タイトル: | 再公表特許(A1)_薬理活性物質の吸収性が改善された医薬組成物 |
出願番号: | 2007064685 |
年次: | 2009 |
IPC分類: | A61K 47/12,A61K 47/14 |
三宅 正晃 JP WO2008015959 20080207 JP2007064685 20070726 薬理活性物質の吸収性が改善された医薬組成物 大塚製薬株式会社 000206956 三枝 英二 100065215 中野 睦子 100108084 林 雅仁 100115484 田中 順也 100124431 三宅 正晃 JP 2006209863 20060801 A61K 47/12 20060101AFI20091127BHJP A61K 47/14 20060101ALI20091127BHJP JPA61K47/12A61K47/14 AP(BW,GH,GM,KE,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MT,NL,PL,PT,RO,SE,SI,SK,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PG,PH,PL,PT,RO,RS,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,SV,SY,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,ZA,ZM,ZW 再公表特許(A1) 20091224 2008527720 19 4C076 4C076AA31 4C076AA36 4C076AA53 4C076AA56 4C076BB01 4C076DD41C 4C076DD41N 4C076DD44 4C076DD46 4C076DD55 4C076EE31 4C076EE33J 4C076EE38 4C076EE55 4C076FF25 4C076FF34 本発明は、薬理活性物質の吸収性が改善されており、生体内で薬理作用を効率的に発現できる経口医薬組成物に関する。 薬理活性物質には、経口投与しても胃内で不安定化され、所期の薬理作用が得られないものがある。また、特定の薬理活性物質には、胃内での滞留の間に胃障害を惹起することもある。そこで、今日では、消化管での吸収が求められる薬理活性物質は、胃で溶解することなく、消化管下部に到達して吸収されるように製剤上の工夫が施され、腸溶性製剤として製剤化されている。 従来より、腸溶性製剤として、pH依存性のものが知られている。pH依存性の腸溶性製剤は、胃内容液と消化管下部内溶液のpHの差を利用して、消化管下部で選択的な溶解が可能になるように製剤化されたものである。即ち、pH依存性の腸溶性製剤は、酸性では分解せずに中性で分解するポリマー(例えば、セルロース誘導体、オイドラギット等)を用いてコーティングされており、胃内ではpHが酸性であるため溶解せずに、消化管下部ではpHが中性であるため溶解可能になっている(例えば、非特許文献1及び2参照)。しかしながら、従来のpH依存性の腸溶性製剤では、実際は、胃を通過した際に、薬理活性物質の分散性の低下を招き、その結果、生物学的利用率を低減してしまうことがよく認められている。 また、薬理活性物質の生物学的利用率を高めるには、胃で溶解されずに、消化器官に送達されることに加えて、消化管下部で十分に吸収されることも重要である。消化管下部は、水分が少ないため、たとえ薬理活性物質が消化管下部に送達されたとして、十分に吸収されないこともある。特に、この傾向は、難溶解性の薬理活性物質の場合に顕著に現れる。 従来、薬理活性物質の吸収性を改善する方法として、以下のような手法が報告されている。経口投与により吸収されにくい薬理活性物質と共に、高級アルコールや脂肪酸等の親油性物質を配合することにより、薬理活性物質の吸収性を向上させ得ることが報告されている(例えば、特許文献1参照)。また、親水性の薬理活性物質を少なくとも2つの界面活性剤の組み合わせて配合することによっても、薬理活性物質の吸収性を向上させ得ることが報告されている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、単に、薬理活性物質と共に親油性物質を配合したり、特定の界面活性剤を組み合わせて配合しても、薬理活性物質の吸収性の点で未だ満足できるものではなく、実用化していく上では更なる改善が求められる。 このような従来技術を背景として、薬理活性物質が消化管下部で十分に吸収され、生体内で薬理作用を効率的に発現できる医薬組成物の開発が望まれていた。I. Mharaj et al., J. Pharm. Sci. 73, p.59 (1988)S. Y. Lin et al., Pharm. Res., 4, p70 (1987)Isabel Gomez-Orellana and Duncan R. Parton, Advances in the oral delivery of proteins. Exptl. Opin. Ther. Patents, 9, 247-253, 1999.Rakhi B. Shar, Fukhrul Ahsan & Mansoor A. Khan, Oral delivery of proteins; Progress and prognostication. Crit. Rev. Ther. Drug Carrier Systems, 19, 135-169, 2002.J. Gordon Still, Development of oral insulin; Progress and current status. Diabetes Metab. Res. Rev., 18, suppl. 1, S29-S37, 2002.Y. H. Lee, B. A. Perry, J. P. Sutyak, W. Stern and P. J. Sinko, Regional differences in intestinal spreading and pH recovery and the impact on salmon calcitonin in dogs. Pharm. Res., 17, 284-290, 2000.P. J. Sinko, Y. H. Lee, V. Makhey, G.D. Leesman, J. P. Gilligan and W. Stern, Biopharmaceutical approaches for developing and assessing oral peptide delivery strategies and systems; in vitro permeability and in vivo oral absorption of salmon calcitonin (sTC). Pharm. Res., 16, 527-533, 1999.特開平10−231254号公報特表2003−506476号公報 本発明の目的は、上記従来技術の課題を解決することである。詳細には、薬理活性物質の吸収性が改善されており、生体内で薬理作用を効率的に発現できる経口医薬組成物を提供することを目的とする。 本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を行ったところ、(A)薬理活性物質と共に、(B)薬物吸収促進剤、及び(C)生体内で溶解するワックスを組み合わせて配合すると、該薬理活性物質の消化管下部での吸収性を高めることが可能になり、その薬理作用を生体内で効果的に発揮させ得ることを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて、更に改良を重ねることにより完成したものである。 即ち、本発明は、下記に掲げる発明を提供する:項1. (A)薬理活性物質、(B)薬物吸収促進剤、及び(C)生体内で溶解するワックスを含有することを特徴とする、経口医薬組成物。項2. (A)成分が難溶解性の薬理活性物質である、項1に記載の経口医薬組成物。項3. (B)成分が中鎖脂肪酸塩である、項1に記載の経口医薬組成物。項4. (B)成分が炭素数6〜18の脂肪酸のアルカリ金属塩である、項1に記載の経口医薬組成物。項5. (C)成分が高級脂肪酸のエステルである、項1に記載の経口医薬組成物。項6. (C)成分がグリセリン脂肪酸エステルである、項1に記載の経口医薬組成物。項7. (B)成分が中鎖脂肪酸塩であり、且つ(C)成分が高級脂肪酸のエステルである、項1に記載の経口医薬組成物。項8. (B)成分が炭素数6〜18の脂肪酸のアルカリ金属塩であり、且つ(C)成分がグリセリン脂肪酸エステルである、項1に記載の経口医薬組成物。項9. 経口医薬組成物の総量当たり、(A)成分を0.0001〜90重量%、(B)成分を0.01〜90重量%重量%、及び(C)成分を1〜95重量%含有する、項1に記載の経口医薬組成物。項10. (B)成分100重量部に対して、(C)成分が1〜10000重量部の比率で含まれる、項1に記載の経口医薬組成物。項11. (B)薬物吸収促進剤及び(C)生体内で溶解するワックスの、(A)薬理活性物質を含有する経口医薬組成物の製造のための使用。項12. (A)成分が難溶解性の薬理活性物質である、項11に記載の経口医薬組成物。項13. (B)成分が中鎖脂肪酸塩である、項11に記載の使用。項14. (B)成分が炭素数6〜18の脂肪酸のアルカリ金属塩である、項11に記載の使用。項15. (C)成分が高級脂肪酸のエステルである、項11に記載の使用。項16. (C)成分がグリセリン脂肪酸エステルである、項11に記載の使用。項17. (B)成分が中鎖脂肪酸塩であり、且つ(C)成分が高級脂肪酸のエステルである、項11に記載の使用。項18. (B)成分が炭素数6〜18の脂肪酸のアルカリ金属塩であり、且つ(C)成分がグリセリン脂肪酸エステルである、項11に記載の使用。項19. 経口医薬組成物が、(A)成分を0.0001〜90重量%、(B)成分を0.01〜90重量%重量%、及び(C)成分を1〜95重量%含有する、項11に記載の使用。項20. (B)成分100重量部に対して、(C)成分が1〜10000重量部の比率で用いる、項11に記載の使用。 本発明の経口医薬組成物は、(A)薬理活性物質に加えて、(B)薬物吸収促進剤及び(C)生体内で溶解するワックスを含有しており、このような特定成分の組み合わせを採用することによって、経口投与された薬理活性物質が消化管下部で効率的に吸収され、その薬理作用を生体内で効果的に発揮することが可能になっている。従来の技術では、難溶解性の薬理活性物質は、消化管下部で吸収され難かったが、本発明の医薬組成物によれば、難溶解性の薬理活性物質であっても、消化管下部で十分に吸収されて、生体内でその薬理作用を効率的に発揮させることができる。 以下、本発明の経口医薬組成物について、詳細に説明する。なお、以下、経口医薬組成物を、単に医薬組成物と略記することもある。(A)薬理活性物質 本発明の医薬組成物は、薬理活性物質(以下、単に「(A)成分」と表記することもある)を含有する。 本発明で使用される薬理活性物質としては、薬学的に許容されるものであって、薬理作用を示す限り、特に制限されず、水溶性、脂溶性又は難水溶性のいずれを使用してもよい。当該薬理活性物質の一例として、アンジオテンシン2受容体拮抗剤(ARB),胃腸薬、栄養剤、栄養性油、オピオイド系鎮痛薬、カルシウム拮抗剤,過活動膀胱治療薬,角質溶解薬、強心薬、筋弛緩剤、抗悪性腫瘍薬、抗ウイルス薬、抗炎症薬、抗菌薬、抗狭心症薬,駆虫薬、抗欝薬,統合失調症治療薬,抗癲癇薬、抗不整脈薬、鎮痛薬、抗真菌薬、抗凝固薬、抗糖尿病薬、抗痛風薬、抗高血圧薬、抗尿失禁薬、抗マラリア薬、抗片頭痛薬、抗ムスカリン様薬、抗パーキンソン薬、抗ヒスタミン薬、抗肥満薬、抗不安薬、抗不整脈薬,抗良性前立腺肥大薬、興奮薬、骨粗鬆症治療薬、コルチコステロイド,CCR5受容体拮抗剤(HIVエントリー阻害剤),脂質調節薬、鎮痙薬、勃起性機能不全改善薬、免疫抑制薬、抗原虫薬、抗甲状腺薬、Cox-2阻害剤、催眠薬、筋弛緩薬、性ホルモン、鎮静薬、認識エンハンサー,排尿障害改善薬,β遮断薬、必須脂肪酸、非必須脂肪酸,プロテアーゼ阻害剤、マクロライド系抗生物質、利尿薬、ロイコトリエン拮抗薬等の各種製剤に配合される通常の薬物を挙げることができる。本発明において、薬物は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。 本発明で使用される薬理活性物質の具体例としては、アセトレチン、アルベンダゾール、アルブテロール、アミノグルテチミド、アミオダロン、アムロジピン、アンフェタミン、アンホテリシンB、アトルバスタイン、アトバクウォン、アジスロマイシン、バクロフェン、ベクロメタゾン、ベネゼプリル、ベンゾナテート、ベータメタゾン、ビカルタニド、ブデソニド、ブプロピオン、ブスルファン、ブテナフィン、カルシフェジオール、カルシポトリエン、カルシトリオール、カンプトセシン、カンデサルタン、カプサイシン、カルバメゼピン、カロチン、セレコキシブ、セリバスタチン、セチリジン、クロルフェニラミン、コレカルシフェロール、シロスタゾール、シメチジン、シンナリジン、シプロフロキサシン、シサプリド、クラリスロマイシン、クレマスチン、クロミフェン、クロミプラミン、クロピドグレル、コデイン、補酵素Q10、シクロベンザプリン、サイクロスポリン、ダナゾール、ダントロレン、デキシクロルフェニラミン、ジクロフェナク、ジクマロール、ジゴキシン、デヒドロエピアンドロステロン、ジヒドロエルゴタミン、ジヒドロタキステロール、ジリスロマイシン、ドネゼピル、エファビレンズ、エポサルタン、エルゴカルシフェロール、エルゴタミン、必須脂肪酸供給源、エトドラック、エトポシド、ファモチジン、フェノフィブレート、フェンタニール、フェキソフェナジン、フィナステリド、フルコナゾール、フルルビプロフェン、フルバスタチン、フォスフェニトイン、フロバトリプタン、フラゾリドン、ギャバペンチン、ゲムフィブロジル、グリベンクラミド、グリピジド、グリブリド、グリメピリド、グリセオフルビン、ハロファントリン、イブプロフェン、イルベサルタン、イリノテカン、二硝酸イソソルビド、イトトレチノイン、イトラコナゾール、イベルメクチン、ケトコナゾール、ケトロラク、ラモトリジン、ラノソプラゾール、レフルノミド、リシノプリル、ロペラミド、ロラタジン、ロバスタチン、L−スリロキシン、ルテイン、リコピン、メドロキシプロゲステロン、ミフェプリストン、メフロキン、酢酸メゲストロール、メタドン、メトキサレン、メトロニダゾル、ミコナゾール、ミダゾラム、ミグリトール、ミノキシジル、ミトザントロン、モンテルカスト、ナブメトン、ナルブフィン、ネルフィナビル、ニフェジピン、ニルソルジピン、ニルタニド、ニトロフラントイン、ニザチジン、オメプラゾール、オプレベルキン、エストラジオール、オキサプロジン、パクリタキセル、パラカルシトール、パロキセチン、ペンタゾシン、ピオグリタゾン、ピゾフェチン、プラバスタチン、プレドニゾロン、プロブコール、プロゲステロン、プソイドエフェドリン、ピリドスチグミン、ラベプラゾール、ラロキシフェン、ロフェコキシブ、レパグリニド、リファブチン、リファペンチン、リメキソロン、リタノビル、リザトリプタン、ロシグリタゾン、サキナビル、セルトラリン、シブトラミン、クエン酸シルデナフィル、シンバスタチン、シロリムス、スピロノラクトン、スマトリプトファン、タクリン、タクロリムス、タモキシフェン、タムスロジン、ターグレチン、タザロテン、テルミサータン、テニポシド、テルビナフェン、テラゾシン、テトラヒドロカナビノール、チアガビン、チクロビジン、チロフィブラン、チザニジン、トピラメート、トポテカン、トレミフェン、トラマドール、トレチノイン、トログリタゾン、トロバフロキサシン、ユビデカルノン、バルサータン、ベンラファキシン、ベルテポルフィン、ビガバトリン、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ザフィルルカスト、ジルートン、ゾルミトリプタン、ゾルピデム、ゾピクロン、アカルボース、アシクロビル、アセチルシステイン、塩化アセチルコリン、アラトロフロキサシン、アレンドロネート、アルグルセラーゼ、塩酸アマンタジン、アンベノニウム、アミホスチン、塩酸アミロライド、アミノカプロン酸、アンホテリシンB、アプロチニン、アスパラギナーゼ、アテノロール、ベシル酸アトラクリウム、アトロピン、アジスロマイシン、アズトレオナム、BCGワクチン、バシトラシン、ベカレルミン、ベラドーナ,塩酸ベプリジル、硫酸ブレオマイシン、ヒトカルシトニン、サケカルシトニン、カルボプラチン、カペシタビン、硫酸カプレオマイシン、セファマンドールナファート、セファゾリンナトリウム、塩酸セフェピム、セフィキシム、セフォニシドナトリウム、セフォペラゾン、セフォテタン二ナトリウム、セフォタキシム、セフォキシチンナトリウム、セフチゾキシム、セフトリアキソン、セフロキシムアキセチル、セファレキシン、セファピリンナトリウム、コレラワクチン、シドフォビル、シスプラチン、クラドリビン、臭化クリジニウム、クリンダマイシンおよびクリンダマイシン誘導体、シプロフロキサシン、クロドロネート、コリスチンメタナトリウム、硫酸コリスチン、コルチコトロピン、コシントロピン、クロモリンナトリウム、シタラビン、ダルテパリンナトリウム、ダナパロイド、デフェロキサミン、デニロイキンジフチトクス、デスモプレシン、ジアトリゾアートメグルミンおよびジアトリゾアートナトリウム、ジサイクロミン、ジダノシン、ジリスロマイシン、塩酸ドパミン、デオキシリボヌクレアーゼα、塩化ドキサクリウム、ドキソルビシン、エチドロン酸二ナトリウム、エナラプリラート、エンケファリン、エノキサシン、エノキサパリンナトリウム、エフェドリン、エピネフリン、エリスロマイシン、塩酸エスモロール、ファムシクロビル、フルダラビン、フルオキセチン、ホスカネットナトリウム、ガンシクロビル、ゲンタマイシン、グルカゴン、グリコピロレート、ゴナドレリン、硫酸インジナビル、インフルエンザウイルスワクチン、イプラトロピウムブロミド、イホスファミド、ラミブジン、ロイコボリンカルシウム、酢酸ロイプロリド、レボフロキサシン、リンコマイシンおよびリンコマイシン誘導体、ロブカビル、ロメフロキサシン、ロラカルベフ、臭化メペンゾレート、メサラミン、メテナミン、メトトレキサート、メトスコポラミン、塩酸メトホルミン、メトプロロール、メゾシリンナトリウム、ミバクリウムクロライド、ネドクロミルナトリウム、ネオスチグミン臭化物、ネオスチグミンメチル硫酸塩、ニューロンチン、ノルフロキサシン、酢酸オクトレオチド、オフロキサシン、オルパドロネート、オキシトシン、パミドロン酸二ナトリウム、臭化パンクロニウム、パロキセチン、ペルフロキサシン、イセチオン酸ペンタミジン、ペントスタチン、ペントキシフィリン、ペリシクロビル、ペンタガストリン、フェントラミンメシレート、フェニルアラニン、サリチル酸フィゾスチグミン、ペストワクチン、ピペラシリンナトリウム、硫酸ポリミキシンB、塩化プラリドキシム、プラムリンチド、プレガバリン、プロパフェノン、臭化プロパンテリン、臭化ピリドスチグミン、狂犬病ワクチン、レシドロネート、リババリン、塩酸リマンタジン、サルメテロールキシナホエート、シンカリド、ソラトール、ソマトスタチン、スパルフロキサシン、スペクチノマイシン、スタブジン、ストレプトキナーゼ、ストレプトゾシン、スキサメトニウムクロライド、塩酸タクリン、硫酸テルブタリン、チオペタ、チカルシリン、チルドロネート、チモロール、トランドラプリル、グルコン酸トリメトレキサート、トロスペクチノマイシン、トロバフロキサシン、塩化ツボクラリン、尿素、ウロキナーゼ、バンコマイシン、バラシクロビル、バルサルタン、バソプレシンおよびバソプレシン誘導体、臭化ベクロニウム、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン、ビタミンB12、ワルファリンナトリウム、ザルシタビン、ザナミビル、ゾランドロネート、ジドブジン、テオフィリン、グレパフロキサシン、カルテオロール、プロカテロール、レバミピド、アリピプラゾール、トルバプタン,アセトアミノフェン、ケトプロフェン、ナプロキセン、ピロキシカム、フェニトイン、ベラパミル、塩酸マプロチリン、塩酸パパベリン、ノルエピネフリン、塩化ベルベリン、スルファメトキサゾール、ジアゼパム、塩酸ブロムヘキシン、塩酸ジフェニドール、カフェイン、塩酸ペラパミル、キタサマイシン、ジョサマイシン、ロキシスロマイシン、ミデカマイシン、これらの薬学的に許容される塩、これらの異性体、誘導体等が例示される。 本発明に使用される薬理活性物質には、上記化合物の他に、ペプチド、及びタンパク質も挙げることができる。具体的には、インターフェロン(インターフェロン−α、β、γ)、インターロイキン(インターロイキン−1〜11)、腫瘍壊死因子(TNF−α、β)、悪性白血球阻止因子(LIF)、エリスロポエチン、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)、顆粒球−マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)、マクロファージコロニー刺激因子(M-CFS)、スロンボポイエチン、血小板増殖刺激因子、巨核球増殖刺激因子、インスリン、成長ホルモン、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LH-RH)、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、アミリン、オキシトシン、黄体形成ホルモン、神経成長因子(NGF、NGF-2/NT-3)、上皮細胞増殖因子(EGF)、繊維芽細胞成長因子(FGF)、インスリン様成長因子(IGF)、形質転換成長因子(TGF)、血小板由来細胞成長因子(PDGF)、肝細胞成長因子(HGF)、エンドセリン、エンドセリンインヒビター、エンドセリンアンタゴニスト、エンドセリン生成酵素阻害剤、バソプレシン、レニン、アンギオテンシンI、アンギオテンシンII、アンギオテンシンIII、アンギオテンシンIインヒビター、アンギオテンシンII受容体アンタゴニスト、心房ナトリウム利尿ペプチド(ANP)、抗不整脈ペプチド、エンケファリン、エンドルフィン、キョートルフィン、ニューロトロピックファクター(NTF)、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)、アデニル酸シクラーゼ活性化ペプチド(PACAP)、甲状腺ホルモン放出ホルモン(TRH)、ニューロテンシン、カルシトニン、アポプロテインE、甲状腺ホルモン、セクレチン、ガストリン等が例示される。 本発明において、これらの薬理活性物質は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。 本発明の医薬組成物によれば、通常経口投与では吸収性の悪い薬理活性物質に対しても、吸収性を高めて薬理作用を効率的に発現させることができる。かかる効果を鑑みれば、本発明の医薬組成物に配合される薬理活性物質の好適な一例として、難吸収性の薬理活性物質が挙げられる。ここで、難吸収性の薬理活性物質とは、体内への吸収性が低い薬理成分であり、経口投与すると、不活性化したり、薬理作用を発揮し難いものを意味する。このような難吸収性の薬理活性物質としては、ペプチド、タンパク質、及び難溶解性の薬理活性物質が例示される。 このような難吸収性の薬理活性物質の中でも好適なものとして、難溶解性の薬理活性物質が挙げられる。本発明において、難溶解性の薬理活性物質とは、第14改正日本薬局方にいう溶解性を示す用語の「やや溶けにくい」、「溶けにくい」、「極めて溶けにくい」及び「ほとんど溶けない」のいずれか溶解性を示す薬理活性物質である。日本薬局方における薬理活性物質の溶解性とは、薬理活性物質が固形の場合は粉末にした後、溶媒中に入れ、20±5℃で5分毎ごとに強く30秒間振り混ぜるとき、30分以内に溶ける度合をいい、具体的には、「やや溶けにくい」とは薬理活性物質1g又は1mLを溶かすに要する水の量が30mL以上100mL未満;「溶けにくい」とは薬理活性物質1g又は1mLを溶かすに要する水の量が100mL以上1000mL未満;「極めて溶けにくい」とは薬理活性物質1g又は1mLを溶かすに要する水の量が1000mL以上10000mL未満;「ほとんど溶けない」とは薬理活性物質1g又は1mLを溶かすに要する水の量が10000mL以上であることを示す。 このような難溶性の薬物の具体例としては、レバミピド、塩酸マプロチリン、塩酸パパベリン、ノルエピネフリン、塩化ベルベリン、塩酸セトラキサート、スルファメトキサゾール、メトロニダゾール、ジアゼパム、シメチジン、ファモチジン、塩酸ブロムヘキシン、塩酸ジフェニドール、カフェイン、ジゴキシン、塩酸ペラパミル、エリスロマイシン、クラリスロマイシン、キタサマイシン、ジョサマイシン、ロキシスロマイシン、ミデカマイシン等が例示される。 また、本発明の医薬組成物は、消化器下部における優れた吸収性に加えて、徐放性をも備えることができるので、本発明に使用される薬理活性物質としては、徐放性を備えていることが求められる化合物が好ましい。このような観点から、本発明に使用される薬理活性物質として、好ましくは、レバミピド、テオフィリン、シロスタゾール、ケトプロフェン、ナプロキセン、ジクロフェナック、イトラコナゾール、ピロキシカム、フェニトイン、ベラパミル、プロブコール,トルバプタン;更に好ましくはテオフィリン,シロスタゾール、プロブコール、トルバプタンが例示される。 本発明の医薬組成物における(A)成分の一日当たりの投与量については、該(A)成分の種類、患者の年齢や性別等によって異なるが、成人1日当たり、通常0.1〜2000mg、好ましくは0.5〜1000mgを目安として設定すればよい。 本発明の医薬組成物における(A)成分の配合割合については、患者の性別や年齢、投与形態、製剤の形状や剤型、使用する(A)成分の種類や一日投与量等に応じて適宜設定すればよい。例えば、医薬組成物の総量に対して、(A)成分が0.0001〜90重量%、好ましくは0.005〜94重量%、更に好ましくは0.01〜90重量%が例示される。 (B)薬物吸収促進剤 本発明の医薬組成物は、更に、薬物吸収促進剤(以下、単に「(B)成分」と表記することもある)を含有する。薬物吸収促進剤としては、上記薬理活性物質の吸収を促進する化合物である限り、特に制限されず、公知のものを広く使用できる。薬物吸収促進剤としては、例えば、中鎖脂肪酸塩、長鎖脂肪酸塩、胆汁酸塩、界面活性剤、シクロデキストリン、アルキルサッカライド、キレート化剤、アルキルカルバメート、ソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。 中鎖脂肪酸塩としては、例えば炭素数6〜13の脂肪酸の塩(特にアルカリ金属塩)が挙げられ、具体的にはカプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ラウリル硫酸等のアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)等が包含される。 長鎖脂肪酸塩としては、例えば炭素数14〜20の脂肪酸の塩(特にアルカリ金属塩)等が挙げられ、具体的にはミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸等のアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)等が包含される。 胆汁酸塩としては、例えばコール酸、グリココール酸、タウロコール酸、デオキシコール酸、ケノデオキシコール酸、タウロデオキシコール酸等の胆汁酸のアルカリ金属塩が挙げられ、具体的にはコール酸ナトリウム、グリココール酸ナトリウム、タウロコール酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム、ケノデオキシコール酸ナトリウム、タウロデオキシコール酸ナトリウム等が包含される。 界面活性剤としては、例えば、アニオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤等が挙げられる。非イオン系界面活性剤としては、例えば、モノステアリン酸グリセリド、トリカプリン酸グリセリド、トリラウリン酸グリセリド、モノウンデシレン酸グリセリル、ペンタステアリン酸テトラグリセリル等の中鎖脂肪酸グリセリドの他、ポリソルベート80、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレンラノリン、ポリオキシエチレンラノリンアルコール、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル等が挙げられる。 シクロデキストリンとしては、例えばジメチル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、スルホブチルエーテル−β−シクロデキストリン等が挙げられる。 アルキルサッカライドとしては、例えばカルボキシフルオレセイン、ラウリルマルトシド等が挙げられる。 キレート化剤としては、例えばEDTA等のポリアミノカルボン酸類、クエン酸等のオキシカルボン酸類、ジメチルグリオキシム等のオキシム類等が挙げられる。 アルキルカルバメートとしては、例えば、C1−C4アルキルカーバメート、具体的には、メチルカルバメート、エチルカルバメート、ブチルカルバメート等が挙げられる。 ソルビタン脂肪酸エステルとしては、例えばモノラウリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、セスキステアリン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン等が挙げられる。 本発明において、薬物吸収促進剤は、1種単独で又は2種以上混合して使用される。 上記薬物吸収促進剤の内、好ましくは中鎖脂肪酸塩であり、更に好ましくは炭素数6〜18の脂肪酸のアルカリ金属塩、特に好ましくはラウリル硫酸、カプリン酸、及びラウリン酸のアルカリ金属塩、より好ましくはラウリル硫酸のアルカリ金属塩が例示される。 本発明の医薬組成物における(B)成分の配合割合については、例えば、該医薬組成物の総量に対して0.01〜90重量%、好ましくは0.1〜80重量%、更に好ましくは1〜70重量%が例示される。 (C)生体内で溶解するワックス 本発明の医薬組成物は、上記(A)及び(B)成分に加えて、生体内で溶解するワックス(以下、単に「(C)成分」と表記することもある)を含有する。ここで、生体内で溶解するワックスとは、常温(15℃)で半固体状又は固体状、好ましくは固体状を示し、生体内(消化管下部)において溶融する性質を有するワックスを指す。生体内で溶解するワックスとして、具体的には、融点が40℃以下、好ましくは31〜40℃であるワックスが例示される。当該融点については、「第14改正日本薬局方 一般試験法 14.凝固点測定法」に従って測定される。 本発明に使用されるワックスは、その由来については特に制限されず、動物由来、植物由来、合成、又は半合成のいずれであってもよい。 本発明に使用されるワックスの具体例として、高級脂肪酸、高級脂肪酸のエステル、高級アルコール、高級アルコールのエステル等が挙げられる。 高級脂肪酸としては、例えば、炭素数12〜28の高級脂肪酸が挙げられ、具体的には、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、マーガリン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸等が挙げられる。 高級脂肪酸のエステルとしては、例えば、上記高級脂肪酸のエステル(具体的には、グリセリン脂肪酸エステル、エチレングリコール脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビトール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル等);動物又は植物から得られる飽和脂肪酸のグリセライド、その混合物、及びこれらのグリセライドの硬化油脂;オレイン酸、リノール酸、リシノール酸等の不飽和脂肪酸のグリセライド、及びその混合物等が例示される。また、グリセリン脂肪酸エステルの具体例として、高級飽和脂肪酸のモノ、ジ又はトリグリセライド;好ましくは炭素数12〜18の飽和脂肪酸のモノ、ジ又はトリグリセライド;更に好ましくは炭素数12〜18の飽和脂肪酸のトリグリセライドが例示される。 高級アルコールとしては、例えば、ペンタデカノール、ヘキサデカノール、ヘプタデカノール、オクタデカノール、ノナデカノール、エイコサデカノール、羊毛アルコール等が例示される。 高級アルコールのエステルとしては、例えば、コレステリールパルミテート、植物ステロールのパルミテート等が挙げられる。 本発明において、上記ワックスは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。 上記ワックスの内、好ましくは高級脂肪酸のエステルであり、更に好ましくはグリセリン脂肪酸エステル、特に好ましくは高級飽和脂肪酸のトリグリセライド、より好ましくは炭素数12〜18の飽和脂肪酸のトリグリセライドが例示される。 本発明の医薬組成物における(C)成分の配合割合については、例えば、該医薬組成物の総量に対して1〜95重量%、好ましくは5〜95重量%、更に好ましくは10〜90重量%が例示される。 (A)〜(C)成分の組み合わせ態様 本発明の医薬組成物は、上記(A)〜(C)成分を含む限り、その各成分の組み合わせ態様については、特に限定されないが、以下の具体的組み合わせ態様を採用することによって、薬理活性物質の吸収性をより一層向上させることができる:(B)成分が中鎖脂肪酸塩であり、且つ(C)成分が高級脂肪酸のエステルである組み合わせ;好ましくは(B)成分が炭素数6〜18の脂肪酸のアルカリ金属塩であり、且つ(C)成分がグリセリン脂肪酸エステルである組み合わせ;更に好ましくは(B)成分がラウリル硫酸、カプリン酸又はラウリン酸のアルカリ金属塩であり、且つ(C)成分が高級飽和脂肪酸のモノ、ジ又はトリグリセライドである組み合わせ;より好ましくは(B)成分がラウリル硫酸のアルカリ金属塩であり、且つ(C)成分が炭素数12〜18の飽和脂肪酸のトリグリセライドである組み合わせ。 また、薬理活性物質の吸収性の改善を一層顕著ならしめるという観点から、本発明の医薬組成物において、上記(B)及び(C)成分は、更に以下の比率を充足することが望ましい:(B)成分100重量分に対して、(C)成分が1〜10000重量部、好ましくは10〜5000重量部、更に好ましくは100〜5000重量部。 その他任意添加成分 本発明の医薬組成物には、上記(A)〜(C)成分に加えて、必要に応じて、水溶性高分子、水不溶性高分子、腸溶性高分子、胃溶性高分子等の高分子物質を原料中に適当量配合することもできる。このような高分子物質として、具体的には、ヒドロキシセルロース、ヒドロキシプピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、セルロースアセテートフタレート、エチルセルロース、酢酸セルロース、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、カルメロース、カルメロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、シクロデキストリン、シクロデキストリン誘導体、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE、アルキルメタクリレートコポリマーRS、メタクリレートコポリマーL、メタクリレートコポリマーS、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアセタールジエチルアミニアセテート、ポリビニルアルコール、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ゼラチン、セラック等が挙げられる。 また、上記の他、本発明の医薬組成物には、イオン交換樹脂、可溶化剤、可塑剤、希釈剤,甘味料、滑沢剤、賦形剤又は充填剤、酵素阻害剤、抗接着剤、抗凝固剤、消泡剤、結合剤、pH調整剤または緩衝剤、キレート剤、凝析剤、結合剤、香料減感剤、矯味剤、保存剤抗酸化剤、凍結防止剤、着色剤、不透明化剤、冷却剤、溶媒、濃厚剤、崩壊剤等の添加剤を適当量配合してもよい。このような添加剤の具体例としては、レシチン、リゾレシチン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジン酸、ホスファチジルセリン、リゾホスファチジルコリン、リゾホスファチジルエタノールアミン、リゾホスファチジルグリセロール、リゾホスファチジン酸、リゾホスファチジルセリン、PEG−ホスファチジルエタノールアミン、PVP−ホスファチジルエタノールアミン、マクロゴール400,マクロゴール4000、マクロゴール600、マクロゴール10000、マクロゴール6000、乳糖、白糖、マンニトール、塩化ナトリウム、ブドウ糖、炭酸カルシウム、カオリン、結晶セルロース、ケイ酸塩、水、エタノール、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン液、デキストリン、プルラン、クエン酸、無水クエン酸、クエン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム二水和物、無水リン酸一水素ナトリウム、無水リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、ポリソルベート80、第4級アンモニウム塩基、精製タルク、ステアリン酸塩、ポリエチレングリコール、コロイド状ケイ酸、黄酸化鉄、黄色三二酸化鉄、三二酸化鉄、βカロテン、酸化チタン、食用色素(例えば、食用青色1号等)、銅クロロフィル、リボフラビン、アスコルビン酸、アスパルテーム、アマチャ、塩化ナトリウム、果糖、サッカリン、粉糖等が例示できる。 これらの添加剤の配合割合は、医薬組成物の用途や製剤形態に応じて適宜設定することができる。 医薬組成物の形態 本発明の医薬組成物は、経口投与が可能であることを限度として、その製剤形態については制限されないが、例えば、錠剤、顆粒剤、散剤、液剤、懸濁剤等が挙げられる。また、本発明の医薬組成物は、マイクロカプセル、ソフトカプセル、ハードカプセル等に充填されて、カプセル剤の形態をとることもできる。カプセル剤の形態にする場合には、腸溶性カプセルを採用してもよい。 医薬組成物の製造方法 本発明の医薬組成物は、公知の製造方法に従って製造することができる。即ち、上記(A)〜(C)成分、及び必要に応じて他の添加剤を所定量添加して加熱混合した後、得られた混合物を用いて目的の製剤形態に成形することによって、本発明の医薬組成物が調製される。 以下、実施例及び試験例等に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。 実施例1 腸溶性カプセル剤 レバミピド10g、ラウリル硫酸ナトリウム(東京化成工業社製)5g、及びWitepsol H-15(炭素数12〜18の飽和脂肪酸のトリグリセライド、融点33.5〜35.5℃、Dynamil Nobel社製(ドイツ))55gを加えて、加温スターラー(設定温度80℃、IWAKI GLASS1社製)を用いて混合液にした後、得られた混合液700mgを腸溶性カプセル(素材:ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、シオノギクオリカプス社製)に流し込み、腸溶性カプセル剤(1カプセル当たりのレバミピド含量:100mg)を得た。 実施例2 腸溶性カプセル剤 レバミピド20g、ラウリル硫酸ナトリウム(東京化成工業社製)20g、及びWitepsol H-15(炭素数12〜18の飽和脂肪酸のトリグリセライド、融点33.5〜35.5℃、Dynamil Nobel社製(ドイツ))100gを加えて、加温スターラー(設定温度80℃、IWAKI GLASS1社製)を用いて混合液にした後、得られた混合液150mgを腸溶性カプセル(素材:ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、シオノギクオリカプス社製)に流し込み、腸溶性カプセル剤を得た。 実施例3 ソフトカプセル剤 レバミピド20g、ラウリル硫酸ナトリウム(東京化成工業社製)20g、及びWitepsol(ミツバ貿易)100gを加えて、加温スターラー(設定温度80℃、IWAKI GLASS1社製)を用いて混合液にした後、得られた混合液150mgをソフトカプセルに流し込み、ソフトカプセル剤を得た。 実施例4 錠剤 レバミピド20g、ラウリン酸ナトリウム(東京化成工業社製)20g、Witepsol H-15(炭素数12〜18の飽和脂肪酸のトリグリセライド、融点33.5〜35.5℃、Dynamil Nobel社製(ドイツ))100g、コーンスターチ(日本食品化工社製)100g、及び結晶セルロース(旭化成社製)100gを混合し、更にステアリン酸Mg(太平化学社製)0.5gを添加し、これを直径8.5mmの臼で打錠して、錠剤(1錠剤当たりの重量:340.5mg)を得た。 実施例5 錠剤 レバミピド20g、ラウリン酸ナトリウム(東京化成工業社製)20g、Witepsol H-15(炭素数12〜18の飽和脂肪酸のトリグリセライド、融点33.5〜35.5℃、Dynamil Nobel社製(ドイツ))100g、コーンスターチ(日本食品化工社製)100g、及び結晶セルロース(旭化成社製)100gを混合し、更にステアリン酸Mg(太平化学社製)0.5gを添加し、これを直径9.0mmの臼で打錠し、錠剤(1錠剤当たりの重量:340.5mg)を得た。 実施例6 顆粒剤 レバミピド20g、ラウリン酸ナトリウム(東京化成工業社製)20g、Witepsol H-15(炭素数12〜18の飽和脂肪酸のトリグリセライド、融点33.5〜35.5℃、Dynamil Nobel社製(ドイツ))100g、コーンスターチ(日本食品化工社製)100g、及び結晶セルロース(旭化成社製)100gを、ニーダー(岡田精工社製NSK-150)に投入して混合後、適量の水溶液を加えて練合物を得る。得られた練合物を0.8 mm穴のドームダイを装着した押し出し造粒機(不二パウダル社製ドームグランDG-L1)により押し出し造粒に供した後、更に球形整粒機(不二パウダル社製マルメライザーQJ-400)により球形整粒する。得られた顆粒を乾燥し、顆粒剤を得る。 実施例7 顆粒剤 更に実施例6の顆粒剤に対して、6重量%ヒドロキシプロピルメチルセルロース、2重量%ポリエチレングリコール、1重量%タルク及び1重量%酸化チタンを含むコーテイング液を噴霧して、コーテイング顆粒を得る。 比較例1 腸溶性カプセル剤 レバミピド100mgを腸溶性カプセル(素材:ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、シオノギクオリカプス社製)に収容して、腸溶性カプセル剤を得た。 比較例2 腸溶性カプセル剤 レバミピド100mg及びラウリン酸ナトリウム(東京化成工業社製)50mgを腸溶性カプセル(素材:ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、シオノギクオリカプス社製)に収容して、腸溶性カプセル剤を得た。 試験例1 実施例1の腸溶性カプセル剤を4匹のビーグル犬に空腹下経口投与し、経時的に採血を行い血中薬物濃度(レバミピドの血中濃度)を測定した。また、比較のために、比較例1及び2の腸溶性カプセル剤をを用いて、同様に試験を行った。 得られた血中薬物濃度推移を図1に、また薬物動態学パラメータの平均値を表1に示す。この結果から、レバミピド及びラウリン酸ナトリウムを混合した製剤では、レバミピドの吸収性の改善効果は殆ど認められなかった(比較例2の結果参照)。これに対して、レバミピド、ラウリン酸ナトリウム及び高級飽和脂肪酸のトリグリセリドを配合した製剤では、レバミピドの吸収性が著しく改善された。特に、投与3時間後において、血中レバミピドの濃度は、実施例1の製剤では、比較例2の製剤に比べて4倍以上にも達していた(図1参照)。 以上の結果から、薬理活性物質、薬物吸収促進剤、及び生体内で溶解するワックスを組合わせて配合することによって、薬理活性物質の消化管下部における吸収性が向上し、該薬理活性物質の薬理作用を効果的に発揮させることが可能になることが確認された。 また、以上の結果から、薬理活性物質としてレバミピドに代えて、他の難溶性薬理活性物質(例えば、テオフィリン,シロスタゾール、プロブコール、トルバプタン等)を用いても、該薬理活性物質の消化管下部における吸収性が向上し、該薬理活性物質の薬理作用を効果的に発揮させ得ると理解される。試験例1において、実施例1、比較例1又は2の腸溶性カプセル剤をそれぞれビーグル犬に経口投与した際の血中の薬理活性物質(レバミピド)の平均濃度の経時変化を示す図である。 (A)薬理活性物質、(B)薬物吸収促進剤、及び(C)生体内で溶解するワックスを含有することを特徴とする、経口医薬組成物。 (A)成分が難溶解性の薬理活性物質である、請求項1に記載の経口医薬組成物。 (B)成分が中鎖脂肪酸塩である、請求項1に記載の経口医薬組成物。 (B)成分が炭素数6〜18の脂肪酸のアルカリ金属塩である、請求項1に記載の経口医薬組成物。 (C)成分が高級脂肪酸のエステルである、請求項1に記載の経口医薬組成物。 C)成分がグリセリン脂肪酸エステルである、請求項1に記載の経口医薬組成物。 (B)成分が中鎖脂肪酸塩であり、且つ(C)成分が高級脂肪酸のエステルである、請求項1に記載の経口医薬組成物。 (B)成分が炭素数6〜18の脂肪酸のアルカリ金属塩であり、且つ(C)成分がグリセリン脂肪酸エステルである、請求項1に記載の経口医薬組成物。 経口医薬組成物の総量当たり、(A)成分を0.0001〜90重量%、(B)成分を0.01〜90重量%重量%、及び(C)成分を1〜95重量%含有する、請求項1に記載の経口医薬組成物。 (B)成分100重量部に対して、(C)成分が1〜10000重量部の比率で含まれる、請求項1に記載の経口医薬組成物。 (B)薬物吸収促進剤及び(C)生体内で溶解するワックスの、(A)薬理活性物質を含有する経口医薬組成物の製造のための使用。 本発明の目的は、薬理活性物質の吸収性が改善されており、生体内で薬理作用を効率的に発現できる経口医薬組成物を提供することである。 (A)薬理活性物質と共に、(B)薬物吸収促進剤、及び(C)生体内で溶解するワックスを組み合わせて配合して、経口医薬組成物を調製する。