タイトル: | 特許公報(B2)_メチレンジスルホネート化合物の製造方法 |
出願番号: | 2007005008 |
年次: | 2012 |
IPC分類: | C07C 303/22,C07C 309/66 |
檜山 武寛 竹内 剛 明見 秀彦 加賀野 宏和 JP 5008404 特許公報(B2) 20120608 2007005008 20070112 メチレンジスルホネート化合物の製造方法 住友精化株式会社 000195661 特許業務法人三枝国際特許事務所 110000796 檜山 武寛 竹内 剛 明見 秀彦 加賀野 宏和 20120822 C07C 303/22 20060101AFI20120802BHJP C07C 309/66 20060101ALI20120802BHJP JPC07C303/22C07C309/66 C07C 1/00−409/44 CAplus(STN) CASREACT(STN) REGISTRY(STN) 特開2005−336155(JP,A) 特開2006−188449(JP,A) 特開2005−222846(JP,A) 特表昭61−501089(JP,A) 特開平03−178959(JP,A) 特開平03−123768(JP,A) 国際公開第2007/125736(WO,A1) 特開2008−169161(JP,A) 2 2008169162 20080724 7 20091203 斉藤 貴子 本発明は、メチレンジスルホネート化合物の製造方法に関する。 メチレンジスルホネート化合物は、白血病動物治療薬等の医薬品として有用な化合物である。 メチレンジスルホネート化合物の製造方法としては、種々の方法が知られている。例えば、スルホニルクロリドと炭酸銀とを反応させて得られるスルホン酸銀をジヨードメタンと反応させる方法(特許文献1参照)、アルカンジスルホン酸等とメチレンジアセテート等とを反応させる方法(特許文献2参照)等が知られている。 これらの方法と同様にして、種々のメチレンジスルホネート化合物を製造することができるが、これらの方法には不具合な点がある。例えば、特許文献1に記載の製造方法によると、使用する炭酸銀やジヨードメタンが高価であり、反応速度が遅いという問題がある。また、特許文献2に記載の製造方法によると、使用するメチレンジアセテート等は入手が必ずしも容易ではなく、また高価であるという問題がある。特表昭61−501089号公報特開2005−336155号公報 本発明は、メチレンジスルホネート化合物を工業的に安価で容易に製造する方法を提供することを目的とする。 本発明は、一般式(1):(式中、R1は、水素原子、ハロゲン原子、水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、置換基を有してもよい芳香環基、または一般式(2):(式中、R2およびR3は、それぞれ独立して、水素原子、または水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルキル基を示す。)で表される基を示す。)で表されるスルホン酸無水物とホルムアルデヒド化合物とを反応させることを特徴とする、一般式(3):(式中、R1は、前記一般式(1)におけるR1と同じ基を示す。)で表されるメチレンジスルホネート化合物の製造方法に関する。 以下、本発明を詳細に説明する。 本発明に用いられるスルホン酸無水物は、下記一般式(1)で表される化合物である。 一般式(1)において、R1は、水素原子、ハロゲン原子、水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、置換基を有してもよい芳香環基、または一般式(2):(式中、R2およびR3は、それぞれ独立して、水素原子、または水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルキル基を示す。)で表される基を示す。 R1で示されるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子および臭素原子等が挙げられる。 R1で示される、水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、フルオロメチル基およびトリフルオロメチル基等が挙げられる。 R1で示される、置換基を有してもよい芳香環基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、ピリジル基、トリル基、ドデシルフェニル基およびクロロフェニル基等が挙げられる。 R1が一般式(2)で表される基において、R2およびR3で示される水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基およびiso−プロピル基等が挙げられる。一般式(2)で表される基の具体例としては、N−メチルアミノ基、N,N−ジメチルアミノ基等が挙げられる。 これらの中で、R1の好ましい例としては、メチル基、トリル基およびN,N−ジメチルアミノ基が好ましい。 一般式(1)で表されるスルホン酸無水物の具体例としては、例えば、メタンスルホン酸無水物、トリフルオロメタンスルホン酸無水物、ベンゼンスルホン酸無水物、パラトルエンスルホン酸無水物およびN,N−ジメチルスルファミン酸無水物等を挙げることができる。 本発明において、前記スルホン酸無水物は、市販のものを使用してもよいし、適宜製造したものを使用してもよい。スルホン酸無水物を製造する方法としては、例えば、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸およびパラトルエンスルホン酸等のスルホン酸化合物と、五酸化リン、五塩化リン、オキシ塩化リン、塩化チオニル、塩化アセチルおよび無水酢酸等の脱水剤とを反応させる方法等を挙げることができる。 本発明に用いられるホルムアルデヒド化合物としては、例えば、パラホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒドを加熱処理して得られる無水ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒドを酸処理して得られるトリオキサン、および、メチラール等のホルムアルデヒドのアセタール化物等が挙げられる。これらの中でも、パラホルムアルデヒド、無水ホルムアルデヒドおよびトリオキサンが好適に用いられる。これらホルムアルデヒド化合物は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。 ホルムアルデヒド化合物の使用割合は、スルホン酸無水物1モルに対して、0.5〜10モルの割合であることが好ましく、0.8〜3モルの割合であることがより好ましい。ホルムアルデヒド化合物の使用割合が0.5モル未満である場合、反応が完結しないおそれがあり、10モルを超える場合、使用量に見合う効果がなく経済的でない。 本発明において、必要に応じて反応に不活性な溶媒を用いてもよい。反応に不活性な溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、ヘキサン、ヘプタン、デカン等の炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒;ジメチルホルムアミド、ヘキサメチル燐酸トリアミド等のアミド系溶媒;酢酸エチル等の酢酸エステル系溶媒;アセトニトリル等のニトリル系溶媒;ジメチルスルホキシド、スルホラン等のスルホキシド・スルホン系溶媒等が挙げられる。 溶媒の使用量は、スルホン酸無水物100重量部に対して、通常、500重量部以下である。 本発明の反応温度は、通常、0〜200℃であり、好ましくは50〜150℃である。また、反応時間は反応温度により異なるが、通常、0.1〜10時間である。 かくして得られるメチレンジスルホネート化合物は、下記一般式(3)で表される化合物である。 一般式(3)において、R1は、前記一般式(1)におけるR1と同じ基を示す。 一般式(3)で表されるメチレンジスルホネート化合物の具体例としては、例えばメチレンジメタンスルホネート、メチレンジトリフルオロメタンスルホネート、メチレンジベンゼンスルホネートおよびメチレンジパラトルエンスルホネート等を挙げることができる。 本発明で得られるメチレンジスルホネート化合物は、例えば、反応液から溶媒等を用いて抽出後、水洗等を経て晶析させる方法、反応液を濾過し、濾液を濃縮する方法、および、反応液から昇華精製させる方法等により単離することができる。 本発明によれば、メチレンジスルホネート化合物を安価で容易に製造することができる。 以下、実施例を挙げ、本発明を具体的に説明するが、本発明はこの実施例によってなんら限定されるものではない。 実施例1 撹拌機、冷却管および温度計を備え付けた200ml容の四つ口フラスコにメタンスルホン酸無水物8.7g(0.05モル)を仕込み、撹拌下、室温で92%パラホルムアルデヒド1.6g(0.05モル)を添加した。添加終了後、120℃まで昇温して1時間撹拌した。その後、室温まで冷却し、水と塩化メチレンを添加して分液し、得られた有機層を水洗後、濃縮することにより、前記一般式(3)におけるR1がメチル基であるメチレンジメタンスルホネートの淡褐色結晶3.6gを得た。得られたメチレンジメタンスルホネートの収率は、メタンスルホン酸に対して35.3モル%であった。 なお、この淡褐色結晶がメチレンジメタンスルホネートであることを下記の分析結果により確認した。 1H−NMR(400MHz、CD3CN)δ(ppm):3.22(s,6H),5.83(s,2H)一般式(1):(式中、R1は、同一であって、水素原子、ハロゲン原子、水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、置換基を有してもよい芳香環基、または一般式(2):(式中、R2およびR3は、それぞれ独立して、水素原子、または水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルキル基を示す。)で表される基を示す。)で表されるスルホン酸無水物とホルムアルデヒド化合物とを反応させることを特徴とする、一般式(3):(式中、R1は、前記一般式(1)におけるR1と同じ基を示す。)で表されるメチレンジスルホネート化合物の製造方法。ホルムアルデヒド化合物が、パラホルムアルデヒド、無水ホルムアルデヒドおよびトリオキサンよりなる群から選ばれた少なくとも一種である請求項1に記載のメチレンジスルホネート化合物の製造方法。