生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_IgA抗体測定方法
出願番号:2007192364
年次:2009
IPC分類:G01N 33/543,G01N 33/53


特許情報キャッシュ

小林 丘 山南 隆徳 土田 真也 宮村 達男 石川 晃一 JP 2009031001 公開特許公報(A) 20090212 2007192364 20070724 IgA抗体測定方法 大日精化工業株式会社 000002820 国立感染症研究所長 591222245 近藤 利英子 100098707 吉田 勝広 100077698 梶原 克哲 100146042 小林 丘 山南 隆徳 土田 真也 宮村 達男 石川 晃一 G01N 33/543 20060101AFI20090116BHJP G01N 33/53 20060101ALI20090116BHJP JPG01N33/543 545JG01N33/53 NG01N33/53 UG01N33/543 545S 9 OL 15 本発明は、免疫アッセイ法に関し、より詳しくは、ELISA法で目的物質を測定する際に起こる非特異的反応の発生の程度を評価する方法に関する。 1970年代以降、遺伝子工学を中心としてライフサイエンス分野の研究が急速に進展している。また、研究の応用についても進展が著しく、免疫学分野では感染症予防へ向けて、新しいワクチンや抗生物質の開発が精力的に進められている。近年は我が国でも、海外旅行者の数や生鮮食品の輸入量が増加し、これに伴って我が国内での感染症の発生増加が懸念されている。また、発展途上国では依然として感染症が蔓延しており、今後の免疫学分野の研究、応用の重要性が高まっている。 ELISA(Enzyme Linked Immuno−Sorbent Assay)法は、酵素で標識した抗原又は抗体を用いて、試料中に含まれる微量の目的物質を検出する方法であり、免疫学研究の根幹を成す免疫アッセイ法の中でも代表的な方法である。 ELISA法には、直接吸着法、サンドイッチ法及び競合法などの種々の変法がある。これらの変法の中でもサンドイッチ法は、サンプル中の目的物質を高感度で検出・定量できるという利点があり、広く使用されている。 サンドイッチ法においては、目的物質は、抗原でも抗体であってもよい。抗体を目的物質とする場合、まず当該抗体(目的物質)の抗原を含む溶液を固相(例えば、ポリスチレン製のプレート)に作用させ、抗原を固相に吸着させる。次いで、目的物質(抗体)を含む試料溶液を添加して、固相−抗原−目的物質の複合体を形成させる。次にこの複合体に、目的物質の別のエピトープに特異的に結合する標識抗体を作用させる。そして、標識抗体の酵素活性を測定することにより、目的物質を検出、定量することができる。 ELISA法は、目的物質の検出、定量のための非常に優れた方法であるが、ELISA法の実施に際して、試料中の目的物質以外の夾雑物に起因する非特異的反応により、目的物質の検出、定量が妨げられることがある。そのため、上記の例示したサンドイッチ法においては、抗原を含む溶液を固相表面に吸着させた後、固相の表面を抗原−抗体反応に関与しないタンパク質などで被覆するブロッキングと呼ばれる作業が行なわれる。 ブロッキングに使用するブロッキング剤についても多くの研究、開発がなされており、例えば、特許文献1は、非特異的反応を抑制するためにポリペプチドを使用する方法を開示する。また、特許文献2は、非特異的反応を抑制するために、還元変性アルブミンをブロッキング剤として使用する方法を開示する。 また、ELISAプレートについても多くの改良がなされ、多くの種類のプレートが販売されている。例えば、目的物質の検出感度を向上させるために、固相表面の吸着性を向上させたプレートが販売されている。しかし、プレート表面の吸着性が高くなると、ブロッキングをしたにも拘らず、標識抗体が固相やブロッキング剤に直接結合し、又は試料中の夾雑物を介して固定化され、試料中に目的物質が存在しなくても酵素活性を示すことがある。試料中の目的物質の存在量が少ない場合、相対的に夾雑物の割合が増すため、このような現象が問題となる。 近年、粘膜での免疫応答を評価するためにELISA法を用いて免疫グロブリンの一種であるIgAの検出が行なわれているが、IgAは試料中の存在量が少なく、非特異的反応の発生が問題となっている。このため、ELISA法に用いるブロッキング後のプレートにおいてこのような非特異的反応が抑制されているか否かを評価する方法が求められている。また、非特異的反応の抑制(発生)の程度は、プレートの種類やプレートとブロッキング剤との組み合わせによっても異なるため、非特異的反応の発生しにくいプレート及びプレートとブロッキング剤との組み合わせを選択するための方法が求められている。特開昭58−144748号公報特開平8−176195号公報 従って、本発明の目的は、上述した従来技術の問題点を解決し、ELISA法に用いるブロッキング後のプレートについて、非特異的反応を抑制できているか否かを評価する方法を提供することである。 上記目的は以下の本発明により達成される。すなわち、本発明は、ELISAプレートの一部のウェルを抗原でコーティングする工程、当該コーティング後のELISAプレートに、ブロッキング剤を作用させる工程、当該ブロッキング後のELISAプレートに、上記抗原と特異的に相互作用する免疫グロブリンを作用させる工程、当該免疫グロブリンを作用させたELISAプレートに、上記免疫グロブリンと特異的に相互作用する2次抗体を作用させる工程、当該2次抗体を作用させたELISAプレートに、酵素標識した3次抗体を作用させる工程、当該3次抗体を作用させたELISAプレートに、上記酵素の基質を添加し酵素反応をさせる工程及び、上記抗原をコーティングしたウェルの酵素反応の程度と抗原をコーティングしていないウェルの酵素反応の程度とを比較する工程、を包含することを特徴とするELISAプレートにおける非特異的反応の発生の程度を評価する方法を提供する。 上記評価方法においては、抗原が卵白由来アルブミン、envタンパク質、ジフテリアトキソイド又はエイズウイルスであること、ブロッキング剤がウシ血清アルブミン、カゼイン、スキムミルク又はゼラチンであること、免疫グロブリンがIgAであること、及び、上記抗原を接種したマウスの血液から得たものであること、2次抗体がビオチン標識ヤギ抗マウスIgAであること、3次抗体がアルカリフォスファターゼ標識ストレプトアビジンであること、酵素の基質がp−ニトロフェニルリン酸であること、及び、酵素反応の程度を吸光度から求めることが好ましい。 本発明によれば、ELISA法に用いるブロッキング後のプレートについて、非特異的反応の発生の程度を評価する方法が提供される。また、この評価方法を用いることにより、各種ELISAプレートの固有の非特異的反応抑制能力及びプレートとブロッキング剤との組み合わせによる非特異的反応の発生を評価することができる。 次に好ましい実施の形態を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。 なお、本発明中において「部」又は「%」とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。 本発明による評価の対象となるELISAプレートは、特に制限されず、市販の種々のELISAプレートに適用することができる。 本発明の評価方法では、まず、ELISAプレートの一部のウェルに抗原を吸着(コーティング)させる。このコーティングは、通常、抗原を含む溶液をウェルに添加することにより行なう。市販のELISAプレートは通常96個のウェルを有するので、このうちの一部に抗原を含む溶液を添加し、残りのウェルは溶液を添加しないでおく。 上記抗原は、特に制限されず、ELISA法による検出対象に応じて自由に選択することができる。このような抗原の例として、卵白由来アルブミン、envタンパク質、ジフテリアトキソイド、エイズウイルスなどを挙げることができる。これらの中でも、卵白由来アルブミンは、安全性が高く、さらに水溶性が高く取り扱いが容易で、安価に入手できるので好ましい。 次いで、抗原をコーティングしたプレートを洗浄し、他の物質がプレートに吸着しないようにブロッキングを行なう。ブロッキングは、コーティングをしたウェルとコーティングをしていないウェルの両方にブロッキング剤を含む溶液を添加することにより行なう。 ブロッキング剤は、上記抗原及び後述する免疫グロブリンと特異的な相互作用をしないものを用いる必要がある。ブロッキング剤として好適に使用される物質の例としては、ウシ血清アルブミン、カゼイン、スキムミルク、ゼラチンなどを挙げることができ、ブロッキング溶液としては、0.1〜10%ウシ血清アルブミン溶液、0.1〜1%カゼイン溶液として使用することができる。 次いで、ブロッキングをしたプレートを洗浄し、上記抗原と特異的に相互作用する免疫グロブリンを含む溶液を各ウェルに添加し、抗原に結合させる。本発明の使用に適する免疫グロブリンとしては、特に制限はなく、IgG、IgA、IgE、IgMおよびIgDなどを挙げることができる。このような免疫グロブリンは、例えば、抗原をマウスに接種し、その2〜6週間後にマウスから血液を採取し、その血液を遠心分離して得た上清を、抗原に対して特異的に相互作用するIgAを含む溶液として得ることができる。上記マウスとしては、粘膜へのIgA分泌がなく、血液のみにIgAが分泌されるという理由から、多量体免疫グロブリンレセプターノックアウトマウス(polymeric immunoglobulin receptor knockout mice)を用いることが好ましい。また、上記接種の方法としては、経鼻接種、経肺接種、注射による接種を挙げることができるが、動物愛護の観点と、実験の容易さという理由から経鼻接種によることが好ましい。 次いで、免疫グロブリンを作用させたプレートを洗浄し、2次抗体を各ウェルに作用させる。当該2次抗体は、上記免疫グロブリンと特異的に相互作用する抗免疫グロブリン抗体である必要がある。このような2次抗体としては、免疫グロブリンがIgAである場合には、例えば、ビオチン標識ヤギ抗マウスIgA、アルカリフォスファターゼ標識ヤギ抗マウスIgA、西洋わさびペルオキシダーゼ標識ヤギ抗マウスなどを挙げることができ、高感度で微量成分を測定できるという理由から、ビオチン標識ヤギ抗マウスIgAを用いることが特に好ましい。 次いで、2次抗体を作用させたプレートを洗浄し、3次抗体を各ウェルに作用させる。3次抗体は2次抗体と特異的に相互作用する物質と酵素からなり、2次抗体がビオチン標識したものであれば、ビオチンと特異的に相互作用するアビジン又はストレプトアビジンが結合したものを使用する。 また、酵素としては当業者に周知の種々の酵素を使用することができ、例えば、アルカリフォスファターゼ、西洋わさびペルオキシダーゼを挙げることができる。これらの酵素の中でも、アビジンとの反応性が高いこと、及び高感度で測定できるという理由から、アルカリフォスファターゼを使用することが好ましい。 次いで、3次抗体を作用させたプレートを洗浄し、3次抗体を構成する酵素の基質を各ウェルに添加し、酵素反応をさせる。上記基質は、上記3次抗体を構成する酵素の基質である必要があり、このような酵素と基質の組み合わせとしては、アルカリフォスファターゼとp−ニトロフェニルリン酸、西洋わさびペルオキシダーゼとトリメチルベンジジン、西洋わさびペルオキシダーゼとオルトフェニレンジアミンなどの組み合わせを挙げることができ、人体への安全性、取り扱いやすさの点から、アルカリフォスファターゼとp−ニトロフェニルリン酸の組み合わせを使用することが好ましい。 酵素と基質とを反応させた後、上記抗原をコーティングしたウェルの酵素反応の程度と抗原をコーティングしていないウェルの酵素反応の程度とを比較する。この酵素反応は、酵素と基質の組み合わせに依存して、蛍光、吸光度、放射能などを測定することにより検出することができる。検出の簡便性、安全性及び経済性などから、吸光度の評価をするものであることが好ましい。 上記酵素反応終了後、抗原をコーティングしたウェルの酵素反応の程度と、抗原をコーティングしていないウェルの酵素反応の程度とを比較することによって、当該ELISAプレートにおける非特異的反応の発生の程度を評価することができる。具体的には、抗原をコーティングしたウェルの酵素反応の程度が有意に高く、抗原をコーティングしていないウェルの酵素反応の程度がゼロに近いほど低い場合、そのELISAプレートにおいて、非特異的反応がほとんど発生していないと判断することができる。 本発明の方法において酵素反応の程度を、ウェル中の溶液の吸光度で判断する場合、ELISA法を実際に実施する際、分析対象物中の標的物質の存在を確実に検出するために、抗原をコーティングしたウェルの吸光度が0.1以上2.0未満となるものについて本発明の評価方法を適用することが好ましく、0.5以上2.0未満となるものを用いることがより好ましく、1.0以上1.5未満となるものを用いることがさらに好ましい。吸光度が0.1未満の場合、陰性コントロールとの吸光度の差が小さくなり、測定誤差が大きくなるという点で好ましくなく、吸光度が2.0以上となる場合、吸光度が飽和し測定誤差を生じ得るという点で問題がある。 抗原をコーティングしたウェルの吸光度が0.1以上2.0未満となる場合に、抗原をコーティングしていないウェルの吸光度が十分に低い場合、そのプレートでは、非特異的反応はほとんど発生しないと判断することができる。非特異的反応がほとんど発生していないと判断できる吸光度の基準の例としては、抗原をコーティングをしていないウェルの吸光度が0.1未満であり、かつ抗原をコーティングしたウェルの吸光度がコーティングをしていないウェルの3倍以上であるという条件が挙げられる。 以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。[実施例1] 粘膜免疫アジュバントとして定評のある、コレラ毒素(以下、CTと略す。)を1×PBSで2mg/mLに調製したCT溶液1部に対して抗原として0.25%OVA(卵白由来アルブミン)2部を加え、ピペッティングにより十分に混合し、CT−OVA混合液を調製した。 当該CT−OVA混合液3μLを、ジエチルエーテルで麻酔した6週齢、雌の多量体免疫グロブリンレセプターノックアウトマウス5匹に経鼻接種した。この経鼻接種の日から1週間おきに計3回、上記混合液3μLを経鼻接種した。この3回目の経鼻接種の日を第0週として、その後、ジエチルエーテルで麻酔を掛け、尾静脈から採血し血液サンプルを得た。 次いで、血液サンプルを、室温にて15,000r.p.m.で15分間遠心分離し、その上清を再度同じ条件で遠心分離して得た上清を、血清サンプルとした。当該サンプルは、使用するまで−30℃で冷凍保存した。 ELISA法を用いて上記血清サンプルの吸光度を測定し、この値をIgA抗体価(免疫グロブリンの抗体価)としてプレートの評価を行った。当該評価は以下の手順で行った。 (コーティング) OVA抗原(生化学工業株式会社製)をコーティングバッファー(精製水1LにNa2CO3:1.6g、NaHCO3:2.82g、NaN3:0.1gを含む;pH9.0)で5μg/mLとなるようにしてOVA抗原溶液を調製し、この溶液を96穴ELISAプレート(住友ベークライト株式会社、SUMILON ELISAプレート S MS−8496F)の左半面の48穴に、1穴あたり100μLずつ分注し、4℃で一晩静置して抗原を結合(コーティング)させた。この際、プレート表面にプレートシールを貼って溶液の乾燥を防いだ。 (ブロッキング) 上記コーティング終了後、プレートからコーティングバッファーを廃棄し、次いでブロッキングバッファー(10×ダルベッコPBS:100mLにアルブミン(Fr.V):10g、NaN3:1gを加えて、精製水で1Lとしたもの)をプレートの全穴に200μLずつ分注し、1時間放置した。 (免疫グロブリンの適用) 免疫グロブリンの抗体価の高低にかかわらず非特異的反応の発生を検出・判定するために、抗体価の高いサンプル(サンプルH)及び低いサンプル(サンプルL)について、実験を行った。具体的には、ELISAプレートとは別にU底プレートを用意し、血清サンプルをブロッキングバッファーを用いて40倍に希釈した。抗原をコーティングしたプレートにおいて、血清サンプルのIgA抗体価を予備的に測定し、吸光度が0.8以上のサンプルをサンプルH、吸光度が0.1以上0.4未満のサンプルをサンプルLとし、両方のサンプルを用いてプレートの評価を行った。 1時間経過後、プレートからブロッキングバッファーを廃棄し、上記の手順で調製した血清サンプルH及びLをプレートの左右に同じように1穴あたり100μLずつ分注して37℃で1時間インキュベートした。この際、プレート表面にプレートシールを貼って溶液の乾燥を防いだ。 インキュベート終了後溶液を廃棄し、ELISAプレート洗浄機(バイオテック社、MW−96F)を用いて、洗浄液(1×PBS、0.2%Tween20)を1穴あたり400μL分注後、廃棄することを4回繰り返してプレートを洗浄した。 (2次抗体の適用) 2次抗体として、ビオチン標識ヤギ抗マウスIgA(KPL社)を希釈液(1×PBS、0.2%Tween20)で1,000倍に希釈したものを、1穴あたり100μLずつ分注して37℃で1時間インキュベートした。この際、プレート表面にプレートシールを貼って溶液の乾燥を防いだ。 インキュベート終了後溶液を廃棄し、洗浄液(1×PBS、0.2%Tween20)を1穴あたり400μLずつ分注後、廃棄することを4回繰り返してプレートを洗浄した。 (3次抗体の適用) 3次抗体として、アルカリフォスファターゼ標識ストレプトアビジン(インビトロジェン社)を希釈液(1×PBS、0.2%Tween20)で2,000倍に希釈し、これを1穴あたり100μLずつ分注して37℃で1時間インキュベートした。この際、プレート表面にプレートシールを貼って溶液の乾燥を防いだ。インキュベート終了後、ELISAプレートから溶液を廃棄し、次いで、洗浄液(1×PBS、0.2%Tween20)を1穴あたり400μLずつ分注後、廃棄することを4回繰り返してプレートを洗浄した。 (酵素反応) フォスファターゼ用発色基質p−ニトロフェニルリン酸(KPL社)の1粒を発色基質用緩衝液(ジエタノールアミン:0.97mL、MgCl2・6H2O:0.1g、NaN3:0.1gに精製水を加えて1Lとしたもの、pH9.8)5mLに溶解して発色液を調製し、この溶液を1穴あたり100μLずつ分注して37℃で1時間インキュベートした。この際、プレート表面にプレートシールを貼って溶液の乾燥を防いだ。 (非特異的反応の評価) 1時間後反応停止液として1N NaOHを各穴に50μLずつ分注して反応を止め、波長405nm及び630nmで各穴の吸光度を測定し、メインの吸収を405nmで測定し、リファレンスを630nmで測定した。なお、吸光度の測定には、ELISA用プレートリーダー Multiskan EX(Thermo Labsystems社)を使用した。 OVA抗原をコーティングしたウェルとOVA抗原をコーティングしていないウェルにおけるサンプルH及びL(以下「サンプル」と略すことがある。)の吸光度を求め、抗原をコーティングしていないウェルの吸光度が0.1未満であり、かつ抗原をコーティングしたウェルの吸光度がコーティングしていないウェルの吸光度の3倍以上である、という条件をサンプルH及びLの両方が満たすプレートをA、サンプルH又はLのいずれかが満たすプレートをB、サンプルH及びLのいずれもが満たさないプレートをCとして、ELISAプレートにおける非特異的反応の発生の程度を評価した。その結果を表1に示す。なお、本実験に用いたいずれのウェルも、抗原をコーティングしたウェルの吸光度が0.1以上2.0未満となるという条件を満たす。[実施例2] ELISAプレートとしてヌンクマキシソープイムノプレート 442404 96穴(ナルジェヌンク社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順及び方法でサンプルを調製し、実施例1と同様の測定を行った。吸光度の測定結果と評価の結果を表1に示す。[実施例3] ELISAプレートとしてヌンクイムノプレート 468667 96穴(ナルジェヌンク社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順及び方法でサンプルを調製し、実施例1と同様の測定を行った。吸光度の測定結果と評価の結果を表1に示す。[実施例4] ELISAプレートとしてヌンクCOVALENT BINDING 96穴(ナルジェヌンク社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順及び方法でサンプルを調製し、実施例1と同様の測定を行った。吸光度の測定結果と評価の結果を表1に示す。[実施例5] ELISAプレートとしてヌンク ポリソープイムノプレート 475094 96穴(ナルジェヌンク社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順及び方法でサンプルを調製し、実施例1と同様の測定を行った。吸光度の測定結果と評価の結果を表1に示す。[実施例6] ELISAプレートとしてヌンク 446140 96穴(ナルジェヌンク社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順及び方法でサンプルを調製し、実施例1と同様の測定を行った。吸光度の測定結果と評価の結果を表1に示す。[実施例7] ELISAプレートとしてFALCON アッセイプレート 353915 96穴(日本ベクトン・ディッキンソン株式会社)を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順及び方法でサンプルを調製し、実施例1と同様の測定を行った。吸光度の測定結果と評価の結果を表1に示す。[実施例8] ELISAプレートとしてIWAKIアッセイプレート 3881−096 96穴(岩城硝子株式会社)を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順及び方法でサンプルを調製し、実施例1と同様の測定を行った。吸光度の測定結果と評価の結果を表1に示す。[実施例9] ELISAプレートとしてIWAKIエライサプレート 3801−096 96穴(岩城硝子株式会社)を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順及び方法でサンプルを調製し、実施例1と同様の測定を行った。吸光度の測定結果と評価の結果を表1に示す。[実施例10] ELISAプレートとしてSUMILON ELISAプレート H MS−8596F 96穴(住友ベークライト株式会社)を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順及び方法でサンプルを調製し、実施例1と同様の測定を行った。吸光度の測定結果と評価の結果を表1に示す。[実施例11] ELISAプレートとしてSUMILON ELISAプレート H検定書付 MS−8896F 96穴(住友ベークライト株式会社)を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順及び方法でサンプルを調製し、実施例1と同様の測定を行った。吸光度の測定結果と評価の結果を表1に示す。[実施例12] ELISAプレートとしてCostar 3690 A/2 96穴(コーニング社)を使用し、実験に使用した各溶液の量を実施例1の半分とし、血清サンプルをブロッキングバッファーで80倍に希釈して用いたこと以外は、実施例1と同様の手順及び方法でサンプルを調製し、実施例1と同様の測定を行った。すなわち、OVA抗原溶液:50μL、ブロッキングバッファー:100μL、試料溶液:50μL、洗浄液:200μL、2次抗体溶液:50μL、3次抗体溶液:50μL、発色液:50μLとした。ただし、反応停止液は実施例1と同じ50μLとした。吸光度の測定結果と評価の結果を表1に示す。[実施例13] ブロッキングバッファーとして、10×ダルベッコPBS:100mL、アルブミン(Fr.V):50g及びNaN3:1gに精製水を加え1Lにメスアップしたものを使用したこと以外は、実施例1と同様の手順及び方法でサンプルを調製し、その吸光度を測定した。吸光度の測定結果と評価の結果を表1に示す。[実施例14] ELISAプレートとしてヌンクマキシソープイムノプレート 442404 96穴(ナルジェヌンク社製)を用いたこと以外は、実施例13と同様の手順及び方法でサンプルを調製し、実施例13と同様の測定を行った。吸光度の測定結果と評価の結果を表1に示す。[実施例15] ELISAプレートとしてヌンクイムノプレート 468667 96穴(ナルジェヌンク社製)を用いたこと以外は、実施例13と同様の手順及び方法でサンプルを調製し、実施例13と同様の測定を行った。吸光度の測定結果と評価の結果を表1に示す。[実施例16] ELISAプレートとしてヌンクCOVALENT BINDING 96穴(ナルジェヌンク社製)を用いたこと以外は、実施例13と同様の手順及び方法でサンプルを調製し、実施例13と同様の測定を行った。吸光度の測定結果と評価の結果を表1に示す。[実施例17] ELISAプレートとしてヌンクポリソープイムノプレート 475094 96穴(ナルジェヌンク社製)を用いたこと以外は、実施例13と同様の手順及び方法でサンプルを調製し、実施例13と同様の測定を行った。吸光度の測定結果と評価の結果を表1に示す。[実施例18] ELISAプレートとしてヌンク446140 96穴(ナルジェヌンク社製)を用いたこと以外は、実施例13と同様の手順及び方法でサンプルを調製し、実施例13と同様の測定を行った。吸光度の測定結果と評価の結果を表1に示す。[実施例19] ELISAプレートとしてFALCON アッセイプレート 353915 96穴(日本ベクトン・ディッキンソン株式会社)を用いたこと以外は、実施例13と同様の手順及び方法でサンプルを調製し、実施例13と同様の測定を行った。吸光度の測定結果と評価の結果を表1に示す。[実施例20] ELISAプレートとしてIWAKIアッセイプレート 3881−096 96穴(岩城硝子株式会社)を用いたこと以外は、実施例13と同様の手順及び方法でサンプルを調製し、実施例13と同様の測定を行った。吸光度の測定結果と評価の結果を表1に示す。[実施例21] ELISAプレートとしてIWAKIエライサプレート 3801−096 96穴(岩城硝子株式会社)を用いたこと以外は、実施例13と同様の手順及び方法でサンプルを調製し、実施例13と同様の測定を行った。吸光度の測定結果と評価の結果を表1に示す。[実施例22] ELISAプレートとしてSUMILON ELISAプレート H MS−8596F 96穴(住友ベークライト株式会社)を用いたこと以外は、実施例13と同様の手順及び方法でサンプルを調製し、実施例13と同様の測定を行った。吸光度の測定結果と評価の結果を表1に示す。[実施例23] ELISAプレートとしてSUMILON ELISAプレート H検定書付 MS−8896F 96穴(住友ベークライト株式会社)を用いたこと以外は、実施例13と同様の手順及び方法でサンプルを調製し、実施例13と同様の測定を行った。吸光度の測定結果と評価の結果を表1に示す。[実施例24] ELISAプレートとしてCostar 3690 A/2 96穴(コーニング社)を用い、OVA抗原溶液及びブロッキングバッファーの使用量を実施例13の半分のそれぞれ、50μL及び100μLとし、血清サンプルをブロッキングバッファーで80倍に希釈して用いたこと以外は、実施例13と同様の手順及び方法でサンプルを調製し、実施例13と同様の測定を行った。吸光度の測定結果と評価の結果を表1に示す。[実施例25] ブロッキングバッファーとして、10×ダルベッコPBS:100mL及びカゼイン:2gに精製水を加えて、1Lにメスアップしたものを使用したこと以外は、実施例1と同様の手順及び方法でサンプルを調製し、実施例1と同様の測定を行った。吸光度の測定結果と評価の結果を表1に示す。[実施例26] ELISAプレートとしてヌンクマキシソープイムノプレート 442404 96穴(ナルジェヌンク社製)を用いたこと以外は、実施例25と同様の手順及び方法でサンプルを調製し、実施例25と同様の測定を行った。吸光度の測定結果と評価の結果を表1に示す。[実施例27] ELISAプレートとしてヌンクイムノプレート 468667 96穴(ナルジェヌンク社製)を用いたこと以外は、実施例25と同様の手順及び方法でサンプルを調製し、実施例25と同様の測定を行った。吸光度の測定結果と評価の結果を表1に示す。[実施例28] ELISAプレートとしてヌンク COVALENT BINDING 96穴(ナルジェヌンク社製)を用いたこと以外は、実施例25と同様の手順及び方法でサンプルを調製し、実施例25と同様の測定を行った。吸光度の測定結果と評価の結果を表1に示す。[実施例29] ELISAプレートとしてヌンクポリソープイムノプレート 475094 96穴(ナルジェヌンク社製)を用いたこと以外は、実施例25と同様の手順及び方法でサンプルを調製し、実施例25と同様の測定を行った。吸光度の測定結果と評価の結果を表1に示す。[実施例30] ELISAプレートとしてヌンク 446140 96穴(ナルジェヌンク社製)を用いたこと以外は、実施例25と同様の手順及び方法でサンプルを調製し、実施例25と同様の測定を行った。吸光度の測定結果と評価の結果を表1に示す。[実施例31] ELISAプレートとしてFALCON アッセイプレート 353915 96穴(日本ベクトン・ディッキンソン株式会社)を用いたこと以外は、実施例25と同様の手順及び方法でサンプルを調製し、実施例25と同様の測定を行った。吸光度の測定結果と評価の結果を表1に示す。[実施例32] ELISAプレートとしてIWAKIアッセイプレート 3881−096 96穴(岩城硝子株式会社)を用いたこと以外は、実施例25と同様の手順及び方法でサンプルを調製し、実施例25と同様の測定を行った。吸光度の測定結果と評価の結果を表1に示す。[実施例33] ELISAプレートとしてIWAKIエライサプレート 3801−096 96穴(岩城硝子株式会社)を用いたこと以外は、実施例25と同様の手順及び方法でサンプルを調製し、実施例25と同様の測定を行った。吸光度の測定結果と評価の結果を表1に示す。[実施例34] ELISAプレートとしてSUMILON ELISAプレート H MS−8596F 96穴(住友ベークライト株式会社)を用いたこと以外は、実施例25と同様の手順及び方法でサンプルを調製し、実施例25と同様の測定を行った。吸光度の測定結果と評価の結果を表1に示す。[実施例35] ELISAプレートとしてSUMILON ELISAプレート H検定書付 MS−8896F 96穴(住友ベークライト株式会社)を用いたこと以外は、実施例25と同様の手順及び方法でサンプルを調製し、実施例25と同様の測定を行った。吸光度の測定結果と評価の結果を表1に示す。[実施例36] ELISAプレートとしてCostar 3690 A/2 96穴(コーニング社)を用い、OVA抗原溶液及びブロッキングバッファーの使用量を実施例25の半分のそれぞれ、50μL及び100μLとし、血清サンプルをブロッキングバッファーで80倍に希釈して用いたこと以外は、実施例25と同様の手順及び方法でサンプルを調製し、実施例25と同様の測定を行った。吸光度の測定結果と評価の結果を表1に示す。 上記の表から、同一のプレートを使用しても、ブロッキング条件を変えることにより、非特異的反応の発生の程度が異なる場合があることがわかる(例えば、実施例9、21、33を参照のこと)。 また、実施例1、13、25で使用したSUMILON ELISAプレート S MS−8496F(住友ベークライト株式会社)はいずれのブロッキング条件でも非特異的反応の発生の程度が少なく、本発明の方法による評価の結果から、血清サンプル中のIgAなどの微量な試料の測定に好適に使用できることが示唆される。 本発明によれば、ELISA法に用いるブロッキング後のプレートについて、非特異的反応が発生する程度を評価する方法が提供される。また、この評価方法を用いることにより、各種ELISAプレートの固有の非特異的反応抑制能力、ブロッキング剤に依存して発生する非特異的反応の発生の程度を評価することができる。 ELISAプレートの一部のウェルを抗原でコーティングする工程; 該コーティング後のELISAプレートに、ブロッキング剤を作用させる工程; 該ブロッキング後のELISAプレートに、上記抗原と特異的に相互作用する免疫グロブリンを作用させる工程; 該免疫グロブリンを作用させたELISAプレートに、上記免疫グロブリンと特異的に相互作用する2次抗体を作用させる工程; 該2次抗体を作用させたELISAプレートに、酵素標識した3次抗体を作用させる工程; 該3次抗体を作用させたELISAプレートに、上記酵素の基質を添加し酵素反応をさせる工程;及び、 上記抗原をコーティングしたウェルの酵素反応の程度と抗原をコーティングしていないウェルの酵素反応の程度とを比較する工程、 を包含することを特徴とするELISAプレートにおける非特異的反応の発生の程度を評価する方法。 上記抗原が、卵白由来アルブミン、envタンパク質、ジフテリアトキソイド又はエイズウイルスである請求項1に記載の評価方法。 上記ブロッキング剤が、ウシ血清アルブミン、カゼイン、スキムミルク又はゼラチンである請求項1に記載の評価方法。 上記免疫グロブリンが、IgAである請求項1に記載の評価方法。 上記免疫グロブリンが、上記抗原を接種したマウスの血液から得たものである請求項1に記載の評価方法。 上記2次抗体が、ビオチン標識ヤギ抗マウスIgAである請求項1に記載の評価方法。 上記3次抗体が、アルカリフォスファターゼ標識ストレプトアビジンである請求項1に記載の評価方法。 上記酵素の基質が、p−ニトロフェニルリン酸である請求項1に記載の評価方法。 上記酵素反応の程度を、吸光度から求める請求項1に記載の評価方法。 【課題】ELISA法に用いるブロッキング後のプレートについて、非特異的反応の発生の程度を評価する方法を提供すること。【解決手段】ELISAプレートの一部のウェルを抗原でコーティングする工程、ブロッキング剤を作用させる工程、上記抗原と特異的に相互作用する免疫グロブリンを作用させる工程、上記免疫グロブリンと特異的に相互作用する2次抗体を作用させる工程、酵素標識した3次抗体を作用させる工程、上記酵素の基質を添加し酵素反応をさせる工程、及び、上記抗原をコーティングしたウェルの酵素反応の程度と抗原をコーティングしていないウェルの酵素反応の程度とを比較する工程、を包含することを特徴とするELISAプレートにおける非特異的反応の発生の程度を評価する方法。【選択図】なし


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