タイトル: | 特許公報(B2)_毛髪成長抑制用薬剤の製造のためのボツリヌス毒素の使用 |
出願番号: | 2007501310 |
年次: | 2011 |
IPC分類: | A61K 38/00,A61K 35/74,A61P 17/00 |
クロード ル ルワルン JP 4758981 特許公報(B2) 20110610 2007501310 20050302 毛髪成長抑制用薬剤の製造のためのボツリヌス毒素の使用 イプセン ファルマ ソシエテ パール アクシオン サンプリフィエ 509120469 IPSEN PHARMA S.A.S. クロード ル ルワルン 306036738 アクシス国際特許業務法人 110000523 クロード ル ルワルン EP 04290582.8 20040304 20110831 A61K 38/00 20060101AFI20110811BHJP A61K 35/74 20060101ALI20110811BHJP A61P 17/00 20060101ALI20110811BHJP JPA61K37/02A61K35/74 GA61P17/00 A61K 38/00 A61K 35/74 CA/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN) 米国特許第06299893(US,B1) 米国特許出願公開第2002/0028765(US,A1) 8 FR2005000495 20050302 WO2005087258 20050922 2007526286 20070913 5 20080228 松波 由美子 本発明の目的は、毛髪成長抑制用薬剤の製造のためのボツリヌス毒素の使用である。本発明は更に、毛髪成長抑制用の美容整形的方法に関する。 多毛症患者又は男性型多毛症の女性にとって、毛髪成長は大きな悩みである。更にある患者、特に女性にとって、体の特定の場所にある毛の存在は、特に見苦しいと考えられている。 従って、効果的に上記のような人々の毛髪の再増殖を抑制できてかつ薬の副作用の無い方法が求められている。 本発明の目的は、特に有効で副作用のない解決法を提供することである。 ボツリヌス毒素、特にA型ボツリヌス毒素(商標「Dysport」イプセン社販売製品、商標「Botox」アラガン社販売製品)は、1980年代からヒトの多様で様々な疾患/障害の治療に使用されてきた。ボツリヌス毒素で治療できる疾患/障害として、神経筋障害(例えば眼瞼痙攣、大人若しくは児童の痙攣又は斜頸)、偏頭痛、一般的疼痛、泌尿器障害(例えば良性前立腺過形成、尿閉又は失禁)、糖尿病、多汗症(又は過度の発汗)、過流涎、特に皺が挙げられる。 本発明では、ボツリヌス毒素は、多毛症患者若しくは男性型多毛症患者での、又は毛の成長を抑制するために美容整形的治療を希望する健康人若しくは多毛症患者の、毛髪成長を抑制するために使用される。 本発明は従って、特に多毛症患者又は男性型多毛症患者での毛髪成長を抑制するための薬剤の製造のためのボツリヌス毒素の使用に関する。 本発明は又、その治療が必要な患者の毛髪成長を抑制するための美容整形的治療方法であり、治療される部位へ有効量のボツリヌス毒素含有医薬組成物を投与することを含む方法に関する。 本発明の主な利点の一つは、ボツリヌス毒素を使用して得られる、比較的長期間にわたる効果にある。従って、この効果は一般的にボツリヌス毒素の投与の後、少なくとも3又は4月間(又は患者によってはそれ以上)持続する。 本発明で薬剤の製造に使用されるボツリヌス毒素は、ボツリヌス毒素のA(特にA1及びA2を含む)、B、C(特にC1及びC2を含む)、D、E、F及びG型から選ばれる。好ましくは、それはA、B及びF型ボツリヌス毒素から選ばれる。更に好ましくは、それはA及びB型ボツリヌス毒素、特にA型ボツリヌス毒素(最も好ましくはA1型ボツリヌス毒素)から選ばれる。 更に、本発明の薬剤の製造に使用されるボツリヌス毒素は、ボツリヌス毒素及び他の蛋白質を含有する複合物又は遊離体(即ち、それと共に複合体を形成する蛋白質からは完全にフリーである状態)の形状でもよい。 本発明では、製造された薬剤は、特にボツリヌス毒素を含有する凍結解凍された粉末(その場合、医者がそれを患者へ注射する前に溶液を水又は食塩水で再構成する)又は上記毒素を含有する注射液でもよい。 本発明の薬剤の製造用に使用されるボツリヌス毒素及び得られた薬剤に関する上記考察は、本発明の美容整形的治療方法用に使用されるボツリヌス毒素へ及び上記美容整形的治療方法の実施に使用される美容整形用薬剤へ必要な変更を加えて適用される。 本発明の方法により製造された上記薬剤は、過剰の毛髪成長により悩む患者の部位へ例えば注射により投与される。上記部位は担当医により選択され、好ましくはこれら部位は毛をそりおとした後の状態である。好ましくはこれら部位は、顔、胸郭、腹、臀部領域、陰部大腿神経領域、両脚及び両腕の群から選ばれる。 美容整形的治療として、ボツリヌス毒素を含有する液体、半液体組成物又はゲルが、例えば脱毛が起こっているか後に起こる部位へ注射される。一方、ボツリヌス毒素含有パッチ又はボツリヌス毒素含クリームも適用でき、治療される領域に塗布される。 好ましくは、美容整形的治療方法の適用される体の部位は、胴体(例えば胸)、両脚(例えば大腿部)、両腕、脇の下及び顔(例えば眼窩上隆起部、唇と鼻の間の部分、即ち上唇上部、下あご及び頬)の群から選ばれる。 本発明の美容整形的治療の薬剤投与経路に関して、当業者は適切などのような投与経路も予測できる。しかしその投与経路は、好ましくは投与されたボツリヌス毒素が、本質的に治療される部位の表皮上に広がるように選択される。 勿論、本発明の使用は又、その毛の成長が過剰であるか飼い主を困らせるペットのための治療用又は美容整形的処置を行うために採用できる。 本発明に使用されるボツリヌス毒素の投与量は、治療される被験者(体)の年齢及び体重並びにその症状に従い変更でき、担当医又は獣医が最終的に決定できる。担当医又は獣医により決定されるこの量は、ここで「治療的有効量」と言う。 A1型ボツリヌス毒素の例示として、本発明の薬剤として予測される投与量は、0.05〜1LD50ユニットのA1型ボツリヌス毒素/cm2被治療皮膚、好ましくは0.1〜0.5LD50ユニットのA1型ボツリヌス毒素/cm2被治療皮膚、更に好ましくは0.2〜0.4LD50ユニットのA1型ボツリヌス毒素/cm2被治療皮膚(例えば約0.3LD50ユニットのA1型ボツリヌス毒素/cm2被治療皮膚)でもよい。他の種のボツリヌス毒素として、当業者はA1型ボツリヌス毒素に対するそれらボツリヌス毒素それぞれの相対的治療用活性を知る限りにおいて、必要量を変更できる。LD50ユニットは、ボツリヌス毒素を使用する医者により通常、それぞれ約20グラム重のメススイス−ウェブスターマウス18〜20匹の群の50%が死亡する毒投与量と同等のボツリヌス毒素のLD50ユニットとして認識される。 用語「約」は、目的の値の周りの範囲を言う。この用語が本明細書で使用される場合、「約X」はXからXの10%を減じた間隔からXにXの10%を加算した間隔の範囲を表し、好ましくはXからXの5%を減じた間隔からXにXの5%を加算した間隔の範囲を表す。 特記しない限り、ここで使用される全ての技術的及び科学的用語は、当業者が通常理解する意味を示す。同様に、ここで引用される全ての刊行物、特許出願公開、特許明細書及び全ての他の資料は、本明細書に資料として使用される。 下記実施例は、上記手順を例示するために示され、本発明の範囲を限定するために使用されるべきではない。 その上唇上の産毛を減少させたい39歳の患者が被験者となった。3ユニットの商標Botox(フランス、アラガン社販売製品)を含有する溶液を製造者の説明書に従って調製し、その溶液を、この患者の表皮である赤い上唇上数カ所へ注入した。上記3ユニットは均一に治療部位上に拡散した。治療の4月間後、患者の上唇上の産毛は明らかに減少した。 多毛症患者又は男性型多毛症患者での毛髪成長を、唇と鼻の間の部分へボツリヌス毒素を注射することにより抑制することを目的とする薬剤の製造のためのボツリヌス毒素の使用。 上記製造された薬剤は、多毛症患者の毛髪成長を抑制することを目的とする請求項1の使用。 上記製造された薬剤は、男性型多毛症患者の毛髪成長を抑制することを目的とする請求項1の使用。 上記使用されるボツリヌス毒素はA、B及びF型ボツリヌス毒素から選ばれる請求項1〜3いずれか1項記載の使用。 上記使用されるボツリヌス毒素はA型ボツリヌス毒素である請求項4の使用。 その治療が必要な患者の毛髪成長を抑制するための美容整形的治療方法であり、唇と鼻の間の部分へ有効量のボツリヌス毒素を注射することを含む方法に使用される有効量のボツリヌス毒素を含有する医薬組成物。 上記使用されるボツリヌス毒素はA、B及びF型ボツリヌス毒素から選ばれる請求項6の医薬組成物。 上記使用されるボツリヌス毒素はA型ボツリヌス毒素である請求項7の医薬組成物。