タイトル: | 公開特許公報(A)_後方散乱放射線を用いた表面近傍の欠陥検査装置 |
出願番号: | 2007071436 |
年次: | 2008 |
IPC分類: | G01N 23/203 |
開本 亮 JP 2008232765 公開特許公報(A) 20081002 2007071436 20070319 後方散乱放射線を用いた表面近傍の欠陥検査装置 株式会社島津製作所 000001993 河▲崎▼ 眞樹 100090608 開本 亮 G01N 23/203 20060101AFI20080905BHJP JPG01N23/203 4 1 OL 9 2G001 2G001AA01 2G001BA15 2G001CA01 2G001DA09 2G001HA08 2G001HA14 2G001JA08 2G001KA03 2G001LA02 2G001PA12 2G001SA02 本発明は、X線やガンマ線、あるいは中性子線などの放射線を用いて、鋳物やアルミダイカスト品等の検査対象物の表面近傍の欠陥の有無を検査する装置に関し、更に詳しくは、検査対象物による後方散乱放射線を用いて、その表面近傍の検査領域の断層像を構築する欠陥検査装置に関する。 鋳物やアルミダイカスト品等の鋳造材料において、ボイドやクラック、あるいは鬆(引け巣)などの内部欠陥を非破壊のもとに検査することは、信頼性、安全性、あるいは最終製品の歩留りの向上に寄与するところが大きい。 従来、このような鋳造材料の非破壊検査には、X線、ガンマ線、あるいは中性子線等の放射線を鋳造材料に透過させ、その透過放射線の強弱を画像化する放射線透視装置や、更には、検査対象である鋳造材料を放射線の透過方向に直交する方向に沿った軸の回りに回転させつつ、所定の微小角度ごとに取り込んだ透過放射線データを再構成することにより、鋳造材料の断層像を得る放射線CT装置が用いられていた(例えば特許文献1参照)。特開平7−12759号公報 ところで、鋳鉄等の鋳物材料は、X線、ガンマ線および中性子線等の放射線が透過しにくい材料であり、分厚い鋳鉄を透過させるためには非常に高いエネルギの放射線が必要である。 X線の場合を例にとると、X線透過方向に15mmの厚さを持つ鋳鉄の検査には、およそ200kVのX線管電圧が必要である。因みに、人体用の透視装置の管電圧は通常100kV以下である。従って、鋳鉄を検査対象物とするX線透視装置やX線CT装置は高価で、かつ、複雑なシステムが必要となる。 一方、鋳鉄のような材料は、その中心部に存在するボイド、クラック、あるいは鬆は、強度上で問題となるものは殆どなく、むしろ鋳肌(鋳造直後の鋳物の表面)の近傍にあるボイド、クラック、あるいは鬆などの欠陥が大きな問題となる。その理由は、一般に鋳造品は、鋳肌を含む表層部分を最終的に切削して最終製品とする場合が多いのであるが、図2(A)に示すように、鋳肌の近傍にボイドBやクラックC、あるいは鬆Sなどの欠陥が存在すると、図2(B)に示すように、表層部分の切削により欠陥が製品表面に露出してしまい、最終製品の表面不良となり、それまでの切削加工等の製造コストが無駄になってしまうからである。 この鋳肌の近傍の欠陥は、従来の放射線透視装置や放射線CT装置でも確認できたが、前記したように高エネルギの放射線が必要となり、より簡易に検査できる装置が望まれている。 本発明はこのような実情に鑑みてなされたもので、高い放射線エネルギを必要とせず、鋳物などの検査対象物の表面近傍の欠陥の有無を、後方散乱放射線を利用して確実に判定することのできる装置の提供をその課題としている。 上記の課題を解決するため、本発明の後方散乱放射線を用いた表面近傍の欠陥検査装置は、放射線を検査対象物に照射して得られる後方散乱放射線を用いて、被検査物の表面近傍の欠陥の有無を検査する装置であって、放射線発生源と、その放射線発生源からの放射線の照射方向前方に配置され、検査対象物を保持して放射線の照射方向に直交する軸を中心として当該検査対象物を回転させる回転テーブルと、その回転テーブル上の検査対象物からの後方散乱放射線を検出する放射線検出器と、その放射線検出器と上記回転テーブル上の検査対象物との間に設けられたコリメータと、上記放射線検出器からの出力を用いて上記回転軸に直交する平面に沿った検査対象物の断層像を構築する再構成演算装置を備えるとともに、上記検査対象物を、その検査領域の中心が上記コリメータの集光点に略一致し、かつ、その検査領域内を上記回転軸が通るように上記回転テーブル上に配置した状態で、その回転テーブルを略180°以内の角度範囲内で回転させ、上記再構成演算装置は、その回転角度範囲内で得られる後方散乱放射線データを用いて、上記検査領域の断層像を構築することをによって特徴づけられる(請求項1)。 ここで、本発明においては、上記コリメータは、その集光点が上記回転軸上にほぼ位置するように配置される構成(請求項2)を好適に採用することができる。 また、本発明においては、上記X線検出器を2次元検出器とし、上記コリメータは、集光点から互いに異なる角度でコーン放射状に開口が施された構造を有したものとすること(請求項3)ができる。 あるいは、本発明においては、上記X線検出器を1次元検出器とし、上記コリメータは、集光点から互いに異なる角度で一列放射状に開口が施された構造を有したものとすること(請求項4)もできる。 なお、本発明において用いる放射線としては、X線、ガンマ線、中性子線などを挙げることができる。 本発明は、物質に入射した放射線が、その物質との相互作用により後方に散乱される後方散乱放射線を利用し、高い放射線エネルギを必要とすることなく検査対象物の表面近傍の欠陥を検出しようとするものである。 すなわち、放射線の後方散乱は、図3に示すように、物質mに対して放射線rが入射したとき、物質mを透過するもののほか、ある確率で前方および後方に散乱する放射線が生じる。そして、この後方散乱は、放射線が低いエネルギであっても、ある確率のもとに発生する。従って、この後方散乱放射線を利用すれば、表面近傍の欠陥の有無の検査には、検査対象物を透過できるほど高いエネルギの放射線を用いる必要はない。 X線を例にとると、図4(A)に示すように、15mmの鋳鉄を透過させようとすると200kVの管電圧が必要であることは前記した通りであるが、例えば100kVのX線管電圧のもとに発生させたX線は、同図(B)に示すように、その厚さの鋳鉄を透過することはできず、表面から5mm程度の深さにまで到達してそこで止まってしまうが、このX線は、鋳肌の近傍、つまり表面から1mmないし数mm程度であって最終的な表面切削領域を含む範囲には到達してそこで確率的に後方に散乱される。 この後方に散乱された放射線を選択的に検出するために、本発明では、放射線検出器の入射面の前段にコリメータを設ける。このコリメータは、その集光点が検査対象領域の中心と略一致するように配置し、検査対象物の検査領域の中心と略一致する集光点から、一列放射状もしくはコーン放射状に開口が施された構造の放射線吸収材料を用いる。この放射線吸収材料としては、例えばX線であればタングステン等を、また、ガンマ線であればタングステンよりも遮蔽能力が高い劣化ウラン等を好適に用いることができ、中性子線であれば中性子を吸収する硼素やリチウムを含む素材を好適に用いることができる。 また、断層像を構築するためのデータを得るためには、検査対象領域内に回転テーブルの回転軸が存在している必要があり、好ましくは検査対象領域の中心と回転軸とが略一致した状態で回転テーブルを回転させ、後方散乱放射線を検出する。 さて、検査対象物の表面近傍の検査対象領域にボイド、クラック、あるいは鬆などの欠陥がなかった場合には、図5(A)に示すように、その検査対象領域Aは相互作用をする物質で満たされていることになる一方、同図(B)に示すように、検査対象領域Aにボイド、クラック、あるいは、鬆などの欠陥Dがあった場合には、これらの欠陥Dは空隙であることから相互作用を起こす物質が存在しないことになり、欠陥Dからは放射線の後方散乱が生じない。従って、上記のような欠陥Dが検査対象領域内にある場合には、欠陥Dがない場合に比べて、後方散乱放射線の強度が低下することになる。 そして、検査対象物を回転テーブル上に置き、上記のような後方散乱放射線の強度データを、回転テーブルを回転させて一定の角度ごとに収集し、その収集データを用いてCT画像を再構成すると、後方散乱放射線CT画像が得られることになる。 本発明においては、上記の後方散乱放射線強度データの収集、つまりCT撮影のための回転テーブルの回転範囲は、略180°以下に制限しているのであるが、これは、例えば検査対象物の表面の垂直方向を基準として、左回りに略90°以下、右回りに略90°以下として回転させることを言う。 また、CT撮影時の回転テーブルの回転角度範囲を略180°以下の角度制限を付する理由は、以下の通りである。 1.本発明装置は、検査対象物の表面近傍の欠陥による後方散乱放射線を画像化するものであり、図6(A)に示す状態を回転角度0°とすると、同図(B)のように+90°から同図(C)のように−90°の範囲内で回転させてCT撮影を行うのであるが、検査対象物Wの表面近傍に設定している検査領域A内に回転テーブルの回転中心Rが入るように、好ましくは検査領域Aの中心と回転中心Rとが略一致した状態でCT撮影を行う。このような撮影に際し、図6(D)のように検査対象物Wを180°を越えて回転させてしまうと、検査対象物Wの放射線入射位置に対し、検査しようとする表面近傍の検査領域Aが離れてしまい、入射放射線が検査領域Aに到達せず、後方散乱も発生しないか、あるいは発生しても後方散乱放射線が検出器に到達しなくなることが想定でき、その寄与が実質的に無視される程度となるためである。 2.検査対象物を略180°を越えて回転させてしまうと、図7に示すように、検査対象物Wが放射線源S等と物理的な干渉を起こしてしまうことがある。 3.近年のCT技術の進展により、CT撮影時における対象物の回転角度に略180°以下の制限を加えても、良好なCT画像を得ることができるようになっている。 4.略180°以下の角度制限を付することにより、検査対象物の表面近傍の検査領域の部位を、放射線源の放射口にできるだけ近づけることができ、これによって放射線画像の幾何拡大率を大きくとることもできる。このため、拡大されたCT画像を取得することも可能となる。 従って、本発明においてCT撮影時における回転テーブルの回転角度範囲を略180°以下とする、ということは、検査対象物の表面近傍からの後方散乱放射線を無視し得る程度に、および/または、検査対象物が放射線源と干渉しない程度に、および/または、角度制限を加えても良好なCT画像が得られる程度に、および/または、検査対象物の表面近傍をできる限り放射線の放射口に近づけることができる程度で、ということである。 本発明によれば、鋳鉄やアルミダイカストなどの鋳造品の表面近傍に存在する欠陥を、高いエネルギの放射線を用いることなく、後方散乱放射線によって検出するものであり、低い放射線エネルギで表面近傍の非破壊CT検査を実施することが可能となる。 また、検査対象物と放射線源等との物理的な干渉を防止しつつ、検査すべき表面近傍の部位を放射線の放射口にできるだけ近づけることができ、これによって放射線画像の幾何拡大率を大きくとることも可能となり、拡大されたCT画像を取得することができる。 そして、このような後方散乱放射線を用いたCT画像による鋳造品の表面近傍の欠陥の有無の検査を実現することにより、表面近傍を切削した後の最終製品の表面不良を未然に検出し、無駄な切削コストを削減することができる。 また、従来の放射線透視装置やCT装置でも表面近傍の欠陥の有無を確認することはできたが、高エネルギの放射線が必要であり、本発明によってより簡易に検査できる装置が実現する。 以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。 図1は本発明の実施の形態の構成図であり、機械的構成を表す模式的平面図とシステム構成を表すブロック図とを併記して示す図である。 装置は、X線管球を主体とするX線発生源1と、検査対象物Wを搭載して回転を与える回転テーブル2と、その回転テーブル2上の検査対象物Wから後方散乱されるX線を選択的に透過させ、他のX線を遮蔽するコリメータ3と、X線検出器4、およびCT演算等を行うコンピュータ6を主体として構成されている。 コンピュータ6は、X線検出器4の出力を画像データ取り込み回路7を介して取り込み、CT演算により再構成したCT画像を表示器8に表示する。また、このコンピュータ6は、回転テーブル2の駆動制御や、X線発生源1の制御を、それぞれドライバないしはX線コントローラ(いずれも図示せず)を通じて行い、キーボードやマウス、あるいはジョイスティック等を含む操作部9の操作により各種指令を与えることができるようになっている。 X線検出器4は、この例において2次元(パネル)検出器であって、コリメータ3は、X線の吸収しやすい、例えばタングステン等を材質とし、互いに異なる角度のコーン状の複数の開口が形成された構造であって、その集光点である各コーン状の開口の頂点は、回転テーブル2の回転軸R上にほぼ位置するように、これら両者の位置関係が設定されている。X線発生源1は、そのX線の放射口側の先端部の一部がX線検出器4の中央部に設けられた開口4aを貫通して回転テーブル2側に突出している。 検査対象物Wは例えば鋳鉄製品であって、その鋳肌の切削後の最終製品の表面にボイドやクラック、あるいは鬆などの欠陥があるか否かを検査の目的としている。この検査対象物Wは回転テーブル2の上に搭載された状態で回転軸Rを中心として回転が与えられるのであるが、表面近傍の検査領域Aが回転テーブル2の回転軸R上にほぼ位置するように当該回転テーブル2に搭載された状態で、CT撮影に供される。 前記したX線発生源1からのX線のエネルギ、つまりこのX線発生源1の管電圧は、X線が検査対象物Wの表面近傍の検査領域Aに到達すればよいので、例えば100kVとすることができる。 CT撮影に際しては、検査対象物Wを上記のように回転テーブル2上に搭載し、X線発生源1からのX線を照射しつつ、回転テーブル2を略180°以下の範囲内で回転させ、あらかじめ設定されている微小角度ごとにX線検出器4からのX線強度データを取り込むコンピュータ6に取り込む。このCT撮影時にX線検出器4に入射するX線は、検査対象物Wに照射されたX線が検査対象物Wによって後方散乱し、かつ、コリメータ3を通過したものである。従って、X線検出器4に入射するX線は、検査対象物W内で、コリメータ3の集光点近傍の領域、つまり検査領域Aから後方散乱したX線となる。前記した図5の説明において明らかにしたように、検査領域Aにボイドやクラック、あるいは鬆などの欠陥があると、そこにはX線と相互作用をする物質が欠落していることから、これらの欠陥からは後方散乱X線が生じず、これらの欠陥がない場合に比して後方散乱X線強度が弱くなる。 コンピュータ6では、このようにして取り込んだ検査領域Aからの後方散乱X線を用いた再構成演算により、検査領域Aの後方散乱X線CT画像を構築して、表示器8に表示する。このCT画像から、検査領域A内にボイドやクラック、あるいは鬆などの欠陥の有無を検査する事ができる。 ここで、以上の実施の形態においては、X線検出器4として2次元検出器を用いる場合の例を示したが、1次元検出器であってもよい。この場合、コリメータ3は、コーン放射状である必要はなく、互いに角度の異なる開口が1列放射状に形成された構造のものを用いることができる。 また、本発明において用いる放射線は、上記のようにX線に限られることなく、ガンマ線や中性子線を用いることができる。ガンマ線を用いる場合には、放射線源としてコバルト60(Co60)等のアイソトープを用い、コリメータの材質として劣化ウラン等を用いるとともに、検出器にはヨウ化ナトリウム(NaI)シンチレータを用いたガンマ線検出器を用いれば良い。 また、中性子線を用いる場合には、線源として小型原子炉を用いた中性子線源を、シンチレータの材質として硼素またはリチウムを含む材料を用いるとともに、検出器としては3フッ化硼素(BF3 )カウンター等の中性子検出器を用いれば良い。本発明の実施の形態の構成図で、機械的構成を表す模式図とシステム構成を表すブロック図とを併記して示す図である。鋳鉄等の材料において問題となる内部欠陥の説明図である。物質による放射線の後方散乱の説明図である。鋳鉄を検査対象物としたとき、X線を透過させて像を得る場合と後方散乱を利用する場合における必要な管電圧の相違の説明図である。検査領域にボイド、クラック、あるいは鬆などの欠陥がなかった場合と、これらの欠陥があった場合の後方散乱放射線の相違の説明図である。本発明において回転テーブルの回転角度範囲を略180°以下とする理由の説明図である。本発明において回転テーブルの回転角度範囲を略180°以下とする場合の利点の説明図である。符号の説明 1 X線発生源 2 回転テーブル 3 コリメータ 4 X線検出器 4a 開口 6 コンピュータ 7 画像データ取り込み回路 8 表示器 9 操作部 A 検査領域 R 回転軸 W 検査対象物 放射線を検査対象物に照射して得られる後方散乱放射線を用いて、被検査物の表面近傍の欠陥の有無を検査する装置であって、 放射線発生源と、その放射線発生源からの放射線の照射方向前方に配置され、検査対象物を保持して放射線の照射方向に直交する軸を中心として当該検査対象物を回転させる回転テーブルと、その回転テーブル上の検査対象物からの後方散乱放射線を検出する放射線検出器と、その放射線検出器と上記回転テーブル上の検査対象物との間に設けられたコリメータと、上記放射線検出器からの出力を用いて上記回転軸に直交する平面に沿った検査対象物の断層像を構築する再構成演算装置を備えるとともに、 上記検査対象物を、その検査領域の中心が上記コリメータの集光点に略一致し、かつ、その検査領域内を上記回転軸が通るように上記回転テーブル上に配置した状態で、その回転テーブルを略180°以内の角度範囲内で回転させ、上記再構成演算装置は、その回転角度範囲内で得られる後方散乱放射線データを用いて、上記検査領域の断層像を構築することを特徴とする後方散乱放射線を用いた表面近傍の欠陥検査装置。 上記コリメータは、その集光点が上記回転軸上にほぼ位置するように配置されることを特徴とする請求項1に記載の後方散乱放射線を用いた表面近傍の欠陥検査装置。 上記放射線検出器は2次元検出器であって、上記コリメータは、集光点から互いに異なる角度でコーン放射状に開口が施された構造を有していることを特徴とする請求項1に記載の後方散乱放射線を用いた表面近傍の欠陥検査装置。 上記放射線検出器は1次元検出器であって、上記コリメータは、集光点から互いに異なる角度で一列放射状に開口が施された構造を有していることを特徴とする請求項1に記載の後方散乱放射線を用いた表面近傍の欠陥検査装置。 【課題】高い放射線エネルギを必要とせず、鋳物などの検査対象物の表面近傍の有無を、後方散乱放射線を利用して確実に反省することのできる装置を提供する。【解決手段】放射線発生源1からの放射線照射方向前方に、、検査対象物Wを保持して回転を与える回転テーブル2を設けるとともに、その回転テーブル2上の検査対象物Wからの後方散乱放射線をコリメータ3を介して検出する放射線検出器4、およびその放射線検出器4の出力を用いてCT画像を構築する再構成演算装置6を備え、検査対象物Wを、その検査領域Aの中心がコリメータ3の集光点に略一致し、かつ、その検査領域A内を回転テーブル2の回転軸Rが通るように当該回転テーブル2上に配置した状態で、その回転テーブル2を180°の角度範囲内で回転させて後方散乱放射線データを収集して断層像の構築に供することで、検査対象物Wを透過せずにその表面近傍の検査領域Aに到達する程度のエネルギの放射線を用いて表面近傍の欠陥の有無の検査を可能とする。【選択図】図1