タイトル: | 公開特許公報(A)_医薬溶液 |
出願番号: | 2007050885 |
年次: | 2007 |
IPC分類: | A61K 31/506,A61K 47/04,A61K 47/12,A61K 47/10,A61P 17/14 |
ワイ−チウ・ソ, トニー デオ, ピーター・ポール テイト,ラッスル・ジョン JP 2007137899 公開特許公報(A) 20070607 2007050885 20070301 医薬溶液 コネティックス オーストラリア プロプライアタリー リミティド 500177400 清水 初志 100102978 新見 浩一 100128048 ワイ−チウ・ソ, トニー デオ, ピーター・ポール テイト,ラッスル・ジョン AU PP 3107 19980422 A61K 31/506 20060101AFI20070511BHJP A61K 47/04 20060101ALI20070511BHJP A61K 47/12 20060101ALI20070511BHJP A61K 47/10 20060101ALI20070511BHJP A61P 17/14 20060101ALI20070511BHJP JPA61K31/506A61K47/04A61K47/12A61K47/10A61P17/14 1 2003178898 19990420 OL 25 4C076 4C086 4C076AA11 4C076AA12 4C076AA13 4C076BB31 4C076CC18 4C076DD21E 4C076DD22Z 4C076DD37E 4C076DD38E 4C076DD43Z 4C076FF11 4C076FF12 4C076FF15 4C076FF33 4C076FF61 4C076FF68 4C076GG46 4C086AA01 4C086BC42 4C086GA07 4C086GA12 4C086MA03 4C086MA05 4C086MA17 4C086MA63 4C086NA02 4C086NA10 4C086NA14 4C086ZA89 本発明は、ピペリジノピリミジン誘導体(より具体的にはミノキシジル)を含んでなる医薬組成物用の賦形剤系と、その賦形剤系を組み込んだ医薬組成物に関する。ミノキシジルは毛髪刺激剤としての使用を含むいくつかの適応症を持つ医薬活性成分である。 ミノキシジルは水とエタノールへの溶解度が低く、現在販売されている医薬品は少量(すなわち5%未満)のミノキシジルしか含まない。 ミノキシジルを含んでなる製剤は米国特許第4,139,619号(特許文献1)、第4,820,519号(特許文献2)、第5,104,646号(特許文献3)、第5,225,189号(特許文献4)、第4,938,953号(特許文献5)、第4,596,812号(特許文献6)、第5,006,332号(特許文献7)、第5,156,836号(特許文献8)および第5,643,942号(特許文献9)などの先行技術に数多く公表されている。それらの製剤の多くは、ミノキシジルの溶解度を向上させるために、極めて高い割合(しばしば30〜50%の範囲)のプロピレングリコールか類似のグリコール製品を必要とする(あるいはミノキシジルの量が5%を超える場合は必要になる)。プロピレングリコールは粘性と粘着性が高いので、組成物中に大量のプロピレングリコールや類似の薬剤が含まれることは医薬品としてまたは化粧品として好ましくなく、また消費者にも受け入れられないだろう。また、高濃度のプロピレングリコールは、頭皮に塗布した時に局所刺激と過敏症を誘発しうる。 したがって、高濃度のポリプレングリコールに付随する短所を伴わないでこの活性成分の含有率を増加させることのできる組成物を提供することができれば、当技術分野では有意義な進歩になるだろう。 したがって本発明の目的は、先行技術に関わる問題点と欠点の1つまたは複数を克服するか、少なくとも軽減することである。本発明のこれらの(そしてその他の)目的と特徴は、以下の開示から明らかになるだろう。米国特許第4,139,619号米国特許第4,820,519号米国特許第5,104,646号米国特許第5,225,189号米国特許第4,938,953号米国特許第4,596,812号米国特許第5,006,332号米国特許第5,156,836号米国特許第5,643,942号 したがって本発明は、第1の側面として、医薬活性成分として下記の成分を含む局所投与用の医薬組成物を提供する: その組成物の総重量に基づいて少なくとも5重量%のピペリジノピリミジン誘導体または薬学上許容できるその塩、 そのピペリジノピリミジン誘導体または薬学上許容できるその塩を実質上完全に可溶化する量の酸、 水および/または低級アルコールから選択される溶媒と、芳香族アルコールと多価アルコールからなる群の1つまたは複数から選択される共溶媒とを含む溶媒組成物(ただし共溶媒がプロピレングリコールを含む場合、それは約10重量%未満の量で存在する)。 出願人らは、意外にも、組成物の酸濃度を調節することによって大量のプロピレングリコールを使用しなくても、また随意にプロピレングリコールを完全に排除することによって、ピペリジノピリミジン誘導体の溶解度を有意に増加させうることを発見した。したがって本組成物中の活性成分の総量を有意に増加させることができる。好ましい形態として、医薬活性成分は約5〜25重量%、好ましくは約5〜15重量%、より好ましくは約7.5〜12重量%の量で存在する。 ピペリジノピリミジン誘導体はミノキシジルであることが好ましい。塩としては、酢酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩、塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩、乳酸塩などが挙げられる。ミノキシジルの酢酸塩または乳酸塩を使用することが好ましい。酢酸塩または乳酸塩はより高い溶解度を示し、組成物により多量の活性成分を組み込むことを可能にする。 好ましい形態として、酸は、その組成物に約7.0以下の見かけのpHを与えるのに足りる量で添加される。組成物の見かけのpHは好ましくは約5.0〜7.0、より好ましくは6.0〜6.5にある。pHの調節には、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などの鉱酸や、クエン酸、酢酸、コハク酸、マレイン酸などの有機酸、またはその混合物など、任意の適当な酸を使用できる。酢酸または乳酸が好ましい。 好ましい形態として、酸は少なくとも0.01規定の酸を与えるレベルで存在する。もう一つの選択肢として、酸は規定量でピペリジノピリミジン誘導体の量に等しい量またはそれを上回る量で存在する。 低級アルコールはエタノールであることが好ましい。水対エタノールの比率は好ましくは容量比で約9:1〜1:9、より好ましくは約1:1〜1:3である。 共溶媒はベンジルアルコールを含むことが好ましい。ベンジルアルコールは医薬組成物の総重量に基づいて約2.5〜95重量%、好ましくは約5〜40重量%の量で存在しうる。 もう一つの選択肢として、または上記に加えて、共溶媒は多価アルコール、例えば1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、好ましくはグリコール200(PEG200)、ポリエチレングコール400(PEG400)、ヘキシレングリコール、ジプロピレングリコールまたはグリセロールからなる群より選択されるポリオールを含んでもよい。プロピレングリコールが存在する場合、それは約10重量%以下、好ましくは約5重量%以下の量で存在しうる。 5%以上のミノキシジルを含んでなる組成物では、その組成物にベンジルアルコールを含めることが好ましい。ベンジルアルコールはその医薬組成物の総重量に基づいて85重量%までの量で存在しうる。 好ましい形態として、共溶媒系は水とベンジルアルコールを含み、そのベンジルアルコールの量は共溶媒系の総重量に基づいて約40〜100重量%である。 好ましい形態として、水は60重量%を超えない量で存在する。 好ましい側面として、本医薬組成物は、 組成物の総重量に基づいて約5〜12重量%のミノキシジルまたはミノキシジル酸塩;次の二成分を含む約88〜95重量%の溶媒組成物: 約10〜70重量%のエタノール、 約2.5〜85重量%のベンジルアルコール;および10重量%未満のプロピレングリコール、を含む。 本組成物の最終的な体裁は任意の適当な局所用医薬品であってよく、液剤、ローション剤、軟膏、ムース、フォーム、スプレー、エアロゾル剤、シャンプーおよび/またはコンディショナー、ゲル、クリーム、ペーストおよび当技術分野で知られる他の製剤を含みうる。本組成物は保存剤、緩衝液、安定化剤、噴射剤などの他の成分も含みうる。 本医薬組成物はムース組成物であることが好ましい。ムース組成物は例えば炭化水素やクロロフルオロカーボンなどの適当な噴射剤を含みうる。もう一つの選択肢として、本医薬組成物はゲル組成物であってもよい。ゲル組成物は適当なゲル化剤(例えばセルロース誘導体)を含みうる。ヒドロキシプロピルセルロース(例えばKlucel Mという商用名で販売されているもの)が好適であることが見出された。 エアロゾル製剤を使用する場合、エアロゾル製剤は均一な水-アルコールエマルション系でありうる。エアロゾル製剤は、その作動時に、剪断によって容易に壊れる安定で均一な膨張性の泡を作る。このタイプの組成物は「ムース」と呼ばれることもある。 さらにもう一つの好ましい側面として、本発明の医薬組成物は有効量の皮膚浸透剤をさらに含みうる。 適当な皮膚浸透剤には、ドデカノールやオレイルアルコールなどのアルコール類;イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エチレンジアミンなどのアミン類;オレイン酸、リノール酸、リノレン酸などのカルボン酸類;セバシン酸ジブチル、フタル酸ジブチル、安息香酸ブチル、カプリン酸エチルなどのエステル類;アゾン(Azone)、N-メチルピロリドン、胆汁酸塩、尿素などの他の物質がある。 ここに記載の組成物は全て、医薬品または化粧品の分野で自体公知の噴射剤を使って作動させることができる。そのような噴射剤には、プロパン、イソブタンまたはジメチルエーテルなどの炭化水素と、P-12、P114およびその40:60混合物などのクロロフルオロカーボンがある。 本発明の医薬組成物には、上記の必須成分に加えて、毛髪処置用組成物に通常使用される汎用成分、例えばビタミンB6、ビタミンEおよびその誘導体、ビオチンなどのビタミン類;パントテン酸とその誘導体、グリシルレチン酸(glycylrrhetic acid)とその誘導体、ニコチン酸ベンジルなどのニコチン酸エステル、シクロスポリン、塩化カルプロニウム、セファランチン(cepharanthine)、オキセンドロン、ジアゾキシド、ミノキシジル、エチニルエストラジオール(ethynylesteradiol)などの発毛剤または発毛助剤;ヒノキチオール、ヘキサクロロフェン、フェノール、塩化ベンズアルコニウム、塩化セチルピリジニウム、ウンデシレン酸、トリクロロカルバニリド、ビチオノールなどの抗細菌剤;メントールなどの清涼剤;サリチル酸、亜鉛とその誘導体、乳酸とそのアルキルエステルなどの薬物;グリシンなどのアミノ酸;オリーブオイル、スクアラン、流動パラフィン、ミリスチン酸イソプロピル、高級脂肪酸、高級アルコールなどのオイル成分;香料;酸化防止剤;紫外線吸収剤;色素;湿潤剤;増粘剤;香料;着色剤などを、本発明の効果を損なわない範囲内で処方できる。 本発明のさらにもう一つの側面として、ヒトの脱毛症とそれに関連する適応症の治療法であって、医薬活性成分として、 その組成物の総重量に基づいて少なくとも5重量%のピペリジノピリミジン誘導体または薬学上許容できるその塩、 そのピペリジノピリミジン誘導体または薬学上許容できるその塩を実質上完全に可溶化する量の酸、 水および/または低級アルコールから選択される溶媒と、芳香族アルコールおよび多価アルコールからなる群の1つまたは複数から選択される共溶媒とを含む溶媒組成物(ただし共溶媒がプロピレングリコールを含む場合、それは約10重量%未満の量で存在する) を含む局所投与用医薬組成物を用意し、 治療または予防有効量の上記医薬組成物をそのヒト頭皮に局所適用すること、を含む方法が提供される。 この脱毛症は男性型脱毛症を含めて任意の形の脱毛症に関係しうる。関連する適応症としては毛髪強度の脆弱化、毛色の喪失などが挙げられる。 上記医薬活性成分は好ましくはミノキシジルまたはミノキシジル塩を含み、より好ましくはミノキシジルの酢酸塩、コハク酸塩またはクエン酸塩を含む。 上記医薬活性成分は、より好ましくは、下記の成分を含む: 組成物の総重量に基づいて約5〜12重量%のミノキシジルまたはミノキシジル酸塩;次の成分を含む約88から95重量%の溶媒組成物: 約10〜70重量%のエタノール、 約2.5〜85重量%のベンジルアルコール;および10重量%未満のプロピレングリコール。 以下に、実施例と添付の図面を参照して、本発明をより詳細に説明する。しかし、以下の説明は単なる例示であると理解すべきであって、決して上述した本発明の一般論に対する制限であるとみなしてはならない。 下記の各実施例では、等価な酸規定度を確保するために、適当な量の酸を加える必要があった。そのような調節を行なうための標準的技法は、その溶液の見かけのpHを測定することである。 実施例では、いったん調製したら、各製剤の見かけのpHを測定した。製剤中の有機調節剤の割合が高いので、見かけのpHとして測定した。通例、0.5%(w/w)氷酢酸(0.1M)が製剤中に使用され、これは他の成分がその溶液のpHに寄与しない場合は、水溶液系で1.0のpHに相当するだろう。 どの製剤にも明白で著しい安定性の問題はないようである。製剤1と3aを4℃と50℃で1ヶ月と3ヶ月保存した後、そのミノキシジル濃度を測定した。測定できる効力の損失は観察されなかった。 0.75%(w/w)Klucel M(ヒドロキシプロピルセルロース)を実施例4に加えることによって水性ゲルを調製した。ゲルの粘度は20℃で2400センチポイズと測定された。 実施例12 実施例7(10%(w/w)ミノキシジル溶液)中に存在する成分のうち、どれがミノキシジルの可溶化に貢献しているかを決定するための研究を行なった。この研究は次の三部分に分割された:・共溶媒の効果・pHの効果・塩の効果。 溶解度を決定するため、対象とする媒質にミノキシジルの飽和溶液を調製した。次にこれらの溶液をろ過(0.45μm)し、直接UV分光法を使って標準曲線に対して分析した。ミノキシジルの非緩衝水溶解度 ミノキシジルの水溶解度は2.2mg/mLであることがわかった。共溶媒の効果 ミノキシジルの溶解度を共溶媒ベンジルアルコール、グリセロール、プロピレングリコールおよびエタノールのそれぞれで測定した。また、ミノキシジルの溶解度を共溶媒エタノール、プロピレングリコール、グリコールの10%(w/w)水溶液でも測定した。ベンジルアルコールは4%(w/w)溶液を使用した。これがベンジルアルコールの水への溶解度の限界であることがわかったからである。この研究の結果を次の表に要約する。 分析により、試験した系の中では、純粋なベンジルアルコールを使用した場合にのみ、所望の10%(w/w)ミノキシジル溶液をもたらすことが示された。見かけのpHの効果 見かけのpHが2.5、3.5、4.6、5.0および6.0の酢酸緩衝液中にミノキシジルの飽和溶液を調製することを試みた。飽和溶液はミノキシジルのpKa(4.61)より高いpHで得られた。その結果を次の表に要約する。 ミノキシジルは酸性媒質には極めて溶けやすく、使用した緩衝液はその溶液にミノキシジルを添加した時に観察されるpHのずれを避けるほどの緩衝能を持たなかったので、ミノキシジルの溶解限度をそのpKaより低いpHで決定することはできなかった。試験された最大ミノキシジル濃度は22mg/mLであり、pH2.5と3.5の溶液ではこの濃度で完全に可溶性であることが見出された。下記の表は、塩基型ミノキシジルの溶解度が2.2mg/mLであるという知見と酸型ミノキシジルの溶解度が無限であるという仮定から酸性水性媒質中で予想される最大溶解度を略述したものである。塩の効果 これらの研究には、ミノキシジル塩基を、その場で形成させた適当な塩(酢酸塩またはHCl塩)と共に使用した。上述のように、低pH酢酸緩衝液の使用はミノキシジルの溶解度を有意に増加させた。 水性環境でのミノキシジルの可溶化に影響を及ぼす主要因は、製剤中に存在する共溶媒のタイプと割合、製剤化された最終溶液のpH、使用するミノキシジルの量であることがわかった。 酸型のミノキシジルは水性環境ではるかに可溶性であることが明らかになった。共溶媒の使用はミノキシジル遊離塩基の溶解度を高めることが明らかになった。共溶媒は酸型の溶解度も高めうる。適当な塩の使用は酸型のミノキシジルの溶解度を高める。したがってこれら3つの要因の組み合わせを使って、局所溶液に基づく製剤中のミノキシジルの溶解度を最適化することができる。 上記の全実施例を室温に保存したところ、少なくとも10日間は結晶化も沈殿も観察されなかった。 百分率は全て、特に明記しない限り、その組成物の総重量に基づくことに注意されたい。 本明細書に開示し定義した発明が、本文と図面で言及したまたはそれらから明白な個々の特徴の2つ以上の代替的組合せの全てに及ぶことは理解されるだろう。これらの様々な組合せはすべて、本発明の様々な代替的側面を構成する。 本明細書で使用される用語「を含んでなる(comprise)」(またはその文法的変形)が「を含む(include)」という用語と等価であって、他の要素や特徴の存在を排除するものであると解釈すべきでないことも理解されるだろう。医薬活性成分として、 その組成物の総重量に基づいて少なくとも5重量%のピペリジノピリミジン誘導体または薬学上許容できるその塩、 そのピペリジノピリミジン誘導体または薬学上許容できるその塩を実質上完全に可溶化する量の酸、 水および/または低級アルコールから選択される溶媒と、芳香族アルコールおよび多価アルコールからなる群の1つまたは複数から選択される共溶媒とを含む溶媒組成物(ただし共溶媒がプロピレングリコールを含む場合、それは約10重量%未満の量で存在する)、 を含む局所投与用医薬組成物。酸がその組成物に約7.0以下の見かけのpHを与えるのに足りる量で添加される請求項1に記載の医薬組成物。医薬活性成分がその医薬組成物の総重量に基づいて約5〜25重量%の量で存在する請求項1に記載の医薬組成物。医薬活性成分がその医薬組成物の総重量に基づいて約7.5〜12重量%の量で存在する請求項3に記載の医薬組成物。医薬活性成分がミノキシジルまたはその塩である請求項1に記載の医薬組成物。酸が約5.0〜7.0の範囲の見かけのpHをその組成物に与える請求項2に記載の医薬組成物。酸が鉱酸または有機酸である請求項2に記載の医薬組成物。酸が酢酸または乳酸を含む請求項7に記載の医薬組成物。溶媒組成物が容積比でおよそ1:1〜1:3の範囲の水とエタノールを含む請求項1に記載の医薬組成物。共溶媒がベンジルアルコールを含む請求項1に記載の医薬組成物。溶媒組成物が水とベンジルアルコールを含み、そのベンジルアルコールの量が共溶媒系の総重量に基づいて約40〜100重量%の量である請求項1に記載の医薬組成物。水が共溶媒系の総重量に基づいて約60重量%以下の量で存在する請求項1に記載の医薬組成物。共溶媒がアルキレングリコールを含む請求項1に記載の医薬組成物。アルキレングリコールがグリセロール、1,3-ブチレングリコールまたはプロピレングリコールからなる群の1つまたは複数から選択される請求項13に記載の医薬組成物。酸が少なくとも0.01規定の酸を与える濃度で存在する請求項1に記載の医薬組成物。酸が規定量でピペリジノピリミジン誘導体の量に等しい量またはそれを上回る量で存在する請求項1に記載の医薬組成物。溶媒系が容量比で約9:1〜1:9の範囲の水とエタノールを含む請求項1に記載の医薬組成物。医薬活性成分がミノキシジル塩である請求項5に記載の医薬組成物。ミノキシジル塩がミノキシジル酢酸塩またはミノキシジル乳酸塩である請求項18に記載の医薬組成物。組成物の総重量に基づいて約5〜12重量%のミノキシジルまたはミノキシジル酸塩;次の二成分を含む約88〜95重量%の溶媒組成物: 約10〜70重量%のエタノール、 約2.5〜85重量%のベンジルアルコール; および10重量%未満のプロピレングリコール、 を含む請求項1に記載の医薬組成物。ヒトの脱毛症とそれに関連する適応症の治療法であって、医薬活性成分として、 その組成物の総重量に基づいて少なくとも5重量%のピペリジノピリミジン誘導体または薬学上許容できるその塩、 そのピペリジノピリミジン誘導体または薬学上許容できるその塩を実質上完全に可溶化する量の酸、 水および/または低級アルコールから選択される溶媒と、芳香族アルコールおよび多価アルコールからなる群の1つまたは複数から選択される共溶媒とを含む溶媒組成物(ただし共溶媒がプロピレングリコールを含む場合、それは約10重量%未満の量で存在する) を含む局所投与用医薬組成物を用意し、 治療または予防有効量の上記医薬組成物をそのヒト頭皮に局所適用すること、を含む方法。医薬活性成分がミノキシジルまたはミノキシジル塩を含む請求項21に記載の方法。ミノキシジル塩がミノキシジル酢酸塩またはミノキシジル乳酸塩である請求項22に記載の方法。医薬組成物が、組成物の総重量に基づいて約5〜12重量%のミノキシジルまたはミノキシジル酸塩;次の二成分を含む約88〜95重量%の溶媒組成物: 約10〜70重量%のエタノール、 約2.5〜85重量%のベンジルアルコール;および10重量%未満のプロピレングリコール、を含む請求項21に記載の方法。実質的に後述の実施例のいずれか一つに関連して本願明細書に記述する請求項1に記載の医薬組成物。 【課題】ピペリジノピリミジン誘導体(より具体的にはミノキシジル)組成物の提供。【解決手段】 医薬活性成分として、その組成物の総重量に基づいて少なくとも5重量%のピペリジノピリミジン誘導体または薬学上許容できるその塩、そのピペリジノピリミジン誘導体または薬学上許容できるその塩を実質上完全に可溶化する量の酸、水および/または低級アルコールから選択される溶媒と、芳香族アルコールおよび多価アルコールからなる群の1つまたは複数から選択される共溶媒とを含む溶媒組成物(ただし共溶媒がプロピレングリコールを含む場合、それは約10重量%未満の量で存在する)を含む局所投与用医薬組成物。【選択図】 なし20070402A16333全文3医薬活性成分として、 その組成物の総重量に基づいて少なくとも5重量%のピペリジノピリミジン誘導体または薬学上許容できるその塩、 そのピペリジノピリミジン誘導体または薬学上許容できるその塩を実質上完全に可溶化する量の酸、 水および/または低級アルコールから選択される溶媒と、芳香族アルコールおよび多価アルコールからなる群の1つまたは複数から選択される共溶媒とを含む溶媒組成物(ただし共溶媒がプロピレングリコールを含む場合、それは約10重量%未満の量で存在する)、 を含む局所投与用医薬組成物。A16330全文3 本発明は、ピペリジノピリミジン誘導体(より具体的にはミノキシジル)を含んでなる医薬組成物用の賦形剤系と、その賦形剤系を組み込んだ医薬組成物に関する。ミノキシジルは毛髪刺激剤としての使用を含むいくつかの適応症を持つ医薬活性成分である。 ミノキシジルは水とエタノールへの溶解度が低く、現在販売されている医薬品は少量(すなわち5%未満)のミノキシジルしか含まない。 ミノキシジルを含んでなる製剤は米国特許第4,139,619号(特許文献1)、第4,820,519号(特許文献2)、第5,104,646号(特許文献3)、第5,225,189号(特許文献4)、第4,938,953号(特許文献5)、第4,596,812号(特許文献6)、第5,006,332号(特許文献7)、第5,156,836号(特許文献8)および第5,643,942号(特許文献9)などの先行技術に数多く公表されている。それらの製剤の多くは、ミノキシジルの溶解度を向上させるために、極めて高い割合(しばしば30〜50%の範囲)のプロピレングリコールか類似のグリコール製品を必要とする(あるいはミノキシジルの量が5%を超える場合は必要になる)。プロピレングリコールは粘性と粘着性が高いので、組成物中に大量のプロピレングリコールや類似の薬剤が含まれることは医薬品としてまたは化粧品として好ましくなく、また消費者にも受け入れられないだろう。また、高濃度のプロピレングリコールは、頭皮に塗布した時に局所刺激と過敏症を誘発しうる。 したがって、高濃度のポリプレングリコールに付随する短所を伴わないでこの活性成分の含有率を増加させることのできる組成物を提供することができれば、当技術分野では有意義な進歩になるだろう。 したがって本発明の目的は、先行技術に関わる問題点と欠点の1つまたは複数を克服するか、少なくとも軽減することである。本発明のこれらの(そしてその他の)目的と特徴は、以下の開示から明らかになるだろう。米国特許第4,139,619号米国特許第4,820,519号米国特許第5,104,646号米国特許第5,225,189号米国特許第4,938,953号米国特許第4,596,812号米国特許第5,006,332号米国特許第5,156,836号米国特許第5,643,942号 したがって本発明は、第1の側面として、医薬活性成分として下記の成分を含む局所投与用の医薬組成物を提供する: その組成物の総重量に基づいて少なくとも5重量%のピペリジノピリミジン誘導体または薬学上許容できるその塩、 そのピペリジノピリミジン誘導体または薬学上許容できるその塩を実質上完全に可溶化する量の酸、 水および/または低級アルコールから選択される溶媒と、芳香族アルコールと多価アルコールからなる群の1つまたは複数から選択される共溶媒とを含む溶媒組成物(ただし共溶媒がプロピレングリコールを含む場合、それは約10重量%未満の量で存在する)。 すなわち、本発明は以下を含む。〔1〕医薬活性成分として、 その組成物の総重量に基づいて少なくとも5重量%のピペリジノピリミジン誘導体または薬学上許容できるその塩、 そのピペリジノピリミジン誘導体または薬学上許容できるその塩を実質上完全に可溶化する量の酸、 水および/または低級アルコールから選択される溶媒と、芳香族アルコールおよび多価アルコールからなる群の1つまたは複数から選択される共溶媒とを含む溶媒組成物(ただし共溶媒がプロピレングリコールを含む場合、それは約10重量%未満の量で存在する)、 を含む局所投与用医薬組成物。〔2〕酸がその組成物に約7.0以下の見かけのpHを与えるのに足りる量で添加される〔1〕に記載の医薬組成物。〔3〕医薬活性成分がその医薬組成物の総重量に基づいて約5〜25重量%の量で存在する〔1〕に記載の医薬組成物。〔4〕医薬活性成分がその医薬組成物の総重量に基づいて約7.5〜12重量%の量で存在する〔3〕に記載の医薬組成物。〔5〕医薬活性成分がミノキシジルまたはその塩である〔1〕に記載の医薬組成物。〔6〕酸が約5.0〜7.0の範囲の見かけのpHをその組成物に与える〔2〕に記載の医薬組成物。〔7〕酸が鉱酸または有機酸である〔2〕に記載の医薬組成物。〔8〕酸が酢酸または乳酸を含む〔7〕に記載の医薬組成物。〔9〕溶媒組成物が容積比でおよそ1:1〜1:3の範囲の水とエタノールを含む〔1〕に記載の医薬組成物。〔10〕共溶媒がベンジルアルコールを含む〔1〕に記載の医薬組成物。〔11〕溶媒組成物が水とベンジルアルコールを含み、そのベンジルアルコールの量が共溶媒系の総重量に基づいて約40〜100重量%の量である〔1〕に記載の医薬組成物。〔12〕水が共溶媒系の総重量に基づいて約60重量%以下の量で存在する〔1〕に記載の医薬組成物。〔13〕共溶媒がアルキレングリコールを含む〔1〕に記載の医薬組成物。〔14〕アルキレングリコールがグリセロール、1,3-ブチレングリコールまたはプロピレングリコールからなる群の1つまたは複数から選択される〔13〕に記載の医薬組成物。〔15〕酸が少なくとも0.01規定の酸を与える濃度で存在する〔1〕に記載の医薬組成物。〔16〕酸が規定量でピペリジノピリミジン誘導体の量に等しい量またはそれを上回る量で存在する〔1〕に記載の医薬組成物。〔17〕溶媒系が容量比で約9:1〜1:9の範囲の水とエタノールを含む〔1〕に記載の医薬組成物。〔18〕医薬活性成分がミノキシジル塩である〔5〕に記載の医薬組成物。〔19〕ミノキシジル塩がミノキシジル酢酸塩またはミノキシジル乳酸塩である〔18〕に記載の医薬組成物。〔20〕組成物の総重量に基づいて約5〜12重量%のミノキシジルまたはミノキシジル酸塩;次の二成分を含む約88〜95重量%の溶媒組成物: 約10〜70重量%のエタノール、 約2.5〜85重量%のベンジルアルコール; および10重量%未満のプロピレングリコール、 を含む〔1〕に記載の医薬組成物。〔21〕ヒトの脱毛症とそれに関連する適応症の治療法であって、医薬活性成分として、 その組成物の総重量に基づいて少なくとも5重量%のピペリジノピリミジン誘導体または薬学上許容できるその塩、 そのピペリジノピリミジン誘導体または薬学上許容できるその塩を実質上完全に可溶化する量の酸、 水および/または低級アルコールから選択される溶媒と、芳香族アルコールおよび多価アルコールからなる群の1つまたは複数から選択される共溶媒とを含む溶媒組成物(ただし共溶媒がプロピレングリコールを含む場合、それは約10重量%未満の量で存在する) を含む局所投与用医薬組成物を用意し、 治療または予防有効量の上記医薬組成物をそのヒト頭皮に局所適用すること、を含む方法。〔22〕医薬活性成分がミノキシジルまたはミノキシジル塩を含む〔21〕に記載の方法。〔23〕ミノキシジル塩がミノキシジル酢酸塩またはミノキシジル乳酸塩である〔22〕に記載の方法。〔24〕医薬組成物が、 組成物の総重量に基づいて約5〜12重量%のミノキシジルまたはミノキシジル酸塩; 次の二成分を含む約88〜95重量%の溶媒組成物: 約10〜70重量%のエタノール、 約2.5〜85重量%のベンジルアルコール; および10重量%未満のプロピレングリコール、 を含む〔21〕に記載の方法。〔25〕実質的に後述の実施例のいずれか一つに関連して本願明細書に記述する〔1〕に記載の医薬組成物。 出願人らは、意外にも、組成物の酸濃度を調節することによって大量のプロピレングリコールを使用しなくても、また随意にプロピレングリコールを完全に排除することによって、ピペリジノピリミジン誘導体の溶解度を有意に増加させうることを発見した。したがって本組成物中の活性成分の総量を有意に増加させることができる。好ましい形態として、医薬活性成分は約5〜25重量%、好ましくは約5〜15重量%、より好ましくは約7.5〜12重量%の量で存在する。 ピペリジノピリミジン誘導体はミノキシジルであることが好ましい。塩としては、酢酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩、塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩、乳酸塩などが挙げられる。ミノキシジルの酢酸塩または乳酸塩を使用することが好ましい。酢酸塩または乳酸塩はより高い溶解度を示し、組成物により多量の活性成分を組み込むことを可能にする。 好ましい形態として、酸は、その組成物に約7.0以下の見かけのpHを与えるのに足りる量で添加される。組成物の見かけのpHは好ましくは約5.0〜7.0、より好ましくは6.0〜6.5にある。pHの調節には、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などの鉱酸や、クエン酸、酢酸、コハク酸、マレイン酸などの有機酸、またはその混合物など、任意の適当な酸を使用できる。酢酸または乳酸が好ましい。 好ましい形態として、酸は少なくとも0.01規定の酸を与えるレベルで存在する。もう一つの選択肢として、酸は規定量でピペリジノピリミジン誘導体の量に等しい量またはそれを上回る量で存在する。 低級アルコールはエタノールであることが好ましい。水対エタノールの比率は好ましくは容量比で約9:1〜1:9、より好ましくは約1:1〜1:3である。 共溶媒はベンジルアルコールを含むことが好ましい。ベンジルアルコールは医薬組成物の総重量に基づいて約2.5〜95重量%、好ましくは約5〜40重量%の量で存在しうる。 もう一つの選択肢として、または上記に加えて、共溶媒は多価アルコール、例えば1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、好ましくはグリコール200(PEG200)、ポリエチレングコール400(PEG400)、ヘキシレングリコール、ジプロピレングリコールまたはグリセロールからなる群より選択されるポリオールを含んでもよい。プロピレングリコールが存在する場合、それは約10重量%以下、好ましくは約5重量%以下の量で存在しうる。 5%以上のミノキシジルを含んでなる組成物では、その組成物にベンジルアルコールを含めることが好ましい。ベンジルアルコールはその医薬組成物の総重量に基づいて85重量%までの量で存在しうる。 好ましい形態として、共溶媒系は水とベンジルアルコールを含み、そのベンジルアルコールの量は共溶媒系の総重量に基づいて約40〜100重量%である。 好ましい形態として、水は60重量%を超えない量で存在する。 好ましい側面として、本医薬組成物は、 組成物の総重量に基づいて約5〜12重量%のミノキシジルまたはミノキシジル酸塩;次の二成分を含む約88〜95重量%の溶媒組成物: 約10〜70重量%のエタノール、 約2.5〜85重量%のベンジルアルコール;および10重量%未満のプロピレングリコール、を含む。 本組成物の最終的な体裁は任意の適当な局所用医薬品であってよく、液剤、ローション剤、軟膏、ムース、フォーム、スプレー、エアロゾル剤、シャンプーおよび/またはコンディショナー、ゲル、クリーム、ペーストおよび当技術分野で知られる他の製剤を含みうる。本組成物は保存剤、緩衝液、安定化剤、噴射剤などの他の成分も含みうる。 本医薬組成物はムース組成物であることが好ましい。ムース組成物は例えば炭化水素やクロロフルオロカーボンなどの適当な噴射剤を含みうる。もう一つの選択肢として、本医薬組成物はゲル組成物であってもよい。ゲル組成物は適当なゲル化剤(例えばセルロース誘導体)を含みうる。ヒドロキシプロピルセルロース(例えばKlucel Mという商用名で販売されているもの)が好適であることが見出された。 エアロゾル製剤を使用する場合、エアロゾル製剤は均一な水-アルコールエマルション系でありうる。エアロゾル製剤は、その作動時に、剪断によって容易に壊れる安定で均一な膨張性の泡を作る。このタイプの組成物は「ムース」と呼ばれることもある。 さらにもう一つの好ましい側面として、本発明の医薬組成物は有効量の皮膚浸透剤をさらに含みうる。 適当な皮膚浸透剤には、ドデカノールやオレイルアルコールなどのアルコール類;イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エチレンジアミンなどのアミン類;オレイン酸、リノール酸、リノレン酸などのカルボン酸類;セバシン酸ジブチル、フタル酸ジブチル、安息香酸ブチル、カプリン酸エチルなどのエステル類;アゾン(Azone)、N-メチルピロリドン、胆汁酸塩、尿素などの他の物質がある。 ここに記載の組成物は全て、医薬品または化粧品の分野で自体公知の噴射剤を使って作動させることができる。そのような噴射剤には、プロパン、イソブタンまたはジメチルエーテルなどの炭化水素と、P-12、P114およびその40:60混合物などのクロロフルオロカーボンがある。 本発明の医薬組成物には、上記の必須成分に加えて、毛髪処置用組成物に通常使用される汎用成分、例えばビタミンB6、ビタミンEおよびその誘導体、ビオチンなどのビタミン類;パントテン酸とその誘導体、グリシルレチン酸(glycylrrhetic acid)とその誘導体、ニコチン酸ベンジルなどのニコチン酸エステル、シクロスポリン、塩化カルプロニウム、セファランチン(cepharanthine)、オキセンドロン、ジアゾキシド、ミノキシジル、エチニルエストラジオール(ethynylesteradiol)などの発毛剤または発毛助剤;ヒノキチオール、ヘキサクロロフェン、フェノール、塩化ベンズアルコニウム、塩化セチルピリジニウム、ウンデシレン酸、トリクロロカルバニリド、ビチオノールなどの抗細菌剤;メントールなどの清涼剤;サリチル酸、亜鉛とその誘導体、乳酸とそのアルキルエステルなどの薬物;グリシンなどのアミノ酸;オリーブオイル、スクアラン、流動パラフィン、ミリスチン酸イソプロピル、高級脂肪酸、高級アルコールなどのオイル成分;香料;酸化防止剤;紫外線吸収剤;色素;湿潤剤;増粘剤;香料;着色剤などを、本発明の効果を損なわない範囲内で処方できる。 本発明のさらにもう一つの側面として、ヒトの脱毛症とそれに関連する適応症の治療法であって、医薬活性成分として、 その組成物の総重量に基づいて少なくとも5重量%のピペリジノピリミジン誘導体または薬学上許容できるその塩、 そのピペリジノピリミジン誘導体または薬学上許容できるその塩を実質上完全に可溶化する量の酸、 水および/または低級アルコールから選択される溶媒と、芳香族アルコールおよび多価アルコールからなる群の1つまたは複数から選択される共溶媒とを含む溶媒組成物(ただし共溶媒がプロピレングリコールを含む場合、それは約10重量%未満の量で存在する) を含む局所投与用医薬組成物を用意し、 治療または予防有効量の上記医薬組成物をそのヒト頭皮に局所適用すること、を含む方法が提供される。 この脱毛症は男性型脱毛症を含めて任意の形の脱毛症に関係しうる。関連する適応症としては毛髪強度の脆弱化、毛色の喪失などが挙げられる。 上記医薬活性成分は好ましくはミノキシジルまたはミノキシジル塩を含み、より好ましくはミノキシジルの酢酸塩、コハク酸塩またはクエン酸塩を含む。 上記医薬活性成分は、より好ましくは、下記の成分を含む: 組成物の総重量に基づいて約5〜12重量%のミノキシジルまたはミノキシジル酸塩;次の成分を含む約88から95重量%の溶媒組成物: 約10〜70重量%のエタノール、 約2.5〜85重量%のベンジルアルコール;および10重量%未満のプロピレングリコール。 以下に、実施例と添付の図面を参照して、本発明をより詳細に説明する。しかし、以下の説明は単なる例示であると理解すべきであって、決して上述した本発明の一般論に対する制限であるとみなしてはならない。 下記の各実施例では、等価な酸規定度を確保するために、適当な量の酸を加える必要があった。そのような調節を行なうための標準的技法は、その溶液の見かけのpHを測定することである。 実施例では、いったん調製したら、各製剤の見かけのpHを測定した。製剤中の有機調節剤の割合が高いので、見かけのpHとして測定した。通例、0.5%(w/w)氷酢酸(0.1M)が製剤中に使用され、これは他の成分がその溶液のpHに寄与しない場合は、水溶液系で1.0のpHに相当するだろう。 どの製剤にも明白で著しい安定性の問題はないようである。製剤1と3aを4℃と50℃で1ヶ月と3ヶ月保存した後、そのミノキシジル濃度を測定した。測定できる効力の損失は観察されなかった。 0.75%(w/w)Klucel M(ヒドロキシプロピルセルロース)を実施例4に加えることによって水性ゲルを調製した。ゲルの粘度は20℃で2400センチポイズと測定された。 実施例12 実施例7(10%(w/w)ミノキシジル溶液)中に存在する成分のうち、どれがミノキシジルの可溶化に貢献しているかを決定するための研究を行なった。この研究は次の三部分に分割された:・共溶媒の効果・pHの効果・塩の効果。 溶解度を決定するため、対象とする媒質にミノキシジルの飽和溶液を調製した。次にこれらの溶液をろ過(0.45μm)し、直接UV分光法を使って標準曲線に対して分析した。ミノキシジルの非緩衝水溶解度 ミノキシジルの水溶解度は2.2mg/mLであることがわかった。共溶媒の効果 ミノキシジルの溶解度を共溶媒ベンジルアルコール、グリセロール、プロピレングリコールおよびエタノールのそれぞれで測定した。また、ミノキシジルの溶解度を共溶媒エタノール、プロピレングリコール、グリコールの10%(w/w)水溶液でも測定した。ベンジルアルコールは4%(w/w)溶液を使用した。これがベンジルアルコールの水への溶解度の限界であることがわかったからである。この研究の結果を次の表に要約する。 分析により、試験した系の中では、純粋なベンジルアルコールを使用した場合にのみ、所望の10%(w/w)ミノキシジル溶液をもたらすことが示された。見かけのpHの効果 見かけのpHが2.5、3.5、4.6、5.0および6.0の酢酸緩衝液中にミノキシジルの飽和溶液を調製することを試みた。飽和溶液はミノキシジルのpKa(4.61)より高いpHで得られた。その結果を次の表に要約する。 ミノキシジルは酸性媒質には極めて溶けやすく、使用した緩衝液はその溶液にミノキシジルを添加した時に観察されるpHのずれを避けるほどの緩衝能を持たなかったので、ミノキシジルの溶解限度をそのpKaより低いpHで決定することはできなかった。試験された最大ミノキシジル濃度は22mg/mLであり、pH2.5と3.5の溶液ではこの濃度で完全に可溶性であることが見出された。下記の表は、塩基型ミノキシジルの溶解度が2.2mg/mLであるという知見と酸型ミノキシジルの溶解度が無限であるという仮定から酸性水性媒質中で予想される最大溶解度を略述したものである。塩の効果 これらの研究には、ミノキシジル塩基を、その場で形成させた適当な塩(酢酸塩またはHCl塩)と共に使用した。上述のように、低pH酢酸緩衝液の使用はミノキシジルの溶解度を有意に増加させた。 水性環境でのミノキシジルの可溶化に影響を及ぼす主要因は、製剤中に存在する共溶媒のタイプと割合、製剤化された最終溶液のpH、使用するミノキシジルの量であることがわかった。 酸型のミノキシジルは水性環境ではるかに可溶性であることが明らかになった。共溶媒の使用はミノキシジル遊離塩基の溶解度を高めることが明らかになった。共溶媒は酸型の溶解度も高めうる。適当な塩の使用は酸型のミノキシジルの溶解度を高める。したがってこれら3つの要因の組み合わせを使って、局所溶液に基づく製剤中のミノキシジルの溶解度を最適化することができる。 上記の全実施例を室温に保存したところ、少なくとも10日間は結晶化も沈殿も観察されなかった。 百分率は全て、特に明記しない限り、その組成物の総重量に基づくことに注意されたい。 本明細書に開示し定義した発明が、本文と図面で言及したまたはそれらから明白な個々の特徴の2つ以上の代替的組合せの全てに及ぶことは理解されるだろう。これらの様々な組合せはすべて、本発明の様々な代替的側面を構成する。 本明細書で使用される用語「を含んでなる(comprise)」(またはその文法的変形)が「を含む(include)」という用語と等価であって、他の要素や特徴の存在を排除するものであると解釈すべきでないことも理解されるだろう。