タイトル: | 公開特許公報(A)_カイラル剤、重合性液晶組成物、光学素子および光記録再生装置 |
出願番号: | 2007061943 |
年次: | 2008 |
IPC分類: | C09K 19/54,C09K 19/38,G02F 1/13,G02B 5/18,G02B 5/30,C07D 493/04 |
塩野 和彦 山本 祐治 JP 2008222829 公開特許公報(A) 20080925 2007061943 20070312 カイラル剤、重合性液晶組成物、光学素子および光記録再生装置 旭硝子株式会社 000000044 塩野 和彦 山本 祐治 C09K 19/54 20060101AFI20080829BHJP C09K 19/38 20060101ALI20080829BHJP G02F 1/13 20060101ALI20080829BHJP G02B 5/18 20060101ALI20080829BHJP G02B 5/30 20060101ALI20080829BHJP C07D 493/04 20060101ALN20080829BHJP JPC09K19/54 BC09K19/38G02F1/13 500G02B5/18G02B5/30C07D493/04 101DC07D493/04 9 OL 23 2H049 2H249 4C071 4H027 2H049AA03 2H049AA13 2H049AA43 2H049AA57 2H049AA64 2H049BA05 2H049BA42 2H049BB42 2H049BC08 2H049BC21 2H249AA03 2H249AA13 2H249AA43 2H249AA57 2H249AA64 4C071AA01 4C071BB01 4C071CC12 4C071DD04 4C071EE05 4C071FF15 4C071HH05 4C071JJ01 4C071LL05 4H027BA02 4H027BA11 本発明はカイラル剤、それを含む重合性液晶組成物、それを用いた光学素子および光記録再生装置に関する。 コレステリック液晶における液晶分子は、螺旋状にねじれた配向を有しており、その螺旋のピッチに対応する、左右円偏光成分の一方を選択反射する性質がある。このため、コレステリック液晶は、様々な光学素子に利用されている。このようなコレステリック液晶は、ネマチック液晶材料のような液晶材料に、不斉中心を有するカイラル剤を添加することによって得られる。 コレステリック液晶としては、温度特性が良好なこと、信頼性が高いことから、高分子タイプのコレステリック液晶が有用である。高分子コレステリック液晶は、重合性官能基を有する液晶性化合物と、重合性官能基を有するカイラル剤とを含む重合性液晶組成物を重合することによって得ることができる。 従来、コレステリック液晶を得るために液晶材料に添加される様々なカイラル剤が、開発されており、例えば、イソソルビドの骨格構造を有するカイラル剤が、開示されている。 イソソルビドの骨格構造を有するカイラル剤としては、例えば、特許文献1には、イソソルビドの骨格構造を中心とした対称構造及び2個〜6個の重合可能な基を備えた化合物が開示されている。また、特許文献2には、イソソルビドの骨格構造を有するが重合性官能基を有さないカイラルドーパントが、開示されている。さらに、特許文献3には、イソソルビドの骨格構造を有し、イソソルビド骨格構造の両側に存在する環の数が異なるカイラル化合物が開示されている。 しかしながら、特許文献1に開示された化合物を、重合性液晶性化合物と混ぜて重合性液晶組成物として重合させて、高分子のコレステリック液晶を得る際には、以下の問題があった。特許文献1に開示されるような2個〜6個の重合可能な基を備えた化合物の重合速度は、単官能の重合性液晶性化合物の重合速度より速い。このため、重合反応の初期には、特許文献1に開示されるような2個〜6個の重合可能な基を備えた化合物の重合反応に寄与する割合が多く、一方、重合反応の後期には、単官能の重合性液晶性化合物の重合反応に寄与する割合が多い。よって、重合反応によって得られる重合体の組成が、重合の初期と重合の後期との間で変動することがある。その結果、得られる高分子のコレステリック液晶の選択反射帯が、重合前の液晶組成物における選択反射帯よりも広くなったり、選択反射帯の矩形の形状が崩れてしまったりすることがある。なお、高分子のコレステリック液晶の選択反射帯は、高分子のコレステリック液晶が左右円偏光成分の一方を選択反射する光の波長領域を意味する。 また、特許文献2に開示されるような、イソソルビドの骨格構造を有するが重合性官能基を有さないカイラルドーパントは、重合性液晶性化合物との相溶性が低いことがある。このため、重合性液晶性化合物を重合するとき、得られる重合体とカイラルドーパントとの間で相分離が起こることがある。また、重合性液晶性化合物の重合後に、カイラルドーパントが析出することがある。さらに、特許文献2に開示されるようなカイラルドーパントは、重合性官能基を有さないため、高分子のコレステリック液晶を製造することができない。 近年、光ディスクの大容量化を図るため、情報の書き込み、読み取りに使用されるレーザー光を短波長化し、光ディスク上の凹凸ピットサイズをより小さくすることが進められている。CDでは波長780nm、DVDでは波長660nmのレーザー光が使用されているが、次世代光ディスクでは、波長300〜450nmのレーザー光の使用が検討されている。これに伴い、波長300〜450nmのレーザー光(以下、青色レーザー光とも記す。)を変調するための光学素子が求められている。 しかし、特許文献1、3等に記載された従来から知られたカイラル剤は青色レーザー光に対する耐光性が不充分であり、次世代光ディスク用光学素子に用いるには問題があった。特表平9−506088号公報特表2000−515496号公報特開2003−137887号公報 本発明の目的は青色レーザー光に対して高い耐光性を有する光硬化型カイラル剤であって、重合性液晶性化合物との相溶性に優れ、重合性液晶性化合物と混ぜて重合性液晶組成物として重合した際にも均一な重合が可能なカイラル剤を提供することである。 本発明者らは、ソルビトール骨格を持つ化合物であって、その置換基に特定の基を有する化合物が青色レーザー光に対して高い耐光性を発揮し、重合性液晶性化合物との相溶性に優れ、重合性液晶性化合物と混ぜて重合性液晶組成物として重合した際にも均一な重合が可能であり、優れた特性の光学素子を得ることができることを見出した。 すなわち、本発明は下記の発明を提供する。[1]下記一般式(1)で表されるカイラル剤であって、 P1及びP2は、それぞれ独立に1,4−シクロヘキシレン基を1個含む炭素数が10〜20の炭化水素基であり、基中にエーテル結合性の酸素原子もしくはエステル結合を有していてもよく、また基中の水素原子がフッ素原子に置換されていてもよく、P1及びP2の一方は、さらに重合性官能基を含むことを特徴とするカイラル剤。[2]下記一般式(1A)または下記一般式(1B)で表されるカイラル剤であって、 Q1及びQ4は、それぞれ独立に、 CH2=CR1−COO−(L)m−E1−で表される基であり、 Q2及びQ3は、それぞれ独立に、 −E2−R2で表される基であり、 R1は、水素原子またはメチル基であり、 R2は、水素原子、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1以上8以下のアルキル基、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1以上8以下のアルコキシ基、フッ素原子からなる群より選択される基であり、 mは、0または1であり、 Lは、フッ素原子で置換されていてもよい(CH2)pO−、−(CH2)q−もしくは−(CH2)rOCO−、またはそれらの同じ基もしくは異なる基の組み合わせであり、 p,q及びrは、単独の場合には2以上8以下の整数であり、同じ基もしくは異なる基の組み合わせの場合にはメチレン基の総数が2以上8以下となる数であり、 E1及びE2は、1,4−シクロへキシレン基である前記[1]に記載のカイラル剤。[3]R2は、炭素数1以上8以下のアルキル基、炭素数1以上8以下のアルコキシ基、フッ素原子からなる群より選択される基である前記[2]に記載のカイラル剤。[4]250nmでの波長でモル吸光係数が20000以下である前記[1]〜[3]のいずれかに記載のカイラル剤。[5]重合性液晶化合物と前記[1]〜[4]のいずれかに記載のカイラル剤とを含むことを特徴とする重合性液晶組成物。[6]表面に配向処理を施した一対の基板間に前記[5]に記載の重合性液晶組成物を挟持して、重合させて得られた高分子液晶を有することを特徴とする光学素子。[7]屈折率が等方性の第1の光学材料及び前記[5]に記載の重合性液晶組成物を重合させて得られた高分子液晶からなる屈折率が異方性の第2の光学材料が格子状に配置されていることを特徴とする回折光学素子。[8]第1の円偏光に対する前記第1の光学材料の屈折率は、第1の円偏光に対する前記第2の光学材料の屈折率と実質的に等しく、第1の円偏光と逆向きに回転する第2の円偏光に対する前記第1の光学材料の屈折率は、第2の円偏光に対する前記第2の光学材料の屈折率と異なる前記[7]に記載の回折光学素子。[9]光記録媒体に情報を記録する及び/又光記録媒体に記録された情報を再生する光情報記録再生装置であって、前記[7]または[8]に記載の回折光学素子を含むことを特徴とする光記録再生装置。 本発明のカイラル剤は構造中に300〜450nmの波長領域で吸光係数の小さいシクロへキシレン基を有するため、青色レーザー光による光劣化が抑制され、その結果、青色レーザー光に対する耐光性の優れたカイラル剤を提供することができる。また、P1及びP2は、夫々シクロヘキシレン基を1個のみ有するので、他の重合性液晶化合物との相溶性も良くしやすい。また、材料P1及びP2の一方に重合性官能基を設けることにより、カイラル剤のみが早期に重合してしまうことによる重合初期と終期での特性変化が少なくなり、均一な重合物が得られやすくなる。 次に、本発明の実施の形態を図面と共に説明する。 本発明のカイラル剤は、下記一般式(1)で表されるカイラル剤であって、 P1及びP2は、それぞれ独立に1,4−シクロヘキシレン基を1個含む炭素数が10〜20の炭化水素基であり、基中にエーテル結合性の酸素原子もしくはエステル結合を有していてもよく、また基中の水素原子がフッ素原子に置換されていてもよく、P1及びP2の一方は、さらに重合性官能基を含むものである。 すなわち、一般式(1)で表される化合物は、不斉炭素原子を有するカイラル剤である。 ここで、P1及びP2は、いずれも1,4−シクロへキシレン基を1個含む炭素数が10〜20の炭化水素基である。この炭化水素基は、基中にエーテル結合性の酸素原子もしくはエステル結合を有していてもよく、また基中の水素原子がフッ素原子に置換されていてもよい。すなわち、P1及びP2の各々に含まれる環は、夫々1,4−シクロヘキシレン基1個のみである。これにより、青色レーザー光に対する耐光性を向上させ、他の重合性液晶化合物との相溶性も向上させることができる。また、紫外領域でも吸収が小さいので、透明性が高い。 これは、環構造としてフェニル基ではなく、シクロへキシレン基を用いることで、より吸収を短波長化し青色レーザーに対する耐光性がよくなるためである。また、環をソルビトールの両側に各々、1つにすることで多環に比べて結晶化点が小さくなるためである。カイラル剤及び重合性液晶性化合物を含む組成物を調製する際、これらの材料の融点が高いと、両者を充分に混合するために加熱が必要となる。この加熱により不均一な熱重合反応が進行しやすくなり、均一な高分子コレステリック液晶を得ることが困難となるおそれがある。また、結晶化点が高いと、組成物においてカイラル剤が析出しやすく、高分子コレステリック液晶が不均一になるおそれもある。 また、P1及びP2の一方は、重合性官能基を含む。言い換えれば、P1及びP2の一方が、重合性官能基を含み、他方は、重合性官能基を含まない。重合性官能基は、炭素−炭素二重結合(−C=C−)を含む官能基である。重合性官能基としては、例えば、アクリロイル基(CH2=CHCOO−)及びメタクリロイル基(CH2=C(CH3)COO−)などが挙げられる。 P1、P2は、それぞれ独立に4−置換−シクロヘキサンカルボン酸のカルボキシル基の水素原子を除いた基が好ましい。このP1、P2の一方の4位には重合性不飽和基を有する置換基を有し、他方の4位には重合性不飽和基を有しない置換基を有する。重合性不飽和基を有しない置換基としては、後述のR2が好ましく、特に炭素数8以下のアルキル基が好ましい。重合性不飽和基を有する置換基としてはCH2=CR1−COO−(L)m− (R1、L、mは後述のものと同じ)が好ましく、特に、CH2=CR1−COO−(CH2)r−OCO− (R1、rは後述のものと同じ)が好ましい。 本発明では青色レーザー光に対して高い耐光性を有するカイラル剤を提供することができる。ここでいう耐光性はKrレーザー(波長407nm、413nmのマルチモード)を温度80℃において、積算曝露エネルギー15W・hour/mm2照射する加速試験において、405nmでの光線透過率の変動値から求められる。この変動値が小さい場合に高耐光性であるとする。 また、本発明のカイラル剤は、高いHTP(Helical Twisting Power:らせん誘起力)を有し得る。カイラル剤のHTPは、 HTP=(PC)−1で定義され、Pは、カイラル剤によるコレステリック液晶のピッチ(μm)を表し、Cは、カイラル剤を含む組成物におけるカイラル剤の濃度(質量%)を表す。 さらに、本発明のカイラル剤の温度変化に対するカイラル剤のHTPの変化は、比較的小さい。 本発明のカイラル剤は、下記一般式(1A)または下記一般式(1B)で表されるカイラル剤であることが好ましい。これは下記一般式(1A)または一般式(1B)で表される化合物は、不斉炭素原子を有するカイラル剤である。 イソソルビドの骨格にエステル結合−シクロへキシレン基を繋げることでより大きなHTPを出すことができる。また、液晶化合物に構造が類似していることになり、液晶化合物と組成物にした際に相溶性が良く、重合時に相分離を起こしにくい。特に、400nm〜500nmまで選択反射領域を移動させるためのカイラル剤の添加量が少なくて済み、かつホストとなる液晶組成物との相溶性が良く、カイラル剤と混ぜることにより結晶化点が比較的低い液晶組成物が提供できる。 ここで、Q1及びQ4は、それぞれ独立に、CH2=CR1−COO−(L)m−E1−で表される基である。また、Q2及びQ3は、それぞれ独立に、−E2−R2で表される基である。 R1は、水素原子またはメチル基であり、水素原子が好ましい。R2は、水素原子、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1以上8以下のアルキル基、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1以上8以下のアルコキシ基、フッ素原子からなる群より選択される基である。 炭素数1以上8以下のアルキル基は、直鎖または分岐鎖の炭素数1以上8以下のアルキル基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基などが挙げられる。炭素数1以上8以下のアルコキシ基は、直鎖または分岐鎖の炭素数1以上8以下のアルコキシ基であり、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基などが挙げられる。 本発明のカイラル剤において、好ましくは、HTPを大きくする観点からは、R2は炭素数1以上8以下のアルキル基、炭素数1以上8以下のアルコキシ基からなる群より選択される基であることが好ましい。具体的には、n−プロピル基、ペンチル基、n−へプチル基が好ましい。 mは、0または1であり、1が好ましい。Lは、−(CH2)pO−、−(CH2)q−及び−(CH2)rOCO−、またはそれらの同じ基もしくは異なる基の組み合わせである。すなわち、−(CH2)p1O−(CH2)p2O−のように同じ基を組み合わせてもよいし、−(CH2)p3O−(CH2)r1OCO−のように異なる基を組み合わせてもよい。中でも、−(CH2)rOCO−を含むことが好ましい。 p、q及びrは、単独の場合には2以上8以下の整数である。同じ基もしくは異なる基の組み合わせの場合にはメチレン基の総数が2以上8以下となる数である。すなわち、上記の例のように、−(CH2)p1O−(CH2)p2O−の場合には、p1+p2を2以上8以下の整数とし、−(CH2)p3O−(CH2)r1OCO−の場合には、p3+r1を2以上8以下の整数とする。特には、単独でかつ2以上4以下の整数とすることが温度特性が良くなるので好ましい。 E1及びE2は、1,4−シクロへキシレン基であり、Q1及びQ2またはQ3及びQ4に環構造として夫々1個含まれる。この1,4−シクロへキシレン基は、青色レーザー光に対する耐光性を向上させる。この1,4−シクロへキシレン基は、通常の液晶とは異なり、シスでもトランスでも使用できるが、重合性液晶化合物との相溶性の点からはトランス−1,4−シクロへキシレン基であることが好ましい。 本発明のカイラル剤としては、下記化合物が好ましい。なお、Q1〜Q4の好ましい態様は、下記化合物中に例示される。 このように、本発明のカイラル剤は、イソソルビド誘導型の中心骨格の両側のそれぞれに1,4−シクロへキシレン基を1個有し、イソソルビド誘導型の中心骨格の片側にのみ重合性官能基、好ましくはCH2=CR1−COO−を有する。 本発明のカイラル剤は、青色レーザー光に対して高い耐光性を有し、HTPが大きいことが特徴である。さらに、他の重合性液晶化合物との相溶性に優れ、均一な重合物が得やすい。 本発明のカイラル剤の一般式(1A)の化合物及び一般式(1B)の化合物は、例えば以下のような方法で合成できる。なお、式中のEDCは、1−エチル−3−(ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩を表し、DMAPは4−ジメチルアミノピリジンを表す。[合成方法1] 本発明のカイラル剤のうち、一般式(1A)で表される化合物は、イソソルビド(2)と所定の第1のカルボン酸(Q2COOH)との縮合反応によって化合物(3A)を得て、つぎに化合物(3A)と、第2のカルボン酸(Q1COOH)とを反応させることによって化合物(1A)を得ることができる。[合成方法2] また、一般式(1B)で表される化合物は、イソソルビド(2)と所定のカルボン酸(Q4COOH)との縮合反応によって化合物(3B)を得て、つぎに化合物(3B)と酸塩化物(Q3COCl)との反応によって化合物(1B)を得ることができる。 なお、Q1COOH、Q2COOH、Q3COCl、Q4COOHは市販されている化合物をそのまま使用するか、市販されている化合物から誘導して使用できる。 本発明のカイラル剤は、重合性液晶化合物と混合して重合性液晶組成物として用いられる。本発明のカイラル剤は、重合性液晶組成物100重量部の中に1〜20重量部含まれる。カイラル剤以外の成分としては、重合性液晶化合物50〜98重量部、重合性非液晶化合物0〜30重量部、光硬化開始剤0.1〜5重量部、その他添加剤0〜10重量部があり、最終的な組成物として液晶性を示せばよい。特に、光重合で硬化可能な組成物が液晶性を保ったまま硬化させ易いので好ましい。 この重合性液晶組成物は、表面に配向処理を施した一対の基板間に挟持して、重合させて用いられる。具体的には、ガラス、プラスチック等の基板の表面にポリイミド膜等を形成してラビングしたり、斜め蒸着をすることにより、配向膜を形成する。この基板を配向処理面が対向するようにして配置して、重合性液晶組成物を挟持するようにする。 このためには、基板の周辺にシール材を配置して2枚の基板を一定の間隙をもった状態で接着して空セルを形成して、注入口から重合性液晶組成物を注入して硬化させればよい。また、一方の基板の周辺にシール材を配置して、重合性液晶組成物を注ぎ、他方の基板をその上に圧着しながらシール部を接着する方法を用いて製造することもできる。 上記の説明では、説明を簡単にするために配向膜しか触れなかったが、光学特性制御のために電極を設けたり、反射型素子として使用するために反射膜を設けたり、基板の表面にフレネルレンズ構成、回折格子用の格子、色調調整用の着色層、迷光抑制用の低反射層等を設けてもよい。 回折光学素子として用いる場合には、基板の内面に格子を形成する必要がある。通常は、あらかじめ屈折率が等方性の第1の光学材料による格子を形成しておき、残りの部分に本発明のカイラル剤を含んだ重合性液晶組成物を充填して重合させて得られた高分子液晶からなる屈折率が異方性の第2の光学材料を配置する。これにより偏光回折光学素子を形成することができる。なお、工程的には複雑となるが、逆にあらかじめ重合性液晶組成物による屈折率が異方性の第2の光学材料の格子を形成し、その後、残りの部分に屈折率が等方性の第1の光学材料を充填して硬化させることも可能である。 この場合、第1の円偏光に対する前記第1の光学材料の屈折率は、第1の円偏光に対する前記第2の光学材料の屈折率と実質的に等しく、第1の円偏光と逆向きに回転する第2の円偏光に対する前記第1の光学材料の屈折率は、第2の円偏光に対する前記第2の光学材料の屈折率と異なるようにすることができる。これにより、第一の円偏光を透過させることができ、また、格子の厚さにより第二の円偏光の回折量を調整できるようになる。 本発明の光学素子は、偏光回折光学素子、位相差板、波面補正素子等に利用できる。このような光学素子を、光記録媒体に情報を記録する及び/又光記録媒体に記録された情報を再生する光情報記録再生装置のレーザー光の光路中に配置して用いるのに適している。 特に、最近実用化が始まったBDやHDDVDのような青色レーザー光を用いた光情報記録再生装置用の光ヘッドに好適である。[例1]カイラル剤(B1)の合成 上記した合成方法2に従って、化合物(B1)を合成した。(1)化合物Q4COOH(B1−1)の合成 攪拌装置、滴下ロート、還流管を装備した500mLの三口フラスコに、トランス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸(4)を17.2g(0.1mol)、塩化チオニル23.6g(0.2mol)、DMF2滴、トルエン500mLを加え110℃で3時間加熱還流した。反応終了後、溶液を70℃で濃縮した。溶媒を完全に留去して得られた酸塩化物であるトランス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸クロリド(5)を1Lのジクロロメタンに溶解させた。 この酸塩化物のジクロロメタン溶液に、4−ヒドロキシブチルアクリレート(6)14.4g(0.1mol)とピリジン7.9g(0.1mol)とを1Lのジクロロメタンに溶解させた溶液を3時間かけてゆっくり滴下した。1時間、室温で攪拌させた後、水100mLを添加し反応を停止させた。反応終了後、水およびジクロロメタンで洗浄し、有機層を回収した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧濾過により無水硫酸マグネシウムを除去し、濾液を濃縮した。この濾液をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒として、酢酸エチル:ヘキサン=1:1)で精製し、化合物(B1−1)を得た。収量13.4g、収率45%、GC純度97%であった。1HNMR(400MHz、溶媒:CDCl3、内部標準:TMS)δ(ppm)1.41−2.11(m,12H)、2.30−2.35(m,2H)、4.28−4.38(m,4H)、5.86−6.46(m,3H)(2)化合物(B1−2)の合成 500mLの三口フラスコに化合物(B1−1)を15.8g(0.042mol)、イソソルビド(2)6.1g(0.042mol)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩16g(0.083mol)、4−ジメチルアミノピリジン0.7gおよびジクロロメタン200mLを加え、室温で一晩撹拌した後、1mol/Lの塩化アンモニウム水溶液100mLを加え、反応を停止した。ついで、反応溶液に水及びジクロロメタンを加えて洗浄し、回収した有機層を5%塩酸水溶液および飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濾過により無水硫酸マグネシウムを除去した後、溶媒を濃縮した。得られた濾液をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒として、ヘキサン:酢酸エチル=5:5)により精製し、化合物(B1−2)を得た。収量は12.3g、収率68.7%であった。1HNMR(400MHz、溶媒:CDCl3、内部標準:TMS)δ(ppm)1.26−3.57(m,15H)、3.58−3.76(m,1H)、3.76−4.62(m,10H)、5.23(s,1H)、5.82−7.30(m,3H)(3)化合物(B1−3)の合成 窒素雰囲気下にて500mLの三口フラスコにトランス−4−n―ペンチルシクロヘキサンカルボン酸(7)6.55g(0.033mol)、塩化チオニル7.8g(0.066mol)、DMF2滴及びトルエン200mLを加え100℃で3時間還流した。その後、反応溶液を濃縮しトランス−4−n−ペンチルシクロヘキサンカルボニルクロライド(B1−3)を得た。(4)化合物(B1)の合成 攪拌装置、還流管を装備した500mLの三口フラスコに上記で合成した化合物(B1−2)を6.56g(0.022mol)、トリエチルアミンを3.34g(0.033mol)及びジクロロメタンを150mL加え、それらの混合物を室温で攪拌した。ついで上記で合成したトランス−4−n−ペンチルシクロヘキサンカルボニルクロライド(B1−3)5.7g(0.026mol)を50mLジクロロメタンに溶解させ、5分かけてゆっくり混合物に滴下した。室温で一晩攪拌した後、水50mLで反応を停止させた。ジクロロメタンおよび水で分液し、有機層を回収した。さらに有機層を炭酸水素ナトリウム水溶液で十分に分液し、未反応のカルボン酸を水層に移動させた。 回収した有機層を5%塩酸水溶液で洗浄した後、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過し、溶媒を濃縮した。得られた濾液をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒として、ヘキサン:酢酸エチル=3:2)で精製し、メタノールで再結晶し化合物(B1)を得た。収量7.9g、収率60%であり、化合物(B1)についてのNMRの分析結果は、次の通りであった。1HNMR(400MHz、溶媒:CDCl3、内部標準:TMS)δ(ppm)0.86−2.29(m,35H)、3.92−4.21(m,8H)、4.44−4.84(m,2H)、5.12−5.19(m,2H)、5.82−6.43(m,3H)[例2]カイラル剤(B2)の合成 上記した合成方法2に従って、化合物(B2)を合成した。 例1と同様の方法で、化合物(B1−2)とトランス−4−n−プロピルシクロヘキサンカルボン酸から得られる酸塩化物であるトランス−4−n−プロピルシクロヘキサンカルボニルクロライドとの反応により、化合物(B2)を得た。化合物(B2)の収率は、60.0%であり、化合物(B2)についてのNMRの分析結果は、次の通りであった。1HNMR(400MHz、溶媒:CDCl3、内部標準:TMS)δ(ppm)0.86−2.29(m,31H)、3.91−4.46(m,8H)、4.44−4.83(m,2H)、5.12−5.18(m,2H)、5.82−6.43(m,3H)[例3]カイラル剤(B3)の合成 上記した合成方法2に従って、化合物(B3)を合成した。(1)化合物Q4COOH(B3−1)の合成 例1と同様な反応で、4−ヒドロキシブチルアクリレートの代わりに2−ヒドロキシエチルアクリレート(8)を用いて、トランス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸から得られる酸塩化物との反応により化合物(B3−1)を合成した。収率は42%だった。1HNMR(400MHz、溶媒:CDCl3、内部標準:TMS)δ(ppm)1.41−2.11(m,8H)、2.3−2.35(m,2H)、4.28−6.46(m,4H)、5.88−6.46(m,3H)(2)化合物(B3−2)の合成 例1の化合物と同様な反応により化合物(B1−1)の代わりに化合物(B3−1)を用いて、イソソルビド(2)との反応により化合物(B3−2)を合成した。収率70%であった。1HNMR(400MHz、溶媒:CDCl3、内部標準:TMS)δ(ppm)1.26−3.57(m,11H)、3.58−3.76(m,1H)、3.76−4.65(m,10H)、5.23(s,1H)、5.8−6.43(m,3H)(3)化合物(B3)の合成 例1の化合物と同様な反応により化合物(B3−2)と、トランス−4−n―ペンチルシクロヘキサンカルボン酸から得られる酸塩化物(トランス−4−n−ペンチルシクロヘキサンカルボニルクロライド)との反応により化合物(B3)を合成した。収率は、65.0%であり、化合物(B3)についてのNMRの分析結果は、次の通りであった。1HNMR(400MHz、溶媒:CDCl3、内部標準:TMS)δ(ppm)0.88−2.29(m,31H)、3.91−3.96(m,4H)、4.35-4.36(m,5H)、4.82−5.18(m,3H)、5.82−6.43(m,3H)[例4]カイラル剤の物性評価(1) 例1〜3で合成されたカイラル剤の融点、HTP(ヘリカルツイスティングパワー)、及び旋光性を、以下のように測定した。(1)カイラル剤の融点の測定方法 合成したカイラル剤の結晶を2枚のプレパラートにはさむことによってセルを形成し、セルを5℃/分の速度にて昇温した。セルの昇温中、顕微鏡でセルを観察し、カイラル剤の結晶の融解が観察され始めた温度をカイラル剤の融点とした。(2)重合性液晶組成物の調整 下記重合性液晶化合物(R1)、下記重合性液晶化合物(R2)を11:9(モル比)で混合したもの90重量部に、カイラル剤である化合物(B1)を10重量部添加し、重合性液晶組成物1を調製した。次に、重合性液晶組成物1に光重合開始剤を液晶組成物1の100重量部に対して0.5重量部添加し、重合性液晶組成物1Aを得た。同様に化合物(B2)を10重量部添加した重合性液晶組成物2A、化合物(B3)を10重量部添加した重合性液晶組成物3Aも調合した。なお、光重合開始剤は、チバスペシャリティーケミカルズ社製「イルガキュアー754」を用いた。 比較例として、本発明におけるE1,E2が1,4−シクロヘキシレン基ではなく、1,4−フェニレン基であるカイラル剤(9)を用意した。また、E1が1,4−フェニレン基であり、E2が1,4−シクロヘキシレン基のカイラル剤(10)を用意した。下記重合性液晶化合物(R1)、下記重合性液晶化合物(R2)を11:9(モル比)で混合したもの90重量部に、カイラル剤(9)を10重量部添加し、さらに上記と同じ光重合開始剤を0.5重量部添加して、液晶組成物4Aを調整した。(3)カイラル剤のHTPの測定 調合した重合性液晶組成物1A〜4Aを各々、あらかじめtanθの値を測定したくさび型セルにそれらの重合性液晶組成物を等方相の状態で注入した。セルを室温まで冷却し、顕微鏡を用いて、Grandjean−Canoくさび法により、カイラル剤のHTPを算出した。その結果を表1に示す。(4)カイラル剤の旋光性の測定 旋光性が左旋性と右旋性である2種類のカイラル剤1重量部を、それぞれ、シアノビフェニル系ネマチック液晶(Aldrich社製「5CB」)99重量部に混合して、旋光性試験用の液晶組成物9、10を調製した。同様に5CBに化合物(B1)〜(B3)及び比較例の化合物(9)を各々1重量部混合して液晶組成部5〜8を調整した。二つ孔のEHC社製のセル(セルギャップ:10μm)を準備し、セルの左の孔から液晶組成物5〜8を注入し、右の孔から前記した旋光性が左または右の旋光性試験用の液晶組成物9、10を注入し、セルの中央付近における液の接触部分を観察する手法(コンタクトメソッド)により旋光性を判断した。その結果を表1に示す。[例5]カイラル剤の物性評価(2) 本発明のカイラル剤(B1)、比較例として上記した化合物(9)および化合物(10)をそれぞれTHFに濃度が10−5mol/Lとなるように溶解させ、吸収極大波長(λmax)、吸収端波長および250nmでのモル吸光係数εを測定した結果を表2に示す。 本発明のカイラル剤(B1)と比較例のカイラル剤(9)、(10)のモル吸光係数と波長の関係を示すグラフを図1に示す。上記の表では250nmにおけるモル吸光係数を示したが、グラフでは波長によるモル吸光係数をより詳しく見ることができる。 本発明のシクロへキサン環を有するカイラル剤は、比較例のベンゼン環を含むカイラル剤より短波長側まで低いモル吸光係数を示す。比較例のカイラル剤は、290nm付近から急速にモル吸光係数が増加するのに対し、本発明のカイラル剤はモル吸光係数の増加が緩やかであり、250nmの波長領域でもほぼ20000以下のモル吸光係数を示す。[例6]光学素子の作成(1)重合性液晶組成物の調製 下記重合性液晶化合物(R3)、下記重合性液晶化合物(R4)を1:1(モル比)で混合したもの90重量部に、本発明のカイラル剤である化合物(B1)を10重量部添加し、重合性液晶組成物11を調製した。次に、重合性液晶組成物11に光重合開始剤(チバスペシャリティーケミカルズ社製「イルガキュアー754」)を重合性液晶組成物11の100重量部に対して0.5重量部添加し、重合性液晶組成物11Aを得た。 比較例として、同様に下記重合性液晶化合物(R3)、下記重合性液晶化合物(R4)を1:1(モル比)で混合したもの90重量部に、前記したカイラル剤である化合物(4)を10重量部添加し、重合性液晶組成物12を調整した。また、同様に重合性液晶組成物12に上記と同じ光重合開始剤を重合性液晶組成物12の100重量部に対して0.5重量部添加し、重合性液晶組成物12Aを得た。(2)光学素子の作製 縦5cm、横5cm、厚さ0.5mmのガラス板にポリイミド溶液をスピンコータで塗布して乾燥した後、ナイロンクロスで一定方向にラビング処理してガラス基板を作製した。 配向処理を施した面が向かい合うように、2枚のガラス基板を接着剤を用いて貼り合わせてセルを作製した。接着剤には、直径4μmのガラスビーズを添加し、ガラス基板の間隔が4μmになるように調整した。 次に、セル内に重合性液晶組成物11Aを105℃で注入した。50℃において、強度135mW/cm2の紫外線を積算光量が72900mJ/cm2となるよう照射して光重合を行って光学素子11を得た。 同様に、セル内に重合性液晶組成物12Aを105℃で注入した。50℃において、強度135mW/cm2の紫外線を積算光量が72900mJ/cm2となるよう照射して光重合を行って光学素子12を得た。(3)光学素子の評価 上記で作成した光学素子11に、Krレーザー(波長407nm、413nmのマルチモード)を照射し、青色レーザー光曝露加速試験を行った。照射条件は、温度80℃、積算曝露エネルギー15W・hour/mm2とした。加速試験前の405nmの透過率に対する試験後の透過率の変動幅は1%未満であった。同様に、光学素子12に対しても青色レーザー光曝露加速試験を行った。光学素子12では、加速試験前の405nmの透過率に対する試験後の透過率の変動幅は3.2%だった。 本発明のイソソルビド構造の両側に環構造としてシクロへキサン環を各1個のみ有するカイラル剤は、短波長側まで低いモル吸光係数を示し、250nmの波長領域でも20000以下のモル吸光係数を示すため、このカイラル剤を用いて作製される光学素子は青色レーザー光に対する耐光性に優れることを確認した。 本発明によれば、青色レーザー光による光劣化が少ない耐光性に優れたカイラル剤が得られるので、それを用いて青色レーザーを用いた光学素子、特に、高密度光記録媒体の読み書きに使用される光ヘッド用の光学素子及びその光学素子を用いた光ヘッドに好適である。図1は、本発明のカイラル剤と比較例のカイラル剤のモル吸光係数と波長の関係を示すグラフである。 下記一般式(1)で表されるカイラル剤であって、 P1及びP2は、それぞれ独立に1,4−シクロヘキシレン基を1個含む炭素数が10〜20の炭化水素基であり、基中にエーテル結合性の酸素原子もしくはエステル結合を有していてもよく、また基中の水素原子がフッ素原子に置換されていてもよく、P1及びP2の一方は、さらに重合性官能基を含むことを特徴とするカイラル剤。 下記一般式(1A)または下記一般式(1B)で表されるカイラル剤であって、 Q1及びQ4は、それぞれ独立に、 CH2=CR1−COO−(L)m−E1−で表される基であり、 Q2及びQ3は、それぞれ独立に、 −E2−R2で表される基であり、 R1は、水素原子またはメチル基であり、 R2は、水素原子、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1以上8以下のアルキル基、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1以上8以下のアルコキシ基、フッ素原子からなる群より選択される基であり、 mは、0または1であり、 Lは、フッ素原子で置換されていてもよい(CH2)pO−、−(CH2)q−もしくは−(CH2)rOCO−、またはそれらの同じ基もしくは異なる基の組み合わせであり、 p,q及びrは、単独の場合には2以上8以下の整数であり、同じ基もしくは異なる基の組み合わせの場合にはメチレン基の総数が2以上8以下となる数であり、 E1及びE2は、1,4−シクロへキシレン基である請求項1に記載のカイラル剤。 R2は、炭素数1以上8以下のアルキル基、炭素数1以上8以下のアルコキシ基、フッ素原子からなる群より選択される基である請求項2に記載のカイラル剤。 250nmでの波長でモル吸光係数が20000以下である請求項1〜3のいずれかに記載のカイラル剤。 重合性液晶化合物と請求項1〜4のいずれかに記載のカイラル剤とを含むことを特徴とする重合性液晶組成物。 表面に配向処理を施した一対の基板間に請求項5に記載の重合性液晶組成物を挟持して、重合させて得られた高分子液晶を有することを特徴とする光学素子。 屈折率が等方性の第1の光学材料及び請求項5に記載の重合性液晶組成物を重合させて得られた高分子液晶からなる屈折率が異方性の第2の光学材料が格子状に配置されていることを特徴とする回折光学素子。 第1の円偏光に対する前記第1の光学材料の屈折率は、第1の円偏光に対する前記第2の光学材料の屈折率と実質的に等しく、第1の円偏光と逆向きに回転する第2の円偏光に対する前記第1の光学材料の屈折率は、第2の円偏光に対する前記第2の光学材料の屈折率と異なる請求項7に記載の回折光学素子。 光記録媒体に情報を記録する及び/又光記録媒体に記録された情報を再生する光情報記録再生装置であって、請求項7または8に記載の回折光学素子を含むことを特徴とする光記録再生装置。 【課題】青色レーザー光に対して高い耐光性を有するカイラル剤等およびそれを用いた光学素子を提供する。【解決手段】一般式(1)【化1】で表され、P1及びP2は、それぞれ独立に、1,4−シクロヘキシレン基を1個含む炭素数が10〜20の炭化水素基であり、基中にエーテル結合性の酸素原子もしくはエステル結合を有していてもよく、また基中の水素原子がフッ素原子に置換されていてもよく、P1及びP2の一方は、さらに重合性官能基を含むことを特徴とするカイラル剤。【選択図】なし