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タイトル:公開特許公報(A)_固形製剤
出願番号:2007064246
年次:2008
IPC分類:A61K 31/513,A61P 43/00,A61K 47/12,A61K 47/38,A61K 9/20


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村川 祐介 波々伯部 美幸 JP 2008222646 公開特許公報(A) 20080925 2007064246 20070313 固形製剤 武田薬品工業株式会社 000002934 高島 一 100080791 村川 祐介 波々伯部 美幸 A61K 31/513 20060101AFI20080829BHJP A61P 43/00 20060101ALI20080829BHJP A61K 47/12 20060101ALI20080829BHJP A61K 47/38 20060101ALI20080829BHJP A61K 9/20 20060101ALI20080829BHJP JPA61K31/513A61P43/00 111A61K47/12A61K47/38A61K9/20 5 OL 14 4C076 4C086 4C076AA36 4C076BB01 4C076CC29 4C076DD41 4C076EE31 4C076FF06 4C076FF07 4C076GG14 4C086AA01 4C086AA02 4C086BC42 4C086GA07 4C086MA03 4C086MA05 4C086MA34 4C086MA35 4C086MA52 4C086NA02 4C086NA20 4C086ZC02 4C086ZC35 本発明は、2−[2−(3−(R)−アミノ−ピペリジン−1−イル)−5−フルオロ−6−オキソ−6H−ピリミジン−1−イルメチル]−ベンゾニトリル(本明細書中「化合物A」と略記する場合がある)またはその塩を含む、固形製剤(具体的には、錠剤)に関する。 化合物Aまたはその塩は、インスリン分泌を高めるホルモンであるグルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)を分解する酵素であるジペプチジルペプチダーゼ(DPP−IV)の阻害薬として報告されている(特許文献1)。国際公開2005/016911号パンフレット 本発明者らが、従来の方法により、化合物Aまたはその塩を医薬活性成分とする錠剤を製造したところ、打錠工程において打錠障害が観察された。 このことから、打錠障害を生じることなく、しかも、錠剤の成形性や医薬活性成分の溶出性などに優れた、化合物Aまたはその塩を医薬活性成分とする錠剤を提供することが要望されている。 本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意研究を行った結果、化合物Aまたはその塩を医薬活性成分とする錠剤の製造において、各原料を一度に混合せずに、(A)化合物Aまたはその塩および結晶セルロースを含む、顆粒(本明細書中、成分(A)ともいう)と、(B)ステアリン酸マグネシウムおよび結晶セルロースを含む、打錠助剤(本明細書中、成分(B)ともいう)をそれぞれ調製し、これらを混合した後、打錠することにより、打錠障害を生じることなく、該錠剤の硬度低下などの成形性の悪化や、化合物Aまたはその塩の溶出遅延などを防ぐことができることを見出し、更なる研究の結果、本発明を完成するに至った。 すなわち、本発明は、[1] 以下の(A)および(B)を含む錠剤:(A)化合物Aまたはその塩および結晶セルロースを含む顆粒;(B)ステアリン酸マグネシウムおよび結晶セルロースを含む打錠助剤(本明細書中、「本発明の錠剤」ということがある)、[2] 前記(A)の結晶セルロースおよび前記(B)の結晶セルロースの錠剤中の含量が、それぞれ、5〜40重量%および2〜20重量%である、上記[1]記載の錠剤、[3] (A)化合物Aまたはその塩および結晶セルロースを含む顆粒と、(B)ステアリン酸マグネシウムおよび結晶セルロースを含む打錠助剤とを混合し、ついで打錠することを特徴とする、錠剤の製造方法、[4] 前記(A)の結晶セルロースおよび前記(B)の結晶セルロースの錠剤中の含量が、それぞれ、5〜40重量%および2〜20重量%である、上記[3]記載の製造方法、[5] 上記[3]記載の製造方法により得られる錠剤、などに関する。 本発明によれば、化合物Aまたはその塩を医薬活性成分とする錠剤の製造の際、打錠障害を生じることなく、該医薬活性成分の溶出性などに優れた錠剤を提供できる。 以下、本発明について詳細に説明する。 本明細書中、「打錠障害」とは、例えば、スティッキング(杵に粉末が付着する現象)、バインディング(臼と錠剤の摩擦が大きくなる現象)、キャッピング(錠剤が帽子状に剥離する現象)、ラミネーティング(錠剤が層状に剥離する現象)などの、打錠時に生じる好ましくない現象を意味する。 本発明の錠剤における成分(A)は、化合物Aまたはその塩および結晶セルロースを含む、顆粒(以下、「本発明の顆粒」と略記することがある)である。 本明細書中、「顆粒」とは、粉状、塊状、溶液あるいは溶融液状などの原料を、湿式造粒法、乾式造粒法あるいは加熱造粒法等により造粒することによって得られる、ほぼ均一な形状と大きさを持つ粒を意味する。 本発明の顆粒の粒度は、通常、1000μm以上が20%以下、150μm以下が65%以下(16M篩において、on(篩上に残留):20%以下、100M篩において、pass(篩を通過):65%以下)、好ましくは1000μm以上が5%以下、150μm以下が40%以下(16M篩において、on:5%以下;100M篩において、pass:40%以下)である。ここで、粒度は、例えば、標準篩で篩分けした際に篩上に残った顆粒重量を測定して得られた値を示す。 なお、該顆粒は、本発明の錠剤を得るための製剤化の過程(例、打錠工程)で、その形状や大きさが変化していてもよい。 化合物Aの塩としては、薬理学的に許容し得る塩、例えば、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性または酸性アミノ酸との塩などが挙げられる。 無機酸との塩の好適な例としては、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸などとの塩が挙げられる。 有機酸との塩の好適な例としては、安息香酸、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などとの塩が挙げられる。 塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、アルギニン、リジン、オルニチンなどとの塩が挙げられ、酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、アスパラギン酸、グルタミン酸などとの塩が挙げられる。 化合物Aの塩の好適な例としては、トリフルオロ酢酸、塩酸、酒石酸などとの塩が挙げられる。なかでも、化合物Aの酒石酸塩が好ましい。 本発明の錠剤中の化合物Aまたはその塩の含量は、化合物A(フリー体)として、好ましくは1〜50重量%、より好ましくは1〜35重量%である。 本発明に用いられる結晶セルロースは、医薬品添加物として使用される物であれば特に限定されず、例えば、結晶セルロース、結晶セルロース(粒)、結晶セルロース(微粒子)などの中から、1種類を単独で用いてもよいし、あるいは2種以上を混合して用いてもよい。 本発明の錠剤中の本発明の顆粒に含まれる結晶セルロースの量は、好ましくは5〜40重量%、さらに好ましくは5〜20重量%である。 本発明の顆粒は、さらに製剤分野において慣用の添加剤を含有していてもよい。該添加剤としては、例えば、賦形剤、結合剤、着色剤、pH調整剤、界面活性剤、安定化剤、酸味料、香料、流動化剤、コーティング基剤、コーティング添加剤などが挙げられる。これら添加剤は、特に述べない限り、製剤分野において慣用の量が用いられる。 賦形剤の好適な例としては、マンニトール、トウモロコシデンプン、馬鈴薯デンプン、コムギデンプン、コメデンプン、部分アルファー化デンプン、アルファー化デンプン、有孔デンプンなどのデンプン類;無水リン酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウムなどが挙げられる。 マンニトールは、通常、打錠障害を誘引しやすい賦形剤である。しかし、本発明の錠剤では、マンニトールにより誘引される打錠障害をも防ぐことができるので、医薬活性成分である化合物A(またはその塩)の水溶性、保存安定性などを改善することを目的として、本発明の顆粒に賦形剤としてマンニトールを添加することが好ましい。 本発明の錠剤中、本発明の顆粒に含まれる賦形剤の量は、好ましくは5〜95重量%、さらに好ましくは30〜80重量%である。 結合剤の好適な例としては、ヒドロキシプロピルセルロース[例、グレード:L、SL、SL−T、SSL(商品名);日本曹達(株)]、ヒドロキシプロピルメチルセルロース[例、TC−5(グレード:MW、E、EW、RW)(商品名);信越化学(株)]、ポリビニルピロリドン(ポビドン)、アラビアゴムなどが挙げられる。なかでも、好ましくは、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドンであり、より好ましくは、ヒドロキシプロピルセルロースである。 本発明の錠剤中、本発明の顆粒に含まれる結合剤の量は、好ましくは1〜20重量%、さらに好ましくは1〜5重量%である。 着色剤の好適な例としては、食用黄色5号、食用赤色2号、食用青色2号などの食用色素、食用レーキ色素、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄などが挙げられる。 pH調整剤の好適な例としては、クエン酸塩、リン酸塩、炭酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、酢酸塩、アミノ酸塩などが挙げられる。 界面活性剤の好適な例としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリソルベート80、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコールなどが挙げられる。 安定化剤の好適な例としては、トコフェロール、エデト酸四ナトリウム、ニコチン酸アミド、シクロデキストリン類などが挙げられる。 酸味料の好適な例としては、アスコルビン酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸などが挙げられる。 香料の好適な例としては、メントール、ハッカ油、レモン油、バニリンなどが挙げられる。 流動化剤の好適な例としては、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素などが挙げられる。 コーティング基剤の好適な例としては、糖衣基剤、水溶性フィルムコーティング基剤、腸溶性フィルムコーティング基剤、徐放性フィルムコーティング基剤などが挙げられる。 糖衣基剤としては、例えば、白糖が挙げられ、さらに、タルク、沈降炭酸カルシウム、ゼラチン、アラビアゴム、プルラン、カルナバロウなどから選ばれる1種または2種以上を併用してもよい。 水溶性フィルムコーティング基剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例、ヒプロメロース2910)、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース系高分子;ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、アミノアルキルメタアクリレートコポリマーE〔オイドラギットE(商品名)〕、ポリビニルピロリドンなどの合成高分子;プルランなどの多糖類などが挙げられる。 腸溶性フィルムコーティング基剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース フタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロース アセテートサクシネート、カルボキシメチルエチルセルロース、酢酸フタル酸セルロースなどのセルロース系高分子;メタアクリル酸コポリマーL〔オイドラギットL(商品名)〕、メタアクリル酸コポリマーLD〔オイドラギットL−30D55(商品名)〕、メタアクリル酸コポリマーS〔オイドラギットS(商品名)〕などのアクリル酸系高分子;セラックなどの天然物などが挙げられる。 徐放性フィルムコーティング基剤としては、例えば、エチルセルロースなどのセルロース系高分子;アミノアルキルメタアクリレートコポリマーRS〔オイドラギットRS(商品名)〕、アクリル酸エチル・メタアクリル酸メチル共重合体懸濁液〔オイドラギットNE(商品名)〕などのアクリル酸系高分子などが挙げられる。 コーティング添加剤の好適な例としては、酸化チタン、タルク、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄などの遮光剤および/または着色剤;ポリエチレングリコール(例、マクロゴール6000)、クエン酸トリエチル、ヒマシ油、ポリソルベート類などの可塑剤;クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、アスコルビン酸などの有機酸;などが挙げられる。 上記添加剤は、2種以上を適宜の割合で混合して用いてもよい。 本発明の顆粒は、好ましくは、化合物Aまたはその塩および結晶セルロース以外に、賦形剤(好ましくは、マンニトール)、結合剤(好ましくは、ヒドロキシプロピルセルロースまたはポビドン、より好ましくはヒドロキシプロピルセルロース)を含む組成物である。 本発明の錠剤における成分(B)とは、ステアリン酸マグネシウムおよび結晶セルロースを含む打錠助剤(以下、「本発明の打錠助剤」と略記することがある)である。 本明細書中、「打錠助剤」とは、本発明の錠剤の製造において、打錠工程の前に、本発明の顆粒と混合される成分のことを意味する。該成分は、ステアリン酸マグネシウムおよび結晶セルロース以外に、後述する添加剤の1または2種以上を含んでいてもよい。 本発明の打錠助剤に用いられるステアリン酸マグネシウムとしては、医薬品添加物として使用されている物であれば特に限定されない。 本発明の錠剤中、本発明の打錠助剤に含まれるステアリン酸マグネシウムの量は、好ましくは0.5〜2重量%、さらに好ましくは0.5〜1.5重量%である。 本発明の打錠助剤に用いられる結晶セルロースとしては、前述の本発明の顆粒に用いられるのと同様のものが挙げられる。ここで、該顆粒に用いられる結晶セルロースの種類と該打錠助剤に用いられる結晶セルロースの種類は、同一でも異なっていてもよい。 本発明の錠剤中、本発明の打錠助剤に含まれる結晶セルロースの量は、好ましくは2〜20重量%、さらに好ましくは2〜15重量%である。 本発明の打錠助剤は、さらに製剤分野において慣用の添加剤を含有していてもよく、該添加剤としては、例えば、上記顆粒で述べたもの、崩壊剤などが挙げられる。これらの添加剤は、特に述べない限り、製剤分野において慣用の量が用いられる。 崩壊剤の好適な例としては、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチなどが挙げられる。 本発明の打錠助剤は、好ましくは、ステアリン酸マグネシウムおよび結晶セルロース以外に、崩壊剤(好ましくは、クロスカルメロースナトリウム)を含む組成物である。 本発明の錠剤中、本発明の打錠助剤に含まれる崩壊剤の量は、好ましくは1〜15重量%、さらに好ましくは1〜10重量%である。 本発明の錠剤は、通常、本発明の顆粒を、好ましくは75〜95重量%、さらに好ましくは80〜90重量%含み、本発明の打錠助剤を、好ましくは5〜25重量%、さらに好ましくは10〜20重量%含む。 また、本発明の錠剤は、通常、本発明の顆粒中の結晶セルロースを、好ましくは5〜40重量%、さらに好ましくは5〜20重量%含み、そして本発明の打錠助剤中の結晶セルロースを、好ましくは2〜20重量%、さらに好ましくは2〜15重量%含む。 さらに、本発明の錠剤は、通常、本発明の打錠助剤中のステアリン酸マグネシウムを好ましくは0.5〜2重量%、さらに好ましくは0.5〜1.5重量%含む。 本発明の錠剤の好適な具体例としては、以下が挙げられる:(錠剤A) 以下の(A)および(B)を含む錠剤:(A)化合物Aまたはその塩(好ましくは、酒石酸塩)、結晶セルロース、賦形剤(好ましくは、マンニトール)、および結合剤(好ましくは、ヒドロキシプロピルセルロースまたはポビドン)から構成される顆粒;(B)ステアリン酸マグネシウム、結晶セルロース、および崩壊剤(好ましくは、クロスカルメロースナトリウム)から構成される打錠助剤。 本発明の錠剤は、服用性、製剤強度などの改善を目的として、フィルムコーティングされていてもよい。 フィルムコーティングに用いられる、コーティング基剤およびコーティング添加剤の好適な例としては、前記本発明の顆粒に用いられるのと同様のものが挙げられる。 本発明の錠剤がフィルムコーティングされる場合、フィルムコーティング層は、本発明の錠剤100重量部に対して、通常、1〜10重量部、好ましくは2〜6重量部の割合で形成される。 本発明の錠剤は、(A)化合物Aまたはその塩および結晶セルロースを含む顆粒(即ち、本発明の顆粒)と、(B)ステアリン酸マグネシウムおよび結晶セルロースを含む打錠助剤(即ち、本発明の打錠助剤)とを混合し、ついで打錠することによって製造することができる。 具体的には、本発明の錠剤は、以下の製造工程にしたがって製造することができる。なお、以下の製造工程における各原料は、最終的に得られる錠剤中の含量が、前述の量となるように使用される。1)上記成分(A)の顆粒は、例えば、化合物Aまたはその塩と結晶セルロースを、必要に応じて添加剤(賦形剤、好ましくは、マンニトール)と共に混合した後、造粒することによって製造することができる。より具体的には、流動層造粒乾燥機内で結合剤(好ましくは、ヒドロキシプロピルセルロースまたはポビドン)の溶媒(例、水、アセトン、エチルアルコール、プロピルアルコール、およびこれらの適宜の割合での混合液;好ましくは、水)分散液を噴霧して造粒する。次いで乾燥し、得られた造粒物を解砕して整粒末を得る。2)該整粒末に打錠助剤としてステアリン酸マグネシウム、結晶セルロースおよび所望により配合される成分(好ましくは、崩壊剤(好ましくはクロスカルメロースナトリウム)を加え、混合して打錠用顆粒とする。3)この顆粒を打錠機で打錠して裸錠を得る。4)所望により得られた裸錠に、例えば、フィルムコーティング機中で、フィルムコーティング液を噴霧しフィルムコーティング錠を得る。 なお、上記分散液は、溶液あるいは懸濁液のいずれであってもよく、本明細書中の「分散液」は、溶液および懸濁液のいずれをも含む。 本発明の錠剤は、服用性、製剤強度などの改善を目的として、フィルムコーティングされていることが好ましい。また上記錠剤を、カプセル(例、ゼラチンカプセル)に充填することによってカプセル剤としてもよい。 また、本発明の錠剤には、識別性のための刻印あるいは文字を印刷してあってもよく、分割用の割線を付してあってもよい。 前記製造工程において、混合、打錠、コーティングなどの操作は、製剤技術分野において慣用の方法にしたがって行われる。 混合は、例えば、V型混合機、タンブラー混合機などの混合機;および高速攪拌造粒機、流動造粒乾燥機、押し出し造粒機、ローラーコンパクターなどの造粒機を用いて行われる。 打錠は、例えば、単発錠剤機、ロータリー式打錠機などを用いて行われる。なお、単発錠剤機、ロータリー式打錠機などを用いる際には、通常1〜35kN/cm2(好ましくは5〜35kN/cm2)の打錠圧を採用することが好ましく、さらに、キャッピング防止を目的として、テーパー形状の臼を用いることが好ましい。 コーティングは、例えば、フィルムコーティング装置などを用いて行われる。 本発明の錠剤は、哺乳動物(例、マウス、ラット、ウサギ、ネコ、イヌ、ウシ、ウマ、サル、ヒト)に対して、経口的あるいは非経口的に安全に投与することができる。 本発明の錠剤は、例えば、糖尿病[例、1型糖尿病、2型糖尿病、1.5型糖尿病(LADA(Latent Autoimmune Diabetes in Adults))、妊娠糖尿病、インスリン分泌不全型糖尿病、肥満型糖尿病、耐糖能不全(IGT(Impaired Glucose Tolerance))、IFG(Impaired Fasting Glucose)、IFG(Impaired Fasting Glycaemia)]、糖尿病性合併症[例、神経障害、腎症、網膜症、白内障、大血管障害、動脈硬化症、骨減少症、糖尿病性高浸透圧昏睡、感染症(例、呼吸器感染症、尿路感染症、消化器感染症、皮膚軟部組織感染症、下肢感染症)、糖尿病性壊疽、口腔乾燥症、聴覚の低下、脳血管障害、末梢血行障害]、肥満症、高脂血症(例、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、低HDL血症、食後高脂血症)、動脈硬化症(例、アテローム性動脈硬化症)、高血圧、心筋梗塞、狭心症、脳血管障害(例、脳梗塞、脳卒中)、インスリン抵抗性症候群、シンドロームX、代謝不全症候群(Dysmetabolic syndrome)などの予防または治療に有用である。 また、本発明の錠剤は、上記した各種疾患の2次予防(例、心筋梗塞などの心血管イベントの2次予防)または進展抑制[例、耐糖能不全から糖尿病への進展抑制;糖尿病から糖尿病性合併症(好ましくは、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、動脈硬化症)への進展抑制]にも有用である。 本発明の錠剤の投与量は、医薬活性成分として含まれる化合物Aの有効量であればよい。 具体例として、化合物Aまたはその塩の有効量は、例えば、成人(体重60kg)1人あたり、通常、化合物A(フリー体)として、1〜150mg/日、好ましくは6.25〜100mg/日である。また、本発明の錠剤の前記哺乳動物への1日あたりの投与回数は、好ましくは1日あたり1〜3回、さらに好ましくは1日1回である。 医薬活性成分として化合物Aを含む錠剤の特に好ましい具体例としては、「1錠あたり、化合物A(フリー体)として6.25mgを含有する錠剤」;「1錠あたり、化合物A(フリー体)として12.5mgを含有する錠剤」;「1錠あたり、化合物A(フリー体)として50mgを含有する錠剤」;「1錠あたり、化合物A(フリー体)として100mgを含有する錠剤」が挙げられる。 化合物A(またはその塩)は、1以上の別の種類の薬剤(以下、併用薬剤と略記することがある)と組み合わせて用いることができる。 具体例として、化合物A(またはその塩)は、糖尿病治療剤、糖尿病性合併症治療剤、高脂血症治療剤、降圧剤、抗肥満剤、利尿剤、抗血栓剤などから選ばれる1以上の薬剤(以下、「併用薬剤」と略記することがある)と組み合わせて用いることができる。 ここで、糖尿病治療剤としては、例えば、インスリン製剤(例、ウシ、ブタの膵臓から抽出された動物インスリン製剤;大腸菌またはイーストを用い、遺伝子工学的に合成したヒトインスリン製剤;インスリン亜鉛;プロタミンインスリン亜鉛;インスリンのフラグメントまたは誘導体(例、INS-1)、経口インスリン製剤)、インスリン抵抗性改善剤(例、ピオグリタゾンまたはその塩酸塩(好ましくは塩酸塩)、ロシグリタゾンまたはその塩(好ましくはマレイン酸塩)、テサグリタザール(Tesaglitazar)、ラガグリタザール(Ragaglitazar)、ムラグリタザール(Muraglitazar)、エダグリタゾン(Edaglitazone)、メタグリダセン(Metaglidasen)、ナベグリタザール(Naveglitazar)、AMG-131、THR-0921)、α−グルコシダーゼ阻害剤(例、ボグリボース、アカルボース、ミグリトール、エミグリテート)、ビグアナイド剤(例、メトホルミン、ブホルミンまたはそれらの塩(例、塩酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩))、インスリン分泌促進剤[スルホニルウレア剤(例、トルブタミド、グリベンクラミド、グリクラジド、クロルプロパミド、トラザミド、アセトヘキサミド、グリクロピラミド、グリメピリド、グリピザイド、グリブゾール)、レパグリニド、ナテグリニド、ミチグリニドまたはそのカルシウム塩水和物]、化合物A以外のジペプチジルペプチダーゼIV阻害剤(例、ヴィルダグリプチン(Vildagliptin)、シタグリプチン(Sitagliptin)、サクサグリプチン(Saxagliptin)、T-6666、TS-021)、β3アゴニスト(例、AJ-9677)、GPR40アゴニスト、GLP−1受容体アゴニスト[例、GLP-1、GLP-1MR剤、NN-2211、AC-2993(exendin-4)、BIM-51077、Aib(8,35)hGLP-1(7,37)NH2、CJC-1131]、アミリンアゴニスト(例、プラムリンチド)、ホスホチロシンホスファターゼ阻害剤(例、バナジン酸ナトリウム)、糖新生阻害剤(例、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤、グルコース−6−ホスファターゼ阻害剤、グルカゴン拮抗剤)、SGLUT(sodium-glucose cotransporter)阻害剤(例、T-1095)、11β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ阻害薬(例、BVT-3498)、アジポネクチンまたはその作動薬、IKK阻害薬(例、AS-2868)、レプチン抵抗性改善薬、ソマトスタチン受容体作動薬、グルコキナーゼ活性化薬(例、Ro-28-1675)、GIP(Glucose-dependent insulinotropic peptide)などが挙げられる。 糖尿病性合併症治療剤としては、例えば、アルドース還元酵素阻害剤(例、トルレスタット、エパルレスタット、ゼナレスタット、ゾポルレスタット、ミナルレスタット、フィダレスタット、CT-112)、神経栄養因子およびその増加薬(例、NGF、NT-3、BDNF、WO01/14372に記載のニューロトロフィン産生・分泌促進剤(例、4−(4−クロロフェニル)−2−(2−メチル−1−イミダゾリル)−5−[3−(2−メチルフェノキシ)プロピル]オキサゾール))、神経再生促進薬(例、Y-128)、PKC阻害剤(例、ルボキシスタウリン メシレート(ruboxistaurin mesylate))、AGE阻害剤(例、ALT946、ピマゲジン、N-フェナシルチアゾリウム ブロマイド(ALT766)、ALT-711、EXO-226、ピリドリン(Pyridorin)、ピリドキサミン)、活性酸素消去薬(例、チオクト酸)、脳血管拡張剤(例、チアプリド、メキシレチン)、ソマトスタチン受容体作動薬(例、BIM23190)、アポトーシスシグナルレギュレーティングキナーゼ-1(ASK-1)阻害薬が挙げられる。 高脂血症治療剤としては、例えば、HMG−CoA還元酵素阻害剤(例、プラバスタチン、シンバスタチン、ロバスタチン、アトルバスタチン、フルバスタチン、ピタバスタチン、ロスバスタチンまたはそれらの塩(例、ナトリウム塩、カルシウム塩))、スクアレン合成酵素阻害剤(例、WO97/10224に記載の化合物、例えば、N−[[(3R,5S)-1-(3-アセトキシ-2,2-ジメチルプロピル)-7-クロロ-5-(2,3-ジメトキシフェニル)-2-オキソ-1,2,3,5-テトラヒドロ-4,1-ベンズオキサゼピン-3-イル]アセチル]ピペリジン-4-酢酸)、フィブラート系化合物(例、ベザフィブラート、クロフィブラート、シムフィブラート、クリノフィブラート)、ACAT阻害剤(例、アバシマイブ(Avasimibe)、エフルシマイブ(Eflucimibe))、陰イオン交換樹脂(例、コレスチラミン)、プロブコール、ニコチン酸系薬剤(例、ニコモール(nicomol)、ニセリトロール(niceritrol))、イコサペント酸エチル、植物ステロール(例、ソイステロール(soysterol)、ガンマオリザノール(γ−oryzanol))などが挙げられる。 降圧剤としては、例えば、アンジオテンシン変換酵素阻害剤(例、カプトプリル、エナラプリル、デラプリル)、アンジオテンシンII受容体拮抗剤(例、カンデサルタン シレキセチル、ロサルタン、エプロサルタン、バルサルタン、テルミサルタン、イルベサルタン、タソサルタン、1-[[2'-(2,5-ジヒドロ-5-オキソ-4H-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ビフェニル-4-イル]メチル]-2-エトキシ-1H-ベンズイミダゾール-7-カルボン酸)、カルシウム拮抗剤(例、マニジピン、ニフェジピン、アムロジピン、エホニジピン、ニカルジピン)、カリウムチャンネル開口薬(例、レブクロマカリム、L-27152、AL 0671、NIP-121)、クロニジンなどが挙げられる。 抗肥満剤としては、例えば、中枢性抗肥満薬(例、デキスフェンフルラミン、フェンフルラミン、フェンテルミン、シブトラミン、アンフェプラモン、デキサンフェタミン、マジンドール、フェニルプロパノールアミン、クロベンゾレックス;MCH受容体拮抗薬(例、SB-568849;SNAP-7941;WO01/82925およびWO01/87834に記載の化合物);ニューロペプチドY拮抗薬(例、CP-422935);カンナビノイド受容体拮抗薬(例、SR-141716、SR-147778);グレリン拮抗薬)、膵リパーゼ阻害薬(例、オルリスタット、セティリスタット)、β3アゴニスト(例、AJ-9677)、ペプチド性食欲抑制薬(例、レプチン、CNTF(毛様体神経栄養因子))、コレシストキニンアゴニスト(例、リンチトリプト、FPL-15849)、摂食抑制薬(例、P-57)などが挙げられる。 利尿剤としては、例えば、キサンチン誘導体(例、サリチル酸ナトリウムテオブロミン、サリチル酸カルシウムテオブロミン)、チアジド系製剤(例、エチアジド、シクロペンチアジド、トリクロルメチアジド、ヒドロクロロチアジド、ヒドロフルメチアジド、ベンチルヒドロクロロチアジド、ペンフルチジド、ポリチアジド、メチクロチアジド)、抗アルドステロン製剤(例、スピロノラクトン、トリアムテレン)、炭酸脱水酵素阻害剤(例、アセタゾラミド)、クロルベンゼンスルホンアミド系製剤(例、クロルタリドン、メフルシド、インダパミド)、アゾセミド、イソソルビド、エタクリン酸、ピレタニド、ブメタニド、フロセミドなどが挙げられる。 抗血栓剤としては、例えば、ヘパリン(例、ヘパリンナトリウム、ヘパリンカルシウム、ダルテパリンナトリウム(dalteparin sodium))、ワルファリン(例、ワルファリンカリウム)、抗トロンビン薬(例、アルガトロバン(aragatroban))、血栓溶解薬(例、ウロキナーゼ(urokinase)、チソキナーゼ(tisokinase)、アルテプラーゼ(alteplase)、ナテプラーゼ(nateplase)、モンテプラーゼ(monteplase)、パミテプラーゼ(pamiteplase))、血小板凝集抑制薬(例、塩酸チクロピジン(ticlopidine hydrochloride)、シロスタゾール(cilostazol)、イコサペント酸エチル、ベラプロストナトリウム(beraprost sodium)、塩酸サルポグレラート(sarpogrelate hydrochloride))などが挙げられる。 上記併用薬剤のなかでも、インスリン抵抗性改善剤(好ましくは、塩酸ピオグリタゾン)、インスリン製剤、α−グルコシダーゼ阻害剤(好ましくは、ボグリボース、アカルボース)、ビグアナイド剤(好ましくは、塩酸メトホルミン)、スルホニルウレア剤(好ましくは、グリメピリド)などが好ましい。 本発明の錠剤と併用薬剤とを組み合わせて用いる場合、これらの投与時期は限定されず、投与対象に対し、同時に投与してもよいし、時間差をおいて投与してもよい。 また、投与対象に対して、本発明の錠剤と併用薬剤とを別々の製剤として投与してもよいし、本発明の錠剤と併用薬剤とを含む単一の製剤として投与してもよい。 併用薬剤の投与量は、各薬剤の臨床上用いられている用量を基準として適宜選択することができる。また、本発明の錠剤と併用薬剤の配合比は、投与対象、投与ルート、対象疾患、症状、組み合わせなどにより適宜選択することができる。例えば投与対象がヒトである場合、本発明の錠剤1重量部に対し、併用薬剤を0.01ないし100重量部用いればよい。 このように、併用薬剤を用いることにより、1)化合物A(もしくはその塩)または併用薬剤の作用の増強効果(薬剤作用の相乗効果)、2)化合物A(もしくはその塩)または併用薬剤の投与量の低減効果(単独投与時と比較した場合の薬剤投与量の低減効果)、3)化合物A(もしくはその塩)または併用薬剤の二次的な作用の低減効果などの優れた効果が得られる。 以下に、比較例、実施例、試験例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。 なお、以下の比較例、実施例において、製剤添加物としては、日本薬局方第15改正、日本薬局方外医薬品規格または医薬品添加物規格2003の収載品を用いた。比較例1 流動層造粒乾燥機(LAB−1、(株)パウレック)中で、表1の処方に従い、化合物Aの酒石酸塩、乳糖および結晶セルロースを均一に混合後、機内でコポビドンを溶解した水溶液を噴霧して造粒し、ついで同機で乾燥した。得られた造粒物を篩(16M)で篩過し整粒末を得た。この整粒末にクロスカルメロースナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムを加え、袋混合し打錠用顆粒とした。この顆粒をロータリー打錠機(コレクト19K、菊水製作所)で9mmφの杵を用いて重量300mgに打錠し裸錠を得た。一方、ヒプロメロース2910とマクロゴール6000との水溶液に、酸化チタン、黄色三二酸化鉄およびタルクを分散してフィルムコーティング液を調製した。上記裸錠に、フィルムコーティング機(ハイコーターHCP−75、フロイント産業(株))中で前記したコーティング液を噴霧し、1錠当たり化合物A(フリー体)を100mg含有するフィルムコーティング錠を1000錠得た。本比較例の製造の際、キャッピングおよびスティッキングが観察された。実施例1 流動層造粒乾燥機(LAB−1、(株)パウレック)中で、表2の処方に従い、化合物Aの酒石酸塩、マンニトールおよび結晶セルロースを均一に混合後、機内でヒドロキシプロピルセルロースを溶解した水溶液を噴霧して造粒し、ついで同機で乾燥した。得られた造粒物を篩(16M)で篩過し整粒末を得た。この整粒末に結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムを加え、袋混合し打錠用顆粒とした。この顆粒をロータリー打錠機(コレクト19K、菊水製作所)で8mmφの杵を用いて重量220mgに打錠し裸錠を得た。一方、ヒプロメロース2910とマクロゴール6000との水溶液に、酸化チタン、黄色三二酸化鉄およびタルクを分散してフィルムコーティング液を調製した。上記裸錠に、フィルムコーティング機(ハイコーターHCP−75、フロイント産業(株))中で前記したコーティング液を噴霧し、1錠当たり化合物A(フリー体)を6.25mg含有するフィルムコーティング錠を1400錠、および1錠当たり化合物A(フリー体)を50mg含有するフィルムコーティング錠を1400錠得た。本実施例において、キャッピングおよびスティッキングなどの打錠障害は観察されなかった。実施例2 流動層造粒乾燥機(FD−5S、(株)パウレック)中で、表2の処方に従い表3の仕込量にて、化合物Aの酒石酸塩、マンニトールおよび結晶セルロースを均一に混合後、機内でヒドロキシプロピルセルロースを溶解した水溶液を噴霧して造粒し、ついで同機で乾燥した。得られた造粒物をパワーミル粉砕機(P−3、昭和化学機械工作所)を用い、1.5mmφパンチングスクリーンで解砕した。得られた整粒末に結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムを加え、タンブラー混合機(TM−15、昭和化学機械工作所)で混合し打錠用顆粒とした。この顆粒をロータリー打錠機(コレクト12HUK、菊水製作所)で8.0mmφの杵を用いて重量220mgに打錠し裸錠を得た。一方、ヒプロメロース2910とマクロゴール6000との水溶液に、酸化チタン、黄色三二酸化鉄およびタルクを分散してフィルムコーティング液を調製した。上記裸錠に、フィルムコーティング機(DRC−500、(株)パウレック)中で前記したコーティング液を噴霧した後、1錠当たり化合物A(フリー体)を6.25mg含有するフィルムコーティング錠を14400錠、および1錠当たり化合物A(フリー体)を50mg含有するフィルムコーティング錠を14400錠得た。本実施例において、キャッピングおよびスティッキングなどの打錠障害は観察されなかった。実施例3 流動層造粒乾燥機(FD−S2、(株)パウレック)中で、表2に示す処方および表4に示す仕込み量に従い、化合物Aの酒石酸塩、マンニトールおよび結晶セルロースを均一に混合後、機内でヒドロキシプロピルセルロースを溶解した水溶液を噴霧して造粒し、ついで同機で乾燥した。得られた造粒物をパワーミル粉砕機(P−3、昭和化学機械工作所)を用い、1.5mmφパンチングスクリーンで解砕した。得られた整粒末に結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムを加え、タンブラー混合機(TM−200S、末広化学機械工作所)で混合し打錠用顆粒とした。この顆粒をロータリー打錠機(AQUA0836SS2JII、菊水製作所)で8.0mmφの杵を用いて重量220mgに打錠し裸錠を得た。一方、ヒプロメロース2910とマクロゴール6000との水溶液に、酸化チタン、黄色三二酸化鉄およびタルクを分散してフィルムコーティング液を調製した。上記裸錠に、フィルムコーティング機(ハイコーターHCF-100N、フロイント産業(株))中で前記したコーティング液を噴霧した後、1錠当たり化合物A(フリー体)を6.25mg含有するフィルムコーティング錠を236,000錠、および1錠当たり化合物A(フリー体)を50mg含有するフィルムコーティング錠を236,000錠得た。本実施例において、キャッピングおよびスティッキングなどの打錠障害は観察されなかった。試験例1 比較例1および実施例1〜3の製造中製造性(形成性)を判断した。その結果、比較例1で得られた錠剤は、その総数の約10%でキャッピングを認めた。一方、実施例1〜3で得られた錠剤は全て、キャッピングが認められなかった。 以上の結果より、本発明の錠剤は、打錠障害を生じることなく製造できることが示された。試験例2 日局パドル法(回転数50rpm、37℃、0.01N HCl 900mL、n=6)に従い、実施例3で得た裸錠(50mg錠;打錠圧10kN)からの化合物Aの溶出挙動を測定した。溶出試験15分後における薬物溶出率の結果を表5に示す。 以上の結果より、本発明の錠剤は、打錠障害を生じることなく製造でき、かつ医薬活性成分の溶出性にも優れることが示された。 本発明は、化合物Aまたはその塩を医薬活性成分とする錠剤の製造において、打錠障害を生じることなく、錠剤の成形性や医薬活性成分の溶出性などが優れた錠剤を提供することができるという利点を有する。 以下の(A)および(B)を含む錠剤:(A)2−[2−(3−(R)−アミノ−ピペリジン−1−イル)−5−フルオロ−6−オキソ−6H−ピリミジン−1−イルメチル]−ベンゾニトリルまたはその塩および結晶セルロースを含む顆粒;(B)ステアリン酸マグネシウムおよび結晶セルロースを含む打錠助剤。 前記(A)の結晶セルロースおよび前記(B)の結晶セルロースの錠剤中の含量が、それぞれ、5〜40重量%および2〜20重量%である、請求項1記載の錠剤。 (A)2−[2−(3−(R)−アミノ−ピペリジン−1−イル)−5−フルオロ−6−オキソ−6H−ピリミジン−1−イルメチル]−ベンゾニトリルまたはその塩および結晶セルロースを含む顆粒と、(B)ステアリン酸マグネシウムおよび結晶セルロースを含む打錠助剤とを混合し、ついで打錠することを特徴とする、錠剤の製造方法。 前記(A)の結晶セルロースおよび前記(B)の結晶セルロースの錠剤中の含量が、それぞれ、5〜40重量%および2〜20重量%である、請求項3記載の製造方法。 請求項3記載の製造方法により得られる錠剤。 【課題】2−[2−(3−(R)−アミノ−ピペリジン−1−イル)−5−フルオロ−6−オキソ−6H−ピリミジン−1−イルメチル]−ベンゾニトリル(化合物A)またはその塩を医薬活性成分とする錠剤の製造において、打錠障害を生じることなく、錠剤の成形性や医薬活性成分の溶出性などが優れた錠剤を提供すること。【解決手段】以下の(A)および(B)を含む錠剤:(A)化合物Aまたはその塩および結晶セルロースを含む顆粒;(B)ステアリン酸マグネシウムおよび結晶セルロースを含む打錠助剤。【選択図】なし


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