タイトル: | 公表特許公報(A)_ジヒドロテストステロンの上昇に関連した病状を治療するための方法および製剤 |
出願番号: | 2006541285 |
年次: | 2007 |
IPC分類: | A61K 47/24,A61K 47/14,A61K 47/34,A61K 47/22,A61K 9/19,A61K 9/14,A61K 47/36,A61K 47/02,A61K 47/44,A61K 9/20,A61K 9/48,A61K 31/575,A61P 43/00,A61P 13/08,A61P 35/00,A61P 17/14,A61P 17/10,A61K 9/66,A23L 1/30 |
スピルバーグ,カーティス JP 2007512334 公表特許公報(A) 20070517 2006541285 20041115 ジヒドロテストステロンの上昇に関連した病状を治療するための方法および製剤 ゾマネックス,エルエルシー 506170694 大野 聖二 230104019 森田 耕司 100106840 田中 玲子 100105991 北野 健 100114465 スピルバーグ,カーティス US 60/523,613 20031120 US 10/989,173 20041115 A61K 47/24 20060101AFI20070413BHJP A61K 47/14 20060101ALI20070413BHJP A61K 47/34 20060101ALI20070413BHJP A61K 47/22 20060101ALI20070413BHJP A61K 9/19 20060101ALI20070413BHJP A61K 9/14 20060101ALI20070413BHJP A61K 47/36 20060101ALI20070413BHJP A61K 47/02 20060101ALI20070413BHJP A61K 47/44 20060101ALI20070413BHJP A61K 9/20 20060101ALI20070413BHJP A61K 9/48 20060101ALI20070413BHJP A61K 31/575 20060101ALI20070413BHJP A61P 43/00 20060101ALI20070413BHJP A61P 13/08 20060101ALI20070413BHJP A61P 35/00 20060101ALI20070413BHJP A61P 17/14 20060101ALI20070413BHJP A61P 17/10 20060101ALI20070413BHJP A61K 9/66 20060101ALI20070413BHJP A23L 1/30 20060101ALI20070413BHJP JPA61K47/24A61K47/14A61K47/34A61K47/22A61K9/19A61K9/14A61K47/36A61K47/02A61K47/44A61K9/20A61K9/48A61K31/575A61P43/00 123A61P13/08A61P35/00A61P17/14A61P17/10A61K9/66A23L1/30 B AP(BW,GH,GM,KE,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HU,IE,IS,IT,LU,MC,NL,PL,PT,RO,SE,SI,SK,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX,MZ,NA,NI,NO,NZ,OM,PG,PH,PL,PT,RO,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SY,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,YU,ZA,ZM,ZW US2004038010 20041115 WO2005051290 20050609 14 20060719 4B018 4C076 4C086 4B018LE01 4B018LE02 4B018MD08 4B018MD14 4B018MD26 4B018MD46 4B018ME04 4C076AA30 4C076AA36 4C076AA54 4C076AA55 4C076BB01 4C076CC17 4C076CC18 4C076CC27 4C076CC42 4C076DD08F 4C076DD09F 4C076DD27 4C076DD29 4C076DD46F 4C076DD59Q 4C076DD63F 4C076EE38 4C076EE53 4C076FF36 4C076FF43 4C076GG06 4C076GG09 4C086AA01 4C086AA02 4C086DA11 4C086MA02 4C086MA03 4C086MA05 4C086MA09 4C086MA35 4C086MA37 4C086MA43 4C086MA44 4C086NA11 4C086NA12 4C086NA15 4C086ZA81 4C086ZA89 4C086ZA92 4C086ZB26(相互参照) 本願は、2003年11月20日に出願された米国仮出願第60/523,613号に基づく優先権の利益を主張し、この出願は参照によりその全文が本明細書に組み込まれる。 本発明は、概して、ジヒドロテストステロンの上昇と関連している症状、例えば、良性前立腺肥大症(BPH)を治療および改善する方法における、ダイズステロールおよびダイズレシチンのような天然物の使用に関する。 良性前立腺肥大症(BPH)とは、前立腺の拡大を指し、60歳代の高齢者の50%に起こり、その発生率は年齢とともに高まり、85歳で90%となる[ベリー(Berry),SJ、コフィー(Coffery),DS、ウォルシュ(Walsh),PCら、ザ・ディヴェロップメント・オブ・ヒューマン・ビナイン・プロスタチック・ハイパープラジア・ウィズ・エージ(The development of humna benign prostatic hyperplasia with age) ジャーナル・オブ・ウロロジー(Journal of Urology)、132、474〜479頁、1984]。このよく起こる加齢に関連した状態が、排尿障害、頻発、夜尿症、不完全な排尿感などを特徴とする、閉塞性および刺激性双方の下部尿路症状を引き起こす。このような高い発生率のために、BPHは、年配者については相当な罹病率および医療費の原因となっており、現在年に380,000人よりもさらに多くの入院を発生させると予想されている。実際、BPHの外科治療は、メディケア人口において2番目に最も多く見られる処置であり、アメリカ人男性の25%が80歳までに治療を受ける[バリー(Barry),MJ、フォウラー(Fowler),FJ、オリーリ(O'Leary),MPら、良性前立腺肥大症の米国泌尿器科学会症状指数 (The American Urological Association sympton index for benign prostatic hyperplasia)。ジャーナル・オブ・ウロロジー(Journal of Urology)148、1549〜1557頁、1992]。 前立腺肥大症の原因は立証されていないが、動物およびヒトの研究から得られた証拠の蓄積によって、BPHの進行は細胞増殖と細胞死の不均衡によって媒介されると示唆されている。この疾病の発症とその後の経過を説明するために、前立腺内の増殖過程が増強され、一方で、アポトーシス過程が阻害され、細胞数の増加およびその後の腺の肥大を引き起こすという仮説が立てられている。正常な前立腺の発達および成長には性ホルモンが重要な役割を果たすので、BPHの進行におけるその役割には注意深い調査が行われている。 前立腺の健康およびホメオスタシスを維持するには、アンドロゲンテストステロンとその還元型、ジヒドロテストステロン(DHT)が極めて重要である。精巣のライディッヒ細胞が、テストステロンの95%より多くを合成し、約22nmol/Lという平均成人男性血漿濃度をもたらす。遊離テストステロンは前立腺細胞中に拡散し、そこでNADPH依存性酵素5α−レダクターゼによって不可逆的にDHTに変換される。このレダクターゼには2つのアイソザイムがあり、一方は染色体5に位置し(I型)、もう一方は染色体2に位置している(II型)が、ヒトでは、前立腺II型酵素が優勢型であると考えられている[ラッセル(Russell,DW、ウィルソン(Wilson),JD、ステロイド5α−レダクターゼ:2つの遺伝子/2つの酵素(Steroid 5α-reductase : two genes/two enzymes)。アニュアル・レビュー・オブ・バイオケミストリー(Annual Reviews of Biochemistry)63、25〜61頁、1994]。II型5α−レダクターゼの酵素活性の結果として、前立腺ではDHTの濃度はテストステロンのものよりも約5倍高く、血清ではDHT濃度は、テストステロンのものよりも約5〜10倍低い。 生理学的プロセスを媒介する性ホルモンは双方とも容易に利用できるが、実際、証拠により、DHTは胎児前立腺の分化および男性生殖器の発達のための有望な物質であるということが強く示唆されている。さらに、証拠によって、この同じアンドロゲンがまた、BPHの進行における主たる原因物質であるということが示されている。例えば、BPH症状の発生は、全および遊離テストステロンの双方の循環レベルが低下する人生における10年と同時におこる。対照的に、この同じ年齢層にわたって、DHT濃度は目に見えては低下せず、このことはテストステロンではなくDHTが肥厚性物質であるということを示唆する。 多くの生化学実験により、DHTによって選択的に媒介される種々の細胞事象を理解するための分子フレームワークが提供されている。DHTは、核受容体スーパーファミリーのメンバーであるアンドロゲン受容体と、テストステロンに対してよりも大きな結合親和性で相互作用する[グリフィス(Griffiths),K.、モートン(Morton),MSおよびニコルソン(Nicholson),RI:アンドロゲン、アンドロゲン受容体、抗アンドロゲンおよび前立腺癌の治療(Androgens, androgen receptors, antiandrogens and the treatment of prostate cancer.)。ヨーロピアン・ウロロジー(European Urology)32(付録3)24〜40頁、1997]。この優先的結合親和性に基づいて、DHTは、前立腺において見られるアンドロゲンベースの生理学的事象のほとんどに関与していると思われる。DHTが核膜上に局在するアンドロゲン受容体と結合すると、受容体は、DNAと結合することが可能になる立体構造変化を受け、これによって、次いで、いくつかの増殖因子、調節タンパク質およびその他のシグナル伝達因子に特異的なmRNAが産生される[マルセリ(Marcelli) M.、およびカニンガム(Cunningham) GR、前立腺肥大および異常増殖におけるホルモンシグナル伝達(Hormonal signaling in prostatic hyperplasia and neoplasia.)。ジャーナル・オブ・クリニカル・エンドクリノロジー (Journal of Clinical Endocrinology)126、1165〜1172頁、1999、カービー(Kirby),R、マコーネル(McConnell),JD、フィッツパトリック(Fitzpatrick),Jら(編)、テキストブック・オブ・ビナイン・プロスタチック・ハイパープラジア(Textbook of Benign Prostatic Hyperplasia)、オックスフォード大学、アイシス・メディカル・メディア社(Isis Medical Media Ltd.)、1996中の、グリフィス,K、前立腺増殖の分子制御(Molecular control of prostate growth)、23〜26頁]。前立腺肥大の可能性を提供するこれらのDHT誘導性タンパク質間には複雑な相互作用がある。例えば、DHTは、上皮成長因子およびケラチノサイト増殖因子の発現を制御することによって細胞増殖を増強するだけでなく、トランスフォーミング増殖因子、アポトーシスを調節するとわかっているタンパク質の活性も調節する[グリフィス(Griffiths)、前記参照;キム(Kim),IY、ゼルナー(Zelner),DJ、センシバー(Sensibar),JAら、ジヒドロテストステロンによるLNCaP細胞におけるトランスフォーミング増殖因子-β1に対する感受性およびII型 TGF−β受容体レベルの調節(Modulation of sensitivity to transforming growth factor-beta 1 and the level of type II TGF-β receptor in LNCaP cells by dihydrotestosterone.)。エクスペリメンタル・セル・リサーチ(Experimental Cell Research)222、103〜110頁、1996]。 BPHの医学的管理としては、外科的療法、例えば、経尿道前立腺切除(TURP)、開放前立腺摘除術および経尿道ニードルアブレーションおよび生化学的経路を対象とする非侵襲性薬理学的アプローチが挙げられる。外科的処置はBPHの極端なケースを治療するために用いられるが、その使用は、8年後20%という再治療率を伴い、合併症の全発生率は16%である。BPHの生化学的機序の理解における最近の進歩のため、薬剤アプローチにより、BPH治療のための魅力的治療が提供されている。 DHTは、BPHの進行において重要な役割を果たし得るという認識をもって、テストステロンのその還元誘導体への変換を阻害し得る化合物が合成された。4−アザステロイド誘導体は、325nMというKIでI型ヒトレダクターゼを、12nMというKIでII型酵素を阻害することがわかり、米国ではBPHの治療用に、フィナステリドと名付けられた化合物が認可された[リョウ(Liang),T.、ハイス(Heiss),C.、チャン(Cheung),A.ら、アンドロゲン受容体には親和性を持たない4−アザステロド性5α−レダクターゼ阻害剤(4-Azasteroidal 5α-reductase inhibitors without affinity for the androgen receptor)。ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(Journal of Biological Chemistry)259、734〜739頁、1984]。フィナステリドは、前立腺を20〜30パーセント収縮させることによって尿流率を改善し、長期間使用することで、この薬物はBPHに対する外科的介入の必要性を約10パーセント〜5パーセント低減させる[マコーネル(McConnell),J、ブルスケウィッツ(Bruskewitz),R.ら、良性前立腺肥大症を患う男性の間での、急性尿閉の危険および外科的治療の必要性に対するフィナステリドの効果(The effect of finasteride on the risk of acute urinary retention and the need for surgical treatment among men with benign prostatic hyperplasia.)ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(New England Journal of Medicine)338、557〜563頁、1998]。さらに、フィナステリドは最近、前立腺癌に対する化学予防を提供することがわかった。したがって、18,000人の男性が参加した7年試験では、癌の累積発生率がプラセボ群の24.4パーセントから、1日あたり5mgのフィナステリドを投与した群の18.4パーセントに低減した[トンプソン(Thompson),I.、グッドマン(Goodman),P.ら、前立腺癌の進行に対するフィナステリドの影響(The influence of finasteride on the development of prostate cancer.)。ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン349、215〜224頁、2003]。 前立腺障害を治療するためには、その他の代替療法も用いられており、種々の食事補給戦略、例えば、セレニウムおよびα−トコフェロール/β−カロチンの有効性を調べるためのいくつかの臨床試験も設計されている[レベル(Revel),C、良性前立腺肥大症(BPH)の治療および前立腺癌の予防のための方法および組成物(Method and composition for the treatment of benign prostate hypertophy (BPH) and prevention of prostate cancer)、米国特許第6,399,115号、2002年6月4日;ヘイノネン(Heinonen),O.、アルバネーゼ(Albanes),D.ら、前立腺癌およびα−トコフォロールおよびβ−カロチンの補給:対照臨床試験における発生率および死亡率(Prostate cancer and supplementation with α-tocophorol and β-carotene:incidence and mortality in a controlled trial)。ジャーナル・オブ・ナショナル・キャンサー・インスティチュート(Journal of National Cancer Institute)90、440〜446頁、1998;クラーク(Clark),L.、ダルキン(Dalkin),B.ら、セレニウム補給での前立腺癌の発生率の低減:二重盲検癌予防試験の結果(Decreased incidence of prostate cancer with selenium supplementation : results of a double-blind cancer prevention trial)。ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・ウロロジー(British Journal of Urology)81、730〜734、1998]。最も一般的に投薬される植物治療薬にはβ−シトステロール、ヒポクシス・ローペリ(Hypoxis rooperi)の抽出物中に認められ、欧州でハルゾル(Harzol)またはアズプロスタット(Azuprostat)として販売されているフィトステロールが含まれている。フィトステロールの作用についての生化学的機序は未だわかっておらず、調製物毎に組成の違いがあり得るので、これらの製品を用いた臨床結果について注意深い分析を実施することが困難であった[ファゲルマン(Fagelman),E&ロー(Lowe),FC、良性前立腺肥大症(BPH)の治療における漢方薬(Herbal medications in the treatment of benign prostatic hyperplasia(BPH).)。ウロロジック・クリニックス・オブ・ノース・アメリカ(Urologic Clinics of North America)29、23〜29頁、2002]。したがって、β−シトステロールに対しては、BPHに関する症状の治療および改善のための薬剤として先入観がある。 この先入観は、フィナステリドの効力を、いくつかの、β−シトステロールを推定活性物質として含む栄養補助食品のものと比較した2つの臨床試験で確認された。両研究によって、同じ条件下で、フィナステリドによって循環血清DHTの65%の低減が実現され、β−シトステロールを含む製品からは何の効果もなかったということが示された[フォデス(Phodes),L.、プリムカ(Primka),RL.、バーマン(Berman),C.ら、「in vitroおよびin vivo5αレダクターゼ阻害における、フィナステリド(プロスカー)、5−αレダクターゼ阻害剤、および種々の市販の植物抽出物の比較(Comparison of finasteride(Proscar), a 5-alpha reductase inhibitor, and various commercial plant extracts in vitro and in vivo 5 alpha reductase inhibition.)。プロステート(Prostate)22、43〜51頁(1993);ストラーチ(Strauch),G.、パーレズ(Perles),P.、ベルグルト(Vergult),G.ら、「健常な男性ボランティアにおける5−αレダクターゼの阻害におけるフィナステリド(プロスカー)とセレノア・レペン(Serenoa repens)(ペルミクソン(Permixon))の比較(Comparison of finasteride (Proscar) and Serenoa repens (permixon)in the inhibition of 5-alpha reductase in healthy male volunteers)、ヨーロピアン・ウロロジー(Europian Urology)26、247〜252頁(1994)」]。 植物由来ステロール(シトステロール、カンペステロール、スチグマステロール、シトスタノール、カンペスタノールなど)は、水および胆汁塩の水性溶液には極めて不溶性であり、これは植物ステロールを治療薬として送達することにとって大きな問題である。この可溶性の問題はコレステロール還元剤としてのその使用において取り組まれてきており、この問題を回避する2つの戦略を考案することに成功している。第1の戦略では、遊離ステロールおよびスタノールを菜種油とともにエステル化し、そのエステル化されていない低誘導体よりもオイル中でかなり大きな可溶性を有するフィトステロールエステル誘導体を製造する。これらのエステルは、高脂肪食品、例えば、マーガリン、マヨネーズおよびサラダドレッシング中で可溶形で送達できる。ひとたび腸に入れば、エステルは膵臓のコレステロールエステラーゼによって加水分解され、次いで、遊離されたステロールまたはスタノールは、小腸細胞による遊離コレステロールの取り込みをブロックし得る[ミエチネン(Miettinen),T.A.、プスカ(Puska),P.、ギリング(Gylling)ら、軽度の高コレステロール血症の集団におけるシトスタノール−エステルマーガリンでの血清コレステロールの低下(Reduction of serum cholesterol with sitostanol-ester margarine in a mildly hypercholesterolemic population.)。ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン333、1308、1995;ウェストストレート(Weststrate),J.A.&メイジャー(Meijer),G.W.、植物ステロールを多く含むマーガリンおよび正常コレステロール値のおよび軽度の高コレステロール血症の被験体における血漿全およびLDLコレステロール濃度の低下(Plant sterol-enriched margarines and reduction of plasma total- and LDL-cholesterol concentrations in normocholesterolemic and mildly hypercholesterolemic subjects.)。ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・クリニカル・ニュートリション(European Journal of Clinical Nutrition)52、334、1998]。第2の戦略では、シトスタノールは、適した乳化剤、例えばレシチンまたはその誘導体との複合体の形成によって水溶性になり、生物が利用可能となる。このオイルを含まない系を用いることによって、植物由来スタノールはコレステロール吸収を36.7%およびLDL−コレステロールを14.3%低減させることがわかった[オストランド(Ostlund),RE、コレステロール吸収を低減させる乳化剤を含むシトスタノール製剤ならびにその製造方法および使用方法(Sitostanol formulation with emulsifier to reduce cholesterol absorption and method for preparing and use of same)米国特許第6,063,776号、2000年、5月16日;スピルバーグ(Spilburg),C.A.、ゴールドバーグ(Goldverg),AC、マッギール(McGill),JBら、ダイズスタノール−レシチンが添加された脂肪を含まない食品によって、コレステロール吸収およびLDL−コレステロールが低減される(Fat-free foods supplemented with soy stanol-lecithin reduce cholesterol absorption and LDL-cholesterol.)。ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ダイエテティック・アソシエーション(Journal of the American Dietetic Association)103、577〜581頁、2003]。 コレステロール吸収が起こる小腸細胞のレベルで効力を増強するよう設計された、これらの2つの製剤戦略はまた、フィトステロール自体の吸収も増強する。これによって、これらの製剤システムが、コレステロール代謝と関連していない、単に小腸細胞表面でだけでなく、それらがアンドロゲン、例えばDHT濃度を変更し得る循環において生化学的に有効な濃度を必要とする状態に対するフィトステロールの治療価値を高め得るという予期しない結果がもたらされる。この構想の予期しない性質は、植物ステロールをコレステロール低下剤として用いることについて記載する、広大かつ詳細な毒物学の文献によって支持されている。例えば、1つの公開された研究では、健常な男性および女性のヒト被験体を研究したが、植物ステロールの循環性ホルモンレベルに対する作用は、女性被験体でしか調べなかった。さらに、テストステロンおよびDHTは男性被験体では測定されず、このことから、フィトステロールは男性のアンドロゲンの代謝に対しては作用がないという先入観が確認される[アイェシュ(Ayesh),R、ウェストレート(Westrate),JA、ドレウィット(Drewitt),PNおよびヘップバーン(Hepburn),PA、フィトステロールエステルの安全評価。パート5。フィトステロールエステルが豊富なマーガリンを含むか含まない栄養制限食を消費する、健常な正常リポ蛋白血性ボランティアにおける糞短鎖脂肪酸および微小植物含量、糞細菌酵素活性および血清女性性ホルモン(Safety evaluation of phytosterol esters. Part 5. Faecal short-chain fatty acid and microflora content, faecal bacterial enzyme activity and serum female sex hormones in healthy normolipidaemic volunteers consuming a controlled diet either with or without a phytosterol estel-enriched margarine.フード・アンド・ケミカル・トキシコロジー(Food and Chemical Toxicology)37、1127〜1138頁(1999)]。 これらの新規製剤システムは、循環において、テストステロン代謝に関与する酵素との相互作用を提供し、それによってテストステロン対ジヒドロテストステロン比を変更するのに十分なレベルの植物ステロールを維持するための新規方法を提供する。水性ステロール/レシチン製剤システムについては、吸収レベルは重水素化合物を用いてすでに測定されており、これによって、システムを選択するための、および最も有効な結果を提供すると予測されるレベルを投与するための、物理化学的フレームワークが提供されているということは重要である[オストランド(Ostlund),RE、マッギール(McGill),JB、ゼン(Zeng),C−Mら、ヒトにおけるダイズΔ5−フィトステロールおよびフィトスタノールの胃腸吸収および血漿中動態(Gastrointestinal absorption and plasma kinetics soy Δ5-phytosterols and phytostanols in human.)。アメリカン・ジャーナル・オブ・エンドクリノロジー・アンド・メタボリズム(American Journal of Endocrinology and metabolism)282、E911〜E916頁(2002)]。例えば、シトステロールおよびカンペステロールなどの植物ステロールの吸収は、その還元誘導体、シトスタノールおよびカンペスタノールのものよりも約10倍より多い。この結果に基づけば、効力に関しては、植物スタノールに関して用いられるものよりも少量の天然植物ステロールしか必要でないということが予測される。 本発明は、現在のおよびこれまでの、循環ジヒドロテストステロン濃度を変更するために植物由来ステロールまたはその脂肪酸エステルを送達する方法を上回る、顕著な改善を提供する。植物ステロールは、ダイズからビタミンE製造の副産物として、またはトールオイルから、ならびにハーブ、豆、種子および草の粗抽出物ではない、むしろ分画した抽出物から入手でき、その純度および組成は、従来の化学法、特にガスクロマトグラフィーによって特性決定できる。食品医薬品局によって、食品、例えば、マーガリンおよびサラダドレッシング中のコレステロール低下剤としてそれらが最近認可されたことならびに米国心臓協会によってヒトコレステロール低下における最初のステップとしてその使用が推奨されることは、その認知された安全性についての証拠を提供するものである。さらに、製剤中のその他の成分、ダイズレシチンは、食品原料として何年もの間使用されており、一般に、すべての食品用にとって安全なものとして見なされている。これらの2種の成分を組合せて、テストステロン対ジヒドロテストステロンの比を変更するための一貫した用量の植物ステロールを送達するための予想可能な方法を提供する。同様に、植物ステロールおよびスタノールのエステルをオイルに溶解した場合に、植物由来ステロールの、もう1つの予想可能な、安全で十分に確立された送達システムを提供する。 本発明は、ジヒドロテストステロンの上昇と関連している状態を治療するための、植物ステロールまたは植物スタノールまたはそれらの脂肪酸エステルと乳化剤とを含む組成物を記載する。本組成物は、食品原料、錠剤またはカプセル剤として使用するために乾燥形で調製できる。あるいは、本組成物はオイルに溶解することもできる。 本発明は、ヒトにおいて、適切に製剤された、穀物、オイルおよび野菜中によく見られる成分を投与することによってジヒドロテストステロンの濃度を低下させる方法を記載する。したがって、植物由来のステロールまたはその脂肪酸エステルとレシチンとが適切に製剤されている場合、その組合せを用いて、ジヒドロテストステロンによって媒介される状態、例えば、良性前立腺肥大症、前立腺癌、にきびおよび男性型禿頭症を有利に治療することができる。 製剤は、2つの方法のいずれかにより調製する。第1の水性法では、フィトステロールまたはその脂肪酸エステルとレシチンとを、2種の成分の完全な溶解を可能にする温度で適当な有機溶媒に溶解する。溶媒を除去した後、得られた固体を微粉砕し、水に添加し、超音波、均質化、マイクロフルイダイザーまたは何らかのその他のよく用いられる方法を用いてスラリーをホモジナイズする。水性分散物を食品原料として用いてもよいし、または凍結乾燥、スプレー乾燥もしくはその他の好都合な方法によって乾燥させてもよい。あるいは、粉末を食品に添加して戻してもよいし、錠剤もしくはカプセル剤に打錠してもよい。第2の油性法では、ステロールまたはスタノールエステルを、脂肪成分の特定の食品(マーガリン、サラダドレッシングなど)に加えるか、オイルに溶解し、他に記載されている方法にしたがってカプセルに組み込む[ウェスター(Wester),I.、パルム(Palmu),T.、ミエテネン(Miettenen),T.およびギリング(Gylling),H.、スタノール組成物およびその使用(Stanol composition and the use thereof.)。WO98/06405、1998年2月19日;ヴァン・アモロンゲン(Van Amorongen),M.、リーヴェンス(Lievense),L.、ヴァン・オーステン(Van Oosten),C.エステル混合物の製造方法(Method of manufacturing an ester mixture.)。WO98/01126、1998年1月15日]。 本組成物は植物由来ステロールの小腸吸収および血中濃度を高め、少なくとも2種の成分(a)腸吸収を改善するための有効量の食品用乳化剤と(b)植物ステロールまたはスタノールまたは脂肪酸エステル部分が食料源オイルに由来する、それらの脂肪酸エステルとを有する。 食品用乳化剤はレシチンなどのリン脂質またはモノグリセリド、ポリソルベート、モノステアリン酸グリセリルまたはステアロイル乳酸ナトリウムなどの食品用乳化剤であり得る。 脂肪酸エステル部分は、菜種油、ヒマワリ種子油、綿実油などの食品用オイル由来であり得る。食品用乳化剤対ステロール、スタノールまたはそれらのエステルの重量比は約0.1〜10、好ましくは約1である。 あるいは、植物ステロールまたはスタノールまたはそれらの脂肪酸エステルは、植物油、例えば、大豆油、カノーラ油、菜種油、ヒマワリ油、ベニバナ油、トウモロコシ油、オリーブオイルなどの中に製剤することができる。 ステロール、スタノールまたはそれらのエステル対植物油の重量比は、スタノール、ステロールまたはそれらの脂肪酸エステルの、植物油における溶解度に制限される。 ビタミンEを安定剤として添加してもよい。植物油性製品は薬剤カプセル剤に封入し、薬剤投与形を提供することができ、または食品に添加することができる。 ステロール、スタノールまたはそれらのエステルと乳化剤とからなる組成物の水分散性固体形は、(a)組成物を有機溶媒に溶解し、(b)高温および真空吸入排出により有機溶媒を除去して固体塊を形成し、(c)固体塊を水に添加して、ホモジナイズし、そして(d)水性分散物を、好ましくはスプレー乾燥によって乾燥することにより形成できる。好ましい溶媒としては酢酸エチル、ヘキサン、ヘプタン、クロロホルム、ジクロロメタン、イソプロパノールがある。一般に、溶媒除去プロセスは、1%未満の溶媒を含む固体生成物をもたらす。 溶媒除去後に形成された固体物質を微粉砕し、ガウリンホモジナイザー、フレンチプレス、超音波処理器またはマイクロフルイダイザーを用いて水中に供す。水性分散物は乾燥することができ、乾燥助剤、例えば、マルトリン(maltrin)、デンプン、二酸化ケイ素またはケイ酸カルシウムを加え、粉末をより流動性にし、製剤に適したものとする。 一般に、本明細書に記載した両製剤法とも、最少2種の成分を含む。第1の方法では、成分は乳化剤、例えばレシチンまたはその誘導体と、植物由来ステロールまたはその脂肪酸エステルとであり、その双方とも有機溶媒に可溶性でなくてはならない。第2の方法では、成分は植物ステロールまたはスタノールのエステルと、エステルが可溶性であるオイルとである。 多数の乳化剤を記載してきたが、この用途は薬剤または食品適用を見越したものであるので、ヒトへの使用として認可されている化合物が最も実用的であると思われる。好ましい乳化剤としては卵黄、ダイズ由来のレシチンまたはその化学修飾誘導体のいずれか、例えばリソレシチンがある。多数の等級および形態が入手できるが、脱脂したレシチンから最も一貫した結果が得られる。代表的な市販の例としては、Ultralec P、Ultralec FおよびUltralec G(アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド(Archer Daniels Midland)、イリノイ州、ジケーター)またはPrecept8160、粉末化酵素修飾レシチン(セントラル・ソーヤ(Central Soya)、インディアナ州、フォートウェーン)がある。 種々のステロールおよびそれらのエステル誘導体をレシチンに添加し、胆汁塩および胆汁リン脂質の存在下での腸におけるその水性分散性を増強することができる。植物由来ステロール、特に、ダイズ由来のものおよびトールオイルが好ましい選択であるが、これはそれらが現在、種々のその他の製品に用いられているからである。具体的には、本発明は、それだけには限らないが、シトステロール、カンペステロール、スチグマステロールおよびブラシカステロールおよび他に記載されたように調製された(ウェスター(Wester),I.ら、「スタノール組成物およびその使用(Stanol Composition and the use thereof)」、WO98/06405)、それらの対応する脂肪酸エステルをはじめとする混合物の使用を考慮する。前記のステロールおよびそれらの対応するエステルの還元型はあまり好ましくないが、これは、それらの吸収が、その非還元対応物よりも5〜10倍少ないからである。 2種の成分を適した有機溶媒、例えばクロロホルム、ジクロロメタン、酢酸エチル、ペンタン、ヘキサンおよびヘプタンに溶解する。溶媒の選択は、成分の可溶性によって決定づけられるが、好ましい溶媒は塩素化されていないものであり、これは両成分とも熱に安定であるためであり、それらの全体的な可溶性を高めるその高い沸点からヘプタンが最も好ましい溶媒である。最終混合物中の乳化剤対ステロールの重量比は、0.1〜10.0で変わり得るが、好ましい比は1.0である。 すべての成分を、所望の比で適切な溶媒に溶解した後、高温で液体を除去し、残った溶媒を真空下で吸入排出することによって除去する。あるいは、溶媒は、米国特許第4,508,703号および同4,621,023号に記載されたように霧化によって除去することもできる。次いで、高温、好ましくは65℃〜100℃の間の水を加える。この混合物を、適したミキサー中で激しく混合し、乳状の溶液を形成し、次いで、これを超音波処理器、ガウリン乳用ホモジナイザーまたはマイクロフルイダイザーを用いてホモジナイズする。次いで、スプレー乾燥、凍結乾燥またはいくつかのその他の適した乾燥法によって水を除去する。乾燥する前に、必須ではないが、適した添加剤、例えば二酸化ケイ素またはケイ酸カルシウムを加えることも、粉末のその後の取り扱いにとってより望ましい特性を有する、流動性を有する粉末を得るためには有用である。次いで、この粉末を、錠剤およびカプセル剤の調製のため適した賦形剤に加えることができる。それだけには限らないが、以下の賦形剤は有用である:微晶質セルロース、クロスカルメロース、ポリビニルピロリドン、二酸化ケイ素、トウモロコシデンプン、ステアリン酸マグネシウムおよびケイ酸マグネシウム。 錠剤を調製するために使用できるその他の方法がある。有機溶媒中、適切な比で成分を混合した後、溶媒を前記のように除去することができる。次いで、このように調製された固体物質を高圧で圧縮し、ロープに押出成形する。このロープをセグメントに切断し、錠剤を形成できる。この方法は米国特許第6,312,703号に記載されたものと同様であるが、有機溶媒中での成分の予混合の重要性は認識されていなかった。この先行特許は錠剤を製造しているが、ステロール成分は、有機溶媒中で予混合されていない場合には、同様には胆汁塩およびリン脂質において自由に分散性でない可能性がある。あるいは、ホモジナイゼーションおよびスプレー乾燥から得られる固体物質を高圧で圧縮し、押し出してロープを形成しこれを切断して錠剤にすることができる。 当業者ならば、重要なステップは乳化剤とステロールおよびスタノールとを、適当な重量比で入念に混合し水分散性混合物を作製することであるということは認識するであろう。このプロセスは、プロセスが種々の成分の化学安定性および生物学的利用能を維持する場合には、その他の方法によって達成してもよい[米国特許第5,676,994号および同5,882,713号、ワーナー(Warner)ら、低脂肪牛ひき肉製品におけるデンプン−脂質混合物の使用(Use of starch-lipid composites in low-fat ground beef products.)。フード・テクノロジー(Food Technology)、55、36〜41頁;ヌートソン(Knutson)ら、蒸気調理したデンプン−オイル混合物の組成およびオイル保持能(Composition and oil-retaining capacity of jet-cooked starch-oil composites.)。シリアル・ケミストリー(Cereal Chemistry)、73、185〜188頁]。 オイル中でのステロールエステルのより大きな可溶性をうまく利用する第2の製剤戦略も使用できる。ステロールおよびスタノールのエステル化は、ヒトLDL−コレステロールを低下させ得るマーガリンを調製するためにマーガリン製造に用いられている商業的プロセスである。これらのプロセスはよく知られており、文献に記載されている(ダイズ加工および利用の実践ハンドブック(Practical Handbook of Soybean Processing and Utilization)、D.R.エリクソン(Erickson)編、イリノイ州、シャンペーン、AOCSプレス、19章)。これらのエステルの脂肪酸成分は、それだけには限らないが、通常、オレイン酸、リノール酸、パルミチン酸、リノレン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸およびステアリン酸からなる(ウェストレート(Westrate),JAおよびメイジャー(Meijer)(1998)、ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・クリニカル・ニュートリション(European Journal of Clinical Nutrition)52、334)。植物ステロールエステルは、一般的な植物油、例えば、ダイズ、カノーラ、菜種、ヒマワリ、ベニバナ、トウモロコシまたはオリーブ由来のものに溶解し得る。植物ステロールエステルを、有効用量を生じるが、エステルの植物油中での可溶性限界を超えない濃度で添加する。 沸騰ヘキサン中で等重量のダイズステロール(アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド)とダイズレシチンとを混合し、沸騰させることによって溶媒を乾燥除去した。冷却後、残存する溶媒を真空除去した。固体を温水(160°F)に加え、撹拌し、熱い、乳状の溶液を、2500〜3000psiで運転されるガウリン乳用ホモジナイザーに2回通した。次いで、溶液を入り口温度200℃および出口温度100℃でスプレー乾燥した。ステロール/レシチンのフロー特性を増強するために、スプレー乾燥した物質をアエロジル(Aerosil)200(デグサ社(Degussa Corporation))およびマルトデキストリン(グレインプロセッシング社(Grain Processing Corporation))と混合し、グラムベースで以下を含む最終調製物を得た:1.0グラムのステロール、1.0グラムのレシチン、0.45グラムのマルトデキストリンおよび0.02グラムのアエロジル。この粉末の1部を17.5部の粉末化した市販のチョコレート風味の朝食用ドリンクに加えた。プラセボにはレシチンとマルトデキストリンを含めた。臨床試験では各被験体に、朝食用粉末を、アクティブ被験体が1.825グラムのステロールを受け取るよう水に加え、混合した。 ステロール含有朝食用ドリンクの、ヒトDHTの循環レベルに対する作用を、20〜50歳の間、テストステロンが400〜1,000ng/dLの間の健常な男性被験体で調べた。19人の被験体が試験を完了し、プロトコールおよび同意書は施設内治験審査委員会によって承認された。絶食した被験体が診察室に来ると、直ちに血液サンプルを採取し、プラセボかアクティブ群のいずれかに割り当てた。朝食用ドリンクを消費した後、被験体には、栄養士によって、脂肪として30%未満のkcal、飽和脂肪として10%未満のkcalを含むよう設計された、冷たいシリアル、ベーグルおよびジャムからなる朝食が供された。同様に、被験体が4時間後、2回目の採血のために戻ってきた際に、こういった同じ基準で昼食が供された。次の採血はステロール投与の8時間後に行い、被験体は投与の24時間後の最後の採血に向けて絶食に戻った。試験を完了した後、血液サンプルをDHTについて分析し 、ベースライン値を最初および24時間後の採血から得た値の平均とした。ベースライン値に対するDHTのパーセント変化を算出し、以下の結果が得られた: これらの結果は、投与の4時間後、DHTレベルは統計的に有意に(p=0.017)、プラセボ群で見られるものよりも12.2%少なかったということを示し、これは製剤された植物ステロールによる5α−レダクターゼの阻害と一致する。 少なくとも以下の2種の成分からなる、植物由来ステロールの小腸吸収および血中濃度を高めるための組成物: a)有効量の食品用乳化剤、 b)植物由来ステロールまたはスタノール、または脂肪酸エステル部分が食料源オイルに由来するそれらの脂肪酸エステル。 食品用乳化剤がリン脂質である、請求項1に記載の組成物。 リン脂質がレシチンである、請求項2に記載の組成物。 食品用乳化剤が、モノグリセリド、ポリソルベート、モノステアリン酸グリセリルおよびステアロイル乳酸ナトリウムから選択される、請求項1に記載の組成物。 ステロールまたはスタノールの脂肪酸エステルの脂肪酸部分が菜種油、ヒマワリ種子油または綿実油に由来する、請求項1に記載の組成物。 食品用乳化剤対ステロールまたはスタノールまたはそれらのエステルの重量比が0.1〜10である、請求項1に記載の組成物。 食品用乳化剤対ステロールまたはスタノールまたはそれらのエステルの重量比が約1である、請求項6に記載の組成物。 安定剤としてビタミンEをさらに含んでなる、請求項1に記載の組成物。 請求項1に記載の組成物の水分散形を製造する方法であって、 a)請求項1に記載の組成物を、すべての成分を可溶性にする有機溶媒に溶解し、 b)高温で有機溶媒を除去し、および残存する溶媒を真空吸入排出によって除去し、 c)固体塊を水に添加して、混合物をホモジナイズし、そして d)水性分散物を乾燥することを含んでなる、上記方法。 水性分散物を凍結乾燥によって乾燥する、請求項9に記載の方法。 有機溶媒を、あらゆる成分の分解温度未満の温度に加熱する、請求項9に記載の方法。 有機溶媒が酢酸エチル、ヘキサン、ヘプタン、クロロホルム、ジクロロメタン、またはイソプロパノールである、請求項9に記載の方法。 溶媒除去法によって、1.0%未満の溶媒を含む固体が生じる、請求項9に記載の方法。 溶媒除去後に形成される固体を、ミル、グラインダーまたはプロセッサー中で微粉砕して分散性粉末を得る、請求項9に記載の方法。 請求項14の方法により得られる粉末を、あらゆる成分の分解温度未満の温度で激しく撹拌しながら水に加える、請求項9に記載の方法。 水を、微粉砕していない乾燥固体を含む装置に直接入れる、請求項9に記載の方法。 水があらゆる成分の分解温度未満である温度である、請求項16に記載の方法。 水性混合物を、ガウリンホモジナイザー、フレンチプレス、超音波処理器、またはマイクロフルイダイザーを用いてホモジナイズする、請求項9に記載の方法。 ホモジナイズした水性混合物を、スプレードライヤーまたは凍結乾燥機またはその他の水の除去に適した装置を用いて乾燥させる、請求項9に記載の方法。 マルトリン、デンプン、二酸化ケイ素またはケイ酸カルシウムから選択される乾燥助剤を加えて、粘着を防ぎ、および流動性を有する粉末の調製を補助する、請求項9に記載の方法。 少なくとも以下の2種の成分からなる、植物由来ステロールの小腸吸収および血中濃度を高めるための組成物: a)植物由来ステロールまたはスタノール、または脂肪酸エステル部分が菜種油、ヒマワリ種子油、ダイズ油または綿実油に由来するそれらの脂肪酸エステル、および b)ダイズ、カノーラ、菜種、ヒマワリ、ベニバナ、トウモロコシまたはオリーブオイルから選択される植物油。 植物ステロールまたはスタノールの脂肪酸エステルを、有効な用量が生じるが、選択したオイル中のエステルの可溶性の限界を越えない重量比で添加する、請求項21に記載の組成物。 調製物の安定性を高めるためにビタミンEが添加されている、請求項21に記載の組成物。 ステロールおよびオイルが薬剤カプセルに封入されている、請求項21に記載の組成物。 ステロールおよびオイルが食品に添加されている、請求項21に記載の組成物。 固体が植物由来ステロールのための送達システムとして錠剤またはカプセル剤に変換されている、請求項21に記載の組成物。 物質を少なくとも100psigの圧力で少なくとも15秒間圧縮または押出に付すことによって、請求項21に記載の組成物から形成される固体製品。 物質を少なくとも100psigの圧力で少なくとも15秒間圧縮または押出に付すことによって、請求項21に記載の組成物から形成される固体製品。 本発明は、ジヒドロテストステロンの上昇と関連している状態を治療するための、植物ステロールまたは植物スタノールまたはそれらの脂肪酸エステルと乳化剤とを含む組成物を記載する。組成物は、食品原料、錠剤またはカプセル剤として使用するために乾燥形で調製できる。あるいは、組成物はオイルに溶解することもできる。