タイトル: | 公表特許公報(A)_メマンチン経口製剤 |
出願番号: | 2006517215 |
年次: | 2006 |
IPC分類: | A61K 31/13,A61P 27/06,A61P 25/28,A61K 9/28 |
ブルース・エイ・ファイアストーン ジョン・ジェイ・バンダー・ザンデン ジャネット・ケイ・チーサム リチャード・カージャン テレサ・エイチ・クアン チャン・チン−ミン ジェイ・エイブラハム・エム・エスピリトゥ JP 2006527774 公表特許公報(A) 20061207 2006517215 20040610 メマンチン経口製剤 アラーガン、インコーポレイテッド 591018268 ALLERGAN,INCORPORATED 田村 恭生 100068526 坪井 有四郎 100076521 品川 永敏 100126778 ブルース・エイ・ファイアストーン ジョン・ジェイ・バンダー・ザンデン ジャネット・ケイ・チーサム リチャード・カージャン テレサ・エイチ・クアン チャン・チン−ミン ジェイ・エイブラハム・エム・エスピリトゥ US 60/478,979 20030616 A61K 31/13 20060101AFI20061110BHJP A61P 27/06 20060101ALI20061110BHJP A61P 25/28 20060101ALI20061110BHJP A61K 9/28 20060101ALI20061110BHJP JPA61K31/13A61P27/06A61P25/28A61K9/28 AP(BW,GH,GM,KE,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HU,IE,IT,LU,MC,NL,PL,PT,RO,SE,SI,SK,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX,MZ,NA,NI,NO,NZ,OM,PG,PH,PL,PT,RO,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SY,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,YU,ZA,ZM,ZW US2004018506 20040610 WO2004112768 20041229 11 20060203 4C076 4C206 4C076AA36 4C076BB01 4C076CC01 4C076CC10 4C076DD27 4C076DD67 4C076EE31 4C076EE32 4C076FF01 4C206AA01 4C206FA29 4C206KA09 4C206MA01 4C206MA03 4C206MA55 4C206MA72 4C206NA10 4C206ZA16 4C206ZA33 本発明は医薬製剤に関する。より具体的には、本発明はメマンチンの経口製剤に関する。 メマンチンは緑内障患者における神経細胞損失の防止に有用であると考えられている。アルツハイマー病の処置にも有用である。この薬物に付随する悪影響を回避するため、はじめはメマンチンを1日あたり5mgの用量で投与し、10mgまたは20mg/日のメマンチン用量へと徐々に投与量を増やしていく。この用量は、維持用量に達するまで隔週ごとに5mgずつ増加させる。 ヨーロッパでは現在2種類のメマンチン製品が、アルツハイマー型認知症の処置のために市販されている。いずれの製品(Axura(登録商標)およびEbixa(登録商標))も10mgの錠剤の包装で市販されている。現在入手可能な製品は、その患者が服用しなければならない期間に応じてその患者が必要とする服用量を調べ、それに応じて錠剤1/2、錠剤1個、錠剤1個半、また錠剤2個を服用する必要がある。この薬を必要とする典型的な患者は、失明または認知症の進行を遅らせるためにこの薬を用いているため、メマンチンを服用している患者は、このタイプの段階的な用量増加計画によって服用量が不正確になりやすい。特に、5mgおよび15mgの服用量は、患者にとって問題である。なぜなら、いずれの服用量も、的確な個数の錠剤を選択し、且つ10mgの錠剤を半分に分割しなければならないからである。しかも、患者は、錠剤を分割した後、その錠剤の半分の残りを次の日に使用するために覚えておかなければならない。また、錠剤を分割することによって服用量が一貫しない恐れがある。 我々は、10mgまたは20mgではない用量のメマンチンを含有するメマンチン製剤は、上記の問題を克服するのに有用であることを見出した。これらの製剤は、1mg〜100mgのメマンチンを含有する。10mgまたは20mgではない用量を含有する他のメマンチン製剤とは異なり、これらの製剤は、患者またはその患者にその医薬を投与する人が用量の多い製剤を分割し調製するものではない。言い換えれば、患者またはその医薬を投与する人は、製剤を分割して適当な用量とする必要がない。いかなる限定も意図するものではないが、本発明は、例えば、患者またはその薬を患者に投与する人がそのような形態で用いることができるメマンチンの5mgおよび15mgの錠剤を提供し、それは、その患者が10mgの錠剤を分割して5mgの用量とする、あるいは10mgの錠剤を1個半服用して15mgの用量とする必要がないということを意味する。本発明が当分野にもたらすさらなる有意義な貢献は、10mgまたは20mg以外の投与すべき維持用量が可能になるということである。例えば、患者が1日あたり10mgを超えるメマンチン用量を必要とし、20mgの日用量が望ましくない場合は、その人は、服用ミスの問題なしに15mgの維持用量を服用することができるのである。 本発明の一つの態様は、1〜100mgのメマンチンを含有する経口製剤であって、該製剤は10mgのメマンチンを含有するものではなく、患者またはその患者にその医薬を投与する人が用量の多い製剤を分割し調製するものではない、経口製剤に関する。好ましくは、本経口製剤は、5mg、15mgまたは20mgのメマンチンを含有し、本発明に関して用いられるメマンチンの具体的な用量は、上記の投与計画にしたがって患者が必要とする用量によって決定される。 本発明のさらなる態様では、経口製剤は、固形製剤、好ましくは錠剤である。 本発明のさらなる態様は、患者に10mgではない量でメマンチンを投与する方法に関し、その患者にメマンチンの経口製剤を投与することを含んでなり、該製剤は、患者またはその患者にその医薬を投与する人が用量の多い製剤を分割し調製するものではない、方法に関する。 本発明の別の態様は、5mg、15mgまたは20mgのメマンチンを含有するメマンチンの個々の経口製剤を含んでなる包装された医薬製品に関する。 好ましくは、この包装された医薬製品は、5mgのメマンチン、10mgのメマンチンおよび20mgのメマンチンを含有する個々の経口製剤を含んでなる。本発明の別の好ましい態様では、包装された医薬製品は、5mgのメマンチンおよび10mgのメマンチンを含有する個々の経口製剤を含んでなる。 ある特定の場合では、はじめにメマンチン5mgを投与する、または投与量を5mgずつ増やし、患者はそれ以上の用量を許容し得ることもある。本発明の別の態様は、患者をメマンチンで処置する方法であって、 a)該患者に対し、メマンチンを徐々に用量を増やしながら維持用量に達するまで投与すること、および b)メマンチンを必要とする期間、メマンチンの投与を該維持用量で定期的に継続することを含んでなり、有害な事象が有意に減少するまでの充分な時間に該維持用量に達し、継続的投与において増加させるメマンチン用量の増分が5mg未満である、方法。有害な事象なる用語は、メマンチンに付随する何らかの望ましくない副作用または毒性作用を意味する。このタイプの態様に関しては、維持用量に達するまで、メマンチンの用量を1日につき約0.25〜約0.5mgずつ増加させることが好ましい。 本発明を実施する最良の態様を以下の実施例に記載する。これらの実施例は、単に、本発明をどのように実施するのかについての指針を与えるために記載するものであって、本発明の範囲の限定を意図するものではない。実施例1 特に記載しない限り、この手順の工程はすべて室温で行う。以下の表1は、この手順において用いた各試薬の量を示したものである。 2立方フィートのPK V型混合機にて、塩酸メマンチン(Conti BPC N.Y., Landen, Belgium)と微晶性セルロース(Avicel PH101, FMC Corporation, Philadelphia, PA)を入れ、105回転させて混合した。次いで、混合物をQuadro Comilにて0.024インチ(0.6mm)のスクリーンとスクエア・インペラを用いて粉砕した。この粉砕工程を2回繰り返した。次いで、粉砕した混合物を、ポリエチレンを内張りしたドラムに入れた。 10立方フィートのPK V型混合機にて、粉砕した塩酸メマンチン/微晶性セルロース混合物を、ラクトース、微晶性セルロース(Avicel PH302, FMC Corporation, Philadelphia, PA)、クロスカルメロースナトリウム(FMC Biopolymer, Philadelphia, PA)、およびコロイド状二酸化ケイ素(Cab-O-Sil, Cabot Corporation, Tuscola, IL)と混合した。混合物を95回転させて混合した後、ラウンド・インペラを設けたQuadro Comilを用いて0.039インチ(1mm)のスクリーンに通した。混合物をV型混合機に戻し、228回回転させて混合した。ステアリン酸マグネシウムを手動で30メッシュ(0.6mm)のスクリーンに通し、V型混合機に加えた。最後に、混合物を57回回転させて混合した。検証用バッチとして、混合サンプルを、ステンレススチール製の試料採取器を用いて、種々の場所10箇所から0.5ccずつ抜き取った(図5.2.1参照)。錠剤に打錠する前に、混合サンプルが均一に混合しているか試験した。混合物はポリエチレンで内張したドラムに入れた。 適当な金型を打錠機にセットし、4種類の用量の錠剤をそれぞれ製造した。上杵には適当なロゴの浮き彫りが施されており、下杵には二分割割線が施されている(錠剤割線)。 塩酸メマンチン混合物を、ポリエチレンを内張したドラムからすくい取り、プレスホッパーに入れた。次いで、製造工程で(in-process)要求される錠剤仕様が得られるよう、プレス機を適当な圧縮パラメーターにセットした。用量ごとに必要な錠剤のロットサイズを得るために、混合物を適当な圧縮速度で圧縮した。圧縮中は、錠剤重量および硬度を定期的にモニターし、ポリエチレンを内張したドラムに錠剤を回収する。検証用バッチについて、錠剤サンプルの採取は、圧縮作業の初め、中頃および最後の最小限度にする。フィルムコーティング工程の前に、これらのサンプルを含有量の均一性について試験する。 コーティング手順は、表2に示した量の試薬を用いて行った。コーティング装置に、36インチのパンと、スプレーガン3個を取り付けた。第1のコーティング懸濁液を、カラコン(West Point, PA)Opadry Purple 03B10434で12%(w/w)に調製した。これに、二酸化チタン、ED&Cブルー#2およびレッド#40(紫色着色料)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC;ポリマー担体)およびポリエチレングリコール(PEG)400(可塑剤)を加えた。第2の懸濁液は、Opadry Clear YS-1-19025-Aを5%(w/w)で調製した。この透明なコーティング材にはHPMCとPEGを加えた。 コーティングパンに適当な用量の錠剤50kgを入れた後、コーティング装置を、コーティングバッチ記録に記載した適当なパラメーターにセットした。紫色のコーティング溶液を適当な噴霧速度にて必要量に達するまで錠剤に塗布した。フィルムコートを、5mg用量の錠剤のコア重量に対して4%、10〜20mgの用量の錠剤に対しては3%にて施した。同じコーティングパラメーターを用いて、各コア重量の0.5%の透明なコーティング溶液で最終コートを施した。コーティングパンにて錠剤を短時間で乾燥させた後、ポリエチレンを内張したドラムに移した。実施例2 緑内障に罹患している患者に、実施例1に従って調製したメマンチン5mgを含有する錠剤を、2週間毎日投与した。服用ミスは起きなかった。2週間後、メマンチン10mgを含有する錠剤を、薬物を必要とする期間毎日投与した。実施例3 緑内障に罹患している患者に、実施例1に従って調製したメマンチン5mgを含有する錠剤を2週間毎日投与した。服用ミスは起きなかった。2週間後、メマンチン10mgを含有する錠剤を2週間毎日投与した。4週目の処置から、実施例1に従って調製したメマンチン15mgを含有する錠剤を2週間毎日投与した。服用ミスは起きなかった。6週目の処置から、実施例1に従って調製したメマンチン20mgを含有する錠剤を、薬物を必要とする期間毎日投与した。実施例4 緑内障に罹患している患者に、実施例1に従って調製したメマンチン2mgを含有する錠剤を1週間投与した。次いで、メマンチン4mgを含有する錠剤を患者に1週間投与した。用量を1週間ごとに2mgずつ増やし、5週目の処置の開始時には10mgに達した。はじめの4週間の投与の間に薬物の許容量の改善が観察された。メマンチン10mgを含有する錠剤を、薬物を必要とする期間毎日投与した。実施例5 緑内障に罹患している患者に、実施例1に従って調製したメマンチン2mgを含有する錠剤を1週間投与した。次いで、メマンチン4mgを含有する錠剤を患者に1週間投与した。用量を1週間に2mgずつ増やし、10週目の処置の開始時には20mgに達した。はじめの9週間の投与の間に薬物の許容量の改善が観察された。メマンチン20mgを含有する錠剤を、薬物を必要とする期間毎日投与した。実施例6 緑内障に罹患している患者に、実施例1に従って調製したメマンチン5mgを含有する錠剤を毎日2週間投与した。服用ミスは起きなかった。2週間後、メマンチン10mgを含有する錠剤を2週間毎日投与した。4週目の処置から、実施例1に従って調製したメマンチン15mgを含有する錠剤を、薬物を必要とする期間毎日投与した。服用ミスは起きなかった。塩酸メマンチン錠剤175kgの製造工程のダイアグラムを示す。塩酸メマンチン錠剤175kgの製造工程のフローチャートを示す。塩酸メマンチン錠剤175kgの製造工程のフローチャートを示す。 1mg〜100mgのメマンチンを含有する経口製剤であって、該製剤は10mgのメマンチンを含有するものではなく、患者またはその患者にその医薬を投与する人が用量の多い製剤を分割して調製するものではない、経口製剤。 5mgまたは15mgのメマンチンを含有する請求項1記載の経口製剤。 固形製剤である請求項2記載の経口製剤。 錠剤である請求項3記載の経口製剤。 5mgのメマンチンを含有する請求項3記載の経口製剤。 15mgのメマンチンを含有する請求項3記載の経口製剤。 20mgのメマンチンを含有する請求項3記載の経口製剤。 患者に10mgではない量のメマンチンを投与する方法であって、メマンチンの経口製剤を該患者に投与することを含んでなり、該製剤は、患者またはその患者にその医薬を投与する人が用量の多い製剤を分割して調製するものではない、方法。 前記製剤が5mgまたは15mgのメマンチンを含有する請求項8記載の方法。 前記製剤が固形製剤である請求項9記載の方法。 前記製剤が錠剤である請求項10記載の方法。 前記製剤が5mgのメマンチンを含有する請求項10記載の方法。 前記製剤が15mgのメマンチンを含有する請求項10記載の方法。 5mg、15mgまたは20mgのメマンチンを含有する個々のメマンチン経口製剤を含んでなる包装された医薬製品。 5mgのメマンチン、15mgのメマンチン、10mgのメマンチンおよび20mgのメマンチンを個々に含有する経口製剤を含んでなる請求項14記載の包装された医薬製品。 5mgのメマンチンおよび10mgのメマンチンを個々に含有する経口製剤を含んでなる請求項14記載の包装された医薬製品。 メマンチンにより患者を処置する方法であって、a)該患者に対し、メマンチンを徐々に用量を増やしながら維持用量に達するまで投与すること、およびb)メマンチンを必要とする期間、メマンチンの投与を該維持用量で定期的に継続することを含んでなり、該維持用量が、有害な事象が有意に減少するのに充分な期間内に達し、継続的投与において増加させるメマンチン用量の増分が5mg未満である、方法。 維持用量に達するまで、1日あたりのメマンチンの用量を約0.25〜約0.5mgずつ増加させる、請求項17記載の方法。 本発明は、1〜100mgのメマンチンを含有する経口製剤であって、該製剤は10mgまたは20mgのメマンチンを含有するものではなく、患者またはその患者にその医薬を投与する人が用量の多い製剤を分割し調製するものではない、経口製剤に関する。本発明の他の態様は、該製剤を含有する医薬製品、およびメマンチンを投与し該製剤で疾患を処置する方法に関する。