているという発見を述べている。 他の実施形態では、アミノ酸を含む高度に分散性のある粒子が投与される。疎水性のアミノ酸が好ましい。適切なアミノ酸は自然界で生じる、および自然界に生じない疎水性アミノ酸を含む。限定はされないが、自然界で生じるいくつかの疎水性アミノ酸、自然界に生じない疎水性アミノ酸は例えばβアミノ酸を含む。疎水性アミノ酸のD、L両方およびラセミ構造が使用されることがあり得る。適切な疎水性アミノ酸がアミノ酸類似体を含むこともやはりあり得る。本願明細書に使用されるアミノ酸類似体は以下の式、すなわち-NH-CHR-CO-を有するDまたはL構造を含み、ここでRは脂肪族基、置換脂肪族基、ベンジル基、置換ベンジル基、芳香族基、または置換芳香族基であり、Rは自然界に生じるアミノ酸の側鎖に相当しない。本願明細書に使用される脂肪族基は完全に飽和の直鎖型、分枝型、または環式のC1〜C8を含み、これらは窒素、酸素、または硫黄といった1つまたは2つの異種原子を含み、かつ/または1つまたは複数の脱飽和のユニットを含む。芳香族基地はフェニルおよびナフチルといった炭素環式芳香族基、およびイミダゾリル、インドリル、チエニル、フラニル、ピリジル、ピラニル、オキサゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、キノリニル、イソキノリニル、およびアクリジニルといった複素環式芳香族基を含む。 脂肪族、芳香族、またはベンジル基への適切な置換基は-OH、ハロゲン(-Br、-Cl、-I、および-F)-O(脂肪族、置換脂肪族、ベンジル、置換ベンジル、アリール、または置換アリール基)、-CN、-NO.sub.2、-COOH、-NH.sub.2、-NH(脂肪族基、置換脂肪族、ベンジル、置換ベンジル、アリール、または置換アリール基)、-N(脂肪族基、置換脂肪族、ベンジル、置換ベンジル、アリール、または置換アリール基).sub.2、-COO(脂肪族基、置換脂肪族、ベンジル、置換ベンジル、アリール、または置換アリール基)、-CONH.sub.2、-CONH(脂肪族、置換脂肪族基、ベンジル、置換ベンジル、アリール、または置換アリール基)、-SH、-S(脂肪族、置換脂肪族、ベンジル、置換ベンジル、芳香族、または置換芳香族基)、および-NH-C(.dbd.NH)-NH.sub.2を含む。置換のベンジルまたは芳香族基は置換基として脂肪族または置換脂肪族基を有することもやはりあり得る。置換脂肪族基が置換基としてベンジル、置換ベンジル、アリール、または置換アリール基を有することもやはりあり得る。置換脂肪族、置換芳香族、または置換ベンジル基が1つまたは複数の置換基を有することがあり得る。アミノ酸置換基を修飾すると、例えば、親水性である自然界のアミノ酸の親油性または疎水性を高めることが可能である。 いくつかの適切なアミノ酸、アミノ酸類似体、およびそれらの塩は市販入手されることが可能である。その他は当該技術で知られている方法で合成されることが可能である。 疎水性は概して非極性溶剤と水の間でのアミノ酸の分配に関して規定される。疎水性アミノ酸は非極性溶剤に選択傾向を示すそれである。アミノ酸の相対的疎水性は疎水性尺度で表現されることが可能であり、そこではグリシンは値0.5を有する。そのような尺度では、水に選択傾向を有するアミノ酸は0.5よりも下の値を有し、非極性溶剤に選択傾向を有するそれらは0.5よりも上の値を有する。本願明細書に使用される疎水性アミノ酸は疎水性尺度で0.5以上の値を有する、言い換えるとグリシンのそれに少なくとも等しい非極性酸中の分配に傾向を有するアミノ酸に関する。 使用され得るアミノ酸の範例は、限定はされないが、グリシン、プロリン、アラニン、システイン、メチオニン、バリン、ロイシン、チロシン、イソロイシン、フェニルアラニン、トリプトファンを含む。好ましい疎水性アミノ酸はロイシン、イソロイシン、アラニン、バリン、フェニルアラニン、およびグリシンを含む。疎水性アミノ酸の組合せが使用されることもやはりあり得る。さらに、疎水性および親水性(水中への優先的分配)のアミノ酸の組合せ(ここでは組合せ全体は疎水性である)が使用されることもやはりあり得る。 アミノ酸は本発明の粒子中に少なくとも10重量%の量で存在してもよい。アミノ酸は粒子中に約20から約80重量%の範囲の量で存在することが好ましい。疎水性アミノ酸の塩が本発明の粒子中に少なくとも10重量%の量で存在してもよい。アミノ酸の塩は粒子中に約20から約80重量%の範囲の量で存在することが好ましい。好ましい実施形態では、粒子は約0.4g/cm.sup.3未満のタップ密度を有する。 アミノ酸を含む粒子を形成および供給する方法は1999年8月25日に提出された「Use of Simple Amino Acids to Form Porous Particles During Spray Drying」という表題の米国特許出願番号09/382,959に記述される。 タンパク質/アミノ酸 タンパク質の賦形剤はヒト血清アルブミン(HSA)、遺伝子組み換えヒトアルブミン(rHA)のようなアルブミン、ゼラチン、カゼイン、ヘモグロビンなどを含む。緩衝能力で機能することもやはりあり得る適切なアミノ酸(本発明のジロイシルペプチドを除く)はアラニン、グリシン、アルギニン、ベタイン、ヒスチジン、グルタミン酸、アスパラギン酸、システイン、リジン、ロイシン、イソロイシン、バリン、メチオニン、フェニルアラニン、アスパルテーム、チロシン、トリプトファンなどを含む。分散剤として機能するアミノ酸およびポリペプチドが好ましい。この分類に該当するアミノ酸はロイシン、バリン、イソロイシン、トリプトファン、アラニン、メチオニン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、およびプロリンといった疎水性アミノ酸を含む。分散性促進ペプチド賦形剤は上述されたような疎水性アミノ酸成分を1つまたは複数有する二量体、三量体、四量体、および五量体を含む。 炭水化物 非限定的な範例によると、炭水化物賦形剤はフルクトース、マルトース、ガラクトース、グルコース、D-マンノース、ソルボースなどといった単糖類、ラクトース、スクロース、トレハロース、セロビオースといった二糖類、ラフィノース、メレジトース、マルトデキストリン、デキストラン、デンプンなどといった多糖類、およびマンニトール、キシリトール、マルチトール、ラクチトール、キシリトールソルビトール(グルシトール)、ピラノシルソルビトール、ミオイノシトール、イソマルト、トレハロースなどといったアルジトールを含むことが可能である。 ポリマー 非限定的な範例によると、組成は賦形剤/添加剤、例えばポリビニルピロリドンを含むこともやはり可能であり、セルロース誘導体(例えばヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、およびヒドロキシプロピルメチルセルロース)、Ficolls(糖重合体)、ヒドロキシエチルデンプン、デキストレート(例えば2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンおよびスルホブチルエーテル-β-シクロデキストリンといったシクロデキストリン)、ポリエチレングリコール、およびペクチンもやはり使用されることが可能である。 投与される高度に分散性の粒子は生物活性薬剤、および生体適合性で好ましくは生分解性のポリマー、コポリマー、または混合物を含む。ポリマーは、i)供給されると薬剤の安定性と活性の保持を与えるための供給されるべき薬剤とポリマーの間の相互作用、ii)ポリマー分解の速度、したがって薬剤放出プロファイルの速度、iii)表面特性および化学修飾を介した標的性能、およびiv)粒子の多孔性、を含む様々な粒子の特性を最適化するように特別に仕立てられることが可能である。 無水物重合体のような表面浸食ポリマーが粒子を形成するために使用されてもよい。例えば、ポリ[(p-カルボキシフェノキシ)ヘキサン無水物](PCPH)のような無水物が使用されることが可能である。生分解性の無水物重合体が米国特許第4,857,311号に述べられている。ヒドロキシ酸重合体を含むポリエステルを主成分とするようなバルク浸食ポリマーもやはり使用されることが可能である。例えば、ポリグリコール酸(PGA)、乳酸重合体(PLA)、またはそれらの共重合体が粒子を形成するために使用されてもよい。ポリエステルもやはりアミノ酸のような荷電または機能性化学基を有することが可能である。好ましい実施形態では、制御された放出特性を備えた粒子はポリ(D,L-乳酸)および/またはポリ(D,L-乳酸-グリコール酸)(「PLGA」)で形成されることが可能であってジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)のような界面活性剤を組み入れる。 他のポリマーはポリアミド、ポリカーボネート、ポリアルキレン(例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(酸化エチレン)、ポリ(エチレンテレフタレート))、ポリビニル化合物(例えばポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、およびポリビニルエステル)、アクリルとメタクリル酸の重合体、セルロースと他の多糖類の重合体、およびペプチドもしくはタンパク質、あるいはそれらの共重合体もしくは混合物を含む。制御された様々な薬剤供給用途のためにin vivoで適切な安定性および分解性を有するようにポリマーが選択されるかまたは修飾されることが可能である。 高度に分散性の粒子は、Hrkach et al.,Macromolecules,28:4736-4739(1995)、およびHrkach et al.,"Poly(L-Lactic acid-co-amino acid)Graft Copolymers:A Class of Functional Biodegradable Biomaterials"in Hydrogels and Biodegradable Polymers for Bioapplications,ACS Symposium Series No.627,Raphael M.Ottenbrite et al.,Eds.,American ChemicalSociety,Chapter8,pp.93-101,1996に記述されるように機能性のポリエステルグラフト共重合体から形成されることが可能である。 本発明の好ましい実施形態では、生物活性薬剤およびリン脂質を含む高度に分散性の粒子が投与される。適切なリン脂質は、とりわけ、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、およびそれらの組合せを含む。リン脂質の特定の範例は、限定はされないがホスファチジルコリン類のジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン(DPPE)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール(DPPG)、またはそれらのいずれかの組合せを含む。その他のリン脂質が当業者に知られている。好ましい実施形態では、これらのリン脂質は肺に内在性である。 リン脂質は約0から約90重量%の範囲の量で粒子中に存在してもよい。さらに一般的には約10から約60重量%の範囲の量で粒子中に存在してもよい。 本発明の他の実施形態では、リン脂質またはその組合せは高度に分散性の粒子に制御された放出特性を与えるように選択される。特定のリン脂質の相転移温度が患者の生理学的身体温度よりも下、付近、または上であることが可能である。好ましい相転移温度は30℃から50℃の範囲にわたる(例えば患者の正常な体温の+/-10度以内)。相転移温度に従ってリン脂質またはリン脂質の組合せを選択すると、粒子は制御された放出特性を有するように仕立てられることが可能である。例えば、患者の体温よりも高い相転移温度を有するリン脂質またはリン脂質の組合せを含む粒子を投与することにより、ドーパミン前駆体、アゴニスト、または前駆体および/またはアゴニストのいずれかの組合せの放出が遅くされることが可能である。他方で、低い方の転移温度を有するリン脂質を粒子中に含ませることによって高速の放出が得られる。 風味、その他 非限定的な範例によると、組成はさらに香料添加剤、味覚マスキング剤、無機塩(例えば塩化ナトリウム)、抗微生物薬(例えば塩化ベンザルコニウム)、甘味料、酸化防止剤、帯電防止剤、界面活性剤(例えば「Tween20」および「Tween80」のようなポリソルベート)、ソルビタンエステル、脂質(例えばレシチンおよび他のホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミンといったリン脂質)、脂肪酸と脂肪酸エステル、ステロイド(例えばコレステロール)、およびキレート剤(例えばEDTA、亜鉛および他のそのような安定なカチオン)を含むことが可能である。本発明による組成での使用に適した他の医薬賦形剤および/または添加剤が「Remington:The Science & Practice of Pharmacy」,19.sup.th ed.,Williams & Williams,(1995)、および「Physician's Desk Reference」,52.sup.nd ed.,Medical Economics,Montvale,N.J.(1998)にリストアップされている。 以下の実施例は上述の本発明を使用する方式をさらに十分に説明すること、ならびに本発明の様々な態様を実行するために企図される最良の様式を述べることに役立つ。これらの実施例が決して本発明の範囲を制限する役割りを果たさず、具体的例示の目的で提示されることは理解される。(実施例1) ペンタミジンによるレボフロキサシンの増強作用 排出ポンプ阻害剤としてのペンタミジンの最初の同定は、ペンタミジンの抗生物質増強作用を測定することで行われた。 増強効果はペンタミジンの存在下でのレボフラキサシンの最小阻害濃度の低下によって観察された。レボフロキサシンと組み合わせた時のペンタミジンの活性はNCCLS(National Committee for Clinical Laboratory Standards(NCCLS).1997.Methods for Dilution of Antimicrobial Susceptibility Test for Bacteria That Grow Aerobically - Fourth Edition;Approved Standard.NCCLS Document M7-A4,Vol 17 No.2)によって推奨されるように、ブロスマイクロ希釈法を使用してチェッカーボード法(Antimicrobial Combinations.In Antibiotics in Laboratory Medicine,Ed.Victoe Lorian,M.D.,Fourth edition,1996,pp 333-338)によって評価された。この分析では、様々な希釈度の二種類の薬品、すなわちペンタミジンとレボフロキサシンが単独および組合せでそれぞれの最低阻害濃度(MIC)に等しいかまたはその上下で試験された。ペンタミジンは水に易溶性であり、ストック溶液は最終濃度10mg/mlで調製された。ストック溶液は特定の分析のニーズ(要求条件)に応じてMueller Hinton Broth(MHB)でさらに希釈された。ストック溶液は-80℃で保存された。 チェッカーボード法はマイクロタイタープレートで実行された。各々の縦列が単一のレボフロキサシン濃度を含むように、レボフロキサシンがx軸で希釈された。各々の横列が等しい濃度のペンタミジンを含むように、ペンタミジンはy軸で希釈された。これらの操作の結果、マイクロタイタープレートの各々のウェルは二種類の薬剤の濃度の独自の組合せを有する。分析は最終の接種細菌濃度5×105 CFU/ml(対数増殖期初期の培養から得たもの)を備えたMHB中で実行された。マイクロタイタープレートは35℃で20時間インキュベートされ、マイクロタイタープレート測定鏡による目視観察、ならびに650nmでマイクロタイタープレートリーダー(Molecular Devices)を使用して読み取られた。MICは、微生物の視認可能な増殖が完全に阻止された組合せの中の抗生物質の最小濃度として規定された。 レボフロキサシン増強作用が緑膿菌で調べられた。使用された試験生物は、基底レベルのMexAB-OprMポンプ発現を示す緑膿菌野生株であるPAM1020、ならびにMexAB-OprMポンプを過剰発現するPAM1723,MexCD-OprJポンプを過剰発現するPAM1738,MexEF-OprNポンプを過剰発現するPAM1753であった。加えて、上記3つの排出ポンプすべてを欠いたPAM1626株でもペンタミジンによるレボフラキサチン増強作用が調べられた。ペンタミジンは最大濃度80μg/mlで試験された。この濃度でペンタミジンは野生株の増殖の阻害を示したが、20μg/mlではペンタミジンはこの菌株でレボフロキサシンのMICを1/8に低下させた。PAM1723、PAM1738株に対するペンタミジンのMICは80μg/mlよりも高かったが、しかし20μg/mlでペンタミジンはそれぞれの株のMICを1/8と1/4に低下させた。排出ポンプを欠くPAM1626株ではレボフロキサシンMICの低下はほとんど見られなかった。これらの実験は、ペンタミジンは排出ポンプを過剰に作り出している緑膿菌株に対してレボフロキサシンを増強することが可能であるが、排出ポンプを欠いた菌株では増強しないことを示している。この結果は、排出活性の阻害がレボフロキサシン増強のメカニズムであることを強く示している(表1)。 重要であるが、排出ポンプを欠くPAM1626株に対するペンタミジンのMICは10μg/mlであり、排出ポンプを発現する菌株に対するよりも低い。これは、ペンタミジン自体がこれらのポンプの基質であり、したがってペンタミジンがポンプのタンパク質に直接作用している証拠を与えている。レボフロキサシンのような他の基質の存在下でのポンプ阻害活性に関する1つの考え得る説明は、基質結合部位に対するその一層高い結合親和性である。(実施例2) ペンタミジンによる排出ポンプ基質の増強作用 いずれの特定の理論にも束縛されないが、ペンタミジンによって阻害される排出ポンプの基質となる抗生物質をペンタミジンが増強することが提議される。これを調べるため、緑膿菌PAM1723株についていくつかの抗生物質のMICが一定濃度のペンタミジン存在下と不在下で測定された(40μg/ml)。ペンタミジンはMexAB-OprMのいくつかの基質のMICを低下させ、これはレボフロキサシン(1/16)、シプロフロキサシン(1/8)、アジスロマイシン(1/64)、エリスロマイシン(1/4)、およびクロラムフェニコール(1/16)を含む(表2)。対照的に、このポンプの基質ではないトブラマイシンではペンタミジンの効果がほとんど見られなかった(表2のPM1723とPAM1154を比較参照)。(実施例3) 蓄積分析 ペンタミジンの排出ポンプ阻害活性についての更なる証拠は蓄積分析から得られた。ロイシン-β-ナフチルアミド(Leu-Nap)は緑膿菌Mexポンプの基質である。溶液中で蛍光性ではないLeu-Napは、細胞内部で酵素によって分解されると強い蛍光性のβ-ナフチルアミンを生じる。細胞内に入るLeu-Napの量が多くなるにつれて、さらに多くの蛍光が作り出される。β-ナフチルアミドの生成速度(蛍光の増加として記録される)は細胞内へのLeu-Napの進入の速度によって制限される。Leu-Napの摂取量を評価するため、緑膿菌培養物がOD600〜1まで生育させられ、洗浄され、K2HPO4 50mM,MgSO4 1mM,グルコース0.4%を含むpH 7.0のバッファ(バッファA)に再懸濁させられた。分析は96穴の平底ブラックプレート(Applied ScientificまたはCoster)内で最終量200μlにて実施され、無傷の細胞の懸濁液に最終濃度100-20μg/mlまでLeu-Napを添加することで開始された。蛍光は励起光320nmおよび発光460nmを使用してfMAX spectrofluorometer(Molecular Devices)で測定された。Leu-Nap摂取量に対するペンタミジンの効果を測定するため、細胞はLeu-Napの添加前に異なる濃度のペンタミジン化合物で予備インキュベートされた。 PAM1723細胞(図1A)やPAM1626細胞(図1B)によるLeu-Nap(100μg/ml)の摂取量が、様々な濃度(0μg/mlから80μg/ml)のペンタミジン存在下で調査された。ペンタミジンが添加されない時、Leu-Napの切断速度はPAM1626(図1B)でPAM1723(図1A-排出ポンプを過剰発現している)よりもはるかに高く、これはLeu-Napが完全にポンプの基質であることを示している。PAM1723細胞へのペンタミジンの添加は濃度依存の様式でLeu-Napの摂取量を増加させる(図1A)。 このような増加はPAM1626細胞(排出ポンプを欠く)のケースでは見られなかった。実際に、ペンタミジンの添加はこの後者の菌株で蛍光の減少を引き起こし、これはペンタミジンによるナフチルアミン蛍光の減衰に起因する可能性が最も高い。40μg/ml(図1Aおよび1Bの四角印)のペンタミジン濃度では、両方の菌株における摂取量は極めて類似しており、この濃度のペンタミジンがPAM1723株のLeu-Nap排出を完全に阻害することを示している。(実施例4) 排出ポンプ阻害のメカニズム Leu-Nap基質濃度が阻害に及ぼす影響が調べられた。PAM1626株とPAM1723株の両方について、30分間のLeu-Nap蛍光の変化が細胞外Leu-Nap濃度120μg/ml(図2A)および60μg/ml(図2B)に関してペンタミジン濃度の関数としてプロットされた。Leu-Napの細胞外濃度が120μg/mlの時、MexAB-OrpMに媒介される排出を完全に阻害する(すなわちPAM1723とPAM1626で同量の蛍光が作り出される)ために20μg/mlのペンタミジンが必要とされた。Leu-Napの濃度が60μg/mlに下げられると、80μg/mlのペンタミジンがポンプの完全な阻害に必要となった。この結果は阻害の度合が基質濃度に逆依存性であることを暗示し、非拮抗阻害を示している。阻害の度合に及ぼす基質濃度の影響は、ペンタミジンの作用の排出ポンプ阻害モードの強い示唆となる。(実施例5) 膜透過 ペンタミジン存在下での抗生物質の増強および摂取量増加の両方が、この化合物によって緑膿菌の外膜が透過性にされた結果であることもあり得る。この可能性を除外するため、直接的外膜透過性実験が実施された。この分析ではβ-ラクタマーゼを発現している緑膿菌生細胞によるクロモジェニックβ-ラクタムであるニトロセフィンの加水分解速度が調べられた。β-ラクタマーゼは周辺腔に局在する。生細胞の中の加水分解速度の増加は外膜を貫通するニトロセフィンの透過が増加したことを示すが、なぜならば加水分解の速度はこの透過の速度によって制限されるからである。ペンタミジンが外膜を透過性にする効果の可能性が緑膿菌PAM2005株で調べられた。この菌株は、この細菌のゲノムに通常存在する対応した遺伝子によってコードされているβ-ラクタマーゼAmpCを構成的に作り出す。PAM2005はMexAB-OprM排出ポンプもやはり過剰発現する。外膜を透過性にする知られている薬剤、PMBNがこれらの実験に使用された。細胞はL-brothで一晩培養され、収穫され、Mg2+を含まない蓄積バッファ中で洗浄され、同じバッファ中にOD600が〜0.5で再懸濁させられた。細胞懸濁液100μlに対し、2から64μg/mlの最終濃度を与えるように50μlのPMBNまたはペンタミジンのどちらかが加えられた。次に、最終濃度が64μg/mlになるようにニトロセフィン50μlが加えられた。ニトロセフィンの加水分解は、574nmにおける吸光度の増加の測定によって分光学的にモニタされた。分析はSpectraMAX Plus spectrophotometer(Molecular Device)内の96穴のプレートで実施された。 PMBNは外膜の透過性促進に関してIC50<2μg/mlの劇的な効果を有した。対照的に、ペンタミジンは64μg/mlを超えるIC50(図4)でむしろ弱い膜透過性促進活性を有した。この弱い活性すら反応バッファに1mMのMg2+が添加されると完全に消失した(図4)。このMg2+の濃度で、ペンタミジンはLeu-Nap蓄積実験において効果を有する。したがってペンタミジンは膜透過性を促進するのではなく、むしろ排出ポンプに対して作用することが提議される。(実施例6) 水素イオン勾配の崩壊 水素イオン勾配は排出ポンプ活性に必要である。したがって、水素イオン勾配を撹乱させることが可能な化合物は蓄積分析での排出阻害剤であるように見えるであろう。この可能性がペンタミジンについて試験された。EtBrは、それぞれMexAB-OprMを過剰発現している、および欠いているPAM1723およびPAM1626におけるその摂取の速度の違いから、緑膿菌MexAB-OprM排出ポンプの基質である。CCCPはよく知られているプロトン透過担体であり、水素イオン勾配を急速に消散させる。PAM1723細胞を50μg/mlのCCCPで15分処理すると結果としてEtBrの摂取量が劇的に増加する(図5A)。対照的に、80μg/mlのペンタミジンによる細胞の処理は結果としてEtBr摂取量の増加につながらず(図5B)、ペンタミジンがCCCPとは違って水素イオン勾配を崩壊させないことを示す。ペンタミジンのポンプ阻害活性は、緑膿菌内膜を横切る水素イオン勾配の崩壊に基づくものではない。(実施例7) 複数の過剰発現された排出ポンプに与えるペンタミジンの影響 様々な緑膿菌株に対するフルオロキノロン類の感受性に与える定濃度のペンタミジンの影響が判定された。多数の濃度の抗生物質が単一の選ばれた濃度のペンタミジンの存在下で試験された。上記のように、MICは、組合せの中で生物の視認可能な増殖が完全に阻害される抗生物質の最小濃度として規定された。 同時に2つまたは3つのポンプを過剰発現する菌株、例えばPAM2023とPAM2303のセットが試験された。排出ポンプの同時過剰発現は最近になって臨床菌株で検出されている。データはペンタミジンが多数のポンプを過剰発現している菌株の感受性を増加させたことを示している。さらに、ペンタミジン存在下では両方のフルオロキノロンに対する感受性は類似していた。(実施例8) 標的変異抗生物質耐性に与えるペンタミジンの影響 排出の増大に加えて、フルオロキノロン類への耐性は単一の細菌細胞の標的変異(ギラーゼおよびトポイソメラーゼIV)に起因するか、またはこれら2つの耐性の組合せに起因することもあり得る。したがって、排出媒介型および標的ベースの変異の様々な組合せを含む緑膿菌株に与える定濃度のペンタミジンの影響が測定された。試験されたフルオロキノロン類はすべて標的ベースの変異によって影響を受けた。さらに、この影響の度合は、各々の変異が4から8倍の効果で示されたという点で、試験されたフルオロキノロン類はすべてについて同様であった。予期されたように、両方のメカニズムが独立してフルオロキノロン耐性に寄与する。ポンプが過剰発現されること関係なく標的ベースの変異の同じ寄与が観察され、逆に、標的ベースの変異が存在することに関係なく同じ排出の寄与が観察された。ペンタミジンは排出ベースおよび標的介在の変異を伴なった菌株でフルオロキノロンへの感受性を増大させた。(実施例9) 嚢胞性線維症の患者から単離された緑膿菌に与えるペンタミジンの影響 嚢胞性線維症の患者から得られた緑膿菌の108の臨床単離菌のレボフロキサシンおよびシプロフロキサシンへの感受性が20μg/mlペンタミジンの定濃度の存在下で判定された。加えて、アミノグリコシド類のトブラマイシンおよびゲンタマイシンおよびベータラクタムアズトレオナムへの同じ菌株の感受性が判定された。これら後者の抗生物質は疾病の悪化中に緑膿菌感染を治療するために使用される。抗生物質への緑膿菌の臨床単離菌の感受性はNational Committee for Clinical Laboratory Standards(NCCLS)の推奨に従ってブロスマイクロ希釈法の2倍の培養液を使用して判定された。シプロフロキサシン、レボフロキサシン、およびアズトレオナムは64μg/mlから0.06μg/mlの範囲の濃度で試験された。トブラマイシンおよびゲンタマイシンは128μg/mlから1.25μg/mlの範囲の濃度で試験された。付け加えると、単離菌はペンタミジン20μg/mlの存在下でシプロフロキサシンおよびレボフロキサシンに対して試験された(フルオロキノロン64μg/mlから0.06μg/mlの同じ範囲が使用された)。菌株はNCCLSの感受性区切り点に従って耐性(R)、中間(I)、または感受性(S)であると判定された。最後に、各々の抗生物質について感受性微生物の百分率が算出された(図6)。フルオロキノロン/ペンタミジンの組合せのケースでは、感受性の区切り点は対応する抗生物質に基づいた。 試験されたすべての抗生物質の中でもフルオロキノロン/ペンタミジンの組合せが最も強力な抗シュードモナス活性を有することを結果が示した。この結果は増強剤を随伴するかまたは随伴しないMICの分布として提示されることもやはり可能である(図7)。そのような提示は母集団のMIC50およびMIC90(すなわち、それぞれ菌株の50%MICおよび90%MIC)の判定を可能にする。菌株のこの特定のパネルの事例では、ペンタミジンはレボフロキサシンおよびシプロフロキサシンのMIC50およびMIC90をそれぞれ1/8および1/2に下げた(表5)。 個々の菌株に対する抗生物質の効果のペンタミジンによる増強が図8のグラフに示されている。この図に示される45菌株はレボフロキサシンへの耐性(MIC>2μg/ml)に基づいて選択された。ペンタミジンは大部分の耐性菌株のレボフロキサシンMICを1/4から1/64に下げた。(実施例10) 細菌の死滅に及ぼすペンタミジンの影響 EPIの活性の増強を達成する別の方式はフルオロキノロンによる殺菌に及ぼすその影響を示すことである。MexAB-OprM排出ポンプを過剰発現する菌株PAM1032が阻害濃度未満のレボフロキサシン(MICの1/2または1μg/ml)の存在下で、ペンタミジン無添加または10μg/mlもしくは20μg/mlの存在下で培養された。殺菌に及ぼすペンタミジンの影響がレボフロキサシン4μg/ml(2×MIC)の影響と比較された。単独のペンタミジンは緑膿菌の殺菌にどのような影響も有さなかった(図9A)が、レボフロキサシンによる殺菌を大幅に強化した(図9B)。実際のところ、レボフロキサシン1/2×MICの存在下で10μg/mlのペンタミジンが緑膿菌の殺菌に2×MICと同様の効果を有し、20はなおさら強い効果を有した。(実施例11) ペンタミジン類似体の排出ポンプ阻害活性 3種のペンタミジン類似体の排出ポンプ阻害活性が(実施例1のように)排出ポンプを過剰発現するか、または欠いている緑膿菌の5つの菌株に対してレボフロキサシン増強のチェッカーボード法を使用して評価された。3つの化合物、プロパミジン、ジブロモプロパミジン、およびヘキサミジンのすべてが様々な排出ポンプを過剰発現する菌株に対抗してレボフロキサシンを増強した。これらの化合物のレボフロキサシン増強活性はペンタミジンに匹敵した。例えば、3つの化合物すべて、およびペンタミジンはMexAB-OprM排出ポンプを過剰発現する菌株PAM1723のレボフロキサシンMIC(2μg/ml)を10μg/mlから20μg/mlの濃度で少なくとも1/8に下げた(表5)。重要であるが、試験されたペンタミジン類似体すべての排出ポンプを欠くPAM1626に対するMICは排出ポンプを発現する菌株に関するそれよりも低かった。これは、ペンタミジンと同様に、ペンタミジン類似体がこれらのポンプの基質であることを示している。(実施例12) ペンタミジン類似体の蓄積分析 プロパミジン、ジブロモプロパミジン、およびヘキサミジンの排出ポンプ阻害活性がLeu-Nap蓄積分析で確認された。PAM1723(図10A、C、およびE)またはPAM1626(図10B、D、およびF)細胞によるLeu-Nap(100μg/ml)の摂取が様々な濃度のプロパミジン(0μg/mlから160μg/ml)、ジブロモプロパミジン(0μg/mlから40μg/ml)、およびヘキサミジン(0μg/mlから40μg/ml)の存在下でそれぞれ調べられた。3つの化合物すべてが、このポンプを過剰発現する菌株からのMexAB-OprMの媒介するLeu-Napの排出を完全に阻害することが可能であった。160μg/mlのプロパミジン、20μg/mlのジブロモプロパミジン、および20μg/mlのヘキサミジンの存在下でのPAM1626およびPAM1723の中へのLeu-Napの摂取量は同じであった。(実施例13) ジアミジン類似体の排出ポンプ阻害活性 いくつかの市販入手可能なジアミジン類似体の排出ポンプ阻害活性が、MexAB-OprM排出ポンプを過剰発現する緑膿菌の菌株に対して実施例1のチェッカーボード法を使用して評価された。測定可能な排出ポンプ阻害活性を備えた2つの化合物が表6に示されている。(実施例14) エーロゾル化されたペンタミジンの供給(粒子サイズの最適化) 定常状態の嚢胞性線維症の対象に供給されるペンタミジンの安全性および許容性を確保するために、10対象のフェーズIbの調査が実施された。安全性および許容性に加えて、ペンタミジンの薬物動力学的観察が痰、血漿、および尿でもまた為された。この調査では、対象はFDA指示のRespirgard IIジェットネブライザ(1.7ミクロンVMD粒子、または約1ミクロンMMAD)およびAerogen Clinical振動メッシュ装置(3.4ミクロンVMD粒子、または約2ミクロンMMAD)両方を使用してエーロゾル化されたNebupent(ペンタミジンイセチオン酸塩のFDAに認可された形状)の4回の合計服用量を投与された。各々の装置に関する服用量はin vitroで決定され、高服用量(FDAに認可されたRespirgard II装置での服用量から予測される同等の堆積服用量)および高服用量の1/3の両方を堆積させるために調節された。(予測される堆積服用量は薬剤の粒子サイズ分布および装置の供給効率を考慮に入れるin vitroのモデルから計算された-実施例16および17参照)。予測された高および低堆積服用量はそれぞれペンタミジン約20mgおよび約7mgであった。Respirgard II装置に関すると、高堆積服用量は300mg/6mlの投与量を必要とし、低堆積服用量は100mg/6mlの投与量を必要とした。比較すると、Aerogenの装置の高堆積服用量は70mg/4mlの投与量を必要とし,低堆積服用量は25mg/4mlであった。各対象は最初にRespirgard IIまたはAerogenの装置を使用して無作為に低服用量を受け、その後、7日の洗い流し期間が続き、同じ装置を使用して高服用量を受けた。2回目の7日の洗い流し期間の後、対象は再び低服用量を受けたが、しかし他方の装置で受けた。 この調査で生じた薬物動力学的データは、ペンタミジンの全身性吸収が有意ではないことを示した。96の血漿サンプルが分析され、4つが計量下限(LLQ=0.015μg/mL)よりも高いペンタミジンのレベルを示しただけであった。見出された最大値は0.04μg/mLであり、投与後30分を過ぎると定量化不可能なレベルが見出された。尿中のレベルは血漿中のレベルよりも高く、約半分の尿サンプルがLLQを上回る値を示したが、しかし見出された最大レベルは0.33μg/mLであり、これらの値は十分に散在的であってさらなる薬物動力学的分析は有意の情報を得ることが疑わしいと判定した。Respirgard(約1μmの粒子サイズ)については低い全身性曝露が予期された。しかしながら、大きい粒子サイズは全身性の曝露を増大させるであろうという懸念があった。この事象はAerogenの装置((約2μmの粒子)で観察されなかった。 痰中のペンタミジン供給は、両方の装置に関する呼吸に適した服用量が等しいとin vitroの評価で検査されたとしても、有意に高いCmaxおよびAUCによって示されるようにAerogenの装置で優れていた(表8)。Respirgardの高服用量での6.4μg/mLと比べてAerogenの高服用量に関するCmaxは15.9μg/mLであった。痰からの消去に関するαフェーズの半減期は両方の装置で同様(約2.2-2.6時間)であった。測定された13サンプルのうちの12は7日目にペンタミジンの計量可能なレベルを有した(≦0.11μg/ml)。対象間のペンタミジン痰中半減期は無視し得ないほど変化したが、しかし測定された最も高い濃度は概して、最初の分析時間点(1時間)に生じた。対象のうちの大多数は1および2日の間で算出された高服用量βフェーズ消去半減期を有した。痰の薬物動力学データは、肺のペンタミジン濃度が効能に関して目に見える範囲にあることを示唆しているが、しかしAUCで2倍の増大が望ましい。二相性消去の動力学は、複数日数の服用でいくらかの薬剤蓄積が生じることが可能であり、都合のよいことにAUCレベルを上げることを示唆している。 いずれの特定の理論に束縛されることなく、Aerogenの装置の粒子サイズの増大が痰中の堆積の増加を説明することができると考えられる。HIV患者および健康なボランティアでペンタミジンの影響を測定した以前の臨床調査は有意に大きい粒子サイズ(>5ミクロンMMAD)で咳の増加を示した。しかしながら他の抗生物質で、中程度の粒子サイズ(3-4ミクロンMMAD)が結果として一層高いCFの痰中薬剤濃度につながる。したがって、中程度であって小さい幾何学的標準偏差を示す粒子サイズを放出する装置は許容性を維持しながら痰中薬剤レベルを大幅に上げる能力を有する。 これらの結果に基づくと、Aerogen Clinicalの装置でエーロゾル粒子のサイズを増大させる(および小さいGSD、例えば1.9ミクロン未満を示す)ことがペンタミジン蓄積および関連する薬物動力学的特性を向上させた。さらに、この粒子は全身性の投与の欠落のせいで、1回のペンタミジン服用量を受ける対象の危険を増大させることを予期されない。 エーロゾル化されたペンタミジンの許容性は浸透圧、透過性イオン含有量、および/または咳/気管支痙攣を減らすための置き換えの塩、ならびに味覚を改善するための賦形剤の変更を最適化することによって改善されることが可能である。TOBIはNebuPentを改善するための機会/実現可能性の優れた範例である。IVトブラマイシンをエーロゾル化する初期の研究は無視し得ないほどの咳を伴ない、結果としていくつかの気管支痙攣の発生につながった。浸透圧と塩化物含有量の両方が気管支痙攣の発生と相関することが見出された。これらの調査から学ばれて、IVトブラマイシンは150と200mOsmol/kgの間の浸透圧、生理食塩水の約半分の塩化物含有量、およびpH6に維持するために再構成された。さらに、エーロゾルの堆積を中間部気道へと特に的を絞る(約3.5ミクロンMMAD)ことで、TOBIはCF患者に十分に許容され、かつ有効になることが示された。このようにして、物理化学的因子および装置に関わる因子を修正することによってほとんど許容されなかったIVトブラマイシンが良好に再構成され、高度な患者の応諾を付随して市販化された。 NebuPentはHIV患者に負の急性呼吸器系副作用を示し、これは霧化されたIVトブラマイシンによる初期の経験で観察されたそれと類似している。常識ではあるが、これらの副作用は普通では治療を中断することなく制御可能である。検討されたように、粒子サイズおよび堆積服用量はNebuPentで誘発される咳および気管支痙攣に寄与する因子として関係付けられ、これは装置によって大きく決定される。しかしながら、製剤もやはり有意の寄与因子として考慮されなければならない。TOBI以前のエーロゾル化されたトブラマイシンと同様に、NebuPentはエーロゾル化のためのIVペンタミジン製剤の単純変換である。抗シュードモナス薬剤に関する臨床的緊急性が理由で、製剤は完全にNebuPentに飛躍し、IVペンタミジンは肺胞空間(PCPに効果のある部位)での堆積を達成するために粒子サイズについて最適化されただけである。 NebuPentはペンタミジンおよびその対イオンの塩のイセチオン酸塩から構成されるだけである。この物質は、使用直前に水中で再構成するために安定性を与えるように凍結乾燥パッケージとして製造される。TOBIとの比較では、この臨床研究で使用される濃度(ほぼ効能のある濃度)でNebuPentの浸透圧は約95mOsmol/kgであり、塩化物を有さず、かつ4.9のpHを有する。これらの因子と許容性(5.5-7の最適pH、150-550mOsm/kgの浸透圧、31-300mMの透過性イオン濃度)の間の関係に関して知られている事項を前提とすると、これらの観察は、装置の最適化に加えてEPIペンタミジンがpH、浸透圧、および塩化物含有量を上げるように再構成されるべきであることを示唆している。さらに、ペンタミジンのイセチオン酸塩のチオ基は気道刺激物であると示唆されているのでペンタミジンの塩の変更は深刻な許容不能の発生をさらに減少させることが可能である。 定常状態の嚢胞性線維症の対象に供給されるペンタミジンの安全性および許容性を確保するために、10対象のフェーズIbの調査が実施された。安全性および許容性に加えて、ペンタミジンの薬物動力学的観察が痰、血漿、および尿でもまた為された。この調査では、対象はFDA指示のRespirgard IIジェットネブライザ(1.7ミクロンVMD粒子、または約1ミクロンMMAD)およびAerogen Clinical振動メッシュ装置(3.4ミクロンVMD粒子、または約2ミクロンMMAD)両方を使用してエーロゾル化されたNebupent(ペンタミジンイセチオン酸塩のFDAに認可された形状)の4回の合計服用量を投与された。各々の装置に関する服用量はin vitroで決定され、高服用量(FDAに認可されたRespirgard II装置での服用量から予測される同等の堆積服用量)および高服用量の1/3の両方を堆積させるために調節された。(予測される堆積服用量は薬剤の粒子サイズ分布および装置の供給効率を考慮に入れるin vitroのモデルから計算された-実施例16および17参照)。予測された高および低堆積服用量はそれぞれペンタミジン約20mgおよび約7mgであった。Respirgard II装置に関すると、高堆積服用量は300mg/6mlの投与量を必要とし、低堆積服用量は100mg/6mlの投与量を必要とした。比較すると、Aerogenの装置の高堆積服用量は70mg/4mlの投与量を必要とし,低堆積服用量は25mg/4mlであった。各対象は最初にRespirgard IIまたはAerogenの装置を使用して無作為に低服用量を受け、その後、7日の洗い流し期間が続き、同じ装置を使用して高服用量を受けた。2回目の7日の洗い流し期間の後、対象は再び低服用量を受けたが、しかし他方の装置で受けた。 この調査で生じた薬物動力学的データは、ペンタミジンの全身性吸収が有意ではないことを示した。96の血漿サンプルが分析され、4つが計量下限(LLQ=0.015μg/mL)よりも高いペンタミジンのレベルを示しただけであった。見出された最大値は0.04μg/mLであり、投与後30分を過ぎると定量化不可能なレベルが見出された。尿中のレベルは血漿中のレベルよりも高く、約半分の尿サンプルがLLQを上回る値を示したが、しかし見出された最大レベルは0.33μg/mLであり、これらの値は十分に散在的であってさらなる薬物動力学的分析は有意の情報を得ることが疑わしいと判定した。Respirgard(約1μmの粒子サイズ)については低い全身性曝露が予期された。しかしながら、大きい粒子サイズは全身性の曝露を増大させるであろうという懸念があった。この事象はAerogenの装置((約2μmの粒子)で観察されなかった。 痰中のペンタミジン供給は、両方の装置に関する呼吸に適した服用量が等しいとin vitroの評価で検査されたとしても、有意に高いCmaxおよびAUCによって示されるようにAerogenの装置で優れていた(表8)。Respirgardの高服用量での6.4μg/mLと比べてAerogenの高服用量に関するCmaxは15.9μg/mLであった。痰からの消去に関するαフェーズの半減期は両方の装置で同様(約2.2-2.6時間)であった。測定された13サンプルのうちの12は7日目にペンタミジンの計量可能なレベルを有した(≦0.11μg/ml)。対象間のペンタミジン痰中半減期は無視し得ないほど変化したが、しかし測定された最も高い濃度は概して、最初の分析時間点(1時間)に生じた。対象のうちの大多数は1および2日の間で算出された高服用量βフェーズ消去半減期を有した。痰の薬物動力学データは、肺のペンタミジン濃度が効能に関して目に見える範囲にあることを示唆しているが、しかしAUCで2倍の増大が望ましい。二相性消去の動力学は、複数日数の服用でいくらかの薬剤蓄積が生じることが可能であり、都合のよいことにAUCレベルを上げることを示唆している。 いずれの特定の理論に束縛されることなく、Aerogenの装置の粒子サイズの増大が痰中の堆積の増加を説明することができると考えられる。HIV患者および健康なボランティアでペンタミジンの影響を測定した以前の臨床調査は有意に大きい粒子サイズ(>5ミクロンMMAD)で咳の増加を示した。しかしながら他の抗生物質で、中程度の粒子サイズ(3-4ミクロンMMAD)が結果として一層高いCFの痰中薬剤濃度につながる。したがって、中程度であって小さい幾何学的標準偏差を示す粒子サイズを放出する装置は許容性を維持しながら痰中薬剤レベルを大幅に上げる能力を有する。 これらの結果に基づくと、Aerogen Clinicalの装置でエーロゾル粒子のサイズを増大させる(および小さいGSD、例えば1.9ミクロン未満を示す)ことがペンタミジン蓄積および関連する薬物動力学的特性を向上させた。さらに、この粒子は全身性の投与の欠落のせいで、1回のペンタミジン服用量を受ける対象の危険を増大させることを予期されない。 エーロゾル化されたペンタミジンの許容性は浸透圧、透過性イオン含有量、および/または咳/気管支痙攣を減らすための置き換えの塩、ならびに味覚を改善するための賦形剤の変更を最適化することによって改善されることが可能である。TOBIはNebuPentを改善するための機会/実現可能性の優れた範例である。IVトブラマイシンをエーロゾル化する初期の研究は無視し得ないほどの咳を伴ない、結果としていくつかの気管支痙攣の発生につながった。浸透圧と塩化物含有量の両方が気管支痙攣の発生と相関することが見出された。これらの調査から学ばれて、IVトブラマイシンは150と200mOsmol/kgの間の浸透圧、生理食塩水の約半分の塩化物含有量、およびpH6に維持するために再構成された。さらに、エーロゾルの堆積を中間部気道へと特に的を絞る(約3.5ミクロンMMAD)ことで、TOBIはCF患者に十分に許容され、かつ有効になることが示された。このようにして、物理化学的因子および装置に関わる因子を修正することによってほとんど許容されなかったIVトブラマイシンが良好に再構成され、高度な患者の応諾を付随して市販化された。 NebuPentはHIV患者に負の急性呼吸器系副作用を示し、これは霧化されたIVトブラマイシンによる初期の経験で観察されたそれと類似している。常識ではあるが、これらの副作用は普通では治療を中断することなく制御可能である。検討されたように、粒子サイズおよび堆積服用量はNebuPentで誘発される咳および気管支痙攣に寄与する因子として関係付けられ、これは装置によって大きく決定される。しかしながら、製剤もやはり有意の寄与因子として考慮されなければならない。TOBI以前のエーロゾル化されたトブラマイシンと同様に、NebuPentはエーロゾル化のためのIVペンタミジン製剤の単純変換である。抗シュードモナス薬剤に関する臨床的緊急性が理由で、製剤は完全にNebuPentに飛躍し、IVペンタミジンは肺胞空間(PCPに効果のある部位)での堆積を達成するために粒子サイズについて最適化されただけである。 NebuPentはペンタミジンおよびその対イオンの塩のイセチオン酸塩から構成されるだけである。この物質は、使用直前に水中で再構成するために安定性を与えるように凍結乾燥パッケージとして製造される。TOBIとの比較では、この臨床研究で使用される濃度(ほぼ効能のある濃度)でNebuPentの浸透圧は約95mOsmol/kgであり、塩化物を有さず、かつ4.9のpHを有する。これらの因子と許容性(5.5-7の最適pH、150-550mOsmol/kgの浸透圧、31-300mMの透過性イオン濃度)の間の関係に関して知られている事項を前提とすると、これらの観察は、装置の最適化に加えてEPIペンタミジンがpH、浸透圧、および塩化物含有量を上げるように再構成されるべきであることを示唆している。さらに、ペンタミジンのイセチオン酸塩のチオ基は気道刺激物であると示唆されているのでペンタミジンの塩の変更は深刻な許容不能の発生をさらに減少させることが可能である。(実施例15) エーロゾル化されたペンタミジン、ペンタミジン/レボフロキサシンの供給(溶液製剤の最適化) 単一の対象、健康なボランティアの調査で、NebuPent(FDAに認可されたペンタミジンイセチオン酸塩)は実施例14で使用されたAerogen Clinicのネブライザ(Aerogen Small)、または結果として約4.5ミクロンMMADの大きい粒子サイズにつながるポアサイズを除くとすべての点で類似したAerogen Clinicのネブライザ(Aerogen Large)のどちらかを使用して投与された。NebuPentは、NebuPentとレバクイン(レボフロキサシンを500mg/20mLバイアルの水に溶かしたもの、無菌で保存剤無添加、pH調整済み)を混合し共にエアロゾル化した試用組合せ、ならびに異なった濃度の生理食塩水で投与され試験された。1X(通常)の生理食塩水は0.85%塩化ナトリウムである。 最初の試みでは、NebuPentは18.75mg/mlの濃度に蒸留水で溶解され、Aerogen SmallまたはAerogen Largeネブライザで吸入された。Aerogen Small装置でのNebuPentの供給はAerogen Large装置によるものよりも十分に許容された。Aerogen Small装置を使用すると、投与の後半にわずかに咳をもよおし、また味覚損傷がわずかに生じた。さらに、投与後の短期間わずかな咳と喉のクリアリングが起こった。Aerogen Large装置を使用すると、薬剤投与の一層早い時期に咳をしたくなりまた喉の刺激が始まるが、投与後半およびそれ以降の期間一時的な咳き込みが起こる。この試用の結果は、より細かい粒子サイズ(〜2ミクロンMMAD,〜2ミクロンGSD)の装置で投与されたNebuPentの方が、5ミクロンより大きな粒子かなりの割合で生産するようなより大きな粒子サイズの装置(〜3.7ミクロンMMAD、〜2ミクロンGSD)より耐え易いことを示す。 第2の試行では、18.75mgのNebuPentを1mlの蒸留水か1mlの0.425%塩化ナトリウム(0.5X生理食塩水)に溶解した。これらのNebuPent溶液はAerogen Large装置を使って吸入に使用された。0.5X生理食塩水に溶解されたNebuPentは蒸留水に溶解されたものよりも明らかに耐用性が改善された。定量的には、0.5X生理食塩水溶液は喉の弱い刺激が遅れて生じ、それによって投与期間を通してただ一度の咳をおこした。それと比較して、塩化ナトリウムが存在しない場合は、最初のAerogen Large装置の結果と同様、直ちに強い喉の刺激が生じ1回分が終了時に一時的な咳をもたらした。最も大きな差は1回の投与の終了時に観察された。塩化ナトリウムを含まない溶液では投与後に喉のクリアリングと中程度の咳が見られた。 NebuPentをAerogen Largeで投与する第3の試行では、0.5X生理食塩水と1X生理食塩水に溶解したNebuPentが比較された。1X生理食塩水の耐用度は明らかに1X生理食塩水にNebuPentを溶解した溶液より高かった。質的に、0.5%生理食塩水は第2試行で観察された0.5%生理食塩水の実験と同様であった。投薬の最初の部分で非常にかすかな薬品の風味がし、後半ではその風味がよりはっきりした。投与後半ではまたわずかに咳感覚をもよおし、投与後短時間喉のクリアリングが起こる。1X生理食塩水の場合、全投与期間を通して風味が気になることも咳感覚をもよおすこともなく、投与直後の短い時間だけわずかな風味を感じる。投与中も投与後も咳や喉のクリアリングは生じない。 第4の試行では、18.75mgのNebuPentは18.75mgのレボフロキサシンHCl(Levaquin由来)の存在下で1mlの蒸留水(生理食塩水でなく)に溶解された。比較の目的で、このNebuPent/レボフラキサシン溶液がまたAerogen Largeを使った吸入に使用された。この試行の結果はこのNebuPent/レボフラキサシン溶液が1X生理食塩水に溶解したNebuPentと同様の耐用度があることを示した。 第5の試行では、18.75mgのNebuPentは18.75mgのレボフラキサシンHCl(Levaquin由来)と友に最終濃度が0.25Xになるように1mlの生理食塩水に溶解され、Aerogen Large装置に入れられた。このペンタミジン/レボフロキサシン混合物添加生理食塩水の耐用性は第4の試行で使用されたペンタミジン/レボフロキサシン溶液と同じ耐用度を示し、第3の試行で使用されたペンタミジX生理食塩水溶液と同程度であった。 これらの結果は、浸透圧と塩素化合物量の量のいずれかあるいは両方がNebuPentエアロゾル投与における耐用度改善に寄与していることを示唆する。それぞれのパラメータの寄与は表9に示されている。これらのデータは望ましい浸透圧が150-550mOsm/kgであり望ましい常在イオン量が31-300mMであることを支持する。(実施例16) エアロゾル粒子サイズの決定 本願明細書に開示される排出ポンプ阻害剤の放出エアロゾルサイズの決定はMalvern Spraytec particle sizerによって以下の条件で行われた。周囲条件は23.0℃から24.0℃の室温および相対湿度42%から45%を保つよう制御された。排出ポンプ阻害剤は選択されたネブライザに装填するため、水中または本願明細書に述べられる他の製剤に再構成された。粒子サイズ決定のための濃度は1μg/mlから100μg/mlである。Malvern Spraytec particle sizer用のソウトウェアは以下の情報を計算するようにプログラムされる。A)Volume Mean Diameter(VMD),レーザのビームを横切る粒子の平均容積。B)Geometric Standard Deviation(GSD),diameter 84↑t↑h percentile/diameter 50↑t↑h percentile。C)% of particles≦5μ、5ミクロンよりも小さい粒子の数のパーセント、または>1μおよび<7μの%、1と7ミクロンの間の粒子の数のパーセント。 装置は再構成された薬剤2mlを装填される。装置のマウスピースは、マウスピースの先端がx軸上でビームの中央から2cmとなり、y軸上でレーザの光学レンズに近接するように位置決めされる。合計のネブライザの流量20LPMを得るような量で、周囲条件を整えられたバイアス流がネブライザを通して供給される。非限定的な範例では、この流量はRespirgard IIについては1分当たり13リッター(LPM)であり、Aerogen Clinicalについては20LPMである。ネブライザがオンに切り換えられ(例えば、RespirgardIIについては7LPMの圧縮された乾燥医療級空気)、測定前に1分間連続して運転される。測定手順は1分後に開始され、測定は1秒間隔で1分間連続的に行われる(計60記録)。測定段階の最終に60記録がVMD,GSDおよび%≦5μおよび>1μから<7μについて平均化される。最後に、ネブライザは排出率測定のための重量測定される。(実施例17) 呼吸に適した供給服用量の決定 エアロゾル発生装置によって供給される吸入に適した供給服用量は、呼吸シミュレータ装置を使用して自然吸入と類似した条件下で測定される。非限定的な範例によると、そのような呼吸シミュレータは、1分間15呼吸で吸気と排気の比率が1:1という欧州規格パターンを使用するようにプログラムされたPARI Compas breath Simulaterを使用する。そのような測定は、23℃と24℃の間の室温および相対湿度42%から45%を維持するように制御され得る周囲条件で実施された。排出ポンプ阻害剤は選択されたネブライザに装填するため、水中または本願明細書で述べられる製剤に再構成される。呼吸シミュレーション実験のための濃度は1μg/mlから100μg/mlである。 非限定的な範例によると、Respirgard IIまたはAerogen Clinicalの装置は、それぞれ6mlの水またはこの中で述べた他の処方に6ml中で300mgのペンタミジンイセチオン酸塩、4mlの水中で70mg、または本願明細書に述べられる他の製剤で装填される。呼吸シミュレーションが開始され、ネブライザが作動させられる。Respirgard II装置は7LPMの乾燥圧縮医療級空気で動力供給される。スパッタの開始まで(Respirgard IIの場合)、または噴霧が止まる(Aerogen Clinicalの場合)まで連続運転される。噴霧の開始からの時間が測定される。噴霧の後、吸気と排気のフィルタが分かっている量の溶剤(dH↓2O)でそれぞれ個別に洗浄される。噴霧カップもやはり個別に洗浄される。Respirgardの装置では噴霧カップのみが洗浄され、そこに含まれる薬剤が分析される。定量化のため、それぞれの洗浄液は263ナノメートルの波長で分光学を介して分析され、結果として得られた濃度が含有量に変換される。この定量的データを使用して以下の分析が行われる。A)吸入量(ID)、吸入フィルタから得られた薬品の総量。B)投与残量(RD)、噴霧の終了時にネブライザより得られる薬剤の量。C)微粒子量(FPD)、IDに吸入可能分画を乗算したもの(例えば選択された装置にから放出される粒子のサイズを判定するために使用される方法によって決まる、≦5μVMDまたはMMADの粒子の%)。D)時間、噴霧の開始から終了までの時間。E)FPD/min、持続時間でEPDを割った値。F)供給服用量%、装置に装填した薬剤のうち吸気フィルタによって捕捉された割合。G)呼吸可能な供給量、%ID、すなわち例えば≦5μVMDやMMAD。以下のデータが得られる。(実施例18) 抗生物質耐性感染の医療処置 本願明細書に開示されるペンタミジンまたはその他の排出ポンプ阻害化合物のいずれもが、排出ポンプ媒介型多剤耐性のメカニズムを介して細菌が耐性である場合のグラム陰性細菌感染を患う患者を治療するための従来の抗生物質と同時投与される。抗生物質の服用量は確立された治療服用量の20%,30%,40%,または50%から最大で70%,80%,90%,100%までである。抗生物質は経口、IV,IP,IMまたは吸入によって投与され、排出ポンプ阻害剤は2-4μmエアロゾル液滴の300mgの吸入を介して肺に投与される。 本願明細書および特許請求項で使用される成分の量、反応条件その他を表すすべての数字は「約」という用語によってすべての例で変更されるものと理解されるべきである。したがって、逆に表示されない限り、明細書および添付の特許請求項に述べられる数字のパラメータは、本発明によって獲得されるように求められる所望の特性に応じて変わり得る概算値である。最低限でも、特許請求項の範囲に同等の教示の適用を限定する試みではなく、各々の数字のパラメータは有効数字および通常に概算される数の観点で解釈されるべきである。 当業者にとって明らかであろうが、本発明の多くの修正例および変形例が本発明の精神と範囲から逸脱することなく為され得る。本願明細書に述べられた特定の実施形態は単なる範例の方式で提供され、決して限定を意味するものではない。明細書および実施例は単なる範例と考えられることが意図される。緑膿菌PAM1723細胞のLeu-Nap摂取に与えるペンタミジンの影響を例示する図である。緑膿菌PAM1626細胞のLeu-Nap摂取に与えるペンタミジンの影響を例示する図である。ペンタミジン阻害活性のLeu-Nap濃度(60μg/ml)の影響を例示する図である。ペンタミジン阻害活性のLeu-Nap濃度(120μg/ml)の影響を例示する図である。PMBNの外膜透過性促進活性の調査の結果を描く図である。ペンタミジンの外膜透過性促進活性の調査の結果を描く図である。Mg2+の存在下でペンタミジンの外膜透過性促進活性の調査の結果を描く図である。緑膿菌でEtBrの排出に及ぼすCCCPの影響を示す図である。緑膿菌でEtBrの排出に及ぼすペンタミジンの影響を示す図である。様々な抗生物質およびフルオロキノロン/ペンタミジン組合せに対する嚢胞性線維症単離緑膿菌の感受性を示す図である。嚢胞性線維症の患者から単離された緑膿菌の菌株のフルオロキノロン感受性に及ぼすペンタミジンの影響を描く図である。嚢胞性線維症の患者から単離された緑膿菌の菌株のレボフロキサシン感受性に及ぼすペンタミジンの影響を描く図である。細菌の殺菌に及ぼすペンタミジン単独の影響を描く図である。レボフロキサシンによる細菌の殺菌に及ぼすペンタミジンの影響を描く図である。プロパミジンによるPAM1723からのLeu-Nap排出阻害を描く図である。プロパミジンによるPAM1626からのLeu-Nap排出阻害を描く図である。ジブロモプロパミジンによるPAM1723からのLeu-Nap排出阻害を描く図である。ジブロモプロパミジンによるPAM1626からのLeu-Nap排出阻害を描く図である。ヘキサミジンによるPAM1723からのLeu-Nap排出阻害を描く図である。ヘキサミジンによるPAM1626からのLeu-Nap排出阻害を描く図である。 対象において細菌感染を治療する方法であって、細菌に感染している対象に対し、感染部位において式I:[式中、R1およびR2は、水素、メチル、アミン、およびC1〜4アルキルアミンからなる群から別々に選択され、 リンカーL1およびL3は、アミン、C1〜2アルキル、およびC1〜2アルキルアミンからなる群から別々に選択されるか、あるいは別々に存在せず、 芳香環A1およびA2は、下式からなる群から別々に選択され、Z1〜Z4は、CおよびNからなる群から別々に選択されるが、ただし、芳香環の芳香族性は維持され、 CであるZ1〜Z4は、C1〜4アルキル、CH2NH2、ハロゲン、メトキシ、CH2C(O)NMe2、C(O)NH2、C(O)NMe2、SO2Me、またはSO2NH2で場合により置換されており、 NであるZ1〜Z4は、場合により四級化されて下式を形成し、 Y1、Y3、およびY4は、CH、N、NH、S、およびOからなる群から別々に選択され、Y2およびY5は、CおよびNからなる群から別々に選択されるが、ただし、芳香環の芳香族性は維持され、 CであるY1、Y3、およびY4は、ハロゲン、メトキシ、CH2C(O)NH2、CH2C(O)NMe2、C(O)NMe2、SO2Me、またはSO2NH2で場合により置換されており、 NであるY1、Y3、およびY4は、場合により四級化されて下式を形成し、R3は、C1〜4アルキル、CH2C(O)NH2、またはCH2C(O)NMe2であり、 リンカーL2は、CH2、C(CH3)2、O、C(O)、S、S(O)、S(O)2、NH、NR4、=N-、フェニル、単環式5員ヘテロアリール、単環式6員ヘテロアリール、-CH=CH-cis、-CH=CH-trans、NHC(O)NH、NR4C(O)NH、NHC(O)NR4、NR4C(O)NR4、OC(O)NH、NR4C(O)O、OC(O)NR4、およびNHC(O)Oからなる群から選択される単位を場合により含む1〜12単位の鎖であるが、ただし、L2は、C(O)NH、C(O)NR4、C(O)O、およびC(O)S単位を含まず、 5員ヘテロアリールは、イミダゾール、フラン、チオフェン、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、1,2,3-オキサジアゾール、1,3,4-オキサジアゾール、1,2,4-オキサジアゾール、1,2,3-トリアゾール、1,3,4-トリアゾール、1,2,3-チアゾール、1,3,4-チアゾール、および1,2,4-チアゾールからなる群から選択され、 6員ヘテロアリールは、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、1,2,4-トリアジン、および1,3,5-トリアジンからなる群から選択され、 R4は、HおよびC1〜4アルキルからなる群から選択される]の化合物の有効排出ポンプ阻害濃度を達成するように抗微生物薬および式Iの化合物を同時投与することを含む方法。 対象を、抗微生物薬に耐性がある細菌に感染している対象であると識別することをさらに含む請求項1に記載の方法。 対象を、抗微生物薬に耐性になる可能性のある細菌に感染している対象であると識別することをさらに含む請求項1に記載の方法。 耐性は、少なくとも部分的に排出ポンプ媒介性である請求項2または3に記載の方法。 排出ポンプ阻害濃度は、前記細菌における排出ポンプ媒介性耐性の出現を克服または抑制するのに十分である請求項4に記載の方法。 対象の予防的治療のための方法であって、細菌による感染の危険性のある対象に対し、潜在的感染部位において式I:[式中、R1およびR2は、水素、メチル、アミン、およびC1〜4アルキルアミンからなる群から別々に選択され、 リンカーL1およびL3は、アミン、C1〜2アルキル、およびC1〜2アルキルアミンからなる群から別々に選択されるか、あるいは別々に存在せず、 芳香環A1およびA2は、下式からなる群から別々に選択され、Z1〜Z4は、CおよびNからなる群から別々に選択されるが、ただし、芳香環の芳香族性は維持され、 CであるZ1〜Z4は、C1〜4アルキル、CH2NH2、ハロゲン、メトキシ、CH2C(O)NMe2、C(O)NH2、C(O)NMe2、SO2Me、またはSO2NH2で場合により置換されており、 NであるZ1〜Z4は、場合により四級化されて下式を形成し、 Y1、Y3、およびY4は、CH、N、NH、S、およびOからなる群から別々に選択され、Y2およびY5は、CおよびNからなる群から別々に選択されるが、ただし、芳香環の芳香族性は維持され、 CであるY1、Y3、およびY4は、ハロゲン、メトキシ、CH2C(O)NH2、CH2C(O)NMe2、C(O)NMe2、SO2Me、またはSO2NH2で場合により置換されており、 NであるY1、Y3、およびY4は、場合により四級化されて下式を形成し、R3は、C1〜4アルキル、CH2C(O)NH2、またはCH2C(O)NMe2であり、 リンカーL2は、CH2、C(CH3)2、O、C(O)、S、S(O)、S(O)2、NH、NR4、=N-、フェニル、単環式5員ヘテロアリール、単環式6員ヘテロアリール、-CH=CH-cis、-CH=CH-trans、NHC(O)NH、NR4C(O)NH、NHC(O)NR4、NR4C(O)NR4、OC(O)NH、NR4C(O)O、OC(O)NR4、およびNHC(O)Oからなる群から選択される単位を場合により含む1〜12単位の鎖であるが、ただし、L2は、C(O)NH、C(O)NR4、C(O)O、およびC(O)S単位を含まず、 5員ヘテロアリールは、イミダゾール、フラン、チオフェン、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、1,2,3-オキサジアゾール、1,3,4-オキサジアゾール、1,2,4-オキサジアゾール、1,2,3-トリアゾール、1,3,4-トリアゾール、1,2,3-チアゾール、1,3,4-チアゾール、および1,2,4-チアゾールからなる群から選択され、 6員ヘテロアリールは、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、1,2,4-トリアジン、および1,3,5-トリアジンからなる群から選択され、 R4は、HおよびC1〜4アルキルからなる群から選択される]の化合物の排出ポンプ阻害濃度を達成するように抗微生物薬および式Iの化合物を同時投与することを含む方法。 対象を、前記細菌感染の危険性のある対象であると識別することをさらに含む請求項6に記載の方法。 対象において微生物感染を治療するための方法であって、微生物に感染している対象に対し、感染部位において式I:[式中、R1およびR2は、水素、メチル、アミン、およびC1〜4アルキルアミンからなる群から別々に選択され、 リンカーL1およびL3は、アミン、C1〜2アルキル、およびC1〜2アルキルアミンからなる群から別々に選択されるか、あるいは別々に存在せず、 芳香環A1およびA2は、下式からなる群から別々に選択され、Z1〜Z4は、CおよびNからなる群から別々に選択されるが、ただし、芳香環の芳香族性は維持され、 CであるZ1〜Z4は、C1〜4アルキル、CH2NH2、ハロゲン、メトキシ、CH2C(O)NMe2、C(O)NH2、C(O)NMe2、SO2Me、またはSO2NH2で場合により置換されており、 NであるZ1〜Z4は、場合により四級化されて下式を形成し、 Y1、Y3、およびY4は、CH、N、NH、S、およびOからなる群から別々に選択され、Y2およびY5は、CおよびNからなる群から別々に選択されるが、ただし、芳香環の芳香族性は維持され、 CであるY1、Y3、およびY4は、ハロゲン、メトキシ、CH2C(O)NH2、CH2C(O)NMe2、C(O)NMe2、SO2Me、またはSO2NH2で場合により置換されており、 NであるY1、Y3、およびY4は、場合により四級化されて下式を形成し、R3は、C1〜4アルキル、CH2C(O)NH2、またはCH2C(O)NMe2であり、 リンカーL2は、CH2、C(CH3)2、O、C(O)、S、S(O)、S(O)2、NH、NR4、=N-、フェニル、単環式5員ヘテロアリール、単環式6員ヘテロアリール、-CH=CH-cis、-CH=CH-trans、NHC(O)NH、NR4C(O)NH、NHC(O)NR4、NR4C(O)NR4、OC(O)NH、NR4C(O)O、OC(O)NR4、およびNHC(O)Oからなる群から選択される単位を場合により含む1〜12単位の鎖であるが、ただし、L2は、C(O)NH、C(O)NR4、C(O)O、およびC(O)S単位を含まず、 5員ヘテロアリールは、イミダゾール、フラン、チオフェン、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、1,2,3-オキサジアゾール、1,3,4-オキサジアゾール、1,2,4-オキサジアゾール、1,2,3-トリアゾール、1,3,4-トリアゾール、1,2,3-チアゾール、1,3,4-チアゾール、および1,2,4-チアゾールからなる群から選択され、 6員ヘテロアリールは、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、1,2,4-トリアジン、および1,3,5-トリアジンからなる群から選択され、 R4は、HおよびC1〜4アルキルからなる群から選択される]の化合物の排出ポンプ阻害濃度を達成するように式Iの化合物を投与することを含むが、ただし、式Iの化合物には、ペンタミジン、プロパミンジン(propamindine)、ヘキサミジン、ジブロモプロパミジン(dibromopropamidine)、フェナミジン、アミカルバリド、ジアミナゼン(diaminazene)、およびスチルバミジンが含まれない方法。 対象を、抗微生物薬に耐性がある微生物に感染している対象であると識別することをさらに含む請求項8に記載の方法。 対象を、抗微生物薬に耐性になる可能性のある微生物に感染している対象であると識別することをさらに含む請求項8に記載の方法。 微生物は、細菌である請求項8に記載の方法。 式Iの化合物と共に抗微生物薬を同時投与することをさらに含む請求項8に記載の方法。 抗微生物薬は、抗細菌薬である請求項12に記載の方法。 対象の予防的治療のための方法であって、微生物による感染の危険性のある対象に対し、感染部位において式I:[式中、R1およびR2は、水素、メチル、アミン、およびC1〜4アルキルアミンからなる群から別々に選択され、 リンカーL1およびL3は、アミン、C1〜2アルキル、およびC1〜2アルキルアミンからなる群から別々に選択されるか、あるいは別々に存在せず、 芳香環A1およびA2は、下式からなる群から別々に選択され、Z1〜Z4は、CおよびNからなる群から別々に選択されるが、ただし、芳香環の芳香族性は維持され、 CであるZ1〜Z4は、C1〜4アルキル、CH2NH2、ハロゲン、メトキシ、CH2C(O)NMe2、C(O)NH2、C(O)NMe2、SO2Me、またはSO2NH2で場合により置換されており、 NであるZ1〜Z4は、場合により四級化されて下式を形成し、 Y1、Y3、およびY4は、CH、N、NH、S、およびOからなる群から別々に選択され、Y2およびY5は、CおよびNからなる群から別々に選択されるが、ただし、芳香環の芳香族性は維持され、 CであるY1、Y3、およびY4は、ハロゲン、メトキシ、CH2C(O)NH2、CH2C(O)NMe2、C(O)NMe2、SO2Me、またはSO2NH2で場合により置換されており、 NであるY1、Y3、およびY4は、場合により四級化されて下式を形成し、R3は、C1〜4アルキル、CH2C(O)NH2、またはCH2C(O)NMe2であり、 リンカーL2は、CH2、C(CH3)2、O、C(O)、S、S(O)、S(O)2、NH、NR4、=N-、フェニル、単環式5員ヘテロアリール、単環式6員ヘテロアリール、-CH=CH-cis、-CH=CH-trans、NHC(O)NH、NR4C(O)NH、NHC(O)NR4、NR4C(O)NR4、OC(O)NH、NR4C(O)O、OC(O)NR4、およびNHC(O)Oからなる群から選択される単位を場合により含む1〜12単位の鎖であるが、ただし、L2は、C(O)NH、C(O)NR4、C(O)O、およびC(O)S単位を含まず、 5員ヘテロアリールは、イミダゾール、フラン、チオフェン、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、1,2,3-オキサジアゾール、1,3,4-オキサジアゾール、1,2,4-オキサジアゾール、1,2,3-トリアゾール、1,3,4-トリアゾール、1,2,3-チアゾール、1,3,4-チアゾール、および1,2,4-チアゾールからなる群から選択され、 6員ヘテロアリールは、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、1,2,4-トリアジン、および1,3,5-トリアジンからなる群から選択され、 R4は、HおよびC1〜4アルキルからなる群から選択される]の化合物の排出ポンプ阻害濃度を達成するように式Iの化合物を投与することを含むが、ただし、式Iの化合物には、ペンタミジン、プロパミンジン(propamindine)、ヘキサミジン、ジブロモプロパミジン(dibromopropamidine)、フェナミジン、アミカルバリド、ジアミナゼン(diaminazene)、およびスチルバミジンが含まれない方法。 対象を、前記微生物感染の危険性のある対象であると識別することをさらに含む請求項14に記載の方法。 微生物は、細菌である請求項14に記載の方法。 式Iの化合物と共に抗微生物薬を同時投与することをさらに含む請求項14に記載の方法。 抗微生物薬は、抗細菌薬である請求項17に記載の方法。 前記微生物に対する式Iの化合物のMICは、約32μg/mlを超える請求項8または14に記載の方法。 抗微生物薬と式I:[式中、R1およびR2は、水素、メチル、アミン、およびC1〜4アルキルアミンからなる群から別々に選択され、 リンカーL1およびL3は、アミン、C1〜2アルキル、およびC1〜2アルキルアミンからなる群から別々に選択されるか、あるいは別々に存在せず、 芳香環A1およびA2は、下式からなる群から別々に選択され、Z1〜Z4は、CおよびNからなる群から別々に選択されるが、ただし、芳香環の芳香族性は維持され、 CであるZ1〜Z4は、C1〜4アルキル、CH2NH2、ハロゲン、メトキシ、CH2C(O)NMe2、C(O)NH2、C(O)NMe2、SO2Me、またはSO2NH2で場合により置換されており、 NであるZ1〜Z4は、場合により四級化されて下式を形成し、 Y1、Y3、およびY4は、CH、N、NH、S、およびOからなる群から別々に選択され、Y2およびY5は、CおよびNからなる群から別々に選択されるが、ただし、芳香環の芳香族性は維持され、 CであるY1、Y3、およびY4は、ハロゲン、メトキシ、CH2C(O)NH2、CH2C(O)NMe2、C(O)NMe2、SO2Me、またはSO2NH2で場合により置換されており、 NであるY1、Y3、およびY4は、場合により四級化されて下式を形成し、R3は、C1〜4アルキル、CH2C(O)NH2、またはCH2C(O)NMe2であり、 リンカーL2は、CH2、C(CH3)2、O、C(O)、S、S(O)、S(O)2、NH、NR4、=N-、フェニル、単環式5員ヘテロアリール、単環式6員ヘテロアリール、-CH=CH-cis、-CH=CH-trans、NHC(O)NH、NR4C(O)NH、NHC(O)NR4、NR4C(O)NR4、OC(O)NH、NR4C(O)O、OC(O)NR4、およびNHC(O)Oからなる群から選択される単位を場合により含む1〜12単位の鎖であるが、ただし、L2は、C(O)NH、C(O)NR4、C(O)O、およびC(O)S単位を含まず、 5員ヘテロアリールは、イミダゾール、フラン、チオフェン、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、1,2,3-オキサジアゾール、1,3,4-オキサジアゾール、1,2,4-オキサジアゾール、1,2,3-トリアゾール、1,3,4-トリアゾール、1,2,3-チアゾール、1,3,4-チアゾール、および1,2,4-チアゾールからなる群から選択され、 6員ヘテロアリールは、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、1,2,4-トリアジン、および1,3,5-トリアジンからなる群から選択され、 R4は、HおよびC1〜4アルキルからなる群から選択される]の化合物の固定した組合せを含む医薬製品。 抗微生物薬および式Iの化合物は、物理的に組み合わせられる請求項20に記載の製品。 抗微生物薬および式Iの化合物は、別々の容器で一緒に包装される請求項20に記載の製品。 前記抗微生物薬は、細菌における排出ポンプの基質である請求項20に記載の製品。 抗微生物薬は、キノロンである請求項20に記載の製品。 抗微生物薬は、フルオロキノロンである請求項24に記載の製品。 抗微生物薬は、シプロフロキサシン、レボフロキサシン、モキシフロキサシン、オフロキサシン、ガチフロキサシン、シノキサシン、ゲミフロキサシン、およびノルフロキサシン、ロモフロキサシン(lomofloxacin)、ペフロキサシン、ガレノキサシン、シタフロキサシン、DX-619からなる群から選択される請求項25に記載の製品。 抗微生物薬は、テトラサイクリン、β-ラクタム、クメルマイシン、クロラムフェニカール(chloramphenical)、グリコペプチド、アミノグリコシド、マクロライド、リファマイシン、オキサゾリドノン(oxazolidonone)、グリシルサイクリン、およびケトライドからなる群から選択される請求項20に記載の製品。 抗微生物薬は、グラム陰性菌によって引き起こされる感染を治療するのに使用される抗微生物薬である請求項20に記載の製品。 抗微生物薬は、下記:からなる群より選択される1種または複数の細菌よって引き起こされる感染を治療するのに使用される抗微生物薬である請求項20に記載の製品。 抗微生物薬は、式Iの化合物によって阻害される排出ポンプを含む細菌よって引き起こされる感染を治療するのに使用される抗微生物薬である請求項20に記載の製品。 抗微生物薬および式Iの化合物は、抗微生物薬約1部に対して式Iの化合物約1部以上のモル比を有する請求項20に記載の製品。 約200mOsmol/kg〜約500mOsmol/kgの浸透圧を有する式I:[式中、R1およびR2は、水素、メチル、アミン、およびC1〜4アルキルアミンからなる群から別々に選択され、 リンカーL1およびL3は、アミン、C1〜2アルキル、およびC1〜2アルキルアミンからなる群から別々に選択されるか、あるいは別々に存在せず、 芳香環A1およびA2は、下式からなる群から別々に選択され、Z1〜Z4は、CおよびNからなる群から別々に選択されるが、ただし、芳香環の芳香族性は維持され、 CであるZ1〜Z4は、C1〜4アルキル、CH2NH2、ハロゲン、メトキシ、CH2C(O)NMe2、C(O)NH2、C(O)NMe2、SO2Me、またはSO2NH2で場合により置換されており、 NであるZ1〜Z4は、場合により四級化されて下式を形成し、 Y1、Y3、およびY4は、CH、N、NH、S、およびOからなる群から別々に選択され、Y2およびY5は、CおよびNからなる群から別々に選択されるが、ただし、芳香環の芳香族性は維持され、 CであるY1、Y3、およびY4は、ハロゲン、メトキシ、CH2C(O)NH2、CH2C(O)NMe2、C(O)NMe2、SO2Me、またはSO2NH2で場合により置換されており、 NであるY1、Y3、およびY4は、場合により四級化されて下式を形成し、R3は、C1〜4アルキル、CH2C(O)NH2、またはCH2C(O)NMe2であり、 リンカーL2は、CH2、C(CH3)2、O、C(O)、S、S(O)、S(O)2、NH、NR4、=N-、フェニル、単環式5員ヘテロアリール、単環式6員ヘテロアリール、-CH=CH-cis、-CH=CH-trans、NHC(O)NH、NR4C(O)NH、NHC(O)NR4、NR4C(O)NR4、OC(O)NH、NR4C(O)O、OC(O)NR4、およびNHC(O)Oからなる群から選択される単位を場合により含む1〜12単位の鎖であるが、ただし、L2は、C(O)NH、C(O)NR4、C(O)O、およびC(O)S単位を含まず、 5員ヘテロアリールは、イミダゾール、フラン、チオフェン、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、1,2,3-オキサジアゾール、1,3,4-オキサジアゾール、1,2,4-オキサジアゾール、1,2,3-トリアゾール、1,3,4-トリアゾール、1,2,3-チアゾール、1,3,4-チアゾール、および1,2,4-チアゾールからなる群から選択され、 6員ヘテロアリールは、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、1,2,4-トリアジン、および1,3,5-トリアジンからなる群から選択され、 R4は、HおよびC1〜4アルキルからなる群から選択される]の化合物の溶液を含む医薬組成物。 溶液は、約50mM〜約250mMの透過性イオン濃度を有する請求項32に記載の組成物。 約50mM〜約250mMの透過性イオン濃度を有する式I:[式中、R1およびR2は、水素、メチル、アミン、およびC1〜4アルキルアミンからなる群から別々に選択され、 リンカーL1およびL3は、アミン、C1〜2アルキル、およびC1〜2アルキルアミンからなる群から別々に選択されるか、あるいは別々に存在せず、 芳香環A1およびA2は、下式からなる群から別々に選択され、Z1〜Z4は、CおよびNからなる群から別々に選択されるが、ただし、芳香環の芳香族性は維持され、 CであるZ1〜Z4は、C1〜4アルキル、CH2NH2、ハロゲン、メトキシ、CH2C(O)NMe2、C(O)NH2、C(O)NMe2、SO2Me、またはSO2NH2で場合により置換されており、 NであるZ1〜Z4は、場合により四級化されて下式を形成し、 Y1、Y3、およびY4は、CH、N、NH、S、およびOからなる群から別々に選択され、Y2およびY5は、CおよびNからなる群から別々に選択されるが、ただし、芳香環の芳香族性は維持され、 CであるY1、Y3、およびY4は、ハロゲン、メトキシ、CH2C(O)NH2、CH2C(O)NMe2、C(O)NMe2、SO2Me、またはSO2NH2で場合により置換されており、 NであるY1、Y3、およびY4は、場合により四級化されて下式を形成し、R3は、C1〜4アルキル、CH2C(O)NH2、またはCH2C(O)NMe2であり、 リンカーL2は、CH2、C(CH3)2、O、C(O)、S、S(O)、S(O)2、NH、NR4、=N-、フェニル、単環式5員ヘテロアリール、単環式6員ヘテロアリール、-CH=CH-cis、-CH=CH-trans、NHC(O)NH、NR4C(O)NH、NHC(O)NR4、NR4C(O)NR4、OC(O)NH、NR4C(O)O、OC(O)NR4、およびNHC(O)Oからなる群から選択される単位を場合により含む1〜12単位の鎖であるが、ただし、L2は、C(O)NH、C(O)NR4、C(O)O、およびC(O)S単位を含まず、 5員ヘテロアリールは、イミダゾール、フラン、チオフェン、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、1,2,3-オキサジアゾール、1,3,4-オキサジアゾール、1,2,4-オキサジアゾール、1,2,3-トリアゾール、1,3,4-トリアゾール、1,2,3-チアゾール、1,3,4-チアゾール、および1,2,4-チアゾールからなる群から選択され、 6員ヘテロアリールは、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、1,2,4-トリアジン、および1,3,5-トリアジンからなる群から選択され、 R4は、HおよびC1〜4アルキルからなる群から選択される]の化合物の溶液を含む医薬組成物。 組成物中の1種または複数の透過性イオンは、塩化物イオンおよび臭化物イオンからなる群から選択される請求項34に記載の組成物。 R1およびR2は、アミン基である請求項32または34に記載の組成物。 L2は、-CH2-、-C(CH3)2-、-O-、-C(O)-、-S-、-S(O)-、-CH=CH-cis、および-CH=CH-transからなる群から選択される単位を含む1〜12単位の鎖である請求項32または34に記載の組成物。 式Iの化合物は、ペンタミジン、プロパミジン、ヘキサミジン、ジブロモプロパミジン、およびからなる群から選択される請求項32または34に記載の組成物。 式I:[式中、R1およびR2は、水素、メチル、アミン、およびC1〜4アルキルアミンからなる群から別々に選択され、 リンカーL1およびL3は、アミン、C1〜2アルキル、およびC1〜2アルキルアミンからなる群から別々に選択されるか、あるいは別々に存在せず、 芳香環A1およびA2は、下式からなる群から別々に選択され、Z1〜Z4は、CおよびNからなる群から別々に選択されるが、ただし、芳香環の芳香族性は維持され、 CであるZ1〜Z4は、C1〜4アルキル、CH2NH2、ハロゲン、メトキシ、CH2C(O)NMe2、C(O)NH2、C(O)NMe2、SO2Me、またはSO2NH2で場合により置換されており、 NであるZ1〜Z4は、場合により四級化されて下式を形成し、 Y1、Y3、およびY4は、CH、N、NH、S、およびOからなる群から別々に選択され、Y2およびY5は、CおよびNからなる群から別々に選択されるが、ただし、芳香環の芳香族性は維持され、 CであるY1、Y3、およびY4は、ハロゲン、メトキシ、CH2C(O)NH2、CH2C(O)NMe2、C(O)NMe2、SO2Me、またはSO2NH2で場合により置換されており、 NであるY1、Y3、およびY4は、場合により四級化されて下式を形成し、R3は、C1〜4アルキル、CH2C(O)NH2、またはCH2C(O)NMe2であり、 リンカーL2は、CH2、C(CH3)2、O、C(O)、S、S(O)、S(O)2、NH、NR4、=N-、フェニル、単環式5員ヘテロアリール、単環式6員ヘテロアリール、-CH=CH-cis、-CH=CH-trans、NHC(O)NH、NR4C(O)NH、NHC(O)NR4、NR4C(O)NR4、OC(O)NH、NR4C(O)O、OC(O)NR4、およびNHC(O)Oからなる群から選択される単位を場合により含む1〜12単位の鎖であるが、ただし、L2は、C(O)NH、C(O)NR4、C(O)O、およびC(O)S単位を含まず、 5員ヘテロアリールは、イミダゾール、フラン、チオフェン、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、1,2,3-オキサジアゾール、1,3,4-オキサジアゾール、1,2,4-オキサジアゾール、1,2,3-トリアゾール、1,3,4-トリアゾール、1,2,3-チアゾール、1,3,4-チアゾール、および1,2,4-チアゾールからなる群から選択され、 6員ヘテロアリールは、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、1,2,4-トリアジン、および1,3,5-トリアジンからなる群から選択され、 R4は、HおよびC1〜4アルキルからなる群から選択される]の化合物を投与する方法であって、式Iの化合物を含むエアロゾルの吸入を提供することを含み、エアロゾルは、約2ミクロン〜約4ミクロンの平均粒径および約2ミクロン以下の粒径幾何学的標準偏差を有する方法。 式I:[式中、R1およびR2は、水素、メチル、アミン、およびC1〜4アルキルアミンからなる群から別々に選択され、 リンカーL1およびL3は、アミン、C1〜2アルキル、およびC1〜2アルキルアミンからなる群から別々に選択されるか、あるいは別々に存在せず、 芳香環A1およびA2は、下式からなる群から別々に選択され、Z1〜Z4は、CおよびNからなる群から別々に選択されるが、ただし、芳香環の芳香族性は維持され、 CであるZ1〜Z4は、C1〜4アルキル、CH2NH2、ハロゲン、メトキシ、CH2C(O)NMe2、C(O)NH2、C(O)NMe2、SO2Me、またはSO2NH2で場合により置換されており、 NであるZ1〜Z4は、場合により四級化されて下式を形成し、 Y1、Y3、およびY4は、CH、N、NH、S、およびOからなる群から別々に選択され、Y2およびY5は、CおよびNからなる群から別々に選択されるが、ただし、芳香環の芳香族性は維持され、 CであるY1、Y3、およびY4は、ハロゲン、メトキシ、CH2C(O)NH2、CH2C(O)NMe2、C(O)NMe2、SO2Me、またはSO2NH2で場合により置換されており、 NであるY1、Y3、およびY4は、場合により四級化されて下式を形成し、R3は、C1〜4アルキル、CH2C(O)NH2、またはCH2C(O)NMe2であり、 リンカーL2は、CH2、C(CH3)2、O、C(O)、S、S(O)、S(O)2、NH、NR4、=N-、フェニル、単環式5員ヘテロアリール、単環式6員ヘテロアリール、-CH=CH-cis、-CH=CH-trans、NHC(O)NH、NR4C(O)NH、NHC(O)NR4、NR4C(O)NR4、OC(O)NH、NR4C(O)O、OC(O)NR4、およびNHC(O)Oからなる群から選択される単位を場合により含む1〜12単位の鎖であるが、ただし、L2は、C(O)NH、C(O)NR4、C(O)O、およびC(O)S単位を含まず、 5員ヘテロアリールは、イミダゾール、フラン、チオフェン、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、1,2,3-オキサジアゾール、1,3,4-オキサジアゾール、1,2,4-オキサジアゾール、1,2,3-トリアゾール、1,3,4-トリアゾール、1,2,3-チアゾール、1,3,4-チアゾール、および1,2,4-チアゾールからなる群から選択され、 6員ヘテロアリールは、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、1,2,4-トリアジン、および1,3,5-トリアジンからなる群から選択され、 R4は、HおよびC1〜4アルキルからなる群から選択される]の化合物を投与するためのシステムであって、 式Iの化合物の溶液を含む容器、および 前記容器に連結され、約2ミクロン〜約4ミクロンの平均粒径および約2ミクロン以下の粒径幾何学的標準偏差を有する前記溶液のエアロゾルを生じるようになされたネブライザを含むシステム。 R1およびR2は、アミン基である請求項1、6、8、14、または39に記載の方法。 L2は、-CH2-、-C(CH3)2-、-O-、-C(O)-、-S-、-S(O)-、-CH=CH-cis、および-CH=CH-transからなる群から選択される単位を含む1〜12単位の鎖である請求項1、6、8、14、または39に記載の方法。 式Iの化合物は、ペンタミジン、プロパミジン、ヘキサミジン、ジブロモプロパミジン、およびからなる群から選択される請求項1、6または39に記載の方法。 式Iの化合物の有効排出ポンプ阻害濃度は、少なくとも約2時間は感染部位にとどまる請求項1、6、8、または14に記載の方法。 式Iの化合物の有効排出ポンプ阻害濃度は、少なくとも約4時間は感染部位にとどまる請求項1、6、8、または14に記載の方法。 式Iの化合物の有効排出ポンプ阻害濃度は、抗微生物薬が、その最高期間で存在する同じ時間に感染部位にある請求項1、6、12、または17に記載の方法。 式Iの化合物の有効排出ポンプ阻害濃度は、抗微生物薬が、その最高期間で存在する時間のうちの少なくとも約25%のあいだ感染部位にある請求項1、6、12、または17に記載の方法。 有効排出ポンプ阻害濃度は、抗微生物薬のAUC/MIC比を少なくとも約25%改善するのに十分である請求項1、6、12、または17に記載の方法。 有効排出ポンプ阻害濃度は、抗微生物薬のMIC以上の濃度が維持される時間(time-above-MIC)を少なくとも約25%改善するのに十分である請求項1、6、12、または17に記載の方法。 有効排出ポンプ阻害濃度は、治療効果をもたらすのに十分である請求項1、6、8、または14に記載の方法。 感染部位は、局在している請求項1、6、8、または14に記載の方法。 感染部位は、肺部位である請求項51に記載の方法。 細菌は、シュードモナス属である請求項52に記載の方法。 式Iの化合物は、エアロゾルとして投与される請求項52に記載の方法。 式Iの化合物は、少なくとも約15mgの呼吸に適した1日当たりの送達量を達成するように1回または複数回の投与で投与される請求項54に記載の方法。 式Iの化合物は、少なくとも約40mgの呼吸に適した1日当たりの送達量を達成するように1回または複数回の投与で投与される請求項54に記載の方法。 式Iの化合物は、少なくとも約60mgの呼吸に適した1日当たりの送達量を達成するように1回または複数回の投与で投与される請求項54に記載の方法。 前記投与ステップは、所定の比で前記抗微生物薬および式Iの化合物を投与することを含む請求項1、6、12、または17に記載の方法。 前記投与ステップは、別々の投与経路によって前記抗微生物薬および式Iの化合物を投与することを含む請求項1、6、12、または17に記載の方法。 前記抗微生物薬および式Iの化合物は、順次に投与される請求項1、6、12、または17に記載の方法。 前記抗微生物薬および式Iの化合物は、同時に投与される請求項1、6、12、または17に記載の方法。 前記抗微生物薬および式Iの化合物は、組み合わされ固定された剤形で投与される請求項1、6、12、または17に記載の方法。 前記抗微生物薬は、前記細菌における排出ポンプの基質である請求項1、6、12、または17に記載の方法。 抗微生物薬は、抗細菌薬である請求項1、6、12、または17に記載の方法。 抗微生物薬は、キノロンである請求項1、6、12、または17に記載の方法。 抗微生物薬は、フルオロキノロンである請求項65に記載の方法。 抗微生物薬は、シプロフロキサシン、レボフロキサシン、モキシフロキサシン、オフロキサシン、ガチフロキサシン、シノキサシン、ゲミフロキサシン、およびノルフロキサシン、ロモフロキサシン(lomofloxacin)、ペフロキサシン、ガレノキサシン、シタフロキサシン、DX-619からなる群から選択される請求項66に記載の方法。 抗微生物薬は、アミノグリコシド、β-ラクタム、クメルマイシン、クロラムフェニカール(chloramphenical)、リポペプチド、グリコペプチド、グリシルサイクリン、ケトライド、マクロライド、オキサゾリドノン(oxazolidonone)、リファマイシン、ストレプトグラミン、およびテトラサイクリンからなる群から選択される請求項1、6、12、または17に記載の方法。 細菌は、グラム陰性菌である請求項1、6、11、または16に記載の方法。 細菌は、下記:からなる群より選択される請求項1、6、11、または16に記載の方法。 前記対象は、ヒトである請求項1、6、12、または17に記載の方法。 前記対象は、嚢胞性線維症のヒトである請求項1、6、12、または17に記載の方法。 前記対象は、肺炎、慢性閉塞性肺疾患、もしくは副鼻腔炎のヒト、または機械的に肺換気されているヒトである請求項1、6、12、または17に記載の方法。 細菌の排出ポンプ活性を阻害するための薬物の調製における式I:[式中、R1およびR2は、水素、メチル、アミン、およびC1〜4アルキルアミンからなる群から別々に選択され、 リンカーL1およびL3は、アミン、C1〜2アルキル、およびC1〜2アルキルアミンからなる群から別々に選択されるか、あるいは別々に存在せず、 芳香環A1およびA2は、下式からなる群から別々に選択され、Z1〜Z4は、CおよびNからなる群から別々に選択されるが、ただし、芳香環の芳香族性は維持され、 CであるZ1〜Z4は、C1〜4アルキル、CH2NH2、ハロゲン、メトキシ、CH2C(O)NMe2、C(O)NH2、C(O)NMe2、SO2Me、またはSO2NH2で場合により置換されており、 NであるZ1〜Z4は、場合により四級化されて下式を形成し、 Y1、Y3、およびY4は、CH、N、NH、S、およびOからなる群から別々に選択され、Y2およびY5は、CおよびNからなる群から別々に選択されるが、ただし、芳香環の芳香族性は維持され、 CであるY1、Y3、およびY4は、ハロゲン、メトキシ、CH2C(O)NH2、CH2C(O)NMe2、C(O)NMe2、SO2Me、またはSO2NH2で場合により置換されており、 NであるY1、Y3、およびY4は、場合により四級化されて下式を形成し、R3は、C1〜4アルキル、CH2C(O)NH2、またはCH2C(O)NMe2であり、 リンカーL2は、CH2、C(CH3)2、O、C(O)、S、S(O)、S(O)2、NH、NR4、=N-、フェニル、単環式5員ヘテロアリール、単環式6員ヘテロアリール、-CH=CH-cis、-CH=CH-trans、NHC(O)NH、NR4C(O)NH、NHC(O)NR4、NR4C(O)NR4、OC(O)NH、NR4C(O)O、OC(O)NR4、およびNHC(O)Oからなる群から選択される単位を場合により含む1〜12単位の鎖であるが、ただし、L2は、C(O)NH、C(O)NR4、C(O)O、およびC(O)S単位を含まず、 5員ヘテロアリールは、イミダゾール、フラン、チオフェン、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、1,2,3-オキサジアゾール、1,3,4-オキサジアゾール、1,2,4-オキサジアゾール、1,2,3-トリアゾール、1,3,4-トリアゾール、1,2,3-チアゾール、1,3,4-チアゾール、および1,2,4-チアゾールからなる群から選択され、 6員ヘテロアリールは、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、1,2,4-トリアジン、および1,3,5-トリアジンからなる群から選択され、 R4は、HおよびC1〜4アルキルからなる群から選択される]の化合物の使用。 薬物は、さらに、抗細菌薬治療を受ける患者への投与用である請求項74に記載の使用。 抗細菌薬治療は、抗細菌薬耐性細菌感染を治療するためである請求項75に記載の使用。 薬物は、さらに、抗細菌薬耐性の出現を抑制するためである請求項75に記載の使用。 薬物は、抗細菌薬をさらに含む請求項74に記載の使用。 R1およびR2は、アミン基である請求項74に記載の使用。 L2は、-CH2-、-C(CH3)2-、-O-、-C(O)-、-S-、-S(O)-、-CH=CH-cis、および-CH=CH-transからなる群から選択される単位を含む1〜12単位の鎖である請求項74に記載の使用。 式Iの化合物は、ペンタミジン、プロパミジン、ヘキサミジン、ジブロモプロパミジン、およびからなる群から選択される請求項74に記載の使用。 本発明は、薬剤耐性病原体によって引き起こされる感染の治療のために抗微生物薬と同時投与される排出ポンプ阻害剤、新規の排出ポンプ阻害剤、抗菌剤を付随する排出ポンプ阻害剤の組合せ服用形式、および新規の医療方法を提供する。


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