生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_カスパーゼ−3活性化作用及びアポトーシス誘導作用を有する薬剤及び健康食品
出願番号:2007158780
年次:2008
IPC分類:A61K 36/00,A61P 43/00,A61P 35/00,A23L 1/30


特許情報キャッシュ

松田秀秋 岡本桂四郎 中塚 清 中塚貴志 JP 2008308455 公開特許公報(A) 20081225 2007158780 20070615 カスパーゼ−3活性化作用及びアポトーシス誘導作用を有する薬剤及び健康食品 光和産業株式会社 506375451 高橋 剛 100096758 高橋 雅和 100114845 高橋 友和 100148781 松田秀秋 岡本桂四郎 中塚 清 中塚貴志 A61K 36/00 20060101AFI20081128BHJP A61P 43/00 20060101ALI20081128BHJP A61P 35/00 20060101ALI20081128BHJP A23L 1/30 20060101ALI20081128BHJP JPA61K35/78 BA61K35/78 XA61P43/00 111A61P35/00A23L1/30 B 4 OL 8 4B018 4C088 4B018MD61 4B018ME08 4B018ME14 4B018MF01 4C088AB01 4C088AC02 4C088AC04 4C088AC05 4C088AC11 4C088AC12 4C088BA07 4C088BA08 4C088BA10 4C088NA14 4C088ZB26 4C088ZC19 本発明は、カスパーゼ−3活性化剤、アポトーシス誘導剤、カスパーゼ−3活性化用健康食品、並びにアポトーシス誘導用健康食品に関する。 アポトーシスは神経系、内分泌系、免疫系における基本的な生命現象の制御に重要な役割を果たし、また多くの疾病の発症に深く関わっている。特に、アポトーシスが過剰に抑制される場合の疾患としては癌や自己免疫疾患などが知られている。アポトーシスに関与しているシグナル経路としてはFAS受容体(CD95)やTNF受容体を介するデスレセプター経路やミトコンドリアの機能が関与したミトコンドリア経路などが知られている。そして、それらの経路の下流にあるカスパーゼ類が次々に活性化されることによってシグナル伝達が行われ、最終的には実行因子であるカスパーゼ−3などが活性化されてアポトーシスが起こる。これらのアポトーシス関連分子を細胞に強制発現させた場合アポトーシスを誘導することができる。従って、アポトーシス関連分子を修飾するような治療及び薬剤はアポトーシスを誘導あるいは阻害することが期待される。癌治療については、これまでは癌細胞の増殖阻害のみが治療の目標であったが、癌細胞に積極的にアポトーシスを誘導し、治療効果を期待する考えが報告され、現在種々アポトーシス誘導剤が開発されてきている。一方、パンダナス コノイデウス(Pundanus conoideus)はタコノキ科植物で、その果実は長さ約1m、10kgにも達し、熟すると真っ赤になる。原産地のパプアニューギニアでは、その果実をブアメラと称し、強壮薬として用いられている。また、タコノキ科の植物を育毛剤として利用する技術が開示されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。しかし、そのカスパーゼ−3活性化作用及びアポトーシス誘導作用については知られていなかった。特開2004−43392特開2000−33617 そこで、本発明は、新たなカスパーゼ−3活性化剤及びカスパーゼ−3活性化作用に基づくアポトーシス誘導剤を提供すること、さらにはカスパーゼ−3活性化用健康食品及びカスパーゼ−3活性化作用に基づくアポトーシス誘導用健康食品を提供することを目的とする。 上記課題を解決するため、本発明は、カスパーゼ−3活性化剤が、パンダナス コノイデウス(Pundanus conoideus)の抽出物を含有することからなる。また、カスパーゼ−3活性化作用に基づくアポトーシス誘導剤が、パンダナス コノイデウス(Pundanus conoideus)の抽出物を含有することからなる。 また、カスパーゼ−3活性化用健康食品が、パンダナス コノイデウス(Pundanus conoideus)又はその抽出物を含有することからなる。また、カスパーゼ−3活性化作用に基づくアポトーシス誘導用健康食品が、パンダナス コノイデウス(Pundanus conoideus)又はその抽出物を含有することからなる。 アポトーシス誘導剤は、癌や自己免疫疾患などの予防および/又は治療に有用なものである。 本発明で用いられる植物はPandanus conoideusであり、この植物を構成する部位全て、又は果実、葉、茎、根などの一部を用いることができ、これらを乾燥した後、粉砕して粉末状にして用いることもできる。 本発明においては、この植物の抽出物を用いる。本願において抽出物は抽出液・エキス・個体・粉末等を含む概念である。抽出物を得る方法としては、例えばこの植物の果実、葉、茎、根などを水および/又は親水性有機溶媒を用いて抽出して抽出液を得る方法;さらにこのような抽出液から凍結乾燥、噴霧乾燥、減圧留去などにより粉末を得る方法などが挙げられる。親水性有機溶媒としては、例えばメタノール、エタノールなどの炭素数1〜4の低級アルコール、アセトンなどが挙げられる。特にエタノールが好ましい。これらの溶媒は単独でも、2種以上を組み合わせて使用してもよく。また、水とこれらの親水性有機溶媒を混合して使用してもよい。好ましい抽出溶媒としては、含水アルコールが挙げられ、特に含水エタノールが好ましい。これらの抽出溶媒の使用量は特に制限されないが、例えばエキス剤、チンキ剤などを製する際に用いられる冷浸法、温浸法、パーコレーション法などを適用することができる。得られた抽出液はそのまま、又はさらに濃縮したり、希釈したり、精製したりして用いることができる。 さらに、これらの抽出液や粉末を、カラムクロマトグラフィーなどを用いて精製することにより、単一成分としたものを用いることもできる。 この抽出液、エキス、個体、粉末に必要に応じて製剤学的に受容可能な添加物(例えば賦形剤、界面活性剤等)を加えることにより、薬剤を製造することが出来る。また、抽出液、エキス等は瓶詰めにしたり、個体、粉末等はカプセルに入れる等して健康食品として用いることが出来る。 本発明にかかる植物は、優れたカスパーゼ−3活性化作用及びカスパーゼ−3活性化作用に基づくアポトーシス誘導作用を有する薬剤・健康食品を提供することができ、それらは癌や自己免疫疾患などの予防および/又は治療に有用なものである。 次に、実施例を挙げて本発明をさらに説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。参考例1 Pandanus conoideusの果実(以下、ブアメラとする)を、10倍量の50%エタノールにて1時間2回熱時抽出し、減圧下でエタノールを留去後、凍結乾燥して得たエキス(BM−50E−ext、収率;12.3%)および10倍量のエタノールにて1時間2回熱時抽出し、減圧下でエタノールを留去して得られたエキス(BM−E−ext、収率;7.9%)を被検体とした。実施例1(細胞増殖抑制作用) 参考例1で得られた被検体の細胞増殖抑制作用を調べた。1.被検液の調製 被検体を5%dimethyl sulfwolide(DMSO)含有PBS(pH7.4)に溶解し、これを被検液とした。2.使用した腫瘍細胞 ヒト由来白血病細胞(HL60)、ヒト由来舌癌細胞(HSC3)、ヒト由来胃癌細胞(MKN45)、ラット由来脳腫瘍細胞(C6)およびマウス由来骨肉腫細胞(LM8)を使用した。3.細胞増殖抑制作用細胞増殖抑制試験はtrypan blue dye法にて測定した。各種腫瘍細胞を2×104個/mLに調整した細胞浮遊液を96−well plateに播種し、最終濃度が10、25、50、100および250μg/mLになるように被検液を添加した。その後、24、48および72時間インキュベートを行い、生細胞および死細胞を顕微鏡下で算定した。被検体処置群の生細胞数は各測定時におけるcontrolの生細胞数を100とし、それに対する割合として算出した。 実験結果を表1−1〜5に示す。ブアメラエキスはいずれの腫瘍細胞に対しても細胞増殖抑制作用を示した。実施例2(アポトーシス誘導作用) 参考例1で得られた被検体のアポトーシス誘導作用を調べた。1.被検液の調製被検体を5%dimethyl sulfoxide(DMSO)含有PBS(pH7.4)に溶解し、これを被検液とした。2.使用した腫瘍細胞 参考例1で使用した腫瘍細胞を使用した。3.アポトーシス誘導作用 各種腫瘍細胞を培養フラスコに播種し、終濃度が50または250μg/mLとなるように被検液を添加した。48時間処理後、細胞を回収し、PBS(−)で洗浄後、生細胞を1×106cellsに調整し、遠心分離(1,000rpm、4℃、2分)を行った。得られたペレットにcell lysis buffwerを添加し、さらに2×reaction buffwerと1 M DTTを100:1で調整したものを添加した。その後、蛍光基質(AFC)を添加し、37℃で2時間インキュベートした。氷冷して反応を停止させた後、蛍光分光光度計を用い蛍光強度を測定した。また、各細胞に含まれるタンパク量をローリー法にて測定し、得られたタンパク含有量、および反応時間(分)で、その蛍光強度を除した値をユニット(Unit(OD/min/mg of protein))と定め、これをcaspase−3活性単位として評価した。 実験結果を表2に示す。表2から明らかなように、ブアメラから得た抽出エキスはカスパーゼ−3を活性化し、アポトーシス誘導作用がみられた。パンダナス コノイデウス(Pundanus conoideus)の抽出物を含有することを特徴とするカスパーゼ−3活性化剤。パンダナス コノイデウス(Pundanus conoideus)の抽出物を含有することを特徴とするカスパーゼ−3活性化作用に基づくアポトーシス誘導剤。パンダナス コノイデウス(Pundanus conoideus)又はその抽出物を含有することを特徴とするカスパーゼ−3活性化用健康食品。パンダナス コノイデウス(Pundanus conoideus)又はその抽出物を含有することを特徴とするカスパーゼ−3活性化作用に基づくアポトーシス誘導用健康食品。 【課題】新たなカスパーゼ−3活性化剤及びカスパーゼ−3活性化作用に基づくアポトーシス誘導剤を提供すること、さらにはカスパーゼ−3活性化用健康食品及びカスパーゼ−3活性化作用に基づくアポトーシス誘導用健康食品を提供すること。【解決手段】カスパーゼ−3活性化剤及びカスパーゼ−3活性化作用に基づくアポトーシス誘導剤が、パンダナス コノイデウス(Pundanus conoideus)の抽出物を含有することからなる。また、カスパーゼ−3活性化用健康食品及びカスパーゼ−3活性化作用に基づくアポトーシス誘導用健康食品が、パンダナス コノイデウス(Pundanus conoideus)又はその抽出物を含有することからなる。【選択図】なし


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