生命科学関連特許情報

タイトル:公表特許公報(A)_高リン酸化リソソーム酵素製剤及びそれらの使用
出願番号:2006552376
年次:2007
IPC分類:C12N 9/26,C12N 9/14,C12N 15/09,A61K 38/43,A61K 38/46,A61P 3/00,A61P 25/02,A61P 3/06,C12N 9/00


特許情報キャッシュ

ザンケル,トッド カッキス,エミル ディー. JP 2007523648 公表特許公報(A) 20070823 2006552376 20050207 高リン酸化リソソーム酵素製剤及びそれらの使用 バイオマリン ファーマシューティカル インコーポレイテッド 506136483 青木 篤 100099759 石田 敬 100077517 福本 積 100087871 古賀 哲次 100087413 川幡 兼介 100141807 ザンケル,トッド カッキス,エミル ディー. US 60/542,586 20040206 C12N 9/26 20060101AFI20070727BHJP C12N 9/14 20060101ALI20070727BHJP C12N 15/09 20060101ALI20070727BHJP A61K 38/43 20060101ALI20070727BHJP A61K 38/46 20060101ALI20070727BHJP A61P 3/00 20060101ALI20070727BHJP A61P 25/02 20060101ALI20070727BHJP A61P 3/06 20060101ALI20070727BHJP C12N 9/00 20060101ALN20070727BHJP JPC12N9/26C12N9/14C12N15/00 AA61K37/48A61K37/54A61P3/00A61P25/02A61P3/06C12N9/00 AP(BW,GH,GM,KE,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,MC,NL,PL,PT,RO,SE,SI,SK,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX,MZ,NA,NI,NO,NZ,OM,PG,PH,PL,PT,RO,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SY,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,YU,ZA,ZM,ZW US2005004345 20050207 WO2005077093 20050825 44 20060913 4B024 4B050 4C084 4B024AA01 4B024AA11 4B024BA11 4B024BA12 4B024CA01 4B024CA09 4B024CA11 4B024CA20 4B024DA02 4B024EA04 4B024GA11 4B024HA01 4B050CC03 4B050DD07 4B050LL01 4C084AA01 4C084AA02 4C084AA03 4C084AA06 4C084AA07 4C084BA44 4C084DC01 4C084DC22 4C084NA14 4C084ZA20 4C084ZC02 4C084ZC21 4C084ZC33 本出願は、2004年2月6日に出願された米国仮出願番号60/542,586号に基づく優先権の利益を主張する。技術分野 本出願は、細胞、及び分子生物学、及び医学の技術分野に関し、特に高リン酸化リソソーム酵素製剤、及びリソソーム蓄積症の治療技術におけるそれらの使用に関する。技術背景 リソソーム蓄積症(LSDs)は、リソソーム内における細胞廃棄物の分解に必須である細胞内の特定のリソソーム酵素の欠損に起因する。そのようなリソソーム酵素の欠損は、当該リソソーム内の分解されない“貯蔵物質”の蓄積を導き、そしてその事態は、リソソームの膨張及び機能不全、そして最終的には細胞及び組織の損傷を引き起こす。多くのリソソーム酵素が同定され、そしてそれらの関連疾患と相互に関連付けられる。いったん欠損酵素が同定されると、治療は、患者の病気に冒された組織へ補充酵素を効果的にデリバリーする単独問題に限定される。 リソソーム蓄積症治療の1つの方法は、静脈内酵素補充療法(ERT)によるものである(Kakkis,Expert Opin Investig Drugs 11(5):675−85(2002))。ERTは、投与の単一箇所から多くの組織へ酵素を運ぶための脈管構造をうまく利用する。一旦酵素が、広範囲に分配されれば、細胞内に取り込まれなければならない。細胞内への吸収の根拠は、リソソーム酵素の独特な特徴に見出され:リソソーム酵素は、末端マンノース残基の6−位でリン酸塩により特徴付けられる糖蛋白質の別クラスを構成する。マンノース 6−リン酸塩は、高親和力、及び特異性を伴って、たいていの細胞の表面に見られる受容体により結合される(Munier−Lehmann,et al.,Biochem.Soc.Trans 24(1):133−6(1996);Marnell,et al.,J.Cell.Biol.99(6):1907−16(1984))。当該マンノース 6−リン酸塩受容体(MPR)は、血液から組織への酵素吸収を方向付け、そして次いでリソソームへの細胞内経路を仲介する。 リソソーム酵素製剤の治療有効性は、その製剤におけるマンノース 6−リン酸塩の値に決定的に依存する。リン酸塩は、小胞体及び初期ゴルジ体において、翻訳後修飾により糖蛋白質に添加される。折りたたまれたリソソーム酵素は、オリゴ糖修飾酵素により認識される唯一の第3の決定基を示す。当該決定基は、特に間隔のあいた1組のリジンからなり、そして、主要な配列相同性がないにもかかわらず、たいていのリソソーム酵素に見出される。当該修飾酵素である、UDP−GlcNAc ホスホトランスフェラーゼは、蛋白質決定基と結合し、そしてGlcNAc−1−リン酸塩を、結合部位に最も近いオリゴ糖の末端マンノース残基の6−位へ添加する。次いで、第2酵素が、GlcNAc−リン酸塩の結合を開裂し、マンノース 6−リン酸塩末端オリゴ糖を与える。マンノース 6−リン酸塩の修飾の目的は、細胞内の分泌経路からリソソーム酵素経路へのリソソーム酵素の転用のためである。リン酸塩結合酵素は、トランスゴルジ体内のMPRにより結合させられ、そして当該細胞表面の代わりにリソソームへ送られる。 リソソーム酵素のラージスケール生産は、哺乳類細胞系内の発現を含む。当目的は、収穫及びプロセッシングの下流として、周囲の成長培地内への組換え酵素の主要な分泌である。リソソーム酵素の当該ラージスケール生産のための理想的なシステムにおいて、酵素は、効果的にリン酸化され、そして次いで、主にリソソームへ向かうよりもむしろ、主に細胞表面(分泌)へ向かうように方向付けるであろう。上記のように、このリン酸化酵素の割合は、正常細胞中に生ずることのまさに正反対である。リソソーム酵素製造のためにしばしば使用される製造ラインは、酵素1モルあたりのマンノース 6−リン酸の値を最大化することに焦点を置き、そして低い特異的生産性により特徴付けられる。マンノース−6リン酸塩部分の高い値を含むリソソーム酵素を生産する試験管内の試みは、混合された成功を引き起こす(Canfield et al.,U.S.Patent No.6,537,785)。当該試験管内酵素は、マンノース−6−リン酸塩の高い値、並びに非修飾末端マンノースの高いレベルを示す。当該マンノース−6−リン酸塩と酵素のためのマンノース受容体との競合は、有効性のために高用量酵素の必要性をもたらし、そして治療に供される患者に被害を与えるまでにより多くの免疫原性を導き得る。 このように、リソソーム蓄積障害の治療技術として、治療効果のあるリソソーム酵素のラージスケール生産のための効果的な及び生産性のあるシステムについての、本分野中における必要性がある。本発明の概要 本発明は、エンドソーム酸性化において欠陥があり、G71と指定される、CHO−K1誘導体が、生産細胞系自体のリソソーム区画への材料の損失を阻害することにより、リン酸化、組換え酵素の高い収率で産生することの発見に関する。そのような酵素は、好ましくは、低レベルの非リン酸化高マンノース型オリゴ糖もまた有する。ある態様において、本発明は、ヒト組換え酸性αグルコシダーゼ(GAA)を過剰発現するEND3相補群細胞系であって、結果的に高リン酸化酵素の高収率をもたらす当該細胞系を提供する。例示的な細胞系は、G71又はG71の所望の特性を保持するその誘導体であって、ここで当該特性とは、すなわち高リン酸化組換え酵素の高収率を産生する能力であって、好ましくは、低レベルの非リン酸化高マンノース型オリゴ糖を伴うものをいう。END3相補群改良CHO−K1系のこの適用は、酵素補充療法(ERT)によるリソソーム蓄積疾患の治療技術として使用されるためのリソソーム酵素の生産について特に有効であろう。 第1態様において、本発明は、治療上の使用が可能な量で高リン酸化リソソーム酵素を産生する新規方法を特徴とする。広範な態様において、当該方法は、それらの発現のために好適な細胞内に、リソソーム酵素の全部又は一部をコードするcDNAをトランスフェクトするステップを含む。ある態様において、全長リソソーム酵素をコードするcDNAが使用され、一方、他の態様において、生物学的に活性のある断片、突然変異体、誘導体又はその変異体をコードするcDNAが使用され得る。他の好ましい態様において、発現ベクターは、当該cDNAを好適な細胞系又はそれらの発現のための細胞系の中へトランスファーするため使用される。好ましい態様において、当該方法は、エンドソームの輸送に障害を有する細胞系から高リン酸化リソソーム酵素を産生するステップを含む。特に好ましい態様において、当該方法は、END3相補群CHO細胞系から高リン酸化組換えヒト酸性αグルコシダーゼ(rhGAA)を産生するステップを含む。END3相補群細胞系は、欠点のあるエンドソーム酸性化の如きEND3相補群細胞の特性を保持する改良CHO細胞系のいずれかである。関連態様において、当該END3相補群細胞系は、G71、G715、及びG71GAA2を含む。G715、及びG71GAA2の双方は、GAAの発現ベクターが誘導されるG71細胞系由来である。 第2態様において、本発明は、治療的な酵素の使用を可能とする量のリソソーム酵素を産生する、その能力により特徴付けられる酸性化欠損エンドソーム細胞系を提供する。好ましい態様において、本発明は、高リン酸化リソソーム酵素の高収率の産生を可能とし、それ故、治療上リソソーム酵素のラージスケール産生を可能とするCHO−K1−由来END3相補群細胞系であって、指定されたG71、G715、及びG71GAA2を提供する。最も好ましい態様において、当該細胞系は、約1ピコグラム/細胞/日、又はそれ以上の量の組換えリソソーム酵素を発現し、及び分泌する。 第3態様において、本発明は、本発明の方法に応じて産生される新規リソソーム酵素を提供し、及びそれ故、治療的な酵素の使用を可能とする量で存在する。当該酵素は、全長蛋白質、又は断片、突然変異体、変異体又はその誘導体である。ある態様において、本発明に関する酵素又はそれらの断片は、所望のように改良され、その安定性又は薬物速度論的特性(例えば、PEG化、突然変異体、融合、接合)を強化される。好ましい態様において、当該酵素は、ヒト酵素、天然蛋白質又は酵素の生物学的活性を有するヒト蛋白質又は酵素の断片、又は当該ヒト蛋白質又は酵素と実質的アミノ酸配列相同性を有するペプチドである。ある態様において、当該酵素物質は、ヒト又は哺乳類の配列、起源又は誘導である蛋白質である。他の態様において、当該酵素又は蛋白質は、その障害(欠損)が、ポーンプ病の如きヒトの疾患を生ずるようなものである(例えばα−グルコシダーゼ)。他の態様において、当該酵素は、その薬効のため選択される。 当該酵素又は蛋白質は、ヒト又は哺乳類の配列、起源又は誘導のものでもある。本発明のさらに他の態様において、その各態様において、当該酵素又は蛋白質は、ヒト又は哺乳類ポリペプチドのアミノ酸配列の対応部分とアミノ酸配列において一致する。他の態様において、当該ポリペプチド部分は、ヒト又は哺乳類由来の天然蛋白質である。他の態様において、当該ポリペプチドは、当該ヒト又は哺乳類酵素の天然酵素配列に対して、当該ポリペプチドの少なくとも25、50、100、150、又は200アミノ酸に渡る長さ、又は全長の実質的な相同性(すなわち、アミノ酸配列において、少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%の一致。)である。他の態様において、当該酵素が投与される対象は、人間である。 好ましい態様において、当該酵素は、ヒト組換えリソソーム酵素であって、エンドソ−ム酸性化欠損細胞系により産生されるものである。さらに好ましい態様において、当該ヒト組換え体は、蛋白質1モルあたり少なくとも0.7ビス−リン酸化オリゴマンノース鎖を超える、リン酸化オリゴ糖の高い値を有し、及び低レベルの非リン酸化高マンノース型オリゴ糖を有する。最も好ましい態様において、当該酵素は、高リン酸化ヒト組換え酸性αグルコシダーゼ(rhGAA)である。 第4態様において、本発明は、本発明の方法により産生される当該リソソーム酵素を精製する方法を提供する。好ましい態様において、酵素を、4つのステップを含む3カラム法(ブルー−セファロース、q−セファロース、フェニル−セファロース)を使用して精製した:ろ過された収穫物を、最初に、余計に混じった蛋白質の沈殿を誘導するためにpH調整する。次いで、可溶性物質を、実施例において記載するような染料−リガンド、アニオン交換及び疎水性樹脂における連続クロマトグラフィーにより分離する。 第5態様において、本発明は、リソソーム酵素の欠損により全て又は一部引き起こされる疾患の治療方法を提供する。たいていの態様において、当該方法は、本発明の方法により産生される治療酵素を投与することを含み、ここで、当該酵素は、MPR受容体と結合し、そして当該細胞膜を通過し輸送され、当該細胞内へ入り、そして当該細胞内のリソソームへデリバリーされる。ある態様において、当該方法は、治療組換え酵素又はそれらの生物学的に活性のある断片、変異体、誘導体又は突然変異体を、単独で又は医薬として許容される担体と組み合わせて投与することを含む。他の態様において、当該方法は、生体内で、1又は複数の当該宿主細胞の中に全長リソソーム酵素又はそれらの断片、変異体又は突然変異体をコードする核酸配列を転移することを特徴とする。好ましい態様は、治療される対象、好ましくは哺乳類、そして最も好ましくはヒトの必要とする用量を、当該病徴を最も効果的に改善するために最適化することを含む。 そのような治療酵素は、例えば、リソソーム蓄積症の治療に特に有用であり、当該リソソーム蓄積症は、例えば、リソソーム蛋白質の欠損が当該病状の原因となる、MPS I、MPS II、MPS III A、MPS III B、異染性白質萎縮症、ゴーシェ病、クラッベ病、ポーンプ病、CLN2、ニーマン−ピック病、及びテイ−サックス病である。さらに他の態様において、本発明は、リソソーム蓄積症を引き起こす欠損蛋白質又は酵素を含む、医薬組成物もまた提供する。 他の態様において、本発明の化合物、組成物、及び方法は、リソソーム蓄積症の治療に使用され得、当該リソソーム蓄積症は、例えば、アスパルチルグルコサミン尿症、コレステロールエステル蓄積症/ウォルマン病、シスチン病、ダノン病、ファブリー病、ファーバー脂肪肉芽腫症/ファーバー症、フコース蓄積症、ガラクトシアリドーシスI/II型、ゴーシェ病I/II/III型 ゴーシェ病、球様細胞白質萎縮症/クラッベ病、糖原病II/ポーンプ病、GM1−ガングリオシドーシスI/II/III型、GM−2ガングリオシドーシスI型/テイ−サック病、GM2−ガングリオシドーシスII型 サンドホフ病、GM2−ガングリオシドーシス、アルファ−マンノシドーシスI/II型、アルファ−マンノシドーシス、異染性白質萎縮症、ムコリピドーシスI型/シアリドーシスI/II型 ムコリピドーシスII/III型 I−細胞病、ムコリピドーシスIIIC型 偽性ハーラーポリジストロフィー、ムコ多糖症I型、ムコ多糖症II型 ハンター症候群、ムコ多糖症IIIA型 サンフィリポ症候群、ムコ多糖症IIIB型 サンフィリポ症候群、ムコ多糖症IIIC型 サンフィリポ症候群、ムコ多糖症IIID型 サンフィリポ症候群、ムコ多糖症IVA型 モルキオ症候群、ムコ多糖症IVB型のモルキオ症候群、ムコ多糖症VI型、ムコ多糖症VII型 スライ症候群、ムコ多糖症IX型 多発性スルファターゼ欠損症、ポーンプ病、神経セロイドリポフスチノーシス、CLN1 バッテン病、神経セロイドリポフスチノーシス、CLN2 バッテン病、ニーマン−ピック病A/B型 ニーマン−ピック病、ニーマン−ピック病C1型 ニーマン−ピック病、ニーマン−ピック病C2型 ニーマン−ピック病、ピクノディスオストーシス、シンドラー病I/II型 シンドラー病、及びシアル酸蓄積病である。特に好ましい態様において、当該リソソーム蓄積症は、MPS III型、MLD又はGM1である。 さらに他の態様において、本発明は、酵素補充療法の必要のある対象に治療有効量の融合体又は複合体を投与することによる酵素補充療法を提供する、ここで、当該患者の細胞は、当該細胞に対する損傷を阻害又は低減するために不十分な量の酵素を含むリソソームを有しており、そのため、十分量の酵素が、当該細胞に損傷を阻害し又は低減するためにリソソームに入る。当該細胞は、CNSの範囲内か又はCNSなしであり、又はその内皮細胞が活性成分の拡散に対して密着結合によりきっちりと密封される毛細血管壁により、血中から埋め合わされる必要がないかもしれない。 特定の態様において、本発明は、標的リソソーム内で低減され、不十分であり、又は存在せず、及び当該対象に投与される生物学的活性を有する活性物質を含む化合物を供給する。好ましい活性物質は、アスパルチルグルコサミニダーゼ、酸性リパーゼ、システイン輸送体、Lamp−2、アルファ−ガラクトシダーゼA、酸性セラミダーゼ、アルファ−L−フコシダーゼ、ベータ−ヘキソサミニダーゼA、GM2−活性因子 欠損、アルファ−D−マンノシダーゼ、ベータ−D−マンノシダーゼ、アリールスルファターゼA、サポシンB、ノイラミニダーゼ、アルファ−N−アセチルグルコサミニダーゼ ホスホトランスフェラーゼ、ホスホトランスフェラーゼ γ−サブユニット、アルファ−L−イズロニダーゼ、イズロネート−2−スルファターゼ、ヘパラン−N−スルファターゼ、アルファ−N−アセチルグルコサミニダーゼ、アセチルCoA:N−アセチルトランスフェラーゼ、N−アセチルグルコサミン 6−スルファターゼ、ガラクトース 6−スルファターゼ、アルファ−ガラクトシダーゼ、N−アセチルガラクトサミン 4−スルファターゼ、ヒアルロノグルコサミニダーゼ、パルミトイル蛋白質チオエステラーゼ、トリペプチジル ペプチダーゼI、酸性スフィンゴミエリナーゼ、コレステロール輸送、カテプシンK、ベータ−ガラクトシダーゼB、α−グルコシダーゼ、及びシアル酸輸送体を非制限的に含む。好ましい態様において、アルファ−L−イズロニダーゼ、α−グルコシダーゼ又はN−アセチルガラクトサミン 4−スルファターゼが、当該酵素である。 好ましい態様において、本発明は、END3相補群細胞により産生されるヒト組換え酸性αグルコシダーゼ(rhGAA)を投与することによるポーンプ病の治療方法を提供する、ここで、当該rhGAAは、高レベルのリン酸化(酵素1モルあたりオリゴマンノースビス−リン酸塩の0.7超)、及び低レベルの高マンノース型オリゴ糖を有する。 上記の疾患の治療のための薬剤の製造において、本発明の高リン酸化酵素の対応する使用であって、好ましくは本発明の方法により産生される当該酵素の使用もまた企図される。 第6の態様において、本発明は、組換え治療酵素を含む医薬組成物を提供し、ここで当該酵素は、そのような酵素における欠損により全て又は一部を引き起こす疾患の治療に有用である。そのような組成物は、いくつかの経路による投与に好適となり得、当該経路は、例えば、くも膜下投与、非経口投与、局所性投与、鼻内投与、吸入投与又は経口投与である。全長酵素又はそれらの断片、変異体、又は突然変異体であって、リソソーム酵素欠損の影響を受ける細胞内へ生体内で投与され得るものをコードする核酸配列を特徴とする態様は、この態様の範囲内である。詳細な記載 本発明は、標的リソソームに効果的であり、そしてそれ故、治療効果のある高リン酸化リソソーム酵素製剤の要件と、リソソーム酵素のラージスケール生産の必要性を調整する方法の発見に関する。 リソソーム酵素オリゴ糖上のマンノース 6−リン酸マーカーの存在に加えて、酵素のリソソーム経路は、トランスゴルジ層板の末端から浮上する輸送エンドソームの酸性化に決定的に依存する。拡散塩基性分子でのこれらのエンドソーム中の酸性環境の化学的消失は、細胞外環境へ、リソソーム酵素を含む小胞内容物の吐き出しをもたらす(Brulke,et al.,Eur J Cell Biol 43(3):316−21(1987))。酸性化は、エンドソームの膜の中に組み込まれる特異的ATPaseを必要とする(Nishi and Forgac,Nat Rev Mol Cell Biol 3(2):94−103,2002)。このATPaseの不足は、リソソーム経路を犠牲にして、リソソーム酵素の分泌の強化を予想させる。当該小胞ATPaseにおける欠損を有する産生細胞系は、細胞内リソソーム区画へのリン酸化組換え酵素の非生産的な迂回路を阻害することが予想されるだろう。 1984年、特にエンドソーム酸性化の欠損を有するチャイニーズ ハムスター 卵巣(CHO)細胞変異体が、産生され、そして特徴付けられた(Park,et al.,Somat Cell Mol Genet 17(2):137−50(1991))。CHO−K1細胞は、化学的に突然変異を起こさせられ、そして毒素存在下、高温で生き残るように選択された。これらの毒素は、致死性の全発現のためにエンドソーム酸性化を必要とした(Marnell,et al.,1984)。先の研究において、作用の直交メカニズムを有する2つの毒素のカクテルが、毒素特異的抵抗性の選択を避けるように選択された。当該原則としては、ある特定の毒素に抵抗性をもたらす予期しない変異の可能性が少ないのに、2つの全く異なる毒素に特異的な2つ同時に起こる予期しない変異の可能性はゼロである。選択は、温度感受性変異を達成するために、高温で実施された。この遺伝的スクリーニングは、高温で毒素に抵抗性のある2つの変異をもたらし、その内の1つは、G.7.1(G71)として指定された。G71の損傷(欠損)は、当該2つの毒素の吸収、及び作用メカニズムに関連なく発見された。それどころか、当該クローンは、高温でエンドソームを酸性化するための著しい不能を示した。興味深いことに、この不能は、より少ない程度ではあるけれども、許容温度(34℃)でも明らかとなった。G71細胞は、当該培地からトランスフェリンを通常吸収するにもかかわらず、高温で鉄に対する栄養要求株であることも判明した(Timchak,et al.,J.Biol.Chem.261(30):14154−9(1986))。鉄は、低pHでのみトランスフェリンから放出されるので、通常のトランスフェリン吸収にもかかわらず鉄に対する栄養要求は、エンドソーム酸性化における機能不全を示す。これらのデータは、エンドソーム酸性化の欠陥と一致した。他の研究は、酸性化欠陥は、リソソームよりもむしろエンドソームにおいて現れることを示した(Stone,et al.,J.Biol.Chem.262(20):9883−6(1987))。G71に関するデータは、変異が、エンドソーム酸性化に関与する小胞ATPアーゼの不安定化をもたらすという結果と一致した。不安定化は、高温(39.5℃)で最も明らかであるが、低温(34℃)でさえ一部、表される。G71細胞中の2つの内因性のリソソーム酵素、カテプシンD、及びα−グルコシダーゼの輸送の研究(Park,et al.,Somat Cell Mol Genet 17(2):137−50(1991))は、双方の酵素が、高温で定量的に分泌され、そして当該酵素のグリコシル化は影響を受けないことを示した。リン酸化αグルコシダーゼの分泌は、許容温度で著しく強化されることに留意すべきである。 このように、ヒト・リソソーム酵素を過剰発現するような、エンドソーム酸性化における欠陥のある変異体CHO細胞であるG71細胞の能力は、高リン酸化ヒト組換えリソソーム酵素のラージスケール生産メカニズムを提供する。I.定義 特に定義のない限り、本明細書に使用される技術的、及び科学的全用語は、本発明の属する分野における当業者によって一般に理解され得るのと同じ意味を有するものとする。以下の引用文献は、本発明において使用される多くの用語の一般的定義を当業者に提供する:Singleton,et al.,DICTIONARY OF MICROBIOLOGY AND MOLECULAR BIOLOGY(第2版,1994);THE CAMBRIDGE DICTIONARY OF SCIENCE AND TECHNOLOGY(Walker ed.,1988);THE GLOSSARY OF GENETICS,第5版.,R.Rieger,et al.,(eds.),Springer Verlag(1991);and Hale&Marham,THE HARPER COLLINS DICTIONARY OF BIOLOGY(1991)。 各刊行物、特許出願、特許権、及び他の本明細書に挙げられた引用文献の内容全体を、本明細書中の記載と矛盾しない程度に、本願明細書中に援用する。 本明細書、添付の請求項、図において使用されるような、単数形“a”、“an”、及び“the”は、文脈に明らかな指示のあるときを除いて、複数形を含むことに本明細書では注意すべきである。 本明細書中に使用するとき、以下の用語は、別段の定めのない限り、それらに与えられた意味を有する。 “対立遺伝子多型”は、同じ遺伝子座を占有する遺伝子の多形相のいずれかをいう。対立遺伝子変異は、当然ながら変異を通じて発生し、及び多形相の結果をもたらし得る。遺伝子突然変異は、サイレント(コードされたポリペプチド中に変化を生じない)となり得、又は変化されたアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードし得る。“対立遺伝子多型”は、遺伝的対立遺伝子多型のmRNA転写物由来のcDNA、並びにそれらによりコードされる蛋白質もまた言及する。 “増幅”とは、例えば、逆転写、ポリメラーゼ連鎖反応、及びリガーゼ連鎖反応といった、ポリヌクレオチド配列をコピーし、そして、多くのポリヌクレオチド分子に拡大する、いずれの手段を言及する。 もし、その配列が第1配列であるポリヌクレオチドが、その配列が第2配列であるポリヌクレオチドと特異的にハイブリダイズならば、当該第1配列は、第2配列に対する“アンチセンス配列”である。 “cDNA”は、mRNAに対して相補的な又は同一のDNAであって、1本鎖又は2本鎖のいずれをも言及する。 慣習的な表記法が、以下のポリヌクレオチドを記載するものとしてここに使用される:1本鎖ポリヌクレオチド配列の左手末端は、5’末端である;2本鎖ポリヌクレオチドの左手方向は、5’方向として言及される。新生RNAに対するヌクレオチドの5’から3’付加方向が、転写方向として言及される。mRNAと同一の配列を有するDNA鎖は、“コード鎖”として言及され;DNA鎖から転写されるmRNAと同一の配列を有するDNA鎖上の配列であって、そして当該RNA転写物の5’末端に対して5’に位置する配列は、“上流配列”として言及され;当該RNAと同一の配列を有するDNA鎖上の配列であって、そして当該RNA転写物の3’末端に対して3’に位置する配列は、“下流配列”として言及される。 “相補的”とは、2つのポリヌクレオチドの相互作用表面の位相的な適合性又は共に適合することをいう。このように、当該2分子は、相補的として記載され得、そしてさらに、当該接触表面の特徴は、互いに相補的である。もし、当該第1ポリヌクレオチドのヌクレオチド配列が、当該第2ポリペプチドのポリヌクレオチド結合パートナーのヌクレオチド配列と同一であれば、と第1ポリヌクレオチドは、第2ポリペプチドに対して相補的である。このように、5’−TATAC−3’の配列である当該ポリヌクレオチドは、5’−GTATAー3’の配列であるポリヌクレオチドと相補的である。もし、対象のヌクレオチド配列に対する配列相補性が、実質的に一致するならば、ヌクレオチド配列は、関連ヌクレオチド配列に対して“実質相補的”である。 “保存的置換”は、機能的に似ているアミノ酸で、アミノ酸のポリペプチドにおいて置換することをいう。以下の6グループは、お互いに保存的置換となる、アミノ酸を含む: 1)アラニン(A)、セリン(S)、スレオニン(T); 2)アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E); 3)アスパラギン(N)、グルタミン(Q); 4)アルギニン(R)、リジン(K) 5)イソロイシン(I)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、バリン(V);及び 6)フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、トリプトファン(W) ポリペプチドへの言及に使用される際の用語“誘導体”は、ユビキチン化、標識化(例えば、放射性核種又は様々な酵素によるもの)、例えば、ペグ化(ポリエチレングリコールでの誘導)の如き共有ポリマー結合、及びヒトの蛋白質として通常生じないオルニチンの如きアミノ酸の化学的合成による挿入又は置換のような技術により、化学的に修飾されるポリペプチドをいう。 細胞系への言及に使用される際の用語“誘導体”は、親細胞系の由来である細胞系をいい;例えば、この用語は、親細胞からパッセージ、又はサブクローンされ、及び所望の特性を保持し、突然変異させられ、そして当該所望の特性の保持について選択された親細胞系に由来し、及び異なる発現ベクター又は異なる外から加えられた核酸を含むように変えられた親細胞系に由来する細胞を含む。 “検出”は、サンプル中に検体が存在するのか、しないのか又はその量を測定することをいい、サンプル中の1細胞につき又はサンプル中の検体の量を定量化することを含み得る。 “検出可能部分”又は“標識”は、分光器の、光化学作用の、生化学的な、免疫化学的な又は化学的な手段により検出可能な組成物を言及する。例えば、有用な標識は、32P、35S、蛍光色素、電子密度物質、酵素(例えば、ELISAにおいて一般的に使用されるようなもの)、ビオチン−ストレプトアビジン、ジオキゲニン、ハプテン、及び抗血清又はモノクローナル抗体が入手できる蛋白質又は標的に相補的な配列を有する核酸分子を含む。当該検出可能な部分は、しばしば、サンプル中の測定可能な部分に結合する量を定量するために使用され得る測定可能シグナルであって、例えば、放射性、発色又は蛍光シグナルを産生する。当該検出可能な部分は、共有、又はイオンを通して、ファンデルワールス、又は水素結合のいずれか、例えば、ストレプトアビジンにより認識される放射性ヌクレオチド又はビオチン化ヌクレオチドの組み入れの如く、プライマー又はプローブに組み入れられ又は接合される。当該検出可能な部分は、直接的又は間接的に検出可能となり得る。間接検出は、当該検出可能部分への2次的、直接的又は間接的検出可能部分の結合を含み得る。例えば、当該検出可能部分は、結合パートナーのリガンドとなり得、例えば、ストレプトアビジンの結合パートナーであるビオチン、又は相補配列の結合パートナーであり、特異的にハイブリダイズできるヌクレオチド配列である。当該結合パートナーは、それ自身直接的に検出可能であり、例えば、抗体は、蛍光分子で、それ自身標識され得る。当該結合パートナーは、間接的検出もまた可能であり、例えば、相補的ヌクレオチド配列を有する核酸は、他の標識核酸分子とのハイブリダイゼーションを通して、代わりに検出可能となる分鎖DNA分子の一部となり得る(例えば、PD Fahrlander and A.Klausner,Bio/Technology(1988)6:1165を参照のこと。)。シグナルの定量は、例えば、シンチレーション カウンティング、デンシトメトリー又はフローサイトメトリーにより達せられる。 “診断”は、病態の存在又は種類を同定することを意味する。診断方法は、特異性、及び選択性の点で異なる。特定の診断方法は、症状の確定診断を提供し得ないとはいえ、当該方法が診断における支援となる建設的な指摘を提供するかどうかについては十分である。 用語“有効量”とは、患者の健康状態、病状、及び疾患に関して又は診断目的のために、所望の成果をもたらす十分な投与量を意味する。当該所望の成果は、当該用量の服用者において主観的又は客観的改善を含み得る。“治療有効量”は、健康上の所望の薬効を産生する有効な製剤の量を言及する。 “コーディング”は、明確なヌクレオチド配列(すなわち、rRNA、tRNA、及びmRNA)か、明確なアミノ酸配列のいずれか、及びそれらからの生物学的特性を有する、生物学的プロセスにおける他のポリマー、及び高分子の合成の鋳型として役立つような、例えば、遺伝子、cDNA、又はmRNAといったポリヌクレオチドにおけるヌクレオチドの特定配列の自明事項を言及する。このように、遺伝子は、当該遺伝子より産生されたmRNA配列の転写及び翻訳が、細胞又は他の生物学的システム内で蛋白質を産生するという条件において、蛋白質をコードする。mRNA配列と一致し、及び通常配列リストに提供されるヌクレオチド配列である当該コード鎖、及び転写のための鋳型として使用される、当該遺伝子又はcDNAの非コード鎖の双方は、当該遺伝子又はcDNAの当該蛋白質又は他の産生物をコードするように言及され得る。別段の定めのない限り、“アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列”は、互いの縮重型であって、及び当該同一のアミノ酸配列である全ヌクレオチド配列を含む。蛋白質、及びRNAをコードするヌクレオチド配列は、イントロンを含み得る。 “等価線量”は、同量の活性化物質を含む投与量を言及する。 “発現コントロール配列”は、影響を及ぼすようにそこに連関されたヌクレオチド配列の発現(転写、及び/又は翻訳)を調節する、ポリヌクレオチドにおけるヌクレオチド配列を言及する。“影響を及ぼすような連関”とは、ある部分の活性(例えば、転写を調整する能力)が、もう一方の他の部分に作用(例えば、当該配列の転写)をもたらす、2つの部分間の機能的な関係をいう。発現コントロール配列は、例えば、プロモーター配列(例えば、誘導可能又は構成的)、エンハンサー、転写ターミネーター、スタートコドン(すなわち、ATG)、イントロンのためのスプライシングシグナル、及びストップコドンを、非制限的に含み得る。 “発現ベクター”は、発現させられるためのヌクレオチド配列に影響を及ぼすように連関する発現コントロール配列を含む組換えポリヌクレオチドを含む、ベクターをいう。発現ベクターは、発現のための十分なシス作用成分を含み;発現のための他の成分は、宿主細胞又は生体外発現システムにより供給され得る。発現ベクターは、本分野において知られる全ての当該ベクターを含み、例えば、コスミド、プラスミド(例えば、裸の又はリポソーム中に含まれるもの)、及び組換えポリヌクレオチドを組み入れられたウイルスである。 “高リン酸化される”、“高レベルのリン酸化”、及び“リン酸化オリゴ糖の高い値”は、少なくとも70%の蛋白質が、リン酸化オリゴ糖を通してカチオン依存性マンノース6−リン酸受容体と結合する当該蛋白質の製造をいう。結合は、マンノース6−リン酸と競合するような感受性によりさらに特徴付けられる。高度にリン酸化された酵素は、蛋白質1モルあたり少なくとも0.7ビス−リン酸化オリゴ糖鎖を有する酵素もまた言及する。 複数のポリヌクレオチド又はポリペプチド配列との関連で、用語“同一の”又はパーセント“同一性”は、最大一致のために比較及び整列されるとき、その後の配列比較アルゴリズムの内の1つを使用して又は目視検査により測定されるような、同一の又は同一のヌクレオチド又はアミノ酸残基の特定のパーセンテージを有する複数の配列又はサブシークエンスをいう。 “リンカー”は、共有結合、又はイオン、ファンデルワールス又は水素結合を通じてのいずれかにより、2つの異なる分子であって、例えば、5’末端で一方の相補的配列と、及び3’末端で他方の相補的配列とハイブリダイズする核酸分子をいい、このように2つの非相補的配列を接合することをいう。 “低レベルのリン酸化”又は“低リン酸化”は、線維芽細胞の中への吸収が、10nM超の最大濃度の半分を有し又はman6−P受容体カラムに結合する酵素のフラクションが30〜50%未満である蛋白質の製造をいう。 “低レベルの非リン酸化高マンノースオリゴ糖”は、各蛋白質分子が、ヒト−マンノースオリゴ糖の代わりに複合オリゴ糖の少なくとも1分子を有する蛋白質の製造をいう。複合オリゴ糖は、他の糖に加えて、ガラクトース、アセチルグルコサミン(GlcNAc)、及びシアリン酸を含む。 対象に適用されるような“天然”とは、対象が自然に見出され得る事実をいう。例えば、自然の起源から単離され、及び研究室内の人間により意図的に修飾され得ない組織(ウイルスを含む)内に存在するポリペプチド又はポリヌクレオチド配列は、天然由来である。 “医薬組成物”とは、ヒト、及び哺乳類を含む、対象動物において、医薬としての使用として好適な組成物をいう。医薬組成物は、薬理学的有効量の治療酵素を含み、及び医薬として許容される担体もまた含む。医薬組成物は、活性成分、当該担体を形成する不活性成分、並びに、直接的又は間接的に、複数の当該成分の組み合わせ、複合体又は凝集体、又は複数の当該成分の解離、又は複数の当該成分の反応又は相互作用の他の型に起因するいずれの製品を含む組成物を包含する。従って、本発明の医薬組成物は、本発明の共役化合物と医薬として許容される担体との混合により製造されるいずれの組成物をも包含する。 “医薬として許容される担体”とは、標準的な医薬担体、バッファー、及び賦形剤のいずれをもいい、例えば、リン酸緩衝生理食塩水溶液、D形グルロースの5%水溶液、及び油/水又は水/油の乳濁液の如き乳濁液、及び湿潤剤及び/又はアジュバントの様々な型である。好適な医薬担体及び製剤は、Remington’s Pharmaceutical Sciences,第19版(Mack Publishing CO.,Easton,1995)に記載される。好ましい医薬組成物は、当該活性成分の投与の意図する形態に依存する。典型的な投与形態は、腸溶性(例えば、経口)又は非経口(例えば、皮下、筋肉内、静脈内又は腹腔内投与;又は局所性、経皮、又は経粘膜的投与)を含む。“医薬として許容される塩”は、医薬として使用されるための化合物中に配合され得る塩をいい、例えば、金属塩(ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムなど)、及びアンモニア又は有機アミンの塩を含む。 “ポリヌクレオチド”は、ヌクレオチドユニットからなるポリマーをいう。ポリヌクレオチドは、天然由来の核酸であって、例えば、デオキシリボ核酸(“DNA”)、及びリボ核酸(“RNA”)、並びに核酸類似物を含む。核酸類似物は、当該天然由来のホスホジエステル結合以外の他のヌクレオチドとの連鎖に従事する、非天然由来の塩基、ヌクレオチドを含み、又はホスホジエステル結合以外の連鎖を通じて接合される塩基を含む当該核酸類似物を含む。このように、ヌクレオチド類似物は、例えば、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホロトリエステル、ホスホラミデート、ボラノホスフェイト(boranophosphate)、メチルホスホネート、キラル−メチルホスホネート、2−O−メチルリボヌクレオチド、ペプチド−核酸(PNAs)などを非制限的に含む。そのようなポリヌクレオチドは、例えば、自動DNA合成装置を使用して合成され得る。当該用語“核酸”は、大きなポリヌクレオチドを典型的にいう。当該用語“オリゴヌクレオチド”は、短いポリヌクレオチドであって、一般的には約50ヌクレオチドと同じくらいのものを典型的にいう。ヌクレオチド配列がDNA配列(すなわち、A、T、G、C)により表示されるとき、これは、“U”が“T”に置き換わるRNA配列(すなわち、A、U、G、C)をも含むものと理解されるであろう。 “ポリペプチド”は、天然由来の構造的異種及び人工の非天然由来のそれらの類似物に関連し、ペプチド結合を経由して結合する天然由来の構造的異種及び人工の非天然由来の類似物に関連する、アミノ酸残基からなるポリマーをいう。人工ポリペプチドは、例えば、自動ポリペプチド合成装置を使用して合成され得る。当該用語“蛋白質”は、典型的に、大きなポリペプチドをいう。当該用語“ペプチド”は、典型的に短いポリペプチドをいう。慣習的な表記法が、ポリペプチド配列を表現するために本明細書中に使用される:ポリペプチド配列の当該左手末端は、アミノ末端であり;ポリペプチドの右手末端は、カルボキシ末端である。 “プライマー”は、指定されたポリヌクレオチド鋳型への特異的ハイブリダイジングを可能とし、及び相補的ポリヌクレオチドの合成のための開始点を供給することを可能とするポリヌクレオチドをいう。そのような合成は、当該ポリヌクレオチド・プライマーが合成を誘導する条件下に置かれたときに生じ、当該条件とは、すなわち、ヌクレオチド、相補的ポリヌクレオチドの鋳型、及びDNAポリメラーゼの如き重合のための物質の存在下である。プライマーは、典型的に1本鎖であるが、2本鎖であり得る。プライマーは、典型的にデオキシリボ核酸であるが、広範な、合成及び天然由来のプライマーが、多くの用途において有用である。プライマーは、当該鋳型に対して相補的であり合成の開始部位として役立つためにハイブリダイズするよう設計されるが、当該鋳型の正確な配列を反映する必要はない。そのような場合において、当該鋳型に対する当該プライマーの特異的ハイブリダイゼーションは、ハイブリダイゼーション条件のストリンジェンシーに依存する。プライマーは、例えば、発色性の、放射性の、又は蛍光性の部分で標識化され得、そして検出可能な部分として使用され得る。 ポリヌクレオチドに関して使用される際の“プローブ”は、指定された他のポリヌクレオチドの配列に対して特異的ハイブリダイゼーションを可能とするポリヌクレオチドをいう。プローブは、標的相補的ポリヌクレオチドに特異的にハイブリダイズするが、当該鋳型の正確な相補的配列を反映する必要はない。そのような場合において、当該標的に対する当該プローブの特異的ハイブリダイゼーションは、ハイブリダイゼーション条件のストリンジェンシーに依存する。プローブは、例えば、発色性の、放射性の、又は蛍光性の部分で標識化され得、そして検出可能な部分として使用され得る。 “予防的”治療は、病変に発展するリスクを低減するために、疾患の兆候を表していない又は初期兆候のみを表す被験者に投与される治療である。本発明の化合物は、病変を発達させる可能性を低減するために、又はもし発達するならば、当該病変の重症度を最小化するための予防的治療として与えられる。 “組換えポリヌクレオチド”は、天然には共に結合されない配列を有するポリヌクレオチドをいう。増幅された又は組み合わされた組換えポリヌクレオチドは、好適なベクター内に含まれ得、そして当該ベクターは、好適な宿主細胞を形質転換するために使用され得る。当該組換えポリヌクレオチドを含む宿主細胞は、“組換え宿主細胞”として言及される。組換えポリヌクレオチドは、非コーディング機能(例えば、プロモーター、複製起点、リボソーム結合部位など)もさらに供給する。 “特異的にハイブリダイズする”又は“特異的ハイブリダイゼーション”又は“選択的にハイブリダイズする”は、配列が複合混合物の(例えば、総細胞の)DNA又はRNA内に存在する際、ストリンジェント条件下、特定のヌクレオチド配列に対して選択的に核酸分子が結合すること、2本鎖となること、又はハイブリダイズすることをいう。 当該用語“ストリンジェント条件”は、プローブが、その標的サブシークエンスと選択的にハイブリダイズし、他の配列とはより少ない程度で、又は全くハイブリダイズしないであろう条件をいう。サザン、及びノザンハイブリダイゼーションの如き、核酸ハイブリダイゼーション実験に関連する“ストリンジェント・ハイブリダイゼーション”、及び“ストリンジェント・ハイブリダイゼーション洗浄条件”とは、配列依存性であり、異なる環境パラメーターの下で異なる。核酸ハイブリダイゼーションのための広範な指針は、Tijssen(1993)Laboratory Technique in Biochemistry and Molecular Biology−−hybridization with Nucleic Acid Probes part I chapter 2“Overview of principle of hybridization and the strategy of nucleic acid probe assays”,Elsevier,New Yorkの中に見出される。一般的に、高ストリンジェント・ハイブリダイゼーション及び洗浄条件は、確定したイオン強度及びpHで、特定の配列の融点温度(Tm)よりも約5℃低く選択される。当該Tmは、標的配列の50%が(確定したイオン強度及びpHの下で)完全に対応するプローブとハイブリダイズする温度である。非常にストリンジェントな条件は、特定のプローブのTmと同等にすることを選択される。 サザン又はノザン・ブロットにおいてフィルター上に100超の相補的残基を有する相補的核酸のハイブリダイゼーションのためのストリンジェント・ハイブリダイゼーション条件の例は、一晩中ハイブリダイザーションが実施されるとき、42℃で、ヘパリン1mgを有する50%ホルマリンである。高ストリンジェント洗浄条件の例は、0.15MのNaCl、72℃で、15分間である。ストリンジェント洗浄条件の例は、65℃で15分間、0.2×SSCの洗浄である(Sambrook,et al.,for a description of SSC bufferを参照のこと)。しばしば、高ストリンジェント洗浄は、バックグラウンドのプローブ・シグナルを除去するために、低ストリンジェント洗浄により先行される。例えば100超のヌクレオチドの2本鎖に対する例示的な中程度ストリンジェント洗浄は、1×SSC、45℃で、15分間である。例えば100超のヌクレオチドの2本鎖に対する例示的な低ストリンジェント洗浄は、4−6×SSC、40℃で、15分間である。一般的に、特定のハイブリダイゼーション分析における非関連プローブに観察されるよりも2×(又はより高い)の信号対雑音比は、特異的なハイブリダイゼーションの検出を示唆する。 診断又は治療の“被験者”は、ヒト、又は哺乳類又は霊長類を含むヒトではない動物である。 2つの核酸又はポリペプチドに関連する当該句“実質相同”又は“実質同一”は、一般的に、複数の配列又はサブシークエンスであって、後述の配列比較アルゴリズムの内の1つを使用して又は目視検査より測定されるような最大一致として比較、及び整列させたときに、少なくとも40%、60%、80%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%のヌクレオチド又はアミノ酸残基の同一性を有することである。好ましくは、当該実質同一は、少なくとも長さ約50残基である当該配列対領域に渡り、より好ましくは少なくとも約100残基の領域に渡り存在し、そして最も好ましくは、当該配列対は、約150残基に渡り実質同一である。最も好ましい態様において、当該配列対は、比較の生体高分子対(バイオポリマー)のどちらか又は双方の全長に渡り、実質同一である。 配列比較のために、典型的に、ある配列は、検査配列が比較される参照配列として作用する。配列比較アルゴリズムを使用するとき、検査及び参照配列は、コンピューターに入力され、もし必要であれば、部分配列の座標が指定され、そして配列アルゴリズムプログラムのパラメーターが指定される。当該配列比較アルゴリズムは、次いで、当該指定されたプログラムパラメーターに基づいて、当該参照配列と比較する当該検査配列についてのパーセント配列同一性を計算する。 比較としての最適な配列整列は、例えば、Smith&Waterman,Adv.Appl.Math.2:482(1981)の局所的相同アルゴリズムにより、Needleman&Wunsch,J.Mol.Biol.48:443(1970)の相同整列アルゴリズムにより、Pearson&Lipman,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:2444(1988)の類似法の探求により、これらのアルゴリズム(GAP,BESTFIT,FASTA,and TFASTA in the Wisconsin Genetics Software Package,Genetics Computer Group,575 Science Dr.Madison,WI)のコンピュータ化された実施により、又は目視検査(一般的に、Ausubel,et al.,supra)により実施される。 有用なアルゴリズムの1つの例は、PILEUPである。PILEUPは、関連性、及びパーセント配列同一性を示すための連続的な、対合する整列を使用して、関連する配列群から多配列整列を創造する。それは、当該整列を創造するために使用されるクラスタ化関連を示す系図又は系統樹をもプロットする。PILEUPは、Feng&Doolittle,J.Mol.Evol.35:351−360(1987)の連続的整列方法の単純化したものを使用する。使用される当該方法は、Higgins&Sharp,CABIOS 5:151−153(1989)により記載された方法と類似する。当該プログラムは、各最長5,000ヌクレオチド又はアミノ酸の長さで、300配列まで整列することができる。多重整列の手順は、2つの整列させた配列の集団を作り出し、2つの最も類似する配列の対合する整列から始める。この集団は、次いで、整列配列の、次に最も関連する配列又は集団と整列させられる。2つの配列集団は、2つの個々の配列の対合する整列の単純拡大により整列させられる。最終的な整列は、一連の、連続性の対合する配列により達成される。当該プログラムは、特定の配列、及び配列比較領域についてのそれらのアミノ酸又はヌクレオチドの組み合わせを指定することにより、及び当該プログラムのパラメーターを指定することにより実行される。例えば、参照配列は、以下のパラメーターを使用する配列同一性関連のパーセントを決定するために、他の検査配列と比較される。当該パラメーターは、デフォルトギャップ重量(3.00)、デフォルトギャップ全長重量(0.10)、及び荷重した最終ギャップである。配列の多重整列を作り出すために有用である他のアルゴリズムは、Clustal W(Thompson,et al.,CLUSTAL W:improving the sensitivity of progressive multiple sequence alignment through sequence weighting,positions−specific gap penalties and weight matrix choice,Nucleic Acids Research 22:4673−4680(1994))である。 配列相同性、及び配列類似性のパーセントを決定するために好適であるアルゴリズムの他の例は、BLASTアルゴリズムであり、当該アルゴリズムは、Altschul,et al.J.Mol.Biol.215:403−410(1990)に記載される。BLAST分析を実施するためのソフトウェアは、全米バイオテクノロジー情報センターから公的に入手できる(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/)。このアルゴリズムは、検索要求配列における、長さWの短いワードを同定することによる点数の高い配列ペア(HSPs)を第1に同定することを含み、そしてそれは、データベース配列中の同じ長さのワードと整列させたとき、正値の最低基準スコアTに適合するか満足させるかのいずれかである。Tは、近傍のワードスコアの最低基準として言及される(Altschul et al,supra)。これらの初期の近傍ワードスコアのヒットは、それらを含むより長いHSPsを見出すための開始検索の種として作用する。次いで、当該ワードのヒットは、累積整列スコアが増加され得る限り各配列に沿って双方向に拡張される。累積スコアは、ヌクレオチド配列として、パラメーターM(適合残基ペアとしての報酬スコア;常に>0)、及びN(不適合残基としてのペナルティスコア;常に>0)を使用して計算される。アミノ酸配列について、得点マトリクスは、当該累積スコアを計算するために使用される。各方向におけるワードヒットの拡張は、以下のとき停止され、それは:当該累積整列スコアが、その得られた最大値から数量X単位で減少するとき;当該累積スコアが、1又は複数の負のスコアである残基整列の蓄積に起因して、ゼロ又はそれ以下となるとき;又は各配列の末端に至るときである。当該BLASTアルゴリズムのパラメーターである、W、T、及びXは、当該配列の感受性及びスピードを決定する。BLASTNプログラム(ヌクレオチド配列用)は、ワード長(W)の11、期待値(E)の10、M=5、N=4、及び双方の鎖の比較を初期設定として使用する。アミノ酸配列用の、BLASTPプログラムは、ワード長(W)の3、期待値(E)の10、及びBLOSUM62の得点マトリクスを初期設定として使用する(Henikoff&Henikoff,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:10915(1989)を参照のこと。)。 配列同一のパーセントを計算することに加えて、当該BLASTアルゴリズムは、2つの配列間の類似の統計分析も実施する(例えば、Karlin&Altschul,Proc.Nat’l.Acad.Sci.USA 90:5873−5787(1993)を参照のこと。)。当該BLASTアルゴリズムにより提供された類似の測定値は、最小合計確率(P(N))であって、2つのヌクレオチド又はアミノ酸配列間の適合が偶然生ずることによる確率の指摘を提供する。例えば、もし当該参照配列と当該検査配列との比較における当該最小合計確率が、約0.1未満、さらに好ましくは約0.01未満、及び最も好ましくは約0.001未満であるならば、核酸配列は参照配列と類似すると考えられる。 2つの核酸配列又はポリペプチドが実質的に同一であるという更なる兆候は、第1の核酸によりコードされるポリペプチドが、以下に記載されるように、第2の核酸によりコードされるポリペプチドと免疫学的に交差反応性であることである。このように、例えば、当該2つのペプチドが同類置換によってのみ異なるとき、ポリペプチドは、第2ポリペプチドに対して、典型的に、実質同一である。2つの核酸配列が実質的に同一であるという他の兆候は、当該2つの分子が、本明細書に記載のようなストリンジェント条件の下、互いにハイブリダイズすることである。 “実質的に純粋”又は“単離された”は、対象の種が、存在する主要な種である(すなわち、モル濃度基準で組成物中の他の個々の高分子の種より豊富である)ことを意味し、そして十分に精製された画分は、当該対象の種が存在する全高分子の種の少なくとも50%(モル濃度基準)を含む組成物である。一般的に、実質的に純粋な組成物は、存在する全高分子の種の約80%〜90%又はそれ以上が当該着目の精製された種であることを意味する。もし、当該組成物が単一の高分子の種から本質的になるならば、当該対象の種は、精製され、本質的な均質性(混入物質種が、慣習的検査方法により当該組成物中に検出され得ない。)となる。溶媒種、小分子(<500ダルトン)、安定剤(例えばBSA)、及び元素イオン種は、この定義のため高分子種とはみなされない。ある態様において、本発明の複合体は、実質的に純粋であり又は単離される。ある態様において、本発明の複合体は、それらの合成において使用される高分子出発材料に対して実質的に純粋であり、又は単離される。ある態様において、本発明に医薬組成物は、実質的に精製された又は単離された治療酵素であって、1又は複数の医薬として許容される賦形剤と混合された当該酵素を含む。 “治療上の”措置は、兆候又は症状を低減する又は消去するために、病変の兆候又は症状を表す被験者に投与する措置である。当該兆候、及び症状は、生化学的、細胞の、組織学の、機能的な、主観的な又は客観的なものである。本発明の化合物は、治療措置として又は診断のために与えられ得る。 “治療指数”は、最小治療量超、かつ非許容毒素量未満の用量範囲(量、及び/又はタイミング)をいう。 “措置、治療”は、予防的治療又は治療上の措置又は診断治療をいう。 本明細書中に使用される用語“ユニット剤形”は、ヒト及び動物の被験者への単一の調剤として好適な物理的に別個のユニットをいい、各ユニットは、医薬として許容される希釈剤、担体又は媒体に関連して、所望の効果を作り出すために十分な量において計算された本発明の所定の多数の化合物を含む。本発明の新規ユニット剤形の仕様は、使用される特定の複合体、及び当該得られる効果、宿主内の各化合物に関連した薬力学に依存する。II.リソソーム酵素の製造 ある態様において、本発明は、リソソーム酵素の治療上の使用を可能とする量の当該酵素の新規製造方法を特徴付ける。一般的に、当該方法は、全長のリソソーム酵素又は生物学的に活性のある断片、変異体又はそれらの突然変異体をコードするcDNAを有する好適な細胞系の形質転換を特徴付ける。いわゆる当業者は、好適な形質転換された細胞系におけるそのようなリソソーム酵素の最適な製造について本明細書中に特に記載されるもの以外の発現コンストラクトを製造し得る。さらに、熟練した職人は、生物学的活性断片、変異体、又は天然に生じるリソソーム酵素の突然変異体であって、当該天然に生ずる全長酵素と類似する生物学的活性を有する当該突然変異体をコードするcDNAを容易に設計し得る。宿主細胞 蛋白質を製造するために使用される宿主細胞は、治療的な当該酵素の使用を可能とする量のリソソーム酵素を製造する能力により特徴付けられる、エンドソ−ム酸性化欠損細胞系である。本発明は、G71に指定される、CHO−K1−由来のEND3相補群細胞系を提供する。当該発明は、さらにサブクローンされるG71細胞系、又はG715、及びG71GAA2に各々指定される、異なる発現プラスミドを含むG71細胞系をも提供する。 当該キメラ蛋白質をコードするDNA又はRNAを含み及び発現する細胞は、本明細書中に、遺伝子組換えされている細胞として言及される。当該キメラ蛋白質をコードするDNA又はRNAを含み及び発現する哺乳類細胞は、遺伝子組み換えされている哺乳類細胞として言及される。当該DNA又はRNAの細胞への導入は、トランスフェクション方法として知られ、例えば、エレクトロポレーション、マイクロインジェクション、マイクロプロジェクト照射(microprojectile bombardment)、リン酸カルシウム沈殿、改良リン酸カルシウム沈殿、陽イオン性脂質処理、フォトポレーション(photoporation)、フュージョン法、受容体仲介トランスファー、ポリブレン沈殿である。あるいは、当該DNA又はRNAは、ウイルスベクターでの感染により導入される。キメラ蛋白質をコードするDNA又はRNAを発現する、哺乳類細胞を含む細胞の製造方法は、以下の挙げる文献中に記載され、その文献とは、Richard F Selden,Douglas A.Treco and Michael W. Heartleinによる同時継続出願である米国特許出願番号第08/334,797号の“In Vivo Protein Production and Delivery System for Gene Therapy”(1994年11月4日出願);Douglas A.Treco,Michael W. Heartlein 及びRichard F Seldenによる、米国特許出願番号第08/231,439号の“Targeted Introduction of DNA Into Primary or Secondary Cells and Their Use for Gene Therapy”(1994年4月20日出願)である。これらの各出願の教示は、その内容全てを本願明細書中に特に援用する。 好ましい態様において、蛋白質を製造するために使用される当該宿主細胞は、治療的に当該酵素の使用を可能とする量のリソソーム酵素を製造する能力により特徴付けられる、エンドソ−ム酸性化欠損細胞系である。好ましい態様において、本発明は、G71に指定される、CHO−K1−由来のEND3相補群細胞系であって、“定義”に特定されるような、高リン酸化リソソーム酵素の高収率を可能とし、それ故、治療上のリソソーム酵素のラージスケール製造を可能とする、当該細胞系を提供する。最も好ましい態様において、当該細胞系は、組換えリソソーム酵素を、約1ピコグラム/細胞/日又はそれ以上の量で、発現及び分泌する。ベクター及び核酸コンストラクト 当該キメラ蛋白質を発現するために使用される核酸コンストラクトは、当該トランスフェクトされた哺乳類細胞中で、染色体外的に(エピソーム的に)発現するもの、又は、当該受容体細胞のゲノム中に、不規則か、又は相同的組換えを通して事前に選択された標的部位かのどちらかで、組み入れられるものである。染色体外で発現された構築物(コンストラクト)は、キメラ蛋白質のコード配列に加えて、当該細胞中で当該蛋白質を十分発現するための配列、及び場合により、当該コンストラクトの複製配列を含む。それは、典型的に、プロモーター、キメラ蛋白質エンコーディングDNA、及びポリアデニル化部位を含む。当該キメラ蛋白質をコードするDNAは、当該コンストラクト中で、その発現が当該プロモーターの制御下におかれるように配置される。場合により、当該コンストラクトは、追加成分を含み得、当該追加成分は、例えば、以下に挙げるものの1又は複数のものである:スプライス部位、エンハンサー配列、適切なプロモーターの制御下における選択可能マーカー遺伝子、及び適切なプロモーターの制御下における増幅可能なマーカーである。 当該DNAコンストラクトが当該細胞ゲノム中に組み入れられる態様において、それは、当該キメラ蛋白質エンコーディング核酸配列のみを含むことを必要とする。場合により、プロモーター及びエンハンサー配列、1又は複数のポリアデニル化部位、1又は複数のスプライス部位、1又は複数の選択可能なマーカーをコードする核酸配列、増幅可能なマーカー、及び/又は受容細胞中のゲノムDNAと相同のDNAを、当該ゲノム中の選択部位への当該DNAの標的組み入れとして、含み得る。細胞培養方法 キメラ蛋白質をコードするDNA又はRNAを含む哺乳類細胞は、当該細胞の成長、及びDNA又はRNAの発現に適した条件下で培養される。キメラ蛋白質を発現するそれらの細胞は、知られた方法及び本明細書に記載される方法を使用して同定され、そしてキメラ蛋白質は、知られた方法及び本明細書に記載される方法をも使用して、キメラ蛋白質製造の増幅を伴うか、伴わないかのいずれかで単離され、そして精製され得る。同定は、例えば、キメラ蛋白質をコードするDNA又はRNAの存在を示す表現型を表す遺伝的に改良された哺乳類細胞のスクリーニングを通して実施され、例えば、PCRスクリーニング、サザンブロット分析によるスクリーニング、キメラ蛋白質の発現としてのスクリーニングである。キメラ蛋白質をコードするDNAを組み入れられた細胞の選択は、当該選択可能な遺伝子を発現する細胞のみの生き残りに適した条件下で、当該DNAコンストラクト中に選択可能なマーカーを組み入れ、選択可能なマーカー遺伝子を含むトランスフェクト又は感染させた細胞をその後培養することにより達成される。さらに、当該導入されたDNAコンストラクトの増幅は、適した条件下(例えば、増幅可能なマーカー遺伝子の多数のコピーを含む細胞のみが生き残ることができる薬物濃度の存在下で、増幅可能な遺伝子を含む遺伝的に改良された哺乳類細胞を培養すること)で、遺伝的に改良された哺乳類細胞を培養することにより影響され得る。 当該キメラ蛋白質を発現している遺伝的に改良された哺乳類細胞は、本明細書に記載されるように、発現産物の検出により同定され得る。例えば、高リン酸化酵素を発現する哺乳類細胞は、サンドウィッチ酵素免疫学的検定により同定され得る。当該抗体は、当該活性物質部分に直接作用する。リソソーム酵素の変異体 ある態様において、高リン酸化リソソーム酵素の類似体及び変異体が製造され得、そして高リン酸化リソソーム酵素が使用され得る様々な適用において有用となるであろう。当該ポリペプチドのアミノ酸配列の変異体は、置換型、挿入型、欠損型の変異体である。欠損型の変異体は、天然蛋白質の、機能又は免疫原性活性に必要不可欠ではない1又は複数の残基を欠損する。欠損変異体の一般型は、分泌シグナル配列の欠損型、又は細胞の特定部分に結合するための蛋白質に直接作用するシグナル配列の欠損型である。挿入型変異体は、典型的に、当該ポリペプチドの非末端部分での構成要素の追加を含む。これは、免疫反応性エピトープ又は単に単一残基の挿入を含み得る。末端への追加は、融合蛋白質ともいわれ、以下に議論する。 変異体は、上記のような非改良リソソーム酵素と、実質的に相同又は実質的に同一であり得る。好まれる変異体は、当該リソソーム酵素の少なくともいくつかの生物学的活性、例えば、触媒活性を残す、高リン酸化ポリペプチドの変異体である。他の好まれる変異体は、当該酸性アルファ グルコシダーゼの触媒活性の少なくともいくつかを残す酸性アルファ グルコシダーゼのポリペプチドの変異体を含む。 置換型変異体は、当該蛋白質内の1又は複数の部位で、他の野生型のあるアミノ酸を別のものに、典型的に交換し、及び、当該ポリペプチドの1又は複数の特性、例えば蛋白分解の開裂に対する安定性を、他の機能又は特性の欠損なしに、調節するよう設計され得る、この種の置換は、好ましくは同類置換であり、すなわち、1つのアミノ酸は、似たような形及び電荷を有するものの内の1つと置換される。同類置換は、本分野においてよく知られ、そして、例えば:アラニンのセリンへの;アルギニンのリジンへの;アスパラギンのグルタミン又はヒスチジンへの;アスパラギン酸塩のグルタミン酸塩への;システインのセリンへの;グルタミンのアスパラギンへの;グルタミン酸塩のアスパラギン酸塩への;グリシンのポロリンへの;ヒスチジンのアスパラギン又はグルタミンへの;イソロイシンのロイシン又はバリンへの;ロイシンのバリン又はイソロイシンへの;リジンのアルギニンへの;メチオニンのロイシン又はイソロイシンへの;フェニルアラニンのチロシン、ロイシン又はメチオニンへの;セリンのスレオニンへの;スレオニンのセリンへの;トリプトファンのチロシンへの;チロシンのトリプトファン又はフェニルアラニンへの;及びバリンのイソロイシン又はロイシンへの変換を含む。 本発明のある態様は、当該リソソーム酵素蛋白質のO−又はN−連結糖鎖付加部位が変異される糖鎖付加部位変異体の産生を企図する。そのような変異体は、当該高リン酸化リソソーム酵素の生物学的活性、物理的構造、及び基質結合潜在性に関連する重要な情報をもたらすだろう。特定の態様において、当該高リン酸化リソソーム酵素ポリペプチドの他の変異体が、当該生物学的活性を保持するが、基質結合活性を増大又は低減させるように、産生されることが企図される。そのようなものとして、当該活性部位又は触媒領域の変異は、変化された基質結合活性を有する蛋白質変異体を産生するために、特に企図される。そのような態様において、当該高リン酸化リソソーム酵素の配列は、他の関連酵素と比較され、そして選択された残基は、特に変異させられる。 アミノ酸番号1として、推定上のアミノ末端から成熟蛋白質のアミノ酸を番号付ける際に、有用となり得る例示的な変異体は、例えば、糖化アスパラギンの全ての又はいくつかのの欠損であって、N140、N233、N390、N470、N652、N882、及びN925を含む(Hermans,et al.,Biochem J.289(Pt3):681−6,1993)。基質結合は対立遺伝子GAA1とGAA2との間で異なるアミノ酸である、D91での変異により改良され得る(Swallow,et al.,Ann Hum Genet.53(Pt2):177−8,1989)。そのような変異は典型的であると考慮して、いわゆる当業者は、当該酵素配列の他の変異は、この蛋白質及びその活性について、さらなる構造的、及び機能的情報を提供するために作成され得ることを認識するだろう。 上記のような変異体を構築するために、いわゆる当業者は、よく知られる標準的技術を使用し得る。特に企図されるのは、N−末端欠損、C−末端欠損、内部欠損、並びにランダム及びポイント変異生成である。 N−末端、及びC−末端欠損は、例えば、当該C−又はN−末端領域の末端周辺の好適な単一制限酵素認識部位の存在を利用する欠損変異生成型である。当該DNAは、当該部位で開裂され、そして当該切断末端は、BAL31、エキソヌクレアーゼIII、DNアーゼI、及びS1ヌクレアーゼの如きヌクレアーゼにより分解される。当該2つの末端を再結合することは、当該制限酵素認識部位周辺に様々な大きさの欠損を有する一連のDNAを製造する。そのような変異体から発現する蛋白質は、適した生物学的機能、例えば酵素活性を、当該分野における標準技術を使用して分析され得、本明細書中に記載される。類似の技術が、2つの適切に配置された制限酵素認識部位を使用することによる内部欠損変異体について使用され、その結果、正確に定義される欠損を作成すること、及び上記のように末端を再結合することを達成し得る。 部分消化変異体もまた企図される。そのような場合、いわゆる当業者は、反応時間の長さに依存して多くの場所で当該DNAを切断する“フリクエント・カッター(frequent cutter)”を使用するだろう。このように、様々な反応条件により、様々な大きさの一連の変異体を産生することが可能となり、そして次いで活性についてスクリーニングされるだろう。 無作為な挿入変異は、例えばDNアーゼIでDNA配列を切断すること、及び3、6、9、12個などのアミノ酸をコードするヌクレオチドの伸長を挿入し当該末端を再びライゲートすることによっても実施され得る。一旦そのような変異が製造されると、当該変異体は、野生型蛋白質により与えられる様々な活性について審査され得る。 点突然変異は、特に、どのアミノ酸残基が、リソソーム酵素の生物学的活性に関連する活性に特別に重要であるか同定するためにも使用され得る。このように、当業者は、DNA鎖中の1塩基変化を産生し、変化されたコドン及びミスセンス変異の結果を得るだろう。 特定の蛋白質のアミノ酸は、等価な、それとも改良された第2世代分子を創造するために変化させられ得る。そのような変化は、例えば、基質分子又は受容体上の抗体の抗原結合領域又は結合部位の如き構造を有する相互作用的な結合能力のかなりの欠損なしに、与えられる蛋白質のアミノ酸の置換を企図する。蛋白質の生物学的機能活性を規定する事は、蛋白質の当該相互作用的な能力及び本質であるので、あるアミノ酸置換は、蛋白質配列、その基礎をなすDNAコーディング配列中に作り出され得、そして、にもかかわらず、類似の性質を有する蛋白質を得る。このように、様々な変化が、以下に記載のように、それらの生物学的有用性又は活性の相当な損失なしに、遺伝子のDNA配列中に作り出され得る。 そのような変化を作り出す際に、アミノ酸の疎水性親水性指数が考慮される。アミノ酸の相対的な疎水性親水性指数は、当該結果蛋白質の2次構造の一因となることが認められ、そして、例えば、酵素、基質、受容体、DNA、抗体、抗原などの他の分子との、当該蛋白質の相互作用を順番に規定する。各アミノ酸は、それらの疎水性、及び電荷特性に基づく疎水性親水性指数を与えられる(Kyte & Doolittle ,J.Mol.Biol.157(1):105−132,1982、本願明細書中に、この内容全てを援用する。)。一般的に、アミノ酸は、類似の疎水性親水性指数又はスコアを有する他のアミノ酸により置換され、さらに類似の生物学的活性を有する蛋白質を得る、すなわち、生物学的機能上等価な蛋白質をさらに得る。 さらに、そのようなアミノ酸の置換は、親水性に基づいて効果的に作り出され得る。米国特許第4,554,101号は、蛋白質の最も大きな部分的平均値は、その隣接アミノ酸の親水性により支配されるように、当該蛋白質の生物学的特性と相関関係があると述べており、ここでその内容全体を本願明細書中に援用する。そのようなものとして、アミノ酸は、他の似たような親水性値を有するものと置換され得、生物学的等価及び免疫学的等価な蛋白質をさらに得る。 本発明に関連して使用され得る典型的なアミノ酸置換は、アルギニン及びリジン;グルタミン酸塩及びアスパラギン酸塩;セリン及びスレオニン;グルタミン及びアスパラギン;及びバリン、ロイシン、及びイソロイシンを変化することを非制限的に含む。当該蛋白質の2次構造を変化する間の生物学的活性のいくつか又は全ての保持に必要と考慮される、そのような他の置換は、いわゆる当業者によく知られるだろう。 本発明に関連するポリペプチドの製造のために企図される変異体の他の型は、ペプチド模倣薬に使用され得る。模倣薬は、蛋白質2次構造の要素を模倣するペプチド含有分子である。例えば、Johnson et al.,“Peptide Turn Mimetics”BIOTECHNOLOGY AND PHARMACY,Pezzuto et al.,Eds.,Chapman and Hall,New York(1993)を参照のこと。ペプチド模倣薬の使用の背後にある根本的論理的根拠は、蛋白質のペプチド骨格が、抗体及び抗原の相互作用の如き分子間相互作用を促進するような方法で、アミノ酸側鎖を主に正しく配置するために存在することである。ペプチド模倣薬は、当該天然の分子と類似する分子間相互作用を可能とするよう期待される。これらの原則は、上記原則と連動して、リソソーム酵素の天然の特性の多くを有するが、変化されそしてさらに改良された特徴を有する第2世代分子を設計するために使用され得る。改良された糖鎖付加 高リン酸化リソソーム酵素の変異体は、親ポリペプチドと比較して改良された糖鎖付加パターンを有するように製造され得る、例えば、1又は複数の糖質成分を欠損すること、及び/又は天然ポリペプチド中には存在しない1又は複数の糖鎖付加部位を付加することである。 糖鎖付加は、典型的にN−結合型かO−結合型のいずれかである。N−結合型は、アスパラギン残基の側鎖へ糖質成分の結合をいう。トリペプチド配列、アスパラギン−X−セリン、及びアスパラギン−X−スレオニンであって、ここでXがプロリンを除くいずれかのアミノ酸である当該トリペプチド配列は、アスパラギン側鎖へ糖質成分の酵素的結合のための認識配列である。ポリペプチド中のこれらのトリペプチド配列のどちらかの存在は、潜在的糖鎖付加部位を作り出す。このように、N−結合型糖鎖付加部位は、1又は複数のこれらのトリペプチド配列を含むようにアミノ酸配列を変えることによりポリペプチドに付加され得る。O−結合型糖鎖付加は、糖類N−アセチルガラクトサミン、ガラクトース、又はキシロースの内の1の、5−ヒドロキシプロリン又は5−ヒドロキシリジンも使用され得るけれども、ヒドロキシアミノ酸への、最も一般的にはセリン又はスレオニンへの結合をいう。O−結合型糖鎖付加部位は、1又は複数のセリン又はスレオニン残基を元々のポリペプチドの配列に挿入又は置換することにより付加され得る。ドメイン・スイッチング リソソーム酵素蛋白質の様々な部分は、相当の配列相同性を有する。突然変異は、その機能を変えるリソソーム酵素ポリペプチドに同定され得る。これらの研究は、少なくとも2つの理由から潜在的に重要である。第1に、当該研究は、さらに他のホモログ、対立遺伝子多型、及びこの遺伝子の突然変異体が、関連する種、例えば、ラット、ラビット、サル(モンキー)、テナガザル(gibbon)、チンパンジー、サル(エイプ)、ヒヒ、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、そしてネコの中に存在し得るという適度な期待を提供する。これらのホモログ、変異体及び突然変異体の単離において、及び他の分析と連動して、ある活性又は機能的ドメインが単離され得る。第2には、上記のような分子のさらなる突然変異分析についての出発点を提供するだろう。この情報が引き出され得る1つの方法は、“ドメイン・スイッチング”である。 ドメイン・スイッチングは、異なるが、しかし関連するポリペプチドを使用するキメラ分子の産生を含む。例えば、リソソーム酵素であって、例えば、酸性αグルコシダーゼの配列と、他の源由来の類似リソソーム酵素の配列、及びこれらのポリペプチドの突然変異体及び対立遺伝子多型とを比較することにより、これらの分子の機能的に重要な領域について予想し得る。次いで、酵素機能に対するこれらの領域の臨界、及びリソソーム蓄積症における有効性を決定するために、これらの分子の関連ドメインをスイッチすることが可能である。これらの分子は、これらの“キメラ”が天然の分子と区別され得ることにおける加算値を有し得、一方、場合により同様の又は促進する機能を提供する。 現在同定されている多くのリソソーム酵素に基づいて、突然変異体のさらなる分析、及び2次構造における予測効果は、この理解に追加されるだろう。リソソーム酵素間においてドメインをスイッチした当該突然変異体は、それらと相互作用するこれらの分子及びポリペプチドとの構造的/機能的関係について有用な情報を提供するだろうと企図される。融合蛋白質 上記の突然変異体に加えて、本発明は、融合蛋白質として知られる、特定の種の挿入変異の産生をさらに企図する。この分子は、一般的に、N−又はC−末端で、全ての又は一部の第2ポリペプチドに結合する全ての又は大部分の天然分子を有する。例えば、融合は、典型的に他の種由来のリーダー配列を使用し、異種宿主において蛋白質の組換え発現を可能とする。他の有用な融合は、当該融合蛋白質の精製を促進するために、免疫学的活性ドメイン、例えば抗体エピトープの付加を含む。当該融合結合部で又はその近くで外部からの開裂部位の含有は、精製後、ポリペプチドの除去を促進するだろう。他の有用な融合は、機能的ドメイン、例えば、酵素からの活性部位、糖鎖付加ドメイン、細胞標的シグナル又は膜貫通領域の結合を含む。 本発明に使用され得る、様々な商業的に入手可能な融合蛋白質発現システムがある。特に有用なシステムは、グルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)システム(Pharmacia,Piscataway,NJ)、マルトース結合蛋白質システム(NEB,Beverley,MA)、FLAGシステム(IBI,New Haven,CT)、及び6×Hisシステム(Quiagen,Chatsworth,CA)を非制限的に含む。これらのシステムは、わずかな追加アミノ酸のみを有する組換えポリペプチドを製造することができ、そして当該追加アミノ酸は、当該組換えポリペプチドの抗原性能力に影響を与える可能性が低い。例えば、FLAGシステム及び6×Hisシステムの双方は、短い配列のみを付加し、それらの双方は、乏しい抗原性として知られ、及びその天然立体構造に対する当該ポリペプチドの折りたたみに悪影響を与えない。有用であると企図される他のN−末端融合は、当該蛋白質又はペプチドのN−末端領域でのMet−Lysのジペプチドの融合である。そのような融合は、蛋白発現又は活性において、有益な増殖を作り出し得る。 特定の有用な融合コンストラクトは、リソソーム酵素融合コンストラクトの免疫原生を促進するために、高リン酸化リソソーム酵素のポリペプチド又はその断片が、ハプテンと融合されるものとなり得る。これは、当該蛋白質の検出を可能とする高リン酸化リソソーム酵素に対する抗体の産生に有用となり得る。他の態様において、融合コンストラクトは、当該リソソーム酵素に関連する組成物の特定の部位又は細胞へのターゲッティングを促進するように作られ得る。 所望の特性、例えば、血清半減期を延長するためのIg定常領域、又はターゲッティングのための抗体又はそれらの断片を有する異種ポリペプチドを含む他の融合コンストラクトもまた企図される。他の融合システムは、所望のポリペプチドから当該融合パートナーを切除することが望ましいポリペプチド・ハイブリッドを製造する。他の態様において、当該融合パートナーは、プロテアーゼの特定認識配列を含有するペプチド配列により、組換え高リン酸化リソソーム酵素のポリペプチドと結合させられる。好適な配列の例は、Tobacco Etch Virus プロテアーゼ(Life Technologies,Gaithersburg,MD)、又はXa因子(New England Biolabs,Beverley,MA)により認識される配列である。誘導体 上記のように、誘導体は、ユビキチン化、標識化(例えば、放射性各種又は種々の酵素で)のような技術、ペグ化の如き共有ポリマー結合(ポリエチレングリコールによる誘導体化)、及びオルニチンの如きアミノ酸の化学合成による挿入又は置換により化学的に改良されたポリペプチドをいう。リソソーム酵素の誘導体は、治療薬としても有用であり、そして本発明の方法により製造され得る。 ポリエチレングリコール(PEG)は、生体内でより長い半減期を提供するために、本発明の方法により製造されたリソソーム酵素に結合され得る。当該PEG基は、いずれの都合の良い分子量を有し、直鎖となるか又は分岐され得る。当該PEGの平均分子量は、好ましくは約2キロダルトン(“kD”)〜約100kDaの範囲であり、より好ましくは約5kDa〜約50kDa、最も好ましくは約5kDa〜約10kDaの範囲である。当該PEG基は、一般的に、本発明の化合物における反応基(例えば、アルデヒド、アミノ、又はエステル基)への、PEG成分における反応基(例えば、アルデヒド、アミノ、チオール、又はエステル基)を通じたアシル化又は還元的アルキル化を経由して、本発明の化合物に結合されるだろう。着目のポリペプチドへのPEG成分の付加は、本分野においてよく知られる技術を使用して実施され得る。例えば、国際特許公開第WO96/11953号、及び米国特許第4,179,337号を参照のこと。 PEGを有する酵素ポリペプチドのライゲーションは、通常、水相で生じ、そして逆相分析的HPLCにより、容易に測定され得る。当該PEG化ペプチドは、分取HPLCにより容易に精製され得、分析的HPLC、アミノ酸分析、及びレーザー脱離質量分析により特徴付けられる。標識 ある態様において、治療酵素は、その検出を容易にするために標識される。“標識”又は“検出可能成分”は、分光学的、光化学的、生化学的、免疫化学的、化学的、又は他の物理的手段により検出可能な組成物である。例えば、本発明においての使用のために好適な標識は、放射性標識(例えば、32P)、蛍光プローブ(例えば、フルオレセイン)、電子密度試薬、酵素(例えば、ELISAにおいて一般に使用されるようなもの)、ビオチン、ジゴキシゲニン、又はハプテンを含み、並びに、例えば、放射性標識を当該ハプテン又はペプチドに組み入れることにより、又は当該ハプテン又はペプチドと特に反応する検出抗体を使用して、検出可能に製造された蛋白質を含む。 本発明における使用に好適な標識の例は、蛍光色素(例えば、フルオレセイン・イソチオシアネート、テキサス・レッド、ローダミンなど)、放射標識(例えば、3H、125I、35S、14C、又は32P)、酵素(例えば、ホースラディシュ・ペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、及びELISAにおいて一般的に使用される他のもの)、及びコロイド金、色ガラス又はプラスチックビーズ(例えば、ポリスチレン、ポリプロピレン、ラテックスなど)の如き比色分析標識を非制限的に含む。 当該標識は、本分野においてよく知られる方法に従い、当該分析の所望の成分に直接的又は間接的に結合し得る。好ましくは、ある態様における当該標識は、本発明に関する活性物質の結合のためのイソシアネート試薬を使用して、当該バイオポリマーに共有結合させられる。本発明のある態様において、本発明の2官能性イソシアネート試薬は、バイオポリマーに標識を結合し、そこに結合される活性物質なしで標識バイオポリマー複合体を形成するために使用され得る。当該標識バイオポリマー複合体は、本発明に関する標識された複合体の合成のための中間体として使用され得、又は当該バイオポリマー複合体を検出するために使用され得る。上記のように、要求される検出感度に依存する標識の選択、当該分析の所望の成分との結合容易性、安定性要件、入手可能器具、及び処分条件を含めて、広範囲の標識が使用される。非放射性の標識は、直接的手段によりしばしば結合される。一般的に、リガンド分子(例えば、ビオチン)は、当該分子に共有結合する。次いで、当該リガンドは他の分子(例えば、ストレプトアビジン)に結合し、そしてそれは本質的に検出可能か、検出可能な酵素、蛍光化合物、又は化学発光による化合物の如きシグナルシステムに対する共有結合かのどちらかである。 本発明の化合物は、例えば、酵素又は蛍光プローブとの結合によりシグナル産生化合物にも直接結合し得る。標識としての使用に好適な酵素は、ヒドロラーゼ、特にホスファターゼ、エステラーゼ及びグリコシダーゼ、又はオキシドターゼ、特にペルオキシダーゼを非制限的に含む。標識としての使用に好適な蛍光化合物、すなわち蛍光プローブは、フルオレセイン及びその誘導体、ローダミン及びその誘導体、ダンシル、ウンベリフェロンなどを非制限的に含む。好適な蛍光プローブのさらなる例は、エオシン、TRITC−アミン、キニーネ、フルオレセインW、アクリジン・イエロー、リサミン ローダミンB、スルホニル クロライド エリスロセイン(erythroscein)、ルテニウム(トリス、ビピリジニウム)、テキサスレッド、ニコチンアミド アデニン・ジヌクレオチド、フラビン アデニン ジヌクレオチドなどを非制限的に含む。標識としての使用に好適な化学発光化合物は、ルシフェリン、及び2,3−ジヒドロフタラジンジオン、例えば、ルミノールを非制限的に含む。本発明の方法において使用され得る様々な標識又はシグナル産生システムの再調査のために、米国特許第4,391,904号を参照のこと。 標識を検出する手段は、いわゆる当業者によく知られている。従って、例えば、当該標識が放射性である場合、検出手段は、オートラジオグラフィーとして、シンチレーション・カウンター又は写真用フィルムを含む。当該標識が蛍光標識である場合、光の適切な波長で蛍光色素を励起させること、及び当該得られた蛍光発光を検出することにより検出され得る。当該蛍光発光は、電化結合素子(CCDs)又は光電子増倍管の如き電子感知器の使用により視覚的に検出され得る。同様に、酵素標識は、当該酵素に適切な基質を提供すること、得られた反応性生物を検出することにより検出され得る。比色分析の又は化学発光法の標識は、当該標識に関する色を観察することにより簡単に検出し得る。本発明の方法における使用に好適な他の標識化及び検出システムは、当業者に容易に明らかとなるだろう。そのような標識化された変調装置及びリガンドは、疾患又は健康状態の診断において使用され得る。 好ましい態様において、当該方法は、リソソーム輸送の欠損した細胞系から高リン酸化リソソーム酵素を製造するステップを含む。特に好ましい態様において、当該方法は、CHO細胞系、G71から高リン酸化組換えヒト酸性αグルコシダーゼ(rhGAA)を製造するステップを含む。リソソーム酵素の製造は、以下のステップ:(a)アルファ−グルコシダーゼ(GAA)を発現する組換えG71の開発;(b)当該細胞の培養;及び(c)リソソーム酵素の製造のためのバイオリアクターとして細胞系のスケールアップ、を含む。好ましい態様において、ヒトGAAは、ヒト肝臓mRNA(Clonetech 6510−1)から増幅され、そして哺乳類発現ベクターであるpCINt(BioMarin)の中にサブクローンする。当該ベクターpCINtは、ヒトCMVエンハンサー−プロモーター、ラビットβ−グロビンIVS2イントロン、pcDNA3.1(+)(Invitrogen)からの多重クローニング部位、十分な転写終止のためのウシ成長ホルモン・ポリアデニル化シグナル、及び酵素効率を低減するための点変異を有する選択的マーカー・ネオマイシン・ホスホトランスフェラーゼ遺伝子を含む。当該弱毒マーカーは、弱いHSV−tkプロモーターでさらにマイナスとなる。 細胞系の開発について、G71を、線状発現プラスミドでトランスフェクトし、そして組換え体を選択した。形質転換体のサブクローニングの第1ラウンドの後、4つの細胞系を、蛍光基質を使用して選択し、そして特に指定した。CIN細胞系を、微少担体を有するスピナーにおける細胞特異的生産性(製品/細胞のpg)について分析した。細胞系を、2mMのグルタミン、及び5%のウシ胎仔血清で補足されたJRH Excell 302培地中で培養し、Cytopore微少担体の上に種を蒔き、200mLのスピナーフラスコ内で成長させた。BSAがELISAにより検出されなくなるまで、血清を1週間に渡り希釈により除去した。最もよい製造法を同定し、前臨床材料の製造のためのバイオリアクターとしてスケールアップした。III.リソソーム酵素の精製 通過ろ過される細胞収穫培地は、5.5に調整されたpHであり、保存され、そして次いで、pH4.5に調整され、そして4℃で4日間保存される。次いで、材料は、沈殿物を除去するために再ろ過される。収率は、このステップとして>90%である。次いで、ろ液は、ブルー−セファロース上にロードされ、20mMのアセテート/ホスフェイト、50mMのNaCl、pH4.5で洗浄され、そして20mMのアセテート/ホスフェイト、50mMのNaCl、pH5.9で溶出される。このステップについての収率は、>70%である。次いで、溶出液は、Q−セファロースにロードされ、10mMのヒスチジン、pH6.0、70mMのNaClで洗浄され、そして10mMのヒスチジン、pH6.0、165mMのNaClで溶出される。このステップについての収率は、>50%である。溶出液は塩であり、1.3MのNaCl及び5.0MのNaClに応じて調整され、それぞれ、フェニル−セファロースにロードされ、1.3M〜0.5MのNaClで濃度勾配溶出される。IV.リソソーム酵素、及びリソソーム蓄積症 当該リソソーム酵素は、全長酵素、又は当該酵素の治療上の又は生物学的活性のいくらか、実質的に全て、全てをなお保持するような断片である。ある態様において、当該酵素は、もし発現されず又は作り出されず、又はもし発現又は作成において実質的に低減されると、リソソーム蓄積症を非制限的に含む疾患を発生させるであろう。好ましくは、当該酵素は、ヒト由来、又はヒトから入手されるものである。 当該化合物は、全長酵素、又は当該酵素の活性をいくらか、実質的に全て又は全てをなお保持するような断片である。好ましくは、リソソーム蓄積症の治療において、当該酵素は、もし発現されず又は作り出されず、又はもし発現又は作成において実質的に低減されると、リソソーム蓄積症を発生させるだろう細胞内に見出される酵素である。好ましくは、当該酵素は、ヒト又はマウス由来、又はヒト又はマウスから入手されるものである。好ましくは、当該酵素は、リソソーム内蓄積酵素であって、例えば、アルファ−L−イズロニダーゼ、イズロネート−2−スルファターゼ、ヘパラン N−スルファターゼ、アルファ−N−アセチルグルコサミニダーゼ、アリールスルファターゼA、ガラクトシルセラミダーゼ、酸性−アルファ−グルコシダーゼ、チオエステラーゼ、ヘキソサミニダーゼA、酸性スフィンゴミエリナーゼ、アルファ−ガラクトシダーゼ、又は他のリソソーム内蓄積酵素である。リソソーム蓄積症、及び活性物質として有用であるその欠損蛋白質の表は、以下の通りである。 リソソーム蓄積症 蛋白質欠損 ムコ多糖症I型 L−イズロニダーゼ ムコ多糖症II型 ハンター症候群 イズロネート−2−スルファターゼ ムコ多糖症IIIA型 サンフィリポ症候群 ヘパラン−N−スルファターゼ ムコ多糖症IIIB型 サンフィリポ症候群 α−N−アセチルグルコサミニダーゼ ムコ多糖症IIIC型 サンフィリポ症候群 アセチルCoA:N−アセチルトランスフェラーゼ ムコ多糖症IIID型 サンフィリポ症候群 N−アセチルグルコサミン 6−スルファターゼ ムコ多糖症IVA型 モルキオ症候群 ガラクトース 6−スルファターゼ ムコ多糖症IVB型 モルキオ症候群 β−ガラクトシダーゼ ムコ多糖症VI型 N−アセチルガラクトサミン 4−スルファターゼ ムコ多糖症VII型 スライ症候群 β−グルクロニダーゼ ムコ多糖症IX型 ヒアルロノグルコサミニダーゼ アスパルチルグルコサミン尿症 アスパルチルグルコサミニダーゼ コレステロールエステル蓄積症/ウォルマン病 酸性リパーゼ シスチン症 シスチン輸送体 ダノン病 Lamp−2 ファブリー病 α−ガラクトシダーゼA ファーバー脂肪肉芽腫症/ファーバー症 酸性セラミダーゼ フコース蓄積症 α−L−フコシダーゼ ガラクトシアリドーシスI/II型 保護蛋白質 ゴーシェ病I/II/III型 ゴーシェ病 グルコセレブロシダーゼ(β−グルコシダーゼ) 球様細胞白質萎縮症/クラッベ病 ガラクトセレブロシダーゼ 糖原病II/ポーンプ病 α−グリコシダーゼ GM1−ガングリオシドーシスI/II/III型 β−ガラクトシダーゼ GM2−ガングリオシドーシスI型/テイサック病 β−ヘキソサミニダーゼA GM2−ガングリオシドーシスII型 サンドホフ病 β−ヘキソサミニダーゼA GM2−ガングリオシドーシス GM2−活性因子欠損 α−マンノシドーシスI/II型 α−D−マンノシダーゼ β−マンノシドーシス β−D−マンノシダーゼ 異染性白質萎縮症 アリールスルファターゼA 異染性白質萎縮症 サポシンB ムコリピドーシスI型/シアリドーシスI/II型 ノイラミニダーゼ ムコリピドーシスII/III型 I−細胞病 ホスホトランスフェラーゼ ムコリピドーシスIIIC型 偽性ハーラーポリジストロフィー ホスホトランスフェラーゼ γ−サブユニット 多発性スルファターゼ欠損症 多発性スルファターゼ 神経セロイドリポフスチノーシス、CLN1バッテン病 パルミトイル蛋白質チオエステラーゼ 神経セロイドリポフスチノーシス、CLN2バッテン病 トリペプチジル ペプチダーゼI ニーマン−ピック病A/B型 ニーマン−ピック病 酸性スフィンゴミエリナーゼ ニーマン−ピック病C1型 ニーマン−ピック病 コレステロール輸送 ニーマン−ピック病C2型 ニーマン−ピック病 コレステロール輸送 ピクノディスオストーシス カテプシンK シンドラー病I/II型 シンドラー病 α−ガラクトシダーゼB シアル酸蓄積病 シアル酸輸送体 好ましい態様において、当該酵素は、エンドソーム酸性化欠損細胞系により製造されたヒト組換えリソソーム酵素である。より好ましい態様において、当該ヒト組換え型は、“定義”の記載の通り、リン酸化オリゴ糖の高レベル、及び非リン酸化高マンノースオリゴ糖の低レベルを有する。最も好ましい態様において、当該酵素は、高リン酸化ヒト組換え型酸性アルファグルコシダーゼ(rhGAA)である。 それ故、本発明の方法を使用して治療され得る又は阻害され得るリソソーム蓄積症は、ムコ多糖症I型(MPS I)、MPS II、MPS IIIA、MPS IIIB、異染性白質萎縮症(MLD)、クラッベ病、ポーンプ病、セロイド脂褐素症、テイ−サックス病、ニーマン−ピック病A及びB、及び他のリソソーム蓄積症を非制限的に含む。 それ故、上記表によって、各疾患について、当該共役物質は、好ましくは、当該疾患における特定の活性物質である酵素欠損を含む。例えば、MPS Iに関連する方法について、当該好ましい化合物又は酵素は、α−L−イズロニダーゼである。MPS IIに関連する方法について、当該好ましい化合物又は酵素は、イズロネート−2−スルファターゼである。MPS IIIAに関連する方法について、当該好ましい化合物又は酵素は、ヘパラン−N−スルファターゼである。MPS IIIBに関連する方法について、当該好ましい化合物又は酵素は、α−N−アセチルグルコサミニダーゼである。異染性白質萎縮症(MLD)に関連する方法について、当該好ましい化合物又は酵素は、アリールスルファターゼAである。異染性白質萎縮症(MLD)に関連する方法について、当該好ましい化合物又は酵素は、アリールスルファターゼAである。クラッベ病に関連する方法について、当該好ましい化合物又は酵素は、ガラクトシルセラミダーゼである。ポーンプ病に関連する方法について、当該好ましい化合物又は酵素は、酸性α−グルコシダーゼである。CLNに関連する方法について、当該好ましい化合物又は酵素は、トリペプチジル ペプチダーゼである。テイーサック病に関連する方法について、当該好ましい化合物又は酵素は、ヘキソサミニダーゼ アルファである。ニーマン−ピック病A及びBに関連する方法について、当該好ましい化合物又は酵素は、酸性スフィンゴミエリナーゼである。V.医薬組成物、及び投与 本発明の化合物は、種々の経路により投与され得る。経口剤として、当該複合体は、単独で又はタブレット、粉状体、粒状体又はカプセルを作成するために適した添加剤との組み合わせで使用され得、例えば、ラクトース、マンニトール、コーンスターチ又はポテトスターチの如き慣習的添加剤との組み合わせ;結晶セルロース、セルロース誘導体、アカシア、コーンスターチ又はゼラチンの如き結合剤との組み合わせ;コーンスターチ、ポテトスターチ又はソジウム・カルボキシメチルセルロースの如き崩壊剤との組み合わせ;タルク又はマグネシウム ステアレートの如き滑剤との組み合わせ;及び、所望により、希釈剤、緩衝剤、湿潤剤、防腐剤、及び香料添加剤との組み合わせである。 本発明の化合物は、水性溶媒又は非水性溶媒中に、それらを溶解、懸濁又は乳化することにより、注入用製剤中に配合され得、ここで当該溶媒は、例えば、植物油又は他の類似する油、合成脂肪酸グリセリド、高脂肪酸のエステル又はプロピレングリコール;であり、そして、所望により、可溶化剤、等張剤、懸濁剤、乳化剤、安定剤、及び防腐剤の如き慣習的添加剤との組み合わせである。 本発明の化合物は、吸入を経由して投与されるエアロゾル形成において使用され得る。本発明の化合物は、ジクロロジフルオロメタン、プロパン、窒素などの如き加圧するのに許容される推進剤中に配合され得る。 さらに、本発明の化合物は、乳化基剤又は水溶性基剤の如き様々な基剤と混合することにより、坐薬中に製造され得る。本発明の化合物は、坐薬を経由して直腸から投与され得る。当該坐薬は、ココアバター、カルボワックス(carbowaxes)、及びポリエチレングリコールであって、体温で融解し、室温で凝固されるものの如き媒体を含む。 シロップ、エリキシリル剤、及び懸濁剤の如き経口又は直腸投与のための当該複合体、モジュレーター、及びLRPリガンドのユニット剤形が提供され得、ここで、例えば、茶さじ1杯分、テーブルスプーン1杯分、タブレット又は坐薬のような各一回の用量は、活性物質を含む当該組成物の所定の量を含む。同様に、注入投与又は静脈投与のためのユニット剤形は、滅菌水、生理食塩水又は他の医薬として許容される担体の溶液としての組成物中に当該複合体を含み得る。 実用において、本発明の化合物は、密接な混合剤中の当該活性成分として、医薬複合技術に応じて医薬担体と混合され得る。当該担体は、例えば、経口又は非経口(静脈内を含む)の投与のために所望される剤形の好まれる形に依存する広範な形をとる。経口剤形のための組成物を製造する際、通常の医薬媒体のいずれかが使用され、当該媒体は、例えば、経口液体製剤の場合、水、グリコール、油、アルコール、香料添加剤、防腐剤、着色剤などであり、例えば、経口固形製剤の場合、懸濁液、エリキシリル剤、及び溶液であり;又はスターチ、糖、微少結晶性セルロース、希釈剤、造粒剤、滑剤、結合剤、崩壊剤などの如き担体であり、例えば、液体製剤に移ることが好まれる固形経口製剤の場合、粉剤、ハード及びソフトカプセル、及びタブレットである。 経皮経路の投与に関して、薬剤の経皮投与の方法は、Remington’s Pharmaceutical Sciences,第17版,(Gennaro et al.Eds.Mack Publishing Co.,1985)に記載される。皮膚(dermal)又は皮膚(skin)用パッチ剤は、本発明の複合体、モジュレーター、及びLRPリガンドの経皮デリバリーのための好ましい手段である。パッチ剤は、好ましくは、当該化合物の吸収を増大するためDMSOの如き吸収エンハンサーを提供する。経皮薬物デリバリーのための他の方法は、米国特許第5,962,012号、同第6,261,595号、及び同第6,261,595号に記載され、その各内容全てを本願明細書中に援用する。 医薬として許容される賦形剤であって、例えば、媒体、アジュバント、担体又は希釈剤は、商業的に入手可能である。さらに、医薬として許容される補助基質であって、例えば、調整及び緩衝剤、等張化調整剤、安定剤、湿潤剤なども、商業的に入手可能である。 これらの各態様において、与えられた場合において最も適した経路は、1つには、治療される症状の種類及び重症度、及び活性成分の種類に依存するだろうけれども、当該組成物は、経口、直腸、局所的、非経口(皮下、筋肉内、及び静脈を含む)、肺(経鼻又は口腔吸入)、又は経鼻投与に好適な組成物を非制限的に含む。例示的な投与経路は、経口、及び静脈経路である。当該組成物は、ユニット剤形において便利に存在し得、そして、薬の分野においてよく知られる方法のいずれかにより製造され得る。 実用において、本発明の化合物は、密接な混合剤中の当該活性成分として、医薬複合技術に応じて医薬担体と混合され得る。当該担体は、例えば、経口又は非経口(静脈内を含む)の投与のために所望される剤形の好まれる形に依存する広範な形をとる。経口剤形のための組成物を製造する際、通常の医薬媒体のいずれかが使用され、当該媒体は、例えば、経口液体製剤の場合、水、グリコール、油、アルコール、香料添加剤、防腐剤、着色剤などであり、例えば、経口固形製剤の場合、懸濁液、エリキシリル剤、及び溶液であり;又はスターチ、糖、微少結晶性セルロース、希釈剤、造粒剤、滑剤、結合剤、崩壊剤などの如き担体であり、例えば、液体製剤に移ることが好まれる固形経口製剤の場合、粉剤、ハード及びソフトカプセル、及びタブレットである。 投与の容易性を理由として、固形医薬担体が明らかに使用される場合、タブレット剤、及びカプセル剤は、最も有用な経口剤形を表す。所望により、タブレットは、標準的な水性又は非水性技術によりコートされ得る。これらの組成物中の活性化合物のパーセンテージは、もちろん、変化され得、かつ、便利なことに、当該ユニットの重量の約2パーセント〜約60%の間となり得る。 本発明の化合物は、動物の、特に人間の治療、予防、診断行為のために有用である。本明細書中に記載の通り、当該複合体は、標的組織、区画、又は当該使用されるバイオポリマーに依存する部位のいずれかにおける当該活性物質の選択的蓄積、及び/又は放出を示す。 本発明の組成物は、ウイルス・エンベロープ又は媒体の中にカプセル化され又はそれらに結合され、又は細胞内に組み入れられて、投与され得る。媒体は、通常球状であり、かつ頻繁に脂質となるミセル粒子である。リポソームは、2分子膜から形成される媒体である。好適な媒体は、単層媒体、及び多重膜脂質媒体又はリポソームを非制限的に含む。そのような媒体、及びリポソームは、広範囲の脂質又はリン脂質化合物であって、例えば、ホスファチジルコリン、ホスファチジン酸、ホスファチジルセリン、ホスファチジルエタノールアミン、スフィンゴミエリン、糖脂質、ガングリオシドなどであり、例えば米国特許第4,394,448号に記載される技術の如き標準的技術を使用して製造され得る。そのような媒体又はリポソームは、細胞内に化合物を投与するために使用され得、当該標的組織へ化合物をデリバリーするために使用され得る。着目のp97−組成物の制御放出は、カプセル化を使用しても達成され得る(例えば、米国特許第5,186,941号を参照のこと。)。 血流中に、又は好ましくは血液脳関門の少なくとも外側に、当該組成物を希釈する投与経路が使用され得る。好ましくは、当該組成物は、末梢に、最も好ましくは静脈内に投与され、又は心臓カテーテルにより投与される。頸静脈内及び頚動脈内注入もまた有用である。組成物は、局所的又は局部的、例えば、腹腔内、皮下又は筋肉内に投与される。ある態様において、組成物は、好適な医薬希釈剤又は担体とともに投与される。 当業者は、当該特定の化合物の機能、症状の重症度、及び副作用に対する被験者の感受性により投与量が変化し得ることを容易に認識するだろう。与えられた化合物についての好ましい用量は、患者、試験動物、及び生体外で実施される用量反応、及び薬物動態評価を非制限的に含む種々の手段により、いわゆる当業者に容易に決定され得る。 投与量は、個人の要求、所望の効果、使用される活性物質、バイオポリマー、及び選択される投与経路にも依存し得る。複合体の好ましい用量は、約0.2pmol/kg〜約25nmol/kgであり、及び特に好ましい用量は、2〜250pmol/kgであり;あるいは、当該複合体の好ましい用量は、0.02〜2000mg/kgとなり得る。これらの用量は、当該バイオポリマーに関連する活性物質又は薬成分の数により影響されるだろう。あるいは、用量は、投与される当該活性成分に基づいて算出され得る。 本発明の化合物は、動物の、特に人間の治療、予防、診断行為のために有用である。化合物は、特定の組織において選択的蓄積が見られ得る。診断用途のための好ましい医学的兆候は、例えば、着目の標的器官(肺、肝臓、腎臓、脾臓)に関連する症状を含む。 当該対象方法は、種々の異なる疾患の症状の治療における使用を見出す。ある態様において、特に着目すべきは、以下の疾患症状における当該対象方法の使用であり、ここで当該疾患症状は、所望の活性を有する活性物質又は薬物が前もって同定されている場合であるが、当該活性物質又は薬物が、完全に満足できる治療効果をあげるように標的部位、領域又は区画に十分にデリバリーされない場合である。そのような活性物質又は薬物に加えて、高リン酸化化合物を製造する当該対象方法は、治療効果、及び活性物質又は薬物の治療指数を促進するために使用され得る。 治療は、化合物の投与に関する被験者にとっての有益な結果を含むことを意図されており、当該有益な結果は、病気となることの低減される可能性、疾患の阻害、疾患の進行を減速すること、止めること又は克服すること、又は宿主を苦しめる疾患症状に関連する兆候の改善を含み、ここで当該改善又は利益は、パラメーターの大きさにおいて少なくとも低減を言及する広い意味で使用され、当該パラメーターは、例えば、病態に関する炎症及び痛みの如き、治療される当該病態に関する兆候である。そのようなものとして、治療は、病態又は少なくともそれらに関する兆候が、当該宿主が当該病態にもはや苦しまないように又は少なくとも当該病態を特徴付ける症状にもはや苦しまないように、例えば発生を防ぐこと又は止めること、例えば終わらせることの如く完全に抑制されるような状態もまた含む。 種々の宿主又は被験者は、当該対象方法により治療可能である。一般に、そのような宿主は、“哺乳類(mammals)”又は“哺乳類の(mammalian)”である、ここでこれらの用語は、人間以外の肉食動物(例えば、イヌ及びネコ)、げっ歯目(例えば、マウス、モルモット、及びラット)、及び霊長類(例えば、人間、チンパンジー、及びサル)を含む哺乳類クラス範囲内の有機体を記載するために広範に使用され得る。多くの態様において、当該宿主は人間だろう。 以下の実施例は、本発明をさらに例証する。これらの実施例は、単なる本発明の実例を意図したものであり、限定することとして構成されるものではない。以下の実施例は、高リン酸化リソソーム酵素の製造、及び精製、そしてリソソーム蓄積症の治療におけるそれらの使用について例示的な手順を提供する。実施例1アルファ−グルコシダーゼ(GAA)を発現する組換えG71の開発 低用量で治療的に有用である組換え型の高リン酸化リソソーム酵素を製造するために、改良したリン酸化レベルを提供する細胞系の開発が、まず第1に必要である。 G71細胞(Rockford K.Draper)を、CHO−K1(ATCC CCL−61)から直接的に導いた。G71を、2.5%のウシ胎仔血清、2mMのグルタミン、ゲンタマイシン、及びアンフォテリシンで補足されたBio Whittaker Ultra CHO培地中、34℃で維持した。ヒトGAAを、GAAF及びGAARを指定するプライマーを使用する高ストリンジェンシーPCRにより、ヒト肝臓mRNA(Clontech 6510−1)から増幅した(図1)。 当該増幅されたGAA配列を、側面にあるKpnI、及びXhoIを使用して、哺乳類発現ベクターであるpCINt(BioMarin)の中にサブクローンした。当該発現ベクターは、ラビットβ−グロビンIVS2イントロンに連結するヒトCMVエンハンサープロモーター、及びpcDNA3.1(+)(Invitorogen、Carlsbad、CA)由来のマルチクローニング部位を含んだ。効率的な転写終結を、ウシ成長ホルモンのポリアデニル化シグナルにより保証する。選択マーカーは、酵素効率性を低減するための点変異を実施するネオマイシン リン酸転移酵素(ホスホトランスフェラーゼ)遺伝子だった。当該弱体化マーカーを、弱体HSV−tkプロモーターでさらにマイナスとした。当該プラスミドに挿入したhGAAの当該ヌクレオチド配列及び蛋白質翻訳を、図3に示した(それぞれ、配列整列番号1及び2)。実施例II細胞系の開発 高リン酸化GAAを得るために、当該GAA含有発現ベクターを、G71CHO細胞の中にトランスフェクトした。 G71を、線状化発現プラスミドでトランスフェクトし、そして組換え型を200μg/mLのG418において選択した。形質転換体のサブクローニングの第1回の後、蛍光基質である4MU−アルファ−グルコシドであって当該細胞により製造される酵素を使用して、4つのGAA陽性細胞系を選択した(Reuser,et al.,Am J Hum Genet.1978 30:132−43,1978)。この基質は、加水分解後、4−メチルウンベリフェロン(4MU)を産生し、それは、UV−ライト(約366nm)で照射されるとき特徴的な青色蛍光体により検出され得る。これらの陽性G71クローンを、CIN4、5、6、及び11と指定した。細胞特異的生産性は、1.8〜4.6(pg/産生物の細胞)の範囲内である。当該4つCIN細胞系を、マイクロキャリアを有するスピナー中において、酵素産生物について分析した。 比較として、GAAを過剰発現するジヒドロ葉酸還元酵素欠損CHO細胞、DUBX11を類似の手段により製造した。最も高産生のDUBXB11クローン、3.1.36を、さらなる試験のために選択した。実施例IIIGAA発現G71細胞の培養 当該G71形質転換体からの酵素産生を測定するために、4MU分析による上記測定のように、最も大量の酵素活性を示す当該細胞系を細胞培養における酵素産生について、さらに評価した。 G71を形質転換された細胞系を、2mMのグルタミン、及び5%のウシ胎仔血清で補足されるJRH Excell302培地中で培養した。細胞をCytoporeマイクロキャリア(Pharmacia/Amersham)上に蒔き、そして200mLのスピナーフラスコ内で培養した。BSAがELISAにより検出されなくなるまで、1週間に渡り希釈することにより、血清を除去した。当該4つのCIN系を、GAA産生について分析した。CIN11の力価は、約4mg/L/日で、最も産生するものとなった。DUBX11 3.1.36の力価は、約1mg/L/日だった。 このスクリーニングからの最も良い候補である、CIN11(G71GAA2として知られる)を、前臨床材料の製造のためのバイオリアクターにスケ−ルアップした。実施例IVアルファ−グルコシダーゼの精製 大量の組換えGAAを得るために、形質転換されたG71細胞を、バイオリアクターの培養条件下で成長させ、酵素を当該細胞培地から精製した。 ろ過された細胞収穫培地を、5.5に調整されたpHで、及び4.5に調整されたpHで保存し、及び4℃で4日間保存した。次いで、材料を、沈殿物を除去するために、再ろ過した。このステップついての収率は、>90%であった。次いで、ろ過液をブルー−セファロース(Pharmacia/Amersham)上にロードし、20mMのアセテート/ホスフェイト、50mMのNaCl、pH4.5で洗浄し、そして、20mMのアセテート/ホスフェイト、50mMのNaCl、pH5.9で溶出した。このステップについての収率は、>70%であった。次いで、ろ過液をQ−セファロース(Pharmacia/Amersham)上にロードし、10mMのヒスチジン、pH6.0、70mMのNaClで洗浄し、そして、10mMのヒスチジン、pH6.0、165mMのNaClで溶出した。このステップについての収率は、>50%であった。ろ過液は塩であり、そしてpHを、1.3MのNaCl及び5.0に調整し、それぞれ、フェニル−セファロース(Pharmacia/Amersham)上にロードし、1.3M〜0.5MのNaClで濃度勾配溶出した。当該rhGAAの最終的な純度は、クマシー染色、銀染色、及びウエスタン ブロットにより評価した通り、98%超だった(図4)。 これらの分析は、組換えリソソーム酵素を製造する上記手順が、大量の高度に精製された酵素の製造のための効果的な方法を提供することを示す。実施例V組換えGAAの分析 当該G71細胞系は、平均的な哺乳類細胞系において知られるより高い値の高マンノースリン酸化反応を有する蛋白質、及び低レベルの非リン酸化高−マンノースオリゴ糖を産生する。本明細書に記載されるような、低レベルの非リン酸化高−マンノースオリゴ糖を含む分子は、米国特許番号第6,537,785号(Canfield et al.)において入手される分子と比較され、そしてそれは、複合体オリゴ糖を含まず、及び高マンノースオリゴ糖のみを示す。 非リン酸化高−マンノースの値を決定するために、いわゆる当業者は、販売されたオリゴ糖のエキソグリコシダーゼ配列(“FACE配列”)を使用し得、非リン酸化高−マンノースオリゴ糖鎖のパーセンテージを特定する。通常のロット販売のFACE探査ゲル上で、非リン酸化高マンノースは、特定の複合体オリゴ糖(例えば、オリゴマンノース 6、及び完全にシアル化された2分岐の複合体)と、共に移動する。次いで、非リン酸化高マンノースは、酵素的シークエンスにより他のオリゴ糖と区別される。 当該精製された組換え蛋白質が、増大されたリン酸化を示すのかどうか特定するために、当該蛋白質に関するマンノース−6−ホスフェイトの値を測定し、並びに、当該マンノース6−リン酸受容体への酵素の結合も測定した。 精製された、当該2つの形質転換された細胞系由来の組換え酵素である、G71CIN11及びDUBX11を、蛍光ラベル糖鎖電気泳動分析システム(FACE)により、及びMPR−セファロース樹脂に関するクロマトグラフィーにより分析した。当該FACEシステムは、糖蛋白質から放出されたオリゴ糖の配列を、分離、定量化、及び測定するためにポリアクリルアミドゲル電気泳動を使用する。FACE上のオリゴマンノース 7 ビス−ホスフェイト(O7P)のバンド(Hague,et al.,Electrophoresis 19(15):2612−20(1998))、及びMPRカラムに保持される当該パーセント活性(Cacia,et al.,Biochemistry 37(43):151154−61(1998))の相対強度は、蛋白質1モルあたりのリン酸化値の信頼性のある測定値を与える。G71系及びDUXB11系から産生された材料のFACE比較は、G71 GAA オリゴ糖の総量の約19.6%が07Pであり、一方、DUBX11 GAAのわずか6.7%がO7Pであることを示す(図5)。この分析は、マンノース 6 ホスフェイト受容体カラムでの総結合活性の約75%が、G71 GAAに起因すると考えられることも示した(図5)。MPRカラムにより分析された酵素の相対保持率は、GAAの約75%が当該受容体に結合し、一方、対照蛋白質の結合はごくわずかであることもまた示した(図6)。 これらの結果は、他のCHO細胞系よりもG71細胞により産生された酵素における方がマンノース 6−ホスフェイトの値において約3倍高かったことを示す。このように、リソソーム酵素でトランスフェクトされたG71細胞は、高リン酸化酵素を効率的に産生し、これらの酵素における高マンノース残基の低減した値を導き、そしてそれは、細胞上のMPRによる増大された取り込みを導き得る。実施例VIポーンプ線維芽細胞へのrhGAAの取り込み 当該精製されたGAA蛋白質が細胞上の当該MPRへ効率的に結合するかどうか測定するために、リソソームに障害のあるポーンプ病の患者から入手した細胞を、組換え高リン酸化GAAを結合するためのそれらの能力について、評価した。 GM244、ポーンプ患者の線維芽細胞を蒔き、そして12−穴プレートにおいて集密(コンフルエンス)まで成長させた。当該試験の日において、細胞に、4mMのグルコースを含み、及びG71 rhGAA又はDUXB11 rhGAAのいずれかの濃度を変化させる新鮮な培地を与えた。細胞を、4時間培養し、PBSで洗浄し、そして凍結融解により溶解した。次いで、4MU−アルファ−グルコシドを使用して、刊行された方法を使用して、GAA酵素活性を測定した。当該4MU−アルファ−グルコシド分析は、DUXB11 GAAについての酵素取り込み(K取り込み)が2.95nMであり、G71 GAAについての当該K取り込みが1.31nMであることを示した(DXB11 GAAの効率は約2.25倍以上である)(図7)。 この結果は、G71由来のアルファ−グルコシダーゼに関するリン酸化高−マンノース オリゴ糖が、他の適切にリン酸化されたリソソーム酵素に見られるのと似たような親和力で、当該MPRに結合することを示す(Sando et al.,Cell.12:619−27,1977)。当該MPRに対するこの親和力は、DUXB 11において産生されたアルファ−グルコシダーゼに対するものを上回った。実施例VII蓄積したグリコーゲンの浄化と併用する酵素欠損患者の線維芽細胞への特異的取り込みの測定 酵素補充療法に有用な酵素は、当該欠損酵素と同じような生体内での活性を示し得るべきであり、それ故、当該障害の症状を緩和する。リソソーム蓄積症において効果的であるようなrhGAAの能力を評価するため、細胞内に蓄積したグリコーゲンを浄化する当該酵素の能力を測定することがまず第1に必要である。 グリコーゲン蓄積症の症状を示す患者からの線維芽細胞を蒔き、そして12−穴プレートにおいて集密(コンフルエンス)まで成長させた。当該試験の日において、細胞に、4mMのグルコースを含む新鮮な培地を与えた。細胞を、10mMのマンノース 6−ホスフェイトの存在下又は非存在下においてGAAでも補足する。細胞を4日間の各日で収穫する。PBSでリンスした後、細胞を凍結融解により溶解する。蓄積されたグルコーゲンを、当該溶解物を沸かし、80%エタノールで沈降させ、Aspergillis niger グルコシダーゼで消化し、及びグルコース分析することにより評価する(Van Hove,et al.,Proc Natl Acad Sci U.S.A.93:65−70,1996)。蓄積されたグリコーゲン値を、当該細胞の溶解物の蛋白質含有量に対して正常化する。 G71 GAAを受け入れる細胞が、他の組換え方法により産生された酵素又は対照蛋白質で処理される細胞より効率的に蓄積されたグリコーゲンを浄化することが期待される。健常者由来の細胞に相当するレベルで、グリコーゲンを浄化するようなG71 GAA処理細胞の能力は、当該G71産生リソソーム酵素がポーンプ病の症状を緩和することにおいて、天然GAA酵素と同程度の有効性であることを示す。実施例VIIIポーンプ病の患者の治療 酵素補充療法は、リソソーム蓄積症の治療方法の主要な方法の内の1つである。しかしながら、この方法の困難さは、患者の細胞により取り込まれ、欠損酵素の代用として効果的に作用する酵素を投与することである。組換えGAAは、他の組換え技術により製造されたGAAより高い親和力で当該MPRと結合し、そしてリソソーム蓄積症の症状を示す患者由来の細胞により効果的に取り込まれる。これらの特徴は、G71 GAAを、リソソーム蓄積症の治療のための有望な候補物にさせる。 GAAを含む複合物質からなる医薬組成物は、静脈内投与される。当該流動物の最終剤形は、GAA、生理食塩水、pH5.8のリン酸緩衝液、及び1mg/mlのヒト アルブミンを含む。これらは、生理食塩水の袋中に用意される。 好ましい組成物は、0.05〜0.5mg/mL又は12,500〜50,000ユニット/mLの範囲の量のGAA;150mMの塩化ナトリウム溶液;pH5.8、10〜50mMのリン酸ナトリウム溶液;1mg/mLのヒト アルブミンを含む。当該組成物は、50〜250mlの静脈注射用(点滴用)袋中に存在し得る。 例えば、白血球及び線維芽細胞において健常者の1%未満のアルファ−グルコシダーゼ値を有するポーンプ病の患者における、リソソーム酵素欠損症の臨床表現型を顕在している人間の被験者は、組換え酵素での酵素補充療法を企図される。全てのこれらの患者は、さまざまな程度の機能障害を伴うグリコーゲンの筋肉内蓄積の臨床上の証拠のいくつかを顕著に示す。有効性は、心臓の、肺の、及び運動の機能における強化を測定することにより特定される。肝臓の大きさの評価法もまた、これはポーンプ病における良好なERTを評価するための最も広く受容される手段であるように、実施される(Hoogerbrugge,et al.,Lancet 345:1398(1995))。 本発明の方法を使用して治療され又は阻害され得る当該疾患は、ムコ多糖症I(MPS I)、MPS II、MPS IIIA、MPS IIIB、異染性白質萎縮症(MLD)、クラッベ病、ポーンプ病、セロイド脂褐素症、テイ−サック病、ニーマン−ピック病A及びB、及び他のリソソーム蓄積症である。各疾患についての当該複合物質は、特定の化合物又は酵素を含むだろう。MPS Iを含む方法について、当該好ましい化合物又は酵素は、α−L−イズロニダーゼである。MPS IIを含む方法について、当該好ましい化合物又は酵素は、イズロネート−2−スルファターゼである。MPS IIIAを含む方法について、当該好ましい化合物又は酵素は、ヘパラン−N−スルファターゼである。MPS IIIBを含む方法について、当該好ましい化合物又は酵素は、α−N−アセチルグルコサミニダーゼである。異染性白質萎縮症(MLD)を含む方法について、当該好ましい化合物又は酵素は、アリールスルファターゼ Aである。クラッベ病を含む方法について、当該好ましい化合物又は酵素は、ガラクトシルセラミダーゼである。ポーンプ病を含む方法について、当該好ましい化合物又は酵素は、α−グルコシダーゼである。CLNを含む方法について、当該好ましい化合物又は酵素は、トリペプチジル ペプチダーゼである。テイ−サック病を含む方法について、当該好ましい化合物又は酵素は、ヘキソサミニダーゼ アルファである。ニーマン−ピック病A及びBを含む方法について、当該好ましい化合物又は酵素は、スフィンゴミエリナーゼである。 当該明細書中の一部に引用する、各刊行物、特許出願、特許、及び他の引用文献を、本願開示内容と矛盾しない程度に、その内容全てを本願明細書中に援用する。 本明細書に記載の発明及び実施例に基づいて、いわゆる当業者は、本発明の他の実施例を開発し得るだろう。実施例は、多少なりとも以下の通りの特許請求の範囲を限定することを意図しない。当該前述の発明は、理解を明瞭とするための例証及び実施例の目的である程度詳細に記載されるけれども、ある変化及び改良を当該添付の請求の精神又は範囲から逸脱せずにそこに実施し得ることは、本発明の教示に照らして、当業者にとって容易に理解し得る。図1は、高ストリンジェンシーPCRにより、ヒト肝臓mRNA由来のヒト酸性αグルコシダーゼ(GAA)を増幅するために使用されるプライマー対を示す(配列番号:3及び4)。図2は、CINベクターを示す。図3は、当該CINベクターに挿入されるαグルコシダーゼのヌクレオチド、及びアミノ酸配列を示す(配列番号:1及び2)。図4は、高リン酸化rhGAAを精製する方法を示す。図5は、G715(G71)及び3.1.36(DUXB11)細胞から発現されるGAAのFACE分析を示す。図6は、マンノース6−リン酸受容体カラムへのG71産生GAAの結合を示す。図7は、GM244ポーンプ線維芽細胞の中へのG71 rhGAA、及びDUX rhGAAの吸収を比較する。 END3相補群CHO細胞において産生される、高レベルのリン酸化、及び低レベルの非リン酸化高マンノース型オリゴ糖を有する、ヒト組換えリソソーム酵素又はその変異体、あるいは当該酵素又は変異体の誘導体。 前記酵素が、酸性αグルコシダーゼ、アスパルチルグルコサミニダーゼ、酸性リパーゼ、システイン輸送体、Lamp−2、α−ガラクトシダーゼA、酸性セラミダーゼ、α−L−フコシダーゼ、β−ヘキソサミニダーゼA、GM2−活性因子 欠損、α−D−マンノシダーゼ、β−D−マンノシダーゼ、アリールスルファターゼA、サポシンB、ノイラミニダーゼ、α−N−アセチルグルコサミニダーゼ、ホスホトランスフェラーゼ、ホスホトランスフェラーゼ γ−サブユニット、L−イズロニダーゼ、イズロネート−2−スルファターゼ、ヘパラン−N−スルファターゼ、α−N−アセチルグルコサミニダーゼ、アセチルCoA:N−アセチルトランスフェラーゼ、N−アセチルグルコサミン 6−スルファターゼ、ガラクトース 6−スルファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、N−アセチルガラクトサミン 4−スルファターゼ、ヒアルロノグルコサミニダーゼ、多発性スルファターゼ、パルミトイル蛋白質チオエステラーゼ、トリペプチジル ペプチダーゼI、酸性スフィンゴミエリナーゼ、コレステロール輸送、カテプシンK、α−ガラクトシダーゼB、及びシアル酸輸送体からなる群より選択される、請求項1に記載の酵素。 END3相補群CHO細胞において産生される、高レベルのリン酸化、及び低レベルの非リン酸化高マンノース型オリゴ糖を有する、ヒト組換え酸性αグルコシダーゼ(rhGAA)又はその変異体、あるいは当該酵素又は変異体の誘導体。 前記END3相補群CHO細胞が、G71細胞系又はその誘導体である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の酵素。 高リン酸化ヒト組換えリソソーム酵素群又はそれらの変異体の製造方法であって、以下のステップ:(a)チャイニーズ ハムスター 卵巣(CHO)由来のEND3相補群細胞を培養する;(b)前記END3相補群細胞に好適な哺乳類発現ベクターを製造する;(c)前記発現ベクターで前記END3相補群細胞をトランスフェクションする;(d)END3相補群の形質転換体の選択、及びクローニング;及び(e)生産のための細胞培養プロセス法の最適化、を含む前記方法。 前記酵素が、低レベルの非リン酸化高マンノース型オリゴ糖を有する、請求項5に記載の方法。 請求項5に記載の方法により製造される、リソソーム酵素、その変異体又は誘導体。 請求項7に記載のリソソーム酵素、変異体又は誘導体、及び医薬として許容される担体、希釈剤又は賦形剤、を含む組成物。 前記END3相補群CHO細胞が、G71細胞系又はその誘導体である、請求項5又は6に記載の方法。 高リン酸化ヒト組換え酸性αグルコシダーゼ(hrGAA)又はその変異体の製造方法であって、以下のステップ:(a)チャイニーズ ハムスター 卵巣(CHO)由来のEND3相補群細胞を培養する;(b)前記END3相補群細胞に好適な哺乳類発現ベクターを製造する;(c)前記発現ベクターで前記END3相補群細胞をトランスフェクションする;(d)END3相補群の形質転換体の選択、及びクローニング;及び(e)生産のための細胞培養プロセス法の最適化、を含む前記方法。 前記hrGAAが、低レベルの非リン酸化高マンノース型オリゴ糖を有する、請求項10に記載の方法。 請求項10に記載の方法により製造される、高リン酸化組換え酸性αグルコシダーゼ(hrGAA)、その変異体又は誘導体。 請求項12に記載の組換え酸性αグルコシダーゼ(hrGAA)、その変異体又は誘導体、及び医薬として許容される担体、希釈剤又は賦形剤、を含む組成物。 前記END3相補群CHO細胞が、G71細胞系又はその誘導体である、請求項10又は11に記載の方法。 治療有効量の前記リソソーム酵素を、当該リソソーム酵素を必要とする患者に投与することを含むリソソーム酵素欠損症の治療方法であって、ここで前記リソソーム酵素が、CHO由来のEND3相補群細胞系により製造される、ヒト組換えリソソーム酵素又はその変異体、あるいは前記酵素又は変異体の誘導体である、前記治療方法。 前記リソソーム酵素欠損症が、アスパルチルグルコサミン尿症、コレステロール エステル蓄積症、ウォルマン病、シスチン病、ダノン病、ファブリー病、ファーバー脂肪肉芽腫症、ファーバー病、フコース蓄積症、ガラクトシアリドーシスI/II型、ゴーシェ病I/II/III型、ゴーシェ病、球様細胞白質萎縮症、クラッベ病、糖原病II、ポーンプ病、GM1−ガングリオシドーシスI/II/III型、GM−2ガングリオシドーシスI型、テイサック病、GM2−ガングリオシドーシスII型、サンドホフ病、GM2−ガングリオシドーシス、α−マンノシドーシスI/II型、β−マンノシドーシス、異染性白質萎縮症、ムコリピドーシスI型、シアリドーシスI/II型、ムコリピドーシスII/III型 I−細胞病、ムコリピドーシスIIIC型 偽性ハーラーポリジストロフィー、ムコ多糖症I型、ムコ多糖症II型、ハンター症候群、ムコ多糖症IIIA型、サンフィリポ症候群、ムコ多糖症IIIB型、ムコ多糖症IIIC型、ムコ多糖症IIID型、ムコ多糖症IVA型、モルキオ症候群、ムコ多糖症IVB型のモルキオ症候群、ムコ多糖症VI型、ムコ多糖症VII型、スライ症候群、ムコ多糖症IX型、多発性スルファターゼ欠損症、神経セロイドリポフスチノーシス、CLN1 バッテン病、ニーマン−ピック病A/B型、ニーマン−ピック病、ニーマン−ピック病C1型、ニーマン−ピック病C2型、ピクノディスオストーシス、シンドラー病I/II型、シンドラー病、及びシアル酸蓄積病からなる群より選択される、請求項15に記載の方法。 前記END3相補群CHO細胞が、G71細胞系又はその誘導体である、請求項15又は16に記載の方法。 本発明は、高リン酸化リソソーム酵素の組成物、それらの医薬組成物、そのような化合物及び組成物の製造、及び精製方法、並びに特にリソソーム蓄積症を含む、疾患、及び症状の診断、予防又は治療におけるそれらの使用を提供する。 配列表


ページのトップへ戻る

生命科学データベース横断検索へ戻る