生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_フィッシャー・トロプシュ合成用触媒および炭化水素の製造法
出願番号:2006512413
年次:2010
IPC分類:B01J 23/75,B01J 37/02,C07C 1/04,C07C 9/02,C07C 9/04,C07B 61/00


特許情報キャッシュ

池田 雅一 和久 俊雄 青木 信雄 JP 4436832 特許公報(B2) 20100108 2006512413 20050418 フィッシャー・トロプシュ合成用触媒および炭化水素の製造法 新日本石油株式会社 000004444 森田 順之 100103285 池田 雅一 和久 俊雄 青木 信雄 JP 2004122161 20040416 20100324 B01J 23/75 20060101AFI20100304BHJP B01J 37/02 20060101ALI20100304BHJP C07C 1/04 20060101ALI20100304BHJP C07C 9/02 20060101ALI20100304BHJP C07C 9/04 20060101ALI20100304BHJP C07B 61/00 20060101ALN20100304BHJP JPB01J23/74 311MB01J37/02 101AC07C1/04C07C9/02C07C9/04C07B61/00 300 B01J 21/00-38/74 WPI JSTPlus(JOIS) 特開昭59−102440(JP,A) 特開平10−085614(JP,A) Bunjerd JONGSOMJIT et al.,Effect of zirconia-modified alumina on the properties of Co/γ-Al2O3 catalysts ,Journal of Catalysis,2003年,Vol. 215,pp. 66-77 4 JP2005007743 20050418 WO2005099897 20051027 8 20080407 (出願人による申告)平成16年度新エネルギー・産業技術総合開発機構 重質残油クリーン燃料転換プロセス技術開発委託研究、産業活力再生特別措置法第30条の適用を受ける特許出願 岡田 隆介 本発明は、水素と一酸化炭素を主成分とする合成ガスから炭化水素を合成するための触媒およびこの触媒を使用した炭化水素の製造法に関する。 水素と一酸化炭素を主成分とする合成ガスから炭化水素を合成する反応はフィッシャー・トロプシュ合成(FT合成)と呼ばれ、従来からよく知られている。このFT合成は鉄やコバルト等の活性金属を、シリカやアルミナ等の担体上に担持して得られる触媒を用いて実施されている(例えば、特許文献1参照。)。 また、これらの触媒は、活性金属に加え、第2金属を組み合わせて使用することにより、一酸化炭素転化率(CO転化率)が向上されることが報告されている(例えば、特許文献2参照。)。特開平4−227847号公報特開昭59−102440号公報 FT合成反応は、CO転化率、メタン選択率および連鎖成長確率αといった指標によって規定される。メタン選択率が低いということは、FT合成反応の副反応であるメタン生成反応が低く抑えられていることを意味する。また、連鎖成長確率αは得られる炭化水素の分子量の目安となるもので、連鎖成長確率αが高い(すなわち、1.0に近い)ほど高分子量の炭化水素が得られることを意味する。 FT合成生成物は、通常その後段の水素化分解工程を経て、クリーン液体燃料として製品化される。クリーン液体燃料の中では灯油、軽油等の中間留分への需要が近年特に高まっており、この中間留分の収量を高めるためには低いメタン選択率および高い連鎖成長確率αが必要になる。このため、産業界においては高CO転化率で、かつ低メタン選択率、高αのFT合成反応が開発目標に掲げられ、それを実現するためにFT合成触媒の改良が進められてきた。 ところが、一般にCO転化率と連鎖成長確率αは二律背反の傾向にあることが知られている。反応温度を上げるとCO転化率は向上するが連鎖成長確率αは低下する。一方、反応温度を下げると連鎖成長確率αは向上するがCO転化率は低下する。つまりCO転化率が高い領域で連鎖成長確率αが高い触媒は未だ開発されていない。このことが、FT合成およびこれを用いたクリーン液体燃料製造法を本格的に実用化する際の最大の障害となっている。例えば、特許文献2において、第2金属としてジルコニウムやチタニウムをシリカに含有させることで、一酸化炭素の転化率を高めることができると報告されているが、一方で、一般的な含浸法などの方法により20質量%などといった多量の第2金属を添加するケースにおいては、細孔の閉塞が生じて比表面積の低下が起き、これが連鎖成長確率の低下をもたらす、といった弊害が生じる。 本発明の目的は、CO転化率が高い領域で連鎖成長確率αの高い新規FT合成用触媒を提供することにより、FT合成実用化の障害を取り除くことにある。 本発明者らは鋭意検討した結果、最適量のジルコニウムおよび/またはチタニウムの酸化物を、シリカまたはアルミナ上に薄膜担持した担体に、活性金属を担持することで上述の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。 すなわち本発明は、シリカまたはアルミナに、該シリカまたはアルミナに対して金属として0.5質量%以上10.0質量%以下のジルコニウムおよび/またはチタニウムを酸化物として薄膜指数ZがZ>0.1となるように薄膜担持した担体に、コバルト、ニッケルおよびルテニウムから選択される金属を1種以上担持して成るフィッシャー・トロプシュ合成用触媒に関する。 また、本発明は、前記担体に、コバルト、ニッケルおよびルテニウムから選択される金属の前駆体化合物を担持した後、乾燥および焼成して製造することを特徴とする前記記載の触媒に関する。 また、本発明は、2種以上の前駆体化合物を担持することを特徴とする前記記載の触媒に関する。 さらに、本発明は前記の触媒を用いて、水素と一酸化炭素を反応させて炭化水素を合成することを特徴とする炭化水素の製造法に関する。 本発明の触媒を用いることにより、高CO転化率領域で、メタン選択率が低く、かつ連鎖成長確率αが高いFT合成反応が可能となる。 以下に本発明を詳述する。 本発明において用いられる担体は、シリカまたはアルミナに、チタニウムおよび/またはジルコニウムを酸化物として薄膜担持したものである。シリカまたはアルミナとしては、シリカまたはアルミナを主成分とする無機化合物を含む。 本発明において用いられるシリカあるいはアルミナの比表面積は、100〜500m2/gのものが好ましく、200〜400m2/gのものがより好ましい。比表面積が100m2/gより小さいとコバルトなどの活性金属が凝集する懸念がある。一方、比表面積が500m2/gより大きいと、細孔径が小さくなりコバルトなどの活性金属の担持により細孔を閉塞する懸念がある。なお、ここでいう比表面積は、窒素吸着法による測定で求められる値である。 また、本発明において用いられるシリカあるいはアルミナの平均細孔径は、8〜20nmであることが好ましく、より好ましくは10〜18nmであり、さらに好ましくは11〜16nmである。平均細孔径が8nmより小さいと、拡散律速により反応活性が低くなる懸念がある。一方、平均細孔径が20nmより大きいと、担体の表面積が低くなるため担持金属が凝集し、反応活性の低下を招いてしまう懸念がある。なお、ここでいう平均細孔径は窒素吸着法による測定で求められる値である。 また、本発明において用いられるシリカあるいはアルミナの形状については特に制限はなく、球状品、破砕品、円柱状成形品等の各種形状品の中から使用するプロセスに適合した形状を選択することができる。またシリカあるいはアルミナの平均粒子径についても制限はなく、通常10μm〜10mm、好ましくは50μm〜5mmのものを、プロセスに応じ適宜選択して使用することができる。 ジルコニウムおよび/またはチタニウムの担持量は、シリカまたはアルミナに対して、ジルコニウム金属および/またはチタニウム金属として、0.5質量%以上10.0質量%以下、好ましくは1.0質量%以上9.0質量%以下、さらに好ましくは2.0質量%以上8.0質量%以下の範囲である。 シリカまたはアルミナに対するジルコニウムおよび/またはチタニウムの担持量が0.5質量%より小さいときは、CO転化率の向上効果が得られず、一方、10.0質量%より大きいときは、連鎖成長確率の低下を招くため好ましくない。 本発明において薄膜担持とは、シリカあるいはアルミナの表面上にチタニウムおよび/またはジルコニウムが凝集せず、チタニウムおよび/またはジルコニウムの酸化物が単層状にシリカまたはアルミナ表面上にほぼ均一に担持された状態を意味する。 より具体的には、本発明でいう薄膜担持とは、(1)A1=シリカまたはアルミナの比表面積(m2/g)、(2)A2=シリカまたはアルミナの平均細孔径(nm)、(3)B1=ジルコニウムおよび/またはチタニウムを酸化物として担持したシリカ またはアルミナの比表面積(m2/g)、(4)B2=ジルコニウムおよび/またはチタニウムを酸化物として担持したシリカ またはアルミナの平均細孔径(nm)、(5)X=A1×4.74×10−2、(6)Y=担持したジルコニウムの質量%×1.35+担持したチタニウムの質量% ×1.67、(7)Y/(X−Y)≦1ならばR=1、 Y/(X−Y)>1ならばR=Y/(X−Y)、(8)Z=((B1/A1)×(B2/A2)2)R×(Y/X)とした時に、Z(薄膜指数)が、Z>0.1であることをいい、好ましくはZ≧ 0.12、さらに好ましくはZ≧0.15である。 薄膜担持の具体的な方法としては、シリカまたはアルミナの細孔中にある気泡を除去した後、シリカまたはアルミナをジルコニウム源および/またはチタニウム源となる化合物の水溶液中に含浸する際に、シリカまたはアルミナの比表面積の低下を5%以下、好ましくは4%以下、より好ましくは3%以下に抑え、かつ平均細孔径の低下を25%以下、好ましくは23%以下、より好ましくは20%以下に抑えるように、浸漬時間、水溶液濃度、浸漬温度およびpHを調整し、加水分解速度をコントロールする方法を挙げることができる。シリカまたはアルミナの細孔中にある気泡を除去する方法としては、シリカまたはアルミナを蒸留水に浸した後、超音波を照射する方法や減圧下でシリカまたはアルミナを蒸留水や水溶液に浸す方法が好ましく採用される。 ここで使用されるジルコニウム源および/またはチタニウム源となる化合物としては、ジルコニウム源として、酸塩化ジルコニウム(ZrOCl2)、水酸化オキソ塩化ジルコニウム(ZrO(OH)Cl)、硫酸ジルコニール(ZrOSO4)、酢酸ジルコニール(ZrO(C2H3O2) 2)、炭酸ジルコニールアンモニウム((NH4)2ZrO(CO3)2)などが好ましく用いられ、さらに好ましくは、酢酸ジルコニール、炭酸ジルコニールアンモニウムが用いられる。またチタニウム源としては、フッ化チタン(TiF4)、硫酸チタニル(TiOSO4)、ヘキサフルオロチタン酸アンモニウム((NH4)2TiF6)などが好ましく用いられる。 本発明では、シリカまたはアルミナに対して、ジルコニウムおよび/またはチタニウムを0.5質量%以上10.0質量%以下の範囲で薄膜担持し、細孔の閉塞を回避することで、ジルコニウムおよび/またはチタニウムの担持による担体の比表面積の低下および平均細孔径の低下を抑えると同時に、薄膜担持により、担持されたジルコニウムおよび/またはチタニウムとコバルトなどの活性金属の接触面積を増やすことで高いCO転化率と高い連鎖成長確率を同時に維持することが可能となる。 本発明においては、シリカまたはアルミナに、ジルコニウムおよび/またはチタニウムの酸化物を薄膜担持した担体に、さらにアルカリ金属および/またはアルカリ土類金属を含有させることもできる。アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属を含有させることにより、連鎖成長確率の向上効果が期待される。アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属の含有割合は、担体に対して0.03質量%以上0.3質量%以下が好ましい。アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属の量が0.03質量%未満の場合は修飾による連鎖成長確率の向上効果が発現せず、一方、0.3質量%より多い場合はCO転化率が低下するため好ましくない。 本発明のフィッシャー・トロプシュ合成用触媒は、前記したシリカまたはアルミナに、ジルコニウムおよび/またはチタニウムを酸化物として薄膜担持した担体に、活性金属を担持して成るものである。 担体に担持される活性金属としては、コバルト、ニッケルおよびルテニウムから選択される金属が用いられるが、これらのうち、コバルトおよびルテニウムがより好ましく、コバルトが最も好ましい。活性金属分は、通常、その金属を含む前駆体化合物を1種類または2種類以上含有する溶液に担体を浸漬させて、該担体に該前駆体化合物を含浸担持させた後、乾燥および焼成等の工程を経て、担体上に金属酸化物として担持される。 コバルト、ニッケルおよびルテニウムから選択される金属を含む前駆体化合物としては、その金属を塩または錯体等の形で分子内に有するすべての化合物を用いることができる。化合物の種類については特に制限はなく、例えば、硝酸塩、塩酸塩、硫酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、シュウ酸塩、アセチルアセトナート等を好ましく挙げることができる。本発明においては2種以上の前駆体化合物を組み合わせて使用することも好ましく採用される。その場合、組み合わせについては特に制限はないが、好ましい組み合わせとしては、硝酸塩とギ酸塩、硝酸塩と酢酸塩、硝酸塩とアセチルアセトナートを挙げることができる。また特に好ましい組み合わせとしては、硝酸塩とギ酸塩、硝酸塩と酢酸塩を、最も好ましい組み合わせとしては、硝酸塩と酢酸塩を挙げることができる。 乾燥処理は特に限定されるものではなく、例えば、空気中での自然乾燥、減圧下での脱気乾燥等を挙げることができる。通常、空気雰囲気下、100〜200℃、好ましくは110〜150℃で、0.5〜48時間、好ましくは5〜24時間行う。 焼成処理も特に限定されるものではなく、通常、空気雰囲気下に300〜600℃、好ましくは400〜450℃で、0.5〜10時間、好ましくは1〜5時間行う。 本発明において担持する活性金属の量には特に制限はないが、担体に対して金属あたりの質量で、通常は3〜50%、好ましくは5〜40%、特に好ましくは10〜30%の範囲で担持する。活性金属の担持量が3質量%未満の場合には活性が不十分であり、50質量%を超えると活性金属の凝集が著しく、本発明の効果を十分に発現できないおそれがあるため好ましくない。 また本発明の触媒をFT合成反応に供するに際しては、予め水素等で還元処理を行わせることも好ましく採用される。 本発明の触媒を用いてFT合成反応を実施する際の原料としては、水素と一酸化炭素を主成分とする合成ガスであれば特に制限はないが、通常、水素/一酸化炭素のモル比が1.5〜2.5、好ましくは1.8〜2.2の範囲であることが望ましい。 本発明の触媒はFT合成の反応プロセスとして知られているプロセス、即ち固定床、超臨界固定床、スラリー床、流動床等のいずれにも適用でき、特に制限はないが、好ましいプロセスとして固定床、超臨界固定床、スラリー床を挙げることができる。 FT合成反応の反応条件については特に制限はなく、公知の条件にて行うことができる。通常、反応温度としては200〜280℃、ガス空間速度としては1000〜3000のh−1の範囲で反応を行うことができる。 以下に実施例及び比較例を挙げ、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。(実施例1) 平均細孔径13.0nm、比表面積325m2/gのシリカ10gをスクリュー管に秤量し、蒸留水80mlを加え、超音波を1時間照射した。その後、蒸留水をスポイトで吸い出し、濃度0.1mol/Lの炭酸ジルコニールアンモニウム水溶液80mlを加え、超音波を1分間照射した後、1日室温で静置した。ろ紙を用いてろ過した後、蒸留水250mlを用いて洗浄した。洗浄後、120℃で一晩乾燥し、次いで500℃で1時間焼成した。得られた担体を金属分析装置によりジルコニウム金属の量を分析した結果、シリカに対して2.0質量%だった。窒素吸着を用いて平均細孔径と比表面積を測定したところ、平均細孔径12.6nm、比表面積317m2/gであった。 次に、上記担体に、シリカに対して金属コバルトとして10.0質量%に相当する量の硝酸コバルトと、金属コバルトとして10.0質量%に相当する量の酢酸コバルトを含む水溶液をIncipient Wetness法により含浸させた。含浸後、120℃で一晩乾燥し、次いで450℃で2時間焼成することにより触媒を得た。この触媒を固定床流通式反応装置に充填し、反応に先立ち、水素気流下において400℃で2時間還元した。次に水素/一酸化炭素が2/1(モル比)の原料混合ガスをガス空間速度2000h−1で供給し、温度220℃、圧力1MPaにおいて反応を開始した。反応部出口のガス組成をガスクロマトグラフィーで経時的に分析し、この分析データを用い、常法に従い、CO転化率、メタン選択率および連鎖成長確率αを算出した。その結果を表1に示した。(実施例2) 実施例1において、濃度0.1mol/Lの炭酸ジルコニールアンモニウム水溶液に代えて、濃度1.0mol/Lの炭酸ジルコニールアンモニウム水溶液を用いた以外は実施例1と同様に実施した。 得られた担体におけるジルコニウム金属の担持量はシリカに対して8.0質量%であり、平均細孔径は10.2nm、比表面積は309m2/gであった。 また実施例1と同様にして、CO転化率、メタン選択率および連鎖成長確率αを算出し、その結果を表1に示した。(比較例1) 平均細孔径13.0nm、比表面積325m2/gのシリカ10gに、ジルコニウム金属として2.0質量%に相当する量の硝酸ジルコニール水溶液をIncipient Wetness法により含浸させた。含浸後、120℃で一晩乾燥し、次いで450℃で2時間焼成した。得られた担体を、窒素吸着を用いて平均細孔径と比表面積を測定したところ、平均細孔径9.0nm、比表面積300m2/gであり、ジルコニウム同士が酸素原子で架橋されて凝集した凝集状態が見られた。 次に、上記担体に、シリカに対し金属コバルトとして10.0質量%に相当する量の硝酸コバルトと、金属コバルトとして10.0質量%に相当する量の酢酸コバルトを含む水溶液をIncipient Wetness法により含浸させた。含浸後、120℃で一晩乾燥し、次いで450℃で2時間焼成することにより触媒を得た。この触媒を固定床流通式反応装置に充填し、反応に先立ち、水素気流下において400℃で2時間還元した。次に水素/一酸化炭素が2/1(モル比)の原料混合ガスをガス空間速度2000h−1で供給し、温度250℃、圧力1MPaにおいて反応を開始した。反応部出口のガス組成をガスクロマトグラフィーで経時的に分析し、この分析データを用い、常法に従い、CO転化率、メタン選択率および連鎖成長確率αを算出した。その結果を表1に示した。(比較例2) 比較例1において、金属ジルコニウムとして10.0質量%に相当する量の硝酸ジルコニール水溶液用いた以外は比較例1と同様に実施した。 得られた担体の平均細孔径は8.0nm、比表面積は290m2/gであった。この比較例2においても、比較例1と同様、ジルコニウム同士が酸素原子で架橋されて凝集した凝集状態が見られた。 また比較例1と同様にして、CO転化率、メタン選択率および連鎖成長確率αを算出し、その結果を表1に示した。 表1から明らかなようにシリカまたはアルミナに、金属量として0.5質量%以上10.0質量%以下のジルコニウムおよび/またはチタニウムの酸化物を薄膜担持した担体に、コバルト、ニッケルおよびルテニウムから選択される金属を担持して成る本発明のフィッシャー・トロプシュ合成用触媒は、高CO転化率と低メタン選択率、高連鎖成長確率αを同時に満足することがわかる。 シリカまたはアルミナに、該シリカまたはアルミナに対して金属として0.5質量%以上10.0質量%以下のジルコニウムおよび/またはチタニウムを酸化物として下記式で表される薄膜指数ZがZ>0.1となるように薄膜担持した担体に、コバルト、ニッケルおよびルテニウムから選択される金属を1種以上担持して成るフィッシャー・トロプシュ合成用触媒。 Z=((B1/A1)×(B2/A2)2)R×(Y/X) A1=シリカまたはアルミナの比表面積(m2/g) A2=シリカまたはアルミナの平均細孔径(nm) B1=ジルコニウムおよび/またはチタニウムを酸化物として担持したシリカ またはアルミナの比表面積(m2/g) B2=ジルコニウムおよび/またはチタニウムを酸化物として担持したシリカ またはアルミナの平均細孔径(nm) X=A1×4.74×10−2 Y=担持したジルコニウムの質量%×1.35+担持したチタニウムの質量% ×1.67 Y/(X−Y)≦1ならばR=1 Y/(X−Y)>1ならばR=Y/(X−Y) 前記担体に、コバルト、ニッケルおよびルテニウムから選択される金属の前駆体化合物を担持した後、乾燥および焼成して製造することを特徴とする請求項1に記載の触媒。 2種以上の前駆体化合物を担持することを特徴とする請求項2に記載の触媒。 請求項1〜3のいずれかの項に記載の触媒を用いて、水素と一酸化炭素を反応させて炭化水素を合成することを特徴とする炭化水素の製造法。


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