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タイトル:特許公報(B2)_カーボネート骨格を有する低塩基性ヒンダードアミン化合物を含有する合成樹脂組成物及びそれを含有する塗料組成物。
出願番号:2006510549
年次:2010
IPC分類:C08L 101/00,C08L 23/02,C08K 5/3435,C08K 5/357,C08K 5/5399,C09D 201/00,C09D 7/12,A01G 9/14,A01G 13/02,C07D 211/94,C07D 491/113


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根岸 由典 綾部 敬士 飛田 悦男 JP 4587488 特許公報(B2) 20100917 2006510549 20050228 カーボネート骨格を有する低塩基性ヒンダードアミン化合物を含有する合成樹脂組成物及びそれを含有する塗料組成物。 株式会社ADEKA 000000387 滝田 清暉 100087631 中村 成美 100136342 根岸 由典 綾部 敬士 飛田 悦男 JP 2004057297 20040302 20101124 C08L 101/00 20060101AFI20101104BHJP C08L 23/02 20060101ALI20101104BHJP C08K 5/3435 20060101ALI20101104BHJP C08K 5/357 20060101ALI20101104BHJP C08K 5/5399 20060101ALI20101104BHJP C09D 201/00 20060101ALI20101104BHJP C09D 7/12 20060101ALI20101104BHJP A01G 9/14 20060101ALI20101104BHJP A01G 13/02 20060101ALI20101104BHJP C07D 211/94 20060101ALN20101104BHJP C07D 491/113 20060101ALN20101104BHJP JPC08L101/00C08L23/02C08K5/3435C08K5/357C08K5/5399C09D201/00C09D7/12A01G9/14 SA01G13/02 DC07D211/94C07D491/113 C08K C07D CA/REGISTRY(STN) 特開2001−210365(JP,A) 米国特許第5096950(US,A) 特開2005−239839(JP,A) 7 JP2005003807 20050228 WO2005082852 20050909 21 20071129 大宅 郁治 【技術分野】【0001】 本発明は、長期安定性に優れた合成樹脂組成物に関し、特に、カーボネート骨格を有する低塩基性ヒンダードアミン化合物を含有する合成樹脂組成物に関する。【背景技術】【0002】 ヒンダードアミン化合物は、合成樹脂などの有機物の光劣化を抑制することが知られており、アミン構造の違いによる安定化効果の違いや使用環境からの影響の大小により、活性水素を有する構造、活性水素を持たない3級アミン構造、および3級アミン構造よりさらに低塩基性のアルキルオキシアミン構造などが検討されてきた。また、安定化する合成樹脂との相溶性や耐抽出性の向上を目的にトリアジン骨格を導入するなどの検討も行われてきた。【0003】 例えば、従来のヒンダードアミン化合物は、ポリオレフィン樹脂に用いた場合に、樹脂への相溶性が低く、樹脂から揮散してしまうため安定化効果が持続しないという問題があった。また、酸性雨や農薬に触れる用途では、酸により抽出されるという問題もあった。【0004】 カーボネート構造を有するヒンダードアミン化合物をポリオレフィン樹脂の安定化やオキシメチレン(コ)ポリマーの製造時の触媒失活剤として用いることが提案されている(特許文献1および2参照。)が、アルキルオキシアミン構造を有する低塩基性ヒンダードアミン化合物は、記載も示唆もされていない。【0005】 低塩基性ヒンダードアミン化合物としては、アルキルオキシアミン構造を有する化合物(特許文献3)、カルボン酸エステル構造、アミド構造、カルバメート構造およびアセタール構造等、種々の骨格を有するヒンダードアミン等が提案されている(特許文献4)。 低塩基性ヒンダードアミン化合物は酸による抽出に対して優れた耐性を示すので、ポリオレフィン製農業用フィルムへの活用が提案されている(特許文献5)。 しかし、カーボネート構造を有する低塩基性ヒンダードアミン化合物は記載も示唆もされていない。【0006】 従来、多くのヒンダードアミン化合物が提案されてきたが、農業用フィルムなどは光の透過率が作物の生育に大きく影響することから、より、長期の安定化効果に優れるヒンダードアミン化合物が求められている。【先行技術文献】【特許文献】【0007】【特許文献1】特開昭62−273239号公報(特許請求の範囲およびNo.30、No.31の化合物)【特許文献2】特開昭63−75019号公報(特許請求の範囲およびI-19、I-20、I-21の化合物)【特許文献3】特公昭49−40557号公報(特許請求の範囲)【特許文献4】特開平1−113368号公報(特許請求の範囲)【特許文献5】特開平2001−139821号公報(特許請求の範囲)【発明の開示】【発明が解決しようとする課題】【0008】 本発明の第一の目的は、酸性雨や薬品による抽出に対して優れた耐性を示す、長期安定性に優れた合成樹脂を提供することにある。 本発明の第二の目的は、長期安定性に優れた農業用ポリオレフィンフィルムを提供することにある。 本発明の第三の目的は、長期安定性に優れた塗料組成物を提供することにある。【課題を解決するための手段】【0009】 本発明者らは、かかる現状に鑑み鋭意検討を重ねた結果、一般式(I)及び/又は(II)で表されるカーボネート構造を有するヒンダードアミン化合物を含有する合成樹脂が、長期安定性に優れることを見出し本発明に到達した。【0010】 すなわち、本発明は、合成樹脂100重量部、及び一般式(I)又は(II)で表されるヒンダードアミン化合物を0.01〜10重量部を含有することを特徴とする合成樹脂組成物、及び該合成樹脂組成物及び溶剤を含有する塗料組成物である。【0011】【0012】 但し、Rは炭素原子数1〜30のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基、又は炭素原子数2〜30のアルケニル基、nは1〜6の整数であり、n=1のとき、R1は、炭素原子数1〜22のアルキル基、炭素原子数2〜22のアルケニル基、又は以下の一般式(III)で表わされる基であり、n=2〜6のとき、R1は、n価の炭素原子数2〜20の有機基である;但し、Rは炭素原子数1〜30のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基、又は炭素原子数2〜30のアルケニル基である。【0013】 但し、Rは炭素原子数1〜30のアルキル基又は炭素原子数2〜30のアルケニル基、R2は水素原子、炭素原子数1〜22のアルキル基又は炭素原子数2〜22のアルケニル基、Aは単結合、炭素原子数1〜12の直鎖または分岐のアルキレン基若しくはエーテル結合を有するアルキレン基であり;nは2〜6の整数;Xは-C(=O)-、-C(=O)O-を末端に有する炭素原子数4〜40の直鎖または分岐のアルキレン基、炭酸エステル結合を有する炭素原子数4〜40の直鎖または分岐のアルキレン基、若しくは3〜6個の-O-C(=O)-を末端に有する炭素原子数6〜30の有機基である。【0014】 前記一般式(I)において、nが2であるときは、Rが炭素原子数4〜22のアルキル基であり、R1が炭素原子数2〜12のアルキレン基であること好ましく、nが1であるときは、R1が下記の一般式(III)で表わされる基であることが好ましい。但し、Rは炭素原子数10〜22のアルキル基である。【0015】 本発明の合成樹脂組成物は、更に、リン酸メラミン、ピロリン酸メラミン、ポリリン酸メラミン、リン酸ピペラジン、ピロリン酸ピペラジン、ピロリン酸ピペラジン及びポリリン酸ピペラジンから選択される少なくとも1種の難燃剤を1〜30重量部含有してもよい。【0016】 また本発明の合成樹脂組成物において、前記合成樹脂がポリオレフィン樹脂であるときは、前記ヒンダードアミン化合物は、0.05〜5重量部であることが好ましく、農業用ポリオレフィンフィルムに好適である。【発明の効果】【0017】 本発明により、長期耐候性に優れた合成樹脂組成物、農業用フィルム及び塗料組成物を提供できる。【発明を実施するための最良の形態】【0018】 以下に、本発明を詳細に説明する。 本発明の合成樹脂組成物は、前記一般式(I)及び/又は(II)で表されるカーボネート骨格を有する低塩基性のヒンダードアミン化合物を含有する。【0019】 前記一般式(I)および(II)においてRが表す炭素原子数1〜30のアルキル基としては、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第二ブチル、第三ブチル、ペンチル、第二ペンチル、第三ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、第三オクチル、ノニル、イソノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシルなどの直鎖又は分岐のアルキル基、およびシクロヘキシル基などのシクロアルキル基などが挙げられる。 一般式(I)および(II)においてRが表す炭素原子数1〜30のヒドロキシアルキル基としては、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシブチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルなどが挙げられる。 上記Rはn個の単位毎に同じであっても異なっていてもよい。【0020】 一般式(I)および(II)においてRが表す炭素原子数2〜30のアルケニル基としては、例えば、ビニル、アリル、ブテニル、ペンテニル、オレイルなど上記アルキル基に対応するアルケニル基が挙げられる。【0021】 一般式(I)において、n=1のとき、R1は炭素原子数1〜22のアルキル基、炭素原子数2〜22のアルケニル基、又は前記一般式(III)の基を表す。 一般式(I)において、n=1のとき、R1が表す炭素原子数1〜22のアルキル基としては、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第二ブチル、第三ブチル、ペンチル、第二ペンチル、第三ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、第三オクチル、ノニル、イソノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ベヘニルなどが挙げられる。【0022】 一般式(I)において、n=1のとき、R1が表す炭素原子数2〜22のアルケニル基としては、例えば、ビニル、アリル、ブテニル、ペンテニル、オレイルなど上記アルキル基に対応するアルケニル基が挙げられる。【0023】 一般式(I)において、n=1のとき、R1が前記一般式(III)の基を表す場合、一般式(III)のRとしては、一般式(I)のRと同じものが挙げられるが、一般式(I)のRと同じものであっても、異なっていてもよい。 Rは好ましくは炭素原子数10〜22のアルキル基である。【0024】 一般式(I)において、n=2〜6のとき、R1が表すn価の炭素原子数2〜20の有機基としては、n価の多価ヒドロキシ化合物のヒドロキシル基を除く残基が挙げられる。 上記多価ヒドロキシ化合物としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、ビスフェノールAの水添物、ビスフェノールFの水添物、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなどが挙げられる。【0025】 一般式(II)において、R2は水素原子、炭素原子数1〜22のアルキル基又は炭素原子数2〜22のアルケニル基を表す。 上記R2が表す炭素原子数1〜22のアルキル基としては、前記Rにおけるアルキル基のうち、該当する炭素原子数のものが挙げられる。【0026】 一般式(II)においてR2が表す炭素原子数2〜22のアルケニル基としては、前記Rにおけるアルケニル基のうち、該当する炭素原子数のものが挙げられる。 上記R2はn個の単位毎に同じであっても異なっていてもよい。【0027】 一般式(II)において、Aは単結合、炭素原子数1〜12の直鎖または分岐のアルキレン基、エーテル結合を有するアルキレン基を表す。 上記Aが表す炭素原子数1〜12のアルキレン基としては、例えば、メチレン、1,2−エチレン、1,2−プロピレン、1,3−プロピレン、テトラメチレン、1,2−ブチレン、1,3−ブチレン、ペンタメチレン、2,2−ジメチルトリメチレン、ヘキサメチレン、オクタメチレンなどが挙げられる。【0028】 一般式(II)においてAが表すエーテル結合を有する炭素原子数1〜12の直鎖または分岐のアルキレン基としては、例えば、 −CH2CH2−O−CH2CH2−、 −CH2CH(CH3)−O−CH2CH(CH3)−、 −CH2CH2−O−CH2CH2−O−CH2CH2−などが挙げられる。 上記Aはn個(nは2〜6)の単位毎に同じであっても異なっていてもよい。【0029】 一般式(II)において、Xは-C(=O)-を表すか、-C(=O)O-を末端に有する炭素原子数4〜40の直鎖または分岐のアルキレン基を表すか、炭酸エステル結合を有する炭素原子数4〜40の直鎖または分岐のアルキレン基を表すか、又は3〜6個の-O-C(=O)-を末端に有する炭素原子数6〜30の有機基を表す。 一般式(II)においてXが表す-C(=O)O-結合を末端に有する炭素原子数4〜40のアルキレン基としては、 −C(=O)−O−(CH2)p−O−C(=O)−などが挙げられる。 一般式(II)においてXが表す炭酸エステル結合を有するアルキレン基としては、 −C(=O)−R3−O−C(=O)−O−R3−C(=O)− (pは2〜40の数、R3は炭素原子数2〜18のアルキレン基を表す。)などが挙げられる。 また、一般式(II)においてXが表す3〜6個の-O-C(=O)-を末端に有する有機基としては、下記の基などが挙げられる。【0030】 一般式(I)で表される化合物としては、より具体的には、化合物No.1〜No.6及び化合物No.13の化合物が挙げられ、一般式(II)で表される化合物としては、化合物No.7〜No.12の化合物が挙げられる。ただし、本発明は以下の化合物によりなんら制限を受けるものではない。【0031】【0032】【0033】【0034】【0035】【0036】【0037】【0038】【0039】【0040】【0041】【0042】【0043】【0044】 一般式(I)で表される化合物の合成方法としては、特に制限されず、後記実施例の合成で示す通常の有機合成における手法により合成可能であり、また、精製方法としては、蒸留、再結晶、再沈、ろ過剤や吸着剤を用いる方法などが適宜使用できる。【0045】 本発明の合成樹脂組成物に使用される合成樹脂としては、ポリプロピレン、低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリブテン−1、ポリ−3−メチルペンテン、ポリ−4−メチルペンテン、エチレン−プロピレン共重合体等のα−オレフィンの単重合体または共重合体、これらのα−オレフィンと共役ジエンまたは非共役ジエン等の多不飽和化合物、アクリル酸、メタクリル酸、酢酸ビニル等との共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート・イソフタレート、ポリエチレンテレフタレート・パラオキシベンゾエート、ポリブチレンテレフタレートなどの直鎖ポリエステルや酸変性ポリエステル、ポリ乳酸などの生分解性を有する脂肪族系ポリエステル、ポリカプロラクタム及びポリヘキサメチレンアジパミド等のポリアミド、ポリイミド、ポリスチレン、スチレン及び/又はα−メチルスチレンと他の単量体(例えば、無水マレイン酸、フェニルマレイミド、メタクリル酸メチル、ブタジエン、アクリロニトリル等)との共重合体(例えば、AS樹脂、ABS樹脂、MBS樹脂、耐熱ABS樹脂等)、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、塩化ゴム、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン−酢酸ビニル三元共重合体、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−マレイン酸エステル共重合体、塩化ビニル−シクロヘキシルマレイミド共重合体等の含ハロゲン樹脂、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸オクチル等の(メタ)アクリル酸エステルの重合物、ポリエーテルケトン、ポリビニルアセテート、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコール、直鎖又は分岐のポリカーボネート、石油樹脂、クマロン樹脂、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンサルファイド、ポリウレタン、繊維素系樹脂等の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂、更に、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、ブタジエン−スチレン共重合ゴム、ブタジエン−アクリロニトリル共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合ゴム、エチレンとプロピレン、ブテン−1等のα−オレフィンとの共重合ゴム、更にエチレン−α−オレフィン及びエチリデンノルボルネン、シクロペンタジエン等の非共役ジエン類との三元共重合体ゴム等のエラストマー、シクロオレフィン(共)重合体、シリコン樹脂等であってもよく、これら樹脂及び/又はエラストマーをアロイ化又はブレンドしたものであってもよい。 本発明においては、ポリオレフィン樹脂を使用することが好ましい。【0046】 上記合成樹脂は、立体規則性、比重、ポリオレフィンにおけるチーグラー・ナッタ触媒やメタロセン触媒などの重合触媒の種類、重合触媒の除去の有無や程度、結晶化の度合い、温度や圧力などの重合条件、結晶の種類、X線小角散乱で測定したラメラ晶のサイズ、結晶のアスペクト比、芳香族系または脂肪族系溶媒への溶解度、溶液粘度、溶融粘度、平均分子量、分子量分布の程度、分子量分布におけるピークがいくつあるか、共重合体にあってはブロックであるかランダムであるか、各モノマーの配合比率などにより安定化効果の発現に差異が生じることはあるものの、いかなる樹脂を選択した場合においても適用可能である。【0047】 本発明の合成樹脂組成物は、各種成形用原料に使用される。 本発明において、ヒンダードアミン化合物の含有量は、上記合成樹脂100重量部に対して、0.01〜10重量部であることが必要であり、0.05〜5重量部であることが好ましい。 ヒンダードアミン化合物の配合量が、上記範囲より少なすぎると安定化効果がなく、上記範囲より多すぎるとそれ以上の効果は期待できなかったり、樹脂の物性を損なうおそれがある。 特に、ポリオレフィン樹脂を使用する場合には、ポリオレフィン樹脂100重量部に対し、ヒンダードアミン化合物0.05〜5重量部、好ましくは0.1〜3重量部を配合する。【0048】 一般式(I)及び/又は(II)で表されるヒンダードアミン化合物を樹脂へ配合する方法は特に限定されず、公知の樹脂への安定剤の配合技術が用いられる。合成樹脂を重合する際に予め重合系に添加する方法、重合途中で添加する方法、重合後に添加する方法のいずれでもよい。また、重合後に添加する場合には、安定化する合成樹脂の粉末やペレットとヘンシェルミキサーなどで混合したものを押出機などで混練する方法や溶液として合成樹脂に噴霧して含浸させる方法、マスターバッチとした後に用いる方法などがあり、用いる加工機の種類や加工温度、加工後の冷却条件なども特に制限されず、得られる樹脂物性が用途に適したものとなる条件を選択することが好ましい。また、前記ヒンダードアミン化合物を単独または他の添加剤と一緒に顆粒状にして用いてもよい。【0049】 本発明の合成樹脂組成物には、必要に応じて、通常各々の樹脂に用いられる各種の配合剤が用いられる。配合剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、紫外線吸収剤、他のヒンダードアミン化合物、造核剤、難燃剤、難燃助剤、滑剤、充填材、可塑剤、繊維状充填材、金属石鹸、ハイドロタルサイト類、帯電防止剤、顔料、染料、抗菌剤、防黴剤、防腐剤、防汚剤、防錆剤、界面活性剤、相溶化剤、沈降防止剤、重合防止剤、増粘剤、消泡剤、カップリング剤、レベリング剤、乾燥剤、タレ防止剤、脱水剤、硬化触媒、接着付与剤、発泡剤などが挙げられる。【0050】 上記フェノール系酸化防止剤としては、例えば、α−トコフェロール、2,6−ジ第三ブチル−p−クレゾール、2,6−ジフェニル−4−オクタデシロキシフェノール、ジステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホネート、1,6−ヘキサメチレンビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アミド〕、4,4’−チオビス(6−第三ブチル−m−クレゾール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−第三ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−第三ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−第三ブチル−m−クレゾール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ第三ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4−第二ブチル−6−第三ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−第三ブチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−アクリロイルオキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フェノール、ステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、チオジエチレングリコールビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサメチレンビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、ビス〔3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)ブチリックアシッド〕グリコールエステル、ビス〔2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フェニル〕テレフタレート、1,3,5−トリス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル〕イソシアヌレート、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、トリエチレングリコールビス〔(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート〕などが挙げられる。【0051】 上記イオウ系酸化防止剤としては、例えば、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジミリスチル、チオジプロピオン酸ジステアリル等のジアルキルチオジプロピオネート類およびペンタエリスリトールテトラ(β−ドデシルメルカプトプロピオネート)等のポリオールのβ−アルキルメルカプトプロピオン酸エステル類が挙げられる。【0052】 上記リン系酸化防止剤としては、例えば、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス〔2−第三ブチル−4−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニルチオ)−5−メチルフェニル〕ホスファイト、トリデシルホスファイト、オクチルジフェニルホスファイト、ジ(デシル)モノフェニルホスファイト、ジ(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ第三ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4,6−トリ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(トリデシル)イソプロピリデンジフェノールジホスファイト、テトラ(トリデシル)−4,4’−n−ブチリデンビス(2−第三ブチル−5−メチルフェノール)ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)−1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタントリホスファイト、テトラキス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ビフェニレンジホスホナイト、9,10−ジハイドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、2,2’−メチレンビス(4,6−第三ブチルフェニル)−2−エチルヘキシルホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−第三ブチルフェニル)−オクタデシルホスファイト、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)フルオロホスファイト、トリス(2−〔(2,4,8,10−テトラキス第三ブチルジベンゾ〔d,f〕〔1,3,2〕ジオキサホスフェピン−6−イル)オキシ〕エチル)アミン、2−エチル−2−ブチルプロピレングリコールと2,4,6−トリ第三ブチルフェノールのホスファイトなどが挙げられる。 上記フェノール系、イオウ系及びリン系酸化防止剤は、単独でも混合使用されてもよい。これらの酸化防止剤の使用量は、樹脂100重量部に対して、合計で0.001〜10重量部であり、0.05〜5重量部であることがより好ましい。【0053】 上記紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、5,5’−メチレンビス(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)等の2−ヒドロキシベンゾフェノン類;2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ第三ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−第三ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−第三オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−第三ブチル−5’−カルボキシフェニル)ベンゾトリアゾール等の2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類;フェニルサリシレート、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4−ジ第三ブチルフェニル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2,4−ジ第三アミルフェニル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート類;2−エチル−2’−エトキシオキザニリド、2−エトキシ−4’−ドデシルオキザニリド等の置換オキザニリド類;エチル−α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート等のシアノアクリレート類;2−(2−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)−s−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−s−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−プロポキシ−5−メチルフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)−s−トリアジン等のトリアリールトリアジン類が挙げられる。 これらの紫外線吸収剤の使用量は、樹脂100重量部に対して、0.001〜10重量部であり、0.05〜5重量部であることがより好ましい。【0054】 上記他のヒンダードアミン化合物としては、例えば、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−1−オキシ、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルステアレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルステアレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルブタン)テトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルブタン)テトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−ブチル−2−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノール/コハク酸ジエチル重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/ジブロモエタン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−モルホリノ−s−トリアジン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−第三オクチルアミノ−s−トリアジン重縮合物、1,5,8,12−テトラキス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,5,8,12−テトラキス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,6,11−トリス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イルアミノ〕ウンデカン、1,6,11−トリス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イルアミノ〕ウンデカン等のヒンダードアミン化合物が挙げられる。【0055】 上記造核剤としては、p−t−ブチル安息香酸アルミニウム、安息香酸ナトリウムなどの芳香族カルボン酸金属塩;ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)リン酸ナトリウム、ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)リン酸リチウム、ナトリウム−2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)ホスフェート等の酸性リン酸エステル金属塩;ジベンジリデンソルビトール、ビス(メチルベンジリデン)ソルビトールなどの多価アルコール誘導体などが挙げられる。【0056】 上記難燃剤としては、ハロゲン系難燃剤、赤燐、リン酸メラミン、リン酸ピペラジン、リン酸グアニジン、ピロリン酸メラミン、ピロリン酸ピペラジン、ピロリン酸グアニジン、ポリリン酸メラミン、ポリリン酸メラミン、ポリリン酸グアニジン、リン酸エステル化合物、ホスファゼン化合物などのリン系難燃剤、メラミンシアヌレートなどの窒素系難燃剤、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどの金属水酸化物が、難燃助剤としては、三酸化アンチモン、ホウ酸亜鉛などの無機化合物、ポリテトラフルオロエチレンなどのドリップ防止剤などが挙げられる。【0057】 ハイドロタルサイト類としては、天然物でも合成品でもよく、表面処理の有無や結晶水の有無によらず用いることができる。例えば、下記一般式(IV)で表される塩基性炭酸塩が挙げられる。【0058】 Mx Mgy Alz CO3(OH)xp+2y+3z-2・nH2O (IV)(式中、Mはアルカリ金属または亜鉛を、Xは0〜6の数を、yは0〜6の数、zは0.1〜4の数を、pはMの価数を、nは0〜100の結晶水の数を表す。)【0059】 滑剤としては、ラウリルアミド、ミリスチルアミド、ラウリルアミド、ステアリルアミド、ベヘニルアミドなどの脂肪酸アミド、エチレンビスステアリルアミド、ポリエチレンワックス、カルシウムステアレート、マグネシウムステアレートなどの金属石鹸、ジステアリルリン酸エステルマグネシウム、ステアリルリン酸エステルマグネシウムなどのリン酸エステル金属塩などが挙げられる。【0060】 充填材としては、タルク、シリカ、炭酸カルシウム、ガラス繊維、チタン酸カリウム、ホウ酸カリウム、カーボンブラックや炭素繊維、フラーレンやカーボンナノチューブなどのカーボンナノ粒子などの無機物が球状物においては粒径、繊維状物においては繊維径や繊維長さおよびアスペクト比を適宜選択して用いられる。また、充填材は、必要に応じて表面処理したものを用いることが好ましい。【0061】 本発明の合成樹脂組成物を農業用フィルムに用いる場合には、作物の生長を制御するために紫外線吸収剤を配合したり、保温性を向上するために赤外線吸収剤を配合したり、ハウス内に霧が発生したり、フィルム表面が結露して作物に光が十分に届かないことがあるので、防曇剤や防霧剤や流滴剤等を配合してもよい。【0062】 前記式(I)及び(II)で表わされるヒンダードアミン化合物は、合成樹脂の安定化に効果があるので、本発明の合成樹脂組成物は特に農薬や硫黄の薫蒸による酸性成分に曝されるポリオレフィン製農業用フィルムや、屋外で酸性雨に曝される塗料、シーラントなどとして好適に用いられる。 さらに、前記ヒンダードアミン化合物は、ピロリン酸メラミンなどの酸性成分の影響により従来のヒンダードアミン化合物が十分に安定化効果を発揮できなかったような酸性成分を配合する樹脂組成物を、長期にわたり安定化させることができる。【実施例】【0063】 以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明は以下の実施例によりなんら制限を受けるものではない。【0064】[化合物No.1の合成] 4−ヒドロキシ−1−オキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン17.0g(98.1mmol)をクロロベンゼン40.0gに溶解し、70℃でジラウロイルパーオキシド31.3g(78.5mmol)をクロロベンゼン125gに溶解した溶液を3時間で滴下した。さらに6時間、同温度で、反応した。得られた反応液をガスクロマトグラフィーにより分析して原料の消失を確認した。得られた反応液は、4−ヒドロキシ−1−ウンデカノキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−ウンデカノキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オンおよびラウリン酸と溶媒の混合物であった。反応液にヘキサン50gを加え、7.3%水酸化ナトリウム水溶液53.9g(98mmol)、メタノール25gを加えて洗浄し、さらに水30gで2回洗浄してラウリン酸を除去した。無水硫酸マグネシウムで乾燥して、ろ過により硫酸マグネシウムを除去し、エバポレーターで減圧脱溶媒した。濃縮物にエタノール70mlを加え、水素化ホウ素ナトリウム0.57g(15mmol)のエタノール20ml溶液を室温で20分で滴下した。さらに1時間反応して1−ウンデカノキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オンの消失を確認し、減圧脱溶媒してトルエン50mlを加え、水30mlで5回洗浄を繰り返した。その後、40℃で減圧還流脱水、減圧脱溶媒を行いガスクロマトグラフでの面積比で純度96.1%の4−ヒドロキシ−1−ウンデカノキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン23.0g(収率68.8%)を無色液体として得た。【0065】 得られた純度96.1%の4−ヒドロキシ−1−ウンデカノキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン12.0g(35.17mmol)、ジフェニルカーボネート4.19g(19.34mmol)、炭酸カリウム0.6gをミネラルスピリット100mlに分散して170〜180℃で8時間反応して脱フェノールした。40℃まで冷却し、水30mlで3回洗浄した。60℃で減圧還流脱水を行い、エバポレーターで減圧脱溶媒した。濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:トルエン)で精製して、前記分析法による純度99.9%のビス(1−ウンデカノキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)カーボネート(収率55.5%)を無色液体として得た。【0066】 得られた化合物No.1の分析結果を下記に示す。 IRスペクトル 2800〜3050cm-1,1740cm-1,1450cm-1,1380cm-1,1360cm-1,1310cm-1,1270cm-1,1240cm-1,1190cm-1,1000cm-1 1H−NMRスペクトル(H:はプロトン数の実測値、[ ]内は計算値である) δ0.75〜2.05(CH3およびC-CH2-CのH:72.8[74]) δ3.55〜3.85(CH2-OのH:4.2[4]) δ4.60〜5.10(CH-OのH:2.0[2])【0067】[化合物No.7の合成] (1−ウンデカノキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オンの合成) 4−ヒドロキシ−1−オキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン15.0g(86.6mmol)をクロロベンゼン40.0gに溶解し、70℃でジラウロイルパーオキシド27.6g(69.3mmol)をクロロベンゼン125gに溶解した溶液を3時間かけて滴下した。その後、6時間、同温度で、反応した。得られた反応液をガスクロマトグラフィーにより分析して原料が消失していることを確認した。この反応液に、分解反応の抑制のために4−アセチル−1−オキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン0.1gを加えて0℃まで冷却した後、10%次亜塩素酸ナトリウム水溶液48.3g(64.9ミリモル)を3時間かけて滴下した。さらに3時間、同温度で反応後、15重量%チオ硫酸ナトリウム水溶液15mlを加え、40℃まで加熱して1時間反応した。有機層と水層を分離後、水層をトルエン70mlで2回抽出を行ない、有機層とあわせて無水硫酸マグネシウムで脱水した。硫酸マグネシウムをろ別して、ろ液を減圧濃縮し、ヘキサン50gを加え、55℃で20%水酸化ナトリウム水溶液17.3g(86.6mmol)を加え、メタノール15gを追加して静置した。水層を除去し、水15gで洗浄を2回行なった。加熱還流脱水して、脱溶媒、メタノール40gに溶解し、−40℃まで冷却して結晶を析出させた。ろ過により1−ウンデシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オンの白色粉末14.4g(収率50%)を得た。室温で無色の液体であった。【0068】 得られた化合物No.7の分析結果を下記に示す。 IRスペクトル 2860〜3040cm-1,2360cm-1,1740cm-1,1460cm-1,1360cm-1,1265cm-1,1200cm-1,1100cm-1,980cm-1 1H−NMRスペクトル(H:はプロトン数の実測値、[ ]内は計算値である) δ0.75〜2.10(CH3およびC-CH2-CのH:85.4[84]) δ3.25〜4.45(CH2-OのH:16.0[16])【0069】(環状アセタール骨格中間体の合成:合成例1および合成例2) 1−ウンデカノキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オン8.00g(24.58mmol)、表1に示す多価アルコール(34.41mmol)、パラトルエンスルホン酸0.54g、シクロヘキサン76.00gをフラスコに加え、70〜80℃でメタノール25gを7時間で滴下し、さらに2時間同温度に保持した。メタノールと水を留去し、40℃まで冷却して酢酸エチル40ml、炭酸ナトリウム0.15g、水30mlを加え、30分間撹拌する。静置後、水層を除去し、さらに水20mlで2回洗浄して、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、硫酸マグネシウムをろ過により除去した。ろ液を減圧脱溶媒して、淡黄色粘調液体を得た。得られた液体をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル)で精製した。用いたジオールと収率、性状および液体クロマトグラフィーにより測定した純度を表1に示す。 なお、合成例1で得られた化合物は上記の化合物No.7の中間体であり、合成例2で得られた化合物は上記の化合物No.11の中間体として用いた。【0070】【表1】【0075】 合成例1で得られた1,5−ジオキサ−9−アザ−3−エチル−3−ヒドロキシメチル−8,8,10,10−テトラメチル−9−ウンデシルオキシスピロ〔5,5〕ウンデカン8.10g(18.4mmol)、ジフェニルカーボネート2.16g(10.1mmol)、炭酸カリウム0.7gをミネラルスピリット100mlに分散して170〜180℃で8時間反応して脱フェノールした。40℃まで冷却し、水30mlで3回洗浄した。60℃で減圧還流脱水を行い、エバポレーターで減圧脱溶媒した。濃縮物をエタノール中で0℃まで冷却することにより再結晶して純度99.3%の化合物No.7(収率39.5%)を融点118.8℃の無色結晶として得た。【0071】[化合物No.11の合成] 合成例2で得られた1,5−ジオキサ−9−アザ−3−ヒドロキシ−8,8,10,10−テトラメチル−9−ウンデシルオキシスピロ〔5,5〕ウンデカン8.0g(20mmol)、ジフェニルカーボネート2.35g(11.0mmol)、炭酸カリウム0.7gをミネラルスピリット100mlに分散して170〜180℃で8時間反応して脱フェノールした。40℃まで冷却し、水30mlで3回洗浄した。60℃で減圧還流脱水を行い、エバポレーターで減圧脱溶媒した。濃縮物をエタノール中で0℃まで冷却することにより再結晶して純度99.9%の化合物No.11(収率68.4%)を融点87.4℃の無色結晶として得た。【0072】 得られた化合物No.11の分析結果を下記に示す。 IRスペクトル 2850〜2920cm-1,1750cm-1,1470cm-1,1360cm-1,1280cm-1,1230cm-1,1200cm-1,1100cm-1,1030cm-1,960cm-1 1H−NMRスペクトル(H:はプロトン数の実測値、[ ]内は計算値である) δ0.75〜2.05(CH3およびC-CH2-CのH:76.2[74]) δ3.60〜4.70(CH2-OおよびCH-OのH:14.0[14])【0073】[化合物No.13の合成] 4−ヒドロキシ−1−オキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン10.0g(57.7mmol)をクロロベンゼン40.0gに溶解し、70℃でジステアロイルパーオキシド54.4g(49.1mmol)をクロロベンゼン200gに溶解した溶液を2時間で滴下した。さらに3時間、同温度で、反応して得られた反応液をガスクロマトグラフィーにより分析して原料:ステアリン酸:目的物=7.8:21.9:70.3の面積比であった。反応液を減圧脱溶媒してヘキサン40gを加え、7.3%水酸化ナトリウム水溶液31.6g(57.7mmol)、エタノール25gを加えて40℃で30分撹拌して油水分離により洗浄し、さらに水30gで2回洗浄してラウリン酸を除去した。無水硫酸マグネシウムで乾燥して、ろ過により硫酸マグネシウムを除去し、エバポレーターで減圧脱溶媒した。濃縮物にエタノール40mlを加え、水素化ホウ素ナトリウム0.19g(5mmol)をエタノール5mlに溶解した溶液を、室温で10分で滴下した。さらに1時間反応して1−ウンデカノキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オンの消失を確認し、減圧脱溶媒してトルエン40mlを加え、水20mlで5回洗浄を繰り返した。その後、40℃で減圧還流脱水、減圧脱溶媒を行い40℃のエタノール40ml溶液として0℃まで冷却して再結晶することにより、ガスクロマトグラフでの面積比で純度94.0%の4−ヒドロキシ−1−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(収率26.4%)を白色結晶として得た。【0074】 得られた4−ヒドロキシ−1−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン8.70g(19.9mmol)、ジフェニルカーボネート2.15g(9.90mmol)、炭酸カリウム0.2gをミネラルスピリット60mlに分散して170〜180℃で6時間反応して脱フェノールした。50℃まで冷却し、水30mlで3回洗浄した。60℃で減圧還流脱水を行い、エバポレーターで減圧脱溶媒した。濃縮物を混合溶媒(トルエン/エタノール=2:8(体積比))から再結晶して純度99.9%のビス(1−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)カーボネート(収率73.8%)を融点52℃の白色粉末結晶として得た。【0076】[実施例1〜3および比較例1〜4](ポリエチレン組成物) 直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(日本ユニカー(株)製:PES120)100重量部に、カルシウムステアレート0.05重量部、テトラキス(3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル)メタン0.05重量部、トリス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスファイト0.05重量部および表2記載のヒンダードアミン化合物を添加(配合量の単位は重量部である。)して、単軸押出機によりシリンダー温度200℃、スクリュー回転数25rpmでペレット化した。得られたペレットを180℃プレスにて厚さ80μmのフィルムを作製した。【0077】 得られたフィルムを、1m×1m×1mのダンボール製容器内に置き、その中で2gの硫黄をホットプレートで薫蒸して24時間放置し、さらにサンシャインウェザオメーターで63℃、雨有条件で600時間後のカルボニルインデックスを測定した。ここにカルボニルインデックスは、フィルムの赤外線吸収スペクトル分析データを用いて〔log(Io/I)〕/dで定義される。ここでIoは1710cm-1での劣化前の透過率(%)であり、Iは劣化後の透過率(%)であり、dはフィルムの厚み(cm)であり、数値が高いほど劣化が進行していることを示す。結果を表2に示す。【0078】【表2】【0079】[実施例4および比較例5] 有機溶剤系アクリル塗料(Mr.Color スーパークリア:(株)GSIクレオス製)100重量部に表3記載のヒンダードアミン化合物0.5重量部を添加して膜厚50〜60μmにアルミニウム製基板上に塗布してキセノンウェザオメーター63℃で雨有り(120分中に18分の水スプレー)条件で500時間後の光沢保持率及び色差を測定した。結果を表3に示す。【0080】【表3】【0081】 [実施例5および比較例6]塩化ビニル樹脂(TK−1300:信越化学工業(株)製)100重量部にフタル酸系可塑剤(アデカサイザーDL−911P)72重量部、トリクレジルホスフェート10重量部、エポキシ化大豆油3重量部、Ca/Zn系液状安定剤(アデカスタブAC−212:旭電化工業(株)製)2.5重量部、CPL−46(液状過塩素酸塩系安定剤(アデカスタブCPL−46))0.5重量部、液状亜リン酸エステル安定剤(アデカスタブ1500:旭電化工業(株)製)0.83重量部、表4記載のヒンダードアミン化合物0.17重量部を配合し、160℃でロール加工して厚さ1mmのシートを得た。得られたシートを83℃のフェードメータで茶褐色に変色するまでの時間を耐候性として評価した。結果を表4に示す。【0082】【表4】【0083】[実施例6および比較例7]ブロックポリプロピレン(MFR=25g/10分、密度=0.9g/cm3、曲げ弾性率950MPa)80重量部、ピロリン酸メラミン20重量部、カルシウムステアレート0.1重量部、テトラキス(3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル)メタン0.1重量部、トリス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスファイト0.1重量部、ポリテトラフルオロエチレン0.2重量部および表5記載のヒンダードアミン化合物0.2重量部を添加して、単軸押出機によりシリンダー温度230℃、スクリュー回転数25rpmでペレット化した。得られたペレットを230℃で射出成形してサンシャインウェザオメータ63℃雨有り(120分中に18分の水スプレー)、83℃雨なしの条件で評価した。結果を表5に示す。【0084】【表5】【0085】[実施例7および比較例8]ブロックポリプロピレン(MFR=25g/10分、密度=0.9g/cm3、曲げ弾性率950MPa)100重量部、カルシウムステアレート0.1重量部、テトラキス(3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル)メタン0.1重量部、トリス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスファイト0.1重量部及び表6記載のヒンダードアミン化合物0.2重量部を250℃で押出してペレットとして、250℃で射出成形して2mm厚の試験片を得た。得られた試験片の黄色度から着色性を評価し、83℃のサンシャインウェザオメータ雨無しでクラックが発生するまでの時間を耐候性として評価した。結果を表6に示す。【0084】【表6】【産業上の利用可能性】【0086】 本発明の合成樹脂組成物及び塗料組成物は、長期耐候性に優れ、特に、ポリオレフィン樹脂組成物のフィルムは農業用フィルムに好適である。 合成樹脂100重量部、及び、一般式(I)及び/又は(II)で表されるヒンダードアミン化合物0.01〜10重量部を含有することを特徴とする合成樹脂組成物; 但し、Rは炭素原子数1〜30のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基、又は炭素原子数2〜30のアルケニル基、nは1〜6の整数であり、n=1のとき、R1は、炭素原子数1〜22のアルキル基、炭素原子数2〜22のアルケニル基、又は以下の一般式(III)で表わされる基であり、n=2〜6のとき、R1は、n価の炭素原子数2〜20の有機基である;但し、Rは炭素原子数1〜30のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基、又は炭素原子数2〜30のアルケニル基である;但し、Rは炭素原子数1〜30のアルキル基又は炭素原子数2〜30のアルケニル基、R2は水素原子、炭素原子数1〜22のアルキル基又は炭素原子数2〜22のアルケニル基、Aは単結合、炭素原子数1〜12の直鎖または分岐のアルキレン基若しくはエーテル結合を有するアルキレン基であり;nは2〜6の整数;Xは-C(=O)-、-C(=O)O-を末端に有する炭素原子数4〜40の直鎖または分岐のアルキレン基、炭酸エステル結合を有する炭素原子数4〜40の直鎖または分岐のアルキレン基、若しくは3〜6個の-O-C(=O)-を末端に有する炭素原子数6〜30の有機基である。 一般式(I)におけるRが炭素原子数4〜22のアルキル基、nが2、R1が炭素原子数2〜12のアルキレン基である、請求項1に記載された合成樹脂組成物。 一般式(I)におけるnが1であり、R1が下記の一般式(III)で表わされる基である、請求項1に記載された合成樹脂組成物;但し、Rは炭素原子数10〜22のアルキル基である。 更に、リン酸メラミン、ピロリン酸メラミン、ポリリン酸メラミン、リン酸ピペラジン、ピロリン酸ピペラジン、ピロリン酸ピペラジン及びポリリン酸ピペラジンから選択される少なくとも1種の難燃剤を1〜30重量部含有する、請求項1〜3の何れかに記載された合成樹脂組成物。 前記合成樹脂がポリオレフィン樹脂であり、前記ヒンダードアミン化合物の配合量が、0.05〜5重量部である、請求項1〜4の何れかに記載された合成樹脂組成物。 請求項5に記載された合成樹脂組成物からなる農業用ポリオレフィンフィルム。 請求項1〜4の何れかに記載された合成樹脂組成物及び溶剤を含有することを特徴とする塗料組成物。


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