タイトル: | 公表特許公報(A)_軟骨に影響する状態において使用するための組成物及び方法 |
出願番号: | 2006553259 |
年次: | 2007 |
IPC分類: | A61K 31/198,A61K 31/401,A61K 31/7008,A61K 31/726,A61K 31/737,A61P 19/00,A61P 29/00,A61P 19/08,A61K 38/00,A61K 31/01,A23K 1/18,A23K 1/16 |
フリーセン,キム・ジーン トル,フィリップ・ダブリュー JP 2007522232 公表特許公報(A) 20070809 2006553259 20050209 軟骨に影響する状態において使用するための組成物及び方法 ヒルズ・ペット・ニュートリシャン・インコーポレーテッド 502329223 社本 一夫 100089705 小野 新次郎 100140109 小林 泰 100075270 千葉 昭男 100080137 富田 博行 100096013 桜井 周矩 100092015 フリーセン,キム・ジーン トル,フィリップ・ダブリュー US 10/774,951 20040209 A61K 31/198 20060101AFI20070713BHJP A61K 31/401 20060101ALI20070713BHJP A61K 31/7008 20060101ALI20070713BHJP A61K 31/726 20060101ALI20070713BHJP A61K 31/737 20060101ALI20070713BHJP A61P 19/00 20060101ALI20070713BHJP A61P 29/00 20060101ALI20070713BHJP A61P 19/08 20060101ALI20070713BHJP A61K 38/00 20060101ALI20070713BHJP A61K 31/01 20060101ALI20070713BHJP A23K 1/18 20060101ALI20070713BHJP A23K 1/16 20060101ALI20070713BHJP JPA61K31/198A61K31/401A61K31/7008A61K31/726A61K31/737A61P19/00A61P29/00 101A61P19/08A61K37/02A61K31/01A23K1/18 AA23K1/16 301G AP(BW,GH,GM,KE,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,MC,NL,PL,PT,RO,SE,SI,SK,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX,MZ,NA,NI,NO,NZ,OM,PG,PH,PL,PT,RO,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SY,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,YU,ZA,ZM,ZW US2005004363 20050209 WO2005077356 20050825 27 20061006 2B005 2B150 4C084 4C086 4C206 2B005AA05 2B150AA06 2B150DA44 4C084AA01 4C084AA02 4C084AA03 4C084BA03 4C084MA02 4C084NA14 4C084ZA96 4C086AA01 4C086AA02 4C086BC07 4C086EA02 4C086EA22 4C086EA26 4C086MA01 4C086MA02 4C086MA04 4C086NA14 4C086ZA96 4C086ZC61 4C206AA01 4C206AA02 4C206BA01 4C206FA53 4C206MA01 4C206MA02 4C206MA04 4C206MA28 4C206NA14 4C206ZA96 事実上全ての関節は軟骨を有する。軟骨は、柔軟性、圧力下での圧縮性、クッション、引張強さ、動作の範囲及び関節内部での運動の滑らかさを提供するために、動物の身体において重要である。軟骨を有する関節の例としては、指及び足ゆび、頚部、膝、腰、肩及びその他同様なものが挙げられる。動物は、軟骨がマイナスの影響を受け、それによって関節の柔軟性、圧縮性の低下を引き起こし、しばしば関節及び/または関節を取り囲む組織の全身性炎症をもたらす多数の状態に苦しみ得る。このような動物は次に関節機能のかなりの喪失を有し、疼痛を経験する。必要とされるものは、このような状態を治療するか、予防するかまたは改良するための新たな組成物及び方法である。 従って、本発明は、関節の健康を改良するための組成物及び方法を含む。従って、様々な具体例においては、本発明は、有効な量のアミノ酸であるグリシン及びプロリンのうちの少なくとも1つを動物に投与することを含む、軟骨の柔軟性を増大させる方法を提供する。 本発明の幾つかの具体例は、有効な量の少なくとも1つのアミノ酸であるグリシン及びプロリンを動物に投与することを含む、動物における軟骨の強度を増大させる方法を提供する。 本発明の他の態様は、有効な量のアミノ酸であるグリシン及びプロリンのうちの少なくとも1つを動物に供給することを含む、動物における軟骨の組織の劣化を予防する方法を提供する。 本発明の幾つかの態様は、キャリアに関連し有効な量のグリシン及びプロリンのうちの少なくとも1つを有する、動物への全身投与に適した組成物を提供する。追加の態様は、ペットの関節の健康を改良する物質を含むペットフードを提供する。 本発明の利用可能性のさらなる領域は、下文で提供する詳細な説明から明白になろう。詳細な説明及び具体的な例は、本発明の実施態様を示すが、本発明の範囲を限定することを意図するものではないことは理解されるはずである。 様々な具体例及び添付する実施例の以下の説明は、性質上単に模範的なものであり、本発明、その利用、またはその使用を限定することを意図するものでは決してない。 本発明は、動物、特にコンパニオン動物の例えば犬及び猫における関節の健康を改良するための組成物及び方法を提供する。非限定の指針における以下の定義は、本明細書において述べる本発明の説明を検討する際に考慮されなければならない。 本明細書における参考文献の引用は、この参考文献が従来技術であるかまたは本明細書において開示する本発明の特許性に何らかの関連を有することを認めることにはならない。導入において引用した参考文献の内容のいかなる検討も、単に、参考文献の著者によってなされた断言の一般的な要約を提供するためのものである;これは、このような参考文献の内容の正確さについて認めることにはならない。本明細書の説明の節において引用する全ての参考文献を、本明細書において参考のためにその全体を引用する。 具体的な例の説明は、本発明の具体例を示すが、説明のためを意図しているのみであり、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。その上、述べられた特徴の多数の具体例の列挙は、追加の特徴を有する他の具体例、または述べられた特徴の様々な組合せを取り入れる他の具体例を除外することを意図したものではない。 軟骨は、連続的に分解され、取り替えられる生きている組織から構成される。しかしながら、損傷、関節に対するストレス及び老化のプロセスは、しばしば何らかの明らかな兆候無しに、多くの損傷がなされるまで軟骨の組織を損ない得る。軟骨は、65%〜80%の水から構成される物質である。残りの部分は、3つの他の重要な化合物、コラーゲン、軟骨細胞及びプロテオグリカンから構成される。コラーゲンは軟骨にその緩衝及び弾性を与えるが、プロテオグリカンは、運動に応答して伸長し、次に跳ね返る能力を軟骨に与えるより大きな分子である。しかしながら、全てのものの場合と同様に、コラーゲン及びプロテオグリカンは老化する。軟骨細胞は、老化したプロテオグリカン及びコラーゲンを除去し、新たなものを生成する。こうした4つの要素は一緒に働いて、軟骨が健康で、滑らかであること、及び関節における無痛運動を確実にする。こうした要素のうちの任意の1つが衰えると、軟骨は劣化し得、変形性関節症が現れ始めよう。 変形性関節症は、関節軟骨、関節内部の骨を裏打ちする滑らかな光る表面に優先的に影響する。軟骨の機能は、緩衝を提供すること及び関節が滑る時の摩擦を低減することである。変形性関節症は、軟骨を薄くし、軟骨に対する損傷を生じ、これは破壊されて粗くなり、侵食される。骨が一緒にこすれるにつれて軟骨及び骨はさらに損傷し、関節の1つの側が他の側よりも崩壊すると、変形が生じる。軟骨の損失が大きい場合、使用と共にまたは休息していてさえも、関与する関節に重い疼痛が存在することがある。 変形性関節症は、1才を超える犬の集団の約20%を生じるシノビアル関節(synobial joint)のゆっくりした進行性の障害である。(Johnston S.A. Orthoarthritis. Veterinary Clinics of North America; Small Animal Practice 1997 27: 699-720。)この関節障害は、関節軟骨成分の合成と分解との間のバランスの喪失を特徴とし、それに続く関節軟骨の侵食、下にある骨の改造、骨増殖体形成及び様々な程度の滑膜炎を生じる。コンパニオン動物において見られる二次変形性関節症の最も一般的な原因の幾つかは、前十字靱帯断裂、オステオクロンドリティス・デセッカンス(osteochrondritis dessecans)、破片となった鈎状突起及び腰の異形成である。(Martinez S.A., Coronados M.G. Acquired conditions that lead to osteoarthritis in a dog. Veterinary Clinics of North America: Small Animal Practice 1997; 27: 759-775。)軟骨が影響される状態の他の例としては、骨軟骨症、滑膜炎、細菌化膿性関節炎、骨関節症、乾せん性関節症、関節下嚢胞性病変、フィジティス(physitis)、角状四肢変形(angular limb deformities)及び立方骨奇形が挙げられるが、これらに限定されるものではない。大部分の大型犬は、老化するにつれて関節炎にかかる。大型犬種は、その増大した質量及び/または遺伝的素因が理由となって、関節炎によりかかりやすい。大型犬は、関節炎及び他の軟骨の状態の危険にさらされている唯一の動物ではない。関節炎及び他の変性関節疾患は一般に犬において認められており、このような状態は猫において蔓延していることが示されている。(Hardie E.M. et al. JAVMA 220 (5) 2002, 628-632。)危険にさらされている他の動物としては、全ての犬、猫、馬、山羊、羊、豚、牛、ヒト、七面鳥及び鶏を含む鳥、並びにその他同様なものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。 様々な物質が、上記に説明した状態を改良する試みにおいて使用されてきた。このような物質は、関節炎の治療においてグルコサミン、コンドロイチン及びコンドロイチン硫酸栄養補助剤を使用することを伴った。グルコサミンは、軟骨中の流体を維持するプロテオグリカンの構成要素である。コンドロイチンは、プロテオグリカンの別の構成要素である。パーナ・カナリクラス(Perna canaliculuss、モエギイガイ)は、グリコサミノグリカン(GAGs)の豊富な源である。あいにく、こうしたGAGsは、経口で摂取した場合、不満足に吸収される。パーナは関節炎の治療にとって有益となるかもしれないが、観察される利益は、グリコサミノグリカンの直接吸収からよりもその天然の抗炎症効果から得られるかもしれない。クレアチンは、筋肉エネルギーへのグルコースの転換において重要な役割を演じ、筋肉強度を改良し、より高齢のペットにより元気に感じさせることにおいて価値を有することがある。メチルスルホニルメタン(MSM)は、関節炎の進行を遅らせ、疼痛を軽減する抗炎症効果を有する。もちろん、典型的にヒトによって使用されるがまたペットによって使用されてよい他の物質は、アスピリン、抗炎症薬の例えばイブプロフェン、COX−2阻害剤並びに他の医療用及び医薬組成物を含む。 本発明の様々な具体例においては、上記に説明した状態を改良する、治療する、予防する及び/または時として緩和するための組成物及び方法は、グリシン及びプロリンのうちの少なくとも1つの投与を含む。このような状態の実例は、変形性関節症、リウマチ様関節炎、骨軟骨症、変性関節疾患、滑膜炎、細菌性化膿性関節炎、骨関節症、及び乾せん性関節症を含む。 本発明の様々な具体例においては、グリシン及び/またはプロリンを、動物、好ましくは投与を必要とするものに、多くの様式のうちの任意の1つの例えば経口、非経口、及びその他同様なもので投与してよいが、経口が好ましい。幾つかの具体例においては、グリシン及び/またはプロリンは、例えば、表面への噴霧または沈殿によって中にまたは任意の食餌成分の表面に取り入れられてウエットまたはドライ食において投与することができる。特定の具体例においては、グリシン及び/またはプロリンは、それ自体栄養食中に、スナック、栄養補助剤、トリート中にまたは食餌の液体部分の例えば水若しくは別の流体中に存在してよい。グリシン及び/またはプロリンを、粉末、固体としてまたはゲルを含む液体として投与してよい。希望するなら、グリシン及び/またはプロリンを、医薬剤形の例えばカプセル、錠剤、カプレット、シリンジ、及びその他同様なものにおいて経口投与してよい。剤形内部で、グリシン及び/またはプロリンは粉末または液体の例えばゲルとして存在してよい。水、グルコース、スクロース及びその他同様なもののような通常の薬剤用キャリアのいずれでも、単数または複数の活性物質(active)と一緒に用いることができる。一緒に例示するが、グリシン及びプロリンは、一緒に使用する場合、別個に投与してよく、すなわち、例えば1つは食餌において及び1つは液体または単位投与形態においてである。一般に、一緒に投与する場合、これらは少なくとも同時に、好ましくは同じキャリア中で投与すべきである。フードにおいて投与する場合、グリシン及び/またはプロリンを、通常のフード成分内部の1つの化合物または2つの組合せとして投与してよい。 前述のように、特定の具体例においては、グリシン及び/またはプロリンは、ペットに提供される任意のフード中に存在することができる。このようなフードの例は、動物の栄養素の全てを提供する通常の食餌、トリート、栄養補助剤及びその他同様なものである。幾つかの具体例においては、グリシン及び/またはプロリンは、液体で若しくは医薬剤形の例えばカプセル、錠剤、丸剤、液体で提供してよいか、または、シリンジによって非経口投与さえもしてよい。本発明の重要な態様は、ペットは、軟骨へのプラスの効果を提供するための有効な量のグリシン及び/またはプロリンを提供されることである。好ましい投与経路は経口とすることができ、フードと共に取り入れられる。 本明細書において使用する“食餌”という用語は、動物によって定期的に消費されるフードまたは飲料を意味する。コンパニオン動物の食餌は、動物のための適切な栄養を提供もする任意の適切なペットフード配合とすることができる。例えば、本発明において使用するための典型的な犬の食餌は、約10〜30%の脂肪、約22〜44重量%のタンパク質及び約10%の総食物繊維を含んでよい。別の例においては、典型的な猫の食餌は、約10〜30重量%の脂肪、及び約30〜45重量%のタンパク質を含んでよい。しかしながら、こうした栄養素または他の栄養素の特定の比またはパーセントは必要ではない。栄養素は、生命を支持するのを助ける任意のフード成分である。以下のものは、コンパニオン動物の健康において重要な役割を有する栄養素の例である: 本発明によって用いられるべきグリシン及び/またはプロリンの量はかなり変化してよい。全ての重量%は、動物の栄養の必要を満たすのに十分な日常食の乾物ベースに基づく。プロリンの最小量は、約1.45重量%、好ましくは約1.6重量%、より好ましくは約2.0重量%である。グリシンの最小量は、約1.25重量%、好ましくは約1.4重量%、より好ましくは約1.6重量%である。例えば、通常の栄養食中の特定の量を毎日用いることができるか、または、トリート若しくは栄養補助剤中の同じ1日量を毎日動物に提供することができる。加えて、有効な量の活性成分が提供される限りは、こうした方法の組合せまたは任意の他の投与手段を用いてよい。最大量は、毒性がほとんど無い(許容可能なレベル)かまたは全く無い状態で有効な任意の量である。グリシン及びプロリンの場合のこのような量の例は、最小についてと同じ基準で各々約5、4、または3重量%以下を含む。 本発明の様々な具体例は、コンパニオン動物における軟骨を改良する方法を含む。このような具体例においては、本方法は、1日当り乾物ベースで少なくとも1.25重量%の量でグリシン及び/またはプロリンを含む食餌を動物に供給することを含む。他の具体例においては、本方法は、1日当り乾物ベースで少なくとも1.25重量%の量でグリシンを及び乾物ベースで少なくとも1.45重量%の量でプロリンを含む食餌を動物に供給することを含む。さらに他の具体例においては、本方法は、1日当り乾物ベースで約1.6重量%の量でグリシンを及び乾物ベースで約2.2重量%の量でプロリンを含む食餌を動物に供給することを含む。本明細書において使用するグリシン及び/またはプロリンはラセミ混合物であるが、本発明の他の具体例は、本質的に純粋なL−異性体であるかまたは誘導体、異性体の混合物、塩、エステル、アミドまたはこれらの組合せとしてグリシン及び/またはプロリンを含んでよい。 本発明の様々な具体例においては、グリシン及び/またはプロリンを含むコンパニオンペットの食餌は、コンパニオン動物における軟骨を改良する。本発明の幾つかの具体例においては、グリシン及び/またはプロリンをコンパニオン動物のフードに加える。このような具体例においては、グリシン及び/またはプロリンを、コンパニオン動物のフードの加工の最中に加えてよく、これを次に包装し、消費者にとって利用可能にする。このような加工は、押出し、缶詰、ベーキング、及びその他同様なものまたは当分野において周知のペットフードを製造する任意の他の方法若しくは加工を含んでよい。このような加工において、グリシン及び/またはプロリンは、動物若しくは植物成分のような天然源によって提供されてよく、またはグリシン及び/またはプロリンは、合成的に誘導された源によって提供されてよく、またはグリシン及び/またはプロリンは、天然及び合成源の混合物によって提供されてよい。本発明の他の具体例においては、グリシン及び/またはプロリンは、コンパニオン動物に供給すべきカプセル形態としてよい。本発明のさらに他の具体例においては、グリシン及び/またはプロリンは、動物のフードに加えてよいかまたは動物に直接に供給してよい粉末または結晶体(crystalline)としてよい。本発明の様々な具体例においては、コンパニオン動物の食餌は、グリシン及び/またはプロリン及び他の必要な栄養成分を含む。本発明の様々な具体例においては、コンパニオン動物は犬である。他の具体例においては、コンパニオン動物は猫である。特定の具体例においては、コンパニオン動物は馬である。 軟骨の健康の1尺度は、軟骨表面の可視的な異常の量である。軟骨の異常を観察する他の様式は、MRI、コンピューター断層装置及びX線写真術を含む。異常が高い程、さらに関節全体は弱まり、これは状態の影響をより受けやすくするかまたは既存の状態を悪化させる。こうした状態は、中でも関節炎(変形性及びリウマチ様の両方)、骨軟骨症、変性関節疾患、滑膜炎、細菌性化膿性関節炎、骨関節症及び乾せん性関節症を含む。可視化された軟骨の異常は、病変全般、侵食、及び成長異常を含む。実施例1 成長中の豚(80)を、実施例における試験モデルとして使用する。豚は最初に約35kgである。各豚を5.2ft2の畜舎内に個別に収容し、フード及び水に自由に近づける状態にする。豚に試験フードを60日間供給して、おおよその最終体重130kgにする。 肉製造の時点で、右後膝関節を各豚から集め、膝蓋骨からの関節軟骨を除去した。機械的分析の前に、軟骨重量及び厚さ(3回の測定の平均)を決定する。こうした測定を使用して、柔軟性及びワーナー−ブラズラーせん断力(Warner-Brazler shear force)のインストロン分析によって圧縮距離(平均軟骨厚さの50%)を決定する。ワーナー−ブラズラーせん断力を、インストロン万能材料試験機(モデル4201、インストロン・コーポレーション、キャントン、MA(model 4201, Instron Corporation, Canton, MA))を使用して決定する。(Otremba, M.M., ME. Dikeman, G.A. Milliken, S.L. Stroda, J.A. Unruh, and E. Chambers IV. 1999. J. Anim. Sci. 77:865-873; Wheeler T.L., S.D. Shackelford, and M. Koohmaraie. 1998. J. Anim. Sci. 76:2805-2810; and Wheeler T.L. S.D. Shackelford, and M. Koohmaraie. 2002. J. Anim. Sci. 80:982-987を参照されたい。) クロスヘッド速度250mm/min.を有する50kgの圧縮ロードセルを使用する。機械は、静止アンビル上に置いた試料の上に降りる平らな引込ブレード(flat retractable blade)を用いて組立てられている。プレスは、静止アンビル上の試料を切断する力を及ぼす。手順は、軟骨試料を最初に破断するのに必要なキログラム単位の力を測定する。 軟骨の柔軟性を以下の仕方で測定する。静止プレート上に軟骨試料を置き、一方、プレスが試料の上部の上にプレートを降ろすことによって、圧縮を測定する。プレスは降りて、試料を平均厚さの50%に圧縮する。試料を50%圧縮するのに必要な力は、柔軟性の尺度であり、力が低い程、試料はより柔軟である。せん断力データの場合の測定の単位は、せん断力(ピーク及び合計の力の両方)はキログラムであり、エネルギー測定はニュートンである。 表2のデータは、実験フード(試料1及び2)並びに対照の組成を提供する。表3及び4は、対照及び実験フードの2つのロットの分析を提供する。表5のデータは、圧縮試験の結果を提供する。結果は、2つの試料のいずれかよりも少ないグリシン及びプロリンを有する対照よりも高いレベルのグリシン及びプロリンを利用して、軟骨を50%レベルに圧縮するために統計的に有意により少ないエネルギーが必要とされることを示す。実施例2 豚の軟骨を、ここから、その破壊強度、すなわち最初のノッチングを引き起こすかまたは骨からの軟骨のせん断が始まるのに要する力の量に関して試験する。力の量が大きい程、軟骨と骨との間の結合がより強く、軟骨は関節炎のまたは関節炎タイプの総体的症状に対して耐性がある。 結果から観察されるように、より多量のグリシン及びプロリンは、(試料5を参照されたい)軟骨の強度を増大させる。従って、軟骨を含む関節は、関節炎または関節炎様総体的症状の悪化の開始に対してより耐性がある。実験の結果は、他の軟骨に影響する状態の例えば上記に検討したもの、並びに関節炎に適用できることが指摘される。実施例3 成長中の豚(80)を、実施例における試験モデルとして使用する。豚は最初に約35kgである。各豚を5.2ft2の畜舎内に個別に収容し、フード及び水に自由に近づける状態にする。豚に試験フードを90日間供給して、おおよその最終体重130kgにする。 実施例3は、軟骨の肉眼的後膝関節病変の数に対するより大きな濃度のグリシン及びプロリンを示す。血清MMP−13濃度(コラーゲン及びアグラカン(aggracan)の両方を分解する酵素)は、最高レベルのプロリン及びグリシンを供給された豚の場合、対照フードを供給された豚と比較して減少し、軟骨修復の速度(II型コラーゲン合成速度として測定して)も低下する。 本明細書において説明する実施例及び他の具体例例は模範的であり、本発明の装置、システム、組成物、材料、及び方法の全範囲を説明する際に限定することを意図するものではない。具体例、装置、システム、組成物、材料及び方法における同等の変更、修正、変形を、本発明の範囲内で実質的に同様の結果を有して行ってよい。このような変更、修正または変形は、本発明の精神及び範囲からの逸脱とみなすべきではない。本明細書において引用する全ての特許、並びに、本明細書において検討する全ての刊行物、論文、小冊子及び製品情報を、本明細書において参考のためにその全体を引用する。 動物における軟骨の柔軟性を増大させる方法であって:有効な量のグリシン及びプロリンのうちの少なくとも1つを含む組成物を前記動物に投与することを含む方法。 軟骨が影響される状態を改良することを含む、請求項1に記載の方法。 前記軟骨が影響される状態は、変形性関節症、リウマチ様関節炎、骨軟骨症、変性関節疾患、滑膜炎、細菌性化膿性関節炎、骨関節症、及び乾せん性関節症からなる群から選択される、請求項2に記載の方法。 グルコサミン、コンドロイタン、コンドロイタンサルフェート、MSM、クレアチン、抗酸化剤、パーナ・カナリクラス、オメガ脂肪酸及びこれらの混合物からなる群から選択される有効な量の少なくとも1つの物質を投与することをさらに含む、請求項1に記載の方法。 前記有効な量のグリシン及びプロリンのうちの少なくとも1つを含むフードを提供することをさらに含む、請求項1に記載の方法。 前記有効な量のプロリンは少なくとも1.45重量%である、請求項1に記載の方法。 前記有効な量のグリシンは少なくとも1.25重量%である、請求項1に記載の方法。 前記動物はヒト以外である、請求項1に記載の方法。 前記動物はコンパニオン動物である、請求項8に記載の方法。 前記動物はヒトである、請求項1に記載の方法。 動物における軟骨を強化する方法であって:有効な量のグリシン及びプロリンのうちの少なくとも1つを含む組成物を前記動物に供給することを含む方法。 軟骨が影響される状態を予防するかまたは治療することを含む、請求項11に記載の方法。 前記軟骨が影響される状態は、変形性関節症、リウマチ様関節炎、骨軟骨症、変性関節疾患、滑膜炎、細菌性化膿性関節炎、骨関節症、及び乾せん性関節症からなる群から選択される、請求項12に記載の方法。 グルコサミン、コンドロイタン、コンドロイタンサルフェート、MSM、クレアチン、抗酸化剤、パーナ・カナリクラス、オメガ脂肪酸及びこれらの混合物からなる群から選択される有効な量の少なくとも1つの物質を投与することをさらに含む、請求項11に記載の方法。 前記有効な量のプロリンは少なくとも1.45重量%である、請求項11に記載の方法。 前記有効な量のグリシンは少なくとも1.25重量%である、請求項11に記載の方法。 前記動物はヒト以外である、請求項11に記載の方法。 前記動物はコンパニオン動物である、請求項17に記載の方法。 前記動物はヒトである、請求項11に記載の方法。 動物における軟骨を強化するための組成物であって:有効な量のグリシン及びプロリンのうちの少なくとも1つを含む組成物。 グルコサミン、コンドロイタン、コンドロイタンサルフェート、MSM、クレアチン、抗酸化剤、パーナ・カナリクラス、オメガ脂肪酸及びこれらの混合物からなる群から選択される有効な量の少なくとも1つの物質をさらに含む、請求項20に記載の組成物。 前記有効な量のプロリンは少なくとも1.45重量%である、請求項20に記載の組成物。 前記有効な量のグリシンは少なくとも1.25重量%である、請求項20に記載の組成物。 タンパク質、脂肪及び炭水化物をさらに含む、請求項20に記載の組成物。 請求項20に記載の組成物を含むドッグフード。 請求項20に記載の組成物を含むキャットフード。 生命維持量の栄養素をさらに含む、請求項20に記載の組成物。 動物における軟骨の異常を予防するための組成物であって:有効な量のグリシン及びプロリンのうちの少なくとも1つを含む組成物。 動物における軟骨の柔軟性を改良するための組成物であって:有効な量のグリシン及びプロリンのうちの少なくとも1つを含む組成物。 動物における軟骨の劣化を予防する方法であって:有効な量のグリシン及びプロリンのうちの少なくとも1つを含む組成物を前記動物に供給することを含む方法。 軟骨の柔軟性増強有効量のグリシン及びプロリンのうちの少なくとも1つを前記哺乳類に投与することを含む、軟骨の柔軟性の増大を必要とする動物における軟骨の柔軟性を増大させる方法。