タイトル: | 公表特許公報(A)_害虫忌避剤としてのメントールプロピレングリコール−カーボネートおよびその類似物 |
出願番号: | 2006525350 |
年次: | 2007 |
IPC分類: | A01N 47/06,A01P 17/00,C09D 5/14,C09D 201/00,C09D 7/12,A61K 8/33,A61Q 17/02,B05D 5/00,B05D 7/24 |
マティアス,ジョナサン,アール. JP 2007504227 公表特許公報(A) 20070301 2006525350 20040818 害虫忌避剤としてのメントールプロピレングリコール−カーボネートおよびその類似物 ポセイドン オーシャン サイエンシズ 506049839 柏原 三枝子 100096024 マティアス,ジョナサン,アール. US 60/500,392 20030905 A01N 47/06 20060101AFI20070202BHJP A01P 17/00 20060101ALI20070202BHJP C09D 5/14 20060101ALI20070202BHJP C09D 201/00 20060101ALI20070202BHJP C09D 7/12 20060101ALI20070202BHJP A61K 8/33 20060101ALI20070202BHJP A61Q 17/02 20060101ALI20070202BHJP B05D 5/00 20060101ALI20070202BHJP B05D 7/24 20060101ALI20070202BHJP JPA01N47/06 AA01P17/00C09D5/14C09D201/00C09D7/12A61K8/33A61Q17/02B05D5/00 ZB05D7/24 302U AP(BW,GH,GM,KE,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HU,IE,IT,LU,MC,NL,PL,PT,RO,SE,SI,SK,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX,MZ,NA,NI,NO,NZ,OM,PG,PH,PL,PT,RO,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SY,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,YU,ZA,ZM,ZW US2004026900 20040818 WO2005025313 20050324 26 20060412 4C083 4D075 4H011 4J038 4C083AC331 4C083AD531 4C083CC02 4C083CC20 4C083CC31 4C083EE12 4D075CA45 4D075DC38 4D075EB35 4H011AC06 4H011BA01 4H011BB06 4H011DA17 4H011DA21 4H011DB05 4H011DD05 4H011DD06 4J038CD021 4J038CF001 4J038CF021 4J038DB001 4J038DD231 4J038DF001 4J038DG001 4J038DL031 4J038JA62 4J038JA63 4J038JB01 4J038NA05 4J038PB01 4J038PB02関連出願の相互参照本出願は、2003年9月5日提出の、米国仮出願第60/500,392号の便益を主張する。本発明は、メントールプロピレングリコール-カーボネートおよびその類似物の昆虫忌避作用に関する。メントールは、ペパーミントオイルおよびその他ミントオイルから得ることができる天然物である。メントールおよび(-)-イソプレゴール、N-エチル-p-メタン-3-カルボキシアミドおよびp-メタン-3,8ジオールのようなその各種類似物は、清涼剤として商品に使用されている。これらの化合物は、様々な製品、例えば化粧品、香水、パーソナルケア製品、口腔衛生製品、菓子、タバコ、咳止めドロップ、鼻吸入剤等に清涼感を付与する。Pelzer他への米国特許第5,703,123号も参照。メントールは、局所痒み止め剤として、および軽い局所麻酔薬および消毒剤のような獣医薬にも、さらには体内の駆風薬および胃鎮静薬としても用いられている。Ivy他への米国特許第5,124,320号も参照。メントールおよびその各種類似物は、汚れ止め活性を持つことも見出されている。公開国際特許出願第PCT/01/40929号参照。メントールは、日本国特許出願第4305505Aでは、複数ある殺ダニ剤の成分の1つとして、そして日本国特許出願第55104202A号にはゴキブリ忌避剤の必須成分として開示されている。メントールの特定の類似物および誘導体もまた、蚊、マダニ類および小型のダニ類のような有害な昆虫に対する効果的な忌避剤として開示されている。このようなものとしては、Akiyama他への米国特許第5,959,161号に記載されているp-メタン-3,8-ジオール、Watkins他への米国特許第6,451,884号に記載されているピロリドン-5-カルボン酸のメチルエステルが挙げられる。少なくとも1つには、活性剤として合成化学物質を含有するタイプの製品に関連する、健康リスクの可能性への一般の関心が高まることが動機となって、昆虫忌避剤として、またその他の応用で使用する、天然の化学物質の有効性の研究が行われてきた。その結果として、天然化合物に基づく、安全かつ有効な昆虫忌避剤の開発に向かって努力が続けられている。今回、本発明により、メントールの炭酸誘導体およびその各種類似物が、極めて効果的な昆虫忌避剤であることが発見された。本発明の一つの態様局面により、ある場所から昆虫を忌避する方法を提供する。この方法は、有る場所に、昆虫忌避量の次式化合物を塗布することを含む:(化式:I)式中のRは直鎖もしくは枝分かれ鎖の、置換もしくは非置換低級アルキルラジカル、または直鎖もしくは分岐鎖の、置換もしくは非置換低級アルケニルラジカルを表し、Xはカルボニル連結基(−C(=O)−)または原子価結合を表し、nは0または1であり、かつR’は、nが1の時は、置換もしくは非置換ヒドロキシアルキルオキシおよび置換もしくは非置換ヒドロキシアルキルからなる群より選択されるラジカルを表し、nが0の時は、R’はアルキルアミンラジカルを表す。この方法は、動物、例えばヒトおよび家畜、植物、植物の一部分、種子からの、および同様に無生物からの害虫の忌避に有効である。本発明の別の態様によれば、上記式Iの化合物および持続放出性担体を含む昆虫忌避剤成分が提供される。本明細書に記載の化合物は、化粧品の成分またはパーソナルケア組成物としても、さらには家庭用洗浄組成物としても使用でき、このような組成物に昆虫忌避活性を付与できる。本発明はまた、上記式Iの化合物を組み入れた布帛を含む製品、例えば蚊帳、を具現化する。本発明はさらに、上記式Iの化合物を含む、例えば建築および工業向けコーティング塗布のためのコーティング組成物、ならびにこのような組成物を用いて、害虫が構造表面につくのを防ぐ方法を提供する。以下の詳細な説明に見られるように、上記の式Iの化合物は、広範囲の害虫に対する忌避剤として利用できる。公開国際出願第PCT/IN02/00228号には、メントールプロピレングリコール−カーボネートおよびメントールエチレングリコール−カーボネートは、抗掻痒製剤中の任意成分として使用されるための「清涼感を伴う保湿剤」の成分として開示されている。しかしながら、知る限りにおいて、本明細書に、本発明の実施に有用であるとして記載されている化合物は、昆虫忌避活性を有するものとして今までに開示または示唆されたことはない。様々な濃度のラセミメントールプロピレングリコール−カーボネートを含有するローションを塗布した時、蚊が刺すことが用量依存的に阻止されることを示す実験データの棒グラフである。生の牛肉に止まる一般的なイエバエ(Musca domestica)に対するメントールプロピレングリコール−カーボネートの忌避効果を示す棒グラフである。メントールプロピレングリコール−カーボネートをDEET、またはシトロネラと組合せた場合に、メントールプロピレングリコール−カーボネート単独、上記DEET、およびシトロネラ単独に比べて、蚊が刺すことに対し優れた忌避効果を示すことを表している棒グラフである。相乗忌避効果は、メントールプロピレングリコール−カーボネートとDEETの組合せで得られた。本発明の実施に用いる化合物は、特にSymrise & Co KGおよびTakasago International USA、を含む販売会社から入手できる。メントールカーボネート誘導体は、望まれる場合には、容易に入手できる出発原料から、Pelzer他への米国特許第5,703,123号およびMold他への米国特許第3,419,543号に記載の様式で調製できる。上記の式Iに包含される化合物を参照して、次の定義が適用される:用語「アルキル」は、炭素原子数1〜12の、直鎖または分岐鎖の非置換型脂肪族炭化水素基を表す。同様に、用語「アルキル」は、「ヒドロキシアルキルオキシ」、「ヒドロキシアルキル」、「アルキルアミン」等のように、組合せた形で置換基を指名する場合は、1〜12個の炭素原子を持つ直鎖または分岐鎖の脂肪族炭化水素基を表す。「低級アルキル」という表現は、炭素原子数1〜6の非置換型、直鎖または分岐鎖のアルキル基を表す。用語「置換アルキル」とは、例えば、1〜25個の置換基、最も好ましくは1〜4個の置換基で置換されたアルキル基を表す。置換基としては、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロ、シクロアルコキシ、オキソ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールおおび置換アリールが挙げられるが、それらに限定されるものではない。上記のアルキル置換基の中で、特に好ましいものはヒドロキシ置換基である。用語「低級アルケニル」は、炭素原子数1〜6の直鎖または分岐鎖の非置換型不飽和炭化水素基を表す。低級アルケニル基の例としては、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル等が挙げられる。用語「置換アルケニル」は、例えば1〜12個の置換基、最も好ましくは1〜4個の置換基で置換されたアルケニル基を表す。置換基は、アルキル基に関する上記置換基に同じである。用語「アリール」は、フェニル、ナフチル、ビフェニル、インデニル、フルオレニル等のような、環部分に6〜15個の炭素原子を有する単環または多環式の芳香族炭化水素基を表し、それぞれは置換できる。用語「置換アリール」は、例えば1〜7個の、置換アルキルおよびアルケニル基に関連して先に記した置換基など、好ましくは1〜4個の置換基で置換された上記アリール基を表す。用語「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を表す。本明細書では、1つの部分を2個以上の置換基と置換された形で記載する場合、それは複数の置換基のそれぞれが、上記置換基の中から独立に選ばれることを意味する。上記式Iが包含する化合物は、不斉炭素を有しており、そのために、その光学活性が異なる鏡像異性体対として存在できる。化合物は鏡像異性的に純粋な形、ラセミ体、またはその他混合体で用いることができる。本発明の実施での使用に好適な化合物としては:メタノールプロピレングリコール−カーボネート、イソプレゴールプロピレングリコール−カーボネート、メンチル-9-ヒドロキシノニル−カーボネート、メントキシ−プロパン-1,2-ジオール、およびN-エチル-p-メタン-3-カルボキシアミドが上げられる。本明細書に記載のメントールプロピレングリコール−カーボネートおよび類似体は、病気媒介体として直接的に、あるいは穀物、食品または織物を破壊するものとして間接的にヒトに危害を及ぼす広範囲の害虫の効果的な忌避剤であることが示されている。以下例示するように、蚊やイエバエの様な飛行虫、アリのような匍匐虫、シロアリのような穿孔虫に、顕著な忌避作用が得られている。今日までに実施された試験からは、上記の式Iの化合物は、以下の昆虫に対しても忌避剤として有効であろうことが示唆されている:アブラムシ、甲虫、ハチ、穿孔虫、バグ、カスピド(caspids)、毛虫、ゴキブリ、ノミ、ノミハムシ、ミバエ、バッタ、コノハムシ、ハモグリムシ、コナカイガラムシ、モグリバエ、ダニ、ガ、カイガラムシ、クモ、ナメクジ、マダニ、アザミウマ、カリバチ、ゾウムシ、コナジラミ、スズメバチ。本明細書に記載の化合物が忌避剤として使用できる昆虫種の具体的例としては、次のものが挙げられる:アブラムシ:Acyrthosiphon pisum(エンドウヒゲナガアブラムシ)、Aphis fabae、マメアブラムシ、Aphis glycines、ダイズアブラムシ、Aphis gossypii、メロンアブラムシ、Aphis middletonii、エリゲロンルーツ(erigeron root)アプラムシ、Aphis nerii、オレアンダー(oleander)アブラムシ、Aphis spiraecola、シモツケアブラムシ、Aulacorthum circumflexum、クレッセントマークドリリー(crescentmarked lily)アブラムシ、Bemisia tabaci、スイートポテトコナジラミ、Brachycolus heraclei、セロリアブラムシ、Brevicoryne brassicae、キャベツアブラムシ、Cavariella aegopodii、アブラムシの一種、Cerataphis orchidearum、サギソウアブラムシ、Dysaphis apiifolia、ラスティーバンデッド(rusty-banded)アブラムシ、Hyperomyza lactucae、アブラムシの一種、Lipaphis erysimi、カブアブラムシ、Macrosiphum euphorbiae、馬鈴薯アブラムシ、Macrosiphum luteum、ランアブラムシ、Melanaphis sacchari、サトウキビアブラムシ、Myzus ornatus、オーネイト(ornate)アブラムシ、Myzus persicae、モモアカアブラムシ、Neomyzus circumflexum、クレッセントマークドリリー(crescentmarked lily)アブラムシ、Neotoxoptera formosana、タマネギアブラムシ、Patchiella reaumuri、タロイモアブラムシ、Pentalonia nigronervosa、バナナアブラムシ、Rhopalosiphum maidis、トウモロコシの葉アブラムシ、Rhopalosiphum nymphaeae、スイレンアブラムシ、Rhopalosiphum rufiabdominalis、ライスルーツ(rice root)アブラムシ、Toxoptera aurantii、ブラックシトラス(black citrus)アブラムシ、Toxoptera citricida、ブラウンシトラス(brown citrus)アブラムシ、Vesiculaphis caricis、アブラムシの一種。アリ:Anoplolepis longipes、アシナガアリ、Pheidole megacephala、ツヤオオズアリ、Fromica spp.、フィールド(field)アリ、Lasius spp、コーンフィールド(Cornfield)アリ、amponotus spp.、オオアリ科、Pogomomyrmex spp.、クロナガアリ、Tetramorium caesptium、ペーブメント(pavement)アリ、Monomorium pharoanis、ファラオ(pharaoh)アリ、Solenopsis molesta、シーフ(thief)アリ、Linepithema humile、アルゼンチンアリ、Solemopsis spp.、ヒアリ、Tapinoma melanocephalum(アワテコヌカアリ)、ゴースト(Ghost)アリ、Crematogaster spp.、シリアゲアリ科、paratrechina longicornis、クレイジー(crazy)アリ、Anoplolepis gracilipes、アシナガキアリ。甲虫:Adoretus sinicus、チャイニーズローズビートル(Chinese rose beetle)、Anthonomus eugenii、ペッパー(pepper)ゾウムシ、Anthrenus sp.、カツオブシムシ科、Apomecyna saltator、ウリカミキリムシ(cucurbit longicorn)、Asynonychus godmani、フラーローズビートル(Fuller rose beetle)、Attagenus Mezatoma、ヒメカツオブシムシ、Carpophilus hemipterus、コメノケシキスイ、Carpophilus humeralis、イエローショルダードサワーリングビートル(yellowshouldered souring beetle)、Chaetocnema confinis、サツマイモノミハムシ、Coleoptera、甲虫の一種、Cosmopolites sordidus、バナナルートボーラ(banana root borer)、Cryptorhynchus mangiferae、マンゴゾウムシ、Cylas formicarius elegantulus、サツマイモゾウムシ、Elytroteinus subtruncatus、フィジージンジャーゾウムシ、Epitrix hirtipennis、タバコノミハムシ、Euscepes postfasciatus、西インド諸島サツマイモゾウムシ、Harmonia axyridis、マルチカラードアジアンレディービートル(Multicolored Asian Lady Beetle)、Hypothenemus obscurus、トロピカルナッツボーラ(tropical nut borer)、Lasioderna serricorne、シガレットビートル(Cigarette beetle)、Lema trilinea、スリーラインドポテトビートル(threelined potato beetle)、Listroderes difficilis、ヤサイゾウムシ、Maruca testulalis、マネノメイガ、Omphisa anastomosalis、サツマイモノメイガ、Orchidophilus aterrimus、オオランヒメゾウムシ、Orchidophilus peregrinator、ショウランヒメゾウムシ、Oryzaephilus mercator、オオメノコギリヒラタムシ、Otiorhynchus cribricollis、クリベート(cribate)ゾウムシ、Popillia japonica、マメコガネ、Protaetia fusca、マンゴフラワービートル(mango flower beetle)、Stegobium paniceum、ドラッグストアビートル(Drugstore beetle)、Tribolium castaneum、コクヌストモドキ、Tribolium confusum、ヒラタコクヌスモドキ、Xyleborus affinis、キクイムシの一種、Xyleborus crassiusculus、キクイムシの一種、Xyleborus fornicatus、キクイムシの一種、Xylosandrus compactus、ブラックツイッグボーラ(black twig borer)、ハチ:Apis mellifera、アフリカまたはヨーロッパミツバチ、Xylocopa sp.、クマバチ穿孔虫:Maruca testulalis、マメノメイガ、Ostrinia nubilalis、ヨーロッパアワノメイガ、バグ:Antianthe expansa、ナスツノゼミ、Coptosoma xanthogramma、ブラックスティンクバグ(black stink bug)、Cyrtopeltis modestus、トマトバグ、Draeculacephala minerva、グラスシャープシューター(grass sharpshooter)、Empoasca stevensi、スティーブンス(Stevens)ヨコバイ、Gnorimosphaeroma sp.、オカダンゴムシ、Hyalopeplus pellucidus、トウメイウイングプラントバグ(transparentwinged plant bug)、Hemiptera、バグの一種、Lamenia caliginea、フルゴリッドプラントホッパー(flugorid planhopper)の一種、Lepismatidae spp.、セイヨウシミ、Leptocoris trivittatus、イースタンボックスバグ(Eastern Box bug)、Leucopecila albofasciate、ノミハムシの一種、Melormenis basalis、西インド諸島ハゴロモ、Nabis capsiformis、ペールダムセルバグ(pale damsel bug)、Nezara viridula、ミナミアオカメムシ、Nysius nemorivagus、ナガカメムシの一種、Nysius nigriscutellatus、ナガカメムシの一種、Plautia stali、チャバネアオカメムシ、Pycnoderes quadrimaculatus、ビーンカスピド(bean caspid)、Siphanta acuta、トーピードバグ(torpedo bug)、Spanagonicus albofasciatus、ホワイトマークド(whitemarked)ノミハムシ、Spissistilus festinus、スリーコーナードアルファルファホッパー(threecornered alfalfa hopper)、Tarophagus colocasiae、タロデルファシド(taro delphacid)、Vanduzeea segmentata、バンジー(Van Duzee)ツノゼミ、カスピド:Pycnoderes quadrimaculatus、マメカスピド、ケムシ:Achaea janata、クロトン(croton)ケムシ、Acrolepia assectella、リーク (leek)ガ、Agrius cingulatas、サツマイモイモムシ、Agrotis ipsilon、クロヨトウムシ、Amorbia emigratella、メキシコハマキムシ、Anacamptodes fragilaria、コアハウリ(koa haole)シャクトリムシ、Anua indiscriminata、グアヴァガ、Cadra cautella、スジマダラメイガ、Chrysodeixis eriosoma、グリーンガーデン(green garden)シャクトリムシ、Conoderus amplicollis、ガルフ ワイアーワーム(Gulf wireworm)、Cryptoblabes gnidiella、クリスマスベリーウェブワーム(Christmas berry webworm)、Cryptophlebia illepdia、コアシードワーム(koa seedworm)、Cryptophlebia ombrodelta、ライチフルーツ (litchi fruit )ガ、Dephnis nerii、オレアンダーホークモス(oleander hawk moth)、Delia platura、タネバエ、Empoasca solana、サザンガーデンヨコバイ(southern garden)、Hedylepta blackburni、ココナッツハマキムシ、Helicoverpa zea、オオタバコガ、Hellula undalis、輸入キャベツウェブワーム、Keiferia lycopersicella、トマトギョウ虫、Lampides boeticus、マメチョウ (bean butterfly )、Othreis fullonia、パシフィックフルーツピアーシング(Pacific fruit-piercing)ガ、Pelopidas thrax、バナナスキッパー(banana skipper)、Penicellaria jocosatrix、マンゴシュートキャタピラ(mango shoot caterpillar)、Peridroma saucia、斑入り(variegated)ヨトウムシ、Phthorimaea operculella、馬鈴薯チューバーワーム(tuberworm)、Pieris rapae、輸入キャベツワーム、Plutella xylostella、ダイヤモンドバックモス(diamondback moth)、Spodoptera exempta、ナットグラスアーミーワーム(nutgrass armyworm)、Spodoptera exigua、ビートアーミーワーム ( beet armyworm)、Spoladea recurvalis、ハワイビートウェブワーム、Strymon echion、大型ランタナバタフライ(larger lantana butterfly)、Trichoplusia ni、キャベツシャクトリムシ、Vanessa cardui、ペインティッドレディバタフライ(painted lady butterfly)、ゴキブリ:Blaberus craniifier、デスヘッド(deaths-head)ゴキブリ、Blaberus discoidalis、ディスコイド(discoid)ゴキブリ、Blatta orientalis、オリエンタルゴキブリ、Byrsotria fumigata、キューバモグラゴキブリ、Diploptera punctata、ビートルローチ(beetle roach)、Eublaberus posticus、ホラアナゴキブリ、Gromphadorhina portentosa、ヒッシング(hissing)ゴキブリ、Leucophaea maderae、マディラ(Madeira)ゴキブリ、Periplaneta americana、一般的なアメリカのゴキブリ、Periplaneta brunea、チャバネゴキブリ、Periplaneta fluginosa、ダスキーチャバネゴキブリ、Schultesia lampyridiformis、ファイヤーフライローチ(firefly roach) 、Supella longipalpa、チャオビゴキブリ、ノミ:Ctenocephalides felis(Bouche)、ネコノミ、Siphonaptera、ノミの一種ノミハムシ:Leucopoecila albofasciata、ノミハムシの一種、Spanagonicus albofasciatus、ホワイトマークド(whitemarked)ノミハムシ、ハエ:Asilidae sp. ムシヒキアブ、Bactrocera cucurbitae、ウリミバエ、Ceratopognidae sp.(ヌカカ科)、Chironomidae sp.(ユスリカ科)、Condoderus amplicollis、ガルフワイアーワーム(Gulf wireworm)、Contarinia maculipennis、ブロッサムミッジ(blossom midge)、Culicidae sp(カ科)、Dasineura mangiferae、マンゴブロッサムミッジ(mango blossom midge)、Delia echinata、カーネーションチップマゴット(carnation tip maggot)、Delia platura、シードコーン(seedcorn)マゴット、Eumerus figurans(スマキハイジマハナアブ)、ジンジャーマゴット、Eurychoromyiidae sp.(シマバエ科)、ブロードヘッデッド(Broad headed)バエ、Milichiidae sp.(コガネバエ科)、小型ハエ、Mydidae sp.、ハエ、Musca domestica、イエバエ、Ophiomyia phaseoli、ビーン(bean)バエ、Phoridae sp.(ノミバエ科)、Sciaridae sp.(クロバネキノコバエ科)、Simulidae sp(ブユ科).クロバエ、 Syrphidae sp(ミギワバエ科)., ハナバエ、Tachinidae sp.,ヤドリバエ、.Tanyderidae sp(ニセヒメガガンボ科)、プリミティブクレーン(Primitive crane)バエ、Therevidae sp.(ツルギアブ科)、スティレット(Stiletto)バエ、ミバエ:Bactrocera cucurbitae、ウリミバエ、Bactrocera dorsalis、オリエンタルミバエ、Bactroceria latifrons(マレーシアアミバエ)、ナスミバエ、Ceratitis capitata、チチュウカイミバエ、Drosophilidae sp.、ミバエ、Tephritidae sp.(ミバエ科)、ミバエ。バッタ:Atractomorpha sinensis、ピンクウイング(pinkwinged )バッタ、Conocephalus saltator、ロングホーン(longhorned )バッタ、Elimae punctifera、ナロウウイング(narrowwinged)キリギリス、ヨコバイ:Empoasca solana、サザンガーデン(southern garden)ヨコバイ、Empoasca stevensi、スティーブンス(Stevens)ヨコバイ、Sophonia rufofascia、ツースポッテド(two-spotted)ヨコバイ、ハモグリ:Acrolepiopsis sapporenisis(ネギコガ)、アジアオニオンハモグリ、Bedellia orchilella、サツマイモハモグリ、Liriomyza brassicae、サーペンチン(serpentine)ハモグリ、Liriomyza huidobrensis(アシグロハモグリ)、エンドウハモグリ、Liriomyza sativae、ベジタブルハモグリ、Liriomyza trifolii(マメモグリバエ)、キクハモグリ、Pjyllocinistis citrella、ミカンハモグリ、コナカイガラムシ:Antonina graminis、ローデスグラス(Rodesgrass)イガラムシ、Dysmicoccus brevipes、パイナップルコナカイガラムシ、Dysmicoccus neobrevipes、グレイパイナップルコナカイガラムシ、Ferrisia virgata、スジコナカイガラムシ、Geococcus coffeae、コーヒールーツ(coffee root)コナカイガラムシ、Nipaecoccus nipae、ココナッツコナカイガラムシ、Nipaecoccus viridis、ハイビスカスコナカイガラムシ、Phenacoccus gossypii、メキシココナカイガラムシ、Planococcus citri、ミカンコナカイガラムシ、Pseudococcus dendrobiorum、デンドロビウムコナカイガラムシ、Pseudococcus jackbeardsleyi、ジャックビアズリー(Jack Beardsley)コナカイガラムシ、Pseudococcus longispinus、ロングテイルド(longtailed)コナカイガラムシ、Pseudococcus virburni、オブスキュア(obscure)コナカイガラムシ、モグリバエ(MINERS):Melanagromyza splendida、ベニバナクキモグリバエ、ダニ(MITES):Aculops lycopersici、トマトサビダニ、Brevipalpus obovatus(チャイロヒメハダニ)、プリベット(privet)ダニ、Brevipalpus phoenicis、レッドアンドブラックフラット(red and black flat)ダニ、Calacarus brionesae、パパヤリーフエッジローラ(papaya leaf edgeroller)、Eotetranychus sexmaculatus、シックススポッティッド(sixspotted)ダニ、Eriophyes mangiferae、マンゴバッド(mango bud)ダニ、Eutetranychus banksi、テキサスミカンダニ、Oligonychus mangiferus、マンゴハダニ、Panonychus citri、ミカンアカダニ、Polyphagotarsonemus latus、ブロード(broad)ダニ、Siteroptes framinum、クサダニ、Steneotarasonemus furcatus、タロイモホコリダニ、Steneotarsonemus pallidus、シクラメンダニ、Tetranychus cinnabarinus、カルミン(carmine)ハダニ、Tetranychus desertorum、サバクハダニ、Tetranychus neocalidonicus、ヤサイダニ、Tetranychus tumidus、チューミッド(tumid)ハダニ、Tuckerella ornata、タッカレルリッド(Tuckerellid)ダニ、Tuckerella pavoniformis、タッカレルリッドダニ、Varroa jacobsoni、バロア(Varroa)ダニ、ガ:Actias luna、ヤママユガ、Anisota sp、オークワーム(Oakworm)ガ、Antheraea polyphemus、ポリフェムス(Polyphemus)ガ、Automeris io、アイオゥ(Io)ガ、Callosamia sp.、カイコガ、Eacles imperialis、インペリアル(Imperial)ガ、Hemileuca maia、イースタンバックモス(eastern buckmoth)、Hyalophora cecropia、カイコガ、Plodia interpunctella、インドミールモス(Indian Meal Moth)、Plutella xylostella、コナガ、Sphingicampa sp.、ハニーローカスト(Honey locust)ガ、Tineola bisselliella、クロージング (clothing)ガ、Trichophaga tapetzella、カーペットまたはタペストリーガ、蚊:Aedes sp(ヤブカ科)、Anopheles sp.(ハマダラカ科)、Coquilltettidia sp.、Culex sp.(アカイエカ科)、Culiseta sp.(ハボシカ科)、Ochlerotatus sp.(ヤブカ科)、Psorophora sp.(ヤブカ科)、カイガラムシ:Abgrallaspis cyanophylli、マルカイガラムシの一種、Aspidiella hartii、ターメリックルーツ(turmeric root)カイガラムシの一種、Aspidiotus destructor、ココナッツカイガラムシ、Aspiditous nerii、オレアンダーカイガラムシ、Asterolecanium pustulans、オレアンダーピット(oleander pit)カイガラムシ、Ceroplastes rubens、ルビーロウカイガラムシ、Chrysomphalus aonidum、フロリダアカカイガラムシ、Chrysomphalus dictyospermi、ディクチオスペルマム(dictyospermum)カイガラムシ、Clavaspis herculeana、マルカイガラムシの一種、Coccus hesperidum、ブラウンソフト(brown soft)カイガラムシ、Coccus longulus、ロングブラウン(long brown)カイガラムシ、Coccus viridis、ミドリカイガラムシ、Diaspis boisduvalii、ボイスデュバル(Boisduval)カイガラムシ、Diaspis bromeliae、パイナップルカイガラムシ、Duplaspidiotus claviger、マルカイガラムシの一種、Fiorinia fioriniae、アボガドカイガラムシ、Furcaspis biformis、レッドオーキッド(red orchid)カイガラムシ、Hemiberlesia lataniae、ラタニア(latania)カイガラムシ、Hemiberlesia rapax、グリーディ(Greedy)カイガラムシ、Howardia biclavis、マイニング(mining)カイガラムシ、Icerya puchasi、ワタフキカイガラムシ、Ischnaspis longirostris、クロイトカイガラムシ、Kilifia acuminata、アキューミネイト(acuminate)カイガラムシ、Melanaspis bromeliae、ブラウンパイナップルカイガラムシ、Morganella conspicua、マルカイガラムシの一種、Parasaissetia nigra、ニグラ(nigra)カイガラムシ、Parlatoria proteus、バリアブルチャフ(variable chaff)カイガラムシ、Pinnaspis aspidistrae、シダカイガラムシ、Pinnaspis buxi、ティー(ti)カイガラムシ、Pinnaspis strachani、ハイビスカススノウカイガラムシ、Protopulvinaria mangiferae、マンゴソフトカイガラムシ、Pseudoaulacaspis cockerelli、コッカレル(Cockerell)カイガラムシ、Pulvinaria mammeae、大型ワタカイガラムシ、Pulvinaria psidii、グリーンシールド(green shield)カイガラムシ、Pulvinaria urbicola、ワタサツマイモ(cottony sweetpotato)カイガラムシ、Saissetia coffeae、ハンエンカタカイガラムシ、Saissetia neglecta、カリビアンブラックカイガラムシ、Vinsonia stellifera、ホシ(stellate)カイガラムシ、クモ:Araneidae sp.(コガネグモ科)、円網性種、Atrax sp.(ウゴグモ科)、ジョウゴグモ、Loxosceles sp.(イトグモ科)、リクルーズ(Recluse)またはバイオリン(violin)グモ、Lycosidae sp.(コモリグモ科)、ウルフ(Wolf)グモ、Rholcidae sp.(ユウレイグモ科)、セラー(Cellar)グモ、Salticidae sp.(ハエトリグモ科)、ハエトリグモ、Tegenaria agrestis、ホーボー(Hobo)またはアグレッシブハウス(Aggressive house)グモ、ナメクジ:Vaginulus plebius、ブラウンナメクジ、Veronicella leydigi、ブラックナメクジマダニ(TICKS):Amblyomma americanum、ローンスター(Lone Star)マダニ、Dermacentor variabilis、アメリカイヌマダニ、Ixodes scapularis、シカマダニ、Rhipicephalus sanguineus、チャイロイヌマダニ、アザミウマ:Chaetanaphothrips orchidii、アンスリウム(anthurium)アザミウマ、Chaetanaphothrips signipennis、バナナラスト(banana rust)アザミウマ、Dichromothrips corbetti、バンダ(vanda)アザミウマ、Echinothrips americanus(モトジロアザミウマ)、アザミウマの一種、Elixothrips brevisetis、バナナの皮アザミウマ、Franklinella occidentalis(ミカンキイロアザミウマ)、ミカンキイロアザミウマ、Frankiniella shultzei、キイロハナアザミウマ、Haplothrips gowdeyi、クロハナアザミウマ、Helionothrips errans、シンビジウムアザミウマ、Haliothrips haemorrhoidalis、オンシツアザミウマ、Hercinothrips femoralis(クリバネアザミウマ)、オビオンシツアザミウマ、Leucothrips pierci、アザミウマの一種、Schultzei、キイロハナアザミウマ、Sciothrips cardamomi、カルダモン(cardamom)アザミウマ、Scirtothrips dorsalis、アザミウマの一種、Selenothrips rubrocinctus、アカオビアザミウマ、Thrips alliorum、アザミウマの一種、Thrips hawaiiensis、ハワイハナアザミウマ、Thrips nigropilosus、キクアザミウマ、Thrips palmi、メロンアザミウマ、Thrips tabaci、タマネギアザミウマ、カリバチ:Bephratelloides cubensis、アノナシード(Annona seed)カリバチ、Eurytoma orchidearum、オーキッドフライ(orchidfly)、Polistes sp.(アシナガバチ科)、アシナガバチ、Sphecidae sp.(ジガバチ科)、ジガバチ、ゾウムシ:Anthonomus eugenii、ペッパー(pepper)ゾウムシ、Diaprepes abbreviatus、ミカンルーツ(Citrus root)ゾウムシ、コナジラミ:Aleurocanthus spiniferus、オレンジスパイニィ(orange spiny)コナジラミ、Aleurodicus dispersus、スパイラリング(spiraling)コナジラミ、Aleurothrix antidesmae、コナジラミの一種、Aleurothrixus floccosus、ウール(woolly)コナジラミ、Aleurotulus anthuricola、アンスリウム(anthurium)コナジラミ、Bemisia argentifolii、シルバーリーフ(silverleaf)コナジラミ、Bemisia tabaci、サツマイモコナジラミ、Crenidersum. sp.、コナジラミの一種、Orchamoplatus mammaeferus、クロトン(croton)コナジラミ、Paraleyrodes perseae、プルメリア(plumeria)コナジラミ、Trialeurodes vaporariorum、オンシツコナジラミ、スズメバチ:Vespula vulgaris(キオビクロスズメバチ)、一般的なスズメバチ、Vespula maculifrons、イースタンスズメバチ、Vespula germanica、ジャーマン(german)スズメバチ、Vespa crabro、オオスズメバチ。発明の方法の実施では、式Iの化合物をそのまま、または適切な担体もしくはビヒクルと混合して得た組成物の成分として用いることができる。担体またはビヒクルの性質は、塗布または投与の様式によって変わるだろう。発明の昆虫忌避剤組成物は、組成物の全重量に基づいて、一般的に約1〜約80重量%の、有効量の式Iの化合物を含むように調合される。その中に存在する式Iの化合物の量が1%重量未満の組成物は、目的の効果を生まないことが見出されている。組成物は、場合によって、担体またはビヒクルを構成している1または複数の不活性成分とバランスをとって、約3〜約80重量%のスキンコンディショナを含むことができる。特に満足できる昆虫忌避効果は、上記式Iの化合物、好ましくはメントールプロピレングリコール−カーボネートのラセミ混合物を約1〜約30重量%含んでいる調合物を用いた時に得られている。イソプレゴールプロピレングリコール−カーボネートも良い結果を生んでいる。これら化合物は、ヒト、家畜、ペット、植物、植物の一部および種子の外皮または皮膚に安全に塗布できる。本明細書に記載の化合物が生ずる昆虫忌避効果は、次に限定されるわけではないが、香水、コロン、消臭剤、制汗剤、スキンクリーム、石鹸、シャンプー、ヘアコンディショナ、ヘアリンス、バスオイル、タルク、日焼け止め、サンスクリーン等を含む、各種化粧品またはパーソナルケア製品に、または、次に限定されるわけではないが、クリーナ、洗剤、柔軟剤、芳香剤、室内装飾品もしくはラグ用シャンプー、家具ツヤ出し剤、床用ワックス等を含む、家庭用洗浄製品に組み入れてもよく、これら製品は液体または固体いずれの形でもよい。これら製品は、典型的には、上記式Iの化合物または化合物の混合物を、製品の自重に基づいて、約1〜80重量%含む。昆虫忌避剤化合物はまた、肥料、マルチ、および鉢植え用調製物と混ぜても良い。式Iの化合物は、組成物の中で単独の昆虫忌避剤として使用でき、また有用な昆虫忌避剤である他の天然もしくは合成作用物質と組み合わせて用いてもよい。これらのものとしては、N,N-ジエチル-m-トルアミド(DEET);N,N-ジエチルベンズアミド;シトロネラ;トルーバルサム;ペルーバルサム;ユーカリ油;ヒューオンパインオイル;樟脳;サイプレスオイル;ガルバヌム;ジエチルフタレート;ジメチルフタレート;ジブチルフタレート;1,2,3a,4,5,5a,6,7,8,9,9a,9b-ドデカヒドロ-3a,6,9a-テトラメチルナフト[2,1-b]フラン;4-(トリシクロ[5.2.1.02.6]デシリデン-8)ブタナール;1-エトキシ-1(2’-フェニルエトキシ)エタン;アセチルセドレンおよびプロピリデンフタリドが挙げられるが、これらに限定されない。上記組成物に様々な補助成分を加えて、それに所望の性質または特徴を付与し、または特別な形態の塗布または投与を容易することができる。これら補助成分としては、当技術分野で一般的に用いられる、芳香剤、界面活性剤、噴射剤、乳化剤、分散剤、緩衝剤、保存剤、抗酸化剤、希釈剤、溶媒および固定剤を挙げることができるが、それらに限定されるわけではない。微生物の有害活性は、様々な抗菌剤および抗真菌剤、例えばパラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸等を加えることで阻止できる。上記組成物は、塗布または投与の様式に応じて、様々な形に調製できる。従って、組成物は、局所塗布のためのローション、クリーム、軟膏、ゲル剤またはパウダー、あるいは噴霧もしくはエアゾールスプレーとして使用するための溶液または懸濁液の形にできる。本明細書に記載の化合物および組成物は、当技術分野周知のように、持続放出性もしくは制御放出性成分または様々なタイプの担体、例えば有機もしくは無機粒子と一緒に調合することも、あるいは局所使用のためにアルコールまたは水を基本にした調合物に調合してもよい。本発明の実施に用いる組成物は、当技術分野周知の各種の方法によって調製できる。典型的には、そのような組成物は、式Iの化合物を適切な担体物質、および、場合により望まれる1または複数の補助成分となじませ、要望どおりに、得られた混合物を適切な容器またはディスペンサに入れることで調製される。本明細書に記載の化合物および組成物は、動物および植物だけでなく、無生物にも有益に用いられ、所望の昆虫忌避効果を生む。大部分の例では、発明の昆虫忌避組成物は、処理対象となる部位または表面に局所的または外部に塗布され、そして所望の昆虫忌避レベルを維持するために、定期的に繰り返し塗布される。本明細書に記載の化合物は、処理表面から昆虫を忌避させることによって、虫がつくのを防ぐために、構造物用および産業用コーティング製品などの各種コーティング組成物にも有益に用いることができる。このようなコーティング組成物は、1または複数の上記式Iの化合物を、適切な塗膜形成剤を含む通常の塗料ビヒクルと混合することによって都合良く調合でき、それらは虫がつくことから保護したい部位または表面に容易に塗布され、付着される。コーティング組成物は、例えば刷毛塗り、噴霧またはディッピングを含む、様々な方法で塗布できる。ある特定の用途のために実際に選ばれる塗膜形成剤は、保護する物体の材料および構造に応じて変わる。表面に本発明による保護コーティングを施すと、コーティング組成物中に存在する式Iの活性成分が、その昆虫忌避効果を提供し、それによって処理された表面は虫がつくことから保護される。様々な合成ポリマーが、コーティングの塗布に有用な塗膜形成剤であることが知られている。適切なポリマー樹脂の例としては、ポリエステル(例えばアルキド)樹脂、不飽和ポリマー(例えばアクリル)樹脂、ビニルエステル、酢酸ビニルおよび塩化ビニルをベースにした樹脂、ウレタンをベースにした樹脂、エポキシ樹脂ならびにシリコン樹脂、またはその組合せが挙げられる。不飽和ポリエステル樹脂は、不飽和の酸および無水物、飽和酸および無水物(最終樹脂の不飽和度を制御するため)、ならびにポリヒドロキシアルコール、通常はグリコールから作られる。好適な塗膜形成剤成分は、ポリウレタン、エポキシ、アルキドおよびシリコン樹脂である。本発明の実施に適切な市販の塗料用ビヒクルとしては次のものが挙げられる:Benwood Interior Wood Finishing浸透染料234およびBenwood Interior Wood Finishingポリウレタン染料228(共にBenjamin Moore Paints);Vas Sickle Exteriorラテックス塗料(Van Sickle Paints, Lincoln, Nebraska);Polane G PlusポリウレタンエナメルおよびACRL-PRO 100フラット外装用アクリル塗料(共にPorter Paint, Louisville, Kentucky);ならびにWearlonノンスティックコーティング(水ベースのシリコン/エポキシコーティング)(Environmental Coatings, LLC)。本発明のコーティング組成物は、1つまたは複数の望ましい特性、例えば色、硬さ、強度、剛性、浸透性、耐水性等を付与するために、上記の式Iの1または複数の化合物および塗膜形成成分を加えた成分を含んでよい。このような特性を付与する具体的な成分または成分の群を選択することは、当業者の能力の範囲内である。虫がつくことから効果的に保護するのに必要な、コーティング組成物中の忌避化合物の割合は、化合物そのもの、塗膜形成剤の化学的性質、ならびに忌避化合物の効力に影響を与える組成物中に存在するその他添加物によって変わる場合がある。一般的には、忌避化合物は、コーティング組成物の重量の約1〜約80%含まれ、好適には組成物の重量の約5〜約50%含まれる。上記の式Iの化合物は、塗料製造工程の間に塗料調合物に加えても、または使用時に塗料に添加してもよい。式Iの化合物は、塗料ビヒクル内に簡単に混ぜればよい。忌避化合物はまた、ポリマー樹脂に共有結合してもよい。さらには、式Iの化合物は、コーティングマトリックスからの化合物の持続的放出を提供し、それによってコーティングの効果を延長し、昆虫忌避効果を生ずるのに必要な活性化合物の量を減らす徐放性物質と組み合わせることもできる。このような徐放性物質の中に封入することはまた、コーティングの有害な化学環境から活性成分を保護し、活性化合物が分解しやすい場合には、樹脂内に閉じ込められている間にそれらが分解しにくくする。適切な制御放出材料の例としては、リポソーム、ナノカプセル、脂質マイクロチューブル、金属マイクロチューブル、ポリマーおよびハロイサイトマイクロチューブルが挙げられる。コーティング表面の昆虫忌避効果は、上記式Iの化合物を、表面濃度約1〜600mg/cm2、より好適には約10〜約80mg/cm2、最も好適には約30〜約50mg/cm2で使用することによって得られる。蚊の忌避には、約300〜約600mg/cm2のオーダーの比較的高い濃度が用いられる。少なくとも1種類の、上記式Iの本発明の化合物からなるコーティングでコーティングされた表面を有する構造物または物体も、本発明の範囲内である。コーティングされた構造物または物体は、生木、農業用植物、観賞用植物、種子、木材または製材、家具、床材および壁などの害虫の攻撃が考えられるどんな物質も含まれる。本明細書に記載の化合物はまた、布帛基材の中に組み入れて、布帛に昆虫忌避剤を付与することもできる。忌避化合物は、繊維製造工程、例えば乾式紡糸の間に、各種合成繊維と組み合わせることができる。この方法で作られた繊維としては、ポリエステル、ポリアミド(好ましくはナイロン)、アクリルおよびポリオレフィン(好ましくはポリエチレン)繊維が挙げられるが、それらに限定されるわけではない。こうして得た繊維またはフィラメントを撚り糸に紡ぎ、次にこれを織るか、または編んで、最終の昆虫忌避布帛にする。もちろん、編布は、単独のフィラメントからも作ることができる。得られた繊維は、また不織布の製造にも用いることができる。忌避化合物はまた、粒径がマイクロメートルからナノメータの範囲である微粒子状の担体に結合して、紡いだ繊維のクラッディングまたはコアに含めてもよい。特定の担体を適切に選択して、悪条件の熱作用、例えば溶融紡績作業中の熱作用から忌避化合物を守ることができる。この目的に適した粒状担体としては、ポリマーカプセル、ハロイサイトマイクロチューブルおよび金属マイクロチューブルが挙げられるが、それらに限定されるわけではない。ハロイサイトマイクロチューブルのような担体はまた、得られた繊維からの昆虫忌避剤の制御放出を可能にする。遅延放出性の昆虫忌避布帛に関係する米国特許第6,326,015号も参照。または、昆虫忌避剤は、完成した布帛に、例えば噴霧、含浸、パッディング(浸漬タンクと絞りローラを用いた)等により、塗布してもよい。昆虫忌避布帛は、軍隊が使用するバトルドレスユニフォームなど衣類、テント布帛、蚊帳、バンダナ、動物用床材、または木やその他の植物の保護包装材を含む多様な有用物に変えることができるが、それらに限定されるわけではない。昆虫忌避化合物は、布帛が完成品にされた後で、布帛に塗布することもできる。本発明の昆虫忌避剤は、木綿布またはネットにも塗布できる。本明細書に記載の昆虫忌避化合物は、蚊帳に昆虫忌避剤を塗布するのに用いられる。蚊帳を殺虫剤で処理する実際の手順については、www.pathcanada.orgに記載されており、その説明は、参照により本明細書に組み入れられる。シロアリおよびその他の穿孔虫から、木材構造を保護するのに効果的なバリアシートもまた、1または複数の上記式Iの昆虫忌避化合物を含むことができる。このようなバリアシートは、ポリマーフィルムの形に調製してもよく、それらは使用するポリマーの性質に応じて、通常の成形、注型成形または射出成形法により製造できる。昆虫忌避化合物のポリマーフィルムへの組み込みは、制御放出態様を含む上記の合成ポリマー繊維についての記載と同様にして実施できる。昆虫忌避剤は、適合性ポリマーと忌避剤の物理的な溶融結合混合物を手段としてフィルム基材に塗布することもでき、それは米国特許第6,319,511号に記載されている様式で、間隔のあいたスポットでフィルム基材と結合する。上記のように調製した昆虫忌避剤含有繊維は、米国特許第6,052,943号に記載のような、農業害虫管理用保護バリアを形作るのにも用いることができる。以下実施例では、本発明をさらに詳細に記載する。これらの実施例は、例示だけを目的として提供されており、いかなる形でも本発明を制限しようとするものではない。これら実施例は、上記式Iの一定の化合物の、昆虫忌避剤としての効力を決定するために実施された試験の結果を示している。実施例1から9は、上記式Iの化合物の昆虫忌避効果を示している。成虫の蚊(Culex quinquefasciatus)を2フィート×2フィート×2フィートのスクリーンチャンバーの中に、200匹/チャンバーの密度で飼育した。蚊は、幼虫から羽化したのち3〜10日齢であり、各試験前に24時間絶食させた。各試験化合物(Symrise GmbH & Co Kg、 Holzmiden、Germanyより無償で提供された)を市販のローション基剤(Cresto Laboratories, Manila, Philippines)に加え、電動ミキサーを用いてローションと良く混合した。得られた調合物をヒトボランティアの肘から指先に塗布した。次に塗布したボランティアの腕を、順番に、肘までチャンバー内に差し入れた。各調合物について、蚊が最初に刺すまでの時間の長さとして保護時間を決定し、蚊が刺した時点で試験を終了した。表Iのデータは、試験した化合物の、この方法で決定した保護時間を示している。*試験群当たり4名のボランティアについての平均値±標準誤差。化合物は、組成物全重量を基に、5重量%の濃度でローション基剤に加えられた。データは、メントールプロピレングリコール−カーボネートが、メントールまたはイソプレゴールに比べ、蚊に刺されることの予防についてほぼ9倍効果的であることを示している。メントールプロピレングリコール−カーボネートの性能は、試験に用いた化粧品の処方に依存して変わるだろう。さらに、実験では、蚊が刺すことに対するラセミメントールプロピレングリコール−カーボネートの阻止効果は、用量依存的な様式で生ずることを明らかになった。これらの結果は、図1に示している。世界中に分布しており、また家庭の害虫として知られていることから、このアリ忌避剤試験にはアカアリ(ファラオ (pharaoh)アリ、Monomorium pharonis)を選択した。アカアリは、食物の香りに引きつけられる。本実験の誘引物質はチョコレートであり、これを試験前の5時間、テーブルの上に置いた。テーブルの周囲の床に放した後2時間以内に、アカアリは床からテーブルの脚を上るルートを確立した。5時間目に、2濃度のラセミメントールプロピレングリコール−カーボネートを染み込ませた濾紙をテーブルの脚の中間位置周囲に貼った。試験化合物は、エタノールに溶解し、前もって重量を測定した2インチ×7インチの濾紙片に染み込ませた。エタノールが完全に蒸発した後、濾紙の重量を測定し、試験化合物の濾紙1cm2当たりの最終重量を決定した。エタノールだけに浸した同じ濾紙をコントロールに用いた。濾紙バリアをアリが最初に横断した時間を測定した。データを表IIに示す。結果は、ラセミメントールプロピレングリコール−カーボネートが、適当濃度の時、アカアリに対し効果的な忌避剤であることを示している。各データ点は、5回の試験の平均±SEMである。一般的なイエバエ、Musca domesticaを、捕蝶網を使って集め、1立方フィートの網ケージの中に入れた。イエバエは試験前3時間、新しい環境に慣らした。標準的な生の牛肉のスライスをケージの中央に置いて、イエバエを誘引した。ラセミメントールプロピレングリコール−カーボネートを、95%エタノールに、10%〜50%v/vの濃度範囲で加えた。これら実験溶液を、スプレーボトルを使って牛肉の表面に均一に噴霧した。コントロール試験は、いずれの試験化合物も含まない95%エタノール溶液を用い、これを同様にしてビーフの表面に噴霧した。保護時間は、生の牛肉の表面に最初にイエバエがとまった時間である。上記試験中に得たデータを図2に示すが、データは、生の牛肉の表面へイエバエがとまることが用量依存的に阻止されることを示しており、メントールプロピレングリコール−カーボネートが、イエバエがたかることからの処理面の保護に効果的であることを示している。メントールプロピレングリコール−カーボネートにDEETおよびシトロネラを組合せることの効果メントールプロピレングリコール−カーボネート(メントールプロピレングリコール−カーボネート)が、蚊が刺す行動に対する既知昆虫忌避剤である、DEETの阻止効果を増強することについての効力を試験するために、ラセミメントールプロピレングリコール−カーボネートにDEET(Sigma-Aldrichより購入)を組み合わせて本調査を実施した。2種類の化学物質を親水性軟膏基材(E.Fougera & CO., Melville, NY)に10%w/wで加えて、ヒトボランティアの露出した腕に塗布した。処置した腕を蚊のチャンバーに差し込み、保護時間を測定した。この調査で得たデータは図3に示されており、データはDEETを含む軟膏基材に10%のラセミメントールプロピレングリコール−カーボネートを加えると、2種類のいずれかの一方の活性化合物単独の場合に比べて保護時間が長くなることを示している。記録されたデータは、3名のヒトボランティアの平均値および標準誤差である。他の既知の蚊忌避製品の効果増強に関するメントールプロピレングリコール−カーボネートの効力を試験するために、Tender Corporation(Littleton、New Hampshire)製造のシトロネラベースの製品(Natrapel)にメントールプロピレングリコール−カーボネートを10%w/wの濃度で加える実験を行った。シトロネラオイルは、昆虫忌避活性を持つ植物、Cymbopogon nardusの葉から得る、悪臭を持つ天然抽出物である。メントールプロピレングリコール−カーボネートは、Natrapelの保護時間を23分から108分に延長し、それにより、この化学物質がシトロネラオイル含有物などの、より弱い作用の調合製品の効果を増強するのに使用できることを証明した。野外蚊試験メントールプロピレングリコール−カーボネートの効力を、自然の周囲条件において実証するために、この化学物質を軟膏基材中に10%w/wで混合し、ヒトボランティアの露出した腕に塗布し、このボランティアは午後3:00に開始して、蚊が最も活発に刺す時間、野外にとどまった。保護時間を記録し、SC Johnson & Sons, Inc.(Racine, Wisconsin)製造の市販昆虫忌避剤(OFF! Skintastic;7% DEET)を使用したヒトボランティアより得た記録と比較した。コントロール軟膏は、活性成分を含まないFougera軟膏である。保護時間は、各試験群について、3名のヒトボランティアについて測定した。下表IIIは、10%ラセミメントールプロピレングリコール−カーボネートの効力が、OFF! Skintasticより若干高いことを示しており、従って実験室で見られた効力が自然の条件でも再現できることが証明された。シロアリ発生の阻止ミルクシロアリ(milk termite)、Coptotermes vastator(フィリピンイエシロアリ)は、熱帯および亜熱帯地域に見られる害虫である。ラセミメントールプロピレングリコール−カーボネートの効力を試験するために、この化学物質を95%エタノールに、10%w/wの濃度で溶解し、前もって重量を測定しておいた軟材をこの溶液に24時間浸した。含浸後、木を空気中で乾燥させて、低い引火点を有するエタノールを除いた。乾燥した木の重量を再度測定して木に吸収されたラセミメントールプロピレングリコール−カーボネートの量を決定した。木に吸収されたラセミメントールプロピレングリコール−カーボネートの重量は、木1グラム当たり26ミリグラムであった。コントロールは、95%エタノールだけに含浸した木を用いて調製した。木試験サンプルを、周囲の自然な野外条件でシロアリがひどく発生しているジャックツリー(Artocarpus heterophylla)の倒木の表面に2ヶ月置いた。試験期間終了時に、木のサンプルからクズおよびシロアリを取り除き、天日乾燥して重量を測定した。木の保存度は、試験期間中の損失重量によって決定した。表IVのデータは、シロアリは、コントロール群の木を調査期間中に粉砕できることを示している。定期的に目視でチェックしたところ、コントロール群の木のサンプルの中にはシロアリがいた。しかし、ラセミメントールプロピレングリコール−カーボネートを木の中に含浸させると、実験群の木のサンプルの損失重量がごく僅かであることから明らかなように、シロアリによる木の消耗は完全に阻止された。ヒアリに対するメントールプロピレングリコール−カーボネートの効果ヒアリは、米国北部にいる厄介な害虫である。トロピカルヒアリ(Solenopsis geminata Fabricisu)は米国土着種である。しかしながら、より攻撃的な輸入種のアカアリ(S. invicta)が、その攻撃性故に、米国の南部で優勢になっている。ヒアリは57種の栽培植物に被害を与えることで知られている。これらのアリは発芽中の種子だけでなく他の昆虫も食べる。電流に誘引されることから、これらのアリはまたヒートポンプ、空調設備、電話接続ボックス、変圧器、および交通信号機にも重大な被害を与えている。ヒアリは、ヒトを刺し、局所に強い灼熱痛と瘢痕を残すことで有名である。本調査では、ラセミメントールプロピレングリコール−カーボネートの忌避効果を、この化学物質の50%濃度(v/v) でエタノール溶液を調製することで調べた。溶液をポンプスプレーディスペンサ(Arminak & Associate、Duarte、CA)を用い、砂糖を使った食品(この場合はピーナッツバター)から作った餌に噴霧した。コントロールは、エタノールだけにした。この調査は、Fort Pierce、Floridaで行った。保護時間は、最初のアリが餌を食べ始めた時間として測定した。表Vのデータは、ラセミメントールプロピレングリコール−カーボネート溶液を噴霧した餌が、少なくとも5時間ヒアリから保護されたことを示している。実験は5時間観察した後に終了した。各調査群とも、4重測定で行われた。エタノールだけ噴霧したコントロールでは、噴霧後3分以内に餌にヒアリ(s. invicta)が見られた。ハロイサイトクレーに取り込んだメントールプロピレングリコール−カーボネートの、蚊に対する忌避効果 本調査は、忌避効果を生ずるのに必要なラセミメントールプロピレングリコール−カーボネートの量を減らす手段としての封入または取り込みの好適性を評価し、そして調合物内のその他賦形剤による分解から、または、織物材料に含浸させる場合のように、製造に伴う高温による分解から活性材料を保護する手段を提供するために実施した。ハロイサイトクレーは、工業分野で入手できる多くのその他の適切な封入材料の一例であり、本発明の範囲を制限する意図はない。ハロイサイトクレーは、天然の、無毒の生体分解性材料で、一般的には磁器、ボーンチャイナおよびファインチャイナの製造に用いられる。PriceおよびGaberの米国特許第5,651,976号は、ハロイサイトクレーから作られたマイクロチューブルを用いた制御放出の新しい方法を記載している。これらマイクロチューブルは、約0.2マイクロメートルの中空コアを持つ円筒であり、その中に活性化合物を充填すること、そして中空コアからゆっくり活性成分を放出させることができるという特徴を有している。本調査で用いたラセミメントールプロピレングリコール−カーボネートを取り込んだハロイサイトは、Federal Technology Group(Bozeman, MT)より提供されたものであり、取り込んだされた活性物質の総量は全重量の17%であることが決定された。コントロールは、ラセミメントールプロピレングリコール−カーボネートを取り込んでいないハロイサイトクレーである。本調査で用いた化粧品調合物は、アロエの保湿クリーム(General Nutrition Corp., Pittsburgh, PA)であった。ハロイサイトに取り込んだラセミメントールプロピレングリコール−カーボネートを湿潤クリームに合計濃度20%w/wで加え、このとき調合物中の全活性物質濃度は3.4%であった。ハロイサイトコントロールでは、ラセミメントールプロピレングリコール−カーボネートなしのハロイサイトを、保湿クリームに20%w/wになるように加えた。参照調合物は、20%ラセミメントールプロピレングリコール−カーボネート含有アロエクリームからなり、この場合はアロエクリームをコントロールに用いた。これら調合物を、ヒトボランティアを対象に、標準的な蚊チャンバーを用いて試験し、前腕に調合物を塗布してチャンバー内にいれた。保護時間を、被験者が最初に蚊に刺された時間として測定した。各調査は、3名のヒトボランティアで構成した。表VIに記録されたデータは、ハロイサイトクレー内へのラセミメントールプロピレングリコール−カーボネートの組み入れは、この活性物質の総必要量を減らしたが、実質的に同じ忌避効果を生じたことを示している。20%ラセミメントールプロピレングリコール−カーボネートクリームの保護時間は、3.4%メントールプロピレングリコール−カーボネートを取り込んだハロイサイトクレーについて観察された時間と同様であった。サシバエに及ぼすラセミメントールプロピレングリコール−カーボネートの効果サシバエまたはドッグフライ(dog fly)(Stomoxys calcitrans)はイエバエに近い大きさを持ち、おそらく乳牛およびその他農業動物にとって最も問題のある害虫である。馬の飼育が一般化したことで、今やこれらのハエは馬小屋でも同様に大きな問題になっている。サシバエは皮膚を穿刺して血を吸い、家畜に痛みと不快感をもたらす。サシバエの来襲は、ウシでは25%もの体重減少をもたらし、牛乳生産量を60%も低下させる。動物がいない場合には、サシバエはヒトも襲う。ラセミメントールプロピレングリコールカーボネートの効力を試験するために、50%溶液を95%エタノールで調製し、標準的なスプレーボトルを使って噴霧した。サシバエは、試験1日前に、馬小屋の側に、餌(Peaceful Valley Farm Supply、Grass Valley, CA)が入った網を張ったゲージを置いて採集した。ケージ毎に約200匹のサシバエを集めた。牛肉片を含む試験餌を、採取ケージの底に置いたアルミニウムの皿の中に入れた。試験は、50%ラセミメントールプロピレングリコール−カーボネート溶液を噴霧した肉を用い、エタノールのみ噴霧した肉をコントロールとして行った。試験は二重測定で実施した。肉にとまり、肉を摂食したサシバエの数を定期的に計測した。下表VIIのデータは、ラセミメントールプロピレングリコール−カーボネートが、サシバエによる処理肉の摂食防止に有効であることを示している。1または2匹のハエは、処置肉にとまったが、いつまでも摂食せずに直ぐに移動した。コントロール群では、ハエは直ぐにたかり、数を増した。ラセミメントールプロピレングリコール−カーボネートの噴霧は、少なくとも5時間は高い効果を維持し、最初の一回塗布から9時間後にその効力を失った。*餌はハエによって埋め尽くされ、正確な数は数えられなかった。前述実施例に記載のデータは、上記式Iの化合物が昆虫忌避剤として有効であることを示している。前述の明細書の中には、本発明が関連する技術の水準を説明するのを助けるために、多数の特許文書を引用している。これら各引用の全ての開示は、参照により、本明細書に組み入れられる。本発明のある実施形態を上記記載し、および/または例示してきたが、前述の開示から、様々なその他態様が当業者に明らかになるだろう。それゆえに、本発明は記載した、および/または例示した特定の態様に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、変形および改良を考慮することができる。ある部位から昆虫を忌避する方法であって、前記部位に昆虫忌避量の次式化合物:式中Rは直鎖もしくは分岐鎖の、置換もしくは非置換低級アルキルラジカル、または直鎖もしくは分岐鎖の、置換もしくは非置換低級アルケニルラジカルを表し、Xはカルボニル結合基(−C(=O)−)または原子価結合を表し、nは0または1であり、かつR’は、nが1の時は、置換もしくは非置換ヒドロキシアルキルオキシおよび置換もしくは非置換ヒドロキシアルキルからなる群より選択されるラジカルを表し、nが0の時は、R’はアルキルアミンラジカルを表す、前記化合物の塗布を含むことを特徴とする前記方法。式Iの化合物は、さらに適切な担体を含む組成物の形で塗布され、前記化合物の量が、前記組成物の総重量を基にして、約1重量%〜約80重量%であることを特徴とする請求項1に記載の方法。前記化合物の量は、前記組成物総重量を基にして、約1重量%〜約30重量%であることを特徴とする請求項2に記載の方法。式Iの化合物は、メントールプロピレングリコール−カーボネートおよびイソプレゴールプロピレングリコール−カーボネートからなる群より選択され、前記化合物が鏡像異性的に純粋な形またはラセミ体であることを特徴とする請求項1に記載の方法。式Iの化合物は、ラセミメントールプロピレングリコール−カーボネートであることを特徴とする請求項1に記載の方法。式Iの化合物は、イソプレゴールプロピレングリコール−カーボネートであることを特徴とする請求項1に記載の方法。前記部位は、少なくとも1匹の生きている動物の外皮であることを特徴とする請求項1に記載の方法。前記少なくとも1匹の生きている動物は、ヒトを含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。前記少なくとも1匹の生きている動物は、家畜を含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。前記部位は、植物、植物の一部または種子であることを特徴とする請求項7に記載の方法。昆虫忌避剤組成物であって、次式化合物:式中Rは直鎖もしくは分岐鎖の、置換もしくは非置換低級アルキルラジカル、または直鎖もしくは分岐鎖の、置換もしくは非置換低級アルケニルラジカルを表し、Xはカルボニル結合基(−C(=O)−)または原子価結合を表し、nは0または1であり、かつR’は、nが1の時は、置換もしくは非置換ヒドロキシアルキルオキシおよび置換もしくは非置換ヒドロキシアルキルからなる群より選択されるラジカルを表し、nが0の時は、R’はアルキルアミンラジカルを表す、前記化合物、および持続放出性担体を含むことを特徴とする昆虫忌避剤組成物。前記担体は、ハロイサイトクレーを含むマイクロチューブルの形をしていることを特徴とする請求項11に記載の組成物。化粧品またはパーソナルケア組成物であって、香水、コロン、消臭剤、制汗剤、スキンクリーム、石鹸、シャンプー、ヘアコンディショナ、ヘアリンス、バスオイル、タルク、日焼け止め、サンスクリーンの群から選択され、前記組成物は次式の化合物:式中Rは直鎖もしくは分岐鎖の、置換もしくは非置換低級アルキルラジカル、または直鎖もしくは分岐鎖の、置換もしくは非置換低級アルケニルラジカルを表し、Xはカルボニル結合基(−C(=O)−)または原子価結合を表し、nは0または1であり、かつR’は、nが1の時は、置換もしくは非置換ヒドロキシアルキルオキシおよび置換もしくは非置換ヒドロキシアルキルからなる群より選択されるラジカルを表し、nが0の時、R’はアルキルアミンラジカルを表す、前記化合物を含むことを特徴とする前記組成物。家庭用洗浄組成物であって、クリーナ、洗剤、柔軟剤、芳香剤の群から選択され、前記組成物は次式の化合物:式中Rは直鎖もしくは分岐鎖の、置換もしくは非置換低級アルキルラジカル、または直鎖もしくは分岐鎖の、置換もしくは非置換低級アルケニルラジカルを表し、Xはカルボニル結合基(−C(=O)−)または原子価結合を表し、nは0または1であり、かつR’は、nが1の時は、置換もしくは非置換ヒドロキシアルキルオキシおよび置換もしくは非置換ヒドロキシアルキルからなる群より選択されるラジカルを表し、nが0の時は、R’はアルキルアミンラジカルを表す、前記化合物を含むことを特徴とする前記組成物。布帛状の製品であって、前記製品は次式の化合物:式中Rは直鎖もしくは分岐鎖の、置換もしくは非置換型低級アルキルラジカル、または直鎖もしくは分岐鎖の、置換もしくは非置換型低級アルケニルラジカルを表し、Xはカルボニル結合基(−C(=O)−)または原子価結合を表し、nは0または1であり、かつR’は、nが1の時は、置換もしくは非置換ヒドロキシアルキルオキシおよび置換もしくは非置換ヒドロキシアルキルからなる群より選択されるラジカルを表し、nが0の時は、R’はアルキルアミンラジカルを表す、前記化合物を組み入れることを特徴とする前記製品。前記布帛は、不織布、織物またはニット布帛であることを特徴とする請求項15に記載の製品。前記布帛が蚊帳であることを特徴とする請求項15に記載の製品。布帛に昆虫忌避剤を付与する方法であって、前記方法は、次式化合物:式中Rは直鎖もしくは分岐鎖の、置換もしくは非置換型低級アルキルラジカル、または直鎖もしくは分岐鎖の、置換もしくは非置換型低級アルケニルラジカルを表し、Xはカルボニル結合基(−C(=O)−)または原子価結合を表し、nは0または1であり、かつR’は、nが1の時は、置換もしくは非置換ヒドロキシアルキルオキシおよび置換もしくは非置換ヒドロキシアルキルからなる群より選択されるラジカルを表し、nが0の時は、R’はアルキルアミンラジカルを表す、前記化合物を前記布帛に組み入れることを含むことを特徴とする前記方法。前記化合物は、噴霧、含浸、およびパッディングによって前記布帛内に組み入れられることを特徴とする請求項18に記載の方法。コーティング組成物であって、次式の化合物:式中Rは直鎖もしくは分岐鎖の、置換もしくは非置換型低級アルキルラジカル、または直鎖もしくは分岐鎖の、置換もしくは非置換型低級アルケニルラジカルを表し、Xはカルボニル結合基(−C(=O)−)または原子価結合を表し、nは0または1であり、かつR’は、nが1の時は、置換もしくは非置換ヒドロキシアルキルオキシおよび置換もしくは非置換ヒドロキシアルキルからなる群より選択されるラジカルを表し、nが0の時は、R’はアルキルアミンラジカルを表す、前記化合物、および合成ポリマー塗膜形成剤を含むことを特徴とする前記組成物。害虫の来襲から無生物表面を保護するための方法であって、前記方法は次式の化合物:式中Rは直鎖もしくは分岐鎖の、置換もしくは非置換型低級アルキルラジカル、または直鎖もしくは分岐鎖の、置換もしくは非置換型低級アルケニルラジカルを表し、Xはカルボニル結合基(−C(=O)−)または原子価結合を表し、nは0または1であり、かつR’は、nが1の時は、置換もしくは非置換ヒドロキシアルキルオキシおよび置換もしくは非置換ヒドロキシアルキルからなる群より選択されるラジカルを表し、nが0の時は、R’はアルキルアミンラジカルを表す、前記化合物を含むコーティング組成物を前記表面に塗付することを含む前記方法。前記コーティング組成物は、刷毛塗り、噴霧またはディッピングによって表面に塗布されることを特徴とする請求項18に記載の前記方法。 【課題】【解決手段】メントールプロピレングリコール−カーボネート、その類似体およびそのような化合物を含む組成物は、昆虫忌避剤として有用である。