タイトル: | 公開特許公報(A)_インターフェロン・リバビリン併用療法における副作用軽減剤 |
出願番号: | 2007339057 |
年次: | 2011 |
IPC分類: | A61K 45/00,A61K 31/7056,A61K 38/21,A61K 31/194,A61K 33/10,A61P 7/06,A61P 3/12,A61P 31/14 |
河田 純男 JP 2011051897 公開特許公報(A) 20110317 2007339057 20071228 インターフェロン・リバビリン併用療法における副作用軽減剤 日本ケミファ株式会社 000228590 河田 純男 A61K 45/00 20060101AFI20110218BHJP A61K 31/7056 20060101ALI20110218BHJP A61K 38/21 20060101ALI20110218BHJP A61K 31/194 20060101ALI20110218BHJP A61K 33/10 20060101ALI20110218BHJP A61P 7/06 20060101ALI20110218BHJP A61P 3/12 20060101ALI20110218BHJP A61P 31/14 20060101ALI20110218BHJP JPA61K45/00A61K31/7056A61K37/66 GA61K31/194A61K33/10A61P7/06A61P3/12A61P31/14 14 OL 9 4C084 4C086 4C206 4C084AA02 4C084AA17 4C084AA19 4C084AA22 4C084DA21 4C084DA22 4C084MA02 4C084NA06 4C084NA14 4C084ZA551 4C084ZA552 4C084ZA752 4C084ZB332 4C084ZC212 4C086AA01 4C086AA02 4C086EA16 4C086HA02 4C086HA16 4C086MA01 4C086MA02 4C086MA03 4C086MA04 4C086MA09 4C086NA06 4C086NA14 4C086ZA55 4C086ZA75 4C086ZB33 4C086ZC21 4C206AA01 4C206AA02 4C206DA34 4C206MA01 4C206MA02 4C206MA03 4C206MA04 4C206NA06 4C206NA14 4C206ZA55 4C206ZC21本発明はクエン酸アルカリ金属塩を有効成分として含有するインターフェロン・リバビリン併用療法における副作用軽減剤に関する。 我国におけるC型肝炎ウイルスの感染者数は、現在約200万人と推定されている。 C型肝炎ウイルスに感染すると一定の潜伏期間を経て、急性肝炎にかかるが、自覚症状は比較的乏しく、慢性肝炎に移行しやすい。そして、慢性肝炎も自覚症状は少なく、放置すれば、肝硬変を発病し、更には肝臓ガンに至ることもありうる。肝臓ガンで死亡する患者は、年間3万〜3万5000人で、そのうちの約8割が、C型肝炎ウイルスが原因とされている。従って、国においても現在検診でC型肝炎の潜在患者の早期発見に努めているところでもあり、肝硬変や肝臓ガンに至る前に、肝炎を治療することは重要である。C型肝炎の治療法としては、肝炎を抑え、肝機能を改善させる目的でなされるグリチルリチン製剤、ウルソデオキシコール酸等の薬物を用いた維持的療法(肝庇護療法)とウイルスを駆除することを目的としたインターフェロンを用いた抗ウイルス療法等が知られている。 抗ウイルス療法にはインターフェロンやペグインターフェロンの単独療法とこれらとリバビリンとの併用療法が知られている。 ところで、我国で見られるC型肝炎ウイルスのタイプとしては、1bタイプが最も多く、次いで2a、2bタイプで、残りはまれである。2a、2bタイプについては、インターフェロン単独療法は効果的であるが、1bタイプについては、インターフェロン単独療法の効果はあまり高くないことが知られている。 またウイルス量が多くなるとインターフェロン単独療法は、治療効果が高くないことも問題視されている。 たとえばイントロンA注射用300(シェリング・プラウ製)の効能又は効果の記載は以下のとおりである。効能又は効果・次のいずれかのC型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善(1)本剤単独の場合 1)血中HCV RNA量が高値ではない患者(2)リバビリンとの併用の場合 1)血中HCV RNA量が高値の患者 2)インターフェロン製剤単独療法で無効の患者又はインターフェロン製剤単独療法後再燃した患者・HBe抗原陽性でかつDNAポリメラーゼ陽性のB型慢性活動性肝炎のウイルス血症の改善・腎癌、慢性骨髄性白血病、多発性骨髄腫 従ってインターフェロン単独療法よりもリバビリンとの併用療法の方がより適切な治療方法と考えられるが、しかしながらこのリバビリン併用療法においては、インターフェロン単独投与における副作用である発熱、倦怠感、うつ病、甲状腺などの自己免疫疾患、間質性肺炎などの副作用に加え、貧血の発生頻度が高く治療上の重大な問題となっている。即ちヘモグロビン濃度が減少した場合は、リバビリンの用量を減量し、あるいはリバビリンの投与を中止したり、更にはインターフェロンの減量・休薬・中止することとなる。治療難治例(HCV1型)におけるペグインターフェロン・リバビリン併用療法の完治率と中止の影響について国内臨床試験から、用量変更なしの場合、完治率が62.5%に対し、減量症例では50.8%に低下し、さらに中止症例に至っては19.2%に低下することが報告されている。 従って、インターフェロン・リバビリン併用療法では、減量や中止に至らないことが極めて重要となる。 ところでインターフェロン・リバビリン併用療法における副作用である貧血の軽減方法として、抗酸化剤の使用(特許文献1)やイコサペント酸(EPA)の使用(特許文献2)が提案されている。しかしながら、現在までのところインターフェロン・リバビリン併用療法における副作用である貧血の発生を軽減させる有効な薬物として、これらの薬物が臨床上用いられているとの報告はなされていない。 酵素異常症であるピルビン酸キナーゼ欠乏症においては、解糖系においてATPを産生する酵素であるピルビン酸キナーゼが先天的に機能不全に陥っているためにATPの産生が低下し、これによりカリウムと水が細胞外へ流出し、次いで赤血球内脱水により、有棘赤血球に変わることで、脾臓において血管外溶血が生じ、貧血に至ることが知られている。 またC型慢性肝炎における(ペグ)インターフェロン・リバビリン併用療法時には、リバビリンが赤血球内でのリン酸化に伴い、ATPを消費することが知られている。そして赤血球内ではリバビリンによるATPの枯渇により赤血球はenergy crisisに陥り、溶血することが報告されている。(非特許文献1、2) 従って、ATPの産生の低下を抑制できる薬物は、リバビリン併用療法における副作用である貧血の予防又は治療剤として期待される。 クエン酸カリウム・クエン酸ナトリウム配合製剤である「ウラリット−U(登録商標)」及び「ウラリット錠(登録商標)」は、「痛風ならびに高尿酸血症における酸性尿の改善、並びにアシドーシスの改善」に対して有用であることが広く知られている。(非特許文献3,4)しかしながら、発明者らの知る限り、クエン酸カリウム・クエン酸ナトリウム配合製剤が、貧血の予防又は治療薬として有効である旨の報告はなされていない。従って、インターフェロン・リバビリン併用療法において、高頻度に発生する副作用である貧血を軽減させる有効な薬物の提供が求められている。特表2002−542202WO 2004/073706De Franceschi L et al., Hepatology,2000 Apr,31(4),997−1004第42回日本肝臓学会総会講演要旨 肝臓 47巻 suppl.(1),(2006),A214上田 泰、臨床評価 9,421頁,1981年北川照男,小児科臨床,39,2257頁,1986年 本発明の課題は、C型肝炎のインターフェロン・リバビリン併用療法時に見られる副作用を軽減することにより、リバビリン及び/又はインターフェロンを減量又は中止することなく、薬物治療を可能にする副作用軽減剤(予防及び治療剤)を提供することにある。 即ち、本発明は、アシドーシス改善剤を有効成分として含有する貧血の予防及び治療剤に関する。 また、本発明は、アシドーシス改善剤を有効成分として含有するリバビリン投与による副作用の予防及び治療剤に関する。 また、本発明は、アシドーシス改善剤を有効成分として含有するインターフェロン・リバビリン併用療法による副作用の予防及び治療剤に関する。また、本発明は、アシドーシス改善剤とリバビリンからなる医薬品に関する。 さらにまた、本発明は、インターフェロンとアシドーシス改善剤とリバビリンからなる医薬品に関する。 次に本発明を詳細に説明する。本明細書において、貧血とは、血液中の赤血球数または血色素量が正常値以下に減少した状態をいう。なお、国際的貧血判定基準(WHO)によるとヘモグロビン量が、成人男子では13.0g/dL、女子では12.0g/dL以下とされている。リバビリン(以下、RIBと略すこともある。)およびインターフェロン(以下、IFNと略すこともある。)又はペグインターフェロン(PEG化IFN)併用療法におけるRIBが関与すると考えられる副作用としては、たとえばレベトールカプセル(シェーリング・プラウ(株)製)の添付文書によると、重大な副作用として、貧血(赤血球減少、ヘモグロビン減少)、無顆粒球症、白血球減少、顆粒球減少、血小板減少、再生不良性貧血、抑うつ、自殺企図、昏迷、難聴、意識障害、痙攣、見当識障害、せん妄、幻覚、失神、躁状態、妄想、錯乱、攻撃的行動、統合失調症様症状、痴呆様症状、興奮、肝機能障害、ショック、消化管出血、消化性潰瘍、小腸潰瘍、虚血性大腸炎、呼吸困難、喀痰増加、脳出血、脳梗塞、間質性肺炎、肺線維症、肺水腫、糖尿病、腎障害、心筋症、心不全、心筋梗塞、狭心症、不整脈、敗血症、網膜症、自己免疫疾患、溶血性尿毒症症候群、血栓性血小板減少性紫斑病、皮膚粘膜眼症候群、横紋筋融解症が挙げられ、そしてその他の副作用として全身症状(発熱、倦怠感、悪寒、インフルエンザ様症状)、精神神経系(頭痛、不眠、異常感、部分不快、激超他)、血液(白血球減少、好中球減少、リンパ球減少、ヘモグロビン減少、血小板減少、赤血球減少、ヘマトクリット減少、貧血、リンパ球増多、好中球増多、赤血球増加他)、肝臓(AST)GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、γ−GTP上昇、LDH上昇、ビルリルビン上昇、黄疸他)、腎臓(頻尿、血尿他)、循環器(頻脈他)、消化器(食欲不振他)、皮膚(脱毛他)、神経・筋(関節痛他),呼吸器(咳嗽、気管支痙攣他)、眼(角膜・結膜炎、眼そう痒症、視野狭窄他)、投与部位(注射部反応)等が挙げられている。本明細書でいう副作用は、上記の副作用、並びにこれら以外にもリバビリン/(ペグ)インターフェロン併用療法においてこれまでに報告されているその他の副作用も含まれるが、これらに限定されるものではない。 上記の副作用の中で、本願明細書にいう予防又は治療剤の対象となる副作用としては好ましくは貧血(赤血球減少、ヘモグロビン減少)、白血球減少、顆粒球減少、血小板減少、再生不良性貧血、血液系の副作用が挙げられるが、さらに好ましくは貧血が挙げられる。リバビリン製剤としては、レベトールカプセル(商品名、シェリング・プラウ(株)社製)及びコペガス錠(商品名、中外製薬(株)社製)が市販されている。リバビリンの投与量は、レベトールカプセルを用いる場合、成人患者には、1日400〜1600mg、好ましくは600〜1000mgを1日2回に分けて連日、24週間、朝夕食後経口投与するものであるが、1日当たりの投与回数、投与期間は、症状の程度、体重、年齢等によって適宜変更される。 本明細書において、インターフェロンとしては、C型慢性肝炎におけるウイルス血症の治療を目的として用られるインターフェロンであれば特に制限はなく、天然型IFNα、IFNα−2a、IFNα−2b、PEG化天然型IFNα、PEG化IFNα−2a、PEG化IFNα−2b、天然型IFNβ、PEG化天然型IFNβ、天然型IFNγ、コンセンサスIFN、PEG化コンセンサスIFN、並びにこれらの組合せからなるものが挙げられ、好ましくは天然型IFNα、IFNα−2b、PEG化IFNα−2a、PEG化IFNα−2b、天然型IFNβが挙げられ、さらに好ましくはPEG化IFNα−2a、PEG化IFNα−2bが挙げられる。 本明細書における(ペグ)インターフェロンの投与量、投与期間、投与スケジュール、投与経路は、C型慢性肝炎におけるウイルス血症の治療を目的として実施される範囲内であれば特に制限はない。 たとえばインターフェロンアルファ−2b(遺伝子組換え)は、通常、成人には、1日600万〜1000万国際単位を週6回又は週3回筋肉内に投与する。 またペグインターフェロン−2b(遺伝子組換え)は、通常、成人には、1回1.5μg/kgを週1回皮下投与する。 アシドーシスとは、血中の酸と塩基の関係が、酸優位の状態になったものをいうが、本発明の予防及び治療剤の有効成分であるアシドース改善剤は、これを正常値に戻す作用を有する薬物をいい、たとえば、クエン酸アルカリ金属塩、炭酸水素ナトリウム等が挙げられ、さらに好ましくはクエン酸カリウム・クエン酸ナトリウム配合製剤が挙げられる。 次に臨床試験の試験結果を示す。後記実施例1で示すようにアシドーシス改善剤であるクエン酸カリウム・クエン酸ナトリウム配合製剤は、リバビリン・ペグインターフェロン併用療法において、赤血球中のATPの減少を有意に抑制した。 アシドーシス改善剤が、ATPの産生の低下を抑制することから、アシドース改善剤は、リバビリン・インターフェロン併用療法における副作用である貧血の予防又は治療剤として期待される。リバビリン・インターフェロン併用療法において、ヘモグロビン濃度が減少した場合は、リバビリンの用量を減量し、あるいはリバビリンの投与を中止したり、更にはインターフェロンの減量・休薬・中止することとなる。 たとえばレベトールカプセル(シェーリング・プラウ(株)社製)の場合、ヘモグロビン濃度が10g/dL未満の場合、リバビリンを減量し、8.5g/dL未満ではリバビリンの投与中止に至る。治療難治例(HCV1型)におけるペグインターフェロン・リバビリン併用療法の完治率と中止の影響について国内臨床試験から、用量変更なしの場合、完治率が62.5%に対し、減量症例では50.8%に低下し、さらに中止症例に至っては19.2%に低下することが報告されている。 従って、インターフェロン・リバビリン併用療法では、減量や中止に至らないことが極めて重要となることから、わずかでもヘモグロビン量の減少を抑制できる薬物は臨床上、極めて有用となる。本発明の予防及び治療剤は、有効成分であるアシドーシス改善剤を賦形剤、結合剤、滑沢剤、着色剤、香味剤、滅菌水、等張化剤、pH調整剤、安定化剤、無痛化剤などと適宜組み合わせて適当な医薬用製剤に調製することができる。製剤の剤形としては、錠剤、カプセル剤、マイクロカプセル剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、経口用液体製剤、シロップ剤、注射剤が例示できる。投与方法は、経口および静脈内あるいは動脈内を問わず患者に投与されるが、とりわけ経口投与が好ましい。 なお、副作用の発現が少ない安全なアシドーシス改善剤として市販されているウラリット−U(登録商標)又はウラリット錠(登録商標)を使用することが好ましい。本発明の予防及び治療剤の投与量は、その剤形、投与方法、1日当たりの投与回数、症状の程度、体重、年齢等によって適宜増減することができる。例えばウラリット−U(登録商標)又はウラリット錠(登録商標)を経口投与する場合は、有効成分であるクエン酸カリウム及びクエン酸ナトリウムの合計量が1〜9g/日、好ましくは2〜6g/日を、1日3、4回に分けて投与するが、必要に応じて全量を1回あるいは数回に分けて投与してもよい。本発明の予防及び治療剤の投与期間および投与スケジュールは、標準的なリバビリン・インターフェロン併用療法におけるリバビリンおよび/またはインターフェロンの投与前から、リバビリン/インターフェロン投与終了後まで、任意の投与期間・投与スケジュールで投与することができる。副作用の予防の観点から、リバビリン/インターフェロンの投与を決定した段階で、予防及び治療剤の投与を開始することが好ましい。また発現したリバビリン/インターフェロンの副作用を軽減する観点からは、リバビリン/インターフェロン投与後に投与することが好ましい。 従って、本発明は次のとおりである。 (1)アシドーシス改善剤を有効成分として含有する貧血の予防及び治療剤。 (2)アシドーシス改善剤を有効成分として含有するリバビリン投与による副作用の予防及び治療剤。 (3)アシドーシス改善剤を有効成分として含有するインターフェロン・リバビリン併用療法による副作用の予防及び治療剤。(4)副作用が、ATPの低下が関与する疾患である(2)又は(3)記載の予防及び治療剤。(5)副作用が、ヘモグロビンの減少である(2)又は(3)記載の予防及び治療剤。(6)副作用が、溶血である(2)又は(3)記載の予防及び治療剤。(7)副作用が、貧血である(2)又は(3)記載の予防及び治療剤。 (8)アシドーシス改善剤とリバビリンからなる医薬品。 (9)インターフェロンとアシドーシス改善剤とリバビリンからなる医薬品。(10)アシドーシス改善剤が、クエン酸アルカリ金属塩である(1)〜(9)の何れかの項に記載の予防及び治療剤。(11)アシドーシス改善剤が、クエン酸カリウム・クエン酸ナトリウム配合製剤である(10)記載の予防及び治療剤。 (12)アシドーシス改善剤が、炭酸水素ナトリウムである(1)〜(9)の何れかの項に記載の予防及び治療剤。 (13)インターフェロンがインターフェロンαである(3)〜(7)及び(9)〜(12)の何れかの項に記載の予防及び治療剤。 (14)インターフェロンがインターフェロンα−2a、インターフェロンα−2b、PEG化インターフェロンα−2a、PEG化インターフェロンα−2b、コンセンサスインターフェロン又は精製インターフェロンαから選ばれるものである(13)記載の予防及び治療剤。 以下に、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。(試験方法) C型肝炎を発症している患者をペグインターフェロンとリバビリンを投与する群(11名:男性5名、女性6名)とペグインターフェロンとリバビリンにクエン酸カリウム・クエン酸ナトリウム配合製剤を投与する群(5名:男性2名、女性3名)にわけ、薬物投与前と投与4週間後の赤血球中のATPを測定した。 ペグインターフェロンは、ペグイントロン皮下注用(シェーリング・プラウ(株)社製:ペグインターフェロン アルファ−2b(遺伝子組換え))を用い、1回1.5μg/kgを週1回皮下投与した。 リバビリンは、レベトールカプセル(シェーリング・プラウ(株)社製)を用い、患者の体重に応じて1日当たり600mg〜1000mgを朝食後、夕食後に投与した。 クエン酸カリウム・クエン酸ナトリウム配合製剤は、ウラリット−U(登録商標)を用い、1回1gを1日3回投与した。 赤血球中のATPの測定は、日本臨床第53巻1995年増刊号243頁に記載の以下の測定原理に基づき行った。 ヘキソキナーゼ(1)グルコース+ATP―――――――――――――→G6P+ADP Mg2+ G6PD(2)G6P+NADP―――――――――――→6PGA+NADPH+H+ 試験結果を表1に示す。(試験結果)ウラリット −:ペグインターフェロン+リバビリン投与群 ウラリット +:ペグインターフェロン+リバビリン+クエン酸カリウム・クエン酸ナトリウム配合製剤投与群ATP(RBC):赤血球中のATP量 pre :薬物投与前 post :薬物投与4週間後 表1から明らかなようにウラリット−U(クエン酸カリウム・クエン酸ナトリウム配合製剤)は、リバビリン・ペグインターフェロン併用療法において、ATPの減少を有意に抑制した。ウラリット−U1g中に下記成分を(乾燥重量として)含有する。クエン酸カリウム(日局)クエン酸ナトリウム添加物として、黄色5号、無水クエン酸、レモン油を含有する。ウラリット錠1錠中に下記成分を(乾燥重量として)含有する。クエン酸カリウム 231.5mg(日局)クエン酸ナトリウム 195.0mg添加物として、ステアリン酸マグネシウム、結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、部分アルファーかデンプン、無水クエン酸を含有する。アシドーシス改善剤を有効成分として含有する貧血の予防及び治療剤。アシドーシス改善剤を有効成分として含有するリバビリン投与による副作用の予防及び治療剤。アシドーシス改善剤を有効成分として含有するインターフェロン・リバビリン併用療法による副作用の予防及び治療剤。副作用が、ATPの低下が関与する疾患である請求項2又は3記載の予防及び治療剤。副作用が、ヘモグロビンの減少である請求項2又は3記載の予防及び治療剤。副作用が、溶血である請求項2又は3記載の予防及び治療剤。副作用が、貧血である請求項2又は3記載の予防及び治療剤。アシドーシス改善剤とリバビリンからなる医薬品。インターフェロンとアシドーシス改善剤とリバビリンからなる医薬品。アシドーシス改善剤が、クエン酸アルカリ金属塩である請求項1〜9の何れかの項に記載の予防及び治療剤。アシドーシス改善剤が、クエン酸カリウム・クエン酸ナトリウム配合製剤である請求項10記載の予防及び治療剤。アシドーシス改善剤が、炭酸水素ナトリウムである請求項1〜9の何れかの項に記載の予防及び治療剤。インターフェロンがインターフェロンαである請求項3〜7及び請求項9〜12の何れかの項に記載の予防及び治療剤。インターフェロンがインターフェロンα−2a、インターフェロンα−2b、PEG化インターフェロンα−2a、PEG化インターフェロンα−2b、コンセンサスインターフェロン又は精製インターフェロンαから選ばれるものである請求項13記載の予防及び治療剤。 【課題】 インターフェロン・リバビリン併用療法における副作用である貧血の予防及び治療剤を提供すること。【解決手段】クエン酸カリウム・クエン酸ナトリウム配合製剤(ウラリット−U、ウラリット錠(登録商標))等のアシドーシス改善剤をインターフェロン・リバビリン併用療法における副作用である貧血の予防及び治療剤として使用する。インターフェロンとしては、インターフェロンα−2a、インターフェロンα−2b、PEG化インターフェロンα−2a、PEG化インターフェロンα−2b、コンセンサスインターフェロン又は精製インターフェロンαが挙げられる。【選択図】 なし