タイトル: | 公開特許公報(A)_濾過装置の洗浄方法 |
出願番号: | 2007314065 |
年次: | 2009 |
IPC分類: | B01D 37/02,C12G 3/02 |
高橋 佐都子 臼井 康朗 JP 2009136734 公開特許公報(A) 20090625 2007314065 20071204 濾過装置の洗浄方法 株式会社フジワラテクノアート 000223931 森 廣三郎 100075960 森 寿夫 100114535 中務 茂樹 100113181 松浦 瑞枝 100126697 高橋 佐都子 臼井 康朗 B01D 37/02 20060101AFI20090529BHJP C12G 3/02 20060101ALN20090529BHJP JPB01D37/02 EC12G3/02 119T 4 7 OL 12 特許法第30条第1項適用申請有り 博覧会のパンフレット(出展のご案内)のコピー、博覧会のパンフレット(出展会社名一覧)、特許・実用新案・商標登録予定製品通知書のコピー、製品カタログ(サニフィルター) 特許法第30条第3項適用申請有り 平成19年6月5日〜8日 社団法人 日本食品機械工業会主催の「FOOMA JAPAN 2007(国際食品工業展)」に出品 4B015 4D066 4B015KP01 4B015KP03 4D066BA01 4D066BB02 4D066CA02 4D066CA12 4D066CB04 4D066FA01 4D066FA03 本発明は、ケーシングに内蔵された濾過エレメントの表面に濾過助剤を被覆して濾過フィルタを構成する濾過装置において、原液の濾過処理を終えた後に濾過助剤を主体とするケーキ(原液を濾過することで原液に含まれる不純物が濾過助剤に付着したもの)を濾過エレメントの表面から剥離する洗浄方法に関する。 ケーシングに内蔵された濾過エレメントの表面に濾過助剤(例えば珪藻土)を被覆して濾過フィルタ(内層が濾過エレメント、外層が濾過助剤)を構成し、前記ケーシングの内部に供給した原液から、前記濾過フィルタを通じて濾過液を取り出す濾過装置は、濾過処理を終えた後に濾過エレメントの表面から濾過助剤を主体とするケーキを剥離し、ケーシングの外部へ排出しなければならない。この場合、ケーキは、濾過エレメントから完全に剥離できれば、洗浄液と共にケーシングの外部へ排出できるから、濾過エレメントからどのようにしてケーキを確実に剥離させるかが問題となる。 特許文献1は、ケーシング(密閉容器)の底部に配した曝気管から曝気し、前記曝気による洗浄液の撹拌(騒乱)と無数の気泡の上昇とによって、濾過エレメント(濾過材)からケーキ(固形分)を洗い落とす濾過装置の洗浄方法を開示している(特許文献1第2頁左下欄1行〜6行)。また、この特許文献1は、曝気管を用いることなく洗浄液等の排出管から曝気することや、曝気と共に濾過エレメントを回転させる洗浄方法にも触れている(特許文献1第2頁右下欄1行〜7行)。特開昭54-142665号公報 特許文献1が開示する濾過装置の洗浄方法は、ケーシングの内部に洗浄液を満たした状態(通常、濾過エレメントがケーシングの内部に貯留する洗浄液に没した状態)で、ケーシングの底部から単に空気を放出し、前記空気の泡を直接ケーキに当てるほか、前記空気の泡により洗浄液を撹拌することにより、濾過エレメントからケーキを剥離する。しかし、空気の泡は、洗浄液の液面に向けて上昇していく運動が主であり、水平方向に大きな力を与えることはないので、ケーシングの内部に洗浄液を満たした状態で曝気しても、すべてのケーキを濾過エレメントから確実に剥離できるとは限らない。 近年の濾過装置は、すべてのケーキを排出してケーシングの内部を洗浄する時間をできるだけ短くし、濾過処理に費やせる時間を相対的に増やして、処理効率を高められることが要求されている。そのためには、確実にすべてのケーキを濾過エレメントから剥離させる必要があり、特許文献1の洗浄方法は現在の要求を満たすことができない。そこで、確実にすべてのケーキを、濾過エレメントから剥離させることを目標として、濾過装置の洗浄方法について検討した。 検討の結果、ケーシングに内蔵された濾過エレメントの表面に濾過助剤を被覆して濾過フィルタを構成し、前記ケーシングの内部に供給した原液から、前記濾過フィルタを通じて濾過液を取り出す濾過装置において、原液の濾過処理を終えた後に濾過助剤を主体とするケーキを、濾過エレメントの表面から剥離して洗浄液と共にケーシングの外部へ排出するに際し、ケーシングの内部での高さを変位自在とした洗浄液の液面を波立たせ、前記液面の波を衝突させて濾過エレメントの表面のケーキを剥離する濾過装置の洗浄方法を開発した。 本発明は、洗浄液の液面を波立たせることにより、濾過エレメントの表面に被覆した濾過助剤を主体とするケーキに液面の波を衝突させ、前記波の衝撃力により崩したケーキを濾過エレメントの表面から剥離する。そして、洗浄液の液面を濾過エレメントの上下方向に沿って変位自在にすれば、前記波による剥離が濾過エレメントの全体に及ぶため、濾過エレメントの全体からすべてのケーキを剥離できる。ケーキは、表面から濾過エレメントの表面に向けて液体や気体の流れがあると、濾過エレメントの表面に対する被覆層としての形状保持ができる。裏返せば、前記液体や気体の流れがなくなると、外部から何らかの力を加えるだけでケーキはとたんに崩れ、濾過エレメントから容易に剥離する。本発明は、ケーキを崩す外部からの力として、液面の波の衝撃力を利用する。 液面は、ケーシングの内部の下方に、好ましくは濾過エレメントの最下端以下でケーシングの内部にバブリングノズルの放出口を設け、前記バブリングノズルの放出口から放出された気体の泡を液面で破裂させて波立たせるとよい。バブリングノズルの放出口は、ケーキの詰まりを防止するため、上方以外、好ましくは下方に向けて開口させることが望ましい。このため、バブリングノズルは、例えばケーシングの上部(天井)から下方に向けて差し込み、前記ケーシングの底部に近接させたノズル本体の開口端を放出口とする構成や、ケーシングの底部から上方に向けて差し込み、前記ケーシングの底部の近傍で下方に向けて折り返したノズル本体の開口端を放出口とする構成とする。また、放出口の数は自由であり、例えばケーシングの底の近傍に前記底に平行に突出するノズル本体を設け、前記ノズル本体の下方側に並べた複数の放出口を並べたバブリングノズルを構成してもよい。放出口から放出する気体は、種類を問わないが、無害かつ入手容易な観点から、空気(加圧空気を含む)が好ましい。 洗浄液の液面について、ケーシングの内部での高さを変位自在とするには、ケーシングの内部における洗浄液の貯留量を増減すればよい。そして、洗浄液の貯留量を増減するには、洗浄液の供給又は排出を制御すればよい。具体的には、液面は、ケーシングの内部へ連続的又は断続的に洗浄液を供給することにより、ケーシングの内部で連続的又は断続的に上昇させる。また、液面は、ケーシングの外部へ連続的又は断続的に洗浄液を排出することにより、ケーシングの内部で連続的又は断続的に下降させる。洗浄液の連続的な供給又は排出は、波立つ液面の波によるケーキの剥離を円滑に濾過エレメントの全体に及ぼし、洗浄時間の短縮に寄与する。また、洗浄液の断続的な供給又は排出は、ケーシングの内部における洗浄液の貯留量の変化に脈動を与え、液面の波立ちを大きくする。 以上から、本発明の洗浄方法は、次のように具体化できる。まず、濾過装置はケーシングの上方に洗浄液の供給口を設け、供給口からケーシングの内部へ洗浄液を流入及び停止を繰り返しながら供給し、上昇する洗浄液の液面を前記流入及び停止の繰り返しにより波立たせて濾過エレメントの表面のケーキを剥離する洗浄方法がある。洗浄液の流入及び停止の繰り返しは、供給口の開閉の切換を利用すればよい。この洗浄方法は、供給される洗浄液が落下することにより液面が波立たされる。このとき、洗浄液の供給が一定であると次第に液面の波立ちが抑制されてくるが、供給液の流入及び停止を繰り返すことにより、継続的な液面の波立ちが実現される。 また、濾過装置はケーシングに洗浄液の供給口を設け、ケーシングの内部の下方にバブリングノズルの放出口を設け、供給口からケーシングの内部へ洗浄液を供給しながらバブリングノズルの放出口から気体を放出し、上昇する洗浄液の液面を前記気体の泡により波立たせて濾過エレメントの表面のケーキを剥離する洗浄方法がある。この洗浄方法は、洗浄液の落下を液面の波立ちの形成に利用しないため、洗浄液の供給口はケーシングの下方に設けてもよい。洗浄液の液面は、ケーシングの内部の下方に設けたバブリングノズルから放出される気体の泡が液面に達して破裂し、波立たされる。気体の泡による液面の波立ちは、前記液面が上昇しても変らない利点がある。 更に、濾過装置はケーシングに洗浄液の供給口を設け、ケーシングの内部の下方にバブリングノズルの放出口を設け、供給口からケーシングの内部へ洗浄液を流入及び停止を繰り返して供給しながらバブリングノズルの放出口から気体を放出し、上昇する洗浄液の液面を前記流入及び停止の繰り返しと前記気体の泡とにより波立たせて濾過エレメントの表面のケーキを剥離する洗浄方法がある。この洗浄方法は、洗浄液の流入及び停止の繰り返しによる脈動と気体の泡とが協働して液面を波立たせるため、特に洗浄液を液面に向けて落下させなくてもよく、洗浄液の供給口はケーシングの下方に設けてもよい。しかし、ケーシングの上方に供給口を設けると、液面に向けて洗浄液を落下させて液面の波立ちが大きくなるため、好ましい。 逆に、濾過装置はケーシングの底部に洗浄液の排出口を設け、排出口からケーシングの内部の洗浄液を流出及び停止を繰り返しながら排出し、下降する洗浄液の液面を前記流出及び停止の繰り返しにより波立たせて濾過エレメントのケーキを剥離する洗浄方法がある。洗浄液の流出及び停止の繰り返しは、排出口の開閉の切換を利用すればよい。この場合、排出口からケーシング内に気体が逆流することになり、排出口から流出及び停止を繰り返す洗浄液の脈動は大きなものとなる。このため、この洗浄方法では、排出口から流出及び停止を繰り返す洗浄液の脈動による液面の波立ちでケーキが濾過エレメントから剥離される。 そして、濾過装置はケーシングの内部の下方にバブリングノズルの放出口を設け、そしてケーシングの底部に洗浄液の排出口を設け、排出口からケーシングの内部の洗浄液を排出しながらバブリングノズルの放出口から気体を放出し、下降する洗浄液の液面を前記気体の泡により波立たせて濾過エレメントの表面のケーキを剥離する洗浄方法がある。この洗浄方法は、上述した洗浄液の供給時における気体の放出と同様で、ケーシングの内部の下方に設けたバブリングノズルから放出される気体の泡が液面に達して破裂することにより、洗浄液の液面を波立たせる。これから、気体の泡による液面の波立ちは、前記液面が下降しても変らない利点も同様である。 最後に、濾過装置はケーシングの内部の下方にバブリングノズルの放出口を設け、そしてケーシングの底部に洗浄液の排出口を設け、排出口からケーシングの内部の洗浄液を流出及び停止を繰り返して排出しながらバブリングノズルの放出口から気体を放出し、下降する洗浄液の液面を前記流出及び停止の繰り返しと前記気体の泡とにより波立たせて濾過エレメントの表面のケーキを剥離する洗浄方法がある。この洗浄方法では、洗浄液の流出及び停止の繰り返しによる脈動とバブリングノズルから放出した気体の泡とが協働して液面が波立つため、洗浄液を排出するに際して残るケーキを完全に濾過エレメントから剥離できる。 本発明の濾過装置の洗浄方法により、濾過助剤を主体とするすべてのケーキを濾過エレメントの表面から確実に剥離し、洗浄液と共に排出できる。ここで、ケーシングに充満するまで供給した洗浄液を全部排出する手順を1回の洗浄工程とすると、1回の洗浄工程では、ケーシングに対する洗浄液の供給及び排出だけで濾過エレメントの全体に対して液面が上昇及び下降し、前記濾過エレメントの表面からケーキを剥離する機会が2回与えられることになる。本発明の洗浄方法は、前記機会毎にケーキを十分に剥離させることができるため、1回の洗浄工程で十分な濾過エレメントの洗浄、具体的にはケーキの剥離が実現でき、洗浄工程を繰り返す回数を低減することに繋がる。これにより、本発明の洗浄方法は、洗浄工程に必要な洗浄液の総量を低減するほか、洗浄時間を短縮させることもできるようになる。そして、本発明の洗浄方法は、濾過助剤を濾過エレメントに被覆して濾過処理する濾過装置、例えば筒状の濾過エレメントを底面から立設した濾過装置や、前記筒状の濾過エレメントを天井から吊り提げた濾過装置のほか、積層するディスクの表面に濾過助剤を被覆する濾過装置(リーフタイプ)にも利用できる。 以下、本発明の実施形態について図を参照しながら説明する。図1は本発明を適用した本例の濾過装置の主要部を表したブロック図、図2は別例の濾過装置の主要部を表した図1相当ブロック図、図3は更に別例の濾過装置の主要部を表した図1相当ブロック図、図4〜図8は本例の濾過装置におけるプリコート工程から洗浄工程までの一連の処理の流れを表した図1相当ブロック図であり、図4はプリコート工程を、図5は原液に対する通常の濾過工程を、図6は残液に対する濾過工程を、図7は洗浄液を供給する洗浄工程の前半を、そして図8は洗浄液を排出する洗浄工程の後半をそれぞれ表している。図4〜図8は、説明の便宜上、バルブや蓋が開いて流通状態になっている部分を太線で、バルブや蓋が閉じて遮断状態になっている部分を破線で図示している。 本例の濾過装置は、図1に見られるように、ケーシング1の上面に加圧空気供給口3及びエア抜き口4、側面に原液供給口2、底面に廃液排出口5、そして下面に濾過液排出口6を設けたケーシング1の前記底面から濾過エレメント8を立てた基本構成からなる。本発明の特徴となるバブリングノズル9は、本例では上面からケーシング1の内部に向けて降ろしたパイプからなり、下端の放出口92を底面に近接させている。バブリングノズル9については、濾過助剤が堆積して詰まらないように放出口92は下方を向いている方が好ましい。例えば図2に見られるように、側面からケーシング1の内部に向けて水平につき出し、放出口92を下方に曲げた構成にしてもよいし、また図3に見られるように、下面及び底面を貫通してケーシング1の内部に向けて突き上げ、放出口92を下方に折り返した構成にしてもよい。 原液供給口2は、原液供給バルブ21を介して原液供給タンク(図示略)、洗浄液供給バルブ22を介して洗浄液供給タンク(図示略)、そして濾過助剤供給バルブ23を介して濾過助剤供給タンク(図示略)がそれぞれ接続されている。これから、原液供給バルブ21を開いて洗浄液供給バルブ22及び濾過助剤供給バルブ23を閉じれば原液Uが、洗浄液供給バルブ22を開いて原液供給バルブ21及び濾過助剤供給バルブ23を閉じれば洗浄液WLが、そして濾過助剤供給バルブ23を開いて原液供給バルブ21及び洗浄液供給バルブ22を閉じれば濾過助剤Mを水WAに混合したもの(プリコート液)が、それぞれポンプ(図示略)によりケーシング1の内部に供給される。濾過助剤Mは、原液Uに混合させる場合もある。 加圧空気供給口3は、加圧空気供給バルブ31を介して加圧空気供給源(図示略)に接続されている。本例では、前記加圧空気供給源から延びる供給経路を分岐し、バブリング用加圧空気供給バルブ91を介してバブリングノズル9と加圧空気供給源とを接続している。これから、加圧空気供給バルブ31を開けば加圧空気供給口3からケーシング1の内部へ加圧空気Aが供給され、バブリング用加圧空気供給バルブ91を開けばバブリングノズル9の放出口92から加圧空気Aが放出される。エア抜き口4は、接続したエア抜きバルブ41を適宜開いて、例えば洗浄液等の液面を制御する際に、ケーシング1の内部のエア抜きができるようにしている。 廃液排出口5は、底面に対する開口端に廃液排出口蓋51を設け、廃液タンク(図示略)に接続される。これから、廃液排出口蓋51が前記開口端を開くと、ケーシング1の内部に貯留する廃液WFを廃液タンクに排出できる。廃液排出口5は、濾過エレメント8の外側に連通するため、濾過液以外を排出できる。濾過液排出口6は、濾過液排出バルブ61を介して濾過液タンク(図示略)と廃液排出バルブ62を介して前記廃液タンクとに接続されている。これから、濾過液排出バルブ61を開いて廃液排出バルブ62を閉じれば濾過液排出口6から濾過液タンクへ濾過液Fを取り出せる。また、廃液排出バルブ62を開いて濾過液排出バルブ61を閉じれば濾過液排出口6から廃液タンクへ廃液WFを排出できる。濾過液排出口6は、濾過エレメント8の内側に連通するため、濾過液Fのほか、洗浄工程の際に濾過エレメント8の内部に侵入する廃液を排出するため、排出先を濾過液排出バルブ61及び廃液排出バルブ62で切り換える。 本例の濾過装置は、プリコート工程、濾過工程及び洗浄工程を繰り返して、原液Uを濾過処理する。プリコート工程は、図4に見られるように、濾過助剤供給バルブ23を開いて、水WAに濾過助剤Mを混合させたプリコート液をケーシング1の内部へ供給し、濾過エレメント8の表面に濾過助剤Mを被覆する。ケーシング1の内部に侵入するプリコート液は、濾過液排出バルブ61を開いて濾過液排出口6から濾過助剤供給タンクへ戻される。 濾過工程は、図5に見られるように、原液供給バルブ21及び濾過液排出バルブ61を開いて、原液Uをケーシング1の内部へ供給し、濾過液Fを取り出す。この濾過工程では、濾過エレメント8の表面に被覆された濾過助剤Mに原液Uに含まれる異物が付着し、ケーキが形成される。このため、原液Uをすべて濾過処理した後は、ケーシング1の内圧Pnは内圧P1へと上昇する。濾過工程の最終段階では、図6に見られるように、加圧空気供給バルブ31を開いてケーシング1の内部へ加圧空気を供給し、ケーシング1の内圧P2へと上昇させ、原液Uの供給を停止して、前記残液(ケーシング1の内部の原液U)を濾過フィルタに押し付けることにより強制的に濾過処理する。 洗浄工程は、まず図7に見られるように、洗浄液供給バルブ22及びバブリング用加圧空気供給バルブ91を開いて、ケーシング1の内部へ洗浄液WLを供給して液面WSを上昇させながら、バブリングノズル9の放出口92から加圧空気Aを放出させる。これにより、ケーシング1の内部を上昇していく液面WSは、加圧空気Aの泡Bが液面で破裂して波立ち、濾過エレメント8の表面からケーキを剥離できる。この場合、加圧空気Aの供給に代えて又は供給と同時に、洗浄液供給バルブ22の開閉を繰り返したり、ポンプを断続的に作動させて洗浄液WLの供給を断続にして液面WSを波立たせてもよい。また、液面WSの上昇は連続的でなくてもよく、適宜特定の高さで一時停止させながら上昇させてもよいし、必要に応じて廃液排出口蓋51を開いて洗浄液WLを排出して液面WSの高さを下げてもよい。 洗浄液WLを排水する際、液面WSを波立たせることもケーキの剥離に有効である。例えば図8に見られるように、廃液排出口蓋51及びバブリング用加圧空気供給バルブ91を開いて、ケーシング1の内部から洗浄液WLを排出して液面WSを下降させながら、バブリングノズル9の放出口92から加圧空気Aを噴出する。これにより、ケーシング1の内部を下降していく液面WSは、加圧空気Aの泡Bが液面で破裂して波立ち、濾過エレメント8の表面からケーキを剥離できる。この場合、加圧空気Aの供給に代えて又は供給と同時に、廃液排出口蓋51の開閉を繰り返して洗浄液WLの排出を断続にして液面WSを波立たせてもよい。また、液面WSの下降は連続的でなくてもよく、適宜特定の高さで一時停止させながら下降させてもよいし、必要に応じて洗浄液供給バルブ22を開いて洗浄液WLを供給し液面WSの高さを上げてもよい。このほか、すべてのケーキを濾過エレメント8から剥離させた後の洗浄工程では、廃液排出バルブ62を開いて、濾過液排出口6から洗浄液WLを排出したり、濾過エレメント8の内部から洗浄液を供給する逆洗等を実施する。<濾過装置構成> 実施例に用いた濾過装置は、上述した図1に示されたブロック図に準じた構成である。すなわち、実施例に用いた濾過装置は、ステンレス製円筒形状のケーシング1の内部にキャンドル型の濾過エレメント8を内蔵した構成で、前記濾過エレメント8による延べ濾過面積は3m2である。 <プリコート工程> 濾過エレメント8の表面に被覆する濾過助剤Mは二層構造とし、本例では内層にセルロース、外層に珪藻土を使用した。まず、先行してセルロースを濾過エレメント8の表面に被覆するため、セルロース3.6kgを添加して懸濁させた水(セルロースのプリコート液)300Lを、濾過助剤供給バルブ23を開いて原液供給口2からケーシング1の内部に供給した。セルロースのプリコート液が濾過エレメント8を通過する流量は150L/minを目安にした。セルロースのプリコート液の供給開始から十数分後、濾過エレメント8の表面にセルロースが被覆され、ケーシング1の内部に貯留するセルロースのプリコート液が透明になったことを確認し、珪藻土3kgを添加して懸濁させた水(珪藻土のプリコート液)をケーシング1に供給した。珪藻土のプリコート液が濾過エレメント8を通過する流量は150L/minを目安にした。珪藻土のプリコート液の供給開始から十数分後、濾過エレメント8の表面に形成されたセルロースの内層の上に珪藻土が被覆され、ケーシング1の内部に貯留する珪藻土のプリコート液が透明になったことを確認し、プリコート工程を終えた。こうして、濾過エレメント8の表面に二層構造の濾過助剤Mを被覆した濾過フィルタが構成できた。<濾過工程> この度の実施例は、原液Uとして活性炭入りの清酒を濾過処理した。清酒は、プリコート工程を終えた後に濾過助剤供給バルブ23を閉じ、原液供給バルブ21を開いて原液供給口2からケーシング1の内部に供給した。プリコート工程の後にケーシング1の内部に貯留する水は、廃液排出バルブ62を開いた状態で、新たに供給される清酒により濾過フィルタ(表面に二層構造の濾過助剤Mを被覆した濾過エレメント8)を通じて排出できる。清酒の供給開始から数分後、ケーシング1の内部に貯留する水がすべて清酒に置換されたことを確認し、前記廃液排出バルブ62を閉じ、今度は濾過液排出バルブ61を開いて清酒の濾過液Fを取り出した。この時点において、清酒が濾過エレメント8を通過する流量は135L/minであり、ケーシング1の内圧P1は140KPaだった。 濾過開始から数十分後、ケーシング1の内圧P2は240KPaに達した。実施例では、上記ケーシング1の内圧P2が240KPaに達した時点で、加圧空気供給バルブ31を開いて加圧空気供給口3から加圧空気A(圧力250kPa)をケーシング1の内部に供給し、原液供給バルブ21を閉じて清酒の供給を停止した。これにより、ケーシング1の内部に貯留する清酒が加圧空気Aにより押され、濾過フィルタを通じて強制的に濾過されて、更に続けて濾過液Fが濾過液排出口6から取り出される。こうして、清酒はケーシング1の内部に残ることなく濾過処理を終えることができ、取り出された濾過液Fは3880Lに達した。<洗浄工程> 濾過工程を終えると、濾過フィルタの外層となる珪藻土の表面に、清酒に含まれる活性炭等が付着し、層厚8mm程度のケーキが形成されていた。実施例は、前記ケーキを、ケーシング1の内部に供給される洗浄液WLの液面WSをバブリングノズル9から放出される泡Bが液面で破裂して波立たせて、濾過エレメント8の表面から剥離する。実施例の洗浄液WLは、60℃の洗浄水を用いている。洗浄液WLは、洗浄液供給バルブ22を開いて原液供給口2からケーシング1の内部に落下させながら供給した。泡Bは、バブリング用加圧空気供給バルブ91を開き、加圧空気A(250kPa)を放出口92から放出させることにより形成した。放出口92は、ケーシング1の内部の底面に近接して、濾過エレメントの最下端以下で開口させている。これにより、洗浄液WLの液面WSが低い位置にあるときから、泡Bにより前記液面WSを波立たせることができた。そして、波立たせた液面WSは洗浄液WLの供給に応じて上昇し、濾過エレメント8全体に波を衝突させていった。 洗浄液WLの液面WSが上昇して濾過エレメント8の上端を超え、前記濾過エレメント8が完全に洗浄液WLに没した後に洗浄液WLの供給を停止した。そして、加圧空気Aの供給を続けたまま、今度は廃液排出口蓋51の開閉を繰り返して廃液出口5から断続的に洗浄液WLを排出して、ケーシング1の内部を下降する洗浄液WLの液面WSを波立たせ、濾過エレメント8の表面からケーキを剥離した。こうして剥離したケーキを含む洗浄液WLは、廃液出口5から排出された。すべての洗浄液WLの排出を終えた後、濾過エレメント8の表面を観察したところ、濾過エレメント8の表面からケーキが完全に剥離されていることが確認できた。本発明を適用した本例の濾過装置の主要部を表したブロック図である。別例の濾過装置の主要部を表した図1相当ブロック図である。更に別例の濾過装置の主要部を表した図1相当ブロック図である。本例の濾過装置においてプリコート工程を表した図1相当ブロック図である。本例の濾過装置において原液に対する通常の濾過工程を表した図1相当ブロック図である。本例の濾過装置において残液に対する濾過工程を表した図1相当ブロック図である。本例の濾過装置において洗浄液を供給する洗浄工程の前半を表した図1相当ブロック図である。本例の濾過装置において洗浄液を排出する洗浄工程の後半を表した図1相当ブロック図である。符号の説明 1 ケーシング 2 原液供給口 3 加圧空気供給口 4 エア抜き口 5 廃液排出口 6 濾過液排出口 8 濾過エレメント 9 バブリングノズル 92 放出口 U 原液 R 残液 M 濾過助剤 WA 水 WL 洗浄液 A 加圧空気 F 濾過液 WF 廃液 WS 液面 B 泡ケーシングに内蔵された濾過エレメントの表面に濾過助剤を被覆して濾過フィルタを構成し、前記ケーシングの内部に供給した原液から、前記濾過フィルタを通じて濾過液を取り出す濾過装置において、原液の濾過処理を終えた後に濾過助剤を主体とするケーキを、濾過エレメントの表面から剥離して洗浄液と共にケーシングの外部へ排出するに際し、ケーシングの内部での高さを変位自在とした洗浄液の液面を波立たせ、前記液面の波を衝突させて濾過エレメントの表面のケーキを剥離することを特徴とする濾過装置の洗浄方法。液面は、ケーシングの内部の下方にバブリングノズルの放出口を設け、前記バブリングノズルの放出口から放出された気体の泡を液面で破裂させて波立たせる請求項1記載の濾過装置の洗浄方法。液面は、ケーシングの内部へ洗浄液を供給することにより、ケーシングの内部で上昇させる請求項1又は2いずれか記載の濾過装置の洗浄方法。液面は、ケーシングの外部へ洗浄液を排出することにより、ケーシングの内部で下降させる請求項1又は2いずれか記載の濾過装置の洗浄方法。 【課題】確実にすべてのケーキを、濾過エレメントから剥離させる濾過装置の洗浄方法を提供する。【解決手段】ケーシング1に内蔵された濾過エレメント8の表面に濾過助剤Mを被覆して濾過フィルタを構成し、前記ケーシング1の内部に供給した原液Uから、前記濾過フィルタを通じて濾過液Fを取り出す濾過装置において、原液Uの濾過処理を終えた後に濾過助剤Mを主体とするケーキを、濾過エレメント8の表面から剥離して洗浄液WLと共にケーシング1の外部へ排出するに際し、ケーシング1の内部での高さを変位自在とした洗浄液WLの液面WSを波立たせ、前記液面WSの波を衝突させて濾過エレメント8の表面のケーキを剥離する濾過装置の洗浄方法を開発した。【選択図】図7