タイトル: | 公表特許公報(A)_筋肉痛および筋肉疲労の処置に対する組成物および方法 |
出願番号: | 2006533953 |
年次: | 2007 |
IPC分類: | A61K 31/568,A61P 21/00,A61K 38/27 |
ホワイト,ヒラリー,ディー. JP 2007507503 公表特許公報(A) 20070329 2006533953 20040922 筋肉痛および筋肉疲労の処置に対する組成物および方法 トラスティーズ・オブ・ダートマウス・カレッジ 500375198 葛和 清司 100102842 ホワイト,ヒラリー,ディー. US 10/677,673 20031002 A61K 31/568 20060101AFI20070302BHJP A61P 21/00 20060101ALI20070302BHJP A61K 38/27 20060101ALI20070302BHJP JPA61K31/568A61P21/00A61K37/36 AP(BW,GH,GM,KE,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HU,IE,IT,LU,MC,NL,PL,PT,RO,SE,SI,SK,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX,MZ,NA,NI,NO,NZ,OM,PG,PH,PL,PT,RO,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SY,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,YU,ZA,ZM,ZW US2004030940 20040922 WO2005034858 20050421 19 20060530 4C084 4C086 4C084AA02 4C084BA44 4C084DB22 4C084MA02 4C084NA14 4C084ZA94 4C086AA01 4C086AA02 4C086DA08 4C086MA01 4C086MA02 4C086MA04 4C086NA14 4C086ZA94序文 本出願は、2003年6月18日に出願されたU. S. Serial No. 10/464,310の一部継続出願である。発明の背景 エストロゲンおよび酢酸メドロキシプロゲステロンを使用した、健康な女性における経口投与併用ホルモン代償療法の危険性および利益を予め評価することを目的とする、Women's Health Initiative(WHI)の臨床試験が、最近中止となった(Fletcher, S. W. et al. 2002. J. Amer. Med. Assoc. 288: 366-368)。冠状動脈性心臓病、乳癌、脳卒中、および肺塞栓症の危険性の増加が、結腸直腸癌、子宮内膜癌、股関節部骨折および他の原因による死亡における利益の増加を上回り、これらのホルモンを摂取する女性の間で危険率の全体的な指数に対する、少ないながらも統計的に有意な危険性の増加をもたらした。しかしながら、執筆者は、当該研究において、健康な女性のみを評価し、ホルモン欠乏症の症状を有する者を評価しなかったことを指摘した。さらに、経皮送達が、これらの患者への利益を増加させ、および/または危険性を減少させることが可能であることから、他の送達経路、例えば経皮系を研究する必要がある。WHI研究の執筆者は、ホルモン代償療法が、未だにほてりなどの更年期障害を和らげるのに効果的であると考えられていることを指摘した。 テストステロン欠乏症であり得る女性におけるテストステロン代償療法が、例えば、AIDSの女性における消耗症候群などの筋肉量の減少および慢性疲労を伴う慢性疾患からのストレスがある疾患状態に対して、経皮送達系を使用して、取り組まれ始めているにもかからわず、性ホルモン代償療法を評価するほとんどの臨床試験が、エストロゲンおよびプロゲスチンに焦点を当ててきた(Miller, K. Et al. 1998. J. Clin. Endocrinol. Metab. 83: 2717-2725; Javanbakht, M. Et al. 2000. J. Clin. Endocrinol. Metab. 85: 2395-2401)。経皮送達を使用するテストステロン代償療法はまた、例えばパーキンソン病の男性などのテストステロン欠乏症の症状の男性に、に利益がある(Okun, M. S. et al. 2002. Arch. Neurol. 59: 1750-1753)。性ホルモン、特にエストロゲン、プロゲスチンおよび現在はテストステロンが、Women Health Initiativeの試験において評価されなかったパラメータである、幸福および生活の質の主観的な感覚に重要であることについて、蓄積された証拠がある。 米国特許第5,935,949号は、テストステロンなどのアンドロゲンの患者への経口投与を含む、線維筋肉痛症候群および慢性疲労症候群の症状を軽減する方法を開示している。かかる状態の処置におけるテストステロン療法の使用の背後にある意図は、アンドロゲンが筋肉組織の増加および疲労の改善を可能にすることが知られていることから、線維筋肉痛症候群(FMS)の女性における主な症状である筋肉痛および慢性疲労が、少なくとも部分的に、テストステロン欠乏症に関するということである。実際、健康なボランティアに対して、血清遊離テストステロン濃度の小規模な減少が、閉経前の線維筋肉痛患者について記録されているが、有意性は、閉経後の女性について達成されなかった(Dessein, P. H. et al. 1999. Pain 83: 313-319)。 テストステロンおよび痛覚の関係が、以前示されていた(Blomqvist, A. 2000. Compar. Neurol. 423: 549-551)。蓄積された証拠は、テストステロン濃度、ならびにエストロゲンおよびプロゲステロン濃度が上昇するとき(Bammann, B. L. et al. 1980. Am. J. Obstet. Gynecol. 137: 293-298)、性ホルモンが、個体における、例えば、妊娠中の、痛覚閾値を上昇させることができるという概念を支持する(Gintzler, A. R. 1980. Science 210: 193-195)。テストステロンが痛みを抑えることができるという理論は、痛覚の初期過程が生じる高等脊椎動物(ウズラ)の脊髄後角におけるアロマターゼ陽性細胞の発見により支持される(Evard, H. Et al. 2000. J. Compar. Neurol. 423: 552-564)。テストステロンを17 −エストラジオールに変換するアロマターゼの存在は、エストロゲンが、体内麻薬の合成に重要な場所である脊髄後角の表層由来のエストロゲン受容体陽性細胞における麻薬の転写を誘導することができることが知られている(Amandusson, A. et al. 1996. Neurosci. Lett. 196: 25-28; Amandusson, A. et al. 1996. Eur. J. Neurosci. 8: 2440-2445; Amandusson, A. et al. 1999. Pain 83: 243-248)ので、興味深い。 卵巣切除したメスのラットへのエストロゲンの投与により、脊髄のエンケファリンの転写が増加すること(Amandusson, A. et al. 1999. Pain 83: 243-248)、およびエストロゲン受容体陽性細胞がプレプロエンケファリンmRNAと局在化すること(Amandusson, A. et al. 1996. Eur. J. Neurosci. 8: 2440-2445)が実証されている。これらの体内麻薬は、エンケファリン作用性ニューロンに作用し、1次求心性線維ならびに脳幹から下降する疼痛調節線維の両方にある侵害中継細胞の阻害を仲介する(Ma, W. Et al. 1997. Neuroscience 77: 793-811)。したがって、テストステロンおよびエストロゲンの両方は、痛みの感覚を調節するのに重要であると思われる。しかしながら、性別に関連した痛覚におけるエストロゲンに対するアンドロゲンの異なる重要性は、不明のところが多いままである。 テストステロンはまた、脳のレベルで作用してもよい。テストステロン濃度は、足への痛みを誘導するホルマリン皮下注射に反応して、ラットの脳および脊髄において劇的に減少した。これらの動物において、中枢神経系におけるテストステロンの減少は、5 −リダクターゼによるジヒドロテストステロンへのその代謝によるものだと実証された(Amini, H. Et al. 2002. Pharmacol. Biochem. Behav. 74: 199-204)。これらの執筆者は、ジヒドロテストステロンが、脳内のGABAA受容体複合体の効果的なモジュレータである、5 −アンドロスタン−3 ,17 −ジオールに代謝され得ることを指摘した。 GABAA受容体は、脳のいたるところで発見され、辺縁系における、具体的には扁桃におけるGABAA受容体モジュレータの作用は、恐怖の感情と関係する。GABAA受容体イオンチャネル複合体は、脳内の最も重要な抑制性イオンチャネルの一つである。したがって、テストステロンは、依然として実証されていないが、痛みの調節のみならず、その代謝産物のGABAA受容体の神経ステロイド部位への結合を経て、感情的な幸福の感情にも重要であり得る。 成長ホルモンなどの他のホルモンもまた、線維筋肉痛および慢性疲労の病因および症状の一因であり得る。例えば、研究により、線維筋肉痛患者は、成長ホルモン合成の強力な阻害剤であるソマトスタチンのレベルの増加に関係するであろう反応である、急な運動への適当な成長ホルモンの反応を示さないことが示されている(Crofford, L. J. et al. 2002. Arthr. Rheumat. 46: 1136-1138; Paiva, E. S. et al. 2002. Arthr. Rheumat. 46: 1344-1350)。 テストステロンが成長ホルモン分泌を増加させるのは周知である。成長ホルモン分泌が、思春期後の成人期にみられる減少した分泌レベルを越えて、老化において減少する。この減少は、老化において生じる個体もあることが知られている、除脂肪体重対脂肪量比の減少に関すると考えられる。したがって、ソマトスタチンレベルの増加は、線維筋肉痛患者におけるテストステロンおよび成長ホルモン濃度の減少による、同化作用の減少および筋肉量の減少を反映し得る。その結果、成長ホルモンによる治療は、線維筋肉痛の患者の状態を改善し得る。発明の概要 本発明の目的は、筋肉痛を患う患者に症状が軽減するようアンドロゲンおよび成長ホルモンを含む有効量の組成物を投与することを含む、筋肉痛の症状を軽減する方法である。図面の説明 図1は、経時的に1日目(丸で示す)および28日目(四角で示す)の、群の平均の、患者の血中の総テストステロンレベルを表す。 図2は、処置前(0日目)および研究終了時(28日目)の圧痛点評価の結果を表す。結果は、0(無痛)から10(最高レベルの痛み)の目盛で痛みのレベルを報告した。 図3は、処置前(0日目)および研究終了時(28日目)の圧痛点の痛みの痛覚測定評価の結果を表す。 図4は、研究1日目対28日目で、1から10(10が最も高いレベルの増加)の目盛で線維筋肉痛および慢性疲労と関係する症状/状態の重症度を表す。評価した症状/状態は、リビドー、筋肉痛、疲労感、頭痛の重症度、頭痛の頻度、凝り、不眠症、起床時の疲労、不安、および鬱を含んだ。発明の詳細な説明 慢性疲労症候群が最近注目を浴びている。慢性疲労症候群の診断を確認するのに使用できる身体所見または臨床検査はない。しかしながら、この症候群は一般的に、6月以上続くまたは再発する疲労により特徴付けられ、少なくとも4または5種以上の以下の症状と同時に生じる:記憶または集中障害、咽頭痛、頸部または腋窩リンパ節の圧痛、筋肉痛、多関節の痛み、新たな頭痛、爽快でない睡眠、および労作後の倦怠感。初期の研究は、慢性疲労症候群の病態生理学について、感染性のまたは免疫性の異常調節機構を示した。より最近の研究は、神経学的、感情的および認知的症状もまた、頻繁に生じることを示している。 線維筋肉痛(結合組織炎ともいう)は、一般集団の3〜10%に影響を及ぼす外来総合内科において最も一般的なリウマチ症候群の一つである。ほとんどの線維筋肉痛症候群(FMS)患者は、女性であり、それらの患者のうち、およそ50〜75%は、閉経期から閉経後の年齢である、40〜60歳の女性である。閉経期/閉経後の女性のおよそ2〜5%が、FMSにかかり、0.5〜20%の範囲と推定されることもある。この疾患は、複数の圧痛点、疲労、頭痛、回復睡眠の欠落およびしびれを伴う慢性の広範囲にわたる筋骨格系疼痛症候群により特徴付けられる。 線維筋肉痛は、閉経期/閉経後の女性における頻度の増加、客観的所見の欠如および診断臨床検査の欠如を含む慢性疲労症候群と多くの特徴を共有する。さらに、これらの状態は、線維筋肉痛において優位を占める筋骨格系疼痛を伴う慢性疲労、頭痛および回復睡眠の欠落ならびに慢性疲労症候群において優位を占める感染への感受性または超免疫(hyperimmunological)反応性の明白な増加を含む重複する臨床的特徴を有する。 アシクロビル、経口および膣内ナイスタチンならびにフルオキセチンを含む、慢性疲労症候群に対する様々な処置を試したが、ほとんど成果がなかった。プラセボ対照試験により、線維筋肉痛の処置におけるアミトリプチリン、フルオキセチン、クロルプロマジン、またはシクロベンザプリンの適度な有効性を実証した。運動プログラムはまた、両方の状態において有益であることを示した。したがって、これらの衰弱状態に対するより良い処置の必要性が明らかにある。現在は、アンドロゲンを含むホルモンの経皮投与により、FMSまたはCFSを患う患者における症状を軽減することができることが分かっている。「アンドロゲン療法」は、一種のアンドロゲン単独または二種以上のアンドロゲンの組み合わせの投与を含むことを意味する。「軽減する」は、耐える困難性を少なくする、低減させるまたは減少させる、あるいは患者のFMSまたはCFSの症状を軽くするまたは和らげることを意味する。FMSまたはCFSの「症状」は、FMSまたはCFSが原因の筋肉痛および萎縮、慢性疲労、回復睡眠の欠落、感染への感受性の増加および頭痛を含むことを意味する。 臨床試験を、線維筋肉痛の処置のためのホルモンの経皮送達の薬物動態および有効性を調査するために行った。女性を、施設内倫理委員会承認の広告により募集した。40〜55歳で、American College of Rheumatologyの基準(11/18人の腰の上下の両側の圧痛点、慢性疲労など)を使用して線維筋肉痛について診断した対象(Wolfe, F. et al. 1990. Arthrit. Rheumat. 33: 160-172)を、さらなる基準に適合した場合、研究用に選択した。 女性を、他のすべての基準を満たし、さらに研究中に薬を替えない(鎮痛剤の減少は許された)ことを賛成した場合に含めた。ホルモン代償療法を受けている女性は、他の適格基準を満たし、さらに研究の少なくとも2週間前および研究の間、ホルモン療法を止めることに賛成する場合、登録した。閉経前のまたは閉経期の女性は、適正な代替避妊をし、妊娠テストが陰性である必要があり、処置を、月経周期の卵胞(増殖)期内に開始した。患者を、テストステロンの効果を促進させるために、治療中、1日20分、1週間に5日間運動する意欲がある場合に含めた。これは、施設内倫理委員会により導入された要求事項だった。 子供、妊娠中の女性、およびホルモン療法、ホルモン避妊薬または不妊薬剤を受けている女性は、除かれた。女性は、診断未確定の膣内出血が報告された、体格指数BMIが>30である、アルコール乱用または違法薬物乱用が認められる、活性静脈血栓症、乳癌、5分座った後投薬ありまたはなしで高血圧(BP収縮期>160/拡張期95)である、あるいは広範にわたる皮膚疾患、にきびまたは多毛症であると報告された場合、研究から除外された。 登録前、研究用の患者の血液を、以下の一般的な健康基準(括弧内は除外基準):脂質状態により心臓に関する危険因子−−総空腹時コレステロール(>240mg/dL)、高密度リポタンパク質(<35mg/dL)、低密度リポタンパク質(>210mg/dL)、トリグリセリド(>300mg/L);アラニンアミノトランスフェラーゼ(>1.5xN、0〜40U/Lが正常)、アルカリホスファターゼ(>2xN、40〜120U/Lが正常)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(>1.5xN、10〜30U/Lが正常)、血清アルブミン(>N、3.2〜5.2g/dLが正常)、総ビリルビン(>N、0.2〜1.3mg/dLが正常)、および直接(接合、可溶性)ビリルビン(>N、0.0〜0.3mg/dLが正常)により、肝機能;血中尿素窒素(>2xN、8〜18mg/dLが正常)および血清クレアチニン(>N、0.7〜1.2mg/dLが正常)試験により、腎機能;について試験した。血液機能を、ヘモグロビンについての試験を含む全血球計算により評価した(正常、12〜16g/dL)。 研究終了時に、テストステロン療法が、研究患者の一般的な健康に悪影響を及ぼしたかどうかを判断するために、血液検査および身体診察を行った。血清総テストステロン(>0.4ng/mL)およびFSH(<22IU/L)もまた試験し(一晩絶食後、午前8時)、患者が参照範囲のうち低いほうの半分にあたるテストステロン濃度を有したことを確認し(18人中2人の患者を、テストステロン濃度に基づき除外した)、彼女達の閉経後の状態を決定した。FSH濃度<22IU/Lは、閉経前のまたは閉経期の状態を示し、したがって患者が両側の卵巣摘徐術を受けていない限り、適正な避妊の必要があることを示した。 循環アンドロゲンの概日リズムが小さいため、午前8時にテストステロン血清濃度を試験した。最も頻繁な除外基準は、BMI>30についてであった。セイヨウオトギリソウは、肝臓内の解毒酵素複合体であるCYP3Aを活性化することにより、ホルモンの異化を誘導することが知られているため、患者は、セイヨウオトギリソウの摂取を中止することを要求された。上記の適格基準に合う12人の患者について、圧痛点評価、線維筋肉痛診断の検証、および一般的な健康の評価を含む身体診察を予定した。 1日目に、ベースラインのテストステロン血清濃度の24時間薬物動態プロファイリングのために、血液を、0、1、2、3、4、6、8、10、12および24時間目に静脈穿刺により採取した。患者は、ゼロ時点の血液採取(午前8時)直後に、下腹部皮膚にテストステロンゲル0.75g、1%w/wを塗布した。患者はまた、痛みの評価質問書に記入し、28日にわたる治療の間、下腹部皮膚への毎日午前8時の塗布用のテストステロンゲルの袋、使用説明書および患者投薬記録および運動記録が与えられた。28日目、24時間薬物動態プロファイリング用の血液採取を繰り返し、追跡試験を、28日間の治療終了時に繰り返した。 この研究用の送達ビヒクルは、ゲル処方であった。それをアンドロゲン療法の副作用を低減させる方法として、効果的なレベルの血中ホルモンをもたらすであろうホルモンのための経皮送達系を同定することが研究の目標としての使用のために選んだ。この研究に使用されたゲルは、USP等級の1%w/wのテストステロンゲルであった。適用した1日のゲル用量は、0.75グラムであった;10%の予想されたバイオアベイラビリティが、0.75mgのテストステロンを24時間にわたり送達するだろう。ゲルを、女性用に、良好な製造実施基準を使用して、Bentley Pharmaceuticals, Inc. (North Hampton, NH)により処方した。それは、無色で、皮膚への着け心地がよく、非染色性である。 テストステロン濃度を、研究対象からの血清テストステロンが抗テストステロンmAbに結合した酵素結合テストステロンと競合する、酵素免疫測定法(EIA, Diagnostic Systems LaboratoriesまたはDSL, Inc, Webster, Texas)により決定した。このアッセイ系を、女性にみられるより低濃度のテストステロンならびにより上の範囲の濃度を検出するために設計した。遊離テストステロン濃度を、試験サンプル中の非結合テストステロンを認識し、性ホルモン結合グロブリンおよびアルブミンに低親和性を有する抗テストステロン抗体を使用して、EIAにより決定した。 平均テストステロン濃度を決定するために、時間は、一番近い時刻を基にした。薬物動態データについて採った240時点のうち(1人あたり10時点×1人あたり2セット×12人)、1時点が欠損し(#012、4時間の時点)、3つの追加時点が、血液採取のための標準時間の間にあった(#010、8時間の時点;#012、4時間および10時間の時点)。これらの時点についての値を、平均テストステロン濃度を導き出すための補間により導き出した。WinNonlin Pro(Pharsight, Mountain View, California)を使用した非コンパートメント薬物動態解析において、全患者について記録した正確な時点を使用した。 線維筋肉痛の症状を低減するための処置の有効性を決定するために、患者は、痛みを評価するための質問書に、1日目および28日目の治療終了時に再び記入した。患者の質問書は、公表されたおよび有効な線維筋肉痛の影響についての質問書(Fibromyalgia Impact Questionnaire)ならびに線維筋肉痛患者評価について他の認められている基準を基にし(Wolfe, F. et al. 1990. Arthrit. Rheumat. 33: 160-172; Goldenberg, D. Et al. 1996. Arthrit. Rheumat. 39:1852-1859; Burckhardt, C. S. et al. 1991. J. Rheumatol. 18: 728-733)、100mm視覚アナログ尺度(VAS)を使用した。 圧痛点診察が、線維筋肉痛を有する女性の処置の経験がある有資格リウマチ専門医により施され、各圧痛点でおよそ9ポンドの圧力をかけ、患者が痛みを感じたかを尋ねた。この実施は、American College of Rheumatologyが規定した基準に従っている。診察を、治療1日目の前(したがって「処置前」として示す)および治療の最後に施した。処置前の圧痛点評価を、治療の開始1週間前以内にすべての患者に行った。痛覚計の数値を、両側の第二肋骨軟骨接合部、および比較のため、12人のうち11人の研究対象において僧帽筋圧痛点で採った。 血清テストステロン濃度データの薬物動態解析を、WinNonlin Proソフトウェアを使用して、血管外の投入がある非コンパートメントモデルを使用して行った。1日目および28日目の最大血漿濃度(Cmax)ならびに経時的な血漿濃度のプロットの曲線下面積(AUC)の差異を、有意(p<0.05)に至ったかを決定するために、個々の対象の28日目マイナス1日目のデータを計算し、この差異の95%信頼区間を推定することにより評価した。圧痛点データ評価を、スチューデントのt検定(対応のある、両側)により解析した。 血液テストステロン濃度データの解析により、血清総テストステロン濃度が、線維筋肉痛患者において、テストステロンゲルホルモン代償療法に反応して確実に増加したことが明らかになった。1日目および28日目についての血清遊離テストステロン濃度対時間のデータを、図1に示す。 女性からの血清中総テストステロン濃度に関して血清テストステロンデータを標準参照範囲と比較することにより、この研究の線維筋肉痛患者は当初、参照範囲のうち低いほうの半分にあたる総テストステロン濃度を有したことを確認した。しかしながら、1日目の最初のホルモンの用量の適用24時間後、総テストステロンの平均血清濃度は、1日目のゼロ時間についての平均血清濃度よりも、著しく高く(図1、p=0.01)、血清濃度が、28日の時間的経過中の早い時期に、平均して維持されたことを示した。24時間サンプリングの最初と最後の同様の平均濃度により証明されたように、28日目までに定常状態の濃度に至った(図1参照)。血清テストステロンについては24時間プロファイルの変化があり、個体間ベースで分析したとき、このホルモンについて知られている複合調節と一致した。 略式の薬物動態パラメータ解析により、平均総テストステロン最大濃度がテストステロン療法に反応して著しく増加することを実証した:Cmaxは、1日目に1.21ng/mLであったのに対し、28日目に1.92ng/mLであった(p<0.05)。著しく増加した平均総テストステロン曲線下面積値(24時間プロファイリング時間枠にわたり評価した)もまた、確認された:AUCは、1日目に18.36ng−h/mLであったのに対し、28日目に28.75ng−h/mLであった(p<0.05)。 薬物動態データと共に考慮すると、治療により、平均血清総テストステロン濃度は当初、最初の3時間にわたり直ちに上昇し、そして経時的に確実に維持されたことが実証された。加えて、平均血清濃度は、参照範囲の下限から閉経前の女性についての参照範囲上端よりすぐ上まで上昇した。 血清中遊離テストステロン濃度もまた検査し、薬物動態解析の対象であった。総テストステロン結果と同様の結果が得られた。しかしながら、12人の患者のうち2人は、治療前および治療全期間にわたり、異常に高濃度の遊離テストステロンを有した。残りの患者についての個人プロファイルは、閉経後の範囲から閉経前の参照範囲および閉経後の参照範囲の上限まで濃度が増加したことを示した。 略式の薬物動態パラメータ分析は、平均遊離テストステロンCmaxについて1日目に3.68 pg/mLを示したのに対し、28日目に4.69pg/mLを示し(p>0.05)、平均遊離テストステロンAUCについて1日目に54.35 pg−h/mLを示したのに対し、28日目に71.38 pg−h/mLを示した(p>0.05)。 遊離テストステロンCmaxおよびAUCは、28日目の値から1日目のベースラインを引くことにより証明されたように、治療によって増加したが、2人が例外的に高濃度の遊離テストステロンを有したため、これらの薬物動態パラメータにおいて統計的有意性は達成されなかった。これらの特定の個体についての正常な総テストステロンプロファイルに対するそれらの2人の患者中の高濃度の遊離テストステロンは、他の説明も存在するが、これらの高濃度の遊離ホルモンがそれらの血清中の低濃度の性ホルモン結合グロブリンからもたらされた可能性が浮上した。これらの両方の研究対象より報告され、他の対象のいずれも使用しなかった唯一の医薬品または栄養補助食品は、根ショウガだった(遊離テストステロンについての酵素免疫測定法を、あるいは性ホルモン結合グロブリン代謝または結合パラメータを妨げるか否かは知られていない)。 圧痛点の痛みのデータの解析により、経皮テストステロンゲル療法が、痛みの主観的評価の減少と関係することを示した。ゼロが無痛である、痛みの尺度0〜10を使用して、圧痛点毎に痛みの平均減少があり、18種の評価したカテゴリのうち9種において統計的有意を達成した(評価したカテゴリは、以下表1中に列挙;結果は、図2に示す)。同じ外来診療での痛みの評価のために痛覚計を使用して、痛みの反応を、両側の第二肋骨軟骨接合部および両側の僧帽筋圧痛点について数値化した(図3)。個々の反応値は、2〜9の範囲であった。 患者が痛みを報告した圧力についての平均痛覚計値は、28日のテストステロン処置の終わりにより高く、これは、痛覚測定法結果は統計的有意に至らなかったが、治療が痛みの閾値を増加させた場合に予想された。 痛みのパラメータを、0〜10の視覚アナログ尺度(VAS)を使用して、患者質問書により評価した(図4)。リビドー(性的欲求)が、テストステロン処置に反応して増加した。筋肉痛、圧痛、凝りおよび覚醒時の疲労が、テストステロン処置中、すべて減少した。これらの所見は、閉経前の血清テストステロン濃度の回復が、最も具体的にはテストステロン欠乏症、例えば性欲の減少、筋肉機能の減少および疲労の増加に関係する症状を和らげるという考えと一致する。研究終了時の血液検査および身体診察により、テストステロン療法は、研究患者の一般的な健康に悪影響を及ぼさなかったことを立証し、研究患者のいずれも、処置に起因する有害事象を報告しなかった。 ホルモン代償療法を伴うほとんどの試験において、女性の中に自然にあるホルモンの誘導体を使用している。これらの誘導体化されたホルモンは、それらの特許性およびそれらの長い半減期のため、普及していた。女性に最も処方されるアンドロゲンホルモンは、C−17位でのメチル化がその経口バイオアベイラビリティを増加させるメチルテストステロンであることから、アンドロゲンも例外ではない。しかしながら、一部の患者は、誘導体化されたホルモンをあまり許容しない。内因性ホルモンと構造的に同一である、誘導体化されていない外因性ホルモンは、短い血漿/血清半減期を有し、それは10〜100分の範囲であり、天然のホルモンの経口投与において問題となる。 研究者らは、肝毒性を最小限に抑えつつ持続した送達を提供する経皮送達系を開発し始めた。テストステロン皮膚パッチは、消耗症候群を持つHIV血清反応陽性の女性に効果的であるが(Miller, K. et al. 1998. J. Clin. Endocrinol. Metab. 83: 2717-2725; Javanbakht, M. et al. 2000. J. Clin. Endocrinol. Metab. 85: 2395-2401)、皮膚パッチは、多くの女性に局所的な皮膚炎症が生じ、その使用において問題となる。 本発明は、女性に適切な濃度でゲルとして処方するテストステロンの使用を含む。データは、この処方が、線維筋肉痛を有する患者におけるテストステロンの効果的な全身送達を提供することを示している。1日あたり0.75gの1%(w/w)テストステロンゲルによる28日間の治療により、総および遊離テストステロンの血清濃度が、線維筋肉痛患者において、閉経前の女性のものに近似した濃度に上昇した。この用量で、患者は、テストステロン療法に反応して、筋肉痛の著しい減少、凝りの減少、疲労の減少およびリビドーの増加を示した。圧痛点の痛みもまた減少した。これらの結果は、薬物動態および痛みの評価の両方の見地から、線維筋肉痛症候群の個体を処置するためのテストステロン代償療法の使用を支持する。 したがって、アンドロゲン療法は、女性、好ましくは閉経期の/閉経後の年齢の女性におけるFMSまたはCFSと関係する症状を軽減するのに有用な方法を提供する。閉経期/閉経後の年齢とは、最も頻繁に、およそ40〜60歳を意味する。これらの症候群は、20〜60歳の女性に存在することから、この範囲外の女性もまた、利益を得るだろう。さらに、筋肉痛および慢性疲労は、線維筋肉痛および慢性疲労症候群以外の状態に一般的であり得る症状であることから、本発明はまた、一般的な疾患、事故または加齢による患者における慢性疲労および筋肉痛の症状を軽減するための処置でもある。筋肉痛は、特に、加齢または長期間ベッドに寝たきりの状態、あるいは患者の活動を制限し、筋肉萎縮または筋肉組織の消耗に至らしめるあらゆる状態により生じることが知られている筋肉の萎縮からもたらされたものを意図してもよい。 好ましい態様において、投与するアンドロゲンは、ジヒドロテストステロンまたはアンドロステンジオンなどのテストステロンの活性代謝産物あるいはメチルテストステロン、エナント酸テストステロンまたはテストステロンシピオナートなどのテストステロン誘導体である、テストステロンを含む。本発明において有用であると信じられているアンドロゲンの利用可能な医薬製剤の例は、ダナゾール、フルオキシメステロン、オキサンドロロン、メチルテストステロン、デカン酸ナンドロロン、フェンプロピオン酸ナンドロロン、オキシメタロン(oxymethalone)、スタノゾロール、メタンドロステノロン、テストラクトン、プレグネノロンおよびデヒドロエピアンドロステロン(DHEA)を含むが、これらに限定されない。 本発明において、アンドロゲンをゲル処方で経皮投与する。この処方は、現在の経口方法ならびに経皮パッチ方法に対して有利であり、バイオアベイラビリティの改善および低い副作用プロファイルを含む。好ましい態様において、テストステロンまたはテストステロン誘導体およびDHEAなどのアンドロゲンの組み合わせを、FMSまたはCFSの筋肉のおよび神経学的な症状両方を軽減するために投与することができる。 本開示において当業者に明らかであるように、他の薬学的に許容しうるアンドロゲン療法も使用することができる。本発明においてアンドロゲンまたは二種以上のアンドロゲンの組み合わせを投与することができる効果的な量および経路を、アンドロゲン療法のための他の使用に従って、当業者により日常的に決定することができる。 本発明の組成物は、前述のアンドロゲン/同化剤に加えて、成長ホルモンまたは成長ホルモンを効果的な量で放出することが知られている剤、すなわち、成長ホルモン放出剤(「GRF」)のいずれかである、薬学的に有効量の成長ホルモンエリシターまたはエフェクターによる共処置を含む。GRFは、GHRHとして知られている内因性ホルモンの存在を基にした頭辞語である。他の剤は、GHrelinあるいは成長ホルモン放出ペプチドまたは類似体(GHRP;GHRP−6、またはヘキサレリン(hexarelin)、His−DTrp−Ala−Trp−DPhe−Lys、およびGHRP−2、またはDala−D−2−NaI−Ala−Trp−Dphe−Lysが例である)を含み、効果的な量の成長ホルモンを放出することが示されている。 下垂体から成長ホルモン放出する自然のリズムは、一般的に、脂質形成および筋形成などの過程において一連のホルモンの調節およびバランスを決定する原因となる因子であると考えられている、インシュリン様成長因子(IGF−1)の放出をもたらす。そしてホルモンエフェクターはまた、本発明の目的のために、この二次的同化成長因子(IGF−1)を放出するために直接作用し、必ずしも成長ホルモン自体の分泌の中間経路を介さない、あらゆるペプチドまたはペプチド模倣剤であると予言的に考えられる。間接的な成長ホルモン経路は、IGF−1を導き出すのに好ましいが、IGF−1を直接放出する後者の経路もまた、例により含まれている。 本発明の別の態様において、組成物は、薬学的に有効量の成長ホルモンまたは、より好ましくは、成長ホルモン放出剤、あるいは、IGF−1分泌のエリシターを含み、アンドロゲン処置を伴い、かかる併用処置は、例えば、筋衰弱、体脂肪増加、および成人における皮膚脆弱性などの加齢の悪影響に対抗する能力がある。本質的に、全ての好適な成長ホルモン放出剤を、あらゆるアンドロゲン、好ましくは強力な同化活性を有するテストステロンなどと組み合わせて用いてもよい。 アンドロゲン剤として考えられない、または最大アンドロゲン活性を有しない他の同化剤を、それらがかなりの同化活性を有する限り、使用してもよい。実際、本発明は、予言的な例として、アンドロゲン活性を完全に欠いていてもよい同化剤を予想し、含んでいる。かかる成長ホルモン放出剤の例は、ソマトリベリン;成長ホルモン−放出ホルモン活性フラグメント、例えば、hGRF(1−29)アミドおよびヘキサレリン(GHRP−6)などを含む。ヘキサレリンは、成長ホルモン放出ペプチド模倣剤であり、すなわち、体内で成長ホルモン放出ペプチドの効果を模倣し、2〜20アミノ酸を含有する。特に好ましい態様において、2以上の成長ホルモン放出剤を組み合わせて使用してもよい。 好ましい組み合わせは、成長ホルモン放出因子(GRFまたはGHRH)および成長ホルモン放出ペプチドまたはペプチド模倣薬(GHRP)を含む。この組み合わせは、内因性成長ホルモンの放出のための別の機構により作用することが報告されており、効果は、いくつかの場合、相加的、あるいは、相乗的であることを示し、GHRH受容体と区別するためにしばしばGhrelin受容体と呼ばれる、別の受容体に作用する。GHrelin受容体が最近解明されたことから、この受容体についての他のリガンドは予言的に、将来合成されるおよび/または発見されることが予想され、これらは、例により含まれる(Baldelli, R et. al. Endocrine 14(1) : 95-99, 2001)。これらはしばしば、GHS(成長ホルモン分泌促進薬)といわれる。 GHまたはIGF−1分泌促進薬の投与は、ヒトの血漿アンドロゲン濃度を低減させるだろう(Tapanainem J et. al, Fertility and Sterility 58: 726-732)。この効果は、現存のレベルに戻し、増幅させるために共処置としても投与される、テストステロンなどの外因性アンドロゲンの必要性を増加させる。 他の化合物は、他の用語のうち、GHについての視床下部−下垂体−肝軸として知られているこの系に影響を及ぼすことが知られている。予言的に、おそらく、このホルモンの調節系に関与する他の化合物が、GH、IGF−1、またはIGF−2のレベルに間接的にまたは直接的に影響を与えるおよび増加させる役割を担ってもよく、本発明に関連して、かかる処置の成長/老化防止効果の最大限の効果を得るアンドロゲン補充と共に投与してもよいだろう。線維筋肉痛以外に処置してもよい他の適応は、個体の成長に影響を及ぼす症候群であってもよく、内分泌学、成長および加齢の分野の開業医に周知である下垂体性小人症、状態または症候群を含むが、これらに限定されない。 上に詳細に説明したGH剤の投与のために、それらを様々な手段により投与してもよい。これらの剤を、鼻腔内、経皮、非経口(皮下または静脈内)、または経口(浸透の強化を施しまたは施さず、ならびに、タンパク質およびペプチドが、曝露により胃分解されうることから、好ましくは腸保護と共に)のモダリティを使用して、アンドロゲン投与とは別に投与してもよい。GH自体は、限られた安定性および限られた吸収性を有する巨大タンパク質であるから、最も好ましくは実際には非経口手段により投与する。しかしながら、鼻腔内投与はまた、このおよび他の巨大タンパク質またはペプチドにとって許容しうる手段である。 投与モダリティをGH剤について選択した後、アンドロゲンを、異なる療法により別の処置において投与してもよい。アンドロゲン投与の所望の方法は、ゲルまたはパッチの形態で経皮投与するのが最も好ましいが、好ましくは経口、経皮、膣内、または鼻腔内送達である。文献は、これらの化合物の溶液、ゲル、乳液、またはパッチの形態での経皮投与について、本開示に関連して好適な組成物の例を十分に備えている。 処置のために選択されたGH剤およびアンドロゲン化合物についての別々の送達モダリティに加えて、この2つを単一の併用療法に組み合わせてもよい。例えば、両方を、あらゆるタンパク性剤を胃分解から好適に保護することを念頭において、経口形態である錠剤または懸濁液に一緒に組み入れることができる。 代わりに、剤の組み合わせを、鼻腔内送達において当業者に既知の別の送達チャンバーにより1単位で、あるいは同じ液体、半固体または固体送達の形態で一緒に、鼻腔内投与してもよい。例えば、微粒子またはナノ粒子乾燥固体系を、鼻腔内投与してもよい。あるいは、組み合わせた剤を両方経皮投与してもよい。2種の処置を、パッチに、または最も好ましくは局所的な液体または半固体(ゲル)送達系に、一緒に組み込むこともできる。この後者の方法は、未だ必要なGH放出活性を保持するGHRPまたはGHRHなどの種々の分泌促進薬(GHS)、あるいは好適なGHRHフラグメントのGH剤の実施において、最も効果的に実現される。 適合性の理由は、分子の大きさに基づく。文献の全体にわたり、より小さい分子は、経皮送達について、GHおよびIGF−1を含むオリゴペプチドなどの巨大分子よりもより高い可能性があることが知られている。ヘキサペプチドは経皮送達の効率が良好であるため、GHrelinおよびGHRH分泌促進薬を、最も好ましくは、ヘキサレリンなどの小さな分子サイズを基に、経皮経路について選択する。一般的に、30アミノ酸未満のペプチドを経皮送達形態に考慮することが好ましい。 FMSの症状を軽減するためにこれらの他のホルモンと組み合わせるるアンドロゲン療法の能力を確認するための追加の臨床研究を行う。これらの研究において、FMSと診断された閉経期/閉経後の女性における筋肉痛を消散させるための併用療法の能力を評価する。より具体的には、患者を、血清ホルモンレベルおよび筋肉痛の減少の逆相関について調べる。研究を、本明細書中上記に検討した研究と同様に設計する。 患者を、以下の療法の1つに無作為に割り当てる:1)プラセボを1日2回2ヶ月間;2)テストステロンおよび試験用ホルモン(例えば、成長ホルモン)を含む併用テストステロン療法を2ヶ月間;3)テストステロンを2ヶ月間;または4)試験ホルモンを2ヶ月間。これらの処置の後に、1ヶ月のウォッシュアウト期間が続き、患者を再びさらに2ヶ月間上記の処置療法の1つに無作為に割り当てる。 患者に、2ヶ月および5ヶ月の時点のベースライン時に、半定量的方法で自身の症状および痛みのレベルを判断するために記入する、患者用質問書(Patient Quesionnaire Form)を用意した。質問書に含まれるのは、不眠症、疲労、頭痛および凝りなどの、公表されたおよび有効なFMS患者用質問書に一般的なものを評価するための患者用パラメータである(Wolfe et al., Arthritis and Rheumatism, 1990, 33 (2): 160-172; Goldenberg et al., Arthritis and Rheumatism, 1996, 39(11): 1852-9;およびBurckhardt et al., J. Rheumatology, 1991, 18: 728-33)。主治医もまた、患者がAmerican College of RheumatologyによるFMSについての基準を満たすことを立証するため、およびFMSを有する患者が有すると知られている18の一般に認識されている圧痛点のそれぞれについて、筋肉痛の強度を文書化するために、2ヶ月および5ヶ月の時点のベースライン時に、医師用の書類を完成させる。 患者を、総血清ホルモンレベル、血清エストラジオールレベル、心臓の健康状態および肝機能について、2ヶ月および5ヶ月の時点のベースライン時に試験する。患者を、1日のうち共通の時間、好ましくはアンドロゲンの予め決められたピーク時、夜中からの絶食後、および月経のある者の場合、月経期開始後3日目に試験する。 臨床研究を、より高齢の患者において、筋肉痛および疲労が筋肉萎縮に起因し得る、筋肉萎縮を有する患者における筋肉痛および疲労の症状を軽減するためにこれらの他のホルモンと組み合わせたアンドロゲン療法の能力を確認するために行う。これらの研究において、筋肉萎縮による筋肉痛および/または疲労の症状を経験しているより高齢の個体において筋肉痛を消散させるための併用療法の能力を評価する。より具体的には、患者を、血清ホルモンレベルおよび筋肉痛の減少の逆相関について調べる。研究を、本明細書中上記に検討した研究と同様に設計する。 研究のための母集団は当初、加齢、疾患またはストレスに関連した消耗症候群(例えば、癌または他のあらゆる慢性疾患状態)におけるような疾患と関係する筋肉萎縮、あるいは、長期にわたる筋肉の不動(例えば、事故)による筋肉萎縮のいずれかにより、筋肉萎縮を有することを示している50歳以上のいずれかの性別の患者である。患者を、以下の療法の1つに無作為に割り当てる:1)プラセボを1日2回2ヶ月間;2)テストステロンおよび試験用ホルモン(例えば、成長ホルモン)を含む併用テストステロン療法を2ヶ月間;3)テストステロンを2ヶ月間;または4)試験ホルモンを2ヶ月間。これらの処置の後に、1ヶ月のウォッシュアウト期間が続き、患者を再びさらに2ヶ月間上記の処置療法の1つに無作為に割り当てる。 患者に、2ヶ月および5ヶ月の時点のベースライン時に、半定量的方法でそれらの症状および痛みのレベルを判断するために記入する、患者用質問書を用意した。質問書に含まれるのは、不眠症、疲労、頭痛および凝りなどの症状を評価する患者用パラメータである。主治医もまた、一般に認識されている圧痛点のそれぞれについて、筋肉痛の強度を文書化するために、2ヶ月および5ヶ月の時点のベースライン時に、医師用の書類を完成させる。 患者を、総血清ホルモンレベル、血清エストラジオールレベル、心臓の健康状態および肝機能について、2ヶ月および5ヶ月の時点のベースライン時に試験する。患者を、1日のうち共通の時間、好ましくはアンドロゲンの予め決められたピーク時、夜中からの絶食後、および月経のある者の場合、月経期開始後3〜12日目(月経周期の増殖または卵胞期)に試験する。経時的に1日目および28日目の、群の平均の、患者の血中の総テストステロンレベルを表した図である。処置前(0日目)および研究終了時(28日目)の圧痛点評価の結果を表した図である。処置前(0日目)および研究終了時(28日目)の圧痛点の痛みの痛覚測定評価の結果を表した図である。研究1日目対28日目で、1から10の目盛で線維筋肉痛および慢性疲労と関係する症状/状態の重症度を表した図である。 一般的な筋肉痛または筋肉疲労の症状を軽減する方法であり、筋肉痛または筋肉疲労を患う患者に、症状が軽減するよう有効量のアンドロゲンを投与することを含む、前記方法。 アンドロゲンが、テストステロン誘導体または成長ホルモン誘導体を含む、請求項1に記載の方法。 二種以上のアンドロゲンの組み合わせを患者に投与する、請求項1に記載の方法。 二種以上のアンドロゲンの組み合わせが、テストステロンまたはテストステロン誘導体およびデヒドロエピアンドロステロンを含む、請求項3に記載の方法。 アンドロゲンおよび成長ホルモンの組み合わせを患者に投与する、請求項1に記載の方法。 アンドロゲンおよび血中の成長ホルモンレベルを増加させる化合物の組み合わせを患者に投与する、請求項1に記載の方法。 化合物が、成長ホルモン放出ペプチド、成長ホルモン放出ホルモン、IGF−1、およびIGF−2からなる群から選択される、請求項6に記載の方法。 化合物が、成長ホルモンを放出することが知られている、長さ2〜20アミノ酸の成長ホルモン放出ペプチド模倣化合物である、請求項6に記載の方法。 成長ホルモン放出ペプチド模倣物が、ヘキサレリンまたは同等のペプチドである、請求項8に記載の方法。 一般的な筋肉痛または筋肉疲労と関係する症状を軽減するための組成物および方法を提供する。該組成物は、アンドロゲンの、単独でのまたは成長ホルモンを含む他のホルモンと併用する使用に基づく。 20060530A16333全文3 一般的な筋肉痛または筋肉疲労の症状を軽減するための、有効量のアンドロゲンを含む組成物。 アンドロゲンが、テストステロン誘導体または成長ホルモン誘導体を含む、請求項1に記載の組成物。 二種以上のアンドロゲンの組み合わせを含む、請求項1に記載の組成物。 二種以上のアンドロゲンの組み合わせが、テストステロンまたはテストステロン誘導体およびデヒドロエピアンドロステロンを含む、請求項3に記載の組成物。 アンドロゲンおよび成長ホルモンの組み合わせを含む、請求項1に記載の組成物。 アンドロゲンおよび血中の成長ホルモンレベルを増加させる化合物の組み合わせを含む、請求項1に記載の組成物。 化合物が、成長ホルモン放出ペプチド、成長ホルモン放出ホルモン、IGF−1、およびIGF−2からなる群から選択される、請求項6に記載の組成物。 化合物が、成長ホルモンを放出することが知られている、長さ2〜20アミノ酸の成長ホルモン放出ペプチド模倣化合物である、請求項6に記載の組成物。 成長ホルモン放出ペプチド模倣物が、ヘキサレリンまたは同等のペプチドである、請求項8に記載の組成物。