タイトル: | 公表特許公報(A)_脂溶性チアミン、リポ酸、クレアチン誘導体およびL−アルギニンα−ケトグルタル酸の経口製剤 |
出願番号: | 2006536914 |
年次: | 2007 |
IPC分類: | A61K 31/51,A61K 31/198,A61K 31/194,A61K 31/223,A61K 31/385,A61P 43/00,A61K 31/64,A61K 31/155,A61K 31/426,A61P 9/00,A61P 3/10,A61P 21/00,A61P 3/06,A61P 25/08,A61P 25/16,A61P 25/28,A61P 9/10,A61P 27/12,A61P 27/02,A61P 25/00,A61P 25/24,A61P 25/20,A61P 1/04,A61P 1/10,A61P 3/02,A61P 1/12,A61P 29/00,A61P 31/00,A61P 39/06 |
バード エドワード エイ. JP 2007509178 公表特許公報(A) 20070412 2006536914 20041022 脂溶性チアミン、リポ酸、クレアチン誘導体およびL−アルギニンα−ケトグルタル酸の経口製剤 メディカル リサーチ インスティチュート 506140480 清水 初志 100102978 新見 浩一 100128048 バード エドワード エイ. US 10/693,837 20031023 US 10/947,054 20040921 A61K 31/51 20060101AFI20070316BHJP A61K 31/198 20060101ALI20070316BHJP A61K 31/194 20060101ALI20070316BHJP A61K 31/223 20060101ALI20070316BHJP A61K 31/385 20060101ALI20070316BHJP A61P 43/00 20060101ALI20070316BHJP A61K 31/64 20060101ALI20070316BHJP A61K 31/155 20060101ALI20070316BHJP A61K 31/426 20060101ALI20070316BHJP A61P 9/00 20060101ALI20070316BHJP A61P 3/10 20060101ALI20070316BHJP A61P 21/00 20060101ALI20070316BHJP A61P 3/06 20060101ALI20070316BHJP A61P 25/08 20060101ALI20070316BHJP A61P 25/16 20060101ALI20070316BHJP A61P 25/28 20060101ALI20070316BHJP A61P 9/10 20060101ALI20070316BHJP A61P 27/12 20060101ALI20070316BHJP A61P 27/02 20060101ALI20070316BHJP A61P 25/00 20060101ALI20070316BHJP A61P 25/24 20060101ALI20070316BHJP A61P 25/20 20060101ALI20070316BHJP A61P 1/04 20060101ALI20070316BHJP A61P 1/10 20060101ALI20070316BHJP A61P 3/02 20060101ALI20070316BHJP A61P 1/12 20060101ALI20070316BHJP A61P 29/00 20060101ALI20070316BHJP A61P 31/00 20060101ALI20070316BHJP A61P 39/06 20060101ALI20070316BHJP JPA61K31/51A61K31/198A61K31/194A61K31/223A61K31/385A61P43/00 121A61K31/64A61K31/155A61K31/426A61P9/00A61P3/10A61P21/00A61P3/06A61P25/08A61P25/16A61P25/28A61P9/10 101A61P27/12A61P27/02A61P25/00A61P25/24A61P25/20A61P1/04A61P1/10A61P3/02 105A61P3/02A61P1/12A61P29/00A61P31/00A61P39/06 AP(BW,GH,GM,KE,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HU,IE,IT,LU,MC,NL,PL,PT,RO,SE,SI,SK,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX,MZ,NA,NI,NO,NZ,OM,PG,PH,PL,PT,RO,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SY,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,YU,ZA,ZM,ZW US2004035358 20041022 WO2005039539 20050506 43 20060612 4C086 4C206 4C086AA01 4C086AA02 4C086BB04 4C086BC82 4C086DA21 4C086GA08 4C086GA10 4C086MA02 4C086MA03 4C086MA04 4C086MA23 4C086MA35 4C086MA37 4C086MA52 4C086NA05 4C086NA14 4C086ZA01 4C086ZA05 4C086ZA06 4C086ZA08 4C086ZA12 4C086ZA15 4C086ZA20 4C086ZA33 4C086ZA36 4C086ZA45 4C086ZA66 4C086ZA72 4C086ZA94 4C086ZB11 4C086ZB32 4C086ZC24 4C086ZC33 4C086ZC35 4C086ZC37 4C086ZC75 4C206AA01 4C206AA02 4C206DA09 4C206HA31 4C206HA32 4C206MA01 4C206MA02 4C206MA03 4C206MA04 4C206MA43 4C206MA55 4C206MA57 4C206MA72 4C206NA05 4C206NA14 4C206ZA01 4C206ZA05 4C206ZA06 4C206ZA08 4C206ZA12 4C206ZA15 4C206ZA20 4C206ZA33 4C206ZA36 4C206ZA45 4C206ZA66 4C206ZA72 4C206ZA94 4C206ZB11 4C206ZB32 4C206ZC24 4C206ZC33 4C206ZC35 4C206ZC37 4C206ZC75発明の分野 本発明は、一般に、薬学的に活性な化合物の制御放出経口製剤であり得る経口製剤、および該製剤を用いた治療の方法に関する。特に、本発明は脂溶性チアミン、リポ酸、クレアチン誘導体およびL-アルギニンα-ケトグルタル酸の経口製剤に関する。発明の背景チアミン 最初のビタミンBであるビタミンB1(チアミン)は、神経系および精神姿勢に有益である。その臭いおよび香りは酵母のそれに類似する。チアミンは、調理プロセスによって、特に煮るまたは蒸すによって破壊される可能性があるが、焼くといったような乾熱によってはほとんど破壊されない。 その他の大半のビタミンBと同様に、チアミンは定期的に供給される必要があるが、上部および下部小腸から吸収された後、B1の一部は肝、心および腎に貯蔵される。過剰なチアミンの大半は尿中に排出されて、一部は汗中にも排出されると思われる。 チアミンは調理によって消失し、砂糖、紅茶のタンニン、ニコチンおよびアルコールの使用によって枯渇するので、チアミンの摂取量を確実に最適化する必要がある。チアミンには多くの食物供給源があるが、それらは多くの人にとって毎日の食べ物ではない可能性がある。ビタミンB1の優れた供給源には、小麦の胚芽およびふすま、米の外皮(外側の殻)、およびその他の穀物の外側部分が含まれる。穀物の製粉ならびに精製された小麦粉および白米つまり「精」米の使用により、私たちの多くはもはや健康にいい未加工食物を摂取する際に得られるチアミンの栄養分を摂取していない。 小麦の胚芽およびふすま、全粒小麦または強化した小麦粉、および玄米以外の、チアミンの他の優れた供給源は、ビール酵母および廃糖蜜である。オートムギおよびアワは、ほうれん草およびカリフラワーのような多くの野菜類、大半の木の実、ヒマワリの種子、ならびに落花生、エンドウマメおよびマメ(bean)のようなマメ類(legume)と同じく、適度な量を含む。果物の中では、アボカドがビタミンB1が最も豊富である。豚肉はこのビタミンBを多量に含む。多くのドライフルーツはある程度のチアミンを含むが、保存剤としてしばしば投入される二酸化硫黄はこのビタミンを破壊すると思われる。 チアミンは補酵素チアミンピロホスフェート(TPP)として作用して、極めて多くの身体機能を助ける。細胞のエネルギー産生、特に、糖代謝において重要な代謝的役割を担う。チアミンはエタノールの代謝にも必要であり、エタノールを二酸化炭素および水に転換する。B1は脂肪酸およびステロール産生の初期の段階で役立つ。このように、チアミンは潜在的エネルギーの貯蔵において炭水化物の脂肪への転換にも役立つ。 チアミンは、重要な神経伝達物質であるアセチルコリンの(アセチルCoAの産生を介した)合成に関与することから、神経および神経系の健康に重要である。ビタミンB1がないと、神経は炎症に対して過敏になる。チアミンは、小児では個々の学習能力および成長に関連する。神経シナプス接合部でのアセチルコリンの機能から、チアミンは胃、腸および心の筋緊張にとっても重要である。適切なチアミン値は動脈における脂肪沈着物の蓄積を阻止し、それによって、アテローム性動脈硬化症の進行の抑制に役立つ可能性があると考えられる。 チアミンは、その欠乏症または欠乏性疾患である脚気(以下に考察)のあらゆる症状を治療するために用いられる。チアミンは、疲労、易刺激性、意欲低下および抑うつの治療、ならびに飛行機酔いまたは船酔いを予防するために用いられる。チアミンは、神経、心および筋肉系の機能にも有益である。塩酸の産生を促進することによって、チアミンは消化を助け、または悪心を抑制し得て、また消化管の筋緊張を高めることによって便秘を治すことができる。チアミンは、歯科(または、しばしば、任意の)手術後に治癒を促進するために広く用いられる。 多くの精神疾患および神経に影響を及ぼす問題に対して、チアミン摂取量の増加が実施され得る。これらには、アルコール症およびその神経の問題、多発性硬化症、ベル麻痺(顔面神経麻痺)および神経炎が含まれる。チアミンを用いた治療は、例えば、糖尿病に付随する感覚ニューロパシーの抑制および三叉神経痛の疼痛の軽減に役立っている。チアミンには軽度の利尿作用もあり、心機能を補助し、そのため、多くの心血管系の問題の治療プログラムにおいて提案される。 チアミンの脂溶性型には、ベンフォチアミンおよびプロスルチアミンがある。これらの化合物は経口的に投与されると、通常のチアミンの水溶性型に比べて、高い生物学的利用能を発揮する(Greg et al., Internation. J. Clinical Pharm. And Therapeutics, Vol. 36, No. 4, pages 216-221 (1998)を参照されたい)。ベンフォチアミンとビタミンBとの併用は、糖尿病性多発ニューロパシーの治療に用いられている。(Stracke et al., Exp. Clin. Endocrinal Diabetes, vol. 104, pages 311-316 (1996)を参照されたい)。リポ酸 α-リポ酸として公知の化合物は、Reedらによって酢酸塩置換因子として最初に単離された。それはわずかに水溶性であり、有機溶媒には可溶性である。α-リポ酸はキラル分子であり、チオクト酸;1,2-ジエチレン-3-ペンタン酸;1,2-ジエチレン-3-吉草酸;および6,8-チオクト酸を含む様々な名称で公知である。α-リポ酸は単離後、一時、ビタミンとして分類されたが、後に動物およびヒトで合成されることが明らかとなった。デノボにおける合成を司る完全酵素経路は、まだ明確には解明されていない。複数の試験は、オクタン酸塩が8炭素脂肪酸鎖の直接の前駆物質として作用し、システインが硫黄の供給源であると思われることを示している。リポアミドとして、ピルビン酸、α-ケトグルタル酸および分岐鎖α-ケト酸のようなα-ケト酸の酸化的脱炭酸反応を触媒する多酵素複合体の補因子として機能する。 ごく最近、α-リポ酸およびその還元型であるジヒドロリポ酸(DHLA)の抗酸化機能の可能性が大きく注目されている。リポ酸塩またはその還元型であるDHLAは、スーパーオキシドラジカル、ヒドロキシルラジカル、次亜塩素酸、ペルオキシラジカルおよび一重項酸素のような反応性酸素種と反応する。さらに、ビタミンCおよびグルタチオンと相互作用して膜を保護し、その結果、ビタミンEを再利用することができる。抗酸化活性に加えて、DHLAは鉄の還元に対して抗酸化作用を発揮し得る。αリポ酸の投与は、虚血再灌流障害(IRI)、糖尿病(αリポ酸およびDHLAはいずれも、アルブミンのようなタンパク質と疎水性に結合して、糖化反応を阻止することができる)、白内障形成、HIV活性化、神経変性および放射線損傷のような多くの酸化ストレスモデルにおいて有益であることが示されている。さらに、リポ酸塩はミオグロビン、プロラクチン、チオレドキシン、およびNF-κB転写因子のようなタンパク質の酸化還元調節物質として機能することもできる。 リポ酸塩はその他の活性を持つ可能性もある。例えば、DHLAはインビトロにおいて、同時に、炎症性マクロファージからの一酸化窒素の放出に干渉し酸素ラジカル攻撃から標的細胞を保護する抗炎症性物質であることが見出されている。V. Burkhart, Dihydrolipoic Acid Protects Pancreatic Islet Cells from Inflammatory Attack, Agents Actions 38:60 (1993)。この資料、および本明細書に引用されるその他のすべての資料は、本明細書において完全に再現されるかのように、参照として組み入れられる。 リポ酸は複数の酵素の補酵素である。リポ酸は、双方のα-ケト酸デヒドロゲナーゼ複合体酵素(即ち、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ複合体およびα-ケトグルタール酸デヒドロゲナーゼ複合体)、分岐鎖α-ケト酸デヒドロゲナーゼ複合体、およびグリシン開裂系の補酵素である。酵素系において、主要部分は、初期の代謝において産生されるピルビン酸塩の分子を分解してやや小さめで高エネルギーの分子である、いわゆるアセチルコエンザイムAを形成するリポ酸の関与する多酵素複合体を形成する。この結果、分子はクエン酸回路またはクレブス回路と呼ばれる一連の反応に入ることができ、この回路によって食物のエネルギーへの転換が完了する。本質的には、リポ酸は基本的なグルコース輸送を刺激して、インスリンに刺激されるグルコースの取り込みに対して正の影響を及ぼす。クレアチン クレアチンは、大半の脊椎動物において肝で自然に生成される内因性の栄養素である。クレアチンの使用は、筋質量の増加および筋パフォーマンスの向上のための栄養補助として、ならびに神経筋疾患の治療における新興の適用における使用を含めて数多くある。 クレアチン、またはN-(アミノイミノメチル)-N-メチルグリシンは、ヒトを含む多くの脊椎動物の筋組織に存在するサルコシン誘導体である。クレアチンは代謝系の中心的成分であり、労働および運動パフォーマンスのためのエネルギーの提供に関与する。ホスホクレアチン(クレアチンホスフェートおよびホスホリルクレアチンとしても公知である)は強度の強い運動の短時間バーストにおいてアデノシン三リン酸(ATP)の再生を助け、ホスホクレアチンの枯渇は疲労の発現に関連することが明らかとなっている。骨格筋におけるホスホクレアチンプールは膨張可能であることも発見されている。これにより、筋におけるこれらの成分の濃度を高めるためにクレアチンおよびホスホクレアチンが経口的に補充され、それによって強度およびパワーを必要とする断続的な活動中の運動パフォーマンスが向上するようになった。1994年2月3日に公開された国際公開公報第94/02127号は、哺乳動物における筋パフォーマンスを高めるための、任意でアミノ酸またはその他の成分と併用されるクレアチンの使用を開示する。 クレアチンは、肝、膵および腎においてアミノ酸から、アルギニンのグアニジン分子をグリシンに移動して、続いてこれをメチル化してクレアチンを形成することによって合成される。肝、膵および腎で合成されるクレアチンは血流中に放出されて、Na+濃度勾配を用いて筋細胞に能動的に取り込まれる。クレアチン経口補充は、高エネルギーリン酸代謝に必要なクレアチンおよびクレアチンホスフェートの貯蔵を増加させるために使用されている。強い運動後の回復にはホスホクレアチンの再合成を伴い、これは酸素依存性のプロセスを介して行われ、半減期は約30秒である。短時間の高強度の断続的運動において、活性な筋はATP産生に関してホスホクレアチンに大きく依拠する。ホスホクレアチン再合成の速度は、クレアチン濃度の上昇を示した対象では、クレアチン補充の使用によって加速することができる。クレアチン補充の利益は、本来断続的である高強度の活動において特に明らかである。 クレアチン輸送タンパク質はクレアチンに高い親和性を持ち、細胞内のクレアチンを濃縮する。細胞内に入ると、ごく微量のクレアチンが消失する(70kgの男性において一日約2g)。この情報に基づいて、血漿中クレアチンのわずかな増加(クレアチン補充によって発生することができる)が輸送活性の増大を起こす。骨格筋からのクレアチンの消失は典型的には一日当たり約3%であり、これは生きているヒトの筋によって非酵素的に産生されるクレアチニンの量にほぼ匹敵する。クレアチンが消失する主なメカニズムはクレアチンのクレアチニンへの転換であり、これは不可逆性の非酵素的プロセスである。従って、細胞からのクレアチンの消失は無視できるものと考えられ、細胞内のクレアチンの濃度に運動による枯渇のリスクはない。このように、クレアチン投与の主たる利点は、細胞内のクレアチン濃度が安定し、消失しそうにないことである。 経口摂取のために最も一般的に使用されるクレアチン補充剤はクレアチン一水和物である。ボディビルダーは、栄養補助食品としてのクレアチンの使用開始後すぐに筋がさらなる質量および明瞭な輪郭を帯びることを見出す。このように、クレアチン補充剤は運動のパフォーマンスおよび強度を高めるステロイドフリーの方法としてより一般的となりつつある。従って、補充により食事中のクレアチンを増加させることは、血漿中クレアチン濃度を高めて、従って筋のクレアチン量を増加させるために有用である可能性がある。 クレアチン一水和物は粉末状の栄養補助剤として極めて一般的に販売されている。この粉末はジュースまたはその他の液体と混合して、摂取してよい。クレアチンはジュースのような酸性の溶液中で不安定であるので、すぐに飲むことが重要である。クレアチンは比較的短い時間でも酸性溶液中に置かれると、この溶液中のクレアチンの大半またはすべてが、クレアチンの有益な効果を持たないクレアチニンに転換する。 一日当たり20gの用量で5日間にわたるクレアチン一水和物の補充は、ヒトを対象とした大半の試験で用いられる標準的用量とされている。慣例的に、クレアチン一水和物は約300mlの温水ないし熱湯に溶解され、水温が上がると、それによってクレアチン一水和物の溶解度が上昇する。尿中の尿素またはアンモニアに測定可能な増加がないことから、クレアチンは経口投与後に消化管で分解されないことが明らかとなっている。保持されたクレアチンのクレアチニンへの転換に関して得られた結果から、研究者らは、クレアチンは消化管から完全に吸収されて、その後、組織に運搬され、従って組織内で保存されるか、または吸収されずにそのまま腎を介して排出されると確信するに至った。 既存のクレアチン補充に伴うもう一つの問題は、一貫した一様な結果を提供する能力にある。これらの不安定な結果は、ヒト身体領域への現在のクレアチンの送達方法のために生じると考えられる。上記のような現在のクレアチン経口補充剤は粉末状のクレアチンの使用に依拠しており、これは水に溶解して、その後、経口的に摂取される。しかし、粉末状のクレアチンは、水またはその他の中性pHの液体に十分には溶解しない。クレアチンの水溶性は低く、75ml中約1gである。10gを得るためには、対象は1リットル近い液体を摂取しなければならないであろう。水温が上昇するとクレアチン一水和物の溶解度が上昇するが、それでもなお、効率的に水に溶解されるクレアチンの量に一貫性はない。このため、消費者は、水またはその他の液体に溶解したクレアチン一水和物の粉末を摂取する際には、摂取するクレアチンの量は一定しないであろう。 典型的には、クレアチンは特別な輸送タンパク質であるクレアチントランスポーターによって筋細胞内に取り込まれて、クレアチンキナーゼによってホスホクレアチンに転換される。骨格筋および心筋を含む筋細胞は、アデノシン三リン酸(ATP)のアデノシン二リン酸(ADP)への転換から放出される細胞エネルギーを利用することによって機能を果たす。筋細胞中のホスホクレアチンの量は、筋が活動から回復してアデノシン三リン酸(ATP)を再生するために要する時間の長さを決定する。ホスホクレアチンはアデノシン三リン酸(ATP)の再生および筋の持続的使用に必要なリン酸のすぐに利用できる供給源である。 例えば、筋を伸長および収縮するために用いられるエネルギーはアデノシン三リン酸(ATP)から供給される。アデノシン三リン酸(ATP)は、リン酸ラジカルを開裂して筋の収縮に必要なエネルギーを放出することによって、筋において代謝される。アデノシン二リン酸(ADP)はこの代謝の副産物として形成される。アデノシン三リン酸(ATP)の最も一般的な供給源はグリコーゲンおよびクレアチンホスフェートである。クレアチンホスフェートは、典型的にグリコーゲン利用が達成されるよりも速い速度でアデノシン三リン酸(ATP)を再合成することができるため、素早いリン酸の供給源として有利である。従って、筋のクレアチン量が増加するとホスホクレアチンの筋貯蔵が増加し、筋のパフォーマンスを高めて筋質量を増加させることが証明されている。 しかし、クレアチン自体は水溶液にほとんど溶けない。さらに、クレアチンは消化管(GI)から十分には吸収されず、吸収率は1〜14%と推定されている。このように、現在の製剤は有効であるためには多量のクレアチンが投与される必要があり、典型的には5gまたはそれよりも多い。さらに、これらの高投与量には、腹部膨満、胃腸(GI)窮迫、下痢などのような副作用が生じる。 従って、クレアチンの吸収を高めるための改善されたアプローチを提供することが望ましい。アルギニンα-ケトグルタル酸 アルギニン2-オキソグルタル酸としても公知であるアルギニンα-ケトグルタル酸は、多くの生理学的用途を持つ有機塩である。1977年に実施された試験では、肝硬変患者に高投与量で投与された際に肝の解毒容量を高める能力が明らかにされた。(Muting et al. (1977) MMW Munch Med Wochenschr, 119 (16): 535-8.)。その作用は血漿中アンモニアおよびフリー体の血清中フェノールの濃度を著しく下げることを特徴とし、このことはこれらの化合物の酸化的解毒作用が向上していることを示す。同様に、アルギニンおよびα-ケトグルタル酸の投与は動物モデルにおいてアンモニア中毒の治療および肝解毒の向上にも有用であることが証明されている。対照群に比べて投与群において生存率が高いことが認められたばかりでなく、投与群では痙攣のエピソードも少なかった。 さらに、アルギニンα-ケトグルタル酸はα-ケトグルタル酸の供給源として様々な用途を持つ。アミノ酸合成系路における役割により、α-ケトグルタル酸はタンパク質代謝を通じて極力な調節制御作用を発揮する。これまでの試験から、内因性グルタミンプールの保存およびグルタミン合成の増加における効果が実証され、外傷に誘発される異化に対抗することによって臨床的な栄養および代謝の管理において特に利益を持つ。(Cynober (1999) Curr Opin Clin Nutr Metab Care, 2 (1) : 33-7。)米国特許第5,646,187号は、タンパク質合成能の改善、除脂肪体重の維持、および骨格筋のエネルギー状態の維持に関して重篤な患者の治療おけるα-ケトグルタル酸の有用性を説明している。同様に、国際公開公報第89/03688号は術後患者のグルタミン酸含有量を増加させるためのα-ケトグルタル酸の使用を開示する。 過酸化水素(H2O2)に誘発されるヒト赤血球の溶血に関する試験によって裏付けられるように、α-ケトグルタル酸は抗酸化特性も持つ。α-ケト酸の非酵素的酸化的脱炭酸は、過酸化水素分解プロセスに関与することが示されている。クエン酸回路に達する経路の一部として、α-ケトグルタル酸はエネルギー産生に重要である。この分野の試験から、白血球グルタミン酸デヒドロゲナーゼの欠乏、ならびに錐体外路徴候、核上性麻痺、骨腱反射の消失および神経原性の筋心電図所見の間の顕著な相関関係が得られている。(Orsi et al. (1988) Acta Neurol Scand, 78 (5): 394-400。) さらに、グルタミン酸をα-ケトグルタル酸に転換する酵素であるグルタミン酸デヒドロゲナーゼの遺伝的欠損と、一部の優性の遺伝的失調およびオリーブ橋小脳萎縮(OPCA)の間には顕著な関連性がある。(Plaitakis et al. (1980) Ann Neurol, 7(4):297-303, Chokroverty et al. (1985) Neurology, 35(5):652-9。)失調は、運動制御の不全および/または筋活動の不規則さを特徴とする状態であり、OPCAは小脳、脳橋および下オリーブ核に影響する進行性神経変性を特徴とする一群の失調を指す。 コラーゲン合成では、α-ケトグルタル酸はプリンおよびリジン残基のヒドロキシル化を司る酵素であるプロリルヒドロキシラーゼおよびリシルヒドロキシラーゼの補因子の一つとして重要な役割を担う。低いプロリルヒドロキシラーゼ活性を特徴的に示す壊血病動物モデルを用いて実施された試験において、ホモジネートにアスコルビン酸(ビタミンC)、鉄イオンおよびα-ケトグルタル酸を加えてインキュベートするとこの酵素活性が上昇して、それによって病理学的症状を緩和することができることが示されている。(Kuttan (1980) J Nutr, 110 (8): 1525-32。) α-ケトグルタル酸は、アテローム性動脈硬化症, 白内障形成および網膜症のような糖尿病合併症、ならびに単なる加齢に関連するタンパク質のグリコシル化/糖化の防止にも極めて有効である。タンパク質に結合した最終糖化産物(AGE)は付近の細胞に細胞傷害性作用を示すことができて、例えば、アルツハイマー病におけるβ-アミロイド斑の構造的成分である。しかし、α-ケトグルタル酸の投与は、この化合物のタンパク質の糖化および抗酸化特性の競合阻害を介して、これらのAGEの細胞毒性を減弱する。糖尿病性網膜症の場合、血糖値を慎重にモニターしても、必ずしも発病が妨げられるとは限らない。従って、網膜症における糖化プロセスを防止するためには、糖尿病薬に加えてα-ケトグルタル酸の摂取が必要である。発明の概要 二、三または四活性成分の経口製剤が開示され、製剤は一つまたは複数の賦形剤物質と共にこれらの薬学的に活性な成分を含む。速放性の四つの主な活性成分の幅広い異なる製剤、ならびに二相性および制御放出製剤については、当業者には本開示を読めば明らかとなるであろう。四活性成分は、(1)脂溶性チアミン、(2)リポ酸、(3)クレアチン誘導体、および(4)L-アルギニンα-ケトグルタル酸である。賦形剤物質の製剤は、例えば、(1)神経再生を支持するための十分な血中チアミン濃度を維持する、(2)血清中グルコース濃度を下げるために十分な血中リポ酸濃度を維持する、(3)筋パフォーマンスを向上させるために十分なクレアチン誘導体濃度を提供する、および(4)循環を改善するためのアルギニン濃度を提供するなどの所望の結果を得るように設計される。 本発明の製剤は二つまたはそれよりも多い活性成分を含む。成分の一つは、例えば、ベンフォチアミンまたはプロスルチアミンのような脂溶性チアミンであり得る。一つ、二つまたはそれよりも多い異なる脂溶性チアミン化合物を一つの製剤に同時に加えることができ、または同一患者の同一治療プロトコールにおいて異なる経口製剤として投与してもよい。 リポ酸に加えることのできるもう一つの活性成分は、ラセミ混合物として、(リポ酸成分の)50%〜100%の量のR-(+)鏡像異性体として、または(リポ酸成分の)50%〜100%の量のS-(−)鏡像異性体として加えてもよい。一つの鏡像異性体が50%よりも多い量で加えられるとすると、その他の成分はそれに対応してより少ないパーセントの量で加えられることが理解される。例えば、R-(+)鏡像異性体が60%、70%、80%、90%または95%の量で加えられると、S-(−)鏡像異性体は、それぞれ、40%、30%、20%、10%または5%の量で加えられる。 存在し得るもう一つの活性成分はクレアチン誘導体である。誘導体は、エチルエステルのようなクレアチンエステルであってよい。二つ、三つまたは多くのクレアチン誘導体を単一の製剤中に加えてもよい。 存在し得るもう一つの活性成分はL-アルギニンα-ケトグルタル酸である。アルギニンのその他の型(例えば、塩)も本発明の経口製剤に加えることができる。 これらの四活性成分のすべてが、本発明の経口製剤に含めることができる。このような製剤は、例えば、血糖値を管理するため、ならびに糖尿病性多発ニューロパシーならびに糖尿病性ニューロパシー、糖尿病性腎症および大血管性疾患を含む糖尿病のその他の合併症を治療するために用いられるなど、患者の治療に用いることができる。本発明の製剤により、脂溶性チアミンの長期にわたる高い血漿および組織内濃度を得ることが可能となる。このことは、酵素であるトランスケトラーゼの活性化を可能とする。トランスケトラーゼが活性化されると、グルコースがペントースリン酸経路に分流し、それによって高血糖の有害な影響が抑制される。リポ酸および脂溶性チアミンの製剤は、慢性的な血漿中グルコース上昇の毒性に起因する糖尿病の様々な発現像を治療するための活性成分の固有の相補的および相乗的な組み合わせを提供する。 クレアチン誘導体(例えば、クレアチンエチルエステル)はヒト筋組織の治療に有用であり、筋パフォーマンスを向上させる。 アルギニンα-ケトグルタル酸は循環を改善し、製剤のその他の成分の適切な細胞への送達を促進する。 本発明の一つの局面は、活性成分の一部の速放性放出、およびその後の活性成分の治療濃度が患者体内において継続的に維持される期間を延長させる残りの部分の制御放出を提供する二相性製剤である。治療濃度およびその濃度が維持されなければならない期間は、患者の状態および活性成分に対する患者の反応性のような一連の要因に基づいて、患者によって変動し得る。しかし、本発明の経口製剤は、従来の速放性製剤で得られるよりも長い期間を通じて治療濃度を維持するように製剤化することができる。 賦形剤物質に対する活性成分の割合および用いられる特定の賦形剤によって、製剤は活性成分を先ず速放的に放出して、その後、循環系において吸収されるように制御された状態で放出することができる。血清中において活性成分の所望の血清中濃度を維持することによって、本発明の経口製剤は、速放性経口投与製剤または単回注射用製剤を用いて高い血清中濃度が短時間得られる場合よりも優れた生理学的効果を達成する。 活性成分の二相性製剤を提供することによって、先ず血中濃度を高めるために速やかに生理学的効果が示され、続いて、一定の期間を通じて継続的に示され、その結果、神経再生が向上し、グルコース濃度およびAlc濃度が低下し、循環が改善し、筋パフォーマンスが高まり、それによって一連の関連する健康利益が得られる。本発明の制御放出製剤は、速放性製剤で得られるよりも著しく長い期間にわたって活性成分の治療用血清中濃度を維持することによって非常に望ましい治療効果が得られ、3、7、10、30、60日またはそれよりも長い日数の期間にわたって毎日このような濃度を維持することによって結果が改善されることを示している。 本発明の製剤によって、好ましくは、速放性製剤と実質的に同一の速度で初期濃度が得られ、その後、速放性製剤が治療用濃度を維持するよりも10%またはそれよりも長い期間、より好ましくは50%またはそれよりも長い期間、さらに好ましくは100%またはそれよりも長い期間にわたって治療用濃度が維持される。特に好ましい結果を得るために、本発明の経口製剤は、速やかに治療濃度が得られるように十分な量の活性成分を速やかに放出して、その後、各活性成分が代謝される速度と実質的に匹敵する速度で活性成分を放出する。従って、(1)活性成分の濃度を速やかに治療濃度まで上昇させる;(2)その後、製剤中の活性成分の量に基づいて最大限の期間にわたって治療濃度を維持し、かつ、治療濃度を著しく上回らないように、特に好ましい二相性製剤が設計される。 本発明の一つの局面は、速放性、二相性または制御放出である二つ、三つまたは四つの活性成分、および賦形剤化合物の経口製剤である。 本発明のもう一つの局面は、血清中濃度を治療用濃度まで速やかに上昇させるための製剤の第一の部分の即時放出、および治療濃度を最大限の期間にわたって維持するための第二の部分の制御放出を提供する活性成分の二相性経口製剤である。 本発明の方法および製剤の利点は、活性成分の比較的低い血清中濃度が長時間(例えば、一日当たり4時間またはそれよりも長い時間)維持されることによって、例えば、血清中グルコース濃度が長期間にわたって抑制され、それによって異常に高い血清中グルコース濃度に起因する副作用が阻害されるなどの一連の所望の結果が得られることである。 本発明のもう一つの利点は、製剤を長期間にわたって投与することによって患者のインスリン耐性および/または糖尿病発症のリスクが低下することである。 本発明のもう一つの局面は、製剤によって2型糖尿病、即ち、インスリン非依存性糖尿病(NIDDM)を治療する方法が提供されることである。 本発明のさらにもう一つの局面は、リポ酸がラセミ混合物またはR-(+)鏡像異性体として製剤中のリポ酸の50%よりも多い量および100%までを構成する量で加えられ得ることである。 本発明の一つの利点は、単回投与注入剤よりも優れた結果を得るために簡便な経口送達投与剤形が用いられることである。 本発明のもう一つの利点は、グルコース濃度を下げて、本発明による治療前の値よりも実質的に低い値に維持することができることである。 本発明の一つの特徴は、経口製剤が、活性成分の任意の所望の量を含む錠剤、カプセル、カプレットなどであり得ることである。 本発明のもう一つの局面は、速放性製剤、制御放出製剤または二相性製剤として製剤化することができる物質である、例えばスルホニル尿素;ビグアニドおよびチアゾリジンジオンの抗糖尿病物質のような一つまたは複数のさらなる活性成分と共に製剤化できることである。 本発明のもう一つの局面は、長期間にわたる血清中の活性成分の持続的な低いレベルによって基礎的なグルコース輸送が継続的に刺激される治療の方法である。 本発明のさらにもう一つの局面は、多くの活性成分を一つに組み合わせることによって得られる相乗作用である。 本発明のさらにもう一つの局面は、アルギニンのような一つの成分の効果が循環を向上させ、それ自体が循環を向上させ、さらにそれがその他の活性成分の効果を向上させることである。 本発明のさらにもう一つの局面は、多くの成分の多くの効果を組み合わせることによって成分の任意の一つで得られる結果とは異なる結果が得られることである。 本発明のもう一つの局面は、アルギニンおよびリポ酸成分の双方がクレアチン誘導体および脂溶性チアミン成分のそれぞれの作用部位への到達能力を高めることである。 本発明のこれらおよびその他の目的、局面、利点および特徴は、以下にさらに完全に記載される本発明の詳細を読めば当業者にとって明らかとなるであろう。発明の詳細な説明 本明細書で用いられる本製剤、方法および成分について開示および説明する前に、本発明は特定の化合物、賦形剤または製剤に限定されるものではなく、それ自体、当然、変更可能であることが理解されるべきである。本発明の範囲は添付される特許請求の範囲によってのみ限定されるものであり、本明細書で用いられる用語は特定の態様のみを説明するためのものであって、限定的であることを意図するものではないことも理解されるべきである。 別途定義される場合を除いて、本明細書で用いられるすべての技術的および科学的用語は、本発明が属する技術分野における業者によって一般的に理解されるものと同一の意味を持つ。本明細書に述べられるものと同等または相当する任意の方法および材料も本発明の実践または試験において用いることができるが、ここでは好ましい方法および材料について記載する。本明細書で言及されるすべての刊行物は、その刊行物の引用に関連して方法および/または材料を開示および説明するために参照として本明細書に組み入れられる。 本明細書で論じる刊行物は、単にそれらの開示が本出願の出願日よりも前であるために示されるものである。本明細書は決して、本発明は先行発明という理由でこのような刊行物に先行する権利が与えられないということの承認として解釈されるべきではない。さらに、提示される刊行物の日付は、実際の刊行日が本明細書に示された日付と異なることが明らかとなった場合は変更される。定義 「アルギニンα-ケトグルタル酸」という用語は、アルギニン2-ケトグルタル酸、アルギニン2-オキソグルタミン酸、およびアルギニン2-オキソペンタン二酸塩としても公知の塩であるアルギニンα-ケトグルタル酸を意味することを意図する。明記されない限り、この用語はラセミ混合物、ならびにR-(+)またはS-(−)鏡像異性体のいずれかの実質的な純粋な型を含むその他の任意(50/50以外)の鏡像異性体混合物をカバーする。さらに、特記する場合を除いて、この用語は薬学的に許容される塩(例えば、NaおよびK塩)ならびにアミド、エステルおよび酸の代謝物をカバーする。 「薬学的に許容される塩(salt)」または「薬学的に許容される塩(salts)」などの用語は、生物学的有効性および遊離塩基型の酸の特性を保持して生物学的またはその他の点で望ましくないものではなく、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などのような無機酸、ならびに酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、リンゴ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸などのような有機酸を用いて形成される薬学的に許容される酸付加塩の定型の形を含むことを意図する。同じことがアミド、エステルおよび代謝物に関しても当てはまり、それらの型は形成することが可能であり、生物学的な有効性を維持して、顕著な好ましくない生物学的特性は持たない。 「リポ酸」という用語は、チオクト酸;1,2-ジエチレン-3 ペンタン酸;1,2-ジエチレン-3吉草酸;および6,8-チオクト酸としても公知のキラル分子であるα-リポ酸を意味することを意図する。特記する場合を除いて、この用語はラセミ混合物、ならびにR-(+)またはS-(−)鏡像異性体のいずれかの実質的に純粋な型を含むその他の任意(50/50以外)の鏡像異性体混合物をカバーする。さらに、特記する場合を除いて、この用語は薬学的に許容される塩(例えば、NaおよびK塩)ならびにアミド、エステルおよび酸の代謝物をカバーする。分子式はC8H14O2S2であり、分子量は206.32、pKaは4.7である。薬学的に許容される塩への言及において、この用語は、生物学的有効性および遊離塩基型の酸の特性を保持して生物学的またはその他の点で望ましくないものではなく、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などのような無機酸、ならびに酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、リンゴ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸などのような有機酸を用いて形成される薬学的に許容される酸付加塩の定型の形を含むことを意図する。同じことがアミド、エステルおよび代謝物に関しても当てはまり、それらの型は形成することが可能であり、生物学的な有効性を維持して、顕著な好ましくない生物学的特性は持たない。 「クレアチン」という用語は、以下の構造式を持つ化合物を指す。 さらに、特記する場合を除いて、この用語はCOOHがCOONaである酸の薬学的に許容される塩(例えば、NaおよびK塩)をカバーする。従って、上記の構造において、ナトリウム塩の場合はCOOHがCOONaとなる。薬学的に許容される塩への言及において、この用語は、遊離塩基型の酸の生物学的有効性および特性を保持して、生物学的またはその他の点で望ましくないものではなく、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などのような無機酸、ならびに酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、リンゴ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸などのような有機酸を用いて形成され、生物学的な有効性を維持して顕著な望ましくない生物学的特性を持たない薬学的に許容される酸付加塩の定型の用語を含むことを意図する。 「クレアチニン」という用語は、以下の構造を持つ化合物を指す。 「賦形剤物質」という用語は、単に担体として機能することが意図される、即ち、生物学的に活性な成分の放出調節の活性以外、それ自体は生物学的な活性を持つことを意図されない、製剤の一部を構成する任意の化合物を意味することを意図する。 「クレアチン誘導体」という用語は、以下の構造を持つ化合物を指す。ここで、Rは水素ではなく、ヒドロカルビルである。 「ヒドロカルビル」という用語は、本明細書では、実質的なヒドロカルビル基および純粋なヒドロカルビル基を含むために用いられる。これらの基の実質的なヒドロカルビルとしての説明は、それらが、本明細書で記載されるそれらの使用に関連するこのような基のヒドロカルビルの特徴または性状に顕著な影響を及ぼすヒドロカルビル以外の置換基または炭素以外の原子を含まないことを意味する。本発明の一般的性状のヒドロカルビル基のヒドロカルビルの特徴または性状を著しく変化させない置換基の非限定的な例には、例えば、メチル、エチル、ブチル、イソブチル、ターシャリーブチルなどの低級アルキルを含む1〜20個の炭素を含む置換基を含むアルキル、1〜20個の炭素および低級アルケニルを含む置換基を含むアルケニルが含まれる。 本明細書および特許請求の範囲で用いられるように、アルキル、アルケネル、アルコキシなどのような用語と組み合わせて用いられる「低級」という用語は、合計7個までの炭素原子を含むこのような基を記載することを意図する。 「化学的分解」という用語は、活性成分が生物活性を破壊する化学反応を受けることを意味することを意図する。 「粒子径」という用語は、活性成分、特に本発明のクレアチン誘導体の製剤の粒子の大きさを指す。粒子径は米国メッシュサイズ範囲に基づく。メッシュサイズは、粒子を分離するために用いられる篩のメッシュサイズによって規定される。篩のサイズは目盛りを付けて、各篩のインチ当たりのラインの数によって、例えば、1インチ当たり50ラインまたは1インチ当たり20ラインと定義される。サイズ規格はANSIおよびFEPAのような機関によって設計される。30/40 米国メッシュのサイズの記載は、製剤中の粒子の大半が30メッシュから40メッシュの間の篩から落ちることを意味する。標準は、少量の大きめおよび小さめの材料の余地がある。但し、小さめの材料は、大きめの材料と同じく一般に2〜4%の範囲である。クレアチン誘導体の活性成分を本発明の製剤中に製剤化するにあたって、粒子またはクレアチンが18の篩から60の篩、または20の篩から40の篩を通過するように加工される製剤は流動可能とすることができ、この流動可能な材料は本発明に従って圧縮して錠剤とすることができることが明らかとなった。篩18は1,000ミクロンの篩の孔を持ち、篩20は841ミクロンの孔を持ち;篩25は707ミクロンの孔を持ち;篩30は595ミクロンの孔を持ち;篩35は500ミクロンの孔を持ち;篩40は420ミクロンの孔を持ち;篩45は354ミクロンの孔を持ち;篩50は297ミクロンの孔を持ち;篩60は250ミクロンの孔を持つ。 「治療(treating)」および「治療(treatment)」などの用語は、本明細書では、一般に所望の薬学的および生理学的効果を得ることを意味するために用いられる。効果は疾病、症状または状態の防止または部分的防止に関して予防的であってよく、かつ/または疾病、状態、症状もしくはその疾病に起因する有害な影響の部分的または完全な治癒に関して治療的であってもよい。本明細書で用いられるように「治療(treatment)」という用語は、哺乳動物、特にヒトにおける疾患の任意の治療をカバーし、以下を含む:(a)疾患に対する素因を持っている可能性があるが未だ疾患であると診断されたことはない対象において疾患が発症することを防ぐこと;(b)疾患を阻害する、即ち、疾患の進行を阻止すること;および(c)疾患を緩和、即ち、疾患および/またはその症状もしくは状態の退行を引き起こすこと。本発明は、二つまたはそれよりも多い活性成分を単一の経口投与単位として用いて治療することを目的とする。活性成分によってはクレアチン誘導体を含むことが可能であり、その結果、筋パフォーマンスが向上し、筋組織が構築され、神経筋疾患が治療され、筋の持久力が高まり、または脂肪組織が減少する。クレアチン誘導体を含む本発明の製剤は、てんかん、パーキンソン病、多発性硬化症、または筋萎縮性側索硬化症(ALS)のような神経変性性疾患、およびツレット(Tourette)症候群の症状であるミオクローヌス(即ち、異なる身体部位において非反復性、短期性、不随意性の運動を生じる筋の不規則性、共同運動不能性および転々反側性の収縮を特徴とする神経筋疾患)を持つ患者に投与することができる。アルギニン成分が含まれると、循環が改善され得る。この製剤は、患者のグルタミン酸脱水素酵素欠乏症ならびにプロピルヒドロキシラーゼおよびリシルヒドロキシラーゼ活性低下の症状を治療することを目的とし得る。本発明は、アテローム性動脈硬化症、白内障形成、網膜症および加齢の特徴であるタンパク質の糖化に起因する有害な影響の防止、阻害または緩解に関与する。リポ酸および/または脂溶性チアミンが含まれる場合、本発明の治療の方法は、グルコースの異常な高値および糖尿病性多発ニューロパシーに起因する有害な影響を含む糖尿病に関連する疾患、ならびに長期間にわたるフリーラジカルおよび/または酸化物質の影響に苦しむ患者の治療を目的とし得る。本発明は、長期間にわたる異常に高い血清中グルコース濃度に起因する、かつ/または長期間にわたって生物学的な系に存在するフリーラジカルまたは酸化物質によって引き起こされる有害な影響の防止、阻害または緩解に関与する。 「相乗的」「相乗作用」などの用語は、本明細書において、(1)リポ酸、(2)脂溶性チアミン、(3)クレアチン誘導体、および(4)アルギニンα-ケトグルタル酸のようなアルギニンの二つまたはそれよりも多くを組み合わせることによって得られる改善された治療効果を説明するために互換的に用いられる。いくつかの分野では相乗効果は相加作用よりも大きい作用(例えば、1プラス1が3に等しい)を意味するが、糖尿病、循環および筋の治療の分野ならびに関連分野では付加作用(1プラス1が2に等しい)または付加作用よりも小さい作用(1プラス1が1.3に等しい)が相乗性である可能性もある。例えば、患者のグルコース値が異常に高く、例えば400mg/dlであるとすると、その患者のグルコース値は通常の経口的に有効な抗糖尿病化合物によって300mg/dlに低下し得る。さらに、異なる時期に、グルコース値400mg/dlの同一の患者に経口的に有効な別の抗糖尿病化合物を投与して、その化合物が患者のグルコース値を400から300mg/dlに低下させることがあり得る。しかし、双方の経口的に有効な抗糖尿病化合物を患者に投与すると、当業者でない者は200mg/dlに低下する付加作用を期待するが、いずれかの薬剤を単独で投与した場合を超えないグルコース値の低下が得られることがある。さらに、二つまたはそれよりも多い化合物の組み合わせはいずれかの化合物単独よりも低い効果を示す可能性がある。付加作用が必ず得られるとすると、糖尿病は、どんな場合でも、糖尿病が治癒するまで複数の異なるタイプの経口的に有効な抗糖尿病化合物を同時に投与することによって容易に治療できるが、このアプローチは有効な治療ではない。同様に、循環および筋パフォーマンスは多くの薬剤を併用することによって治療することができる。一般に、このような治療は有効でない。しかし、本発明と関連付けると、二つまたはそれよりも多い活性成分の製剤の同時投与は一つの成分よりも有効となる。例えば、制御放出リポ酸を脂溶性チアミンと共に投与すると相乗作用、即ち、いずれかの化合物の単独投与によって得られる効果よりも高い効果が得られるであろう。これらの二つの活性化合物は、付加作用よりも低いがいずれか単独よりは高い結果であり得るさらに増強されたまたは「相乗的」結果を得るためにメトホルミン塩酸塩のような一つ、つまり複数の経口的に有効な追加の抗糖尿病化合物と共にさらに投与してもよい。 「速放性製剤」という用語は、従来の経口投与製剤を指す。このような製剤は、活性成分の実質的な即時放出を提供するように設計された錠剤、カプセル、丸剤、懸濁液剤などであってよく、活性成分に対して何らかの初期保護を提供して、その後、実質的にすべての活性成分を実質的に即時放出させる腸溶性経口製剤を含む。速放性製剤は、活性成分の段階的な、ゆっくりとした、または制御放出性の放出を得るような方法では製剤化されていない。 本明細書において、「二相性製剤」、「二相性投与剤形」などの用語は、二つの異なる放出速度を持つ任意の経口製剤について記載するために互換的に用いられる。一例として、二相性製剤はすべてまたは任意の活性成分の第一の部分を即時放出し、続いて、すべてまたは任意の活性成分の残りの二番目の部分をより遅く、制御し、かつ計量した放出を提供する。従って、本発明の二相性製剤は、好ましくは所望の活性成分の治療濃度まで血中濃度を速やかに上昇させて、その後、速放性放出に比べて実質的に長い期間(10%、50%、100%または200%長い期間)にわたって、好ましくは治療濃度を著しく上回ることなく、治療濃度を維持するゆっくりとした放出を提供する。 「チアミン」はビタミンB1をも指し、C12、H17、ON4、SHCI、即ち、チアミン塩酸塩である。この化合物は水溶性であり、エーテルおよび脂質には不溶性である。ビタミンB1のRDAは一日当たり約1.2mgであり、または妊娠もしくは授乳時には1.4mgである。乳児は体重当たりより多くを必要とするが、合計で一日当たり約0.5mgよりも少ない。チアミン必要量は多くの要因に基づく;B1はエネルギー代謝に必要であるので、良好な健康状態であるとすると、1,000カロリー摂取当たり約0.5mgが必要である。よって、我々の必要量は体重、カロリー摂取量、および腸内細菌によって合成されるビタミンB1の量に基づき、個人個人によって大きく変動し得る。 チアミンはピルビン酸の脱炭酸およびαケト-グルタミン酸の酸化のための補酵素である。反応には肝で形成されるリポ酸も必要である。肝疾患を持つ患者は、恐らくリポ酸の合成が不十分であるために、B1欠乏症の症状を示すことがある。インビトロにおいて、チアミン欠乏症はピルビン酸塩および乳酸塩の蓄積、酢酸塩、クエン酸塩およびαケトグルタル酸塩の減少、ならびにアセチルコリン合成の減少を引き起こす。これらの任意の代謝変化が機能不全に関与する可能性がある。 「脂溶性チアミン」という用語は、本明細書において、チアミンに比べて脂質に高い溶解度、例えば、チアミンに比べて10%、50%、100%、200%または10倍もしくはそれよりも高い脂溶性を示すチアミン誘導体をカバーするために用いられる。具体的な脂溶性チアミンにはベンフォチアミンおよびプロスルチアミンが含まれる。本明細書で用いられるように、この用語は薬学的に許容される塩、酸およびそれらのエステルをカバーすることを意図する。一般的な製剤 多くの活性成分が経口投与単位に含められる。加えられる成分は、(1)脂溶性チアミン、(2)リポ酸、(3)クレアチン誘導体、および(4)α-ケトグルタル酸のすべてまたは任意の2つもしくは3つであり得る。加えられる各成分の量は変更することができる。脂溶性チアミンは、一般に0.5、1.0または5mgのような少量で加えられる。しかし、いくつかの製剤では、その量は0.5mgから500mgの範囲とすることができて、10、50、100および200mgの量が有用である。リポ酸成分は25mgから600mgの量で加えることができ、50、100、200、300および400mgの量が有用である。クレアチンエチルエステルであり得るクレアチン誘導体は約100mg〜2,000mgの量で加えることができ、100mgずつの増加(即ち、200mg、300mgなど)が有用である。アルギニンα-ケトグルタル酸成分は100〜1,000mgの量で加えることができ、100mgずつの増加(即ち、200mg、300mgなど)が有用である。 概念的にまとめられたグラフである図1への参照は、理論上の速放性製剤および理論上の二相性経口製剤の比較を示すために提供された。グラフは、期間を通じての患者における活性成分の量を示す。細字の破線1は理論上の速放性経口製剤であり、活性成分の濃度が急速に増加および減少することを示す。太字の破線2は理論上の制御放出製剤であり、速放性製剤に比べて最初はゆっくりと上昇し、実線3に示される理論上の値に到達した後は制御放出相に入り、投与剤形中にもはや活性成分がなくなるまで濃度を理論値または理論値をやや上回る値に維持する。この時点で、製剤中に放出のための活性成分がそれ以上ないので、グラフは速やかにゼロまで減少して、残りの活性成分は代謝される。 破線4は二相性製剤の放出速度を示す。第一の相では、活性成分の放出速度は実質的に速放性製剤と等しい。二相性製剤は、速放性製剤と実質的に同時に治療濃度に到達する。その後、二相性製剤は速放性製剤に比べてゆっくりとした放出を開始する。例えば、第二の相における活性成分の放出の速度は、活性成分が代謝される速度と実質的に等しい。制御放出製剤と同様に、目的はできるだけ治療濃度に近い濃度をできるだけ長く維持することである。 本発明の一つの局面において、個々の活性成分はそれぞれ、賦形剤を用いて別々に製剤化して、その後、混合される。これは、例えば、リポ酸のような成分が脂溶性チアミンに比べてより速やかに代謝されるために行われる。一つの態様において、脂溶性チアミン、クレアチン誘導体およびアルギニンα-ケトグルタル酸はすべて速放性製剤であり、二相性製剤、即ち、単一製剤中の速放性放出および制御放出の双方として、制御放出性リポ酸と混合される。このような製剤は、脂溶性分子を用いることによってチアミンの生物学的利用能を高めて、またクレアチン誘導体を用いることによってクレアチンの生物学的利用能を向上させ、該成分の二相性の制御放出製剤を介してリポ酸の治療濃度が維持される期間を延長させる。 本発明の製剤は、好ましくは、錠剤、丸剤、カプセル、カプレット、液体懸濁剤などを含む任意の適切な経口剤形であり得る経口投与製剤である。投与量は活性成分に関して任意の所望のサイズであってよい。但し、一般的には約200mg〜約5,000mgの範囲における混合活性成分のサイズが用いられて、または例えば400mg〜2,000mg、または約500mg〜約1,000mgが用いられる。 異なる活性成分のこれらの量は一日あたりの合計量とすることができて、または患者が摂取する1,000カロリー当たりの量に変更することができる。 二相性製剤は、賦形剤の異なる組み合わせにおいて活性成分を保持するために構築される。好ましくは、製剤の中心部は本明細書で提供される実施例に従って作成される。製剤の外層部分は活性成分単独、または通常の速放性製剤の作成において当業者が一般的に使用する同一の比例した量で任意の賦形剤と混合することができる。 速放性部分は、製剤中の活性成分の約10%〜約50%、または好ましくは製剤中の活性成分の約20%〜約30%、より好ましくは約25%を含み得る。 患者が最適な治療効果を得るために必要とする量は、例えば、患者の大きさ、年齢、体重、性別および状態などの当業者に公知である多くの要因によって変化する。患者はリポ酸約300mg、ベンフォチアミン50mg、アルギニンα-ケトグルタル酸300mgおよびクレアチンエチルエステル600mgの一日用量で始めて、例えばグルコース濃度が許容可能な値まで減少する、および筋パフォーマンスが向上するなどの所望の結果が得られたかどうかを調べることができる。1週間で所望の結果が得られない場合は、一日投与量を25、50もしくは100mgの漸増量とし、または活性成分の用量を2倍またはそれ以上にすることにより増加させることができる。例えば、リポ酸の増加は100〜300mg/日ずつ、任意の有用な量、例えば2,000mg/日までとすることができる。糖尿病性多発ニューロパシーの減少のようにその他の部分における結果の改善を得るためには、3カ月、6カ月、12カ月またはそれよりも長期間のような、より長い時間が必要である可能性がある。 任意の一つの大きさを抑えるために、活性成分は多くの錠剤、カプセルなどとして投与してもよい。例えば、提示された投与は、錠剤がリポ酸300mg、ベンフォチアミン50mg、アルギニンα-ケトグルタル酸300mg、およびクレアチンエチルエステル600mgを含む場合、午前中に錠剤2錠を投与して、4時間後に錠剤1錠を投与し、さらに5日間またはそれよりも長い日数にわたって毎日反復することである。午前中の初期投与量が多ければ所望の効果を得るには効果的であり、得られた後はより低い用量で維持することができる。このように、生物学的な系は高い治療濃度によって「弾みを付け」、続いて低い濃度で維持することができ、これらは所望の結果の獲得の点からは同じく治療的である。特に好ましい製剤において、ベンフォチアミンは50mgの速放性製剤として加えられて、300mg中75mgのリポ酸は錠剤の外層において速放性製剤として、内層の225mgは制御放出製剤である。アルギニンα-ケトグルタル酸およびクレアチンエチルエステルはいずれも速放性の剤形としてよい。リポ酸 製造される化合物であるα-リポ酸は、一般に、R-(+)-α-リポ酸およびS-(-)-α-リポ酸の50/50、つまりラセミ混合物として存在する。R-(+)鏡像異性体はこの化合物の自然に生成される生物学的な型であり、それ自体、リポ酸成分の生理学的効果を得るために大きく貢献すると考えられている。従って、本発明の製剤のリポ酸成分は100%R-(+)鏡像異性体であってよい。しかし、活性成分は2つの鏡像異性体の任意の混合物、例えば、10%S-(-)および90%R-(+);25%S-(-)および75%R-(+)として加えられる可能性がある。さらに、R-(+)鏡像異性体はより活性であると考えられているが、S-(-)鏡像異性体は治療に用いられる任意の製剤においてS-(-)鏡像異性体の添加を重要とする固有の特徴を持つ可能性があることに留意すべきである。特記する場合を除いて、本明細書に開示される情報はラセミ混合物を含む製剤を示す。活性成分がラセミ混合物でない場合は、S-(-)鏡像異性体に比べてR-(+)鏡像異性体の活性がより強いこと、およびR-(+)鏡像異性体の半減期がやや長いことを考慮するために、製剤についていくらかの補正が必要である場合がある。 典型的な制御放出製剤または製剤の一部は、重量に基づいて約50〜70%の活性成分を含んでよく、残りは賦形剤物質であり得る。製剤の速放性部分は、100%活性成分または極めて少量、例えば重量に基づいて5〜10%の賦形剤を含み得る。製剤の制御放出部分は55%〜65%の活性成分、より好ましくは重量に基づいて約60%の活性成分を含み得る。従って、本発明の経口製剤はリポ酸約300mg、ベンフォチアミンまたはプロスルチアミン50mg、アルギニンα-ケトグルタル酸300mg、クレアチンエチルエステル600mg、および賦形剤約200mgを含み得る。ヒトの患者は一般に昼間に摂食して、夜間に睡眠を取る。摂食はグルコース濃度の上昇を引き起こす。従って、一般的には昼間の初めに比較的多くの量のリポ酸を投与することが好ましい。これは錠剤2錠を含み得る。その日のその後の時期(約4時間後)に、患者は、70kgの男性において、典型的な一日用量であるリポ酸約900mgおよびベンフォチアミン150mg、アルギニンα-ケトグルタル酸300mg、およびクレアチンエチルエステル1,800mgのための追加の錠剤を服用する。すべての量は±20%、または±10%である。 製剤は、(a)活性成分を患者の消化管内での化学的分解から(必要な程度まで)保護する、および(b)活性成分を管理された方法で放出することを特徴とするように産生することができる。活性成分を徐々に放出することによって、得られる活性成分の血清中濃度は(1)単回注入可能製剤または非制御放出製剤で得られる濃度よりも低く;かつ(2)単回注入可能製剤または非制御放出製剤で得られるよりもより長期間にわたって維持される。本発明の好ましい二相性製剤は、ヒト患者においてリポ酸について約25〜2,500ng/ml血漿、ベンフォチアミンについて5〜500ng/ml血漿、アルギニンα-ケトグルタル酸について35〜65ng/ml血漿、およびクレアチン成分について50〜300マイクログラム/ml血漿の範囲の血清中濃度が得られるように、活性成分を放出する。この範囲は、より好ましくは、リポ酸については50〜2,000ng/ml血漿であり、より好ましくは約1,800ng/ml血漿であり;脂溶性チアミンについては10〜400ng/ml血漿、アルギニンについては50ng/ml、クレアチン成分については75〜125マイクログラム/mlであり、すべての数値は±20%、または±10%もしくは±5%である。血漿中の治療濃度は、体重、性別および年齢、ならびに患者の状態のような要因に応じて患者毎に若干変動して、求められる療法または治療によっても変動する。 リポ酸のいくつかの特徴は、(1)比較的高い濃度、即ち、治療濃度を十分に上回る濃度において非毒性であること;および(2)リポ酸はヒト患者によって速やかに代謝されることである。本発明は、リポ酸は低濃度が長期間にわたって維持されるならば極めて低い濃度においても望ましい治療結果を提供するが、治療濃度が十分に長い期間維持されないならば(たとえより高い濃度であっても)治療結果は得られないという発見に一部依拠する。さらに、本発明は、リポ酸の送達が5日間またはそれよりも長い期間、好ましくは連続30日またはそれよりも長い期間にわたって投与されて、それぞれの日に治療濃度のリポ酸の長い期間(4時間、8時間、または12時間もしくはそれよりも長い時間)が得られるならば、治療結果はさらに改善されるという発見に一部依拠する。本発明のもう一つの局面は、リポ酸およびその他の活性成分の効果を確認することによって得られる相乗効果である。本発明のさらにもう一つの局面は、クレアチンに比べてのクレアチンエステルおよび水溶性チアミンに比べての脂溶性チアミン双方の生物学的利用能の向上である。 本発明の一つの局面は、リポ酸の血清中濃度がその他の製剤において用いられる濃度を大きく下回る範囲に維持された場合であっても、一連の極めて望ましい治療効果が得られることである。本発明は、高い濃度の血清中リポ酸で所望の治療効果を得ることができた。しかし、所望の結果を得るためには、少なくとも最小濃度が多くの日数にわたって長い時間(一日当たり4時間またはそれよりも長い時間)を通じて安定的に維持されなければならない。経口投与剤形が、想定される最も長い時間を通じて想定される最も低い治療濃度を得るように設計される場合、得られる結果は最大であり、必要な薬剤の量は最小限である。 本発明を介して得られる血漿中リポ酸濃度は、その濃度がごく短い時間維持されるならば、所望の治療効果を得るには不十分である可能性がある。必要な時間の量および濃度は、患者の状態および所望される結果のような要因に基づいて、変更することができる。一般に、持続性の濃度でのより長い期間は、短期間および濃度の大きな変動よりも優れている。本発明の二相性経口製剤を使用することによって、血漿中リポ酸の治療濃度が一日当たり8時間またはそれよりも長い時間、好ましくは12時間またはそれよりも長い時間、より好ましくは16時間またはそれよりも長い時間を通じて維持されることができる。さらに、これらの期間を通じてのこれらの血漿中リポ酸濃度は、連日、好ましくは数週間または数カ月、より好ましくは患者が血清中グルコース濃度の減少から利益を得る任意の期間−患者の人生の残りの期間である可能性もある−を通じて継続的に、繰り返し得られる。 所望の結果を得るためには、本発明の製剤は代謝されるリポ酸を代償しながら所望の血清中リポ酸濃度が得られるように単位時間当たり十分なリポ酸を放出できる十分な量のリポ酸で開始されなければならない。所望の結果を得るために、二相性製剤は先ずリポ酸を速やかに放出し、その後、製剤の有効寿命を通じてゆっくりと段階的放出を提供する。所望の結果は単相の制御放出製剤で得ることができ、この放出は最初から段階的であり得る。いずれも場合も、放出速度の段階的な緩徐化によって、それまでに放出されたリポ酸の一部が未代謝で血清中に残留する速度が代償されることが好ましい。 好ましい経口製剤は、リポ酸の一部、例えば約25%を最初に速放性に放出して、その後、約8時間の期間を通じて徐々に溶解するように設計された錠剤である。錠剤の溶解に伴ってサイズが小さくなり、単位時間当たり益々少量のリポ酸が放出される。しかし、個々の系には既にリポ酸の治療濃度が含まれているので、より緩慢な放出速度は代謝されるリポ酸の速度と匹敵するために十分であり、結果的に図1に示すような比較的安定した治療濃度が維持される。それ以上リポ酸の放出が起こらない(例えば、約4〜8時間)時点で、もう一つの錠剤が投与されて、このプロセスが繰り返される。本発明の利益を得るためには、このプロセスは連続する多くの日を通じて、数週間、または数カ月もしくは数年間、継続的に繰り返される。時間を通じて最小の血清中リポ酸濃度を維持することによって、患者の異常に高い血清中グルコース濃度は低下して、上昇した血清中グルコース濃度の長期の有害作用が回避される。クレアチン誘導体 クレアチンエチルエステルは、(1)比較的高い濃度、即ち、治療濃度を十分に上回る濃度において無毒である;および(2)ヒト患者によってクレアチンと同一の代謝物に代謝されることを特徴とする。本発明は、クレアチンエステルは低濃度が長期間にわたって維持されるならば極めて低い濃度においても望ましい治療結果を提供するが、治療濃度が十分な期間維持されないならば(たとえより高い濃度であっても)治療結果は得られないという発見に一部依拠する。さらに、本発明は、製剤が5日またはそれよりも多くの日数、好ましくは30日またはそれよりも多くの連続する日数の期間を通じて送達されて、それぞれの日に治療濃度のクレアチンが長い期間得られるならば治療結果はさらに改善されるという発見に一部依拠する。アルギニンα-ケトグルタル酸 アルギニンα-ケトグルタル酸は、(1)比較的高い濃度、即ち、治療濃度を十分に上回る濃度において無毒であること;および(2)ヒト患者によって速やかに代謝されることを特徴とする。本発明は、アルギニンα-ケトグルタル酸は低濃度が長期間にわたって維持されるならば極めて低い濃度においても望ましい治療結果を提供するが、治療濃度が十分な期間維持されないならば(たとえより高い濃度であっても)治療結果は得られないという発見に一部依拠する。さらに、本発明は、製剤が5日またはそれよりも多くの日数、好ましくは30日またはそれよりも多くの連続する日数の期間を通じて送達されて、それぞれの日に治療濃度のアルギニンα-ケトグルタル酸が長い期間得られるならば治療結果はさらに改善されるという発見に一部依拠する。 本発明の一つの局面は、アルギニンα-ケトグルタル酸の血清中濃度が過去に用いられた濃度を大きく下回る範囲に維持された場合であっても、一連の極めて望ましい治療効果が得られることである。本発明は、高い濃度の血清中アルギニンα-ケトグルタル酸で所望の治療効果を得ることができた。しかし、所望の結果を得るためには、少なくとも最小濃度が多くの日数にわたって長い時間(一日当たり4時間またはそれよりも長い時間)を通じて安定的に維持されなければならないであろう。経口投与剤形が、想定される最も長い時間を通じて想定される最も低い治療濃度を得るように設計される場合、得られる結果は最大であり、必要な薬剤の量は最小限である。 本発明によって得られる血漿中アルギニンα-ケトグルタル酸濃度は、その濃度が短時間、例えば4時間またはそれよりも短い時間だけ維持されるとすると、所望の治療効果を得るためには不十分である。しかし、本発明の制御放出製剤を使用することによって、これらのより低いアルギニンα-ケトグルタル酸血漿中濃度が一日当たり8時間またはそれよりも長い時間、好ましくは12時間またはそれよりも長い時間、より好ましくは16時間またはそれよりも長い時間を通じて維持されることができる。さらに、これらの時間を通じてのアルギニンα-ケトグルタル酸の血漿中濃度は、数日間、好ましくは数週間または数カ月間、より好ましくは患者が例えば物質のタンパク質糖化阻害から利益を受ける任意の期間−患者の生涯の残りの期間である可能性もある−を通じて継続的に、繰り返し得られる。 所望の結果を得るためには、本発明の製剤は、代謝されるアルギニンα-ケトグルタル酸を代償しながら所望のアルギニンα-ケトグルタル酸血清中濃度を得るために単位時間当たり十分なアルギニンα-ケトグルタル酸を放出することができるような十分な量のアルギニンα-ケトグルタル酸を含む。所望の結果を得るために、製剤は先ず迅速かつ速やかにアルギニンα-ケトグルタル酸を放出し、その後、製剤の有効寿命を通じてゆっくりと段階的放出を提供する。但し、放出は初めから段階的であってもよい。いずれも場合も、放出速度の段階的な緩徐化によって、それまでに放出されたアルギニンα-ケトグルタル酸の一部が未代謝で血清中に残留する速度が代償される。 好ましい経口製剤は、約8時間の期間を通じて徐々に溶解するように設計された錠剤である。錠剤の溶解に伴ってサイズが小さくなり、単位時間当たり益々少量のアルギニンα-ケトグルタル酸が放出される。しかし、個々の系には既に治療濃度のリポ酸が含まれているので、代謝されるアルギニンα-ケトグルタル酸の速度と匹敵するためにはより緩慢な放出速度で十分であり、結果的に比較的安定した治療濃度が維持される。それ以上アルギニンα-ケトグルタル酸の放出が起こらない(例えば、約4〜8時間)時点で、もう一つの錠剤が投与されて、このプロセスが繰り返される。本発明の利益を得るためには、このプロセスは連続する多くの日、週、月または年を通じて、継続的に繰り返される。時間を通じて最小の血清中アルギニンα-ケトグルタル酸濃度を維持することによって、遺伝的なグルタミン酸脱水素酵素欠乏症ならびにプロリルヒドロキシラーゼおよびリシルヒドロキシラーゼ活性低下に起因する患者の症状が緩和されるであろう。同様に、アテローム性動脈硬化症、白内障形成および網膜症のリスクの高い患者は発病の可能性が低下するであろう。併用製剤 リポ酸は筋細胞に直接作用してグルコース輸送を刺激する。リポ酸によって得られる血清グルコース減少に対する影響は一部の患者にとっては十分である可能性がある。しかし、グルコース低下効果が不十分である場合、スルホニル尿素、ビグアナイドおよびチアゾリジオンからなる群より選択される一つまたは複数の経口的に有効な抗糖尿病物質を用いてリポ酸を強化することができる。有用なスルホニル尿素には、トルブタミドおよびグリピジドならびにアマリール(Amaryl)、パンジン(Pandin)およびスターリックス(Starlix)のような関連化合物が含まれる。これらの薬剤は膵臓β細胞を標的として、これらの細胞のインスリン放出を刺激する。ビグアナイドには、メトホルミン、フェンホルミンおよびブフォルミンのような化合物が含まれる。これらの化合物は、肝臓に対しては肝のグルコース排出を減少するように作用し、腸に対してはグルコースの血中への取り込みを遮断するように作用する。チアゾリジンジオンはロシグリタゾンおよびピオグリタゾンのような化合物を含む。これらの化合物は筋および脂肪細胞のインスリンに対する感受性を増加させると考えられる。 すべてまたは任意の経口的に有効な抗糖尿病薬は本発明の製剤と共に製剤化または投与することができるが、好ましくはメトホルミン(特に、グルコファージ(Glucophage)(商標)として販売されるメトホルミン塩酸塩錠剤)をリポ酸および脂溶性チアミンの双方の治療的有効量を含む本発明の制御放出製剤と共に投与する。いくつかの特に好ましい製剤には、300mgのリポ酸(ラセミ体またはR(+)αリポ酸)、50mgの脂溶性チアミン(ベンフォチアミンまたはプロスルチアミン)、および500mgのメトホルミン塩酸塩が含まれ、またはより多くの用量が必要な場合には、600mgのリポ酸、100mgの脂溶性チアミン、および1,000mgのメトホルミン塩酸塩が含まれる。本発明の製剤をビタミンCおよび/またはビタミンEと共に服用すると、さらに増強された効果を得ることができる。例えば、患者は900mg/日のリポ酸、50〜100mg/日のベンフォチアミン、1,000〜3,000mg/日のビタミンCおよび400〜800mg/日のビタミンEを服用することができる。 実施例10は、本発明の制御放出リポ酸製剤を血清中グルコース濃度を下げるために慣例的に用いられるその他の治療と併用して同時投与する患者の具体的な例を示す。相乗効果が得られ、即ち、本発明のリポ酸制御放出製剤をその他の治療物質と併用したところ、いずれかの組成物の単独投与で期待され得る結果よりも高い結果が得られた。脂溶性チアミンおよび任意で抗糖尿病薬成分は、(1)単に製剤の速放性部分;(2)単に製剤の制御放出部分;または(3)二相性製剤の双方の部分であり製剤の各相に任意の量を含む部分であり得る。賦形剤物質 本明細書に示す実施例は、本発明の製剤が異なる量および割合の活性成分および賦形剤物質を含み得ることを示す。さらに、異なる賦形剤を使用することもできる。用いられる特に好ましい賦形剤および量を実施例に列記する。但し、この開示を読めば、当業者は本発明の全体的概念を理解するようになり、本明細書に最初に示される結果を得るためにその他の賦形剤、量、割合および組み合わせを使用し得ることを認識するであろう。 経口製剤の多くの用量を服用することができるが、各投与事象に単一の用量を、好ましくは一日三回、より好ましくは一日二回服用するように投与量を設計することが好ましい。活性成分が分解から保護されれば保護されるほど、元々の投与量中に必要な活性成分は少なく、それによって製造コストが下がって利益が増大する。製剤は、少なくとも、薬学的な効果を得るために、好ましくは、例えば時間を通じて血清中グルコース濃度の低下といった治療結果を得るために必要な所望の血清中リポ酸およびチアミン濃度を維持するなどの所望の治療結果を得るために必要なだけの用量を保護しなければならない。 製剤は、速度が4時間またはそれよりも長い時間を通じて一定である制御された放出速度で時間を通じて徐々に活性成分を放出するように設計され得る。このことは、(1)リポ酸は半減期が比較的短いこと、および(2)所望の効果を得るためには長期間を通じて所望の血清中リポ酸濃度が維持されなければならないことから、リポ酸成分にとって特に重要である。すべてのリポ酸が一度に放出されるとすると、すべてが一気に循環系に侵入して肝で代謝され、それによって所望の濃度を下回る血清中リポ酸濃度の低下が引き起こされるであろう。これが起こると、グルコース濃度低下に対する効果は最適以下となる。典型的な二成分製剤 本発明の典型的な二活性成分製剤は、重量に基づいて約50%〜70%のリポ酸および5%〜15%の脂溶性チアミンを含み、特に好ましい製剤は重量に基づいて60%のリポ酸および10%の脂溶性チアミンを含む。製剤が重量に基づいて60%リポ酸、重量に基づいて10%の脂溶性チアミンを含み、残りの30%が賦形剤物質であると仮定すると、その30%を構成するために多くの可能な成分を使用することができる。これらの一般的および具体的説明を以下に示す。リポ酸 60%脂溶性チアミン 10%有機性高分子 30%合計 100%(2)リポ酸 60%脂溶性チアミン 10%有機性高分子 24.5%無機物 5.5%合計 100%(3)リポ酸 60%脂溶性チアミン 10%有機性高分子 20%〜30%無機物 10%またはそれ未満合計 100%(4)リポ酸 60%脂溶性チアミン 10%微結晶性セルロース 9%酢酸フタル酸セルロース水分散液 10%ポリビニルピラオリドン 3%酢酸エチル 2.5%含水ケイ酸マグネシウム(タルク) 1%カルボキシメチルエーテル 4%ステアリン酸マグネシウム 0.5%合計 100%(5)リポ酸 60%脂溶性チアミン 10%微結晶性セルロース 10〜20%酢酸フタル酸セルロース水分散液 5〜15%ポリビニルピラオリドン 1〜5%酢酸エチル 1〜5%含水ケイ酸マグネシウム(タルク) 0.5〜3%カルボキシメチルエーテル 1〜5%ステアリン酸マグネシウム 0.5〜1.5%合計 100%(6)R-(+)-α-リポ酸 60%ベンフォチアミン 10%微結晶性セルロース、NF(Avicel PH 101) 9%Aquacoat CPD-30(30%固形物 w/w) 10%Plasdone K29/32、USP 3%Carbopol 974P、NF 2.5%タルク、USP 1.0%クロスカルメロースナトリウム、NF(Ac、di-Sol) 4.0%ステアリン酸マグネシウム、NF 0.5%合計 100%(7)R-(+)-α-リポ酸 60%プロスルチアミン 10%微結晶性セルロース、NF(Avicel PH 101) 10〜20%Aquacoat CPD-30(30%固形物w/w) 5-15%Plasdone K29/32、USP 1〜5%Carbopol 974P、NF 1〜5%タルク、USP 0.5〜3%クロスカルメロースナトリウム、NF(Ac、di-Sol) 1〜5%ステアリン酸マグネシウム、NF 0.5〜1.5%合計 100% 上記の製剤において、リポ酸および脂溶性チアミンのいずれかまたは双方をクレアチン誘導体(例えば、クレアチンエチルエステル)およびアルギニンα-ケトグルタル酸のいずれかまたは双方と置換することができる。三成分製剤 本発明の典型的な三成分製剤は、三つの各活性成分を重量に基づいて約20%〜約50%含み、特に好ましい製剤は三つの各活性成分を重量に基づいて35%±10%含む。製剤が三つの各活性成分を重量に基づいて約35%±10%含み、残りが賦形剤物質であると仮定すると、製剤の残りを構成するために多くの可能な成分を用いることができる。これらの一般的および具体的説明を以下に示す。(1)クレアチンエステル 35%アルギニンα-ケトグルタル酸 25%リポ酸 20%生分解性高分子 20%合計 100%(2)クレアチンエステル 35%アルギニンα-ケトグルタル酸 20%リポ酸 25%生分解性高分子 14.5%無機物 5.5%合計 100%(3)クレアチンエステル 30%アルギニンα-ケトグルタル酸 25%リポ酸 25%有機性高分子 10%〜20%無機物 10%またはそれ未満合計 100%(4)クレアチンエステル 25%アルギニンα-ケトグルタル酸 35%リポ酸 20%微結晶性セルロース 4%酢酸フタル酸セルロース水分散液 5%ポリビニルピロリドン 3%酢酸エチル 2.5%含水ケイ酸マグネシウム(タルク) 1%カルボキシメチルエーテル 4%ステアリン酸マグネシウム 0.5%合計 100%(5)クレアチンエステル 40%アルギニンα-ケトグルタル酸 20%リポ酸 20%微結晶性セルロース 5〜20%酢酸フタル酸セルロース水分散液 5〜15%ポリビニルピロリドン 1〜5%酢酸エチル 1〜5%含水ケイ酸マグネシウム(タルク) 0.5〜3%カルボキシメチルエーテル 1〜5%ステアリン酸マグネシウム 0.5〜1.5%合計 100%(6)クレアチンエステル 30%アルギニンα-ケトグルタル酸 20%リポ酸 20%微結晶性セルロース、NF(Avicel PH 101) 14%Aquacoat CPD-30(30%固形物w/w)5%Plasdone K29/32、USP 3%Carbopol 974P、NF 2.5%タルク、USP 1.0%クロスカルメロースナトリウム、NF(Ac、di-Sol) 4.0%ステアリン酸マグネシウム、NF 0.5%合計 100%(7)クレアチンエチルエステル 35%〜40%アルギニンα-ケトグルタル酸 20〜22.5%リポ酸 20〜22.5%第二リン酸カルシウム 5〜15%ポリビニルピロリドン 2〜4%デンプン 2〜4%ステアリン酸マグネシウム、NF 0.5〜1.5%合計 100%(8)クレアチンエチルエステル 33%アルギニンα-ケトグルタル酸 25%リポ酸 25%第二リン酸カルシウム 10%ポリビニルピロリドン(Kollidon 90) 3%デンプン 3%ステアリン酸マグネシウム 1%合計 100%(9)クレアチンエチルエステル 50%アルギニンα-ケトグルタル酸 15%リポ酸 15%ポリ-DL-ラクチド-コグリコリド(PLG) 20%合計 100%(10)クレアチンエチルエステル 30%アルギニンα-ケトグルタル酸 20%リポ酸 20%ヒドロキシプロピルメチルセルロース 20%噴霧乾燥ラクトース 9.5%ステアリン酸マグネシウム 0.5%合計 100%(11)クレアチンエチルエステル 30〜35%アルギニンα-ケトグルタル酸 20〜22.5%リポ酸 20〜22.5%ポリビニルピロリドン(Kollidon 90) 10〜20%ラクトース 5〜15%微結晶性セルロース 4〜6%二酸化チタン 1〜5%合計 100%(12)クレアチンエチルエステル 40%アルギニンα-ケトグルタル酸 20%リポ酸 20%ポリビニルピロリドン(Kollidon 90) 20%合計 100%(13)クレアチンエチルエステル 40%アルギニンα-ケトグルタル酸 25%リポ酸 15%ポリビニルピロリドン 5%第二リン酸カルシウム 15%合計 100%(14)クレアチンエステル 33%アルギニンα-ケトグルタル酸 20%リポ酸 20%ポリビニルピロリドン 5%第二リン酸カルシウム 12%合計 100%(15)クレアチンエチルエステル 35%アルギニンα-ケトグルタル酸 20%リポ酸 20%ポリビニルピロリドン 5%第二リン酸カルシウム 15%デンプン 5%合計 100%(16)クレアチンエチルエステル 35〜45%アルギニンα-ケトグルタル酸 20〜22.5%リポ酸 20〜22.5%ヒドロキシアルキルセルロース 10〜20%ラクトース 5〜10%微結晶性セルロース 4〜6%二酸化チタン 1〜5%合計 100%(17)クレアチンエチルエステル 40%アルギニンα-ケトグルタル酸 20%リポ酸 20%アルキルセルロース 10%噴霧乾燥ラクトース 9.5%ステアリン酸マグネシウム 0.5%合計 100%(18)クレアチンエチルエステル 50%アルギニンα-ケトグルタル酸 15%リポ酸 15%カルボキシメチルセルロース(ヒドロゲルマトリクス) 10%ポリエチレンオキシド(ヒドロゲルマトリクス) 10%合計 100%(19)クレアチンエチルエステル 30%アルギニンα-ケトグルタル酸 30%リポ酸 20%ポリビニルピロリドン(ヒドロゲルマトリクス) 5%ポリエチレングリコール(ヒドロゲルマトリクス) 15%合計 100%(20)クレアチンエチルエステル 30〜40%アルギニンα-ケトグルタル酸 20%リポ酸 20%ヒドロキシプロピルメチルセルロース 5〜10%エチルセルロース 5〜10%ラクトース 5〜15%ソルビトール 4〜6%二酸化シリコン 1〜5%合計 100%(21)クレアチンエチルエステル 35%アルギニンα-ケトグルタル酸 40%リポ酸 5%酢酸酪酸セルロース 10%デンプン 9.5%ステアリン酸マグネシウム 0.5%合計 100%(22)クレアチンエチルエステル 30%アルギニンα-ケトグルタル酸 10%リポ酸 30%酢酸フタル酸セルロース 10%酢酸トリメリト酸セルロース 10%マンニトール 9.5%ステアリン酸カルシウム 0.5%合計 100%(23)クレアチンエチルエステル 35%アルギニンα-ケトグルタル酸 25%リポ酸 20%酢酸フタル酸ポリビニル 5%フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース 5%ショ糖 5〜9%ステアリン酸 1〜5%合計 100%(24)クレアチンエチルエステル 35%アルギニンα-ケトグルタル酸 20%リポ酸 25%メチルセルロース 10%ヒドロキシプロピルメチルセルロース 5%グルコース 4%タルク 0.5%PEG 6000 0.5%合計 100%(25)クレアチンエチルエステル 30%アルギニンα-ケトグルタル酸 20%リポ酸 20%ポリエチレングリコール 10%ポリ(メタクリル酸アルキル) 10%ステアリン酸カルシウム 5%第二リン酸カルシウム 3%ポロキサマー(Poloxamers) 2%合計 100%(26)クレアチンエチルエステル 50%アルギニンα-ケトグルタル酸 15%リポ酸 15%ヒドロキシプロピルメチルセルロース 14%ペクチン 12%ステアリン酸マグネシウム 4%合計 100%(27)クレアチンエチルエステル 36.7%アルギニンα-ケトグルタル酸 20%リポ酸 20%硫酸カルシウム 7.3%ゼイン(Zein) 1.3%アルギン酸塩 3.3%ペクチン 4.0%グリセリン 6.7%ステアリン酸マグネシウム 0.7%合計 100% 上記の製剤において、活性成分の任意の一つを脂溶性チアミンで代替することができる。 クレアチン誘導体を含む経口投与単位については、多くのヒトが苦い風味を持つと判断する。従って、溶解可能なコーティング剤で投与量(例えば、錠剤)をコーティングすることによって経口投与が実施できるようにマスクすることが望ましい。このようなコーティング剤は、薬学的グレードのセラックまたは同様の材料であってよい。コーティング剤は、投与単位に対して重量に基づいてさらに1%〜4%加えてよい。 当業者は、製剤に関しては無限の可能性があり、各成分について誤差の許容範囲、例えば、±20%またはより好ましくは±10%が考慮されるべきであることを認識するであろう。製剤が上記の比較的少ない化合物に限定される場合であっても、製剤は成分の互いの割合を調整することによって無限に変更することができる。 本発明の製剤の一つの態様の一つの特徴は、三つの活性成分が制御された方法で放出され、速放性製剤に比べて実質的に長い時間を通じて活性成分の治療濃度を維持することができるように設計され得る。特に好ましい製剤は、速やかに治療濃度を得て、その後、活性成分が代謝される速度にほぼ匹敵するように放出速度を減少させて、それによって、経口投与製剤中の活性成分の量に基づいて最大限の期間を通じて患者において治療濃度を維持する。本発明と共に用いられ得る制御放出技術のいくつかの一般的なタイプを以下に記載し、続いて具体的な好ましい製剤を記載する。 上記のように本発明の製剤は活性成分の「速放性」製剤であり、このような製剤は多くの利点を提供する。本発明に従って製剤化されるクレアチン誘導体は、クレアチン製剤に比べて高い生物学的利用能を示す。この高い生物学的利用能は、本明細書に記載されるように多くの分野において改善された結果を提供する。但し、本発明の製剤は活性成分の持続的な放出または制御された放出を提供するように作成することができる。活性成分が長い時間を通じて治療濃度にて維持されると、得られる結果が改善される。従って、以下は制御放出製剤の産生に関する情報を提供する。四成分製剤 本発明の典型的な四成分製剤は、四つの各活性成分を重量に基づいて約5%〜約50%含み、特に好ましい製剤は四つの各活性成分を重量に基づいて10%〜30%±10%含む。製剤が四つの各活性成分を重量に基づいて約25%±10%含み、残りが賦形剤物質であると仮定すると、製剤の残りを構成するために多くの可能な成分およびそれらの組み合わせを用いることができる。クレアチン誘導体成分はその他の活性成分に比して一般に比較的多量に加えられて、脂溶性チアミン成分は少ない量で加えられる。これらの一般的および具体的説明を以下に示す:(1)クレアチンエステル 30%アルギニンα-ケトグルタル酸 20%リポ酸 20%脂溶性チアミン 10%生分解性高分子 20%合計 100%(2)クレアチンエステル 30%アルギニンα-ケトグルタル酸 20%リポ酸 20%脂溶性チアミン 10%生分解性高分子 14.5%無機物 5.5%合計 100%(3)クレアチンエステル 25%アルギニンα-ケトグルタル酸 25%リポ酸 20%脂溶性チアミン 10%有機性高分子 10%〜20%無機物 10%またはそれ未満合計 100%(4)クレアチンエステル 25%アルギニンα-ケトグルタル酸 25%リポ酸 20%脂溶性チアミン 10%微結晶性セルロース 4%酢酸フタル酸セルロース水分散液 5%ポリビニルピロリドン 3%酢酸エチル 2.5%含水ケイ酸マグネシウム(タルク) 1%カルボキシメチルセルロース 4%ステアリン酸マグネシウム 0.5%合計 100%(5)クレアチンエステル 35%アルギニンα-ケトグルタル酸 20%リポ酸 15%脂溶性チアミン 10%微結晶性セルロース 5〜20%酢酸フタル酸セルロース水分散液 5〜15%ポリビニルピロリドン 1〜5%酢酸エチル 1〜5%含水ケイ酸マグネシウム(タルク) 0.5〜3%カルボキシメチルエーテル 1〜5%ステアリン酸マグネシウム 0.5〜1.5%合計 100%(6)クレアチンエステル 30%アルギニンα-ケトグルタル酸 15%リポ酸 15%脂溶性チアミン 10%微結晶性セルロース、NF(Avicel PH 101) 14%Aquacoat CPD-30(30%固形物 w/w) 5%Plasdone K29/32、USP 3%Carbopol 974P、NF 2.5%タルク、USP 1.0%クロスカルメロースナトリウム、NF(Ac、di-Sol) 4.0%ステアリン酸マグネシウム、NF 0.5%合計 100%(7)クレアチンエチルエステル 25%〜30%アルギニンα-ケトグルタル酸 20〜22.5%リポ酸 20〜22.5%脂溶性チアミン 5〜15%第二リン酸カルシウム 5〜15%ポリビニルピロリドン 2〜4%デンプン 2-4%ステアリン酸マグネシウム、NF 0.5〜1.5%合計 100%(8)クレアチンエステル 33%アルギニンα-ケトグルタル酸 20%リポ酸 25%脂溶性チアミン 5%第二リン酸カルシウム 10%ポリビニルピロリドン(Kollidon 90) 3%デンプン 3%ステアリン酸マグネシウム 1%合計 100%(9)クレアチンエチルエステル 35%アルギニンα-ケトグルタル酸 15%リポ酸 15%脂溶性チアミン 15%ポリ-DL-ラクチド-コグリコリド(PLG) 20%合計 100%(10)クレアチンエチルエステル 25%アルギニンα-ケトグルタル酸 20%リポ酸 20%脂溶性チアミン 5%ヒドロキシプロピルメチルセルロース 20%噴霧乾燥ラクトース 9.5%ステアリン酸マグネシウム 0.5%合計 100%(11)クレアチンエチルエステル 30〜35%アルギニンα-ケトグルタル酸 20〜22.5%リポ酸 20〜22.5%脂溶性チアミン 5〜15%ポリビニルピロリドン(Kollidon 90) 10〜20%ラクトース 5〜15%微結晶性セルロース 4〜6%二酸化チタン 1〜5%合計 100%(12)クレアチンエチルエステル 35%アルギニンα-ケトグルタル酸 15%リポ酸 15%脂溶性チアミン 15%ポリビニルピロリドン(Kollidon 90) 20%合計 100%(13)クレアチンエチルエステル 40%アルギニンα-ケトグルタル酸 20%リポ酸 15%脂溶性チアミン 5%ポリビニルピロリドン 5%第二リン酸カルシウム 15%合計 100%(14)クレアチンエステル 33%アルギニンα-ケトグルタル酸 15%リポ酸 20 %脂溶性チアミン 5%ポリビニルピロリドン 5%第二リン酸カルシウム 12%合計 100%(15)クレアチンエチルエステル 35%アルギニンα-ケトグルタル酸 15%リポ酸 15%脂溶性チアミン 5%ポリビニルピロリドン 5%第二リン酸カルシウム 15%デンプン 5%合計 100%(16)クレアチンエチルエステル 35〜45%アルギニンα-ケトグルタル酸 20〜22.5%リポ酸 20〜22.5%脂溶性チアミン 5〜15%ヒドロキシアルキルセルロース 10〜20%ラクトース 5〜10%微結晶性セルロース 4〜6%二酸化チタン 1〜5%合計 100%(17)クレアチンエチルエステル 30%アルギニンα-ケトグルタル酸 20%リポ酸 20 %脂溶性チアミン 10%アルキルセルロース 10%噴霧乾燥ラクトース 9.5%ステアリン酸マグネシウム 0.5%合計 100%(18)クレアチンエチルエステル 30%アルギニンα-ケトグルタル酸 20%リポ酸 20%脂溶性チアミン 10%カルボキシメチルセルロース(ヒドロゲルマトリクス) 10%ポリエチレンオキシド(ヒドロゲルマトリクス) 10%合計 100%(19)クレアチンエチルエステル 20%アルギニンα-ケトグルタル酸 30%リポ酸 20%脂溶性チアミン 10%ポリビニルピロリドン(ヒドロゲルマトリクス) 5%ポリエチレングリコール(ヒドロゲルマトリクス) 15%合計 100%(20)クレアチンエチルエステル 15〜45%アルギニンα-ケトグルタル酸 15%リポ酸 15%脂溶性チアミン 10%ヒドロキシプロピルメチルセルロース 5〜10%エチルセルロース 5〜10%ラクトース 5〜15%ソルビトール 4〜6%二酸化シリコン 1〜5%合計 100%(21)クレアチンエチルエステル 20%アルギニンα-ケトグルタル酸 40%リポ酸 5%脂溶性チアミン 15%酢酸酪酸セルロース 10%デンプン 9.5%ステアリン酸マグネシウム 0.5%合計 100%(22)クレアチンエチルエステル 30%アルギニンα-ケトグルタル酸 10%リポ酸 20 %脂溶性チアミン 10%酢酸フタル酸セルロース 10%酢酸トリメリト酸セルロース 10%マンニトール 9.5%ステアリン酸カルシウム 0.5%合計 100%(23)クレアチンエチルエステル 35%アルギニンα-ケトグルタル酸 15%リポ酸 20%脂溶性チアミン 10%酢酸フタル酸ポリビニル 5%フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース 5%ショ糖 5〜9%ステアリン酸 1〜5%合計 100%(24)クレアチンエチルエステル 35%アルギニンα-ケトグルタル酸 20%リポ酸 20%脂溶性チアミン 5%メチルセルロース 10%ヒドロキシプロピルメチルセルロース 5%グルコース 4%タルク 0.5%PEG 6000 0.5%合計 100%(25)クレアチンエチルエステル 20%アルギニンα-ケトグルタル酸 20%リポ酸 20 %脂溶性チアミン 10%ポリエチレングリコール 10%ポリ(メタクリル酸アルキル) 10%ステアリン酸カルシウム 5%第二リン酸カルシウム 3%ポロキサマー 2%合計 100%(26)クレアチンエチルエステル 35%アルギニンα-ケトグルタル酸 15%リポ酸 15%脂溶性チアミン 15%ヒドロキシプロピルメチルセルロース 14%ペクチン 12%ステアリン酸マグネシウム 4%合計 100%(27)クレアチンエチルエステル 36.7%アルギニンα-ケトグルタル酸 20%リポ酸 10%脂溶性チアミン 10%硫酸カルシウム 7.3%ゼイン 1.3%アルギン酸塩 3.3%ペクチン 4.0%グリセリン 6.7%ステアリン酸マグネシウム 0.7%合計 100% クレアチン誘導体を含む経口投与単位は、多くのヒトが苦い風味を持つと判断する。従って、溶解可能なコーティング剤で投与量(例えば、錠剤)をコーティングすることによって経口投与が実施できるようにマスクすることが望ましい。このようなコーティング剤は、薬学的グレードのセラックまたは同様の材料であり得る。コーティング剤は、投与単位に対して重量に基づいてさらに1%〜4%加えることができる。 当業者は、製剤に関しては無限の可能性があり、各成分について誤差の許容範囲、例えば、±20%またはより好ましくは±10%(成分の重量に従って、重量に基づく)が考慮されるべきであることを認識するであろう。製剤が上記の比較的少ない化合物に限定される場合であっても、製剤は成分の互いの割合を調整することによって無限に変更することができる。 本発明の製剤の一つの態様の特徴は、活性成分が制御された方法で放出されて、速放性製剤に比べて実質的に長い時間を通じて活性成分の治療濃度を維持することができることである。特に好ましい製剤は、速やかに治療濃度を得て、その後、活性成分が代謝される速度にほぼ匹敵するように放出速度を減少させて、それによって、経口投与製剤中の活性成分の量に基づいて最大限の時間を通じて患者において治療濃度を維持する。本発明と共に用いられ得る制御放出技術のいくつかの一般的なタイプについては以下に記載し、続いて具体的な好ましい製剤を記載する。 上記のように本発明の製剤は活性成分の「速放性」製剤であり、このような製剤は多くの利点を提供する。本発明に従って製剤化されるクレアチン誘導体は、クレアチン製剤に比べて高い生物学的利用能を示す。この高い生物学的利用能は、本明細書に記載されるように多くの分野において改善された結果を提供する。但し、本発明の製剤は活性成分の持続的放出または制御された放出を提供するように作成することができる。活性成分が長い時間を通じて治療濃度に維持されると、得られる結果が改善される。従って、以下は制御放出製剤の生産に関する情報を提供する。 当業者は、製剤に関しては無限の可能性があり、各成分について誤差の許容範囲、例えば、≦20%もしくは≦10%または±5%(重量に基づく)が考慮されるべきであることを認識するであろう。製剤が上記の比較的少ない化合物に限定される場合であっても、製剤は成分の互いの割合を調整することによって無限に変更することができる。本発明の任意の製剤の一つの重要な特徴は、各活性成分が治療上有効な量で加えられることである。リポ酸は制御された方法で放出され、それによって速放性製剤に比べて実質的に長い時間を通じてリポ酸の治療濃度を維持できることは重要であり得る。特に好ましい製剤は、速やかにすべての活性成分の治療濃度を得て、その後、各活性成分が代謝される速度にほぼ匹敵するように放出速度を減少させて、それによって、経口投与製剤中の活性成分の量に基づいて最大限の時間を通じて患者において治療濃度を維持する。本発明と共に用いられ得る制御放出技術のいくつかの一般的なタイプについて以下に記載し、続いて具体的な好ましい製剤を記載する。制御放出技術 本発明の範囲内である制御放出は、多くの長期放出投与剤形の任意の一つを意味するために使用することができる。次の用語は、本発明の目的において、制御放出と実質的に同等であると考えてよい: 連続放出、制御放出、遅延放出(delayed release)、デポ(depot)、段階的放出、長期放出、プログラムされた放出、延長放出、比例放出、遅延性放出(protracted release)、持続性(repository)、遅延(retard)、緩慢放出、間欠放出(spaced release)、持続放出(sustained release)、タイムコート(time coat)、適時放出(timed release)、遅発性作用(delayed action)、長期作用(extended action)、レイヤードタイム(layered-time)作用、持続作用性、延長作用(prolonged action)、反復作用、緩慢作用性、持続作用(sustained action)、持続作用薬剤、および長期放出。これらの用語に関するさらなる考察は、Lesczek Krowczynski, Extended-Release Dosage Forms, 1987 (CRC Press, Inc.)に見出すことができる。 Alza社およびElanのように制御放出経口製剤を含む薬剤送達技術について特殊専門技術を持つ会社がある。特許、公開特許出願および関連する刊行物に関する調査は、本開示を読む当業者に重要な可能性のある制御放出経口製剤を提供するであろう。例には、1997年6月10日に発行された米国特許第5,637,320号;1996年4月9日に発行された第5,505,962号;1997年6月24日に発行された第5,641,745号;1997年6月24日に発行された第5,641,515号;2003年6月3日に発行された米国特許第6,572,888号;および2001年2月20日に発行された米国特許第6,191,162号の任意の特許に開示される製剤が含まれる。本明細書およびこれらの特許では具体的な製剤が開示されるが、本発明はいかなる具体的製剤よりもさらに一般的である。このことは、速放性製剤に比べて実質的に長い時間にわたって治療濃度を維持する制御放出製剤にリポ酸を加えることによって、予想外の改善された結果が得られるという発見を含む。 様々な制御放出技術が極めて幅広い薬剤投与剤形をカバーする。制御放出技術には物理的な系および化学的な系が含まれるが、これらに限定されるものではない。 物理的な系には、マイクロカプセル化、マイクロ封入および膜システムのような速度制御膜を持つ貯蔵システム;中空繊維、超微孔性三酢酸セルロース、ならびに多孔性高分子物質および泡沫物質のような速度制御膜を持たない貯蔵システム;非多孔性、高分子性またはエストラマーマトリックス(例えば、非浸食性、浸食性、環境性物質の移入および分解性)に物理的に溶解する系および非多孔性、高分子性、またはエラストマーマトリックス(例えば、非浸食性、浸食性、環境性物質の移入および分解性)に物理的に分散する材料を含むモノリシックな系;外側の制御層と化学的に類似または異質な貯蔵層を含む層状構造物;および浸透圧ポンプまたはイオン交換樹脂への吸着のようなその他の物理的方法が含まれるが、これらに限定されるものではない。 化学的な系には、高分子マトリックスの化学的浸食(例えば、不均一または均一な浸食)、または高分子マトリックスの生物学的浸食(例えば、異種性または同種性)が含まれるが、これらに限定されるものではない。制御放出のための系の分類に関するその他の考察については、Agis F. Kydonieus, Controlled Release Technologies: Methods, Theory and Applications, 1980(CRC Press, Inc.)に見出すことができる。 制御放出薬剤送達系は、速度プレプログラム薬剤送達系、活性化調節薬剤送達系、フィードバック調整薬剤送達系、および部位標的化薬剤送達系を含むがこれらに限定されない基礎的技術分野において分類することもできる。 速度プレプログラム薬剤の場合、送達系からの薬剤分子の放出は、特別な速度プロフィールにおいて「プレプログラム」される。これは、送達系の内部または周辺のバリア媒質内および/またはバリア媒質を介した薬剤分子の分子拡散を制御する系設計によって行うことができる。しばしばフィックの拡散法則に従う。 活性化調節薬剤送達系の場合、送達系からの薬剤分子の放出は、いくつかの物理的、化学的または生化学的プロセスによって活性化されて、かつ/または外部から供給されるエネルギーによって促進される。続いて、薬剤放出の速度は、適用されるプロセスまたは入力エネルギーを調節することによって制御される。 フィードバック調整薬剤送達系では、送達系からの薬剤分子の放出は、体内での生化学的物質のような誘因となる事象によって活性化され得る。続いて、薬剤放出の速度は、フィードバック調整メカニズム内のセンサーによって検出される、誘因となる物質の濃度によって制御される。 部位標的化薬剤送達系では、薬剤送達系は活性分子を特定の部位または標的組織もしくは細胞に対して標的化する。これは、例えば、薬剤送達系を標的組織(または細胞)の近くに誘導する部位特異的標的化分子、薬剤送達系を標的組織に輸送して標的組織に優先的に取り込まれるようにする可溶化剤、およびスペーサーを介して高分子骨格と共有結合して標的組織において特殊な酵素によってのみ開裂することができる開裂可能基を含む薬剤分子を含む抱合体によって行われ得る。 制御放出薬剤送達の好ましい機序は経口であるが、本発明の制御放出組成物のその他の送達機序を使用することもできる。これらには、粘膜送達、鼻腔送達、眼部送達、経皮送達、非経口的制御放出送達、膣送達および子宮内送達が含まれる。 好ましくは経口投与のために開発された多くの制御放出薬剤の製剤がある。これらには、浸透圧制御式消化管送達系;水力学的圧力制御式消化管送達系;微孔性膜浸透制御式消化管送達装置を含む膜透過制御式消化管送達系;胃液耐性の消化管に標的化された制御放出消化管送達装置;ゲル拡散制御式消化管送達系;ならびに陽イオンおよび陰イオン性薬剤を含むイオン交換制御式消化管送達系が含まれるが、これらに限定されるものではない。制御放出薬剤送達系に関するその他の情報は、Yie W. Chien, Novel Drug Delivery Systems, 1992(Marcel Dekker, Inc.)に見出すことができる。これらの製剤のいくつかは、近い将来、より詳細に考察されるであろう。 腸溶コーティングは、好ましくない副作用のリスクを抑えるため、またはともすれば胃環境への暴露の分解を受ける可能性のある薬剤の安定性を維持するために、胃内での薬剤の放出を防ぐように錠剤に対して適用される。この目的のために用いられる大半の高分子は、それらの水性媒質中での溶解度がpH依存性であり、それらは胃において通常遭遇するよりも高いpHの条件を必要とするという特徴または事実によって機能するポリ酸である。 経口制御放出構造の一つの好ましいタイプは、固形または液体投与剤形の腸溶コーティングである。腸溶コーティングは、リポ酸塩が胃液に暴露された際に特定の期間、投与剤形中に物理的に組み込まれて残留することを促進する。さらに、腸溶コーティングは、速やかな吸収のために腸液中で崩壊するように設計される。リポ酸塩の吸収の遅延は消化管を介しての輸送の速度に依存し、胃内容排出速度が重要な要因である。幾人かの研究者らは、粒剤のようなマルチユニット型の投与剤形が単一ユニット型よりも優れている可能性があることを報告している。従って、好ましい態様において、リポ酸塩は腸溶コーティングされたマルチユニット型の投与剤形中に含めてよい。より好ましい態様において、リポ酸塩の投与剤形は不活性コア物質へのリポ酸塩腸溶コーティング物質固体分散剤の噴霧コーティング粒剤によって調製される。これらの粒剤は、優れた生物学的利用能を持つ薬剤の吸収を長期化することができる。 典型的な腸溶コーティング剤には、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メタクリル酸-メタクリル酸エステルコポリマー、ポリビニル酢酸-フタル酸および酢酸フタル酸セルロースが含まれるが、これらに限定されるものではない。Akihiko Hasegawa, Application of solid dispersions of Nifedipine with enteric coating agent to prepare a sustained-release dosage form, Chem. Pharm. Bull. 33: 1615-1619(1985)。溶解時間、コーティング厚および直径粉砕強度の好ましい組み合わせを持つようにアブイニシオ(ab initio)にて設計された腸溶コーティング投与剤形を実現するための試験に基づいて、様々な腸溶コーティング材料が選択され得る。S.C. Porter et al., The Properties of Enteric Tablet Coatings Made From Polyvinyl Acetate-phthalate and Cellulose acetate Phthalate, J. Pharm. Pharmacol. 22: 42p(1970)。 時に、腸溶コーティングのパフォーマンスはその浸透性次第であることがある。S.C. Porter et al., The Permeability of Enteric Coatings and the Dissolution Rates of Coated Tablets, J. Pharm. Pharmacol. 34: 5-8(1981)。このような経口薬剤送達系を用いた場合、薬剤放出プロセスは腸溶コーティングを介しての水性液体の拡散によって開始され得る。試験から、浸透圧誘発性/破裂作用が腸溶コーティングされた投与剤形からの重要な放出メカニズムであることが示唆されている。Roland Bodmeier et al., Mechanical Properties of Dry and Wet Cellulosic and Acrylic Films Prepared from Aqueous Colloidal Polymer Dispersions used in the Coating of Solid Dosage Forms, Pharmaceutical Research, 11: 882-888(1994)。 もう一つのタイプの有用な経口制御放出構造は固体分散剤である。固体分散剤は、融解(融合)、溶媒、または融解-溶媒法により調製された固体状態の不活性担体またはマトリックスにおける一つまたは複数の活性成分の分散として定義することができる。Akihiko Hasegawa, Super Saturation Mechanism of Drugs from Solid Dispersions with Enteric Coating Agents, Chem. Pharm. Bull. 36: 4941-4950(1998)。固体分散剤(solid dispersions)は固体状態の分散剤(solid-state dispersions)と呼ぶこともできる。「共沈殿」という用語は、溶媒法によって得られた調製物を示すために用いることもできる。 固体分散剤は、水溶性の極めて低いリポ酸塩の溶解度および/または溶解速度を高めるために用いることができる。Hiroshi Yuasa, et al., Application of the Solid Dispersion Method to the Controlled Release Medicine. III. Control of the Release Rate of Slightly Water-Soluble Medicine From Solid Dispersion Granules, Chem. Pharm. Bull. 41: 397-399(1993)。固体分散法は、元々は、医薬品をポリエチレングリコールまたはポリビニルピラオリドンのような水溶性担体に分散することによって水溶性の低い医薬品の溶解速度を高めるために用いられた。Hiroshi Yuasa, et al., Application of the Solid Dispersion Method to the Controlled Release of Medicine. IV. Precise Control of the Release Rate of a Water-Soluble Medicine by Using the Solid Dispersion Method Applying the Difference in the Molecular Weight of a Polymer, Chem. Pharm. Bull. 41: 933-936(1993)。 複数の成分混合物の場合、表面からの成分の溶解速度はその他の成分の影響を受ける可能性があることから、担体の選択は分散薬剤の溶解特性に影響を及ぼし得る。例えば、水溶性の担体はマトリックスからの薬剤の速やかな放出を引き起こす可能性があり、または溶解度の極めて低いもしくは不溶性の担体はマトリックスからの薬剤のより緩慢な放出に至る可能性がある。リポ酸塩の溶解度も、担体との何らかの相互作用によって増大する可能性がある。 本発明の固体分散剤において有用な担体の例には、ポリエチレングリコール、ポリビニルピラオリドンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースのような水溶性高分子が含まれるが、これらに限定されるものではない。Akihiko Hasegawa, Application of Solid Dispersions of Nifedipine with Enteric Coating Agent to Prepare a Sustained-release Dosage Form, Chem. Pharm. Bull. 33: 1615-1619(1985)。 代替の担体にはホスファチジルコリンが含まれる。Makiko Fujii, et al. , The Properties of Solid Dispersions of Indomethacin, Ketoprofen and Flurbiprofen in Phosphatidylcholine, Chem. Pharm. Bull. 36:2186-2192 (1998)。ホスファチジルコリンは両性であるが水不溶性の脂質であり、ともすれば不溶性のリポ酸塩のホスファチジルコリン固体分散剤における両性状態での溶解度を向上させることができる。Makiko Fujii, et al., Dissolution of Bioavailibility of Phenytoin in Solid Dispersion with Phosphatidylcholine, Chem. Pharm. Bull 36:4908-4913 (1988)を参照されたい。 その他の担体には、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が含まれる。Katsuhiko Yano, et al., In-Vitro Stability and In-Vivo Absorption Studies of Colloidal Particles Formed From a Solid Dispersion System, Chem. Pharm. Bull 44:2309-2313 (1996)。水溶性の極めて低いリポ酸塩は、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびカルボキシメチルエチルセルロースのような腸溶性高分子、ならびに非腸溶性高分子であるヒドロキシプロピルメチルセルロースと共に固体分散系に含めることができる。Toshiya Kai, et al., Oral Absorption Improvement of Poorly Soluble Drug Using Soluble Dispersion Technique, Chem. Pharm. Bull. 44:568-571 (1996)を参照されたい。もう一つの固体分散投与剤形には、異なる割合のエチルセルロースおよびステアリン酸を用いた関心対象の薬剤の組み込みが含まれる。Kousuke Nakano, et al., Oral Sustained-Release Cisplatin Preparations for Rats and Mice, J. Pharm. Pharmacol. 49:485-490 (1997)。 本発明の活性成分は、前記の制御放出投与剤形の任意の一つ、またはその他の慣例的な投与剤形に組み込むことができる。各用量に含まれる各活性成分の量は、個々の患者の必要、および適用に見合うように調整することができる。当業者および本開示を読む者は、各活性成分の送達およびその生物学的利用能を至適化するために、制御放出製剤における各活性成分の量および放出速度の調整方法を容易に認識するであろう。治療のための適用/リポ酸 本発明の製剤は、幅広い望ましい効果を得るために用いることができる。特に、本発明の製剤は、抗酸化剤の長期投与によって治療可能である本質的に任意の疾患状態または症状の治療に有用である。さらに、本発明の製剤は、チアミンまたはビタミンB1の値が異常に低い患者の治療に使用することができる。さらに、本発明は、炭水化物代謝および糖尿病の異なる型を含む血中グルコースの除去を伴う疾患の治療に使用することができる。さらに、本発明は糖尿病性多発ニューロパシーの治療に使用することができる。さらに、本発明は、有害作用が、抗酸化剤の存在によって消散させることができる高濃度のフリーラジカルまたは基礎のグルコース輸送を刺激することによって低下させることができる高濃度の血清中グルコースに起因する場合、眼および皮膚の様々な有害作用の治療に有用である。リポ酸の実質的に安定な濃度を維持することは、免疫調節に役立つ長期の抗酸化作用を提供して、その結果、肝および腎の機能を改善することができる。循環系における長期の抗酸化作用から、本発明は心血管系に対して様々な有益な効果を示す。脂溶性チアミンの投与は、一部の肝疾患および糖尿病に関連する神経変性疾患の緩和に有用である。HIVに感染した患者は、免疫系に対して得られる増強効果から利益を受けることができる。 活性成分の毒性が極めて弱いため、本製剤は、有害作用の心配を伴うことなく、軽度から重篤までの状態の異なる幅広い患者に投与することができる。さらに、本明細書で記載される制御放出製剤は、得られる血清中濃度が速放性製剤に比べて低く、速放性製剤よりもさらに安全である。制御放出リポ酸を服用する一部の患者が発現する一つの軽度の副作用は、最初の数日間を通じての軽度の頭痛である。リポ酸の速放性製剤では、頭痛は観察されていない。血管拡張剤の投与を受けた患者は、投与の最初の数日間を通じて同じく軽度の頭痛を発現する。頭痛は、脳への血流の増加を可能とする血管拡張作用によって引き起こされると考えられる。従って、本発明の制御放出製剤はアンギナ患者を治療するための血管拡張剤として使用することができる。 本明細書に示すデータは、上記の疾患または症状の多くに関する具体的な治療を示すものではない。しかし、本発明は、特に制御放出製剤が長期間、即ち、数週間、数カ月および数年の期間を通じて(例えば、連日)患者に投与される場合に幅広い有益な効果を得るための役割を果たすと確信される。非常に長い期間を通じて血液中の活性成分の実質的に安定な治療濃度を維持することによって、一連の望ましい生理学的結果が得られる。別の言い方をすると、リポ酸のような活性成分の安定した血清中治療濃度を継続的に維持し、患者の血中グルコース濃度をより望ましい範囲内に維持することによって、フリーラジカルおよびグルコース濃度の顕著な変動から生じる有害作用が回避される。治療のための適用/チアミン 経口的に服用されるチアミンからのヒトにおける公知の毒性はない。ヒトはいかなる有害な影響もなく一日当たり数百ミリグラムを服用しているが、ヒトによっては他のヒトよりも強く刺激される可能性がある。しかし、チアミン注射は時に外傷または浮腫に関連している。 チアミン摂取が長期にわたって制限されると、様々な症状、特に全般的な気分、神経系、消化系および心に影響する症状を誘発する可能性がある。チアミン欠乏症の場合、大半の任意の必須栄養素の欠損症と同じく、症状は軽度ないし中等度の欠乏障害から重篤な疾患までの範囲の症状は、RDA量が通常妨げとなることを示している。 脚気は、チアミン欠乏症によって引き起こされる疾患に対して与えられた病名である。脚気には3つの基本的発現系、つまり、小児性、湿性および乾性脚気がある。小児性脚気は成長過程を妨げ、幼児では、疾患に関連して高調絶叫および速い心拍が認められる。湿性脚気は、体部に拡大する足および脚の浮腫(腫脹)を伴う古典的な型であり、心の機能低下を伴う。乾性脚気に付随する腫脹は見られないが、体重低下、筋肉の消耗および神経変性によって発現すると思われる。もう一つのチアミン欠乏症疾患は脳の変性を伴い、全般的な見当識、態度および歩行能力に影響がある。これはウェルニッケ-コルサコフ(Wernicke-Korsakoff)症候群と呼ばれており、通常は長年にわたってアルコールを常用しているヒトに見られる。 これらの重大な問題は、食事の変化またはチアミン補充でそれらが是正されない場合は死に至る可能性があり、実際、死に至る。ビタミンB1が発見される前は、これは、主として白米からなる食事を摂取する多くのヒトに認められた。現在でも、このビタミンの欠乏症は依然としてかなり一般的である。通常は脚気には至らないが、全身レベルのチアミンの枯渇から多くの症状が生じ得る。我々の文化では、白米または未強化の小麦粉からなる低B1食が原因であることは滅多にない。今日、特にティーンエージャーにおいて欠乏症をもたらす食事はコーラ、甘いもの、ファーストフード、および多くのその他の空カロリー食品に多い。この食事は、皮膚の問題、および、ほとんどジキルとハイド(Jekyll-and-Hyde)の性質のような神経症の症状を招くこともある。 チアミン欠乏症の場合、炭水化物の消化およびグルコースの代謝が低下する。血液中にピルビン酸が蓄積し、その結果、酸素利用が低下し、従って精神薄弱および呼吸困難にさえ至る可能性がある。アルコール代謝にはB1が必要であり、アルコール乱用はしばしば食事吸収不良およびB1吸収不良に関連する。アルコール症に付随する認知障害、精神状態不良および神経の問題はチアミン欠乏症に関連する可能性がある。 チアミン欠乏症の最初の症状は疲労、不安定である。これらに続いて、錯乱、記憶喪失、うつ病、不器用、不眠症、胃腸障害、腹痛、便秘、心拍数減少、および胸部灼熱痛を生じることがある。状態が進行すると、不規則心調律、脚の刺すような感覚、振動感覚の消失の問題が生じる可能性があり、筋は敏感になって萎縮を起こす可能性がある。視神経は炎症を起こす可能性があり、視覚が影響を受けるであろう。 一般に、B1が少ないと、中枢神経系−脳および神経は十分な機能を発揮しない。消化系および心血管系も大きな影響を受ける。ビタミンB1値は、多くの高齢者、特に老化、神経症および統合失調症を経験する高齢者において低いことが示されている。 チアミンは一部皮膚を介して排出されるので、一日当たり50〜100mgを超える用量はハエおよび蚊のような昆虫を「甘い血液」を持つヒトから撃退するのに役立つ可能性がある。チアミン増加のその他の使用には、ストレスおよび筋緊張、下痢、発熱および感染、筋痙攣、ならびに頭痛の治療が含まれる。 チアミン要求量は、高いストレスレベル、発熱または下痢、ならびに外科手術の術中および術後にも増大する。喫煙者、飲酒をするヒト、コーヒーもしくは紅茶からカフェインもしくはタンニンを摂取するヒト、または妊婦、授乳婦、もしくは避妊薬を服用しているヒトはすべて、より多くのチアミンを必要として、至適健康のために、RDAよりも著しく多くを必要とする可能性もある。 チアミンは、毎日、食事または補助食品として必要とされる。心、肝および腎にある程度貯蔵されるが、これらはそれほど長くは続かない。非常に健康なヒトの最小B1摂取量は一日当たり少なくとも2mgである。チアミンの良好な保険的レベルは一日10mgと思われるが、場合によっては、より高い値が有用である可能性もある。最適な摂取が行われない場合、何らかの乱用性物質嗜癖(特にアルコール乱用)がある場合、またはストレス下にある場合は、チアミン値の増加が推奨される。一つの例として、B複合体50製剤、つまり、50mgのB1および同量の他のほとんどのビタミンBが一日投与計画として提案される。チアミンの上限摂取量は一日200〜300mgを大きく超えてはならない。時に、B1、B2(リボフラビン)、およびB6(ピリドキシン)がB複合補助食品中に等量ずつ混合して製剤化される。多量のビタミンBを摂取すると、多くのヒトが活力およびバイタリティーの変化を感じる。(注:任意の長さの期間で摂取されるリボフラビンは一日50mgに制限されることが最も望ましい。)治療のための適用/アルギニン 本発明のアルギニンα-ケトグルタル酸製剤は、幅広い望ましい効果を得るために用いることができる。さらに、本発明は、グルタミン酸脱水素酵素欠損症、プロリルヒドロキシラーゼおよびリシルヒドロキシラーゼ活性の低下を伴う疾患の治療に用いることができる。さらに、本発明は、有害作用がタンパク質糖化の蓄積に起因する場合の、眼および皮膚の様々な有害作用の治療に有用である。アルギニンα-ケトグルタル酸の実質的に安定な濃度を維持することによって、免疫調節に役立つ長期の抗酸化作用が提供される。 アルギニンα-ケトグルタル酸の毒性が極めて弱いため、有害作用の心配を伴うことなく、軽度から重篤までの状態の異なる幅広い患者に投与することができる。さらに、本明細書で記載される制御放出製剤は、得られる血清中濃度が速放性製剤に比べて低く、速放性製剤よりもさらに安全である。 しかし、本発明は、特に製剤が長い期間、即ち、数週間、数カ月および数年の期間を通じて患者に投与される場合に幅広い有益な影響を得るための役割を果たすと確信される。非常に長い期間を通じて血液中のアルギニンα-ケトグルタル酸の実質的に安定な治療濃度を維持することによって、一連の望ましい生理学的結果が得られる。別の言い方をすると、強力な抗酸化物質の安定した血清中治療濃度を継続的に維持してタンパク質の糖化を防ぐことによって、アテローム性動脈硬化症、白内障および網膜症の発病が予防される。全般的な循環が改善されて、抗酸化作用を得ることができる。治療のための適用/クレアチン誘導体 本発明のクレアチンエステル製剤は、幅広い望ましい効果を得るために用いることができる。本発明の製剤は、てんかん、パーキンソン病、多発性硬化症、または筋萎縮性側索硬化症(ALS)のような神経変性疾患、およびツレット症候群の症状であるミオクローヌス(即ち、異なる身体部位において非反復性、短期性、不随意性の運動を生じる筋の不規則性、共同運動不能性および転々反側性の収縮を特徴とする神経筋疾患)を持つ患者に投与してもよい。さらに、本発明は筋パフォーマンスを向上させるために使用することができる。 クレアチンエステルの毒性が極めて弱いため、有害作用の心配を伴うことなく、軽度から重篤までの状態の異なる幅広い患者に投与することができる。さらに、本明細書で記載される制御放出製剤は、得られる血清中濃度が速放性製剤に比べて低く、速放性製剤よりもさらに安全である。 本明細書に示すデータは、上記の疾患または症状の多くに関する具体的な治療を示すものではない。しかし、本発明は、特に制御放出製剤が数週間、数カ月および数年にわたって毎日、長い期間を通じて患者に投与される場合、幅広い有益な影響を得るための役割を果たすと確信される。非常に長い期間を通じて血液中クレアチンの実質的に安定な治療濃度を維持することによって、一連の望ましい生理学的結果が得られる。例えば、クレアチンの一定の血清中治療濃度を維持することによって、筋のパフォーマンスが向上する。 前記は、本発明の原理を単純に例証するものである。当業者は、本明細書において明確に記載または提示されていないが、本発明の原理を具体化してその精神および範囲内に含まれる様々なアレンジを工夫することができることを認識するであろう。さらに、本明細書において列記されるすべての実施例および条件付きの表現は、主として、読者が本発明の原理および本発明者らによる当技術分野の進歩に寄与する概念を理解することを促進することを意図するものであり、このような具体的に列記された実施例および条件に限定されるものではないことが理解されるべきである。さらに、本発明の原理、局面および態様を列記する本明細書におけるすべての記載、ならびにそれらの具体例は、それらの構造的および機能的同等物の双方を含むことを意図する。加えて、このような同等物には、現在公知である同等物および将来開発される同等物、即ち、構造に関わらず、同一の機能を実施する任意の開発される要素を含むことが意図される。従って、本発明の範囲は、本明細書に示されて記載される例示的態様に限定されることを意図するものではない。むしろ、本発明の範囲および精神は添付される特許請求の範囲によって具体化される。 本発明は、発明の詳細な説明を添付の図面と併せて読むと、最も適切に理解される。一般的通例に従って、図面の様々な図は比率が正確でないことが強調される。これに対して、様々な図の大きさは、明確さのために恣意的に拡大または縮小される。図面には、以下の図が含まれる。速放性経口投与製剤を二相性リポ酸経口投与製剤と比較する概念化したグラフであり、時間を通じて放出される量を表す。クレアチン誘導体の2つの異なる組成物に関する篩のサイズに対する粒子のパーセント割合のグラフである。 賦形剤物質、ならびに以下から選択される任意の二つまたはそれよりも多い活性成分を含む、経口投与製剤: 治療有効量のアルギニンα-ケトグルタル酸; 治療有効量のクレアチン誘導体; 治療有効量のリポ酸;および 治療有効量の脂溶性チアミン。 リポ酸が鏡像異性体のラセミ混合物を含む、請求項1記載の製剤。 クレアチン誘導体がクレアチンエステルである、請求項1記載の製剤。 クレアチンエステルがクレアチンエチルエステルである、請求項3記載の製剤。 速放性製剤の放出速度と実質的に相当する第一の速度での、治療濃度を得るために十分なリポ酸の第一の部分の放出段階、および、速放性製剤の放出速度を下回る制御された速度での、リポ酸の残りの部分の放出段階を特徴とする、請求項1記載の製剤。 リポ酸の第一の部分が製剤中のリポ酸の約10%から約50%である、請求項5記載の製剤。 任意の三つの活性成分を含む、請求項1記載の製剤。 四つの活性成分のすべてを含む、請求項1記載の製剤。 脂溶性チアミンがベンフォチアミンおよびプロスルチアミンから選択されてリポ酸と共に存在する、請求項1記載の製剤。 スルホニル尿素、ビグアニドおよびチアゾリジンジオンから選択される経口的に活性な抗糖尿病薬をさらに含む、請求項8記載の製剤。 メトホルミン塩酸塩をさらに含む、請求項8記載の製剤。 リポ酸がR-(+)およびS-(−)鏡像異性体のラセミ混合物として存在し、かつ治療濃度が4時間またはそれよりも長い期間を通じて維持される、請求項1記載の製剤。 リポ酸が実質的に純粋なR-(+)鏡像異性体として存在し、かつ治療濃度が4時間またはそれよりも長い期間を通じて維持され、さらに脂溶性チアミンがベンフォチアミンおよびプロスルチアミンから選択される、請求項1記載の製剤。 以下の段階を含む方法における、請求項1〜13のいずれか一項記載の製剤の使用: 脂溶性チアミン、リポ酸、アルギニンα-ケトグルタル酸およびクレアチン誘導体から選択される二つまたはそれよりも多い活性成分を含む製剤を患者に経口投与する段階;および 3日またはそれよりも長い連続する日数投与を繰り返し、それによって3日またはそれよりも長い連続する日数の治療上有効な期間を通じて患者の循環系において活性成分の治療濃度を維持する段階。 速放性製剤を用いて得られる値の10%またはそれよりも長い期間を通じて治療濃度が維持され、かつさらに、30日またはそれよりも長い連続する日数を通じて反復される、請求項14記載の使用。 速放性製剤を用いて得られる値の100%またはそれよりも長い期間を通じて治療濃度が維持され、かつさらに、30日またはそれよりも長い連続する日数を通じて反復される、請求項14記載の使用。 活性成分の一つがリポ酸であり、かつリポ酸の治療濃度がヒト患者における測定可能な血管拡張を得るために十分なレベルである、請求項16記載の使用。 治療濃度が、製剤の投与前の濃度に比べて10%またはそれよりも多いヒト患者血清中グルコース濃度における測定可能な減少を得るために十分なレベルである、請求項17記載の使用。 5日またはより長い日数にわたって製剤の毎日投与を繰り返す段階をさらに含む、請求項14記載の使用。 製剤を3日またはそれよりも長い連続する日数投与し、それによって3日またはそれよりも長い連続する日数の治療上有効な期間を通じて患者の循環系における活性成分の治療濃度を維持する方法において使用される、請求項1〜13のいずれか一項記載の製剤。 経口投与のための脂溶性チアミン、リポ酸、アルギニンα-ケトグルタル酸およびクレアチン誘導体である4つの活性成分を含む製剤を開示する。(1)活性成分の治療濃度が速やかに得られること;および(2)活性成分の治療濃度が維持される期間が速放性製剤に対して実質的に増大することを可能とするような方法で、製剤からの活性成分の第一の部分の速やかな放出とそれに続く任意の残りの活性成分の段階的放出を提供するように、活性成分と賦形剤物質とを混合することができる。これらの特徴は、血清中グルコース濃度の低下、および糖尿病性多発ニューロパシーを治療するための、時間を通じての低下したグルコース濃度の維持、ならびに循環の改善および筋パフォーマンスの向上を含む一連の有益な効果を得るために製剤を使用することを可能とする。