タイトル: | 公開特許公報(A)_オリフィス流量式インライン粘度センサー |
出願番号: | 2007228301 |
年次: | 2009 |
IPC分類: | G01N 11/06,G01N 11/08 |
山本 正行 永松 正知 JP 2009042200 公開特許公報(A) 20090226 2007228301 20070806 オリフィス流量式インライン粘度センサー 株式会社コンヒラ 598140434 山本 正行 永松 正知 G01N 11/06 20060101AFI20090130BHJP G01N 11/08 20060101ALI20090130BHJP JPG01N11/06G01N11/08 2 1 書面 5 本、発明は、重油を燃料として専焼するヂーセル機関の燃料油を容積型ポンプで移送中に、加熱又は軽油混合により重油粘度が変化すると、配管内の摩擦抵抗損失量は流速の2乗で変化するため、移送管の途中に、流量調節用オリフィスを挿入した一定長さの流量調整管と、この管より摩擦抵抗損失による差圧変化が大きいバイパス小径管をこの区間に連結する事で、両方の管内流量が差圧の変化に相応して変化する。この流量変化は粘度の変化で発生するもので、これを流体抵抗が少ないフラッパー式流量表示計に取り付けた発信器により、これを粘度出力信号として変換して使用出来るオリフィス流量式インライン粘度センサーに関するものである。 従来のインライン粘度センサーには、電動回転トルク式、振動式、ダイヤフラム式、超音波共振式、定流量差圧式、等が使用されている。しかしながら、それらは緻密な構造からなり、振動、温度面に影響受け易すく、特に船舶では特有の振動、電磁ノイズと約140℃の高油温に曝されるなどの過酷な条件にたいし、その精度面と耐久性に弱点がある。 なお、本発明に関連する公知技術として、次の特許文献1,2を挙げることが出来る。 特開2006−258782号広報 特開2004−316814号広報 上記の如く従来の技術に係わる粘度センサーには振動、電磁ノイズなどの外乱が比較的に少ない陸上プラントには有効な機能を持つが、船舶での重質燃料油のインライン式粘度センサーには耐振性、耐熱性、耐ノイズ性の構造にする事が不可欠であり、この条件を満たすインライン式粘度センサーは必然的に高価となる。 又、従来の粘度制御方法として、主として、船舶では、重油を船舶に搭載する際に、油業者が提出する燃料油性状書に記載された呼称粘度値を基に、簡易の粘度−温度特性線図を利用して、所要の粘度にする加熱器の温度を設定して粘度制御する方法が採用される場合があるが、この方法は油業者が提示した呼称粘度値の妥当性を確認することなく粘度管理されている事に問題がある。 本発明は、このような点を考慮して開発したものであり、この要素は流体の摩擦抵抗損出が管内流速の2乗に比例する事と、此に流体粘性が変化すると、此に比例して管内の流量が変化するオリフィス特性を利用してもので、この変化量を粘度センサーとして容易に検出する手段として移送管より高い流速を生じるバイパス管を連結し、最初に両管の流量を配分するためのオリフィスと流量表示計をセットにして移送管に装着する事で、流体の流量変化が検出されが、これの変化要素は粘度変化として取り扱う事が可能であり、これに4〜20mAの発信器を装着する事によりし、粘度検出装置としての機能を持ち、かつ、耐震、耐熱、耐ノイズ性の条件に耐え、かつ安価なインライン粘度センサーとして使用出来るようにするものである。 上述の目的を達成する本発明のオリフィス流量式インライ粘度センサーは、容積式移送ポンプで移送する移送管の途中に、同じ口径で、管長約400mmの間に流量調節用オリフィス及び発信器付フラッパー型流量表示計を取り付けた流量検出管と、流速の2条で発生する管内粘性抵抗損出の差圧を利用するための、内径が流量検出管の約1/2、有効管長約400mm寸法の管をこの流量検出管のバイパス管として取り付けた構造のもので、この装置を粘度センサーとして、この区間に挿入取付けるものである。移送中の重油粘度が変化した場合は、その粘度変化に相応して流量が変化し、これをフラッパー型流量表示計で表示され、これに装備された発信器は、この流量変化を粘度変化として出力信号することが出来、動粘度約180cstから8cst近くまで連続した粘度制御を必要とする重質燃料油の粘度検出が出来る事を特徴としたものである。 1例として前記インライン粘度センサーは、燃料移送管内の流速がJIS F7101に規定された油管標準流で移送される配管では、移送容量の大小に関係なく、この流量検出管内径に対するバイパス管およびオリフィス径は、ほぼ同じ比率の口径を持つ構造で、これで発生する摩擦抵抗は移送ポンプの電動機出力に殆ど影響を与えない微小の範囲に収める事が出来る。 以上説明したように、本発明により、重質燃料油を専焼するデーゼル機関は冷寒時起動用として、最適粘度が保証されたデーゼル油を同じ燃料移送ポンプと配管を使用して運転されるため、万一、容積形移送ポンプの吐出量が長年の使用により、微小に変化した場合、又は、オリフィス径が微小に磨耗した場合でも、このデーゼル油使用による運転で、粘度の検出精度が比較確認できる。又、重油の加熱温度は約140℃以下であり、管、鋼材の熱膨張、弾性係数への影響は無視できる。 以上より、このオリフィス流量式インライン粘度センサーの構造は重質燃料油を専焼とするデーゼル機関の粘度センサーとして極めて有効な装置である。 以下、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。 図1〜図3は本発明の実施の構造を示すもので、図1はオリフィス流量式インライン粘度センサー組立図、図2は流量計測形オリフィスの側面図、図3は同オリフィスの正面図である。 図4は船舶デーゼル主機関の燃料油管系統において本発明のオリフィス流量式インライン粘度センサー11〜14と関連した器機の配置を系統的に示したものである。 図1に示されたオリフィス流量式インライン粘度センサーの流量検出管11およびバイパス管14の大きさは、一例として、図4の船舶デーゼル主機関の燃料油配管系統図において、機関出力5000PS及びそれ以下では、燃料移送ポンプ43の容量は約0.5m3/hが使用され、この移送管の標準流速は約0.3m/sでは、呼び径は25A〜32Aである。これにより、流量検出主管11の呼び径32A,バイパス管呼び径20A,有効管長400mmとして,目標最小粘度8cstにおける初期設定流量を、流量検出管11、バイパス管14とも,それぞれ,約0.25m3/hと設定し、オリフィス径は公知の圧縮性係数算定式により約φ20mmが求まる。実際の運転において、この移送管の燃料油の粘度は通常は180cst前後の高い値から始まり、これより加熱または軽油混合処理により目標の最小粘度の約8cstに低下すれば、流量検出管11の流量は粘度低下に相応して減少し、その減少分はバイパス管14に徐々に移行しながら所定の設定流量の0.25m3/hに収斂する。 本発明は、重質燃料油を使用する陸用、舶用デーゼル機関およびボイラーにおいて、その燃料油の粘度を加熱又は他の軽質油と混合する方法により粘度制御を必要とする装置のインライン粘度センサーとして使用することが出来る。 オリフィス流量式インライン粘度せんさー組立図オリフィス板側面図オリフィス正面図事例として、船舶デーゼル機関の燃料油系統に本発明のオリフィス流量式インライン粘度センサーを組み込んだ配管系統図 符号の説明 11、流量検出管 12、発信器付フラッパー型流量表示計 13、23,33、オリフィス板 14、バイパス管 15、45,粘度制御盤 41、オリフィス流量式インライン粘度センサー 42,重油タンク 43,燃料移送ポンプ 44,加熱器 46,加熱用蒸気流量調整弁 47,デーゼル機関 容積型ポンプで移送される粘性流体を移送管の途中に、移送管と同じ口径で、管長約400mmの間に流量調節用オリフィス及び発信器付フラッパー型流量表示計を取り付けた流量検出管と、流体の管内粘性抵抗損出により発生する差圧を利用するための、内径が流量検出管の約1/2、有効管長約400mm寸法のバイパス管をこの流量検出管の両端に連結取り付けた構造の装置を粘度センサーとして挿入取付けるものであり、一定流量で移送されている流体の粘度が変化すると、流体摩擦抵抗損出による差圧が変化して、流量検出管のオリフィス効果により、この装置間の流量が差圧変化量に相応して変化するが、この変化を流量表示計の磁気式発信器により、その出力信号を粘度変化量として利用できる特徴を持つ構造のオリフィス流量式インライン粘度センサーである。 前記粘度センサーは流体の動粘度が約180cstから約8cstの燃料油移送管では、その管内流速はJIS F7101に記載された油管標準流速で移送される配管では、移送容量の大小に関係なく、これで発生する摩擦抵抗は移送ポンプの電動機出力に殆ど影響を与えない微少の範囲に収める事が出来る特徴を持つ請求項1のオリフィス流量式インライン粘度センサーである。 【課題】粘度制御装置としての構造を持つインライン粘度センサーであり、耐震、耐熱、耐ノイズ性の条件に耐え、かつ安価なセンサーとして使用出来るようにする。【解決手段】容積型ポンプで移送される粘性流体を移送管の途中に、移送管と同じ口径の、流量調節用オリフィス及び発信器付フラッパー型流量表示計を取り付けた流量検出管と、流速の2乗で発生する管内粘性抵抗損出の差圧を利用するための、内径が流量検出管の約1/2の管を、この流量検出管のバイパス管として取り付けた構造のもので、この装置を粘度センサーとして、この区間に挿入取付けるものである。一定流量で移送されている流体の粘度が変化すると、流体摩擦抵抗損出による差圧が変化して、流量検出管のオリフィス効果により、この装置間の流量が変化するが、この変化を流量表示計の磁気式発信器により、その出力信号を粘度変化量として利用できる。【選択図】図1