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タイトル:公開特許公報(A)_環状チオカーボネート、その製造方法、重合硬化物及び光学材料
出願番号:2007094328
年次:2008
IPC分類:C07D 339/06,C08G 75/28,G02B 1/04


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平川 貴文 森上 敦史 寺田 武史 JP 2008247869 公開特許公報(A) 20081016 2007094328 20070330 環状チオカーボネート、その製造方法、重合硬化物及び光学材料 宇部興産株式会社 000000206 平川 貴文 森上 敦史 寺田 武史 C07D 339/06 20060101AFI20080919BHJP C08G 75/28 20060101ALI20080919BHJP G02B 1/04 20060101ALI20080919BHJP JPC07D339/06C08G75/28G02B1/04 6 OL 10 4C023 4J030 4C023NA03 4J030BA15 4J030BA18 4J030BB02 4J030BC02 4J030BC16 4J030BF19 4J030BG25 本発明は、新規な環状チオカーボネートおよびその製造方法に関する。更には、前記環状チオカーボネートを使用した重合硬化物及び光学材料に関する。 近年、光学材料としてプラスチックレンズが注目を浴びている。プラスチックレンズはガラスレンズに比べ軽量で割れにくく、染色、切削等の加工性も容易である。その中でも、特許文献1および特許文献2などに記載されているポリエピスルフィドの開環重合体であるポリチオエーテルは屈折率が1.6台後半から1.7台と高く、アッベ数も30以上と高いため、光学レンズやプリズムなどの薄型化に貢献している。しかし、ポリエピスルフィドはその反応性の高さから反応の制御が難しく、製造工程の開環重合反応中、予期せぬ発熱、発煙、着色などが起きることが知られている。特開平9−71580号公報特開平9−110979号公報 本発明は、上記に示す開環重合反応の制御を容易にする高屈折率材料の提供を目的とする。 本発明は、以下の事項に関する。[1]一般式(1)で表される環状チオカーボネート。(式中、X、Y、Zはそれぞれ独立に酸素原子又は硫黄原子を表し、R1、R2は炭素数が1から4のアルキル基を表し、R3、R4は炭素数1から8のアルキレン鎖を表す。ただし、R1、R2、R3、R4の中に硫黄原子を含有していてもよく、環構造を含有していてもよい。)[2]前記環状チオカーボネートと、任意成分として前記環状チオカーボネートと反応する官能基を有する有機化合物を含有することを特徴とする重合性組成物。[3]任意成分がチオール化合物である、[2]記載の重合性組成物。[4][2]又は[3]のいずれか記載の重合性組成物を重合してなる重合硬化物。[5][4]記載の重合硬化物を含む光学材料。[6]一般式(2)で表されるトリチオール化合物と一般式(3)で表されるジアリール(チオ)カーボネートを反応させ一般式(4)で表される化合物を得た後、一般式(4)で表される化合物と一般式(3)で表されるジアリール(チオ)カーボネートを反応させることを特徴とする[1]記載の環状チオカーボネートの製造方法。(ただし、一般式(2)、一般式(3)及び一般式(4)で表される化合物は単独で使用しても複数で使用してもよい。)(式中、Rは前記R1又はR2に相当し、R’は前記R3またはR4に相当する。R1、R2、R3、R4は前記と同様である。)(式中、Aは前記X、Y、Zのいずれかに相当する酸素原子又は硫黄原子を表し、Arは芳香族置換基を表す。)(式中、R、R’、Aは前記と同様である。) 本発明により、上記に示す開環重合反応の制御を容易にする高屈折率重合性モノマーであり、高屈折率材料の原料として有用な環状チオカーボネートおよびその製造方法、重合性組成物を提供することができる。また、該重合性組成物を用いて熱硬化を行うことで重合硬化物を得ることができる。重合硬化物は、高屈折率の光学材料、例えばプラスチックレンズ、プリズム、光ファイバー、情報記録用基盤、着色フィルター、赤外線吸収フィルターなどに使用することができる。 以下、本発明について詳細に説明する。本発明の環状チオカーボネートは前記一般式(1)で表され、X、Y、Zはそれぞれ独立に酸素原子、あるいは硫黄原子を表す。中でも、X、Y、Zが共に酸素原子であるものが着色度が低いため好ましい。R1、R2は炭素数が1から4のアルキル基を表し、R3、R4は炭素数が1から8、好ましくは1から4のアルキレン鎖を表す。ただし、R1、R2、R3、R4の中に硫黄原子を含有していてもよく、環構造を含有していてもよい。硫黄原子の数は特に限定されないが、環構造は脂環構造であることが好ましい。 前記一般式(1)で表される環状チオカーボネートは、前記一般式(2)で表されるトリチオール化合物と前記一般式(3)で表されるジアリール(チオ)カーボネートをエステル交換触媒の存在下、エステル交換反応をさせて一般式(4)で表される化合物とし、これを一般式(3)で表されるジアリール(チオ)カーボネートとのエステル交換反応に付すことで製造される。一般式(4)で表される化合物が同じ種類であれば、対称の環状チオカーボネートを得ることができる。また、一般式(4)で表される異なる種類の化合物を複数用いてエステル交換反応を行えば、非対称の環状チオカーボネートを得ることができる。また、最初のエステル交換反応において使用されるジアリール(チオ)カーボネートと、後のエステル交換反応において使用されるジアリール(チオ)カーボネートは、同じであっても異なるものであっても良い。 一般式(2)で表されるトリチオール化合物としては1,2,3−トリメルカプトプロパン、1,2,3−トリメルカプトブタン、1,2,3−トリメルカプトペンタン、1,2,3−トリメルカプトヘキサン、1,2,3−トリメルカプトヘプタン、1,2,4−トリメルカプトブタン、1,2,5−トリメルカプトペンタン、1,2,6−トリメルカプトヘキサン、1,2,7−トリメルカプトヘプタン等のトリチオール、 1,2,5−トリメルカプト−4−チアペンタン、1,2,9−トリメルカプト−4,7−チアノナン等の硫黄原子を含むトリチオール、1−メルカプトメチル−4−(2’,3’−メルカプトプロピル)シクロヘキサン等の環構造を含むトリチオール、2−メルカプトメチル−5−(2’,3’−メルカプトプロピル)−1,4−ジチアン等の硫黄原子及び環構造を含有するトリチオールなどが挙げられる。 一般式(3)で表されるジアリール(チオ)カーボネートとしては、ジフェニルカーボネート、ジフェニルチオカーボネート等が挙げられる。 エステル交換触媒は前記エステル交換反応を触媒する化合物であれば特に制限されない。例えば、炭酸カリウム、ナトリウムアルコキシド(ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド等)、四級アンモニウム塩(テトラブチルアンモニウムヒドロキシド等のテトラアルキルアンモニウムヒドロキシド)などの塩基性化合物;四塩化チタン、テトラアルコキシチタン(テトラ−n−ブトキシチタン、テトライソプロポキシチタン等)などのチタン化合物;金属スズ、水酸化スズ、ジブチルチンジラウレート、ジブチルチンオキシド、ブチルチントリス(2−エチルヘキサノエート)などのスズ化合物があげられる。 エステル交換触媒の中では、炭酸カリウム、ナトリウムアルコキシド(ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド等)、四級アンモニウム塩(テトラブチルアンモニウムヒドロキシド等のテトラアルキルアンモニウムヒドロキシド)などの塩基性化合物;およびテトラアルコキシチタン(テトラ−n−ブトキシチタン、テトライソプロポキシチタン等)が好ましい。 エステル交換触媒の使用量は、一般式(2)で表されるトリチオール化合物と一般式(3)で表されるジアリール(チオ)カーボネートの合計量に対して、重量基準で0.001〜5%、好ましくは0.01〜2%、特に好ましくは0.05〜1%の範囲で使用するのが好ましい。 エステル交換反応の温度条件は、150℃を超える高温条件で反応を行うと高分子量化した化合物が副生成物として生成してくるため、反応温度はジアリール(チオ)カーボネートがトリチオール化合物に溶解する20℃〜150℃、さらには20〜120℃、特に20〜100℃で反応を行うのが好ましい。反応時間としては、1分〜24時間、さらには3分〜10時間、特に5分〜5時間で行うのが好ましく、圧力としては、目的物を生成させることができるなら特に制限されない。 エステル交換反応終了後、エステル交換触媒を不活性化することが好ましい。エステル交換触媒を不活性化する方法としては、無機酸あるいは有機酸を混合して中和することが挙げられる。中和反応に用いる無機酸としては、硫酸等が挙げられ、有機酸としては、p−トルエンスルホン酸・一水和物、メタンスルホン酸等が挙げられる。無機酸あるいは有機酸の使用量は、エステル交換触媒の使用量に対してモル基準で1〜3倍、好ましくは1.05〜2倍、より好ましくは1.1〜1.5倍であることが好ましい。 次いで、触媒を不活性化した後の反応混合物は溶媒に溶解される。溶媒としては、ジクロロメタン、クロロホルム、ベンゼン、トルエン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等が挙げられ、中でも沸点の低い溶媒であるジクロロメタン、クロロホルム等が特に好ましい。 溶媒に溶解された反応混合物は、同容量の水が加えられ洗浄される。その後、水が除去され、溶媒とアリールアルコールが加熱し減圧することにより除去される。最後に、蒸留精製を行うことにより一般式(4)が得られる。蒸留精製方法としては、減圧蒸留や薄膜蒸留が挙げられる。蒸留精製の温度と圧力は、それぞれ20℃〜150℃℃、0.01〜50kPaである。 尚、触媒の不活性化から蒸留精製に至る操作温度は、副反応による高分子量化を考慮して20〜150℃、好ましくは20〜120℃、より好ましくは20〜100℃が好ましい。 一般式(1)で表される環状チオカーボネートは、一般式(4)で表される化合物とジアリール(チオ)カーボネートを原料として、エステル交換触媒の存在下で、エステル交換反応させて製造することができる。エステル交換反応の好ましい反応条件、精製方法は前記と同様である。 環状チオカーボネート化合物を製造する際に、一般式(4)で表される化合物は、単独で使用してもよいが、複数種類(少なくとも2種)で使用しても良い。 上記で得られる環状チオカーボネートは、任意成分として前記環状チオカーボネートと反応する官能基を有する有機化合物を含有することにより、重合性組成物となる。前記有機化合物は、重合性組成物を硬化して得られる重合硬化物の光学的性能や力学的性能を調整するための樹脂改質剤として、単独または複数の種類の化合物を存在させることができる。 環状チオカーボネートと反応する官能基を有する有機化合物は、環状チオカーボネートと反応する官能基を少なくとも1個有し、特に低分子化合物が好ましい。具体的には、チオール化合物、アミン化合物、アリル化合物、(メタ)アクリレート化合物、有機酸およびその無水物、メルカプト有機酸、メルカプトアミン、フェノール化合物等が挙げられる 前記、重合性組成物における、環状チオカーボネートと反応する官能基を有するチオール化合物としては、SH基を1個または2個以上有する化合物が挙げられる。通常は、SH基は8個以下、好ましくは6個以下である。このような化合物として、例えば、メチルメルカプタン、エチルメルカプタン、1,2−エタンジチオール、1,2−プロパンジチオール、1,3−プロパンジチオール、1,4−ブタンジチオール、1,5−ペンタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,7−ヘプタンジチオール、1,8−オクタンジチオール、1,9−ノナンジチオール、1,10−デカンジチオール、1,12−ドデカンジチオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジチオール、3−メチル−1,5−ペンタンジチオール、2−メチル−1,8−オクタンジチオール、1,4−シクロヘキサンジチオール、1,4−ビス(メルカプトメチル)シクロヘキサン、ビス(2−メルカプトエチル)エーテル、ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド、ビス(2−メルカプトエチル)ジスルフィド、2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジオキサン、2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアン、1,1,1−トリス(メルカプトメチル)エタン、2−エチル−2−メルカプトメチル−1,3−プロパンジチオール、テトラキス(メルカプトメチル)メタン、3,3’−チオビス(プロパン−1,2−ジチオール)、2,2’−チオビス(プロパン−1,3−ジチオール)、ペンタエリスリトールテトラキス(メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(メルカプトアセテート)等の脂肪族チオール化合物;およびベンジルメルカプタン、チオフェノール、1,2−ベンゼンジチオール、1,3−ベンゼンジチオール、1,4−ベンゼンジチオール、1,3,5−ベンゼントリチオール、1,2−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、トルエン−3,4−ジチオール等の芳香族チオール化合物などが挙げられる。また、環状チオカーボネートを製造する際の中間体である、化合物(4)をチオール化合物として挙げることができる。 前記、重合性組成物における、環状チオカーボネートと反応する官能基を有するアミン化合物としては、少なくとも1個のアミノ基を有する化合物が挙げられ、例えばエチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ラウリルアミン、3−ペンチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、1,2−ジメチルヘキシルアミン、アミノメチルビシクロヘプタン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミン、2,3−ジメチルシクロヘキシルアミン、アミノメチルシクロヘキサン、エチレンジアミン、1,2−プロピレンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,7−ジアミノフルオレン等の1級脂肪族アミン化合物;アニリン、ベンジルアミン、フェネチルアミン、メタ(又はパラ)キシリレンジアミン、1,5−、1,8−、あるいは2,3−ジアミノナフタレン、2,3−、2,6−、あるいは3,4−ジアミノピリジン等の1級芳香族アミン化合物;ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジ(2−エチルヘキシル)アミン、ピペリジン、ピロリジン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、2,6−ジメチルピペラジン、1,1−ジ(4−ピペリジル)メタン、1,2−(4−ピペリジル)エタン、1,3−(4−ピペリジル)プロパン、1,4−ジ(4−ピペリジル)ブタン等の2級脂肪族アミン化合物;およびジフェニルアミン、ジベンジルアミン、N−メチルベンジルアミン、N−エチルベンジルアミン等の2級芳香族アミン化合物が挙げられる。 前記、重合性組成物における、環状チオカーボネートと反応する官能基を有するアリル化合物としては、ジアリルフタレート、ジアリルテレフタレート、ジアリルカーボネート、アリルアミン、ジアリルアミン、N−メチルアリルアミン等が挙げられる。 前記、重合性組成物における、環状チオカーボネートと反応する官能基を有する(メタ)アクリレート化合物としては、ベンジル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。 前記、重合性組成物における、環状チオカーボネート化合物と反応する官能基を有する有機酸およびその無水物としては、チオジグリコール酸、ジチオジプロピオン酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルノルボルネン酸無水物、メチルナルボルナン酸無水物、無水マレイン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等が挙げられる。 前記、重合性組成物における、環状チオカーボネート化合物と反応する官能基を有するメルカプト有機酸としては、チオグリコール酸、3−メルカプトプロピオン酸、チオ酢酸、チオ乳酸、チオリンゴ酸、チオサリチル酸等が挙げられる。 前記、重合性組成物における、環状チオカーボネート化合物と反応する官能基を有するメルカプトアミンとしては、アミノエチルメルカプタン、2−アミノチオフェノール、3−アミノチオフェノール、4−アミノチオフェノール等が挙げられる。 前記、重合性組成物における、環状チオカーボネート化合物と反応する官能基を有するフェノール化合物としては、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、3−メトキシフェノール、カテコール、レゾルシン、ハイドロキノン、ピロガロール等が挙げられる。 前記、重合性組成物における、環状チオカーボネート化合物と反応する官能基を有する有機化合物のなかでも、チオール化合物、アミン化合物、メルカプトアミンおよびフェノール化合物が好ましく、特に屈折率の点でチオール化合物が好ましい。 前記、重合性組成物における、環状チオカーボネートと反応する官能基を有する有機化合物は全量に対して、0〜70重量%、さらには0〜60重量%、特に0〜50重量%の範囲で存在させることができる。 本発明の重合性組成物は、その他に目的に応じて問題のない範囲で、内部離型剤、光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、塗料、充填剤等を加えてもよい。 本発明の重合硬化物は、重合性組成物を硬化反応することにより得ることができる。重合性組成物の硬化反応は、硬化触媒の存在下、組成物を0℃〜80℃で攪拌した後、ガラスや金属製の型に注入し、1〜72時間かけて10〜200℃で特に20℃〜150℃で徐々に昇温しながら加熱することによって行うのが好ましい。触媒は硬化反応を制御できる範囲で必要に応じて適宜使用すればよく、その使用量は重合性組成物に対して例えば10重量%以下、より好ましくは0.001〜3重量%、特に好ましくは0.01〜1重量%であればよい。 硬化反応に使用する触媒としては、化合物(4)を製造する際のエステル交換触媒と同じものを挙げることができ、例えば、炭酸カリウム、ナトリウムアルコキシド(ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド等)、四級アンモニウム塩(テトラブチルアンモニウムヒドロキシド等のテトラアルキルアンモニウムヒドロキシド)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、リチウムジイソプロピルアミド、水酸化ナトリウムなどの塩基性化合物が挙げられる。 上記で得られる重合硬化物を含む光学材料は、高屈折率の光学材料、例えばプラスチックレンズ、プリズム、光ファイバー、情報記録用基盤、着色フィルター、赤外線吸収フィルターなどの用途に幅広く使用することができる。〔環状チオカーボネートチオールの製造〕 攪拌機、温度計を設置した内容積200mlのガラス製反応器に、1,2,3−トリメルカプトプロパン24.04g(0.171モル)、ジフェニルカーボネート36.68g(0.171モル)および28重量%ナトリウムメトキシド−メタノール溶液(触媒)0.236g(0.0013モル)を仕込み、常圧、60℃の条件で10分間反応を行った。次いで、硫酸0.25g(0.0027モル)を添加後、常圧、室温の条件で1時間攪拌した。反応溶液を500mlのジクロロメタンに溶解させ、500ml飽和食塩水を用いて抽出洗浄操作を2回行った。抽出操作後の有機層に硫酸マグネシウムを添加して脱水処理を行い、140℃、1mmHg(133Pa)の条件で溶媒であるジクロロメタンと反応生成物であるフェノールを減圧除去した。精製処理後、透明液状の環状チオカーボネートチオール(A)を27.25g(収率95.6%)得た。 得られた環状チオカーボネートチオール(A)の1H−NMR(重クロロホルム中)の測定結果を次に示す。 1H−NMR:(300MHz、CDCl3)1.68−1.74ppm(q、J=1.0Hz、SH)、2.97−3.04ppm(m、J=1.2、2.2、CH2SH)、3.70−3.91ppm(m、J=1.2、2.2、−CH2CH(R)CH2SH)、4.04−4.13ppm(m、J=1.2、2.2、−CHCH2SH) 得られた環状チオカーボネートチオール(A)の質量分析(DI−MS CI)の測定結果を次に記す。Mass found mass=167(Exact Mass=166.97)〔環状チオカーボネートの製造〕 内容積50mlのガラス製反応器に環状チオカーボネートチオール(A)1.002g(6.03ミリモル)、およびジフェニルカーボネート0.646g(3.01ミリモル)を仕込み、常圧、60℃の条件で攪拌して溶解させた。その後、反応器に28重量%ナトリウムメトキシド−メタノール溶液(触媒)0.0624g(0.324ミリモル)を添加し、常圧、室温下で2時間反応を行った。次いで、硫酸0.0183g(0.187ミリモル)を添加後、常圧、室温下で30分間攪拌した。反応溶液を80mlのジクロロメタンに溶解させ、80ml蒸留水を用いて抽出洗浄操作を2回行った。抽出洗浄操作後の有機層に硫酸マグネシウムを添加して脱水処理を行い、140℃、1mmHgの条件で溶媒であるジクロロメタンと反応生成物であるフェノールを除去した。精製処理後、透明液状の環状チオカーボネート(B)を0.814g(収率75.0%)得た。 得られた環状チオカーボネート化合物の1H−NMR(重ジクロロメタン中)の測定結果を次に示す。 1H−NMR:(300MHz、CDCl3)3.48−3.51ppm(m、J=7.3、CH2SC(O)S−)、3.53−3.90ppm(m、J=2.2、CH2CH(R)CH2SC(O)S−)、4.16−4.23ppm(m、J=2.2、−CHCH2SC(O)S−) 得られた環状チオカーボネート化合物の質量分析(LC/MS FAB)結果を次に示す。Mass found mass=359(Exact Mass+H=358.90)〔重合硬化物の製造〕 環状チオカーボネート(B)0.800g(2.23ミリモル)、メルカプトエチルスルフィド0.400g(2.60ミリモル)及び炭酸カリウム0.012gを十分に攪拌した混合物をガラス板上にキャストした。キャスト後に常圧、130℃で15時間反応を行い、得られた重合硬化物を離型した。反応は穏やかであり、得られた重合硬化物に気泡は観測されなかった。アッベ屈折率計(アタゴ製;MR−04)で屈折率を測定したところ、以下の結果が得られた。なお、屈折率(ne)は23℃でe線(λ=546nm)を照射したときのものを表し、アッベ数(νe)は23℃でe線(λ=546nm)、F’線(λ=480nm)、C’線(λ=644nm)を照射したときの屈折率(ne、nF’、nC’)から次式により算出した。νe=(ne−1)/(nF’−nC’)屈折率(ne):1.71、アッベ数(νe):33.2 本発明の環状チオカーボネートは、開環重合反応の制御が容易であり、重合硬化物の屈折率及びアッベ数が高いために、プラスチックレンズ、プリズム、光ファイバー、情報記憶用基盤、着色フィルター、赤外線吸収フィルター、光学フィルム、接着剤などの光学材料への利用が可能である。一般式(1)で表される環状チオカーボネート。(式中、X、Y、Zはそれぞれ独立に酸素原子又は硫黄原子を表し、R1、R2は炭素数が1から4のアルキル基を表し、R3、R4は炭素数1から8のアルキレン鎖を表す。ただし、R1、R2、R3、R4の中に硫黄原子を含有していてもよく、環構造を含有していてもよい。)前記環状チオカーボネートと、任意成分として前記環状チオカーボネートと反応する官能基を有する有機化合物を含有することを特徴とする重合性組成物。任意成分がチオール化合物である、請求項2記載の重合性組成物。請求項2又は3のいずれか記載の重合性組成物を重合してなる重合硬化物。請求項4記載の重合硬化物を含む光学材料。一般式(2)で表されるトリチオール化合物と一般式(3)で表されるジアリール(チオ)カーボネートを反応させ一般式(4)で表される化合物を得た後、一般式(4)で表される化合物と一般式(3)で表されるジアリール(チオ)カーボネートを反応させることを特徴とする請求項1記載の環状チオカーボネートの製造方法。(ただし、一般式(2)、一般式(3)及び一般式(4)で表される化合物は単独で使用しても複数で使用してもよい。)(式中、Rは前記R1又はR2に相当し、R’は前記R3またはR4に相当する。R1、R2、R3、R4は前記と同様である。)(式中、Aは前記X、Y、Zのいずれかに相当する酸素原子又は硫黄原子を表し、Arは芳香族置換基を表す。)(式中、R、R’、Aは前記と同様である。) 【課題】 開環重合反応の制御を容易にする高屈折率材料を提供する。【解決手段】一般式(1)で表される環状チオカーボネート。 【化1】(式中、X、Y、Zはそれぞれ独立に酸素原子又は硫黄原子を表し、R1、R2は炭素数が1から4のアルキル基を表し、R3、R4は炭素数1から8のアルキレン鎖を表す。ただし、R1、R2、R3、R4の中に硫黄原子を含有していてもよく、環構造を含有していてもよい。)また、前記環状チオカーボネートと、任意成分として前記環状チオカーボネートと反応する官能基を有する有機化合物を含有することを特徴とする重合性組成物。【選択図】なし


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特許公報(B2)_環状チオカーボネート、その製造方法、重合硬化物及び光学材料

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タイトル:特許公報(B2)_環状チオカーボネート、その製造方法、重合硬化物及び光学材料
出願番号:2007094328
年次:2012
IPC分類:C07D 339/06,C08G 75/28,G02B 1/04


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平川 貴文 森上 敦史 寺田 武史 JP 5110263 特許公報(B2) 20121019 2007094328 20070330 環状チオカーボネート、その製造方法、重合硬化物及び光学材料 宇部興産株式会社 000000206 平川 貴文 森上 敦史 寺田 武史 20121226 C07D 339/06 20060101AFI20121206BHJP C08G 75/28 20060101ALI20121206BHJP G02B 1/04 20060101ALI20121206BHJP JPC07D339/06C08G75/28G02B1/04 C07D 339/06 C08G 75/28 G02B 1/04 REGISTRY (STN) CAplus (STN) MARPAT (STN) 特開平11−292969(JP,A) 特表2006−511569(JP,A) 特開平11−228697(JP,A) 6 2008247869 20081016 10 20091214 中西 聡 本発明は、新規な環状チオカーボネートおよびその製造方法に関する。更には、前記環状チオカーボネートを使用した重合硬化物及び光学材料に関する。 近年、光学材料としてプラスチックレンズが注目を浴びている。プラスチックレンズはガラスレンズに比べ軽量で割れにくく、染色、切削等の加工性も容易である。その中でも、特許文献1および特許文献2などに記載されているポリエピスルフィドの開環重合体であるポリチオエーテルは屈折率が1.6台後半から1.7台と高く、アッベ数も30以上と高いため、光学レンズやプリズムなどの薄型化に貢献している。しかし、ポリエピスルフィドはその反応性の高さから反応の制御が難しく、製造工程の開環重合反応中、予期せぬ発熱、発煙、着色などが起きることが知られている。特開平9−71580号公報特開平9−110979号公報 本発明は、上記に示す開環重合反応の制御を容易にする高屈折率材料の提供を目的とする。 本発明は、以下の事項に関する。[1]一般式(1)で表される環状チオカーボネート。(式中、X、Y、Zはそれぞれ独立に酸素原子又は硫黄原子を表し、R1、R2は炭素数が1から4のアルキル基を表し、R3、R4は炭素数1から8のアルキレン鎖を表す。ただし、R1、R2、R3、R4の中に硫黄原子を含有していてもよく、環構造を含有していてもよい。)[2] [1]に記載の環状チオカーボネートと、任意成分として前記環状チオカーボネートと反応する官能基を有する有機化合物を含有することを特徴とする重合性組成物。[3] 任意成分がチオール化合物である、[2]に記載の重合性組成物。[4] [2]又は[3]に記載の重合性組成物を重合してなる重合硬化物。[5] [4]に記載の重合硬化物を含む光学材料。[6] 一般式(2)で表されるトリチオール化合物と一般式(3)で表されるジアリール(チオ)カーボネートをエステル交換反応させ一般式(4)で表される化合物を得た後、一般式(4)で表される化合物と一般式(3)で表されるジアリール(チオ)カーボネートをエステル交換反応させることを特徴とする[1]に記載の環状チオカーボネートの製造方法。(ただし、一般式(2)、一般式(3)及び一般式(4)で表される化合物は単独で使用しても複数で使用してもよい。)(式中、Rは前記R1又はR2に相当し、R’は前記R3またはR4に相当する。R1、R2、R3、R4は前記と同様である。)(式中、Aは前記X、Y、Zのいずれかに相当する酸素原子又は硫黄原子を表し、Arは芳香族置換基を表す。)(式中、R、R’、Aは前記と同様である。) 本発明により、上記に示す開環重合反応の制御を容易にする高屈折率重合性モノマーであり、高屈折率材料の原料として有用な環状チオカーボネートおよびその製造方法、重合性組成物を提供することができる。また、該重合性組成物を用いて熱硬化を行うことで重合硬化物を得ることができる。重合硬化物は、高屈折率の光学材料、例えばプラスチックレンズ、プリズム、光ファイバー、情報記録用基盤、着色フィルター、赤外線吸収フィルターなどに使用することができる。 以下、本発明について詳細に説明する。本発明の環状チオカーボネートは前記一般式(1)で表され、X、Y、Zはそれぞれ独立に酸素原子、あるいは硫黄原子を表す。中でも、X、Y、Zが共に酸素原子であるものが着色度が低いため好ましい。R1、R2は炭素数が1から4のアルキル基を表し、R3、R4は炭素数が1から8、好ましくは1から4のアルキレン鎖を表す。ただし、R1、R2、R3、R4の中に硫黄原子を含有していてもよく、環構造を含有していてもよい。硫黄原子の数は特に限定されないが、環構造は脂環構造であることが好ましい。 前記一般式(1)で表される環状チオカーボネートは、前記一般式(2)で表されるトリチオール化合物と前記一般式(3)で表されるジアリール(チオ)カーボネートをエステル交換触媒の存在下、エステル交換反応をさせて一般式(4)で表される化合物とし、これを一般式(3)で表されるジアリール(チオ)カーボネートとのエステル交換反応に付すことで製造される。一般式(4)で表される化合物が同じ種類であれば、対称の環状チオカーボネートを得ることができる。また、一般式(4)で表される異なる種類の化合物を複数用いてエステル交換反応を行えば、非対称の環状チオカーボネートを得ることができる。また、最初のエステル交換反応において使用されるジアリール(チオ)カーボネートと、後のエステル交換反応において使用されるジアリール(チオ)カーボネートは、同じであっても異なるものであっても良い。 一般式(2)で表されるトリチオール化合物としては1,2,3−トリメルカプトプロパン、1,2,3−トリメルカプトブタン、1,2,3−トリメルカプトペンタン、1,2,3−トリメルカプトヘキサン、1,2,3−トリメルカプトヘプタン、1,2,4−トリメルカプトブタン、1,2,5−トリメルカプトペンタン、1,2,6−トリメルカプトヘキサン、1,2,7−トリメルカプトヘプタン等のトリチオール、 1,2,5−トリメルカプト−4−チアペンタン、1,2,9−トリメルカプト−4,7−チアノナン等の硫黄原子を含むトリチオール、1−メルカプトメチル−4−(2’,3’−メルカプトプロピル)シクロヘキサン等の環構造を含むトリチオール、2−メルカプトメチル−5−(2’,3’−メルカプトプロピル)−1,4−ジチアン等の硫黄原子及び環構造を含有するトリチオールなどが挙げられる。 一般式(3)で表されるジアリール(チオ)カーボネートとしては、ジフェニルカーボネート、ジフェニルチオカーボネート等が挙げられる。 エステル交換触媒は前記エステル交換反応を触媒する化合物であれば特に制限されない。例えば、炭酸カリウム、ナトリウムアルコキシド(ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド等)、四級アンモニウム塩(テトラブチルアンモニウムヒドロキシド等のテトラアルキルアンモニウムヒドロキシド)などの塩基性化合物;四塩化チタン、テトラアルコキシチタン(テトラ−n−ブトキシチタン、テトライソプロポキシチタン等)などのチタン化合物;金属スズ、水酸化スズ、ジブチルチンジラウレート、ジブチルチンオキシド、ブチルチントリス(2−エチルヘキサノエート)などのスズ化合物があげられる。 エステル交換触媒の中では、炭酸カリウム、ナトリウムアルコキシド(ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド等)、四級アンモニウム塩(テトラブチルアンモニウムヒドロキシド等のテトラアルキルアンモニウムヒドロキシド)などの塩基性化合物;およびテトラアルコキシチタン(テトラ−n−ブトキシチタン、テトライソプロポキシチタン等)が好ましい。 エステル交換触媒の使用量は、一般式(2)で表されるトリチオール化合物と一般式(3)で表されるジアリール(チオ)カーボネートの合計量に対して、重量基準で0.001〜5%、好ましくは0.01〜2%、特に好ましくは0.05〜1%の範囲で使用するのが好ましい。 エステル交換反応の温度条件は、150℃を超える高温条件で反応を行うと高分子量化した化合物が副生成物として生成してくるため、反応温度はジアリール(チオ)カーボネートがトリチオール化合物に溶解する20℃〜150℃、さらには20〜120℃、特に20〜100℃で反応を行うのが好ましい。反応時間としては、1分〜24時間、さらには3分〜10時間、特に5分〜5時間で行うのが好ましく、圧力としては、目的物を生成させることができるなら特に制限されない。 エステル交換反応終了後、エステル交換触媒を不活性化することが好ましい。エステル交換触媒を不活性化する方法としては、無機酸あるいは有機酸を混合して中和することが挙げられる。中和反応に用いる無機酸としては、硫酸等が挙げられ、有機酸としては、p−トルエンスルホン酸・一水和物、メタンスルホン酸等が挙げられる。無機酸あるいは有機酸の使用量は、エステル交換触媒の使用量に対してモル基準で1〜3倍、好ましくは1.05〜2倍、より好ましくは1.1〜1.5倍であることが好ましい。 次いで、触媒を不活性化した後の反応混合物は溶媒に溶解される。溶媒としては、ジクロロメタン、クロロホルム、ベンゼン、トルエン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等が挙げられ、中でも沸点の低い溶媒であるジクロロメタン、クロロホルム等が特に好ましい。 溶媒に溶解された反応混合物は、同容量の水が加えられ洗浄される。その後、水が除去され、溶媒とアリールアルコールが加熱し減圧することにより除去される。最後に、蒸留精製を行うことにより一般式(4)が得られる。蒸留精製方法としては、減圧蒸留や薄膜蒸留が挙げられる。蒸留精製の温度と圧力は、それぞれ20℃〜150℃℃、0.01〜50kPaである。 尚、触媒の不活性化から蒸留精製に至る操作温度は、副反応による高分子量化を考慮して20〜150℃、好ましくは20〜120℃、より好ましくは20〜100℃が好ましい。 一般式(1)で表される環状チオカーボネートは、一般式(4)で表される化合物とジアリール(チオ)カーボネートを原料として、エステル交換触媒の存在下で、エステル交換反応させて製造することができる。エステル交換反応の好ましい反応条件、精製方法は前記と同様である。 環状チオカーボネート化合物を製造する際に、一般式(4)で表される化合物は、単独で使用してもよいが、複数種類(少なくとも2種)で使用しても良い。 上記で得られる環状チオカーボネートは、任意成分として前記環状チオカーボネートと反応する官能基を有する有機化合物を含有することにより、重合性組成物となる。前記有機化合物は、重合性組成物を硬化して得られる重合硬化物の光学的性能や力学的性能を調整するための樹脂改質剤として、単独または複数の種類の化合物を存在させることができる。 環状チオカーボネートと反応する官能基を有する有機化合物は、環状チオカーボネートと反応する官能基を少なくとも1個有し、特に低分子化合物が好ましい。具体的には、チオール化合物、アミン化合物、アリル化合物、(メタ)アクリレート化合物、有機酸およびその無水物、メルカプト有機酸、メルカプトアミン、フェノール化合物等が挙げられる 前記、重合性組成物における、環状チオカーボネートと反応する官能基を有するチオール化合物としては、SH基を1個または2個以上有する化合物が挙げられる。通常は、SH基は8個以下、好ましくは6個以下である。このような化合物として、例えば、メチルメルカプタン、エチルメルカプタン、1,2−エタンジチオール、1,2−プロパンジチオール、1,3−プロパンジチオール、1,4−ブタンジチオール、1,5−ペンタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,7−ヘプタンジチオール、1,8−オクタンジチオール、1,9−ノナンジチオール、1,10−デカンジチオール、1,12−ドデカンジチオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジチオール、3−メチル−1,5−ペンタンジチオール、2−メチル−1,8−オクタンジチオール、1,4−シクロヘキサンジチオール、1,4−ビス(メルカプトメチル)シクロヘキサン、ビス(2−メルカプトエチル)エーテル、ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド、ビス(2−メルカプトエチル)ジスルフィド、2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジオキサン、2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアン、1,1,1−トリス(メルカプトメチル)エタン、2−エチル−2−メルカプトメチル−1,3−プロパンジチオール、テトラキス(メルカプトメチル)メタン、3,3’−チオビス(プロパン−1,2−ジチオール)、2,2’−チオビス(プロパン−1,3−ジチオール)、ペンタエリスリトールテトラキス(メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(メルカプトアセテート)等の脂肪族チオール化合物;およびベンジルメルカプタン、チオフェノール、1,2−ベンゼンジチオール、1,3−ベンゼンジチオール、1,4−ベンゼンジチオール、1,3,5−ベンゼントリチオール、1,2−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、トルエン−3,4−ジチオール等の芳香族チオール化合物などが挙げられる。また、環状チオカーボネートを製造する際の中間体である、化合物(4)をチオール化合物として挙げることができる。 前記、重合性組成物における、環状チオカーボネートと反応する官能基を有するアミン化合物としては、少なくとも1個のアミノ基を有する化合物が挙げられ、例えばエチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ラウリルアミン、3−ペンチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、1,2−ジメチルヘキシルアミン、アミノメチルビシクロヘプタン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミン、2,3−ジメチルシクロヘキシルアミン、アミノメチルシクロヘキサン、エチレンジアミン、1,2−プロピレンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,7−ジアミノフルオレン等の1級脂肪族アミン化合物;アニリン、ベンジルアミン、フェネチルアミン、メタ(又はパラ)キシリレンジアミン、1,5−、1,8−、あるいは2,3−ジアミノナフタレン、2,3−、2,6−、あるいは3,4−ジアミノピリジン等の1級芳香族アミン化合物;ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジ(2−エチルヘキシル)アミン、ピペリジン、ピロリジン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、2,6−ジメチルピペラジン、1,1−ジ(4−ピペリジル)メタン、1,2−(4−ピペリジル)エタン、1,3−(4−ピペリジル)プロパン、1,4−ジ(4−ピペリジル)ブタン等の2級脂肪族アミン化合物;およびジフェニルアミン、ジベンジルアミン、N−メチルベンジルアミン、N−エチルベンジルアミン等の2級芳香族アミン化合物が挙げられる。 前記、重合性組成物における、環状チオカーボネートと反応する官能基を有するアリル化合物としては、ジアリルフタレート、ジアリルテレフタレート、ジアリルカーボネート、アリルアミン、ジアリルアミン、N−メチルアリルアミン等が挙げられる。 前記、重合性組成物における、環状チオカーボネートと反応する官能基を有する(メタ)アクリレート化合物としては、ベンジル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。 前記、重合性組成物における、環状チオカーボネート化合物と反応する官能基を有する有機酸およびその無水物としては、チオジグリコール酸、ジチオジプロピオン酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルノルボルネン酸無水物、メチルナルボルナン酸無水物、無水マレイン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等が挙げられる。 前記、重合性組成物における、環状チオカーボネート化合物と反応する官能基を有するメルカプト有機酸としては、チオグリコール酸、3−メルカプトプロピオン酸、チオ酢酸、チオ乳酸、チオリンゴ酸、チオサリチル酸等が挙げられる。 前記、重合性組成物における、環状チオカーボネート化合物と反応する官能基を有するメルカプトアミンとしては、アミノエチルメルカプタン、2−アミノチオフェノール、3−アミノチオフェノール、4−アミノチオフェノール等が挙げられる。 前記、重合性組成物における、環状チオカーボネート化合物と反応する官能基を有するフェノール化合物としては、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、3−メトキシフェノール、カテコール、レゾルシン、ハイドロキノン、ピロガロール等が挙げられる。 前記、重合性組成物における、環状チオカーボネート化合物と反応する官能基を有する有機化合物のなかでも、チオール化合物、アミン化合物、メルカプトアミンおよびフェノール化合物が好ましく、特に屈折率の点でチオール化合物が好ましい。 前記、重合性組成物における、環状チオカーボネートと反応する官能基を有する有機化合物は全量に対して、0〜70重量%、さらには0〜60重量%、特に0〜50重量%の範囲で存在させることができる。 本発明の重合性組成物は、その他に目的に応じて問題のない範囲で、内部離型剤、光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、塗料、充填剤等を加えてもよい。 本発明の重合硬化物は、重合性組成物を硬化反応することにより得ることができる。重合性組成物の硬化反応は、硬化触媒の存在下、組成物を0℃〜80℃で攪拌した後、ガラスや金属製の型に注入し、1〜72時間かけて10〜200℃で特に20℃〜150℃で徐々に昇温しながら加熱することによって行うのが好ましい。触媒は硬化反応を制御できる範囲で必要に応じて適宜使用すればよく、その使用量は重合性組成物に対して例えば10重量%以下、より好ましくは0.001〜3重量%、特に好ましくは0.01〜1重量%であればよい。 硬化反応に使用する触媒としては、化合物(4)を製造する際のエステル交換触媒と同じものを挙げることができ、例えば、炭酸カリウム、ナトリウムアルコキシド(ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド等)、四級アンモニウム塩(テトラブチルアンモニウムヒドロキシド等のテトラアルキルアンモニウムヒドロキシド)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、リチウムジイソプロピルアミド、水酸化ナトリウムなどの塩基性化合物が挙げられる。 上記で得られる重合硬化物を含む光学材料は、高屈折率の光学材料、例えばプラスチックレンズ、プリズム、光ファイバー、情報記録用基盤、着色フィルター、赤外線吸収フィルターなどの用途に幅広く使用することができる。〔環状チオカーボネートチオールの製造〕 攪拌機、温度計を設置した内容積200mlのガラス製反応器に、1,2,3−トリメルカプトプロパン24.04g(0.171モル)、ジフェニルカーボネート36.68g(0.171モル)および28重量%ナトリウムメトキシド−メタノール溶液(触媒)0.236g(0.0013モル)を仕込み、常圧、60℃の条件で10分間反応を行った。次いで、硫酸0.25g(0.0027モル)を添加後、常圧、室温の条件で1時間攪拌した。反応溶液を500mlのジクロロメタンに溶解させ、500ml飽和食塩水を用いて抽出洗浄操作を2回行った。抽出操作後の有機層に硫酸マグネシウムを添加して脱水処理を行い、140℃、1mmHg(133Pa)の条件で溶媒であるジクロロメタンと反応生成物であるフェノールを減圧除去した。精製処理後、透明液状の環状チオカーボネートチオール(A)を27.25g(収率95.6%)得た。 得られた環状チオカーボネートチオール(A)の1H−NMR(重クロロホルム中)の測定結果を次に示す。 1H−NMR:(300MHz、CDCl3)1.68−1.74ppm(q、J=1.0Hz、SH)、2.97−3.04ppm(m、J=1.2、2.2、CH2SH)、3.70−3.91ppm(m、J=1.2、2.2、−CH2CH(R)CH2SH)、4.04−4.13ppm(m、J=1.2、2.2、−CHCH2SH) 得られた環状チオカーボネートチオール(A)の質量分析(DI−MS CI)の測定結果を次に記す。Mass found mass=167(Exact Mass=166.97)〔環状チオカーボネートの製造〕 内容積50mlのガラス製反応器に環状チオカーボネートチオール(A)1.002g(6.03ミリモル)、およびジフェニルカーボネート0.646g(3.01ミリモル)を仕込み、常圧、60℃の条件で攪拌して溶解させた。その後、反応器に28重量%ナトリウムメトキシド−メタノール溶液(触媒)0.0624g(0.324ミリモル)を添加し、常圧、室温下で2時間反応を行った。次いで、硫酸0.0183g(0.187ミリモル)を添加後、常圧、室温下で30分間攪拌した。反応溶液を80mlのジクロロメタンに溶解させ、80ml蒸留水を用いて抽出洗浄操作を2回行った。抽出洗浄操作後の有機層に硫酸マグネシウムを添加して脱水処理を行い、140℃、1mmHgの条件で溶媒であるジクロロメタンと反応生成物であるフェノールを除去した。精製処理後、透明液状の環状チオカーボネート(B)を0.814g(収率75.0%)得た。 得られた環状チオカーボネート化合物の1H−NMR(重ジクロロメタン中)の測定結果を次に示す。 1H−NMR:(300MHz、CDCl3)3.48−3.51ppm(m、J=7.3、CH2SC(O)S−)、3.53−3.90ppm(m、J=2.2、CH2CH(R)CH2SC(O)S−)、4.16−4.23ppm(m、J=2.2、−CHCH2SC(O)S−) 得られた環状チオカーボネート化合物の質量分析(LC/MS FAB)結果を次に示す。Mass found mass=359(Exact Mass+H=358.90)〔重合硬化物の製造〕 環状チオカーボネート(B)0.800g(2.23ミリモル)、メルカプトエチルスルフィド0.400g(2.60ミリモル)及び炭酸カリウム0.012gを十分に攪拌した混合物をガラス板上にキャストした。キャスト後に常圧、130℃で15時間反応を行い、得られた重合硬化物を離型した。反応は穏やかであり、得られた重合硬化物に気泡は観測されなかった。アッベ屈折率計(アタゴ製;MR−04)で屈折率を測定したところ、以下の結果が得られた。なお、屈折率(ne)は23℃でe線(λ=546nm)を照射したときのものを表し、アッベ数(νe)は23℃でe線(λ=546nm)、F’線(λ=480nm)、C’線(λ=644nm)を照射したときの屈折率(ne、nF’、nC’)から次式により算出した。νe=(ne−1)/(nF’−nC’)屈折率(ne):1.71、アッベ数(νe):33.2 本発明の環状チオカーボネートは、開環重合反応の制御が容易であり、重合硬化物の屈折率及びアッベ数が高いために、プラスチックレンズ、プリズム、光ファイバー、情報記憶用基盤、着色フィルター、赤外線吸収フィルター、光学フィルム、接着剤などの光学材料への利用が可能である。 一般式(1)で表される環状チオカーボネート。(式中、X、Y、Zはそれぞれ独立に酸素原子又は硫黄原子を表し、R1、R2は炭素数が1から4のアルキル基を表し、R3、R4は炭素数1から8のアルキレン鎖を表す。ただし、R1、R2、R3、R4の中に硫黄原子を含有していてもよく、環構造を含有していてもよい。) 請求項1に記載の環状チオカーボネートと、任意成分として前記環状チオカーボネートと反応する官能基を有する有機化合物を含有することを特徴とする重合性組成物。 任意成分がチオール化合物である、請求項2に記載の重合性組成物。 請求項2又は3に記載の重合性組成物を重合してなる重合硬化物。 請求項4に記載の重合硬化物を含む光学材料。 一般式(2)で表されるトリチオール化合物と一般式(3)で表されるジアリール(チオ)カーボネートをエステル交換反応させ一般式(4)で表される化合物を得た後、一般式(4)で表される化合物と一般式(3)で表されるジアリール(チオ)カーボネートをエステル交換反応させることを特徴とする請求項1に記載の環状チオカーボネートの製造方法。(ただし、一般式(2)、一般式(3)及び一般式(4)で表される化合物は単独で使用しても複数で使用してもよい。)(式中、Rは前記R1又はR2に相当し、R’は前記R3またはR4に相当する。R1、R2、R3、R4は前記と同様である。)(式中、Aは前記X、Y、Zのいずれかに相当する酸素原子又は硫黄原子を表し、Arは芳香族置換基を表す。)(式中、R、R’、Aは前記と同様である。)


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