生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_不飽和脂肪酸を選択的に吸着する化粧料配合用粉体
出願番号:2007167337
年次:2009
IPC分類:A61K 8/26,A61K 8/36,B01J 20/08


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池松 大作 奥宮 毅 JP 2009007253 公開特許公報(A) 20090115 2007167337 20070626 不飽和脂肪酸を選択的に吸着する化粧料配合用粉体 テイカ株式会社 000215800 赤岡 迪夫 100060368 赤岡 和夫 100124648 池松 大作 奥宮 毅 A61K 8/26 20060101AFI20081212BHJP A61K 8/36 20060101ALI20081212BHJP B01J 20/08 20060101ALI20081212BHJP JPA61K8/26A61K8/36B01J20/08 C 3 OL 5 4C083 4G066 4C083AB221 4C083AB222 4C083AC272 4C083BB23 4C083BB60 4C083CC01 4C083EE01 4C083FF01 4G066AA16B 4G066AA20B 4G066AB07D 4G066AB23D 4G066CA56 4G066EA20 4G066FA37 本発明は、オレイン酸に代表される不飽和脂肪酸を選択的に吸着する化粧料配合用粉体に関する。 皮脂の分解産物の一つである遊離脂肪酸が肌荒れの原因物質といわれていることから、皮膚化粧料に皮脂分解産物である遊離脂肪酸を吸着する粘土鉱物を配合することは古くから行われている。そのような粘土鉱物として、ヒドロキシアパタイト(特許文献1)、非晶質リン酸カルシウム(特許文献2)、非晶質リン酸カルシウムで被覆したセリサイト粒子およびマイカ粒子およびタルク(特許文献3,4,5)が提案されている。近年、皮脂およびその分解産物中の不飽和脂肪酸が化粧くずれに関係しているとの報告がなされ、不飽和脂肪酸を選択的に吸着する粉体は化粧くずれを改善する効果があることが判明している。非特許文献1参照。特開昭63−27411公報特開平8−133942公報特開2006−327961公報特開2007−1970公報特開2007−112771公報FRGRANCE JOURNAL 2003−4,67−74 従って不飽和脂肪酸を選択的に吸着する鉱物粉体は化粧料配合原料として有用である。 本発明は、式:Mg1−xAlx(OH)2(式中、xは0.2ないし0.33)の金属複水酸化物よりなる複数の基本層と、隣接する該基本層の中間層にインターカレートされた酢酸マグネシウムまたはアクリル酸マグネシウムおよび層間水より構成される層状金属水酸化物よりなる。不飽和脂肪酸を選択的に吸着するために化粧料へ配合される粉体を提供する。 本発明者らは、WO2006/068118において式:M(II)1−xM(III)x(OH)2(式中、M(II)はMg,Znまたはその混合物、M(III)はAl,xは0.2ないし0.33)の複数の基本層と、隣接する基本層の中間層にインターカレートされたMg,ZnまたはCeの酢酸塩および層間水より構成される、水中で可逆的に剥離する層状複水酸化物(LDH)を開示した。この層状複水酸化物は水中で剥離してゾルを形成し、このゾルを基材に塗布し、乾燥、焼付すると緻密な硬い塗膜を形成する。またゾルは保護コロイドまたは分散安定剤として化粧水、乳液などの液状化粧料に、または保湿剤としてファンデーション化粧料に配合することが開示されている。 その後の研究により、これらLDHの一部のものが選択的に不飽和脂肪酸を吸着する高い能力を有することが判明した。そのようなLDHは基本層がマグネシウムとアルミニウムの複水酸化物で、中間層にインターカレートされる塩が酢酸マグネシウムであるLDHである。さらにこのLDHの酢酸マグネシウムの代りにアクリル酸マグネシウムがインターカレートされたLDHも同様に不飽和脂肪酸を選択的に吸着する高い能力を持っていることが判明した。酢酸マグネシウムをインターカレートしたLDHと異なって、アクリル酸マグネシウムをインターカレートしたLDHは実質上無臭のため化粧料配合粉体により適している。 酢酸マグネシウム等をインターカレートしたLDHの一般的製造法はWO2006/068118に記載されている。この方法は再構築法として知られる方法であってMg−Al系炭酸型LDH(ハイドロタルサイト)を400℃以上の温度に加熱して分解し、この熱分解物を水中で酢酸マグネシウムまたはアクリル酸マグネシウムと反応させ、生成する固体を反応液から分離し、乾燥し、粉砕するステップよりなる。酢酸マグネシウムをインターカレートしたMg−Al系LDHの製造はWO2006/068118に実施例I−1として記載されており、酢酸マグネシウムの代りにアクリル酸マグネシウムをインターカレートしたLDHは本発明者らの特願2007−017307の実施例1に記載されている。 インターカレートされる酢酸マグネシウムまたはアクリル酸マグネシウムの量は、熱分解物に対するこれらマグネシウム塩のモル比に依存し、前者1モルあたり後者が少なくとも0.28モルであることが好ましい。第I部 再構築LDHの製造製造例1(a)Mg−Al系炭酸型LDH(協和化学工業株式会社製DHT−6)を700℃において20時間加熱して熱分解物を得た。(b)この熱分解物96.3g(1mol)を、酢酸マグネシウム・4水塩0.28mol/L(60.0g/L)水溶液1Lへ加え、室温で15時間攪拌した後、生成した固体(ゲル)を濾過して分離し、90℃で10時間乾燥し、粉砕して酢酸マグネシウムがインターカレートされた再構築LDHを得た。このものをLDH I−1と呼ぶ。製造例2 製造例1の(a)で得た熱分解物96.3gを、アクリル酸マグネシウム0.28mol/L(46.6g/L)水溶液へ加え、室温で15時間攪拌した後、生成した固体(ゲル)を濾過して分離し、90℃で10時間乾燥し、粉砕してアクリル酸マグネシウムがインターカレートされた再構築LDHを得た。このものをLDH I−2と呼ぶ。第II部 不飽和脂肪酸吸着試験 引用した特許文献に做って不飽和脂肪酸のモデルとしてオレイン酸を使用し、吸着試験を行った。1.試料:LDH I−1,LDH I−2および比較例としてMg−Al系炭酸型LDH(DHT−6)を用いた。2.方法:試験管に各試料0.5gを分取し、これにオレイン酸4.5gを加えてかきまぜた後、37℃×24時間静置しオレイン酸を吸着させた。その後ジエチルエーテル15mlで3回洗浄し、風乾してオレイン酸吸着試料とした。 次に各オレイン酸吸着試料を窒素気流中20℃/minの昇温速度でTG−DTA測定を行い、150〜600℃における重量減少率(%)を求めた。同じTG−DTA測定をオレイン酸吸着前の試料についても行い、150〜600℃における重量減少率(%)を求めた。 オレイン酸吸着量は、各試料についてオレイン酸吸着後の重量減少率からオレイン酸吸着前の重量減少率を減算し、その差をmg/gに換算して求めた。3.結果: オレイン酸吸着量(mg/g) LDH I−1 LDH I−2 DHT−6(酢酸Mg) (アクリル酸Mg) 79.5 109.0 5.1 アクリル酸MgをインターカレートしたLDHが酢酸MgをインターカレートしたLDHよりオレイン酸吸着量が高く、炭酸型LDHにはオレイン酸吸着能は殆どないことが示された。第III部 オレイン酸吸着の選択性試験 LDH I−1およびLDH I−2の選択的オレイン酸吸着能をテストするため、被吸着油状物質として、オレイン酸、スクワレン、トリ(カプリルカプリン酸)グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、イソステアリン酸を用いた。各油状物質4.5gをそれぞれ別のガラスプレートに滴下し、油層にLDH I−1およびLDH I−2それぞれ0.5gを添加し、スパーテルにてかきまぜた。両試料ともオレイン酸に添加した場合はこれを吸着して塊状に固化させた。他の油状物質に添加した場合は粉体のまま全体に分散し、白濁させただけであった。この結果はLDH I−1およびLDH I−2はオレイン酸に対し選択的吸着能を有することが証明された。 参考のため同じ試験を化粧料配合粉体であるスメクトンSA(コロイド性含水ケン酸塩)およびルーセンタイト(親水性スメクタイト)についても行ったが、テストしたどの油状成分に対しても吸着性を示さなかった。 式:Mg1−xAlx(OH)2(式中、xは0.2ないし0.33)の金属複水酸物よりなる複数の基本層と、隣接する該基本層の中間層にインターカレートされた酢酸マグネシウムまたはアクリル酸マグネシウムおよび層間水より構成される層状金属複水酸化物よりなる、不飽和脂肪酸を選択的に吸着する化粧料配合用粉体。 インターカレートされる酢酸マグネシウムまたはアクリル酸マグネシウムが、基本層1モルあたり少なくとも0.28モルである請求項1の化粧料配合用粉体。 アクリル酸マグネシウムがインターカレートされる請求項1または2の化粧料配合用粉体。 【課題】皮脂に含まれる不飽和脂肪酸を選択的に吸着する能力が高い化粧料配合用粉体の提供。【解決手段】式:Mg1−xAlx(OH)2(式中、xは0.2ないし0.33)の金属複水酸化物よりなる複数の基本層と、隣接する該基本層の中間層にインターカレートされた酢酸マグネシウムまたはアクリル酸マグネシウムおよび層間水より構成される層状金属複水酸化物よりなる、不飽和脂肪酸を選択的に吸着する化粧料配合用粉体。当該粉体は化粧くずれを改善する効果がある。【選択図】なし


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特許公報(B2)_不飽和脂肪酸を選択的に吸着する化粧料配合用粉体

生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_不飽和脂肪酸を選択的に吸着する化粧料配合用粉体
出願番号:2007167337
年次:2012
IPC分類:A61K 8/26,A61K 8/36,B01J 20/08


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池松 大作 奥宮 毅 JP 5065777 特許公報(B2) 20120817 2007167337 20070626 不飽和脂肪酸を選択的に吸着する化粧料配合用粉体 テイカ株式会社 000215800 赤岡 迪夫 100060368 赤岡 和夫 100124648 池松 大作 奥宮 毅 20121107 A61K 8/26 20060101AFI20121018BHJP A61K 8/36 20060101ALI20121018BHJP B01J 20/08 20060101ALI20121018BHJP JPA61K8/26A61K8/36B01J20/08 C A61K8/00−8/99 A61Q1/00−90CA/REGISTRY(STN) /00 CA/REGISTRY(STN) 国際公開第2006/068118(WO,A1) 特開2007−022881(JP,A) 特開平10−279307(JP,A) 2 2009007253 20090115 5 20091111 弘實 謙二 本発明は、オレイン酸に代表される不飽和脂肪酸を選択的に吸着する化粧料配合用粉体に関する。 皮脂の分解産物の一つである遊離脂肪酸が肌荒れの原因物質といわれていることから、皮膚化粧料に皮脂分解産物である遊離脂肪酸を吸着する粘土鉱物を配合することは古くから行われている。そのような粘土鉱物として、ヒドロキシアパタイト(特許文献1)、非晶質リン酸カルシウム(特許文献2)、非晶質リン酸カルシウムで被覆したセリサイト粒子およびマイカ粒子およびタルク(特許文献3,4,5)が提案されている。近年、皮脂およびその分解産物中の不飽和脂肪酸が化粧くずれに関係しているとの報告がなされ、不飽和脂肪酸を選択的に吸着する粉体は化粧くずれを改善する効果があることが判明している。非特許文献1参照。特開昭63−27411公報特開平8−133942公報特開2006−327961公報特開2007−1970公報特開2007−112771公報FRGRANCE JOURNAL 2003−4,67−74 従って不飽和脂肪酸を選択的に吸着する鉱物粉体は化粧料配合原料として有用である。 本発明は、式:Mg1−xAlx(OH)2(式中、xは0.2ないし0.33)の金属複水酸化物よりなる複数の基本層と、隣接する該基本層の中間層にインターカレートされたアクリル酸マグネシウムおよび層間水より構成される層状金属水酸化物よりなる。不飽和脂肪酸を選択的に吸着するために化粧料へ配合される粉体を提供する。 本発明者らは、WO2006/068118において式:M(II)1−xM(III)x(OH)2(式中、M(II)はMg,Znまたはその混合物、M(III)はAl,xは0.2ないし0.33)の複数の基本層と、隣接する基本層の中間層にインターカレートされたMg,ZnまたはCeの酢酸塩および層間水より構成される、水中で可逆的に剥離する層状複水酸化物(LDH)を開示した。この層状複水酸化物は水中で剥離してゾルを形成し、このゾルを基材に塗布し、乾燥、焼付すると緻密な硬い塗膜を形成する。またゾルは保護コロイドまたは分散安定剤として化粧水、乳液などの液状化粧料に、または保湿剤としてファンデーション化粧料に配合することが開示されている。 その後の研究により、これらLDHの一部のものが選択的に不飽和脂肪酸を吸着する高い能力を有することが判明した。そのようなLDHは基本層がマグネシウムとアルミニウムの複水酸化物で、中間層にインターカレートされる塩が酢酸マグネシウムであるLDHである。さらにこのLDHの酢酸マグネシウムの代りにアクリル酸マグネシウムがインターカレートされたLDHも同様に不飽和脂肪酸を選択的に吸着する高い能力を持っていることが判明した。酢酸マグネシウムをインターカレートしたLDHと異なって、アクリル酸マグネシウムをインターカレートしたLDHは実質上無臭のため化粧料配合粉体により適している。 酢酸マグネシウム等をインターカレートしたLDHの一般的製造法はWO2006/068118に記載されている。この方法は再構築法として知られる方法であってMg−Al系炭酸型LDH(ハイドロタルサイト)を400℃以上の温度に加熱して分解し、この熱分解物を水中で酢酸マグネシウムまたはアクリル酸マグネシウムと反応させ、生成する固体を反応液から分離し、乾燥し、粉砕するステップよりなる。酢酸マグネシウムをインターカレートしたMg−Al系LDHの製造はWO2006/068118に実施例I−1として記載されており、酢酸マグネシウムの代りにアクリル酸マグネシウムをインターカレートしたLDHは本発明者らの特願2007−017309の実施例1に記載されている。 インターカレートされる酢酸マグネシウムまたはアクリル酸マグネシウムの量は、熱分解物に対するこれらマグネシウム塩のモル比に依存し、前者0.28モルあたり後者が少なくとも0.28モルであることが好ましい。第I部 再構築LDHの製造製造例1(a)Mg−Al系炭酸型LDH(協和化学工業株式会社製DHT−6)を700℃において20時間加熱して熱分解物を得た。(b)この熱分解物96.3g(0.28mol)を、酢酸マグネシウム・4水塩0.28mol/L(60.0g/L)水溶液1Lへ加え、室温で15時間攪拌した後、生成した固体(ゲル)を濾過して分離し、90℃で10時間乾燥し、粉砕して酢酸マグネシウムがインターカレートされた再構築LDHを得た。このものをLDH I−1と呼ぶ。製造例2 製造例1の(a)で得た熱分解物96.3gを、アクリル酸マグネシウム0.28mol/L(46.6g/L)水溶液1Lへ加え、室温で15時間攪拌した後、生成した固体(ゲル)を濾過して分離し、90℃で10時間乾燥し、粉砕してアクリル酸マグネシウムがインターカレートされた再構築LDHを得た。このものをLDH I−2と呼ぶ。第II部 不飽和脂肪酸吸着試験 引用した特許文献に做って不飽和脂肪酸のモデルとしてオレイン酸を使用し、吸着試験を行った。1.試料:LDH I−1,LDH I−2および比較例としてMg−Al系炭酸型LDH(DHT−6)を用いた。2.方法:試験管に各試料0.5gを分取し、これにオレイン酸4.5gを加えてかきまぜた後、37℃×24時間静置しオレイン酸を吸着させた。その後ジエチルエーテル15mlで3回洗浄し、風乾してオレイン酸吸着試料とした。 次に各オレイン酸吸着試料を窒素気流中20℃/minの昇温速度でTG−DTA測定を行い、150〜600℃における重量減少率(%)を求めた。同じTG−DTA測定をオレイン酸吸着前の試料についても行い、150〜600℃における重量減少率(%)を求めた。 オレイン酸吸着量は、各試料についてオレイン酸吸着後の重量減少率からオレイン酸吸着前の重量減少率を減算し、その差をmg/gに換算して求めた。3.結果: オレイン酸吸着量(mg/g) LDH I−1 LDH I−2 DHT−6(酢酸Mg) (アクリル酸Mg) 79.5 109.0 5.1 アクリル酸MgをインターカレートしたLDHが酢酸MgをインターカレートしたLDHよりオレイン酸吸着量が高く、炭酸型LDHにはオレイン酸吸着能は殆どないことが示された。第III部 オレイン酸吸着の選択性試験 LDH I−1およびLDH I−2の選択的オレイン酸吸着能をテストするため、被吸着油状物質として、オレイン酸、スクワレン、トリ(カプリルカプリン酸)グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、イソステアリン酸を用いた。各油状物質4.5gをそれぞれ別のガラスプレートに滴下し、油層にLDH I−1およびLDH I−2それぞれ0.5gを添加し、スパーテルにてかきまぜた。両試料ともオレイン酸に添加した場合はこれを吸着して塊状に固化させた。他の油状物質に添加した場合は粉体のまま全体に分散し、白濁させただけであった。この結果はLDH I−1およびLDH I−2はオレイン酸に対し選択的吸着能を有することが証明された。 参考のため同じ試験を化粧料配合粉体であるスメクトンSA(コロイド性含水ケン酸塩)およびルーセンタイト(親水性スメクタイト)についても行ったが、テストしたどの油状成分に対しても吸着性を示さなかった。 式:Mg1−xAlx(OH)2(式中、xは0.2ないし0.33)の金属複水酸化物よりなる複数の基本層と、隣接する該基本層の中間層にインターカレートされたアクリル酸マグネシウムおよび層間水より構成される層状金属複水酸化物よりなる、不飽和脂肪酸を選択的に吸着する化粧料配合用粉体。 インターカレートされるアクリル酸マグネシウムが、基本層0.28モルあたり少なくとも0.28モルである請求項1の化粧料配合用粉体。


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