生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_寿命試験のワイブルスロープ見積もり方法および装置
出願番号:2007290486
年次:2009
IPC分類:G01N 17/00,G01M 13/04


特許情報キャッシュ

藤田 工 JP 2009115676 公開特許公報(A) 20090528 2007290486 20071108 寿命試験のワイブルスロープ見積もり方法および装置 NTN株式会社 000102692 野田 雅士 100086793 杉本 修司 100087941 藤田 工 G01N 17/00 20060101AFI20090501BHJP G01M 13/04 20060101ALI20090501BHJP JPG01N17/00G01M13/04 6 4 OL 15 2G024 2G050 2G024AC09 2G024BA12 2G024DA25 2G024EA09 2G024FA06 2G024FA11 2G050AA07 2G050EC05 この発明は、軸受等の機械部品または試験片からなる試験対象品の寿命試験において、試験の解釈または設計に実績値として用いるワイブルスロープの範囲を、同一仕様の試験対象品の試験結果から見積もる方法および装置に関する。 寿命試験は、軸受等の機械部品の性能を評価するために欠かせない試験の1つである。寿命試験には、大きく分けて(1) 実機の使用環境に近い条件で試験を行う実機試験と、(2) 比較的過酷な条件で寿命試験を行う加速試験がある。前者は、製品が有限時間内に破損するケースが極めて少ないため、ある目標時間まで破損することなく試験が継続すれば、寿命は問題ないと判断する試験である(以下、このような試験を「打切り試験」と呼ぶ)。一方、後者は、比較的短時間で破損が発生するので、ワイブルプロットで寿命が算出でき(例えば非特許文献1)、その算出寿命から性能の優劣を判定する試験である(以下、このような試験を「加速試験」と呼ぶ)。 従来より、寿命試験は経験を積んだ熟練者が行っており、試験条件や試験個数を決める寿命試験の設計と寿命試験結果の解釈に対して経験的に確からしい判断ができたと考えられる。 図15に、従来から行われてきた寿命試験の設計と寿命試験結果の解釈の手順を、打切り試験と加速試験ごとに示す。 また、現在、寿命試験において経験的に判断されているものの詳細を、表1に示す。 なお、ワイブル分布を機械部品の寿命判断に用いるものは、種々の特許文献,非特許文献に提案されている。特開2006−040203号公報特開2002−277382号公報特開2005−226829号公報真壁肇著、信頼性工学入門79、1991年発行 上記のように従来は、寿命試験は経験を積んだ熟練者が行っており、試験条件や試験個数を決める寿命試験の設計と寿命試験結果の解釈に対して経験的に判断している。 しかし、寿命試験の設計や判断は、時間がかかるうえ、熟練を要する。そのため、軸受等の寿命分布とされるワイブル分布を用い、打ち切り試験における打切り時間の設計や、試験結果からの寿命の判断、あるいは加速試験における試験個数の設計や、試験結果からの有為性の判断を、コンピュータによる乱数シミュレーションで行うものを試みた。これによると、迅速に、かつ熟練を要することなく各種の判断が行える。 上記乱数シミュレーションには、試験のワイブルスロープの値として実績値の入力を行う。実績値を求めるには、少なくとも数十の試験結果が必要である。実績が無い試験や実績の少ない試験では、ワイブルスロープの実績値が無いため、比較的小さなワイブルスロープを仮定して(全く初めての試験ではワイブルスロープを一般の軸受の実績値10/9程度に設定)、設計や解釈を行うことになる。これは、寿命データのバラツキが大きい試験であると仮定することであり、設計と解釈では安全目の設定になる。 しかし、安全目の設定は、(1) 必要試験個数が多めに見積もられること、(2) 必要試験時間が長めに見積もられること、(2) 有意差がつかないないこと等、試験の迅速化と試験結果の判定にとって望ましくない方向になる。 そこで、本願出願人は、試験の実績を積むに連れて、試験のワイブルスロープを絞り込んでいく方法を先に提案した(特願2006−311168号)。 この提案方法では、ワイブルスロープの絞込みを、乱数シミュレーションで得られたワイブルスロープ範囲のデータベースを使って行う。 しかし、上記データベースは、乱数シミュレーションによって得られたもので、確率的な誤差が含まれていた。そのため、そのデータベースを使ってワイブルスロープの見積りを行う際に、データベースの誤差による計算結果の矛盾が散見される時があった。具体的には、ワイブルスロープの範囲は試験個数が多くなるほど狭くなる性質があるが、試験個数が少ししか増えない場合、データベースの誤差が原因で、ワイブルスロープの範囲が若干大きくなるケースも見られた。 この発明の目的は、寿命試験の設計や解釈を行うためにワイブルスロープの実績値を求めるにつき、試験回数が少なくても、安全で適切な範囲のワイブルスロープを求めることができ、また乱数シミュレーションによるデータベースの誤差で計算結果に矛盾が生じることが回避できる寿命試験のワイブルスロープ見積もり方法および装置を提供することである。 この発明の寿命試験のワイブルスロープ見積もり方法は、軸受等の機械部品または試験片からなる試験対象品の寿命試験において、試験の解釈または設計に実績値として用いるワイブルスロープの範囲を、同一仕様の試験対象品の試験結果から見積もる方法であって、コンピュータに対し、入力情報として、試験個数とワイブルスロープの値を入力する過程(P1)と、上記コンピュータに、上記実績値とするワイブルスロープの上限値と下限値とを演算させ演算結果を表示装置の画面に表示させるコンピュータ演算処理過程(P2)とを含む。 上記コンピュータ演算処理過程(P2)では、次式1),2)により、前記上限値および下限値を求める。 上限値=a(n)U ×e×b(n)U ・・・式1) 下限値=a(n)L ×e×b(n)L ・・・式2) ここで、a(n)U 、b(n)、a(n)L 、e×b(n)L は、任意回帰式、n:試験個数、e:入力されたワイブルスロープ。 上記寿命は、例えばL10寿命(90%の信頼度の寿命)や、L50寿命(50%の信頼度の寿命)等の所定信頼度の寿命ある。ワイブル分布は、次式、 ただし、e:ワイブルスロープ、α:尺度因子、γ:最小寿命、によって特定される。図11にワイブル分布の一例を示し、図10にその各パラメータの影響を示す。 軸受等の機械部品の寿命は、ワイブル分布に従うとされている。ワイブル分布は、ワイブルスロープm、尺度因子α、最小寿命γの3つのパラメータを持っており、ワイブルスロープmによって指数分布、対数正規分布、正規分布を表現できる万能分布として知られている。最小寿命γは、種々の規格、例えばISO等によって計算方法が定められており、そのように定められたいずれかの計算方法を用いることが好ましい。尺度因子αは、ワイブルスロープの値、要求寿命の信頼度、要求寿命の値、および上記最小寿命γから一義的に決定される演算式があり、その演算式を用いて特定しても良い。 ワイブルスロープは、量産される軸受等では、実績値が既知である場合が多いが、実績値ない場合があり、また過去の試験回数が僅かな場合がある。この発明は、このような場合に、ワイブルスロープを求める方法である。 この方法は、試験個数とワイブルスロープに対するワイブルスロープ範囲のデータベースの性質を調査し、その性質を回帰して定式化した方法である。そのため、簡単、かつ迅速に、適切なワイブル分布を見積もることができ、また上述の提案例における、乱数シミュレーションによるデータベースの誤差で計算結果に矛盾が生じるという問題が解消される。 この発明方法において、前記a(n)U 、b(n)U 、a(n)L 、b(n)L として、次式、a(n)U =2.347×(n+0.49681)-0.57418+1 ・・式3)b(n)U =−0.11028 ・・式4)a(n)L =0.81803−exp(−0.27551*n0.5799) ・・式5)b(n)L =exp(−0.12266n1.4115) ・・式6) ここで、n=試験個数、を用いても良い。 また、この発明方法において、上記コンピュータ演算処理過程(P2)では、次式7),8)として、前記上限値および下限値を求めるようにしても良い。上限値=(2.347 ×(n+0.49681 )-0.57418+1)×e−0.11028 ・・式7)下限値=(0.81803 -exp(-0.27551×n0.5799))×e+(-exp(-0.12266n1.4115)) ・・式8) 上記の式1),式2)において、a(n)U 、b(n)U 、a(n)L 、b(n)L は試験個数の関数である。このa(n)U 、b(n)U 、a(n)L 、b(n)L の試験個数依存性を調べた、その結果を示す図に最もよく適合する回帰式を検討した。その結果、次の回帰式が得られた。a(n)U =2.347×(n+0.49681)-0.57418+1 ・・式3)b(n)U =−0.11028 ・・式4)a(n)L =0.81803−exp(−0.27551*n0.5799) ・・式5)b(n)L =exp(−0.12266n1.4115) ・・式6) これらの回帰式は最もよく適合する回帰式の一例であり、式には多項式等その他の回帰式を使用してもよい。以上の式を式1)と2)に代入すると、上記7),8)式が得られる。 これらの式は、データベースの性質を解析して得られた結果であり、前述の矛盾が生じないものである。 この発明の寿命試験のワイブルスロープ見積もり装置は、軸受等の機械部品または試験片からなる試験対象品の寿命試験において、試験の解釈または設計に実績値として用いるワイブルスロープの範囲を、同一仕様の試験対象品の試験結果から見積もる装置であって、演算処理装置(1)と、この演算処理装置(1)の出力を画面に表示する表示装置(2)と、上記演算処理装置(1)に入力を行う入力手段(3)とを備える。 前記演算処理装置(1)は、表示装置(2)の画面に、入力情報として、試験個数とワイブルスロープの値の入力を促す表示を行う促し画面表示手段(74)と、 入力された試験個数とワイブルスロープの値から、ワイブルスロープの上限値と下限値とを計算する上下限演算手段(75)とを有する。 この上下限演算手段(75)は、次式1),2)に従い、前記上限値および下限値を求める。 上限値=a(n)U ×e×b(n)U ・・・式1) 下限値=a(n)L ×e×b(n)L ・・・式2) ここで、a(n)U 、b(n)、a(n)L 、e×b(n)L は、任意回帰式、n:試験個数、e:入力されたワイブルスロープ。 この発明の寿命試験のワイブルスロープ見積もり装置において、 前記上下限演算手段(75)は、前記a(n)U 、b(n)U 、a(n)L 、b(n)L として、次式、3)〜6)を用いるものとしても良い。a(n)U =2.347×(n+0.49681)-0.57418+1 ・・式3)b(n)U =−0.11028 ・・式4)a(n)L =0.81803−exp(−0.27551*n0.5799) ・・式5)b(n)L =exp(−0.12266n1.4115) ・・式6) ここで、n=試験個数 また、この発明の寿命試験のワイブルスロープ見積もり装置において、前記の上下限演算手段(75)は、次式、7),8)を用いて前記上限値および下限値を求めるものとしても良い。上限値=(2.347 ×(n+0.49681 )-0.57418+1)×e−0.11028 ・・式7)下限値=(0.81803 -exp(-0.27551×n0.5799))×e+(-exp(-0.12266n1.4115)) ・・式8) この発明の寿命試験のワイブルスロープ見積もり装置によると、この発明の寿命試験のワイブルスロープ見積もり方法で説明したと同様に、寿命試験の設計や解釈を行うためにワイブルスロープの実績値を求めるにつき、試験回数が少なくても、安全で適切な範囲のワイブルスロープを求めることができ、また乱数シミュレーションによるデータベースの誤差で計算結果に矛盾が生じることが回避できる。 この発明の寿命試験のワイブルスロープ見積もり方法および装置によると、試験個数とワイブルスロープに対するワイブルスロープ範囲のデータベースの性質を調査し、その性質を回帰して定式化したため、寿命試験の設計や解釈を行うためにワイブルスロープの実績値を求めるにつき、試験回数が少なくても、安全で適切な範囲のワイブルスロープを求めることができる。また、乱数シミュレーションによるデータベースに含まれていた誤差の計算結果への影響を低減し、ワイブルスロープの範囲の計算結果に矛盾がなくなるようにすることができる。定式化されたことにより、データベースを参照することなく結果を得ることができるので、計算機での結果の算出も非常に速くなる。 この発明の実施形態を説明する。この寿命試験のワイブルスロープ見積もり方法は、軸受等の機械部品または試験片からなる試験対象品の寿命試験において、試験の解釈または設計に実績値として用いるワイブルスロープの範囲を、同一仕様の試験対象品の試験結果から見積もる方法である。 以下、この実施形態を図面と共に説明する。この寿命試験のワイブルスロープ見積もり方法は、図1に示すコンピュータ1に、寿命試験のワイブルスロープ見積もりプログラム71を実行させることで行う。このワイブルスロープ見積もりプログラム71は、試験個数とワイブルスロープに対するワイブルスロープ範囲のデータベースの性質を調査した結果に基づき、その性質を回帰して定式化した式を用いた演算するものである。このワイブルスロープ見積もりプログラム71は、図4に流れ図で示す手順を備える。 コンピュータ1はパーソナルコンピュータ等からなり、中央処理装置4およびメモリ5を有し、所定のオペレーションシステムによって動作するものである。コンピュータ1には、液晶表示装置等の画面によって表示可能な表示装置2と、キーボードやマウス等の入力装置3が接続され、あるいは付属して設けられている。コンピュータ1、表示装置2、入力装置3、およびワイブルスロープ見積もりプログラム71により、図2に各機能達成手段をブロックで示した寿命試験のワイブルスロープ見積もり装置が構成される。同図のワイブルスロープ見積もり装置の構成については、後に説明する。 このワイブルスロープ見積もり方法は、図3に示すように、コンピュータ1に対して所定の情報を入力する入力過程P1と、コンピュータ1で演算処理を行って演算結果を出力するコンピュータ演算処理過程P2とからなる。 入力過程P1では、図2(B)に示すように、所定の入力情報の入力を促す入力画面2aが、コンピュータ1の出力によって表示装置2に表示される。この入力画面2a中に、を所定の入力を促す表示2aaと、所定の入力である試験個数およびワイブルスロープの値を入力する入力ボックス等の入力記入部2abとが表示される。 ここで、ワイブルスロープは、最小寿命を考慮してワイブルプロットした結果を入力することが好ましい。 ワイブルプロットによりワイブルスロープを得るには、例えば次の方法を採用する。(1) 寿命試験を実施する。(2) 得られたデータ(破損した時間あるいは破損した負荷回数)を昇順に並び替える。(3) これらデータを図14のグラフ(ワイブル確率紙)にプロットする(縦軸:累積破損確率、横軸:寿命)。(4) 図14の紙にプロットしたデータの最適直線を最小二乗法で引く。このとき、L10寿命以下の位置に最小寿命があるということになるので、L10寿命の値を10分割し(何分割でも良いがフィッティングでの計算時間が妥当な時間になるように設定する)、累積確率0 %の位置にプロットを加える。10通りの最適曲線で最もデータがフィットする最適直線を採用する。(5) そうすると、ワイブルスロープがこの線の傾き、最小寿命は、L10寿命の値を10分割のいずれかの値、L10寿命(ワイブルスロープが累積確率10%交わる寿命)と尺度因子αの関係からαを決定できる。 オペレータは、以上の点に注意して、試験個数およびワイブルスロープの値を入力し、入力画面2a(図2(B))上の計算開始ボタン(例えば、「OK」と表示されたボタン)2acを指定することなどで実行命令を入力すると、ワイブルスロープ見積もりプログラム71の実行による計算が開始される。 図3のコンピュータ演算処理過程P2では、回帰式に基づく所定の演算を行い、実績値として用いることのできるワイブルスロープの範囲(上限値および下限値)を計算する。計算が終了すると、表示装置2の出力画面(図示せず)に、ワイブルスロープの範囲(上限値および下限値)の計算結果が表示される。 図1のワイブルスロープ見積もりプログラム71は、コンピュータ1で実行可能なプログラムであって、図4(A)に流れ図で示す促し画面出力手順Q1と、ワイブルスロープ見積もり手順Q2とでなる。促し画面出力手順Q1は、前述の図1(B)と共に説明した促し画面2aを出力し、試験個数およびワイブルスロープの入力を待つ処理を行う手順である。ワイブルスロープ見積もり手順Q2は、図4(B)に示す上下限演算手順Q21と、その演算結果を上記出力画面に表示する結果出力手順Q22とでなる。 上下限演算手順Q21では、次式1),2)によって、前記上限値および下限値を求める。 上限値=a(n)U ×e×b(n)U ・・・式1) 下限値=a(n)L ×e×b(n)L ・・・式2) ここで、a(n)U 、b(n)、a(n)L 、e×b(n)L は、任意回帰式、n:試験個数、e:入力されたワイブルスロープ。 この場合に、前記上下限演算手段Q21は、前記a(n)U 、b(n)U 、a(n)L 、b(n)L として、次式、3)〜6)を用いても良い。a(n)U =2.347×(n+0.49681)-0.57418+1 ・・・3)b(n)U =−0.11028 ・・・4)a(n)L =0.81803−exp(−0.27551*n0.5799) ・・・5)b(n)L =exp(−0.12266n1.4115) ・・・6) ここで、n=試験個数、 また、前記上下限演算手段Q21は、次式7),8)として、前記上限値および下限値を求めるようにしても良い。上限値=(2.347 ×(n+0.49681 )-0.57418+1)×e−0.11028 ・・・7)下限値=(0.81803 -exp(-0.27551×n0.5799))×e+(-exp(-0.12266n1.4115)) ・・・8) 上記の式の意味を説明する。まず、データベースのばらつきによる問題を説明する。図5に、一例としてワイブルスロープの範囲を求めるデータベースを示す。このデータベースの一例は乱数シミュレーションによって作成したものであるが、確率的な誤差があるため、若干のばらつきが生じていることがわかる。図6に図5の上限側のデータがばらついている部分の拡大を示す。通常、ワイブルスロープの範囲は、ワイブルスロープの値が大きくなるほど大きくなる傾向があるが、一部その傾向から外れるデータがあることがわかる。これは、データベースを乱数シミュレーションを使って求めたためである。このように、上記従来の提案例では、ワイブルスロープの見積りを行う際のデータベースに誤差が含まれていたため、計算結果に矛盾が発生するときがあった。 この実施形態は、この矛盾を解消するために、データベースの性質を解析し、計算結果に矛盾が発生しないようにした方法である。 図7に試験個数ごとのワイブルスロープの上限と下限のデータベースの1部を示す。試験個数によらず、ワイブルスロープの範囲(上限と下限)はワイブルスロープが大きくなるほど線形に大きくなることが分かる。ただし、その傾きと切片は試験個数に依存している。すなわち、ワイブルスロープの範囲(上限と下限)とワイブルスロープeの関係は以下の式で表すことができる。 上限値=a(n)U ×e×b(n)U ・・・式1) 下限値=a(n)L ×e×b(n)L ・・・式2)n:試験個数 ここで、上記a(n),b(n)は、試験個数の関数である。添え字のU,L は、それぞれ上限値および下限値を示す。このa(n),b(n)の試験個数依存性を調べた結果を図8に示す。この図に最もよく適合する回帰式を検討した結果、以下の式が得られた。a(n)U =2.347×(n+0.49681)-0.57418+1 ・・・3)b(n)U =−0.11028 ・・・4)a(n)L =0.81803−exp(−0.27551*n0.5799) ・・・5)b(n)L =exp(−0.12266n1.4115) ・・・6) これらの回帰式は最もよく適合する回帰式の一例であり、式には多項式等その他の回帰式を使用してもよい。以上の式を式1)と2)に代入すると、以下の式が得られる。上限値=(2.347 ×(n+0.49681 )-0.57418+1)×e−0.11028 ・・・7)下限値=(0.81803 -exp(-0.27551×n0.5799))×e+(-exp(-0.12266n1.4115)) ・・・8) これらの式は、データベースの性質を解析して得られた結果であり、前述の矛盾が生じないものである。図9にデータベースの値と回帰式で求めたワイブルスロープの範囲との関係を示す。両者の結果はほぼ一致しており、傾き1(両者が完全に一致)からのずれも1/1000のオーダーである。したがって、作成した回帰式の計算結果はデータベースの値と1/1000のオーダーより上の桁ではほとんど一致すると考えられる。回帰式の形から明らかなように、回帰式で得られるワイブルスロープの範囲はワイブルスロープの値が大きくなるほど大きくなる傾向が完全に維持されている。 以上のことから明らかなように、この実施形態は、データベースに含まれていた誤差の計算結果への影響を低減し、ワイブルスロープの範囲の計算結果に矛盾がなくなるようにすることができる。また、定式化されたことにより、データベースを参照することなく結果を得ることができるので、計算機での結果の算出も非常に速くなる。 図2と共に寿命試験のワイブルスロープ見積もり装置につき説明する。このワイブルスロープ見積もり装置における演算処理装置であるコンピュータ1は、その出力を画面に表示する表示装置2と、コンピュータに入力を行う入力装置3とを備える。コンピュータ1は、図1の中央処理装置(オペレーションシステムを含む)4、およびメモリ5と、上記中央処理装置4に実行されるワイブルスロープ見積もりプログラム71により、次の促し画面出力手段73、上下限演算手段75、および結果出力手段77が構成されている。 促し画面表示手段74は、表示装置2の画面に、入力情報として、試験個数とワイブルスロープの値を入力することを促す表示を行う手段であり、図4の促し画面出力手順Q1につき説明した処理を行う。 結果出力手段77は、図4(B)の結果出力手順Q22で説明した処理を行う手段である。 上下限演算手段75は、図4(B)の結果出力手順Q22で説明した処理を行う手段である。すなわち、上下限演算手段75は、上記の式1)〜6)、または式7),8)による演算を行う。 ワイブルスロープの仮定について考察する。この発明方法は、ワイブルスロープを仮定するが、仮定して良いかにつき説明する。この仮定は、レオナード ジー ジョンソン(LEONARD G. JOHNSON)の寿命優位差検定でも行われており、寿命試験結果の設計や検定では不可欠なものであるといえる。従来より、ワイブルスロープは材料によって決まる定数であるとされ、材料の強さの分散を示す尺度とされていた。しかし、本発明者らはワイブル分布のパラメータの持つ意味について検討し、材料のばらつきは尺度因子によって決まるものであり、ワイブルスロープが試験条件(接触状態)によって変化するものと考えることが合理的であることを見いだした。本発明者等の寿命試験でも、ワイブルスロープは試験方法によって大きく変化することを経験している。図12は、同一の点接触試験機でSUJ2材を評価した結果である。ワイブルスロープは6.01であり、この結果を、この実施形態における回帰式によるソフトウェアで解析すると、少なくとも3.32以上のワイブルスロープを持つ試験であることが分かる。なお、上記のデータベースに基づく提案方法では、少なくとも3.4以上のワイブルスロープを持つ試験であることが分かる。 この結果は一例であるが、点接触寿命試験結果から得られるワイブルスロープは、実機の寿命試験結果(清浄油潤滑の寿命試験結果では1.85で、統計的検討でも最大2.01)よりもほとんどの場合大きくなるケースが多い。以上のことから、ワイブルスロープが試験条件(接触状態)によって変化すると考えることは、理論的にも経験的にも確からしいものであると考えられる。 次に、ワイブルスロープを実績値から判断しなかった場合に生じる不都合の例について考える。図13にワイブルスロープ1.5でL10寿命234 (尺度因子1000)の分布から乱数を10個発生させ、その結果をワイブルプロットした結果を示す。寿命データが少ない場合、たまたま寿命がそろってしまい、ワイブルスロープが大きくなり、寿命のバラツキを示す信頼幅が小さくなってしまうことがある。ここで、このワイブルスロープ3.22は10%以上の確率で有り得る値であり、十分に起こりえる結果である。この結果から推測されるL10寿命の範囲は220〜660になり、真のワイブルスロープの値1.5を仮定した時の範囲60〜630よりも小さい。これは、試験個数が少ない場合ではワイブルスロープがでたらめな値になるため、信頼幅の値が全く信用できなくなる例である。以上のことからも、ワイブルスロープを実績からその値を安全目で見積り(ワイブルスロープを小さめに見積もる)、その値を使って寿命試験の検定や解釈を行うこの発明方法は、現状よりも妥当なものであると考える。この発明の一実施形態に係るワイブルスロープ見積もり装置の概略ブロック図である。(A)は同ワイブルスロープ見積もり装置の概念構成を示すブロック図、(B)はその促し画面例の説明図である。同ワイブルスロープ見積もり装置を用いたワイブルスロープ見積もり方法の概略流れ図である。(A)は同方法を実施するワイブルスロープ見積もりプログラムの概略の流れ図、(B)そのワイブルスロープ見積もり手順の流れ図である。ワイブルスロープの範囲を求めるデータベースにおける、ワイブルスロープとそのばらつきの関係を示すグラフである。同グラフの部分拡大図である。試験個数毎のワイブルスロープの上限と下限のデータべースの一部を示すグラフである。式と試験個数の依存性の関係を示すグラフである。データベースの値と回帰式で求めたワイブルスロープの範囲との関係を示すグラフである。ワイブル分布の各パラメータの影響例を示すグラフである。ワイブル分布の定め方を示すグラフである。同一の点接触試験機でSUJ材を評価した寿命と累積破損確率の関係を示すグラフである。乱数発生による寿命と累積破損確率の関係を示すグラフである。ワイブル確率紙の説明図である。従来の打ち切り試験および加速試験の流れを示す説明図である。符号の説明1…コンピュータ(演算処理手段)2…表示装置3…入力装置71…ワイブルスロープ見積もり方法プログラム73…演算処理部74…促し画面出力手段75…上下限演算手段77…結果出力手段 軸受等の機械部品または試験片からなる試験対象品の寿命試験において、試験の解釈または設計に実績値として用いるワイブルスロープの範囲を、同一仕様の試験対象品の試験結果から見積もる方法であって、 コンピュータに対し、入力情報として、試験個数とワイブルスロープの値を入力する過程と、 上記コンピュータに、上記実績値とするワイブルスロープの上限値と下限値とを演算させ演算結果を表示装置の画面に表示させるコンピュータ演算処理過程とを含み、 上記コンピュータ演算処理過程として、次式、 上限値=a(n)U ×e×b(n)U 下限値=a(n)L ×e×b(n)L ここで、a(n)U 、b(n)、a(n)L 、e×b(n)L は、任意回帰式、n:試験個数、e:入力されたワイブルスロープ、 によって、前記上限値および下限値を求める、 寿命試験のワイブルスロープ見積もり方法。 請求項1において、前記a(n)U 、b(n)U 、a(n)L 、b(n)L として、次式、a(n)U =2.347×(n+0.49681)-0.57418+1b(n)U =−0.11028a(n)L =0.81803−exp(−0.27551*n0.5799)b(n)L =exp(−0.12266n1.4115) ここで、n=試験個数、を用いる寿命試験のワイブルスロープ見積もり方法。 軸受等の機械部品または試験片からなる試験対象品の寿命試験において、試験の解釈または設計に実績値として用いるワイブルスロープの範囲を、同一仕様の試験対象品の試験結果から見積もる方法であって、 コンピュータに対し、入力情報として、試験個数とワイブルスロープの値を入力する過程と、 上記コンピュータに、上記実績値とするワイブルスロープの上限値と下限値とを演算させ演算結果を表示装置の画面に表示させるコンピュータ演算処理過程とを含み、 上記コンピュータ演算処理過程として、次式、上限値=(2.347 ×(n+0.49681 )-0.57418+1)×e−0.11028下限値=(0.81803 -exp(-0.27551×n0.5799))×e+(-exp(-0.12266n1.4115)) ここで、n:試験個数、e:入力されたワイブルスロープ、 によって、前記上限値および下限値を求める、 寿命試験のワイブルスロープ見積もり方法。 軸受等の機械部品または試験片からなる試験対象品の寿命試験において、試験の解釈または設計に実績値として用いるワイブルスロープの範囲を、同一仕様の試験対象品の試験結果から見積もる装置であって、 演算処理装置と、この演算処理装置の出力を画面に表示する表示装置と、上記演算処理装置に入力を行う入力手段とを備え、 前記演算処理装置は、表示装置の画面に、入力情報として、試験個数とワイブルスロープの値の入力を促す表示を行う促し画面表示手段と、 入力された試験個数とワイブルスロープの値から、ワイブルスロープの上限値と下限値とを計算する上下限演算手段とを有し、 この上下限演算手段は、次式、 上限値=a(n)U ×e×b(n)U 下限値=a(n)L ×e×b(n)L ここで、a(n)U 、b(n)、a(n)L 、e×b(n)L は、任意回帰式、n:試験個数、e:入力されたワイブルスロープ、 によって、前記上限値および下限値を求める、 寿命試験のワイブルスロープ見積もり装置。 請求項4において、前記上下限演算手段は、前記a(n)U 、b(n)U 、a(n)L 、b(n)L として、次式、a(n)U =2.347×(n+0.49681)-0.57418+1b(n)U =−0.11028a(n)L =0.81803−exp(−0.27551*n0.5799)b(n)L =exp(−0.12266n1.4115) ここで、n=試験個数、を用いる寿命試験のワイブルスロープ見積もり装置。 軸受等の機械部品または試験片からなる試験対象品の寿命試験において、試験の解釈または設計に実績値として用いるワイブルスロープの範囲を、同一仕様の試験対象品の試験結果から見積もる装置であって、 演算処理装置と、この演算処理装置の出力を画面に表示する表示装置と、上記演算処理装置に入力を行う入力手段とを備え、 前記演算処理装置は、表示装置の画面に、入力情報として、試験個数とワイブルスロープの値の入力を促す表示を行う促し画面表示手段と、 入力された試験個数とワイブルスロープの値から、ワイブルスロープの上限値と下限値とを計算する上下限演算手段とを有し、 この上下限演算手段は、次式、上限値=(2.347 ×(n+0.49681 )-0.57418+1)×e−0.11028下限値=(0.81803 -exp(-0.27551×n0.5799))×e+(-exp(-0.12266n1.4115)) ここで、n:試験個数、e:入力されたワイブルスロープ、 によって、前記上限値および下限値を求める、 寿命試験のワイブルスロープ見積もり装置。 【課題】 寿命試験の設計や解釈を行うためにワイブルスロープの実績値を求めるにつき、試験回数が少なくても、安全で適切な範囲のワイブルスロープを求めることができ、また乱数シミュレーションによるデータベースの誤差で計算結果に矛盾が生じることが回避できる方法を提供する【解決手段】 試験個数とワイブルスロープの値を入力する。コンピュータに、実績値とするワイブルスロープの上限値と下限値とを演算させ演算結果を表示装置の画面に表示させる。上記演算として、次式に従いワイブルスロープの上限値および下限値を求める。 上限値=a(n)U ×e×b(n)U 下限値=a(n)L ×e×b(n)L ここで、a(n)U 、b(n)、a(n)L 、e×b(n)L は、任意回帰式、n:試験個数、e:入力されたワイブルスロープ。【選択図】 図4


ページのトップへ戻る

生命科学データベース横断検索へ戻る

特許公報(B2)_寿命試験のワイブルスロープ見積もり方法および装置

生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_寿命試験のワイブルスロープ見積もり方法および装置
出願番号:2007290486
年次:2012
IPC分類:G01N 17/00,G01M 13/04


特許情報キャッシュ

藤田 工 JP 5106051 特許公報(B2) 20121012 2007290486 20071108 寿命試験のワイブルスロープ見積もり方法および装置 NTN株式会社 000102692 野田 雅士 100086793 杉本 修司 100087941 藤田 工 20121226 G01N 17/00 20060101AFI20121206BHJP G01M 13/04 20060101ALI20121206BHJP JPG01N17/00G01M13/04 G01N 17/00 G01M 13/04 JSTPlus(JDreamII) 特開2008−128699(JP,A) 特開2008−128690(JP,A) 特開2008−128683(JP,A) 特開2003−130048(JP,A) 特開2008−128696(JP,A) 特開2008−128697(JP,A) 特開2008−128698(JP,A) 特開2008−145414(JP,A) 特開2008−145415(JP,A) 4 2009115676 20090528 15 20101028 黒田 浩一 この発明は、軸受等の機械部品または試験片からなる試験対象品の寿命試験において、試験の解釈または設計に実績値として用いるワイブルスロープの範囲を、同一仕様の試験対象品の試験結果から見積もる方法および装置に関する。 寿命試験は、軸受等の機械部品の性能を評価するために欠かせない試験の1つである。寿命試験には、大きく分けて(1) 実機の使用環境に近い条件で試験を行う実機試験と、(2) 比較的過酷な条件で寿命試験を行う加速試験がある。前者は、製品が有限時間内に破損するケースが極めて少ないため、ある目標時間まで破損することなく試験が継続すれば、寿命は問題ないと判断する試験である(以下、このような試験を「打切り試験」と呼ぶ)。一方、後者は、比較的短時間で破損が発生するので、ワイブルプロットで寿命が算出でき(例えば非特許文献1)、その算出寿命から性能の優劣を判定する試験である(以下、このような試験を「加速試験」と呼ぶ)。 従来より、寿命試験は経験を積んだ熟練者が行っており、試験条件や試験個数を決める寿命試験の設計と寿命試験結果の解釈に対して経験的に確からしい判断ができたと考えられる。 図15に、従来から行われてきた寿命試験の設計と寿命試験結果の解釈の手順を、打切り試験と加速試験ごとに示す。 また、現在、寿命試験において経験的に判断されているものの詳細を、表1に示す。 なお、ワイブル分布を機械部品の寿命判断に用いるものは、種々の特許文献,非特許文献に提案されている。特開2006−040203号公報特開2002−277382号公報特開2005−226829号公報真壁肇著、信頼性工学入門79、1991年発行 上記のように従来は、寿命試験は経験を積んだ熟練者が行っており、試験条件や試験個数を決める寿命試験の設計と寿命試験結果の解釈に対して経験的に判断している。 しかし、寿命試験の設計や判断は、時間がかかるうえ、熟練を要する。そのため、軸受等の寿命分布とされるワイブル分布を用い、打ち切り試験における打切り時間の設計や、試験結果からの寿命の判断、あるいは加速試験における試験個数の設計や、試験結果からの有為性の判断を、コンピュータによる乱数シミュレーションで行うものを試みた。これによると、迅速に、かつ熟練を要することなく各種の判断が行える。 上記乱数シミュレーションには、試験のワイブルスロープの値として実績値の入力を行う。実績値を求めるには、少なくとも数十の試験結果が必要である。実績が無い試験や実績の少ない試験では、ワイブルスロープの実績値が無いため、比較的小さなワイブルスロープを仮定して(全く初めての試験ではワイブルスロープを一般の軸受の実績値10/9程度に設定)、設計や解釈を行うことになる。これは、寿命データのバラツキが大きい試験であると仮定することであり、設計と解釈では安全目の設定になる。 しかし、安全目の設定は、(1) 必要試験個数が多めに見積もられること、(2) 必要試験時間が長めに見積もられること、(2) 有意差がつかないこと等、試験の迅速化と試験結果の判定にとって望ましくない方向になる。 そこで、本願出願人は、試験の実績を積むに連れて、試験のワイブルスロープを絞り込んでいく方法を先に提案した(特願2006−311168号)。 この提案方法では、ワイブルスロープの絞込みを、乱数シミュレーションで得られたワイブルスロープ範囲のデータベースを使って行う。 しかし、上記データベースは、乱数シミュレーションによって得られたもので、確率的な誤差が含まれていた。そのため、そのデータベースを使ってワイブルスロープの見積りを行う際に、データベースの誤差による計算結果の矛盾が散見される時があった。具体的には、ワイブルスロープの範囲は試験個数が多くなるほど狭くなる性質があるが、試験個数が少ししか増えない場合、データベースの誤差が原因で、ワイブルスロープの範囲が若干大きくなるケースも見られた。 この発明の目的は、寿命試験の設計や解釈を行うためにワイブルスロープの実績値を求めるにつき、試験回数が少なくても、安全で適切な範囲のワイブルスロープを求めることができ、また乱数シミュレーションによるデータベースの誤差で計算結果に矛盾が生じることが回避できる寿命試験のワイブルスロープ見積もり方法および装置を提供することである。 この発明の寿命試験のワイブルスロープ見積もり方法は、軸受等の機械部品または試験片からなる試験対象品の寿命試験において、試験の解釈または設計に実績値として用いるワイブルスロープの範囲を、同一仕様の試験対象品の試験結果から見積もる方法であって、コンピュータに対し、入力情報として、試験個数とワイブルスロープの値を入力する過程(P1)と、上記コンピュータに、上記実績値とするワイブルスロープの上限値と下限値とを演算させ演算結果を表示装置の画面に表示させるコンピュータ演算処理過程(P2)とを含む。 上記コンピュータ演算処理過程(P2)では、次式1),2)により、前記上限値および下限値を求める。 上限値=a(n)U ×e+b(n)U ・・・式1) 下限値=a(n)L ×e+b(n)L ・・・式2) ここで、a(n)U 、b(n)U、a(n)L 、b(n)L は、任意回帰式、n:試験個数、e:入力されたワイブルスロープ。 上記寿命は、例えばL10寿命(90%の信頼度の寿命)や、L50寿命(50%の信頼度の寿命)等の所定信頼度の寿命ある。ワイブル分布は、次式、 ただし、e:ワイブルスロープ、α:尺度因子、γ:最小寿命、によって特定される。図11にワイブル分布の一例を示し、図10にその各パラメータの影響を示す。 軸受等の機械部品の寿命は、ワイブル分布に従うとされている。ワイブル分布は、ワイブルスロープe、尺度因子α、最小寿命γの3つのパラメータを持っており、ワイブルスロープeによって指数分布、対数正規分布、正規分布を表現できる万能分布として知られている。最小寿命γは、種々の規格、例えばISO等によって計算方法が定められており、そのように定められたいずれかの計算方法を用いることが好ましい。尺度因子αは、ワイブルスロープの値、要求寿命の信頼度、要求寿命の値、および上記最小寿命γから一義的に決定される演算式があり、その演算式を用いて特定しても良い。 ワイブルスロープは、量産される軸受等では、実績値が既知である場合が多いが、実績値ない場合があり、また過去の試験回数が僅かな場合がある。この発明は、このような場合に、ワイブルスロープを求める方法である。 この方法は、試験個数とワイブルスロープに対するワイブルスロープ範囲のデータベースの性質を調査し、その性質を回帰して定式化した方法である。そのため、簡単、かつ迅速に、適切なワイブル分布を見積もることができ、また上述の提案例における、乱数シミュレーションによるデータベースの誤差で計算結果に矛盾が生じるという問題が解消される。 この発明方法において、前記a(n)U 、b(n)U 、a(n)L 、b(n)L として、次式、a(n)U =2.347×(n+0.49681)-0.57418+1 ・・式3)b(n)U =−0.11028 ・・式4)a(n)L =0.81803−exp(−0.27551n0.5799) ・・式5)b(n)L =−exp(−0.12266n1.4115) ・・式6) ここで、n=試験個数、を用いる。 また、この発明方法において、上記コンピュータ演算処理過程(P2)では、次式7),8)として、前記上限値および下限値を求めるようにしても良い。上限値=(2.347 ×(n+0.49681 )-0.57418+1)×e−0.11028 ・・式7)下限値=(0.81803 -exp(-0.27551n0.5799))×e+(-exp(-0.12266n1.4115)) ・・式8) 上記の式1),式2)において、a(n)U 、b(n)U 、a(n)L 、b(n)L は試験個数の関数である。このa(n)U 、b(n)U 、a(n)L 、b(n)L の試験個数依存性を調べた、その結果を示す図に最もよく適合する回帰式を検討した。その結果、次の回帰式が得られた。a(n)U =2.347×(n+0.49681)-0.57418+1 ・・式3)b(n)U =−0.11028 ・・式4)a(n)L =0.81803−exp(−0.27551n0.5799) ・・式5)b(n)L =−exp(−0.12266n1.4115) ・・式6) これらの回帰式は最もよく適合する回帰式の一例であり、式には多項式等その他の回帰式を使用してもよい。以上の式を式1)と2)に代入すると、上記7),8)式が得られる。 これらの式は、データベースの性質を解析して得られた結果であり、前述の矛盾が生じないものである。 この発明の寿命試験のワイブルスロープ見積もり装置は、軸受等の機械部品または試験片からなる試験対象品の寿命試験において、試験の解釈または設計に実績値として用いるワイブルスロープの範囲を、同一仕様の試験対象品の試験結果から見積もる装置であって、演算処理装置(1)と、この演算処理装置(1)の出力を画面に表示する表示装置(2)と、上記演算処理装置(1)に入力を行う入力手段(3)とを備える。 前記演算処理装置(1)は、表示装置(2)の画面に、入力情報として、試験個数とワイブルスロープの値の入力を促す表示を行う促し画面表示手段(74)と、 入力された試験個数とワイブルスロープの値から、ワイブルスロープの上限値と下限値とを計算する上下限演算手段(75)とを有する。 この上下限演算手段(75)は、次式1),2)に従い、前記上限値および下限値を求める。 上限値=a(n)U ×e+b(n)U ・・・式1) 下限値=a(n)L ×e+b(n)L ・・・式2) ここで、a(n)U 、b(n)U、a(n)L 、b(n)L は、任意回帰式、n:試験個数、e:入力されたワイブルスロープ。 この発明の寿命試験のワイブルスロープ見積もり装置において、 前記上下限演算手段(75)は、前記a(n)U 、b(n)U 、a(n)L 、b(n)L として、次式、3)〜6)を用いる。a(n)U =2.347×(n+0.49681)-0.57418+1 ・・式3)b(n)U =−0.11028 ・・式4)a(n)L =0.81803−exp(−0.27551n0.5799) ・・式5)b(n)L =−exp(−0.12266n1.4115) ・・式6) ここで、n=試験個数 また、この発明の寿命試験のワイブルスロープ見積もり装置において、前記の上下限演算手段(75)は、次式、7),8)を用いて前記上限値および下限値を求めるものとしても良い。上限値=(2.347 ×(n+0.49681 )-0.57418+1)×e−0.11028 ・・式7)下限値=(0.81803 -exp(-0.27551n0.5799))×e+(-exp(-0.12266n1.4115)) ・・式8) この発明の寿命試験のワイブルスロープ見積もり装置によると、この発明の寿命試験のワイブルスロープ見積もり方法で説明したと同様に、寿命試験の設計や解釈を行うためにワイブルスロープの実績値を求めるにつき、試験回数が少なくても、安全で適切な範囲のワイブルスロープを求めることができ、また乱数シミュレーションによるデータベースの誤差で計算結果に矛盾が生じることが回避できる。 この発明の寿命試験のワイブルスロープ見積もり方法および装置によると、試験個数とワイブルスロープに対するワイブルスロープ範囲のデータベースの性質を調査し、その性質を回帰して定式化したため、寿命試験の設計や解釈を行うためにワイブルスロープの実績値を求めるにつき、試験回数が少なくても、安全で適切な範囲のワイブルスロープを求めることができる。また、乱数シミュレーションによるデータベースに含まれていた誤差の計算結果への影響を低減し、ワイブルスロープの範囲の計算結果に矛盾がなくなるようにすることができる。定式化されたことにより、データベースを参照することなく結果を得ることができるので、計算機での結果の算出も非常に速くなる。 この発明の実施形態を説明する。この寿命試験のワイブルスロープ見積もり方法は、軸受等の機械部品または試験片からなる試験対象品の寿命試験において、試験の解釈または設計に実績値として用いるワイブルスロープの範囲を、同一仕様の試験対象品の試験結果から見積もる方法である。 以下、この実施形態を図面と共に説明する。この寿命試験のワイブルスロープ見積もり方法は、図1に示すコンピュータ1に、寿命試験のワイブルスロープ見積もりプログラム71を実行させることで行う。このワイブルスロープ見積もりプログラム71は、試験個数とワイブルスロープに対するワイブルスロープ範囲のデータベースの性質を調査した結果に基づき、その性質を回帰して定式化した式を用いた演算するものである。このワイブルスロープ見積もりプログラム71は、図4に流れ図で示す手順を備える。 コンピュータ1はパーソナルコンピュータ等からなり、中央処理装置4およびメモリ5を有し、所定のオペレーションシステムによって動作するものである。コンピュータ1には、液晶表示装置等の画面によって表示可能な表示装置2と、キーボードやマウス等の入力装置3が接続され、あるいは付属して設けられている。コンピュータ1、表示装置2、入力装置3、およびワイブルスロープ見積もりプログラム71により、図2に各機能達成手段をブロックで示した寿命試験のワイブルスロープ見積もり装置が構成される。同図のワイブルスロープ見積もり装置の構成については、後に説明する。 このワイブルスロープ見積もり方法は、図3に示すように、コンピュータ1に対して所定の情報を入力する入力過程P1と、コンピュータ1で演算処理を行って演算結果を出力するコンピュータ演算処理過程P2とからなる。 入力過程P1では、図2(B)に示すように、所定の入力情報の入力を促す入力画面2aが、コンピュータ1の出力によって表示装置2に表示される。この入力画面2a中に、を所定の入力を促す表示2aaと、所定の入力である試験個数およびワイブルスロープの値を入力する入力ボックス等の入力記入部2abとが表示される。 ここで、ワイブルスロープは、最小寿命を考慮してワイブルプロットした結果を入力することが好ましい。 ワイブルプロットによりワイブルスロープを得るには、例えば次の方法を採用する。(1) 寿命試験を実施する。(2) 得られたデータ(破損した時間あるいは破損した負荷回数)を昇順に並び替える。(3) これらデータを図14のグラフ(ワイブル確率紙)にプロットする(縦軸:累積破損確率、横軸:寿命)。(4) 図14の紙にプロットしたデータの最適直線を最小二乗法で引く。このとき、L10寿命以下の位置に最小寿命があるということになるので、L10寿命の値を10分割し(何分割でも良いがフィッティングでの計算時間が妥当な時間になるように設定する)、累積確率0 %の位置にプロットを加える。10通りの最適曲線で最もデータがフィットする最適直線を採用する。(5) そうすると、ワイブルスロープがこの線の傾き、最小寿命は、L10寿命の値を10分割のいずれかの値、L10寿命(ワイブルスロープが累積確率10%交わる寿命)と尺度因子αの関係からαを決定できる。 オペレータは、以上の点に注意して、試験個数およびワイブルスロープの値を入力し、入力画面2a(図2(B))上の計算開始ボタン(例えば、「OK」と表示されたボタン)2acを指定することなどで実行命令を入力すると、ワイブルスロープ見積もりプログラム71の実行による計算が開始される。 図3のコンピュータ演算処理過程P2では、回帰式に基づく所定の演算を行い、実績値として用いることのできるワイブルスロープの範囲(上限値および下限値)を計算する。計算が終了すると、表示装置2の出力画面(図示せず)に、ワイブルスロープの範囲(上限値および下限値)の計算結果が表示される。 図1のワイブルスロープ見積もりプログラム71は、コンピュータ1で実行可能なプログラムであって、図4(A)に流れ図で示す促し画面出力手順Q1と、ワイブルスロープ見積もり手順Q2とでなる。促し画面出力手順Q1は、前述の図1(B)と共に説明した促し画面2aを出力し、試験個数およびワイブルスロープの入力を待つ処理を行う手順である。ワイブルスロープ見積もり手順Q2は、図4(B)に示す上下限演算手順Q21と、その演算結果を上記出力画面に表示する結果出力手順Q22とでなる。 上下限演算手順Q21では、次式1),2)によって、前記上限値および下限値を求める。 上限値=a(n)U ×e×b(n)U ・・・式1) 下限値=a(n)L ×e×b(n)L ・・・式2) ここで、a(n)U 、b(n)U、a(n)L 、b(n)L は、任意回帰式、n:試験個数、e:入力されたワイブルスロープ。 この場合に、前記上下限演算手段Q21は、前記a(n)U 、b(n)U 、a(n)L 、b(n)L として、次式、3)〜6)を用いる。a(n)U =2.347×(n+0.49681)-0.57418+1 ・・・3)b(n)U =−0.11028 ・・・4)a(n)L =0.81803−exp(−0.27551n0.5799) ・・・5)b(n)L =−exp(−0.12266n1.4115) ・・・6) ここで、n=試験個数、 また、前記上下限演算手段Q21は、次式7),8)として、前記上限値および下限値を求めるようにしても良い。上限値=(2.347 ×(n+0.49681 )-0.57418+1)×e−0.11028 ・・・7)下限値=(0.81803 -exp(-0.27551n0.5799))×e+(-exp(-0.12266n1.4115)) ・・・8) 上記の式の意味を説明する。まず、データベースのばらつきによる問題を説明する。図5に、一例としてワイブルスロープの範囲を求めるデータベースを示す。このデータベースの一例は乱数シミュレーションによって作成したものであるが、確率的な誤差があるため、若干のばらつきが生じていることがわかる。図6に図5の上限側のデータがばらついている部分の拡大を示す。通常、ワイブルスロープの範囲は、ワイブルスロープの値が大きくなるほど大きくなる傾向があるが、一部その傾向から外れるデータがあることがわかる。これは、データベースを乱数シミュレーションを使って求めたためである。このように、上記従来の提案例では、ワイブルスロープの見積りを行う際のデータベースに誤差が含まれていたため、計算結果に矛盾が発生するときがあった。 この実施形態は、この矛盾を解消するために、データベースの性質を解析し、計算結果に矛盾が発生しないようにした方法である。 図7に試験個数ごとのワイブルスロープの上限と下限のデータベースの1部を示す。試験個数によらず、ワイブルスロープの範囲(上限と下限)はワイブルスロープが大きくなるほど線形に大きくなることが分かる。ただし、その傾きと切片は試験個数に依存している。すなわち、ワイブルスロープの範囲(上限と下限)とワイブルスロープeの関係は以下の式で表すことができる。 上限値=a(n)U ×e+b(n)U ・・・式1) 下限値=a(n)L ×e+b(n)L ・・・式2)n:試験個数 ここで、上記a(n),b(n)は、試験個数の関数である。添え字のU,L は、それぞれ上限値および下限値を示す。このa(n),b(n)の試験個数依存性を調べた結果を図8に示す。この図に最もよく適合する回帰式を検討した結果、以下の式が得られた。a(n)U =2.347×(n+0.49681)-0.57418+1 ・・・3)b(n)U =−0.11028 ・・・4)a(n)L =0.81803−exp(−0.27551n0.5799) ・・・5)b(n)L =−exp(−0.12266n1.4115) ・・・6) これらの回帰式は最もよく適合する回帰式の一例であり、式には多項式等その他の回帰式を使用してもよい。以上の式を式1)と2)に代入すると、以下の式が得られる。上限値=(2.347 ×(n+0.49681 )-0.57418+1)×e−0.11028 ・・・7)下限値=(0.81803 -exp(-0.27551n0.5799))×e+(-exp(-0.12266n1.4115)) ・・・8) これらの式は、データベースの性質を解析して得られた結果であり、前述の矛盾が生じないものである。図9にデータベースの値と回帰式で求めたワイブルスロープの範囲との関係を示す。両者の結果はほぼ一致しており、傾き1(両者が完全に一致)からのずれも1/1000のオーダーである。したがって、作成した回帰式の計算結果はデータベースの値と1/1000のオーダーより上の桁ではほとんど一致すると考えられる。回帰式の形から明らかなように、回帰式で得られるワイブルスロープの範囲はワイブルスロープの値が大きくなるほど大きくなる傾向が完全に維持されている。 以上のことから明らかなように、この実施形態は、データベースに含まれていた誤差の計算結果への影響を低減し、ワイブルスロープの範囲の計算結果に矛盾がなくなるようにすることができる。また、定式化されたことにより、データベースを参照することなく結果を得ることができるので、計算機での結果の算出も非常に速くなる。 図2と共に寿命試験のワイブルスロープ見積もり装置につき説明する。このワイブルスロープ見積もり装置における演算処理装置であるコンピュータ1は、その出力を画面に表示する表示装置2と、コンピュータに入力を行う入力装置3とを備える。コンピュータ1は、図1の中央処理装置(オペレーションシステムを含む)4、およびメモリ5と、上記中央処理装置4に実行されるワイブルスロープ見積もりプログラム71により、次の促し画面出力手段73、上下限演算手段75、および結果出力手段77が構成されている。 促し画面表示手段74は、表示装置2の画面に、入力情報として、試験個数とワイブルスロープの値を入力することを促す表示を行う手段であり、図4の促し画面出力手順Q1につき説明した処理を行う。 結果出力手段77は、図4(B)の結果出力手順Q22で説明した処理を行う手段である。 上下限演算手段75は、図4(B)の結果出力手順Q22で説明した処理を行う手段である。すなわち、上下限演算手段75は、上記の式1)〜6)、または式7),8)による演算を行う。 ワイブルスロープの仮定について考察する。この発明方法は、ワイブルスロープを仮定するが、仮定して良いかにつき説明する。この仮定は、レオナード ジー ジョンソン(LEONARD G. JOHNSON)の寿命優位差検定でも行われており、寿命試験結果の設計や検定では不可欠なものであるといえる。従来より、ワイブルスロープは材料によって決まる定数であるとされ、材料の強さの分散を示す尺度とされていた。しかし、本発明者らはワイブル分布のパラメータの持つ意味について検討し、材料のばらつきは尺度因子によって決まるものであり、ワイブルスロープが試験条件(接触状態)によって変化するものと考えることが合理的であることを見いだした。本発明者等の寿命試験でも、ワイブルスロープは試験方法によって大きく変化することを経験している。図12は、同一の点接触試験機でSUJ2材を評価した結果である。ワイブルスロープは6.01であり、この結果を、この実施形態における回帰式によるソフトウェアで解析すると、少なくとも3.32以上のワイブルスロープを持つ試験であることが分かる。なお、上記のデータベースに基づく提案方法では、少なくとも3.4以上のワイブルスロープを持つ試験であることが分かる。 この結果は一例であるが、点接触寿命試験結果から得られるワイブルスロープは、実機の寿命試験結果(清浄油潤滑の寿命試験結果では1.85で、統計的検討でも最大2.01)よりもほとんどの場合大きくなるケースが多い。以上のことから、ワイブルスロープが試験条件(接触状態)によって変化すると考えることは、理論的にも経験的にも確からしいものであると考えられる。 次に、ワイブルスロープを実績値から判断しなかった場合に生じる不都合の例について考える。図13にワイブルスロープ1.5でL10寿命234 (尺度因子1000)の分布から乱数を10個発生させ、その結果をワイブルプロットした結果を示す。寿命データが少ない場合、たまたま寿命がそろってしまい、ワイブルスロープが大きくなり、寿命のバラツキを示す信頼幅が小さくなってしまうことがある。ここで、このワイブルスロープ3.22は10%以上の確率で有り得る値であり、十分に起こりえる結果である。この結果から推測されるL10寿命の範囲は220〜660になり、真のワイブルスロープの値1.5を仮定した時の範囲60〜630よりも小さい。これは、試験個数が少ない場合ではワイブルスロープがでたらめな値になるため、信頼幅の値が全く信用できなくなる例である。以上のことからも、ワイブルスロープを実績からその値を安全目で見積り(ワイブルスロープを小さめに見積もる)、その値を使って寿命試験の検定や解釈を行うこの発明方法は、現状よりも妥当なものであると考える。この発明の一実施形態に係るワイブルスロープ見積もり装置の概略ブロック図である。(A)は同ワイブルスロープ見積もり装置の概念構成を示すブロック図、(B)はその促し画面例の説明図である。同ワイブルスロープ見積もり装置を用いたワイブルスロープ見積もり方法の概略流れ図である。(A)は同方法を実施するワイブルスロープ見積もりプログラムの概略の流れ図、(B)そのワイブルスロープ見積もり手順の流れ図である。ワイブルスロープの範囲を求めるデータベースにおける、ワイブルスロープとそのばらつきの関係を示すグラフである。同グラフの部分拡大図である。試験個数毎のワイブルスロープの上限と下限のデータべースの一部を示すグラフである。式と試験個数の依存性の関係を示すグラフである。データベースの値と回帰式で求めたワイブルスロープの範囲との関係を示すグラフである。ワイブル分布の各パラメータの影響例を示すグラフである。ワイブル分布の定め方を示すグラフである。同一の点接触試験機でSUJ材を評価した寿命と累積破損確率の関係を示すグラフである。乱数発生による寿命と累積破損確率の関係を示すグラフである。ワイブル確率紙の説明図である。従来の打ち切り試験および加速試験の流れを示す説明図である。符号の説明1…コンピュータ(演算処理手段)2…表示装置3…入力装置71…ワイブルスロープ見積もり方法プログラム73…演算処理部74…促し画面出力手段75…上下限演算手段77…結果出力手段 軸受等の機械部品または試験片からなる試験対象品の寿命試験において、試験の解釈または設計に実績値として用いるワイブルスロープの範囲を、同一仕様の試験対象品の試験結果から見積もる方法であって、 コンピュータに対し、入力情報として、試験個数とワイブルスロープの値を入力する過程と、 上記コンピュータに、上記実績値とするワイブルスロープの上限値と下限値とを演算させ演算結果を表示装置の画面に表示させるコンピュータ演算処理過程とを含み、 上記コンピュータ演算処理過程として、次式、 上限値=a(n)U ×e+b(n)U 下限値=a(n)L ×e+b(n)L ここで、a(n)U 、b(n)U、a(n)L 、b(n)L は、任意回帰式、n:試験個数、e:入力されたワイブルスロープ、 によって、前記上限値および下限値を求め、 前記a(n)U 、b(n)U 、a(n)L 、b(n)L として、次式、a(n)U =2.347×(n+0.49681)-0.57418+1b(n)U =−0.11028a(n)L =0.81803−exp(−0.27551n0.5799)b(n)L =−exp(−0.12266n1.4115) ここで、n=試験個数、を用いる寿命試験のワイブルスロープ見積もり方法。 軸受等の機械部品または試験片からなる試験対象品の寿命試験において、試験の解釈または設計に実績値として用いるワイブルスロープの範囲を、同一仕様の試験対象品の試験結果から見積もる方法であって、 コンピュータに対し、入力情報として、試験個数とワイブルスロープの値を入力する過程と、 上記コンピュータに、上記実績値とするワイブルスロープの上限値と下限値とを演算させ演算結果を表示装置の画面に表示させるコンピュータ演算処理過程とを含み、 上記コンピュータ演算処理過程として、次式、上限値=(2.347 ×(n+0.49681 )-0.57418+1)×e−0.11028下限値=(0.81803 -exp(-0.27551n0.5799))×e+(-exp(-0.12266n1.4115)) ここで、n:試験個数、e:入力されたワイブルスロープ、 によって、前記上限値および下限値を求める、 寿命試験のワイブルスロープ見積もり方法。 軸受等の機械部品または試験片からなる試験対象品の寿命試験において、試験の解釈または設計に実績値として用いるワイブルスロープの範囲を、同一仕様の試験対象品の試験結果から見積もる装置であって、 演算処理装置と、この演算処理装置の出力を画面に表示する表示装置と、上記演算処理装置に入力を行う入力手段とを備え、 前記演算処理装置は、表示装置の画面に、入力情報として、試験個数とワイブルスロープの値の入力を促す表示を行う促し画面表示手段と、 入力された試験個数とワイブルスロープの値から、ワイブルスロープの上限値と下限値とを計算する上下限演算手段とを有し、 この上下限演算手段は、次式、 上限値=a(n)U ×e+b(n)U 下限値=a(n)L ×e+b(n)L ここで、a(n)U 、b(n)U、a(n)L 、b(n)L は、任意回帰式、n:試験個数、e:入力されたワイブルスロープ、 によって、前記上限値および下限値を求め、前記a(n)U 、b(n)U 、a(n)L 、b(n)L として、次式、a(n)U =2.347×(n+0.49681)-0.57418+1b(n)U =−0.11028a(n)L =0.81803−exp(−0.27551n0.5799)b(n)L =−exp(−0.12266n1.4115) ここで、n=試験個数、を用いる寿命試験のワイブルスロープ見積もり装置。 軸受等の機械部品または試験片からなる試験対象品の寿命試験において、試験の解釈または設計に実績値として用いるワイブルスロープの範囲を、同一仕様の試験対象品の試験結果から見積もる装置であって、 演算処理装置と、この演算処理装置の出力を画面に表示する表示装置と、上記演算処理装置に入力を行う入力手段とを備え、 前記演算処理装置は、表示装置の画面に、入力情報として、試験個数とワイブルスロープの値の入力を促す表示を行う促し画面表示手段と、 入力された試験個数とワイブルスロープの値から、ワイブルスロープの上限値と下限値とを計算する上下限演算手段とを有し、 この上下限演算手段は、次式、上限値=(2.347 ×(n+0.49681 )-0.57418+1)×e−0.11028下限値=(0.81803 -exp(-0.27551n0.5799))×e+(-exp(-0.12266n1.4115)) ここで、n:試験個数、e:入力されたワイブルスロープ、 によって、前記上限値および下限値を求める、 寿命試験のワイブルスロープ見積もり装置。


ページのトップへ戻る

生命科学データベース横断検索へ戻る