タイトル: | 特許公報(B2)_半導体ウェハの検査装置及び方法 |
出願番号: | 2006512348 |
年次: | 2011 |
IPC分類: | H01L 21/66,G01N 21/956 |
鍋島 ふみ 富樫 和也 自見 博志 末永 好範 JP 4694476 特許公報(B2) 20110304 2006512348 20050413 半導体ウェハの検査装置及び方法 SUMCO TECHXIV株式会社 000184713 特許業務法人ウィルフォート国際特許事務所 110000279 鍋島 ふみ 富樫 和也 自見 博志 末永 好範 JP 2004117910 20040413 20110608 H01L 21/66 20060101AFI20110519BHJP G01N 21/956 20060101ALI20110519BHJP JPH01L21/66 JG01N21/956 A H01L 21/66 G01N 21/956 特開2002−098645(JP,A) 国際公開第01/027600(WO,A1) 特開平11−126736(JP,A) 6 JP2005007120 20050413 WO2005101483 20051027 16 20080220 今井 拓也 【技術分野】【0001】 本発明は、半導体ウェハの表面品質を検査するための技術に関し、特に、エピタキシャルウェハの表面欠陥の検出に好適である。【背景技術】【0002】 一般に、半導体ウェハの欠陥(defect)(半導体ウェハの表層の理想的な結晶構造を損なう構造的又は化学的な異常)には、そのウェハ上に形成されることになる半導体デバイスにとり、許容できる軽微なものと致命的なものとがある。致命的な欠陥は「キラーディフェクト(killer defect)」と呼ばれ、デバイスの歩留まりを低下させる。特にエピタキシャルウェハの場合、主たる欠陥はエピタキシャル層の積層欠陥(stacking fault:SF)であり、通常、半導体ウェハの表面に隆起又は窪みとなって現れる。キラーディフェクトの多くはこのSFの一部である。キラーディフェクトには、デバイスの製造工程でデフォーカス(defocus)不良を発生させるような高さを伴ったものや、広い面積を有し複数のデバイスへ影響を与えるLAD(large area defect)と呼ばれるものなどがある。ここでは、エピタキシャルウェハの表面欠陥も含めた欠陥を簡易的にELD(EP layer defect)と呼ぶことにする。半導体ウェハの表面上の「キラーディフェクト」を検出する技術は、半導体製造において極めて重要である。【0003】 半導体ウェハの表面検査のために、光散乱法を用いた異物検査装置が広く用いられている。この異物検査装置は、微小サイズのレーザ光で半導体ウェハの表面を走査し、半導体ウェハの表面の光散乱体(欠陥やパーティクル)からの散乱光を検出し、そして、その散乱光の強度からウェハ表面上に存在する光散乱体のサイズ(標準粒子(PLS: polystyrene latex sphere)のサイズに相当する値)を測定する。欠陥が半導体ウェハから永久に除去することが不可能であるのに対し、パーティクルは事後処理により除去することが可能であり、半導体デバイスにとり致命的ではない。従って、光散乱法を用いた表面検査においては、検出された個々の光散乱体が欠陥であるかパーティクルであるかを判別できることが重要である。【0004】 特許文献1には、光散乱法を用いて、エピタキシャルウェハの積層欠陥を検出するための方法が開示されている。この方法は、光散乱法を用いた異物検査装置(例えば、ケーエルエーテンコール(KLA-Tencor)社製のサーフスキャン6200(Surfscan 6200)(商標))を用いてエピタキシャルウェハの表面上に存在する光散乱体のサイズを測定し、それら光散乱体を、そのサイズが1.6μm以下のものとそれを超えるものとに分類し、そして、1.6μmを超える光散乱体は積層欠陥、1.6μm以下の光散乱体は積層欠陥以外のピットと判断する。【0005】【特許文献1】 特開2001−176943号公報【発明の開示】【発明が解決しようとする課題】【0006】 特許文献1に開示された方法には、次のような問題がある。【0007】 まず、単一のレーザ散乱光の強度からでは、ウェハ表面に数多くの形体種として存在する欠陥を確度高く分類することは困難である。ましてや欠陥とパーティクルを区別することは困難である。この方法では、欠陥を1.6μmの閾値で2種類にしか分類できない。また、前処理として選択エッチングを実施することは、欠陥検査のスループットを大幅に低下させるから、量産用にはこの方法は適さず、また、選択エッチングにより、ウェハの表面の品質が損われ、最早製品として出荷できなくなるおそれもある。さらに、特許文献1は、ウェハ表面上の光散乱体をキラーディフェクトとそうでないものとに区別する点に関して言及してない。【0008】 したがって、本発明の目的は、半導体ウェハ、特にエピタキシャルウェハ、の光散乱法を用いた表面検査の精度を高めることである。【0009】 また、別の目的は、半導体ウェハ、特にエピタキシャルウェハ、の光散乱法を用いた表面検査において、欠陥とパーティクルを識別する精度を高めることにある。【0010】 また、さらに別の目的は、半導体ウェハ、特にエピタキシャルウェハ、の光散乱法を用いた表面検査において、キラーディフェクトとそうでない欠陥とを識別する精度を高めることにある。【0011】 さらにまた別の目的は、量産に一層適した検査装置又は検査方法を提供することにある。【課題を解決するための手段】【0012】 本発明の一つの側面に従う半導体ウェハの検査装置は、半導体ウェハの表面の検査点に光スポットを当てる光照射装置と、前記検査点からの散乱光のうち散乱角が所定角より狭い狭散乱光を受けて、前記狭散乱光の強度を検出する第1の光センサと、前記検査点からの散乱光のうち散乱角が所定角より広い広散乱光を受けて、前記広散乱光の強度を検出する第2の光センサと、前記第1と第2の光センサからの検出信号に応答して、前記検査点に存在する光散乱体(LLS)の種別を判定する信号処理回路とを備える。前記信号処理回路は、前記狭散乱光の強度が所定のサイジング範囲内にある場合、前記狭散乱光の強度に基づいて第1のPLS相当サイズを計算する第1計算手段と、前記広散乱光の強度が前記サイジング範囲内にある場合、前記広散乱光の強度に基づいて第2のPLS相当サイズを計算する第2計算手段と、前記狭散乱光と前記広散乱光の強度のいずれもが前記サイジング範囲内にある場合、第1のPLS相当サイズと前記第2のPLS相当サイズの双方に基づいて、前記光散乱体の種別を判定する判定手段とを有する。【0013】 好適な実施形態では、前記判定手段は、前記サイジング範囲内における前記第1のPLS相当サイズが前記第2のPLS相当サイズとほぼ等しいか又は所定程度以下の程度で前記第2のPLS相当サイズより大きい所定のパーティクル区域(例えば、後述する図4Aにおいて、第1と第2のPLS相当サイズがほぼ同等であることを示すパーティクル下限線400と、第1のPLS相当サイズが第2のPLS相当サイズよりある程度大きいことを示す欠陥分離線402との間のパーティクル区域410)において、前記検査点に存在する光散乱体がパーティクルであると判定する。【0014】 好適な実施形態では、前記判定手段は、前記サイジング範囲内における前記第1のPLS相当サイズが前記第2のPLS相当サイズより前記所定程度以上の程度でより大きい所定の欠陥区域(例えば、後述する図4Aにおいて、第1のPLS相当サイズが第2のPLS相当サイズよりある程度大きいことを示す欠陥分離線402の左側の第1小欠陥区域414及び第1EKD区域418)において、前記検査点に存在する光散乱体が欠陥であると判定する。その場合、前記判定手段は、前記欠陥区域において、第1のPLS相当サイズが、所定のサイズより大きいか小さいかに応じて、前記欠陥がキラーディフェクトと推定されるか否かを判定する(例えば、図4Aにおいて、第1のPLS相当サイズが所定サイズ(例えば0.6μm)に相当するEKD分離線403で、第1小欠陥区域414と第1EKD区域418が分離される)。【0015】 好適な実施形態では、前記判定手段は、前記狭散乱光又は前記広散乱光の強度が前記サイジング範囲を越える場合、前記検査点に存在する光散乱体がキラーディフェクトと推定される欠陥であると判定する(例えば、後述する図4Aと図4Bにおいて、狭散乱光又は広散乱光のいずれかの強度が飽和エリアタイプ又はエリアタイプである区域417,420,421,422,423,424,425で、光散乱体をキラーディフェクトと判定する)。【0016】 本発明の別の側面に従う半導体ウェハの検査方法は、半導体ウェハの表面の検査点に光スポットを当てるステップと、前記検査点からの散乱光のうち散乱角が所定角より狭い狭散乱光の強度を検出するステップと、前記検査点からの散乱光のうち散乱角が所定角より広い広散乱光の強度を検出するステップと、前記狭散乱光の強度が所定のサイジング範囲内にある場合、前記狭散乱光の強度に基づいて第1のPLS相当サイズを計算するステップと、前記広散乱光の強度が前記サイジング範囲内にある場合、前記広散乱光の強度に基づいて第2のPLS相当サイズを計算するステップと、前記狭散乱光と前記広散乱光の強度のいずれもが前記サイジング範囲内にある場合、第1のPLS相当サイズと前記第2のPLS相当サイズの大小関係に基づいて、前記検査点に存在する光散乱体の種別を判定するステップとを有する。【発明の効果】【0017】 本発明によれば、光散乱法を用いた半導体ウェハの表面検査の精度が高まる。【発明を実施するための最良の形態】【0018】 図1Aは、本発明の一実施形態にかかる半導体ウェハの検査装置の構成を示す断面側面図である。点線の吹き出しブロック内に示される図1Bは、光スポットによる半導体ウェハの表面のスキャニングの様子を示す平面図である。【0019】 図1Aに示すように、この検査装置100は、2種類のレーザビーム102、104を選択的に半導体ウェハ200の表面の一点(検査点)に照射することができる。一方のレーザビーム102は、半導体ウェハ200の表面に垂直に入射するようになっており、他方のレーザビーム102は、半導体ウェハ200の表面に斜め角度で入射するようになっている。この実施形態では、垂直入射のレーザビーム102のみが使用され、斜め入射のレーザビーム104は使用されない。半導体ウェハ200の表面の検査点は、垂直入射レーザビーム102が形成する微小なレーザスポット103によって照射されることになる。図1Bに示すように、このレーザスポット103は、細長い楕円形の形状を有し、その長径と短径が半導体ウェハ200の半径線と円周線にそれぞれ平行になる方向を向いている。レーザスポット103のサイズは、例えば、長径寸法Lが50−350μm程度、短径寸法Wが20μm程度である。検査装置100は、図1Bの矢印200Aに示すように半導体ウェハ200を中心点回りに回転させ、同時に、矢印103Aに示すようにレーザスポット103を半導体ウェハ200の半径線に沿って移動させ、これにより、レーザスポット103が半導体ウェハ200の表面の全域を螺旋状にスキャンする。螺旋状のスキャンライン同士の間隔(N回転目とN+1回転目のスキャンラインの半径方向の間隔)は、レーザスポット103の長径寸法Lの半分程度の20−180μm程度である。従って、このスキャニングによる検査結果の位置分解能は20−180μm程度である。【0020】 半導体ウェハ200の検査点(光スポット103が照射された場所)では、垂直入射レーザビーム102がこの検査点の表面状態に応じた方向へ反射される。例えば、検査点に欠陥やパーティクルが存在しない場合、検査点の表面形状は完全に平坦であるから、垂直入射レーザビーム102は垂直に反射される。一方、検査点に欠陥又はパーティクルが存在する場合、表面形状には隆起や窪みがあるから、垂直入射レーザビーム102の反射光は様々な方向へ向かう散乱光108、116となる。検査点からの垂直の反射ビームはマスク106に吸収され、検査には使用されない。一方、検査点からの散乱反射光は、その散乱角(反射角)に応じて、その一部は光センサ114で検出され、他の一部は別の光センサ120で検出される。すなわち、散乱角が所定値以下の狭角範囲へ散乱した反射光(以下、「狭散乱光」という)108は、凸レンズ110と反射鏡112を通じて、第1の光センサ114で検出される。また、散乱角が所定値より大きい広角範囲へ散乱した反射光(以下、「広散乱光」という)116は、立体凹面反射鏡118を通じて、第2の光センサ120で検出される。第1の光センサ114は、狭散乱光108の強度に応じたレベルをもつ電気信号(例えば、電圧信号)(以下、「狭散乱光強度信号」という)122を生成して、これを第1信号処理装置126Aへ出力する。第2の光センサ120は、広散乱光116の強度に応じたレベルをもつ電気信号(例えば、電圧信号)(以下、「広散乱光強度信号」という)124を生成して、これを第1信号処理装置126Aへ出力する。光センサ114、120として、例えば光電子増倍管が用いられる。【0021】 相互接続された第1と第2の信号処理装置126Aと126Bが設けられる。第1と第2の信号処理装置126Aと126Bの組み合わせは、入力された狭散乱光強度信号122と広散乱光強度信号124を後に詳述する方法で分析することにより、半導体ウェハ200の表面上の光散乱体(以下、LLS(laser light scattering)という)(これは、典型的には、ウェハ表面の隆起や窪みなどの「表面異常」、換言すれば欠陥やパーティクルに相当する)を検出し、検出されたLLSがパーティクルであるか、キラーディフェクトの可能性の高い重大な欠陥であるか、或いはキラーディフェクトの可能性の低い軽微な欠陥であるかを判別し、そして、その判別結果を出力する。第1の信号処理装置126Aは、特に、狭散乱光強度信号122と広散乱光強度信号124に基づいて、半導体ウェハ200の表面上の光散乱体(以下、LLS(laser light scattering)という)を検出し、そのサイズと位置座標を計算する。第2の信号処理装置126Bは、特に、第1の信号処理装置126AからLLSのサイズと位置座標を示すデータ125を受けて、そのLLSがパーティクルか重大な欠陥か軽微な欠陥であるか判別し、その判別結果に基づき、半導体ウェハ200が良品である否かという検査結果を決定し、そして、その判別結果と検査結果のデータ127を出力する。第2の信号処理装置126Bからの出力データのうち、少なくとも上記検査結果を示すデータ127を第1の信号処理装置126Aに入力される。第1の信号処理装置126Aは、その検査結果に応じた仕分け指示信号128をウェハマニピュレータ129に出力する。ウェハマニピュレータ129は、仕分け指示信号128に応答して、検査の終わった半導体ェハ200を良品か不良品かに仕分ける。ここで、第1と第2の信号処理装置126Aと126Bはそれぞれ、例えば、プログラムされたコンピュータ、専用ハードウェア回路又はそれらの組み合わせによって実現することができる。【0022】 この検査装置100の第2の信号処理装置126Aを除いた部分には、例えば、ケーエルエーテンコール(KLA-Tencor)社製のエスピーワン(SP1)(商標)を採用することができる。よって、このエスピーワン(SP1)に、第2の信号処理装置126Bの信号分析機能を追加することにより、この検査装置100を実現することができる。【0023】 図2は、信号処理装置126Aと126Bが分析の対象とする反射光強度信号122、124の異なるタイプを示す波形図である。図2に示されるすタイプは、狭散乱光強度信号122及び広散乱光強度信号124のいずれにも適用される。【0024】 図2に示すように、信号処理装置126による分析対象となる反射光強度信号122、124は、その信号レベル(例えば電圧レベル)に応じて大きく5つのタイプ130、136、138、140、142に分類される。第1のタイプ130は、信号レベルのピーク値が、所定の下限レベルMin以上で所定の飽和レベルMax未満の範囲内に入るタイプである。ここで、所定の下限レベルMinとは、LLSが検出されたと認めることができる最低の信号レベル(つまり、信号レベルがそれ以上でないと、LLSが存在すると認めることができないレベル)である。一方、飽和レベルMaxとは、LLSのサイジング(その信号レベルに基づいてPLS(polystyrene latex sphere)のサイズを計算すること)を行うことが可能な最大のサイズに対応する信号レベルである。反射光強度信号122、124の各々のレベルのピーク値が高いほど、より大きいサイズが計算される。しかし、計算された結果は、LLSと同強度の散乱光を反射するPLSのサイズ(以下、「PLS相当サイズ」という)であって、LLSそれ自体のサイズではない。以下、この第1のタイプ130を、「サイズドLLSタイプ」と呼ぶ。【0025】 第2のタイプ136は、信号レベルが飽和レベルMaxに達した場合である。要するに、第2のタイプ136は、反射光108、116の強度がサイジング可能な最大値を越えている場合である。以下、第2のタイプ136を「飽和エリアタイプ」と呼ぶ。また、飽和エリアタイプ136又は上述したサイズドLLSタイプ130の信号が多数連続して又は密集した状態で検出されると、以下の第3から第5のタイプ138,140,142のいずれかになる。【0026】 第3のタイプ138は、半導体ウェハ200の半径方向に所定トラック数(例えば8トラック)以上連続して、上述したサイズドLLSタイプ130又は飽和エリアタイプ136の信号が検出される場合である。連続検出される信号には、サイズドLLSタイプ130のみでも、飽和エリアタイプ136のみでも、或いは両タイプ130と136が混ざって含まれていてよい。第3のタイプ138に属する連続信号を、それら全体で、以下、「トラックエリアタイプ」と呼ぶ。【0027】 第4のタイプ140は、半導体ウェハ200の周方向に(すなわち、螺旋スキャニングのラインに沿って)に所定距離(例えば連続8つのレーザスポット130に相当する180μm)以上連続して、サイズドLLSタイプ130又は飽和エリアタイプ136の信号が検出される場合である。連続検出される信号には、サイズドLLSタイプ130のみでも、飽和エリアタイプ136のみでも、或いは両タイプ130と136が混ざって含まれていてよい。以下、第4のタイプ140に属する連続信号を、それら全体で、「アングルエリアタイプ」と呼ぶ。【0028】 第5のタイプ142は、上述したトラックエリアタイプ138にもアングルエリアタイプ1430にも該当しないが、上述したサイズドLLSタイプ130又は飽和エリアタイプ136の複数の信号が、相互間の間隔が所定の距離以内の近接した位置で検出される場合である。第5のタイプ142に属する複数信号を、それら全体で、以下、「クラスタエリアタイプ」と呼ぶ。【0029】 さらに、上述したトラックエリアタイプ138、アングルエリアタイプ140及びクラスタエリアタイプ142を、以下、単純に「エリアタイプ」144と総称する。【0030】 再び図1を参照して、第1信号処理装置126Aは、半導体ウェハ200のレーザスポット103によるスキャニング行われている間、反射光強度信号122、124のそれぞれについて、その信号レベルを監視して、サイズドLLSタイプ130と飽和エリアタイプ136に属する反射光強度信号を検出し、そして、検出された信号のレベル、タイプ及び位置座標を記憶する。更に、第1信号処理装置126Aは、検出されたサイズドLLSタイプ130と飽和エリアタイプ136の複数の信号の位置座標に基づいて、エリアタイプ144(トラックエリアタイプ138、アングルエリアタイプ140及びクラスタエリアタイプ142)に属する反射光強度信号を検出し、そのような信号が検出される領域のサイズを計算する。【0031】 第2信号処理装置126Bは、第1信号処理装置126Aから、狭散乱光強度信号122及び広散乱光強度信号124のそれぞれについて上述したサイズドLLSタイプ130、飽和エリアタイプ136及びエリアタイプ144の信号の検出結果を示すデータ125を受け、そして、その検出結果の双方を後述する方法で分析して、LLSの種別(パーティクルか、重大な欠陥か、軽微な欠陥か)を判別する。【0032】 以下、第2信号処理装置126Bが行うLLSの種別を判別するための分析処理について具体的に説明する。【0033】 図3は、この分析処理の根底にある最も基本的な原理を説明する。【0034】 図3Aは、半導体ウェハ200の表面上にPLS300が乗っている場合に推定される反射散乱光108、116の強度分布を示す。図3Bは、半導体ウェハ200の表面上にパーティクル302が乗っている場合に推定される反射散乱光108、116の強度分布を示す。図3Cは、半導体ウェハ200の表面上に(その平面寸法に比較して高さが低い又は深さが浅い)フラット形の隆起304又は浅い窪み306が存在する場合に推定される反射散乱光108、116の強度分布を示す。図3Dは、半導体ウェハ200の表面上に(その平面寸法に比較して高さが高い)タワー形の隆起308が存在する場合に推定される反射散乱光108、116の強度分布を示す。【0035】 図3Aに示すように、PLS300は完全な球形に近い。そして、検査装置100は、PLS300からの狭散乱光から計算されるサイズも広散乱光から算出されるサイズもどちらも実際のPLS300の正確な直径値を示すように校正されている。図3Bに示すように、パーティクル302の多くは平面寸法と高さがある程度にバランスのとれた立体形状であると考えられ、よって、パーティクル302からの狭散乱光108から算出されるPLS相当サイズと広散乱光116から算出されるPLS相当サイズは大きくは違わないか、又は、パーティクル302がややフラット気味の安定した姿勢をとる場合には、狭散乱光108から算出されるPLS相当サイズが広散乱光116からのそれより若干大きいと推定される。また、図3Cに示すように、フラット形の隆起304又は窪み306の場合には、水平に近い面の方が垂直に近い面より明らかに広いため、狭散乱光108の方から算出されるPLS相当サイズが広散乱光116からのそれよりも明らかに大きいと推定される。逆に、図3Dに示すように、タワー形の隆起308の場合、垂直に近い面の方が水平に近い面より明らかに広いため、広散乱光116から算出されるPLS相当サイズの方が狭散乱光108からのそれよりも明らかに大きいと推定される。【0036】 さて、ここで、エピタキシャルウェハ(半導体ベース基板の表面上に成長した薄いエピタキシャル層を有する半導体)の場合を例にとり、その欠陥、特にキラーディフェクトに関して、図3の原理との関係を説明する。【0037】 エピタキシャルウェハの欠陥の多くは、エピタキシャル層の積層欠陥(stacking fault:SF)である。エピタキシャル層のSFにはさまざまなタイプがあるが、大部分のタイプは、図3Cに示されたようなフラット形の隆起304又は窪み306をエピタキシャル層の表面に形成する。これらのSFの全てが必ずしもキラーディフェクトというわけではないが、隆起304又は窪み306のサイズがある程度以上に大きいものはキラーディフェクトである可能性が高い。例えば、数μmから数十μm程度の平面寸法と数十nmから数百nm程度の高さをもち、ピラミッド若しくはメサに似た幾何立体形状、または、それらが不規則に交じり合った複雑な立体形状をもつ隆起304又は窪み306がエピタキシャル層の表面に存在する場合、それはキラーディフェクトであると認められる。また、エピタキシャル層の表面に、例えば全長100μmを超えるような広い領域にわたって多数のLLSの隆起及び窪みが連続して集合している場合、これは広域欠陥(large area defect: LAD)と呼ばれ、これもキラーディフェクトの典型である。【0038】 従って、エピタキシャルウェハの表面上のある検出点において、図3Cに示したような狭散乱光108の強度が広散乱光116の強度よりも顕著に大きい場合には、その検出点には欠陥が存在すると推定される。そして、その欠陥のサイズが大きい程、その欠陥がキラーディフェクトである可能性が高いと考えられる。また、ある検出点からの広散乱光116の強度と狭散乱光108の強度が図3Bに示したように同程度か又は前者が後者よりも軽微に大きい場合には、その検出点にはパーティクルが存在すると推定される。また、エピタキシャルウェハの表面上のある領域で図2に示したようなエリアタイプ144の反射光強度信号が得られた場合には、その領域は、それ相応の大サイズの欠陥又はLADが存在する可能性が高いと考えられる。【0039】 第2信号処理装置126Bにより行われる分析処理では、LLSの種別を判別するために、上記のような原理をベースにした検出・判定ロジックが使用される。【0040】 図4は、この検出・判定ロジックの一例を示す。【0041】 図4に示された検出・判定ロジックは、図3を参照して上に説明した原理をベースにしつつ、さらに、発明者らがケーエルエーテンコール(KLA-Tencor)社製のエスピーワン(SP1)を用いて実際のエピタキシャルウェハ上の様々なパーティクルや欠陥の検査を繰り返し行って研究を重ねた結果として得られたものである。【0042】 図4Aは、図2に示したサイズドLLSタイプ130及び飽和エリアタイプ136の反射光強度信号122、124が得られた場合に適用される検出・判定ロジックを示す。図4Aにおいて、横軸は、サイズドLLSタイプ130の広散乱光強度信号124に基づいて計算されるPLS相当サイズ(直径)DWNを示し、その右端は、飽和エリアタイプ136の広散乱光強度信号124が得られた場合に対応する。図4Aにおいて、縦軸は、サイズドLLSタイプ130の狭散乱光強度信号122に基づいて計算されるPLS相当サイズ(直径)DNNを示し、その上端は、飽和エリアタイプ136の狭散乱光強度信号122が得られた場合に対応する。また、図4Bは、図2に示したエリアタイプ144の反射光強度信号122、124が得られた場合に適用される検出・判定ロジックを示す。図4Bにおいて、横軸は、エリアタイプ144の広散乱光強度信号124が検出された領域のサイズを示し、縦軸は、エリアタイプ144の狭散乱光強度信号122が検出された領域のサイズを示す。【0043】 図4Aに示される反射光強度信号124と122の双方がサイズドLLDタイプ130である範囲(例えば、0.0<DNN<約0.8μm、及び0.0<DWN<約0.6μmの範囲であり、以下、「サイジング範囲」という)において、ある検出点から区域410に属する信号分析結果が得られた場合、また、その検出点にはパーティクルが存在すると判定される。この区域を「パーティクル区域」と呼ぶ。【0044】 パーティクル区域410は、サイジング範囲内の第1の判別ライン400と、第2の判別ライン402との間に挟まれた区域であり、且つ、広散乱光116よるPLS相当サイズDWNが約0.6μm以下であって、狭散乱光強度信号122が飽和に達していないしないという条件を満たす。ここで、第1の判別ライン400は、広散乱光116によるPLS相当サイズDWNと狭散乱光108によるPLS相当サイズDNNとがほぼ同程度である(広散乱光116によるPLS相当サイズDWNの方が狭散乱光108によるそれDNNより僅かに小さい)場合に対応する。以下、第1の判別ライン400を、「パーティクル下限線」と呼ぶ。パーティクル下限線400は、例えば、 DNN=K・DWNという一次関数で表すことができる。ここに、Kは、1未満の0.5以上の係数であり、例えば、0.8〜0.9程度の値である。【0045】 第2の判別ライン402は、狭散乱光108によるPLS相当サイズDNNが広散乱光116によるそれDWNよりある程度に大きい場合に対応する。以下、第2の判別ライン402を、「欠陥分離線」と呼ぶ。欠陥分離線402は、例えば、 log(DNN)=(1/S)log(DWN)+T/S、且つ DNN≧DWNという関数で表すことができる。ここに、SとTは、1未満の正の係数であり、例えば、0.4〜0.6程度の値である。【0046】 パーティクル区域410は、要するに、狭散乱光強度信号122と広散乱光強度信号124の双方がサイズドLLSタイプであるという条件下で、狭散乱光108から算出されるPLS相当サイズDNNが広散乱光116からのそれDWNと同程度であるか又は所定程度未満の範囲内でより大きい場合に相当する。この場合、パーティクルが存在するという判定結果が出される。この判定結果は、図3Bを参照して説明した原理と適合する。【0047】 図4Aに示されるサイジング範囲内において、区域414に属する分析結果が得られた検出点には、キラーディフェクトでないと推定される(その可能性が低い)軽微な欠陥(以下、「小欠陥」と呼ぶ)が存在すると判定される。また、区域418に属する分析結果が得られた検出点には、キラーディフェクトであると推定される(その可能性が高い)重大な構造欠陥(以下、「EKD(estimated killer defect)」と呼ぶ)が存在すると判定される。ここで、区域414を「第1小欠陥区域」、区域418を「第1EKD区域」と呼ぶ。【0048】 第1小欠陥区域414と第1EKD区域418は、広散乱光強度信号124によるPLS相当サイズDWNが欠陥分離線402よりも小さい側の区域である。そして、第1小欠陥区域414と第1EKD区域418は、第3の判別ライン403により区別される。第3の判別ライン403を、以下、「EKD分離線」と呼ぶ。EKD分離線403は、例えば、狭散乱光強度信号122によるPLS相当サイズDNNが0.6μmに相当する線である。第1小欠陥区域414は狭散乱光強度信号122によるPLS相当サイズDNNが0.6μm未満であり、第1EKD区域418は、0.6μm以上である。簡単に言えば、小欠陥区域414も第1EKD区域418も、狭散乱光108によるPLS相当サイズDNNが広散乱光116によるそれDWNより所定程度以上に大きい場合である。そして、狭散乱光108に基づいて検出されたPLS相当サイズDNNが0.6μm未満である場合には、小欠陥が存在すると判定され、0.6μm以上である場合には、EKDが存在すると判定される。この判定結果は、図3Cを参照して上に説明した原理と適合する。【0049】 また、図4Aに示されるサイジング範囲内において、区域430は、現実に検出される可能性はかなり低いが、図3Dに示したようなタワー形の欠陥か、又はエッジ付近に存在する欠陥に相当すると考えられる。この区域430は、上述した小欠陥に該当すると判定される。この区域430を以下、「第2小欠陥区域」と呼ぶ。第2小欠陥区域430は、狭散乱光強度信号122によるPLS相当サイズDNNがパーティクル下限線400よりも小さい側の区域である。【0050】 更に、図4Aには、上述した第1小欠陥412、第1EKD区域418、パーティクル区域402及び第2小欠陥区域430の外縁に、特異区域412、416、417、420、421、423、424、425及び426が示されている。これらの特異区域412、416、417、420、421、423、424、425及び426は、要するに、反射光強度信号122と124の少なくとも一方のレベルが、図2に示した下限レベルMin未満である(LLSが検出されない)か又は飽和エリアタイプ136である場合を意味する。第1小欠陥領域に接する特異区域412は、小欠陥に該当すると判定される。第1EKD区域418に接する2つの特異区域416と417は、いずれも、EKDと判断される。パーティクル区域410に接する3つの特異区域420、421及び423も、EKDと判断される。第2小欠陥区域430に接する飽和エリアタイプ136に相当する2つの特異区域レベル424と425も、EKDと判断される。第2小欠陥区域430に接するDNN=0.0μmに相当する特異区域426は、小欠陥と判定される。【0051】 ところで、パーティクル区域410に接する特異区域420は、狭散乱光強度信号122が飽和エリアタイプであり、一方、広散乱光強度信号124はサイズドLLSタイプであって、それによるPLS相当サイズDWNが0.3μm以上である場合である。この特異区域420は、原理的に図5に示すように、パーティクル区域410の延長上であるパーティクル拡張領域431の投影領域であるとともに、第1EKD区域418の延長上のEKD拡張領域432の投影領域でもあると考えられる。従って、原理的には特異区域420上にはパーティクルもEKDも存在し得る。しかし、実用的には、DNNの飽和サイズを適当な値に選ぶことで、この問題を回避することが可能である。発明者らの研究によれば、DNNの飽和値を0.8μm程度に設定することで特異区域420上のレーザ光散乱体はほとんど全てがEKDであることが確認された。従って、この特異区域420では、EKDが存在すると判定される。【0052】 図4Bに示された区域422は、狭散乱光信号122および広散乱光強度信号124のいずれもが図2に示した飽和エリアタイプ136か又はエリアタイプ144である場合である。この区域422の縦軸と横軸の最小値は、サイズドLLSタイプ130の信号に基づいて計算可能なPLS相当サイズDNNとDWNの最大値よりも大きな値である。この区域422に属する分析結果が得られた検出点には、上述したEKDが存在すると判定される。この区域422を「第2EKD区域」と呼ぶ。【0053】 図6は、半導体ウェハの表面検査において信号処理装置126Aと126Bにより行われる分析処理の流れを示す。【0054】 図1で説明したようにして光スポット103による半導体ウェハ200の表面のスキャニングが行われている間、図6に示したステップ500、502、504及び506が継続的に実行される。ステップ500と502では、現在の検出点からの狭散乱光強度信号122と広散乱光強度信号124が同時に第1信号処理装置126Aに入力される。ステップ504と507では、狭散乱光強度信号122と広散乱光強度信号124のそれぞれの信号レベルが図2に示した下限レベルMinを超えた場合、その信号レベルとその検出点の位置座標とが、第1信号処理装置126A内の記憶装置(図示省略)に記憶される。【0055】 ステップ508と510以降のルーチンは、上記スキャニングが行われている間に行われてもよいし、上記スキャニングが終わった後に行われても良い。【0056】 ステップ508では、第1信号処理装置126A内の記憶装置に記憶された検出点の位置座標毎に、その位置で検出された狭散乱光強度信号122の信号レベルが飽和レベルMaxに達しているかそれ未満(非飽和)であるかがチェックされる。ステップ510では、信号処理装置126内の記憶装置に記憶された検出点の位置座標毎に、その位置で検出された広散乱光強度信号124の信号レベルが飽和レベルMaxに達しているか、それ未満(非飽和)であるかがチェックされる。【0057】 ステップ512では、ステップ508のチェック結果が非飽和である(つまり、狭散乱光強度信号122がサイズドLLSタイプ130である)場合に、その狭散乱光強度信号122の信号レベルに基づいてPLS相当サイズDNNが計算され、そして、そのPLS相当サイズDNNが、対応する検出点の位置座標に関連付けられて、上記記憶装置に記憶される。ステップ514では、ステップ510のチェック結果が非飽和である(つまり、広散乱光強度信号124がサイズドLLSタイプ130である)場合に、その広散乱光強度信号124の信号レベルに基づいて、PLS相当サイズDWNが計算され、そして、そのPLS相当サイズDWNが、対応する検出点の位置座標に関連付けられて、上記記憶装置に記憶される。【0058】 ステップ516では、飽和エリアタイプ136及びエリアタイプ144に該当する狭散乱光強度信号122が存在するかがチェックされ、そして、そのチェック結果が、対応する検出点の位置座標に関連付けられて、上記記憶装置に記憶される。ステップ518では、飽和エリアタイプ136及びエリアタイプ144に該当する広散乱光強度信号124が存在するがチェックされ、そして、そのチェック結果が、対応する検出点の位置座標に関連付けられて、上記記憶装置に記憶される。【0059】 ステップ520では、ステップ516のチェック結果がエリアタイプ144を示す場合、対応する複数の検出点の位置座標に基づいて、そのエリアタイプ144の狭散乱光強度信号122が検出された領域のサイズが計算され、そして、その領域のサイズが、対応する検出点の位置座標に関連付けられて、上記記憶装置に記憶される。ステップ522では、ステップ518のチェック結果がエリアタイプ144を示す場合、対応する複数の検出点の位置座標に基づいて、そのエリアタイプ144の広散乱光強度信号124が検出された領域のサイズが計算され、そして、その領域のサイズが、対応する検出点の位置座標に関連付けられて、上記記憶装置に記憶される。【0060】 ステップ524では、記憶装置に記憶された検出点の位置座標、狭散乱光強度信号122によるPLS相当サイズDNN又は領域サイズ、及び、広散乱光強度信号124によるPLS相当サイズDWN又は領域サイズを示すデータが、第2信号処理装置126Bに渡される。、第2信号処理装置126Bは、そのデータに基づき、既に説明した図4に示された検出・判定ロジックに従って、半導体ウェハ200上のどの位置にLLSが存在するか否か、及び、存在する場合には、そのLLSがパーティクルか、小欠陥か、あるいはEKDかが判定される。この判定結果は、対応する検出点の位置座標に関連付けられて、上記記憶装置に記憶され、そして、それに基づいて半導体ウェハ200の良否が判断される。これらの判定や判断の結果は検査結果の表示或いは更なる解析を行うために外部へ出力される。また、上記良否判断の結果に基づいて、ウェハマニピュレータ129が半導体ウェハ200の仕分けを行う。【0061】 以上図面を参照して説明した検査装置100及び検査方法によると、従来の検査方法で検査前に行われていたような選択エッチングを半導体ウェハ200に表面に施さなくても、検査が可能である。そのため、この検査装置100及び検査方法は、量産に適する。【0062】 以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は本発明の説明のための例示にすぎず、本発明の範囲をこの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨を逸脱することなく、その他の様々な態様でも実施することができる。【図面の簡単な説明】【0063】【図1】 図1Aは、本発明の一実施形態にかかる半導体ウェハの検査装置の構成を示す断面側面であり、図1Bは、光スポットによる半導体ウェハの表面のスキャニングの様子を示す様子を示す平面図である。【図2】 光センサ114、120から出力される光強度信号122、124の複数のタイプを示す波形図である。【図3】 第2信号処理装置126Bが行う表面異常の種別を判別するための分析処理の根底にある最も基本的な原理を説明する図。【図4】 第2信号処理装置126Bにより行われる分析処理で用いられる、LLSの種別を判別するためのロジックを説明する図。【図5】 第2EKD区域420の原理的な意義を説明する図。【図6】 信号処理装置126Aと126Bにより行われる分析処理の流れを示す図。【符号の説明】【0064】 100 半導体ウェハの検査装置 102 垂直入射レーザビーム 103 レーザスポット 108 狭散乱光 114 光センサ 116 広散乱光 120 光センサ 122 狭散乱光強度信号 124 広散乱光強度信号 126A 第1信号処理装置 126B 第2信号処理装置 130 サイズドLLSタイプ 136 飽和エリアタイプ 138 トラックエリアタイプ 140 アングルエリアタイプ 142 クラスタエリアタイプ 144 エリアタイプ 200 半導体ウェハ 300 PLS(polystyrene latex sphere) 302 パーティクル 304 フラット形の隆起 306 フラット形の窪み 308 タワー形の隆起 400 第1判別ライン 402 第2判別ライン 410 パーティクル区域 414 第1小欠陥区域 418 第1EKD区域 422 第2EKD区域 430 第2小欠陥区域 半導体ウェハの表面の検査点に光スポットを当てる光照射装置と、前記検査点からの散乱光のうち散乱角が所定角より狭い狭散乱光を受けて、前記狭散乱光の強度を検出する第1の光センサと、前記検査点からの散乱光のうち散乱角が所定角より広い広散乱光を受けて、前記広散乱光の強度を検出する第2の光センサと、前記第1と第2の光センサからの検出信号に応答して、前記検査点に存在する光散乱体の種別を判別する信号処理回路とを備え、前記信号処理回路は、前記第1と第2の光センサからの前記検出信号が、それぞれ、前記光散乱体が検出されたと認めることができる最低の信号レベルから、前記光散乱体のサイジングを行うことが可能な最大のサイズに対応する信号レベルの範囲の信号レベルである、サイズドタイプか否かを判定するタイプ判定手段と、前記狭散乱光の強度に応じた検出信号が前記サイズドタイプである場合、前記狭散乱光の強度に対応するPLS(polystyrene latex sphere)のサイズを示す、第1のPLS相当サイズを計算する第1計算手段と、前記広散乱光の強度に応じた検出信号が前記サイズドタイプである場合、前記広散乱光の強度に対応するPLS(polystyrene latex sphere)のサイズを示す、第2のPLS相当サイズを計算する第2計算手段と、前記第1のPLS相当サイズと前記第2のPLS相当サイズの双方に基づいて、前記光散乱体の種別を判別する判別手段とを有し、前記判別手段は、前記第1のPLS相当サイズ及び前記第2のPLS相当サイズが、前記狭散乱光及び前記広散乱光の強度に応じた検出信号のタイプがともに前記サイズドタイプである、サイジング範囲に属するか否かを判定し、判定の結果、前記第1のPLS相当サイズ及び前記第2のPLS相当サイズが前記サイジング範囲に属した場合には、次式、DNN=K・DWNここに、DNNは前記第1のPLS相当サイズ、DWNは前記第2のPLS相当サイズ、Kは1未満0.5以上の係数で表される第1の判別ラインと、次式、log(DNN)=(1/S)log(DWN)+T/S、かつ、DNN≧DWN ここに、T及びSが1未満の係数で表される第2の判別ラインと、で区切られる複数の区域に基づいて、前記光散乱体の種別が、パーティクルであるか、キラーディフェクトの可能性の高い欠陥であるか、あるいはキラーディフェクトの可能性の低い欠陥であるかを判別する半導体ウェハの検査装置。 請求項1記載の検査装置において、前記判別手段は、前記第1のPLS相当サイズ及び前記第2のPLS相当サイズが、前記サイジング範囲内の前記第1の判別ラインと、第2の判別ラインとの間に挟まれた区域である、パーティクル区域に属する場合、前記検査点に存在する光散乱体がパーティクルであると判別する、半導体ウェハの検査装置。 請求項1記載の検査装置において、前記判別手段は、前記サイジング範囲の前記パーティクル区域以外の区域に属し、かつ前記第1のPLS相当サイズが0.6μm以上である場合、前記検査点に存在する光散乱体がキラーディフェクトの可能性の高い欠陥であると判別する、半導体ウェハの検査装置。 請求項1記載の検査装置において、前記判別手段は、前記第1のPLS相当サイズ及び前記第2のPLS相当サイズが、前記サイジング範囲の前記パーティクル区域以外の区域に属し、かつ前記第1のPLS相当サイズが0.6μm未満である場合、前記検査点に存在する光散乱体がキラーディフェクトの可能性の低い欠陥であると判別する、半導体ウェハの検査装置。 請求項1記載の検査装置において、前記タイプ判定手段の判定の結果、前記狭散乱光及び前記広散乱光の強度に応じた検出信号のうちの少なくともいずれか一方が、前記サイズドタイプでない場合、前記判別手段は、前記検査点に存在する光散乱体がキラーディフェクトの可能性の高い欠陥であると判別する、半導体ウェハの検査装置。 半導体ウェハの表面の検査点に光スポットを当てるステップと、前記検査点からの散乱光のうち散乱角が所定角より狭い狭散乱光の強度を検出するステップと、前記検査点からの散乱光のうち散乱角が所定角より広い広散乱光の強度を検出するステップと、検出された前記狭散乱光及び広散乱光から、それぞれ、検出信号を生成するステップと、前記検出信号が属するタイプを、それぞれ、その信号レベルに応じて、前記光散乱体が検出されたと認めることができる最低の信号レベルから、前記光散乱体のサイジングを行うことが可能な最大のサイズに対応する信号レベルの範囲の信号レベルである、サイズドタイプか否かを判定するステップと、前記狭散乱光の強度に応じた検出信号のタイプが前記サイズドタイプである場合、前記狭散乱光の強度に対応するPLS(polystyrene latex sphere)のサイズを示す、第1のPLS相当サイズを計算するステップと、前記広散乱光の強度に応じた検出信号のタイプが前記サイズドタイプである場合、前記広散乱光の強度に対応するPLS(polystyrene latex sphere)のサイズを示す、第2のPLS相当サイズを計算するステップと、前記第1のPLS相当サイズと前記第2のPLS相当サイズの双方に基づいて、前記検査点に存在する光散乱体の種別を判別する判別ステップとを有し、前記判別ステップは、前記第1のPLS相当サイズ及び前記第2のPLS相当サイズが、前記狭散乱光及び前記広散乱光の強度に応じた検出信号のタイプがともに前記サイズドタイプである、サイジング範囲に属するか否かを判定するステップと、判定の結果、前記第1のPLS相当サイズ及び前記第2のPLS相当サイズが前記サイジング範囲に属した場合には、次式、DNN=K・DWNここに、DNNは前記第1のPLS相当サイズ、DWNは前記第2のPLS相当サイズ、Kは1未満0.5以上の係数で表される第1の判別ラインと、次式、log(DNN)=(1/S)log(DWN)+T/S、かつ、DNN≧DWN ここに、T及びSが1未満の係数で表される第2の判別ラインとで区切られる複数の区域に基づいて、前記光散乱体の種別が、パーティクルであるか、キラーディフェクトの可能性の高い欠陥であるか、あるいはキラーディフェクトの可能性の低い欠陥であるかを判別するステップと、を有する半導体ウェハの検査方法。